モバイル装置向けのコンテキスト・ベースの対話モデル
携帯電話のようなコンテキスト認識型のモバイル装置が、様々な時刻および/または場所で実装するのが適切なUI(user interfece)設定を自動的に決定する。訪れた場所およびユーザが手動で構成したUI設定を判定することによって、モバイル装置の振舞いを追跡する。移動およびUI設定における、互いに関するおよび時刻に関するパターンを検出する。続いて、当該パターンに対応する特定の場所または時刻に達したとき、適切なUI設定を実装することができ、それにより、この作業からユーザを解放する。例えばWi−Fiネットワーク、Bluetoothネットワーク、RFもしくは赤外線ビーコン、または無線POS端末からのような、様々な場所での電磁信号によって場所を検出することができる。SSIDのような、信号からの識別子を格納することができる。場所にラベルを自動的に割り当てることができ、または、よく訪れる場所にラベルを付すようユーザに促すことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モバイル装置向けのコンテキスト・ベースの対話モデルに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話は、社会に遍在するようになったモバイル通信装置である。音声通信、およびウェブ閲覧のような他のデータ通信の提供に加えて、モバイル装置は一般に、指定回数リマインダ通知を提供できるカレンダ・スケジューリング・アプリケーションのような、幾つかの組込みのアプリケーションを有する。しかし、ユーザのニーズに適合するようにモバイル装置を構成する上で、モバイル装置のユーザには非常に高い負荷がかかる。例えば、リンガおよび他の通知設定、着信転送設定、ならびに他の設定のような、装置の様々な振舞いを構成することができる。特定の時刻および場所で特定の設定を構成できないと、ユーザにとっての不便さ、困惑、通信の喪失、または他の問題を引き起こすおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
無線信号による通信を提供するコンテキスト認識型(context−aware)のモバイル装置、および、かかるモバイル装置を制御するためのプロセッサ実装型の方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
モバイル装置は、無線信号により通信する、携帯電話、ウェブ対応のスマート・フォン、パーソナル・デジタル・アシスタント、パームトップ・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、または同様な装置のような、ハンドヘルド・モバイル装置であってもよい。モバイル装置は、訪れた様々な場所で無線信号を定期的に感知し、ユーザが手動で設定したUI(user interface)設定を格納する。当該様々な場所は、ユーザの自宅、職場、喫茶店、等であることができる。モバイル装置は、例えば、Wi−Fiネットワーク、Bluetoothネットワ−ク、RFもしくは赤外線のビーコン、または無線POS(post−of−sale)端末からの無線信号を感知し、当該信号に関連付けられた識別子を格納することによって、モバイル装置が特定の場所にあると判定することができる。UI設定は、音の出る警告および目に見える警告、着信転送設定、ならびに他の設定のような通知設定に関することができる。次いで、移動およびUI設定における、互いに関するおよび時刻に関するパターンを特定する。例えば、モバイル装置が或る喫茶店に1週間に5日、午前8時30分に訪れ、ユーザが当該喫茶店に着いたときにリンガをサイレント・モードに設定するパターンを検出してもよい。以降、当該パターンに対応する特定の場所に着くかまたは特定の時刻になると、適切なUI設定を実装し、それによりユーザをこの作業から解放することができる。例えば、ユーザが後に当該喫茶店を訪れたとき、モバイル装置は自動的に自身のリンガをサイレント・モードに構成することができる。
【0005】
1実施形態では、無線信号により通信するコンテキスト認識型のモバイル装置を制御するためのプロセッサ実装型の方法を提供する。当該方法は、モバイル装置が訪れた様々な場所に存在する電磁放射線、例えば無線RF信号をモバイル装置に感知させることによってモバイル装置の移動を追跡するステップ、および、それぞれの場所の電磁(EM)放射線に関連付けられた場所識別情報を格納するステップを含む。当該方法はさらに、モバイル装置の移動のパターンを、当該移動の追跡結果に基づいて特定するステップを含む。例えば、当該パターンが、ユーザが特定の場所を一定回数定期的に訪れることを示してもよい。モバイル装置が様々な場所にある場合に、場所識別情報と相互参照させてモバイル装置のユーザ・インタフェース設定を格納し、当該様々な場所に関するモバイル装置のユーザ・インタフェース設定のパターンを、当該ユーザ・インタフェース設定の追跡結果に基づいて特定することにより、モバイル装置のユーザ・インタフェース設定を追跡する。当該方法はさらに、モバイル装置の移動のパターンおよびモバイル装置のユーザ・インタフェース設定のパターンに基づいて、ユーザが介入することなく自動的にモバイル装置のユーザ・インタフェース設定を修正するステップを含む。例えば、モバイル装置が或る場所に入ったときにリンガを自動的にオフにしてもよい。
【0006】
本発明の概要は、選択した概念を簡潔な形で導入するために与えたものである。その概念は、後に発明を実施するための形態においてさらに説明する。本発明の概要は、特許請求する主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定しようとするものではなく、特許請求する主題の範囲を限定するために使用しようとするものでもない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】様々な場所の様々な電磁場を通過するモバイル装置を示す図である。
【図2a】場所を衛星のGPS信号から判定するモバイル装置を示す図である。
【図2b】場所を携帯電話のアンテナのGSM信号から判定するモバイル装置を示す図である。
【図3a】Wi−Fiネットワークで無線RF信号を感知するモバイル装置を示す図である。
【図3b】Bluetoothネットワークで無線RF信号を感知するモバイル装置を示す図である。
【図3c】ビデオ・ゲームのコントローラおよびコンソールから無線RF信号を感知するモバイル装置を示す図である。
【図3d】ビーコンからの無線RF信号を感知するモバイル装置を示す図である。
【図3e】POS端末で赤外線信号を感知するモバイル装置を示す図である。
【図4】モバイル装置のブロック図である。
【図5】モバイル装置のネットワークを示す図である。
【図6】モバイル装置を追跡するためのプロセスを示す図である。
【図7】モバイル装置による場所識別情報の追跡を示す図である。
【図8】モバイル装置によるユーザ・インタフェース設定の追跡を示す図である。
【図9】モバイル装置のユーザ・インタフェース設定を時刻に基づいて自動的に構成するためのプロセスを示す図である。
【図10】モバイル装置のユーザ・インタフェース設定を場所に基づいて自動的に構成するためのプロセスを示す図である。
【図11】電磁放射を様々な時間間隔で感知するためのプロセスを示す図である。
【図12】モバイル装置のユーザ・インタフェース設定を動き感知に基づいて自動的に構成するためのプロセスを示す図である。
【図13】場所のラベルを自動的に生成する、またはユーザにラベルの入力を促すためのプロセスを示す図である。
【図14a】ユーザに場所のラベルの入力を促すモバイル装置のユーザ・インタフェースを示す図である。
【図14b】場所のラベルを自動的に決定し、ユーザに当該ラベルの承認を促すモバイル装置のユーザ・インタフェースを示す図である。
【図14c】ユーザに現在のユーザ・インタフェース・プロフィールを通知するモバイル装置のユーザ・インタフェースを示す図である。
【図14d】ユーザに現在のユーザ・インタフェース・プロフィールの詳細を通知するモバイル装置のユーザ・インタフェースを示す図である。
【図15a】対応する場所データおよび手動で構成したユーザ・インタフェース設定を伴う、1日におけるユーザのイベントの例示的なシーケンスを示す図である。
【図15b】図15aのイベントの例示的なシーケンスのうち、場所識別子と時刻のリストを示す図である。
【図15c】図15aのイベントの例示的なシーケンスのうち、手動で構成したユーザ・インタフェース設定と場所識別子のリストを示す図である。
【図15d】図15aのイベントの例示的なシーケンスのうち、手動で構成したユーザ・インタフェース設定と時刻のリストを示す図である。
【図15e】図15aのシーケンスに基づいて、対応する場所データおよび自動で構成したユーザ・インタフェース設定を伴う、1日におけるユーザのイベントの例示的なシーケンスを示す図である。
【図16】様々な実施形態を実装するのに適したコンピュータ・ハードウェアの例示的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
無線信号により通信するコンテキスト認識型のモバイル装置、および、かかるモバイル装置を制御するためのプロセッサ実装型の方法を提供する。従来は、モバイル装置がユーザの習慣を学習する能力がないため、装置の振舞いを装置の現在のコンテキストに適したものに変更するよう、ユーザが装置を手動で構成しなければならない。ユーザは、現在の場所および/または時刻に基づいて装置を構成しなければならない。例えば、礼拝のようなイベントに出席しているときは、ユーザは一般にリンガを前もってオフにし、着信電話呼、テキスト・メッセージ、カレンダ通知、アラーム、等により、音の出る通知で迷惑をかけないようにするだろう。これはユーザに負担を課すものである。同様に、ユーザは、イベントから離れた後にリンガをオンに戻すようにモバイル装置を再構成しなければならず、そうしなければ着信メッセージを見逃してしまうかもしれない。
【0009】
コンテキスト認識型のモバイル装置およびかかるモバイル装置を制御するための方法により、一定期間、例えば、数日または数週にわたってモバイル装置の使用を追跡し、当該使用のパターンを検出することによって、これらの問題を克服することができる。当該追跡により、モバイル装置が繰返し1つまたは複数の場所で行う定期的な機能を特定することができる。これには、一般に既に今日のモバイル装置に存在するモバイル装置の様々な機能、例えば、カレンダ、時計および場所検出器を、例えばオペレーティング・システムにおけるソフトウェアまたはファームウェアのアップデートにより追加した機能とともに使用することを必要としてもよい。幾つかの場合では、同様にハードウェアも追加する。ユーザの習慣を学習した後、モバイル装置はその設定を、例えばユーザのプロフィール、1日の時刻、場所に基づいて自動的に修正することができる。これにより、モバイル装置は、ユーザの介入なしにその振舞いをその日にわたって様々な場所で自動的に変更することができる。
【0010】
図1は、様々な場所の様々な電磁場を通過するモバイル装置を示す。電磁(EM)放射線、例えば無線RF(radio frequency)信号および赤外線信号は、モバイル装置が訪れる多数の場所に存在する。EM放射線が或る場所のソースから放射される場合もあれば、EM放射線が当該場所外から放射される場合もある。複数の種類のEM放射線が同一場所に存在する。マイクロ波帯のGPS(Global Positioning System)衛星からのEM放射線およびUHF(ultra high frequency)帯の携帯電話アンテナからのEM放射線のようなEM放射線は、比較的長い距離を伝わることができる。UHFはまた、Wi−Fi(IEEE 802.11)およびBluetooth(IEEE 802.15.1)送信にも用いられる。例えば、第1のEM放射線放射装置104が場所A(102)で範囲103にわたって信号を送信することができ、第2のEM放射線放射装置108が場所B(104)で範囲107にわたって信号を送信することができ、第3のEM放射線放射装置112が場所C(110)で範囲111にわたって信号を送信することができる。当該範囲は様々であることができる。ユーザが携帯するモバイル装置100が、様々な場所の放射領域を様々な時刻に通過することがある。さらに、様々な場所を訪れる際、モバイル装置をEM信号に関連付けても関連付けなくてもよい。すなわち、EM信号の存在を、当該信号を提供するネットワークに接続することなく受動的に検出することができる。EM信号を、当該信号を完全にデコードして検出することもできる。当該信号が存在することだけを使用して、モバイル装置の現在のコンテキストに関する重要な手掛りを得ることができる。しかし、場合によっては、モバイル装置をEM信号に関連付けることができる場合もある。信号を提供するネットワークに関連付けることで、誰かが場所のなりすましを試みるセキュリティ脅威が減る。さらに、BluetoothおよびWi−Fiのようなネットワークはセキュアな形態もセキュアでない形態もとり、その何れかを使用することができる。
【0011】
モバイル装置は一般に携帯電話の機能を備える一方で、Wi−Fi、Bluetooth、およびIrDA(Infrared Data Association)のような他の通信技術が存在し、今日では多数のモバイル装置に組み込まれている。これらの技術により、音声通信および他のデータ通信が可能となっている。モバイル装置には一般に、携帯電話(ウェブ対応のスマート・フォンを含む)、PDA(personal digital assistant)/パームトップ・コンピュータ、ポータブル・メディア・プレイヤ(例えば、MICROSOFT社のZUNE「登録商標」、APPLE社のIPOD「登録商標」)、ネット・ブックのようなラップトップ・コンピュータ、および他の装置を含むことができる。
【0012】
図2aは、場所を衛星のGPS信号から判定するモバイル装置を示す。モバイル装置100は、大気状態、場所の時刻、等のような様々な要因に応じて、場合によっては3つ以上の衛星、例えば例示的な衛星200、202、204からのGPS信号を用いて数メートル内の場所を判定することができる。判定した場所は、一般に、緯度、経度の座標によって提供される。
【0013】
GPS信号から判定される場所を使用してモバイル装置のUI(user interface)設定を構成することができ、GPS信号はUI設定を構成するための他の有益な情報を生み出すことができる。当該他の情報には、モバイル装置がどの方向に動いているか、モバイル装置がどのくらい早く動いているか、およびモバイル装置が高度において上に移動しているか下に移動しているかが含まれる。これらの情報を全て使用して、具体的な場所自体の意味付けを試みることなく、状況をさらに認識することができる。すなわち、モバイル装置の場所が変わったことを判定することは、当該場所自体が知られていなくとも、有用である。例えば、モバイル装置の場所の変化が、モバイル装置が時速50マイルで動いていることを示す場合は、ユーザは電動式の乗り物に乗っており歩いてはいないと経験的に結論付けることができる。モバイル装置の高度が毎秒10メートルで増大している場合は、モバイル装置はおそらくエレベータ内にある。適切なUI設定は、これらの種類の情報の関数であることができる。例えば、電動式の乗り物の中では、道路の雑音に勝るようにリンガの音量を自動的に高く設定してもよく、または、気が散るのを回避するためにリンガをオフに設定してもよい。同様に、エレベータの中では、エレベータの内部は通常は静かであるので、リンガの音量を低く設定してもよい。
【0014】
図2bは、場所を携帯電話のアンテナのGSM(Global System for Mobile communication)信号から判定するモバイル装置を示す。GSMは、世界で最もポピュラーな携帯電話の標準であり、可能な携帯電話通信プロトコルの1例である。別の携帯電話通信プロトコルにはUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)がある。GPSに関して、携帯電話の信号を同様に使用して場所を特定することができる。その精度はセル・サイズに依存する。大規模なセルに対しては、精度はGPSの精度より悪い、例えば約50メートル以内であることがある。小規模なセルの精度は、GPSの精度と同様かまたはそれより良好でありうる。携帯電話の信号を用いて場所を特定することには、携帯電話のアンテナの電力レベルおよびアンテナ・パターンを測定し、隣接するアンテナ塔の間で信号を補間することを含むことができる。モバイル装置100は、例示的なアンテナ210、212、および214からの信号を用いてモバイル装置の場所を判定することができる。判定した場所を、例えば、緯度、経度の座標によって、または、セル・アンテナの識別子によって、提供することができる。
【0015】
GSM標準では、様々なカバレッジ・エリアを有する5つの異なるセル・サイズがある。マクロ・セルでは、基地局アンテナが一般に平均的な屋根の高さより上方にあるアンテナ塔または建物に取り付けられ、数百メートルから数十キロメートルにわたるカバレッジを提供する。一般に都市部で用いられるミクロ・セルでは、アンテナの高さは平均的な屋根の高さより低い。ミクロ・セルの範囲は一般に1マイルよりも狭く、例えば、ショッピング・モール、ホテル、またはトランスポーテーション・ハブに対応することができる。ピコセルは、カバレッジの直径が数十メートルの小さなセルであり、主に屋内で使用される。フェムトセルはピコセルよりも小さく、住居環境または小規模なビジネス環境での使用向けに設計され、ブロードバンド・インターネット接続を介してサービス・プロバイダのネットワークに接続する。アンブレラ・セルは、小規模なセルの影領域をカバーしこれらのセルの間のカバレッジのギャップを埋めるために使用される。セルの水平方向の半径は、アンテナの高さ、アンテナ利得、および伝播条件に応じて変化する。屋内のピコセル基地局を用いて、または、パワー・スプリッタを通る屋内分散アンテナ付き屋内リピータを用いて、無線信号を屋外のアンテナから別個の屋内分散アンテナ・システムに配信することによって、屋内カバレッジを実現することができる。これらは一般に、例えばショッピング・センタまたは空港内のように、屋内で大量の呼容量が必要なときに配備される。
【0016】
図3aは、Wi−Fiネットワークで無線RF信号を感知するモバイル装置を示す。Wi−Fi「登録商標」は、IEEE802.11標準に基づく認証を受けた製品に対してWi−Fi Alliance「登録商標」の証明を受けたものであり、様々な無線装置の間の相互運用性を保証するものである。Wi−FiはWLAN(wireless local area network)の一種である。本例には、アクセス・ポイント302、およびクライアント装置、例えば無線プロジェクタ300、ラップトップ・コンピュータ304、および追加の携帯電話306が含まれる。Wi−Fiネットワークは、オフィス・ビル、大学、例えば喫茶店、レストランのような小売店、およびショッピング・モール、ならびにホテル、例えば公園、博物館、空港のような公共のスペース、等のような様々な場所にますます配備されている。
【0017】
アクセス・ポイント302は、そのSSID(service set identifier)を知らせるメッセージを範囲303にブロードキャストする。SSIDは、特定のWLANの識別子または名前である。SSIDは、任意の値を有する1組のビットであることができるが、一般には、ユーザに表示できるASCII文字の文字列である。SSIDはEM信号の署名の例である。当該署名は何らかの信号の特徴である。当該特徴を当該信号から取得することができ、当該特徴を使用して、再度感知したときに当該信号を特定することができる。Wi−Fiネットワークは、数メートルからかなり長い距離までの範囲を有することができる。Wi−Fi対応の装置の例には、携帯電話、PC(personal computer)、ゲーム・コンソール、ポータブル・メディア・プレイヤ、およびPDAが含まれる。クライアント装置は信号を各範囲でアクセス・ポイント302に送信する。当該各範囲は、アクセス・ポイント302の範囲とは異なってもよい。例えば、無線プロジェクタ300が範囲301で送信し、ラップトップ・コンピュータ304が範囲305で送信し、追加の携帯電話306が範囲307で送信する。モバイル装置100は、無線信号をアクセス・ポイント302から、または、何れかのクライアント装置から検出することができる。
【0018】
具体的には、SSIDが、毎秒数回アクセス・ポイント302から送信されるBEACON管理メッセージで伝送される。BEACONはまた、時刻、機能、サポートされるデータ速度、およびネットワークの動作を規制する物理層パラメータ・セットも含む。クライアント局がアクセス・ポイントに接続すると、アクセス・ポイントは、SSIDを含むASSOCIATIONメッセージまたはREASSOCIATIONメッセージの何れかを送信する。モバイル装置100は、既知の範囲の無線チャネル(例えば、北米では2.402GHzから2.480GHz)をパッシブ・スキャンすることによって、これらのメッセージの存在を検出することができる。パケット・アナライザ/スニッファを使用してかかるスキャンを行ってもよい。SSIDまたは他の信号部分をデコードせずに、装置が信号強度によりチャネルにEM放射線が存在することを検出することもできる。
【0019】
アクセス・ポイント302は一般に或る場所に固定されるかまたは恒久的に取り付けられる一方、クライアント装置は非常に可動的または固定的であることができる。例えば、プロジェクタ300が相対的に固定的で、オフィス・ビルの会議室内に保管されていてもよく、この場合、プロジェクタから送出される信号を、相対的に高い確率で会議室に関連付けることができる。さらに、ラップトップ・コンピュータ304および携帯電話306は非常に可動的であるけれども、ユーザがこれらの装置を特定の場所に特定の時刻で繰り返し定時に持ち込む場合には、これらの装置を当該特定の場所と当該特定の時刻に関連付けてもよい。
【0020】
Wi−Fiプロジェクタ300に関して、Wi−Fiプロジェクタ300は、Wi−Fi機能を有するモバイル装置に組み込みうるパケット・スニッフィング・ソフトウェアにより容易に検出可能な、ある種のパケット送受信動作を行う。これにより、モバイル装置は、信号がそのプロジェクタから送信されていることを認識し、プロジェクタが例えば特定の建物の2階の会議室にあることを知ることができる。また、例えば、現在火曜日の午前10時で、カレンダによれば、或るイベントが会議室で行われる予定であると分かるかもしれない。これらの情報により、ユーザがどこにいるかおよびなぜユーザがそこにいるか、または、少なくとも、ユーザが或る振舞いを繰り返しているかもしくは新たな振舞いを行っているかのイメージがもたらされる。プロジェクタ300は、資産タグを有する調査対象の装置の例であり、したがって、その場所は、IPアドレスのようなネットワーク・アドレスと同様既知である。アクセス・ポイントおよび他の情報基盤は、既知の場所に配備され、何らかの形で安定的な、記述可能なネットワーク特性を有する。
【0021】
無線アクセス・ポイント302は、1つまたは複数の無線装置を、例えばイーサネット・ハブまたはスイッチを含む隣接した有線LANに接続する。アクセス・ポイントは、無線ルータまたは無線ネットワーク・ブリッジの一部であってもよい。エクステンダまたは無線リピータが、既存の無線ネットワークの範囲を拡張することができる。クライアント装置300、304、および306は、無線アダプタを備える。当該無線アダプタにより、クライアント装置300、304および306を無線ネットワークに接続することができる。
【0022】
図3bは、Bluetoothネットワークで無線RF信号を感知するモバイル装置を示す。Bluetooth(IEEE 802.15.1)は、固定の装置およびモバイル装置から短距離の範囲でデータを交換し、PAN(personal area network)を形成するためのオープンな無線プロトコルである。Bluetoothは、様々な個人所有のアプリケーションにおける配線に取って代わろうとするものであり、(a)試験器具、GPS受信機、医療器具、バーコード・スキャナ、およびトラフィック制御装置における従来式の有線シリアル通信の代替、(b)赤外線を従来使用していた制御向け、(c)ケーブル不要な接続が望まれる低帯域アプリケーション向け、(d)無線ゲーム・コンソール向け、(e)OBEX(OBject EXchange)(OBEXを赤外線通信に使用することもできる)のような通信プロトコルを用いて、ファイルのようなデータをハンドヘルド・コンピュータ(例えば、PDA)に転送するために使用するモデム向け、(f)音データを電話で転送するために使用するヘッドセット向け、が含まれる。BluetoothはWi−Fiと同じ無線周波数を使用するが、一般に、電力消費は少ない。
【0023】
