説明

モノリシック成形品の製造方法

【課題】クロマトグラフィーカラムまたは毛細管のための吸着剤としての、モノリシック成形品の製造方法において、成形品は、製造後にこれらのゲル化型中に直接残留する方法を提供する。
【解決手段】ゲル化型を完全に充填するモノリシック多孔質成形品の製造方法であって、以下のプロセス段階:a)ゲル化型を提供する段階;b)ゲル化型を、表面エッチング、表面積の増大および/または化学的改変によって活性化させる段階;c)ゲル化型をモノマーゾルで充填する段階;d)モノマーゾルを重合させ、得られたゲルをエージングさせて、孔を形成する段階を特徴とする、前記方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モノリシック成形品、例えば製造後にこれらのゲル化型中に直接残留することができるモノリシック吸着剤を含むクロマトグラフィーカラムまたは毛細管の製造方法に関する。本発明はさらに、本発明の方法により製造された、成形品、例えばモノリシック吸着剤を含むクロマトグラフィーカラムまたは毛細管に関する。
【0002】
モノリシック吸着剤は、クロマトグラフィー、特にHPLC、ミクロLCまたはエレクトロクロマトグラフィーの分野において、重要性が絶えず増大している。これらは、粒子状吸着剤を含むカラムまたは毛細管よりも顕著に良好な物体輸送特性を示す。この理由により、モノリシック吸着剤を含むカラムを、一層高い線流速で、同一の性能を伴って作動させることができる。
【0003】
モノリシック吸着剤を、有機または無機ポリマーに基づいて形成することができる。ポリマーの種々の特性のために、種々の方法が、モノリシック吸着剤に基づくクロマトグラフィーカラムを製造するために、現在用いられている。
【0004】
低い収縮率を有するポリマー、即ち柔軟なポリマーゲルを、ゲル化型としてクロマトグラフィーのために用いられる管中に直接製造することができる。Hjertenら(Nature, 356, pp. 810-811, 1992)は、例えば、クロマトグラフィー管の内側に生成したポリアクリルアミド材料のモノリスを記載している。Frechetら(Anal. Chem., 64, pp. 820-822, 1992)は、ポロゲン(porogen)の存在下でマクロ多孔性構造を有し、製造後に用いられる型中に残留することができるモノリシック材料となる、ポリアクリレート材料およびポリスチレン−ジビニルベンゼンコポリマーの製造を記載している。
【0005】
しかし、このタイプのポリマーは、クロマトグラフィーについてのいくつかの欠点を有する。例えば、これらは、しばしば不十分な機械的安定性を有する。さらに、材料の孔分布は、過剰な数の微小孔が生じるため、しばしば望ましくない。これは、カラムの効率および対称性に悪影響を及ぼす。材料はまた、しばしば望ましくない膨潤挙動を示す。
【0006】
顕著に一層良好な分離特性が、モノリシック多孔質無機成形品または、ある場合において、高度に架橋した硬質の有機ポリマーゲルにより示される。しかし、これらの材料は、製造中に収縮し、このことは、これらを、クロマトグラフィー管中に直接製造することができないことを意味する。成形品とクロマトグラフィー管との間に形成する空所により、分離効率が、過剰な程度に低下する。ゾル−ゲル法により製造された無機モノリスの場合において、エージングの後の収縮は、例えば最初の直径の20%までである。従って、材料を、製造後にゲル化型から取り外し、その後厳密に密封した管で被覆しなければならない。
【0007】
WO 99/38006およびWO 99/50654には、モノリシックシリカ材料で充填された毛細管の製造方法が開示されている。この材料は、製造後に毛細管中に直接残留することができる。しかし、ここに開示されている方法は、比較的小さい直径を有する毛細管カラムの製造に適するに過ぎない。
【0008】
従って、本発明の目的は、吸着剤が製造後にゲル化型、即ちカラム管中に残留することができるモノリシッククロマトグラフィーカラムの製造方法を提供することにあった。この方法は、特に、無機材料に適し、0.05mm〜100mmの直径を有するカラム管を充填するのが可能なはずである。
【0009】
ゲル化型の内側表面を、合成の前に活性化した場合には、モノリシック成形品を、これらのゲル化型中に、空所が収縮により成形品とゲル化型との間に形成されずに製造することができることが、見出された。好適な活性化方法は、例えば、ゲル化型の内側表面の表面エッチング、表面積の増大または化学的改変である。このようにして、モノリスは、最初のゲル化型中に残留し、クロマトグラフィー的分離のために直接用いることができる。
【0010】
従って、本発明は、ゲル化型を完全に充填するモノリシック多孔質成形品の製造方法であって、以下のプロセス段階:
a)ゲル化型を提供する段階;
b)ゲル化型を、表面エッチング、表面積の増大および/または化学的改変によって活性化させる段階;
c)ゲル化型をモノマーゾルで充填する段階;
d)モノマーゾルを重合させ、得られたゲルをエージングさせて、孔を形成する段階
を特徴とする、前記方法に関する。
【0011】
好ましい態様において、ガラス、ガラス被覆ステンレススチールまたは溶融石英製のゲル化型を、段階a)において提供する。
