説明

モバイル環境におけるユーザプロファイル更新を用いた短距離通信トランザクション

【課題】モバイルクライアントによって受信される情報の適合性を判断するための方法およびシステムを提供する。
【解決手段】短距離通信(NFC)リンクを使用してモバイルクライアントとトランザクションホストとの間のトランザクションに関係する情報をモバイルクライアント上で受信することと、受信したトランザクション情報に基づいてユーザプロファイルをモバイルクライアント上で更新することと、更新されたユーザプロファイルに基づいて1つまたは複数のターゲットコンテンツメッセージをモバイルクライアント上で受信、選択および表示することのうちの少なくとも1つを実行することとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2007年12月14日に出願された「METHODS AND SYSTEMS FOR DETERMINING GEOGRAPHIC POINTS OF INTEREST AND USER PROFILE INFORMATION」と題する米国特許仮出願第61/013,941号、2007年12月14日に出願された「NEAR FIELD COMMUNICATION TRANSACTIONS WITH USER PROFILE UPDATES IN A MOBILE ENVIRONMENT」と題する米国特許仮出願第61/013,944号、2007年12月14日に出願された「NEAR FIELD COMMUNICATION IN A MOBILE ENVIRONMENT」と題する米国特許仮出願第61/013,949号、および2008年7月15日に出願された「METHOD AND SYSTEM FOR MULTI-LEVEL DISTRIBUTION INFORMATION CACHE MANAGEMENT IN A MOBILE ENVIRONMENT」と題する米国特許仮出願第61/080,988号の優先権を主張するとともに、内容の全体を組み込む。
【0002】
また、本出願は、2008年11月11日に出願された「USER PROFILE MATCH INDICATION IN A MOBILE ENVIRONMENT METHODS AND SYSTEMS」と題する米国特許非仮出願第12/268,905号、2008年11月11日に出願された「METHOD AND SYSTEM USING KEYWORD VECTORS AND ASSOCIATED METRICS FOR LEARNING AND PREDICTION OF USER CORRELATION OF TARGETED CONTENT MESSAGES IN A MOBILE ENVIRONMENT」と題する米国特許非仮出願第12/268,914号、2008年11月11日に出願された「METHOD AND SYSTEM FOR USING A CACHE MISS STATE MATCH INDICATOR TO DETERMINE USER SUITABILITY OF TARGETED CONTENT MESSAGES IN A MOBILE ENVIRONMENT」と題する米国特許非仮出願第12/268,927号、2008年11月11日に出願された「METHOD AND SYSTEM FOR MESSAGE VALUE CALCULATION IN A MOBILE ENVIRONMENT」と題する米国特許非仮出願第12/268,939号、2008年11月11日に出願された「METHOD AND SYSTEM USING KEYWORD VECTORS AND ASSOCIATED METRICS FOR LEARNING AND PREDICTION OF USER CORRELATION OF TARGETED CONTENT MESSAGES IN A MOBILE ENVIRONMENT」と題する米国特許非仮出願第12/268,945号、2008年11月14日に出願された「METHODS AND SYSTEMS FOR DETERMINING GEOGRAPHIC POINTS OF INTEREST AND USER PROFILE INFORMATION」と題する米国特許非仮出願第12/271,638号、同時に出願された「METHOD AND SYSTEM FOR MULTI-LEVEL CACHE MANAGEMENT IN A MOBILE ENVIRONMENT」と題する米国特許非仮出願第12/333,091号(クアルコム整理番号072236)、および同時に出願された「NEAR FIELD COMMUNICATION TRANSACTIONS IN A MOBILE ENVIRONMENT」と題する米国特許非仮出願第12/333,060号(クアルコム整理番号072436)の内容の全体を組み込む。
【0003】
本開示は、ワイヤレス通信に関する。詳細には、本開示は、短距離環境において実行されるトランザクションのために使用可能なワイヤレス通信システムに関する。
【背景技術】
【0004】
モバイルターゲットコンテンツメッセージ(TCM)対応システムは、セルラー電話または他の形態のワイヤレスアクセス端末(W−AT)などのワイヤレス通信デバイス(WCD)に、特定の人口層をターゲットとするローカル気象通報および広告などのターゲットコンテンツ情報を配信することが可能なシステムとして説明できる。そのようなシステムはまた、ユーザの関心を示す可能性が高い、押し付けがましくないターゲットコンテンツメッセージを提示することによって、より良いユーザ経験を与えることができる。
【0005】
モバイルTCM対応システムの一例は、ワイヤレス通信デバイス(WCD)に広告を配信することが可能なモバイルターゲット広告システム(MAS)である。一般に、MASは、セルラープロバイダがW−AT上で広告を提供するための広告販路のようなもの、ならびに様々な広告キャンペーンのパフォーマンスに関して報告する何らかの形態の分析インターフェイスを提供することができる。モバイル広告が特に消費者の利益になるのは、モバイル広告が、喜んで広告を受け入れる消費者に対してワイヤレスサービスへのより経済的なアクセスを可能にするようにワイヤレスサービスの代替/追加の収益モデルを提供することができることである。たとえば、広告を通じて発生した収益により、W−ATユーザは、そのようなサービスに通常関連する全加入価格を支払うことなしに、様々なサービスを享受できるようになる。
【0006】
W−AT上のTCMの効果を高めるために、特定の個人または指定されたグループの人々に好評である可能性が高く、および/または関心を示す可能性が高いと考えられるターゲット情報、すなわちTCMを提供することが有益である。
【0007】
ターゲットコンテンツメッセージ(TCM)情報は、緊急路上サービスを発見する必要または移動ルートについての情報の必要など、当面の必要または状況に基づくことができる。また、ターゲットコンテンツメッセージ情報は、ユーザが過去に関心を示した特定の製品またはサービス(たとえば、ゲーム)、ならびに/または人口層、たとえば、特定の製品に関心を示す可能性が高い年齢および収入グループの判断に基づくことができる。ターゲット広告はTCMの一例である。
【0008】
ターゲット広告は、(1)閲覧当たりの費用に基づく経済構造において、広告主は、有料広告をより小さいセットの見込み客に限定することによって、広告主の広告予算の価値を高めることができること、および(2)ターゲット広告は、特定のユーザの関心対象の領域を表す可能性が高いので、ユーザがターゲット広告に肯定的に反応する可能性が大幅に高まることを含む、(一般的な広告に優る)いくつかの利点を与えることができる。
【0009】
残念ながら、いくつかの形態のターゲット広告を可能にする情報は、政府規制と、自身の個人情報の伝播を制限する人々の要望とのために、制限されることがある。たとえば、米国では、そのような政府規制に、合衆国法典、第222項のGraham-Leach-Bliley Act(GLBA)、「Privacy of Customer Information」がある。一般的な通信事業者も、マーケティングの目的で加入者についての個人情報を使用することを制限されることがある。たとえば、GLBAは、顧客の明示的な事前許可のない、個々に識別可能な顧客情報へのアクセス、ならびに場所情報の開示を禁止している。
【0010】
したがって、ワイヤレス通信環境においてターゲット広告を配信するための新たな技術が望ましい。
【発明の概要】
【0011】
例示的な一実施形態では、モバイルクライアントによって処理される情報の適合性を判断するための方法は、短距離通信(NFC)リンクを使用してモバイルクライアントとトランザクションホストとの間のトランザクションに関係する情報をモバイルクライアント上で受信することと、受信したトランザクション情報に基づいてユーザプロファイルをモバイルクライアント上で更新することと、更新されたユーザプロファイルに基づいて1つまたは複数のターゲットコンテンツメッセージをモバイルクライアント上で受信、選択および表示することのうちの少なくとも1つを実行することとを含む。
【0012】
別の例示的な一実施形態では、モバイルクライアントは、短距離通信(NFC)リンクを使用してモバイルクライアントとトランザクションホストとの間のトランザクションに関係する情報をモバイルクライアント上で受信するための手段と、受信したトランザクション情報に基づいてユーザプロファイルをモバイルクライアント上で更新するための手段と、更新されたユーザプロファイルに基づいて1つまたは複数のターゲットコンテンツメッセージをモバイルクライアント上で受信、選択および表示することのうちの少なくとも1つを実行するための手段とを含む。
【0013】
別の例示的な実施形態では、モバイルクライアントは、メモリと、二方向短距離通信(NFC)リンクを確立することが可能なNFC回路と、メモリおよびNFC回路に結合されたプロセッサであって、NFCリンクを使用してモバイルクライアントとトランザクションホストとの間のトランザクションに関係する情報を受信し、受信したトランザクション情報に基づいてユーザプロファイルをモバイルクライアント上で更新し、更新されたユーザプロファイルに基づいて1つまたは複数のターゲットコンテンツメッセージをモバイルクライアント上で受信、選択および表示することのうちの少なくとも1つを実行するように動作可能なプロセッサとを含む。
【0014】
別の例示的な実施形態では、コンピュータプログラム製品はコンピュータ可読媒体を含み、コンピュータ可読媒体は、短距離通信(NFC)リンクを使用してモバイルクライアントとトランザクションホストとの間のトランザクションを開始するための命令と、更新されたユーザプロファイルに基づいて1つまたは複数のターゲットコンテンツメッセージをモバイルクライアント上で受信、選択および表示することのうちの少なくとも1つを実行するための命令とを含む。
【0015】
本開示の特徴および性質は、全体を通して参照符号が対応する項目およびプロセスを特定する図面とともに、以下に記載する詳細な説明を読めばより明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】例示的なワイヤレスアクセス端末(W−AT)と、ターゲットコンテンツメッセージ処理インフラストラクチャの一例である広告インフラストラクチャとの間の対話を示す図。
【図2】オンボードユーザプロファイル生成エージェント有する例示的なW−ATの動作を示す概略ブロック図。
【図3】ユーザプロファイル生成エージェントのデータ転送の例示的な動作を示す概略ブロック図。
【図4】プロファイルデータ処理の例示的な要求を扱う概略ブロック図。
【図5】ユーザプロファイル生成エージェントの例示的な動作を示す概略ブロック図。
【図6】ユーザプロファイルを生成し、使用するための例示的な動作の概略を示すフローチャート。
【図7】ユーザプロファイルを生成し、使用するための別の例示的な動作の概略を示すフローチャート。
【図8】識別可能なデータがモバイル広告/モバイルターゲットコンテンツメッセージ処理サーバに転送されるときの、クライアント識別情報保護のための一方向ハッシュ関数の使用を示す図。
【図9】モバイル広告サーバ/モバイルターゲットコンテンツメッセージ処理サーバに転送される識別可能なデータを匿名化するためのプロキシサーバによって実装されるデータフローを示す図。
【図10】モバイル広告サーバ/モバイルターゲットコンテンツメッセージ処理サーバに転送される識別可能なデータを匿名化するためのプロキシサーバによって実装される第2のデータフローを示す図。
【図11】モバイルターゲットコンテンツメッセージ対応ネットワークにおける広告配布のための通信プロトコルを示す図。
【図12】モバイルメッセージ配信対応ネットワークにおけるターゲットコンテンツメッセージ配布のための別の通信プロトコルを示す図。
【図13】モバイルメッセージ配信対応ネットワークにおけるターゲットコンテンツメッセージ配布のための別の通信プロトコルを示す図。
【図14】モバイルメッセージ配信対応ネットワークにおけるターゲットコンテンツメッセージ配布のための別の通信プロトコルを示す図。
【図15】「コンタクトウィンドウ」手法に従って広告コンテンツをダウンロードするための第1の通信プロトコルのタイムラインを示す図。
【図16】定義された時間スケジュールに従って広告コンテンツをダウンロードするための通信プロトコルの代替のタイムラインを示す図。
【図17】定義された時間スケジュールに従ってコンテンツをダウンロードするための第1の通信プロトコルの代替のタイムラインを示す図。
【図18】メッセージフィルタリングプロセスの図。
【図19】メッセージフィルタリングプロセス構成要素の図。
【図20】ゲーティングプロセスの図。
【図21】ランダムサンプリング論理図。
【図22】一方向関数ベースのサンプリング論理図。
【図23】選択プロセス流れ図。
【図24A】メッセージ選択プロセスのフローチャートを示す図。
【図24B】メッセージ選択プロセスのフローチャートを示す図。
【図25】例示的なユーザプロファイル適合インジケータ(MI)プロセスを示すフローチャート。
【図26】例示的なユーザプロファイル適合インジケータを示すブロック図。
【図27】例示的なキーワード相関プロセスのフローチャート。
【図28】例示的な学習および予測エンジンを示すブロック図。
【図29】モバイルクライアントの他の要素とのコンテキストにおける例示的な学習および予測エンジンを示すブロック図。
【図30A】例示的な階層キーワード編成を示す図。
【図30B】例示的な非階層/平坦化キーワード編成を示す図。
【図31】モバイルクライアントがユーザ選好に適応できるようにするための例示的な学習プロセスの予想されるパフォーマンスを表す一連のグラフ。
【図32A】モバイルクライアントがユーザ選好に適応できるようにするための例示的なプロセスを示すブロック図。
【図32B】モバイルクライアントがユーザ選好に適応できるようにするための例示的なプロセスを示すブロック図。
【図33】マルチキャスト/ブロードキャストメッセージ配布の図。
【図34】例示的なユニキャストメッセージ配布プロトコルの図。
【図35】別の例示的なユニキャストメッセージ配布プロトコルの図。
【図36】さらに別の例示的なユニキャストメッセージ配布プロトコルの図。
【図37】さらに別の例示的なユニキャストメッセージ配布プロトコルの図。
【図38】NFCトランザクション処理のための従来のシステムを示す図。
【図39】NFCトランザクション処理のための改善された例示的なシステムを示す図。
【図40】NFCトランザクションのための第1の例示的な動作の概略を示すフローチャート。
【詳細な説明】
【0017】
以下の開示する方法およびシステムは、一般的に説明されるとともに、特定の例および/または特定の実施形態に関して説明される。例えば、詳細な例および/または実施形態を参照する場合、特に明記しない限り、当業者には理解されるように、説明する基礎をなす原理のいずれも、単一の実施形態に限定されるものではなく、本明細書で説明する他の方法およびシステムのいずれかとともに使用するために拡張できることを諒解されたい。
【0018】
例のために、本開示は、しばしば、セルラー電話において実装される(またはセルラー電話とともに使用される)ものとして示す。ただし、以下で開示する方法およびシステムは、モバイル電話、PDAおよびラップトップPCを含むモバイルシステムと非モバイルシステムの両方に関係し、ならびに任意の数の特別に装備/変更された音楽プレーヤ(たとえば、変更されたApple iPOD(登録商標))、ビデオプレーヤ、マルチメディアプレーヤ、(固定型とポータブルの両方および/または車両に設置された)テレビ、電子ゲームシステム、デジタルカメラおよびビデオカムコーダに関係することを諒解されたい。
【0019】
以下の用語およびそれぞれの定義/説明は、以下の開示への参照として与える。ただし、いくつかの実施形態に適用されたとき、適用された定義/説明の一部は、特定の状況に鑑みて、当業者に明らかであるように、拡張されるか、あるいは以下で与える特定の語法の一部とは異なることがあることに留意されたい。
【0020】
TCM−ターゲットコンテンツメッセージ。広告はターゲットコンテンツメッセージの一例である。
【0021】
M−TCM−PS−モバイルターゲットコンテンツメッセージ処理システム。
【0022】
MAS−M−TCM−PSの一形態と考えられるモバイル広告システム。
【0023】
UPG−ユーザプロファイル生成エージェント。
【0024】
M−TCM−モバイルTCM対応クライアント。
【0025】
MAEC−モバイル広告対応クライアント。MAECはモバイルTCM対応クライアントの一例である。
【0026】
モバイルTCMプロバイダ(M−TCM−P)−ターゲットコンテンツメッセージ処理システムを介してターゲットコンテンツメッセージを表示しようとする個人またはエンティティ。
【0027】
広告主−モバイル広告システム(MAS)を介して広告を表示しようとする個人またはエンティティ。広告主は、いくつかの例では広告メタデータを形成する、それぞれのターゲットおよび再生ルールとともに、広告データをMASに供給することができる。広告主はモバイルTCMプロバイダの一例である。
【0028】
TCMメタデータ−それぞれのターゲットコンテンツメッセージ(TCM)に関する追加情報を与えるために使用できるデータを識別するために使用される用語。
【0029】
広告メタデータ−それぞれの広告に関する追加情報を与えるために使用できるデータを識別するために使用される用語。広告メタデータは、MIMEタイプ、広告持続時間、広告閲覧開始時間、広告閲覧終了時間などを含むが、これらに限定されない。また、広告主によって与えられるそれぞれの広告ターゲットおよび再生ルールは、広告のメタデータとして広告に付加できる。広告メタデータはTCMメタデータの一例である。
【0030】
アプリケーション開発者−広告を特徴付けるモバイル広告対応クライアント(MAEC)用のアプリケーションを開発する個人またはエンティティ。
【0031】
システムオペレータ−MASを動作させる個人またはエンティティ。
【0032】
サードパーティ推論ルールプロバイダ−ユーザプロファイル生成エージェントによって使用されるユーザプロファイル推論ルールを提供する(システムオペレータ以外の)サードパーティ。
【0033】
ユーザプロファイル生成エージェント−広告推論ルール、メトリック収集エージェントからのユーザ行動、GPSからの場所データ、(もしあれば)ユーザによって入力された明示的ユーザ選好、および/または他のクライアントアプリケーションからのユーザ行動など、様々な関係するデータを受信し、次いで、様々なユーザプロファイル要素を生成することができる、クライアントにおける機能ユニット。ユーザプロファイル生成エージェントは、ユーザ行動を特徴付けるために使用できる収集された情報に基づいて、プロファイルを連続的に更新することができる。
【0034】
ユーザ行動シンセサイザ−ユーザ行動情報、場所情報およびユーザプロファイル推論ルールなど、様々なデータを受信して、合成されたプロファイル属性を生成するために使用できる、ユーザプロファイル生成エージェント内の機能デバイスまたはエージェント。
【0035】
プロファイル要素リファイナ−ユーザ行動シンセサイザによって生成されたプロファイル属性ならびにいくつかのユーザプロファイル推論ルールを受信することができる、ユーザプロファイル生成エージェント内の機能デバイスまたはエージェント。プロファイル要素リファイナは、プロファイル属性を改良し、プロファイル属性プロセッサに送信されるクエリによってプロファイル属性を処理し、ユーザプロファイル要素を生成することができる。
【0036】
プロファイル属性プロセッサ−データ集約的ルックアップを必要とするプロファイル属性要求を処理し、次いで、改良されたプロファイル属性で応答するサーバおよび/またはサーバの常駐エージェント。
【0037】
TCMフィルタリングエージェント−それぞれのメタデータ、TCMターゲットルールおよびTCMフィルタリングルールをもついくつかのTCMを受信し、次いで、それらのTCMの一部または全部をTCMキャッシュメモリに記憶するクライアントエージェント。このフィルタリングエージェントはまた、ユーザプロファイル生成エージェントからユーザプロファイルを入力として取り込むことができる。
【0038】
広告フィルタリングエージェント−それぞれのメタデータ、広告ターゲットルールおよび広告フィルタルールをもついくつかの広告を受信し、次いで、受信した広告の一部または全部を広告キャッシュメモリに記憶するクライアントエージェント。このフィルタリングエージェントはまた、ユーザプロファイル生成エージェントからユーザプロファイルを入力として取り込むことができる。広告フィルタリングエージェントはTCMフィルタリングエージェントの一例である。
【0039】
TCMキャッシュマネージャ−ターゲットコンテンツメッセージキャッシュを維持することができるクライアントエージェント。キャッシュマネージャは、フィルタリングエージェントからキャッシュされたターゲットコンテンツメッセージを取り込み、アクセス端末上の他のアプリケーションからのコンテンツメッセージ要求に応答する。本開示では、「キャッシュ」という用語は、メモリ構成の非常に広いセットを指し、単一の記憶デバイス、(ローカルおよび/または非ローカル)分散記憶デバイスのセットなどを含むことに留意されたい。一般に、「キャッシュ」という用語は、情報表示、処理またはデータ転送を高速化するために使用可能な任意のメモリを指すことできることを諒解されたい。
【0040】
広告キャッシュマネージャ−広告キャッシュを維持することができるクライアントエージェント。キャッシュマネージャは、フィルタリングエージェントからキャッシュされた広告を取り込み、アクセス端末上の他のアプリケーションからの広告要求に応答する。広告キャッシュマネージャはTCMキャッシュマネージャの一例である。
【0041】
ユーザプロファイル属性−プロファイル要素リファイナによってさらに処理され、改良されてより改良されたユーザプロファイル要素になるデータの中間事前合成形態と見なすことができるプロファイル属性を形成するためにユーザ行動シンセサイザによって合成されるユーザ行動、関心、人口層情報などである。
【0042】
ユーザプロファイル要素−ユーザの関心、行動、人口層などを分類または定義するために有用な様々なタイプのデータを含む、ユーザプロファイルを維持するために使用される情報項目。
【0043】
TCMターゲットルール−TCMターゲットルールは、モバイルTCMプロバイダによって指定されたターゲットコンテンツメッセージの提示に関係するルールを含む。
【0044】
広告ターゲットルール−これらは、広告を表示する方法にルール/制限を課すために広告主によって指定されるルール、および/または広告をユーザの特定のセグメントに向けるためのルールを含む。広告ターゲットルールは、広告キャンペーンまたは広告グループなどのいくつかの基準に固有である。広告ターゲットルールはTCMターゲットルールの一例である。
【0045】
TCM再生ルール−これらは、それらの適用のコンテキストにおいて表示すべきTCMに関してTCMキャッシュマネージャに問い合わせる間にクライアントアプリケーションによって指定される表示ルールを含むことができる。
【0046】
広告再生ルール−これらは、それらの適用のコンテキストにおいて表示すべき広告に関して広告キャッシュマネージャに問い合わせる間にクライアントアプリケーションによって指定される表示ルールを含むことができる。広告再生ルールはTCM再生ルールの例である。
【0047】
TCMフィルタルール−これらは、TCMをフィルタリングするためのルールを含むことができる。一般に、システムオペレータはこれらのルールを指定することができる。
【0048】
広告フィルタルール−これらは、広告をフィルタリングするためのルールを含むことができる。一般に、システムオペレータはこれらのルールを指定することができる。広告フィルタルールはTCMフィルタルールの一例である。
【0049】
ユーザプロファイル要素推論ルール−これらは、人口層および行動データからユーザプロファイルを構築するために使用可能な1つまたは複数のプロセスを判断するために使用できる、システムオペレータ(および/またはサードパーティ)によって指定されるルールを含むことができる。
【0050】
