説明

モバイルIP通信システムにおける異なる技術のアクセスネットワーク間でのモバイルノードのハンドオーバ

【課題】モバイルノードによって使用される通信帯域幅を制御することにより、アクセスネットワークにおける輻輳を緩和する。
【解決手段】通信システムは、モバイルインターネットプロトコル関連通信サービスを、複数のアクセスネットワーク20,22,24を介してモバイルノード26,28に提供する。モビリティマネージャ40は、該アクセスネットワークの輻輳状態、該モバイルノードが現在、経験しているリンク品質、アプリケーションサーバメッセージ、および第一のモバイルノードが加入しているサービス品質のレベルに従って、該アクセスネットワーク間での第一のモバイルノードの加入の変更、または、該モバイルノードの通信セッションレベルの変更を指示する。モバイルノードの通信セッションのためのサービス品質は、モバイルIP v4/v6スタックに無関係に、WLAN等の無秩序のアクセスネットワーク上でも維持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム及び通信方法に関し、また、複数のアクセスネットワークを介してモバイルノードにモバイルインターネットプロトコル関連サービスを提供する通信システム内で動作可能なモビリティマネージャに関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル関連サービスを、モバイルユーザ機器に提供することができる様々な種類のモバイル無線ネットワークがある。例えば、GSM(登録商標)(Global System for Mobiles)ネットワークは、固定容量無線通信チャネルを介したデータ及び音声通信のための機能を提供する。一方、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)は、より大きなデータレートをモバイルユーザ機器に与える際に、改善された柔軟性を提供すると共に、セルラーアーキテクチャによって可能になるローミング機能も提供する。他方、無線LAN(Wireless Local Area Networks;WLAN)規格、例えば、WIFIと呼ばれるIEEE 802.11Bは、いわゆるWLANのホットスポット内での高データレート通信のための機能を提供する。このようなWLANは、GSM(登録商標)やUMTS等のセルラーモバイル無線アーキテクチャによって提供することができるものよりも実質的に大きなデータレートを提供できる。さらに、WLANは、単一のモバイルユーザが、他のモバイルユーザよりも多くの、使用可能なデータ通信帯域幅の割合を占めることが可能であるという点で、無秩序になる場合が多くある。
【0003】
多くのアプリケーションは、インターネットプロトコルを利用して、例えば、マルチメディアサービス等のデータ通信をサポートする。従って、通信サービスは、様々な異なるネットワークを介してインターネットプロトコルパケットを伝達することにより提供することができる。該アプリケーションは、該インターネットプロトコルパケットが、それを介して伝達されるネットワークの種類を認識しなくてもよい。そのため、無線通信の場合には、該アプリケーションは、GSM(登録商標)ネットワークまたはWLANのいずれかを介してインターネットパケットを伝達することができる。しかし、それらの異なる種類のモバイル無線ネットワークは、かなり異なる通信帯域幅を提供し、サポートすることができるサービスの品質は、該モバイルアクセスネットワークによって提供される通信帯域幅によって異なる可能性がある。従って、通信サービスは、異なる通信セッションレベルを用いて提供することができ、各レベルは、該モバイルノードが、それを介して現在通信中である該アクセスネットワークによって決まる異なるサービス品質を提供する。各通信セッションレベルに対して、異なる種類の媒体を伝達することができる。従って、例えば、一つの通信セッションレベルの場合、ビデオをサポートすることができるのに対して、他のレベルは、音声のみをサポートすることができる。
【0004】
