説明

モノアゾキノロン顔料、それらの製造方法およびそれらの使用

Wは、非置換または置換C6〜C24アリールまたは非置換または置換ヘテロアリールであるか、あるいは式(1a)の基である(式中、Ar2は、非置換または置換C6〜C24アリールまたは非置換または置換ヘテロアリールであり、Ar1は、非置換または置換C6〜C24アリールまたは非置換または置換ヘテロアリールであり、R、R1およびR2は、各々互いに独立に、水素、C1〜C6アルキル、ハロゲン、シアノ、CF3、ニトロ、NR34、COOR4、NR4COR3、COO-+、COR4、OR4、SR3、SO23、SO2NR34、SO3-+、あるいは、非置換またはR5で一置換もしくは多置換されたC6〜C24アリールであり、R3は、C1〜C6アルキル、あるいは、非置換またはハロゲン、ヒドロキシ、OR7、シアノ、ニトロ、SR7、NR67、COOR7、CONR67、NR6COR7、NR6COOR7、COO-+、COR4、OR4、SO27、SO2NR67、SO3-+で、または、SO37で一置換もしくは多置換されたC6〜C12アリールであり、R4は、水素またはR3の意味を有し、R5は、水素、C1〜C4アルキル、ハロゲン、ニトロ、NR78またはOR7であり、R6は、水素またはC1〜C3アルキルであり、R7およびR8は、各々互いに独立に、水素;C1〜C3アルキル;非置換またはハロゲン、ニトロ、OR5、NR1617で一置換もしくは多置換されたフェニル;あるいは非置換またはハロゲン、ニトロ、OR5、NR1617で一置換もしくは多置換されたベンジルであり、かつ、X+は、カチオンH+、Li+、Na+、K+、Mg++1/2、Ca++1/2、Sr++1/2、Ba++1/2、Cu+、Cu++1/2、Zn++1/2、Mn++1/2、Al+++1/3または[NR9101112+であり、ここで、R9、R10、R11およびR12は、各々互いに独立に、水素;C1〜C6アルキル;非置換またはC1〜C6アルキル、ハロゲン、ニトロ、OR5、NR1617で一置換もしくは多置換されたフェニル;あるいは非置換またはC1〜C6アルキル、ハロゲン、ニトロ、OR5、NR1617で一置換もしくは多置換されたベンジルであり、かつ、R16およびR17は、各々互いに独立に、水素またはC1〜C6アルキルである、互変異性体の一つにおいて、式(1)に相当するモノアゾキノロン顔料は、高分子量材料の着色に好適であり、得られる着色の良好な堅牢性を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なモノアゾキノロン顔料、それらの製造方法、および着色剤、特に、高分子量材料の着色用の着色剤に関する。
【背景技術】
【0002】
モノアゾキノロン顔料は公知である。例えば、US−A−3119808は、カップリング成分中にスルホン酸基もカルボン酸基も含有しないモノアゾキノロン顔料を開示している。
着色の品質、例えば堅牢性あるいは用途関連特性、例えば移行性または上塗り可能性についての要求はますます増大し、その結果、特に堅牢性に関して改良された特性を示す新規な顔料に対する必要性が依然として存在している。
【0003】
したがって、本発明の基礎を成す目的は、顔料が上で特徴付けられた品質を高度に有する、特に表面コーティング、印刷インクおよびカラーフィルター製造用のあるいはプラスチックの着色用の、新規で、改良されたモノアゾキノロン顔料を見出すことである。新規な顔料は、高純度の色合い、高度の色強度および上塗りと移行に対する良好な堅牢性を有する着色を与える必要がある。得られる着色は、特に、熱、光および風化に対して良好な堅牢性を示す必要がある。
【0004】
上記の目的は、以下に記載の新規なモノアゾキノロン顔料により、おおむね達成されることが見出されている。
【0005】
したがって、本発明は、互変異性体の一つにおいて、式(1):
【0006】
【化8】

【0007】
[式中、
Wは、非置換または置換C6〜C24アリールまたは非置換または置換ヘテロアリールであるか、あるいは式(1a):
【化9】


(式中、
Ar2は、非置換または置換C6〜C24アリールまたは非置換または置換ヘテロアリールであり、
Ar1は、非置換または置換C6〜C24アリールまたは非置換または置換ヘテロアリールであり、
R、R1およびR2は、各々互いに独立に、水素、C1〜C6アルキル、ハロゲン、シアノ、CF3、ニトロ、NR34、COOR4、NR4COR3、COO-+、COR4、OR4、SR3、SO23、SO2NR34、SO3-+、あるいは、非置換またはR5で一置換もしくは多置換されたC6〜C24アリールであり、
3は、C1〜C6アルキル、あるいは、非置換またはハロゲン、ヒドロキシ、OR7、シアノ、ニトロ、SR7、NR67、COOR7、CONR67、NR6COR7、NR6COOR7、COO-+、COR4、OR4、SO27、SO2NR67、SO3-+で、または、SO37で一置換もしくは多置換されたC6〜C12アリールであり、
4は、水素またはR3の意味を有し、
5は、水素、C1〜C4アルキル、ハロゲン、ニトロ、NR78、またはOR7であり、
6は、水素またはC1〜C3アルキルであり、
7およびR8は、各々互いに独立に、水素;C1〜C3アルキル;非置換またはハロゲン、ニトロ、OR5、NR1617で一置換もしくは多置換されたフェニル;あるいは非置換またはハロゲン、ニトロ、OR5、NR1617で一置換もしくは多置換されたベンジルであり、かつ、
+は、カチオンH+、Li+、Na+、K+、Mg++1/2、Ca++1/2、Sr++1/2、Ba++1/2、Cu+、Cu++1/2、Zn++1/2、Mn++1/2、Al+++1/3または[NR9101112+であり、ここで、R9、R10、R11およびR12は、各々互いに独立に、水素;C1〜C6アルキル;非置換またはC1〜C6アルキル、ハロゲン、ニトロ、OR5、NR1617で一置換もしくは多置換されたフェニル;あるいは非置換またはC1〜C6アルキル、ハロゲン、ニトロ、OR5、NR1617で一置換もしくは多置換されたベンジルであり、かつ、
16およびR17は、各々互いに独立に、水素またはC1〜C6アルキルである)
の基である]
に相当するモノアゾキノロン顔料に関する。
【0008】
好ましいモノアゾキノロン顔料は、式(1b):
【0009】
【化10】