TCMテレスコーピング−ユーザ要求に応答して追加の提示資料をユーザに提示するための、TCMの表示または提示機能。
【0051】
広告テレスコーピング−ユーザ要求に応答して追加の提示資料をユーザに提示するための、広告表示または提示機能。広告テレスコーピングはTCMテレスコーピングの一例である。
【0052】
上述のように、通信およびプライバシーに関する様々な規制により、ターゲットコンテンツをもつメッセージの配信が困難になることがある。しかしながら、本開示は、プライバシーの懸念に注意を払いながら、ワイヤレスアクセス端末(W−AT)、たとえば、セルラー電話にターゲットコンテンツを配信するための様々なソリューションを提供することができる。
【0053】
プライバシーの問題を軽減するために使用される本開示の多数の手法のうちの1つは、様々なプロセスをユーザのW−AT上にオフロードすることを含み、ユーザのW−ATは、ユーザを特徴付ける可能性が高い情報のセットを生成するために使用でき、すなわち、W−AT自体の上でユーザの「ユーザプロファイル」を作成することができる。したがって、広告および他のメディアなどのターゲットコンテンツメッセージは、潜在的に機密性の高い顧客情報を外部世界にさらすことなしに、ユーザのプロファイルに基づいてユーザのW−ATを対象とすることができる。
【0054】
様々な開示する方法およびシステムは、TCM対応W−AT(または特にモバイル広告対応W−AT)にターゲットコンテンツメッセージ(または特に、広告)を配信するために使用可能な端末間通信システムを本開示では含むことができるモバイルTCM処理システム(M−TCM−PS)において(および、特に、モバイル広告システム(MAS)において)使用できる。また、M−TCP−PSは、特定の広告キャンペーンのパフォーマンスに関して報告することが可能な分析インターフェイスを提供することができる。したがって、適切に構築されたM−TCM−PSは、消費者の関心を示す可能性が高い、押し付けがましくない広告のみを提示することによって、より良い消費者経験を与えることができる。
【0055】
以下の例は一般に商業広告などのコンテンツを対象とするが、対象のコンテンツのより広い範囲が想定される。たとえば、対象の広告の代わりに、ユーザの関心に固有の株式レポート、気象通報、宗教的情報、ニュースおよびスポーツ情報などのコンテンツは、本開示の範囲内であると想定される。たとえば、対象のコンテンツは広告とすることができるが、スポーツイベントのスコア、および気象通報を同様に容易に対象のコンテンツとすることができる。したがって、広告サーバなどのデバイスは、より一般的なコンテンツサーバと見なされ、広告関連エージェントおよびデバイスは、より一般的には、コンテンツ関連エージェントおよびサーバと考えられる。すべてのさらなる説明は、TCM(ターゲットコンテンツメッセージ)の一例としての広告のコンテキストにおいて与えられ、そのような説明はターゲットコンテンツメッセージ一般に適用可能であることに留意されたい。
【0056】
図1は、TCM対応W−AT100と、広告インフラストラクチャを有する通信ネットワークとの間の対話を示すM−TCM−PSの様々な機能要素のうちのいくつかの図である。図1に示すように、例示的なM−TCM−PSは、TCM対応モバイルクライアント/W−AT100と、無線対応ネットワーク(RAN)190と、ワイヤレスWANインフラストラクチャ(図1に図示せず)に関連するネットワークに組み込まれた広告インフラストラクチャ150とを含む。たとえば、メッセージングインフラストラクチャは、ワイヤレスWANにおけるセルラー基地局と地理的に共設されていないリモートサーバにおいて利用可能である。
【0057】
図1に示すように、W−ATは、クライアントアプリケーションデバイス110と、クライアントメッセージ配信インターフェイス112と、メトリック収集エージェント120と、メッセージキャッシングマネージャ122と、メッセージフィルタリングエージェント124と、メトリック報告エージェント126と、メッセージ受信エージェント120と、データサービス層デバイス130とを含むことができる。メッセージ配信インフラストラクチャ150は、TCM販売エージェント160と、分析エージェント162と、メッセージ配信サーバインターフェイス164と、メッセージ摂取エージェント170と、メッセージバンドルエージェント174と、メッセージ配布エージェント176と、メトリックデータベース172と、メトリック収集エージェント178と、プロキシサーバ182とを含むことができる。
【0058】
動作中、M−TCM−PSの「クライアント側」は、(図1の左側に示す)W−AT100によって扱われる。W−ATに関連する従来のアプリケーションに加えて、本W−AT100は、アプリケーションレベル110においてTCM関連アプリケーションを有することができ、それらのアプリケーションは、クライアント広告インターフェイス112を介してM−TCM−PSの残部にリンクできる。様々な実施形態では、クライアントメッセージ配信インターフェイス112は、メトリック/データ収集および管理を提供することができる。収集されたメトリック/データの一部は、M−TCM−PSの残部にさらに配布するために、個々に識別可能な顧客情報をさらすことなしに、メトリック報告エージェント126に、および/またはW−ATのデータサービス層130に(メトリック収集エージェント120を介して)転送できる。
【0059】
転送されたメトリック/データは、様々なTCM関連およびプライバシー保護サーバを本例では含む(図1の右側に示す)メッセージ配信インフラストラクチャ150にRAN190を介して供給できる。メッセージ配信インフラストラクチャ150は、データサービス層180でメトリック/データを受信することができ、データサービス層180は、受信したメトリック/データをいくつかのメトリック/データ収集サーバ(ここでは、メトリック収集エージェント178)および/またはソフトウェアモジュールに通信することができる。メトリック/データは、メトリックデータベース172に記憶し、メッセージ配信サーバインターフェイス164に供給することができ、記憶されたメトリック/データは、マーケティング目的で、たとえば、広告、販売および分析のために使用できる。関心対象の情報は、とりわけ、W−ATにおけるユーザ選択、ならびにメッセージ配信インフラストラクチャ150によって与えられた命令に応答してW−ATによって実行された広告の要求を含むことができることに留意されたい。
【0060】
メッセージ配信サーバインターフェイス164は、広告を供給し(広告摂取)、広告をバンドルし、広告の配布を与え、広告をメッセージ配信インフラストラクチャ150のデータサービス層180を介してM−TCM−PSネットワークの残部に送信するための経路を与えることができる。メッセージ配信インフラストラクチャ150は、適切なTCMおよびTCMのメタデータをW−AT100に供給することができる。W−AT100は、メッセージインフラストラクチャ150によって与えられたルールに従って、任意の利用可能なメタデータに基づいてTCMを選択するように、メッセージ配信インフラストラクチャ150によって命令できる。
【0061】
上述のように、例示的なW−AT100は、ユーザの関心を示す可能性が高いTCMをM−TCM−PSが配信することを可能にするのに役立つ可能性がある、W−ATのユーザのユーザプロファイルを全体的にまたは部分的に生成することができるようにできる。これにより、様々な広告キャンペーンおよび他のTCM配信キャンペーンに関して、より良い「クリックスルーレート」がもたらされることがある。しかしながら、上述のように、ユーザプロファイル中に常駐するデータの潜在的に機密性の高い性質のために、ユーザプロファイルを生成することにより、プライバシーの懸念が生じることがある。
【0062】
とはいえ、以下で様々なデバイスおよびシステム実施形態において示すように、ユーザのW−ATがユーザプロファイルを生成することを可能にすると同時に、その後、非常に限られた(また制御された)状況を除いて、ユーザプロファイルをユーザのW−ATの境界内に制限することによって、プライバシーの懸念を軽減することができる。
【0063】
図2は、ユーザプロファイルを生成し、使用するように構成された、図1の例示的なW−ATの動作の詳細を示すブロック図である。図2に示すように、例示的なW−ATは、いくつかのコアクライアントアプリケーションを含むいくつかのアプリケーションを処理することが可能な処理システムと、クライアントメッセージ配信インターフェイスとを含む。メッセージ受信エージェント128およびデータサービス層130などのいくつかの構成要素は、図2に関係する機能の説明を簡単にするために、図2から省略されていることに留意されたい。クライアントメッセージ配信インターフェイス112とクライアントアプリケーションデバイス110との間のプラットフォーム固有適応インターフェイス111と、ユーザプロファイル生成エージェント210、およびユーザプロファイル生成エージェント210に応答するクライアントメッセージフィルタリングエージェント220を有するメッセージフィルタリングエージェント124とを有する図2の例示的なW−AT100を示す。キャッシュマネージャ122と通信しているキャッシュメモリ240を示す。クライアントメッセージフィルタリングエージェント124と通信している外部デバイス、たとえば、プロファイル属性プロセッサ270、システムオペレータ(またはサードパーティ)280およびメッセージ販売インターフェイス164を示す。デバイス270、280および164は、一般に、W−ATの一部ではなく、M−TCM−PSネットワークの別の部分に常駐する可能性が高い。
【0064】
W−AT100の様々な構成要素110〜240を別々の機能ブロックとして示すが、これらの機能ブロックの各々は、別々のいくつかの専用ロジック、別々のいくつかのソフトウェア/ファームウェアを実行する別々のプロセッサ、メモリ中に常駐し、単一のプロセッサによって動作するソフトウェア/ファームウェアの集合などを含む、様々な形態をとることができることを諒解されたい。
【0065】
動作中、クライアントアプリケーションデバイス110は、クライアントメッセージ配信インターフェイス112とインターフェイスするためのプラットフォーム固有適応インターフェイス111を使用して、通信(たとえば、呼およびテキストメッセージング)または他のタスク(たとえば、ゲーム)のために有用な任意の数の機能アプリケーションを実行することができる。今度は、クライアントメッセージ配信インターフェイス112を使用することにより、W−AT100は、ユーザ行動を監視し、ユーザ関連情報をユーザプロファイル生成エージェント210にパスするなど、いくつかの有用なプロセスを実行することができる。
【0066】
クライアントアプリケーションインターフェイスから直接情報を受信することに加えて、ユーザプロファイル生成エージェント210は、メトリック収集エージェント120からユーザ行動情報を生じることができ、メトリック収集エージェント120自体は、クライアントメッセージ配信インターフェイス112から同じまたは異なる情報を受信することができる。ユーザ行動の例は、広告クリックならびに使用のタイプおよび頻度を示す他のメトリックなどのTCM関連応答を含むことができる。他のユーザ行動情報は直接ユーザ選好または許可を含むことができる。
【0067】
メトリック収集エージェント120は、メトリック報告エージェント126にメトリック/データを供給することができ、メトリック報告エージェント126は、メトリック/データ情報を、W−ATの内部または外部にある(以下で説明する)M−TCM−PSの他の構成要素に供給することができる。
【0068】
プロファイル属性プロセッサ270は、データ集約的ルックアップを必要とする(または、別様にデータ集約的ルックアップから利益を得る)、W−AT100からの着信プロファイル属性処理要求を処理し、改良されたプロファイル属性でユーザプロファイル生成エージェント210に応答することができる。
【0069】
ユーザプロファイル生成エージェント210の1つの機能は、販売インターフェイス164から、関係するフィルタルールに従ってW−ATのユーザに供給されるTCM、ならびにTCMデータおよびTCMメタデータを供給することを含むことができる。また、フィルタリングエージェント220は、フィルタリングされたメッセージをキャッシュマネージャ122に供給することができ、キャッシュマネージャ122は、ユーザに提示するために、そのようなメッセージを(キャッシュメモリ240を介して)記憶し、後に供給することができる。
【0070】
ユーザプロファイル生成エージェントは、ユーザ行動情報を収集するために使用されるモバイル広告対応W−AT中に常駐するハードウェアおよび/またはソフトウェアの任意の集合とすることができる。潜在的な情報ソースは、ユーザのW−AT上に常駐するアプリケーション、様々なアクセス可能なデータベース中で利用可能なパブリック情報、広告に対する以前のユーザ応答、常駐GPS無線からの場所データ、および(もしあれば)ユーザによって入力された明示的ユーザ選好を含むことができるが、これらに限定されない。次いで、収集された任意のユーザプロファイル情報は、より少ないメモリリソースを使用しながらユーザをより良く特徴付けることができるユーザプロファイル属性または要素を生成するように、処理/合成できる。
【0071】
様々な実施形態では、システムオペレータ(および/またはサードパーティ)によって与えられるユーザプロファイル推論ルールがW−ATのユーザプロファイル生成エージェントの特定のアクションを駆動することができる。これらのルールは、(1)各アクションに関連する予め定められたスケジュールでユーザプロファイル生成エージェントによって実行されるべきアクションを含む基本ルールと、(2)「条件」によって限定された「(1つまたは複数の)アクション」を含む限定ルールとを含む、いくつかのタイプのルールとすることができ、ただし、「条件」は、真である必要がある行動を定義し、「アクション」は、条件が真であることが検出されたときにユーザプロファイル生成エージェントのルールエンジンによって行われるアクションを定義することができることに留意されたい。そのようなルールは、特定のユーザアクションまたは行動から情報を推論する際に有用なことがある。
【0072】
たとえば、ユーザプロファイル生成エージェントの単純なルールは、5分ごとにユーザのW−ATのGPS由来の場所情報を記憶することとすることができる。関連するルールは、1日の09:00〜17:00の時間範囲内に最もよく行く場所を、可能性のあるユーザの仕事場所としてマークを付けることとすることができる。
【0073】
第2の例として、条件によって限定されたルールは、ユーザがしばしば、ユーザのW−AT上のゲームアプリケーションに1日当たり30分を超える時間を費やす場合、ユーザの関心対象リストに「ゲーム」カテゴリを追加することである。
【0074】
また、ユーザプロファイル生成エージェントは、場所データを使用してプロファイルを導出するためのユーザの明示的許可、ユーザによって行われた他の許可に関するユーザ選択、ならびにユーザによって入力された他の特定の情報を含むユーザ選好を入力として取り込むことができることにも留意されたい。たとえば、ユーザは、旅行関連広告を閲覧するためのユーザの選好を入力することができる。
【0075】
行動データを収集し、改良/分類するために使用可能な、ユーザのW−ATに組み込まれた様々なルール駆動の手法により、ユーザが有するプライバシーの懸念の一部を軽減することができる。たとえば、(外部サーバを使用することとは反対に)W−AT内でデータをマイニングし、生データを合成してより有意味な/有用な形態にすることにより、機密性の高い情報または個人情報をW−ATの通信ネットワークの残部にさらすことなしに、その情報をターゲット広告のために開発し、後に使用することができる。
【0076】
様々な実施形態では、ユーザのプロファイルの特定の態様は、ユーザのW−ATの部分を制御することができる。たとえば、ユーザプロファイル生成エージェントは、取り出されたW−AT情報を利用して、直線、階層型、アニメーション、ポップアップおよびソフトキーなどのメニューレイアウトの選択を含む、W−ATに最適の方法で情報コンテンツを調整することができる。
【0077】
上述のように、たいていのプロファイル生成ルールはW−ATの組み込まれたユーザプロファイル生成エージェントによって解釈できるが、大型データベースルックアップ、たとえば、政府センサスデータを必要とするいくつかのルールがあることがある。W−AT上のメモリは、非常に限られており、大型データベースを収容することができないことがあるので、M−TCM−PSネットワークのW−AP側で特別に構成されたサーバに適切な改良タスクをオフロードすることによって、すでに合成されたユーザ行動および人口層データをさらに改良することができる。本開示では、ユーザプロファイル生成を支援することが可能なそのような外部サーバを「プロファイル属性プロセッサ」と呼ぶことがある。図4に関して、プロファイル属性プロセッサについての追加の説明を以下で与える。
【0078】
図3は、他のデバイス312および280と対話するというコンテキストにおいて示した前に提示したユーザプロファイル生成エージェント210の概略ブロック図である。(上記で説明した機能に加えて)ユーザプロファイル生成エージェント210の様々な機能を以下で部分的に与える。
【0079】
モバイル電話の特徴の1つは、ユーザがどこに行くにもユーザがモバイル電話を携行することができることである。W−ATのGPS機能を利用して、W−ATは、ユーザがどこでユーザの時間の一部または大部分を周期的にまたは非周期的に費やしているかを判断することができる。場所に関連する人口層データはしばしば存在するので、ユーザがよく行く場所に関連するGPS情報および人口層データを使用することにより、ユーザに関連する人口層プロファイルの少なくともいくつかの部分を開発することが可能である。場所情報を使用するユーザのプロファイルに関連する典型的な人口層プロファイル要素は、限定はしないが、以下のものを含む。
【0080】
場所ZIPコード
性別
よく行く場所の中央年齢
年齢分布および関連する確率
仕事に行くための平均移動時間
世帯収入または世帯収入範囲
世帯規模
家族収入または家族収入範囲
家族規模
配偶者の有無
家を所有している確率
家を賃借している確率
ライフステージグループ/種別
ユーザの複数の人口層ユーザプロファイルをW−ATにおいて維持できることに留意されたい。たとえば、M−TCM対応クライアントは、ユーザの2つの人口層プロファイル、すなわち、ユーザの「自宅」場所(たとえば、21:00〜06:00の間に最もよく行った場所)の1つのプロファイルと、ユーザの「仕事」場所(たとえば、09:00〜17:00の間に最もよく行った場所)の1つのプロファイルとを維持するように、ネットワークによって構成できる。
【0081】
一般的な人口層に加えて、ユーザプロファイルは、W−ATの多数のアプリケーションのいずれかを使用してさらに開発できる。ユーザがユーザの時間の大部分をどのアプリケーション、たとえば、ゲームに費やす傾向があるのか、またはユーザが電話上の様々なアプリケーションとどのように対話するのかにより、ユーザ行動および選好に基づいて、そのユーザのプロファイルを構築するための機会が与えられる。この種類のデータマイニングおよびユーザ行動プロファイル判断の大部分は、ユーザプロファイル生成エージェント210に供給されるユーザプロファイル推論ルールによって駆動され、W−AT自体の上で行われる。ユーザに関連する通常の行動プロファイル要素は、以下を含むことができるが以下には限定されない。すなわち、
アプリケーションIDおよびそのアプリケーションに費やされた時間
関心分類
好みのキーワード
好みのウェブサイト
関心対象の広告
音楽アルバム
関心対象のゲーム
W−AT上のネイティブユーザインターフェイスアプリケーションを介してアプリケーション行動を観察するためのフックを追加することによってマイニングされた行動から、(人口層を含む)多くのプロファイル要素を推論することができる。そのようなアプリケーションを介して、ユーザは他のアプリケーションを起動することができるのである。いつユーザが特定のアプリケーションを起動し、終了したかを監視することによって、ユーザの関心対象のアプリケーションおよびこれらのアプリケーションに費やされた時間を推論することができる。
【0082】
ユーザプロファイル生成エージェント210に供給されたルールは、アプリケーションとのユーザの対話に基づいてユーザの関心カテゴリを関連付けることができる。また、W−ATにおいて収集された行動データに対してサーバ支援共同フィルタリングを使用して、ユーザプロファイルに関心カテゴリを割り当てることができる。
【0083】
ユーザプロファイル生成エージェント210にダウンロードされるルールにより、サーバはユーザプロファイル生成エージェント210の機能を動的な方式で制御することが可能になる。現行のW−AT上で生データをマイニングし、それを合成してより有意味な情報(プロファイル属性)にすることによって、データを生の形態で維持するのではなく、特定の機密性の高いユーザ行動情報を広告行動カテゴリおよびユーザプロファイル要素に変換することができる。
【0084】
例示的なW−ATは、ユーザの関心対象であるメッセージと、そのようなメッセージに関連するキーワードとを追跡することができる。たとえば、同じ広告を複数回クリックすることにより、関連するキーワードおよび広告に関連する関心レベルをユーザプロファイルエージェントに示すことができる。同様に、ユーザの関心対象のゲームおよび音楽をW−ATにおいて維持することができる。また、サーバ支援モードを使用して、ユーザの音楽およびゲームプレイリストに基づいて、ユーザ関心カテゴリをユーザのプロファイルに関連付けることができる。
【0085】
ユーザプロファイルが開発され、維持されると、そのようなプロファイルは、様々な形態、たとえば、合成されたプロファイル属性および要素の形態をとることができる。
【0086】
ユーザプロファイル中の一部または全部のデータ属性および要素には、何らかの信頼レベルが関連していることがあることに留意されたい。すなわち、いくつかの要素および属性は推論およびルールに基づくので、それらの結果は確実ではなく、「あいまい性」が関連していることがある。このあいまい性は、ユーザプロファイル属性および要素に関連する信頼レベルとして表現できる。
【0087】
例として、ユーザが毎月500を超えるSMSメッセージを送信していることに留意して、プロファイルジェネレータは、ユーザが信頼レベル60%の15〜24歳の年齢グループ中にいる可能性が高いと告げることができる。このことは、毎月500を超えるSMSメッセージを送信している100人のユーザに対して年齢の調査を行った場合、これらのユーザの約60人が15〜24歳の年齢グループ内に入る可能性が高いことを意味する。
【0088】
同様に、ユーザの自宅場所に基づいてユーザの人口層プロファイルを推論した場合、プロファイル属性に関連する信頼レベルがあることがある。この場合の信頼レベルは、プロファイル属性が同じ自宅場所をもつ100人のユーザのサンプルにおいて正確であることが予想される回数を示すことができる。
【0089】
また、複数のソースからの同じプロファイル属性の信頼レベルを組み合わせて、その属性の統一された信頼レベルを出すためのルールを、例示的なユーザプロファイル生成エージェント210に供給することができる。たとえば、SMS使用レートが、ユーザが60%の信頼レベルの15〜24歳の年齢グループ内にいることを示し、自宅場所の人口層プロファイルが、ユーザが20%の信頼レベルの15〜24歳の年齢グループ中にいることを示す場合、これらの2つの項目をあいまい論理ルールと組み合わせて、同じ年齢グループ中にいるユーザの統一された信頼レベルを出すことができる。
【0090】
対照的に、ユーザがユーザの関心選好をクライアントに入力した場合、そのような値はユーザから直接来ているので、100%に近い信頼レベルが与えられる。同様に、通信事業者が、通信事業者が有するユーザデータ(料金請求データ、またはサービス契約手続き中にユーザから収集された随意のプロファイルデータ)に基づいて、ユーザプロファイル属性/要素を指定した場合、その属性/要素にも、より高い信頼レベルが関連付けられていることになる。
【0091】
W−AT上でさらなるユーザ行動データを収集し、それに基づいて推論を行うと、プロファイル属性値および要素値において後続の信頼レベルは増加することが予想される。
【0092】
図4は、W−ATによるプロファイル属性処理の要求を扱うプロファイル属性プロセッサ270の概略ブロック図である。上述のように、W−ATはたいていの処理を扱うことができるが、行動または人口層プロファイルの部分を判断するために巨大なデータベースルックアップが必要とされる場合がある。そのような場合の例は、ギガバイトのストレージを必要とする国勢調査データベースが有用である場合を含む。したがって、プロファイル属性プロセッサ(または他の支援サーバ)を使用して、ユーザ情報を処理して、より改良された形態のユーザプロファイル情報を与えることができる。
【0093】