欧州特許第1435748号明細書は、モビリティマネージャが、モバイルノードの一つのアクセスネットワークから別のアクセスネットワークへの加入の変更の保留または完了を、モバイルノードに通信サービスを提供するアプリケーションサーバに知らせるように構成されている通信システムを開示している。そのため、該アプリケーションサーバは、通信セッションレベルの増加または低下があるか否かにより、該加入の変更の前または後に、通信セッションレベルを変更することができる。該通信セッションレベルは、異なる種類の媒体をサポートすることができる異なるサービス品質を提供する。従って、該アプリケーションサーバは、該通信セッションレベルを、ユーザが加入した少なくとも一つのサービスを維持するという意図に対して適応させることができる。加入の変更が生じたときを判断するため、該モビリティマネージャは、関連する該モバイルアクセスネットワークのアクセスゲートウェイからアクセスネットワーク評価メッセージを受け取って、ハンドオーバが発生するときを識別する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、通信システムは、モバイルインターネットプロトコル関連通信サービスを複数のアクセスネットワークを介してモバイルノードに提供する。それらのアクセスネットワークの各々は、該モバイルノードによる該アクセスネットワークへのアクセスを制御するアクセスゲートウェイを含み、該通信サービスは、異なるレベルを有するインターネットプロトコル通信セッション内で提供される。該システムは、該モバイルノードからリンク品質評価メッセージ(MNE)を受け取るように機能するアプリケーションレイヤモビリティマネージャを含むモビリティマネージャサーバを備え、モバイルノードからのメッセージ(MNE)は、各々が、アクセスネットワーク上の該モバイルノードに対して使用可能なリンク品質のインジケーションを備える一つまたは複数の測定値を含む。また、該モビリティマネージャは、該通信サービスを該モバイルノードに提供するアプリケーションサーバからアプリケーションサーバメッセージを受け取るように機能し、該アプリケーションサーバメッセージは、該モバイルノードに対して使用可能な該アクセスネットワークの現在使用可能なリンク品質に応じて、通信セッションレベルを変更する。また、該モビリティマネージャは、該モバイルノードがそれを介して通信中である該アクセスネットワークの各々の該アクセスゲートウェイからアクセスネットワーク評価メッセージを受け取るように機能する。該アクセスネットワーク評価メッセージは、現在、使用されているアクセスネットワークによって提供される無線アクセスインタフェースの無線通信資源に従って、該アクセスネットワークを介して通信する該モバイルノードによって現在、使用されている総通信帯域幅に対する該アクセスネットワークの輻輳の状態のインジケーションを示す。該モビリティマネージャは、第一のアクセスネットワーク及び第二のアクセスネットワークの一方から、該第一及び第二のアクセスネットワークの他方への第一のモバイルノードの加入の変更、または、該第一のモバイルノードの通信セッションレベルの変更のうちの少なくとも一方を指示するように機能する。該加入の変更、または、通信セッションレベルの変更は、該第一または第二のアクセスネットワークの輻輳状態、該第一のモバイルノードが現在、経験しているリンク品質、該アプリケーションサーバメッセージ、および該第一または第二のアクセスネットワークに加入した第二のモバイルノードが加入したサービス品質のレベルに対して、該第一のモバイルノードが加入したサービス品質のレベルに従って実施される。
【0006】
本発明の実施形態は、モバイルインターネットプロトコルv4/v6スタックとは無関係に、WLAN(Wireless Local Area Networks)等の無秩序なアクセスネットワーク上でも、モバイルノードに対する通信セッションのための継続性及びサービス品質を維持しようとする通信システムを提供する。また、輻輳したアクセスネットワークは、ユーザの帯域幅を制御することにより、輻輳を緩和することができる。モバイルネットワーク間の加入の変更(モバイルノードのハンドオーバ)は、該モバイルノードが現在、属しているアクセスネットワークを介して、現在経験しているリンク品質、該モバイルネットワーク上に存在する輻輳の量、および該モバイルノードが加入しているサービス品質のレベルに従って制御される。この目的のため、より高品質のサービスに加入したモバイルノードに、より低い通信品質のサービスに加入したモバイルノードよりも高い通信帯域幅を提供するモバイルネットワークへの優先権が与えられるという趣旨で、該モバイルネットワークへのアクセスを制御するために、ネットワーク及びサービス品質の再選択アルゴリズムが、該モビリティマネージャによって実行される。さらに、本発明のいくつかの実施形態による該モビリティマネージャは、該第一のネットワーク上の輻輳が、より高いサービス品質に加入したモバイルノードに対するサービス品質を低下させるという影響を及ぼす場合に、該モバイルノードを異なるモバイルネットワークへ強制的にハンドオーバさせるために配置される。
【0007】