他の好ましい態様において、段階b)における活性化を、内側表面をアルコキシシラン類および/またはオルガノアルコキシシラン類および/または粒子のスラリーで処理することにより、ゲル化型の内側表面積を増大させることにより行う。
他の好ましい態様において、段階b)における活性化を、表面を二官能性試薬で処理することによるゲル化型の内側表面の化学的改変により行う。
【0012】
好ましい態様において、ゾル−ゲル法を、モノリシック多孔質成形品の製造のために用いる。
さらに好ましい態様において、粒子および/または繊維および/またはオルガノアルコキシシラン類を含み、従って低い収縮率を示すモノマーゾルを、段階c)において用いる。
【0013】
本発明はまた、本発明の方法により得られる、ゲル化型中に重合したモノリシック多孔質成形品に関する。
本発明は、ゲル化型中の本発明の成形品の、少なくとも2種の物質のクロマトグラフィー分離のための使用に関する。
【0014】
成形品を、当業者に知られている種々の方法、例えば、例えば遊離基重合のための方法あるいはまたゾル−ゲル法を用いて製造することができる。モノリスの製造のための出発物質を含む溶液を、本発明において、これらを重合させるかまたはゲル化する方法とは無関係に、モノマーゾルと呼ぶ。
【0015】
本発明の方法は、ゾル−ゲル法による無機多孔質モノリシック成形品の製造に特に適する。WO 95/03256および特にWO 98/29350には、本発明において、ゾル−ゲル法による無機モノリシック成形品の製造に好ましい方法が開示されている。これらの材料は、2〜100nmの直径を有するメソ細孔および0.1μmよりも大きい平均直径を有するマクロ孔を含み、従ってクロマトグラフィーへの使用に特に適する。
【0016】
本発明の方法はまた、種々の孔分布を有する材料の製造に適する。例えば、また、モノモードの孔分布を有する材料、例えば10nm〜200nmの平均孔直径を有する材料を製造することが、可能である。
【0017】
成形品を、例えば、ゲル化型中で、酸性条件下で、孔形成相、例えば有機ポリマーの水性溶液の存在下でアルコキシシラン類を加水分解し、重縮合させることにより製造して、多孔質ゲル要素を得ることができる。次に、ゲルをエージングさせ、最後に孔形成物質を分離して除去する。本発明のゲル化型処理を施さないと、重合または重縮合により、ゲル構造の変化およびゲルの収縮が生じる。従来技術による方法において、これにより、ゲル化型と成形品との間の空所の形成がもたらされる。
【0018】
用いられるモノマーおよび用いる場合には孔形成剤のタイプに依存して、本発明の方法を実施する特定の方法は、変化し得る。例えば、例えばオルガノアルコキシシラン類を用いる場合には、追加のメソ細孔形成剤(例えば尿素)を用いることは、必要ではない。このような場合において、この独立して行われるゲル化段階とエージング段階とを区別することは、しばしば可能ではない。その理由は、エージングは、ゲル化段階の間にすでに起こるからである。従って、本発明において、「孔の形成のためのモノマーゾルの重合および得られたゲルのエージング」は、ゲル化およびエージングが、連続して、例えば異なる温度条件の下で、あるいはまたゲル化条件の下で行われる反応条件がさらに変化せず、従ってまた別個に歴然としたエージング段階を行わないことにより、平行して類似して行われ得ることを意味する。
【0019】
本発明において、ゲル化型の用語は、本発明による製造の間に、モノリシック成形品が完全に重合する、即ち空所を伴わずに正確な適合を伴う型を意味するものと解釈される。本発明により重合した成形品が、好ましくはクロマトグラフィーのための分離カラムとして用いられるため、ゲル化型は、同時にクロマトグラフィーカラムの被覆を表す。本発明において、成形品を、ゲル型から、クロマトグラフィーへの使用のために取り外し、これらに新たな被覆を提供することは、もはや必要ではない。従って、ゲル化型は、典型的に、毛細管、分析的または分取クロマトグラフィーカラムについて通常である大きさおよび形状を有する。
【0020】
ゲル化型は、同等にまた、他の用途のために、他の形状、例えば円錐形状または立方形形状を有することができる。例えば、本発明の方法はまた、SPE(固相抽出)もしくはSPME(固相微量抽出)において用いるために、または一般的に試料調製のために、モノリシック成形品を提供するのに適する。この場合において、ゲル化型は、例えばカートリッジまたはピペットチップである。
【0021】
ゲル化型は、金属(例えばステンレススチール)もしくはプラスチックまたは好ましくは内側がガラスで被覆された材料(例えばガラスインライナー(inliner)を有するステンレススチール)、セラミックス、ガラスまたは他のシリカ材料、例えば溶融石英からなることができる。当業者は、これらの材料の選択を、計画された適用、ゲル化型の表面の活性化のための条件、反応条件および用いられる反応体に基づいて行うことができる。
【0022】
本発明において、完全に、即ち空所を伴わずに正確な適合で重合したとは、ゲル化型が、成形品により、クロマトグラフィー分離効率が、もはやモノリシック成形品とゲル化型との間の端部領域中での収縮プロセスにより形成した空洞により損なわれないように充填されることを意味する。
【0023】
