説明

モニュメント風可動日除け装置

【課題】外観はモニュメント風、シート体は花弁のように手動で開閉し、商店街、街路等に複数、並設すれば活気あるアーケードを形成し、街の賑わいと癒し効果となり、構造と形状を簡素化し、構成部材は大量生産が可能な日除け装置Mを提供する。
【解決手段】基盤1に立設された主柱2、支柱3、4、5、6と各支柱3、4、5、6の頂部に取り付けられた摺動管3a、4a、5a、6aと、該摺動管3a、4a、5a、6aに挿通された支承骨7、8、9、10と、該支承骨7、8、9、10の先端部に掛止されたシート体11、主柱2内を昇降する排水管12、シート体11の展開と収納を行う可動部材13、可動部材13の下降を停止するストッパー14と、可動部材13とシート体11を操作する操作桿15とで構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モニュメント風可動日除け装置に係り、より詳しくは、主柱及び複数本の支柱等と支承骨の頂部に取り付けられた1枚のシート体が、街路、公園又は広場等に設置される一種のモニュメント風に見え、シート体は花弁のように手動で開閉して、日除け・雨除け機能を有する、モニュメント風可動日除け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
モニュメントは本来、何らかの記念、メッセージ等を伝えると共に、芸術性を有する造形物であり、これを鑑賞する者に精神的な和み、安らぎ等を感じさせると共に、モニュメントが設置されている環境、例えば商店街、街路、公園、広場等においては、楽しさ、明るさ、活気ある雰囲気等を醸し出す効果もあり、結果的には多数の顧客、来訪者等を参集させる広告媒体としての機能をも発揮する。近年のストレス社会、特に人口密集地域においては、モニュメントが有する癒し効果と共に、商店街、街路等の活性効果を期待する声は高まり、モニュメント設置の希望は増加する傾向にある。
【0003】
しかしモニュメントは、芸術作品の一種であり、その多くは芸術家によってデザインされ、造形された一品だけの制作作品である。したがって、その作品完成には卓越した感性、熟練した技術と共に長い制作時間を要するために、量産化には不向きといわれている。
【0004】
モニュメント風日除け装置等は、未だ提案されていない現況にあり、屋外のイベント会場や展示場等に設置されて、日除け又は雨除けとして用いられる大型の折り畳みパラソルとして、特開2000−106927「パラソル」が提案、開示されている。特開2000−106927は、雨滴が外周部に落ちず、雨水は中央部に集約するパラソルの提供を課題とし、その解決手段として、基礎に立設される円筒状の支柱と、この支柱に嵌合されて上下方向に摺動する円環状のスライド体と、このスライド体の円周面に45°間隔毎に枢着自在に取り付けられた8本の骨組と、この8本の骨組間に編み込まれたシートと、支柱の頂端部と8本の骨組の中間部とにそれぞれピン枢支された支え骨と、一端をスライド体に固定すると共にその中途側を支柱の頂端部に設けられた滑車に掛け、かつ他端側を支柱に併設されたウインチの図示しないドラムに巻き付け・巻き戻し自在にしたワイヤロープとを備えている。そしてワイヤロープをウインチのドラムにて巻き付け・巻き戻すことにより、支柱に沿ってスライド体が上下動し、8本の骨組が支柱を中心に開閉する。このパラソルの開時に、シートは従来の傘とは逆の上方に広がって、日よけ、雨よけになる、構成としている。しかしながら、特開2000−106927においては、ウインチが支柱の根元に外付けになっているために、パラソルを開いた後は、ウインチが通行人等に障害物になると共に、デザイン的にも美麗さに欠け、モニュメントとしての印象度も低い。
【0005】