国際公開第03/047296号パンフレットは、モバイルIPV6インターネットプロトコルの一部を構成するメッセージが、リンク品質関連メッセージを伝える、モバイルノード及びモビリティマネージャのための機能を実現できるように拡張される構成を開示している。具体的には、該モバイルノードは、その現在の通信モバイルアクセスネットワーク上のリンク品質が低下している場合にのみ、ハンドオーバの要求を送信するものとして開示されている。従って、その現在のアクセスネットワークよりも高容量のアクセスネットワークのカバレージに入っている場合、該モバイルノードは、その現在のアクセスネットワーク上にとどまることになる。さらに、該モビリティマネージャのみを使用している場合、シームレスなモビリティは実現されるが、サービス品質は可能にならない。
【0008】
IEEE 802.11のWLANの実施例の場合、スペクトルは、GSM(登録商標)、GPRSまたはUMTS等の、モバイルノードがネットワークにより与えられた資源であるセルラー方式とは対照的に、未調整であり、かつ自由競争である。不都合な結果は、唯一のモバイルノードのトラフィックが、他の全てのモバイルノードのパフォーマンスに影響を及ぼす可能性があるということである。例えば、UDPビデオストリーミングを受信し、かつWLANのホットスポットカバレージの境界にあるモバイルノードのうちの一つが、使用可能な通信帯域幅のうちのかなりの量を消費する可能性がある。リンク品質劣化の結果として、該ホットスポットのスループットは、ゼロまで低下する可能性がある。
【0009】
本発明の実施形態は、以下の特徴を有するモビリティマネージャを提供することができる。
・モバイルノードのアクセスネットワークに対する制御は、異なるエンティティ間で定義されたメッセージが、アプリケーションレイヤ内に書かれている場合、MIPv4/v6スタックとは無関係に実施される。
・モバイルノードの通信セッションのために使用可能な適切なアクセスネットワークを、ネットワーク及びサービス品質再選択アルゴリズム(Network and Quality of Service Reselection Algorithms;NQRA)を用いて、動的に判断しかつ選択する。
・IEEE 802.11のWLANのような無秩序のアクセスネットワーク上でも通信セッションに最小のサービス品質が提供される可能性が保証され、または、少なくとも増加する。
・IEEE 802.11のWLANのアクセスポイントのような輻輳したアクセスネットワークは、その輻輳を緩和することができる。
・オペレータのポリシーに従って、モバイルノードを異なるアクセスネットワークに割り振る。
【0010】
本発明の実施形態は、モビリティマネージャとモバイルノードとの間で定義されたメッセージと、モビリティマネージャとアクセスゲートウェイとの間で定義されたメッセージと、モバイルノード及びアクセスポイントに関する決定を処理するように定義され、かつ該モビリティマネージャによって実行される、ネットワーク及びサービス品質の再選択アルゴリズムとを用いる。
【0011】
いくつかの実施例において、上記モビリティマネージャは、上記第一のモバイルノードに、第二のモバイルノードに優先して該第一のモバイルノードに対して使用可能な通信帯域幅の増加をもたらすアクセスネットワークへ加入を変更するように指示するか、または、該第一のモバイルノードのための通信帯域幅を維持するために、該第二のモバイルノードに対する通信帯域幅の割当てを低減することができる。この優先選択は、該第一のモバイルノードが、より高いサービス品質レベルに加入しているということに基づいて実行することができる。別法として、該モビリティマネージャは、該第一及び第二のモバイルノードが同じサービス品質レベルに加入している場合に、該第二のモバイルノードによって使用される通信帯域幅が、該第二のモバイルノードによって使用される通信帯域幅よりもより非効率的に用いられると判断することができる。別法として、該第一のモバイルノードは、該第二のモバイルノードによって用いられる通信プロトコルが、インターネットプロトコルパケットの損失に良好に対処することができるため、好ましい。
【0012】
以下の説明によれば、通信セッションレベルという用語は、異なる媒体のタイプの使用を可能にする、通信サービス品質を識別することを意味する。典型的には、該セッションレベルが高くなればなるほど、リンク通信帯域幅は大きくなり、より高い通信帯域幅を必要とするメディアタイプをサポートするのに使用可能となる。
【0013】
本発明の様々な別の態様及び特徴は、添付請求項に定義されており、また、モビリティマネージャと、モバイルインターネットプロトコル関連サービスを複数のアクセスネットワークを介してモバイルノードに提供する方法とを含む。
【0014】
