説明

モノマー及びマクロマーとして有用なマイケル型反応からの化合物を含む両性イオン基

【課題】生体適合し、血液適合する、付加物を含む両性イオン、それから形成されるポリマー、それらから生産された付加物又はポリマーを含むコーティング過程及び組成物を提供する。
【解決手段】式(I)を有する付加物を含む両性イオンであって、


Zは両性イオン基であり、Xはカルボニル基、スルホン基、スルホニウム塩、及びホスホニウム塩から成るグループから選ばれた電子吸引基であり、Rは二官能価の有機基であり、AはOあるいはNRであり、RとRは、水素及びC1−6アルキルから成るグループから独立に選択され、Rは水素又は有機基であり、Rは有機基、好ましくは任意に置換されたアルキル基、オルガノポリシロキサン基、オルガノシリル基、又はオリゴアルコキシアルキル基である。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
リン脂質はリン酸塩ジエステル化合物であり、細胞膜の中に自然に見出される。アルコール残基の一つは一般にグリセロール誘導体であり、他のアルコール残基は非イオン性の、陽イオンの、あるいは陰イオンの官能性を有する異なるアルコールの誘導体である。リン脂質及びリン脂質の類似物質は、例えば生体適合性や血液適合性(haemocompatibility)という有用な性質を与え、タンパク質や酵素といった生体分子と表面の相互作用に影響を与える点で、ますます興味を引きつつある。
【0002】
欧州特許出願公開0032622号、欧州特許出願公開0157469号、欧州特許出願公開0555295号、欧州特許出願公開0601041号、欧州特許出願公開0593561号、欧州特許出願公開00639989号、国際公開9416748号、及び国際公開9416749号等のわれわれの過去の開示には、リン脂質類似物質を含んだ種々の合成両性イオン化合物と、生体適合し、血液適合する表面を有する器具への適用とが記載されている。本発明は、この方法論をマイケル型付加によって生産されるモノマー及びマクロマーを含む新規なポリマー系へと拡張する。
【0003】
文献において周知のことであるが、アミンはアクリレート官能基のα,β−不飽和カルボニルに求核性攻撃を受けて、マイケル型1,4−付加物になる。(Recent stereoselective synthetic approaches to -amino acids. Cole, Derek C., Tetrahedron (1994), 50(32), 9517-82)
この技術は、ある範囲の硬化性コーティング(Addition products, radiation-curable surface coating compositions based on the addition products, and their use for wood coating and paper coating, Hintze-Bruning, Horst; Cibura, Klaus; Baltus, Wolfgang, US5792827; High-solids coatings -formulation aspects. Nowak, Michael T USA. High Solids Coat. (1982), 7(3), 23-8)や樹脂(Curing agents for liquid epoxy resins, and curable polymer compositions containing them. Shiono, Kenji, Suzuki, Takehiro. JP09291135; A process for preparation of room-temperature-curable resins. Furukawa, Hisao; Kawamura, Jo., EP274112)の調製に適用されてきた。
【0004】
また高分子化学においても、例えば種々の高分子混成物を生産したり(Conductive wire coating based on a curable acrylate-modified amine-terminated polyamide. Frihart, Charles R.; Kliwinski, Joseph. WO9724191; A polylactone having amino groups, its preparation, and coating and printing ink compositions containing it. Matsui, Hideki., EP713894; Grafting of amine-functional polymers onto functionalized oxymethylene polymers and the resulting graft polymers thereof. Auerbach, Andrew B.; Broussard, Jerry A.; Yang, Nan L.; Paul, James L. EP 400827)、デンドリマー構造を形成したりするのに盛んに利用されてきた。(Dense star polymers. Tomalia, Donald A.; Dewald, James R. WO8402705)
また、生物学的に活性なアミンを含む化合物を機能させるのにも用いることができる。(A synthesis of N-substituted -alanines: Michael addition of amines to trimethylsilyl acrylate. Kwiatkowski, Stefan; Jeganathan, Azhwarsamy; Tobin, Thomas; Watt, David S. Maxwell H. Synthesis (1989), Issue 12, 946-9)欧州特許出願公開0933399号では、シリコン原子に少なくとも1のアミノアルキル置換基を有するポリシロキサン化合物が、任意に他のアクリル化合物の存在下において、ジ−又はオリゴ−アクリレート化合物との反応によって架橋される。具体化され得た置換アクリル化合物の一例は、N,N−ジメチル−N−メタクリロキシエチル−N−(3−スルフォプロピル)−アンモニウムベタインである。
【0005】
先行技術文献の中には、この反応は、アクリレート又はメタクリレートのいずれでも起こさせることができるが、反応性の見地から文献では前者の方が一般に好適であるとしているものがある。この反応は通常触媒なしで進行するが、単に1,4付加を促進して収率が良好となる触媒について報告しているものもある。(Catalysis of the specific Michael addition: the example of acrylate acceptors. Cabral, Jose; Laszlo, Pierre; Mahe, Loic, Montautier, Marie Therese; Randriamahefa, S. Lalatiana., Tetrahedron Lett. (1989), 30(30), 3969-72)
【発明の概要】
【0006】
本発明は新規なポリマーとその生産工程、その新規なポリマーで表面をコーティングする工程、及びポリマーの組成に関する。本発明は又、新規なプレポリマーとその生産工程をも提供する。
【0007】
このようなポリマーは、血液に接触する器具、コンタクトレンズ及び眼内レンズ、その他タンパク質を含有するかあるいは生物学的な液体と接触して使用される器具等の、医療用器具を製造あるいはコーティングする上で特に有用である。
【0008】
本発明では、式Iを有するマイケル型付加を含む両性イオンを設ける。
【化1】

【0009】
(式中、
Zは両性イオン基であり、
Xはカルボニル基、スルホン基、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、から成るグループから選ばれた電子吸引基であり、
Rは、直線状及び分岐状アルカンジイル、アルケンジイル、アルキンジイル、シクロアルカンジイル、シクロアルケンジイル、シクロアルキンジイル、アリーレン、アルカリーレン、アラルキーレン、アルコキシアリーレン、アルコキシアルキル、オリゴアルコキシアルキル、モノ−及びジ−アルキルアミノアルキル N−アリールアミノアルキル、N−アリール−N−アルキルアミノアルキルであり、
とRは、水素及びC1−6アルキルから成るグループから独立に選択され、
AはOあるいはNRであり[式中、Rは水素及びC1−6アルキルから成るグループから独立に選択される]、
は水素、直鎖状及び分岐状のアルキル、アルケニル、及びアルキニル基、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ハロアリール、ハロアルキル、アリール、アルカリール、アラルキル、アルコキシアリール、アルコキシアルキル、オリゴアルコキシアルキル、アミノアルキル、モノ−及びジ−アルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、N−アリール−N−アルキルアミノアルキル、N−アリール−Nアミノアリール、アシルオキシ、アシルオキシアルキル、アシルアミノアルキル、及びN−ジアシルーイミノアルキル基、モノ−及びジ−アルキルアミノカルボニル、オルガノシリル、アリールアミノカルボニル、アリール(アルキル)アミノカルボニル、及びオルガノシロキシル基、そして、以下のいずれかで置換されたいずれかの上記基、からなるグループから選択され:反応基、NHCOOR基[式中、Rは、水素、直鎖状及び分岐状のアルキル、アルケニル、及びアルキニル基、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ハロアリール、ハロアルキル、アリール、アルカリール、アラルキル、アルコキシアリール、アルコキシアルキル、オリゴアルコキシアルキル、アミノアルキル、モノ−及びジ−アルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、N−アリール−N−アルキルアミノアルキル、N−アリール−N−アミノアリール、アシルオキシアルキル、アシルアミノアルキル、及びN−ジアシルーイミノアルキル基、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルケニル、ヒドロキシアルキニル。ヒドロキシアリール、ヒドロキシアルコキシアルキル、及びヒドロキシ(オリゴアルコキシ)アルキルからなるグループから選択される]、−NHCONR基[式中、RとRとは、水素、直鎖状及び分岐状のアルキル、アルケニル、及びアルキニル基、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ハロアリール、ハロアルキル、アリール、アルカリール、アラルキル、アルコキシアリール、アルコキシアルキル、オリゴアルコキシアルキル、アミノアルキル、モノ−及びジ−アルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、N−アリール−N−アルキルアミノアルキル、N−アリール−N−アミノアリール、アシルオキシアルキル、アシルアミノアルキル、及びN−ジアシルーイミノアルキル基、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルケニル、ヒドロキシアルキニル。ヒドロキシアリール、ヒドロキシアルコキシアルキル、及びヒドロキシ(オリゴアルコキシ)アルキルからなるグループから選択される]、あるいは重合体、
は、水素、直鎖状及び分岐状のアルキル、アルケニル、及びアルキニル基、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ハロアリール、ハロアルキル、アリール、アルカリール、アラルキル、アルコキシアリール、アルコキシアルキル、オリゴアルコキシアルキル、アミノアルキル、モノ−及びジ−アルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、N−アリール−N−アルキルアミノアルキル、N−アリール−N−アミノアリール、アシルオキシ、アシルオキシアルキル、アシルアミノアルキル、及びN−ジアシルーイミノアルキル基、モノ−及びジ−アルキルアミノカルボニル、オルガノシリル、アリールアミノカルボニル、アリール(アルキル)アミノカルボニル、及びオルガノシロキシル基、そして、以下のいずれかで置換されたいずれかの上記基、からなるグループから選択される:
基II
【化2】

【0010】
[式中、R、R,R,R,Z、Aは式(I)におけるものと同じである]、

基III
【化3】

【0011】
[式中、AはOあるいはNR13{式中R13は水素またはC1−6アルキル}であり、Xはカルボニル、スルホニル、スルホニウム、ホスホニウム基から選択される電子誘引基であり、R12はHまたはC1−6アルキルであり、R10及びR11はHとC1−4アルキルから独立に選択され、Rは任意に置換されたアルキルまたはアリールである]、反応基、または重合体。)
、R、及びいかなる下記の基の定義において、好ましくはいかなるアルキル基或いは部分もC1−18アルキルであり、好ましくはいかなるアルケニル基或いは部分もC2−18アルケニルであり、好ましくはいかなるアルキニル基或いは部分もC2−12アルケニルであり、好ましくはいかなるアリール基或いは部分もC6−24アリールであり、好ましくはいかなるアルカリール基或いは部分もC7−24アルカリールであり、好ましくはいかなるアラルキル基或いは部分もC7−24アラルキルであり、好ましくはいかなるシクロアルキル基或いは部分もC4−24シクロアルキルであり、好ましくはいかなるシクロアルケニル基或いは部分もC5−24シクロアルケニルであり、好ましくはいかなるシクロアルキニル基或いは部分もC5−24シクロアルキニルである。
【0012】
両性イオン基Zが、一般式(IV)を有しており、
【化4】

