説明

モノアリールアミノテトラリン

本発明は、式(I):(式中、R、RおよびRは、発明の詳細な説明および特許請求の範囲に定義されているとおりである)の化合物およびその薬学的に許容される塩およびエステルに関する。さらに、本発明は、式(I)の化合物の製造および使用ならびにそのような化合物を含む医薬組成物に関する。式(I)の化合物は、CRTH2受容体へのアンタゴニストであり、喘息のような受容体に関連する疾患および障害の処置に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な(5−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸、それらの製造、それらを含有する医薬組成物およびCRTH2アンタゴニストとしてのそれらの使用に関する。
【0002】
プロスタグランジンD(PGD2)は、活性化された肥満細胞により産生される主要なプロスタノイドであり、アレルギー性喘息およびアトピー性皮膚炎のようなアレルギー性疾患の病因に関与している。Tヘルパー型細胞上に発現される化学誘因性受容体−相同分子(CRTH2)は、プロスタグランジンD受容体の一つであり、Tヘルパー2型(Th2)細胞、好酸球、および好塩基球のようなアレルギー性炎症に関与するエフェクター細胞上で発現する(Nagataら、FEBS Lett 459: 195-199, 1999)。Th2細胞、好酸球、および好塩基球のPGD2刺激走化性を仲介することが示されている(Hiraiら、J Exp Med 193: 255-261, 2001)。また、CRTH2は、呼吸バーストおよび好酸球の脱顆粒を仲介し(Gervaisら、J Allergy Clin Immunol 108: 982-988, 2001)、Th2細胞におけるプロ炎症性サイトカインの産生を誘起し(Xueら、J Immunol 175: 6531-6536)、また好塩基球からのヒスタミンの放出を増大させる(Yoshimura-Uchiyamaら、Clin Exp Allergy 34: 1283-1290)。そのmRNA安定性に特異的に影響を与える、CRTH2をコードする遺伝子の配列変異体は、喘息に関連していることが示されている(Huangら、Hum Mol Genet 13, 2691-2697, 2004)。CRTH2を発現する循環性T細胞の数の増大は、また、アトピー性皮膚炎の重篤度に相関している(Cosmiら、Eur J Immunol 30, 2972-2979, 2000)。これらの知見は、アレルギー性疾患においてCRTH2がプロ炎症性の役割を果たすことを示唆している。したがって、CRTH2のアンタゴニストが、障害、例えば喘息、アレルギー性炎症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アレルギー性鼻炎、およびアトピー性皮膚炎の処置に有用であると思われる。
【0003】
本発明は、式I:
【0004】
【化1】

【0005】
の化合物ならびにその薬学的に許容される塩およびエステルに関する(式中、R、RおよびRは、詳細な説明および特許請求の範囲に定義されている)。さらに、本発明は、式Iの化合物の製造方法および使用方法ならびにこれらの化合物を含有する医薬組成物に関する。式Iの化合物は、CRTH2受容体でのアンタゴニストであり、その受容体に関連する疾患および障害、例えば喘息の処置に有用でありうる。
【0006】
さらなる態様において、本発明は、重篤な喘息または慢性閉塞性肺疾患の処置用の医薬の製造のための、式Iの化合物の使用を提供する。
【0007】
特記しない限り、本明細書および特許請求の範囲中で使用される以下の特定の用語および語句は、以下のとおりに定義される:
【0008】
用語「部分」は、1個または複数個の化学結合で他の原子または分子に結合して分子の一部を形成する、原子または化学的に結合した原子の基を指す。例えば、式Iの変数R、RおよびRは、式Iのコア構造に共有結合で結合している部分を指す。
【0009】
1個または複数個の水素原子を持つ特定の部分に関して、用語「置換されている」は、その部分の少なくとも1個の水素原子が、他の置換基または部分で置き換えられていることを指す。例えば、用語「ハロゲンで置換されている低級アルキル」は、(以下に定義されるような)低級アルキルの1個または複数個の水素原子が、1個または複数個のハロゲン原子で置き換えられていることを指す(すなわち、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、クロロメチルなど)。同様に、用語「低級アルキルで置換されている低級シクロアルキル」は、(以下に定義されるような)低級シクロアルキルの1個または複数個の水素原子が、1個または複数個の低級アルキルで置き換えられていることを指す(すなわち、1−メチル−シクロプロピル、1−エチル−シクロプロピルなど)。
【0010】
用語「置換されてもよい」は、(1個または複数個の水素原子を持つ)ある部分の1個または複数個の水素原子が、他の置換基で置換されうるが、必ずしも置換されている必要はないことを指す。
【0011】
用語「アルキル」は、1〜20個の炭素原子を有する、脂肪族の直鎖状または分岐鎖状の、飽和炭化水素部分を指す。特定の態様において、アルキルは、1〜10個の炭素原子を有する。
【0012】
用語「低級アルキル」は、1〜7個の炭素原子を有するアルキル部分を指す。特定の態様において、低級アルキルは、1〜4個の炭素原子を有し、他の特定の態様において、低級アルキルは、1〜3個の炭素原子を有する。低級アルキルの例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチルが挙げられる。
【0013】
用語「低級シクロアルキル」は、一緒に結合して環構造を形成する3〜7個の炭素原子を有する飽和または部分的に不飽和の非芳香族炭化水素環部分を指す。シクロアルキルの例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルが挙げられる。
【0014】
用語「低級アルケニル」は、2〜7個の炭素原子を有し、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する脂肪族の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素部分を指す。特定の態様において、低級アルケニルは、2〜4個の炭素原子を有し、他の態様においては、2〜3個の炭素原子を有する。低級アルケニルの例として、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニルおよびイソブテニルが挙げられる。
【0015】
用語「低級アルコキシ」は、部分−O−R(式中、Rは、前に定義されているような低級アルキルである)を指す。低級アルコキシ部分の例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシおよびtert−ブトキシが挙げられる。
【0016】
用語「低級シクロアルコキシ」は、部分−O−R(式中、Rは、前に定義されているような低級シクロアルキルである)を指す。低級シクロアルコキシ部分の例として、シクロブトキシおよびシクロペントキシが挙げられる。
【0017】
用語「低級アルカノイル」は、部分−C(O)−R(式中、Rは、前に定義されているような低級アルキルである)を指す。低級アルカノイルの例はアセチルである。
【0018】
用語「ヘテロ原子」は、窒素、酸素、または硫黄を指す。
【0019】
用語「低級ヘテロシクロアルキル」は、1、2または3個の環原子がヘテロ原子であり、残余の環原子が炭素原子である、一緒に結合して環構造を形成する3〜7個の環原子を有する飽和または部分的に不飽和の非芳香族環部分を指す。低級ヘテロシクロアルキルの例として、ピペリジニル、ピペラジニル、ピロリジニルおよびテトラヒドロピラン−4−イルが挙げられる。
【0020】
用語「低級ヘテロシクロアルキルオキシ」は、部分R’−O−(式中、R’は、前に定義されているような低級シクロアルキルである)を指す。低級ヘテロシクロアルキルオキシの例は、テトラヒドロピラン−4−イルオキシである。
【0021】
用語「低級アルキルスルファニル」は、部分−S−R(式中、Rは、前に定義されているような低級アルキルである)を指す。低級アルキルスルファニルの例として、メチルスルファニルおよびエチルスルファニルが挙げられる。
【0022】
用語「低級シクロアルキルスルファニル」は、部分−S−R(式中、Rは、前に定義されているような低級シクロアルキルである)を指す。低級シクロアルキルスルファニルの例として、シクロプロピルスルファニル、シクロブチルスルファニルおよびシクロペンチルスルファニルが挙げられる。
【0023】
用語「低級ヘテロシクロアルキルスルファニル」は、部分−S−R(式中、Rは、前に定義されているような低級ヘテロシクロアルキルである)を指す。低級ヘテロシクロアルキルスルファニルの例は、ピロリジン−1−イルスルファニルである。
【0024】
用語「低級アルキルスルフィニル」は、部分−S(O)−R(式中、Rは、前に定義されているような低級アルキルである)を指す。低級アルキルスルフィニルの例として、メチルスルフィニルおよびエチルスルフィニルが挙げられる。
【0025】
用語「低級シクロアルキルスルフィニル」は、部分−S(O)−R(式中、Rは、前に定義されているような低級シクロアルキルである)を指す。低級シクロアルキルスルフィニルの例として、シクロプロピルスルフィニル、シクロブチルスルフィニルおよびシクロペンチルスルフィニルが挙げられる。
【0026】
用語「低級ヘテロシクロアルキルスルフィニル」は、部分−S(O)−R(式中、Rは、前に定義されているような低級ヘテロシクロアルキルである)を指す。低級ヘテロシクロアルキルスルフィニルの例は、ピロリジン−1−イルスルフィニルである。
【0027】
用語「低級アルキルスルホニル」は、部分−S(O)−R(式中、Rは、前に定義されているような低級アルキルである)を指す。低級アルキルスルホニルの例として、メチルスルホニルおよびエチルスルホニルが挙げられる。
【0028】
用語「低級シクロアルキルスルホニル」は、部分−S(O)−R(式中、Rは、前に定義されているような低級シクロアルキルである)を指す。低級シクロアルキルスルホニルの例として、シクロプロピルスルホニル、シクロブチルスルホニルおよびシクロペンチルスルホニルが挙げられる。
【0029】
用語「低級ヘテロシクロアルキルスルホニル」は、部分−S(O)−R(式中、Rは、前に定義されているような低級ヘテロシクロアルキルである)を指す。低級ヘテロシクロアルキルスルホニルの例は、ピロリジン−1−イルスルホニルである。
【0030】
用語「低級アルキルスルホニルアミノ」は、部分−N(H)S(O)R(式中、Rは、前に定義されているような低級アルキルである)を指す。低級アルキルスルホニルアミノの例として、メチルスルホニルアミノおよびエチルスルホニルアミノが挙げられる。
【0031】
用語「低級アルキルアミノ」は、部分−N(R)(式中、Rは、前に定義されているような低級アルキルである)を指す。低級アルキルアミノの例は、メチルアミノである。
【0032】
用語「低級ジアルキルアミノ」は、部分−N(R)(R’)(式中、RおよびR’は、前に定義されているような低級アルキルである)を指す。低級ジアルキルアミノの例は、ジメチルアミノである。
【0033】
用語「低級トリアルキルシリル」は、部分−Si(R)(R’)(R”)(式中、R、R’およびR”は、前に定義されているような低級アルキルである)を指す。低級トリアルキルシリルの例は、トリメチルシリルである。
【0034】
用語「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードの部分を指す。
【0035】
特記しない限り、用語「水素」または「ヒドロ」は、水素原子(−H)の部分を指し、Hを指さない。
【0036】
特記しない限り、用語「式の化合物」または「式の化合物(複数)」は、式で定義されているような化合物の属から選択される任意の化合物を指す(任意のこのような化合物の任意の薬学的に許容される塩またはエステルを含む)。
【0037】
用語「薬学的に許容される塩」は、生物学的にまたはそれ以外で望ましくないものではない、遊離塩基または遊離酸の生物学的な有効性および特性を保持するそれらの塩を指す。塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などのような無機酸、好ましくは塩酸、および酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、サリチル酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、N−アセチルシステインなどのような有機酸とで生成しうる。さらに、塩は、無機塩基または有機塩基の遊離酸への付加により製造しうる。無機塩基由来の塩として、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、およびマグネシウム塩などが挙げられるが、これらに限定されない。有機塩基由来の塩として、一級、二級、および三級アミン、天然由来の置換アミンを含む置換アミン、環状アミンならびに塩基性イオン交換樹脂、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、リジン、アルギニン、N−エチルピペリジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂などの塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
本発明の化合物は、薬学的に許容される塩の形態で存在することができる。本発明の化合物は、また、薬学的に許容されるエステル(すなわち、プロドラッグとして使用される式Iの酸のメチルおよびエチルエステル)の形態で存在することができる。本発明の化合物は、また、溶媒和、すなわち、水和されていることができる。溶媒和は、製造プロセスの過程で達成されるか、または、つまりは、式Iの初めは無水の化合物の吸湿性の結果として、生起しうる(水和)。
【0039】
同一の分子式を有するが、それらの原子の結合の性質もしくは順序またはそれらの原子の空間における配置が異なる化合物は、「異性体」と称される。それらの原子の空間における配置が異なる異性体は、「立体異性体」と称される。ジアステレオマーは、鏡像異性体ではない、1個または複数個のキラル中心において反対の配置を持つ立体異性体である。互いに重ね合わせられない鏡像である1個または複数個の不斉中心を有する立体異性体は、「鏡像異性体」と称される。化合物が不斉中心を有する場合、例えば、炭素原子が、4個の異なる基に結合しているとき、一対の鏡像異性体が可能である。鏡像異性体は、その不斉中心(単数または複数)の絶対配置で特徴付けすることができ、Cahn、IngoldおよびPrelogのR−およびS−順序付け規則で記載されるか、または分子が偏光面を回転させる様式で特徴付けし、右旋性または左旋性として表すことができる(すなわち、それぞれ(+)−または(−)−異性体)。キラル化合物は、個々の鏡像異性体またはそれらの混合物のいずれかとして存在することができる。鏡像異性体を等しい比率で含有する混合物は、「ラセミ混合物」と呼ばれる。
【0040】
化合物の用語「治療有効量」は、疾患の症状を予防、緩和もしくは改善するかまたは処置される対象の生存を延ばすのに有効な化合物の量を意味する。治療有効量の決定は、従来技術の範囲内である。本発明に係る化合物の治療有効量または用量は、広い範囲で変動することができ、当技術分野において公知の方法で決定しうる。このような用量は、投与される特定の化合物、投与経路、処置される条件、および処置される患者を含む各々の特定の場合における個々の要件に適合される。一般に、約70kgの体重の成人への経口または非経口投与の場合、約0.1mg〜約5,000mg、1mg〜約1,000mg、または1mg〜100mgの一日用量が適切であるが、指定される場合には、上限および下限を超えてもよい。一日用量は、単回投与または分割投与として投与することができ、非経口投与については、連続的注入として与えてもよい。
【0041】
用語「薬学的に許容される担体」は、溶媒、分散媒、コーティング、抗菌および抗カビ剤、等張剤および吸収遅延剤、ならびに薬学的投与に適合性の他の物質および化合物を含む、薬学的投与に適合性の任意のおよび全ての物質を含むことが意図される。任意の慣用の媒体または物質が活性化合物と非適合性である場合を除いて、本発明の組成物中でその使用が検討される。追加の活性化合物をも組成物に組み入れることができる。
【0042】
本明細書の組成物を調製するために有用な薬学的担体は、固体、液体または気体であることができ;したがって、組成物は、錠剤、丸剤、カプセル剤、坐剤、散剤、腸溶性コーティングされたまたは他の保護された製剤(例えばイオン交換樹脂への結合または脂質−タンパク質小胞中のパッケージング)、持続放出製剤、液剤、懸濁剤、エリキシル剤、エアロゾル剤などの形態を採りうる。担体は、石油、動物、植物または合成起源の油、例えばピーナッツ油、大豆油、鉱油、ゴマ油などを含む様々な油より選択することができる。水、食塩水、水性デキストロース、およびグリコールは、特に(血液と等張の場合に)注射液用の、好ましい液体担体である。例えば、静脈内投与用製剤は、固体活性成分を水に溶解させて水溶液を作製すること、およびその溶液を滅菌することによって調製される、活性成分の無菌水溶液を含む。適切な薬学的賦形剤として、デンプン、セルロース、タルク、グルコース、ラクトース、タルク、ゼラチン、麦芽、コメ、小麦粉、チョーク、シリカ、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、ピロピレングリコール、水、エタノールなどが挙げられる。この組成物には、保存料、安定化剤、湿潤剤または乳化剤、浸透圧を調整するための塩、緩衝剤などの慣用の薬学的添加剤が加えられることがある。適切な薬学的担体およびそれらの製剤は、E. W. MartinによるRemington's Pharmaceutical Sciencesに記載されている。このような組成物は、いずれにしても、レシピエントに適切に投与するための適切な剤形を調製するように、適切な担体と一緒に有効量の活性化合物を含有するものである。
【0043】
本発明の方法の実施にあたり、本発明の化合物の任意の一つあるいは本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルの任意のものの組み合わせの有効量が、単独でまたは組み合わせて、当技術分野において公知の、通常の許容される任意の方法により投与される。したがって、この化合物または組成物は、経口(例えば口腔)、舌下、非経口(例えば、筋肉内、静脈内、または皮下)、経直腸(例えば、坐剤または洗浄剤による)、経皮(例えば、皮膚電気穿孔法)で、または吸入により(例えば、エアロゾル剤による)、そして錠剤および懸濁剤を含む固体、液体または気体投薬の形態で投与することができる。投与は、適宜、一単位剤形の連続治療でまたは単回投与治療で行うことができる。治療用組成物は、パモ酸などの親油性塩と共に油性エマルションもしくは分散液の形態、または皮下もしくは筋肉内投与用の生分解性持続放出組成物の形態でもありうる。
【0044】
詳細には、本発明は、式I:
【0045】
【化2】