合成されたプロファイル属性を使用する結果として帯域幅がより良く使用されることになることに留意して、プロファイル属性プロセッサ270によって要求が受信される前に、合成されたプロファイル属性が、関係するW−ATに集められ、プロファイル属性プロセッサ270に送信される。データ集約的ルックアップを必要とするユーザプロファイル属性の一部は、ユーザ識別情報を保護するための匿名で問い合わせる技法によって、プロファイル属性プロセッサ270によって随意に処理できる。プロファイル属性プロセッサ270は、受信した属性をさらに改良し、改良されたユーザプロファイル属性のセットと呼ばれるセット中で、改良されたデータを適切なW−ATに供給することができる。
【0094】
W−ATからの要求によってアクティブ化されると、プロファイル属性プロセッサ270は、ユーザの行動および人口層(たとえば、プロファイル属性)に関する様々なタイプの特定および不特定合成データを処理し、適切な改良されたプロファイル情報で応答することができる。ユーザプライバシーを維持するために、何らかの形態のデータスクランブル、たとえば、ハッシュ関数およびいくつかの他のツールを、図8の一方向ハッシュ関数ジェネレータ810などのデバイスを介して使用することができる。動作中、W−ATにおいてハッシュ関数を使用して、ユーザの識別情報をM−TCM−PSネットワークの残部から隠すことができる。
【0095】
様々な動作中、W−ATにおいて使用されるハッシュ関数は、特定のユーザに関連する、予測可能で一意ではあるが匿名の値を生成することができる。そのような手法により、W−ATは、ユーザのプライバシーを漏洩することなしに、外部サーバに問い合わせることができる。様々な実施形態では、ハッシュ関数は、W−ATの一次識別子、たとえば、W−ATに関連する通し番号、ならびにランダム値、擬似ランダム値、および時間ベース値に基づくことができる。さらに、このハッシュ関数は、他の生成された値との衝突の確率を低くするように計算できる。
【0096】
W−ATは、外部サーバが同じクライアントからの複数の問合せを関連付けることができるように、後続の問合せのために同じ乱数を使用することができる。乱数の使用は、外部サーバ(または無許可のエージェント)が加入者ベースに対してリバースルックアップを行ってユーザの識別情報を判断することを防止するために役立つことがある。
【0097】
ハッシュされた値が生成された後、ハッシュされた値は、W−ATの代替のユーザ識別子として使用し、地理的情報あるいはユーザプロファイルからの情報の一部または項目とともに与え、リモート装置に供給することができる。
【0098】
その後、リモート装置に対する代替のユーザ識別子および第1の広告関連情報、ならびに/またはユーザプロファイルを補足することが可能な他の情報に基づいて、リモート装置から1つまたは複数のターゲットコンテンツメッセージを受信することができる。そのような情報は、W−ATのユーザプロファイルに組み込まれる。
【0099】
ユーザプライバシーをさらに維持するために、ワイヤレスアクセスポイント(W−AP)側のプロキシサーバ(たとえば、図1を参照)が使用できる。図9に、モバイル広告対応ネットワークにおいてセキュアに通信するためにプロキシサーバを使用する特定の通信方式を示す。図9に示すように、W−AT910(「M−TCM対応クライアント」)は、ユーザプロファイル情報の改良などのいくつかのサービスに関係する要求(または報告もしくは応答などの他のメッセージ)、あるいは広告コンテンツの要求をワイヤレスアプリケーションプロトコル(WAP)プロキシ920に送信することができる。WAPプロキシ920は、この要求を、セキュアなプロキシサーバ930に転送することができ、次いで、プロキシサーバ930は、トランザクションIDを作成し、このトランザクションIDを優先してW−ATの識別情報を取り除くようにヘッダを変更し、応答を中継するために有用な情報、たとえば、W−ATのIPアドレスを含むルックアップテーブルを作成しながら、この要求をモバイルメッセージ配信サーバ940に転送することができる。
【0100】
モバイルメッセージ配信サーバ940が、この要求を受信し、それに応答した後、プロキシサーバ930は、適切なトランザクションIDを使用して、モバイルメッセージ配信サーバの応答を転送することができる。後で、プロキシサーバ930は、ルックアップテーブルエントリを削除することができる。
【0101】
図9に示す方式を使用して、モバイルメッセージ配信サーバ940がユーザのW−AT IPアドレスにアクセスできないようにすることができ、このことは、ユーザの識別情報を漏洩することなしに、ターゲットコンテンツ、たとえば、ターゲット広告の配信を許可することなどのいくつかの利点を有することに留意されたい。
【0102】
ユーザの場所がユーザのW−ATによってリアルタイムで場合によっては追跡されているというユーザの懸念を軽減するために、そのようなW−ATは、場所データの改良をサーバにリアルタイムで問い合わせないことを選択することができる。そのような問合せは、長期間にわたって匿名で、まばらに(たとえば、月に一度)送信できることに留意されたい。通常のスケジュールは、たとえば、72時間にわたって5分ごとに場所情報を収集することとすることができる。この時間フレーム中にまたは特定の時間フレーム中に最もよく行った場所を使用して、30日から40日までの間のランダムに選択された時点で、またはシステムオペレータによって指定された何らかの他のスケジュールによって、サーバにユーザの人口層プロファイルを問い合わせることができる。
【0103】
上記の事例は、ユーザプロファイル生成エージェントのルール駆動型動作とサーバ支援モードの両方を併用して、ユーザのプライバシーを維持しながらユーザのプロファイル要素を生成するためのハイブリッド手法の一例である。
【0104】
図5は、ユーザ行動シンセサイザ522と、プロファイル要素リファイナ524とを有するユーザプロファイル生成エージェント210を使用するそのようなハイブリッド手法の例示的な動作を示す概略ブロック図である。図5の様々なデバイスの機能の大部分についてはすでに上述したが、さらなる機能について以下のフローチャートに関して以下で説明する。
【0105】
図6は、ユーザプロファイルを生成し、使用するための例示的な動作の概略を示すフローチャートである。動作は、ステップ602で開始し、W−ATがいくつかのユーザプロファイル推論ルール(基本および/または限定ルール)をシステムオペレータまたは他の関係者から受信する(その後、記憶する)。
【0106】
上述のように、基本ルールは、事前スケジュールされたイベント、たとえば、特定の時点でユーザの問合せを実行することを含むことができる。同様に、それぞれの限定ルールが同じ問合せに、物理的ステータス情報または動作ステータス情報などの条件および/またはイベントが先行することを要求することができる。
【0107】
次に、ステップ604で、受信したルールを使用して生データを収集し、ステップ606で、この生データを処理/合成して、ユーザプロファイル要素または属性にする。ただし、すべてのそのような処理/合成はW−AT上で行われるが、一部の改良は、上述のプロファイル属性プロセッサなどの外部デバイスを使用して行われることに留意する。すなわち、上述のように、生データおよび/または合成データは、W−ATのユーザのユーザプロファイルを形成するように組み込まれる。たとえば、SMSメッセージを監視することに関係するルールを使用して、生データを収集し、SMSメッセージに関するプロファイル属性/要素を合成するために適用されるときにユーザプロファイルの動的プロパティを変更する。同様に、静的データ、たとえば、ユーザの生年月日を、ルールを使用して収集し、ユーザに問い合わせ、次いで、ユーザプロファイル中の要素として適用する。
【0108】
次いで、ステップ608で、ユーザプロファイルデータの信頼レベルを判断する。信頼レベルは、ある範囲の数値、分散統計量、または分布プロファイルなどの様々な形態を有することができる。
【0109】
ステップ610で、ユーザプロファイルのすべてを形成する、様々なユーザプロファイル要素および属性に関係する様々な受信したルール+生データおよび合成データを使用して、TCMを受信する。すなわち、上述のように、様々な実施形態では、収集された生データおよび合成データとともに、W−AT上の使用される/使用可能なルールを使用してユーザプロファイルを生成して、ユーザプロファイルの任意の数の静的または動的プロパティを与え、そのような情報を使用して、可能性のある関心対象の主題を対象とする広告、スポーツスコア、気象通報およびニュースなどのコンテンツを受信する。
【0110】
ユーザプロファイルデータに信頼レベルが関連付けられる様々な実施形態では、信頼レベルにルールが適用され、ターゲットコンテンツメッセージがそのような信頼情報に基づいて、受信され、表示できることに留意されたい。
【0111】
続いて、動作の制御はステップ602にジャンプして戻り、新たな/さらなるルールを受信し、それらを使用してデータを収集し、ユーザのプロファイルを変更する。
【0112】
上述のように、W−ATが直線属性、階層属性、アニメーション属性、ポップアップ属性および/またはソフトキー属性を有するメニューレイアウトなどの適切な表示を作成するために適した方法でコンテンツ表示を調整するためにW−AT情報を利用するように、W−ATの物理的構成に基づいてルールが使用できることに留意されたい。
【0113】
図7は、ユーザプロファイルを生成し、使用するための別の例示的な動作の概略を示すフローチャートである。動作はステップ702で開始し、W−ATがいくつかのユーザプロファイル推論ルールをシステムオペレータまたは他の関係者から受信する。次に、ステップ704で、受信したルールを使用して生データを収集し、ステップ706で、オンボードリソースを使用して、生データを処理/合成して、ユーザプロファイル要素または属性にする。この場合も、ユーザプロファイル情報の任意の項目は、基本データとともに処理され、合成された信頼レベル情報を有することができることに留意されたい。
【0114】
ステップ710に進み、W−AT上で実際的ではない可能性があるさらなる情報または処理が必要とされるかどうかについての判断を行う。たとえば、W−ATがGPSを使用して、W−ATの定期的に訪れる一連の場所を生じるものと仮定すると、1つまたは複数のルールを使用するW−AT上のソフトウェアエージェントは、ユーザの可能性のある民族性(または他の人口層)を判断するためにリモートサーバ上の地理的情報サービスまたは国家センサスデータベースなどの大型外部データベースに問い合わせる必要を判断することができる。さらなる情報または処理が必要とされる場合は、制御はステップ712に進み、必要とされない場合は、動作の制御はステップ720にジャンプし、プロファイル属性を使用してユーザのプロファイルを生成する/変更する。
【0115】
さらなる情報または処理が必要とされる場合、ユーザ情報を保護するために上述のプロファイル属性プロセッサなどによって(ハッシュ関数および/またはプロキシサーバを随意に使用して)、外部デバイスに要求を行う(ステップ712)。
【0116】
次に、ステップ714で、外部デバイスは、大型データベースに問い合わせるなど、任意の数の改良ステップを実行して、改良されたユーザプロファイル属性を生成する。次いで、ステップ718で、次いで、改良されたユーザプロファイル属性を適切なW−ATに供給し、(ステップ720で)それらを使用してユーザプロファイルを生成、変更あるいはユーザプロファイルに組み込む。処理のために信頼レベルが利用可能である場合、統一された信頼レベルは個々の信頼レベルに基づいて判断できることに留意されたい。次いで、動作の制御はステップ702にジャンプして戻り、新たな/さらなるルールを受信し、それらを使用してデータを収集し、ユーザのプロファイルを変更する。
【0117】
図11にジャンプして進むと、M−TCM対応ネットワークにおけるTCM配布の第1の通信プロトコルが示されている。この例示的な図は、メッセージ配布インフラストラクチャからのメッセージのマルチキャスト「プッシュ」中の可能なデータフローを示す。(図10のモバイルデバイス(W−AT)100中の)ユーザプロファイル生成エージェントは、メッセージを取り出し、次いで内部フィルタリングによって受信したメッセージのうちの1つまたは複数を選択することができることに留意されたい。
【0118】
動作中、ネットワークシステムオペレータ280(および/またはサードパーティ)は、プロファイル属性プロセッサ270にプロファイル属性処理ルールを供給することができる。また、プロファイル属性プロセッサ270は、W−AT100上のモジュールからプロファイル属性プロセス要求を受信し、W−AT100上のモジュールを介して適切な応答を与えることができる。
【0119】
さらに、マルチキャスト/ブロードキャスト配布サーバ1110によるマルチキャストまたはブロードキャスト広告をW−AT100が受信することができる。この構成では、W−AT100(または他のモバイルデバイス)は、すべてのメッセージを受信し、W−AT100において生成されたユーザプロファイル、および図11のマルチキャスト/ブロードキャスト配布サーバ1110からやはり受信されたフィルタルールに従って、どのメッセージを記憶し、ユーザに提示すべきかを判断することができる。
【0120】
図12に、M−TCM対応ネットワークにおけるメッセージ配布のための第2の通信プロトコルを示す。図11の例の場合と同様に、ネットワークシステムオペレータ280(および/またはサードパーティ)は、プロファイル属性プロセッサ270にプロファイル属性処理ルールを供給することができ、プロファイル属性プロセッサ270はまた、W−AT100上のモジュールからプロファイル属性プロセス要求を受信して、W−AT100上のモジュールを介して適切な応答を与えることができる。
【0121】
ただし、この実施形態では、W−AT100によってユニキャストメッセージ配布サーバ1210からユニキャストメッセージを要求することができる。W−AT100は、ユニキャスト通信リンクを介してすべてのメッセージを受信し、W−AT100において生成されたユーザプロファイル、およびユニキャストメッセージ配布サーバ1210からやはり受信されたフィルタルールに従って、どのメッセージを記憶し、ユーザに提示すべきかを判断することができる。
【0122】
図13に、M−TCM対応ネットワークにおけるメッセージ配布のための別の通信プロトコルを示す。この場合も、前の例の場合と同様に、ネットワークシステムオペレータ280(および/またはサードパーティ)は、プロファイル属性プロセッサ270にプロファイル属性処理ルールを供給することができ、プロファイル属性プロセッサ270はまた、W−AT100上のモジュールからプロファイル属性プロセス要求を受信して、W−AT100上のモジュールを介して適切な応答を与えることができる。
【0123】
しかしながら、この実施形態では、ユニキャストメッセージ配布サーバ1310は、W−AT100によって供給されたユーザプロファイル情報を受信し、この受信したユーザプロファイル情報を処理し、次いで、適切なTCMをW−AT100に供給することができる。
【0124】
図14に、M−TCM対応ネットワークにおけるメッセージ配布のためのさらに別の通信プロトコルを示す。この例は、動作のプロファイル属性プロセッサ側に関して前の例とほぼ同様に機能することができる。しかしながら、ユニキャスト通信リンクを介するメッセージ取り出しは、実質的に異なる。
【0125】
動作中、W−AT100は、メッセージの要求を送信することができ、その後、W−AT100は、メッセージ配布サーバ1410において利用可能な様々なメッセージを表すメタデータのセットを受信することができる。次いで、W−AT100は、このメタデータ、およびW−AT100内のフィルタルールに基づいて、いくつかのメッセージを選択し、選択情報をメッセージ配布サーバ1410に供給することができる。したがって、選択されたメッセージは、次いで、W−AT100に供給され、ユーザプロファイルルールに従ってユーザに提示できる。
【0126】
上述の手法は、ユニキャスト通信リンクを介してW−ATに広告を配信するとき、最適なネットワーク帯域幅を使用しながら、W−AT上にローカルでユーザプロファイルを保持する。
【0127】
図15に、「コンタクトウィンドウ」(例示的なウィンドウ1510〜1516を参照)手法に従ってメッセージコンテンツをダウンロードするための第1の通信プロトコルのタイムラインを示す。このことを使用して、W−ATの他の機能に負担をかけることなしに、都合のよい時点でTCMのダウンロードを許可することができる。様々な実施形態では、W−ATは、使用中の場合、コンタクトウィンドウに対してスリープモードを調整することができる。動作中、コンテンツメッセージ配信中にプラットフォーム上でエネルギー消費を最適化するためにW−ATをスリープモードに入れることができる。スリープモードでは、W−ATは、他の有用な動作に使用中であることがある。すなわち、W−ATをスリープモードに入れることができると同時に、コンタクトウィンドウの前および/または間にスリープモードを出て、場合によっては、TCMを受信した後または相対コンタクトウィンドウの終わりにスリープモードに再び入ることによって、様々なタイミング回路(図示せず)をスリープモードおよびコンタクトウィンドウまたは他のスケジュールに応答するようにプログラミングするか、または別の方法で操作することができる。
【0128】
図16に、定義された時間スケジュールに従ってターゲットコンテンツメッセージ情報をダウンロードするための第1の通信プロトコルの代替のタイムラインを示す。例示的なウィンドウ1610〜1620を参照すると、この手法を使用して、W−ATの他の機能に負担をかけることなしに、都合のよいときにTCMのダウンロードすることができる。定義された時間スケジュールにより、W−ATは、定義された時間スケジュール中を除いてスリープモードのままであることが可能になる。この場合も、様々なタイミング/クロック回路を使用して、W−ATをスリープモードに入れる/スリープモードから出すことができる。さらに、W−ATは、起動してTCM情報を受信すると、将来のTCMのターゲットメタデータおよび受信時刻を受信することができ、次いで、ターゲットメタデータおよび受信時刻を使用して、ユーザプロファイルおよびターゲットメタデータに基づいて将来のTCMを受信すべきかどうかを判断し、将来のTCM配信の受信時刻に先立って適切な起動時刻をスケジュールすることができる。
【0129】
図17に、例示的な情報ストリーム1702、1722および1732に基づくキャッシュモデリングシナリオのうちのいくつかを示す。図17に示すように、キャッシュモデリングシナリオは、様々なリストされた種別に基づく。メッセージキャッシュは、M−TCM対応クライアントにおけるメッセージの倉庫であることに留意されたい。メッセージは、TCMを提供する機会が存在するときに、メッセージの即時のプレイアウトを可能にするようにローカルでキャッシュできる。
【0130】
キャッシュ中の実際の記憶スペースは、異なるタイプの種別に基づいて、複数のカテゴリに分割できる。これらの種別は、フィルタルールを使用してシステムオペレータによって定義できる。種別内の各カテゴリに割り当てられるスペースの量は、固定とするか、または、やはりシステムオペレータによってフィルタルールを介して定義される何らかの定義された基準に基づいて動的とすることができる。関心対象のいくつかのカテゴリは以下を含む。すなわち、
デフォルトメッセージ(1710、1720および1730)。これらは、システムオペレータなどによってマークが付けられる「フォールバック」メッセージと考えられる。これらのメッセージは、デバイスアプリケーションによって要求されるメッセージタイプを満たす他のいかなるメッセージも表示に利用できない場合に示される。
【0131】
デフォルトメッセージは、候補デフォルトメッセージと同じメッセージタイプをもつそれぞれのクライアントメッセージ配信エンジンに加入登録している少なくとも1つのメッセージ配信機能のあるアプリケーションが存在する限り、キャッシュの候補である。さらに、デフォルトメッセージは、デバイスおよびアプリケーション機能準拠の最小限のゲーティング基準を満たすように作成できる。
【0132】
デフォルトメッセージに関して計算された値に基づいて、前に記憶されたデフォルトメッセージを新たなメッセージによって置換することが、その新たなメッセージの「正規化された」値が同じメッセージタイプの下で前に記憶されたデフォルトメッセージの値よりも大きい限り、可能である。
【0133】
各メッセージタイプに関してクライアント上で許されるデフォルトメッセージの最大数は、フィルタリングルールを介してシステムオペレータによって定義できる。様々な実施形態では、固定数のメッセージまたはメッセージメモリが存在することができ、またはメッセージ数および/またはメモリを、特定のメッセージ機能のあるアプリケーション、用法などに基づいて、動的に決定することができる。通常、いくつかの実施形態では、各メッセージタイプに関して許されるデフォルトメッセージの最大数は1である。
【0134】
デフォルトメッセージとしてマークを付けられたメッセージは、主に、以下の2つの目的を果たす。すなわち、(1)これらのメッセージは、各カテゴリにおける「フォールバック」メッセージの役割をし、システムが各機会を利用して、ユーザにメッセージを提示するのを助け、(2)これらのメッセージにより、システムオペレータは、「段階的価格設定」を提供し、(随意に)デフォルトメッセージに関してさらに料金請求することができる。
【0135】
ターゲットメッセージ(1712、1722、1724および1738)、ならびに非ターゲットメッセージ(1714、1726および1740)。1つの種別方式は、キャッシュストアをターゲットメッセージのためのスペースと非ターゲットメッセージのためのスペースとに分割することである。ターゲットメッセージキャッシュスペースを使用して、M−TCM対応クライアントのユーザのユーザプロファイルが、関係するメタデータ中に含まれているターゲットユーザプロファイルに適合するメッセージのみを記憶することができる。
【0136】
ターゲットユーザプロファイルがデバイスユーザのプロファイルに適合しないメッセージに関して、それらのメッセージに「ターゲット表示に限る」というマークが付けられていない限り、そのようなメッセージは、非ターゲットメッセージキャッシュスペースに入れられるべき候補である。表示のために非ターゲットメッセージを有することにより、システムは、時間によるユーザ関心の変化を読み取り、それぞれのユーザプロファイルおよびキャッシュをそれに応じて変更することができる。
【0137】
インプレッションベースのメッセージ(1722)およびアクションベースのメッセージ(1724)。別の種別は、メッセージがインプレッションタイプのTCM配信キャンペーンであるか、またはメッセージがユーザ関心を読み取るためにユーザアクションを求めるメッセージであるかに基づいて、キャッシュスペースのターゲット部分または非ターゲット部分を分割することである。そのような下位種別の分割サイズまたは比は、システムオペレータによって定義されるか、またはそれぞれのW−ATのメッセージ配信対応アプリケーションの機能および使用率によって動的に決定される。
【0138】
ユーザ関心ベースの種別(1732〜1736)。ターゲットメッセージ種別の下の下位種別は、ユーザ関心種別に基づくことができる。たとえば、キャッシュのターゲットメッセージセクション内の特定のキャッシュスペースの大部分が上位3つのユーザ関心カテゴリのために確保でき、残りのキャッシュリソースは、ユーザのプロファイルに適合する他のカテゴリに当てられる。この場合も、そのような種別内の関心ベースのカテゴリの実際の比または数は、システムオペレータによって定義でき、および/または各関心カテゴリ内の広告(または他のメッセージ)の相対クリックスルーレートに基づいて、動的とすることができる。
【0139】
図18は、メッセージフィルタリングプロセスコンテキストの図である。モバイルターゲットコンテンツメッセージ配信システム内のメッセージフィルタリングプロセスの1つの目的は、システムに入る任意の利用可能な新たなメッセージのうちのどれが、特定のモバイルクライアントにおいてキャッシュされるべきかを決定することである。
【0140】
動作中、フィルタリングプロセス1810は、システム内に維持されるユーザのユーザプロファイル、モバイルクライアント上のデバイスおよびアプリケーション機能、モバイルクライアント上の現在のキャッシュ状態、およびシステムオペレータまたは何らかのサードパーティ280によって定義されたフィルタリングルールなどの、いくつかの入力を使用して、どの新たなメッセージをキャッシュすべきかを判断することができる。各受信したメッセージの処理時に、いくつかの選択されたメッセージが判断され、それぞれのメタデータとともにキャッシュ1820に記憶できる。
【0141】
図19は、様々な例示的な機能構成要素のコンテキストにおけるTCM配信システム内のTCMフィルタリングプロセスのデータフロー図である。図19に示すように、メッセージフィルタリングはマルチステッププロセスである。販売インターフェイス164からフィルタリングエージェント220に入る新たなメッセージは、どの受信したメッセージがメッセージキャッシュの可能な候補であるかを判断することができるゲーティングサブプロセス220−1を最初に通過する。例示的なゲーティングサブプロセス220−1は、モバイルクライアントに関連する適切な記憶デバイス1910からのデバイスおよび機能情報、ならびにシステムオペレータまたは何らかのサードパーティ280によるフィルタルール、および適切なエージェント210または記憶デバイスからのユーザプロファイル情報を使用することができることに留意されたい。