【0013】
(式中、
及びAは、同じであっても異なっていても良く、−O−、−S−、−NH−あるいは原子価結合であるが、好ましくは−O−であり、
は、アンモニウム、ホスホニウム、あるいはスルホニウム陽イオン基と、好ましくはC1−12アルカンージイル基である陰イオンと陽イオン体を結合する基とを含むグループであり、好ましくは、Wが以下の式のグループである:−W1−N14、−W1−P15、−W1−S152,あるいは−W1−Het[式中、W1は、1つ以上の不飽和エチレン二重結合または三重結合を任意に含む、1個以上、好ましくは2〜6個の炭素原子のアルカン−ジイル、2個の置換原子を有するアリ−ル(アリ−レン)、アルキレンアリ−レン、アリ−レンアルキレン、あるいはアルキレンアリ−ルアルキレン、シクロアルカンージイル、アルキレンシクロアルキル、シクロアルキルアルキレン、あるいはアルキレンシクロアルキルアルキレンであり、W基は任意に1つ以上の置換物及び/又は1つ以上の官能基を含み、複数のR14基は、同じであっても異なっていても良く、それぞれは水素または1〜4個の炭素のアルキル、好ましくはメチルか、フェニルのようなアリールであるか、あるいはR14のうちの二つの基が、付加している窒素原子とともに5個から7個の原子を含む脂肪族複素環を形成しているか、あるいはR14のうちの三つの基が、付加している窒素とともに各環に5個から7個の原子を含む融合環構造を形成しており、R14のうちの1つ以上が任意に親水性の官能基で置換しており、複数のR15基は、同じであっても異なっていても良く、それぞれはR14かまたはOR14基であり、ここでR14は上記定義されたものであり、Hetは、芳香族で、窒素含有、りん含有、あるいは硫黄含有の環、例えばピリジンである。]。]
【0014】
更に好ましくは、式(IV)の両性イオンが一般式(V)を有しており、
【化5】

【0015】
(式中、複数のR16基は、同じであっても異なっていても良く、それぞれは水素または1〜4個の炭素のアルキルであり、
mは1から4であり、好ましくは2であり、
好ましくは、複数のR16基は同じで、好ましくはメチルである。)
或いは、両性イオン基は、スルホ−、カルボキシ−、ホスホ−ブタンなどのブタン基でもよい(すなわち、カチオンが主鎖に近い)。ブタン基は統括電荷を有するべきでなく、従って、好ましくはカルボキシルー或いはスルホーブタンである。ホスホーブタンである場合には、リン酸末端基はジエステルでなくてはならなく、すなわちアルコールでエステル化されなくてはならない。そのような基は一般式(IV)を有しており、
【化6】

【0016】
(式中、
A4は原子価結合、−O−、−S−、或いは−NH−であり、好ましくは−O−である、
Vはカルボキシレート、スルホネート、或いはリン酸ジエステル(一価)陰イオンであり、
17は(Aと共に)原子価結合であり、−C(O)アルキレン−或いは−C(O)NHアルキレン、好ましくはアルカン−ジイルであり、好ましくはアルカン−ジイル鎖に1〜6個の炭素原子を備えて、
複数のR18基は、同じであっても異なっていても良く、それぞれは水素または1〜4個の炭素原子のアルキル、或いはR18基とそれらが付着している窒素と共に形成される5−7原子の複素環であり、
19は1−20、好ましくは1−10、更に好ましくは1−6の炭素原子のアルカンジイルである。
【0017】
一つの好ましいスルホベタインモノマーは式(VII)を有しており、
【化7】

【0018】
(式中、複数のR20基は、同じであっても異なっていても良く、それぞれは水素または1〜4個の炭素のアルキルであり、
sは2から4である。
【0019】
好ましくは、複数のR20基は同じで、また好ましくは少なくとも一つのR20基がメチルであり、更に好ましくはR20基が両方メチルである。)
或いは、両性イオン基はアミノ酸体であっても良く、その場合アルファ炭素原子(それにはアミン基及びカルボン酸基が付着している)は生体適合するポリマーの主鎖にリンカーを通して接合される。そのような基は一般式(VIII)により代表され、
【化8】

【0020】
(式中、
は原子価結合、−O−、−S−、或いは−NH−であり、好ましくは−O−である、
22は(任意でAと共に)原子価結合であり、アルカンージイル、−C(O)アルキレン−或いは−C(O)NHアルキレン、好ましくはアルカン−ジイルであり、好ましくは1〜6個の炭素原子を備えて、
複数のR21基は、同じであっても異なっていても良く、それぞれは水素または1〜4個の炭素原子のアルキル、好ましくはメチルであり、或いはR21基の二つ或いは三つとそれらが付着している窒素と共に形成される5〜7原子の複素環であり、或いは三つのR21基とそれらが付着している窒素原子と共に形成される、各リングに5〜7原子を備える融合環複合環状構造(fused ring heterocyclic structure)である。
【0021】
好ましくは、Xはカルボニル基である。
【0022】
好ましくは、AはOである。
【0023】
好ましくは、Rは水素である。
【0024】
好ましくは、Rはメチル、或いは更に好ましくは、水素である。
【0025】
好ましくは、RはC2−6−アルカン−ジイルである。
【0026】
好ましくは、Rは水素であるか、任意に置換されたアルキルアミノカルボキシルまたはアリールアミノカルボキシルである。
【0027】
好ましい実施例において、Rは水素原子であるか、或いは反応基を備える。反応基は、例えば、イオン基或いは別の基或いは基質と共有結合を作ることができる不飽和の部位を備える基を含む。或いは、反応基は、付加物の反応基に排他的に物理的吸着或いは化学的吸着する能力に対して、付加物が別の基或いは基質に物理的吸着或いは化学的吸着する能力を増加することが可能である。
【0028】
好ましい基質としては、例えば、シリコーン、ポリウレタン、ポリアルカクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、及び鉄(特にステンレス合金)が含まれる。
【0029】
反応基が結合、物理的吸着、或いは化学吸着することができる他の基としては、例えば、付加物(I)の重合により形成される別の付加物(I)或いはポリマー、好ましい物理的或いは機械的性質を有するポリマー、薬物、エンザイムやヘパリン等の配位子や生物学的分子が含まれる。
【0030】
が反応基を備える場合、好ましくは、イソシアネート、有機シラン、及び(メタ)アクリロイロキシを備える基から選択される少なくとも一つの基を備える。
【0031】
最も好ましくは、反応基を含むR基は、イソシアネート置換基を含むシクロアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、或いはアルキルアミノカルボニル基である。
【0032】
水素以外は、Rは好ましくは有機ポリシロキサン基、有機アルコキシアルキル基、有機シリル基、或いはC8−24アルキル基である。
【0033】
本発明で使用される有機シロキシル基Y、例えばRは、好ましくは式(IX)を有する。
【化9】

【0034】
(式中、R23基,R24基,R25基のうち、少なくとも一つは原子価結合、C1−12アルカンジイル、C2−12アルケンジイル、C2−12アルキンジイルから成るグループから選択された二価体であり、付加物(I)の窒素原子と共有結合していて、残りの基、R23,R24,R25はそれぞれ分岐状及び直鎖状のC1−12アルキル、C6−15アリール、C6−18アルカリール、C6−18アラルキル、C2−12アルケニル、C2−12アルキニル、から成り、いずれも一次、二次、あるいは三次アミン基、あるいは請求項1に規定された基(III)によって置換されてもよいグループから独立に選択された単価体であり、nは0〜300である。
【0035】
好ましくは、(IX)は300〜20000Dの分子量を持ち、500〜10000,更に好ましくは1000〜7000、最も好ましくは3000〜6000である。
【0036】
好ましくは、R23とR25は、メタンジイル、エタンジイル、プロパンジイル及びブタンジイルから選択され、両方とも、個々の付加物(I)の窒素原子に共有結合している。
【0037】
或いは、またはR23とR25が両方付加物(I)に結合されることに加えて、R24基の一つ或いは一つ以上が−NR26置換基を備えることができ、その場合各R26が水素或いはC1−6アルキルとアリール、或いは上記で規定された式IIIの置換基から独立に選択される。
【0038】
好ましい実施例においては、付加物(I)は式(X)(XI)(XII)(XIII)または(XIV)の一つを有する付加物である。
【化10】


【0039】
(式中、複数の基R27のそれぞれはC1−6アルキル、C6−18アリール、C6−18アラルキル、C6−18アルカリール、及びC2−6アルケニルから成るグループから独立に選択され、好ましくはC1−6アルキルであり、最も好ましくはメチルまたはエチルであり、
前記R28あるいは各R28はC1−6アルカンジイル、C2−8アルケンジイル、及びC2−8アルキンジイルから成るグループから独立に選択され、好ましくはC1−6アルカンジイルであり、
31は、R27と同じグループから選択されるか、基R28NHであり、
32は、R27と同じグループから選択されるか、基R28NHまたは基R28NH(CHCOO(CHZまたは基−R28N(CONHR0)CHCHCOO(CHZであり、
29は、水素、C1−6アルキル、C6−18アリール、C6−18アラルキル、C2−6アルケニル、及びC6−18アルカリールから成るグループから選択され、好ましくは水素またはC1−4アルキルであり、
30は水素、直鎖状及び分岐状のアルキル、アルケニル、及びアルキニル基、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ハロアリール、ハロアルキル、アリール、アルカリール、アラルキル、アルコキシアリール、アルコキシアルキル、オリゴアルコキシアルキル、アミノアルキル、モノ−、ジ−、及びトリ−アルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、N−アリールN−アルキルアミノアルキル、N−アリール−N−アミノアリール、アシルオキシ、アシルオキシアルキル、アシルアミノアルキル、及びN−ジアシル−イミノアルキル基、アルキルアミノカルボニル、オルガノシリル、及びオルガノシロキシル基、そして両性イオン基Zまたはイソシアネート基で置換された上記基から成るグループから選択され、
nは1から500の整数であり、
pは1から50の整数であり、
qは1から500の整数であり、
rは1から50の整数であり、
sは0または1(好ましくは1)である。)
式(XIII)及び(XIV)は、[−O−SiR272],[−O−SiR32R28...]及び[−O−SiR31(R26...)]基の有機シロキサンの主鎖の特定の順序を代表する意図は持たない。実際のところこれらの基は幹内において任意に或いは明確に指示される。
【0040】
最も好ましくは、全ての基R27,R31,R32はメチルであり、R28は1,2−エタンジイル、1,3−プロパンジイル、及び1,4−ブタンジイルから選択される。
【0041】
或いは、Rが式(XV)を有するポリオキシアルキレンであり、100〜10000の分子量を持つ請求項1から8のいずれかに記載の付加物。
【化11】

【0042】
(式中、
各基R33は、水素、C1−6アルキル、C6−18アリール、C6−18アラルキル、C6−18アルカリール、及びC2−6アルケニルであり、
34はそれぞれ水素、C1−6アルキル、C6−18アリール、C6−18アラルキル、C6−18アルカリール、及びC2−6アルケニルから成るグループから独立に選択され、
35は原子価結合、C1−6アルカンージイル、C6−18アリーレン、C6−18アラルキーレン、C2−6アルケンージイル、モノ−、ジ−、及びトリ−アルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、アリールアミノアリール、N−アリール−N−アルキルアミノアルキル、アミノアリールから成るグループから選択された二価結合体であり、
36は、R35と同じグループから選択された二価結合体か、またはR33と同じグループから選択された一価結合体であって、アミノアルキルとアミノアリール基及びアルキルとアリール基が請求項1に定義されている一般式(II)(III)の基によって置換されており、
aは0か、または1〜10の範囲の整数であり、
bは0か、または1〜500の範囲の整数であり、
(XV)の分子量は100〜10000である。)
【0043】
複数のR34基は好ましくは水素及びC1−4アルキルから選択され、更に好ましくはメチル或いは水素である。すなわち、一つのR34基がメチル基であり、それ以外が水素となれるが、最も好ましくは、全てが水素である。
【0044】
好ましくはグループXVは分子量が50〜20,000の範囲内である。
【0045】
更に好ましい実施例においては、付加物は式(XVI)、(XVII)または(XVIII)を有しており、
【化12】