【0046】
(式中、Rは、(1)水素または(2)フルオロで場合により置換されているメチルであり;RおよびRは、独立して、
(1)ハロゲン;
(2)−NH
(3)−NO
(4)ハロゲンで場合により置換されている低級アルキル、
(5)低級アルキルで場合により置換されている低級シクロアルキル;
(6)低級アルケニル;
(7)低級アルカノイル;
(8)低級アルコキシ;
(9)低級シクロアルコキシ;
(10)低級ヘテロシクロアルキル;
(11)低級ヘテロシクロアルキルオキシ;
(12)低級アルキルスルファニル、低級シクロアルキルスルファニル、または低級ヘテロシクロアルキルスルファニル;
(13)低級アルキルスルフィニル、低級シクロアルキルスルフィニル、または低級ヘテロシクロアルキルスルフィニル;
(14)低級アルキルスルホニル、低級シクロアルキルスルホニル、または低級ヘテロシクロアルキルスルホニル;
(15)低級アルキルスルホニルアミノ;
(16)低級アルキルアミノ;
(17)低級ジアルキルアミノ;および
(18)低級トリアルキルシリル
よりなる群から選択される)
の化合物およびその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0047】
特記されない限り、式Iの属およびその全ての下位属は、全ての可能な立体異性体(すなわち、(R)−鏡像異性体および(S)−鏡像異性体)ならびにそのラセミおよびスカレミック混合物を包含する。本発明の一つの態様において、式Iの化合物は、式Iの(R)−鏡像異性体についての以下の下位属の構造式IAに表されている、(R)−鏡像異性体またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである:
【0048】
【化3】

【0049】
(式中、R、RおよびRは、前に定義されているとおりである)。
【0050】
他の態様において、式Iの化合物は、式Iの(S)−鏡像異性体についての以下の下位属の構造式IBに表されている、(S)−鏡像異性体またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルである:
【0051】
【化4】

【0052】
(式中、R、RおよびRは、前に定義されているとおりである)。
【0053】
他の態様において、本発明は、式Iの化合物の(R)−鏡像異性体および(S)−鏡像異性体の混合物(ラセミまたは他のもの)を含む組成物に関する。
【0054】
一つの態様において、本発明は、Rが、水素である、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0055】
より特定の態様において、本発明は、Rが、水素である、式IAの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0056】
他の態様において、本発明は、Rが、メチルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0057】
より特定の態様において、本発明は、Rが、メチルである、式IAの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0058】
他の態様において、本発明は、Rが、フルオロメチルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0059】
より特定の態様において、本発明は、Rが、フルオロメチルである、式IAの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0060】
他の態様において、本発明は、Rが、ジフルオロメチルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0061】
より特定の態様において、本発明は、Rが、ジフルオロメチルである、式IAの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0062】
他の態様において、本発明は、Rが、トリフルオロメチルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0063】
より特定の態様において、本発明は、Rが、トリフルオロメチルである、式IAの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0064】
一つの態様において、本発明は、RおよびRが、独立して、
(1)ハロゲン;
(2)低級アルキル;
(3)ハロゲンで置換されている低級アルキル、
(4)シクロアルキル;
(5)低級アルキルで置換されている低級シクロアルキル;
(6)低級ヘテロシクロアルキル;
(7)低級アルカノイル;
(8)低級アルコキシ;
(9)低級シクロアルコキシ;
(10)低級アルキルスルフィニル;
(11)低級アルキルスルホニル;
(12)低級シクロアルキルスルホニル;
(13)低級アルキルアミノ;および
(14)低級ジアルキルアミノ
よりなる群から選択されるものである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0065】
他の態様において、本発明は、RまたはRが、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードのようなハロゲンである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。いくつかの特定の態様において、RまたはRは、フルオロ、クロロ、またはブロモである。
【0066】
他の態様において、本発明は、RまたはRが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチルのような低級アルキルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。いくつかの特定の態様において、RまたはRは、メチル、イソプロピルまたはtert−ブチルである。
【0067】
他の態様において、本発明は、RまたはRが、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、1,1−ジフルオロエチル、またはフルオロメチルのような、ハロゲンで置換されている低級アルキルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。いくつかの特定の態様において、RまたはRは、1,1−ジフルオロエチルまたはトリフルオロメチルである。いくつかのより特定の態様において、RまたはRは、トリフルオロメチルである。
【0068】
他の態様において、本発明は、RまたはRが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルのような低級シクロアルキルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。いくつかの特定の態様において、RまたはRは、シクロプロピルまたはシクロペンチルである。
【0069】
他の態様において、本発明は、RまたはRが、1−メチル−シクロプロピルまたは1−エチル−シクロプロピルのような、低級アルキルで置換されている低級シクロアルキルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。いくつかの特定の態様において、RまたはRは、1−メチル−シクロプロピルである。
【0070】
他の態様において、本発明は、RまたはRが、ピペリジニル、ピペラジニル、またはピロリジニルのような低級ヘテロシクロアルキルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。いくつかの特定の態様において、RまたはRは、ピロリジニルである。
【0071】
他の態様において、本発明は、RまたはRが、プロパノイルまたはアセチルのような低級アルカノイルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。いくつかの特定の態様において、RまたはRは、アセチルである。
【0072】
他の態様において、本発明は、RまたはRが、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシまたはtert−ブトキシのような低級アルコキシである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。いくつかの特定の態様において、RまたはRは、メトキシ、エトキシ、またはイソプロポキシである。
【0073】
他の態様において、本発明は、RまたはRが、シクロブトキシまたはシクロペントキシのような低級シクロアルコキシである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。いくつかの特定の態様において、RまたはRは、シクロペントキシである。
【0074】
他の態様において、本発明は、RまたはRが、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、またはイソプロピルスルフィニルのような低級アルキルスルフィニルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。いくつかの特定の態様において、RまたはRは、イソプロピルスルフィニルである。
【0075】
他の態様において、本発明は、RまたはRが、メチルスルホニル、エチルスルホニル、イソプロピルスルホニル、またはtert−ブチルスルホニルのような低級アルキルスルホニルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。いくつかの特定の態様において、RまたはRは、メチルスルホニル、イソプロピルスルホニルまたはtert−ブチルスルホニルである。
【0076】
他の態様において、本発明は、RまたはRが、シクロプロピルスルホニル、シクロブチルスルホニルまたはシクロペンチルスルホニルのような低級シクロアルキルスルホニルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。いくつかの特定の態様において、RまたはRは、シクロペンチルスルホニルである。
【0077】
他の態様において、本発明は、RまたはRが、メチルスルホニルアミノまたはエチルスルホニルアミノのような低級アルキルスルホニルアミノである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。いくつかの特定の態様において、RまたはRは、メチルスルホニルアミノである。
【0078】
他の態様において、本発明は、RまたはRが、メチルアミノ、エチルアミノ、またはイソプロピルアミノのようなアルキルアミノである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。いくつかの特定の態様において、RまたはRは、メチルアミノである。
【0079】
他の態様において、本発明は、RまたはRが、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルエチルアミノ、またはメチルイソプロピルアミノのようなジアルキルアミノである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。いくつかの特定の態様において、RまたはRは、ジエチルアミノまたはメチルイソプロピルアミノである。
【0080】
一つの特定の態様において、本発明は、Rが、水素であり、RまたはRの少なくとも一つが、トリフルオロメチルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0081】
他の特定の態様において、本発明は、Rが、メチルであり、RまたはRの少なくとも一つが、トリフルオロメチルである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0082】
一つの特定の態様において、本発明は、RおよびRが、両方ともはフルオロではないことを除いて、RおよびRが、式Iについて先に定義されているとおりである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0083】
他の特定の態様において、本発明は、RおよびRが、両方ともはハロゲンではないことを除いて、RおよびRが、式Iについて先に定義されているとおりである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0084】
他の特定の態様において、本発明は、RおよびRが、両方ともはメチルではないことを除いて、RおよびRが、式Iについて先に定義されているとおりである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0085】
他の特定の態様において、本発明は、RまたはRの少なくとも一つが、ハロゲンでもメチルでもないことを除いて、RおよびRが、式Iについて先に定義されているとおりである、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0086】
より特定の態様において、本発明は、
[(R)−5−(3,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−5−(3,5−ジメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−5−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−5−(3−イソプロピル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
{(R)−5−[3−(1,1−ジフルオロ−エチル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{(R)−5−[3−(1−メチル−シクロプロピル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
[(R)−5−(3,5−ジ−tert−ブチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−5−(3,5−ビス−メタンスルホニル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−5−(3−メトキシ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−5−(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−5−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;および
その任意の薬学的に許容される塩またはエステルよりなる群から選択される式Iの化合物に関する。
【0087】
他のより特定の態様において、本発明は、
{(R)−5−[(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{(R)−5−[(3,5−ジ−tert−ブチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{(R)−5−[(3,5−ビス−メタンスルホニル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{(R)−5−[(3−メトキシ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{(R)−5−[(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{(R)−5−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{(R)−5−[(3,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{(R)−5−[(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{(R)−5−[(3,5−ジメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
((R)−5−{メチル−[3−(プロパン−2−スルフィニル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸;
{(R)−5−[(3−シクロペンタンスルホニル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
((R)−5−{メチル−[3−(プロパン−2−スルホニル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸;
((R)−5−{メチル−[3−(2−メチル−プロパン−2−スルホニル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸;
{(R)−5−[メチル−(3−ピロリジン−1−イル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{(R)−5−[(3−ジエチルアミノ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
((R)−5−{[3−(イソプロピル−メチル−アミノ)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−メチル−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸;
((R)−5−{[3−(1,1−ジフルオロ−エチル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−メチル−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸;
{(R)−5−[(3−アセチル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
((R)−5−{メチル−[3−(1−メチル−シクロプロピル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸;
{(R)−5−[(3−イソプロピル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{(R)−5−[(3−イソプロポキシ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{(R)−5−[(3−エトキシ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{(R)−5−[(3−シクロペンチルオキシ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;および
その任意の薬学的に許容される塩またはエステルよりなる群から選択される式Iの化合物に関する。
【0088】
他の特定の態様において、本発明は、[(R)−5−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸および/または{(R)−5−[(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;および/またはその任意の薬学的に許容される塩またはエステル以外の、式Iまたは式IAの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0089】
他の特定の態様において、本発明は、[(R)−5−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸および/または{(R)−5−[(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;および/またはその任意の薬学的に許容される塩またはエステル以外の、式Iまたは式IAの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0090】
他の特定の態様において、本発明は、[(R)−5−(3,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸および/または{(R)−5−[(3,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;および/またはその任意の薬学的に許容される塩またはエステル以外の、式Iまたは式IAの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0091】
他の特定の態様において、本発明は、[(R)−5−(3,5−ジメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸および/または{(R)−5−[(3,5−ジメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;および/またはその任意の薬学的に許容される塩またはエステル以外の、式Iまたは式IAの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0092】
他の特定の態様において、本発明は、[(R)−5−(3−ジエチルアミノ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸および/または{(R)−5−[(3−ジエチルアミノ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;および/またはその任意の薬学的に許容される塩またはエステル以外の、式Iまたは式IAの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0093】
他の特定の態様において、本発明は、[(R)−5−(3−シクロペンチルオキシ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸および/または{(R)−5−[(3−シクロペンチルオキシ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;および/またはその任意の薬学的に許容される塩またはエステル以外の、式Iまたは式IAの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステルに関する。
【0094】
本発明の化合物は、任意の慣用の手段により製造することができる。これらの化合物の好適な合成方法は、実施例中に提供されている。一般に、式Iの化合物は、以下に示されているスキームに従って製造することができる。
【0095】
【化5】

【0096】
対象の化合物Iaは、スキーム1に従って製造することができる。ナフタレン−1,5−ジオール(II)を出発して、パラジウム触媒水素化は、5−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン(III)を与え、これは、塩基性条件下にブロモ酢酸tert−ブチル(IV)で求核置換すると、エーテル化合物Vを生成する。酢酸アンモニウムでの中間体Vの還元的アミノ化反応とそれに続くキラル分離は、対応するアミノ誘導体VIを与える。アミンVI(またはその塩酸塩)の種々のアリールスルホニルクロリドVIIでのスルホニル化は、構造VIIIのスルホンアミドを与える。N−HスルホンアミドVIIIのN−メチル化は、化合物IXを与える。VIIIまたはIXのいずれかのエステル加水分解は、対象の化合物Iaを生成する。ラセミのVI(またはその塩酸塩)を出発し、引き続いてラセミの中間体VIIIまたはIXのキラル分割を用いて、鏡像異性体的に純粋な対象の化合物Iaを合成することも可能である。あるいは、光学的に純粋なIaは、対象のラセミの化合物Iaのキラル分離を経て得ることができる。
【0097】
市販されている、5−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン(III)は、ナフタレン−1,5−ジオール(II)の水素化により調製することができる。反応は、イソプロパノール、エタノール、酢酸エチル、またはメタノールのような溶媒中、塩基性条件下に、100psiの水素圧で、パラジウム担持炭(10%)の存在下に、80℃で数時間、行うことができる。
【0098】
エーテル化合物Vを与える、5−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン(III)のブロモ酢酸tert−ブチル(IV)での求核置換反応は、当業者に周知の方法を用いて達成することができる。反応は、典型的には、炭酸物塩基(例えば、炭酸セシウム、炭酸カリウムなど)または水酸化カリウムの存在下に、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、またはジメチルスルホキシドのような非プロトン性溶媒中、50〜100℃の間の温度で数時間行う。
【0099】
ケトンVのアミンVIへの変換は、還元的アミノ化を経て達成することができる。変換は、ケトンVを酢酸アンモニウムまたはアンモニアで処理して対応するイミンを生成し、次いでこれを単離して適切な還元剤(たとえば、水素化ホウ素ナトリウム)で還元することにより、段階的に行うことができる。イミン形成およびシアノ水素化ホウ素ナトリウム(NaBHCN)またはトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(NaBH(OCOCH)のような還元剤の使用で同時に生じる還元を共に、ワンポットで同じ反応手順を行うこともできる。反応は、典型的には、メタノールまたはテトラヒドロフランのような溶媒中、室温〜還流温度の間の温度で数時間行う。次いで、キラルクロマトグラフィーを用いて、このようにして得られたラセミのアミンの鏡像異性体を、アミンVIの光学的に純粋なR−鏡像異性体に分離すると、アミンVIの光学的に純粋なR鏡像異性体が得られる。
【0100】
スルホンアミドVIIIを与える、アミン化合物VI(またはその塩酸塩)の、構造VIIのアリールスルホニルクロリドでのスルホニル化は、当業者に周知の方法を用いて容易に達成することができる。反応は、典型的には、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、またはジメチル−ピリジン−4−イルアミンのような塩基の存在下に、ジクロロメタン、アセトニトリル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランまたはそれらの混合物のような適切な不活性溶媒中で、室温で16時間行う。
【0101】
対応する誘導体IXを製造する、化合物VIIIのN−メチル化は、炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウムのような弱塩基の存在下に、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、またはテトラヒドロフランのような不活性溶媒中、65℃で5時間、化合物VIIIをヨウ化メチルで処理することにより達成することができる。
【0102】
化合物VIIIまたはIXの加水分解は、対応する酸Iaを与える。反応は、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムのような無機塩基の水溶液の存在下に、1,4−ジオキサンまたはテトラヒドロフランのような不活性溶媒中、室温で数時間行うことができる。
【0103】
または、対象の化合物Iaの光学的に純粋な鏡像異性体は、VIについてのラセミのアミン前駆体(スキーム1、工程3、分割前)を出発して、VIII、IXまたはIaに対応するラセミの化合物を後の工程でキラル分割することを用いて、上記と同じ経路を経て得ることができる。
【0104】
【化6】