例示的なシナリオでは、モバイル装置100はEM放射線を、職場環境に存在する幾つかの装置から感知することができる。当該幾つかの装置には、範囲321で無線キーボード322と通信するPC320、無線プリンタ324、およびPDAのような別のモバイル装置326が含まれる。同様に、無線キーボード322は範囲323で送信し、無線プリンタ324は範囲325で送信し、モバイル装置326は範囲327で送信する。さらに、固定電話328は範囲329で送信して、範囲331で送信する無線ヘッドセット330と通信する。したがって、モバイル装置100が、Bluetooth対応のものを有する場所を訪れると、モバイル装置100はBluetoothのRF信号を感知する。
【0024】
図3cは、ビデオ・ゲームのコントローラおよびコンソールから無線RF信号を感知するモバイル装置を示す。マイクロソフト社のXBOX「登録商標」および任天堂のWii「登録商標」で用いられるような、多くのゲームのコンソールおよびコントローラはRF信号を用いて互いと通信する。一般に、Bluetoothまたは他のプロトコルが使用される。ここで、ゲーム・コンソール342は、RF信号を用いて無線コントローラ344と通信する。ゲーム・コンソール342は範囲343で送信し、無線コントローラ344は範囲345で送信する。テレビまたは他のモニタ340がコンソール342と通信して画像を表示する。したがって、例えば、図示したRF送信するものを有する、家のような場所をモバイル装置100が訪れると、モバイル装置100はそのRF信号を感知することができる。幾分古い技術を用いたビデオ・ゲームのコンソールおよびコントローラは赤外線信号を用いて通信し、モバイル装置100がこれらの信号を同様に感知することもできる。赤外線信号は、テレビのリモコンやセット・トップ・ボックスにも用いられる。かかる信号がモバイル装置によって検出されると、ゲームのコントローラ、コンソール、TVのリモコン、セット・トップ・ボックス、または他の装置がある場所、例えば、家のリビングまたはゲーム室にモバイル装置があると結論付けることができる。この情報を使用してUI設定を自動的に設定することができる。
【0025】
図3dは、ビーコンからの無線RF信号を感知するモバイル装置を示す。RF信号または赤外線信号を送信するビーコンを無線LANのようなネットワークにおいて使用して、人および物の場所または移動を監視し、場所固有の情報をユーザに提供することができる。ビーコンは、当該ビーコンの場所に一意なアクティブな信号を提供する。例示的なシナリオでは、ビーコン352は範囲353で送信し、建物351への入口350にある。ビーコン356は範囲357で送信し、建物351の部屋354にある。ビーコン360は範囲361で送信し、建物351の部屋358にある。したがって、モバイル装置100が当該建物周辺の様々な場所を訪れると、モバイル装置100は当該様々なビーコンから信号を感知することができる。
【0026】
物の場所および移動の監視において、ビーコンを倉庫、病院、職場または他の場所の様々な場所に取り付けることができる。ビーコンは、例えば、物または機器に取り付けられたRFID(Radio Frequency Identification)タグをアクティブにする信号を定期的に送信することができる。モバイル装置100はまた、かかるビーコンからの無線信号を感知することができる。場所固有の情報を提供する際に、例えば、ビーコンは信号を相対的に狭い範囲、例えば部屋の中で送信する。当該信号は、各ビーコンに一意な、一般には建物内部の場所と相関付けできる識別子を含む。当該信号を感知することにより、モバイル装置100はその場所を判定することができ、アプリケーションにアクセスして場所固有の情報を取得することができる。例えば、健康管理の場面では、ユーザは、特定の医療機器の最も近い場所を特定する情報を取得することができる。職場の場面では、ユーザは、プリンタのようなリソースの最も近い場所を特定する情報を取得することができる。
【0027】
図3eは、POS(point−of−sale)端末で赤外線信号を感知するモバイル装置を示す。携帯電話またはPDAのようなモバイル装置を用いて、ユーザが、例えば商品またはサービスの料金を支払うような取引を実行できる無線POS端末を提供するための技術が開発されてきた。BluetoothのようなRF技術およびIrDAのような赤外線技術を使用して、POS端末370とモバイル装置100との間の無線通信を提供することができる。この例では、POS端末370は赤外線信号を範囲371で送信し、モバイル装置100は赤外線信号を範囲372で送信する。赤外線通信は通常は指向性を有する。モバイル装置100がPOS端末370と通信すると、モバイル装置100は識別子を取得することができ、モバイル装置100は当該識別子をPOS端末370の場所に関連付けることができる。
【0028】
IrDAは、例えばパーソナル・エリア・ネットワークで使用するための、赤外線光でデータを短距離交換するための通信プロトコルである。赤外線信号を、ゲームのコントローラとコンソールとの間で使用することもでき、TVのリモコンおよびセット・トップ・ボックス向けに使用することもできる。IrDAの赤外線信号および光信号を一般に使用してもよい。
【0029】
例えば端末が食料雑貨店、小売店、もしくはレストランのレジである場合にはPOS端末370に店員がついていてもよく、またはPOS端末に店員がついていなくてもよい。例えば、無人の無線POS端末を使用して、駐車場料金を支払い、公共の移動手段の料金を支払って例えば地下鉄で改札に入り、自動販売機で商品を購入し、キオスクでショーのチケットを買い、ガソリンスタンドでガソリンを購入することができる。ショッピング・モール、競技場、食料雑貨店、レストラン、および他の売り場を無線端末で構成して、顧客がその建物全体にわたって金銭的な取引を行えるようにすることができる。電子決済とともに、例えば、割引、電子クーポン、カスタマ・ロイヤリティの利益、等を伴う関連取引を行うことができる。無線端末を介した安全な送信、記憶、および電子金融商品のフォーマットに関する標準を開発している業界団体には、IrDA(Infrared Data Association)のIrFM SIG(Infrared Financial Messaging Special Interest Group)、MeT Forum(Mobile Electronic Transaction Forum)、Bluetooth SIG(Bluetooth Special Interest Group)のSRFT SG(Short Range Financial Transaction Study Group)、およびNRF(National Retail Federation)がある。
【0030】
無線端末の医療応用としては、遠隔で患者を監視すること、無線で生体データを取得すること、および投薬することが含まれる。旅行業界では、無線端末を使用して、旅行者がモバイル装置を用いてフライトにチェックインできるようにすることができる。他の多くの応用例が可能である。
【0031】
さらに、無線EM信号の検出に加えて、モバイル装置により有線経路を介して信号を検出してもよい。例えば、モバイル装置内のバッテリを充電するAC電源充電器に繋いだモバイル装置が、モバイル装置を充電している間に家庭の配線を介して送信される場所特定信号を受信することができる。電力線通信技術をこのアプローチにおいて使用することができる。電力線通信は、家庭のコンピュータ、周辺機器、または他のネットワーク化された消費者向け周辺機器(networked consumer peripheral)を相互接続するために使用される。電力線によるホーム・ネットワーキングに関する独自仕様が、例えば、HomePlug Powerline Alliance、Universal Powerline Association、およびHD−PLC Allianceによって提供されている。または、モバイル装置は、例えばUSB接続を介してラップトップまたはPCに接続して再充電またはデータ転送するときに、場所特定信号を受信することができる。
【0032】
例えば、夕方に自宅に戻り、モバイル装置のリンガをオフにしてモバイル装置を充電器に差し込むユーザを考える。モバイル装置は、例えば別の装置からの電子メールを同期させる、および他のタスクを実施するために、電源を入れたままとなっている。モバイル装置を充電器に差し込んだとき、または、例えば磁気誘導で充電するパワー・マットに置くことによって充電したときにリンガをオフにすることによって、モバイル装置はUI設定を自動的に構成するよう学習することができる。
【0033】
図4は、モバイル装置400のブロック図を示す。典型的な携帯電話の例示的な電子回路を図示してある。当該電子回路は、1つまたは複数のマイクロプロセッサを備えうる制御回路412、および本明細書に記載の機能を実装するために制御回路412の1つまたは複数のプロセッサによって実行されるプロセッサ読取可能コードを格納する記憶域またはメモリ410(例えば、ROMのような不揮発性メモリおよびRAMのような揮発性メモリ)を備える。制御回路412はまた、アンテナ402に次々に接続されるRF送受信回路406、赤外線送受信機408、および加速度計のような移動センサ414と通信する。加速度計はモバイル装置に組み込まれており、ユーザにジェスチャを介してコマンドを入力させるインテリジェントUIのようなアプリケーション、GPS衛星との通信が途絶えた後にモバイル装置の移動や方向を計算する屋内GPS機能を可能にし、かつ、装置の方位を検出して、電話を回転したときにディスプレイを縦長から横長に自動的に変更する。例えば半導体チップに搭載したMEMS(micro−electromechanical system)によって、加速度計を提供することができる。加速度方向、ならびに、方位、振動、および衝撃を検出することができる。制御回路412はさらに、リンガ/バイブレータ416、UIキーパッド/スクリーン418、スピーカ420、およびマイクロフォン422と通信する。
【0034】
制御回路412は無線信号の送受信を制御する。送信モード中は、制御回路412はマイクロフォン422からの音声信号、または他のデータ信号を、送受信回路406に提供する。送受信回路406は、アンテナ402を介して通信するために、信号を遠隔局(例えば、固定局、オペレータ、他の携帯電話、等)に送信する。リンガ/バイブレータ416を使用して、着信呼、テキスト・メッセージ、カレンダのリマインダ、アラーム時計のリマインダ、または他の通知を、ユーザに信号送信する。リンガ/バイブレータ416は、ユーザが選択した1つまたは複数の着信音、および/または触知可能な振動を送出することができる。受信モード中は、送受信回路406はアンテナ402を介して音声または他のデータ信号を遠隔局から受信する。受信した音声信号をスピーカ420に提供し、他の受信データ信号も適切に処理する。
【0035】
モバイル装置400は、様々な場所に存在するEM信号を感知することによってその場所を判定し、その振舞いを現在のコンテキストまたは場所に適合させる、コンテキスト/場所認識型の携帯型装置である。これを実現するため、EM信号を感知することにより取得したデータを、UI設定を表すデータとともに、モバイル装置および/または遠隔地の何れかに格納する。場所データおよびUIデータを分析してパターンを検出し、このパターンを使用して、適当な時刻および場所におけるモバイル装置の1つまたは複数のUI設定を自動的に構成する。
【0036】
例えば、ユーザが一般にモバイル装置のUI設定を幾分手動で調整できる場合を考える。この調整には、リンガをオンまたはオフに設定すること、リンガの音量を調整すること、バイブレーション機能をオンまたはオフに設定すること、装置に格納された利用可能な複数の着信音から特定の着信音を設定すること、および発信者番号通知に基づいて特定の着信音を設定することが含まれる。ユーザは、例えば、映画または礼拝に出かけるとき、他人に迷惑をかけないようにリンガをオフにするかもしれない。または、周囲の雑音レベルが高い街の周辺を歩いているときは、リンガを大音量に設定して、確実に着信電話呼が聞こえるようにしてもよい。さらに、ユーザは勤務時間外にポップ音楽のクリップのような個人的な着信音を設定し、勤務時間中は従来のベル音のようなより保守的なビジネス用の着信音を設定するかもしれない。さらに、ユーザは、勤務時間中および勤務時間外に変化する、発信者番号通知に基づく特定の着信音を設定するかもしれない。
【0037】
ユーザは電力節約設定を構成してもよい。当該設定により、画面が消えている場合は、所定の時間経過後にモバイル装置をハイバーネート・モードにし、または、所定の時間経過後にモバイル装置の全ての電源を自動的に落とす。これらの設定も時間とともに変化することが最善であるかもしれない。
【0038】
ユーザは、着信呼の転送をオンまたはオフに設定してもよく、転送する電話番号を設定してもよい。例えば、ユーザが携帯電話の使用が煩わしい会議に出席しており、かつ重要な電話がかかってくる予定である場合は、ユーザは呼をアシスタントに転送することができる。別の例として、職場または自宅にいるユーザは、全ての呼を1つの電話で受けて例えば固定電話を用いた良好な電波状態を得ることができるように、呼を固定電話に転送したいかもしれない。
【0039】
ユーザは、着信呼が音声メールにルーティングされるか転送される前に鳴る呼出音の回数を設定することができる。例えば、勤務時間外は、より回数の多い呼出音が適当かもしれない。勤務時間中は、例えば、デスクに残された電話が取られることなく呼出音が何回も鳴っていると他人の邪魔になるはずであるので、呼出音の回数は少なく設定されるかもしれない。
【0040】
ユーザは、音声メールまたはテキスト・メッセージを受信したこと、または、スケジュールされたカレンダ/日付の予約イベントがきたことをユーザに通知するアラーム・リマインダを設定することができる。ここでも、勤務時間中および勤務時間外、または、日中および真夜中には別々のリマインダが望ましいことがある。
【0041】
ユーザは、点滅光もしくは画面の色、またはモバイル装置に組み込んだ他の光のような視覚的なメッセージ表示を、これらの表示が現在のコンテキストに基づいて相違なることが望ましい場合には、設定することができる。同様に、モバイル装置の現在のコンテキストに最も適切なように、壁紙およびスクリーン・セイバのような他のモバイル装置の機能、ならびに着信拒否を、ユーザが手動で構成することができる。
【0042】
ユーザは、プライバシ設定を設定することもできる。例えば、モバイル装置内の場所ベースのアプリケーションが、特定のユーザの場所を他のユーザに示すことができる。当該他のユーザを、当該特定のユーザに知らせ、当該他のユーザに当該場所へのアクセスを予め許可してもよい。かかるアプリケーションにより、ユーザは、友達が近くにいるかどうかを判定でき、必要ならば会う段取りをつけることができる。プライバシ上の理由から、ユーザは、自分の場所が一時的に他人に利用不可となるように設定を構成することができ、続いて、当該場所を再び利用可能とするように当該設定を有効にすることができる。または、モバイル装置が別の場所または別の時刻に存在する場合は別のユーザ達が特定のユーザの場所データにアクセスできるようにしてもよい。例えば、ユーザは、夜に街に出かけるときに場所ベースのアプリケーションを有効にし、その後に無効にしてもよい。または、特定のユーザが、自分が職場、学校、または自宅にいるかどうかに応じて、別のグループのユーザが自分の場所にアクセスできるようにしてもよい。場所および時間に応じて、かかるプライバシ機能を有効、および無効にすることができる。
【0043】
以上の例は、UI設定の構成を必要とするものである。
【0044】
ユーザが特定の設定を特定の時刻または場所で適切に設定することを忘れた場合は、不便さ、困惑、通信の喪失、または他の問題をもたらすおそれがある。例えば、モバイル装置が、不適切な時刻に、または、不適切な着信音もしくは着信音量で鳴るかもしれない。または、重要な着信呼が、生の人間に転送されて適切に処理されるのではなく、音声メールになってしまうかもしれない。または、ユーザの場所が不注意に暴露されることによって、ユーザのプライバシが危険に晒されるかもしれない。
【0045】
モバイル装置のUI設定を自動的に構成するニーズに対処するために、場所および時刻、例えば、1日の時刻、日/日付、曜日、月、季節、等に基づいてモバイル装置自身の機能を変更するように、モバイル装置を構成することができる。例えば、モバイル装置は、ユーザが毎就業日の午前10時から正午の間に会議に出席すること、および、ユーザがそれぞれの会議の前にリンガをオフにして特定の電話番号への呼の転送を設定することを学習することができる。この学習の結果、モバイル装置は、ユーザが次回会議に出席するときにユーザをこの負担から解放するように、モバイル装置自身を自動的に構成することができる。さらに、ユーザのカレンダ・スケジュールを検討し、ユーザが通常行う機能を前もって実施するように、モバイル装置をトレーニングすることができる。例えば、ユーザは毎週土曜日の朝に何人かの友達とゴルフをするかもしれない。モバイル装置はこの事実を学習し、テキスト・メッセージもしくは音声メールのようなメッセージ、またはツイッターのようなソーシャル・ネットワーキングのウェブ・サイトを介したメッセージを通信するといった動作を行って、ゴルフ・コースで会うことを友達に思い出させることができる。
【0046】
別の例では、ユーザは、自分が喫茶店に到着したことを友達に知らせたいかもしれない。モバイル装置は、ユーザが、自分が喫茶店に到着したことを示すメッセージをツイッターを介して何度も送信することを学習する。次いで、モバイル装置は、ユーザの承認を得て、または、ユーザの承認を得なくても同じメッセージを自動的に送信することができる。承認の例として、モバイル装置の画面に、「また喫茶店にいますね。あなたはこのツイッターのメッセージを送信しました。またそのメッセージを送信しますか?」と表示することができる。例えば、伝達の方式として、任意のソーシャル・ネットワーキング・サイト、従来型の電子メール、またはSMSメッセージがありうる。SMS(Short Message Service)は、GSMモバイル通信システムで標準化されている通信サービスである。モバイル装置を、承認に関する質問、または他の質問もしくはメッセージをどのようにユーザに提示するかを示すUIで構成することができる。
【0047】
別の可能なアプローチでは、モバイル装置は、カレンダ・イベントが計画されている場所にモバイル装置があるかどうかを判定することができる。モバイル装置が当該場所になかった場合は、モバイル装置は、会議の他の参加者またはユーザのアシスタントへの電子メールまたはテキスト・メッセージを自動的に生成して、ユーザが別の場所にいるので会議に遅れるか出席しない旨を示すことができる。例えば、ユーザが郊外の第1の場所にいて、仕事の打合せが第2の場所で行われる予定である場合は、モバイル装置は、ユーザが当該第2の場所での打合せに出席しない旨を判定し、自動的に対応するメッセージを生成することができる。同様に、同時刻に別の場所で衝突する2つの打合せがある場合、モバイル装置は、どちらの打合せ場所の近くにユーザがいるかを判定することができ、ユーザが他方の打合せに出席しない旨を示す対応するメッセージを自動的に生成することができる。
【0048】
打合せまたは他のイベントの場所に到着する推定時刻を判定するためにユーザの場所を追跡することもでき、モバイル装置はユーザが例えば10分で到着することを示すメッセージを打合せの他の参加者に自動的に送信する。例えば、ユーザが車を運転している場合は、トラフィック・マッピング・アプリケーション(trafic mapping application)により、現在の交通状況、天気、および他の条件に基づいて2つの場所(現在の場所およびイベントの場所)の間の運転時間の推定値を判定して、この情報を、自動的に生成したメッセージで報告することができる。
【0049】
さらに、別の機能プロフィールをモバイル装置に組み込んで、ボタンをタッチすると、別の人が同じモバイル装置を手にとって自分の日次スケジュールおよび習慣に即座に適合するように個人プロフィールを再プログラムすることができる。個人プロフィールを、カレンダではなく場所で選択することもできる。別の1組の習慣を、職場と自宅に関連付けることができる。さらに、モバイル装置は、企業ネットワークを検出して、モバイル装置自身を仕事モードに自動的に構成することができ、または、ホーム・ネットワークを検出して、モバイル装置自身を別のモードに自動的に構成することができる。設定/モードの変更を、モバイル装置のLEDの色の変化によって示して所有者に装置の現在のモードを知らせることができ、または、設定/モードの変更を、例えばアイコン、テキスト、または他のオンスクリーン・メッセージを表示することによって示すことができる。
【0050】
一般に、モバイル装置は、感知した場所識別情報に基づいてそのUI設定を自動的に変更することができる。絶対位置、例えば、緯度、経度の座標を確認することができる。または、地理的な位置が必ずしもわからない場所を感知することができる。何れの場合でも、場所識別情報を1つまたは複数のUI設定と相互参照させることができる。例えば、モバイル装置は無線ネットワークから信号を感知して、モバイル装置がネットワークの送信機器の近くにいることを、当該送信機器の具体的な場所が分からない場合でも、知ることができる。無線ネットワークが静的であり長期間同一場所にある可能性が非常に高いので、これにより場所に関する有用な指示がもたらされる。さらに、幾つかの場合では、無線ネットワークの識別子、例えば、Wi−Fi信号のSSIDを使用して、対応する場所を生成するデータベースにアクセスすることができる。例えば、マサチューセッツ州ボストンのSkyhook WirelessはWPS(Wi−Fi Positioning System)を提供している。WPSでは、Wi−Fiネットワークのデータベースを、携帯電話および他のモバイル装置向けの場所認識型アプリケーションで使用する緯度、経度の座標、および場所名と相互参照させる。
【0051】
本明細書における一般的なアプローチでは、モバイル装置で既に利用可能なコンポーネントをあたかもそれらがセンサであるかのように使用することに注目することができる。例えば、Wi−Fi受信機またはBluetooth受信機を使用して、ネットワーク接続を必ずしも確立することなく信号の存在を感知することができる。別の例には、モバイル装置のカメラを使用して光レベルを検出することがある。もっとも、これはカメラの主要な使用目的ではない。別の例には、マイクロフォンを使用して周囲の音声レベルを検出することがある。原則として、モバイル装置の技術的機能をおそらくモバイル装置の設計者が当初は意図していなかった方法で使用して、動作またはモードの変更を駆動できる高度な状況認識をもたらすことができる。
【0052】
図5はモバイル装置のネットワークを示す。述べたように、別の場所でEM信号を感知することによりモバイル装置が取得したデータを、UI設定を表すデータとともに、モバイル装置および/または遠隔地の何れかに格納することができる。例えば、モバイル装置100は、モバイル装置サーバ504、およびバックエンド・サーバ、例えばデータベース・サーバ502を介して、ネットワーク500を通じて通信して、EM信号を感知することにより取得したデータをアップロードすることができる。モバイル装置サーバ504はモバイル装置との通信の扱いを担当し、データベース・サーバ502は、1つの可能なアプローチでは、互いに相互参照させた場所データ、時刻データ、およびUIデータを格納することができる。このデータを代替的にまたは追加的にモバイル装置100に格納することができる。データベース・サーバ502は、モバイル装置100がアクセスするための、前述した緯度、経度の座標、および場所名と相互参照させたWi−Fiネットワークのデータベースを格納することができる。データベース・サーバ502はまた、EM信号からのデータを解決して調査対象の装置の場所を取得するための情報を格納することもできる。
【0053】
図6は、モバイル装置を追跡するためのプロセスを示す。述べたように、モバイル装置の場所およびUI設定を、ある期間、例えば数日間追跡することができ、この追跡結果に基づいてパターンを検出することができる。このパターンに基づいて、1つまたは複数のUI設定を適切な時刻および場所で自動的に構成することができる。本明細書の当該および他の流れ図では、実施するステップは必ずしも別個におよび/または図示した順序で実施する必要はない。
【0054】
追跡プロセスの高レベルな概要では、ステップ600で、モバイル装置が様々な場所を訪れた際の、モバイル装置の移動を追跡する。例えば、このステップでは、当該様々な場所でEM信号から場所識別情報を取得することができる。当該場所識別情報は、例えば、モバイル装置の絶対地理的位置を確認するための情報、および/または当該場所の無線ネットワークの識別子を含むことができる。正確性を高めるため、または、結果を裏付けるために、2以上の場所判定のモードを使用することも可能である。または、最も正確で利用可能な場所判定のモードを使用することができる。例えば、モバイル装置が、GPS信号がしばしば遮断されるかまたは大幅に減衰する屋内にある場合は、Wi−Fiネットワークが一般に最も正確な結果をもたらす。GSMは、セル・サイズに応じてGPSよりも正確ではないかもしれないが、通常は屋内で使用可能である。都市部の屋外では、GPSおよびWi−Fiの場所の正確性は同程度である。郊外または田舎では、Wi−Fiは一般に利用できない。適切なテーブル、リスト、または他のデータ構造を使用して、例えば、時刻と相互参照させた場所データを格納することができる。例えば、データ構造は、各々が(緯度、経度、時刻)、または(ネットワーク識別子、例えばSSID、時刻)を提供する複数のレコードまたはエントリを含んでもよい。様々な(緯度、経度)の結果が互いに指定の距離内にあるとき、それらは同一の場所であると考えることができ、その指定の距離が場所判定の正確性を反映することに留意されたい。