【0046】
式中、
各基R33は、水素、C1−4アルキル、C6−18アリール、C6−18アラルキル、及びC6−18アルカリールを含むグループから独立に選択され、
各基R37は、水素、C1−4アルキル、C6−18アリール、C6−18アラルキル、及びC6−18アルカリールを含むグループから独立に選択され、
各基R34は、水素、C1−4アルキル、C6−18アリール、C6−18アラルキル、及びC6−18アルカリールを含むグループから独立に選択され、
cは0か、または1から10の整数であり、
38は、水素、C1−4アルキル、C6−18アリール、C6−18アラルキル、C6−18アルカリール、及びC2−6アルケニルを含むグループから選択され、
各R39は、水素、直鎖状及び分岐状のアルキル、アルケニル、及びアルキニル基、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ハロアリール、ハロアルキル、アリール、アルカリール、アラルキル、アルコキシアリール、アルコキシアルキル、オリゴアルコキシアルキル、アミノアルキル、モノ−、ジ−、及びトリ−アルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、N−アリールNーアルキルアミノアルキル、N−アリール−N−アミノアリール、アシルオキシ(アルケンオイロキシを含む)、アシルオキシアルキル(アルケンオイロキシアルキルを含む)、アシルアミノアルキル、及びN−ジアシル−イミノアルキル基、アルキルアミノカルボニル、オルガノシリル、及びオルガノシロキシル基、そして両性イオン基Zまたはイソシアネート基で置換された上記基から成るグループから独立に選択される。
【0047】
好ましくは、各R34基はプロピル、エチル、メチル及び水素から選択され、好ましくは全て同じであり、更に好ましくは水素である。
【0048】
38は好ましくは水素である。
【0049】
一つの好ましい有機シラン基R、或いは劣って、Rが一般式(XIX)を有しており、
【化13】

【0050】
(式中、
各R47は、水素、分岐状及び直鎖状C1−12アルキル、C6−18アリール、C6−18アルカリール、C6−18アラルキル、C2−12アルケニル、及びC2−12アルキニルから成るグループから選択され、
40は、原子価結合、分岐状及び直鎖状C1−12アルカンジイル、分岐状及び直鎖状C2−12アルケンジイル、及び分岐状及び直鎖状C2−12アルキンジイルから成るグループから選択され、
Xは、R40を通して(I)のN原子に結合している請求項1から8に記載の付加物である。)
【0051】
本発明は更に、式(XX)を有する化合物を式(XXI)を有するアミン試薬とマイケル型付加をすることにより、式(XXII)を有する化合物を含む両性イオンを形成する付加物の生産方法を設けており、
【化14】

【化15】

【化16】

【0052】
(式(XXII)中、
Zは、両性イオン基であり、
Aは、OまたはNR(式中Rは水素あるいはC1−6のアルキル基)、
Xは、カルボニル基、スルホン基、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、から成るグループから選ばれた電子吸引基であり、
Rは、直線状及び分岐状アルカンジイル、アルケンジイル、アルキンジイル、シクロアルカンジイル、シクロアルケンジイル、シクロアルキンジイル、アリーレン、アルカリーレン、アラルキーレン、アルコキシアリーレン、アルコキシアルキーレン、オリゴアルコキシアルキーレン、モノ−及びジ−アルキルアミノアルキーレン、N−アリールアミノアルキーレン、N−アリール−N−アルキルアミノアルキーレンであり、
41は、水素、直鎖状及び分岐状のアルキル、アルケニル、及びアルキニル基、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ハロアリール、ハロアルキル、アリール、アルカリール、アラルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアリール、アルコキシアリール、アルコキシアルキル、オリゴアルコキシアルキル、アシルオキシアルキル、オルガノシラン、オルガノシロクキサン基から成るグループから選択され、これらはいずれもアミノ、N−アルキルアミノ、N,N−ジアルキルアミノ、N−アリール−N−アルキルアミノ、及びN−アシルアミノ基と置換してもよく、
とRは水素とC1−12アルキル基から独立に選択される。)
【0053】
とRが水素またはC−Cアルキル基から選択され、好ましくは両方が水素である。
構造はRおよびRが両方とも水素原子でなく二重結合の周りでシス構成でない場合には、実際にはトランス構造であることを示すことを意図していない。
【0054】
A、Z、RおよびXは、上記の一般式Iの付加物と同じ好ましい規定を有する。
【0055】
41は、好適には、上記した好適なR基を誘導するそれぞれの基である。しばしば、R41はアミノ置換体を含み、これにより第2アミン基は、一般式XXの両性イオン試薬との反応に関与し得る。
【0056】
1モルのアミン試薬は、両性イオン試薬2モルとまで反応し得る。あるいは、アミン試薬から誘導された主生成物又は副生成物アミンは、マイケル型付加か又はその代わりの反応機構のいずれか、例えば求核付加又は置換によって、異なる基又は基質に対して架橋するべく、又はその逆に反応するべく使用し得る。同時に、又は両性イオン試薬及びアミン試薬の反応の後に、ジ−又はオリゴ−アミン試薬(即ち、ここでR41が1つ以上のアミン置換基を含む)は、一般式(XXVI)と、さらなるマイケル付加の反応を起こし得る。
【化17】

【0057】
(式中、
は、O又はNR13(R13は水素又はC1−6アルキル基)であり、
は、カルボニル、スルホニル、スルホニウム、及びホスホニウム基から選択される電子吸引性基であり、
12は、水素又はC1−6アルキル基であり、
10及びR11は、H及びC1−4アルキル基から独立に選択され、Rは、任意に置換したアルキル基又はアリール基である。)
【0058】
このような反応をさらに進めて、アミン試薬のこれらのアミン基を、上記にて定義した一般式IIIの基に変換する。
【0059】
化合物(XXII)は、イソシアネート試薬(XXIII)と第2反応し、式(XXIV)を有する化合物を形成する。
【化18】

【0060】
(式中、R42は、以下の基からなる群から選択される。即ち、直線炭素鎖及び分枝炭素鎖の、アルキル、アルケニル、及びアルキニル基、アルコキシカルボニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ハロアリール、ハロアルキル、アリール、アルカリール、アラルキル、アルコキシアリール、アルコキシアルキル、オリゴアルコキシアルキル、ジ−アルキルアミノアルキル、N−アリール−N−アルキルアミノアルキル及びアシロキシ(アルケノイルオキシを含む)、アシロキシアルキル(アルケノイルオキシアルキルを含む)、N−ジアシルイミノアルキル基、有機シラン及び有機シラン基、並びに両性イオン基Z又はイソシアネート基で置換した上記のいずれかの基。)
【化19】

【0061】
式中、R43はR42と同じであるか、又はR42がイソシアネート基を含む場合には、イソシアネート基と第2反応混合物(水酸基を含む化合物、若しくは主生成物又は副生成物アミン基を含む化合物)に存在する活性水素原子を有する化合物との反応によって形成される対応する基である可能性がある。
【0062】
好適な態様において、R42は、不飽和結合の部位、及び最も好適にはイソシアネート基又はエチレン基を含み、これらは、一般式(XX)の別の化合物、別の重合体又は基、あるいは上記で定義した基質に対して架橋することができる。不飽和結合の前記部位は、あるいは、化合物(XXIV)のホモ重合又は共重合が生じ得る部位、例えば、アルケノイルオキシのようなエチレン不飽和基を提供し得る。
【0063】
最も好適には、イソシアネート試薬は、イソシアネート又はジイソシアネートであり、好適には、以下の基からなる群から選択される。即ち、C2−30脂肪族、C6−30芳香族及びC6−20脂環式イソシアネート又はジイソシアネート、C4−30アリルイソシアネート、C3−30イソシアネートアルキルアクリレート、C5−30イソシアネートアルキルメタクリレート、より好適には、アリルイソシアネート、ジメチルメタ−イソプロペニルベンジルイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メタ−テトラメチルキシリレンジイソシアネート。
【0064】
アミンと両性イオン試薬との反応において、アミン試薬の好適な態様において、基R41は、一般式XXVを有する。
【化20】

【0065】
(式中、R44又はR45基の1つは、原子価結合である、C1−12アルカンジイル、C2−12アルケンジイル、C2−12アルキンジイル基からなる群から選択された二価成分であり、残りの基R44、R45、及びR46は、直線炭素鎖及び分枝炭素鎖のC1−12アルキル、C2−12アルケニル、C2−12アルキニル、C6−24アルカニル、アリル、及び1つ以上のアミノ、N−アルキルアミノ、N、N−ジアルキルアミノ、N−アルキル−N−アリルアミノ又はN−アリルアミノ基で置換され得る基のいずれかからなる群から独立に選択された一価成分であり、
tは0乃至300である。)
【0066】
このような態様においては、好適には、R44はC2−6アルカンジイル基であり、R45基の各々はメチル基であり、R46は、アミノ置換のC2−6アルキル基であり、nは5乃至50の範囲にある。
【0067】
本発明のプロセスの、別の好適な態様において、アミン試薬において、R41は式(XXVI)で表わされ、100乃至10000の分子量を有する基である。
【化21】

【0068】
(式中、各々のR33基は、水素、C1−6アルキル、C6−18アリール、C6−18アラルキル、C6−18アルカリル及びC2−8アルケニルからなる群から独立に選択され、各々のR34基は、水素、C1−6アルキル、C6−18アリール、C6−18アラルキル、C6−18アルカリル及びC2−8アルケニルからなる群から独立に選択され、R35は、原子価結合である、C1−6アルカンジイル、C6−18アリーレン、C6−18アラルキレン、C2−6アルケンジイル、モノ−、ジ−、及びトリ−アルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、アリールアミノアリール、N−アリール−N−アルキルアミノアルキル、並びにN−アリール−N−アルキルアミノアミノアリールからなる群から選択された二価成分であり、R47は、R33と同様の群、又はアミノ置換のC1−12アルキル、N−アルキルアミノ、N、N−ジアルキルアミノ、N−アリールアミノ、又はN−アリール−N−アルキルアミノ基から選択され、
uは0又は1乃至10の範囲を有する自然数であり、
vは0又は1乃至500の範囲を有する自然数である。)
【0069】
好適な反応の二つの段階は、同時に及び別々に実施されてもよい。第一段階の後に、特性が特定できる純粋な生成物が生じることが可能な点で、二つの段階が別々である方が有利である。
【0070】
一方の成分が他方の成分を溶解できる場合は、第一段階(両性イオン試薬とアミン試薬との反応)は、無溶媒システムにおいて実施されてもよい。あるいは、水性又は有機性溶媒を使用してもよい。好適な有機溶媒は、アルコール(ヒドロキシアルキルアクリレートまたはヒドロキシアルキルメタクリレートを含む)、塩素化炭化水素、有機スルホキシド、アルキルアミド、及びエーテルを含む。
【0071】
化学式(I)がエステル結合を含む場合、マイケル付加の段階のための一つの必要条件は、生じた付加物中のエステル結合がエステル交換される可能性を回避するために、反応が起こる溶媒を慎重に選択することである。エステル交換化は酸又は塩基に触媒された反応であり、付加物中の第二アミンの基本構造は、このような変換を触媒するのに十分なようである。特に、反応溶媒としてメタノールを使用する結果として、ほとんど専らエステル交換されてアミンのメチルエステルを生成するマイケル付加物が生じることがわかっている。メタノールの代わりにイソプロピルアルコールを使用すると、エステル交換生成物の痕跡が検出されるだけで、エステル交換化は事実上起こらなくなる。アルコール群の酸性、求核性、及び立体阻害は全て、使用する溶媒システムのマイケル付加に対する妥当性を判断する際の考慮事項である。
【0072】
イソシアネートとの反応の第二段階は、無溶媒システム、若しくは水性又は有機性溶媒において実施されてもよい。好適には、イソシアネート又はジイソシアネートを使用する場合、反応は無水的に実施される。この反応が進行するためには、通常有機性溶媒が必要である。好適な有機性溶媒は、アルコール(ヒドロキシアルキルアクリレートまたはヒドロキシアルキルメタクリレートを含む)、塩素化炭化水素、有機スルホキシド、アルキルアミド、及びエーテルを含む。
【0073】
第一の反応に対する特に好適な溶媒は、イソプロパノール又はヒドロキシエチルメタクリレートである。第二の反応に対する好適な溶媒は、ジメチルスルホキシド、イソプロパノール、ヒドロキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフラン、又はN−メチルピロリドン、若しくはこれらの混合物を含む。
【化22】