【0105】
または、鍵キラル中間体VIは、スキーム2に示されている不斉合成アプローチを経て調製することができる。ケトンVの対応するヒドロキシル化合物XIへの還元は、ギ酸−トリエチルアミン共沸混合物の存在下に、式Xのキラル触媒(またはメシチレンの代わりにシメンを含有する類似の触媒)を用いることにより、鏡像異性体選択的に行うことができる。次いで、ヒドロキシル化合物XIは、二工程プロセスを経て、アミン塩酸塩VIに変換される:まず、アルコールXIを、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)と1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)を用いて、対応するアジド類縁体に変換する(立体化学の反転が高度に選択的である)。アジド誘導体の水素化とそれに続くクロロトリメチルシランとメタノールでの処理は、所望の立体化学を有するアミン塩酸塩VIを与える。次いで、鍵中間体VIは、スキーム1で前記したように、中間体IXに変換することができ、続いて、対象の化合物Iaに変換することができる。さらに、キラルアルコールXIは、適切なスルホンアミドXIIとの一工程の光延反応を経て、鍵スルホンアミド中間体IXに変換することができる。次いで、対象の化合物Iaを製造する、エステル加水分解は、スキーム1で前記したようにして行うことができる。
【0106】
ケトンVのヒドロキシ化合物XIへの還元は、ギ酸−トリエチルアミン共沸混合物(5:2のモル比)中、室温で数時間、その後45℃でさらに数時間、クロロ−[(1S,2S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエタン−ジアミン](メシチレン)ルテニウム(.)(X)のような触媒またはメシチレンの代わりにシメンを含有する類似の触媒を用いることにより、鏡像異性体選択的に行うことができる(文献:Fujii, A.ら、J. Am. Chem. Soc. 118 (1996) 2521;Wagner, K. Angew. Chem., Int. Ed. Engl. 9 (1079), 50)。
【0107】
対応するアジド類縁体を与える、構造XIのヒドロキシル基の置換(立体化学の反転が高度に選択的である)は、無水条件下に、トルエンまたはN,N−ジメチルホルムアミドのような不活性溶媒中、0℃〜10℃の間の温度で18時間、化合物XIとジフェニルホスホリルアジド(DPPA)との混合物を1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)で処理することにより達成することができる。
【0108】
対応するアミンVIをキラリティーを保持して与える、上記のアジド誘導体の水素化は、5%パラジウム担持炭の存在下に、酢酸エチル、メタノール、またはエタノールのような有機溶媒中、350psiの水素圧下に、室温で1.5時間行うことができる。
【0109】
アルコール誘導体XIとスルホンアミドXIIとの間の光延反応は、当業者に周知である。反応は、典型的には、トリフェニルホスフィンとアゾジカルボン酸ジイソプロピルの存在下に、テトラヒドロフランまたは2−メチル−テトラヒドロフランのような溶媒中、−10℃〜−20℃の間の温度で行われる。
【0110】
次いで、鍵中間体VIまたはIXの対象の化合物Iaへの変換は、上のスキーム1に先に記載されているとおりにして行う。
【0111】
【化7】

【0112】
スルホニルまたはスルフィニル基をアリールスルホンアミド上に持つ対象の化合物Ibは、スキーム3に従って調製することができる。((R)−5−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸tert−ブチルエステル塩酸塩(VI)と3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルクロリド(XIII)とのスルホニル化反応は、化合物XIVを与え、これは、メチル化により、対応するN−メチル化誘導体XVに変換される。中間体XVのチオールXVIでの求核置換は、スルファニル化合物XVIIを与え、これは、調節された条件下の酸化を経て、スルフィニル(m=1)またはスルホニル(m=2)誘導体のいずれかに変換することができる。XVIIIのエステル加水分解は、対象の化合物Ibを生成する。
【0113】
スルホンアミドXIVを与える、アミン塩酸塩VIの3−フルオロ−5−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルクロリド(XIII)でのスルホニル化は、当業者に周知の方法を用いて容易に達成することができる。反応は、典型的には、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、またはジメチル−ピリジン−4−イルアミンのような塩基の存在下に、ジクロロメタン、アセトニトリル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランまたはそれらの混合物のような適切な不活性溶媒中、室温で16時間行う。
【0114】
化合物XVを与える、N−H化合物XIVのN−メチル化は、炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウムのような弱塩基の存在下に、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、またはテトラヒドロフランのような不活性溶媒中、65℃で5時間、化合物XIVをヨウ化メチルで処理することにより達成することができる。
【0115】
3−アルキルスルファニル類縁体XVIIを与える、フルオロ置換化合物XVとチオールXVIでの求核置換は、塩基、例えば炭酸カリウム、炭酸セシウム、酢酸ナトリウム、またはトリエチルアミンの存在下に、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、エタノール、水またはこれらの混合物のような溶媒中で、100〜150℃の間の温度で約30〜60分間、マイクロ波照射下に行われる。または、反応は、穏やかに加温した温度でより長い反応時間で、マイクロ波を用いずに行うこともできる。
【0116】
スルファニル化合物XVIIの対応するスルフィニルまたはスルホニル類縁体XVIIIへの酸化は、ジクロロメタンまたはジクロロエタンのような不活性で適切な溶媒(または、過酸化水素を用いる場合には水溶液)中、0℃〜室温の間の温度で数時間、過酸化水素またはm−クロロ過安息香酸(m−CPBA)のような酸化剤を用いて達成することができる。または、OXONE/アルミナを調節された条件下に用いて、スルホキシドまたはスルホンXVIIIを得ることができる。典型的には、反応は、エタノール、メタノール、アセトン、ジクロロメタン、水またはこれらの混合物のような適切な溶媒中、0℃〜還流温度の間の温度で数時間行われる。スルホキシドまたはスルホンの生成は、反応の化学量論および反応時間に依存する(文献:Llauger L.ら、Tetrahedron Lett. 45 (2004) 9549-9552;Kropp P.J.ら、J. Am. Chem. Soc., 122 (2000), 4280-4285)。
【0117】
エステルXVIIIの加水分解は、対象の化合物Ibを与える。反応は、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムのような無機塩基水溶液の存在下に、1,4−ジオキサンまたはテトラヒドロフランのような不活性溶媒中、室温で数時間行うことができる。
【0118】
【化8】

【0119】
対象の化合物Icは、スキーム4に従って、対応するフルオロ置換アリールスルホンアミドXVを適切なアミンXIXと求核置換反応させることによりアミノ置換中間体XXを得、続いて塩基触媒エステル加水分解により調製することができる。
【0120】
アミノ誘導体XXを生成する、化合物XVのフルオロ基の、種々のアミンXIXとの求核置換は、塩基、例えば水素化ナトリウム、炭酸カリウム、または炭酸セシウムの存在下に、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、またはN,N−ジメチルホルムアミドのような不活性溶媒中で、100〜150℃の間の温度で約15〜60分間、マイクロ波照射下に行われる。または、反応は、加温した温度でより長い反応時間で、マイクロ波を用いずに行うこともできる。
【0121】
エステルXXの加水分解は、対象の化合物Icを与える。反応は、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムのような無機塩基水溶液の存在下に、1,4−ジオキサンまたはテトラヒドロフランのような不活性溶媒中、室温で数時間行うことができる。
【0122】
【化9】

【0123】
対象の化合物IdおよびIeの合成は、スキーム5に示されている。アミン塩酸塩VIのブロモ置換アリールスルホニルクロリドでのスルホニル化は、対応するスルホンアミドXXIIを与える。XXII中のスルホンアミドN−Hは、メチル基で置換することができ、対応する誘導体XXIIIを与える。臭化アリールXXIIIとトリブチル(1−エトキシビニル)スズ(XXIV)との間のスティルカップリング反応とそれに続く酸性後処理は、ケトンXXVを生成し、これは、次いで、求核性フッ素化源で処理すると、gem−ジフルオリドに変換することができる。メチルスルホンアミドXXVまたはXXVIIのエステル加水分解は、それぞれ、対象の化合物IdおよびIeを生成する。
【0124】
スルホンアミドXXIIを与える、アミン塩酸塩VIの3−ブロモ−5−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルクロリド(XXI)でのスルホニル化は、当業者に周知の方法を用いて容易に達成することができる。反応は、典型的には、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、またはジメチル−ピリジン−4−イルアミンのような塩基の存在下に、ジクロロメタン、アセトニトリル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランまたはそれらの混合物のような適切な不活性溶媒中、室温で16時間行う。
【0125】
対応する誘導体XXIIIを製造する、スルホンアミドXXIIのN−メチル化は、炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウムのような弱塩基の存在下に、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、またはテトラヒドロフランのような不活性溶媒中、70℃前後で数時間、XXIIをヨウ化メチルで処理することにより達成することができる。
【0126】
ケトンXXVは、ブロモ誘導体XXIIIとトリブチル(1−エトキシビニル)スズ(XXIV)との間のスティルカップリング反応とそれに続く、水中または水とテトラヒドロフランとの混合物中での70℃で30分〜18時間の塩酸での酸性加水分解により得ることができる。スティルカップリング反応は、典型的には、アルゴン雰囲気下、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh)または[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(PdCl(dppf))のようなパラジウム触媒の存在下に、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、ジオキサン、アセトニトリル、またはこれらの混合物のような不活性溶媒中、80〜150℃の間の温度で1〜18時間行う。または、反応は、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd(dba))およびトリフェニルアルシン(PhAs)の存在下で行うことができる。
【0127】
ケトンXXVのgem−ジフルオリド誘導体XXVIIへの変換は、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、またはこれらの混合物のような好適な溶媒と共にまたはそれなしで、室温〜180℃の間の温度で、数時間、求核性フッ素化源、例えば三フッ化ジエチルアミノ硫黄(DAST)、三フッ化ビス(2−メトキシエチル)アミノ硫黄、(CHOCHCHNSF(デオキソ−フルオロ試薬)、α、α−ジフルオロアミン、またはN,N−ジエチル−α、α−ジフルオロ−(m−メチルベンジル)アミン(DFMBA)で達成することができる(文献:Lal, G.S.ら、J. Org. Chem. 64 (1999) 7048)。
【0128】
XXVまたはXXVIIのいずれかのエステル加水分解は、それぞれ、式IdおよびIeの対象の化合物を与える。反応は、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムのような無機塩基水溶液の存在下に、1,4−ジオキサンまたはテトラヒドロフランのような不活性溶媒中、室温で数時間行うことができる。
【0129】
【化10】

【0130】
対象の化合物IfおよびIgは、スキーム6に示されているようにして合成することができる。ブロモ置換化合物XXIIと2−イソプロペニル−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン(XXVIII)との間の鈴木カップリング反応は、対応する構造XXIXのイソプロペニル化合物を生成する。tert−ブチルエステルXXIXのエステル加水分解とそれに続くメタノールでの再エステル化は、メチルエステルXXXIを与え、これは、さらにN−メチル化すると、中間体XXXIIを生成する。オレフィンXXXIIのジアゾメタン(XXXIII)での処理と引き続くエステル加水分解は、対象の化合物Igを生成する。ブロモ置換化合物XXIIのN−メチル化は、対応する誘導体XXIIIを与え、次いで、これは、2−イソプロペニル−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン(XXVIII)との鈴木カップリングを経て、メチル化オレフィンXXXVへ変換される。オレフィンXXXVの水素化および引き続くエステル加水分解は、化合物Ifを与える。
【0131】
オレフィン誘導体XXIXを与える、化合物XXIIと2−イソプロペニル−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン(XXVIII)との間の鈴木カップリング反応は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh)または[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(PdCl(dppf))のようなパラジウム触媒およびカリウムtert−ブトキシドまたは炭酸ナトリウムのような塩基の存在下に、N,N−ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシドのような不活性溶媒中、130〜180℃の間の温度で15〜30分間、マイクロ波照射下に行われる。または、反応は、加温した温度、例えば130℃でより長い反応時間で、マイクロ波を用いずに行うこともできる。
【0132】
tert−ブチルエステルXXIXのメチルエステルXXXIへのエステル変換は、二工程で達成することができる。第一工程は、XXIXの対応する酸XXXへの塩基触媒加水分解を含む。反応は、水酸化リチウムまたは水酸化カリウムのような無機塩基水溶液の存在下に、1,4−ジオキサンまたはテトラヒドロフランのような不活性溶媒中で、室温で数時間行うことができる。メチルエステルXXXIは、メタノール中、触媒量の塩化チオニルの存在下に、マイクロ波照射下に、約100℃の温度で、15〜30分間、酸中間体XXXを処理することにより得ることができる。
【0133】
対応するN−メチル化合物XXXIIは、化合物XXXIをヨウ化メチル(X)でメチル化することにより、容易に調製することができる。反応は、炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウムのような弱塩基の存在下に、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、またはテトラヒドロフランのような不活性溶媒中、65℃で5時間行うことができる。
【0134】
オレフィンXXXIIの対応するシクロプロピル誘導体XXXIVへの変換は、酢酸パラジウム、パラジウム(II)アセチルアセトン、または二塩化パラジウムビス(ベンゾニトリル)のようなパラジウム触媒の存在下に、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、またはこれらの混合物のような溶媒中、0℃〜室温の間の温度で数時間、化合物XXXIIをジアゾメタン(XXXIII)で処理することにより達成することができる[文献:Staas, D.D.ら、Bioorg. Med. Chem. 14 (2006) 6900]。ジアゾメタンは、インサイチュで新たに調製し、エーテルまたはジオキサンの溶液中で使用することができる。例えば、ジアゾメタンは、ジエチルエーテル中、低温で、水酸化カリウム水溶液を加えることにより、N−ニトロソ−N−メチルウレアの溶液から遊離させる。
【0135】
シクロプロピル化合物XXXIVのエステル加水分解は、式Igの対象の化合物を与える。反応は、水酸化リチウムまたは水酸化カリウムのような無機塩基水溶液の存在下に、1,4−ジオキサンまたはテトラヒドロフランのような不活性溶媒中、室温で数時間行うことができる。
【0136】
スキーム5に記載のように、対応する誘導体XXIIIを製造する、スルホンアミドXXIIのN−メチル化は、炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウムのような弱塩基の存在下に、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、またはテトラヒドロフランのような不活性溶媒中、70℃前後で数時間、XXIIをヨウ化メチルで処理することにより達成することができる。
【0137】
オレフィン誘導体XXXVを与える、N−メチル化化合物XXIIIと2−イソプロペニル−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン(XXVIII)との間の鈴木カップリング反応は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh)または[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(PdCl(dppf))のようなパラジウム触媒およびカリウムtert−ブトキシドまたは炭酸ナトリウムのような塩基の存在下に、N,N−ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシドのような不活性溶媒中、130〜180℃の間の温度で15〜30分間、マイクロ波照射下に行うことができる。または、反応は、加温した温度、例えば130℃でより長い反応時間で、マイクロ波を用いずに行うこともできる。
【0138】
式Ifの対象の化合物は、中間体XXXVの水素化とそれに続くエステル加水分解を経て得ることができる。水素化は、10%パラジウム担持炭の存在下に、エタノール、酢酸エチル、またはメタノールのような溶媒中、室温で数時間、大気圧の水素下に行うことができる。あるいは、水素化反応は、エタノール、酢酸エチル、またはメタノールのような溶媒中、50psiの圧力下に、80℃で数分間、マイクロ波を用いて行うことができる。エステル加水分解は、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムのような無機塩基水溶液の存在下に、1,4−ジオキサンまたはテトラヒドロフランのような不活性溶媒中で、室温で数時間行うことができる。
【0139】
【化11】

【0140】
アルキルまたはシクロアルキル基(R)がエーテル結合を介して芳香族環に結合している、化合物Ihは、スキーム7に従って、フルオロ置換化合物XV(スキーム3に記載のようにして調製)のアルキルアルコールまたはシクロアルキルアルコールXXXVIでの求核置換でエーテルXXXVIIを与えることを出発して、続いてエステル加水分解することにより、調製することができる。
【0141】
フルオロ置換化合物XVのエーテルXXXVIIへの変換は、水素化ナトリウムまたは炭酸カリウムのような塩基の存在下に、N,N−ジメチルホルムアミドのような不活性溶媒中で、100〜150℃の間の温度で約15〜60分間、マイクロ波照射下に、適切なアルコールXXXVIとの求核置換反応を行うことにより達成することができる。
【0142】
化合物XXXVIIの加水分解は、対象の化合物Ihを与える。反応は、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムまたは水酸化カリウムのような無機塩基水溶液の存在下に、テトラヒドロフランまたは1,4−ジオキサンのような不活性溶媒中、室温で数時間、行うことができる。
【0143】
【化12】

【0144】
N−ジフルオロメチルスルホンアミド基を含有する、対象の化合物Iiは、上のスキーム8に示されているようにして調製することができる。N−HスルホンアミドVIII(上のスキーム1に記載されているようにして調製)の誘導体化は、中間体XXXVIIIを与える。XXXVIIIのエステル加水分解は、対象の化合物Iiを生成する。
【0145】
化合物VIIIの対応するジフルオロメチルスルホンアミド誘導体XXXVIIIへの変換は、水酸化カリウムのような塩基の存在下に、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、またはテトラヒドロフランのような不活性溶媒中、70℃で数時間、クロロジフルオロメタン(フレオン−22)で処理することにより達成することができる[文献:Petko, K.ら、Russian Journal of Organic Chemistry, 38 (2002), 1030]。
【0146】
化合物XXXVIIIの加水分解は、酸Iiを与える。反応は、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムのような無機塩基水溶液の存在下に、1,4−ジオキサンまたはテトラヒドロフランのような不活性溶媒中で、室温で数時間行うことができる。
【0147】
【化13】

【0148】
N−フルオロメチルスルホンアミド基を含有する、対象の化合物Ijは、上のスキーム9に示されているようにして調製することができる。二工程プロセスを経るN−HスルホンアミドVIII(上のスキーム1に記載されているようにして調製)の誘導体化は、ヒドロキシメチル置換中間体XLを与える。ヒドロキシメチル誘導体XLの対応するフルオロメチル類縁体への変換は、三フッ化ジエチルアミノ硫黄(DAST)での処理と、引き続くエステル加水分解により、対象の化合物Ijを生成する。
【0149】
化合物VIIIの対応するフルオロメチル置換スルホンアミド誘導体XLへの変換は、Rapoport, H.らが記載したような[J. Org. Chem. 67 (2002) 1314]、二工程プロセスにより達成することができる。IXのベンジルクロロメチルエーテルでの処理とそれに続く、得られたベンジルエーテルの水素化分解は、ヒドロキシメチル置換誘導体XLを生成する。
【0150】
アルコールXLの対応するフルオロメチル置換誘導体への変換は、Beauve, C.らが記載したように[Tetrahedron, 55 (1999) 13301]、三フッ化ジエチルアミノ硫黄(DAST)での処理により達成することができる。得られたエステルの加水分解は、酸Iiを与える。反応は、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムのような無機塩基水溶液の存在下に、1,4−ジオキサンまたはテトラヒドロフランのような不活性溶媒中で、室温で数時間または40℃で1時間、行うことができる。
【0151】
【化14】