【0055】
ステップ602で、UI(user interface)設定を様々な場所で追跡する。このUI設定には、前述の多数のUI設定のうち何れかを含むことができ、これは一般にはユーザにより手動で構成される。当該設定を、特定の場所に関連して1回または複数回手動で構成できることに留意されたい。設定を、モバイル装置が当該場所にいる間、および/または、モバイル装置が当該場所を訪れる少し前もしくは少し後に、構成することができる。例えば、喫茶店に入ったとき、ユーザは、呼を受信したときにリンガが他の常連客の邪魔にならないように、リンガをオフに設定し、バイブレーション通知をオンに設定することができる。喫茶店にいる間、喫茶店を出る直前、または喫茶店を出た直後に、ユーザはリンガをオンに戻し、バイブレーション通知をオフに戻して設定することができる。これらの設定を、各々、追跡することができる。モバイル装置が最初に場所を感知する前のタイム・ウィンドウ内に検出された設定、およびモバイル装置が最後に場所を感知した後のタイム・ウィンドウ内に検出された設定を、当該場所に関連付けることができる。
【0056】
また、設定をモバイル装置が或る場所に存在する充分前に構成して、当該モバイル装置が当該場所にいるときに当該設定を有効にすることができる。例えば、ユーザはカレンダ・アプリケーションを使用して、リンガを消音するプロフィールを、当該カレンダ・アプリケーションに入力された特定の会議時刻に関連付けてもよい。この場合、リンガを、会議開始時刻の数分前に自動的に消音することができる。
【0057】
さらに、設定が変更されたこと、ならびに、必ずしも最近変更されたとは限らない最新の設定の存在を追跡することができる。適切なテーブル、リスト、または他のデータ構造を使用して、例えば、場所および/または時刻と相互参照させたUI設定を格納することができる。例えば、データ構造は、各々が、(ネットワーク識別子、例えばSSID)、(時刻)および/または(緯度、経度)と相互参照させた(UI設定1、UI設定2、UI設定3、...)を提供する複数のレコードまたはエントリを含んでもよい。UI設定1、UI設定2、UI設定3は、UI設定1=リンガ・オン、UI設定2=個人着信音、およびUI設定3=着信転送オフのような様々なUI設定を表す。幾つかの場合では、UI設定は場所に関連付けられず、時刻、例えば、1日の時刻、曜日、等と相互参照させるのみである。
【0058】
ステップ604で、追跡したモバイル装置の移動のパターンを特定する。例えば、このパターンには、繰返し、例えば、ある閾値回数、または閾値頻度で訪れた場所を含むことができる。例えば、ユーザは、仕事に向かう途中で1週間に3〜5回、朝に喫茶店を訪れるかもしれない。当該喫茶店はそのWi−Fiネットワークによって特定される。ある流れで複数回訪れた場所からパターンを検出することができる。例えば、自宅から職場および職場から自宅という流れが1週間あたり5日発生し、自宅から喫茶店、職場という流れが1週間あたり3〜5回発生するかもしれない。自宅からゴルフ・コースという流れが1週間あたり1回発生するかもしれない。別の例として、自分の職場にいるユーザを、デスクの場所、会議室、および食堂で追跡してもよい。パターンとして、デスクから会議室、デスク、食堂、デスクというパターンを含んでもよい。
【0059】
ステップ606で、追跡したUI設定のパターンを特定する。例えば、ユーザが、朝に喫茶店に行くときはモバイル装置のリンガをオフにし、後で職場に行くときにオンに戻すと判定するかもしれない。さらに、ユーザは、勤務時間中にある着信音を設定し、勤務時間外に別の着信音を設定する。さらに、ユーザは、職場で一定時間、リンガを消音し、着信転送を設定する。
【0060】
任意の種類のパターン検出アルゴリズムを用いてパターンを決定することができる。例えば、繰返し訪れる場所を、当該場所の識別子が格納データに現れる回数を数えることによって、判定することができる。繰返し訪れる場所の流れを、流れの中の当該場所の識別子が格納データに現れる回数を数えることによって、判定することができる。さらに、確率的なメトリックをパターンに割り当てることができる。例えば、自宅から喫茶店、職場が平均して1週間に3〜5回、または1週間に4/5回である例では、4/5=0.80の確率を割り当てることができる。したがって、所与の就業日、すなわち、月曜日から金曜日に対して、ユーザが自宅から喫茶店、職場に行く確率は80%である。1週間のうち特定の日、例えば金曜日にユーザが喫茶店に高い確率、例えば、90%の確率で行くパターンを検出してもよい。
【0061】
さらに、ユーザが特定のUI設定を構成する確率に1つの確率を割り当てることができる。例えば、ユーザが喫茶店を訪れたときに、10回中9回リンガをオフにするかもしれず、その結果、90%の確率となる。別の例では、ユーザが喫茶店を訪れたときに、10回中9回、喫茶店の場所が最初に感知される前10分以内に、または、喫茶店の場所が最初に感知された後10分以内に、リンガをオフにするかもしれず、その結果、この場合も90%の確率となる。別の例では、ユーザが喫茶店を訪れたときに、10回中7回、喫茶店の場所が最初に感知される前5分以内に、または、喫茶店の場所が最初に感知された後5分以内に、リンガをオフにするかもしれず、その結果、70%の確率となる。時間が経つにつれ、新しいパターンを検出することができ、使用されていないという理由で古いパターンを削除することができ、既存のパターンを改良することができる。特定のUI設定がユーザにより特定の時刻および/または場所でなされたことの十分に高い確率に基づいて、モバイル装置は自動的に当該設定を実装することができる。例えば、設定を実装するためには超えなければならない閾値確率を定義してもよい。
【0062】
場所およびUI設定のパターンに関するさらに詳細な例を、図15a〜15eに関連して提供する。
【0063】
ステップ608で、パターンに基づいて自動的に実装するUI設定を決定する。例えば、ユーザが喫茶店を訪れたときにリンガをオフにする場合は、モバイル装置は、当該モバイル装置が喫茶店にいるときを、例えばWi−FiネットワークのSSIDに基づいて自動的に感知することができ、ユーザが手動で介入することを何ら必要とせずに、リンガをオフに設定することができる。場合によっては、モバイル装置は、自動設定が実装されたことをユーザに知らせることができる(図14cおよびその関連する議論を参照)。同様に、モバイル装置は、当該モバイル装置がもはや喫茶店にいないときを自動的に感知することができ、自動的にリンガをオンに戻して設定するかまたは他の何らかのUI設定もしくはプロフィールに復帰することができる。
【0064】
図7は、モバイル装置による場所識別情報の追跡を示し、図6のステップ600に関するさらなる詳細を提供する。述べたように、場所データを1つまたは複数の情報源から取得することができる。これら情報源には、Wi−Fi(無線LAN)、IrDA(赤外線)およびRFビーコンからのような、局所的なEM信号700が含まれる。これらの信号は、オフィス・ビル、倉庫、小売店、等のようなモバイル装置が訪れた特定の場所内から送出される信号である。GPS信号702は地球を周回する衛星から送出され、したがって、モバイル装置が訪れた特定の場所からは送信されない。実際、GPS信号をモバイル装置が使用して、緯度、経度の座標のような地理的場所を判定し、この地理的場所により地球上のモバイル装置の絶対的位置を特定する。この場所を、データベースの検索を用いて場所名に相関付けることができる。GSM信号704は一般に、建物、専用塔、または他の構造物に取り付けられたアンテナから送出される。幾つかの場合では、例えば小規模セル(例えば、ピコセルまたはフェムトセル)では、特定のGSM信号およびその識別子を感知したことを、十分な精度で特定の場所に相関付けることができる。他の場合、例えばマクロ・セルに対して、所望の精度で場所を特定することには、携帯電話のアンテナの電力レベルおよびアンテナ・パターンを測定し、隣接するアンテナの間で信号を補間することを含むことができる。
【0065】
ブロック706は、絶対位置(例えば、緯度、経度)のような場所識別情報、または、場所を表す信号識別子を格納することを示す。例えば、1つの可能な実装形態では、Wi−Fi信号識別子はSSIDであることができる。IrDA信号およびRFビーコンは一般に、場所の代わりに使用できる何らかの種類の識別子も通信する。例えば、小売店のPOS端末がIrDA信号を通信するとき、当該信号は、「イリノイ州シカゴ、店番号100、Sears」のような、小売店の識別子を含む。RFビーコンは調査対象の装置であり、同様に、管理者がデータベース内の場所と相互参照させる識別子を含む。当該管理者は、当該ビーコンを構成し、当該場所を割り当てる者である。データベース・エントリの例としては、Beacon_ID=12345、場所=職場の会議室、がある。
【0066】
図8は、モバイル装置によるユーザ・インタフェース設定の追跡を示し、図6のステップ602に関するさらなる詳細を提供する。ユーザ・インタフェース設定を、UI設定の変更を検出した時点(800)に基づいて追跡することができる。例えば、(「リンガ・オフ」のような)UI設定を変更するユーザ・コマンドを受け取ったときに当該コマンドの実装に加えて当該コマンドを格納するように、モバイル装置を構成することができる。UI設定を、EM信号を感知した時点(802)に基づいて追跡することもできる。例えば、モバイル装置が最初にWi−Fiネットワークを感知したときに、現在のUI設定(例えば、UI設定1=リンガ・オン、UI設定2=個人着信音、およびUI設定3=着信転送オフ)を格納することができる。モバイル装置が繰返し同一のネットワークを感知してもよく、または、例えばモバイル装置が同じ場所にあることを数分毎に判定してもよい。この場合、同一のネットワークが感知されるかまたは同一場所の判定が行われるたびに、同一のUI設定を格納する必要はない。1つの可能なアプローチは、モバイル装置が所与の場所に到着し所与の場所から離れたときに同一のUI設定を格納することである。Wi−Fiネットワークに対しては、これは、Wi−Fi信号が最初および最後に感知されたときを意味する。GPSまたはGSMネットワークに対しては、これは、GPSまたはGSM信号が、指定の緯度、経度の場所またはセルを中心とするゾーンにモバイル装置が到着し当該ゾーンから離れたことを示すときを意味してもよい。
【0067】
UI設定を、所定の時刻になった時点(804)に基づいて追跡してもよい。例えば、UI設定を定期的に、例えば、数分毎に、および/または特定の時刻、例えば毎日午前8時、正午、および午後6時に、または週のうち異なる日の異なる時刻に、記録することができる。
【0068】
ブロック806で、もしあればEM識別子と相互参照させ、時刻と相互参照させた現在のUI設定を格納する。
【0069】
図9は、モバイル装置のUI設定を時刻に基づいて自動的に構成するためのプロセスを示す。1つまたは複数の場所および/またはUI設定パターンを検出した後、ユーザ設定を時刻に基づいて自動的に構成することができる。ステップ900で、例えばモバイル装置のコントローラの時刻機能を用いて、時刻を監視する。判定ステップ902で指定の時刻になった場合は、ステップ904で1つまたは複数のUI設定を当該時刻に基づいて検索する。検索を場所に基づいて行うこともできる。検索したデータをモバイル装置または遠隔地に格納することができる。この場合、モバイル装置は遠隔地に対して呼出しを行ってUI設定を取得する。ステップ906で、UI設定を自動的に構成する。
【0070】
図10は、モバイル装置のUI設定を場所に基づいて自動的に構成するためのプロセスを示す。1つまたは複数の場所および/またはUI設定パターンを検出した後、ユーザ設定を場所に基づいて自動的に構成することができる。ステップ1000で、例えばモバイル装置が感知したネットワーク識別子またはGPS信号もしくはGSM信号を用いて、場所を監視する。判定ステップ1002で指定の場所に到達した場合は、ステップ1004で1つまたは複数のUI設定を当該場所に基づいて検索する。検索を時刻に基づいて行ってもよい。検索したデータをモバイル装置または遠隔地に格納することができる。この場合、モバイル装置は遠隔地に対して呼出しを行ってUI設定を取得する。ステップ1006で、UI設定を自動的に構成する。
【0071】
図11は、電磁放射を様々な時間間隔で感知するためのプロセスを示す。述べたように、モバイル装置は、EM信号を感知することによりその現在の場所に関するデータを取得する。電力消費を制限するため、感知動作を指定の時刻に実施することができる。さらに、モバイル装置が同じ場所に一定時間留まっていると判定された場合には、あまり感知を行わなくてもよい。モバイル装置が当該場所を離れると、感知動作をより頻繁に行うことができる。さらに、UI設定の自動実装を、モバイル装置が同じ場所に一定時間留まっていると判定されるまで遅らせることができる。これにより、例えばモバイル装置が様々な場所にわたって物理的に移動する、かつ/または、例えば複数の近隣のWi−Fiネットワークからの競合し重複するEM信号が存在するために、モバイル装置が様々な場所を感知する場合に、しばしばUI設定が高速にまたは不必要に変更されるという混乱を起こしうる状況が回避される。
【0072】
例示的なプロセスでは、ステップ1100でフラグを偽に設定する。モバイル装置が閾値期間、例えば、数分間、同じ場所にあった場合にフラグが真になる。例えば、RF受信機または赤外線受信機をアクティブにすることにより(図4の406および408を参照)、ステップ1102で感知を行う。感知には、1つのチャネル、またはある範囲のチャネルをパッシブ・スキャンして、1つまたは複数の信号が存在するかどうかを判定することを必要とすることができる。信号が存在する場合は、信号をデコードして、SSIDのような識別情報を取得することができる。GPSおよびGSMアプリケーションに対しては、信号は、タイミング情報に加えて、衛星またはアンテナおよびそれらの場所の識別情報を含んでもよい。判定ステップ1104でEM信号が感知された場合は、感知した信号から、識別子を取得し、かつ/または、場所を判定する。判定ステップ1106で、感知した信号から場所識別情報を取得する。判定ステップ1108で同じ場所が閾値期間検出された場合は、ステップ1116でフラグを真に設定する。感知があまり頻繁に起こらないように、ステップ1118でより長い感知間隔(一連の感知動作の間の時間)を設定する。ステップ1120で、場所に基づいてUI(user interface)設定を検索し、ステップ1122で、当該UI設定を自動的に実装する。ステップ1124で感知間隔が来るまで待機し、その後ステップ1102で感知を再度行う。
【0073】
判定ステップ1104でEM信号が感知されず、判定ステップ1100でフラグが真である場合は、ステップ1114でより短い感知間隔を設定し、感知がより頻繁に行われるようにする。これは、モバイル装置がある場所を離れ、次の場所を検出するためにより頻繁に感知し始める場合に対応する。ステップ1110でフラグが偽である場合は、感知間隔は変更されず、ステップ1124で感知間隔が来るまで待機する。判定ステップ1108で、場所がまだ閾値期間検出されていない場合は、フラグは依然として偽であり、上で論じたステップ1120、1122、および1124を実装する。
【0074】
図12は、モバイル装置のUI設定を動き感知に基づいて自動的に構成するためのプロセスを示す。図4に関して述べたように、モバイル装置は加速度計のような移動/動きセンサ414を有してもよい。加速度計からの情報を、場所識別情報とともに使用して、UI設定を自動的に構成することができる。例示的な実装形態では、ステップ1200で感知を行う。判定ステップ1202でEM信号が感知された場合、ステップ1204で場所識別情報を当該EM信号から取得する。例えば、モバイル装置が、当該モバイル装置がユーザの自宅にあることを感知してもよい。判定ステップ1206で同じ場所が閾値期間検出された場合は、ステップ1208でUI(user interface)の通知の振舞いを場所識別情報に基づいて検索し、ステップ1210で当該振舞いを自動的に実装する。当該通知は、モバイル装置が、例えば着信電話呼、テキスト・メッセージ、カレンダ通知、アラームに応答して提供する音の出る警告および/または目に見える警告に関するものでもよい。音の出る警告には、リンガまたは着信音の種類および音量が含まれる。目に見えるアラームには、メッセージ・ライト、画面の色、またはモバイル装置に組み込まれた他の光を点滅させることが含まれる。
【0075】
例えば、ユーザがモバイル装置をテーブルに置き、例えばユーザが眠ってしまったときのように、閾値期間、例えば、数分間または数時間モバイル装置が動かないことがある。当該場所で自動的に実装するべき適切なUIの振舞いとしては、リンガをオフに設定するか音量を低く設定することが挙げられるかもしれない。1日のうちの時刻のような他の情報を、適切なUIの振舞いを選択する際に考慮することができる。UIの振舞いを自動的に実装する前には、もとのUI通知の振舞いが手動でまたは自動的に設定されている。例えば、モバイル装置はリンガが大音量でオンになっているかもしれない。
【0076】
ステップ1212で、移動が検出されるまで待機する。例えば、ユーザが起きたとき、ユーザはモバイル装置をテーブルから持ち上げ、その時点で動きが感知される。ステップ1214で、モバイル装置の移動が検出されたときに、別のUIの振舞いを自動的に実装する。例えば、モバイル装置は前の、もとのUI設定、例えばリンガが大音量でオン、に復帰してもよい。ステップ1200で再び感知を行う前に、ステップ1218で一定期間待機する。判定ステップ1202でEM信号が感知されない場合は、ステップ1216でもとのUI通知の振舞いを維持し、ステップ1218で一定期間待機する。
【0077】
図12のプロセスを、通知設定だけでなく任意のUIの振舞いに適用できることに留意されたい。
【0078】
図13は、場所のラベルを自動的に生成する、またはユーザにラベルの入力を促すためのプロセスを示す。ラベルとは、「自宅」、「職場」、「会議室」、または「喫茶店」のような、ユーザ・フレンドリな場所名である。容易に理解可能なラベルによってどの場所が現在感知されているかをユーザに知らせることは有用である。当該ラベルは、当該場所が認識されたこと、および、適切なUI設定が当該場所に基づいて自動的に実装されていることをユーザに確認するものとしての役割を果たす。幾つかの場合では、ユーザが自動的なUI設定を上書きすると決定してもよい。または、ラベルが不正確であることもあり、この場合に、ユーザが手動でそれを訂正することができる。1つのアプローチでは、モバイル装置が自動的に、ラベルを特定の場所に割り当てるかまたは割り当てることを提案する。例えば、モバイル装置は、高い確率で当該モバイル装置が毎日午後11時から午前7時の間に特定の場所にあると感知するかもしれない。当該装置は経験則を適用して、当該場所がユーザの自宅であると結論付けることができる。同様に、伝統的な勤務時間である午前9時〜午後5時までの間に訪れた場所に「職場」のラベルを割り当ててもよい。別のアプローチでは、特定の場所を頻繁に、閾値回数、および/または閾値期間訪れた場合は、モバイル装置は当該ユーザに当該場所にラベルを付与するよう自動的に促す。当該閾値期間には、当該場所への複数回の訪問の最小累積時間、および訪問毎の最小時間が含まれる。
【0079】
さらに、感知したEM信号が、ラベルとして使用できる場所情報を提供してもよい。POS端末と対話する前述のモバイル装置の例では、「イリノイ州シカゴ、店番号100、Sears」という情報が、モバイル装置にIrDA赤外線信号で提供された。この情報をラベルとして使用することができるのである。他の場合では、Wi−FiネットワークのSSIDからの情報に、ラベルとして使用できる情報(例えば、「2番通りにあるStarbusks」のようなASCII文字列)、または、前述のSkyhook WirelessのWi−Fi Positioning Systemのようなサービスを用いてラベルを検索するために使用できる情報(例えば、1組のビット)を含んでもよい。後者の場合では、モバイル装置はSSIDで遠隔のデータベース・サーバにクエリを送信し、戻り値として、ラベルとして使用できる場所名を受信することができる。
【0080】
ステップ1300で、閾値頻度でおよび/または閾値回数訪れた場所を判定する。例えば、特定の喫茶店を1週間あたり3〜5回訪れても、当該喫茶店に閾値回数、例えば合計10回訪れるまで、自動的なラベル付与処理またはユーザにラベルを付与するよう催促が行われないとしてもよい。ステップ1320で、場所のラベルを自動的に生成する。ステップ1304で、任意に、ユーザにラベルの承認または編集を促す(図14bを参照)。あるいは、ステップ1306で、ユーザに場所のラベルの生成を促す(図14aを参照)。ステップ1308で、例えば場所識別情報と相互参照させたラベル名を格納することによって、ラベルを場所に関連付ける。
【0081】
図14aは、ユーザに場所のラベルの入力を促すモバイル装置のUIを示す。モバイル装置1400は、情報を閲覧するためのディスプレイ画面1402、および情報を入力するためのキーパッド1404を備える。タッチ・スクリーン型のモバイル装置には、画面に表示される視覚的なキーパッドを使用するものもある。画面1402は、ユーザが現在の場所を頻繁に訪れたことがあること、およびユーザが当該場所のラベルを入力すべきことをユーザに知らせるメッセージを、ユーザに表示する。ユーザは、キーパッド1404を介して適切なラベルを入力することができる。ユーザがその場所にいない別のときに、場所のラベルに対する催促をユーザが検討することも可能である。例えば、1日または週の終わりに、ユーザは訪れた場所のメニューを閲覧して、どれにラベルを割り当てる必要があるかを判定してもよい。既存のラベルを編集することも可能である。
【0082】
図14bは、場所のラベルを自動的に決定し、ユーザに当該ラベルの承認を促すモバイル装置のUIを示す。ここで、モバイル装置は、画面1406で、現在の場所に「自宅」のラベルを自動的に割り当てることを提示し、ユーザに提示したラベルの承認を求める。ユーザは、提示されたラベルを受け入れられる場合は「はい」を選択し、受け入れられない場合は「いいえ」を選択することができる。後者の場合は、ユーザに所望の場所名を入力するよう要求する。
【0083】
図14cは、ユーザに現在のUIプロフィールを通知するモバイル装置のUIを示す。述べたように、どの場所が現在感知されているかをユーザに通知して、当該場所に基づいて適切なUI設定が自動的に実装されていることをユーザに確認する役割を果たし、それにより、ユーザが当該自動的なUI設定を上書きするか、または当該ラベルを手動で訂正できるようにすることは、有用でありうる。ここで、画面1408は、現在のプロフィールが「自宅」であると示している。これは、当該場所に関連付けられた特定のUI設定、例えばプロフィールが、自動的に実装されたことを意味する。当該画面により、ユーザはプロフィールを変更することもできる。現在のプロフィールを、テキストおよび/またはグラフィック/画像で示すことができる。さらに、ユーザが、場所ごとに特定のグラフィックまたは画像を選択できる場合もある。
【0084】
図14dは、ユーザに現在のUIプロフィールの詳細を通知するモバイル装置のUIを示す。画面1410は、着信音が個人的な着信音、リンガ・オン、バイブレーション・オフ、および転送オフを含む、「自宅」プロフィールの詳細を提供する。ユーザは、1つまたは複数のUI設定を変更すると決定してもよく、適切なUIメニューを用いてかかる変更を行うことができる。
【0085】
図15aは、対応する場所データおよび手動で構成したUI設定を伴う、1日におけるユーザのイベントの例示的なシーケンスを示す。述べたように、モバイル装置が訪れた場所およびモバイル装置のUI設定を、長時間にわたって、例えば数日間、追跡することができ、UI設定の自動実装のためのパターンを検出することができる。さらに、UI設定の自動実装に関する以前の決定を確認または修正するために、追跡を続行することができる。提供された例示的なレコードにより、1日に発生した、追跡したイベントを列挙する。同様なレコードを、別の日にも取得してもよい。さらに、別の場所を訪れたこと、および、別のUI設定をユーザが行ったことに応じて、レコードが変化してもよい。
【0086】