【0074】
スキーム1は、特に好適な生成物をもたらす二つの反応経路を示す。
ここで、m及びjは10乃至400の整数である。
【0075】
両方の例(有機シロキサン(B)又はポリオキシアルキレン(C))において、最初の二段階は、反応の化学量論によって、別々に実施されても、共に実施されてもよい。好適には、両性イオンを含む基(A)による(E)又は(H)の生成は、一段階で生じる。反応生成物は、好適には回収され、反応基(示した例では、イソシアネート)とのさらなる段階の反応が実施される。
【0076】
例えば、ジイソシアネート化合物が、化合物(E)又は化合物(H)に対して官能化すべく使用される場合、セグメント化されたポリウレタン尿素の一ブロックを形成できる、イソシアネートを官能基とするオリゴマーが形成されるであろう。
【化23】

【0077】
スキーム2は、本発明の特に好適な別の態様を例示している。化合物(E)(又はより一般的には一般式(XXII)の中間体)は、ジイソシアネート化合物と反応して、付加的なイソシアネート基を有するタイプ(K)の化合物を生成する。この化合物は、キャッピング(capping)試薬、例えばヒドロキシエチルメタクリレート又はt−ブチルアミノエチルメタクリレートとさらに反応し、他のエチレン不飽和単量体との遊離基による重合に理想的な、メタクリレート終端オリゴマー(スキーム2における化合物(L)及び(M))を生成することが可能である。もし、両性イオンを含むマイケル付加物が、ある形態で不飽和結合を有するイソシアネートと反応すれば、上記のオリゴマーもまた一段階で形成できる。特に有用なのは、ジメチルメタ−イソプロペニルベンジルイソシアネート、アリルイソシアネート、又はメタクリルオロキシエチルイソシアネートのようなイソシアネートである。
【0078】
あるいはまた、キャップ(cap)を導入する前に、例えば化合物Kは、例えば同種又は異種の群Eと反応し得るだろう。分子中に必要な物理的及び/又は化学的特性を有する付加体を付加する他の方法として、別のアミンが、(それはマイケル付加反応に関与していても又は関与していなくてもよいが)(K)との反応に導入されてもよい。この別のアミンとは、分子をキャッピングする前に化合物(K)の炭素鎖が伸張するようにジイソシアネートの割合が調節されていれば、一般にいかなるジアミンでもよい。他のアミンの付加は、キャップ付加をする前の付加であり、化学量論を維持するために、さらなるジイソシアネート付加を伴わせてもよい。
【0079】
上記した付加物を含む物質は、医療機器製造において特に有用である。
【0080】
有機シロキサンを含む付加物、即ち重合によって生成される重合体又は共重合体は、コンタクトレンズ及び眼内レンズの製造に特に有用である。これらは、眼球環境において、高い酸素透過性及び生体適合性をもたらす。
【0081】
一般式(XXI)のアミン試薬が、アミンの官能性に加えて官能基を有する場合、このアミン試薬から形成される付加物が、移植可能な被覆物として利用できる生成物を提供し得る。例えば、アミン試薬が、アルデヒド又はカルボン酸の基で置換されたアルキル基のような付加的な反応基を含む場合は、このアミン試薬から形成される付加物(又は重合体)は、リジン成分を有する生体組織に対する移植に利用されてもよい。あるいは、アミンが、(XIX)のような有機シラン基を官能基とする場合、これを、本発明の付加物を有機又は無機基材に移植することに利用してもよい。このような有機シラン基を有する化合物及び重合体は、金属表面との結合において格別な有用性を示す。
【0082】
本発明の付加物の重合によってもたらされる重合体中に両性イオン成分が存在することによって、非両性イオン含有の類似物の場合に比べて、物質の生体適合性が向上する。もし、例えば、生物学的分解が可能な物質を生成することが必要であれば、適当に不安定な炭素鎖伸張剤を添合することによって達成可能であり、分解生成物は、両性イオン基を有さない類似の化合物よりは、生体に対する毒性が低い。同様に、このような物質の非分解性の移植物又はコンタクトレンズからの磨耗くずもまた、両性イオン基を有さない類似の物質の磨耗くずに比べて、生体又は眼球環境に対する危険性がより低いはずである。
【0083】
本発明の付加物を含む重合体の生成は、どんな周知の重合方法によって達成されてもよい。上記したように、重合体の生成は、不飽和結合部位を組込んで付加物を官能化することにより達成してもよく、このため、例えば遊離基による重合が可能な付加物を提供できる。
【0084】
本発明は、さらに、本発明の付加物を含む組成物、及びこのような付加物の重合により生成される重合体の組成物を含む。
【0085】
以下の例が、本発明の実施を例示している。
【表1】

【0086】
PEGはポリエチレングリコールを表し、AEWはアミン等価重量(amine equivalent weight)を表わす。AMS162の分子量(Mw)は4000乃至5000である。
【0087】
全ての物質は、実施例の記述通りに得て、精製した。(2−アクリロイルオキシエチル)−2’−(トリメチル−アンモニウムエチル)リン酸塩、即ち分子内塩(アクリロイル−ホスホリルコリン、APC)は、以下に示すように、Ishiharaら(Polym.J.,22(3),335,1990)が以前に記述した経路を変更した経路よって生成した。
【0088】
全てのガラス器具は使用前に完全に乾燥させた。2−クロロ−2−オキソ1、3、2ジオキサホスホレン(CCP、アボカド化学Co.)(68.3g、0.48モル、1.05等価重量)を、250mlの自己平衡滴下漏斗(self-equilibrating dropping funnel)にて秤量し、およそ50mlのアセトニトリルに溶解させた。ヒドロキシエチルアクリレート(HEA、アルドリッチ化学Co.)(53g、0.46モル)を、温度計(範囲、−100℃乃至50℃)、滴下漏斗、Nバブラ(bubbler)、及び磁気スターラーを備えた三つ首2リットル丸底フラスコにて秤量した。HEAを700mlのアセトニトリルに溶解させて、溶媒/CO浴を用いて0℃に冷却した。スターラーで攪拌中に、N、N、N’、N’−テトラメチレンジアミン(TMEDA、アルドリッチ化学Co.)(36g、0.24モル、1.05等価重量)を加え、これに続いて、20分間にわたりCCP溶液を滴下して加えた。CCPを加えると、TMEDA.2HCl塩が形成されることにより、反応混合物が濁った。2時間攪拌したまま放置された。
【0089】
TMEDA.2HClは、減圧下及びN気体中で濾過し、アセトニトリル(およそ60ml)で洗浄した。透明な薄黄色の溶液が2リットルフロレンチンフラスコ内に集められた。溶液中にトリメチルアミン(TMA、アルドリッチ化学Co.)(81.53、1.38モル、3等価重量)をバブリングする前に、溶液をおよそ0℃に冷却するため、攪拌中に溶媒/CO浴を使用した。フラスコは、先端にバルーンのついた空気凝縮器に取り付けられ、50℃で16時間スターラーで攪拌された。次に、40℃で、スターラーで攪拌しながら、HClトラップを使用し、溶媒/COによる冷却トラップを通して、真空下、余剰なTMAを除去した。およそ300mlのアセトニトリルを除去し、真空下及びN中で、APCの白色固体生成物を濾過して得た。
【0090】
集めた生成物の重量は93.7g、収率は73%であった。HNMR(DO中)により、生成物を確認した(N(CHの特性シングレット@3.15−3.22ppm、アクリレートの二重結合@5.98−6.02ppm(ダブレット)、6.19−6.26ppm(カルテット)、6.44−6.48ppm(ダブレット))。31PNMR(CDCl中)は、予想通りのピーク@−0.53ppmを示した。
【0091】
第1実施例:APC(ポリオキシアルキレンアミン)付加物の調製
18.73g(0.067モル)のAPCを、凝縮器及び磁気攪拌器に取り付けた100ミリリットル丸底フラスコに秤量し、油浴に置いた。これにIPAを50mlを加えて、この固体を溶解させるために溶液を攪拌した。600Mwのポリオキシアルキレンアミンのマクロモノマー(macromonomer)(ジェファミンED600、ハンツマンCorp.)(20g、0.033モル)をIPA20mlに溶解させ、これをAPC溶液に加え、混合物を、スターラーで攪拌しつつ16時間還流した。この後、減圧蒸留にてIPAを除去し、透明で、黄色く、粘性のある液体生成物を得た。変換効率は、ほぼ定量的であった(37g、97%)。HNMRにより、ヘッドグループ(head group)の第四アンモニウム基は明瞭に確認できたが、アクリレート二重結合の消失を確認した。
【0092】
第2実施例:[1、4ブタンジオール:ポリオキシアルキレンアミン:ヘキサメチレンジイソシアネート]をベースとするポリウレタン尿素の調製
全てのガラス器具は使用前に完全に乾燥させた。ポリオキシアルキレンアミン(8.79g、22mモル)を、40mlのDMSO(アルドリッチ化学Co.)と共に、凝縮器及び攪拌器に取り付けられた適切な容積のフラスコに秤量し、およそ40%(w/v)を生成した。これを、付加物が溶解するまで50℃でスターラーで攪拌し、これに続いて2等価重量のヘキサメチレンジイソシアネート(7.39g、44mモル)と、適切な量の適当な触媒(通常は、第一スズオクトアートを3滴)とを加えて、プレポリマーを形成するべく5分間スターラーで攪拌した。次に、炭素鎖伸張剤であるブタンジオール(2.00g、22mモル)を混合物に加え、1.5時間攪拌した後、16時間にわたって温度を100℃まで上昇させた。結果として生成された重合体溶液を水中に沈殿させ、真空下で固体を濾過した。残留溶媒は、固体からの溶媒抽出によって除去した。この後、解析前に、重合体を少なくとも24時間乾燥させた。
【0093】
重合体収率は、およそ79%であった。HNMR(dDMSO)によって、ヘキサメチレンジイソシアネート@1.22、1.32+2.94ppm、3.91ppm(ダブレット)、3.65ppm(マルチプレット)、尿素のNH@5.60、5.74+5.84ppm(それぞれシングレット)、ウレタンのNH@7.06ppm(ダブレット)についてのピークがあり、重合体構造が確認された。
【0094】
FTIRによってもまた、N−H@3339cm−1、C−H@2932cm−1、ウレタン−CONH−@1685cm−1、尿素−NHCONH−@1626cm−1、N−H変角@1561cm−1、C−H@1258cm−1、CH−O−CH@1101cm−1に吸収ピークを有する構造を確認する。
【0095】
第3実施例:[1、4ブタンジオール:(APC:ポリオキシアルキレンアミン):ヘキサメチレンジイソシアネート]をベースとするポリウレタン尿素の調製
全てのガラス器具は使用前に完全に乾燥させた。APC:ポリオキシアルキレンアミン(7.5g、7.8mモル)及びブタンジオール(0.7g、7.8mモル)を、機械的スターラーに備え付けられた適切な容量のフラスコに秤量した。混合物が均一になるまで、70℃にてこれを攪拌した後、50℃に冷却し、これに引き続き、2等価重量のヘキサメチレンジイソシアネート(2.6g、15.4mモル)を加えた。混合物が増粘して粘性のある白いゴムを形成した時、30mlのDMSO(アルドリッチ化学Co.)を加えて、およそ40重量%濃度の溶液を形成し、これを50℃にて16時間攪拌した。結果として生成された重合体溶液は、1リットルのアセトン中に沈殿し、減圧下で沈殿固体を濾過した。残留溶媒は、固体のソックスレー抽出法によって除去した。この後、解析前に、重合体を少なくとも24時間乾燥させた。
【0096】
重合体収率は、およそ59%であった。HNMR(dDMSO)によって、ヘキサメチレンジイソシアネート@1.22、1.37+2.94ppm、PCのN(CH基@3.13ppm(シングレット)、3.92ppm(ダブレット)、3.68ppm(マルチプレット)、ウレタンのNH@7.06ppm(ダブレット)なるピークを持つ、重合体構造を確認した。
【0097】
FTIRによってもまた、N−H@3371cm−1、C−H@2934cm−1、ウレタン−CONH−@1718cm−1、尿素−NHCONH−@1631cm−1、N−H変角@1538cm−1、C−H@1240cm−1、CH−O−CH@1089cm−1に吸収ピークを有する構造を確認する。
【0098】
第4実施例:[1、4ブタンジオール:(APC:ポリオキシアルキレンアミン):ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート]をベースとするポリウレタン尿素の調製
全てのガラス器具は使用前に完全に乾燥させた。APC:ポリオキシアルキレンアミン(7.712g、8.0mモル)及びブタンジオール(0.72g、8.0mモル)を、機械攪拌器に備えつけられた適切な容量のフラスコに秤量した。混合物が均一になるまで、70℃にてこれを攪拌し、50℃に冷却する後に、これに引き続き、2等価重量のジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(4.0g、15.5mモル)を加えた。混合物が増粘して粘性のある白いゴムを形成した時、30mlのNMP(アルドリッチ化学Co.)を加えて、およそ40重量%濃度の溶液を生成し、これを50℃にて16時間攪拌した。結果として生成された重合体溶液は、1リットルのアセトン中に沈殿し、減圧下で沈殿固体を濾過した。残留溶媒は、固体のソックスレー抽出法によって除去した。この後、解析前に、重合体を少なくとも24時間乾燥させた。
【0099】
重合体収率は、およそ59%であった。HNMR(dDMSO)によって、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート@1.20、1.44+1.75ppm(マルチプレット)、PCのN(CH基@3.14ppm(シングレット)、3.68ppm(マルチプレット)、3.92ppm(ダブレット)、尿素のNH@5.78、5.90+6.02ppm(それぞれシングレット)、ウレタンのNH@7.00ppm(ダブレット)なるピークを持つ重合体構造を確認した。
【0100】
FTIRによってもまた、N−H@3370cm−1、C−H@2971cm−1、ウレタン−CONH−@1723cm−1、尿素−NHCONH−@1631cm−1、N−H変角@1532cm−1、C−H@1234cm−1、CH−O−CH@1089cm−1に吸収ピークを有する構造を確認する。
【0101】
第5実施例:[1、4ブタンジオール:(APC:ポリオキシアルキレンアミン):ジフェニルメタンジイソシアネート]をベースとするポリウレタン尿素の調製
全てのガラス器具は使用前に完全に乾燥させた。APC:ポリオキシアルキレンアミン(5.5g、5.7mモル)及びブタンジオール(0.51g、5.7mモル)を、機械攪拌器に備えつけられた適切な容量のフラスコに秤量した。混合物が均一になるまで、70℃にてこれを攪拌し、50℃に冷却した後で、これに引き続き、2等価重量のジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(2.85g、11.4mモル)を加えた。混合物が増粘して粘性のある白いゴムを形成した時、30mlのNMP(アルドリッチ化学Co.)を加えて、およそ40重量%濃度の溶液を生成し、これを50℃にて16時間攪拌した。結果として生成された重合体溶液は、1リットルのアセトン中に沈殿し、減圧下で沈殿固体を濾過した。残留溶媒は、固体からの溶媒抽出によって除去した。この後、解析前に、重合体を少なくとも24時間乾燥させた。
【0102】
重合体収率は、およそ59%であった。HNMR(dDMSO)によって、PCのN(CH基@3.12ppm(シングレット)、3.76ppm(マルチプレット)、4.05ppm(ダブレット)、尿素のNH@5.55(シングレット)、ウレタンのNH@7.03ppm(ダブレット)、ジフェニルメタンジイソシアネート@7.07+7.35ppm(ダブレット)なるピークを持つ、重合体構造を確認した。
【0103】
FTIRによってもまた、N−H@3338cm−1、C−H@2973cm−1、ウレタン−CONH−@1729cm−1、尿素−NHCONH−@1651cm−1、N−H変角@1538cm−1、C−H@1224cm−1、CH−O−CH@1089cm−1に吸収ピークを有する構造を確認する。
【0104】
第6実施例:[炭素鎖伸張剤:(APC:ポリオキシアルキレンアミン):ジイソシアネートx+1]をベースとした、いくつか選択したポリウレタン尿素の特性
重合体は、2、2、2−トリフロロエタノールに溶解可能なことが見出された。この重合体を含んで10mgml−1となる溶液を作成し、3mm秒―1の速度で溶液に浸すことにより、PET片(9mm×30mm)を被覆(コート)することに使用した。16時間の空気乾燥の後に、当該片に対するタンパク質の吸着を検出するために、被覆PETには、二重抗体フィブリノーゲン分析(double antibody fibrinogen assay)が施された。表1には、実施例2乃至5で記載された、本発明の重合体について得た結果が要約されている。生体評価(bioevaluation)の結果は、吸着タンパク質の、被覆されていないPETの対照片に吸着したタンパク質と比較して減少した分をパーセントで表わしている。
【0105】
ジェファミン・ソフトセグメント(Jeffamine soft segment)上にPC成分を含むことにより、上記の被覆表面に吸着したフィブリノーゲンの量が、PCを含まない対照ポリウレタン尿素の場合に対して、明らかに、さらに顕著に減少するようになる。従って、この分析からの情報は、PC群が物質の生体適合性を実に向上させると示唆している現存の情報に加える、さらなる証拠を提供することになる。
【表2】