【0010】
(式中、
Ar1およびAr2は、非置換または置換C6〜C24アリールまたは非置換または置換ヘテロアリールであり、
R、R1およびR2は、各々互いに独立に、水素、C1〜C6アルキル、ハロゲン、シアノ、CF3、ニトロ、NR34、COOR4、NR4COR3、COO-+、COR4、OR4、SR3、SO23、SO2NR34、SO3-+、あるいは、非置換またはR5で一置換もしくは多置換されたC6〜C24アリールであり、
3は、C1〜C6アルキル、あるいは、非置換またはハロゲン、ヒドロキシ、OR7、シアノ、ニトロ、SR7、NR67、COOR7、CONR67、NR6COR7、NR6COOR7、COO-+、COR4、OR4、SO27、SO2NR67、SO3-+で、または、SO37で一置換もしくは多置換されたC6〜C12アリールであり、
4は、水素またはR3の意味を有し、
5は、水素、C1〜C4アルキル、ハロゲン、ニトロ、NR78、またはOR7であり、
6は、水素またはC1〜C3アルキルであり、
7およびR8は、各々互いに独立に、水素;C1〜C3アルキル;非置換またはハロゲン、ニトロ、OR5、NR1617で一置換もしくは多置換されたフェニル;あるいは非置換またはハロゲン、ニトロ、OR5、NR1617で一置換もしくは多置換されたベンジルであり、かつ、
+は、カチオンH+、Li+、Na+、K+、Mg++1/2、Ca++1/2、Sr++1/2、Ba++1/2、Cu+、Cu++1/2、Zn++1/2、Mn++1/2、Al+++1/3または[NR9101112+であり、ここで、R9、R10、R11およびR12は、各々互いに独立に、水素;C1〜C6アルキル;非置換またはC1〜C6アルキル、ハロゲン、ニトロ、OR5、NR1617で一置換もしくは多置換されたフェニル;あるいは非置換またはC1〜C6アルキル、ハロゲン、ニトロ、OR5、NR1617で一置換もしくは多置換されたベンジルであり、かつ、
16およびR17は、各々互いに独立に、水素またはC1〜C6アルキルである)
に対応する。
【0011】
各々互いに独立に、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、4−ビフェニル、フェナントリル、2−もしくは9−フルオレニルまたはアントラセニル、好ましくはフェニル、1−ナフチルまたは2−ナフチルが、W、Ar1およびAr2のC6〜C24アリールとして考慮される。
【0012】
ヘテロアリールとしてのW、Ar1およびAr2は、各々互いに独立に、例えば、C、N、OおよびSから選択される5〜18原子を含み、少なくとも6個の共役π電子を含有するポリ不飽和へテロ環系である。そのような構造は、例えば、チエニル、ベンゾ[b]チエニル、ジベンゾ[b,d]チエニル、チアントレニル、フリル、フルフリル、2H−ピラニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、フェノキシチイニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ビピリジル、トリアジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、キノリジニル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、カルボリニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアジニル、フラザニルまたはフェノキサジニルである。
【0013】
R、R1、R2、R3、R4、R9、R10、R11、R12、R16およびR17としての、ならびにR9、R10、R11およびR12における置換基としてのC1〜C6アルキルは、各々互いに独立に、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソブチル、ヘプチルまたはヘキシルである。
【0014】
6〜C24アリールとしてのR、R1およびR2は、各々互いに独立に、例えば、フェニルおよびナフチルである。
【0015】
6〜C12アリールとしてのR3およびR4は、各々互いに独立に、例えば、フェニルおよびナフチルである。
【0016】
1〜C4アルキルとしてのR5は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルまたはイソブチル、好ましくはメチルまたはエチル、特にメチルである。
【0017】
6、R7およびR8としてのC1〜C3アルキルは、各々互いに独立に、例えば、メチル、エチル、n−プロピルおよびイソプロピルである。
【0018】
各々互いに独立に、例えば、フッ素、塩素または臭素、好ましくは塩素または臭素、特に塩素が、R、R1、R2およびR5としての、ならびにR3、R7、R8、R9、R10、R11およびR12におけるハロゲンとして考慮される。
【0019】
アリール基としてのAr1は、好ましくはフェニルまたはナフチル基であり、これらの基は、非置換または1以上の置換基R8で置換されていることが可能である。
【0020】
Ar1は、好ましくは、式(2):
【0021】
【化11】

【0022】
式中、
13、R14およびR15は、各々互いに独立に、水素、C1〜C6アルキル、ハロゲン、シアノ、CF3、ニトロ、NR34、COOR4、NR4COR3、COO-+、COR4、OR4、SR3、SO23、SO2NR34、SO34、SO3-+、あるいは、非置換またはR5で一置換もしくは多置換されたC6〜C12アリールである)
の基である。
【0023】
Ar2は、好ましくは、式(2):
【0024】
【化12】