次に、本発明の実施形態を、添付図面を参照して、ほんの一例として説明し、同様の構成要素は、類似の符号で記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態による機能的なインターネットプロトコルマルチメディアアーキテクチャの概略ブロック図である。
【図2】図1のインターネットプロトコルマルチメディアシステムが、複数のアクセスネットワークを用いて通信サービスをモバイルノードに提供するのに用いられる通信システムの概略ブロック図である。
【図3】メッセージの流れ、および、モバイルノードによるアクセスネットワークへのアクセスを制御するための、図2に示すモビリティマネージャによって実行されるプロセスステップの概略図である。
【図4】モビリティマネージャによって実行されるモバイルアクセスネットワーク間でのモバイルノードの加入の変更および/または通信セッションレベルの変更を制御するプロセスを説明するフロー図である。
【図5A】図4に示すプロセスで実行されるネットワーク及びサービス品質再選択アルゴリズムの実施例を説明するフロー図である。
【図5B】図4に示すプロセスで実行されるネットワーク及びサービス品質再選択アルゴリズムの実施例を説明するフロー図である。
【図6】図4及び図5Aに示すプロセスで実行される輻輳制御を実行できるネットワーク及びサービス品質再選択アルゴリズムの第二の実施例を説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(例示的な実施形態の説明)
(略語)
AG アクセスゲートウェイ
ANE アクセスネットワーク評価
ANI アクセスネットワーク識別子
AP アクセスポイント
API アクセスポイント識別子
BA 結合肯定応答
BU 結合更新
GPRS 汎用パケット無線サービス
GSM(登録商標) モバイル通信用グローバルシステム
HA ホームエージェント
HI ハンドオーバ命令
IPMM IPモビリティマネージメント
LAC ロケーションエリアコード
MAC 媒体アクセス制御
MM モビリティマネージャ
MN モバイルノード
NQRA ネットワーク及びサービス品質再選択アルゴリズム
PLMN パブリックランドモバイルネットワーク
QoS サービス品質
SSID サービス設定識別子
UMTS ユニバーサルモバイル通信サービス
WLAN 無線LAN
【0017】
本発明の実施形態は、特定のインターネットプロトコルのバージョンとは無関係なかたちでモビリティ管理を実行するモビリティマネージャサーバ内に、アプリケーションレイヤモビリティマネージャを設ける。モビリティマネージャメッセージは、該メッセージをモバイルインターネットプロトコルスタンダードに関連付ける代わりに、該アプリケーションレイヤ内に書き込まれる。この結果、実際には、それらのメッセージは、例えば、TCP/IPまたはUDP/IP上のXML等のマークアップ言語ベースのメッセージとすることができる。
【0018】
本発明の実施形態を構成する要素のための総合的なシステムアーキテクチャを図1に示す。図1において、アプリケーションサーバASは、例えば、マルチメディア通信サービスをモバイルノードMNに提供するアプリケーションレイヤプログラムを実行するために配置されている。アプリケーションサーバASは、マルチメディア通信セッションを実行しているが、該サービスがそれを介して提供される通信リンクは、多数のモバイル通信アクセスネットワークを介して影響を及ぼされる可能性がある通信チャネルを通じてサポートされるインターネットプロトコルを用いる。簡潔に説明すると、通信帯域幅は、該モバイルノードがそれを介して通信するアクセスネットワークの種類により、変動する可能性がある。これは、該アクセスネットワークによって提供することができる通信帯域幅が、該アクセスネットワークによって提供される無線通信インタフェースにより、異なるアクセスネットワーク間で異なるからである。モビリティマネージャMMは、通信セッションを、より具体的には、該モバイルノードの一つのアクセスネットワークから別のアクセスネットワークへのハンドオーバを制御するために設けられている。このことは、ユーザプロファイル情報に基づいて、ネットワーク及びサービス品質再選択アルゴリズムを実行することによって実施される。該ユーザプロファイル情報は、モビリティマネージャレジスタ2によって提供され、該モバイルノードのユーザが加入したサービス品質レベルのインジケーションを含むことができる。多数のアクセスネットワーク間でモバイルノードの加入を制御するために、該アクセスネットワーク上の現在の負荷に基づいて、該モビリティマネージャは、アクセスネットワークのアクセスゲートウェイ4からアクセスネットワーク評価メッセージ(access network evaluation message;ANEag)を受け取る。アクセスゲートウェイ4は、全ての着信及び発信インターネットプロトコルパケットがそれを介して伝達されるアクセスネットワーク内のポイントの一実施例である。