レコードまたはテーブルにおいて、列1500は時刻を示す(24時間表記を使用)。列1502はイベントの説明を提供する。列1504は、モバイル装置が感知し追跡し、例えば格納、分析して、パターンを検出する場所データを示す。列1506は、ユーザによって設定され、パターンを検出するために追跡する手動のUI設定を示す。7時に、ユーザが起床しモバイル装置の電源を入れる。モバイル装置はGSM信号からその場所を感知し、判定した場所に識別子ID1を割り当てる。この時点で、実際のUI設定をユーザが手動で構成してもよく、または、UI設定は、モバイル装置に電源を入れたときに生成されるデフォルトの設定であってもよい。7時30分に、ユーザはホーム・ネットワークを有効にする。1分後、7時31分に、モバイル装置がホーム・ネットワークを感知し、当該場所に識別子ID2を割り当てる。当該場所は、Wi−Fiロケーション(Wi−Fi location)である。8時に、ユーザが仕事に出かけ、車を運転する。したがって、モバイル装置はもはやホーム・ネットワークを感知しない。その代わり、GPS信号を感知し、職場への経路上の場所または1組の場所に識別子ID3を割り当てる。
【0087】
8時30分に、ユーザが職場近くの喫茶店に到着し、モバイル装置が、喫茶店で識別子ID4を有するWi−Fiネットワークを感知する。8時31分に、ユーザは、何らかの着信電話呼によって喫茶店の他の常連客の邪魔にならないように、リンガをオフにし、バイブレーション機能をオンにして、UI設定を手動で変更する。列1506は、これらの設定が記録されたことを示す。8時49分に、ユーザは喫茶店を出る準備が整い、UI設定を以前の状態(リンガ・オン、バイブレーション・オフ)に戻し、さらに、職場に適した着信音を設定する。8時50分に、ユーザは喫茶店を出て、徒歩で職場に向かい、モバイル装置はもはや喫茶店のWi−Fiネットワークを感知しない。しかし、GSM信号を検出し、識別子ID5を割り当てる。9時に、ユーザは職場のデスクに到着し、モバイル装置が例えばBluetooth信号を介して無線キーボードを感知し、識別子ID6を割り当てる。
【0088】
ユーザは9時55分まで仕事をし、その時点で会議の準備をする。会議中にモバイル装置から邪魔されるのを防ぐため、ユーザはリンガおよびバイブレーション機能をオフにし(これを、1つの「サイレント・モード」コマンド/ボタンで実現してもよい)、着信呼がアシスタントに転送されるように転送機能を設定する。9時58分に、ユーザは会議室に徒歩で向かい、会議に10時から12時まで出席する。例として、GPS信号が屋内で遮断されGSM信号も遮断されているかまたは利用できないため、場所データがこの時点で利用できないと仮定する。または、かかる信号は利用できるが、場所の判定のためには使用できないとする。午後12時2分に、ユーザは会議室を出て、モバイル装置を以前の職場設定(リンガ・オン、転送オフ)に戻す。ユーザはWi−Fiを備えた食堂に午後12時5分に到着し、モバイル装置がWi−Fi信号を感知して、ID7の識別子を取得する。12時50分に、ユーザは食堂を出て、その時点でWi−Fiネットワークをもはや感知せず、12時55分にユーザが職場のデスクに戻り、そこで無線キーボードからのBluetooth信号を再び感知する。モバイル装置は、識別子ID6を有する同じ場所に当該モバイル装置があることを認識する。
【0089】
17時に、ユーザは職場のデスクを離れ、したがって、無線キーボードからのBluetooth信号をもはや感知しない。17時5分に、ユーザは個人的な着信音を設定し、自宅に向かって運転し始める。GPS信号を経路沿いの1つまたは複数の場所で感知し、ID8の識別子を割り当てる。モバイル装置が、ID3の同じ経路を逆に辿っていると判定することも可能である。18時に、ユーザは自宅に到着し、モバイル装置がID2を有する自宅のWi−Fiネットワークを感知する。モバイル装置は、識別子ID2を有する同じ場所に再び当該モバイル装置があることを認識する。19時に、ホーム・ネットワークが無効にされ、したがってホーム・ネットワークをもはや感知しない。モバイル装置は、GSM信号の感知に戻る。モバイル装置は、識別子ID1を有する同じ場所に再び当該モバイル装置があることを認識する。22時に、ユーザはモバイル装置の電源を切る。
【0090】
上のシナリオでは、ユーザはUI設定を何回か(列1506)変更し、例えば場所、UI設定、および時刻のパターンを検出するために、これらの変更を記録して分析をすることができる。
【0091】
図15bは、図15aのイベントの例示的なシーケンスのうち、場所識別子と時刻のリストを示す。列1510は、時刻のエントリを示し、列1512は対応する場所の識別子を示す。幾つかの場合では、複数の時刻範囲が同じ識別子に関連付けられる。例えば、ID1は7時〜7時31分および19時〜22時に関連付けられ、ID2は7時31分〜8時および18時〜19時に関連付けられ、ID6は9時〜9時58分および12時55分〜17時に関連付けられる。図示したように、他の期間には他の識別子が関連付けられる。このリストは、時刻と相互参照させた場所のパターンを示すものである。述べたように、かかるデータを例えば数日間にわたって取得して、より高い確実性をもってパターンを特定することができる。さらに、様々な場所識別子を同じ場所に関連付けることができる。例えば、ID1およびID2は両方ともユーザの自宅を表す。
【0092】
図15cは、図15aのイベントの例示的なシーケンスのうち、手動で構成したユーザ・インタフェース設定と場所識別子のリストを示す。列1520は時刻のエントリを示し、列1522は対応するUI設定を示す。ここで、幾つかの異なる場所識別子が共通のUI設定に関連付けられる。例えば、ID1、ID2、ID3およびID8は、リンガ・オン、バイブレーション・オフ、個人的な着信音、および転送オフからなるUIプロフィールに関連付けられる。ID4は、リンガ・オフ、バイブレーション・オン、および転送オフからなるUIプロフィールに関連付けられる。ID5、ID6、およびID7は、リンガ・オン、バイブレーション・オフ、職場の着信音、および転送オフからなるUIプロフィールに関連付けられる。
【0093】
図15dは、図15aのイベントの例示的なシーケンスのうち、手動で構成したUI設定と時刻のリストを示す。列1530は時刻のエントリを示し、列1532は対応するUI設定を示す。幾つかの異なる期間が共通のUI設定に関連付けられる。例えば、7時〜8時半は、複数の隣り合う期間を有し、リンガ・オン、バイブレーション・オフ、個人的な着信音、および転送オフからなるUIプロフィールに関連付けられる。8時半〜8時50分は、リンガ・オフ、バイブレーション・オン、および転送オフからなるUIプロフィールに関連付けられる。8時50分〜9時58分、12時5分〜12時50分、および12時55分〜17時は、リンガ・オン、バイブレーション・オフ、職場の着信音、および転送オフからなるUIプロフィールに関連付けられる。10時〜12時は、リンガ・オフ、バイブレーション・オフ、および転送オンからなるUIプロフィールが関連付けられる。この最後の期間(ユーザが会議室にいるとき)では、この期間に場所データが取得できなかったので、場所データと相互参照させていない情報が提供されることに留意されたい。
【0094】
図15eは、図15aのシーケンスに基づいて、対応する場所データおよび自動で構成したUI設定を伴う、1日におけるユーザのイベントの例示的なシーケンスを示す。図15〜15dに示すような検出パターンを用いて、幾つかの場合ではUI設定を自動的に構成することができる。列1540は時刻を示し、列1542はイベントの説明を提供し、列1544は場所データを示し、列1546は実装した自動UI設定を示す。自動UI設定を実装した図15aのイベントの部分集合が示されている。8時30分に、喫茶店のWi−Fi(ID4)を検出したことに基づいて、リンガをオフに、バイブレーションをオフに設定する。9時に、無線キーボードからのBluetooth信号(ID6)を検出したことに基づいて、リンガをオンに、バイブレーションをオフに、職場の着信音をオンに設定する。10時に、10時〜12時の会議の開始時刻を検出したことに基づいてリンガをオフに、バイブレーションをオフに、転送をオンに設定する。12時5分に、食堂のWi−Fiネットワーク(ID7)を検出したことに基づいてリンガをオンに、転送をオフに設定する。12時55分に、無線キーボードからのBluetooth信号(ID6)を検出したことに基づいて、リンガをオンに、バイブレーションをオフに、職場の着信音をオンに設定する。17時5分に、職場から自宅へのGPS経路(ID8)を検出したことに基づいて個人的な着信音がオンに設定される。
【0095】
述べたように、時刻パターンおよび場所パターンの両方を使用して自動UI設定を提供することができる。例えば、喫茶店のWi−Fi(ID4)を検出したことに基づいてリンガをオフに、バイブレーションをオンに設定することに関して、このイベントは平均して各平日の大体8時30分に、1週間あたり3〜5回行われる。場合によっては、Wi−Fi検出が指定のタイム・ウィンドウ内、例えば8時30分の前後30分以内に検出された場合に自動設定が実装されるように、時間的な制約を課してもよい。自動UI設定が例えば平日、または一週間のうち他の日にのみ実装されるように、曜日に関する制約を課してもよい。例えば、自動的なUI設定が祝日には実装されないように、祝日のような特殊な日を考慮することもできる。
【0096】
さらに、場所に入ったことまたは場所を離れたことの何れかによりUI設定の自動実装を引き起こすことができる。場所に入ったことは、例えば当該場所に関連付けられたEM信号の検出によって証明され、場所を離れたことは、例えば当該場所に関連付けられたEM信号を検出しその後当該場所に関連付けられたEM信号をもはや検出しなくなったことによって証明される。例えば、無線キーボードからのBluetooth信号(ID6)を検出したことに基づいてリンガをオンに、バイブレーションをオフに、職場の着信音をオンに設定することに関して、これを、代替的にモバイル装置が食堂のWi−Fiネットワーク(ID7)を離れたことを検出したことによって引き起こすことができる。別のアプローチでは、或る場所を出発して別の場所に到着することを含むシーケンスを用いて自動UI設定を引き起こす。タイム・ウィンドウ内にある出発と到着との間の時間差が自動UI設定を引き起こし、タイム・ウィンドウ内にない出発と到着との間の時間差が自動UI設定を引き起こさないように、出発と到着との間のタイム・ウィンドウを課すことができる。さらに別の可能なアプローチでは、第1の場所に到着しその後第2の場所に到着することを含むシーケンスを用いて自動UI設定を引き起こし、第1の場所に到着せずに第2の場所に到着したときは自動UI設定を引き起こさないか、または別のUI設定を引き起こす。多数の変形が可能である。
【0097】
図16は、様々な実施形態を実装するのに適したコンピュータ・ハードウェアの例示的なブロック図を示す。コンピュータ・ハードウェアは、例えば、図4のモバイル装置を表すことができる。様々な実施形態を実装するための例示的なシステムは、汎用目的のコンピューティング装置1610を含む。コンピューティング装置1610のコンポーネントには、処理ユニット1620、システム・メモリ1630、および当該システム・メモリを含む様々なシステム・コンポーネントを処理ユニット1620に接続するシステム・バス1621を含んでもよい。システム・バス1621は、例えば、メモリ・バスまたはメモリ・コントローラ、周辺バス、および様々なバス・アーキテクチャの何れかを用いたローカル・バスであってもよい。
【0098】
コンピューティング装置1610は、様々なコンピュータ読取可能媒体またはプロセッサ読取可能媒体を備えることができる。コンピュータ読取可能媒体は、コンピューティング装置1610がアクセスできる任意の利用可能な媒体であることができ、揮発性の媒体および不揮発性の媒体の両方、取外し可能媒体および取外し不能媒体の両方が含まれる。コンピュータ読取可能媒体は、コンピュータ読取可能命令、データ構造、プログラム・モジュール、または他のデータのような情報を格納するための任意の方法または技術で実装した、揮発性の媒体および不揮発性の媒体、取外し可能な媒体および取外し不能な媒体のようなコンピュータ記憶媒体を備えてもよい。コンピュータ記憶媒体には、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュ・メモリもしくは他のメモリ技術、CD−ROM、DVD(digital versatile disk)もしくは他の光ディスク記憶、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶もしくは他の磁気記憶装置、または所望の情報の格納に使用できコンピューティング装置1610がアクセスできる他の任意の媒体が含まれるがこれらに限らない。上記の何れかの組合せも、コンピュータ読取可能媒体の範囲に含まれる。
【0099】
システム・メモリ1630は、コンピュータ記憶媒体を、ROM(read onlymemory)1631およびRAM(randam access memory)1632のような揮発性および/または不揮発性のメモリの形で備える。BIOS(basic input/output system)1633は、例えば起動中にコンピューティング装置1610内の要素の間で情報を転送することを支援する基本ルーチンを含み、一般にROM1631に格納される。RAM1632は一般に、処理ユニット1620が即座にアクセス可能なデータおよび/または演算装置1620で現在実行されているプログラム・モジュールを含む。例えば、オペレーティング・システム1634、アプリケーション・プログラム1635、他のプログラム・モジュール1636、およびプログラム・データ1637を提供してもよい。
【0100】
コンピューティング装置1610はまた、他の取外し可能/取外し不能、揮発性/不揮発性のコンピュータ記憶媒体を備えてもよい。例としてのみ、図16は、固体メモリのような取外し不能で不揮発性のメモリ1640、および取外し可能で不揮発性のメモリ・カード1652を読書きするメモリ・カード(例えば、SDカード)インタフェース/リーダ1650を示す。例示的な動作環境で使用できる他の取外し可能/取外し不能、揮発性/不揮発性のコンピュータ記憶媒体には、フラッシュ・メモリ・カード、デジタル多用途ディスク、デジタル・ビデオ・テープ、固体RAM、固体ROM、等が含まれるがこれらに限らない。
【0101】
コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ1610に対して、コンピュータ読取可能命令、データ構造、プログラム・モジュール、および他のデータを格納する。例えば、取外し不能で不揮発性のメモリ1640が、オペレーティング・システム1644、アプリケーション・プログラム1645、他のプログラム・モジュール1646、およびプログラム・データ1647を格納するとして示されている。これらのコンポーネントは、システム・メモリ1630内のオペレーティング・システム1634、アプリケーション・プログラム1635、他のプログラム・モジュール1636、およびプログラム・データ1637と同一であるかまたは異なってもよい。ここでは、オペレーティング・システム1644、アプリケーション・プログラム1645、他のプログラム・モジュール1646、およびプログラム・データ1647に異なる番号を付して、少なくとも、それらが異なるコピーであることを示す。ユーザは、キーボード/タッチ・スクリーン1662およびマイクロフォン1661のような入力装置を介してコマンドおよび情報をコンピューティング装置1610に入力することができる。他の入力装置(図示せず)には、ジョイスティック、ゲーム・パッド、パラボラ・アンテナ、スキャナ、等を含んでもよい。これらおよび他の入力装置はしばしば、システム・バスに接続されるユーザ入力インタフェース1660を介して処理ユニット1620に接続されるが、パラレル・ポート、ゲーム・ポート、またはUSB(universal serial bus)のような他のインタフェースおよびバス構造によって接続してもよい。ディスプレイ/モニタ1691も、ビデオ・インタフェース1690のようなインタフェースを介してシステム・バス1621に接続される。オーディオ出力1697のような他の周辺出力装置を、出力周辺インタフェース1695を介して接続してもよい。
【0102】
コンピューティング装置1610は、1つまたは複数のリモート・コンピューティング装置、例えばリモート・コンピューティング装置1680への論理接続を用いてネットワーク環境で動作してもよい。リモート・コンピューティング装置1680は、別のモバイル装置、パーソナル・コンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ピア・デバイス、または他の共通ネットワーク・ノードであってもよく、一般に、コンピューティング装置1610に関して上述した要素の多くまたは全部を含む。かかるネットワーク環境は、職場、企業規模のコンピュータ・ネットワーク、イントラネット、およびインターネットにおいて一般的である。
【0103】
ネットワーク環境で使用する場合は、コンピューティング装置1610はネットワーク・インタフェースまたはアダプタ1670を介して別のネットワークに接続される。ネットワーク環境では、コンピューティング装置1610に関して図示したプログラム・モジュールまたはその一部を、遠隔のメモリ記憶装置に格納してもよい。例えば、リモート・アプリケーション・プログラム1685はメモリ装置1681に存在することができる。図示したネットワーク接続は例示であって、コンピューティング装置間で通信リンクを確立する他の手段を使用してもよい。
【0104】
例示および説明の目的のため、本明細書に上述の本発明の技術の詳細な説明を提示した。本記載は、包括的であるものでも、本発明の技術を開示した厳密な形態に限定しようとするものでもない。以上の教示に照らして、多数の修正や変形が可能である。説明した諸実施形態は、本発明の技術の原理およびの実用的な適用例を最も良く説明し、それにより、当業者が本発明の技術を様々な実施形態において、かつ、考えられる具体的な使用に適するように様々な修正を加えて、最も良く利用できるように選択されたものである。本発明の技術の範囲が添付の特許請求の範囲によって定義されることを意図している。
【技術分野】
【0001】
本発明は、モバイル装置向けのコンテキスト・ベースの対話モデルに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話は、社会に遍在するようになったモバイル通信装置である。音声通信、およびウェブ閲覧のような他のデータ通信の提供に加えて、モバイル装置は一般に、指定回数リマインダ通知を提供できるカレンダ・スケジューリング・アプリケーションのような、幾つかの組込みのアプリケーションを有する。しかし、ユーザのニーズに適合するようにモバイル装置を構成する上で、モバイル装置のユーザには非常に高い負荷がかかる。例えば、リンガおよび他の通知設定、着信転送設定、ならびに他の設定のような、装置の様々な振舞いを構成することができる。特定の時刻および場所で特定の設定を構成できないと、ユーザにとっての不便さ、困惑、通信の喪失、または他の問題を引き起こすおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
無線信号による通信を提供するコンテキスト認識型(context−aware)のモバイル装置、および、かかるモバイル装置を制御するためのプロセッサ実装型の方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
モバイル装置は、無線信号により通信する、携帯電話、ウェブ対応のスマート・フォン、パーソナル・デジタル・アシスタント、パームトップ・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータ、または同様な装置のような、ハンドヘルド・モバイル装置であってもよい。モバイル装置は、訪れた様々な場所で無線信号を定期的に感知し、ユーザが手動で設定したUI(user interface)設定を格納する。当該様々な場所は、ユーザの自宅、職場、喫茶店、等であることができる。モバイル装置は、例えば、Wi−Fiネットワーク、Bluetoothネットワ−ク、RFもしくは赤外線のビーコン、または無線POS(post−of−sale)端末からの無線信号を感知し、当該信号に関連付けられた識別子を格納することによって、モバイル装置が特定の場所にあると判定することができる。UI設定は、音の出る警告および目に見える警告、着信転送設定、ならびに他の設定のような通知設定に関することができる。次いで、移動およびUI設定における、互いに関するおよび時刻に関するパターンを特定する。例えば、モバイル装置が或る喫茶店に1週間に5日、午前8時30分に訪れ、ユーザが当該喫茶店に着いたときにリンガをサイレント・モードに設定するパターンを検出してもよい。以降、当該パターンに対応する特定の場所に着くかまたは特定の時刻になると、適切なUI設定を実装し、それによりユーザをこの作業から解放することができる。例えば、ユーザが後に当該喫茶店を訪れたとき、モバイル装置は自動的に自身のリンガをサイレント・モードに構成することができる。
【0005】
1実施形態では、無線信号により通信するコンテキスト認識型のモバイル装置を制御するためのプロセッサ実装型の方法を提供する。当該方法は、モバイル装置が訪れた様々な場所に存在する電磁放射線、例えば無線RF信号をモバイル装置に感知させることによってモバイル装置の移動を追跡するステップ、および、それぞれの場所の電磁(EM)放射線に関連付けられた場所識別情報を格納するステップを含む。当該方法はさらに、モバイル装置の移動のパターンを、当該移動の追跡結果に基づいて特定するステップを含む。例えば、当該パターンが、ユーザが特定の場所を一定回数定期的に訪れることを示してもよい。モバイル装置が様々な場所にある場合に、場所識別情報と相互参照させてモバイル装置のユーザ・インタフェース設定を格納し、当該様々な場所に関するモバイル装置のユーザ・インタフェース設定のパターンを、当該ユーザ・インタフェース設定の追跡結果に基づいて特定することにより、モバイル装置のユーザ・インタフェース設定を追跡する。当該方法はさらに、モバイル装置の移動のパターンおよびモバイル装置のユーザ・インタフェース設定のパターンに基づいて、ユーザが介入することなく自動的にモバイル装置のユーザ・インタフェース設定を修正するステップを含む。例えば、モバイル装置が或る場所に入ったときにリンガを自動的にオフにしてもよい。
【0006】
本発明の概要は、選択した概念を簡潔な形で導入するために与えたものである。その概念は、後に発明を実施するための形態においてさらに説明する。本発明の概要は、特許請求する主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定しようとするものではなく、特許請求する主題の範囲を限定するために使用しようとするものでもない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】様々な場所の様々な電磁場を通過するモバイル装置を示す図である。
【図2a】場所を衛星のGPS信号から判定するモバイル装置を示す図である。
【図2b】場所を携帯電話のアンテナのGSM信号から判定するモバイル装置を示す図である。
【図3a】Wi−Fiネットワークで無線RF信号を感知するモバイル装置を示す図である。
【図3b】Bluetoothネットワークで無線RF信号を感知するモバイル装置を示す図である。
【図3c】ビデオ・ゲームのコントローラおよびコンソールから無線RF信号を感知するモバイル装置を示す図である。
【図3d】ビーコンからの無線RF信号を感知するモバイル装置を示す図である。
【図3e】POS端末で赤外線信号を感知するモバイル装置を示す図である。
【図4】モバイル装置のブロック図である。
【図5】モバイル装置のネットワークを示す図である。
【図6】モバイル装置を追跡するためのプロセスを示す図である。
【図7】モバイル装置による場所識別情報の追跡を示す図である。
【図8】モバイル装置によるユーザ・インタフェース設定の追跡を示す図である。
【図9】モバイル装置のユーザ・インタフェース設定を時刻に基づいて自動的に構成するためのプロセスを示す図である。
【図10】モバイル装置のユーザ・インタフェース設定を場所に基づいて自動的に構成するためのプロセスを示す図である。
【図11】電磁放射を様々な時間間隔で感知するためのプロセスを示す図である。
【図12】モバイル装置のユーザ・インタフェース設定を動き感知に基づいて自動的に構成するためのプロセスを示す図である。
【図13】場所のラベルを自動的に生成する、またはユーザにラベルの入力を促すためのプロセスを示す図である。
【図14a】ユーザに場所のラベルの入力を促すモバイル装置のユーザ・インタフェースを示す図である。
【図14b】場所のラベルを自動的に決定し、ユーザに当該ラベルの承認を促すモバイル装置のユーザ・インタフェースを示す図である。
【図14c】ユーザに現在のユーザ・インタフェース・プロフィールを通知するモバイル装置のユーザ・インタフェースを示す図である。
【図14d】ユーザに現在のユーザ・インタフェース・プロフィールの詳細を通知するモバイル装置のユーザ・インタフェースを示す図である。