【0025】
(式中、
13、R14およびR15は、各々互いに独立に、水素、C1〜C6アルキル、ハロゲン、シアノ、CF3、ニトロ、NR34、COOR4、NR4COR3、COO-+、COR4、OR4、SR3、SO23、SO2NR34、SO34、SO3-+、あるいは、非置換またはR5で一置換もしくは多置換されたC6〜C12アリールである)
の基である。
【0026】
本発明に係る式(1)のモノアゾキノロン顔料の好ましい実施態様においては、R1およびR2が、各々互いに独立に、水素、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、塩素、COOR5、NR4COR3、COO-+またはSO3-+であり、R5が、水素またはC1〜C3アルキルであり、かつ、X+が、カチオンNa+、Mg++1/2、Ca++1/2、Sr++1/2、Ba++1/2、または[NR9101112+であり、ここで、R9、R10、R11およびR12が、各々互いに独立に、水素;C1〜C6アルキル;非置換またはC1〜C3アルキル、ハロゲン、ニトロ、OR7、N(R72で一置換もしくは多置換されたフェニル;あるいは非置換またはC1〜C3アルキル、ハロゲン、ニトロ、OR7、N(R72で一置換もしくは多置換されたベンジルである。
【0027】
本発明に係る式(1)のモノアゾキノロン顔料のさらに好ましい実施態様においては、R1およびR2が、各々互いに独立に、水素、C1〜C2アルキル、C1〜C2アルコキシ、塩素、COOR5、NR4COR3、COO-+またはSO3-+であり、R5が、水素またはC1〜C2アルキルであり、かつ、X+が、カチオンNa+、Mg++1/2、Ca++1/2、Sr++1/2、Ba++1/2または[NR9101112+であり、ここで、R9、R10、R11およびR12が、各々互いに独立に、水素;C1〜C6アルキル;非置換またはC1〜C2アルキルでおよび/またはハロゲンで一置換もしくは多置換されたフェニル;あるいは非置換またはC1〜C2アルキルでおよび/またはハロゲンで一置換もしくは多置換されたベンジルである。
【0028】
本発明に係る式(1)のモノアゾキノロン顔料の他の好ましい実施態様においては、R1およびR2が、各々互いに独立に、水素、C1〜C2アルキル、C1〜C2アルコキシ、塩素、COOR5またはNR4COR3であり、かつ、R5が、水素またはC1〜C2アルキルである。
【0029】
非常に特別に好ましいものは、式:
【0030】
【化13】

【0031】
および
【0032】
【化14】

【0033】
のモノアゾキノロン顔料ならびにまた、以下の表1〜4に列挙される顔料である。
【0034】
本発明は、また、式(50):
【0035】
【化15】

【0036】
の化合物がジアゾ化され、式(51):
W−H (51)
の化合物に、あるいは式(51a):
【0037】
【化16】

【0038】
(式中、W、Ar1、Ar2、R、R1およびR2は、上記の定義および好ましい意味を有する)
の化合物にカップリングされる、式(1)のモノアゾキノロン顔料の製造方法に関する。
【0039】
式(50)の化合物のジアゾ化は、例えば、亜硝酸塩、例えば、亜硝酸ナトリウム等の亜硝酸アルカリ金属を用いて、無機酸媒体中、例えば塩酸媒体中で、例えば、−5〜40℃、好ましくは−5〜10℃の温度で行われる。
【0040】
カップリング成分である式(51)または(51a)の化合物へのカップリングは、酸性、中性〜弱アルカリ性のpH値、例えば、1〜10のpH値で、例えば、−5〜40℃、好ましくは0〜30℃の温度で、それ自体公知の方法で行われる。
【0041】
本発明に係る方法は、有利には、水酸化アルカリ水溶液、例えば水酸化ナトリウム溶液を加えてpHを中性範囲、例えばpH4.5〜8に維持しつつ、ジアゾ化された式(50)の化合物の新たに調製した溶液または懸濁液を、式(51a)のカップリング成分、アセトアセトアニリドの弱酸性〜中性溶液または懸濁液に徐々に加え、続けて反応が完結するまで得られた顔料懸濁物を攪拌し、次いで生成物をろ過して単離することにより行われる。
【0042】
式(50)の化合物は、新規であり、本発明は、また、それにも関する。そのような化合物は、例えば、JP−A−2001−287466またはChemical and Engineering Data, Vol. 13, No. 3, July 1968に記載された方法に従って、例えば、式:
【0043】
【化17】

【0044】
の化合物を、式:
【0045】
【化18】

【0046】
の化合物と、キシレン中、130〜140℃の温度で反応させることにより得ることができる(Ar1、R、R1およびR2は、式(1b)について定義されたと同様である)。
【0047】
式(51)および(51a)の化合物は公知であり、それ自体公知の方法により得ることができる。
【0048】
式(51)のカップリング成分は、一般に、芳香環上に求核中心を有する芳香族またはヘテロ芳香族化合物、特に、例えば、カラーインデックス(Colour Index)第三版4巻またはThe Society of Dyes and Colorists, 1971, 4355-4364頁および37500-37625頁に記載のような、反応性メチレン基を有するナフトール類またはエノール化可能な化合物である。
【0049】
好ましいカップリング成分は:
【0050】
− 式:
【0051】
【化19】

【0052】
(式中、R3は、メチル、アリールまたはCF3である)のメチレン活性化合物、
【0053】
− 2−ヒドロキシナフタレンおよびその3−カルボン酸誘導体、例えば、式:
【0054】
【化20】