【0019】
図1において、モビリティマネージャサーバ6は、モビリティマネージャ固有メッセージとのインターネットプロトコル通信に関するホームエージェントを効率的に構成する。また、該モビリティマネージャは、IPMM固有メッセージを管理し、かつハンドオーバおよび/または通信サービスレベルの変更を実施すべきか否かを決定する、ハンドオーバポリシーサーバ(hand over policy server;HPS)も含む。上述したように、IPMMレジスタ2は、ユーザコンテキスト情報(ユーザプロファイル、無線環境、セッションパラメータ)を異なるアクセスネットワークの状態に関する情報と共に保存したデータベースを形成する。アクセスゲートウェイAG4は、所定のアクセスネットワークのためのリソースを活性化し、アクセスリソースモニタリングに対応する。例えば、WLANの場合、アクセスゲートウェイは、リソースを監視し、該WLAN内の全てのアクセスポイントから情報をフェッチして、該ネットワーク内の使用可能な通信資源上の負荷を評価するために設けられる。
【0020】
上述したように、アプリケーションサーバ(AS)は、上記モバイルノードとのインターネットプロトコル通信を利用して、通信サービスを一つまたは複数の当事者に提供する一つまたは複数のアプリケーションを管理する。
【0021】
図1に示すシステムの動作の良好な認識は、本発明の例示的な実施形態を示す図2によって理解することができる。図2においては、モバイル通信をモバイルノード26、28に提供する三つのアクセスネットワーク20、22、24が示されている。図2に示す実施例から、第一のアクセスネットワーク20は、UMTS規格に従って作動し、第二のアクセスネットワーク22は、GSM(登録商標)規格に従って作動し、第三のアクセスネットワーク24は、WLAN規格に従って作動する。第三のアクセスネットワーク24は、一般的にWIFIと呼ばれているIEEE 802.11B規格に従って作動してもよい。図2において、第三のアクセスネットワーク24は、WLAN規格を介したモバイル通信がその中で可能である局所化した集中部またはホットスポットを形成する二つのサブネットワークで構成されている。サブネットワーク24.1、24.2の各々はアクセスポイント30、32を含み、該アクセスポイントを介して、インターネットプロトコルパケットが送信され、サブネットワーク24.1、24.2によって形成されるカバレージエリア内で作動するモバイルノードに受信される。従って、第三のアクセスネットワークの場合、アクセスゲートウェイ34は、アクセスポイント30、32からインターネットプロトコルメッセージを受け取るために設けられている。また、第一及び第二のアクセスネットワークは、アクセスネットワーク評価メッセージ(ANEag)をモビリティマネージャサーバ40に伝達するように機能するアクセスゲートウェイ36、38も含み、この場合、該メッセージは、アプリケーションレイヤモビリティマネージャによって受け取られる。図1に示す要素によれば、該モビリティマネージャサーバは、ユーザコンテキスト情報が保存されているモビリティマネージャレジスタ42と、通信サービスをモバイルノード26、28に提供するためのアプリケーションレイヤプログラムを実行するアプリケーションサーバ44も含む。
【0022】
上述したように、本発明の実施形態は、加入したサービス品質レベルに従って、モバイルノードの様々なアクセスネットワークへのアクセスを制御する機能を実現する。例えば、該モバイルノードのユーザは、以下の説明において、ブロンズ、シルバー及びゴールドと呼ぶことになる三つのサービス品質レベルのうちの一つに加入することができる。サーバ40内の該モビリティマネージャは、該モバイルノードによる該アクセスネットワークへのアクセスを、該加入したサービス品質と、該アクセスネットワークを介して該モバイルノードから使用可能なリンク品質及び該アクセスネットワークの輻輳との組み合わせに基づいて制御する。
【0023】