【0152】
対象の化合物Ikは、スキーム10に従って調製することができる。スルホンアミドXXIIのブロモメチル−ベンゼン(XLI)でのベンジル化は、誘導体XLIIを与える。臭化アリールXLIIと1−エトキシビニルトリブチルスズ(XXIV)との間のスティルカップリング反応とそれに続く酸性後処理は、ケトンXLIIIを生成し、これは、次いで、求核性フッ素化源で処理すると、gem−ジフルオリドXLIVに変換することができる。gem−ジフルオリドXLIVの脱ベンジル化は、N−H誘導体XLVを与える。N−H誘導体XLVのエステル加水分解は、対象の化合物Ikを生成する。
【0153】
対応する誘導体VLIIを製造する、スルホンアミドXXIIのベンジル化は、炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウムのような弱塩基の存在下に、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、またはテトラヒドロフランのような不活性溶媒中、70℃前後の温度で数時間、XXIIをブロモメチル−ベンゼン(XLI)で処理することにより達成することができる。
【0154】
ケトンXLIIIは、ブロモ誘導体XLIIと1−エトキシビニルトリブチルスズ(XXIV)との間のスティルカップリング反応とそれに続く、水中または水とテトラヒドロフランとの混合物中での70℃で30分〜18時間の塩酸での酸性加水分解により得ることができる。スティルカップリング反応は、典型的には、アルゴン雰囲気下、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh)または[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(PdCl(dppf))のようなパラジウム触媒の存在下に、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、ジオキサン、アセトニトリル、またはこれらの混合物のような不活性溶媒中、80〜150℃の間の温度で1〜18時間行う。または、反応は、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd(dba))およびトリフェニルアルシン(PhAs)の存在下に行うことができる。
【0155】
ケトンXLIIIのgem−ジフルオリド誘導体XLIVへの変換は、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、またはこれらの混合物のような好適な溶媒と共にまたはそれなしで、室温〜180℃の間の温度で、数時間、求核性フッ素化源、例えば三フッ化ジエチルアミノ硫黄(DAST)、三フッ化ビス(2−メトキシエチル)アミノ硫黄、(CHOCHCHNSF(デオキソ−フルオロ試薬)、α、α−ジフルオロアミン、またはN,N−ジエチル−α、α−ジフルオロ−(m−メチルベンジル)アミン(DFMBA)で達成することができる(文献:Lal, G.S.ら、J. Org. Chem. 64 (1999) 7048)。
【0156】
N−HスルホンアミドXLVを生成する、誘導体XLIVの脱ベンジル化は、パラジウム担持炭の存在下に、エタノールのような好適な有機溶媒中、60℃前後の温度で数時間、XLIVをギ酸アンモニウム塩で処理することにより達成される。
【0157】
XLVのエステル加水分解は、対象の化合物Ikを与える。反応は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムのような無機塩基水溶液の存在下に、1,4−ジオキサンまたはテトラヒドロフランのような不活性溶媒中で、室温で数時間または40℃で1時間、行うことができる。
【0158】
いくつかの例となる態様が本明細書中に示され、記載されているが、本発明の化合物は、一般的に本明細書中に記載されている方法に従っておよび/または当業者が利用しうる方法により、適切な出発物質を用いて調製することができる。
【0159】
中間体および最終化合物は、フラッシュクロマトグラフィーおよび/または分取HPLC(高速液体クロマトグラフィー)のいずれかで精製した。フラッシュクロマトグラフィーは、特記しない限り、(1)Biotage SP1(商標)システムおよびQuad 12/25 Cartridgeモジュール(Biotage ABより)または(2)ISCO CombiFlash(登録商標)クロマトグラフィー機器(Teledyne Isco Inc.より)を用いて行った。使用したシリカゲルのブランドおよび孔径は、(1)KP−SIL(商標)60Å、粒径:40〜60ミクロン(Biotage ABより);(2)シリカゲルCAS登録番号:63231−67−4、粒径:47〜60ミクロン;または(3)Qingdao Haiyang Chemical Co., Ltd, からのZCX、粒径:200〜300メッシュまたは300〜400メッシュである。分取HPLCは、Xbridge(商標)Prep C18(5μm、OBD(商標)30x100mm)カラム(Waters Corporationより)、SunFire(商標)Prep C18(5μm、OBD(商標)30x100mm)カラム(Waters Corporationより)、またはVarian Pursuit(登録商標)C−18カラム20x150mm(Varian, Inc.より)を用いる逆相カラム上で行った。
【0160】
質量分析(MS)または高分解能質量分析(HRMS)は、Waters(登録商標)ZQ(商標)4000(Waters Corporationより)、Waters(登録商標)Alliance(登録商標)2795−ZQ(商標)2000(Waters Corporationより)、Waters(登録商標)Quattro micro(登録商標)API(Waters Corporationより)、またはMDS Sciex(商標)API−2000(商標)nAPI(MDS Inc.より)を用いて行った。質量スペクトルデータは、一般に、特記しない限り、親イオンのみを示す。MSまたはHRMSデータは、示されている特定の中間体または化合物について提供する。
【0161】
核磁気共鳴分析法(NMR)は、Varian(登録商標)Mercury300 NMR分光計(300MHzで得られるHNMRスペクトル用)およびVarian(登録商標)Inova400 NMR分光計(400MHzで得られるHNMRスペクトル用)(双方ともVarian Inc.より)を用いて行った。NMRデータは、示されている特定の中間体または化合物について提供する。
【0162】
超音波支援反応は、Biotage Initiator(商標)Sixty(またはその初期モデル)(Biotage ABより)中で、またはCEM Discover(登録商標)モデル(気体付加アクセサリー付き)(CEM Corporationより)で行った。
【0163】
キラル分離は、Multigram(登録商標)III機器(Thar Technologies, Inc.より)を用いる超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)で行った。
【0164】
空気感受性試薬を含有する全ての反応は、不活性雰囲気下に行った。試薬は、特記しない限り、販売供給者から受け取ったままで使用した。
【0165】
PARTI:好ましい中間体の調製
3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルクロリドの調製
【0166】
【化15】

【0167】
トリフルオロ酢酸(100ml)中の3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−フェニルアミン(9.7g、54mmol)の混合物を、0℃に冷却した。混合物に濃塩酸(10ml)をゆっくりと加え、続いて水(5ml)中の亜硝酸ナトリウム(4.7g、68mmol)の溶液を20分間かけて滴下した。混合物を更に0℃で10分間撹拌し、次に酢酸(120ml)、亜硫酸(0.94N 二酸化硫黄水溶液、120ml)、塩化銅(II)(9.2g、93mmol)及び塩化銅(I)(100mg、0.74mmol)の撹拌した混合物に0℃で注いだ。得られた反応混合物を室温に温まるにまかせて15時間撹拌した。水(200ml)を加え、得られた混合物を酢酸エチル(100ml×3)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ガラス漏斗で濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の20% 酢酸エチル)により精製して、3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルクロリド(3.7g、26%)を白色の固体として得た。(参考文献: Cherney, R.J. et al., J. Med. Chem. 46 (2003) 1811)1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 8.15 (s, 1 H); 7.97-7.99 (d, J = 4.0 Hz, 1 H); 7.74-7.76 (d, J = 4.0 Hz, 1 H)。
【0168】
3,5−ジ−tert−ブチル−ベンゼンスルホニルクロリドの調製
【0169】
【化16】

【0170】
1,3,5−トリ−tert−ブチル−ベンゼン(1.5g、6.1mmol)に、クロロスルホン酸(4ml)を0℃で加えた。0℃で30分間撹拌した後、反応混合物を室温に温め、1時間撹拌した。次に混合物を氷水(50ml)に注ぎ、ジクロロメタン(20ml×3)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の0〜20% 酢酸エチル)により精製して、3,5−ジ−tert−ブチル−ベンゼンスルホニルクロリド(880mg、50%)を黄色の固体として得た[参考文献:Guthrie, R. D. et al. Aust. J. Chem. 40 (1987) 2133 ; Ris, Cornellis et al. J. Chem. Soc. Perkin Trans II (1975) 14]。
【0171】
3−メトキシ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルクロリドの調製
【0172】
【化17】

【0173】
3−メトキシ−5−トリフルオロメチル−フェニルアミン(10g、54mmol)を、250mlのフラスコ中のトリフルオロ酢酸(100ml)に加え、混合物を0℃に冷却した。次に濃縮した塩酸(10ml)を、ゆっくりと反応混合物に加え、続いて水(5ml)中の亜硝酸ナトリウム(4.7g、68mmol)の溶液を20分間かけて滴下した。混合物を、更に0℃で10分間撹拌し、次に酢酸(120ml)、亜硫酸(0.94N 二酸化硫黄水溶液120ml、113mmol)、塩化銅(II)(9.2g、68mmol)及び塩化銅(I)(100mg、1mmol)の撹拌した混合物に0℃で注いだ。反応混合物を室温に温まるにまかせて15時間撹拌し、次に水(200ml)で処理した。水層を酢酸エチル(100ml×3)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ガラス漏斗で濾過して、減圧下で濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の20% 酢酸エチル)により精製して、3−メトキシ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルクロリド(3.9g、27%)を白色の固体[参考文献:Cherney, R.J. et al., J. Med. Chem. 46 (2003) 1811]として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.89 (s, 1 H); 7.70 (s, 1 H); 7.50 (s, 1 H); 4.00 (s, 3 H)。
【0174】
N−メチル−3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミドの調製
(市販されていないN−メチルスルホンアミドXIIの典型的な調製)
【0175】
【化18】

【0176】
THF25ml中の3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルクロリドの溶液5.0g(15.69mmol)を、冷たい(0〜5℃)40% メチルアミン水溶液(3.0g、38.63mmol)に20分間かけて滴下した。得られた反応混合物を0〜5℃で更に1時間撹拌し、次に水(20ml)でクエンチし、メチル tert−ブチルエーテル(25ml)で抽出した。有機層を分離し、水2×20mlで洗浄し、次に容量を約20mlに濃縮した。ヘプタン(50ml)を加え、得られた混合物を40℃/90torrで濃縮し、メチル tert−ブチルエーテルを除去して、総容量を60mlにした。ヘプタンの添加および濃縮を2回繰り返した。得られた沈殿物を濾過し、ヘプタンで洗浄し、次に減圧下で一晩乾燥させ、白色の固体4.42gを得て、これを更に精製しないで使用した。
【0177】
PARTII:目的の化合物の調製
実施例1−1(スキーム1に従った調製)
{(R)−5−[(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸
【0178】
【化19】

【0179】
5−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン(III)
【0180】
【化20】

【0181】
イソプロパノール(150ml)中の1,5−ジヒドロキシナフタレン(25.0g、156mmol)と水酸化ナトリウム(6.3g、157mmol)水溶液(40ml)の混合物に、10% パラジウム担持炭(3.9g)を室温で加えた。反応混合物を、水素100psi下、Parrオートクレーブ(Parr Instrument Company製)中で80℃にて20時間処理した。室温に冷ました後、反応混合物をセライトパッド(登録商標)(World Minerals Inc.製の珪藻土濾過装置)で濾過し、次にイソプロパノール(200ml)で洗浄した。合わせた濾液を木炭で50℃で1時間処理し、次にセライトパッド(登録商標)(珪藻土濾過装置)で濾過した。イソプロパノールを除去し、得られた溶液を、濃縮した塩酸をゆっくりと添加することにより約pH2に調整し、その間に固体の沈殿物が現れた。固体を回収し、水(100ml×2)で洗浄し、高真空下、50℃で乾燥させて、5−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン(15.0g、60%)を暗褐色の固体として得て、これを次の工程で更に精製しないで使用した。MS C1010の計算値162、実測値163 [(M+H)]。
【0182】
(5−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸 tert−ブチルエステル(V)
【0183】
【化21】

【0184】
アセトニトリル(300ml)中の5−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン(10.0g、61.7mmol)と炭酸セシウム(58.5g、180mmol)の撹拌した混合物に、tert−ブチルブロモアセタート(29.0g、148mmol)を、窒素下、室温で加えた。室温で一晩撹拌した後、反応混合物をセライトパッド(登録商標)(珪藻土濾過装置)で濾過し、酢酸エチル(100ml)で洗浄した。合わせた濾液を減圧下で濃縮した。残留物を酢酸エチル(500ml)と水(200ml×3)に分配した。有機層を減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、100〜200メッシュ、ヘキサン中の5〜10% 酢酸エチル)から、(5−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸 tert−ブチルエステル(12.1g、71%)を得た。MS C1620の計算値276、実測値277 [(M+H)]。
【0185】
((R)−5−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸 tert−ブチルエステル塩酸塩(VI)
【0186】
【化22】

【0187】
メタノール(1100ml)中の(5−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸tert−ブチルエステル(76.6g、0.28mol)の撹拌した溶液に、酢酸アンモニウム(299.0g、3.88mol)を加え、続いてメタノール(100ml)中のシアノ水素化ホウ素ナトリウム(17.4g、0.28mol)の溶液を、窒素下、室温で滴下した。反応混合物を、微量の出発物質の残存が検出されなくなるまで(TLCによりモニタリングした、酢酸エチル:メタノール=10:1)、室温で4日間撹拌した。次に反応混合物を減圧下で濃縮した。残留物に飽和炭酸ナトリウム溶液(700ml)を加え、得られた溶液をジクロロメタン(1000ml×3)で抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、半固体の粗生成物を得て、これをジエチルエーテル(150ml)でトリチュレートし、次に酢酸エチル(70ml)中の8M 塩酸で処理した。得られた白色の沈殿物を濾過し、無水ジエチルエーテルで洗浄し、次にオーブン中で55℃にて乾燥させ、(5−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸 tert−ブチルエステル塩酸塩(54g、62%)を白色の固体として得た。超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)(Thar Technologies, Inc.’s Multigram(登録商標)III instrument、Daicel(登録商標)ODカラム5×25cmを使用した、30% メタノール、200ml/分間)によりキラル分離して、R−(5−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸 tert−ブチルエステル塩酸塩を得た。MS C1623NOの計算値277、実測値278(ESI)[(M+H)]。
【0188】
絶対立体化学の割り当ては、対応する4−ヨードフェニルスルホンアミド誘導体のX線構造測定により確立した。
【0189】
[(R)−5−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸 tert−ブチルエステル
【0190】
【化23】

【0191】
乾燥テトラヒドロフラン(15ml)中の((R)−5−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸 tert−ブチルエステル塩酸塩(1.04g、3.30mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.36ml、7.86mmol)の溶液に、3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)−ベンゼンスルホニルクロリド(0.867g、3.30mmol)を室温で加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、次に濃縮した。残った残留物を水と酢酸エチルに分配した。回収した有機層を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(Teledyne Isco, Inc.製のRediSep(登録商標)フラッシュカラム230〜400メッシュ、ヘキサン中の0〜10% 酢酸エチル)から、[(R)−5−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸 tert−ブチルエステル(867mg、52%)を得た。MS C2425NOSの計算値503、実測値504 (ESI)[(M+H)]。
【0192】
{(R)−5−[(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル
【0193】
【化24】

【0194】
N,N−ジメチルホルムアミド(5ml)中の[(R)−5−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸 tert−ブチルエステル(800mg、1.59mmol)の溶液に、炭酸カリウム(483mg、3.5mmol)及びヨードメタン(200μL、3.18mmol)を室温で加え、得られた混合物を一晩撹拌した。次に反応混合物を酢酸エチルと水に分配した。回収した有機層を水(4×)、次にブライン(2×)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過して、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Teledyne Isco, Inc.製のRediSep(登録商標)フラッシュカラム、230〜400メッシュ、ヘキサン中の0〜40% 酢酸エチル)から、{(R)−5−[(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル(577mg、70%)を得た。MS C2427NOSの計算値517、実測値518 (ESI)[(M+H)]。

{(R)−5−[(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸
【0195】
【化25】

【0196】
テトラヒドロフラン(0.5ml)中の{(R)−5−[(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル(50mg、0.097mmol)の溶液に、2N 水酸化ナトリウム溶液(1ml、2mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。テトラヒドロフランを減圧下で除去した。残留した溶液を水で希釈し、エーテルで洗浄した。回収した水層を希釈した塩酸で約pH2に酸性化し、次に酢酸エチルで3回抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、純粋な{(R)−5−[(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸(13mg、29%)を得た。HRMS C2019NOS (ESI)[(M+Na)]の計算値484.0812、実測値484.0811;1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 13.02 (br. s, 1 H), 8.18 (t, J = 9.2 Hz, 2 H), 8.04 (s, 1 H), 7.11 (t, J = 8.1 Hz, 1 H), 6.71 (d, J = 8.1 Hz, 1 H), 6.67 (d, J = 8.1 Hz, 1 H), 5.14 - 5.26 (m, 1 H), 4.66 (s, 2 H), 2.73 (d, J = 16.9 Hz, 1 H), 2.56 (s, 3 H), 2.28 - 2.46 (m, 1 H), 1.83 (br. s, 1 H), 1.54 - 1.77 (m, 2 H), 1.40 - 1.54 (m, 1 H)。
【0197】
スキーム2に記載の((R)−5−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸 tert−ブチルエステル塩酸塩(VI)の代替的調製
【0198】
【化26】