【図15a】対応する場所データおよび手動で構成したユーザ・インタフェース設定を伴う、1日におけるユーザのイベントの例示的なシーケンスを示す図である。
【図15b】図15aのイベントの例示的なシーケンスのうち、場所識別子と時刻のリストを示す図である。
【図15c】図15aのイベントの例示的なシーケンスのうち、手動で構成したユーザ・インタフェース設定と場所識別子のリストを示す図である。
【図15d】図15aのイベントの例示的なシーケンスのうち、手動で構成したユーザ・インタフェース設定と時刻のリストを示す図である。
【図15e】図15aのシーケンスに基づいて、対応する場所データおよび自動で構成したユーザ・インタフェース設定を伴う、1日におけるユーザのイベントの例示的なシーケンスを示す図である。
【図16】様々な実施形態を実装するのに適したコンピュータ・ハードウェアの例示的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
無線信号により通信するコンテキスト認識型のモバイル装置、および、かかるモバイル装置を制御するためのプロセッサ実装型の方法を提供する。従来は、モバイル装置がユーザの習慣を学習する能力がないため、装置の振舞いを装置の現在のコンテキストに適したものに変更するよう、ユーザが装置を手動で構成しなければならない。ユーザは、現在の場所および/または時刻に基づいて装置を構成しなければならない。例えば、礼拝のようなイベントに出席しているときは、ユーザは一般にリンガを前もってオフにし、着信電話呼、テキスト・メッセージ、カレンダ通知、アラーム、等により、音の出る通知で迷惑をかけないようにするだろう。これはユーザに負担を課すものである。同様に、ユーザは、イベントから離れた後にリンガをオンに戻すようにモバイル装置を再構成しなければならず、そうしなければ着信メッセージを見逃してしまうかもしれない。
【0009】
コンテキスト認識型のモバイル装置およびかかるモバイル装置を制御するための方法により、一定期間、例えば、数日または数週にわたってモバイル装置の使用を追跡し、当該使用のパターンを検出することによって、これらの問題を克服することができる。当該追跡により、モバイル装置が繰返し1つまたは複数の場所で行う定期的な機能を特定することができる。これには、一般に既に今日のモバイル装置に存在するモバイル装置の様々な機能、例えば、カレンダ、時計および場所検出器を、例えばオペレーティング・システムにおけるソフトウェアまたはファームウェアのアップデートにより追加した機能とともに使用することを必要としてもよい。幾つかの場合では、同様にハードウェアも追加する。ユーザの習慣を学習した後、モバイル装置はその設定を、例えばユーザのプロフィール、1日の時刻、場所に基づいて自動的に修正することができる。これにより、モバイル装置は、ユーザの介入なしにその振舞いをその日にわたって様々な場所で自動的に変更することができる。
【0010】
図1は、様々な場所の様々な電磁場を通過するモバイル装置を示す。電磁(EM)放射線、例えば無線RF(radio frequency)信号および赤外線信号は、モバイル装置が訪れる多数の場所に存在する。EM放射線が或る場所のソースから放射される場合もあれば、EM放射線が当該場所外から放射される場合もある。複数の種類のEM放射線が同一場所に存在する。マイクロ波帯のGPS(Global Positioning System)衛星からのEM放射線およびUHF(ultra high frequency)帯の携帯電話アンテナからのEM放射線のようなEM放射線は、比較的長い距離を伝わることができる。UHFはまた、Wi−Fi(IEEE 802.11)およびBluetooth(IEEE 802.15.1)送信にも用いられる。例えば、第1のEM放射線放射装置104が場所A(102)で範囲103にわたって信号を送信することができ、第2のEM放射線放射装置108が場所B(104)で範囲107にわたって信号を送信することができ、第3のEM放射線放射装置112が場所C(110)で範囲111にわたって信号を送信することができる。当該範囲は様々であることができる。ユーザが携帯するモバイル装置100が、様々な場所の放射領域を様々な時刻に通過することがある。さらに、様々な場所を訪れる際、モバイル装置をEM信号に関連付けても関連付けなくてもよい。すなわち、EM信号の存在を、当該信号を提供するネットワークに接続することなく受動的に検出することができる。EM信号を、当該信号を完全にデコードして検出することもできる。当該信号が存在することだけを使用して、モバイル装置の現在のコンテキストに関する重要な手掛りを得ることができる。しかし、場合によっては、モバイル装置をEM信号に関連付けることができる場合もある。信号を提供するネットワークに関連付けることで、誰かが場所のなりすましを試みるセキュリティ脅威が減る。さらに、BluetoothおよびWi−Fiのようなネットワークはセキュアな形態もセキュアでない形態もとり、その何れかを使用することができる。
【0011】
モバイル装置は一般に携帯電話の機能を備える一方で、Wi−Fi、Bluetooth、およびIrDA(Infrared Data Association)のような他の通信技術が存在し、今日では多数のモバイル装置に組み込まれている。これらの技術により、音声通信および他のデータ通信が可能となっている。モバイル装置には一般に、携帯電話(ウェブ対応のスマート・フォンを含む)、PDA(personal digital assistant)/パームトップ・コンピュータ、ポータブル・メディア・プレイヤ(例えば、MICROSOFT社のZUNE「登録商標」、APPLE社のIPOD「登録商標」)、ネット・ブックのようなラップトップ・コンピュータ、および他の装置を含むことができる。
【0012】
図2aは、場所を衛星のGPS信号から判定するモバイル装置を示す。モバイル装置100は、大気状態、場所の時刻、等のような様々な要因に応じて、場合によっては3つ以上の衛星、例えば例示的な衛星200、202、204からのGPS信号を用いて数メートル内の場所を判定することができる。判定した場所は、一般に、緯度、経度の座標によって提供される。
【0013】
GPS信号から判定される場所を使用してモバイル装置のUI(user interface)設定を構成することができ、GPS信号はUI設定を構成するための他の有益な情報を生み出すことができる。当該他の情報には、モバイル装置がどの方向に動いているか、モバイル装置がどのくらい早く動いているか、およびモバイル装置が高度において上に移動しているか下に移動しているかが含まれる。これらの情報を全て使用して、具体的な場所自体の意味付けを試みることなく、状況をさらに認識することができる。すなわち、モバイル装置の場所が変わったことを判定することは、当該場所自体が知られていなくとも、有用である。例えば、モバイル装置の場所の変化が、モバイル装置が時速50マイルで動いていることを示す場合は、ユーザは電動式の乗り物に乗っており歩いてはいないと経験的に結論付けることができる。モバイル装置の高度が毎秒10メートルで増大している場合は、モバイル装置はおそらくエレベータ内にある。適切なUI設定は、これらの種類の情報の関数であることができる。例えば、電動式の乗り物の中では、道路の雑音に勝るようにリンガの音量を自動的に高く設定してもよく、または、気が散るのを回避するためにリンガをオフに設定してもよい。同様に、エレベータの中では、エレベータの内部は通常は静かであるので、リンガの音量を低く設定してもよい。
【0014】
図2bは、場所を携帯電話のアンテナのGSM(Global System for Mobile communication)信号から判定するモバイル装置を示す。GSMは、世界で最もポピュラーな携帯電話の標準であり、可能な携帯電話通信プロトコルの1例である。別の携帯電話通信プロトコルにはUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)がある。GPSに関して、携帯電話の信号を同様に使用して場所を特定することができる。その精度はセル・サイズに依存する。大規模なセルに対しては、精度はGPSの精度より悪い、例えば約50メートル以内であることがある。小規模なセルの精度は、GPSの精度と同様かまたはそれより良好でありうる。携帯電話の信号を用いて場所を特定することには、携帯電話のアンテナの電力レベルおよびアンテナ・パターンを測定し、隣接するアンテナ塔の間で信号を補間することを含むことができる。モバイル装置100は、例示的なアンテナ210、212、および214からの信号を用いてモバイル装置の場所を判定することができる。判定した場所を、例えば、緯度、経度の座標によって、または、セル・アンテナの識別子によって、提供することができる。
【0015】
GSM標準では、様々なカバレッジ・エリアを有する5つの異なるセル・サイズがある。マクロ・セルでは、基地局アンテナが一般に平均的な屋根の高さより上方にあるアンテナ塔または建物に取り付けられ、数百メートルから数十キロメートルにわたるカバレッジを提供する。一般に都市部で用いられるミクロ・セルでは、アンテナの高さは平均的な屋根の高さより低い。ミクロ・セルの範囲は一般に1マイルよりも狭く、例えば、ショッピング・モール、ホテル、またはトランスポーテーション・ハブに対応することができる。ピコセルは、カバレッジの直径が数十メートルの小さなセルであり、主に屋内で使用される。フェムトセルはピコセルよりも小さく、住居環境または小規模なビジネス環境での使用向けに設計され、ブロードバンド・インターネット接続を介してサービス・プロバイダのネットワークに接続する。アンブレラ・セルは、小規模なセルの影領域をカバーしこれらのセルの間のカバレッジのギャップを埋めるために使用される。セルの水平方向の半径は、アンテナの高さ、アンテナ利得、および伝播条件に応じて変化する。屋内のピコセル基地局を用いて、または、パワー・スプリッタを通る屋内分散アンテナ付き屋内リピータを用いて、無線信号を屋外のアンテナから別個の屋内分散アンテナ・システムに配信することによって、屋内カバレッジを実現することができる。これらは一般に、例えばショッピング・センタまたは空港内のように、屋内で大量の呼容量が必要なときに配備される。
【0016】
図3aは、Wi−Fiネットワークで無線RF信号を感知するモバイル装置を示す。Wi−Fi「登録商標」は、IEEE802.11標準に基づく認証を受けた製品に対してWi−Fi Alliance「登録商標」の証明を受けたものであり、様々な無線装置の間の相互運用性を保証するものである。Wi−FiはWLAN(wireless local area network)の一種である。本例には、アクセス・ポイント302、およびクライアント装置、例えば無線プロジェクタ300、ラップトップ・コンピュータ304、および追加の携帯電話306が含まれる。Wi−Fiネットワークは、オフィス・ビル、大学、例えば喫茶店、レストランのような小売店、およびショッピング・モール、ならびにホテル、例えば公園、博物館、空港のような公共のスペース、等のような様々な場所にますます配備されている。
【0017】
アクセス・ポイント302は、そのSSID(service set identifier)を知らせるメッセージを範囲303にブロードキャストする。SSIDは、特定のWLANの識別子または名前である。SSIDは、任意の値を有する1組のビットであることができるが、一般には、ユーザに表示できるASCII文字の文字列である。SSIDはEM信号の署名の例である。当該署名は何らかの信号の特徴である。当該特徴を当該信号から取得することができ、当該特徴を使用して、再度感知したときに当該信号を特定することができる。Wi−Fiネットワークは、数メートルからかなり長い距離までの範囲を有することができる。Wi−Fi対応の装置の例には、携帯電話、PC(personal computer)、ゲーム・コンソール、ポータブル・メディア・プレイヤ、およびPDAが含まれる。クライアント装置は信号を各範囲でアクセス・ポイント302に送信する。当該各範囲は、アクセス・ポイント302の範囲とは異なってもよい。例えば、無線プロジェクタ300が範囲301で送信し、ラップトップ・コンピュータ304が範囲305で送信し、追加の携帯電話306が範囲307で送信する。モバイル装置100は、無線信号をアクセス・ポイント302から、または、何れかのクライアント装置から検出することができる。
【0018】
具体的には、SSIDが、毎秒数回アクセス・ポイント302から送信されるBEACON管理メッセージで伝送される。BEACONはまた、時刻、機能、サポートされるデータ速度、およびネットワークの動作を規制する物理層パラメータ・セットも含む。クライアント局がアクセス・ポイントに接続すると、アクセス・ポイントは、SSIDを含むASSOCIATIONメッセージまたはREASSOCIATIONメッセージの何れかを送信する。モバイル装置100は、既知の範囲の無線チャネル(例えば、北米では2.402GHzから2.480GHz)をパッシブ・スキャンすることによって、これらのメッセージの存在を検出することができる。パケット・アナライザ/スニッファを使用してかかるスキャンを行ってもよい。SSIDまたは他の信号部分をデコードせずに、装置が信号強度によりチャネルにEM放射線が存在することを検出することもできる。
【0019】
アクセス・ポイント302は一般に或る場所に固定されるかまたは恒久的に取り付けられる一方、クライアント装置は非常に可動的または固定的であることができる。例えば、プロジェクタ300が相対的に固定的で、オフィス・ビルの会議室内に保管されていてもよく、この場合、プロジェクタから送出される信号を、相対的に高い確率で会議室に関連付けることができる。さらに、ラップトップ・コンピュータ304および携帯電話306は非常に可動的であるけれども、ユーザがこれらの装置を特定の場所に特定の時刻で繰り返し定時に持ち込む場合には、これらの装置を当該特定の場所と当該特定の時刻に関連付けてもよい。
【0020】
Wi−Fiプロジェクタ300に関して、Wi−Fiプロジェクタ300は、Wi−Fi機能を有するモバイル装置に組み込みうるパケット・スニッフィング・ソフトウェアにより容易に検出可能な、ある種のパケット送受信動作を行う。これにより、モバイル装置は、信号がそのプロジェクタから送信されていることを認識し、プロジェクタが例えば特定の建物の2階の会議室にあることを知ることができる。また、例えば、現在火曜日の午前10時で、カレンダによれば、或るイベントが会議室で行われる予定であると分かるかもしれない。これらの情報により、ユーザがどこにいるかおよびなぜユーザがそこにいるか、または、少なくとも、ユーザが或る振舞いを繰り返しているかもしくは新たな振舞いを行っているかのイメージがもたらされる。プロジェクタ300は、資産タグを有する調査対象の装置の例であり、したがって、その場所は、IPアドレスのようなネットワーク・アドレスと同様既知である。アクセス・ポイントおよび他の情報基盤は、既知の場所に配備され、何らかの形で安定的な、記述可能なネットワーク特性を有する。
【0021】
無線アクセス・ポイント302は、1つまたは複数の無線装置を、例えばイーサネット・ハブまたはスイッチを含む隣接した有線LANに接続する。アクセス・ポイントは、無線ルータまたは無線ネットワーク・ブリッジの一部であってもよい。エクステンダまたは無線リピータが、既存の無線ネットワークの範囲を拡張することができる。クライアント装置300、304、および306は、無線アダプタを備える。当該無線アダプタにより、クライアント装置300、304および306を無線ネットワークに接続することができる。
【0022】
図3bは、Bluetoothネットワークで無線RF信号を感知するモバイル装置を示す。Bluetooth(IEEE 802.15.1)は、固定の装置およびモバイル装置から短距離の範囲でデータを交換し、PAN(personal area network)を形成するためのオープンな無線プロトコルである。Bluetoothは、様々な個人所有のアプリケーションにおける配線に取って代わろうとするものであり、(a)試験器具、GPS受信機、医療器具、バーコード・スキャナ、およびトラフィック制御装置における従来式の有線シリアル通信の代替、(b)赤外線を従来使用していた制御向け、(c)ケーブル不要な接続が望まれる低帯域アプリケーション向け、(d)無線ゲーム・コンソール向け、(e)OBEX(OBject EXchange)(OBEXを赤外線通信に使用することもできる)のような通信プロトコルを用いて、ファイルのようなデータをハンドヘルド・コンピュータ(例えば、PDA)に転送するために使用するモデム向け、(f)音データを電話で転送するために使用するヘッドセット向け、が含まれる。BluetoothはWi−Fiと同じ無線周波数を使用するが、一般に、電力消費は少ない。
【0023】
例示的なシナリオでは、モバイル装置100はEM放射線を、職場環境に存在する幾つかの装置から感知することができる。当該幾つかの装置には、範囲321で無線キーボード322と通信するPC320、無線プリンタ324、およびPDAのような別のモバイル装置326が含まれる。同様に、無線キーボード322は範囲323で送信し、無線プリンタ324は範囲325で送信し、モバイル装置326は範囲327で送信する。さらに、固定電話328は範囲329で送信して、範囲331で送信する無線ヘッドセット330と通信する。したがって、モバイル装置100が、Bluetooth対応のものを有する場所を訪れると、モバイル装置100はBluetoothのRF信号を感知する。
【0024】
図3cは、ビデオ・ゲームのコントローラおよびコンソールから無線RF信号を感知するモバイル装置を示す。マイクロソフト社のXBOX「登録商標」および任天堂のWii「登録商標」で用いられるような、多くのゲームのコンソールおよびコントローラはRF信号を用いて互いと通信する。一般に、Bluetoothまたは他のプロトコルが使用される。ここで、ゲーム・コンソール342は、RF信号を用いて無線コントローラ344と通信する。ゲーム・コンソール342は範囲343で送信し、無線コントローラ344は範囲345で送信する。テレビまたは他のモニタ340がコンソール342と通信して画像を表示する。したがって、例えば、図示したRF送信するものを有する、家のような場所をモバイル装置100が訪れると、モバイル装置100はそのRF信号を感知することができる。幾分古い技術を用いたビデオ・ゲームのコンソールおよびコントローラは赤外線信号を用いて通信し、モバイル装置100がこれらの信号を同様に感知することもできる。赤外線信号は、テレビのリモコンやセット・トップ・ボックスにも用いられる。かかる信号がモバイル装置によって検出されると、ゲームのコントローラ、コンソール、TVのリモコン、セット・トップ・ボックス、または他の装置がある場所、例えば、家のリビングまたはゲーム室にモバイル装置があると結論付けることができる。この情報を使用してUI設定を自動的に設定することができる。
【0025】
図3dは、ビーコンからの無線RF信号を感知するモバイル装置を示す。RF信号または赤外線信号を送信するビーコンを無線LANのようなネットワークにおいて使用して、人および物の場所または移動を監視し、場所固有の情報をユーザに提供することができる。ビーコンは、当該ビーコンの場所に一意なアクティブな信号を提供する。例示的なシナリオでは、ビーコン352は範囲353で送信し、建物351への入口350にある。ビーコン356は範囲357で送信し、建物351の部屋354にある。ビーコン360は範囲361で送信し、建物351の部屋358にある。したがって、モバイル装置100が当該建物周辺の様々な場所を訪れると、モバイル装置100は当該様々なビーコンから信号を感知することができる。
【0026】
物の場所および移動の監視において、ビーコンを倉庫、病院、職場または他の場所の様々な場所に取り付けることができる。ビーコンは、例えば、物または機器に取り付けられたRFID(Radio Frequency Identification)タグをアクティブにする信号を定期的に送信することができる。モバイル装置100はまた、かかるビーコンからの無線信号を感知することができる。場所固有の情報を提供する際に、例えば、ビーコンは信号を相対的に狭い範囲、例えば部屋の中で送信する。当該信号は、各ビーコンに一意な、一般には建物内部の場所と相関付けできる識別子を含む。当該信号を感知することにより、モバイル装置100はその場所を判定することができ、アプリケーションにアクセスして場所固有の情報を取得することができる。例えば、健康管理の場面では、ユーザは、特定の医療機器の最も近い場所を特定する情報を取得することができる。職場の場面では、ユーザは、プリンタのようなリソースの最も近い場所を特定する情報を取得することができる。
【0027】
図3eは、POS(point−of−sale)端末で赤外線信号を感知するモバイル装置を示す。携帯電話またはPDAのようなモバイル装置を用いて、ユーザが、例えば商品またはサービスの料金を支払うような取引を実行できる無線POS端末を提供するための技術が開発されてきた。BluetoothのようなRF技術およびIrDAのような赤外線技術を使用して、POS端末370とモバイル装置100との間の無線通信を提供することができる。この例では、POS端末370は赤外線信号を範囲371で送信し、モバイル装置100は赤外線信号を範囲372で送信する。赤外線通信は通常は指向性を有する。モバイル装置100がPOS端末370と通信すると、モバイル装置100は識別子を取得することができ、モバイル装置100は当該識別子をPOS端末370の場所に関連付けることができる。
【0028】
IrDAは、例えばパーソナル・エリア・ネットワークで使用するための、赤外線光でデータを短距離交換するための通信プロトコルである。赤外線信号を、ゲームのコントローラとコンソールとの間で使用することもでき、TVのリモコンおよびセット・トップ・ボックス向けに使用することもできる。IrDAの赤外線信号および光信号を一般に使用してもよい。
【0029】
例えば端末が食料雑貨店、小売店、もしくはレストランのレジである場合にはPOS端末370に店員がついていてもよく、またはPOS端末に店員がついていなくてもよい。例えば、無人の無線POS端末を使用して、駐車場料金を支払い、公共の移動手段の料金を支払って例えば地下鉄で改札に入り、自動販売機で商品を購入し、キオスクでショーのチケットを買い、ガソリンスタンドでガソリンを購入することができる。ショッピング・モール、競技場、食料雑貨店、レストラン、および他の売り場を無線端末で構成して、顧客がその建物全体にわたって金銭的な取引を行えるようにすることができる。電子決済とともに、例えば、割引、電子クーポン、カスタマ・ロイヤリティの利益、等を伴う関連取引を行うことができる。無線端末を介した安全な送信、記憶、および電子金融商品のフォーマットに関する標準を開発している業界団体には、IrDA(Infrared Data Association)のIrFM SIG(Infrared Financial Messaging Special Interest Group)、MeT Forum(Mobile Electronic Transaction Forum)、Bluetooth SIG(Bluetooth Special Interest Group)のSRFT SG(Short Range Financial Transaction Study Group)、およびNRF(National Retail Federation)がある。
【0030】
無線端末の医療応用としては、遠隔で患者を監視すること、無線で生体データを取得すること、および投薬することが含まれる。旅行業界では、無線端末を使用して、旅行者がモバイル装置を用いてフライトにチェックインできるようにすることができる。他の多くの応用例が可能である。
【0031】
さらに、無線EM信号の検出に加えて、モバイル装置により有線経路を介して信号を検出してもよい。例えば、モバイル装置内のバッテリを充電するAC電源充電器に繋いだモバイル装置が、モバイル装置を充電している間に家庭の配線を介して送信される場所特定信号を受信することができる。電力線通信技術をこのアプローチにおいて使用することができる。電力線通信は、家庭のコンピュータ、周辺機器、または他のネットワーク化された消費者向け周辺機器(networked consumer peripheral)を相互接続するために使用される。電力線によるホーム・ネットワーキングに関する独自仕様が、例えば、HomePlug Powerline Alliance、Universal Powerline Association、およびHD−PLC Allianceによって提供されている。または、モバイル装置は、例えばUSB接続を介してラップトップまたはPCに接続して再充電またはデータ転送するときに、場所特定信号を受信することができる。
【0032】