WLANアクセスネットワークの実施例の場合、GSM(登録商標)やUMTS等のセルラーモバイル通信ネットワークとは違って、通信は無秩序であり、かつ自由競争である。その結果として、どのモバイルノードも、他のモバイルノードよりも、使用可能な通信帯域幅をより大きな割合で確保することができる。例えば、該モバイルノードのうちの一つは、UDPビデオストリームを受信することができ、その結果として、該WLAN上で使用可能な帯域幅のかなりの割合を消費することができる。その結果、該WLAN内の他のモバイルノードに対する通信リンクの品質は、ゼロまで低下する可能性がある。簡潔に説明すると、本発明の実施形態は、ネットワーク及びサービス品質再選択アルゴリズムを用いて、該モバイルノードの該アクセスネットワークへのアクセスを管理することができるモビリティマネージャを実現する。その結果として、第一のモバイルノード26に、第二のモバイルノードに優先して、第三のアクセスネットワーク24へハンドオーバするように指示することができ、該第二のモバイルノードには、該第三のアクセスネットワークから第一のアクセスネットワーク20へハンドオーバするように指示することができる。この優先選択は、例えば、該第一のモバイルノードがより高いサービス品質レベルに加入しているため、より高い優先順位の結果である。
【0024】
一実施形態の実施例の動作を、図3に示すフロー図によって説明する。
【0025】
図3において、第一のステップS2において、上記モバイルノードは、リンク品質評価メッセージMNEをモビリティマネージャ40に伝達することができる。また、アクセスゲートウェイは、アクセスネットワーク評価メッセージANEagを該モビリティマネージャに伝達して、消費する通信帯域幅の状態に関して報告することができる。
【0026】
上記アプリケーションサーバは、通信サービスをモバイルノードに提供するアプリケーションレイヤプログラムを実行する。該アプリケーションサーバは、アプリケーションサーバメッセージを該モビリティマネージャに送信して、例えば、ビデオメッセージを配信できるように、該モバイルノードの現在、経験している帯域幅を増加させることを要求する。
【0027】
メッセージ交換S6において、上記モビリティマネージャは、ステップS2及びS4で受信した現在、受信しているアクセスネットワーク評価メッセージ、リンク品質評価メッセージまたはアプリケーションサーバメッセージに関係するモバイルノードに関連付けられたユーザコンテキストを更新する。
【0028】
ステップS8:次いで、上記モビリティマネージャは、ネットワーク及びサービス品質再選択アルゴリズムにおける使用のために、モビリティマネージャレジスタ42にユーザコンテキスト情報を問い合わせる。該ユーザコンテキスト情報は、該モバイルノードのユーザが加入したサービス品質レベル等を含む。
【0029】
ステップS10:簡潔に説明すると、次に、モバイルノードが、より低い相対通信資源を有する別のモバイルアクセスネットワークへ、例えば、WLANネットワークからセルラーモバイルネットワークへハンドオーバすべきか否かを判断するために、および/または現在の通信セッションレベルへの適応が必要か否かを判断するために、上記ネットワーク及びサービス品質再選択アルゴリズムが実行される。それに応じて、このことは、セッション通知及びアプリケーション適応機能を必要とする。対照的に、モバイルノードが、より高い相対通信パラメータを有するアクセスネットワークへハンドオーバするために実行されるプロセスステップが、図3の下半分に示されている。これらのステップは、要約すると次のようになる。
【0030】
ステップS12:上記モビリティマネージャは、上記モバイルノードが、例えば、無線LANへのハンドオーバ等の、より高い通信帯域幅を提供するアクセスネットワークにアクセスすることができることを判断する。それに応じて、該モビリティマネージャは、ハンドオーバ命令HIを出す。
【0031】
ステップS14:このハンドオーバが成功した場合、該モバイルノードは、ロケーション更新メッセージ(モバイルIP結合更新メッセージ(Mobile IP Binding Update message))を送信することにより、該モビリティマネージャに、その新しいロケーションを知らせる。
【0032】
ステップS16:次いで、該モバイルノードは、ハンドオーバ命令肯定応答を送信し、高いに設定されたコンテキストオプションを有するアクセスネットワーク評価メッセージを含む(HI ACK MNE)。
【0033】
ステップS18:次に、該モビリティマネージャは、該ロケーション更新メッセージを肯定応答する。
【0034】
ステップS20:次いで、該モビリティマネージャは、情報をIPMMレジスタ42へ伝達することにより、ユーザのためのコンテキストを更新し、このことは、後に肯定応答される。ここで、ネットワーク及びサービス品質再選択アルゴリズムの二つの実施例について説明する。しかし、モバイルノードに、第二のモバイルアクセスネットワークから第一のモバイルアクセスネットワークへ、またはその逆に、ハンドオーバするように、および/またはその現在のセッションレベルに適応するように命令すべきか否かを判断する一般的なプロセスについてここで説明する。一つの実施例において、比較的高い通信帯域幅を有する該第一のモバイルアクセスネットワークは、WLANとすることができ、また、比較的低い通信帯域幅を有する該第二のモバイルアクセスネットワークは、セルラーモバイル無線ネットワークとすることができる。該モビリティマネージャの一般的な動作は、以下のように要約される、図4に示すフロー図によって表される。