【0055】
(式中、R、R1およびR2は、上記と同様である)の2’−ヒドロキシ−3’−ナフチルアニリン、
【0056】
− ピラゾロン誘導体、特に、式:
【0057】
【化21】

【0058】
(式中、R20は、C1〜C4アルキル、特にメチルまたはCOOR1であり、R1は上記式(1)で定義されたと同様であり、かつ、R21は、水素、ハロゲン、スルホまたはC1〜C4アルキル、特にメチルである)のもの、
【0059】
− 式:
【0060】
【化22】

【0061】
(式中、R1およびR2は、上記と同様である)のシアノ酢酸誘導体、および
【0062】
− 式:
【0063】
【化23】

【0064】
のピリドンである。
【0065】
本発明に係る式(1)のモノアゾキノロン顔料は、高分子量材料の着色用の着色剤として好適である。
【0066】
高分子量材料は、有機または無機であってもよく、合成材料および/または天然材料であってもよい。それは、例えば、天然樹脂もしくは乾性油、ゴムまたはカゼイン、あるいは改質天然材料、例えば塩素化ゴム、油改質アルキド樹脂、ビスコース、セルロースエーテルもしくはエステル、例えばエチルセルロース、酢酸、プロピオン酸もしくは酪酸セルロース、アセト酪酸セルロースおよびニトロセルロースであるが、しかし、特に、重合、例えば、重縮合または重付加により得ることができる、全体として合成の有機ポリマー(熱可塑性または熱硬化性)である。ポリマーの種類として、例えば、ポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、同じく、置換ポリオレフィン、例えば塩化ビニル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等のモノマーの重合生成物;フルオロポリマー、例えばポリフルオロエチレン、ポリトリフルオロクロロエチレンまたはテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン混合ポリマー、ならびに上記のモノマーの共重合体、特にABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン)またはEVA(エチレン/酢酸ビニル)が挙げられる。重付加および重縮合の群から、例えば、ホルムアルデヒドとフェノールとの重縮合生成物、いわゆるフェノプラスト、およびホルムアルデヒドと尿素またはチオ尿素との重縮合生成物、およびまたメラミン、いわゆるアミノプラスト、同じくアルキド樹脂等の飽和のものまたはマレイン酸樹脂等の不飽和のもののいずれかの表面コーティング樹脂として使用されるポリエステル、同じく直鎖ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシドまたはシリコーン、およびシリコーン樹脂を使用することができる。
【0067】
挙げられた高分子量材料は、個々にまたは混合物で、場合により紡糸して繊維を形成しうる、プラスチック組成物または溶融物の形態で、存在することができる。
【0068】
それらは、また、それらのモノマーの形態で、あるいはボイルアマニ油、ニトロセルロース、アルキド樹脂、メラミン樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂またはアクリル樹脂等の、フィルム形成剤または表面コーティング、ペイントもしくは印刷インク用の結合剤として溶解形態で重合された状態で、存在していてもよい。
【0069】
高分子量材料の本発明のモノアゾキノロン顔料での着色は、例えば、そのような顔料を、場合によりマスターバッチの形態で、ロールミル、混合または磨砕装置を用いて、基材に加えることにより行われる。着色された材料は、次いで、一般に、それ自体公知の方法、例えば、カレンダー加工、圧縮成形、押出し成形、拡散コーティング、注型または射出成形により、所望の最終形態にされる。剛性ではない成形品を製造するため、あるいはそれらの脆弱性を低下させるために、成形前に、いわゆる可塑剤を高分子量材料に含有させることは、しばしば望ましい。可塑剤として、例えば、リン酸、フタル酸、またはセバシン酸のエステルを使用することができる。可塑剤は、本発明に係る方法において、ポリマーに顔料着色剤を添加する前または後に、含有させることができる。異なる色合いを達成するために、高分子量材料に、式(1)のモノアゾキノロン顔料のほかに、充填剤または他の色を付与する成分、例えば白色、有色もしくは黒色顔料ならびに特別な効果の顔料をも、それぞれの場合に所望の量で、加えることも可能である。
【0070】
表面コーティングおよび印刷インクの着色のためには、高分子量材料および式(1)のモノアゾキノロン顔料は、場合により充填剤、他の顔料、例えばTiO2、乾燥剤または可塑剤等の添加剤と共に、一般に、有機溶媒および/または水性溶媒あるいは溶媒混合物中に微細に分散されるかあるいは溶解される。手法としては、個々の成分が別々に分散されるか溶解されるか、あるいはいくつかが一緒に分散されるか溶解され、その後に初めて、全ての成分を合わせるという具合である。
【0071】
着色される高分子量材料に対して、本発明に係るモノアゾキノロン顔料は、0.01〜30重量%、好ましくは0.1〜10重量%の量で使用することができる。
【0072】
したがって、本発明は、また、高分子量材料、特に有機高分子量材料の着色における、本発明に係る式(1)のモノアゾキノロン顔料の使用に関し、全ての形態のプラスチック、例えば繊維、表面コーティングまたは印刷インクの形態に対する着色剤としての使用を包含する。
【0073】
本発明に係る式(1)のモノアゾキノロン顔料は、特に、全体として、ポリ塩化ビニル、特に、ポリオレフィン、例えばポリエチレンおよびポリプロピレン、ならびに水性および/または溶媒系ラッカー、例えば自動車用ラッカー、また粉体コーティング、印刷インクおよびペイントの着色に好適である。
【0074】
例えば、プラスチック、繊維、表面コーティングまたは印刷物における得られた着色は、例えば完全なシェード(full-shade)または白での減少(reduction-with-white)用途における、高純度の色合い、高度の色強度および上塗りと移行に対する良好な堅牢性により、また、特に、熱、光および風化に対する堅牢性により特徴付けられる。
【0075】
本発明に係る式(1)のモノアゾキノロン顔料は、さらに、良好な分散性、良好なレオロジー挙動およびそれから得られる高光沢の着色により特徴付けられる。
【0076】
本発明に係る式(1)のモノアゾキノロン顔料は、また、カラーフィルター、特に400〜700nmの範囲の可視光用、液晶ディスプレイ(LCD)用または電荷結合素子(CCD)用のものの製造用の着色剤として好適である。
【0077】
赤色、青色および緑色顔料の好適な基材、例えばアモルファスシリコンへの逐次的な適用によるカラーフィルターの製造は、GB−A−2182165に記載されている。カラーフィルターは、例えば、本発明に係るモノアゾキノロン顔料を含むインク、特に印刷インクを用いて、あるいは、例えば、本発明に係るモノアゾキノロン顔料を、化学的に、熱的にまたは光分解的に構造化できる高分子量材料と混合することにより、コーティングすることができる。さらなる製造は、例えばEP−A−654711に類似の、LCD等の基材に適用し、引き続いて光構造化および現像することにより行うことができる。カラーフィルターの製造を記載しているさらなる文献は、US−A−5624467である。
【0078】
本発明に係る顔料で製造された液晶ディスプレイ(LCD)用のカラーフィルターは、従来のカラーフィルターに比べて、500〜600nmの間での改良された透過ウインドウを示し、それらは、したがって、緑色点の高透過性により特徴付けられる。本発明に係る顔料で製造されたカラーフィルターは、従来のカラーフィルターに比べて、より黄味がかった緑色を有利に生じる、400nmに増大された吸収を有する。
【0079】
以下の実施例は、本発明を例証する。実施例において、特に他に指示されていない限り、部は重量部であり、パーセントは重量パーセントである。温度は、摂氏温度で示されている。重量部と容量部との間の関係は、グラムと立方センチメートルとの間のそれと同じである。
【0080】
実施例1:
37%水性塩酸20mlを5℃で、攪拌しながら、氷酢酸100ml、水20mlおよび7−アミノ−6−クロロ−4−フェニルキノール−2−オン8.12g(30mmol)の懸濁液に滴下した。次いで、4N亜硝酸ナトリウム水溶液7.5ml(30mmol)を、その温度で、緑がかった白色懸濁液に滴下し、攪拌を90℃で行うと、懸濁液は徐々に緑がかった黄色溶液に変化した。冷溶液は、ガラスファイバーフィルター上でろ過することにより清澄化し、ろ液を5℃の温度に調整した冷却可能な滴下ロートに移した。
【0081】
並行して、2−アセトアセチルアミノ−6−クロロベンゾチアゾール8.87g(33mmol)を、エチルアルコール250mlと水125ml中に懸濁し、30%NaOH水溶液4.5ml(45mmol)を加えて、溶解した。無色の溶液を、ろ過により清澄化し、次いで、このように調製されたカップリング成分を、25%酢酸水溶液45mlを加えて、激しく攪拌して析出させ、白色懸濁液をpH値5.1に調整した。
【0082】
5℃の温度に調整したジアゾニウム塩の溶液を、次いで、3時間かけて、激しく攪拌しながら、0〜5℃の温度に調整した新たに調製されたカップリング成分懸濁液に滴下し、pH5まで中和し、そのpH値は、30%NaOH水溶液130.5mlを同時に連続的に加えることにより維持した。緑がかった黄色顔料懸濁液を、まず、12時間室温で放置し、次いで、還流下に3時間加熱した。得られた黄色の顔料を熱時にろ過し、中性で塩がなくなるまで、多量の水で洗浄した。
顔料を、次いで、実験室的な真空下に、110℃で20時間乾燥した。
式:
【0083】
【化24】