上記、特開2000−106927の改善案として、特開2003−210225「パラソル」が開示されている。特開2003−210225は複数の骨組間に張り付けられたシートを支柱の片側だけに開くようにして設置範囲を可及的に拡大できるデザイン的に優れたパラソルの提供を課題とし、その解決手段として、基礎に立設される支柱と、支柱に嵌合されて上下方向に摺動するスライド体と、スライド体に枢着自在に取り付けられた複数の骨組と、各骨組間に張り付けられたシートと、支柱の頂部と各骨組間部とにそれぞれピン枢支された支え骨と、一端をスライド体に固定すると共にその中途側を支柱の頂部に設けられた滑車に掛け、他端側をウインチのドラムに巻き付け・巻き戻し自在にしたワイヤロープとを備えたパラソルにおいて、スライド体を挟んで一直線になるように該スライド体に一対の骨組を枢着すると共に、該一対の骨組間のスライド体片側のみに一対の骨組を枢着した、ことを特徴としている。しかしながら、特開2003−210225は、スライド体の片側のみに枢着された複数の骨組間に張り付けられたシートを支柱の片側だけに上方に広がるようにして開くことにより、パラソルの設置範囲を可及的に拡げる効果はあるとしても、支柱はシートの片側寄りに立設され、極めてアンバランスなデザインになっているため、これを見る多数人には、精神的な癒しを与えることは困難と言わざるを得ない。
【特許文献1】特開2000−106927号公報
【特許文献2】特開2003−210225号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする第1の課題は、外観形状は一種のモニュメントに見え、シート体は花弁のように開閉して、日除け・雨除けとなる、モニュメント風可動日除け装置を提供することにあり、第2の課題は、商店街、街路等にモニュメント風可動日除け装置を複数、並設することにより、楽しさ、明るさ、活気あるアーケードを形成すると共に、夜間にあっては、カバー付きアッパーライトを光のオブジェとして、街の賑わいと癒し効果を提供することにあり、第3の課題は、構造と形状を簡素化して、当該構成部材は大量生産が可能なモニュメント風可動日除け装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記の従来技術が有する、各種の問題点に鑑み、鋭意検討を重ね、特に特許文献1〜2にあるような雨除け、日除けを主目的とし、その目的が達成したら撤収される変則パラソルではなく、また雨除け、日除けを目的とする通常のパラソル、テント業界等の分野では想到されていなかったことに着目して、第1〜第3の課題を解決するための本発明を完成させたもので、その最大の特徴は、主柱及び複数本の支柱等と支承骨の頂部に取り付けられた1枚のシート体が、公園又は広場等に常設された一種のモニュメント風に見え、シート体は、例えば朝顔の花弁のように手動で開閉することにあり、課題を解決するための手段は、本願、特許請求の範囲の各請求項に記載の発明であり、その具体的な解決手段は、以下の通りである。
【0008】
課題を解決するための第1の発明は、請求項1に記載の発明であり、基盤の中心部に垂直状に立設された主柱と、前記主柱の廻りを囲繞し、垂直状に立設された複数本の支柱と、前記各支柱の頂部に取り付けられた摺動管を介してスライド可能に保持された支承骨と、前記支承骨の先端部に掛止され、中央部には漏斗状集水口を設けたシート体と、前記主柱に装着され、前記シート体の展開と収納に伴って、主柱内を昇降する排水管と、前記シート体の展開と収納を行う可動部材と、前記主柱及び各支柱を固定すると共に可動部材の下降を停止するストッパーと、前記可動部材を操作する操作桿と、を具備したことを特徴としている。
【0009】
課題を解決するための第2の発明は、請求項2に記載の発明であり、前記可動部材は、前記各支承骨の基端部を回動可能に集束する筒状集束体と、当該筒状集束体から各支柱に水平かつ放射状に架設された摺動パイプとからなることを特徴としている。
【0010】
課題を解決するための第3の発明は、請求項3に記載の発明であり、前記支承骨の先端には、シート体の掛止具を掛止するための係止部が設けられていることを特徴としている。
【0011】
課題を解決するための第4の発明は、請求項4に記載の発明であり、前記基盤の中心部には、主柱の下方部を嵌合する筒体が垂直状に立設されたことを特徴としている。
【0012】
課題を解決するための第5の発明は、請求項5に記載の発明であり、前記主柱の下端近傍には、排水孔が穿設されていることを特徴としている。
【0013】
課題を解決するための第6の発明は、請求項6に記載の発明であり、前記筒体には、主柱の排水孔に連結する排水ホースが取り付けられたことを特徴としている。
【0014】