本発明の方法を、50μm〜100mm、好ましくは0.5mm〜50mmの内径を有するクロマトグラフィーカラムの製造のために用いることができる。
【0024】
ゲル化型の内側表面の本発明による活性化により、形成したモノマーゾルまたはモノリシック成形品とゲル化型の表面との間の接触が増強される。これを、好ましくは、成形品とゲル化型との間の化学結合の増強された形成により行う。ゲル化型の表面の活性化の種々のタイプが好適であることが、見出された。特定の合成に適する活性化のタイプは、ゲル化型の材料およびモノマーゾルの組成に依存する。
【0025】
1.表面エッチング
この方法は、セラミックス、ガラスもしくはシリカに基づく他の材料製のゲル化型またはこのような材料で被覆された型に特に適する。この場合において、ゲル化型の少なくとも内側表面を、強酸または強塩基を用いてエッチングする。このようにして、例えば、モノマーゾルと反応することができる活性化されたシラノール基が、型の内側表面上に、増大した程度で形成する。さらに、強塩基により、ガラスのケイ酸塩構造の部分的な分解がもたらされ、この結果、表面積が増大する。好適な強酸または塩基は、例えばHF、HCl、HNOまたはHSO、NaOH、KOH、NHOH、好ましくはHFおよびHClまたはNaOHである。処理の継続時間は、ゲル化型の材料に依存する。一般的に、型を、25℃〜80℃の温度において、5分〜24時間にわたり処理する。処理を、型全体を浸漬するかまたはゲル化型の内部を洗浄もしくは充填することにより、行うことができる。塩基を用いる場合には、最終段階は、希酸(中和のため)、水および最後に有機溶媒、例えばエタノールでの洗浄であり、または酸の場合において、水および有機溶媒での洗浄並びに型をモノマーゾルで充填することである。
【0026】
2.表面積の増大
モノリシッククロマトグラフィーカラムの本発明による製造のための他の極めて有効な方法は、ゲル化型の内側表面積を増大させることである。
【0027】
この場合において、ゲル化型を、溶液またはスラリーで前処理する。溶液は、後にモノリシック成形品の形成のために用いるものと類似するモノマーゾルからなり、即ち、モノマーゾルと同様に、これは、アルコキシシラン類を含む。これらのアルコキシシラン類は、ゲル化型の内側表面と反応することができ、ここでこれらは重合し、かつ/または焼結される。このようにして、被膜が、ゲル化型の内側表面上に形成し、内側表面積を、この集積およびこの構造により増大させる。好適なアルコキシシラン類は、テトラアルコキシシラン類(RO)Siであり、ここで、Rは、典型的にはアルキル、アルケニルまたはアリール基、例えばC1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニルまたはC5〜C20アリール、好ましくはC1〜C8アルキル基である。特に好ましいのは、テトラエトキシシランおよび特にテトラメトキシシランである。テトラアルコキシシランは、同様に、種々のアルキル基を含むことができる。
【0028】
他の態様において、オルガノアルコキシシラン類またはオルガノアルコキシシラン類のテトラアルコキシシラン類との混合物を、アルコキシシランまたは2種もしくは3種以上のアルコキシシラン類の混合物の代わりに用いることができる。好適なオルガノアルコキシシラン類は、テトラアルコキシシランの1つ〜3つ、好ましくは1つのアルコキシ基が、有機基、例えば好ましくはC1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニルまたはC5〜C20アリールにより置換されているものである。他のオルガノアルコキシシラン類は、例えば、WO 03/014450または米国特許第4,017,528号に開示されている。これらのモノマー形態の代わりに、アルコキシシラン類またはオルガノアルコキシシラン類をまた、前重合した形態、例えばオリゴマーにおいて用いることができる。テトラアルコキシシラン類またはオルガノアルコキシシラン類を、典型的には、有機溶媒、例えばトルエンに溶解した2〜25%、好ましくは5〜10%(重量%)溶液として用いる。ゲル化型の処理を、好ましくは、50〜150℃の高温において、例えばトルエン中で還流させることにより行う。処理の継続時間は、一般的に1〜40時間、典型的に10〜25時間である。
【0029】
他の好ましい態様において、溶液はさらに、粒子を含み、従って粒子懸濁液またはスラリーである。粒子は、典型的には、25nm〜10μm、好ましくは50nm〜1μmの直径を有し、典型的にはプラスチック、セラミックス、ガラスまたは無機酸化物、例えば酸化Ti、Al、ZrまたはSiからなる。これらは、好ましくは、親水性表面を有する。しかし、モノマーゾルが、オルガノアルコキシシラン類および/またはオルガノアルコキシシラン類のアルコキシシラン類との混合物からなる場合には、例えばC1〜C20アルキル基を含む疎水的に誘導体化された粒子もまた、特に好適である。疎水性相互作用により、重合は、ここで、好ましくは最初には内側表面上で起こる。
【0030】
粒子は非孔質または多孔質であってもよい。球形の、または不規則な形状の粒子は、好適である。特に好ましいのは、50nm〜1μmの直径を有するシリカ粒子である。