【0199】
((S)−5−ヒドロキシ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸 tert−ブチルエステル(XI)
【0200】
【化27】

【0201】
ジ−μ−クロロビス[(p−シメン)クロロルテニウム(II)([RuCl2(C10H14)]2、Strem Chemicals, Inc.、CAS No. 52462-29-0)124mg(0.203mmol)及び(1S,2S)−(+)−N−p−トシル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン(Aldrich、CAS No. 167316-27-0)153mg(0.416mmol)を含むフラスコに、ギ酸とトリエチルアミン(モル比5:2中)の予め形成された混合物50mlを加え、得られた混合物を室温で45分間撹拌した(ガスの発生を観察した)。次に(5−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸 tert−ブチルエステル10g(36.19mmol)(V、上記に記載したように調製した)を加え、反応混合物を内部温度42℃で撹拌した。ガスが発生し、泡だち、反応混合物を内部温度33℃に1時間かけて冷却し、次に、更に33℃で24時間撹拌した。次に反応混合物を氷水浴で冷却し、脱イオン化水50mlで希釈し、トルエン100mlで抽出した。有機層を分離し、1M クエン酸水溶液(50ml)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(50ml)、および水(50ml)で洗浄した。次に有機相をMgSOで乾燥させ、35℃/20mmHgで総量30mlに共沸濃縮した。得られた溶液をトルエン2×100mlで総量20ml(生成物及びトルエン)に共蒸発させ、これを次の工程で更に精製しないで使用した。
【0202】
((R)−5−アジド−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸 tert−ブチルエステル
【0203】
【化28】

【0204】
上記で調製したキラルアルコールXIのトルエン溶液(36.19mmol、想定100%変換)を、更にトルエン100mlで希釈し、氷水浴で冷却し、次にジフェニルホスホリルアジド(13.64g、49.57mmol)で処理した。この溶液に1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU、8.0g、52.46mmol)を加え、内部温度を1〜4℃に保つような速度で20分間かけて滴下した。次に反応混合物を内部温度1〜2℃で更に45分間撹拌し、次に室温に(水浴で)温め、室温で一晩撹拌した。20時間後、反応混合物を内部温度24℃以下に保ちながら氷−冷水(50ml)で処理した。有機層を分離し、1M クエン酸水溶液(50ml)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(50ml)、及び水(50ml)で洗浄した。次に得られた有機相を、減圧下、20mmHg/26℃で濃縮し、油状物15gを得て、これを次の工程で更に精製しないで使用した。
【0205】
((R)−5−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸 tert−ブチルエステル塩酸塩(VI)
【0206】
【化29】

【0207】
上記で調製した、Parr反応器300ml中のメタノール100ml中の((R)−5−アジド−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸 tert−ブチルエステルの溶液(36.19mmol、想定100%変換)に、水(1.6ml)及び5% Pd/C(1.4g)を加えた。反応混合物を水素圧力350psi以下で撹拌した。90分後、反応物をセライトパッドで濾過し、メタノールで洗浄し、減圧下で濃縮し、油状物16.0gを得た。粗油状物を、メタノール10ml及びメチル tert−ブチルエーテル50mlに溶解した。水を共沸除去し、油状物14.0gを得て、これをメタノール10ml、メチル tert−ブチルエーテル50mlに溶解した。この溶液に、メチル tert−ブチルエーテル50ml中のクロロトリメチルシランの溶液(5.722ml、43.42mmol)を室温で40分間かけて滴下した。得られた混合物を2時間撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、((R)−5−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸 tert−ブチルエステル塩酸塩(VI)8.8g(3工程にわたって収率78%)を得た。
【0208】
実施例1−2から1−9
以下の実施例1−2から1−9を、実施例1−1と同様の手順により、ナフタレン−1,5−ジオール及び適切な市販又は調製したアリールスルホニルクロリドで出発して調製した。
【0209】
【表1】





【0210】
スキーム2に記載の、光延反応を使用し、続いて加水分解した{(R)−5−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸(実施例1−6)の代替調製:
【0211】
【化30】

【0212】
2−メチル−テトラヒドロ−フラン(150ml)中の((S)−5−ヒドロキシ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸 tert−ブチルエステル(XI、9.06g、32.55mmol)、N−メチル−3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホンアミド(10.0g、32.55mmol)、及びトリフェニルホスフィン(10.25g、39.06mmol)の溶液を、−20℃に冷却した。この溶液に、ジイソプロピルアゾジカルボキシラート(7.69ml、39.06mmol)を、内部反応温度を約−20℃で保持するように15分間かけて滴下した。反応混合物を−20℃で2時間撹拌し、次に−10℃に温め、1時間かけてアルコールの消費を確実にした。次に反応混合物をメタノール:水(4:3)溶液110mlでクエンチし、ヘプタン130mlで抽出した。有機層を分離し、メタノール:水(4:3)溶液2×110mlで洗浄した(トリフェニルホスフィンオキシドを除去した)。次に有機相を濃縮し、粗物質をTHF 100mlに溶解した。水酸化リチウム(1M 溶液、162.8ml、162.8mmol)を加え、反応混合物を50℃で7時間加熱した。次に反応混合物を室温に冷まし、室温で一晩撹拌した。HPLC分析は完全な加水分解を示した。得られた混合物をメチル tert−ブチルエーテル(140ml)で希釈した。有機相を分離し、1M 水酸化リチウム(162.8ml、162.8mmol)で洗浄し、更に1N 塩酸(162.8ml、162.8mmol)及び水(200ml)で洗浄した。有機層を分離し、MgSOで乾燥させ、濾過し、総量50mlに濃縮した。メチル tert−ブチルエーテルを加え、得られた溶液を総量60mlに濃縮し、次に結晶化が発生するまでヘプタンを急速に滴下しながら加熱還流した。混合物を1時間加熱還流し、次に室温に冷まし、一晩撹拌した。得られた沈殿物を濾過し、メチル tert−ブチルエーテル:ヘプタン(20ml)の混合物1:9で洗浄し、次にヘプタン(20ml)で洗浄した。次に残留物を乾燥させ、{(R)−5−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸10.62gを白色の固体として生成した。
【0213】
実施例2−1
((R)−5−{メチル−[3−(プロパン−2−スルフィニル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸
【0214】
【化31】

【0215】
{(R)−5−[(3−イソプロピルスルファニル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル
【0216】
【化32】

【0217】
N,N−ジメチルホルムアミド(2ml)中の{(R)−5−[(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル(実施例1−1、工程5)(150mg、0.29mmol)、炭酸カリウム(300mg、2.17mmol)、及びプロパン−2−チオール(165mg、2.17mmol)の混合物をマイクロ波レンジ中、150℃で30分間加熱した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム(10ml)水溶液を加え、得られた溶液を酢酸エチル(3×20ml)で抽出した。合わせた有機層を水(20ml)及びブライン(20ml)で洗浄し、次に濃縮し、{(R)−5−[(3−イソプロピルスルファニル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル(160mg、96%)を粘性油状物として得て、これを次の工程で精製しないで使用した。MS C2734NOの計算値573、実測値574 (ESI)[(M+H)]。
【0218】
((R)−5−{メチル−[3−(プロパン−2−スルフィニル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸 tert−ブチルエステル
【0219】
【化33】

【0220】
ジクロロメタン(30ml)中の{(R)−5−[(3−イソプロピルスルファニル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル(160mg、0.28mmol)及び3−クロロ過安息香酸(85%、200mg、0.99mmol)の溶液を、室温で4時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(150ml)で希釈し、次にチオ硫酸ナトリウム水溶液(50ml)及び飽和炭酸ナトリウム(50ml)で洗浄した。有機層を減圧下で濃縮し、{(R)−5−[(3−イソプロピルスルフィニル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル(140mg、85%、微量の対応するスルホニル誘導体を含む)を粘性の油状物として得て、これを次の工程で精製しないで使用した。MS C2734NOの計算値589、実測値590 (ESI)[(M+H)]。
【0221】
{(R)−5−[(3−イソプロピルスルフィニル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸
【0222】
【化34】

【0223】
{(R)−5−[(3−イソプロピルスルフィニル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル(80mg、0.14mmol)で出発し、実施例1−1に記載したものと同様の方法を使用して、{(R)−5−[(3−イソプロピルスルフィニル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸を、微量の対応するスルホニル誘導体で汚染された粗混合物として得た。分取HPLC[Waters Corporation製のSunFire(登録商標)Prep C18 カラム(5μM、OBD(登録商標)30×100mm、0.5% TFA、水中の40〜70% CHCN、40ml/分)]に付して、純粋な{(R)−5−[(3−イソプロピルスルフィニル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸(15mg、20%)を白色の固体として得た。MS C2326NOの計算値533、実測値534 (ESI)[(M+H)];1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ ppm 8.44 (s, 1 H), 8.34 (s, 1 H), 8.27 (s, 1 H), 7.07 (dt, J = 8.08, 3.03 Hz, 1 H), 6.70 (d, J = 8.08 Hz, 1 H), 6.72 (dd, J = 12.88, 7.83 Hz, 1 H), 5.24 (t, 1 H), 4.66 (s, 2 H), 3.11 - 3.20 (m, 1 H), 2.85 (d, J = 2.53 Hz, 1 H), 2.63 (s, 3 H), 2.47 - 2.58 (m, 1 H), 1.89 - 1.99 (m, 1 H), 1.58 - 1.77 (m, 3 H), 1.38 (dd, J = 7.07, 1.26 Hz, 3 H), 1.04 (d, J = 6.57 Hz, 3 H)。
【0224】
実施例3−1
{(R)−5−[(3−シクロペンタンスルホニル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸
【0225】
【化35】

【0226】
{(R)−5−[(3−シクロペンチルスルファニル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル
【0227】
【化36】

【0228】
{(R)−5−[(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル(実施例1−1、工程5)及びシクロペンタンチオールで出発し、実施例2−1、工程1に記載したものと同様の方法を使用して、{(R)−5−[(3−シクロペンチルスルファニル−5−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル(110mg)を粘性油状物として得て、これを次の工程で精製しないで使用した。MS C2936NOの計算値599、実測値600 (ESI)[(M+H)]。
【0229】
{(R)−5−[(3−シクロペンタンスルホニル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル
【0230】
【化37】

【0231】
ジクロロメタン(20ml)中の{(R)−5−[(3−シクロペンチルスルファニル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル(110mg、0.18mmol)とm−クロロ過安息香酸(85%、300mg、1.48mmol)の混合物を、室温で4時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(100ml)で希釈し、その後、チオ硫酸ナトリウム水溶液(50ml)及び飽和炭酸ナトリウム(30ml)で洗浄した。有機層を濃縮し、{(R)−5−[(3−シクロペンタンスルホニル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル(100mg、88%)を粘性油状物として得て、これを更に次の工程で精製しないで使用した。MS C2936NOの計算値631、実測値632 (ESI)[(M+H)]。
【0232】
{(R)−5−[(3−シクロペンタンスルホニル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸
【0233】
【化38】

【0234】
{(R)−5−[(3−シクロペンタンスルホニル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステルで出発し、実施例1−1に記載したものと同様の方法を使用して、{(R)−5−[(3−シクロペンタンスルホニル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸(15mg)を白色の固体として得た。MS C2528NOの計算値575、実測値576 (ESI)[(M+H)];1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ ppm 8.61 (s, 1 H), 8.50 (d, J = 7.83 Hz, 2 H), 7.08 (t, J = 7.96 Hz, 1 H), 6.72 (dd, J = 11.75, 7.96 Hz, 2 H), 5.29 (t, 1 H), 4.67 (s, 2 H), 3.85 - 3.95 (m, 1 H), 2.86 (d, 1 H), 2.63 (s, 3 H), 2.47 - 2.59 (m, 1 H), 1.87 - 2.05 (m, 6 H), 1.61 - 1.82 (m, 6 H)。
【0235】
実施例3−2及び3−3
以下の実施例3−2及び3−3を、実施例3−1に記載したものと同様に、{(R)−5−[(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル及び市販のアルキルチオール類を使用して調製した。
【0236】
【表2】

【0237】
実施例4−1
{(R)−5−[メチル−(3−ピロリジン−1−イル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸
【0238】
【化39】

【0239】
{(R)−5−[メチル−(3−ピロリジン−1−イル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル
【0240】
【化40】

【0241】
ジメチルスルホキシド(2ml)中の{(R)−5−[(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル(実施例1−1、工程5)(87mg、0.168mmol)とピロリジン(142mg、1.68mmol)の混合物を、マイクロ波レンジ中で150℃にて50分間加熱した。反応混合物に水を加え、得られた溶液を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次に濃縮し、{(R)−5−[メチル−(3−ピロリジン−1−イル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステルを得て、これを次の工程で精製しないで使用した。MS C2835Sの計算値568、実測値569 (ESI)[(M+H)]。
【0242】
{(R)−5−[メチル−(3−ピロリジン−1−イル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸
【0243】
【化41】

【0244】
{(R)−5−[メチル−(3−ピロリジン−1−イル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステルで出発し、実施例1−1に記載したものと同様の方法を使用して、{(R)−5−[メチル−(3−ピロリジン−1−イル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸(37mg、二工程にわたって41%)を白色の固体として得た。HRMS C2427S(ESI)[(M+Na)]の計算値535.1485、実測値535.1481;1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.21 (br. s, 1 H), 7.21 (s, 1 H), 7.06 - 7.15 (m, 2 H), 7.00 (s, 1 H), 6.74 (d, J = 7.8 Hz, 1 H), 6.70 (d, J = 8.2 Hz, 1 H), 5.06 - 5.18 (m, 1 H), 4.66 (s, 2 H), 3.35 (br. s, 4 H), 2.64 - 2.82 (m, 1 H), 2.51 (s, 3 H), 2.41 (br. s, 1 H), 2.00 (br. s, 4 H), 1.83 (br. s, 1 H), 1.42 -1.75 (m, 3 H)。
【0245】
実施例4−2
{(R)−5−[(3−ジエチルアミノ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸
【0246】
【化42】

【0247】
{(R)−5−[(3−ジエチルアミノ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル
【0248】
【化43】

【0249】
N,N−ジメチルホルムアミド(2ml)中の{(R)−5−[(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル(実施例1−1、工程5)(87mg、0.168mmol)、水素化ナトリウム(60重量%)(34mg、0.84mmol)及びジエチルアミン(175μL、1.68mmol)の混合物を、マイクロ波レンジ中で150℃にて45分間加熱した。反応混合物に水(10ml)を加え、得られた溶液を酢酸エチル(3×20ml)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次に濃縮し、{(R)−5−[(3−ジエチルアミノ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステルを得て、次の工程で精製しないで使用した。MS C2837NOSの計算値570、実測値571 (ESI)[(M+H)]。
【0250】
{(R)−5−[(3−ジエチルアミノ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸
【0251】
【化44】

【0252】
{(R)−5−[(3−ジエチルアミノ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステルで出発し、実施例1−1に記載したものと同様の方法を使用して、{(R)−5−[(3−ジエチルアミノ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸(11mg、2工程にわたって13%)を明褐色の固体として得た。HRMS C2429NOS (ESI)[(M+H)]の計算値515.1822、実測値515.1820;1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.20 (br. s, 1 H), 7.18 (br. s, 1 H), 7.11 (br. s, 1 H), 7.05 - 7.10 (m, 1 H), 6.71 (d, J = 7.2 Hz, 1 H), 6.70 (d, J = 8.2 Hz, 1 H), 5.11 (br. s, 1 H), 4.66 (s, 2 H), 3.47 (q, J = 6.9 Hz, 4 H), 2.67 (d, J = 14.8 Hz, 1 H), 2.45 (br. s, 1 H), 1.91 (s, 3 H), 1.77 (br. s, 1 H), 1.56 - 1.74 (m, 3 H), 1.11 (t, J = 6.9 Hz, 6 H)。
【0253】
実施例4−3
以下の実施例4−3を、実施例4−2に記載したものと同様に、{(R)−5−[(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル及び市販のN−メチルイソプロピルアミンを使用して調製した。最後の生成物を逆相分取HPLCにより精製した。
【0254】
【表3】

【0255】
実施例5−1
((R)−5−{[3−(1,1−ジフルオロ−エチル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−メチル−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸
【0256】
【化45】

【0257】
[(R)−5−(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸 tert−ブチルエステル
【0258】
【化46】

