説明

モバイルメッセージングによる電子商取引プロセス

本発明は、少なくとも1つの識別プラットフォームを用いてユーザと商取引を行うための商取引の方法に関する。この方法は、(i)ユーザが、前記プラットフォームで登録する工程(10)からなる登録ステップと、前記登録が少なくとも前記ユーザの電話番号を支給する工程と、前記識別プラットフォームで、前記電話番号に関連する少なくとも1つの電子トークンを保存する工程と、かつ、商取引と前記電子トークンとに関連する商取引識別子も保存する工程とからなるステップであり、(ii)収集識別子を収集するステップとを含み、前記収集識別子と前記電子トークンとが整合した場合には前記商取引を生成する(100)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子商取引の分野に関する。
本発明は、特に、ユーザの電話アドレスを用いた電子商取引プロセスに関する。このプロセスは特に、販売促進に有用である。
【背景技術】
【0002】
現在のフランスの規制では、ユーザの明確な同意なしでユーザのアドレスを営利目的で用いることは認可されていない。しかし、ユーザが同意すれば、ユーザのアドレスを用いて販売促進型又は商用型の商取引を行うことが可能である。
【0003】
なおまた、注目すべきは、フランス及び世界での携帯電話の開発と共に、ユーザの移動電話番号が、いわば、ユーザの固有な識別子になったことである。
電子商取引により引き起こされる一般的な問題は、もちろん、こういった商取引の安全、並びに、商取引を行なう人物の精密な識別である。この安全を保証する目的で先行技術の非常に多くのプロセスが提案されている。しかし、既知のプロセスのどれも、安全な商取引にユーザの移動電話番号のすべて又は一部から成るユーザの識別子を利用していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って本発明は、電子商取引の安全の問題を、ユーザの移動電話番号という形のユーザ識別子を用いることにより解決することを意図している。
この解決策は、SMS又はMMSのタイプの移動電話の通信技術が急速に開発されているので、特に簡単かつ有利である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この問題を解決する為に、本発明は前述のタイプのものであり、識別プラットフォームを利用したユーザとの商取引の商取引プロセスに関するという点で本発明の最も広い意味において注目に値する。
このプロセスが、
(i)登録工程と、この登録工程が、
ユーザが、プラットフォームのレベルで登録する工程(10)と、この登録は少なくともユーザの電話番号を供給する工程を含み、
識別プラットフォームのレベルで、電話番号に関連する少なくとも1つの電子トークンを保存し、かつ、商取引と電子トークンとに関連する商取引識別子も保存する工程と、からなる工程であり、
(ii)商取引の収集工程を含み、この収集工程が、
ユーザが、収集識別子を収集端末に供給する工程(70)と、
この収集識別子と電子トークンとが一致した場合は商取引を生成する工程(100)とからなる工程である。
【0006】
この登録工程が、
プラットフォームから登録の確認をユーザが受信するサブ工程と、
ユーザが商取引識別子を送信するサブ工程と、
商取引識別子を、電子トークンに関連する商取引識別子として記憶するサブ工程とを含むので、有利である。
【0007】
更に、登録工程が、好ましくは、電子トークンをユーザに送信する工程を含み、収集工程が、識別プラットフォームのレベルで電子トークンを検索する工程と、検索の結果の関数として収集サーバに対し電子プラットフォームが応答する工程とを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明に従い、図1に図示のように、本発明の商取引サービスを利用したいユーザ1が、識別プラットフォーム2に登録する。
当業者には、このプラットフォームが、本発明に従う別の要求を受信する工程と送信する工程とを構成するサーバを1つ以上備えうることが分かる。
【0009】
第1の有利な実施形態に従い、この登録はSMS又はその他の電気通信手段によって行われる。プラットフォームは実際に特定の呼出し番号に対応する。従って、クライアントはこのプラットフォームにメッセージをSMS又はその他の電気通信手段によって送信すると同時に、自身の送ったメッセージで少なくとも自身の移動電話番号とサービスの提供についての自身の承認とを示す。本発明の応用に従って、この承認は、例えば、ある一定の番号の広告メッセージ群を受信することを承認したという事実に対応できる、又はその番号を使用履歴の作成に用いてよいことを承認したことに対応できる。
【0010】
この工程は、識別プラットフォーム2のレベルでの登録10に対応する。
この登録に応えて、ユーザは、ユーザの移動通信端末の識別プラットフォームから出た登録の確認を受信する(上記の第1の工程中にユーザが供給した番号)。
【0011】
プラットフォームは更に、本発明に関連するサービスの使用の方法を、好ましくはユーザの端末のレベルで返す。