一般的に、ゲル化型を、溶液またはスラリーで、25℃〜100℃の温度で1〜24時間処理する。処理を、型全体を浸漬するかまたはゲル化型の内部を洗浄もしくは充填することにより、行うことができる。ゲル化型を、その後粒子懸濁液またはスラリーから取り外し、さらに処理せずに、数時間にわたり乾燥する。
【0031】
所望により、または後の使用のために所要に応じて、ゲル化型をまた加熱することができる。テトラアルコキシシラン類または純粋に無機の粒子での被膜の場合において、焼成を、600℃までにおいて行うことができる。オルガノアルコキシシラン類または有機構成成分を有する粒子を用いたとすると、温度は、有機残留物が完全燃焼されるべきである場合でなければ、100〜300℃であろう。
【0032】
3.化学的改変
この場合において、ゲル化型の内側表面を、少なくとも2つ、好ましくは3つまたは4つの官能性を有する試薬で処理する。本発明において、少なくとも2つの官能性を有する好適な試薬を、二官能性試薬と呼ぶ。表面をこれらの試薬で処理した後の収縮の減少が、ゲル化型の表面と反応する少なくとも1つの官能性およびモノマーゾルと反応するために有用である少なくとも1つの官能性により生じることが、推測される。
【0033】
例えばアルコキシシラン類またはオルガノアルコキシシラン類が、ここで好適である。特に好ましいのは、以下のものである。
−式I
(RO)1−3−Si−(CH−Si−(OR)1−3
式中、Rは、典型的にはアルキル、アルケニルまたはアリール基、例えばC1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニルまたはC5〜C20アリール、好ましくはC1〜C8アルキル基であり、
nは、好ましくは1〜8である、
で表される二官能性シラン類。
好ましい化合物の例は、BTME(ビス(トリメトキシシリル)エタン、ここでR=メチルおよびn=2)、ビス(トリエトキシシリル)エタン、ビス(トリエトキシシリル)メタンおよびビス(トリエトキシシリル)オクタンである。
【0034】
−式II
(RO)R’Si−R II
式中、RおよびR’は、典型的に、互いに独立して、アルキル、アルケニルまたはアリール基、好ましくはC1〜C8アルキル基であり、Rは、Si−OH反応性基、例えばアミノまたはエポキシ基を含む、
で表される、第4の末端官能を有する単官能性、二官能性または三官能性アルコキシシラン類。これは、Rが、例えばアルキルアミノ、アルケニルアミノもしくはアリールアミノ、好ましくはC1〜C8アルキルアミノ、またはグリシドキシアルキル、グリシドキシアルケニルもしくはグリシドキシアリール、好ましくはC1〜C8グリシドキシアルキルであることを意味する。mは、0、1または2であり、n+mは3である。式IIで表される好適な化合物の例は、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランまたは3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、および3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシランまたは好ましくは3−アミノプロピルトリエトキシシランまたは3−アミノプロピルトリメトキシシランである。
【0035】
二官能性試薬を、典型的には、有機溶媒、例えばトルエンに溶解した2〜25%、好ましくは5〜10%(重量%)溶液として用いる。ゲル化型の処理を、好ましくは、50〜150℃の高温において;例えばトルエン中で還流させることにより行う。処理の継続時間は、一般的に1〜40時間、典型的に10〜25時間である。処理を、型全体を浸漬するかまたはゲル化型の内部を洗浄もしくは充填することにより、行うことができる。最後に、型を、有機溶媒で洗浄し、モノマーゾルで充填する。
【0036】
さらに、表面活性化の前述の可能性を組み合わせることが、可能である。例えば、最初に、ゲル化型の表面を、エッチングにより活性化し、その後さらに表面積を、アルコキシシラン類、二官能性試薬または粒子スラリーで処理することにより増大させるのが、有利であり得る。
好ましい態様において、ゲル化型中にモノリシック成形品を製造するための本発明の方法をまた、モノマーゾルの選択により支持する。
【0037】
成形品の収縮をこれらの製造中に減少させるかまたは抑制するための他の可能性は、モノマーゾルのある組成物の選択である。例えば、粒子をモノマーゾルに加えると、収縮率が大幅に低下することが、見出された。
ここで用いるモノマーゾルは、他の点では、従来技術から(例えば米国特許第5,869,152号、WO 95/03256から、および特にWO 98/29350中)知られているモノマーゾルに相当する。
特開2002-293657号公報には、多孔質成形品の製造のためのゾル−ゲル法における粒子の添加が開示されている。しかし、ここでの粒子添加の目的は、製造中のエネルギー消費を減少させることである。同様の原理をまた、エージングの間に成形品の収縮率を低下させるためのある必要条件の下で用いることができるという指示はない。
【0038】
特開2002-293657号公報とは対照的に、本発明を、好ましくは、化学的構造の結果、またモノマーゾルへの化学的結合を形成することができるシリカ粒子を用いて行う。特開2002-293657号公報においては、対照的に、例えば酸化アルミニウム粒子を、アルコキシシラン類と、ゾル−ゲル法により共重合させる。即ち、ここでは粒子の導入のみが起こるが、ケイ酸塩ネットワークへの化学結合は起こらない。