【0084】
の顔料16.1g(29.2mmol、収率97%)が得られ、それは高分子量材料中で、非常に良好な風化に対する堅牢性を有する緑がかった黄色の着色を与えた。
【0085】
実施例2:
37%水性塩酸70mlを5℃で、攪拌しながら、氷酢酸100ml、水100mlおよび7−アミノ−6−クロロ−4−フェニルキノール−2−オン21.65g(80mmol)の懸濁液に滴下した。次いで、4N亜硝酸ナトリウム水溶液20ml(80mmol)を、その温度で、緑がかった白色懸濁液に滴下し、攪拌を90℃で行うと、懸濁液は徐々に緑がかった黄色溶液に変化した。冷溶液は、ガラスファイバーフィルター上でろ過することにより清澄化し、ろ液を5℃の温度に調整した冷却可能な滴下ロートに移した。
【0086】
並行して、アセトアセト−2−アニシジド18.24g(88mmol)を、水250ml中に懸濁し、30%NaOH水溶液10ml(100mmol)を加えて、溶解した。無色の溶液を、ろ過により清澄化し、次いで、そのアニシジドを、30%酢酸水溶液50mlを加えて、激しく攪拌して析出させ、白色懸濁液をpH値4.7に調整した。
【0087】
5℃の温度に調製したジアゾニウム塩の溶液を、次いで、2.5時間かけて、激しく攪拌しながら、0〜5℃の温度に調整した新たに調製されたアニシジド懸濁液に滴下し、pH4.5まで中和し、そのpH値を、30%NaOH水溶液197.5mlを同時に連続的に加えることにより維持した。
緑がかった黄色顔料懸濁液を、まず、12時間室温で放置し、次いで、還流下に4時間加熱した。得られた黄色の顔料を熱いうちにろ過し、中性で塩がなくなるまで、多量の水で洗浄した。
顔料を、次いで、実験室的な真空下に、110℃で20時間乾燥した。
式:
【0088】
【化25】