例えば、夕方に自宅に戻り、モバイル装置のリンガをオフにしてモバイル装置を充電器に差し込むユーザを考える。モバイル装置は、例えば別の装置からの電子メールを同期させる、および他のタスクを実施するために、電源を入れたままとなっている。モバイル装置を充電器に差し込んだとき、または、例えば磁気誘導で充電するパワー・マットに置くことによって充電したときにリンガをオフにすることによって、モバイル装置はUI設定を自動的に構成するよう学習することができる。
【0033】
図4は、モバイル装置400のブロック図を示す。典型的な携帯電話の例示的な電子回路を図示してある。当該電子回路は、1つまたは複数のマイクロプロセッサを備えうる制御回路412、および本明細書に記載の機能を実装するために制御回路412の1つまたは複数のプロセッサによって実行されるプロセッサ読取可能コードを格納する記憶域またはメモリ410(例えば、ROMのような不揮発性メモリおよびRAMのような揮発性メモリ)を備える。制御回路412はまた、アンテナ402に次々に接続されるRF送受信回路406、赤外線送受信機408、および加速度計のような移動センサ414と通信する。加速度計はモバイル装置に組み込まれており、ユーザにジェスチャを介してコマンドを入力させるインテリジェントUIのようなアプリケーション、GPS衛星との通信が途絶えた後にモバイル装置の移動や方向を計算する屋内GPS機能を可能にし、かつ、装置の方位を検出して、電話を回転したときにディスプレイを縦長から横長に自動的に変更する。例えば半導体チップに搭載したMEMS(micro−electromechanical system)によって、加速度計を提供することができる。加速度方向、ならびに、方位、振動、および衝撃を検出することができる。制御回路412はさらに、リンガ/バイブレータ416、UIキーパッド/スクリーン418、スピーカ420、およびマイクロフォン422と通信する。
【0034】
制御回路412は無線信号の送受信を制御する。送信モード中は、制御回路412はマイクロフォン422からの音声信号、または他のデータ信号を、送受信回路406に提供する。送受信回路406は、アンテナ402を介して通信するために、信号を遠隔局(例えば、固定局、オペレータ、他の携帯電話、等)に送信する。リンガ/バイブレータ416を使用して、着信呼、テキスト・メッセージ、カレンダのリマインダ、アラーム時計のリマインダ、または他の通知を、ユーザに信号送信する。リンガ/バイブレータ416は、ユーザが選択した1つまたは複数の着信音、および/または触知可能な振動を送出することができる。受信モード中は、送受信回路406はアンテナ402を介して音声または他のデータ信号を遠隔局から受信する。受信した音声信号をスピーカ420に提供し、他の受信データ信号も適切に処理する。
【0035】
モバイル装置400は、様々な場所に存在するEM信号を感知することによってその場所を判定し、その振舞いを現在のコンテキストまたは場所に適合させる、コンテキスト/場所認識型の携帯型装置である。これを実現するため、EM信号を感知することにより取得したデータを、UI設定を表すデータとともに、モバイル装置および/または遠隔地の何れかに格納する。場所データおよびUIデータを分析してパターンを検出し、このパターンを使用して、適当な時刻および場所におけるモバイル装置の1つまたは複数のUI設定を自動的に構成する。
【0036】
例えば、ユーザが一般にモバイル装置のUI設定を幾分手動で調整できる場合を考える。この調整には、リンガをオンまたはオフに設定すること、リンガの音量を調整すること、バイブレーション機能をオンまたはオフに設定すること、装置に格納された利用可能な複数の着信音から特定の着信音を設定すること、および発信者番号通知に基づいて特定の着信音を設定することが含まれる。ユーザは、例えば、映画または礼拝に出かけるとき、他人に迷惑をかけないようにリンガをオフにするかもしれない。または、周囲の雑音レベルが高い街の周辺を歩いているときは、リンガを大音量に設定して、確実に着信電話呼が聞こえるようにしてもよい。さらに、ユーザは勤務時間外にポップ音楽のクリップのような個人的な着信音を設定し、勤務時間中は従来のベル音のようなより保守的なビジネス用の着信音を設定するかもしれない。さらに、ユーザは、勤務時間中および勤務時間外に変化する、発信者番号通知に基づく特定の着信音を設定するかもしれない。
【0037】
ユーザは電力節約設定を構成してもよい。当該設定により、画面が消えている場合は、所定の時間経過後にモバイル装置をハイバーネート・モードにし、または、所定の時間経過後にモバイル装置の全ての電源を自動的に落とす。これらの設定も時間とともに変化することが最善であるかもしれない。
【0038】
ユーザは、着信呼の転送をオンまたはオフに設定してもよく、転送する電話番号を設定してもよい。例えば、ユーザが携帯電話の使用が煩わしい会議に出席しており、かつ重要な電話がかかってくる予定である場合は、ユーザは呼をアシスタントに転送することができる。別の例として、職場または自宅にいるユーザは、全ての呼を1つの電話で受けて例えば固定電話を用いた良好な電波状態を得ることができるように、呼を固定電話に転送したいかもしれない。
【0039】
ユーザは、着信呼が音声メールにルーティングされるか転送される前に鳴る呼出音の回数を設定することができる。例えば、勤務時間外は、より回数の多い呼出音が適当かもしれない。勤務時間中は、例えば、デスクに残された電話が取られることなく呼出音が何回も鳴っていると他人の邪魔になるはずであるので、呼出音の回数は少なく設定されるかもしれない。
【0040】
ユーザは、音声メールまたはテキスト・メッセージを受信したこと、または、スケジュールされたカレンダ/日付の予約イベントがきたことをユーザに通知するアラーム・リマインダを設定することができる。ここでも、勤務時間中および勤務時間外、または、日中および真夜中には別々のリマインダが望ましいことがある。
【0041】
ユーザは、点滅光もしくは画面の色、またはモバイル装置に組み込んだ他の光のような視覚的なメッセージ表示を、これらの表示が現在のコンテキストに基づいて相違なることが望ましい場合には、設定することができる。同様に、モバイル装置の現在のコンテキストに最も適切なように、壁紙およびスクリーン・セイバのような他のモバイル装置の機能、ならびに着信拒否を、ユーザが手動で構成することができる。
【0042】
ユーザは、プライバシ設定を設定することもできる。例えば、モバイル装置内の場所ベースのアプリケーションが、特定のユーザの場所を他のユーザに示すことができる。当該他のユーザを、当該特定のユーザに知らせ、当該他のユーザに当該場所へのアクセスを予め許可してもよい。かかるアプリケーションにより、ユーザは、友達が近くにいるかどうかを判定でき、必要ならば会う段取りをつけることができる。プライバシ上の理由から、ユーザは、自分の場所が一時的に他人に利用不可となるように設定を構成することができ、続いて、当該場所を再び利用可能とするように当該設定を有効にすることができる。または、モバイル装置が別の場所または別の時刻に存在する場合は別のユーザ達が特定のユーザの場所データにアクセスできるようにしてもよい。例えば、ユーザは、夜に街に出かけるときに場所ベースのアプリケーションを有効にし、その後に無効にしてもよい。または、特定のユーザが、自分が職場、学校、または自宅にいるかどうかに応じて、別のグループのユーザが自分の場所にアクセスできるようにしてもよい。場所および時間に応じて、かかるプライバシ機能を有効、および無効にすることができる。
【0043】
以上の例は、UI設定の構成を必要とするものである。
【0044】
ユーザが特定の設定を特定の時刻または場所で適切に設定することを忘れた場合は、不便さ、困惑、通信の喪失、または他の問題をもたらすおそれがある。例えば、モバイル装置が、不適切な時刻に、または、不適切な着信音もしくは着信音量で鳴るかもしれない。または、重要な着信呼が、生の人間に転送されて適切に処理されるのではなく、音声メールになってしまうかもしれない。または、ユーザの場所が不注意に暴露されることによって、ユーザのプライバシが危険に晒されるかもしれない。
【0045】
モバイル装置のUI設定を自動的に構成するニーズに対処するために、場所および時刻、例えば、1日の時刻、日/日付、曜日、月、季節、等に基づいてモバイル装置自身の機能を変更するように、モバイル装置を構成することができる。例えば、モバイル装置は、ユーザが毎就業日の午前10時から正午の間に会議に出席すること、および、ユーザがそれぞれの会議の前にリンガをオフにして特定の電話番号への呼の転送を設定することを学習することができる。この学習の結果、モバイル装置は、ユーザが次回会議に出席するときにユーザをこの負担から解放するように、モバイル装置自身を自動的に構成することができる。さらに、ユーザのカレンダ・スケジュールを検討し、ユーザが通常行う機能を前もって実施するように、モバイル装置をトレーニングすることができる。例えば、ユーザは毎週土曜日の朝に何人かの友達とゴルフをするかもしれない。モバイル装置はこの事実を学習し、テキスト・メッセージもしくは音声メールのようなメッセージ、またはツイッターのようなソーシャル・ネットワーキングのウェブ・サイトを介したメッセージを通信するといった動作を行って、ゴルフ・コースで会うことを友達に思い出させることができる。
【0046】
別の例では、ユーザは、自分が喫茶店に到着したことを友達に知らせたいかもしれない。モバイル装置は、ユーザが、自分が喫茶店に到着したことを示すメッセージをツイッターを介して何度も送信することを学習する。次いで、モバイル装置は、ユーザの承認を得て、または、ユーザの承認を得なくても同じメッセージを自動的に送信することができる。承認の例として、モバイル装置の画面に、「また喫茶店にいますね。あなたはこのツイッターのメッセージを送信しました。またそのメッセージを送信しますか?」と表示することができる。例えば、伝達の方式として、任意のソーシャル・ネットワーキング・サイト、従来型の電子メール、またはSMSメッセージがありうる。SMS(Short Message Service)は、GSMモバイル通信システムで標準化されている通信サービスである。モバイル装置を、承認に関する質問、または他の質問もしくはメッセージをどのようにユーザに提示するかを示すUIで構成することができる。
【0047】
別の可能なアプローチでは、モバイル装置は、カレンダ・イベントが計画されている場所にモバイル装置があるかどうかを判定することができる。モバイル装置が当該場所になかった場合は、モバイル装置は、会議の他の参加者またはユーザのアシスタントへの電子メールまたはテキスト・メッセージを自動的に生成して、ユーザが別の場所にいるので会議に遅れるか出席しない旨を示すことができる。例えば、ユーザが郊外の第1の場所にいて、仕事の打合せが第2の場所で行われる予定である場合は、モバイル装置は、ユーザが当該第2の場所での打合せに出席しない旨を判定し、自動的に対応するメッセージを生成することができる。同様に、同時刻に別の場所で衝突する2つの打合せがある場合、モバイル装置は、どちらの打合せ場所の近くにユーザがいるかを判定することができ、ユーザが他方の打合せに出席しない旨を示す対応するメッセージを自動的に生成することができる。
【0048】
打合せまたは他のイベントの場所に到着する推定時刻を判定するためにユーザの場所を追跡することもでき、モバイル装置はユーザが例えば10分で到着することを示すメッセージを打合せの他の参加者に自動的に送信する。例えば、ユーザが車を運転している場合は、トラフィック・マッピング・アプリケーション(trafic mapping application)により、現在の交通状況、天気、および他の条件に基づいて2つの場所(現在の場所およびイベントの場所)の間の運転時間の推定値を判定して、この情報を、自動的に生成したメッセージで報告することができる。
【0049】
さらに、別の機能プロフィールをモバイル装置に組み込んで、ボタンをタッチすると、別の人が同じモバイル装置を手にとって自分の日次スケジュールおよび習慣に即座に適合するように個人プロフィールを再プログラムすることができる。個人プロフィールを、カレンダではなく場所で選択することもできる。別の1組の習慣を、職場と自宅に関連付けることができる。さらに、モバイル装置は、企業ネットワークを検出して、モバイル装置自身を仕事モードに自動的に構成することができ、または、ホーム・ネットワークを検出して、モバイル装置自身を別のモードに自動的に構成することができる。設定/モードの変更を、モバイル装置のLEDの色の変化によって示して所有者に装置の現在のモードを知らせることができ、または、設定/モードの変更を、例えばアイコン、テキスト、または他のオンスクリーン・メッセージを表示することによって示すことができる。
【0050】
一般に、モバイル装置は、感知した場所識別情報に基づいてそのUI設定を自動的に変更することができる。絶対位置、例えば、緯度、経度の座標を確認することができる。または、地理的な位置が必ずしもわからない場所を感知することができる。何れの場合でも、場所識別情報を1つまたは複数のUI設定と相互参照させることができる。例えば、モバイル装置は無線ネットワークから信号を感知して、モバイル装置がネットワークの送信機器の近くにいることを、当該送信機器の具体的な場所が分からない場合でも、知ることができる。無線ネットワークが静的であり長期間同一場所にある可能性が非常に高いので、これにより場所に関する有用な指示がもたらされる。さらに、幾つかの場合では、無線ネットワークの識別子、例えば、Wi−Fi信号のSSIDを使用して、対応する場所を生成するデータベースにアクセスすることができる。例えば、マサチューセッツ州ボストンのSkyhook WirelessはWPS(Wi−Fi Positioning System)を提供している。WPSでは、Wi−Fiネットワークのデータベースを、携帯電話および他のモバイル装置向けの場所認識型アプリケーションで使用する緯度、経度の座標、および場所名と相互参照させる。
【0051】
本明細書における一般的なアプローチでは、モバイル装置で既に利用可能なコンポーネントをあたかもそれらがセンサであるかのように使用することに注目することができる。例えば、Wi−Fi受信機またはBluetooth受信機を使用して、ネットワーク接続を必ずしも確立することなく信号の存在を感知することができる。別の例には、モバイル装置のカメラを使用して光レベルを検出することがある。もっとも、これはカメラの主要な使用目的ではない。別の例には、マイクロフォンを使用して周囲の音声レベルを検出することがある。原則として、モバイル装置の技術的機能をおそらくモバイル装置の設計者が当初は意図していなかった方法で使用して、動作またはモードの変更を駆動できる高度な状況認識をもたらすことができる。
【0052】
図5はモバイル装置のネットワークを示す。述べたように、別の場所でEM信号を感知することによりモバイル装置が取得したデータを、UI設定を表すデータとともに、モバイル装置および/または遠隔地の何れかに格納することができる。例えば、モバイル装置100は、モバイル装置サーバ504、およびバックエンド・サーバ、例えばデータベース・サーバ502を介して、ネットワーク500を通じて通信して、EM信号を感知することにより取得したデータをアップロードすることができる。モバイル装置サーバ504はモバイル装置との通信の扱いを担当し、データベース・サーバ502は、1つの可能なアプローチでは、互いに相互参照させた場所データ、時刻データ、およびUIデータを格納することができる。このデータを代替的にまたは追加的にモバイル装置100に格納することができる。データベース・サーバ502は、モバイル装置100がアクセスするための、前述した緯度、経度の座標、および場所名と相互参照させたWi−Fiネットワークのデータベースを格納することができる。データベース・サーバ502はまた、EM信号からのデータを解決して調査対象の装置の場所を取得するための情報を格納することもできる。
【0053】
図6は、モバイル装置を追跡するためのプロセスを示す。述べたように、モバイル装置の場所およびUI設定を、ある期間、例えば数日間追跡することができ、この追跡結果に基づいてパターンを検出することができる。このパターンに基づいて、1つまたは複数のUI設定を適切な時刻および場所で自動的に構成することができる。本明細書の当該および他の流れ図では、実施するステップは必ずしも別個におよび/または図示した順序で実施する必要はない。
【0054】
追跡プロセスの高レベルな概要では、ステップ600で、モバイル装置が様々な場所を訪れた際の、モバイル装置の移動を追跡する。例えば、このステップでは、当該様々な場所でEM信号から場所識別情報を取得することができる。当該場所識別情報は、例えば、モバイル装置の絶対地理的位置を確認するための情報、および/または当該場所の無線ネットワークの識別子を含むことができる。正確性を高めるため、または、結果を裏付けるために、2以上の場所判定のモードを使用することも可能である。または、最も正確で利用可能な場所判定のモードを使用することができる。例えば、モバイル装置が、GPS信号がしばしば遮断されるかまたは大幅に減衰する屋内にある場合は、Wi−Fiネットワークが一般に最も正確な結果をもたらす。GSMは、セル・サイズに応じてGPSよりも正確ではないかもしれないが、通常は屋内で使用可能である。都市部の屋外では、GPSおよびWi−Fiの場所の正確性は同程度である。郊外または田舎では、Wi−Fiは一般に利用できない。適切なテーブル、リスト、または他のデータ構造を使用して、例えば、時刻と相互参照させた場所データを格納することができる。例えば、データ構造は、各々が(緯度、経度、時刻)、または(ネットワーク識別子、例えばSSID、時刻)を提供する複数のレコードまたはエントリを含んでもよい。様々な(緯度、経度)の結果が互いに指定の距離内にあるとき、それらは同一の場所であると考えることができ、その指定の距離が場所判定の正確性を反映することに留意されたい。
【0055】
ステップ602で、UI(user interface)設定を様々な場所で追跡する。このUI設定には、前述の多数のUI設定のうち何れかを含むことができ、これは一般にはユーザにより手動で構成される。当該設定を、特定の場所に関連して1回または複数回手動で構成できることに留意されたい。設定を、モバイル装置が当該場所にいる間、および/または、モバイル装置が当該場所を訪れる少し前もしくは少し後に、構成することができる。例えば、喫茶店に入ったとき、ユーザは、呼を受信したときにリンガが他の常連客の邪魔にならないように、リンガをオフに設定し、バイブレーション通知をオンに設定することができる。喫茶店にいる間、喫茶店を出る直前、または喫茶店を出た直後に、ユーザはリンガをオンに戻し、バイブレーション通知をオフに戻して設定することができる。これらの設定を、各々、追跡することができる。モバイル装置が最初に場所を感知する前のタイム・ウィンドウ内に検出された設定、およびモバイル装置が最後に場所を感知した後のタイム・ウィンドウ内に検出された設定を、当該場所に関連付けることができる。
【0056】
また、設定をモバイル装置が或る場所に存在する充分前に構成して、当該モバイル装置が当該場所にいるときに当該設定を有効にすることができる。例えば、ユーザはカレンダ・アプリケーションを使用して、リンガを消音するプロフィールを、当該カレンダ・アプリケーションに入力された特定の会議時刻に関連付けてもよい。この場合、リンガを、会議開始時刻の数分前に自動的に消音することができる。
【0057】
さらに、設定が変更されたこと、ならびに、必ずしも最近変更されたとは限らない最新の設定の存在を追跡することができる。適切なテーブル、リスト、または他のデータ構造を使用して、例えば、場所および/または時刻と相互参照させたUI設定を格納することができる。例えば、データ構造は、各々が、(ネットワーク識別子、例えばSSID)、(時刻)および/または(緯度、経度)と相互参照させた(UI設定1、UI設定2、UI設定3、...)を提供する複数のレコードまたはエントリを含んでもよい。UI設定1、UI設定2、UI設定3は、UI設定1=リンガ・オン、UI設定2=個人着信音、およびUI設定3=着信転送オフのような様々なUI設定を表す。幾つかの場合では、UI設定は場所に関連付けられず、時刻、例えば、1日の時刻、曜日、等と相互参照させるのみである。
【0058】
ステップ604で、追跡したモバイル装置の移動のパターンを特定する。例えば、このパターンには、繰返し、例えば、ある閾値回数、または閾値頻度で訪れた場所を含むことができる。例えば、ユーザは、仕事に向かう途中で1週間に3〜5回、朝に喫茶店を訪れるかもしれない。当該喫茶店はそのWi−Fiネットワークによって特定される。ある流れで複数回訪れた場所からパターンを検出することができる。例えば、自宅から職場および職場から自宅という流れが1週間あたり5日発生し、自宅から喫茶店、職場という流れが1週間あたり3〜5回発生するかもしれない。自宅からゴルフ・コースという流れが1週間あたり1回発生するかもしれない。別の例として、自分の職場にいるユーザを、デスクの場所、会議室、および食堂で追跡してもよい。パターンとして、デスクから会議室、デスク、食堂、デスクというパターンを含んでもよい。
【0059】
ステップ606で、追跡したUI設定のパターンを特定する。例えば、ユーザが、朝に喫茶店に行くときはモバイル装置のリンガをオフにし、後で職場に行くときにオンに戻すと判定するかもしれない。さらに、ユーザは、勤務時間中にある着信音を設定し、勤務時間外に別の着信音を設定する。さらに、ユーザは、職場で一定時間、リンガを消音し、着信転送を設定する。
【0060】
任意の種類のパターン検出アルゴリズムを用いてパターンを決定することができる。例えば、繰返し訪れる場所を、当該場所の識別子が格納データに現れる回数を数えることによって、判定することができる。繰返し訪れる場所の流れを、流れの中の当該場所の識別子が格納データに現れる回数を数えることによって、判定することができる。さらに、確率的なメトリックをパターンに割り当てることができる。例えば、自宅から喫茶店、職場が平均して1週間に3〜5回、または1週間に4/5回である例では、4/5=0.80の確率を割り当てることができる。したがって、所与の就業日、すなわち、月曜日から金曜日に対して、ユーザが自宅から喫茶店、職場に行く確率は80%である。1週間のうち特定の日、例えば金曜日にユーザが喫茶店に高い確率、例えば、90%の確率で行くパターンを検出してもよい。
【0061】
さらに、ユーザが特定のUI設定を構成する確率に1つの確率を割り当てることができる。例えば、ユーザが喫茶店を訪れたときに、10回中9回リンガをオフにするかもしれず、その結果、90%の確率となる。別の例では、ユーザが喫茶店を訪れたときに、10回中9回、喫茶店の場所が最初に感知される前10分以内に、または、喫茶店の場所が最初に感知された後10分以内に、リンガをオフにするかもしれず、その結果、この場合も90%の確率となる。別の例では、ユーザが喫茶店を訪れたときに、10回中7回、喫茶店の場所が最初に感知される前5分以内に、または、喫茶店の場所が最初に感知された後5分以内に、リンガをオフにするかもしれず、その結果、70%の確率となる。時間が経つにつれ、新しいパターンを検出することができ、使用されていないという理由で古いパターンを削除することができ、既存のパターンを改良することができる。特定のUI設定がユーザにより特定の時刻および/または場所でなされたことの十分に高い確率に基づいて、モバイル装置は自動的に当該設定を実装することができる。例えば、設定を実装するためには超えなければならない閾値確率を定義してもよい。
【0062】
場所およびUI設定のパターンに関するさらに詳細な例を、図15a〜15eに関連して提供する。
【0063】
ステップ608で、パターンに基づいて自動的に実装するUI設定を決定する。例えば、ユーザが喫茶店を訪れたときにリンガをオフにする場合は、モバイル装置は、当該モバイル装置が喫茶店にいるときを、例えばWi−FiネットワークのSSIDに基づいて自動的に感知することができ、ユーザが手動で介入することを何ら必要とせずに、リンガをオフに設定することができる。場合によっては、モバイル装置は、自動設定が実装されたことをユーザに知らせることができる(図14cおよびその関連する議論を参照)。同様に、モバイル装置は、当該モバイル装置がもはや喫茶店にいないときを自動的に感知することができ、自動的にリンガをオンに戻して設定するかまたは他の何らかのUI設定もしくはプロフィールに復帰することができる。
【0064】
図7は、モバイル装置による場所識別情報の追跡を示し、図6のステップ600に関するさらなる詳細を提供する。述べたように、場所データを1つまたは複数の情報源から取得することができる。これら情報源には、Wi−Fi(無線LAN)、IrDA(赤外線)およびRFビーコンからのような、局所的なEM信号700が含まれる。これらの信号は、オフィス・ビル、倉庫、小売店、等のようなモバイル装置が訪れた特定の場所内から送出される信号である。GPS信号702は地球を周回する衛星から送出され、したがって、モバイル装置が訪れた特定の場所からは送信されない。実際、GPS信号をモバイル装置が使用して、緯度、経度の座標のような地理的場所を判定し、この地理的場所により地球上のモバイル装置の絶対的位置を特定する。この場所を、データベースの検索を用いて場所名に相関付けることができる。GSM信号704は一般に、建物、専用塔、または他の構造物に取り付けられたアンテナから送出される。幾つかの場合では、例えば小規模セル(例えば、ピコセルまたはフェムトセル)では、特定のGSM信号およびその識別子を感知したことを、十分な精度で特定の場所に相関付けることができる。他の場合、例えばマクロ・セルに対して、所望の精度で場所を特定することには、携帯電話のアンテナの電力レベルおよびアンテナ・パターンを測定し、隣接するアンテナの間で信号を補間することを含むことができる。