課題を解決するための第7の発明は、請求項7に記載の発明であり、前記基盤、主柱、支柱、摺動管、支承骨、排水管、集束体、摺動パイプ、ストッパー、操作桿及び筒体の素材が、アルミニウム、ステンレススチール、鉄又は硬質合成樹脂材であることを特徴としている。
【0015】
課題を解決するための第8の発明は、請求項8に記載の発明であり、前記シート体は、ナイロン又はポリエステル繊維を基布とし、上面は防水加工、防炎及び耐熱加工されていることを特徴としている。
【0016】
課題を解決するための第9の発明は、請求項9に記載の発明であり、前記シート体の下面は、少なくとも1〜2種以上の着色が施されていることを特徴としている。
【0017】
課題を解決するための第10の発明は、請求項10に記載の発明であり、前記各支柱の上部には、前記シート体を照明するカバー付きアッパーライトが取り付けられたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る、モニュメント風可動日除け装置は、上記の特徴的構成により、以下の効果を奏する。第1及び第2の発明によれば、モニュメント風可動日除け装置を構成する部材の、主柱、複数本の支柱、排水管、可動部材及びストッパー等は、巨大な活け花用の花器を連想させ、支承骨は花弁の裏面の葉脈に見え、また該支承骨の先端部に掛止されたシート体は、花器に活けられた活け花を感じさせ、可動部材による昇降操作により、あたかも朝顔の花が開閉するように、シート体は展開・収納を随時に行うことができ、シート体の展開時は、日除け、雨除けとなり、強風等の悪天候時のシート体は、朝顔の花が閉じるように、可動部材の降下操作により、シート体は収納される。また例えば、商店街、街路等にモニュメント風可動日除け装置を複数、並設すれば、商店街、街路等は、楽しさ、明るさ、さらに活気あるアーケードを形成し、顧客の増加と近隣地域の活性化につながる。これにより、第1及び第2の課題は解決された。
【0019】
第3の発明によれば、支承骨の先端部には、シート体を掛止するための係止部が設けられ、シート体の掛止具、例えばループ等を係止部に掛止しているので、操作桿を操作してシート体の着脱は容易に行うことができる。
【0020】
第4の発明によれば、基盤の中心部には、主柱の下方部を嵌合する筒体が垂直状に立設されているので、主柱は安定して固定されると共に、排水管の昇降、シート体の開閉は円滑に操作される。
【0021】
第5及び第6の発明によれば、主柱の下端近傍には、排水孔が穿設され、筒体には、主柱の排水孔に連結する排水ホースが取り付けられているので、シート体に降った雨水は、集水口から排水管、排水孔を経て排水ホースから基盤外に排出される。
【0022】
第7の発明によれば、基盤、主柱、支柱、摺動管、支承骨、排水管、筒状集束体、摺動パイプ、ストッパー、操作桿及び筒体の素材は、アルミニウム、ステンレススチール、鉄又は硬質合成樹脂材であるから、各種公知技術により大量生産が可能となり、これにより、第3の課題が解決された。
【0023】
第8の発明によれば、シート体は、ナイロン又はポリエステル繊維を基布とし、上面は防水加工、防炎及び耐熱加工されているので、雨水は漏斗状集水口に集水され、たばこ等の可燃物がシート体上に投棄されても、燃焼することがなく、また耐熱加工されているから、日除けとして好適に機能する。
【0024】
第9及び第10の発明によれば、シート体の下面は、少なくとも1〜2種以上の着色が施され、各支柱の上部には、前記シート体を照明するカバー付きアッパーライトが取り付けられているので、昼間はもちろん、夜間はアッパーライトにより、着色されたシート体は、光のオブジェとしてライトアップされ、街の賑わいと癒し効果を高めることができる。
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以下、本願特許請求の範囲、本願明細書において用いる用語の解釈上の疑義を解消するべく、用語の定義又は説明をすることとする。
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モニュメント風可動日除け装置とは、主柱及び複数本の支柱等と支承骨の頂部に取り付けられた1枚のシート体が、街路、公園又は広場等に設置される一種のモニュメント風に見え、シート体は花弁のように手動で開閉して、日除け・雨除け機能を有する装置をいう。