【0089】
の顔料32.8g(67.1mmol、収率84%)が得られ、それは高分子量材料中で、非常に良好な風化に対する堅牢性を有する緑がかった黄色の着色を与えた。
【0090】
実施例3:
酢酸30mlとジグリム34ml中の2−メトキシ−5−メチルアセトアセトアニリド0.89g(4mmol)と7−アミノ−6−クロロ−4−フェニルキノール−2−オン1.08g(4mmol)との懸濁液を、80℃で60分間加熱し、次いで、40℃に冷却した。酢酸中の15%tert−ブチルニトリル溶液2.76ml(4mmol)を、80分かけて、得られた透明な赤味がかった溶液に滴下すると、顔料が黄味がかった橙色固体の形態で析出した。反応混合物を、次いで、80℃で6時間加熱し、続いて、50℃で16時間維持した。
粗黄色顔料を暖かいうちにろ過し、次いで、多量の水で洗浄した。その後、顔料を110℃で20時間、真空下に乾燥した。
式:
【0091】
【化26】

【0092】
の顔料1.75g(3.5mmol、収率88%)が得られ、それは高分子量材料中で、非常に良好な風化に対する堅牢性を有する黄色の着色を与えた。
【0093】
実施例4〜129:
実施例1〜3に記載した手法と同様にして、表1に示したカップリング成分を用いて、顔料を得ることができた。
高分子量有機材料中で、顔料は、各々の例に示した色合いおよび非常に良好な風化に対する堅牢性を有する着色を与えた。
【0094】
【表1】

























【0095】
実施例130および131:
実施例1〜3に記載した手法と同様にして、表2に示したカップリング成分を用いて、顔料を得ることができた。
高分子量有機材料中で、顔料は、各々の例に示した色合いおよび非常に良好な風化に対する堅牢性を有する着色を与えた。
【0096】
【表2】

【0097】
実施例132〜141:
実施例1〜3に記載した手法と同様にして、表3に示したカップリング成分を用いて、顔料を得ることができた。
高分子量有機材料中で、顔料は、各々の例に示した色合いおよび非常に良好な風化に対する堅牢性を有する着色を与えた。
【0098】
【表3】

【0099】
実施例142〜165:
実施例1〜3に記載した手法と同様にして、表4に示したカップリング成分を用いて、顔料を得ることができた。
高分子量有機材料中で、顔料は、各々の例に示した色合いおよび非常に良好な風化に対する堅牢性を有する着色を与えた。
【0100】
【表4】



【0101】
実施例166:
ピリジン15.0mlを、キシレン3.2リットル中のベンゾイル酢酸エチル173.0g(0.9mol)の溶液に加え、混合物を130〜135℃に加熱した。その温度で、4−クロロ−1,3−フェニレンジアミン107.0g(0.75mol)を少しずつその溶液に加え、遊離したエチノールを連続的に留去した。5時間後、赤味がかった褐色の溶液を25℃に冷却し、p−トルエンスルホン酸14.3g(75mol)をそれに加えた。得られた緑色の懸濁液を、次いで、6時間還流下で沸騰させ、反応の水を留去した。黄色となった懸濁液を、室温まで冷却した。その後、ろ過を行い、析出物を合計500mlのエタノールで3回洗浄し、粗生成物を、実験室的な真空下に80℃で20時間乾燥した。式:
【0102】
【化27】

【0103】
のベージュ−褐色の粉末179g(0.66mol、収率は理論値の88%)が得られ、それは、酢酸から再結晶後、融点327℃を有する白色結晶の形態であった。
【0104】
実施例167:
実施例166に記載の手法と同様にして、式:
【0105】
【化28】