【0035】
ステップS30:該モビリティマネージャは、モバイルノードが現在、属しているアクセスネットワークを介して経験している現在の通信品質を評価するリンク品質評価メッセージ(MNE)を該モバイルノードから受信する。また、該モビリティマネージャは、該モバイルノードが現在、加入しているアクセスネットワークを介して提供される通信帯域幅の増加または減少を要求するアプリケーションサーバメッセージを上記アプリケーションサーバから受け取る。
【0036】
ステップS32:また、該モビリティマネージャは、使用中の通信資源に関する現在の輻輳状態に関して報告するアクセスネットワーク評価メッセージ(ANEag)を、該アクセスネットワークの各々のアクセスゲートウェイから受け取る。
【0037】
ステップS34:該モビリティマネージャは、該モビリティマネージャレジスタからコンテキスト情報を得る。該ユーザコンテキスト情報は、ユーザプロファイル、該ユーザが加入したサービス品質のインジケーション(ブロンズ、シルバー、ゴールド)、および、該モバイルノードが加入している現在のアクセスネットワークのこれまでの評価メッセージ及び通信等の、該モバイルノードの管理に関連する他の何らかの情報を含む。
【0038】
ステップS36:該モバイルノードが加入しているモバイルアクセスネットワークの現在の輻輳状態、加入した通信セッションサービスレベルの条件及び現在の使用可能なリンク品質に基づいて、各モバイルノードに、一つのモバイルアクセスネットワークから別のモバイルアクセスネットワークへハンドオーバするように指示すべきか否かを判断するために、リンク品質評価メッセージ(MNE)、アプリケーションサーバメッセージ及びアクセスネットワーク評価メッセージ(ANEag)のための少なくとも一つのネットワーク及びサービス品質再選択アルゴリズムが実行される。
【0039】
ステップS38:該ネットワーク及びサービス品質再選択アルゴリズムの結果から、該モビリティマネージャは、該モバイルノードが、別のモバイルアクセスネットワークへハンドオーバすべきかを決定する。ハンドオーバが必要な場合は、処理はステップS44へ進み、そうでない場合には、ステップS40に進む。
【0040】
ステップS40:ハンドオーバが必要でない場合、該モビリティマネージャは、該モバイルノードが、例えば、該モバイルノードが現在加入しているモバイルアクセスネットワークの輻輳を緩和する要件に従って、その現在の通信セッションレベルに適応すべきか否かを判断する。該通信セッションレベルに対する適応が必要ない場合は、処理はステップS49に進む。該通信セッションレベルに対する適応が必要な場合には、処理は、ステップS42へ進む。
【0041】
ステップS42:該モビリティマネージャは、該モバイルノードが現在加入しているモバイルアクセスネットワークから割当てられている通信帯域幅の減少または増加に適応するために、該モバイルノードに、その通信セッションレベルを適応するように命令するために、該アプリケーションサーバと共に作動する。図4に示すように、これは、該モビリティマネージャによって行われ、該モバイルノードが、その通信帯域幅の消費を低下すべきであることを該アプリケーションサーバに報告する。この結果、該アプリケーションサーバは、該モバイルノードに、その通信セッションレベルを低下させて、消費する通信帯域幅の低下を実施するように命令することができる。
【0042】
ステップS44:該モバイルノードが異なるモバイルアクセスネットワークへハンドオーバすべき場合は、該モビリティマネージャは、該モバイルノードに対して使用可能なリンク通信帯域幅を増加させるべきか、または減少させるべきかを判断する。該リンク通信帯域幅を増加すべき場合は、処理はステップS46へ進み、そうでない場合には、処理はステップS47へ進む。
【0043】
ステップS46:該モバイルノードが異なるネットワークへハンドオーバすべき場合は、該モビリティマネージャは、ハンドオーバ命令(Hand Over Instruction;HI)を伝達して、該モバイルノードに異なるアクセスネットワークにハンドオーバするように命令し、ステップS48において、該アプリケーションサーバに報告する。
【0044】