モニュメント風可動日除け装置は、基盤の中心部に垂直状に立設された主柱と、
前記主柱の廻りを囲繞し、垂直状に立設された複数本の支柱と、
前記各支柱の頂部に取り付けられた摺動管を介してスライド可能に保持された支承骨と、
前記支承骨の先端部に掛止され、中央部には漏斗状集水口を設けたシート体と、
前記主柱に装着され、前記シート体の展開と収納に伴って、主柱内を昇降する排水管と、
前記シート体の展開と収納を行う可動部材と、
前記可動部材の下降を停止するストッパーと、
前記主柱及び各支柱を固定すると共に可動部材を操作する操作桿とから構成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に係る、モニュメント風可動日除け装置に関する最良の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、モニュメント風可動日除け装置(以下、日除け装置Mという)を街路に設置した状態を示す斜視図、図2は、図1における2−2線線矢視図、図3は、図2における3−3線矢視図、図4は、A部の拡大断面図、図5は、図4における5−5線矢視図、図6は、図3における6−6線矢視図、図7は、シート体を収納した状態の一部切欠断面図、図8(a)、(b)は、操作桿の一部省略正面図である。
【0026】
日除け装置Mは、図1及び図2に示すように、基盤1の中心部に垂直状に立設された主柱2、当該主柱2の廻りを囲繞するように立設された複数本の支柱3、4、5及び6と各支柱3、4、5及び6の頂部に取り付けられた摺動管3a、4a、5a及び6aと、当該摺動管3a、4a、5a及び6aにスライド可能に挿通された支承骨7、8、9及び10と、当該支承骨7、8、9及び10のそれぞれ先端部に掛止されたシート体11、主柱2内を昇降自在に装着された排水管12、シート体11の展開と収納を行う可動部材13、主柱2及び各支柱3、4、5及び6を固定すると共に、可動部材13の下降を停止するストッパー14と、可動部材13とシート体11を操作する操作桿15(図8(a)、(b)参照)を、主な構成部材としている。
【0027】
可動部材13は、図1〜図4等に示すように、各支承骨7、8、9及び10の基端部7a、8a、9a及び10aを回動可能に集束する筒状集束体13aと、当該筒状集束体13aの下部から各支柱3、4、5及び6に水平かつ放射状に架設された摺動パイプ13bからなり、筒状集束体13aの上部外周面には支承骨7、8、9及び10の基端部7a、8a、9a及び10aを取り付けるための取付板13cが設けられ、ピン13dによりそれぞれ枢支されている。
【0028】
また支承骨の7、8、9及び10の先端部には、図1〜図4等に示すように、シート体11の掛止具であるループ11aを掛止するための係止部7b、8b、9b及び10bが設けられ、シート体11の各隅端部には紐状のループ11aが取り付けられ、該ループ11aはそれぞれ支承骨の7、8、9及び10の係止部7b、8b、9b及び10bに掛止されている。
【0029】
基盤1の中央部には、主柱2の外径が嵌合可能な内径とした筒体1aが垂直状に立設され、当該主柱2の下端近傍部は、該筒体1a内に嵌合されている(図3、参照)。主柱2の下端近傍には排水孔2aが穿設され、その排水孔2aは基盤1の筒体1aに取り付けられた排水ホース1bに連結されている。
【0030】
日除け装置Mを構成する基盤1、主柱2、支柱3、4、5及び6、摺動管3a、4a、5a及び6a、支承骨7、8、9及び10、排水管12、筒状集束体13a、摺動パイプ13b、ストッパー14、操作桿15及び筒体1a等は、その素材である、アルミニウム、ステンレススチール、鉄又は硬質合成樹脂材等を、各種公知技術、例えば鋳造、押型成型、機械加工等により製造される。
【0031】