【0065】
ブロック706は、絶対位置(例えば、緯度、経度)のような場所識別情報、または、場所を表す信号識別子を格納することを示す。例えば、1つの可能な実装形態では、Wi−Fi信号識別子はSSIDであることができる。IrDA信号およびRFビーコンは一般に、場所の代わりに使用できる何らかの種類の識別子も通信する。例えば、小売店のPOS端末がIrDA信号を通信するとき、当該信号は、「イリノイ州シカゴ、店番号100、Sears」のような、小売店の識別子を含む。RFビーコンは調査対象の装置であり、同様に、管理者がデータベース内の場所と相互参照させる識別子を含む。当該管理者は、当該ビーコンを構成し、当該場所を割り当てる者である。データベース・エントリの例としては、Beacon_ID=12345、場所=職場の会議室、がある。
【0066】
図8は、モバイル装置によるユーザ・インタフェース設定の追跡を示し、図6のステップ602に関するさらなる詳細を提供する。ユーザ・インタフェース設定を、UI設定の変更を検出した時点(800)に基づいて追跡することができる。例えば、(「リンガ・オフ」のような)UI設定を変更するユーザ・コマンドを受け取ったときに当該コマンドの実装に加えて当該コマンドを格納するように、モバイル装置を構成することができる。UI設定を、EM信号を感知した時点(802)に基づいて追跡することもできる。例えば、モバイル装置が最初にWi−Fiネットワークを感知したときに、現在のUI設定(例えば、UI設定1=リンガ・オン、UI設定2=個人着信音、およびUI設定3=着信転送オフ)を格納することができる。モバイル装置が繰返し同一のネットワークを感知してもよく、または、例えばモバイル装置が同じ場所にあることを数分毎に判定してもよい。この場合、同一のネットワークが感知されるかまたは同一場所の判定が行われるたびに、同一のUI設定を格納する必要はない。1つの可能なアプローチは、モバイル装置が所与の場所に到着し所与の場所から離れたときに同一のUI設定を格納することである。Wi−Fiネットワークに対しては、これは、Wi−Fi信号が最初および最後に感知されたときを意味する。GPSまたはGSMネットワークに対しては、これは、GPSまたはGSM信号が、指定の緯度、経度の場所またはセルを中心とするゾーンにモバイル装置が到着し当該ゾーンから離れたことを示すときを意味してもよい。
【0067】
UI設定を、所定の時刻になった時点(804)に基づいて追跡してもよい。例えば、UI設定を定期的に、例えば、数分毎に、および/または特定の時刻、例えば毎日午前8時、正午、および午後6時に、または週のうち異なる日の異なる時刻に、記録することができる。
【0068】
ブロック806で、もしあればEM識別子と相互参照させ、時刻と相互参照させた現在のUI設定を格納する。
【0069】
図9は、モバイル装置のUI設定を時刻に基づいて自動的に構成するためのプロセスを示す。1つまたは複数の場所および/またはUI設定パターンを検出した後、ユーザ設定を時刻に基づいて自動的に構成することができる。ステップ900で、例えばモバイル装置のコントローラの時刻機能を用いて、時刻を監視する。判定ステップ902で指定の時刻になった場合は、ステップ904で1つまたは複数のUI設定を当該時刻に基づいて検索する。検索を場所に基づいて行うこともできる。検索したデータをモバイル装置または遠隔地に格納することができる。この場合、モバイル装置は遠隔地に対して呼出しを行ってUI設定を取得する。ステップ906で、UI設定を自動的に構成する。
【0070】
図10は、モバイル装置のUI設定を場所に基づいて自動的に構成するためのプロセスを示す。1つまたは複数の場所および/またはUI設定パターンを検出した後、ユーザ設定を場所に基づいて自動的に構成することができる。ステップ1000で、例えばモバイル装置が感知したネットワーク識別子またはGPS信号もしくはGSM信号を用いて、場所を監視する。判定ステップ1002で指定の場所に到達した場合は、ステップ1004で1つまたは複数のUI設定を当該場所に基づいて検索する。検索を時刻に基づいて行ってもよい。検索したデータをモバイル装置または遠隔地に格納することができる。この場合、モバイル装置は遠隔地に対して呼出しを行ってUI設定を取得する。ステップ1006で、UI設定を自動的に構成する。
【0071】
図11は、電磁放射を様々な時間間隔で感知するためのプロセスを示す。述べたように、モバイル装置は、EM信号を感知することによりその現在の場所に関するデータを取得する。電力消費を制限するため、感知動作を指定の時刻に実施することができる。さらに、モバイル装置が同じ場所に一定時間留まっていると判定された場合には、あまり感知を行わなくてもよい。モバイル装置が当該場所を離れると、感知動作をより頻繁に行うことができる。さらに、UI設定の自動実装を、モバイル装置が同じ場所に一定時間留まっていると判定されるまで遅らせることができる。これにより、例えばモバイル装置が様々な場所にわたって物理的に移動する、かつ/または、例えば複数の近隣のWi−Fiネットワークからの競合し重複するEM信号が存在するために、モバイル装置が様々な場所を感知する場合に、しばしばUI設定が高速にまたは不必要に変更されるという混乱を起こしうる状況が回避される。
【0072】
例示的なプロセスでは、ステップ1100でフラグを偽に設定する。モバイル装置が閾値期間、例えば、数分間、同じ場所にあった場合にフラグが真になる。例えば、RF受信機または赤外線受信機をアクティブにすることにより(図4の406および408を参照)、ステップ1102で感知を行う。感知には、1つのチャネル、またはある範囲のチャネルをパッシブ・スキャンして、1つまたは複数の信号が存在するかどうかを判定することを必要とすることができる。信号が存在する場合は、信号をデコードして、SSIDのような識別情報を取得することができる。GPSおよびGSMアプリケーションに対しては、信号は、タイミング情報に加えて、衛星またはアンテナおよびそれらの場所の識別情報を含んでもよい。判定ステップ1104でEM信号が感知された場合は、感知した信号から、識別子を取得し、かつ/または、場所を判定する。判定ステップ1106で、感知した信号から場所識別情報を取得する。判定ステップ1108で同じ場所が閾値期間検出された場合は、ステップ1116でフラグを真に設定する。感知があまり頻繁に起こらないように、ステップ1118でより長い感知間隔(一連の感知動作の間の時間)を設定する。ステップ1120で、場所に基づいてUI(user interface)設定を検索し、ステップ1122で、当該UI設定を自動的に実装する。ステップ1124で感知間隔が来るまで待機し、その後ステップ1102で感知を再度行う。
【0073】
判定ステップ1104でEM信号が感知されず、判定ステップ1100でフラグが真である場合は、ステップ1114でより短い感知間隔を設定し、感知がより頻繁に行われるようにする。これは、モバイル装置がある場所を離れ、次の場所を検出するためにより頻繁に感知し始める場合に対応する。ステップ1110でフラグが偽である場合は、感知間隔は変更されず、ステップ1124で感知間隔が来るまで待機する。判定ステップ1108で、場所がまだ閾値期間検出されていない場合は、フラグは依然として偽であり、上で論じたステップ1120、1122、および1124を実装する。
【0074】
図12は、モバイル装置のUI設定を動き感知に基づいて自動的に構成するためのプロセスを示す。図4に関して述べたように、モバイル装置は加速度計のような移動/動きセンサ414を有してもよい。加速度計からの情報を、場所識別情報とともに使用して、UI設定を自動的に構成することができる。例示的な実装形態では、ステップ1200で感知を行う。判定ステップ1202でEM信号が感知された場合、ステップ1204で場所識別情報を当該EM信号から取得する。例えば、モバイル装置が、当該モバイル装置がユーザの自宅にあることを感知してもよい。判定ステップ1206で同じ場所が閾値期間検出された場合は、ステップ1208でUI(user interface)の通知の振舞いを場所識別情報に基づいて検索し、ステップ1210で当該振舞いを自動的に実装する。当該通知は、モバイル装置が、例えば着信電話呼、テキスト・メッセージ、カレンダ通知、アラームに応答して提供する音の出る警告および/または目に見える警告に関するものでもよい。音の出る警告には、リンガまたは着信音の種類および音量が含まれる。目に見えるアラームには、メッセージ・ライト、画面の色、またはモバイル装置に組み込まれた他の光を点滅させることが含まれる。
【0075】
例えば、ユーザがモバイル装置をテーブルに置き、例えばユーザが眠ってしまったときのように、閾値期間、例えば、数分間または数時間モバイル装置が動かないことがある。当該場所で自動的に実装するべき適切なUIの振舞いとしては、リンガをオフに設定するか音量を低く設定することが挙げられるかもしれない。1日のうちの時刻のような他の情報を、適切なUIの振舞いを選択する際に考慮することができる。UIの振舞いを自動的に実装する前には、もとのUI通知の振舞いが手動でまたは自動的に設定されている。例えば、モバイル装置はリンガが大音量でオンになっているかもしれない。
【0076】
ステップ1212で、移動が検出されるまで待機する。例えば、ユーザが起きたとき、ユーザはモバイル装置をテーブルから持ち上げ、その時点で動きが感知される。ステップ1214で、モバイル装置の移動が検出されたときに、別のUIの振舞いを自動的に実装する。例えば、モバイル装置は前の、もとのUI設定、例えばリンガが大音量でオン、に復帰してもよい。ステップ1200で再び感知を行う前に、ステップ1218で一定期間待機する。判定ステップ1202でEM信号が感知されない場合は、ステップ1216でもとのUI通知の振舞いを維持し、ステップ1218で一定期間待機する。
【0077】
図12のプロセスを、通知設定だけでなく任意のUIの振舞いに適用できることに留意されたい。
【0078】
図13は、場所のラベルを自動的に生成する、またはユーザにラベルの入力を促すためのプロセスを示す。ラベルとは、「自宅」、「職場」、「会議室」、または「喫茶店」のような、ユーザ・フレンドリな場所名である。容易に理解可能なラベルによってどの場所が現在感知されているかをユーザに知らせることは有用である。当該ラベルは、当該場所が認識されたこと、および、適切なUI設定が当該場所に基づいて自動的に実装されていることをユーザに確認するものとしての役割を果たす。幾つかの場合では、ユーザが自動的なUI設定を上書きすると決定してもよい。または、ラベルが不正確であることもあり、この場合に、ユーザが手動でそれを訂正することができる。1つのアプローチでは、モバイル装置が自動的に、ラベルを特定の場所に割り当てるかまたは割り当てることを提案する。例えば、モバイル装置は、高い確率で当該モバイル装置が毎日午後11時から午前7時の間に特定の場所にあると感知するかもしれない。当該装置は経験則を適用して、当該場所がユーザの自宅であると結論付けることができる。同様に、伝統的な勤務時間である午前9時〜午後5時までの間に訪れた場所に「職場」のラベルを割り当ててもよい。別のアプローチでは、特定の場所を頻繁に、閾値回数、および/または閾値期間訪れた場合は、モバイル装置は当該ユーザに当該場所にラベルを付与するよう自動的に促す。当該閾値期間には、当該場所への複数回の訪問の最小累積時間、および訪問毎の最小時間が含まれる。
【0079】
さらに、感知したEM信号が、ラベルとして使用できる場所情報を提供してもよい。POS端末と対話する前述のモバイル装置の例では、「イリノイ州シカゴ、店番号100、Sears」という情報が、モバイル装置にIrDA赤外線信号で提供された。この情報をラベルとして使用することができるのである。他の場合では、Wi−FiネットワークのSSIDからの情報に、ラベルとして使用できる情報(例えば、「2番通りにあるStarbusks」のようなASCII文字列)、または、前述のSkyhook WirelessのWi−Fi Positioning Systemのようなサービスを用いてラベルを検索するために使用できる情報(例えば、1組のビット)を含んでもよい。後者の場合では、モバイル装置はSSIDで遠隔のデータベース・サーバにクエリを送信し、戻り値として、ラベルとして使用できる場所名を受信することができる。
【0080】
ステップ1300で、閾値頻度でおよび/または閾値回数訪れた場所を判定する。例えば、特定の喫茶店を1週間あたり3〜5回訪れても、当該喫茶店に閾値回数、例えば合計10回訪れるまで、自動的なラベル付与処理またはユーザにラベルを付与するよう催促が行われないとしてもよい。ステップ1320で、場所のラベルを自動的に生成する。ステップ1304で、任意に、ユーザにラベルの承認または編集を促す(図14bを参照)。あるいは、ステップ1306で、ユーザに場所のラベルの生成を促す(図14aを参照)。ステップ1308で、例えば場所識別情報と相互参照させたラベル名を格納することによって、ラベルを場所に関連付ける。
【0081】
図14aは、ユーザに場所のラベルの入力を促すモバイル装置のUIを示す。モバイル装置1400は、情報を閲覧するためのディスプレイ画面1402、および情報を入力するためのキーパッド1404を備える。タッチ・スクリーン型のモバイル装置には、画面に表示される視覚的なキーパッドを使用するものもある。画面1402は、ユーザが現在の場所を頻繁に訪れたことがあること、およびユーザが当該場所のラベルを入力すべきことをユーザに知らせるメッセージを、ユーザに表示する。ユーザは、キーパッド1404を介して適切なラベルを入力することができる。ユーザがその場所にいない別のときに、場所のラベルに対する催促をユーザが検討することも可能である。例えば、1日または週の終わりに、ユーザは訪れた場所のメニューを閲覧して、どれにラベルを割り当てる必要があるかを判定してもよい。既存のラベルを編集することも可能である。
【0082】
図14bは、場所のラベルを自動的に決定し、ユーザに当該ラベルの承認を促すモバイル装置のUIを示す。ここで、モバイル装置は、画面1406で、現在の場所に「自宅」のラベルを自動的に割り当てることを提示し、ユーザに提示したラベルの承認を求める。ユーザは、提示されたラベルを受け入れられる場合は「はい」を選択し、受け入れられない場合は「いいえ」を選択することができる。後者の場合は、ユーザに所望の場所名を入力するよう要求する。
【0083】
図14cは、ユーザに現在のUIプロフィールを通知するモバイル装置のUIを示す。述べたように、どの場所が現在感知されているかをユーザに通知して、当該場所に基づいて適切なUI設定が自動的に実装されていることをユーザに確認する役割を果たし、それにより、ユーザが当該自動的なUI設定を上書きするか、または当該ラベルを手動で訂正できるようにすることは、有用でありうる。ここで、画面1408は、現在のプロフィールが「自宅」であると示している。これは、当該場所に関連付けられた特定のUI設定、例えばプロフィールが、自動的に実装されたことを意味する。当該画面により、ユーザはプロフィールを変更することもできる。現在のプロフィールを、テキストおよび/またはグラフィック/画像で示すことができる。さらに、ユーザが、場所ごとに特定のグラフィックまたは画像を選択できる場合もある。
【0084】
図14dは、ユーザに現在のUIプロフィールの詳細を通知するモバイル装置のUIを示す。画面1410は、着信音が個人的な着信音、リンガ・オン、バイブレーション・オフ、および転送オフを含む、「自宅」プロフィールの詳細を提供する。ユーザは、1つまたは複数のUI設定を変更すると決定してもよく、適切なUIメニューを用いてかかる変更を行うことができる。
【0085】
図15aは、対応する場所データおよび手動で構成したUI設定を伴う、1日におけるユーザのイベントの例示的なシーケンスを示す。述べたように、モバイル装置が訪れた場所およびモバイル装置のUI設定を、長時間にわたって、例えば数日間、追跡することができ、UI設定の自動実装のためのパターンを検出することができる。さらに、UI設定の自動実装に関する以前の決定を確認または修正するために、追跡を続行することができる。提供された例示的なレコードにより、1日に発生した、追跡したイベントを列挙する。同様なレコードを、別の日にも取得してもよい。さらに、別の場所を訪れたこと、および、別のUI設定をユーザが行ったことに応じて、レコードが変化してもよい。
【0086】
レコードまたはテーブルにおいて、列1500は時刻を示す(24時間表記を使用)。列1502はイベントの説明を提供する。列1504は、モバイル装置が感知し追跡し、例えば格納、分析して、パターンを検出する場所データを示す。列1506は、ユーザによって設定され、パターンを検出するために追跡する手動のUI設定を示す。7時に、ユーザが起床しモバイル装置の電源を入れる。モバイル装置はGSM信号からその場所を感知し、判定した場所に識別子ID1を割り当てる。この時点で、実際のUI設定をユーザが手動で構成してもよく、または、UI設定は、モバイル装置に電源を入れたときに生成されるデフォルトの設定であってもよい。7時30分に、ユーザはホーム・ネットワークを有効にする。1分後、7時31分に、モバイル装置がホーム・ネットワークを感知し、当該場所に識別子ID2を割り当てる。当該場所は、Wi−Fiロケーション(Wi−Fi location)である。8時に、ユーザが仕事に出かけ、車を運転する。したがって、モバイル装置はもはやホーム・ネットワークを感知しない。その代わり、GPS信号を感知し、職場への経路上の場所または1組の場所に識別子ID3を割り当てる。
【0087】
8時30分に、ユーザが職場近くの喫茶店に到着し、モバイル装置が、喫茶店で識別子ID4を有するWi−Fiネットワークを感知する。8時31分に、ユーザは、何らかの着信電話呼によって喫茶店の他の常連客の邪魔にならないように、リンガをオフにし、バイブレーション機能をオンにして、UI設定を手動で変更する。列1506は、これらの設定が記録されたことを示す。8時49分に、ユーザは喫茶店を出る準備が整い、UI設定を以前の状態(リンガ・オン、バイブレーション・オフ)に戻し、さらに、職場に適した着信音を設定する。8時50分に、ユーザは喫茶店を出て、徒歩で職場に向かい、モバイル装置はもはや喫茶店のWi−Fiネットワークを感知しない。しかし、GSM信号を検出し、識別子ID5を割り当てる。9時に、ユーザは職場のデスクに到着し、モバイル装置が例えばBluetooth信号を介して無線キーボードを感知し、識別子ID6を割り当てる。
【0088】
ユーザは9時55分まで仕事をし、その時点で会議の準備をする。会議中にモバイル装置から邪魔されるのを防ぐため、ユーザはリンガおよびバイブレーション機能をオフにし(これを、1つの「サイレント・モード」コマンド/ボタンで実現してもよい)、着信呼がアシスタントに転送されるように転送機能を設定する。9時58分に、ユーザは会議室に徒歩で向かい、会議に10時から12時まで出席する。例として、GPS信号が屋内で遮断されGSM信号も遮断されているかまたは利用できないため、場所データがこの時点で利用できないと仮定する。または、かかる信号は利用できるが、場所の判定のためには使用できないとする。午後12時2分に、ユーザは会議室を出て、モバイル装置を以前の職場設定(リンガ・オン、転送オフ)に戻す。ユーザはWi−Fiを備えた食堂に午後12時5分に到着し、モバイル装置がWi−Fi信号を感知して、ID7の識別子を取得する。12時50分に、ユーザは食堂を出て、その時点でWi−Fiネットワークをもはや感知せず、12時55分にユーザが職場のデスクに戻り、そこで無線キーボードからのBluetooth信号を再び感知する。モバイル装置は、識別子ID6を有する同じ場所に当該モバイル装置があることを認識する。
【0089】
17時に、ユーザは職場のデスクを離れ、したがって、無線キーボードからのBluetooth信号をもはや感知しない。17時5分に、ユーザは個人的な着信音を設定し、自宅に向かって運転し始める。GPS信号を経路沿いの1つまたは複数の場所で感知し、ID8の識別子を割り当てる。モバイル装置が、ID3の同じ経路を逆に辿っていると判定することも可能である。18時に、ユーザは自宅に到着し、モバイル装置がID2を有する自宅のWi−Fiネットワークを感知する。モバイル装置は、識別子ID2を有する同じ場所に再び当該モバイル装置があることを認識する。19時に、ホーム・ネットワークが無効にされ、したがってホーム・ネットワークをもはや感知しない。モバイル装置は、GSM信号の感知に戻る。モバイル装置は、識別子ID1を有する同じ場所に再び当該モバイル装置があることを認識する。22時に、ユーザはモバイル装置の電源を切る。
【0090】
上のシナリオでは、ユーザはUI設定を何回か(列1506)変更し、例えば場所、UI設定、および時刻のパターンを検出するために、これらの変更を記録して分析をすることができる。
【0091】
図15bは、図15aのイベントの例示的なシーケンスのうち、場所識別子と時刻のリストを示す。列1510は、時刻のエントリを示し、列1512は対応する場所の識別子を示す。幾つかの場合では、複数の時刻範囲が同じ識別子に関連付けられる。例えば、ID1は7時〜7時31分および19時〜22時に関連付けられ、ID2は7時31分〜8時および18時〜19時に関連付けられ、ID6は9時〜9時58分および12時55分〜17時に関連付けられる。図示したように、他の期間には他の識別子が関連付けられる。このリストは、時刻と相互参照させた場所のパターンを示すものである。述べたように、かかるデータを例えば数日間にわたって取得して、より高い確実性をもってパターンを特定することができる。さらに、様々な場所識別子を同じ場所に関連付けることができる。例えば、ID1およびID2は両方ともユーザの自宅を表す。
【0092】
図15cは、図15aのイベントの例示的なシーケンスのうち、手動で構成したユーザ・インタフェース設定と場所識別子のリストを示す。列1520は時刻のエントリを示し、列1522は対応するUI設定を示す。ここで、幾つかの異なる場所識別子が共通のUI設定に関連付けられる。例えば、ID1、ID2、ID3およびID8は、リンガ・オン、バイブレーション・オフ、個人的な着信音、および転送オフからなるUIプロフィールに関連付けられる。ID4は、リンガ・オフ、バイブレーション・オン、および転送オフからなるUIプロフィールに関連付けられる。ID5、ID6、およびID7は、リンガ・オン、バイブレーション・オフ、職場の着信音、および転送オフからなるUIプロフィールに関連付けられる。
【0093】
図15dは、図15aのイベントの例示的なシーケンスのうち、手動で構成したUI設定と時刻のリストを示す。列1530は時刻のエントリを示し、列1532は対応するUI設定を示す。幾つかの異なる期間が共通のUI設定に関連付けられる。例えば、7時〜8時半は、複数の隣り合う期間を有し、リンガ・オン、バイブレーション・オフ、個人的な着信音、および転送オフからなるUIプロフィールに関連付けられる。8時半〜8時50分は、リンガ・オフ、バイブレーション・オン、および転送オフからなるUIプロフィールに関連付けられる。8時50分〜9時58分、12時5分〜12時50分、および12時55分〜17時は、リンガ・オン、バイブレーション・オフ、職場の着信音、および転送オフからなるUIプロフィールに関連付けられる。10時〜12時は、リンガ・オフ、バイブレーション・オフ、および転送オンからなるUIプロフィールが関連付けられる。この最後の期間(ユーザが会議室にいるとき)では、この期間に場所データが取得できなかったので、場所データと相互参照させていない情報が提供されることに留意されたい。
【0094】
図15eは、図15aのシーケンスに基づいて、対応する場所データおよび自動で構成したUI設定を伴う、1日におけるユーザのイベントの例示的なシーケンスを示す。図15〜15dに示すような検出パターンを用いて、幾つかの場合ではUI設定を自動的に構成することができる。列1540は時刻を示し、列1542はイベントの説明を提供し、列1544は場所データを示し、列1546は実装した自動UI設定を示す。自動UI設定を実装した図15aのイベントの部分集合が示されている。8時30分に、喫茶店のWi−Fi(ID4)を検出したことに基づいて、リンガをオフに、バイブレーションをオフに設定する。9時に、無線キーボードからのBluetooth信号(ID6)を検出したことに基づいて、リンガをオンに、バイブレーションをオフに、職場の着信音をオンに設定する。10時に、10時〜12時の会議の開始時刻を検出したことに基づいてリンガをオフに、バイブレーションをオフに、転送をオンに設定する。12時5分に、食堂のWi−Fiネットワーク(ID7)を検出したことに基づいてリンガをオンに、転送をオフに設定する。12時55分に、無線キーボードからのBluetooth信号(ID6)を検出したことに基づいて、リンガをオンに、バイブレーションをオフに、職場の着信音をオンに設定する。17時5分に、職場から自宅へのGPS経路(ID8)を検出したことに基づいて個人的な着信音がオンに設定される。