【0259】
((R)−5−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸 tert−ブチルエステル塩酸塩(500、1.91mmol)及び3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルクロリド(642mg、1.99mmol)で出発し、実施例1−1、工程4に記載したものと同様の方法を使用して、[(R)−5−(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸 tert−ブチルエステル(711mg、66%)を白色の固体として得た。MS C1819BrFSの計算値564、実測値565 (ESI)[(M+H)]。
【0260】
{(R)−5−[(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル
【0261】
【化47】

【0262】
アセトニトリル(3ml)中の[(R)−5−(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸 tert−ブチルエステル(46mg、0.08mmol)の溶液に、炭酸カリウム(27.6mg、0.200mmol)及びヨウ化メチル(9.5μL、0.150mmol)を室温で加えた。アルゴン雰囲気下、70℃で6時間加熱した後、反応混合物を室温に冷まし、ガラスロートで濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中のメタノール0〜5%)により精製して、{(R)−5−[(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル(39mg、83%)を白色の固体として得た。MS C2021Sの計算値577、実測値578 (ESI)[(M+H)]。
【0263】
{(R)−5−[(3−アセチル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル
【0264】
【化48】

【0265】
N,N−ジメチルホルムアミド(8ml)中の{(R)−5−[(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル(1.0g、1.7mmol)の溶液に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(175mg、0.19mmol)、トリフェニルアルシン(175mg、0.57mmol)及び1−エトキシ−ビニルトリブチルスズ(1ml、2.86mmol)を室温で加えた。アルゴン雰囲気下、80℃で2時間加熱した後、反応混合物を室温に冷まし、次に4N 塩酸(1ml)で処理し、続いて室温で20分間撹拌した。得られた混合物を水(40ml)に注ぎ、酢酸エチル(20ml×3)で抽出した。合わせた有機層を水(20ml)で洗浄し、次にブライン(20ml)で洗浄し、減圧下で濃縮した。残留物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の酢酸エチル15〜30%)により精製して、{(R)−5−[(3−アセチル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル(798mg、85%)を黄色の油状物として得た。MS C2124Sの計算値541、実測値542 (ESI)[(M+H)]。
【0266】
((R)−5−{[3−(1,1−ジフルオロ−エチル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−メチル−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸 tert−ブチルエステル
【0267】
【化49】

【0268】
無水ジクロロメタン(3ml)中の{(R)−5−[(3−アセチル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル(300mg、0.554mmol)の溶液に、アルゴン雰囲気下、ビス(2−メトキシ−エチル)アミノサルファートリフルオリド(400μL、2.17mmol)を室温で加えた。70℃で4時間加熱した後、混合物を室温に冷まし、飽和重炭酸ナトリウムに注ぎ、次にジクロロメタン(20ml×3)で抽出した。合わせた有機層を水(20ml)及びブライン(20ml)で洗浄し、次に減圧下で濃縮した。残留物を、フラッシュカラム(石油エーテル中の酢酸エチル15〜30%)により精製して、((R)−5−{[3−(1,1−ジフルオロ−エチル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−メチル−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸 tert−ブチルエステル(250mg、80%)を黄色の油状物として得た。MS C2124Sの計算値563、実測値564(ESI)[(M+H)]。
【0269】
((R)−5−{[3−(1,1−ジフルオロ−エチル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−メチル−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸
【0270】
【化50】

【0271】
((R)−5−{[3−(1,1−ジフルオロ−エチル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−メチル−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸 tert−ブチルエステル(200mg、0.35mmol)で出発し、実施例1−1に記載したものと同様の方法を使用して、((R)−5−{[3−(1,1−ジフルオロ−エチル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−メチル−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸(80mg、45%)を白色の固体として得た。MS C1516Sの計算値507、実測値508 (ESI)[(M+H)];1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ ppm 8.28 (d, 2 H), 8.14 (s, 1 H), 7.07 (s, 1 H), 6.75 (dd, 1 H), 6.69 (d, 1 H), 5.25 (t, 1 H), 4.65 (s, 2 H), 2.72 - 2.86 (d, 1 H), 2.59 (s, 3 H), 2.52 (m, 1 H), 2.03 (t, 3 H), 1.93 (m, 1 H), 1.65 (m, 3 H)。
【0272】
実施例6−1
{(R)−5−[(3−アセチル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸
【0273】
【化51】

【0274】
{(R)−5−[(3−アセチル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル(実施例5−1、工程3)(230mg、0.42mmol)で出発し、実施例1−1に記載したものと同様の方法を使用して、{(R)−5−[(3−アセチル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸(51.4mg、25%)を白色の固体として得た。HRMS C2222NOS(ESI)[(M+Na)]の計算値508.1012、実測値508.1012;1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.56 (s, 1 H), 8.52 (s, 1 H), 8.44 (s, 1 H), 7.06 (t, J = 7.8 Hz, 1 H), 6.60 - 6.68 (m, 2 H), 5.17 - 5.29 (m, 1 H), 4.42 (br. s., 2 H), 2.75 (s, 3 H), 2.68 (br. s, 1 H), 2.55 (s, 3 H), 2.21 - 2.46 (m, 1 H), 1.81 (br. s, 1 H), 1.53 - 1.73 (m, 2 H), 1.50 (br. s, 1 H)。
【0275】
実施例7−1
((R)−5−{メチル−[3−(1−メチル−シクロプロピル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸
【0276】
【化52】

【0277】
[(R)−5−(3−イソプロペニル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸 tert−ブチルエステル
【0278】
【化53】

【0279】
Biotageマイクロ波バイアル内のN,N−ジメチルホルムアミド(1ml)中の[(R)−5−(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸 tert−ブチルエステル(実施例5−1、工程1)(100mg、0.177mmol)の溶液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(21mg、0.0177mmol)、カリウム tert−ブトキシド(40mg、0.35mmol)及びイソプロペニルボロン酸ピナコールエステル(0.05ml、0.27mmol)を連続して加えた。得られた混合物をマイクロ波中で130℃にて15分間加熱した。室温に冷ました後、反応混合物を0.1N 塩酸とジクロロメタンに分配した。有機相を水で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Teledyne Isco, Inc.製のRediSep(登録商標)フラッシュカラム、230〜400メッシュ、ジクロロメタン中の0〜10% メタノール)に付して、[(R)−5−(3−イソプロペニル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸 tert−ブチルエステル(50mg、54%)を得た。MS C2630NOSの計算値525、実測値526 (ESI)[(M+H)]。
【0280】
[(R)−5−(3−イソプロペニル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸
【0281】
【化54】

【0282】
テトラヒドロフラン(4ml)中の粗[(R)−5−(3−イソプロペニル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸 tert−ブチルエステル(326mg、0.62mmol)の溶液に、1M 水酸化リチウム(4ml)を加えた。得られた二相の混合物を室温で3時間撹拌した。水相を酢酸エチルで洗浄し、次に1M HClでpH約2に酸性化した。得られた混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を減圧下で濃縮乾固し、[(R)−5−(3−イソプロペニル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸を得て、これを更に精製しないで使用した。MS C2222NOSの計算値 469、実測値470 (ESI)[(M+H)]。
【0283】
[(R)−5−(3−イソプロペニル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸メチルエステル
【0284】
【化55】

【0285】
メタノール(2ml)中の粗[(R)−5−(3−イソプロペニル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸(60mg、011mmol)の溶液に、触媒量の塩化チオニルを加えた。得られた反応溶液を、マイクロ波中で100℃にて15分間加熱した。混合物を濃縮乾固し、粗[(R)−5−(3−イソプロペニル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸メチルエステルを得て、これを次の工程で更に精製しないで使用した。MS C2324NOSの計算値483、実測値484 (ESI)[(M+H)]。
【0286】
{(R)−5−[(3−イソプロペニル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸メチルエステル
【0287】
【化56】

【0288】
N,N−ジメチルホルムアミド(1ml)中の[(R)−5−(3−イソプロペニル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸メチルエステル(67mg、0.14mmol)の溶液に、炭酸カリウム(48mg、0.345mmol)及びヨードメタン(0.02ml、0.276mmol)を加えた。混合物をマイクロ波中で100℃にて15分間加熱した。混合物を水とジエチルエーテルに分配した。有機相を水で5回洗浄し、次に濃縮乾固し、粗{(R)−5−[(3−イソプロペニル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸メチルエステルを得て、これを次の工程で更に精製しないで使用した。MS C2426NOSの計算値497、実測値498 (ESI)[(M+H)]。
【0289】
((R)−5−{メチル−[3−(1−メチル−シクロプロピル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−メチル−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸メチルエステル
【0290】
【化57】

【0291】
N−ニトロソ−N−メチル尿素(600mg、5.83mmol)を、エーテル(10ml)と40% 水酸化カリウム水溶液(2ml)の混合物に0℃で少量ずつ加えた。20分後、水層を除去し、エーテル層を、カニューレを介して、{(R)−5−[(3−イソプロペニル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸メチルエステル(40mg、0.08mmol)に0℃で移し、酢酸パラジウム(2mg、0.009mmol)を加えた。反応混合物を酢酸5mlでクエンチし、次にショートセライトパッド(登録商標)(珪藻土濾過装置)で濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、粗{(R)−5−[メチル−[3−(1−メチル−シクロプロピル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸メチルエステルを得て、これを次の工程で更に精製しないで使用した。MS C2528NOSの計算値511、実測値512 (ESI)[(M+H)]。
【0292】
((R)−5−{メチル−[3−(1−メチル−シクロプロピル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸
【0293】
【化58】

【0294】
{(R)−5−[メチル−[3−(1−メチル−シクロプロピル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸メチルエステル(16mg、0.032mmol)で出発して、実施例1−1に記載したものと同様の方法を使用して、{(R)−5−[メチル−[3−(1−メチル−シクロプロピル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸(6mg、38%)を固体として得た。MS C2426NOSの計算値497、実測値498 (ESI)[(M+H)];1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.98 (br. s, 1 H), 7.94 (s, 2 H), 7.85 (s, 1 H), 7.09 (t, J = 8.0 Hz, 1 H), 6.70 (d, J = 8.0 Hz, 1 H), 6.67 (d, J = 8.0 Hz, 1 H), 5.10 - 5.25 (m, 1 H), 4.64 (s, 2 H), 2.54 (s, 3 H), 2.34 - 2.48 (m, 2 H), 1.76 - 1.91 (m, 1 H), 1.51 - 1.77 (m, 2 H), 1.47 (s, 3 H), 1.37 - 1.50 (m, 1 H), 0.96 - 1.09 (m, 2 H), 0.92 (d, 2 H)。
【0295】
実施例8−1
{(R)−5−[(3−イソプロピル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸
【0296】
【化59】

【0297】
{(R)−5−[(3−イソプロペニル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル
【0298】
【化60】

【0299】
{(R)−5−[(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル(実施例5−1、工程2)(150mg、0.266mmol)及びイソプロペニルボロン酸ピナコールエステル(0.075ml、0.40mmol)で出発し、実施例7−1、工程1に記載したものと同様の方法を使用して、{(R)−5−[(3−イソプロペニル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル(52mg、36%)を得た。MS C2732NOSの計算値539、実測値540 (ESI)[(M+H)]。
【0300】
{(R)−5−[(3−イソプロピル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル
【0301】
【化61】

【0302】
CEMマイクロ波バイアル内の酢酸エチル(1.5ml)中の{(R)−5−[(3−イソプロペニル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル(52mg、0.092mmol)と10%パラジウム担持炭(5mg)の混合物を、水素(50psi)下、80℃に10分間急速に加熱した。室温に冷ました後、反応混合物をセライトパッド(登録商標)(珪藻土濾過装置)で濾過し、ジクロロメタンで洗浄した。回収した濾液を減圧下で濃縮し、{(R)−5−[(3−イソプロピル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル(30mg)を得て、これを次の工程で更に精製しないで使用した。MS C2734NOSの計算値541、実測値542 (ESI)[(M+H)]。
【0303】
{(R)−5−[(3−イソプロピル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸
【0304】
【化62】

【0305】
{(R)−5−[(3−イソプロピル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル(30mg、0.053mmol)で出発して、実施例7−1、工程2に記載したものと同様にして、{(R)−5−[(3−イソプロピル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸(5mg、2工程にわたって11%)を油状物として得た。MS C2336NOSの計算値485、実測値486 (ESI)[(M+H)]。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 7.98 (s, 1 H), 7.94 (s, 1 H), 7.70 (s, 1 H), 7.10 (t, J = 7.8 Hz, 1 H), 6.89 (d, J = 7.8 Hz, 1 H), 6.61 (d, J = 7.8 Hz, 1 H), 5.16 - 5.29 (m, 1 H), 4.68 (s, 2 H), 3.02 - 3.18 (m, 1 H), 2.79 - 2.95 (m, 1 H), 2.60 (s, 3 H), 2.42 - 2.58 (m, 1 H), 1.90 - 2.04 (m, 1 H), 1.58 - 1.80 (m, 3 H), 1.33 (d, 6 H)。
【0306】
実施例9−1
{(R)−5−[(3−イソプロポキシ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸
【0307】
【化63】

【0308】
{(R)−5−[(3−イソプロポキシ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル
【0309】
【化64】

【0310】
N,N−ジメチルホルムアミド(2ml)中の{(R)−5−[(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル(実施例1−1、工程5)(87mg、0.168mmol)、水素化ナトリウム(60%重量)(34mg、0.84mmol)と2−プロパノール(110μL、1.83mmol)の混合物を、マイクロ波レンジで150℃にて45分間加熱した。反応混合物に水(10ml)を加え、得られた溶液を酢酸エチル(3×20ml)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、次に濃縮し、{(R)−5−[(3−イソプロポキシ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステルを得て、これを次の工程で精製しないで使用した。MS C2734NOSの計算値557、実測値558 (ESI)[(M+H)]。
【0311】
{(R)−5−[(3−イソプロポキシ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸
【0312】
【化65】

【0313】
{(R)−5−[(3−イソプロポキシ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステルで出発し、実施例1−1に記載したものと同様の方法を使用して、{(R)−5−[(3−イソプロポキシ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸(15mg、2工程にわたって18%)を白色の固体として得た。HRMS C2326NOS(ESI)[(M+Na)]の計算値524.1352、実測値524.1322;1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 12.49 (br. s, 1 H), 7.66 (s, 1 H), 7.64 (s, 1 H), 7.59 (s, 1 H), 7.09 (t, J = 8.2 Hz, 1 H), 6.70 (d, J = 8.2 Hz, 1 H), 6.66 (d, J = 8.2 Hz, 1 H), 5.11 - 5.23 (m, 1 H), 4.86 - 5.00 (m, 1 H), 4.66 (s, 2 H), 2.67 - 2.79 (m, 1 H), 2.53 (s, 3 H), 2.32 - 2.46 (m, 1 H), 1.75 - 1.89 (m, 1 H), 1.58 - 1.74 (m, 2 H), 1.48 (br. s, 1 H), 1.30 (d, J = 5.7 Hz, 6 H)。
【0314】
実施例9−2及び9−3
以下の実施例9−2及び9−3を、実施例9−1に記載したものと同様に、{(R)−5−[(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル及び適切な市販のアルコール類を使用して調製した。
【0315】
【表4】

【0316】
実施例10−1
[(R)−5−(3,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸
【0317】
【化66】

【0318】
乾燥テトラヒドロフラン(1ml)中の((R)−5−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸 tert−ブチルエステル塩酸塩(上に記載したように調製した、25mg、0.08mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.022ml、0.14mmol)の溶液に、3,5−ジクロロベンゼンスルホニルクロリド(34mg、0.11mmol)を室温で加えた。反応混合物を室温で4時間撹拌し、その時点でLC/MSによるアリコートの分析は、出発アミンの完全な消滅を示した。反応混合物に0.2N 水酸化リチウム(1ml)を加え、得られた混合物を一晩撹拌した。分析はエステルの部分的な加水分解のみ示した。次に、更に0.2N 水酸化リチウム(1ml)を加え、混合物を室温で2日間撹拌した。溶液を酸性化し、濃縮乾固した。分取HPLC(Pursuit C−18、HO/CHCN/TFA)に付して、純粋な[(R)−5−(3,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸(12mg、31%)を得た;1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.39 (d, J = 8.3 Hz, 1 H), 7.99 (t, J = 1.7 Hz, 1 H), 7.86 (d, J = 1.7 Hz, 2 H), 7.05 (t, J = 8.0 Hz, 1 H), 6.68 (d, J = 8.0 Hz, 1 H), 6.62 (d, J = 8.0 Hz, 1 H), 4.63 (s, 2 H), 4.40 - 4.52 (m, 1 H), 2.53 - 2.64 (m, 2 H), 1.70 - 1.86 (m, 1 H), 1.50 - 1.69 (m, 3 H)。HRMS C1817ClNOS(ESI)[(M+H)]の計算値428.0131、実測値428.0130。
【0319】
実施例10−2
{(R)−5−[3−(1,1−ジフルオロ−エチル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸
【0320】
【化67】

【0321】
{(R)−5−[ベンジル−(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル
【0322】
【化68】