【0106】
第7実施例:APC:アミノプロピルメチルシロキサン−ジメチルシロキサン付加物の調製
アミン等価重量1000(AMS−162,アポロ科学)を有する、20g(NH0.02モル分)のアミノプロピルメチルシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体(APDMS)を、機械攪拌器、温度計、及びN供給器(feed)を備えた適当なフラスコ中で、10gのイソプロパノールに溶解させた。16gのイソプロパノールに溶解したAPCの溶液(5.6g、0.02モル)をAPDMS溶液に加え、温度を固定点まで上昇させた。この反応の速度解析が異なる温度毎に行なわれ、80、60、及び40℃において、それぞれ20、40、及び80分で反応が完了することが示された。60℃は、アクリレート・ホモ重合(homopolymerisation)の可能性を低減する好適な反応温度として選択した。60℃において60分間経過後、回転蒸発装置を用いて、生成物を蒸発乾固させ、26gの粘性のあるゴムを得た。HNMRによって、HEAアクリレート二重結合(5.8(d)/6.1(q)/6.4(d))の消失が確認された。
【0107】
ピーク帰属(Jeol GSX 400、3999.9MHz、CDCl、ppm)は、およそ0.1(Si−C)、0.45(Si−C−)、1.50(Si−CH−C−)、2.55(合成マルチプレット、−C−NH−C−)、2.87(−C−CO−)、3.71(−C−OH)、4.22(−COO−C−)である。
【0108】
第8(a)実施例:第7実施例のアリルイソシアネート付加物の調製
第7実施例の付加物(23g)を、機械攪拌器、温度計、及びN供給器を備えた適当なフラスコにて、THF(90g)に溶解させた。溶解を促進するために、フラスコ及び内容物を45℃まで加熱した。THF(3.0g)中のアリルイソシアネート(1.5g)の溶液は、迅速に加えた。発熱が少し観測され、温度が60℃まで上昇すると、この状態を1時間維持した。この後の液体のFTIR分光は、およそ2259cm−1におけるイソシアネートの伸縮の特性ピークを示さなかった。溶媒を蒸発させて、極めて粘性のあるゴムが得られた。HNMR(CDOD中)により、生成物が以下の所望のアリル誘導体であることが確認された。
【0109】
即ち、(Jeol GSX 400、399.9MHz、CDCl、ppm):およそ0.1(Si−C)、0.46(Si−C−)、1.57(Si−CH−C−)、2.59(−C−COO−)、3.08(b、C−N−C及びCONH−C−)、3.30(N(CH)、3.49/3.8/4.1/4.25(−COOCOP(OO−)OC−N−)、4.22(−COO−C−)、5.05/5.15/5.87(アリル−C=C)である。
【0110】
第8(b)実施例:シリコン/APC/AIマクロマー
7.4gのAPCを、攪拌器、温度計、及び窒素ブランケット(nitrogen blanket)を備えた250ミリリットルの丸底フラスコにて秤量した。18.0gのiPA溶媒を加えて、混合物を60℃まで加熱した。APCはおよそ50℃で完全に溶解した。さらに7.0gのiPAを洗浄するべく、30gのAMS162を加えた。温度は、15分間60℃に保持して、次に、およそ80℃の還流温度まで上昇させた。1時間後に40℃で反応させ、1.4gのiPAを洗浄するべく、2.1gのアリルイソシアネート(AI)(アルドリッチ)を加えた。発熱が認められ、混合物を加熱して1時間還流した。冷却後、FT−IR分光により、全てのイソシアネートの反応がN=C=O伸縮の消失を伴うことを確認した。
【0111】
減圧下での溶媒除去により、粘性の高いゴムを得て、次にこの生成物のHNMRの解析により、付加物の予想通りの構造を確認した。
【0112】
第9実施例:アミンを官能基とするPDMS、APC、及び不飽和イソシアネートを用いるAPC−ポリジメチルシロキサンの調製
11.2gのAPC(0.04モル)及びヒドロキシエチルメタクリレート(30.5g)を、温度計、機械攪拌器、及びNブランケットを備えたフラスコに詰めた。透明な溶液を得るまで、内容物を室温にて攪拌した。ヒドロキノン(およそ0.001g)を(ヒドロキシエチルメタクリレートの早期重合を防止するために)加え、これに引き続いて、40g(0.04モル)のアミノプロピルメチルシロキサンジメチルシロキサン共重合体を加えた。温度を60℃まで上昇させると、およそ20分後に溶液は透明になった。60℃にて1時間、反応を維持した。30℃まで冷却して反応させ、8.0g(0.04モル)のジメチルメタ−イソプロペニルベンジルイソシアネート(m−TMI、サイテック工業)を攪拌しながら加えた。これは、ヒドロキシエチルメタクリレートのアルコール群ではなく、副生産物アミンと選択的に反応する。発熱が少し観測されて、温度が55℃まで上昇すると、この状態を1時間維持した。生成物を、ヒドロキシメタクリレート中の67%溶液として得た。
【0113】
第10乃至18実施例:コンタクトレンズの配合成分に使用するのに適したAPC−ポリジメチルシロキサン付加物の調製
第9実施例に記載した合成手順に基づいた手順を用いて、コンタクトレンズ製造に使用するのに適したマクロマーを、表2に記述した構成成分を用いて生成した。
【表3】