【0095】
述べたように、時刻パターンおよび場所パターンの両方を使用して自動UI設定を提供することができる。例えば、喫茶店のWi−Fi(ID4)を検出したことに基づいてリンガをオフに、バイブレーションをオンに設定することに関して、このイベントは平均して各平日の大体8時30分に、1週間あたり3〜5回行われる。場合によっては、Wi−Fi検出が指定のタイム・ウィンドウ内、例えば8時30分の前後30分以内に検出された場合に自動設定が実装されるように、時間的な制約を課してもよい。自動UI設定が例えば平日、または一週間のうち他の日にのみ実装されるように、曜日に関する制約を課してもよい。例えば、自動的なUI設定が祝日には実装されないように、祝日のような特殊な日を考慮することもできる。
【0096】
さらに、場所に入ったことまたは場所を離れたことの何れかによりUI設定の自動実装を引き起こすことができる。場所に入ったことは、例えば当該場所に関連付けられたEM信号の検出によって証明され、場所を離れたことは、例えば当該場所に関連付けられたEM信号を検出しその後当該場所に関連付けられたEM信号をもはや検出しなくなったことによって証明される。例えば、無線キーボードからのBluetooth信号(ID6)を検出したことに基づいてリンガをオンに、バイブレーションをオフに、職場の着信音をオンに設定することに関して、これを、代替的にモバイル装置が食堂のWi−Fiネットワーク(ID7)を離れたことを検出したことによって引き起こすことができる。別のアプローチでは、或る場所を出発して別の場所に到着することを含むシーケンスを用いて自動UI設定を引き起こす。タイム・ウィンドウ内にある出発と到着との間の時間差が自動UI設定を引き起こし、タイム・ウィンドウ内にない出発と到着との間の時間差が自動UI設定を引き起こさないように、出発と到着との間のタイム・ウィンドウを課すことができる。さらに別の可能なアプローチでは、第1の場所に到着しその後第2の場所に到着することを含むシーケンスを用いて自動UI設定を引き起こし、第1の場所に到着せずに第2の場所に到着したときは自動UI設定を引き起こさないか、または別のUI設定を引き起こす。多数の変形が可能である。
【0097】
図16は、様々な実施形態を実装するのに適したコンピュータ・ハードウェアの例示的なブロック図を示す。コンピュータ・ハードウェアは、例えば、図4のモバイル装置を表すことができる。様々な実施形態を実装するための例示的なシステムは、汎用目的のコンピューティング装置1610を含む。コンピューティング装置1610のコンポーネントには、処理ユニット1620、システム・メモリ1630、および当該システム・メモリを含む様々なシステム・コンポーネントを処理ユニット1620に接続するシステム・バス1621を含んでもよい。システム・バス1621は、例えば、メモリ・バスまたはメモリ・コントローラ、周辺バス、および様々なバス・アーキテクチャの何れかを用いたローカル・バスであってもよい。
【0098】
コンピューティング装置1610は、様々なコンピュータ読取可能媒体またはプロセッサ読取可能媒体を備えることができる。コンピュータ読取可能媒体は、コンピューティング装置1610がアクセスできる任意の利用可能な媒体であることができ、揮発性の媒体および不揮発性の媒体の両方、取外し可能媒体および取外し不能媒体の両方が含まれる。コンピュータ読取可能媒体は、コンピュータ読取可能命令、データ構造、プログラム・モジュール、または他のデータのような情報を格納するための任意の方法または技術で実装した、揮発性の媒体および不揮発性の媒体、取外し可能な媒体および取外し不能な媒体のようなコンピュータ記憶媒体を備えてもよい。コンピュータ記憶媒体には、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュ・メモリもしくは他のメモリ技術、CD−ROM、DVD(digital versatile disk)もしくは他の光ディスク記憶、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶もしくは他の磁気記憶装置、または所望の情報の格納に使用できコンピューティング装置1610がアクセスできる他の任意の媒体が含まれるがこれらに限らない。上記の何れかの組合せも、コンピュータ読取可能媒体の範囲に含まれる。
【0099】
システム・メモリ1630は、コンピュータ記憶媒体を、ROM(read onlymemory)1631およびRAM(randam access memory)1632のような揮発性および/または不揮発性のメモリの形で備える。BIOS(basic input/output system)1633は、例えば起動中にコンピューティング装置1610内の要素の間で情報を転送することを支援する基本ルーチンを含み、一般にROM1631に格納される。RAM1632は一般に、処理ユニット1620が即座にアクセス可能なデータおよび/または演算装置1620で現在実行されているプログラム・モジュールを含む。例えば、オペレーティング・システム1634、アプリケーション・プログラム1635、他のプログラム・モジュール1636、およびプログラム・データ1637を提供してもよい。
【0100】
コンピューティング装置1610はまた、他の取外し可能/取外し不能、揮発性/不揮発性のコンピュータ記憶媒体を備えてもよい。例としてのみ、図16は、固体メモリのような取外し不能で不揮発性のメモリ1640、および取外し可能で不揮発性のメモリ・カード1652を読書きするメモリ・カード(例えば、SDカード)インタフェース/リーダ1650を示す。例示的な動作環境で使用できる他の取外し可能/取外し不能、揮発性/不揮発性のコンピュータ記憶媒体には、フラッシュ・メモリ・カード、デジタル多用途ディスク、デジタル・ビデオ・テープ、固体RAM、固体ROM、等が含まれるがこれらに限らない。
【0101】
コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ1610に対して、コンピュータ読取可能命令、データ構造、プログラム・モジュール、および他のデータを格納する。例えば、取外し不能で不揮発性のメモリ1640が、オペレーティング・システム1644、アプリケーション・プログラム1645、他のプログラム・モジュール1646、およびプログラム・データ1647を格納するとして示されている。これらのコンポーネントは、システム・メモリ1630内のオペレーティング・システム1634、アプリケーション・プログラム1635、他のプログラム・モジュール1636、およびプログラム・データ1637と同一であるかまたは異なってもよい。ここでは、オペレーティング・システム1644、アプリケーション・プログラム1645、他のプログラム・モジュール1646、およびプログラム・データ1647に異なる番号を付して、少なくとも、それらが異なるコピーであることを示す。ユーザは、キーボード/タッチ・スクリーン1662およびマイクロフォン1661のような入力装置を介してコマンドおよび情報をコンピューティング装置1610に入力することができる。他の入力装置(図示せず)には、ジョイスティック、ゲーム・パッド、パラボラ・アンテナ、スキャナ、等を含んでもよい。これらおよび他の入力装置はしばしば、システム・バスに接続されるユーザ入力インタフェース1660を介して処理ユニット1620に接続されるが、パラレル・ポート、ゲーム・ポート、またはUSB(universal serial bus)のような他のインタフェースおよびバス構造によって接続してもよい。ディスプレイ/モニタ1691も、ビデオ・インタフェース1690のようなインタフェースを介してシステム・バス1621に接続される。オーディオ出力1697のような他の周辺出力装置を、出力周辺インタフェース1695を介して接続してもよい。
【0102】
コンピューティング装置1610は、1つまたは複数のリモート・コンピューティング装置、例えばリモート・コンピューティング装置1680への論理接続を用いてネットワーク環境で動作してもよい。リモート・コンピューティング装置1680は、別のモバイル装置、パーソナル・コンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ピア・デバイス、または他の共通ネットワーク・ノードであってもよく、一般に、コンピューティング装置1610に関して上述した要素の多くまたは全部を含む。かかるネットワーク環境は、職場、企業規模のコンピュータ・ネットワーク、イントラネット、およびインターネットにおいて一般的である。
【0103】
ネットワーク環境で使用する場合は、コンピューティング装置1610はネットワーク・インタフェースまたはアダプタ1670を介して別のネットワークに接続される。ネットワーク環境では、コンピューティング装置1610に関して図示したプログラム・モジュールまたはその一部を、遠隔のメモリ記憶装置に格納してもよい。例えば、リモート・アプリケーション・プログラム1685はメモリ装置1681に存在することができる。図示したネットワーク接続は例示であって、コンピューティング装置間で通信リンクを確立する他の手段を使用してもよい。
【0104】
例示および説明の目的のため、本明細書に上述の本発明の技術の詳細な説明を提示した。本記載は、包括的であるものでも、本発明の技術を開示した厳密な形態に限定しようとするものでもない。以上の教示に照らして、多数の修正や変形が可能である。説明した諸実施形態は、本発明の技術の原理およびの実用的な適用例を最も良く説明し、それにより、当業者が本発明の技術を様々な実施形態において、かつ、考えられる具体的な使用に適するように様々な修正を加えて、最も良く利用できるように選択されたものである。本発明の技術の範囲が添付の特許請求の範囲によって定義されることを意図している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線信号で通信するコンテキスト認識型のモバイル装置を制御するための、プロセッサ実装型の方法であって、
前記モバイル装置が訪れた様々な場所に存在する電磁放射線を前記モバイル装置が感知することによって、前記モバイル装置の移動を追跡し、それぞれの場所の前記電磁放射線に関連付けられた場所識別情報を格納するステップ(600)と、
前記モバイル装置の前記移動における少なくとも1つのパターンを、前記移動の追跡結果に基づいて特定するステップ(604)と、
前記モバイル装置が前記様々な場所にある場合に、前記場所識別情報と相互参照させて、前記モバイル装置の少なくとも1つのユーザ・インタフェース設定を格納することによって、前記モバイル装置のユーザ・インタフェース設定を追跡するステップ(602)と、
前記様々な場所に関する前記モバイル装置の前記ユーザ・インタフェース設定における少なくとも1つのパターンを、前記ユーザ・インタフェース設定の追跡結果に基づいて特定するステップ(606)と、
ユーザが介入することなく、前記モバイル装置の前記移動における前記少なくとも1つのパターンと、前記モバイル装置の前記ユーザ・インタフェース設定における前記少なくとも1つのパターンとに基づいて、前記モバイル装置の前記少なくとも1つのユーザ・インタフェース設定を自動的に修正するステップ(608)と
を含むことを特徴とするプロセッサ実装型の方法。
【請求項2】
時刻と相互参照させた前記モバイル装置の前記少なくとも1つのユーザ・インタフェース設定を格納するステップをさらに含み、前記ユーザ・インタフェース設定における前記少なくとも1つのパターンは、時刻に関する前記ユーザ・インタフェース設定におけるパターンを含むことを特徴とする請求項1に記載のプロセッサ実装型の方法。
【請求項3】
前記追跡したユーザ・インタフェース設定は、前記モバイル装置が前記様々な場所にある場合に、前記モバイル装置のユーザによって手動で設定されることを特徴とする請求項1に記載のプロセッサ実装型の方法。
【請求項4】
前記モバイル装置の前記移動における少なくとも1つのパターンを特定する前記ステップは、繰り返し訪れた少なくとも1つの場所を特定するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のプロセッサ実装型の方法。
【請求項5】
前記モバイル装置の前記移動における少なくとも1つのパターンを特定する前記ステップは、繰り返し訪れた少なくとも1つの場所の列を特定するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のプロセッサ実装型の方法。
【請求項6】
前記モバイル装置の前記ユーザ・インタフェース設定を、前記電磁放射線を前記様々な場所で感知した様々な時点で格納することを特徴とする請求項1に記載のプロセッサ実装型の方法。
【請求項7】
前記モバイル装置の前記ユーザ・インタフェース設定を、前記電磁放射線を前記様々な場所で感知した前記様々な時点と異なる時点で格納することを特徴とする請求項1に記載のプロセッサ実装型の方法。
【請求項8】
前記電磁放射線は、前記場所に存在する装置から放射されることを特徴とする請求項1に記載のプロセッサ実装型の方法。
【請求項9】
無線信号で通信するコンテキスト認識型のモバイル装置であって、
電磁放射線センサ(406、408)と、
通知をユーザに提供するユーザ・インタフェース(418)と、
プロセッサ読取可能コードを格納するメモリ(410)と、
前記プロセッサ読取可能コードを実行する少なくとも1つのプロセッサ(412)であって、前記モバイル装置が訪れた様々な場所に存在する電磁放射線を感知する前記電磁放射線センサを用いて前記モバイル装置の移動を追跡し、それぞれの場所の前記電磁放射線に関連付けられた場所識別情報を格納し、前記モバイル装置の前記移動における少なくとも1つのパターンを、前記移動の追跡結果に基づいて特定し、前記モバイル装置が前記様々な場所にある場合に、前記場所識別情報と相互参照させて、前記モバイル装置の少なくとも1つのユーザ・インタフェース設定を格納することによって、前記モバイル装置のユーザ・インタフェース設定を追跡し、前記様々な場所に関する前記モバイル装置の前記ユーザ・インタフェース設定における少なくとも1つのパターンを、前記ユーザ・インタフェース設定の追跡結果に基づいて特定し、ユーザが介入することなく、前記モバイル装置の前記移動における前記少なくとも1つのパターンと、前記モバイル装置の前記ユーザ・インタフェース設定における前記少なくとも1つのパターンとに基づいて、前記モバイル装置の前記少なくとも1つのユーザ・インタフェース設定を自動的に修正する少なくとも1つのプロセッサと
を備えることを特徴とするコンテキスト認識型のモバイル装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つのプロセッサは、時刻と相互参照させた前記モバイル装置の前記少なくとも1つのユーザ・インタフェース設定を格納し、前記ユーザ・インタフェース設定における前記少なくとも1つのパターンは、時刻に関する前記ユーザ・インタフェース設定におけるパターンを含むことを特徴とする請求項9に記載のコンテキスト認識型のモバイル装置。
【請求項11】
前記追跡したユーザ・インタフェース設定は、前記モバイル装置が前記様々な場所にある場合に、前記モバイル装置のユーザによって手動で設定されることを特徴とする請求項9に記載のコンテキスト認識型のモバイル装置。
【請求項12】
前記モバイル装置の前記移動における前記少なくとも1つのパターンを特定するために、前記少なくとも1つのプロセッサは、繰り返し訪れた少なくとも1つの場所を特定することを特徴とする請求項9に記載のコンテキスト認識型のモバイル装置。
【請求項13】
前記モバイル装置の前記移動における前記少なくとも1つのパターンを特定するために、前記少なくとも1つのプロセッサは、繰り返し訪れた少なくとも1つの場所の列を特定することを特徴とする請求項9に記載のコンテキスト認識型のモバイル装置。
【請求項14】
前記モバイル装置の前記ユーザ・インタフェース設定を、前記電磁放射線を前記様々な場所で感知した様々な時点で格納することを特徴とする請求項9に記載のコンテキスト認識型のモバイル装置。
【請求項15】
前記モバイル装置の前記ユーザ・インタフェース設定を、前記電磁放射線を前記様々な場所で感知した前記様々な時点と異なる時点で格納することを特徴とする請求項9に記載のコンテキスト認識型のモバイル装置。
【請求項1】
無線信号で通信するコンテキスト認識型のモバイル装置を制御するための、プロセッサ実装型の方法であって、
前記モバイル装置が訪れた様々な場所に存在する電磁放射線を前記モバイル装置が感知することによって、前記モバイル装置の移動を追跡し、それぞれの場所の前記電磁放射線に関連付けられた場所識別情報を格納するステップ(600)と、
前記モバイル装置の前記移動における少なくとも1つのパターンを、前記移動の追跡結果に基づいて特定するステップ(604)と、
前記モバイル装置が前記様々な場所にある場合に、前記場所識別情報と相互参照させて、前記モバイル装置の少なくとも1つのユーザ・インタフェース設定を格納することによって、前記モバイル装置のユーザ・インタフェース設定を追跡するステップ(602)と、
前記様々な場所に関する前記モバイル装置の前記ユーザ・インタフェース設定における少なくとも1つのパターンを、前記ユーザ・インタフェース設定の追跡結果に基づいて特定するステップ(606)と、
ユーザが介入することなく、前記モバイル装置の前記移動における前記少なくとも1つのパターンと、前記モバイル装置の前記ユーザ・インタフェース設定における前記少なくとも1つのパターンとに基づいて、前記モバイル装置の前記少なくとも1つのユーザ・インタフェース設定を自動的に修正するステップ(608)と
を含むことを特徴とするプロセッサ実装型の方法。
【請求項2】
時刻と相互参照させた前記モバイル装置の前記少なくとも1つのユーザ・インタフェース設定を格納するステップをさらに含み、前記ユーザ・インタフェース設定における前記少なくとも1つのパターンは、時刻に関する前記ユーザ・インタフェース設定におけるパターンを含むことを特徴とする請求項1に記載のプロセッサ実装型の方法。
【請求項3】
前記追跡したユーザ・インタフェース設定は、前記モバイル装置が前記様々な場所にある場合に、前記モバイル装置のユーザによって手動で設定されることを特徴とする請求項1に記載のプロセッサ実装型の方法。
【請求項4】
前記モバイル装置の前記移動における少なくとも1つのパターンを特定する前記ステップは、繰り返し訪れた少なくとも1つの場所を特定するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のプロセッサ実装型の方法。
【請求項5】
前記モバイル装置の前記移動における少なくとも1つのパターンを特定する前記ステップは、繰り返し訪れた少なくとも1つの場所の列を特定するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のプロセッサ実装型の方法。
【請求項6】
前記モバイル装置の前記ユーザ・インタフェース設定を、前記電磁放射線を前記様々な場所で感知した様々な時点で格納することを特徴とする請求項1に記載のプロセッサ実装型の方法。
【請求項7】
前記モバイル装置の前記ユーザ・インタフェース設定を、前記電磁放射線を前記様々な場所で感知した前記様々な時点と異なる時点で格納することを特徴とする請求項1に記載のプロセッサ実装型の方法。
【請求項8】
前記電磁放射線は、前記場所に存在する装置から放射されることを特徴とする請求項1に記載のプロセッサ実装型の方法。
【請求項9】
無線信号で通信するコンテキスト認識型のモバイル装置であって、
電磁放射線センサ(406、408)と、
通知をユーザに提供するユーザ・インタフェース(418)と、
プロセッサ読取可能コードを格納するメモリ(410)と、
前記プロセッサ読取可能コードを実行する少なくとも1つのプロセッサ(412)であって、前記モバイル装置が訪れた様々な場所に存在する電磁放射線を感知する前記電磁放射線センサを用いて前記モバイル装置の移動を追跡し、それぞれの場所の前記電磁放射線に関連付けられた場所識別情報を格納し、前記モバイル装置の前記移動における少なくとも1つのパターンを、前記移動の追跡結果に基づいて特定し、前記モバイル装置が前記様々な場所にある場合に、前記場所識別情報と相互参照させて、前記モバイル装置の少なくとも1つのユーザ・インタフェース設定を格納することによって、前記モバイル装置のユーザ・インタフェース設定を追跡し、前記様々な場所に関する前記モバイル装置の前記ユーザ・インタフェース設定における少なくとも1つのパターンを、前記ユーザ・インタフェース設定の追跡結果に基づいて特定し、ユーザが介入することなく、前記モバイル装置の前記移動における前記少なくとも1つのパターンと、前記モバイル装置の前記ユーザ・インタフェース設定における前記少なくとも1つのパターンとに基づいて、前記モバイル装置の前記少なくとも1つのユーザ・インタフェース設定を自動的に修正する少なくとも1つのプロセッサと
を備えることを特徴とするコンテキスト認識型のモバイル装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つのプロセッサは、時刻と相互参照させた前記モバイル装置の前記少なくとも1つのユーザ・インタフェース設定を格納し、前記ユーザ・インタフェース設定における前記少なくとも1つのパターンは、時刻に関する前記ユーザ・インタフェース設定におけるパターンを含むことを特徴とする請求項9に記載のコンテキスト認識型のモバイル装置。
【請求項11】
前記追跡したユーザ・インタフェース設定は、前記モバイル装置が前記様々な場所にある場合に、前記モバイル装置のユーザによって手動で設定されることを特徴とする請求項9に記載のコンテキスト認識型のモバイル装置。
【請求項12】
前記モバイル装置の前記移動における前記少なくとも1つのパターンを特定するために、前記少なくとも1つのプロセッサは、繰り返し訪れた少なくとも1つの場所を特定することを特徴とする請求項9に記載のコンテキスト認識型のモバイル装置。
【請求項13】
前記モバイル装置の前記移動における前記少なくとも1つのパターンを特定するために、前記少なくとも1つのプロセッサは、繰り返し訪れた少なくとも1つの場所の列を特定することを特徴とする請求項9に記載のコンテキスト認識型のモバイル装置。
【請求項14】
前記モバイル装置の前記ユーザ・インタフェース設定を、前記電磁放射線を前記様々な場所で感知した様々な時点で格納することを特徴とする請求項9に記載のコンテキスト認識型のモバイル装置。
【請求項15】
前記モバイル装置の前記ユーザ・インタフェース設定を、前記電磁放射線を前記様々な場所で感知した前記様々な時点と異なる時点で格納することを特徴とする請求項9に記載のコンテキスト認識型のモバイル装置。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図3e】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14a】
【図14b】
【図14c】
【図14d】
【図15a】
【図15b】
【図15c】
【図15d】
【図15e】
【図16】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図3e】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14a】
【図14b】
【図14c】
【図14d】
【図15a】
【図15b】
【図15c】
【図15d】
【図15e】
【図16】
【公表番号】特表2012−529873(P2012−529873A)
【公表日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−515124(P2012−515124)
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際出願番号】PCT/US2010/038086
【国際公開番号】WO2010/144651
【国際公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.GSM
3.イーサネット
【出願人】(500046438)マイクロソフト コーポレーション (3,165)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際出願番号】PCT/US2010/038086
【国際公開番号】WO2010/144651
【国際公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.GSM
3.イーサネット
【出願人】(500046438)マイクロソフト コーポレーション (3,165)
【Fターム(参考)】
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