【0323】
アセトニトリル(3ml)中の(R)−[5−(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸 tert−ブチルエステル(50mg、0.088mmol、上に記載したように調製した)の溶液に、炭酸カリウム(27.6mg、0.200mmol)及びブロモメチル−ベンゼン(45mg、0.265mmol)を加えた。反応混合物を、アルゴン雰囲気下、70℃で6時間加熱し、次に室温に冷まし、ガラスロートで濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、カラムクロマトグラフィー(勾配溶離、ジクロロメタン中の0〜5% メタノール)により精製して、{(R)−5−[ベンジル−(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル(46mg、80%)を白色の固体として得た。MS C3031BrFNOSの計算値654、実測値655 (ESI)[(M+H)]。
【0324】
{(R)−5−[(3−アセチル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−ベンジル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル
【0325】
【化69】

【0326】
N,N−ジメチルホルムアミド(8ml)中の{(R)−5−[ベンジル−(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル(1.0g、1.53mmol)の溶液に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(175mg、0.19mmol)、トリフェニルアルシン(175mg、5.72mmol)及び1−エトキシ−ビニルトリブチルスズ(1ml、2.86mmol)を加えた。アルゴン雰囲気下、80℃で2時間撹拌した後、反応混合物を室温に冷まし、次に4N 塩酸(1ml)で処理し、室温で20分間撹拌した。得られた混合物を水(40ml)に注ぎ、酢酸エチル(3×20ml)で抽出した。合わせた有機層を水(20ml)及びブライン(20ml)で洗浄し、次に減圧下で濃縮した。残留物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中の15〜30% 酢酸エチル)により精製し、{(R)−5−[(3−アセチル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−ベンジル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステルを黄色の油状物(815mg、86.4%)として得た。MS C3234NOSの計算値617、実測値618 (ESI)[(M+H)]。
【0327】
((R)−5−{ベンジル−[3−(1,1−ジフルオロ−エチル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸 tert−ブチルエステル
【0328】
【化70】

【0329】
ボンベ瓶(5ml)内の無水ジクロロメタン(3ml)中の{(R)−5−[(3−アセチル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−ベンジル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル(300mg、0.486mmol)の溶液に、アルゴン雰囲気下、ビス(2−メトキシ−エチル)アミノサルファートリフルオリド(400μL、2.17mmol)を加えた。70℃で4時間撹拌した後、混合物を室温に冷まし、飽和重炭酸ナトリウム溶液に注ぎ、ジクロロメタン(3×20ml)で抽出した。合わせた有機層を水(20ml)及びブライン(20ml)で洗浄し、次に減圧下で濃縮した。残留物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中の15〜30%酢酸エチル)により精製し、((R)−5−{ベンジル−[3−(1,1−ジフルオロ−エチル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸 tert−ブチルエステル(247mg、79.7%)を黄色の油状物として得た。MS C3231NOSの計算値639、実測値640 (ESI)[(M+H)]。
【0330】
{(R)−5−[3−(1,1−ジフルオロ−エチル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル
【0331】
【化71】

【0332】
((R)−5−{ベンジル−[3−(1,1−ジフルオロ−エチル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸 tert−ブチルエステル(90mg、0.14mmol)、パラジウム担持炭(15mg、10% w/w)及びギ酸アンモニウム塩(65mg、1.03mmol)を、エタノール(15ml)に懸濁し、得られた混合物を60℃で5時間加熱した。次に反応混合物を室温に冷まし、セライトで濾過した。濾液をエタノール(3×10ml)で洗浄し、回収した有機層を減圧下で濃縮した。残留物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(勾配溶離:石油エーテル中の15〜30% 酢酸エチル)により精製し、{(R)−5−[3−(1,1−ジフルオロ−エチル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステル(46mg、60%)を得た。MS C2528NOSの計算値549、実測値550 (ESI)[(M+H)]。
【0333】
{(R)−5−[3−(1,1−ジフルオロ−エチル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−メチル−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸
【0334】
【化72】

【0335】
{(R)−5−[3−(1,1−ジフルオロ−エチル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸 tert−ブチルエステルで出発し、実施例1−1に記載したものと同様の方法を使用して、{(R)−5−[3−(1,1−ジフルオロ−エチル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸を白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ ppm 8.30 (s, 1 H), 8.28 (s, 1 H), 8.09 (s, 1 H), 6.94 (dd, 1 H), 6.64 (d, 1 H), 6.46 (d, 2 H), 4.63 (s, 2 H), 4.46 (t, 1 H), 2.72 - 2.83 (m, 1 H), 2.51 - 2.63 (m, 1 H), 2.01 (t, 3 H), 1.65 - 1.88 (m, 4 H), MS C2120NOSの計算値493、実測値:494 (ESI)[(M+H)]。
【0336】
実施例10−3から10−12
以下の実施例10−3から10−5及び10−8から10−12を、上に記載した実施例1−1及び10−1と同様に、適切な置換されているベンゼンスルホニルクロリド、続いてエステル加水分解(ヨードメタンを使用しないメチル化工程)で、((R)−5−アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸 tert−ブチルエステル塩酸塩(VI、スキーム1又は2に記載したように調製した)を処理することにより調製した。実施例10−6及び10−7については、ヨードメタンを使用するメチル化工程を用いずに適切なNH−スルホンアミドで出発し、実施例8−1及び7−1、それぞれ(N−メチル化誘導体)を作成するために上に記載した手順を使用して、化合物を調製した。
【0337】
【表5】





【0338】
化合物の活性と用途
式Iの化合物は、有益な薬理学的な特性を有する。該化合物は、CRTH2受容体でのアンタゴニストであり、喘息のような、その受容体に関連する疾患および障害を処置するのに有用でありうることが見出されている。本化合物のCRTH2受容体アンタゴニストとしての活性は、以下の生物学的アッセイにより示される。
【0339】
ヒトCRTH2受容体結合アッセイ
H]ラマトロバンを競合放射性リガンドとして用いる全細胞受容体結合アッセイを、ヒトCRTH2への化合物結合活性を評価するために使用した。放射性リガンド[H]ラマトロバンは、Sugimotoら(Eur. J. Pharmacol. 524, 30-37, 2005)に従って、比活性42Ci/mmolに合成した。
【0340】
ヒトCRTH2を安定的に発現する細胞系は、FuGene(登録商標)6トランスフェクション試薬(Rocheより)を用いて、それぞれヒトCRTH2およびG−アルファ16cDNAを持つ2個の哺乳類発現ベクターでCHO−K1細胞をトランスフェクションすることにより樹立した。CRTH2を発現する安定なクローンは、各々のクローンをヒトCRTH2に対するラットモノクローナル抗体であるBM16(BD Bioscience, a division of Becton, Dickinson and CompanyよりのBD Pharmingen(商標))で染色することにより選択した。細胞は、10%胎仔ウシ血清、100単位/mLのペニシリン、100μg/mLのストレプトマイシン、2mMのグルタミン、0.5mg/mLのCRTH2用のG418(ゲネチシン)、および0.2mg/mLのヒグロマイシン−B(G−アルファ16用)を含有するHamのF−12培地中で単層培養物として維持した。全細胞受容体結合アッセイのために、単層細胞をPBS(リン酸緩衝塩水)で一回リンスし、エチレンジアミン四酢酸(Lonza Inc.からのVersene(商標)EDTA)を用いて溶解し、10mMのMgClおよび0.06%のBSA(ウシ血清アルブミン)を含有するPBS中に1.5x10細胞/mLで懸濁した。
【0341】
結合反応(0.2mL)は、96ウェルプレート中、室温で1.5x10個の細胞、10mMのMgCl、0.06%のBSA、20nMの[H]ラマトロバン、および種々の濃度での試験化合物を含有するPBS中で行った。1時間の結合反応後、細胞を、Filtermate(商標)Harvester(PerkinElmer, Inc.よりのマイクロプレートから細胞を採取し洗浄する細胞採取器)を用いて、GF(商標)/Bフィルターマイクロプレート(PerkinElmer, Inc.よりの、ガラス繊維をはめ込んだマイクロタイタープレート)上に採取し、PBSで5回洗浄した。細胞に結合した放射能を、Microscint(商標)20シンチレーション液50μL(PerkinElmer, Inc. より)をフィルタープレートの各ウェルに加えた後、マイクロプレートシンチレーションカウンター(PerkinElmer, Inc.よりのTopCount(登録商標)NXT)を用いて決定した。非特異的結合からの放射能は、反応混合物中にて化合物を10μMの15(R)−15−メチルPGD(Cayman Chemical Companyより)で置き換えることにより決定した。化合物の不存在下に細胞に結合した放射能(全結合)は、反応混合物中の化合物を0.25%のDMSO(ジメチルスルホキシド)で置き換えることにより決定した。特異的結合のデータは、各々の結合データから非特異的結合の放射能を差し引くことにより得た。
【0342】
IC50値は、全特異的結合の50%阻害に要する試験化合物の濃度として定義される。IC50値を算出するために、%阻害データは、各々の化合物について7つの濃度で決定した。各濃度でのある化合物についての%阻害は、以下の式、[1−(化合物存在下の特異的結合)/(全特異的結合)]x100に従って算出した。次いで、IC50値は、XLfit(登録商標)ソフトウエアエクセルアドインプログラム[ID Business Solutions Ltd.より、モデル205、ここで、F(x)=(A+(B−A)/(1+((C/x)^D)))]中で、%阻害データをS字状用量−応答(4パラメーターロジスティック)モデルに当てはめることにより得た。
【0343】
上記の実施例の酸化合物は、上記のヒトCRTH2受容体結合アッセイを用いて試験した(実施例1−1〜1−9、2−1、3−1〜3−3、4−1〜4−3、5−1、6−1、7−1、8−1、9−1〜9−3、および10−1〜10−12)。アッセイの結果は、これらの化合物のすべてが0.0029μM〜3.25μMの範囲のIC50値を示す結合活性を有することを示した。例えば、下表は、これらの化合物についての特異的IC50値を示す:
【0344】
【表6】



【0345】
蛍光画像化プレートリーダーを用いるカルシウム流束アッセイ
細胞培養条件:
前もってG−アルファ16でトランスフェクションしたCHO−K1細胞を、その後、ヒトCRTH2受容体およびネオマイシン耐性遺伝子でトランスフェクションした。800μg/mL G418(ゲネチシン)中での選択に続いて、個々のクローンを、抗ヒトCRTH2 IgGでの染色に基づいてそれらの受容体発現についてアッセイし、その後、Ca2+流束アッセイにおける13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジンD(DK−PDG)(リガンド)に対するそれらの応答についてアッセイした。次いで、陽性クローンを、限界希釈クローニングによりクローニングした。トランスフェクションした細胞は、10%胎仔ウシ血清、2mMのグルタミン、100U/mLのペニシリン/100μg/mLのストレプトマイシン、200μg/mLのヒグロマイシンB、および800μg/mLのG418(ゲネチシン)を追加したHamのF−12培地中で培養した。細胞は、トリプシン−EDTA(トリプシン−エチレンジアミン四酢酸)で採取し、ViaCount(登録商標)試薬(Guava Technologies, Inc.よりのもの、試薬使用者が生きている細胞と生きていない細胞を区別できるようにする2種のDNA結合染料を含む)を用いてカウントした。細胞懸濁体積は、完全生育培地で2.5x10細胞/mLに調整した。アリコート50μLをBD Falcon(商標)384ウェル黒色/透明マイクロプレート(BD Biosciences, a division of Becton, Dickinson and Companyより)中に分配し、マイクロプレートは、37℃のCOインキュベーター中に一晩置いた。翌日、マイクロプレートをアッセイに使用した。
【0346】
染料ローディングおよびアッセイ
染料を含有するローディング緩衝液(Molecular Devices, a division of MDS Analytical Technologies and MDS Inc.からのFLIPR(登録商標)カルシウム3アッセイキットより)は、一瓶の内容物を、20mMのHEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸)および2.5mMのプロベネシドを含有する200mLのHankの平衡塩溶液中に溶解することにより調製した。生育培地を細胞プレートから除去し、さらにマルチドロップディスペンサーを用いて、20mMのHEPES、0.05%のBSAおよび2.5mMのプロベネシドを含有するHankの平衡塩溶液(HBSS)25μLを各々のウェルに加え、続いて希釈した染料25μLを各々のウェルに加えた。次いで、プレートを37℃で1時間インキュベーションした。
【0347】
インキュベーションの間に、試験化合物プレートは、90μLのHBSS/20mM HEPES/0.005% BSA緩衝液を、連続希釈した化合物2μLに加えることにより調製した。連続希釈した化合物を調製するために、化合物の20mM貯蔵液を100%DMSOに溶解した。化合物希釈プレートは、以下のようにして設定した:ウェルNo.1には、化合物5μLとDMSO10μLを入れた。ウェル2〜10には、DMSO10μLを入れた。5μLを混合し、ウェルNo.1からウェルNo.2に移した。1:3の連続希釈を10回連続して行った。希釈した化合物2μLを384ウェルの「アッセイプレート」の二重の(duplicate)ウェルに移し、次いで、緩衝液90μLを加えた。
【0348】
インキュベーションの後に、細胞と「アッセイプレート」のプレートの双方を蛍光画像化プレートリーダー(FLIPR(登録商標))に入れ、希釈化合物20μLをFLIPR(登録商標)により細胞プレートに移した。次いで、プレートを、室温で1時間インキュベーションした。1時間のインキュベーションの後に、プレートをFLIPR(登録商標)に戻し、4.5倍に濃縮したリガンド20μLを細胞プレートに加えた。アッセイの間、蛍光読み取りは、同時に細胞プレートの384ウェル全てから、1.5秒ごとに行った。5回の読み取りを行って安定なベースラインを確立し、次いで、試料20μLを迅速に(30μL/秒)かつ同時に、細胞プレートの各々のウェルに加えた。蛍光は、試料添加の前、その間、そしてその後に、100秒の全経過時間の間、連続的にモニターした。アゴニスト添加後の各々のウェルにおける応答(ピーク蛍光の増加)を測定した。リガンド刺激の前の、各々のウェルからの最初の蛍光読み取りを、そのウェルからのデータについてのゼロベースライン値として使用した。応答は、緩衝液対照の%阻害として表した。緩衝液対照の50%阻害に必要な化合物の濃度として定義される、IC50値は、Genedata Screener(登録商標)Condoseoソフトウエアプログラム[Genedata AGより、モデル205、ここで、F(x)=(A+(B−A)/(1+((C/x)^D)))]を用いて、10濃度についての%阻害データを、S字状の用量−応答(4パラメーターロジスティック)モデルに当てはめることにより算出した。
【0349】
上記のFLIPR(登録商標)アッセイで試験した化合物は、実施例1−1〜1−6、2−1、3−1〜3−3、4−1〜4−3、5−1、6−1、7−1、8−1、9−1〜9−3、および10−1〜10−3、および10−5〜10−12であった。FLIPR(登録商標)アッセイの結果は、実施例10−1(これは、約3のIC50値を示した)を除く、このアッセイで試験した代表的な化合物の全てが0.0001μM〜2.01μMの範囲のIC50値を示すことを示した。例えば、実施例1−1は、1.77μMのIC50値を示し、実施例4−2は、2.01μMのIC50値を示し、実施例9−3は、0.462μMのIC50値を示し、実施例10−5は、0.094μMのIC50値を示し、実施例10−12は、0.313μMのIC50値を示した。
【0350】
Th2細胞におけるDK−PGDで誘起されたIL−13産生アッセイ
Tヘルパー2型(Th2)細胞における13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジンD(DK−PDG)で誘起されたIL−13産生の阻害を、化合物の細胞効力を評価するために適用した。
【0351】
Th2細胞の培養物は、健康なヒト志願者の血液から、以下の手法に従って確立した。末梢血単核球(PBMC)を、まず、新鮮血50mLから、Ficoll−Hypaque密度グラジエント遠心分離し、続いて、CD4T細胞単離キットII(Miltenyi Biotec Inc.より)を用いて、CD4T細胞精製により単離した。CD4T細胞を、次いで、10%ヒトAB血清(Invitrogen CorporationからのAB型血液の血清)、50U/mLの組換え体ヒトインターロイキン−2(rhIL−2)(PeproTech Inc.より)および100ng/mLの組換え体ヒトインターロイキン−4(rhIL−4)(PeproTech Inc.より)を含有するX−VIVO15(登録商標)培地(Cambrex BioScience Walkersville Inc.から)中で7日間細胞を培養することにより、Th2細胞に分化させた。Th2細胞は、CD294(CRTH2)MicroBeadキット(Miltenyi Biotec Inc.より)を用いて単離し、10%ヒトAB血清および50U/mLのrhIL−2を含有するX−VIVO15(登録商標)培地中で2〜5週間増殖させた。一般に、アッセイで使用されたTh2細胞の70%〜80%は、フィコエリスリン(PE)に接合したBM16抗体(先に記述したとおりのもの)を用いた蛍光活性化細胞ソーティングにより分析したときに、CRTH2陽性である。
【0352】
細胞阻害効力を決定するために、種々の濃度の化合物を、10%ヒトAB血清を含有するX−VIVO15(登録商標)培地200μL中で、2.5x10Th2細胞および500nMのDK−PGDと共に、37℃で4時間インキュベーションした。培地へのIL−13産生は、「インスタントELISA(商標)」キット(Bender MedSystems Inc.より)を用いて、提供者が提案している手法に従ってELISA(酵素結合免疫吸着法)により検出した。Th2細胞によるIL−13の自発的産生は、DK−PGD2刺激の不存在下に決定し、その値を、%阻害およびIC50算出用の各化合物存在下の値から差し引いた。
【0353】
種々の濃度での化合物についてのインターロイキン13(IL−13)産生の%阻害は、以下の式、[1−(化合物存在下のIL−13産生)/(0.15%DMSOの存在下のIL−13産生)]x100に従って算出した。IL−13産生の50%阻害に要する化合物の濃度として定義される、IC50値は、XLfit(登録商標)ソフトウエアエクセルアドインプログラム[ID Business Solutions Ltd.より、モデル205、ここで、F(x)=(A+(B−A)/(1+((C/x)^D)))]中で、7つの濃度についての%阻害データをS字状用量−応答(4パラメーターロジスティック)モデルに当てはめることにより算出した。
【0354】
上記のDK−PGDで誘起されたIL−13産生アッセイを用いて試験した化合物は、実施例1−1〜1−9、2−1、3−1〜3−3、4−1〜4−3、5−1、6−1、7−1、8−1、9−1〜9−3、10−2、10−3、および10−6であった。DK−PGDで誘起されたIL−13産生アッセイの結果は、実施例1−8および1−9(これらは、10より大きいIC50値を示した)を除いて、このアッセイで試験した化合物が、0.0032μM〜6.428μMの範囲のIC50値で、IL−13産生を阻害する活性を示すことを示した。例えば、実施例1−1は、4.645μMのIC50値を示し、実施例1−7は、6.428μMのIC50値を示し、実施例4−2は、3.014μMのIC50値を示し、実施例9−2は、4.845μMのIC50値を示し、実施例9−3は、5.09μMのIC50値を示した。
【0355】
このように、試験された化合物が上記の3種のアッセイの少なくとも一つ(すなわち、CRTH2受容体での結合)においてある活性を示すので、本発明の化合物は有用であり、したがって、喘息のような、この受容体に関連する疾患および障害の処置におけるアンタゴニストとして有用でありうる。
【0356】
ヒトトロンボキサンA2受容体結合アッセイ
トロンボキサンA2受容体(TP)は、その異常性が出血性障害をもたらすので、ホメオスタシスにおいて鍵となる役割を果たす。出血性障害の潜在的な不利益を回避するために、TPに対する本発明のある化合物の結合活性を、受容体の源としてのヒト血小板および競合放射性リガンドとしての[H]SQ29548(一般に、(5Z)−[5,6−H]−7−[(1S,2R,3R,4R)−3[[2−[(フェニルアミノ)カルボニル]ヒドラジニル]メチル]−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル]−5−ヘプテン酸、PerkinElmer, Inc.より)を用いる受容体結合アッセイによりモニターした。
【0357】
TP結合反応(0.2mL)は、96ウェルプレート中、室温で、5x10血小板、10mM MgCl、0.06%BSA、10nM[H]SQ29548、および種々の濃度の試験化合物を含有するPBS中で行った。1時間の結合反応後、Filtermate(商標)Harvester(上記のようにPerkinElmer, Inc.より)を用いて、血小板をGF/Bフィルタープレート(上記のようにPerkinElmer, Inc.より)上に採取し、PBSで5回洗浄した。血小板に結合した放射能を、Microscint(商標)20シンチレーション液50μL(PerkinElmer, Inc. より)をフィルタープレートの各ウェルに加えた後、マイクロプレートシンチレーションカウンター(PerkinElmer, Inc.よりのTopCount(登録商標)NXT)を用いて決定した。非特異的結合からの放射能は、反応混合物中の化合物を10μMのラマトロバン(BAY-u3405、Cayman Chemical Companyより)で置き換えることにより決定した。化合物の不存在下に血小板に結合した放射能(全結合)は、反応混合物中の化合物を0.25%のDMSOで置き換えることにより決定した。特異的結合のデータは、各々の結合データから非特異的結合の放射能を差し引くことにより得た。
【0358】
IC50値は、全特異的結合の50%阻害に要する試験化合物の濃度として定義される。IC50値を算出するために、%阻害データは、各々の化合物について7つの濃度で決定した。各濃度でのある化合物についての%阻害は、以下の式、[1−(化合物存在下の特異的結合)/(全特異的結合)]x100に従って算出した。次いで、IC50値は、XLfit(登録商標)ソフトウエアエクセルアドインプログラム[ID Business Solutions Ltd.より、モデル205、ここで、F(x)=(A+(B−A)/(1+((C/x)^D)))]中で、%阻害データをS字状用量−応答(4パラメーターロジスティック)モデルに当てはめることにより得た。
【0359】
トロンボキサンA2受容体結合アッセイの結果を、以下の表にまとめる:
【0360】
【表7】