【0039】
さらに、粒子は、特開2002-293657号公報とは対照的に、好ましくは、より後の時点において、即ちモノマーゾルの加水分解および重縮合が、すでに約5〜120分間、好ましくは15〜45分間にわたり起こった際に、供給される。この時点において、すでにSiOからなるオリゴマーまたはゆるいネットワークが存在し、次にこの中に、粒子が導入され、これらの硬質の特性によりネットワークが機械的に安定化される。本発明において好ましい、モノマーゾルの前重合した状態における添加の場合において、この際に加えられた粒子は、一層良好に分布し、懸濁されることが見出された。さらに、この方法をこのようにして行うことは、マクロ孔の大きさが、粒子添加により実質的に影響されないままであるという効果を有する。
【0040】
特開2002-293657号公報による方法において、加えられた粒子の量へのマクロ孔の大きさの依存性は、歴然としており、例えば、0.25gの酸化アルミニウム粒子の場合において、マクロ孔の大きさは1μmであり、または0.5gの同一の粒子の場合において、大きさは0.7μmである。
対照的に、本発明に従って合成を行うと、マクロ孔の大きさは、実質的に影響されないままである。例えば、マクロ孔の大きさは、1gまで(テトラメトキシシラン50mlあたり)の粒子の量の場合において変化しない。
【0041】
粒子の上記した添加により、収縮率が有効に低下することが、見出された。例えば、50nmの直径を有する粒子(アエロシル(Aerosil)50nm)の種々の量を、50mlのテトラメトキシシラン(TMOS)を含むモノマーゾルに加えた場合には、収縮率に対する以下の効果が生じる:
【0042】
【表1】

【0043】
0.1〜3μmの直径を有する15〜20gの多孔質球形シリカ粒子(50mlのTMOSあたり)を加える際に、収縮を、事実上完全に抑制することができる(例1と同様にして)。
【0044】
粒子をモノマーゾルに加えることにより製造された成形品のSEM顕微鏡写真は、比較的小さい粒子(50〜250nm)が、シリカフレームワーク中に完全に導入され、フレームワークの性質および形状に対して目にみえる効果を及ぼさないことを示している。対照的に、表面構造の変化は、0.1〜3μmの直径を有する粒子を用いた際に歴然としている。表面は、重合した粒子により粗面化された外見を呈する;粒子は、SEM顕微鏡写真において明らかに歴然としている。
【0045】
モノリシック成形品を特にゾル−ゲル法により製造する間に収縮率を低下させるための他の可能性は、繊維の添加である。本発明において、繊維は、長さがこれらの平均直径よりも少なくとも5倍大きい伸長された形状を有する構造である。繊維は、円形、卵形もしくは直径が不規則な形状を有することができるか、または平坦であってもよい。好適な繊維は、鉱物繊維または合成繊維、例えば特にガラス−セラミックスまたは特に好ましくはガラス繊維である。ゲルまたはモノリシック成形品の有効な安定化は、繊維を加えた際に起こり、収縮は、この際に大幅に低下することが、見出された。この方法はまた、比較的大きい直径(>3mm)を有する成形品の製造に特に適する。繊維を、モノマーゾルに、1〜50重量%、好ましくは2〜30重量%の量で加える。安定化作用を、繊維(例えば0.1〜5mm(好ましくは0.3〜3mm)の長さおよび1〜25μm(好ましくは5〜10μm)の直径を有するガラス繊維)の選択により適合させることができる。例えば、長い繊維(長さ>3mm)または長い繊維と比較的短い繊維との組み合わせを、比較的大きい直径を有する成形品のために選択するのが、有利であり得る。
【0046】
さらに、モノリシック成形品の製造の間の収縮率を、モノマーゾルがアルコキシシラン類のみならず、また少なくとも10%、好ましくは20〜100%のオルガノアルコキシシラン類を含む場合に減少させることができることが、見出された。
【0047】
オルガノアルコキシシラン類は、テトラアルコキシシランの1つ〜3つのアルコキシ基、好ましくは1つのアルコキシ基が、有機基、例えば好ましくはC1〜C20アルキル、C2〜C20アルケニルまたはC5〜C20アリール、特に好ましくはC1〜C8アルキルにより置換されているシラン類である。他のオルガノアルコキシシラン類は、例えば、WO 03/014450または米国特許第4,017,528号に開示されている。これらの文献には、さらに、オルガノアルコキシシラン類からの粒子またはモノリシック成形品の製造が開示されている。しかし、オルガノアルコキシシラン類を用いることが、エージングの間の収縮の低下を伴うという指示はない。
【0048】
モノマーゾルの他の構成成分は、一般的に、従来技術のものに相当する。しかし、ある物質の濃度を、わずかに変化させなければならない可能性があり得る。その理由は、オルガノアルコキシシラン類が、種々の極性、反応性またはさらにアルコキシシラン類への溶解性を示し、従って、例えばゲル要素の相分離または形成に影響するからである。従って、例えば、水混和性有機溶媒を、モノマーゾルに加えて、これらの効果を補償するのが、有利であり得る。例えば、エタノールまたは好ましくはメタノールが好適であり、ここで、水対溶媒のモル比は、典型的には10:1〜1:5、好ましくは3:1〜1:2である。