【0114】
キャップ(Cap)という用語は、生成物に対し、終端をキャップする(end-caps)群を示すとして使用している。反応の通常の順序は、マイケル付加の次がキャップの付加で、次に炭素鎖を伸張させるジイソシアネートとなる。「別のアミン」という言葉は、キャッピングを実施する前に当該「別のアミン」を用いて炭素鎖の伸張が達成されるように、ジイソシアネートの割合が調節されるためのものであれば、いかなるジアミンをも示すとして使用してもよい。
【0115】
第19実施例:コンタクトレンズの調製及び評価のための一般的な方法
コンタクトレンズの配合成分(マクロマー/共単量体(comonomer)/開始剤/架橋剤)が、ガラスのバイアル中に入れられ、その混合物はN気体で10分間脱ガス抜きされた後、(およそ3.0D倍率のレンズを与える)ポリプロピレンのコンタクトレンズ成形型に既知の分量が分配された。次に、成形型を密封し、ブラックレイロングウェーブUVランプモデル100AP(Black-Ray longwave UV lamp model B100AP)を使用して、1時間、紫外線硬化させた。高純度の水に1時間浸漬して、成形型からレンズを取り出した。これらを、水とIPAとが70対30の溶液に2時間、ホウ酸塩緩衝食塩水にさらに1時間、浸漬した。次に、レンズを緩衝液のビンに保存した。このレンズの視覚評価(visual assessment)を行い、これを記録した。
【0116】
レンズは、緩衝溶液で満たしたビンに保存した。次に、これらを120℃にて30分間圧力処理によって滅菌した。このレンズの視覚評価を行い、これを記録した。
【0117】
レンズの平衡水含有率(equilibrium water content)は、第一に、濾紙を使用してレンズの表面から余剰(フリー)な水を除去することによって決定した。第二に、レンズをドライエライト(drierite)を含有するパイレックス皿に置き、最大電力(800ワット)で5分間マイクロ波処理し、再度秤量した。ここで、EWCは、次のようにして計算した。
EWC(%)=(レンズの水和重量(hydrated weight)−レンズの乾燥重量)/レンズの水和重量×100%
【0118】
レンズの酸素透過度(Dk)は、親水性コンタクトレンズ材料のDk値を測定するように設計したSOP#70−006によるモーコンズオプティパーム(Mocon’s OptiPerm)(商標)技術(モーコン/モダン・コントロールズInc.、米国ミネソタ州55428、ミネアポリス、ブーン通り北7500)を使用して決定した。ヒドロキシエチルメタクリレートを溶媒として使用してマイケル型の付加物を調製する場合、通常は、コンタクトレンズが形成される溶媒を使用しない。これにより、ヒドロキシエチルメタクリレートをベースとしたレンズの直接的な配合が可能となるが、マイケル反応からヒドロキシエチルメタクリレートが再生しないからである。
【0119】
第20乃至23実施例:実施例9乃至18からの選択された付加物を使用する、成形コンタクトレンズの調製
【表4】

【0120】
形成したレンズ特性の典型例を、下記の表4に示す。水分補給するとレンズは透明になり、広範囲なEWCを有するように形成できた。酸素の透過度は、シリコン含有のより高い配合により変更できた。
【表5】

【0121】
本発明から形成したレンズの生体特性もまた、商品として入手可能なヒドロゲル及びシリコンヒドロゲルレンズと比較して、有利である。280nmの紫外線検出法を使用して、レンズを評価した(表5)。
【表6】

【0122】
第24実施例:APC−トリメトキシシランをベースとした付加物の被覆配合成分としての調製
気体中において穏やかに加熱し、攪拌することにより、11g(0.039モル)のAPCを50mlのIPAに溶解させた。透明になると、6.80g(0.039モル)の3−アミノプロピルトリメトキシシラン(3−APTMS)を加えて、反応混合物を1時間還流した。H及び13CNMRにより、マイケル付加への変換が示された。ピークの帰属にはプロトンCOSYを用いた。
【0123】
HNMR(CDCl、400MHz、ppm):0.61(2H、m、Si−C−)、1.20(d、交換されたiPA−CH)、1.60(2H、m、Si−CH−C−)、2.55(2H、t、C−COO−)、2.60及び2.88(2Hの各々、t、C−NH−C)、3.42(9H、s、N(C)、3.52(積分値はiPAとの何らかの交換を示す、C−O−Si)、3.80(2H、b、C−N(CH)、4.10(2H、b、COO−CH−C−O−P)、4.21(m、交換されたiPA(m、−COH))、4.24(2H、b、COO−C−)、4.29(2H、b、P−O−C−CH−N(CH)。13CNMR(CDCl)は、特性ピーク、例えば172(=O)、54.9(N)を有する構造の帰属を更に支持している。
【0124】
FT−IRの結果は、カルボニル/エステル、Si−O−CH、及びSi−O−CH(CHの存在を示している。
【0125】
冷却したIPA溶液に対して、3.29gのヘキサメチレンジイソシアネート(0.0196モル)を加えて、反応混合物をさらに1時間還流した。FT−IRから、およそ2230cm−1でのN=C=O伸縮が消失したことによるイソシアネートの反応が確認された。H及び13CNMRから、APC−TMS二量体が確認された。
【0126】
HNMR(CDCl、400MHz、ppm):0.55(2H、m、Si−C−)、1.20(d、交換されたiPA−CH)、1.30(2H、b、C−CH−CH−NHCO)、1.48(2H、b、C−CH−NHCO)、1.62(2H、m、Si−CH−C−)、2.57(2H、t、C−COO−)、3.12(4H、b、C−NH−C)、3.42(9H、s、N(C)、3.48(2H、b、C−NHCO)、3.52(積分値はiPAとの何らかの交換が生じたことをを示す、C−O−Si)、3.80(2H、b、C−N(CH)、4.05(2H、b、COO−CH−C−O−P)、4.21(m、交換されたiPA(m、−COH))、4.24(2H、b、COO−C−)、4.29(2H、b、P−O−C−CH−N(CH)。13CNMR(CDCl)は、特性ピーク、例えば172(=O)、154(−NRONH−)、54.9(N)、26.30及び41(メチレン基を二量体が架橋)を有する構造の帰属を更に支持している。
【0127】
第25実施例:第24実施例をベースとした被覆の生体的な評価
第24実施例にて記述した、iPAにおけるAPC−トリメトキシシラン化合物の溶液20mgml−1を、3mm秒−1の速度で、PET上に被覆した。このPET片を30分間空気乾燥し、被覆はオーブン中で、70℃にて一晩で硬化させた。被覆されたPET試料に対して、フィブリノーゲン分析に基づく酵素の免疫測定法を使用して、タンパク質のレジスト吸着(resist adsorption)能力を評価した。表5のデータによれば、この被覆によって、表面に吸着したフィブリノーゲンの量が、非被覆の対照物の場合に比べて、著しく低減されたことが示される。
【表7】

【0128】
基材に対する大腸菌接着(E.coli)の程度を示す、酵素の類似の免疫測定を、第24実施例の発明品で被覆したPET試料の検査に使用した。このデータによれば、対照試料の場合に対して、被覆試料の表面上への大腸菌の接着は、著しく低減されたことが示されている。
【表8】

【0129】
第26実施例:APC−界面活性剤の調製
温度計、機械攪拌器、及びNブランケットを備えた三つ首フラスコ中にて、9.2g(0.05モル)のドデシルアミンを、9.2gのイソプロパノールに溶解させた。これとは別に、14.0gのAPC(0.05モル)を、加熱しつつ、28gのイソプロパノールに溶解させ、この溶液をアミン溶液に加えた。反応混合物の温度を上昇させて83℃にて還流し、この状態を4時間維持した。この後に、減圧下にて溶媒を蒸発させ、生成物を蝋状の固体として得た。この構造は、H(既知)及び13CNMRによって確認した。
【0130】
HNMR(CDOD、ppm、400MHz):0.9(トリプレット、3H、アルキル鎖の終端C)、1.3−1.6(ブロード、20H、アルキル鎖−C−)、2.5−2.7(マルチプレット、4H、−CH−NH−C−)、2.9(トリプレット、2H、−CCO−)、3.3(シャープ・シングレット、9H、N(CH)、3.7−4.4(メチレン基を架橋しているAPCからの非シールドの(deshielded)−C−)。
【0131】
12gの本生成物を、40℃にて、46gのTHFに溶解させた。2gのTHF中の2.0gのアリルイソシアネート(アルドリッチ)溶液を加えた。発熱が少し観測され、反応温度を上昇させて還流を行い、この状態を1時間維持した。この後、10gのエタノールを加えて、さらに1時間還流を続けた。この後、減圧下にて溶媒を蒸発させ、14.6gの蝋状の固体を得た。この構造は、H及び13CNMRで確認した。
【0132】
HNMR(CDOD、400MHz)により、アリル基の存在が確認された(特性ABC分裂、5.75にてマルチプレット、5.15にて4.95%ダブレットのダブレット)。13CNMRにより、アリル基(115.0及び137.5)、尿素結合(159.6)、及びエステルカルボニル(173.4)の確証に至った。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)を有する付加物を含む両性イオン。
【化1】

(式中、
Zは両性イオン基であり、
Xはカルボニル基、スルホン基、スルホニウム塩、及びホスホニウム塩から成るグループから選ばれた電子吸引基であり、
Rは、直鎖状及び分岐状アルカンジイル、アルケンジイル、アルキンジイル、シクロアルカンジイル、シクロアルケンジイル、シクロアルキンジイル、アリーレン、アルカリーレン、アラルキレン、アルコキシアリーレン、アルコキシアルキル、オリゴアルコキシアルキル、モノ−及びジ−アルキルアミノアルキル N−アリールアミノアルキル、N−アリール−N−アルキルアミノアルキルであり、
とRは、水素及びC1−6アルキルから成るグループから独立に選択され、
AはOあるいはNRであり[式中、Rは水素及びC1−6アルキルから成るグループから独立に選択される]、
は水素、直鎖状及び分岐状のアルキル、アルケニル、及びアルキニル基、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ハロアリール、ハロアルキル、アリール、アルカリール、アラルキル、アルコキシアリール、アルコキシアルキル、オリゴアルコキシアルキル、アミノアルキル、モノ−及びジ−アルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、N−アリール−N−アルキルアミノアルキル、N−アリール−N−アミノアリール、アシルオキシ、アシルオキシアルキル、アシルアミノアルキル、及びN−ジアシル−イミノアルキル基、モノ−及びジ−アルキルアミノカルボニル、オルガノシリル、アリールアミノカルボニル、アリール(アルキル)アミノカルボニル、及びオルガノシロキシル基、そして、
反応基、
NHCOOR基[式中、Rは、水素、直鎖状及び分岐状のアルキル、アルケニル、及びアルキニル基、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ハロアリール、ハロアルキル、アリール、アルカリール、アラルキル、アルコキシアリール、アルコキシアルキル、オリゴアルコキシアルキル、アミノアルキル、モノ−及びジ−アルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、N−アリール−N−アルキルアミノアルキル、N−アリール−N−アミノアリール、アシルオキシアルキル、アシルアミノアルキル、及びN−ジアシル−イミノアルキル基、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルケニル、ヒドロキシアルキニル、ヒドロキシアリール、ヒドロキシアルコキシアルキル、及びヒドロキシ(オリゴアルコキシ)アルキルからなるグループから選択される]、
−NHCONR基[式中、RとRとは、水素、直鎖状及び分岐状のアルキル、アルケニル、及びアルキニル基、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ハロアリール、ハロアルキル、アリール、アルカリール、アラルキル、アルコキシアリール、アルコキシアルキル、オリゴアルコキシアルキル、アミノアルキル、モノ−及びジ−アルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、N−アリー−N−アルキルアミノアルキル、N−アリール−Nアミノアリール、アシルオキシアルキル、アシルアミノアルキル、及びN−ジアシル−イミノアルキル基、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルケニル、ヒドロキシアルキニル、ヒドロキシアリール、ヒドロキシアルコキシアルキル、及びヒドロキシ(オリゴアルコキシ)アルキルからなるグループから選択される]あるいは
重合体のいずれかで置換されたいずれかの上記基からなるグループから選択され、
は、水素、直鎖状及び分岐状のアルキル、アルケニル、及びアルキニル基、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ハロアリール、ハロアルキル、アリール、アルカリル、アラルキル、アルコキシアリール、アルコキシアルキル、オリゴアルコキシアルキル、アミノアルキル、モノ−及びジ−アルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、N−アリール−N−アルキルアミノアルキル、N−アリール−N−アミノアリール、アシルオキシ、アシルオキシアルキル、アシルアミノアルキル、及びN−ジアシル−イミノアルキル基、モノ−及びジ−アルキルアミノカルボニル、オルガノシリル、アリールアミノカルボニル、アリール(アルキル)アミノカルボニル、及びオルガノシロキシル基、そして、
グループII
【化2】

