説明

モバイルデッキリフター

【課題】左右方向に走行可能なモバイルデッキリフターを提供する。
【解決手段】
本発明は、原動機が搭載された車体と、車体の前方側に取付けられた運転席及び操向輪と、車体の後方側に取付けられた駆動輪と、車体の前後に装着されリフティング過程において車体を安定させるアウトトリガー部と、油圧によってモバイルデッキを昇降させるデッキ昇降部と、を含んで構成され、前輪と後輪のすべての輪が個別駆動できるように各輪のホイール内部に原動機を設置し、原動機が設置されるブラケットを車軸にヒンジ軸で連結させ、車軸の一側にブラケットを回動させる回動装置を設置し、両側のブラケットを同調リンクで連結して回動させるようにしたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モバイルデッキリフターに係り、より詳しくは、車両運搬用船舶のデッキにおいて、モバイルデッキリフターの左右方向の走行を可能にして 船舶の狭い空間内でも正確で速かに目標の位置にデッキリフターを移動させることができるようにし、船積み作業の円滑化を計るモバイルデッキリフターに関する。
【背景技術】
【0002】
モバイルデッキリフターは、車両運搬用船舶(PCC: Pure Car Carrier、PC & TC: Pure Car & Truck Carrier)の異なる高さの各デッキに車両を積載するための装置である。
【0003】
モバイルデッキリフターは、エンジンが搭載された車体と、車体前方に取付けられた運転席及び操向輪と、車体後方に取付けられた駆動輪と、車体前後に装着され、リフティング過程において車体を安定させるアウトトリガー部と、油圧によってモバイルデッキを昇降させることができるデッキ昇降部で構成される。エンジンで発生した動力は、油圧モーターを通して駆動輪に伝達され駆動がなされるように構成され、アウトトリガー部とデッキ昇降部作動用の動力は油圧ポンプで発生させるように構成されている。
しかし、従来のモバイルデッキリフターは、車体を移動させる輪が前方の操向輪と後方の駆動輪で構成され、左右方向に車体を移動させることは困難であった。
【特許文献1】特開2005−067277号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前述した問題点を解決するためになされたもので、その目的は、車両運搬用船舶のデッキを昇降作動させるモバイルデッキリフターが搭載される車体を左右方向に走行可能とし、船舶の狭い空間内でも正確で速かに目標の位置にデッキリフターを移動させることにより船積み作業を円滑化できるモバイルデッキリフターを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、原動機(3)が搭載された車体と、前記車体の前方に取付けられた運転席及び操向輪と、前記車体の後方に取付けられた駆動輪と、前記車体の前後に装着されリフティング過程において車体を安定させるアウトトリガー部と、油圧によってモバイルデッキを昇降させるデッキ昇降部と、を含んで構成され、前輪(1)と後輪(2)のすべての輪が個別駆動できるように各輪のホイール内部に原動機(3)を設置し、原動機(3)が装着されるブラケット(30)、(31)を車軸(4)にヒンジ軸(41)で連結させ、車軸(4)の一側に前記ブラケットを回動させる回動装置(5)を設置し、前記ブラケット(30)、(31)を同調リンク(6)で連結して回動させるようにしたことを特徴とする。
【0006】
前記原動機(3)は、油圧モーター(35)であり、前記回動装置(5)は、ピストン(51)を含む油圧装置(52)からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、モバイルデッキリフターによる左右方向の走行が可能となるため、船舶の狭い空間内でも正確で速かに目標の位置にデッキリフターを移動させることができ、船積み作業の効率化が計れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳細に説明する。
【実施例】
【0009】
図1は、本発明によるモバイルデッキリフターが一般走行する状態を示した平面図、図2は、左右走行する状態を示した平面図、図3は、直進走行状態の車軸部を示した平面図、図4、は右折走行状態の前輪車軸部を示した平面図、図5は、左右走行状態の車軸部を示した平面図である。
【0010】
図1及び図5に示す通り、本発明のモバイルデッキリフターは、エンジンが搭載された車体と、車体の前方に設けられた運転席及び操向輪と、車体の後方に装着された駆動輪と、車体の前後に装着されリフティング過程において車体を安定させるように作用するアウトトリガー部と、油圧によってモバイルデッキを昇降させるデッキ昇降部より構成されている。前輪1と後輪2の全てが個別駆動できるように各輪のホイール内部には原動機3を取付け、原動機3を取付けるブラケット30,31を車軸4にヒンジ軸41で連結し、車軸4の一側にブラケットを回動させる回動装置5を設置し、両側のブラケット30,31を同調リンク6で連結させて両輪を同時に回動するように構成されている。
【0011】
原動機3には各種の原動機を採用することが出来るが、油圧モーター35を適用するのが効果的である。また回動装置5はピストン51を含む油圧装置52で構成される。
一般走行時、即ち、前輪1を操向輪、後輪2を駆動輪として使用する場合には、後輪2の油圧装置52への油圧を遮断して後輪2を直進走行状態で固定し、前輪1の油圧装置52だけで操向する。
【0012】
車体を左右に走行させる場合には、前輪1と後輪2の油圧装置52によりピストン51を作動させ、ヒンジ軸41を中心にブラケット30を90゜回動させると、両側のブラケット30,31を連結する同調リンク6により両輪が90゜回動し、左右方向への走行が可能となる。
【0013】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の属する技術範囲を逸脱しない範囲での全ての変更が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明によるモバイルデッキリフターが一般走行する状態を示す平面図である。
【図2】本発明によるモバイルデッキリフターが左右走行する状態を示す平面図である。
【図3】本発明による直進走行状態の車軸部を示す平面図である。
【図4】本発明による右折走行状態の車軸部を示す平面図である。
【図5】本発明による左右走行状態の車軸部を示す平面図である。
【符号の説明】
【0015】
1 前輪
2 後輪
3 原動機
4 車軸
5 回動装置
6 同調リンク
30,31 ブラケット
35 油圧モーター
41 ヒンジ軸
51 ピストン
52 油圧装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原動機(3)が搭載された車体と、
前記車体の前方に取付けられた運転席及び操向輪と、
前記車体の後方に取付けられた駆動輪と、
前記車体の前後に装着されリフティング過程において車体を安定させるアウトトリガー部と、
油圧によってモバイルデッキを昇降させるデッキ昇降部と、
を含んで構成され、
前輪(1)と後輪(2)のすべての輪が個別駆動できるように各輪のホイール内部に原動機(3)を設置し、原動機(3)が装着されるブラケット(30)、(31)を車軸(4)にヒンジ軸(41)で連結させ、車軸(4)の一側に前記ブラケットを回動させる回動装置(5)を設置し、前記ブラケット(30)、(31)を同調リンク(6)で連結して回動させるようにしたことを特徴とするモバイル デッキリフター。
【請求項2】
前記原動機(3)は、油圧モーター(35)であり、前記回動装置(5)は、ピストン(51)を含む油圧装置(52)からなることを特徴とする請求項1に記載のモバイルデッキリフター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−137809(P2008−137809A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−166277(P2007−166277)
【出願日】平成19年6月25日(2007.6.25)
【出願人】(507211945)デドンインターナショナル株式会社 (1)
【出願人】(507211956)デドンイエンジ株式会社 (2)
【Fターム(参考)】