【0142】
続いて、次いで、メッセージスペース競合の場合にどの候補メッセージを置換するかを判断することができる選択サブプロセス220−2によって、ゲーティングサブプロセス220−1の可能な候補を処理することができる。選択サブプロセス220−2は、システムオペレータまたは何らかのサードパーティ280によるフィルタルール、適切なエージェント210または記憶デバイスからのユーザプロファイル情報、およびキャッシュマネージャ122からのフィードバックキャッシュ情報を使用することができることに留意されたい。
【0143】
図20に、図19のゲーティングプロセス内の例示的なデータフローを示す。このプロセスの1つの目的は、ターゲット広告などのターゲットコンテンツメッセージが、選択プロセスに転送される前に、いくつかの要件を満たすようにすることである。本プロセスは、ステップ2002で開始し、販売インターフェイス164または他のデバイスからメッセージおよびそれぞれのメタデータを供給する。次に、ステップ2004で、ステップ2002のメッセージがモバイルクライアントの機能内にあるかどうかについての判断を行う。すなわち、メッセージは、メッセージがモバイルデバイスの物理的プラントによってサポートされるようでなければならない。たとえば、あるメッセージが二次デバイススクリーンのみに向けられているが当該のモバイルデバイスが二次デバイススクリーンを有しない場合、そのメッセージは適切ではない。メッセージがデバイス機能に適合する場合は、制御はステップ2006に進み、適合しない場合は、制御はステップ2020にジャンプして、そのメッセージの使用を拒否する。
【0144】
ステップ2006で、ステップ2002のメッセージがモバイルクライアントのアプリケーション機能内にあるかどうかについての判断を行う。すなわち、メッセージは、メッセージがモバイルデバイスで使用されるように登録された様々なソフトウェア/ファームウェアによってサポートできるようでなければならない。たとえば、メッセージが15秒のビデオを含むが、そのようなビデオを見せるためのデバイスアプリケーションのいずれの内部にもCODEC機構が存在しない場合、そのメッセージは適切ではない。メッセージがアプリケーション機能に適合する場合は、制御はステップ2008に進み、適合しない場合は、制御はステップ2020にジャンプし、そのメッセージの使用を拒否する。
【0145】
ステップ2008で、ステップ2002のメッセージがモバイルクライアントのアプリケーション機能内のシステムオペレータ指定のゲーティング基準適合をパスするかどうかについての判断を行う。たとえば、あるメッセージが成人の視聴者のみに適切である場合、そのようなメッセージは、未成年であると識別されたいずれのユーザに対しても、フィルタリングされて除かれることが最良である可能性が高い。メッセージが、指定されたシステムオペレータ指定のゲーティング基準に適合する場合は、制御はステップ2010に進み、適合しない場合は、制御はステップ2020にジャンプし、そのメッセージの使用を拒否する。
【0146】
ステップ2010で、ステップ2002のメッセージがサンプリング基準適合をパスするかどうかについての判断を行う。たとえば、特定の広告が、ある人口層の30%のみに提供されるように予定されている場合、1から100までの範囲を有し、それ自体のESNおよびサーバによって指定されたシードを与えられる乱数生成器(RNG)は、得られた乱数が30%未満である場合、その広告を適格とすることができる。広告/メッセージがサンプリング基準をパスした場合は、制御はステップ2030に進み、メッセージ選択を実行する。パスしなかった場合は、制御はステップ2020にジャンプし、そのメッセージの使用を拒否する。
【0147】
図21は、オペレータがユーザを互いに排他的なセットに分割し、各セットを異なるメッセージのターゲットとしようとする状況に関して提示される、ランダムサンプリング方式を示すフローチャートである。たとえば、オペレータは、Pepsi広告とCoke広告を同じユーザに見せないという契約上の義務を負っていることがある。したがって、オペレータは、加入者ベースの50%をPepsi広告のターゲットとし、加入者ベースの残りの50%をCoke広告のターゲットとして、両方の広告が同じユーザに見せられないようにすることができる。
【0148】
プロセスは、ステップ2102で開始し、乱数生成器シードおよびESN(電子シリアルナンバー)をモバイルクライアント/W−ATに供給する。次に、ステップ2104で、乱数生成プロセスを実行して、1から100までの間、または任意の他の範囲の数の間の乱数を生成する。制御はステップ2110に進む。
【0149】
ステップ2110で、ステップ2104の乱数と、ある定義された範囲、たとえば、1から100までの全体範囲のうちの1から50まで、または51から100までとの間の適合が成立するかどうかについての判断を行う。適合が成立した場合、制御はステップ2112にジャンプし、当該のメッセージを受け入れ、または上述のCoke/Pepsi例の場合と同様に、競合する広告が存在する場合は、2つのメッセージのうちの第1のメッセージを受け入れ、他の場合は、制御はステップ2114にジャンプし、当該のメッセージを拒否し、または上述のCoke/Pepsi例の場合と同様に、競合する広告が存在する場合は、2つの広告のうちの第1の広告を拒否し、第2の広告を受け入れる。
【0150】
図22に進むと、ユーザIDまたはデバイスIDなどの何らかの一意IDに対するハッシュ方式のような一方向関数を使用して、加入者ベース内の互いに排他的なメッセージターゲットが行われることを諒解されたい。動作中、オペレータは、ハッシュ計算の結果に基づいて、異なるターゲットユーザセグメントを指定することができる。そのようなサンプリングは、それぞれのESNのハッシュ値の範囲によって定義されたユーザのセクションをターゲットとするように行われる。
【0151】
プロセスは、ステップ2202で開始し、一意IDをモバイルクライアント/W−ATに供給する。次に、ステップ2204で、一方向ハッシュプロセスを実行して、任意の範囲の数の間の値を生成する。制御はステップ2210に進む。
【0152】
ステップ2210で、ステップ2204のハッシュされた値と定義された範囲との間で適合が成立したかどうかについての判断を行う。適合が成立した場合、制御はステップ2212にジャンプし、当該のメッセージを受け入れ、または上述のCoke/Pepsi例の場合と同様に、競合する広告が存在する場合は、2つのメッセージのうちの第1のメッセージを受け入れ、他の場合は、制御はステップ2214にジャンプし、当該のメッセージを拒否し、または上述のCoke/Pepsi例の場合と同様に、競合する広告が存在する場合は、2つの広告のうちの第1の広告を拒否し、第2の広告を受け入れる。
【0153】
クライアントのハッシュ値がシステムオペレータによって指定されたサンプリング範囲に入らない場合は、そのメッセージは拒否され、入る場合は、メッセージ処理は次のゲーティング基準段階または選択段階に進むことができることに留意されたい。また、オペレータは、互いに排他的なセット内でランダムにターゲットを絞ることによって、特定の広告/メッセージ配布キャンペーンのためにユーザをサンプリングするハイブリッド手法を選択することができることにも留意されたい。一例として、特定の広告キャンペーンは、第1の広告を受けなかった加入者ベースのランダムな20%をターゲットとすることができる。このことは、最初に、一方向関数ベースのサンプリングを使用して、互いに排他的なセットを作成し、次いで、その互いに排他的なセット内でランダムにターゲットを絞ることによって達せられる。
【0154】
続いて、図23に、メッセージ選択プロセス2300内の例示的なデータフローを示す。この選択プロセスの目的は、ゲーティングプロセスによって、モバイルクライアント/W−ATに転送されたメッセージのプールからメッセージを選択し、これらの選択されたメッセージを、特別クライアント広告/メッセージキャッシュなどのメモリに記憶することである。メッセージスペース競合の場合、選択プロセス2300を使用して、置換する必要がある前にキャッシュされたメッセージをキャッシュから選択することができる。
【0155】
メッセージ選択は、キャッシュスペースに対する競合が存在する場合、すなわち、すべての新たなメッセージおよび前にキャッシュされたメッセージを収容するために十分なスペースがキャッシュ中に存在しない場合に、役割を果たすことができる。メッセージ選択は、マルチステッププロセスであり、キャッシュが異なるカテゴリの間で(動的にまたは静的に)分割されることがあるので、競合および選択は、各メッセージカテゴリ中で行われる。
【0156】
動作中、メッセージセレクタ2310は、ゲーティングデバイス220またはゲーティングプロセスを実行する他の機器から新たなメッセージを受信し、ならびに、システムオペレータまたはサードパーティ280からいくつかのメッセージフィルタルールを受信することができる。次いで、メッセージセレクタ2310は、各新たなメッセージに様々なフィルタルールを適用して、新たなメッセージが年齢または性別の上で適切であるかどうかなど、各新たなメッセージがいくつかの基本的基準をパスするかどうかを判断することができる。特定のメッセージがフィルタルールに準拠しない場合、そのメッセージを、拒否された新たなメッセージとして分類し、破棄することができる。
【0157】
フィルタルールの下で破棄されないメッセージは、メッセージセレクタ2310によってさらに処理されて、適合インジケータ計算器2320に対して、各受信したメッセージの「ターゲットユーザプロファイル」を導き出し、適合インジケータ計算器2320は、次いで、(1つまたは複数の)ターゲットユーザプロファイルを、ユーザプロファイル生成エージェント210またはユーザの情報を記憶する何らかの他のデバイスによって供給されたユーザプロファイルと比較することができる。今度は、適合インジケータ計算器2320は、各ターゲットユーザプロファイルと、ユーザまたはモバイルクライアント/W−ATに関連するユーザプロファイルとの間の適合を実行し、特定の着信/新たなメッセージがどれだけ良くユーザプロファイルに適合するかを量子化する適合指示「スコア」をメッセージセレクタ2310に供給することができる。
【0158】
適合指示「スコア」のランクが十分に良い場合は、それぞれのメッセージはさらに考慮され、ランクが十分に良くない場合は、メッセージは、拒否された新たなメッセージになる。
【0159】
メッセージセレクタ2310によってさらに処理されるメッセージは、適合指示「スコア」を、メッセージサイズ、持続時間、メモリおよびディスプレイ要件などの他のメッセージ値属性とともに、メッセージ値計算器2330に供給することができ、メッセージ値計算器2330は、そのようなメッセージの「メッセージ値」をメッセージセレクタ2310に戻すように供給することができる。
【0160】
続いて、メッセージセレクタ2310は、利用可能なキャッシュ(または特定のメッセージカテゴリに当てられたキャッシュの部分)の状態についてのキャッシュマネージャ122からの情報を、キャッシュヒット/ミス情報、およびキャッシュ(または関係する部分)中の各メッセージのメッセージ値ともに受信することができる。特定のメッセージのヒット/ミス情報に応じて、所与のメッセージのメッセージ値を随意に調整することができる。
【0161】
次いで、メッセージセレクタ2310は、相対メッセージ値に基づいて、新たに受信されたメッセージがキャッシュ中の1つまたは複数の既存のメッセージと置換されるべきかどうかを判断することができ、次いで、任意の新たに選択されたメッセージは、それぞれのメッセージIDおよびそれぞれのメッセージ値とともにキャッシュマネージャ122に送信でき、任意の置換されたメッセージは、将来の使用に関して破棄できる/拒否できる。
【0162】
図24Aおよび図24Bに、W−ATなどのモバイルデバイスにおいて受信された1つまたは複数の新たなメッセージのメッセージ選択プロセスの概略を示すフローチャートを示す。この例示的なプロセスフローチャートは、どの新たなメッセージがキャッシュに追加されるべきか、およびどの前にキャッシュされたメッセージが置換/破棄されるべきかを判断するためにメッセージ選択中に行われるアクションの高レベルフローを示す。
【0163】
プロセスは、ステップ2400で開始し、第1の新たなメッセージに関して、このメッセージのサイズが、特定のキャッシュメモリに関して、および(随意に)特定のメッセージカテゴリ、たとえば、映画の予告編、野球ハイライト、気象通報および衣料品販売に関して、ある最大メッセージサイズ以下であるかどうかの判断を行う。新たなメッセージのサイズがステップ2400のキャッシュメモリ要件に順応する場合は、制御はステップ2402にジャンプし、適合しない場合は、制御はステップ2408に進む。
【0164】
ステップ2402で、新たなメッセージをキャッシュメモリ中に入れる。次に、ステップ2404で、この新たなメッセージのメッセージ値を計算し、キャッシュ中の様々なメッセージの「優先キュー」、および随意にキャッシュのメッセージカテゴリの「優先キュー」を、この新たなメッセージのメッセージ値で更新する。次いで、ステップ2406で、この新たなメッセージに基づいて、(やはり、特定のメッセージカテゴリの随意の更新とともに)利用可能なキャッシュサイズを更新する。そのようなメッセージ値を使用して、キャッシュ内の各カテゴリの優先キューを維持することができることに留意されたい。周期的に(事前定義されたスケジュールで)、エンジンは、キャッシュ中の様々なメッセージ値を再計算し、新たな値に基づいて、優先キューを再調整することができる。キュー中の値は現在の値がどれぐらいであるかの良好な近似であるので、値ベースの優先キューのそのような周期的更新により、新たなメッセージがキャッシュ置換候補として考慮されたときに費やされる時間がより少なくなることがある。次いで、プロセスは、(以下で説明する)ステップ2430に進む。
【0165】
ステップ2408で、この新たなメッセージのメッセージ値を計算する。次に、ステップ2410で、この新たなメッセージがデフォルトメッセージであるべきかどうかについての判断を行う。新たなメッセージがデフォルトメッセージであるべきである場合は、制御はステップ2412にジャンプし、そうではない場合は、制御はステップ2420に進む。
【0166】
ステップ2412で、この新たなメッセージの値が、キャッシュ中にすでに存在する同じタイプのデフォルトメッセージの値よりも大きいかどうかについての判断を行う。デフォルトメッセージとしてマークを付けられ、すでに記憶されたメッセージのうちの1つまたは複数よりも大きい値を有する新たなメッセージを優先することができる。(新たなメッセージが、置換される(1つまたは複数の)メッセージよりもサイズが大きい場合、または(1つまたは複数の)新たなメッセージが、そのようなカテゴリの以前のデフォルトメッセージが存在しない新たなメッセージタイプに合っている場合)これらのメッセージはキャッシュ中に収容できるので、追加のサイズを計算することができる。新たなメッセージよりも低い値である古いデフォルトメッセージは、置換のためにマークを付けることができる。各メッセージタイプは、通常、固定数(通常、1つ)のデフォルト候補を有することができる。新たなメッセージ値がより大きい場合は、制御はステップ2414にジャンプし、より大きくはない場合は、制御はステップ2422に進む。
【0167】
ステップ2414で、すべてのデフォルトメッセージの合計サイズを更新し、ステップ2424で、置換される既存のキャッシュされた(1つまたは複数の)メッセージに削除のマークを付け、新たなメッセージにはキャッシュへの追加のマークを付ける。どのようにキャッシュがメッセージの様々なカテゴリに分割または割り当てられるかに基づいて、各カテゴリに関して新たなスペース割当てを計算することができることに留意されたい。制御はステップ2430に進む。
【0168】
ステップ2422で、新たなメッセージに削除のマークを付け、制御はステップ2430に進む。
【0169】
ステップ2420で、各新たな非デフォルトメッセージの新たなメッセージ値を、様々なメッセージカテゴリのそれぞれの優先キューに追加し、制御はステップ2430に進む。
【0170】
ステップ2430で、考慮されるべきさらなるメッセージ候補が存在するかどうかについての判断を行う。さらなるメッセージ候補が利用可能な場合、制御はステップ2440にジャンプして戻り、考慮のために次のメッセージを選択し、次いで、制御はステップ2400まで戻り、次のメッセージを処理のために利用可能にし、さらなるメッセージ候補が利用可能でない場合、制御はステップ2450に進む。
【0171】
ステップ2450で、合計キャッシュサイズと、デフォルトメッセージによって占められるメモリの量と間の差に基づいて、すべての新たな非デフォルトメッセージの利用可能なサイズを判断する。次に、ステップ2452で、何らかの「カテゴリ比」に基づいて、助変数方程式に基づいて、あるいはルールおよび/または式の何らかの他のセットによって、メッセージの各カテゴリの利用可能なメモリを計算する。制御はステップ2454に進む。
【0172】
ステップ2454で、メッセージの各それぞれのカテゴリの利用可能なメモリに順応させるために、各メッセージカテゴリに関して、最低の関連する値を有する様々なメッセージに削除のマークを付ける。次に、ステップ2456で、削除のマークが付けられたメッセージをキャッシュから除去し、また、それらのメッセージのそれぞれの値エントリをそれぞれの優先キューから除去する。次いで、ステップ2458で、削除のマークが付けられた新たなメッセージを要求し、また、それらのメッセージのそれぞれの値エントリをそれぞれの優先キューから除去する。制御はステップ2460に進む。
【0173】
ステップ2460で、削除のマークが付けられていない新たなメッセージをキャッシュに追加し、それらのメッセージのそれぞれの値エントリをそれぞれの優先キュー中に保持する。制御はステップ2470に進み、プロセスは停止する。
【0174】
メッセージ値およびメッセージ値属性を判断することに関して、以下が考慮できる。すなわち、
メッセージ値属性。メッセージに関する値を計算することは、メッセージのタイプに基づいて、いくつかの属性を考慮することができる。いくつかのこれらの属性は、メッセージ対応通信システムにわたるメッセージ配信方式、たとえば、広告キャンペーンに対する集中制御を維持するようにサーバによって定義できるが、メッセージ値計算に取り入れられる属性のうちのいくつかは、それぞれのユーザがメッセージとどのように対話するかに基づいて、モバイルクライアント/W−AT上で判断できる。
【0175】
サーバベースの値属性。
【0176】
収入インジケータ(RI)。メッセージ/広告の提供/クリック当たり獲得される収益を示す1からN(たとえば、100)までの範囲内の値。より高い値は、より高い収益を示す。
【0177】
優先インジケータ(PI)。モバイルメッセージ配信システムにわたるパフォーマンス、たとえば、広告主の広告キャンペーンの効果の何らかの測度に基づいて、メッセージに関してシステムオペレータがスケジュールした優先度レベルを示す1からM(たとえば、10)までの範囲内の値。この数は、所与のメッセージ配信キャンペーンの優先度を高めるようにオペレータによって増加できる。
【0178】
メッセージ配信キャンペーンの開始時刻および終了時刻(TSTARTおよびTEND)。メッセージ配信キャンペーン閲覧開始時刻およびメッセージキャンペーン閲覧終了時刻に関するUTC時刻。メッセージキャンペーン閲覧終了時刻の後、メッセージは、有効期限が切れ、モバイルメッセージ配信システム内でもはや見せないことができる。メッセージはまた、この時刻にそれぞれのキャッシュから除去できる。
【0179】
全体的なシステムクリックスルーレート(CTR)。これは、モバイルメッセージ配信システム内でメッセージを提供されたターゲットユーザプロファイルをもつすべてのクライアントにわたるメッセージキャンペーンの全体的なクリックスルーレートを示すように、サーバによって含められる随意の属性である。CTRは、ユーザアクションまたはクリックベースのメッセージ/広告に関してのみ適用可能である。CTRはまた、CTRの精度を示す信頼レベル(CTRCONFIDENCE)を関連付けることができる。CTRCONFIDENCEが、あるしきい値未満である場合、1からP(たとえば、100)までの範囲内のランダムなCTRを生成して、それぞれの値計算において代替的に使用することができる。このことにより、システムは、特定の新たなメッセージ/広告キャンペーンの加入者セグメントに対する様子を試験することができる。
【0180】
ターゲットメッセージ提供カウント(MAXSERVE)。これは、同じメッセージが同じユーザに示される最大回数を定義する属性である。
【0181】
ターゲットユーザアクションカウント(MAXUSERACTION)。これは、提供されたメッセージに対してユーザが行うアクションの最大回数を定義する属性であり、この回数の後、それぞれのキャッシュからメッセージの有効期限が切れる。様々な実施形態では、この属性は、ユーザアクションまたはクリックベースのメッセージ/広告に関してのみ適用可能である。
【0182】
1日当たりの最大メッセージ提供カウント(DAILYMAXSERVE)。これは、単一の日のうちに同じユーザに同じメッセージを示すことができる最大回数を定義する属性である。
【0183】
1日当たりの最大ユーザアクションカウント(DAILYMAXUSER_ACTION)。これは、提供されたメッセージに対してユーザが行うアクションの最大回数を規定する属性であり、この回数の後、そのメッセージは、その日はユーザに提供されない。様々な実施形態では、この属性は、ユーザアクションまたはクリックベースのメッセージ/広告に関してのみ適用可能である。
【0184】
クライアントベースの値属性。
【0185】
累積メッセージ提供済みカウント(CUMSERVE)。既存のメッセージが特定のユーザにすでに提供された回数。
【0186】
累積ユーザアクションカウント(CUMUSER_ACTION)。既存のメッセージがユーザアクションを呼び出した回数。累積メッセージ提供済みカウントとともに、累積ユーザアクションカウントを使用して、メッセージに関するローカルクライアントクリックスルーレート(LCTR)を計算することができる。様々な実施形態では、この属性は、ユーザアクションまたはクリックベースのメッセージ/広告に関してのみ適用可能である。
【0187】
1日当たりの累積メッセージ提供済みカウント(DAILYCUMSERVE)。既存のメッセージが所与の日のうちにユーザにすでに提供された回数。この値は、各24時間周期の始めに0にリセットできる。
【0188】
1日当たりの累積ユーザアクションカウント(DAILYCUMUSER_ACTION)。既存のメッセージが所与の日のうちにユーザアクションを呼び出した回数。この値は、各24時間周期の始めに0にリセットできる。様々な実施形態では、この属性は、ユーザアクションまたはクリックベースの広告に関してのみ適用可能である。
【0189】
ユーザプロファイル適合インジケータ(MI)。通常、1から100までの間のこの数は、ターゲットユーザプロファイルがモバイルメッセージ配布対応クライアントのユーザのユーザプロファイルにどれだけ良く適合するかを示すことができる。
【0190】
キャッシュミス状態適合インジケータ(FLAGCACHE_MISS_MI)。アプリケーションがキャッシュマネージャにメッセージを求めるが、キャッシュ中のメッセージのいずれもアプリケーションゲーティング基準に適合しないことがある。そのような例はキャッシュマネージャによって記録できる。この属性は、新たなメッセージが最も新しく記録されたキャッシュミスに適合するかどうかを判断する。この属性は、この属性が最新のキャッシュミスのうちの1つに適合する場合は、論理「1」であり、合致しない場合は、論理「0」である。このフラグは、キャッシュからアプリケーションによってメッセージにアクセスが行われた後、リセットできる。その新たなメッセージがキャッシュエントリのために選択された場合、キャッシュミスエントリは、記録されたキャッシュミスのリストから除去できる。
【0191】
再生確率インジケータ(PPI)。0からP(たとえば、100)までの間のこの数は、特定のメッセージタイプを再生することが可能なフィルタリングエージェントに加入登録しているアプリケーションの数、デバイスユーザによるアプリケーションの相対使用率などに基づいて、そのメッセージの再生確率を示すことができる。
【0192】
値属性のうちのいくつかは、ある種類のメッセージのみに適用可能であるので、値計算は、メッセージの異なるカテゴリに対して異なる。各カテゴリに関して、その特定のカテゴリに関する式を使用して計算された値に基づいて、別個の優先キューが維持できる。
【0193】
メッセージ値計算式。システムオペレータからのフィルタルールは、各カテゴリに関する値計算式、および計算に用いられる重みを判断することができる。各カテゴリにおけるメッセージ値(V)を計算するために使用される式の例示的な一般的な表現は、以下のようになる:
【数1】