【0049】
さらに、通常の酢酸の代わりに、一層強い酸を、モノマーゾルに、加水分解のために加えるのが有利であることが、明らかになった。1MのHNOが、特に好適である。
【0050】
オルガノアルコキシシラン類を用いる場合において、孔の形成を、さらに、どのような孔分布をモノリシック成形品が有するべきであるかに依存して、種々の方法で影響することができる。
例えば、オルガノアルコキシシラン類自体が、有機の加水分解可能ではない基のために成形品中にマクロ多孔性構造の形成をもたらすため、ポロゲン、例えばポリエチレングリコールの添加を、所望により省略することができる。
【0051】
メソ細孔がさらに望ましい場合には、洗浄剤(例えばカチオン系洗浄剤、例えばCTAB(CH(CH15(CHBr)、非イオン系洗浄剤、例えばPEG(ポリエチレングリコール)、Brij 56(CH(CH15−(OCHCH10−OH)、Brij 58(CH(CH15−(OCHCH20−OH)およびTriton(登録商標)X洗浄剤(CHCCHCH(CH)−CO(CHCHO)H、式中x=8(TX−114)もしくはx=10(TX−100)またはブロックコポリマー、例えばPluronic(登録商標)P−123(EO)20 (プロピレンオキシド、PO)70(EO)20もしくはTween(登録商標)85(ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート))を加えることができるか、あるいはまた、エージングプロセスを、例えばWO 95/03256および特にWO 98/29350(熱的に分解可能な物質、例えば尿素の添加)に開示されているように行うことができる。上記した親水性または疎水性粒子の添加もまた、可能である。
【0052】
用いるゲル化型またはモノマーゾルの表面の活性化のタイプとは無関係に、焼成段階を、しばしばゲル化およびゲルのエージングの後に行う。これにより、成形品中に残留するすべての有機化合物または残留物が除去される。オルガノアルコキシシラン類をモノマーゾル中で用いる際にも、焼成を、最後の合成段階において行うことができ、従って有機残留物は、成形品から除去され、完全に無機の成形品が得られる。特に、立体的に大きい有機基を有するオルガノアルコキシシラン類を用いる際に、これを用いて、孔を形成することができる。焼成を、一般的に、300〜600℃の温度において行う。しかし、焼成段階を省略するか、または、あるいはまた、温度を、有機残留物が攻撃されないように選択することも、同様に可能である。このようにして、有機残留物により、例えばクロマトグラフィー分離特性に関して、成形品の材料特性に影響することが、可能である。この場合における温度は、典型的には、100〜300℃である。
【0053】
以下の表IIは、オルガノアルコキシシラン類を用いることが、収縮率を低下させるのに有効な方法であることを示す。メチルトリメトキシシラン(MTMS)の比率が高くなるに従って、収縮率は低くなる。合成を、例1および3と同様にして行った。
【0054】
【表2】

【0055】
しかし、オルガノアルコキシシラン類を用いることにより、成形品の安定性および多孔性に影響が及ぶため、例えば、ある用途のために、オルガノアルコキシシラン類のみならず、代わりにアルコキシシラン類とオルガノアルコキシシラン類との混合物を用いるのが、有利であり得る。次に、本発明のゲル化型処理により、さらに収縮が低下し得る。
粒子または繊維を、特に好ましくはさらにオルガノアルコキシシラン類を含むモノマーゾルに加える。
【0056】
本発明において特に有利なのは、ゲル化型の表面の、モノマーゾルの前述の特定の組成の1種または2種以上での活性化、即ち粒子の添加、繊維の添加および/またはオルガノアルコキシシラン類の使用の組み合わせである。
【0057】
好ましい態様において、ゲル化型を、最初に、表面エッチングにより活性化し、次にオルガノアルコキシシラン(例えばMTMS)、洗浄剤、酸(例えば希硝酸)およびメタノールの混合物で充填する。ゲル化させ、平行して高温でエージングさせた後に、クロマトグラフィーに大変適した吸着剤が、得られる。
【0058】
一般的に、成形品は、クロマトグラフィーにおいて用いるために、さらにエージングまたは焼成の後に分離エフェクターが提供されている。種々の分離エフェクターおよびこれらの導入のための方法は、当業者に知られている。例は、例えば、WO 98/29350に示されている。
【0059】
本発明の方法の補助により、ゲル化型を完全に充填するモノリシック均一多孔質成形品を製造することが可能である。成形品は、クロマトグラフィー的目的のためにゲル化型中に残留することができ、均一であるのみである孔構造およびその後設けられた被覆を有する成形品とちょうど同等に良好な分離効率を示す。従って、本発明の方法により、モノリシック成形品の製造が大幅に単純化される。
【0060】
本発明の方法により製造された毛細管は、平均して、従来技術からの毛細管よりも顕著に良好な分離効率を示す。このための理由は、収縮プロセスにより気づかれずに生じた空所が、本発明の方法において一層効果的に防止されるからである。
【0061】