[式中、R、R,R,R,Z、Aは式(I)におけるものと同じである]、グループIII
【化3】

[式中、AはOあるいはNR13(式中R13は水素またはC1−6アルキル)であり、Xはカルボニル、スルホニル、スルホニウム、ホスホニウム基から選択される電子誘引基であり、R12はHまたはC1−6アルキルであり、R10及びR11はHとC1−4アルキルから独立に選択され、Rは任意に置換されたアルキルまたはアリールである]、
反応基、または
重合体のいずれかで置換されたいずれかの上記基からなるグループから選択される。)
【請求項2】
前記両性イオン基Zが、一般式(IV)を有する請求項1に記載の付加物。
【化4】

(式中、
及びAは、同じであっても異なっていても良く、−O−、−S−、−NH−あるいは原子価結合であるが、好ましくは−O−であり、Wは、アンモニウム、ホスホニウム、あるいはスルホニウム陽イオン基と、好ましくはC1−12アルカンジイル基である陰イオンと陽イオン体を結合する基とを含むグループであり、好ましくは、Wが式−W−N14、−W−P15、−W−S15,あるいは−W−Hetのグループである。[式中、Wは、1つ以上の不飽和エチレン二重結合または三重結合を任意に含む、1個以上、好ましくは2〜6個の炭素原子のアルカンジイル、2個の置換原子を有するアリール(アリーレン)、アルキレンアリレン、アリレンアルキレン、あるいはアルキレンアリールアルキレン、シクロアルカンジイル、アルキレンシクロアルキル、シクロアルキルアルキレン、あるいはアルキレンシクロアルキルアルキレンであり、W基は任意に1つ以上の置換物及び/又は1つ以上の官能基を含み、複数のR14基は、同じであっても異なっていても良く、それぞれは水素または1〜4個の炭素のアルキル、好ましくはメチルか、フェニルのようなアリールであるか、あるいはR14のうちの二つの基が、付加している窒素原子とともに5個〜7個の原子を含む脂肪族複素環を形成しているか、あるいはR14のうちの三つの基が、付加している窒素とともに各環に5個〜7個の原子を含む融合環構造を形成しており、R14のうちの1つ以上が任意に親水性の官能基で置換しており、複数のR15基は、同じであっても異なっていても良く、それぞれはR14かまたはOR14基であり、ここでR14は上記定義されたものであり、Hetは、芳香族で、窒素含有、りん含有、あるいは硫黄含有の環、例えばピリジンである。]。)
【請求項3】
前記式(IV)の両性イオンが一般式(V)を有する請求項1又は2に記載の付加物。
【化5】

(式中、複数のR16基は、同じであっても異なっていても良く、それぞれは水素または1〜4個の炭素のアルキルであり、
mは1から4であり、
好ましくは、複数のR16基は同じで、好ましくはメチルである。)
【請求項4】
Xがカルボニル基である前記請求項のいずれかに記載の付加物。
【請求項5】
AがOである前記請求項のいずれかに記載の付加物。
【請求項6】
とRが独立に、水素とC1−アルキルからなるグループから選ばれ、好ましくは両方とも水素である前記請求項のいずれかに記載の付加物。
【請求項7】
が水素である前記請求項のいずれかに記載の付加物。
【請求項8】
が任意に置換されたアルキルアミノカルボキシルまたはアリールアミノカルボキシルである請求項1から6のいずれかに記載の付加物。
【請求項9】
がポリマー、不飽和の部位を有するモノマー、又は基質に共有結合を作ることができる官能基を含む請求項1から6、又は8のいずれかに記載の付加物。
【請求項10】
前記官能基がイソシアネート、アリル、イソプロぺニル、または(メタ)アクリロイロキシである請求項9に記載の付加物。
【請求項11】
は、300から20000Dの分子量を持ち、式(IX)を有するオルガノシロキシル基である前記請求項のいずれかに記載の付加物。
【化6】

(式中、R23基,R24基,R25基のうち、少なくとも一つは原子価結合、C1−12アルカンジイル、C2−12アルケンジイル、C2−12アルキンジイルから成るグループから選択された二価体であり、付加物(I)の窒素原子と共有結合していて、残りの基、R23、R24、R25はそれぞれ分岐状及び直鎖状のC1−12アルキル、C6−15アリール、C6−18アルカリール、C6−18アラルキル、C2−12アルケニル、C2−12アルキニル、から成り、いずれも一次、二次、あるいは三次アミン基、あるいは請求項1に規定された基(III)によって置換されてもよいグループから独立に選択された単価体であり、nは0〜300である。
【請求項12】
23とR25は、メタンジイル、エタンジイル、プロパンジイルから選択され、両方とも、ここの付加物(I)の窒素原子に共有結合している請求項11に記載の付加物。
【請求項13】
複数のR24がC1−6アルキル基から成るグループから独立に選択され、好ましくはC1−4アルキル基であり、もっとも好ましくはメチルであり、好ましくは同じ基である請求項11または12に記載の付加物。
【請求項14】
式(X)(XI)(XII)(XIII)または(XIV)を有する請求項11から13のいずれかに記載の付加物。
【化7】


(式中、複数の基R27のそれぞれはC1−6アルキル、C6−18アリール、C6−18アラルキル、C6−18アルカリール、及びC2−6アルケニルから成るグループから独立に選択され、好ましくはC1−6アルキルであり、最も好ましくはメチルまたはエチルであり、
前記R28あるいは各R28はC1−6アルカンジイル、C2−8アルケンジイル、及びC2−8アルキンジイルから成るグループから独立に選択され、好ましくはC1−6アルカンジイルであり、
31は、R27と同じグループから選択されるか、基R28NHであり、
32は、R27と同じグループから選択されるか、基R28NHまたは基R28NH(CH)2COO(CHZまたは基−R28N(CONHR30)CHCHCOO(CHZであり、
29は、水素、C1−6アルキル、C6−18アリール、C6−18アラルキル、C2−6アルケニル、及びC6−18アルカリールから成るグループから選択され、好ましくは水素またはC1−4アルキルであり、
30は水素、直鎖状及び分岐状のアルキル、アルケニル、及びアルキニル基、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ハロアリール、ハロアルキル、アリール、アルカリール、アラルキル、アルコキシアリール、アルコキシアルキル、オリゴアルコキシアルキル、アミノアルキル、モノ−、ジ−、及びトリ−アルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、N−アリール−N−アルキルアミノアルキル、N−アリール−N−アミノアリール、アシルオキシ(アルケンオイロキシを含む)、アシルオキシアルキル(アルケンオイロキシアルキルを含む)、アシルアミノアルキル、及びN−ジアシル−イミノアルキル基、アルキルアミノカルボニル、オルガノシリル、及びオルガノシロキシル基、そして両性イオン基Zまたはイソシアネート基で置換された上記基から成るグループから選択され、
nは1から500の整数であり、
pは1から50の整数であり、
qは1から500の整数であり、
rは1から50の整数であり、
sは0または1(好ましくは1)である。)
【請求項15】
全ての基R27,R31,R32はメチルであり、R28はエタン−ジイル、プロパン−ジイル、及びブタン−ジイルから選択された請求項14に記載の付加物。
【請求項16】
が式(XV)であり、100〜10000の分子量を持つ請求項1から8のいずれかに記載の付加物。
【化8】

(式中、
各基R33は、水素、C1−6アルキル、C6−18アリール、C6−18アラルキル、C6−18アルカリル、及びC2−6アルケニルであり、
35は原子価結合、C1−6アルカン−ジイル、C6−18アリーレン、C6−18アラルキーレン、C2−6アルケン−ジイル、モノ−、ジ−、及びトリ−アルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、アリールアミノアリール、N−アリールN−アルキルアミノアルキル、N−アリールNアミノアリールから成るグループから選択された二価結合体であり、
36は、R35と同じグループから選択された二価結合体か、またはR33と同じグループから選択された一価結合体であって、アミノアルキルとアミノアリール基及びアルキルとアリール基が請求項1に定義されている一般式(II)(III)の基によって置換されており、
aは0又は1〜10の範囲の整数であり、
bは0又は1〜500の範囲の整数である。)
【請求項17】
式(XVI)(XVII)または(XVIII)を有する請求項16に記載の付加物。
【化9】

(式中、
各基R33は、水素、C1−4アルキル、C6−18アリール、C6−18アラルキル、及びC6−18アルカリルを含むグループから独立に選択され、
各基R37は、水素、C1−4アルキル、C6−18アリール、C6−18アラルキル、及びC6−18アルカリルを含むグループから独立に選択され、
各基R34は、水素、C1−4アルキル、C6−18アリール、C6−18アラルキル、及びC6−18アルカリルを含むグループから独立に選択され、
cは0又は1から10の整数であり、
38は、水素、C1−4アルキル、C6−18アリール、C6−18アラルキル、C6−18アルカリル、及びC2−6アルケニルを含むグループから選択され、
各R39は、水素、直鎖状及び分岐状のアルキル、アルケニル、及びアルキニル基、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ハロアリール、ハロアルキル、アリール、アルカリル、アラルキル、アルコキシアリール、アルコキシアルキル、オリゴアルコキシアルキル、アミノアルキル、モノ−、ジ−、及びトリ−アルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、N−アリール−N−アルキルアミノアルキル、N−アリール−N−アミノアリール、アシルオキシ(アルケンオイロキシを含む)、アシルオキシアルキル(アルケンオイロキシアルキルを含む)、アシルアミノアルキル、及びN−ジアシル−イミノアルキル基、アルキルアミノカルボニル、オルガノシリル、及びオルガノシロキシル基、そして両性イオン基Zまたはイソシアネート基で置換された上記基から成るグループから独立に選択される。)
【請求項18】
が一般式(XIX)を有するオルガノシリル基であり、Xは、R40を通して(I)のN原子に結合している請求項1から8に記載の付加物である。
【化10】