【0194】
また、正規化されたメッセージ値は以下のようになる:
【数2】

【0195】
ただし、MULT_ATTRは、第a番の乗法値属性であり、ADD_ATTRは、第b番の加法値属性であり、MAX_ADD_ATTRは、第b番の加法値属性の最大値であり、WTは、式、τ=tELAPSEDi/TINTERVALiにおいて第b番の加法値属性に割り当てられた重みであり、f(τ)は、時間ベースの値崩壊関数であり、TINTERVALiは、メッセージが示される間の第i番の間隔持続時間であり、tELAPSEDiは、第i番の間隔中にすでに経過した時間であり、MAXSERVEiは、第i番の間隔内に同じユーザに同じメッセージを示すことができる最大回数であり、CUMSERVEiは、既存のメッセージが第i番の間隔内にユーザにすでに提供された回数である。
【0196】
以下は、異なるカテゴリに関する値計算式のうちのいくつかの例である。
【0197】
インプレッションベースのターゲットメッセージに関する値計算、すなわち、
【数3】

【0198】
インプレッションベースの非ターゲットメッセージに関する値計算、すなわち、
【数4】

【0199】
ユーザアクションベースのターゲットメッセージに関する値計算、すなわち、
【数5】

【0200】
ユーザアクションベースの非ターゲットメッセージに関する値計算、すなわち、
【数6】

【0201】
ただし、RIは、1から100までのスケール上の収益インジケータ値であり、PIは、1から10までのスケール上の優先インジケータ値であり、CTRは、所与のユーザプロファイルに関するシステム内のメッセージに関するクリックスルーレートであり、LCTRは、特定のクライアントに対するメッセージに関するクリックスルーレートであり、MIは、1から100までのスケール上のターゲットユーザプロファイルとユーザのプロファイルとの間の適合インジケータであり、FLAGCACHE_MISS_MIは、0または1のいずれかの値をもつメッセージタイプとキャッシュミス状態との間の適合インジケータであり、PPIは、1から100までのスケール上のメッセージ再生確率インジケータであり、WTRIは、計算における収益インジケータに関する重みであり、WTMIは、計算における適合インジケータに関する重みであり、
WTCACHE_MISS_MIは、計算におけるキャッシュミス状態適合フラグに関する重みであり、WTCRTは、計算におけるユーザプロファイル固有のシステムクリックスルーレートに関する重みであり、WTLCTRは、計算におけるメッセージに関するクライアント固有のクリックスルーレートに関する重みであり、WTPPIは、値計算におけるメッセージ再生確率インジケータに関する重みである。
【0202】
f(τ)に関する例。
【0203】
線形崩壊。f(τ)=(1−τ)*u(1−τ)
線形崩壊を限界とする、より速い指数関数的崩壊。f(τ)=(1−τ)e−λτ*u(1−τ)であり、ただし、λ=0である場合は、線形崩壊が生じ、τ=0である場合は、f(τ)=1であり、τ=1である場合は、f(τ)=0である。
【0204】
線形崩壊を限界とする、より遅いS字形崩壊。f(τ)=(1−τ)[(1+α′)/(1+α′eλτ)]*u(1−τ)であり、ただし、λ=0である場合は、線形崩壊が生じ、τ=0である場合は、f(τ)=1であり、τ=1である場合は、f(τ)=0であり、さらに、ただし、x>0である場合は、u(x)=1であり、x<=0である場合は、u(x)=0である。また、λおよびα′は、時間に基づいてシステムオペレータによって指定された値崩壊レート定数である。
【0205】
メッセージ適合インジケータ計算。上記で簡単に説明したように、ユーザプロファイル適合インジケータ(MI)は、ターゲットユーザプロファイルがモバイルメッセージ配信対応クライアントのユーザのユーザプロファイル、およびユーザの過去のメッセージ/広告閲覧履歴またはユーザのメッセージ/(1つまたは複数の)広告選好の何らかのメトリックのいずれかにどれだけ良く適合するかを示す、必ずしも0から100までの間にはない数である。MIは、スカラー数量として説明できるが、設計選好に応じて、たとえば、多項式関数またはベクトルを使用して、1つまたは複数の代替の「重み付け」方式が考案できることを諒解されたい。したがって、本開示の趣旨および範囲を逸脱することなく、(たとえば、スカラーまたは非スカラーの、単一値または多値の)他の値を割り当てることができる。
【0206】
説明のために、0から100までの間のスケール量は与えられる最も単純な範囲のうちの1つであるので、この範囲を使用して、広告適合指示計算のいくつかの実装形態について説明する。必要に応じて他の範囲を使用することができる。1つのそのような実装形態は、広告主によって指定された独立したターゲットルールグループの各々に関して信頼レベル値を生成するために使用されるあいまい論理を利用する。これらの信頼レベルから、これらの信頼レベルの重み付け和を使用して、ユーザのプロファイルに対する広告の適合インジケータ値に到達することができる。以下の非限定的な式を1つのタイプのあいまい論理の一例として使用することができ、
【数7】

【0207】
ただし、ユーザのプロファイルに対するメッセージに関する全体的な適合インジケータ(MI)は、信頼レベル(CONF_LEVEL)の合計に、属性値(b)に対応する重み(WT)を掛けて、第b番の加法属性に対応する重み(WT)の合計で割った値に関係する。
【0208】
信頼レベル計算の一例として、15〜24歳の年齢範囲中の40Kを超える収入をもつ女性、または25〜34歳の年齢範囲中の70Kを超える収入をもつ女性を(1つまたは複数の)広告のターゲットとすることを所望する広告主を想定する。関心対象のユーザプロファイル要素の値を知っており、関連する信頼レベルが以下のようになるものと想定する。すなわち、
【表1】