【0106】
の化合物を得ることができ、それは、酢酸から再結晶後、分解を伴う融点370℃を有する黄色結晶の形態であった。
【0107】
応用例1:全体としてのプラスチックの着色における使用
式(3)の顔料0.6gを、ポリ塩化ビニル67g、フタル酸ジオクチル33g、ジラウリル酸ジブチルスズ2gおよび二酸化チタン2gと混合し、ローラー装置上で、160℃、15分間加工して、薄いフィルムとした。そのようにして製造された黄色のPVCフィルムは、着色強度があり、光に堅牢であった。
【0108】
応用例2:アルキド−メラミンストービングラッカー
8mm径のステアライトスフェア460g、キシレン中60%のアルキド樹脂Alkydal(登録商標) F 310(Bayer AG)58.7g、キシレン中60%のアルキド樹脂Alkydal(登録商標) F 32(Bayer AG)58.7g、キシレン中1%のSilikonoel A(登録商標)(Bayer AG)2.0g、n−ブタノール4.0g、Dowanol4.0g、キシレン15g、分散剤Disperbyk(登録商標)D-160(Byk-Chemie)5.6gおよびまた式(3)の顔料28.0gの混合物を、ローラーラック上で、72時間、ネジ切りキャップを有するガラス瓶中で分散させた。キシレン中90%のメラミン成分Cymel(登録商標) 327(Cyanamid)24.0gを加えたのち、ローラーラック上でさらに1時間、分散を続けた。その後、ステアライトスフェアを分離除去した。得られた着色ラッカーペーストを、Milar(登録商標)透明フィルムに適用し、次いで、130℃で30分間加熱乾燥した(ラッカー層の厚さ50μm)。優れた色特性およびレオロジー特性を有する着色が得られた。
【0109】
応用例3:凹版/フレキソ印刷用印刷インクの調製
式(3)の顔料 15g
以下からなる透明ラッカー 20g
ニトロセルロースA型 20g
フタル酸ジオクチル 4g
エタノール 56g
酢酸エチル 20g
エタノール 25g
を、高速ミキサー(15m/sでの溶解機)を用いて、30分で分散させた。上記の透明ラッカー40gを、次いで、バッチに加え、分散を溶解機でさらに5分間行った。磨砕する物を、粗いろ過をしながら、ポンプでビーズミルに入れ、その中で細かく分散させた。凹版/フレキソ印刷およびオフセット印刷の双方において、その印刷インクで、並外れた透明/光沢特性が得られた。
【0110】
応用例4:液晶ディスプレイ(LCD)用カラーフィルターの製造
ジルコニウムセラミックスフェア83.3gを含有する100mlのガラス容器中で、式(3)の顔料2.8g、Solsperse(登録商標)5000 0.28g、Disperbyk(登録商標)161(分散剤、酢酸ブチル/酢酸1−メトキシ−2−プロピル1:6中の、顔料に親和性を有する基を含む高分子量ブロック共重合体の30%溶液、BYK Chemie)4.10g、および酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル(MPA、CAS登録番号108−65−6)を、Dispermatを用いて、23℃で、1000回転/分で10分間、3000回転/分で180分間攪拌した。アクリル酸ポリマー結合剤(MPA中の35%溶液)4.01gを加えたのち、室温で、3000回転/分で30分間、攪拌を行った。スフェアを分離したのち、分散液を同重量のMPAで希釈した。
【0111】
ガラス基材(Corning type 1737-F)を、遠心ラッカーコーティング装置上で、その分散液でコーティングし、1000回転/分で30秒間回転除去した。その層の乾燥を、ホットプレート上で、100℃で2分間、200℃で5分間行った。得られた層の厚さは、0.4μmであった。
【0112】
応用例5:
式(3)の顔料1.0g、市販の抗酸化剤(Irganox(登録商標)1010, Ciba Specialty Chemicals AG)およびポリエチレンHD粒状物(Vestolen(登録商標)60-16、Huels)の混合物を、ローラーベンチ上で、ガラス瓶中で15分間予備混合した。その後、混合物を二相で一軸押出機で押出し、そのようにして得られた粒状物を、200℃で5分間、240℃で5分間、260℃で5分間、280℃で5分間、さらに300℃で5分間、射出成形機(Ferromatik Aarburg 200)上でシートに圧縮した。
シートは、良好な耐性特性で、着色性の強い黄色の色合いを示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互変異性体の一つにおいて、式(1):
【化1】


[式中、
Wは、非置換または置換C6〜C24アリールまたは非置換または置換ヘテロアリールであるか、あるいは式(1a):
【化2】


(式中、
Ar2は、非置換または置換C6〜C24アリールまたは非置換または置換ヘテロアリールであり、
Ar1は、非置換または置換C6〜C24アリールまたは非置換または置換ヘテロアリールであり、
R、R1およびR2は、各々互いに独立に、水素、C1〜C6アルキル、ハロゲン、シアノ、CF3、ニトロ、NR34、COOR4、NR4COR3、COO-+、COR4、OR4、SR3、SO23、SO2NR34、SO3-+、あるいは、非置換またはR5で一置換もしくは多置換されたC6〜C24アリールであり、
3は、C1〜C6アルキル、あるいは、非置換またはハロゲン、ヒドロキシ、OR7、シアノ、ニトロ、SR7、NR67、COOR7、CONR67、NR6COR7、NR6COOR7、COO-+、COR4、OR4、SO27、SO2NR67、SO3-+で、または、SO37で一置換もしくは多置換されたC6〜C12アリールであり、
4は、水素またはR3の意味を有し、
5は、水素、C1〜C4アルキル、ハロゲン、ニトロ、NR78、またはOR7であり、
6は、水素またはC1〜C3アルキルであり、
7およびR8は、各々互いに独立に、水素;C1〜C3アルキル;非置換またはハロゲン、ニトロ、OR5、NR1617で一置換もしくは多置換されたフェニル;あるいは非置換またはハロゲン、ニトロ、OR5、NR1617で一置換もしくは多置換されたベンジルであり、かつ、
+は、カチオンH+、Li+、Na+、K+、Mg++1/2、Ca++1/2、Sr++1/2、Ba++1/2、Cu+、Cu++1/2、Zn++1/2、Mn++1/2、Al+++1/3または[NR9101112+であり、ここで、R9、R10、R11およびR12は、各々互いに独立に、水素;C1〜C6アルキル;非置換またはC1〜C6アルキル、ハロゲン、ニトロ、OR5、NR1617で一置換もしくは多置換されたフェニル;あるいは非置換またはC1〜C6アルキル、ハロゲン、ニトロ、OR5、NR1617で一置換もしくは多置換されたベンジルであり、かつ、
16およびR17は、各々互いに独立に、水素またはC1〜C6アルキルである)
の基である]
に相当するモノアゾキノロン顔料。
【請求項2】
式(1b):
【化3】