この工程は、ユーザの移動電話に向けてSMSメールによって行われることが好ましいが、他の実施形態に従うと、確認を、電子メールによって、又は、ユーザと登録サーバとの間の任意の通信システムによって送信することができる。
【0012】
従って、登録されたユーザには、本発明に従ってそのサービスを利用する権利がある。
このサービスに関連する提供を享受する目的で、ユーザは、提供の選択工程30の間に、プラットフォームに提供の識別子を送信する。このメールは、例えば、SMSによってなされる。
【0013】
この提供の識別子は、本発明に係るサービスを用いる場所のセットに関連する単純なコードであることが好ましい。実施形態に従って、このコードは1〜999,999の番号であり、SMSは「サービス225」タイプの場合がある。このコードは、事実上、提供が可能な場所に位置する収集端末の識別子に対応する。収集端末群の各識別子とそれぞれのアドレスとの関係は、識別プラットフォームに保存されていることが好ましい。
【0014】
プラットフォームは、工程40で、収集端末のこの識別子(例えば、収集端末の呼出し番号、URL、その他の電気通信の識別子など)によって、サービスを受けるユーザの電話番号を、好ましくは収集端末のレベルで送信する。
【0015】
ユーザが提供を享受したい場合、ユーザは自分の移動電話番号を収集端末3に呈示する。この端末は、番号データベースの検索を高速で行う能力を持つ端末であることが好ましい。ある実施形態に従って、この端末はBlackberryタイプである。ユーザは、例えば、自分の番号を人間のオペレータに供給し、このオペレータは、番号データベース内でその番号を検索する為に、その番号をBlackberryに入力する又はBlackberryの中を調べる。その番号がBlackberryのデータベースにない場合、ないのは登録サーバから送信されなかったからであり、従ってユーザには提供を享受す
る権利がない。その番号がBlackberryのデータベースにある(検索した番号と番号データベースの番号との間の比較が肯定であることに対応する)場合、ユーザには提供を享受する権利があり、ユーザは、例えば、提供に関連するチケット又は商品を受信する。前述の技術的プロセスによって実施される本発明の経済的利益が、サービスを受けるユーザが販売促進タイプの提供を享受するという事実に備わっている、ということが分かる。
【0016】
収集端末3は必ずしもBlackberryタイプの端末ではなく、登録サーバと遠く離れていても通信できる端末ならばどんな端末を用いてもよいことが分かる。
特に、ある実施形態に従うと、端末は自動化されオペレータの介入を必要としない。この場合には、ユーザは自身の電話番号を自分で、端末のユーザインタフェースのレベルで入力する。端末は番号を比較し、提供に対応するチケット又は商品を交付する又は交付しない。
【0017】
最後に、別の実施形態に従い、ユーザ所有でない電話番号を供給することによる不正を回避する目的で、端末は、SMSを受信した後で比較を行うことができる。この為に、端末は呼出し番号を供給し、SMSを受信した後で、送信してきた番号と端末の番号データベース内の番号群とを比較する。比較結果が肯定の場合は、チケットを交付する。その電話番号の入力を認可する双方向端末型の端末を用いることもできる。
【0018】
当業者には、電話番号の比較は必ずしも収集端末のレベルで行われないことが分かる。この場合は、登録サーバ自身が電話番号群と関連する提供とを自身のメモリに保持する。ユーザ自身が収集端末に呈示するときは、ユーザはユーザの電話番号を供給し、この電話番号は、比較がなされるよう収集端末の識別子と共に登録サーバに送られる。比較結果が肯定の場合は、登録サーバにより収集端末に対して許可が下り、これによって前述のように提供が交付される。この実施形態では、従って、検索結果のこの確認が、図1の工程40に取って代わる。
【0019】
当業者には更に、電話番号群に対して行われた比較が、サービスに使用された番号に関連するポインタの修正に対応することが分かる。この場合には、2枚の割引券にアクセスが可能になる提供の場合、そのサービスを一度使用するとポインタが単位1つ分だけ減少する。
【0020】
このタイプのポインタによって、否定の比較結果は、その電話番号が番号データベースにないこと又は番号に関連するポインタの0値に対応し、その番号にはもうそのタイプの提供を受ける権利がないことを知らせる。
【0021】
最後に、当業者には、本発明をインターネットサイトのレベルで使用することができることが分かる。この場合には、特定のインタフェースの認可によってユーザが自身の移動電話番号を入力できる。よって、ステップ10、20、30を、インターネット網により実現でき、ユーザの電話番号をユーザの識別子として用いる。提供に関連する交付もインターネットによって直接的に交付できる。
【0022】
最後に、本発明に記載したサービスを受けるユーザの挙動の経過を追う目的で、他の識別子をユーザに割り当てることが可能である。この識別子群をクライアントのデータベースとして使用することができる。