【0209】
ルールグループの信頼レベルは、以下のようになる。すなわち、女性=50%
15〜24歳で40Kを超える収入をもつ、または25〜34歳で70Kを超える収入をもつ合成ルールグループの場合、最大/最小手法が使用できる。たとえば、この2つのグループ化の最小値の最大値(たとえば、MAX(MIN(40,65),MIN(35,45))をとると、このグループ化に関して40%の信頼レベルであるMAX(40,35)がもたらされる。
【0210】
ルールグループ全体の全体的なMIは、「女性」信頼レベル50%と合成信頼レベル40%との組合せに、関連するWTを掛けて、関連するWTの合計で割った値である。上述のように、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、他の形態のあいまい論理が使用できる。
【0211】
このことは、ユーザプロファイル適合インジケータ値を判断する1つの手法を示すが、広告主のターゲットプロファイルとユーザのプロファイルとの間の適合の推理された指示に到達するために、統計平均、曲線の当てはめ、回帰分析などの他の手法が使用できる。上述の手法は、主にスカラー手法であるものと理解されるが、ベクトル表現(たとえば、ドット積)、人工ニューラルネットトポロジなどを使用する非スカラー手法が使用できる。
【0212】
たとえば、個別のルールグループに関する各属性の信頼レベルは、n次元ベクトルによって表現できる。n次元ベクトルは、必要な場合(たとえば、異なる個々のルールグループが別々にベクトル化される場合)、広告ルールグループ信頼度の全体的な交差または射影をもたらすように、他のm次元の個々のグループとのドット積とすることができる。次いで、この値をユーザのプロファイルの数学的表現を用いて(射影空間に応じて)スカラー演算するか、または「ドット積演算」して、適合指示信頼レベルを生成することができる。
【0213】
バブルまたは階層手法などの他の適合タイプアルゴリズムが使用できる。もちろん、広告適合のより正確なおよび/または効率的な判断に到達するために、所望される場合、これらおよび他の手法の様々な形態を使用することができることを理解されたい。適合アルゴリズムは、所望される場合、モバイルメッセージ配信システム上、またはモバイルメッセージ配信対応クライアント上に常駐することができる。さらに、選択された構成およびリソースに応じて、これらのアルゴリズムのいくつかの部分は、メッセージ配信システムまたはメッセージ配信対応クライアントの間で解析できる。
【0214】
図25は、本発明の実施形態による例示的なユーザプロファイル適合インジケータ(MI)プロセス2500を示すフローチャートである。例示的なプロセス2500は、上述のアルゴリズム/方式のうちの任意の1つまたは複数を実施する。例示的なプロセス2500は、ステップ2510で開始され、ステップ2520に進み、メッセージターゲットパラメータ、たとえば、広告主の広告ターゲットパラメータを集約し、特徴付ける。
【0215】
次に、ステップ2530で、例示的なプロセスは、ターゲットパラメータのメトリックまたは数学的表現を生成することに進む。様々な実施形態では、このステップは、単に、パラメータ特性を、0から100までの範囲を有するスカラー値などの扱いやすい数に変換することを必要とする。もちろん、設計選好に応じて、正および/または負にかかわらず、任意の範囲を使用することができる。ステップ2530で、広告主のターゲットパラメータを数学的表現または値によって表す。たとえば、広告主がすべての女性をターゲットとすることを所望し、女性対男性加入者比に通じていない場合、広告主の要求は、プロバイダの加入者人口内訳に従って変換される。すなわち、プロバイダの加入者人口の女性対男性比が1:1と想定すると、これは、50%または0.50という値となる。代わりに、特定のプロバイダに関するそれぞれの加入者性別比が1:2である場合は、約33.3%の加入者人口または約0.333という値に変換される。
【0216】
ベクトルまたはパラメータ化された表現への変換などの他の操作をターゲットパラメータに対して実行することができることを理解されたい。また、ターゲットパラメータが提示される初期フォーマットに応じて、ステップ2530は、ほとんどまたはまったく操作せずに、単にパラメータを次のステップに転送することからなることもある。すなわち、ターゲットパラメータは、後続のステップによる処理に適用できる形態にすでになっており、変換を必要としないことがある。制御はステップ2540に進む。
【0217】
ステップ2540で、公式化された数学的表現またはメトリックの随意の条件付けまたは変換を行う。たとえば、メッセージのターゲットパラメータの複雑度、およびメッセージのターゲットパラメータに割り当てられた定義スペースに応じて、さらなる処理および操作を実行する必要があることがある。たとえば、異なる広告ターゲットパラメータ間の相関が実行できる。たとえば、広告主が、現在加入者である特定のエリアコード内の18〜24歳の間の年齢範囲を有する女性ターゲットプロファイルを所望する場合、信頼レベルまたは他のタイプの数学的推論を行って、広告ターゲットパラメータセット全体の、より単純なまたはより効率的な表現を与えることができる。適宜、他の形態の相関または操作が使用できることを諒解されたい。さらに、モバイルクライアントの処理機能、および/または他の実際的な考慮事項に基づいて、より効果的なまたはより効率的な適合のためにメトリックを改良するまたはメトリックの複雑度を低減することが所望される。制御はステップ2540に進む。
【0218】
ステップ2550で、ユーザプロファイルに対するメッセージターゲットプロファイルに関するフィットの適合メトリックまたは適合性を判断するためのメッセージ適合アルゴリズムを実行する。このプロセスは、本明細書で説明する、または当技術分野で知られているいくつかの可能な適合アルゴリズムのいずれか1つを使用することができることが明らかであろう。非限定的な例はあいまい論理、統計的方法、ニューラルネット、バブル、階層などである。次に、ステップ2560で、全体的なユーザ適合指示値、全体的な信頼レベル、またはユーザのプロファイルに対するメッセージの適合性のレベルを示す他のメトリックを生成する。ユーザ適合プロファイル指示の判断時に、これは、たとえば、単純にスカラー数、あるいは「はい」または「いいえ」値であり、制御はステップ2570に進み、プロセスは終了する。
【0219】
上記の例示的なプロセス2500に基づいて、ターゲット人口のために指定された広告および他のメッセージをユーザのプロファイルに適合して、ユーザのプロファイルに対する、そのメッセージ/広告の適合性を判断することができる。したがって、高いまたは許容できる適合指示が与えられた場合、そのメッセージ/広告は、ユーザがそのメッセージに好意的に応答するものと期待して、またはユーザとの取り決めに従って、ユーザに転送できる。したがって、ユーザに対して「調整された」広告/メッセージをユーザに効率的に伝播することができる。
【0220】
図26は、本発明の実施形態による例示的なユーザプロファイル適合インジケータ2600を示すブロック図である。この例示的なユーザプロファイル適合インジケータ2600は、ターゲットプロファイルジェネレータ2610と、広告サーバ2620と、ユーザプロファイルジェネレータ2630と、プロファイル−プロファイル比較器2640と、記憶システム2660とを含む。
【0221】
動作中、比較器2640は、ユーザシステム(図示せず)中に収容され、ターゲットプロファイルジェネレータ2610によって転送された情報を、ユーザプロファイルジェネレータ2630によって転送された情報と比較することができる。ターゲットプロファイルジェネレータ2610は、広告サーバ2620によって供給された広告に関係する属性を転送することができ、これらの情報/属性は、ユーザプロファイルジェネレータ2630によって供給される、ユーザのプロファイルの情報/属性と比較できる。比較器2640中に含まれるアルゴリズムに基づいて、ユーザプロファイルに対するターゲットプロファイルの適合性のレベルまたは信頼レベルを示す適合指示が公式化できる。適合指示に基づいて、ターゲットプロファイルの属性と一致する広告サーバからの広告および/または情報を記憶システム2660に転送することができる。記憶システム2660はユーザシステム上に常駐することができる。したがって、ユーザのプロファイルのプライバシーを漏洩することなしに、「調整された」広告および/または情報をユーザに転送することができる。
【0222】
過去の閲覧履歴に基づくキーワード相関。上述の適合インジケータ計算における潜在的な入力のうちの1つが、以前の閲覧されたメッセージ、すなわち、ユーザの「閲覧履歴」と、新たなメッセージとの間から導き出された相関値である。このコンテキストでは、メッセージは、設計選好に応じて、広告販売インターフェイスにおける辞書からのキーワードに関連付けられる。図27に関して、メッセージ配信に関連するキーワードの例示的な生成および使用を記述するプロセスについて説明する。
【0223】
プロセスは、ステップ2710で開始し、ステップ2720に進み、キーワードを様々なメッセージに割り当てる。たとえば、婦人の衣料品を対象とする広告は、「ファッション」、「女性」、「衣類」、および「高価な」を含む4つのキーワードを有することができる。この(1つまたは複数の)キーワードは、あるジャンルの広告/メッセージに広く関連付けるか、または特定の種類の(1つまたは複数の)広告/(1つまたは複数の)メッセージに個々に関連付けることができる。したがって、所望の解決または区別のレベルに応じて、複数のキーワードを特定の広告/メッセージに関連付けることができ、またはその逆も同様である。様々な実施形態では、キーワードは、広告/メッセージ辞書またはインデックスに限定できる。
【0224】
続いて、特定のメッセージとキーワードの意味との間の関連付けの強度を記述するのを助けるために、そのようなキーワードに重み(たとえば、0から1までの間の数)を与えることができる。キーワードが、関連付けられたまたは加えられた重みを有しないと判断された場合、その重みは、1/nであるものと仮定され、ただし、nは、メッセージに関連付けられたキーワードの総数である。このようにして、ある意味で、全体的なキーワード値を所望の範囲内に正規化するために、総平均重みが1/nファクタによって適用できる。
【0225】
割り当てられた重みは、特に複数のキーワードのコンテキストでは、ある程度の正規化を与えることができ(たとえば、各キーワードが最大値1を有するn個のキーワードがあるとすれば、1/n)、または所定のしきい値または推定値に従ってキーワードまたは広告/メッセージを「評価する」ために使用できる。たとえば、いくつかのキーワードは、現在のイベントまたは何らかの他のファクタに応じて、より高いまたはより低い関連性を有することができる。したがって、重み付けを介して、適宜、強調または強調解除がこれらの特定のキーワードに課せられる。ステップ2720は、固定キーワード値推定に関するキーワード関連付けの一部として、キーワードに重みを割り当てる手段を有するものと想定される。しかしながら、いくつかの例では、重みが事前割当てされず、または重み評価が未定である。それらの例では、任意の値、たとえば、重み1がキーワードに割り当てられる。これらのキーワードは、モバイルクライアントに転送されるものと想定される。制御はステップ2730に進む。
【0226】
ステップ2730で、メッセージに対するユーザ応答を監視する。動作中、メッセージがユーザに提示され、すると、ユーザは、それらのメッセージを「クリックする」か否かを選択することができる。本技術では明らかなように、「クリック」という用語は、メッセージのプレゼンスに対する任意の形態のユーザ応答を意味するか、またはオペレーショナルメッセージシーケンスの一部であると仮定できる。いくつかのユーザ実施形態では、選択解除のいくつかのコンテキストと同様に、応答のないことは、肯定的なクリックしない応答、または消すようにクリックする応答と解釈できる。したがって、様々な広告/メッセージに対するモバイルクライアントユーザの応答が履歴的に読み取られる。
【0227】
一般的な人口に関して、さらには広告/メッセージのターゲット人口に関して、ユーザの「クリック」応答を監視することにより、ユーザの関心の初期評価が得られる。
【0228】
様々な実施形態では、所与の広告/メッセージ、または一連の広告/メッセージに関するユーザの応答時間を、その広告/メッセージに対するユーザの関心を読み取るために使用することができる。たとえば、ユーザは、異なる度合いの関連性またはキーワードを各々が有するいくつかの広告/メッセージをクリックスルーすることができ、クリックスルーまたはトンネリングのレートはユーザの関心を示すものと理解できる。制御はステップ2740に進む。
【0229】
ステップ2740で、特定の広告/メッセージおよび対応する(1つまたは複数の)キーワードのユーザ選択(たとえば、クリック)の比較を実行して、少なくとも「ベースライン」相関メトリックを確立する。この場合も、キーワードが関連付けられた広告/メッセージに対するユーザの関心を判断する際に、選択および/または選択のレートが使用できることに留意されたい。この比較により、様々なキーワードとユーザの広告/メッセージ選好との間の相関が与えられる。この相関は、たとえば、統計的方法、あいまい論理、ニューラル技法、ベクトルマッピング、主成分分析などのいくつかの方法のいずれか1つを使用して、達成できる。ステップ2740から、広告/メッセージに対するユーザの応答の相関メトリックを生成する。
【0230】
様々な例示的な実施形態では、メッセージ配信システムおよび/またはW−AT上に組み込まれた「キーワード相関エンジン」は、特定のメッセージ/広告が、特定のキーワードを用いてユーザに提示された(または転送された)回数の総数(たとえば、N_total−keyword)を、そのキーワードに関するクリックの総数(たとえば、N_click−keyword)とともに追跡することができる。N_click−keyword/N_total−keywordの比を計算して、キーワードとユーザの応答との相関を判断することができる。メッセージに関するキーワードの重みは、所与のメッセージに関連付けられた重みなしにキーワードが指定された場合、1であると仮定できる。上述のように比を公式化することにより、キーワードがタグ付けされた広告に対するユーザの反応または関心を読み取るためのメトリックを生成し、それに応じて適合の改良または改善を考案することができる。上記の例では、ユーザの関心を示すために肯定的なクリックを使用することができる。しかしながら、この場合も、いくつかの実施形態では、クリックしないこと、または直接の応答がないことを使用して、関心レベルまたは適合関連性を推論することができることを諒解されたい。
【0231】
例示的な一実装形態の例として、所与の(1つまたは複数の)広告に関するN個のキーワードが存在するものと仮定する。関連付けられたキーワード重みに基づいて、N次元ベクトルAを作成することができる。各次元でユーザに対する(1つまたは複数の)広告に関する各キーワードの相関測度を用いて、N次元相関ベクトルBを作成することができる。次いで、ベクトルAおよびBの関数である、ユーザに対する広告の相関を確立するためのスカラー相関測度Cを作成することができる。相関測度Cは、いくつかの実施形態では、単純に、ベクトルAとベクトルBとのドット積(C=(1/N)A・Bであるので、C=A・B)とすることができる。このスカラー相関測度Cは、そのユーザの以前の広告閲覧履歴に基づいて、広告がどれだけ良く特定のユーザをターゲットとしているかの非常に単純で直接的な測度を提供する。もちろん、パラメータ化、非スカラー変換など、A−B対応を相関させるために他の方法が使用できる。
【0232】
上述の手法では、キーワード辞書が互いに独立しているキーワードを有するものと仮定する。キーワードが相互に関係している場合、あいまい論理を使用して、相互に関係するキーワードのセットの結合された重みを作成することができる。多項式の当てはめ、ベクトル空間分析、主成分分析、統計的適合、人工ニューラルネットなどの、他の形態の論理または相関を実装することができる。したがって、本明細書で説明する例示的な実施形態は、必要に応じて、任意の形態の適合またはキーワード−ユーザ相関アルゴリズムを使用することができる。制御はステップ2750に進む。
【0233】
ステップ2750で、モバイルクライアントまたはユーザは、様々な予想されるターゲットメッセージ/広告に関連付けられた「(1つまたは複数の)ターゲットキーワード」を受信する。次に、ステップ2760で、受信した(1つまたは複数の)ターゲットキーワードを評価して、適合が存在するかどうか、またはその(1つまたは複数の)キーワードが許容できるしきい値を満たすかどうかを判断する。様々な実施形態では、適合評価は、所望される場合、統計的方法、あいまい論理、ニューラル技法、ベクトルマッピング、主成分分析などの、より高度なアルゴリズムを含むことができる。ステップ2740の相関プロセスとステップ2760の適合プロセスとは、補完的であることを諒解されたい。すなわち、設計選好に応じて、または転送される広告/メッセージキーワードのタイプに応じて、それぞれのプロセスとともに異なるアルゴリズムが使用できる。制御はステップ2770に進む。
【0234】
ステップ2770で、許容のしきい値内で適合すると考えられるターゲットメッセージをユーザに転送および/または表示する。広告/メッセージを転送することは、いくつかの形態のいずれか1つをとることができ、1つのそのような形態は、たとえば、単純に、適合する広告/メッセージがユーザのデバイスによって受信され、閲覧されることを許可することである。いくつかの実施形態では、適合しない広告/メッセージは、ユーザに転送できるが、インスタンス化または閲覧を防止するように無効化される。したがって、ユーザの選好またはプロファイルが後に変更された場合、以前は許容できない広告/メッセージであったが今は許容できる広告/メッセージがユーザのデバイス上に常駐でき、適切に閲覧できる。もちろん、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、「適合する」または「適合しない」と考えられる広告/メッセージを利用可能にするための他の方式を考案することができる。ステップ2770の後、例示的なプロセス2700はステップ2780に進み、プロセスは終了する。
【0235】
上記の例示的なプロセス2700の使用により、ユーザの関心に適切となるようにターゲット広告/メッセージをフィルタリングすることができる。最初に、ユーザの関心は、キーワード割当ておよび適合を介して、広告/メッセージのセットに対してユーザのモバイルクライアント上のユーザの「クリック」応答を履歴的に監視することによって、確立できる。次いで、現在観察されている(1つまたは複数の)ユーザ応答に基づいてユーザの関心プロファイルを更新することによって、動的監視を達成することもできる。したがって、ターゲット広告/メッセージのより直接的なまたはより効率的な伝播が得られ、より満足のいくモバイルクライアント経験がもたらされる。
【0236】
続いて、デバイスの寿命中、かなりの量の情報が、ユーザに関連するモバイルデバイスを通ってフローすることがあることに留意されたい。ユーザは、ユーザに提示される情報のいくらかの部分と対話することができる。メモリの制約により、モバイルデバイス自体の上にすべてのそのような情報を記憶することは不可能であることがある。また、デバイスを通ってフローするすべてのそのような情報に関連するすべてのメタデータおよびユーザ応答を記憶することは、実行可能でさえないことがある。したがって、ユーザに関係するすべての過去の情報を記憶する必要なしに、関係するコンテンツ/情報がユーザに提示されるように、ユーザ行動に基づいてユーザ選好をキャプチャするユーザモデルを作成することが望ましい場合がある。
【0237】
したがって、図28に示すように、ユーザ選好および提示された情報をキャプチャすることが可能な「キーワード学習エンジン」2810を作成することが望ましい場合がある。キーワード学習エンジンとともに、ユーザに提示される新たな情報に対するユーザ関心の可能性を示唆する、学習されたモデルに基づく「キーワード予測エンジン」2820を有することが望ましい場合がある。これは、関係する情報がユーザに提示されるように、新たなコンテンツがモバイルデバイスに到着したときに、そのコンテンツをフィルタリングする際に役立つことがある。
【0238】
動作中、モバイルデバイスに到着する情報に関連するメタデータは、学習エンジン2810および予測エンジン2820において使用できる。また、提示された情報に関連する任意のユーザ応答を学習エンジン2820において使用することができる。動作中、学習エンジン2810は、すべての過去の情報、たとえば、それぞれの提示された情報に関連するメタデータおよびユーザ行動を使用することができる。入力に基づいて、学習エンジン2810は、そのような入力を改良して、学習されたユーザ選好モデルを与えることができる。次いで、このユーザ選好モデルは、予測エンジンにおいて使用され、予測エンジンは、新たな情報に関係するメタデータを受信し、次いで、メタデータをユーザ選好モデルと相関させて、その新たな情報に関する予測されたユーザ適合インジケータ/指示を与えることができる。次いで、このユーザ適合インジケータ/指示は、その情報をユーザに提示するか否かを判断するために使用できる。
【0239】
ユーザ選好は、学習されている活動に関するコンテキストによることができることを諒解されたい。たとえば、ユーザは、ユーザが見ることを所望する広告に関して異なる選好を有し、ユーザがブラウズすることを所望するウェブページに関して異なる選好のセットを有することができる。たとえば、ユーザは、地域コミュニティニュースにおける犯罪についてのウェブ上のニュースを、安全の見地からそのような活動を知るために読むことがあるが、そのことは、ユーザが広告を介して銃を購入することに関心があることを暗示するべくもない。したがって、プラットフォーム上のメッセージ提示エンジンは、ユーザのウェブブラウザ選好に関して、異なるユーザ選考を反映することができる。他のコンテキストは、プラットフォーム上の音楽アプリケーション、またはプラットフォーム上のスポーツアプリケーションに関係するユーザ選好を含むことができる。一般に、学習および予測エンジンは、コンテキストごとに要求できる。
【0240】
本明細書では、ターゲットコンテンツメッセージ/広告を処理することなど、所与のコンテキストに関する学習および予測のための例示的なアーキテクチャおよびアルゴリズムを提供する。提案するアーキテクチャおよびアルゴリズムは、一般性を失うことなしに、異なるコンテキストに適用できる。
【0241】
問題となる1つのタスクは、ユーザに提示された(広告などの)ターゲットコンテンツメッセージに対するユーザの応答から、ユーザの好き嫌いを学習することなど、所与のコンテキストにおけるユーザの電話使用習慣からユーザ選好を学習することである。目的は、高速で、提示されるデータの量に合わせてスケーリングされない学習アルゴリズムを用いたソリューションを提供することである。
【0242】
さらに、利用可能な予測エンジンは、システムによって学習されたモデルに基づいて、新たなメッセージ/情報がモバイルデバイスに到着したとき、所与のユーザの学習された選好に対するその情報の適合インジケータを提示することができる。この適合インジケータを(随意に収益情報またはサイズ情報などの)他のシステム制約とともに使用して、その情報をユーザにリアルタイムで提示すべきかどうかについての決定を行うか、またはモバイルデバイス上のスペースが制約されたターゲットコンテンツメッセージキャッシュ中などのユーザのモバイルデバイス上に情報を記憶すべきかどうかの決定を行うことができる。
【0243】
例示的なアーキテクチャフローを図29に示す。図29に示すように、メッセージサーバ2620は、ユーザ2990がスターバックス店舗の前を歩いてまたは運転して通るときに、ユーザのモバイルデバイス100に、スターバックスコーヒー広告などの単一のメッセージを配信することができる。予測モデルに基づいて、モバイルデバイス100は、この情報と関係して生成された適合インジケータ値に基づいて、ユーザ2990にこのメッセージを提示すべきかどうかについての決定を行うことが有用であることがある。
【0244】
代替的に、様々なメッセージに関係するメタデータ情報のストリームがモバイルデバイス100に到着し、常駐予測アルゴリズムが各メッセージに関する適合インジケータの相対値を与え、したがって、モバイルデバイス100は、どのメッセージをモバイルデバイス100のスペースが制約されたキャッシュ240に記憶すべきかについての決定を行うことができる。
【0245】
モバイルデバイス100上の選択機能は、予測エンジン2820からのコマンドおよび情報を使用する適合インジケータ計算に加えて、関連する収益(メッセージ値計算基準)ならびにサイズ(ゲーティングおよび/またはメッセージ値計算基準)などの追加のインジケータを随意に使用して、所与のメッセージをユーザ2990に提示すべきかどうかについての決定を行うことができる。
【0246】
学習エンジン2810に関して、ユーザ2990に提示された情報について、この提示された情報に関連するユーザ応答が存在する場合、ユーザ情報に関連するメタデータと、ユーザ応答に関連するメタデータとの両方が学習エンジン2810によって使用されて、学習されたユーザ選好モデルを生成することができる。さらに、図29のモバイルデバイス100に関して、メッセージごとの個々のアクションは、モバイルデバイス100に記憶されても、記憶されなくてもよい。すなわち、所与のメッセージに関するメタデータとともに、ユーザアクションを使用して、学習されたユーザ選好モデルを改良し、その後、ユーザアクションおよび広告メタデータに関係する入力をシステムから破棄する。
【0247】
様々な実施形態では、上述のように、所与のコンテキストに関するユーザの様々な可能な選好を記述するキーワード辞書を生成し、使用することが有用なことがある。動作中、ターゲットコンテンツメッセージの作成者は、ターゲットコンテンツメッセージに関するメタデータ中で、ターゲットコンテンツメッセージに関係するキーワードを指定することができる。ターゲットコンテンツメッセージに関連するメタデータがユーザ2990に提示されると、学習エンジン2810は、この情報に対するユーザ2990の応答に基づいて、キーワードに関係するユーザの選好を更新することができる。さらに、(ターゲットコンテンツメッセージに関連するキーワードを含む)メタデータがモバイルデバイス100に提示されると、予測エンジン2820は、ユーザ2990にそのターゲットコンテンツメッセージを提示すべきか否かを判断するために使用できる、ユーザの適合インジケータを計算することができる。
【0248】
実際の動作中、キーワード辞書は、学習目的の平坦な表現であるものと仮定することができる。ターゲットコンテンツメッセージプロバイダにさらされたキーワード辞書は、平坦な性質または階層型の性質のいずれかとすることができることに留意されたい。
【0249】
階層表現において、キーワードツリーにおいてより高いレベルにあるノードは、スポーツ、音楽、映画、またはレストランなどの粗粒の選好カテゴリを表すことができる。キーワードツリー階層におけるより低位のノードは、ロック、カントリーミュージック、ポップ、ラップなどの音楽サブカテゴリなどの、ユーザの細粒の選好を指定することができる。
【0250】
所与のキーワード辞書は階層型であるが、キーワードツリーは学習目的でツリーの底部から始めて、平坦化できる。たとえば、4つの子{ロック、カントリーミュージック、ポップ、およびラップ}をもつツリーにおける音楽ノードは、音楽(一般)および4つのサブカテゴリをもつ5ノード表現に平坦化できる。親ノードに関してL個のリーフ(leaves)が存在する場合、平坦化表現は、キーワード階層における親ノードのルートに関する(1+L)個のリーフに変換する。したがって、ツリーを平坦化することは、ツリーのリーフから始めて、ツリーのすべての中間ノードがツリーのルートに直接に接続されるように、階層の最上部までずっと、再帰的に達成される。たとえば、k個のレベルを有するクワッドツリー表現は、ルートノード、ならびに4+4+4+.....+4(k−1)個のノードからなる。そのようなツリーを平坦化すると、ルートノードに直接に接続された4+4+4+.....+4(k−1)=(4−1)/(4−1)−1=4/3(4(k−1)−1)個のノードからなるキーワード辞書ツリーがもたらされる。K=1は、0個のキーワードに対応し、K=2は、4つのキーワードに対応し、K=3は、20のキーワードに対応するといった具合であることに留意されたい。
【0251】
図30Aおよび図30Bに、階層表現に関するツリーにおける中間親ノードにおける例示的な平坦化プロセスを示す。学習および予測アルゴリズムは、加重和メトリックに対して作用することができ、このことは、意思決定がツリーの最上部で行われる場合、事実上、階層ツリーの平坦化バージョンに基づく学習をもたらす。
【0252】
続いて、モバイルデバイス上の学習および予測エンジンのための技法を提示する。表記の目的で、ユーザに関してキャプチャしようとする選好に各々が対応するn個のキーワードが存在するものとする。ユーザの選好をベクトルP=(p,...,p)として抽象的に表すことができ、ただし、値pは、カテゴリiに関するユーザの選好レベルに対応する。同様に、メッセージを、キーワードに対するメッセージの関連性に基づいて、ベクトルA=(a,...,a)として抽象的に表すことができ、ただし、値aは、そのメッセージがキーワードiに対してどれだけ関連性があるかに対応する。メッセージは、学習アルゴリズムに順次に提示されるものと仮定することができる。
【0253】
通常、多数(場合によっては、数百)のキーワードは、それらの大部分が特定のメッセージには関係がないとはいえ、使用できることに留意されたい。ユーザは、数個のキーワードのみに対して強い選好を有することが予期される。数学的に、そのようなベクトルは「疎ベクトル」と呼ばれる。入力訓練メッセージキーワードベクトルは、疎であるものと仮定することができる。また、所望のユーザ選好ベクトルPも、疎であるものと仮定することができる。ユーザモデルに基づくユーザの選好の現在の推定される推測は、
【数8】