(式中、
Ar1およびAr2は、非置換または置換C6〜C24アリールまたは非置換または置換ヘテロアリールであり、
R、R1およびR2は、各々互いに独立に、水素、C1〜C6アルキル、ハロゲン、シアノ、CF3、ニトロ、NR34、COOR4、NR4COR3、COO-+、COR4、OR4、SR3、SO23、SO2NR34、SO3-+、あるいは、非置換またはR5で一置換もしくは多置換されたC6〜C24アリールであり、
3は、C1〜C6アルキル、あるいは、非置換またはハロゲン、ヒドロキシ、OR7、シアノ、ニトロ、SR7、NR67、COOR7、CONR67、NR6COR7、NR6COOR7、COO-+、COR4、OR4、SO27、SO2NR67、SO3-+で、または、SO37で一置換もしくは多置換されたC6〜C12アリールであり、
4は、水素またはR3の意味を有し、
5は、水素、C1〜C4アルキル、ハロゲン、ニトロ、NR78、またはOR7であり、
6は、水素またはC1〜C3アルキルであり、
7およびR8は、各々互いに独立に、水素;C1〜C3アルキル;非置換またはハロゲン、ニトロ、OR5、NR1617で一置換もしくは多置換されたフェニル;あるいは非置換またはハロゲン、ニトロ、OR5、NR1617で一置換もしくは多置換されたベンジルであり、かつ、
+は、カチオンH+、Li+、Na+、K+、Mg++1/2、Ca++1/2、Sr++1/2、Ba++1/2、Cu+、Cu++1/2、Zn++1/2、Mn++1/2、Al+++1/3または[NR9101112+であり、ここで、R9、R10、R11およびR12は、各々互いに独立に、水素;C1〜C6アルキル;非置換またはC1〜C6アルキル、ハロゲン、ニトロ、OR5、NR1617で一置換もしくは多置換されたフェニル;あるいは非置換またはC1〜C6アルキル、ハロゲン、ニトロ、OR5、NR1617で一置換もしくは多置換されたベンジルであり、かつ、
16およびR17は、各々互いに独立に、水素またはC1〜C6アルキルである)
の、請求項1に記載のモノアゾキノロン顔料。
【請求項3】
Ar1が、式(2):
【化4】


(式中、
13、R14およびR15は、各々互いに独立に、水素、C1〜C6アルキル、ハロゲン、シアノ、CF3、ニトロ、NR34、COOR4、NR4COR3、COO-+、COR4、OR4、SR3、SO23、SO2NR34、SO34、SO3-+、あるいは、非置換またはR5で一置換もしくは多置換されたC6〜C12アリールである)
の基である、請求項1または2のいずれかに記載のモノアゾキノロン顔料。
【請求項4】
Ar2が、式(2):
【化5】


(式中、
13、R14およびR15は、各々互いに独立に、水素、C1〜C6アルキル、ハロゲン、シアノ、CF3、ニトロ、NR34、COOR4、NR4COR3、COO-+、COR4、OR4、SR3、SO23、SO2NR34、SO34、SO3-+、あるいは、非置換またはR5で一置換もしくは多置換されたC6〜C12アリールである)
の基である、請求項2または3のいずれかに記載のモノアゾキノロン顔料。
【請求項5】
1およびR2が、各々互いに独立に、水素、C1〜C3アルキル、C1〜C3アルコキシ、塩素、COOR5、NR4COR3、COO-+またはSO3-+であり、R5が、水素またはC1〜C3アルキルであり、かつ、X+が、カチオンNa+、Mg++1/2、Ca++1/2、Sr++1/2、Ba++1/2または[NR9101112+であり、ここで、R9、R10、R11およびR12が、各々互いに独立に、水素;C1〜C6アルキル;非置換またはC1〜C3アルキル、ハロゲン、ニトロ、OR7、N(R72で一置換もしくは多置換されたフェニル;あるいは非置換またはC1〜C3アルキル、ハロゲン、ニトロ、OR7、N(R72で一置換もしくは多置換されたベンジルである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のモノアゾキノロン顔料。
【請求項6】
1およびR2が、各々互いに独立に、水素、C1〜C2アルキル、C1〜C2アルコキシ、塩素、COOR5、NR4COR3、COO-+またはSO3-+であり、R5が、水素またはC1〜C2アルキルであり、かつ、X+が、カチオンNa+、Mg++1/2、Ca++1/2、Sr++1/2、Ba++1/2または[NR9101112+であり、ここで、R9、R10、R11およびR12が、各々互いに独立に、水素;C1〜C6アルキル;非置換またはC1〜C2アルキルでおよび/またはハロゲンで一置換もしくは多置換されたフェニル;あるいは非置換またはC1〜C2アルキルでおよび/またはハロゲンで一置換もしくは多置換されたベンジルである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のモノアゾキノロン顔料。
【請求項7】
1およびR2が、各々互いに独立に、水素、C1〜C2アルキル、C1〜C2アルコキシ、塩素、COOR5またはNR4COR3であり、かつ、R5が、水素またはC1〜C2アルキルである、請求項6に記載のモノアゾキノロン顔料。
【請求項8】
式(50):
【化6】


の化合物がジアゾ化され、式(51):
W−H (51)
の化合物に、あるいは式(51a):
【化7】


(式中、Ar1、W、R、R1およびR2は、請求項1において式(1)について定義されたと同様であり、Ar2は、請求項1において式(1a)について定義されたと同様である)
の化合物にカップリングされる、請求項1に記載のモノアゾキノロン顔料の製造方法。
【請求項9】
高分子量材料の着色における、請求項1に記載のモノアゾキノロン顔料の使用。
【請求項10】
プラスチック、表面コーティングまたは印刷インクに対する着色剤としての、請求項1に記載のモノアゾキノロン顔料の使用。
【請求項11】
カラーフィルターの製造における着色剤としての、請求項1に記載のモノアゾキノロン顔料の使用。

【公表番号】特表2006−524730(P2006−524730A)
【公表日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505467(P2006−505467)
【出願日】平成16年3月15日(2004.3.15)
【国際出願番号】PCT/EP2004/050308
【国際公開番号】WO2004/085540
【国際公開日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(396023948)チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Specialty Chemicals Holding Inc.
【Fターム(参考)】