【0023】
図2に図示の本発明の第2の実施形態に係り、本発明の商取引サービスを利用したいユーザ1が、前述のように識別プラットフォーム2を備えた商取引サーバ4に登録する。
この工程は、前述のように、登録サーバ2のレベルでの登録10に対応する。
【0024】
この登録に応えて、ユーザは、ユーザの移動通信端末のユーザの移動電話番号(上記の第1の工程中にユーザが供給した番号)に関連するトークンを受信する20。このトークンはユーザの移動電話番号について独特な方法で関連している。このトークンは、例えば、移動電話番号のすべて又は一部について好ましくは1対1の関数を持つコードの形で呈示される。この実施形態に従って、トークンは更に、ユーザの登録工程10の間にユーザが要求した特別の商取引について独特な方法で関連している。
【0025】
登録サーバ4は、各ユーザに供給されたトークンと、各ユーザの電話番号と、データベース内の供給されたトークンに関連する商取引との間の対応を登録する。
登録サーバは更に、事前登録の同意と電子トークンを好ましくはユーザの端末のレベルで用いる方法とを返す。
【0026】
最後に、他の実施形態に従って、トークンを、電子メールによって、又は、ユーザと登録サーバとの間の任意の通信システムによって送信することができる。
従って、登録工程中に得られたこのトークンを与えられたユーザには、本発明に従ってそのサービスを利用する権利がある。
【0027】
ユーザが提供を享受したい場合、ユーザはユーザの電子トークンを収集端末3に呈示する70。要求工程80では、収集端末3が、自分のトークンを呈示したユーザその人が識別されたかどうかを知るべく登録サーバに問い合わせ、ユーザが識別された場合、その商取引がそのトークンに関連する商取引であるかどうかを知るべく問い合わせる。トークンが、登録サーバのレベルで登録された人物に完全に対応した場合、トークンに関連する商取引識別子が収集端末3に返される90。この工程90は、ユーザのトークンの識別に対応する。認証の場合、収集のサーバは商取引を、例えばチケットの形で、ユーザに交付する100。
【0028】
ユーザにより収集端末3のレベルでトークンの呈示工程70の間に供給された識別子が間違っており、登録サーバ4のレベルで登録されているどのユーザにも対応しない場合、商取引は拒絶されることが分かる。このことはメッセージの形でユーザに知らされる。
【0029】
以上に本発明を一例として記載した。本特許の範囲から逸脱することなく本発明の別の変形物を当業者が実現できるということが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る商取引プロセスを説明する機能図。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る商取引プロセスを説明する機能図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別プラットフォームを利用したユーザとの商取引のプロセスであって、
(i)登録工程であって同登録工程が、
ユーザが、プラットフォームのレベルで登録する工程(10)であって、前記登録は少なくとも前記ユーザの電話番号を供給する工程と、
前記識別プラットフォームのレベルで、前記電話番号に関連する少なくとも1つの電子トークンを保存し、かつ、前記商取引と前記電子トークンとに関連する商取引識別子も保存する工程と、
(ii)前記商取引の収集工程であって同収集工程が、
前記ユーザが、収集識別子を収集端末に供給する工程(70)と、
前記収集識別子と前記電子トークンとが一致した場合は前記商取引を生成する工程(100)と、からなる工程である、プロセス。
【請求項2】
請求項1に記載のプロセスであって、前記登録工程が、
前記プラットフォームから登録の確認を前記ユーザが受信するサブ工程と、
前記ユーザが商取引識別子を送信するサブ工程と、
前記商取引識別子を、前記電子トークンに関連する商取引識別子として記憶するサブ工程と、を含むプロセス。
【請求項3】
前記登録工程が前記電子トークンを前記ユーザに送信する工程を更に含み、前記収集工程が、前記識別プラットフォームのレベルで前記電子トークンを検索する工程と、前記検索の結果の関数として前記収集サーバに対し前記電子プラットフォームが応答する工程と、を含む請求項1に記載のプロセス。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−527479(P2008−527479A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548870(P2007−548870)
【出願日】平成17年12月30日(2005.12.30)
【国際出願番号】PCT/FR2005/003311
【国際公開番号】WO2006/072714
【国際公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(507221438)
【氏名又は名称原語表記】TUIL,Charles
【Fターム(参考)】