図3はシート体11を展開した状態を示し、該シート体11は、ナイロン又はポリエステル繊維を基布とし、上面11bは防水加工、例えば、ウレタン樹脂又はアクリル樹脂等を塗布するコーティング加工が施され、またアンチモン化合物やリン酸系化合物を付着させる防炎加工、ポリエステルフィルム等の耐熱プロテクトフィルムを貼着する耐熱加工等が施されている。さらに、シート体11の下面11cは、1〜2種以上の着色によりカラフルな色彩、絵柄模様等が現出されている。11dは漏斗状集水口で、シート体11の下面11c中央部に溶着され、排水管12に着脱可能とされている。16、17、18及び19は、シート体11を下方から照明するアッパーライトで、16a、17a、18a及び19aは、カバーである。図3におけるH1は、日除け装置Mにおけるの地面Fから可動部材13を最上部に伸展した状態の高さ寸法で、約2m30cm〜2m70cmとされ、H2は、同可動部材13を最上部に伸展した状態における、可動部材13から支承骨7、8、9及び10先端の係止部7b、8b、9b、10bまでの高さ寸法で、約85cm〜95cmとされている。
【0032】
図5は、可動部材13の筒状集束体13aと支柱3、4、5、6の架設状態を示し、摺動パイプ13bは、筒状集束体13aから水平かつ放射状に架設された枝管13eを介して、各支柱3、4、5に及び6に水平かつ放射状に架設されている。1cはアンカーボルトである。
【0033】
図6は、ストッパー14と主柱2及び支柱3、4、5、6との架設状態を示し、図示するように、ストッパー14は主柱2の頂部に固定されると共に、主柱2の外周面から水平かつ放射状に延設されて支柱3、4、5、6の外周面に固着されている。ストッパー14は、可動部材13の降下を停止すると共に、主柱2及び支柱3、4、5、6を補強的に固定するものである。
【0034】
図7は、シート体の不要時、例えば強風等が吹き荒れる悪天候時や、店舗等の営業終了時は、可動部材13を操作桿15により、最下点であるストッパー14の固定位置まで降下させて、シート体を折り畳み、収納した状態を示し、アッパーライト16、17、18及び19は消灯されている。図8(a)は、操作桿15を示し、頂部はT字状をなし、その下部15a左右の何れかで、可動部材13の枝管13eの何れかに係止して降下させる。また上部15bは、可動部材13を上昇させるとき、また下部15a又は上部15bをシート体11のループ11aを支承骨7、8、9、10の各係止部7b、8b、9b、10bから離脱するときに使用される。図8(b)は、他の操作桿150を示し、頂部はフック状をなし、その下部150aで、可動部材13の枝管13eの何れかに係止して降下させる。また上部150bは可動部材13を上昇させるとき、また下部150a又は上部150bをシート体11のループ11aを支承骨7、8、9、10の各係止部7b、8b、9b、10bから離脱するときに使用される。なお15c及び150cは把持部であり、操作桿15及び150全体の長さ寸法hは、約1m〜1m30cmとし、少なくともシート体11を収納し、ループ11aを支承骨7、8、9、10の各係止部7b、8b、9b、10bから離脱可能な寸法に設定されている。
【0035】
次に、日除け装置Mの使用態様等について説明する。例えば図7に示すように、シート体11が収納された状態から、図1及び図3に示す、シート体11を展開状態にするのには、まず、操作桿15の上部15bを支承骨7、8、9、10の基端部7a、8a、9a、10aの何れかに当接し、操作桿15を上方に押し上げると、摺動パイプ13bはストッパー14から離脱するので、直ちに操作桿15の上部15bを枝管13dの下面に移動させ、徐々にこれを押し上げると、可動部材13は、各支柱3、4、5、6をスライドし、同時に各支承骨7、8、9、10は、摺動管3a、4a、5a、6aを介して斜め上方にスライドしていき、可動部材13が最上点に達すると、シート体11は図1及び図3に示すように展開する。
【0036】
またシート体11を折り畳んで収納するのには、以下の手順で操作する。まず、操作桿15の下部15aを可動部材13の枝管13eの上部に係止し、これを図3の矢線C1に示すように下方に降下させれば、摺動パイプ13bは各支柱3、4、5、6をスライドし、同時に各支承骨7、8、9、10は、摺動管3a、4a、5a、6aを介して斜め下方にスライドしていくと同時に、矢線C2に示すように折り畳まれ、可動部材13がストッパー14に達すると、シート体11は図7に示すように収納される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】は、本発明に係る、日除け装置Mを街路に設置した状態を示す斜視図である。