【0254】
として表現できる。
【0255】
学習および予測エンジンに関するアルゴリズムについて以下で説明する。
【0256】
学習エンジン。
【0257】
入力。(ベクトルとして表された)メッセージ。A
ユーザ応答。「クリックが行われた」
永続的。(ベクトルとしての)ユーザ選好の現在の推測。
【数9】

【0258】
(最初は0)
崩壊パラメータ。D
カウンタ。C(最初は0)
【数10】

【0259】
推定値
【数11】

【0260】
は、初期値0で開始することができる。しかしながら、利用可能な情報のプレゼンス下で、異なる開始シードを使用することを選択することができる。たとえば、ローカル人口層を知ることは、新たなモバイルユーザのプロファイルのシードを何らかの平均または混合体にするのに役立つことがある。シードベクトルSが利用可能である場合、
【数12】

【0261】
の初期値は、他のステップをまったく変更することなしに、シードSと等しく設定できる。
【0262】
さらに、一定の崩壊パラメータαを使用することができ、その場合、式(2)においてα:=1/Dであり、ただし、Dは、定数である。
【0263】
予測エンジン。
【0264】
入力。(ベクトルとして表された)メッセージ。A
(ベクトルとしての)ユーザ選好の現在の推測推論。
【数13】

【0265】
戻り。
【数14】

【0266】
動作中、以下の動作保証を与えることができる。すなわち、
(1)メッセージおよびユーザ選好が疎である場合、学習エンジンは、ユーザ応答、たとえば、ユーザの「クリックする行動」からユーザ選好を迅速に学習することができる。すなわち、学習のレートは、メッセージおよび/またはユーザ選好の疎である度合いに比例することができる。
【0267】
(2)学習エンジンは、高い雑音に対してロバストである。すなわち、ユーザが多数の関係のないメッセージをクリックした場合でも、ユーザが小さいパーセンテージの関係のあるメッセージをクリックしている限り、学習エンジンは、基礎をなす選好を学習することができるはずである。
【0268】
(3)基礎をなすユーザ選好が時とともに変化する場合、学習エンジンは、新たな選好に良く適応することができる。
【0269】
情報−空間の疎である度合いの他に、ユーザ選択レートに関する学習のレートは、情報の提示のレート、初期シードの値、およびユーザプロファイルの態様に基づいて判断できることに留意されたい。
【0270】
可能なキーワード学習シナリオに関するMatlabシミュレーションからの結果が図31に与えられており、図31は、水平軸が異なるキーワード(合計500)を表し、垂直軸が個人の選好の強度を表し、正がユーザの好みを暗示し、負が嫌悪を暗示する、動作中のモデル化された学習エンジンを示す。一番上のグラフ3102は、基礎をなすユーザ選好を示し、後続の4つのグラフ3104〜3110は、50、100、500および1000のメッセージをそれぞれ受信した後のアルゴリズムの最良の推測を示す。
【0271】
図31に表されるシミュレーションに関して、疎ベクトルは、基礎をなす選好ベクトルを表すようにランダムに選択される。メッセージはランダムに選択されるので、ユーザの行動は以下のようにシミュレーションできる。すなわち、ユーザは約25%の時間、真に関係のあるメッセージをクリックし、残りの75%の時間、ユーザは関係のないメッセージをクリックする。崩壊パラメータDは、3000に設定する。どのメッセージがクリックされたかに関する情報を学習エンジンにパスする。本例のシミュレーションに関して、学習エンジンは、各メッセージがユーザに真に関係があるかどうかについてまったく情報を与えられないことに留意されたい。
【0272】
図31に鑑みて、個々の学習コンテキストに関するキーワードベースのユーザ選好表現はモバイルプラットフォーム上で望ましく、有用であることが明らかである。図31の例は、いくつかの従来の適応技法によって改良できることを諒解されたい。たとえば、この予測モデルに小さい度合いのランダム性を導入して、従来のニューラルネットワーク学習に特徴的な「アニーリング」プロセスを事実上、実行して、ユーザの関心をさらに探ることによって、ユーザのモデルを改良することが有用である。
【0273】
さらに、式(2)の集中学習/適応アルゴリズムは、時とともに崩壊パラメータを変更することによって、またはユーザ応答のタイプ(たとえば、強い肯定的、弱い肯定的、中立、弱い否定的、強い否定的)に基づいて、変更できる。強い肯定的な応答は、推定値
【数15】

【0274】
に正の寄与(A/D(t))をする(学習エンジンにおけるステップ6)。しかしながら、ユーザが、ある情報に何らかの形態の強い否定的な行動を示した場合、応答は、推定値
【数16】

【0275】
に負の寄与(−A/D(t))をする。ユーザが何らかの形態の弱い肯定的な応答を示した場合、応答は、推定値
【数17】

【0276】
に部分的に寄与(αA/D(t))し、ただし、0≦α≦1である。同様に、弱い否定的な応答は、推定値
【数18】

【0277】
に負の部分的な寄与(−αA/D(t))をして、ただし、0≦α≦1である。
【0278】
代替的に、式(2)の集中学習/適応アルゴリズムは、システムオペレータによって、またはあるユーザ行動に応答してのいずれかで、特定のキーワードに関して、推定値
【数19】

【0279】
限度、上限および下限を課すことによって、変更できる。たとえば、強い否定的なユーザ反応、たとえば、そのようなタイプのメッセージを決して再び示さないようにするための何らかの命令は、1つまたは複数のキーワードに関する上限を課すことができる。
【0280】
さらに、様々な実施形態では、キーワードに対するメッセージの相関強度を反映することができる訓練パラメータおよび/または学習ルールが所与のメッセージに埋め込まれることを諒解されたい。たとえば、関連する3つのキーワードKW1、KW2およびKW3を有する第1の広告、キーワードKW1は、キーワードKW2およびKW3と比較して、広告のコンテンツにはるかに緊密に結合できる。500、2500および3000のそれぞれの崩壊パラメータが広告とともに送信されるものと仮定すると、この広告の選択により、予測モデルは、それぞれの推定値
【数20】