(式中、
各R47は、水素、分岐状及び直鎖状C1−12アルキル、C6−18アリール、C6−18アルカリル、C6−18アラルキル、C2−12アルケニル、及びC2−12アルキニルから成るグループから選択され、
40は、原子価結合、分岐状及び直鎖状C1−12アルカンジイル、分岐状及び直鎖状C2−12アルケンジイル、及び分岐状及び直鎖状C2−12アルキンジイルから成るグループから選択される。)
【請求項19】
が、請求項1で定義されたように、式(II)の置換基を有するアルキル基である請求項1の付加物。
【請求項20】
請求項1から19に記載の付加物であって、
が、
イソシアネート、
NHCOOR基(式中、Rは、水素、直鎖状及び分岐状のアルキル、アルケニル、及びアルキニル基、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ハロアリール、ハロアルキル、アリール、アルカリル、アラルキル、アルコキシアリール、アルコキシアルキル、オリゴアルコキシアルキル、アミノアルキル、モノ−、及びジ−アルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、N−アリール−N−アルキルアミノアルキル、N−アリール−N−アミノアリール、アシルオキシアルキル、アシルアミノアルキル、及びN−ジアシルーイミノアルキル基、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルケニル、ヒドロキシアルキニル、ヒドロキシアリール、ヒドロキシアルコキシアルキル、及びヒドロキシ(オリゴアルコキシ)アルキルからなるグループから選択される)、
−NHCONR基(式中、RとRは、水素、直鎖状及び分岐状のアルキル、アルケニル、及びアルキニル基、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ハロアリール、ハロアルキル、アリール、アルカリル、アラルキル、アルコキシアリール、アルコキシアルキル、オリゴアルコキシアルキル、アミノアルキル、モノ−、及びジ−アルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、N−アリール−N−アルキルアミノアルキル、N−アリール−N−アミノアリール、アシルオキシアルキル、アシルアミノアルキル、及びN−ジアシル−イミノアルキル基、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルケニル、ヒドロキシアルキニル、ヒドロキシアリール、ヒドロキシアルコキシアルキル、及びヒドロキシ(オリゴアルコキシ)アルキルからなるグループから選択される)、
あるいは、重合体
で置換されているアルキルアミノカルボニルまたはアリールアミノカルボニルである。
【請求項21】
はアルキルアミノカルボニルまたはアリルアミノカルボニルであって、基NHCONR(式中、Rがアシロキシ−アルキル基であり、Rが水素であるか、または、Rが(オリゴアルコキシ)アルキル基であり、Rが水素であるか、である。)によって置換されている請求項20に記載の付加物。
【請求項22】
溶媒に溶解されるか、分散させ、好ましくはRが官能基を含む請求項1から18のいずれかに記載の付加物を含む溶液。
【請求項23】
式(XX)を有する両性イオン試薬を式(XXI)を有するアミン試薬とマイケル型付加をすることにより、式(XXII)を有する化合物を含む両性イオンを形成する付加物の生産方法。
【化11】

【化12】

【化13】

(式(XXII)中、
Zは、両性イオン基であり、
Aは、OまたはNR[式中Rは水素あるいはC1−6のアルキル基]、
Xは、カルボニル基、スルホン基、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、から成るグループから選ばれた電子吸引基であり、
Rは、直線状及び分岐状アルカン−ジイル、アルケン−ジイル、アルキン−ジイル、シクロアルカン−ジイル、シクロアルケン−ジイル、シクロアルキン−ジイル、アリーレン、アルカリーレン、アラルキーレン、アルコキシアリーレン、アルコキシアルキーレン、オリゴアルコキシアルキーレン、モノ−及びジ−アルキルアミノアルキーレン、N−アリールアミノアルキーレン、N−アリール−N−アルキルアミノアルキーレンであり、
41は、水素、直鎖状及び分岐状のアルキル、アルケニル、及びアルキニル基、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ハロアリール、ハロアルキル、アリール、アルカリル、アラルキル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアリール、アルコキシアリール、アルコキシアルキル、オリゴアルコキシアルキル、アシルオキシアルキル、オルガノシラン、オルガノシロクキサン基から成るグループから選択され、これらはいずれもアミノ、N−アルキルアミノ、N,N−ジアルキルアミノ、N−アリル−N−アルキルアミノ、及びN−アシルアミノ基と置換してもよく、
とRは水素とC1−12アルキル基から独立に選択される。)
【請求項24】
とRが水素またはC−Cアルキル基から選択され、好ましくは両方が水素である請求項23に記載の方法。
【請求項25】
AがOである請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】
Zが請求項2または請求項3において定義されたものである請求項23から25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
XがC=Oである23から26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
式(XXII)の化合物を含む両性イオンが、式(XXIII)のイソシアネートと2つ目の反応を起こし、式(XXIV)を有する化合物を形成する請求項23から27のいずれかに記載の方法。
【化14】

(式中、
42は、直鎖状及び分岐状のアルキル、アルケニル、及びアルキニル基、アルコキシカルボニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ハロアリール、ハロアルキル、アリール、アルカリル、アラルキル、アルコキシアリール、アルコキシアルキル、オリゴアルコキシアルキル、ジ−アルキルアミノアルキル、N−アリール−N−アルキルアミノアルキル、N−アリール−N−アミノアリール(アルケノイルオキシを含む)、アシルオキシアルキル(アルケノイルオキシアルキルを含む)、N−ジアシルイミノアルキル基、オルガノシラン及びオルガノシロキサン基、そして両性イオン基Zまたはイソシアネート基で置換された上記基から成るグループから選択される。)
【化15】

(式中、
43はR42と同じか、R42がイソシアネート基を含む場合、イソシアネート基が第2の反応混合物(両性イオンを含む化合物、ヒドロキシ基を含む化合物、あるいは第一または第二アミン基を含む化合物)に存在する活性水素原子を有する化合物と反応することによって形成される、対応する基であってもよい。)
【請求項29】
式(XXIII)のイソシアネートが、C2−30アルキル、C6−30アリール、C6−20アリサイクリック−モノ−イソシアネート、またはジイソシアネート、アリルイソシアネート、イソシアネートC28−アルキルアクリレート、C−C28−イソシアネートアルキルメタクリラーゼを含むグループから選択された請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記イソシアネートが、アリルイソシアネート、ジメチルメタイソプロペニルベンジルイソシアネート、イソシアナトエチルメタクリレート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジサイクロヘキシルメタンジイソシアネート、及びメタ−テトラメチルキシリレーンジイソシアネートから成るグループから選択される請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記イソシアネートがジイソシアネートであり、両性イオンを含む化合物に対し、モル比で0.5倍以上存在しており、両性イオンを含む化合物と反応しないイソシアネート基が、好ましくは第一及び第二モノ−及びジ−アミン、モノ−及びジ−ヒドロキシル基を含む化合物、及びそれらの混合物から選択され、付加的な活性水素を含む化合物と、同時にあるいは順番に反応する請求項29または30に記載の方法。
【請求項32】
前記付加的な活性水素を含む化合物はC2−24アルカンジアミン、モノ−、ジアミン−終止ポリ(CあるいはCアルキーレングリコール)、C2−24アルカンジオール、N−アルキルアミノアルキルアクリレートおよびN−アルキルアミノアルキルメタクリレート、C2−6ヒドロキシアルキルアクリレートおよびC2−6ヒドロキシアルキルアクリレート、C2−6ヒドロキシアルキルアクリルアミドおよびC2−6ヒドロキシアルキルアクリルアミドから選択される請求項31に記載の方法。
【請求項33】
基R42が式(XXV)のオルガノシリル基である請求項23から31のいずれかに記載の方法。
【化16】

(式中、
基R44またはR45の一つは原子価結合、C1−12アルカンジイル、C2−12アルケンジイル、C2−12アルキンジイルから成るグループから選択された二価体であり、残りの基R44,R45及びR46は直鎖状及び分岐状のC1−12アルキル、C2−12アルケニル、C2−12アルキニル、C6−24アルカニル、C6−24アリアルキル、及びアリールから独立に選択された一価体であり、これらの基は、いずれも一つ以上のアミノ、N−アルキルアミノ、N,N−ジアルキルアミノ、N−アルキルN−アリールアミノ、またはN−アリールアミノ基によって置換されても良い。)
【請求項34】
44がC2−6アルカンジイルであり、各基R45がメチルであり、R46がアミノ置換C2−6アルキル基であり、nが5から50の範囲にある請求項33に記載の方法。
【請求項35】
42が式(XXVI)の基であり、100から10000の分子量をもつ請求項23から31のいずれかに記載の方法。
【化17】

(式中、
基R33は、水素、C1−6アルキル、C6−18アリール、C6−18アラルキル、C6−18アルカリル、及びC2−6アルケニルを含むグループから独立に選択され、
各基R34は、水素、C1−6アルキル、C6−18アリール、C6−18アラルキル、C6−18アルカリル、及びC2−6アルケニルを含むグループから独立に選択され、
35は、原子価結合、C1−6アルカン−ジイル、C6−18アリーレン、C6−18アラルキーレン、C2−6アルケン−ジイル、モノ−、ジ−、及びトリ−アルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、アリールアミノアリール、N−アリールN−アルキルアミノアルキル、及びN−アルキルアミノアミノアリールから成るグループから選択された二価体であり、
47はR33と同じグループから選択されるか、またはC1−12アルキルはアミノ、N−アルキルアミノ、N,N−ジアルキルアミノ、N−アリールアミノ、又はN−アリール−N−アルキルアミノ基によって置換され、
uは0又は1から10の範囲の整数であり、
vは0又は1から500の範囲の整数である。)
【請求項36】
41が一般式(XIX)の基であり、R40を通じて(XXI)のN原子と結合している請求項23から31のいずれかに記載の方法。
【化18】

(式中、
各R47は、水素、分岐状及び直鎖状C1−4アルキル、C6−18アリール、C6−18アルカリル、C6−18アラルキル、C2−12アルケニル、及びC2−12アルキニルを含むグループから選択され、
40は、原子価結合、分岐状及び直鎖状C1−12アルカン−ジイル、直鎖状及び分岐状C2−12アルケン−ジイル、直鎖状及び分岐状C2−12アルキン−ジイルから成るグループから選択される。)
【請求項37】
マイケル型付加反応が非溶媒系で行われる請求項23から36のいずれかに記載の方法。
【請求項38】
マイケル型付加反応が溶媒の存在下で行われ、好ましくは、C1−8アルコール、C1−8塩素化炭化水素、そしてエーテルC1−8から選ばれる有機溶媒であって、好ましくは二次C1−8または三次アルコールである請求項23から36のいずれかに記載の方法。
【請求項39】
アルコールがイソプロパノール、イソブタノール、t−ブタノール、ヒドロキシエチルメタクリレートから選択され、好ましくはイソプロパノールである請求項38に記載の方法。
【請求項40】
付加物がR上で官能基を通じて重合化する請求項1から21のいずれかに記載の付加物の重合化によって生産される重合体。
【請求項41】
がエチレン不飽和基を含む付加物のホモ重合化または共重合化によって生産される請求項40に記載の重合体。
【請求項42】
遊離基、陽イオン、陰イオン、及び金属触媒による重合化から選択される重合化過程、好ましくは遊離基による重合化によって生成される請求項41に記載の重合体。
【請求項43】
付加物がエチレン不飽和共単量体を共重合する請求項41または42に記載の重合体。
【請求項44】
上の官能基がイソシアネート基であり、付加物が1以上のイソシアネート基を含み、重合化が一つ以上の二重機能を持つアミンまたはアルコール単量体との反応を含んでポリウレアまたはポリウレタンを形成する請求項40に記載の重合体。
【請求項45】
請求項22に記載の組成物を重合体または金属の表面に塗布し、表面に硬質の膜を残すためにその組成物を硬化させることを含む表面コーティングの過程。
【請求項46】
前記表面は、共有結合が形成される条件下で硬化段階が行われる付加物のR上で、官能基と少なくとも一つの共有結合を生成することができる機能的表面である請求項45に記載の過程。
【請求項47】
付加物が重合可能な化合物で、硬化段階が付加物を重合化することを含む請求項48に記載の過程。
【請求項48】
請求項1から21のいずれかに記載の、Rに重合化可能な官能基を持つ付加物のホモ重合化または共重合化を含む重合過程。
【請求項49】
請求項40から43のいずれかに記載の重合体を含む製品。
【請求項50】
コンタクトレンズである請求項49に記載の製品。
【請求項51】
が有機シロキシル体、好ましくはアミノプロピルメチルシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体の残基を含む請求項50に記載の製品。

【公開番号】特開2011−99106(P2011−99106A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−279729(P2010−279729)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【分割の表示】特願2001−557878(P2001−557878)の分割
【原出願日】平成12年9月15日(2000.9.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.パイレックス
【出願人】(303039785)バイオコンパティブルズ ユーケー リミテッド (23)
【Fターム(参考)】