【図2】は、図1における2−2線線矢視図である。
【図3】は、図2における3−3線線矢視図である。
【図4】は、A部の拡大断面図である。
【図5】は、図4における5−5線拡大矢視図である。
【図6】は、図3における6−6線拡大矢視図である。
【図7】は、シート体を収納した状態の一部切欠断面図である。
【図8】(a)、(b)は、操作桿の一部省略正面図である。
【符号の説明】
【0038】
M 日除け装置
1 基盤
2 主柱
3、4、5、6 支柱
3a、4a、5a、6a 摺動管
7、8、9、10 支承骨
7a、8a、9a、10a 支承骨の基端部
7b、8b、9b、10b 係止部
11 シート体
11d 漏斗状集水口
12 排水管
13 可動部材
13a 筒状集束体
13b 摺動パイプ
13c 取付板
13d ピン
13e 枝管
14 ストッパー
15 操作桿
16、17、18、19 アッパーライト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基盤の中心部に垂直状に立設された主柱と、
前記主柱の廻りを囲繞し、垂直状に立設された複数本の支柱と、
前記各支柱の頂部に取り付けられた摺動管を介してスライド可能に保持された支承骨と、
前記支承骨の先端部に掛止され、中央部には漏斗状集水口を設けたシート体と、
前記主柱に装着され、前記シート体の展開と収納に伴って、主柱内を昇降する排水管と、
前記シート体の展開と収納を行う可動部材と、
前記主柱及び各支柱を固定すると共に可動部材の下降を停止するストッパーと、
可動部材を操作する操作桿と、
を具備したことを特徴とする、モニュメント風可動日除け装置
【請求項2】
前記可動部材は、前記各支承骨の基端部を回動可能に集束する筒状集束体と、当該筒状集束体から各支柱に水平かつ放射状に架設された摺動パイプとからなることを特徴とする、請求項1に記載のモニュメント風可動日除け装置。
【請求項3】
前記支承骨の先端には、シート体の掛止具を掛止するための係止部が設けられていることを特徴とする、請求項1〜2の何れかに記載のモニュメント風可動日除け装置。
【請求項4】
前記基盤の中心部には、主柱の下方部を嵌合する筒体が垂直状に立設されたことを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載のモニュメント風可動日除け装置。
【請求項5】
前記主柱の下端近傍には、排水孔が穿設されていることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載のモニュメント風可動日除け装置。
【請求項6】
前記筒体には、主柱の排水孔に連結する排水ホースが取り付けられたことを特徴とする、請求項1〜5の何れかに記載のモニュメント風可動日除け装置。
【請求項7】
前記基盤、主柱、支柱、摺動管、支承骨、排水管、集束体、摺動パイプ、ストッパー、操作桿及び筒体の素材が、アルミニウム、ステンレススチール、鉄又は硬質合成樹脂材のうちの何れかであることを特徴とする、請求項1〜6の何れかに記載のモニュメント風可動日除け装置。
【請求項8】
前記シート体は、ナイロン又はポリエステル繊維を基布とし、上面は防水加工、防炎及び耐熱加工されていることを特徴とする、請求項1〜7の何れかに記載のモニュメント風可動日除け装置。
【請求項9】
前記シート体の下面は、少なくとも1〜2種以上の着色が施されていることを特徴とする、請求項1〜8の何れかに記載のモニュメント風可動日除け装置。
【請求項10】
前記各支柱の上部には、前記シート体を照明するカバー付きアッパーライトが取り付けられたことを特徴とする、請求項1〜9の何れかに記載のモニュメント風可動日除け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−75322(P2008−75322A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−255158(P2006−255158)
【出願日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(597025080)神村鉄工株式会社 (8)
【Fターム(参考)】