【0281】

【数21】

【0282】
および
【数22】

【0283】
の場合より、はるかに高速に変化させることができる。
【0284】
予測エンジンは、ユーザに対するターゲットメッセージの関連性を判断するために、ベースライン相関メトリックが、あるしきい値を超えることを要求するように設計できることに留意されたい。たとえば、図31の代わりに、メッセージを選択するために0.25を超えるおよび/または−0.20未満の推定値に関連するキーワードのみを使用することが望ましいことがある。
【0285】
同様に/代替的に、メッセージを選択するために上位10の値のキーワード、および/または下位5つのキーワードのみを使用することが望ましいことがある。予測モデルのそのような単純化は、ユーザ選択「雑音」の影響を除去することによって、モバイルメッセージ配信デバイスのパフォーマンスおよび信頼性を向上させることができる。
【0286】
最後に、式(1)〜式(3)は、「LMS最急降下」適応/学習アルゴリズムとして知られているものを表すが、ニュートニアンアルゴリズム、あるいは任意の他の知られている、または後に開発される学習技法などの他の学習アルゴリズムが使用できることを諒解されたい。
【0287】
図32Aおよび図32Bに、モバイルクライアントが様々な学習および予測プロセスを実行する例示的な動作の概略を示す。プロセスは、ステップ3204で開始し、キーワードのセットを割り当てる。上述のように、利用可能なキーワードのセットは、疎とすることまたは疎としないことができ、および/あるいは階層または非階層/平坦な関係に構成することができる。次に、ステップ3206で、キーワードのセットをモバイルクライアント、たとえば、セルラー電話またはワイヤレス機能のあるPDAにダウンロードする。次いで、ステップ3208で、シードの値のセットをモバイルクライアントにダウンロードする。様々な実施形態では、そのようなシードの値は、0値のセット、ユーザの知られている人口層に基づいて判断された値のセット、または初期/シードの値に関連して上述した他のプロセスのいずれかによって判断された値のセットを含むことができる。制御はステップ3210に進む。
【0288】
ステップ3210で、適切なメタデータ、たとえば、キーワードおよび(場合によっては)キーワード重み、および/または任意の数の学習モデル、たとえば、変更された最急降下アルゴリズム、および/または上述の崩壊パラメータ、上限、下限、コンテキスト制約などの任意の数の学習パラメータなどとともに、第1のメッセージのセットをモバイルクライアント上にダウンロードする。動作のこのセットにより、メッセージは、メタデータおよび他の情報と同時にダウンロードできるが、様々な実施形態では、メッセージは、モバイルクライアントが任意の数のゲーティングまたは評価動作を介して、そのようなメッセージが適切であると判断した後、ダウンロードできることに留意されたい。制御はステップ3212に進む。
【0289】
ステップ3212で、ユーザの関心対象である可能性が高いターゲット広告などのメッセージを予測するためのいくつかの予測動作を実行し、ただし、そのような予測動作は、ステップ3208のシードの値から構築された学習されたモデルに基づくことができる。次に、ステップ3214で、望ましい(1つまたは複数の)メッセージをモバイルデバイス上で表示する(あるいは、提示する)。次いで、ステップ3216で、モバイルデバイスは、表示された(1つまたは複数の)メッセージに対するユーザ応答を監視する、たとえば、クリックスルーレートを観察し、場合によっては、記憶する。制御はステップ3220に進む。
【0290】
ステップ3220で、1つまたは複数の学習アルゴリズムのセットを実行して、様々な学習されたモデルを更新して(あるいは、判断して)、学習されたユーザ選好重みの1つまたは複数のセットを確立する。上述のように、学習されたモデルは、様々なコンテキストに関して供給され、LMS動作などの任意の数の適応プロセスを使用することができ、特定のメッセージなどに関するアルゴリズムおよび学習パラメータを組み込むことができることに留意されたい。制御はステップ3222に進む。
【0291】
ステップ3222で、適切なメタデータ、および/または任意の数の学習モデル、および/または任意の数の学習パラメータとともに、第2の/ターゲットメッセージのセットをモバイルクライアント上にダウンロードする。この場合も、動作のこのセットにより、メッセージは、メタデータおよび他の情報と同時にダウンロードできるが、様々な実施形態では、メッセージは、モバイルクライアントが任意の数のゲーティングまたは評価/予測動作を介して、そのようなメッセージが適切であると判断した後、ダウンロードできることに留意されたい。制御はステップ3224に進む。
【0292】
ステップ3224で、ユーザの関心対象である可能性が高いターゲット広告などのメッセージを予測するためのいくつかの予測動作を実行し、ただし、そのような予測動作は、ステップ3220の学習されたモデルに基づくことができる。次に、ステップ3226で、望ましい(1つまたは複数の)メッセージをモバイルデバイス上で表示する(あるいは、提示する)。次いで、ステップ3228で、モバイルデバイスは、表示された(1つまたは複数の)メッセージに対するユーザ応答を監視する、たとえば、クリックスルーレートを観察し、場合によっては、記憶する。制御はステップ3220にジャンプして戻り、その後、ステップ3220〜3228を必要に応じて、あるいは所望に応じて、繰り返すことができる。
【0293】
統計生成への適用−様々な例示的な実施形態では、ユーザ選考ベクトルはN次元を有することができるが、M次元の何らかのサブセットのみがユーザと関係があることがある。K次元の疎セットがN次元からランダムに選択され、選択されたK次元に関連するユーザ選好値が送信できる。ある人口層タイプ(ティーンエージャなど)に関する人口中にU人のユーザが存在するものと仮定する。U人すべてのユーザがN個すべての次元の値をサーバに送信した場合、各次元は、その次元に関連する統計(平均または分散)を判断するために、利用可能なU個のサンプルを有することができる。しかしながら、疎(K次元の)成分のみが送信されない場合、平均で、各次元に関してUk/N個のサンプルが利用可能である。U>>Nである限り、各ユーザが選好ベクトルのN個すべての成分を送信することを要求することなしに、各次元に関して統計を計算するために利用可能な十分なサンプルが存在する。さらに、ユーザの一部rのみ情報を送信する場合、平均で、各次元に関してUkr/N個のサンプルが利用可能である。したがって、ユーザの人口全体にわたって統計を集めながら、各ユーザに関して十分な度合いの情報のプライバシーを維持することができる。
【0294】
キャッシュミス履歴属性。特定のメッセージ/広告がキャッシュから要求され、要求されたメッセージ/広告タイプを満足させるメッセージ/広告がキャッシュ中に存在しないたびに、ユーザに適切なメッセージ/広告を示すミスされた機会となる。したがって、キャッシュが最近の過去にミスを記録したタイプであるメッセージに、より大きい重みが付けられた値を与える必要性がある。様々な実施形態では、上述のキャッシュミス状態適合インジケータ(FLAGCACHE_MISS_MI)などのパラメータがメッセージ/広告値計算を助けることによって、そのようなミスされた機会を回避するように働くことができる。様々な実施形態では、この属性は、新たな可能性のあるメッセージが最新の記録されたキャッシュミスに適合するかどうかを判断するように働く。そのようなメッセージが最新キャッシュミスの1つに適合する場合は、この属性は、論理「1」(または均等物)であり、適合しない場合は、論理「0」(または均等物)である。このフラグは、キャッシュからアプリケーションによってメッセージにアクセスが行われ、ユーザに供給されると、リセットできる。キャッシュエントリに関して新たなメッセージが選択された場合、キャッシュミスエントリは、記録されたキャッシュミスのリストから除去できる。
【0295】
フィルタルール。フィルタルールは、システムオペレータによって、フィルタリングエージェントの動作を駆動するのに使用できる。このことにより、システムオペレータは、フィルタリングエージェントの機能を動的に制御することを許す。フィルタルールは、様々なタイプであり、フィルタリングサブシステムの様々な機能を駆動するために使用できる。いくつかの通常の使用事例には、以下が含まれる。すなわち、
様々な種別に基づいて様々なカテゴリにキャッシュスペースを分割するために使用されるメッセージキャッシュ比を判断することができるフィルタルール。これらのキャッシュ比は、いくつかの定義された基準に基づいて、固定であっても、動的であってもよい。
【0296】
各カテゴリに関する値計算式を判断することができるフィルタルール。
【0297】
メッセージに関する時間に基づく値崩壊レートであるλを定義することができるフィルタルール。
【0298】
カテゴリ内のメッセージ値属性からの最終メッセージ値の計算に用いられるファクタ/重みのいずれかを指定するために使用されるフィルタルール。
【0299】
適合インジケータ計算式を定義することができるフィルタルール。
【0300】
キャッシュミス状態適合インジケータ計算式を定義することができるフィルタルール。
【0301】
メッセージ再生確率インジケータ計算式を定義することができるフィルタルール。
【0302】
下回ると、デバイス上でランダムなCTRが計算される最小信頼レベルしきい値を定義することができるフィルタルール。
【0303】
各メッセージタイプに関して記憶されるべきデフォルトメッセージの数を定義することができるフィルタルール。
【0304】
アーキテクチャ。異なるメッセージ配布モデルに応じて、ゲーティングサブプロセスおよびメッセージ選択サブプロセスは、サーバ上、またはクライアント上に存在する異なるエージェントによって実装できる。以下のセクションは、異なる広告配布機構に基づくメッセージフィルタリングのための可能なアーキテクチャを以下に説明する。
【0305】
マルチキャスト/ブロードキャストメッセージ配布。図33は、W−AT100およびマルチキャスト/ブロードキャストメッセージ配布サーバ150−Aを使用するマルチキャスト/ブロードキャストメッセージ配布シナリオの図である。マルチキャスト配布の場合、メッセージ(たとえば、広告)、それぞれのメタデータおよびメッセージフィルタリングルールは、ブロードキャストチャネルまたはマルチキャストチャネルを介して数人のユーザにメッセージ配信ネットワークによって配布できる。したがって、ユーザのユーザプロファイルをターゲットとするメッセージのフィルタリングおよびキャッシングは、フィルタリングプロセスのゲーティングサブプロセスおよび選択サブプロセスと一緒に、W−AT100上で行われる。
【0306】
ユニキャストメッセージ配布。メッセージ配布サーバからのメッセージのユニキャストフェッチを実装するために使用される、いくつかの異なるプロトコルが存在する。そのようなサーバにおいて利用可能な情報に基づいて、ゲーティングおよび選択プロセスは、サーバ上または様々なモバイルデバイス上のいずれかに常駐することができる。以下は、それらのプロトコルのうちのいくつか、ならびに各事例では実装される、対応するメッセージフィルタリングアーキテクチャに関する説明である。
【0307】
ユニキャストメッセージ配布−プロトコル1。図34に、W−AT100およびユニキャストメッセージ配布サーバ150−Bを使用する第1の例示的なユニキャストメッセージ配布シナリオを示す。動作中、W−AT100は、サーバ150−Bに「メッセージプル」要求を送信することができ、その結果、サーバ150−Bは、システム内で利用可能なすべてのメッセージで応答することができる。この手法は、モバイルデバイスのユーザプロファイルを、W−AT100上で、このプロファイルを生成し、維持することによって、サーバ150−Bから隠すことができる。しかしながら、モバイルデバイスのユーザプロファイルに適合しないため、メッセージの相当な部分が拒否される高い可能性が存在する場合、ユニキャストセッションを介してクライアントにメッセージを配信することは、高価である可能性がある。マルチキャスト配布の事例の場合と同様に、W−AT100のユーザプロファイルをターゲットとするメッセージのフィルタリングおよびキャッシングは、フィルタリングプロセスのゲーティングサブプロセスおよび選択サブプロセスとともに、W−AT100上で行われる。
【0308】
ユニキャストメッセージ配布−プロトコル2。図35は、W−AT100およびユニキャストメッセージ配布サーバ150−Cを使用する第2の例示的なユニキャストメッセージ配布シナリオを示す。このシナリオにおいて、ユーザプロファイルはW−AT100上で生成できるが、ユーザプロファイルの同じコピーがデバイス100とデバイス150−Cの両方の上に常駐することができるという点で、サーバ150−Cと同期していることができる。また、W−AT100のデバイスプロファイルがサーバ150−Cと同期していることも可能であり、したがって、W−AT100からメッセージプル要求を受信すると、サーバ150−Cは、そのデバイスにターゲットメッセージのみを容易にプッシュすることができる。ゲーティングプロセス、ならびにW−AT100のユーザプロファイルに向けてそれらのメッセージのターゲットが絞られるかどうかを判断することに基づく選択プロセスのいくつかの部分は、サーバ150−C上で実装できる。メッセージ値判断、および古いメッセージを、より高い値の新たなメッセージで置換することは、W−AT100上で実装できる。
【0309】
動作中、W−AT100とサーバ150−Cの間のユーザプロファイルおよびデバイスプロファイルの同期手続きは、別個のプロセスを使用して帯域外で行われ、またはいくつかの実施形態では、これらのプロファイルは、クライアントからのメッセージプル要求の中に含められる。
【0310】
ユニキャストメッセージ配布−プロトコル3。図36に、W−AT100およびユニキャストメッセージ配布サーバ150−Dを使用する第3の例示的なユニキャストメッセージ配信シナリオを示す。動作中、ユーザプロファイルは、W−AT100上に維持できるが、デバイスプロファイルのみがサーバ150−Dと同期される一方で、ユーザプロファイルは、W−AT100上のみに留まる。これに相応して、ゲーティングプロセスは、サーバ150−D上で実装され、サーバ150−Dは、ゲーティングプロセスを通過したメッセージのみをW−AT100にプッシュすることができる。ゲーティングプロセスの一部は、ユーザのプロファイルを要求するシステムオペレータ指定のフィルタ(もしあれば)に基づいて、W−AT100において実装できる。さらに、選択プロセスは、W−AT100において完全に実装できる。
【0311】
プロトコル2の場合と同様に、W−AT100とサーバ150−Dの間のデバイスプロファイルの同期は、別個のプロトコルを使用して帯域外で行われ、またはこのプロファイルは、クライアントからの広告プロセス要求の中に含められる。
【0312】
ユニキャストメッセージ配布−プロトコル4。図37に、W−AT100およびユニキャストメッセージ配布サーバ150−Eを使用する第4のユニキャストメッセージ配布シナリオを示す。このシナリオにおいて、W−AT100からメッセージプル要求を受信すると、サーバ150−Eは、適切なゲーティングプロセスを通過したメッセージに関するメタデータで応答することができる。したがって、このゲーティングプロセスは、サーバ150−E上で実装できる。続いて、選択プロセスは、サーバ150−Eによって供給されたメタデータを使用して、W−AT100において実装できる。ゲーティングプロセスの一部は、ユーザのプロファイルを要求するシステムオペレータ指定のフィルタ(もしあれば)に基づいて、W−AT100において実装できる。次に、W−AT100は、選択プロセスに基づいて、W−AT100が表示すること、またはW−AT100のキャッシュに記憶することを決定したメッセージを求めるメッセージ選択要求でサーバ150−Eに応答することができ、サーバ150−Eは、それらの選択されたメッセージをW−AT100に供給することができる。
【0313】
この場合も、デバイスプロファイルまたはゲーティングパラメータは、W−AT100による初期メッセージプル要求の中に含められ、または代替的に、別個のプロトコルを使用して帯域外で、W−AT100とサーバ150−Eの間で同期できる。
【0314】
ユーザプロファイルに影響を及ぼす、モバイルデバイスを使用する購入
短距離通信(NFC)は、NFCデバイス間の情報の近距離交換を可能にするワイヤレス技術である。NFCが可能な製品は、プレゼンス指向のトランザクションを単純化して、たとえば、商品およびサービスの購入における、情報の迅速でよりセキュアな交換、またはそこでの情報の交換を可能にする。
【0315】
従来のNFCは、極めて近接した電子デバイス間の通信を可能にするために電界誘起を使用する無線周波数識別(RFID)技術に基づくことができる。これにより、ユーザは、直観的な、安全な、非接触トランザクションを実行することができる。従来の現況技術のNFCは、13.56MHzで動作し、最高424キロビット/秒でデータを転送することができる。もちろん、NFC技術の改善により、(1つまたは複数の)周波数および/またはデータスループット値は異なることがある。2つ以上のNFC互換のデバイス間の通信は、それらのデバイスを互いに短距離内に持ってくると発生し、たとえば、Bluetooth(登録商標)またはWi−Fiなどの他の知られているワイヤレス技術と互換性があることがある。
【0316】
送信範囲がしばしば非常に短いので、NFC対応トランザクションはより盗聴しづらい。また、短い送信範囲のために、NFCデバイスの物理的近接が必要になることがあり、このことは、実際の送信プロセス中に、視覚的ならびに物理的レベルの快適さとセキュリティをユーザに与える。
【0317】
NFCは、モバイル電話からデジタルカメラ、MP3プレーヤなどに及ぶ多数のデバイスで使用できる。これらのポータブルデバイスのいずれか1つは、近接ゾーンにおいて開始したときに、NFCを用いてトランザクションを実行し、さらには、単純に情報をダウンロード/アップロードするように構成できる。トランザクション/交換はワイヤレスに、電子的に実行できるので、これらの活動は当事者間で非常に単純に、迅速に達成できる。たとえば、項目を購入する際に、NFC対応モバイル電話は、単純にアクティブ化し、および/またはNFCポイントオブセール(POS)テラーの前で振るか、POSパネルに「タッチ」して、クレジットカード情報を交換し、販売を実施することができる。この動作の簡単は、別様の「複雑な」交換が容易に実行されるようにする。
【0318】
NFCは、通常、互いに非常に近接して(通常、数センチメートル内に)配置されたデバイス間で最初に「ハンドシェーク」を実行することによって通信を達成する。通常はミリ秒内で接続が確立され、その後、NFCを直接使用するか、または他の様々な形態のワイヤレス技術、たとえば、WiFi、Bluetooth(登録商標)、UWB、ZigBee(登録商標)などを介してかのいずれかで、デバイス間で情報を交換することができる。
【0319】
現在、現代のNFC標準下で利用可能な2つの主要な動作モードに、アクティブとパッシブがある。アクティブモードでは、両方のデバイスが、それ自体の無線電界を生成して、データを送信することができる。パッシブモードでは、ただ1つのデバイスが無線電界を生成でき、他方のデバイスは負荷変調を使用してデータを転送する。通信のパッシブモードは、エネルギー使用を最小限に抑える必要があるモバイル電話およびPDAなどの限られた電力のデバイスの場合、しばしば有用である。
【0320】
本明細書で説明する様々な実施形態では、NFCという用語は、情報の短距離ワイヤレス転送を可能にする、いかなる現在または将来の知られているワイヤレスまたは近接通信プロトコルまたはシステムをも包含するものであり、NFC標準化団体または組織によって公表されている現在の標準またはプロトコルに限定されるものではないことが理解される。したがって、本明細書では、NFCはこの用語の一般的な意味として適用されることが理解される。
【0321】
図38は、NFCトランザクション処理のための第1のトランザクションシステムを示す図である。第1のトランザクションシステム3800は、NFC対応POSシステム3810と、NFC対応モバイルデバイス/クライアント3820と、基地局3830と、トランザクションサーバ3840とを含む。
【0322】
動作中、モバイルデバイス3820は、POS端末3810とのトランザクション、たとえば、購入を開始するために使用でき、POS端末3810は、商品および/またはサービスの任意の数のベンダのためのトランザクションホストリソースとすることができる。それに応答して、POS端子3810は、トランザクションが発生するための、および/またはトランザクションを文書化するための許可情報(たとえば、バイヤーの信用は良好であると思われる)を受信するために、通信リンク3812を介して、トランザクションサーバ3840と通信することができる。後で、トランザクションサーバ3840は、基地局3830を介して、何らかの形態の受信通知および/または他の文書(クーポン、広告情報など)をモバイルデバイス3820に供給することができる。
【0323】
残念ながら、セルラーリンクによる受信通知の配信は、受信通知を表す電子データを送信する付加コストの対象となるので、基地局3830を制御する、および/またはモバイルデバイス3820に対するサービス契約を所有するワイヤレスサービスプロバイダは、割増金を抽出し、これにより、購入される商品またはサービスの総コストが増す。
【0324】
図39は、NFCトランザクション処理のための第2の例示的なトランザクションシステム3900を示す図である。第2の例示的なトランザクションシステム3900は、NFC対応POS端末3910と、NFC対応モバイルクライアント3920と、基地局3930と、モバイルデバイス/クライアント3920と、トランザクション/メッセージサーバ3940とを含む。第2の例示的なトランザクションシステム3900の場合、NFC対応POS端末3910は、任意のNFC機能のある(または同様の技術)システムを使用するトランザクションホストとすることができ、必ずしもPOS端末である必要がないことに留意されたい。したがって、POS機能を有しない他のデバイスを、本明細書で説明する設計に従って動作するようにそのように構成することができるので、POSという用語の使用は参照のためである。
【0325】
動作中、第2の例示的なトランザクションシステム3900は、多くの点において第1の例示的なトランザクションシステム3800の場合と同様に動作することができる。ただし、第1の例示的なトランザクションシステム3800とは異なり、受信通知、クーポン、広告情報、詳細なトランザクション情報などは、POS端末3910からモバイルクライアント3920に直接転送されることがある。したがって、基地局3930を制御する、および/またはモバイルクライアント3920に対するサービス契約を所有するワイヤレスサービスプロバイダは、割増金を抽出することができなくなり、これにより、全体的なトランザクションコストが減る。
【0326】
様々な実施形態では、モバイルクライアント3920に供給されるトランザクション情報は、販売業者識別情報、クレジットカード提供者、項目のタイプ、項目の名前、トランザクション値、トランザクションの場所、トランザクションの日付、トランザクションの時間、メタデータおよび電話番号を含むことができる。また、様々な実施形態では、情報の配信および/またはトランザクションの完了は、確認のためのモバイルクライアント3920の別の「スワイプ」を必要とすることがあり、いくつかの態様では、そのような第2の「スワイプ」が署名行為として解釈されることがある。
【0327】
また、様々な実施形態では、モバイルクライアント3920に常駐するユーザプロファイルは、NFCトランザクションに応答して、モバイルクライアント3920に常駐する特殊なソフトウェアおよび/または回路を使用して更新できる。次いで、そのような更新されたユーザプロファイルは、モバイルデバイスが、情報、たとえば、広告、クーポンなどを選択および/または表示するために使用することができる。
【0328】
図40は、NFCトランザクションのための例示的なプロセスの概略を示すフローチャートである。開始の後、例示的プロセス4000は、ステップ4010を進め、NFC通信リンクまたは同様の技術を使用して、トランザクションホスト、たとえば、POS端末とセルラー電話などのモバイルデバイスとの間のトランザクションを開始する。次に、ステップ4020で、トランザクションホストは、トランザクション/許可/メッセージサーバと交信し、ステップ4030で、トランザクションホストはトランザクション進めるための許可を受信する。次いで、ステップ4040で、トランザクションホストは、広告、ならびに販売業者識別情報、クレジットカード提供者、項目のタイプ、項目の名前、トランザクション値、トランザクションの場所、トランザクションの日付、トランザクションの時間、および電話番号などの詳細なトランザクション情報など、他の随意の情報とともに、NFC通信リンクを介して、トランザクション受信通知をモバイルデバイスに配信する。様々な実施形態では、場所に関する詳細およびトランザクションが発生した場所の性質、時刻なども、モバイルデバイス/クライアントに供給することができる。この場合も、様々な実施形態では、情報の配信および/またはトランザクションの完了は、確認のためのモバイルデバイスの別の「スワイプ」を必要とすることがあることに留意されたい。
【0329】
続いて、ステップ4050で、前のステップのNFC活動に応答して、モバイルデバイスに常駐する特殊なソフトウェアおよび/または回路を使用して、モバイルデバイスに常駐するユーザプロファイルを更新する。次いで、ステップ4060で、モバイルデバイスは、更新されたユーザプロファイルに基づいて、情報、たとえば、広告、クーポンなどを含むターゲットコンテンツメッセージを選択および/または表示することができる。
【0330】
本明細書で説明する技法およびモジュールは、様々な手段によって実装できる。たとえば、これらの技法は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組合せで実装できる。ハードウェア実装形態の場合、アクセスポイント内またはアクセス端末内の処理ユニットは、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号プロセッサ処理W−AT(DSPD)、プログラマブル論理W−AT(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、本明細書で説明する機能を実施するように設計された他の電子ユニット、またはそれらの組合せの内部に実装できる。
【0331】
ソフトウェア実装形態の場合、本明細書で説明する技術は、本明細書で説明する機能を実行するモジュール(たとえば、プロシージャ、ファンクションなど)を用いて実装できる。ソフトウェアコードは、メモリユニットに記憶し、プロセッサまたは復調器によって実行することができる。メモリユニットはプロセッサの内部またはプロセッサの外部に実装でき、その場合、メモリユニットを様々な手段によってプロセッサに通信可能に結合することができる。
【0332】
1つまたは複数の例示的な実施形態では、説明する機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実装できる。ソフトウェアで実装した場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体に記憶するか、またはコンピュータ可読媒体上で送信できる。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を可能にする任意の媒体を含む、コンピュータ記憶媒体と通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされる任意の利用可能な媒体とすることができる。限定ではなく、例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶デバイスまたは他の磁気記憶デバイス、あるいは命令またはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを担持または記憶するために使用でき、コンピュータによってアクセスできる、任意の他の媒体を備えることができる。さらに、いかなる接続も正しくはコンピュータ可読媒体と呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが同軸ケーブル、光ファイバケーブル、より対線、デジタル加入者線(「DSL」)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他の遠隔ソースから送信される場合、その同軸ケーブル、光ファイバケーブル、より対線、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術が媒体の定義に含められる。本明細書で使用されるディスク(disk)およびディスク(disc)には、コンパクトディスク(disc)(「CD」)、レーザディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタルバーサタイルディスク(disc)(「DVD」)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)、高精細度DVD(「HD−DVD」)、およびブルーレイ(登録商標)ディスク(disc)が含まれ、ただし、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再現するのに対して、ディスク(disc)は、レーザを使用してデータを光学的に再現する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含めるべきである。
【0333】
開示する実施形態の上記の説明は、本明細書で開示する特徴、機能、動作、および実施形態を当業者が作成または使用できるように与えたものである。これらの実施形態の様々な変形が当業者には容易に明らかとなり、本明細書で定義する一般原理は、それらの趣旨または範囲を逸脱することなしに他の実施形態に適用できる。したがって、本開示は、本明細書で示された実施形態に限定されるものではなく、本明細書で開示された原理および新規の特徴に従う全幅の範囲を与えられるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイルクライアントによって処理される情報の適合性を判断するための方法であって、
短距離通信(NFC)リンクを使用して前記モバイルクライアントとトランザクションホストとの間のトランザクションに関係する情報を前記モバイルクライアント上で受信することと、
前記受信したトランザクション情報に基づいて前記モバイルクライアント上でユーザプロファイルを更新することと、
前記更新されたユーザプロファイルに基づいて前記モバイルクライアント上で1つまたは複数のターゲットコンテンツメッセージを受信、選択および表示することのうちの少なくとも1つを実行することと
を備える方法。
【請求項2】
前記トランザクションホストがポイントオブセールホストである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記トランザクション情報が、販売業者識別情報、クレジットカード提供者、項目のタイプ、項目の名前、トランザクション値、トランザクションの場所、トランザクションの日付、トランザクションの時間、および電話番号のうちの少なくとも1つに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記1つまたは複数のターゲットコンテンツメッセージが広告を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記1つまたは複数のターゲットコンテンツメッセージがメタデータを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザプロファイルを更新する前記ステップが、前記トランザクションの場所を前記モバイルクライアントに供給することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記トランザクションホストがポイントオブセールホストであり、
前記トランザクション情報が、販売業者識別情報、クレジットカード提供者、項目のタイプ、項目の名前、トランザクション値、トランザクションの場所、トランザクションの日付、トランザクションの時間、および電話番号のうちの少なくとも1つに基づき、
前記1つまたは複数のターゲットコンテンツメッセージが広告を含み、
前記1つまたは複数のターゲットコンテンツメッセージがメタデータを含み、
前記ユーザプロファイルを更新する前記ステップが、前記トランザクションの場所を前記モバイルクライアントに供給することを含む
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
短距離通信(NFC)リンクを使用して前記モバイルクライアントとトランザクションホストとの間のトランザクションに関係する情報を前記モバイルクライアント上で受信するための手段と、
前記受信したトランザクション情報に基づいて前記モバイルクライアント上でユーザプロファイルを更新するための手段と、
前記更新されたユーザプロファイルに基づいて前記モバイルクライアント上で1つまたは複数のターゲットコンテンツメッセージを受信、選択および表示することのうちの少なくとも1つを実行するための手段と
を備えるモバイルクライアント。
【請求項9】
前記トランザクションホストがポイントオブセールホストである、請求項8に記載のモバイルクライアント。
【請求項10】
前記トランザクション情報が、販売業者識別情報、クレジットカード提供者、項目のタイプ、項目の名前、トランザクション値、トランザクションの場所、トランザクションの日付、トランザクションの時間、および電話番号のうちの少なくとも1つに基づく、請求項8に記載のモバイルクライアント。
【請求項11】
前記1つまたは複数のターゲットコンテンツメッセージが広告を含む、請求項8に記載のモバイルクライアント。
【請求項12】
前記1つまたは複数のターゲットコンテンツメッセージがメタデータを含む、請求項8に記載のモバイルクライアント。
【請求項13】
前記ユーザプロファイルを更新するための前記手段が、前記トランザクションの前記場所に基づいて前記ユーザプロファイルを更新する、請求項8に記載のモバイルクライアント。
【請求項14】
メモリと、
二方向短距離通信(NFC)リンクを確立することが可能なNFC回路と、
前記メモリおよび前記NFC回路に結合されたプロセッサであって、
前記NFCリンクを使用して前記モバイルクライアントとトランザクションホストとの間のトランザクションに関係する情報を受信し、
前記受信したトランザクション情報に基づいて前記モバイルクライアント上でユーザプロファイルを更新し、
前記更新されたユーザプロファイルに基づいて前記モバイルクライアント上で1つまたは複数のターゲットコンテンツメッセージを受信、選択および表示することのうちの少なくとも1つを実行する
ように動作可能なプロセッサと
を備えるモバイルクライアント。
【請求項15】
前記トランザクションホストがポイントオブセールホストである、請求項14に記載のモバイルクライアント。
【請求項16】
前記トランザクション情報が、販売業者識別情報、クレジットカード提供者、項目のタイプ、項目の名前、トランザクション値、トランザクションの場所、トランザクションの日付、トランザクションの時間、および電話番号のうちの少なくとも1つに基づく、請求項14に記載のモバイルクライアント。
【請求項17】
前記1つまたは複数のターゲットコンテンツメッセージが広告を含む、請求項14に記載のモバイルクライアント。
【請求項18】
前記1つまたは複数のターゲットコンテンツメッセージがメタデータを含む、請求項14に記載のモバイルクライアント。
【請求項19】
前記ユーザプロファイルを更新するための前記手段が、前記トランザクションの前記場所に基づいて前記ユーザプロファイルを更新する、請求項14に記載のモバイルクライアント。
【請求項20】
短距離通信(NFC)リンクを使用してモバイルクライアントとトランザクションホストとの間のトランザクションに関係する情報を前記モバイルクライアント上で受信するための命令と、
前記受信したトランザクション情報に基づいて前記モバイルクライアント上でユーザプロファイルを更新するための命令と、
前記更新されたユーザプロファイルに基づいて前記モバイルクライアント上で1つまたは複数のターゲットコンテンツメッセージを受信、選択および表示することのうちの少なくとも1つを実行するための命令と
を備えるコンピュータ可読媒体
を備えるコンピュータプログラム製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24A】
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【図24B】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30A】
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【図30B】
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【図31】
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【図32A】
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【図32B】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【公開番号】特開2013−58218(P2013−58218A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−227329(P2012−227329)
【出願日】平成24年10月12日(2012.10.12)
【分割の表示】特願2010−538193(P2010−538193)の分割
【原出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】