従って、本発明はまた、ゲル化型に重合しており、ゲル化型の表面の活性化および/または粒子、繊維もしくはオルガノアルコキシシラン類のモノマーゾルへの添加による本発明の方法により製造することができる、モノリシック多孔質成形品に関する。本発明の成形品は、断面全体にわたり均一な構造により区別される。さらに、ゲル化型の内側表面の活性化により、成形品とゲル化型との間の化学結合の形成が生じ、これにより、特に有効な安定化が生じる。
【0062】
さらなるコメントを伴わなくても、当業者は、前述の記載を最も広い範囲において用いることができることが、推測される。従って、好ましい態様および例は、単に記載的な開示であり、これは絶対的にいかなる方法によっても限定的ではないと考慮されるべきである。
【0063】
本明細書中に述べたすべての出願明細書、特許明細書および刊行物の完全な開示内容、特に対応する出願DE 10351798.7、2003年11月6日出願は、参照により本出願中に導入される。
【0064】

例1
100mlの0.01N酢酸を、反応容器中に導入し、10.2gのPEG(マクロ多孔性構造を形成するためのポリエチレングリコール)を、撹拌しながら溶解する。後にNHOHの生成によりケイ酸塩の表面上にメソ細孔を生じる9.0gの尿素を、次に加える。溶液を、氷浴中で4℃に冷却する。4℃に達した際に、50mlのTMOSを、撹拌しながら加える。溶液を、4℃でさらに30分間撹拌する。その後、溶液を、水浴中で30℃に加温する。約30分後、0.1〜3μmの大きさを有する15gの球形の多孔質シリカ粒子を、混合物中に撹拌して加える。このようにして得られた混合物を、その後前処理したガラスカートリッジ(内径3mm、長さ12.5cm)中に移送し、水浴中に一晩放置する。この間に、モノリシック成形品は、永久に重合する。これを、その後乾燥キャビネット中で2日間乾燥し、次にクロマトグラフィーのために直接用いる。このために、カートリッジを、HPLCユニットに連結し、最初に約200mlのエタノール(流速:0.2ml/分)で一晩洗浄し、この間、残りの孔形成剤(ポリエチレングリコール)を、洗浄して除去した。2種の物質を分離することが可能であった。カートリッジを、その後300℃で焼成して(約4時間)、残留するPEGを完全燃焼させた。新たなクロマトグラフィー試験により、再び、2種の物質の分離が、顕著に一層良好な分離効率で得られた。
【0065】
ガラスカートリッジを、充填する前に反応混合物で前処理した。ガラスカートリッジを、1MのHCl溶液中に配置し、40℃で少なくとも24時間処理した。その後、管を、水およびエタノールで洗浄し、乾燥キャビネット中で24時間乾燥した。
【0066】
例2
100mlの0.01N酢酸を、反応容器中に導入し、10.2gのPEG(ポリエチレングリコール)および9.0gの尿素を、撹拌しながら溶解する。溶液を、氷浴中で4℃に冷却する。4℃に達した際に、50mlのTMOSを、撹拌しながら加える。溶液を、4℃でさらに30分間撹拌する。その後、溶液を、水浴中で30℃に加温する。14分後、40nmの大きさを有する5gのアエロシル(Aerosil OX50, Degussa)を、混合物中に撹拌して加える。このようにして得られた混合物を、その後前処理したガラスカートリッジ(内径3mm、長さ12.5cm)中に移送し、水浴中に30℃で一晩放置する。この間に、モノリシック成形品は、永久に重合する。これを、その後乾燥キャビネット中で2日間乾燥し、次にクロマトグラフィーのために直接用いる。モノリスを、ガラスカートリッジ中に厳密に保持し、もはや取り出すことはできない。
【0067】
ガラスカートリッジを、充填する前に反応混合物で前処理した。3種の変種を、この目的のために選択した:
a)5%のTMOS(テトラメトキシシラン)
b)5%のBTME(ビス(トリメトキシシリル)エタン)
c)5%のglymo(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)
【0068】
各々の場合において、a)〜c)をトルエンに溶解した5%の溶液を、調製した。ガラスカートリッジを、これらの溶液中に浸漬し、一晩還流させた。その後、管を、エタノールで洗浄し、乾燥キャビネット中で24時間乾燥した。
【0069】
例3
100mlの0.01N酢酸を、反応容器中に導入し、6.2gのPEG(ポリエチレングリコール)および10.0gの尿素を、撹拌しながら溶解する。溶液を、氷浴中で4℃に冷却する。4℃に達した際に、37.5mlのTMOSおよび12.5mlのMTMS(容積比3:1)を、撹拌しながら加える。溶液を、4℃でさらに30分間撹拌する。その後、溶液を、水浴中で30℃に加温し、さらに約30分間撹拌する。次に、40nmの大きさを有する1gのアエロシル(Aerosil OX50, Degussa)または、第2の実験において、3gのMonospher(登録商標)500粒子(単分散、非孔質粒子、500nm、Merck KGaA)を、混合物中に撹拌して加える。混合物を、その後、粒子の一層良好な分布のために、分散剤(Diax 900)で処理する。得られた混合物を、前処理したガラスカートリッジ(内径3mm、長さ12.5cm)中に移送し、水浴中に30℃で一晩放置する。この間に、モノリシック成形品は、永久に重合する。これを、その後乾燥キャビネット中で2日間乾燥する。モノリスを、ガラスカートリッジ中に厳密に保持し、もはや取り出すことはできない。