【0361】
トロンボキサンA2受容体結合アッセイの結果は、(おそらくは、実施例1−8、10−1、10−5、および10−12を除いて)試験した化合物は、一般的に、そのような化合物が血小板に対して有意な抗凝集効果を有するトロンボキサンA2受容体アンタゴニストであると考えられる程度には、トロンボキサンA2受容体に結合しないことを示している。
【0362】
本発明は、また、治療活性物質としての式Iの化合物の使用および、特に、CRTH2受容体に関連する疾患または障害の治療または予防方法に関する。
【0363】
一つの態様において、本発明は、CRTH2受容体の調節に関連する疾患または障害の治療および/または予防方法に関し、この方法は、治療有効量の式Iの化合物をヒトまたは動物に投与することを含む。炎症性またはアレルギー性疾患または障害の治療および/または予防方法が好ましい。このような疾患または障害としては、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、アレルギー性鼻炎、アレルギー性炎症、およびアトピー性皮膚炎を挙げることができる(が、これらに限定されない)。
【0364】
本発明は、また、治療有効量の式Iの化合物を、炎症性またはアレルギー性疾患および障害の処置用の他の薬物または活性剤と組み合わせてまたは共同して投与することに関する。一つの態様において、本発明は、治療有効量の式Iの化合物および他の薬物または活性剤(例えば、他の抗炎症性または抗アレルギー性薬物または薬剤)をヒトまたは動物に、同時に、連続的に、または別々に投与することを含む、そのような疾患または障害の治療および/または予防方法に関する。これらの他の薬物または活性剤は、同一の、類似の、または全く異なる作用機構を有しうる。適切な他の薬物または活性剤として:アルブテロールまたはサルメテロールのようなベータ2−アドレナリン作用性アゴニスト;デキサメタゾンまたはフルチカゾンのようなコルチコステロイド;ロラチジンのような抗ヒスタミン;モンテルカストまたはザフィルルカストのようなロイコトリエンアンタゴニスト;オマリズマブのような抗IgE抗体療法;フシジン酸のような抗感染剤(特に、アトピー性皮膚炎の処置用);クロトリマゾールのような抗菌剤(特に、アトピー性皮膚炎の処置用);タクロリムスおよびピメクロリムスのような免疫抑制剤;DPアンタゴニストのような他の受容体で作用するPGD2の他のアンタゴニスト;シロミラストのようなホスホジエステラーゼタイプ4の阻害剤;TNF−アルファ変換酵素(TACE)の阻害剤のようなサイトカイン産生を調節する薬物;ブロック性モノクローナル抗体および可溶性受容体のようなTh2サイトカインIL−4およびIL−5の活性を調節する薬物;ロシグリタゾンのようなPPAR−ガンマアゴニスト;およびジロートンのような5−リポキシゲナーゼ阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0365】
別に述べられない限り、実施例中の全ての化合物は、記載したように製造されかつ特徴付けられた。本明細書中で引用した全ての特許および刊行物は、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化73】


(式中、Rは、水素またはメチルであり、RおよびRは、独立して、
(1)ハロゲン;
(2)−NH
(3)−NO
(4)フルオロで場合により置換されている低級アルキル;
(5)低級アルキルで場合により置換されている低級シクロアルキル;
(6)低級アルケニル;
(7)低級アルカノイル;
(8)低級アルコキシ;
(9)低級シクロアルコキシ;
(10)低級ヘテロシクロアルキル;
(11)低級アルキルスルファニル、低級シクロアルキルスルファニル、または低級ヘテロシクロアルキルスルファニル;
(12)低級アルキルスルフィニル、低級シクロアルキルスルフィニル、または低級ヘテロシクロアルキルスルフィニル;
(13)低級アルキルスルホニル、低級シクロアルキルスルホニル、または低級ヘテロシクロアルキルスルホニル;
(14)低級アルキルスルホニルアミノ;
(15)低級アルキルアミノ;
(16)低級ジアルキルアミノ;および
(17)低級トリアルキルシリル
からなる群より選択される)
の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくはエステル。
【請求項2】
が、水素である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
が、メチルである、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
式IA:
【化74】


(式中、R、RおよびRは、請求項1に定義されているとおりである)
で示される、(R)−鏡像異性体である、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
が、水素である、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
が、メチルである、請求項4記載の化合物。
【請求項7】
およびRが、独立して、
(1)ハロゲン;
(2)低級アルキル;
(3)フルオロにより置換されている低級アルキル;
(4)シクロアルキル;
(5)低級アルキルにより置換されている低級シクロアルキル;
(6)低級ヘテロシクロアルキル;
(7)低級アルカノイル;
(8)低級アルコキシ;
(9)低級シクロアルコキシ;
(10)低級アルキルスルフィニル;
(11)低級アルキルスルホニル;
(12)低級シクロアルキルスルホニル;
(13)低級アルキルアミノ;および
(14)低級ジアルキルアミノ;
からなる群より選択される、請求項1〜6のいずれか1項記載の化合物。
【請求項8】
またはRの少なくとも1つが、フルオロ、クロロまたはブロモである、請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物。
【請求項9】
またはRの少なくとも1つが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチルである、請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物。
【請求項10】
またはRの少なくとも1つが、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、1,1−ジフルオロエチルまたはフルオロメチルである、請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物。
【請求項11】
またはRの少なくとも1つが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである、請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物。
【請求項12】
またはRの少なくとも1つが、1−メチル−シクロプロピルまたは1−エチル−シクロプロピルである、請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物。
【請求項13】
またはRの少なくとも1つが、ピペリジニル、ピペラジニルまたはピロリジニルである、請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物。
【請求項14】
またはRの少なくとも1つが、プロパノイルまたはアセチルである、請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物。
【請求項15】
またはRの少なくとも1つが、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシまたはtert−ブトキシである、請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物。
【請求項16】
またはRの少なくとも1つが、シクロブトキシまたはシクロペントキシである、請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物。
【請求項17】
またはRの少なくとも1つが、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル、メチルスルホニル、エチルスルホニル、イソプロピルスルホニル、tert−ブチルスルホニル、シクロプロピルスルホニル、シクロブチルスルホニルまたはシクロペンチルスルホニルである、請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物。
【請求項18】
またはRの少なくとも1つが、メチルスルホニルアミノまたはエチルスルホニルアミノである、請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物。
【請求項19】
またはRの少なくとも1つが、メチルアミノ、エチルアミノ、イソプロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルエチルアミノまたはメチルイソプロピルアミノである、請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物。
【請求項20】
またはRの少なくとも1つが、トリフルオロメチルである、請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物。
【請求項21】
およびRが、両方ともにフルオロではない、請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物。
【請求項22】
およびRが、両方ともにハロゲンではない、請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物。
【請求項23】
およびRが、両方ともにメチルではない、請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物。
【請求項24】
またはRの少なくとも1つが、ハロゲンでもメチルでもない、請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物。
【請求項25】
{(R)−5−[(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{(R)−5−[(3,5−ジ−tert−ブチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{(R)−5−[(3,5−ビス−メタンスルホニル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{(R)−5−[(3−メトキシ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{(R)−5−[(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{(R)−5−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{(R)−5−[(3,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{(R)−5−[(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{(R)−5−[(3,5−ジメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
((R)−5−{メチル−[3−(プロパン−2−スルフィニル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸;
{(R)−5−[(3−シクロペンタンスルホニル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
((R)−5−{メチル−[3−(プロパン−2−スルホニル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸;
((R)−5−{メチル−[3−(2−メチル−プロパン−2−スルホニル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸;
{(R)−5−[メチル−(3−ピロリジン−1−イル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{(R)−5−[(3−ジエチルアミノ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
((R)−5−{[3−(イソプロピル−メチル−アミノ)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−メチル−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸;
((R)−5−{[3−(1,1−ジフルオロ−エチル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−メチル−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸;
{(R)−5−[(3−アセチル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
((R)−5−{メチル−[3−(1−メチル−シクロプロピル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸;
{(R)−5−[(3−イソプロピル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{(R)−5−[(3−イソプロポキシ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{(R)−5−[(3−エトキシ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;および
{(R)−5−[(3−シクロペンチルオキシ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸
からなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項26】
{(R)−5−[(3,5−ジ−tert−ブチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{(R)−5−[(3,5−ビス−メタンスルホニル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{(R)−5−[(3−メトキシ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{(R)−5−[(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{(R)−5−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
((R)−5−{メチル−[3−(プロパン−2−スルフィニル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸;
{(R)−5−[(3−シクロペンタンスルホニル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
((R)−5−{メチル−[3−(プロパン−2−スルホニル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸;
((R)−5−{メチル−[3−(2−メチル−プロパン−2−スルホニル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸;
{(R)−5−[メチル−(3−ピロリジン−1−イル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
((R)−5−{[3−(イソプロピル−メチル−アミノ)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−メチル−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸;
((R)−5−{[3−(1,1−ジフルオロ−エチル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−メチル−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸;
{(R)−5−[(3−アセチル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
((R)−5−{メチル−[3−(1−メチル−シクロプロピル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸;
{(R)−5−[(3−イソプロピル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{(R)−5−[(3−イソプロポキシ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;および
{(R)−5−[(3−エトキシ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸
からなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項27】
[(R)−5−(3,5−ジクロロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−5−(3,5−ジメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−5−(3,5−ジフルオロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−5−(3−イソプロピル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
{(R)−5−[3−(1,1−ジフルオロ−エチル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{(R)−5−[3−(1−メチル−シクロプロピル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
[(R)−5−(3,5−ジ−tert−ブチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−5−(3,5−ビス−メタンスルホニル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−5−(3−メトキシ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−5−(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;および
[(R)−5−(3−フルオロ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸
からなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項28】
[(R)−5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−5−(3−イソプロピル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
{(R)−5−[3−(1,1−ジフルオロ−エチル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
{(R)−5−[3−(1−メチル−シクロプロピル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸;
[(R)−5−(3,5−ジ−tert−ブチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−5−(3,5−ビス−メタンスルホニル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;
[(R)−5−(3−メトキシ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸;および
[(R)−5−(3−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸
からなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項29】
請求項25〜28のいずれか1項記載の化合物の、薬学的に許容される塩。
【請求項30】
請求項25〜28のいずれか1項記載の化合物の、薬学的に許容されるエステル。
【請求項31】
{(R)−5−[(3−シクロペンタンスルホニル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸である、請求項1記載の化合物。
【請求項32】
((R)−5−{メチル−[3−(プロパン−2−スルホニル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸である、請求項1記載の化合物。
【請求項33】
{(R)−5−[(3,5−ビス−メタンスルホニル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸である、請求項1記載の化合物。
【請求項34】
((R)−5−{メチル−[3−(2−メチル−プロパン−2−スルホニル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸である、請求項1記載の化合物。
【請求項35】
{(R)−5−[(3−イソプロピル−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸である、請求項1記載の化合物。
【請求項36】
{(R)−5−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル)−メチル−アミノ]−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ}−酢酸である、請求項1記載の化合物。
【請求項37】
((R)−5−{[3−(1,1−ジフルオロ−エチル)−5−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニル]−メチル−アミノ}−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ)−酢酸である、請求項1記載の化合物。
【請求項38】
[(R)−5−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンゼンスルホニルアミノ)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルオキシ]−酢酸である、請求項1記載の化合物。
【請求項39】
請求項4記載の式1Aの化合物および式IB:
【化75】


(式中、R、RおよびRは、請求項4に定義されているとおりである)
の化合物を含む、医薬組成物。
【請求項40】
治療有効量の請求項4に記載の化合物および薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項41】
治療活性物質として使用するための、請求項1〜39のいずれか1項記載の化合物。
【請求項42】
CRTH2受容体アンタゴニストにより処置することができる疾患の治療および/または予防のための、請求項1〜39のいずれか1項記載の化合物。
【請求項43】
CRTH2受容体アンタゴニストにより処置することができる疾患の治療的および/または予防的処置のための薬剤を調製するための、請求項1〜39のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項44】
疾患が、喘息、慢性閉塞性肺疾患、アレルギー性炎症、アレルギー性鼻炎またはアトピー性皮膚炎である、請求項43記載の使用。
【請求項45】
特に新規化合物、中間体、医薬、使用および方法に関する、本明細書中に定義された発明。

【公表番号】特表2012−500188(P2012−500188A)
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−522479(P2011−522479)
【出願日】平成21年8月5日(2009.8.5)
【国際出願番号】PCT/EP2009/060156
【国際公開番号】WO2010/018112
【国際公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】