【0070】
ガラスカートリッジを、例2の下に記載したように、充填する前に反応混合物で前処理した。3種の変種を、この目的のために選択した:
a)5%のTMOS(テトラメトキシシラン)
b)5%のBTME(ビス(トリメトキシシリル)エタン)
c)5%のglymo(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)
【0071】
各々の場合において、a)〜c)をトルエンに溶解した5%の溶液を、調製した。ガラスカートリッジを、これらの溶液中に浸漬し、一晩還流させた。その後、管を、エタノールで洗浄し、乾燥キャビネット中で24時間乾燥した。
【0072】
例4
100mlの0.01N酢酸を、反応容器中に導入し、6.2gのPEG(ポリエチレングリコール)および10.0gの尿素を、撹拌しながら溶解する。溶液を、氷浴中で4℃に冷却する。4℃に達した際に、37.5mlのTMOSおよび12.5mlのMTMS(容積比3:1)を、撹拌しながら加える。溶液を、4℃でさらに30分間撹拌する。その後、溶液を、水浴中で30℃に加温し、さらに14分間撹拌する。次に、0.1〜3μmの大きさを有する1gの球形の多孔質シリカ粒子(Purospher(登録商標)STAR<3μm、Merck KGaA)または、第2の実験において、3gのMonospher(登録商標)500粒子(単分散、非孔質粒子、500nm、Merck KGaA)を、混合物中に撹拌して加える。このようにして得られた混合物を、その後、前処理したガラスカートリッジ(内径3mm、長さ12.5cm)中に移送し、水浴中に30℃で一晩放置する。この間に、モノリシック成形品は、永久に重合する。これを、その後乾燥キャビネット中で2日間乾燥する。モノリスを、ガラスカートリッジ中に厳密に保持し、もはや取り出すことはできない。
【0073】
ガラスカートリッジを、例2の下に記載したように、充填する前に反応混合物で前処理した。3種の変種を、この目的のために選択した:
a)5%のTMOS(テトラメトキシシラン)
b)5%のBTME(ビス(トリメトキシシリル)エタン)
c)5%のglymo(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)
【0074】
各々の場合において、a)〜c)をトルエンに溶解した5%の溶液を、調製した。ガラスカートリッジを、これらの溶液中に浸漬し、一晩還流させた。その後、管を、エタノールで洗浄し、乾燥キャビネット中で24時間乾燥した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲル化型を完全に充填するモノリシック多孔質成形品の製造方法であって、以下のプロセス段階:
a)ゲル化型を提供する段階;
b)ゲル化型を、表面エッチング、表面積の増大および/または化学的改変によって活性化させる段階;
c)ゲル化型をモノマーゾルで充填する段階;
d)モノマーゾルを重合させ、得られたゲルをエージングさせて、孔を形成する段階
を特徴とする、前記方法。
【請求項2】
ガラス、ガラス被覆ステンレススチールまたは溶融石英製のゲル化型を、段階a)において提供することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
段階b)における活性化を、内側表面をアルコキシシラン類および/またはオルガノアルコキシシラン類または粒子のスラリーで処理することにより、ゲル化型の内側表面積を増大させることにより行うことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
段階b)における活性化を、表面を二官能性試薬で処理することによるゲル化型の内側表面の化学的改変により行うことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
ゾル−ゲル法を、モノリシック多孔質成形品の製造のために用いることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
粒子、繊維の添加および/またはオルガノアルコキシシラン類の使用により低い収縮率を示すモノマーゾルを、段階c)において用いることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の方法により得られる、ゲル化型中に重合したモノリシック多孔質成形品。
【請求項8】
請求項7に記載の成形品の、少なくとも2種の物質のクロマトグラフィー分離のための使用。

【公開番号】特開2012−153893(P2012−153893A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−52310(P2012−52310)
【出願日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【分割の表示】特願2006−537115(P2006−537115)の分割
【原出願日】平成16年10月15日(2004.10.15)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】