ステップS47:該リンク通信帯域幅を減少すべき場合、または、同じにしておく場合は、該モビリティマネージャは、加入の変更が行われる前に、加入の変更を該アプリケーションサーバに報告する。従って、欧州特許第1435748号明細書に開示されている技術に従って、該アプリケーションサーバは、該ハンドオーバが実行される前に、該通信セッションレベルに適応することができる。別法として、該リンク通信帯域幅が同じままである場合は、該ハンドオーバを実行して、その後に、該アプリケーションサーバに知らせてもよい。
【0045】
ステップS48:該アプリケーションサーバは、一つのモバイルアクセスネットワークから別のモバイルアクセスネットワークへの加入の変更に関する決定の報告を該モビリティマネージャから受け取る。
【0046】
ステップS49:ハンドオーバ、または通信セッションレベルの適応が必要ない場合には、次のモバイルノードが、ハンドオーバが必要か否かに関して再検討される。
【0047】
図4に示すフロー図は、該モビリティマネージャが、ステップS36において、少なくとも一つのアルゴリズムを実行して、ハンドオーバまたはセッション適応をモバイルノードに対して命令すべきかを判断することを示している。これらのネットワーク及びサービス品質再選択アルゴリズムは、当然、同じアルゴリズムの一部を構成することもできる。しかし、本発明の例示的な実施形態を説明するために、該アルゴリズムを分けることは有益である。次に、これらのアルゴリズムの実施例について説明する。
【0048】
(ネットワーク及びサービス品質再選択アルゴリズム1)
【0049】
図5A及び図5Bは、例えば、図4のフロー図のステップS36におけるモビリティマネージャの動作を説明するフロー図を示す。図5A及び図5Bに示す第一のネットワーク及びサービス品質再選択アルゴリズムによるこれらのステップをまとめると以下のようになる。
【0050】
ステップS50:各モバイルノードに対して、どのアクセスネットワークが、最低の通信セッションレベルをサポートするのに必要な保証された最小リンク通信帯域幅をサポートすることができるかが判断される。そして、各モバイルアクセスネットワークが、当該モバイルノードのための可能性のあるアクセスネットワークのリストに加えられる。
【0051】
ステップS52:最低の通信セッションの最小通信帯域幅をサポートすることができるモバイルアクセスネットワークのリスト上の各モバイルアクセスネットワークに対して、該モビリティマネージャは、現在使用可能なリンク品質を評価する。この目的のため、該モビリティマネージャは、各モバイルノードが、現在、加入しているアクセスネットワークから有する、または、一つ以上の他のアクセスネットワークから有することができる、実際のまたは可能性のあるリンク通信帯域幅に関するリンク品質評価リポートによって提供された情報を照合する。該モビリティマネージャは、現在使用可能な通信帯域幅が、最低レベルの通信セッションをサポートするのに十分であるか、あるいは、より高い通信セッションレベルをサポートすることができるかを判断する。
【0052】
ステップS54:該モビリティマネージャは、各モバイルノードに対して、当該モバイルノードが、現在のアクセスネットワーク上で、または、ターゲットのアクセスネットワークがより高いリンク通信帯域幅を提供するため、当該モバイルノードが優先することができる該ターゲットのアクセスネットワーク上で、他のモバイルノードよりも高い優先度を有するかを判断する。該より高い帯域幅は、該モバイルノードが、例えば、該アクセスネットワークを介して、音声の代わりにビデオ等の改善された品質の通信セッションレベルを経験できるようにする。
【0053】
ステップS56:現時点での評価されたモバイルノードは、現在のアクセスネットワーク上で、または、ターゲットのアクセスネットワーク上で、少なくとも一つの他のモバイルノードよりも高い優先度を有しているか。
【0054】
ステップS58:ステップS58.1 該モバイルノードが、高い優先度を有している場合、該モビリティマネージャは、該モバイルノードに、該ターゲットアクセスネットワークにハンドオーバするように、および/または通信リンク帯域幅の増加に従って通信セッションレベルを変更するように命令する。しかし、該モビリティマネージャが、該モバイルノードがターゲットネットワークにハンドオーバすることを可能にすることができるかを判断するために、該モビリティマネージャは、後述する図6のフロー図によって表される動作に従って、ステップS58.2において、輻輳管理動作を実行することができる。
【0055】
ステップS60:該モバイルノードが、他のモバイルノードよりも高い優先度を有していない場合、該モビリティマネージャは、別のモバイルノードが、該モバイルノードが現在加入している現在のモバイルアクセスネットワークに対してより高い優先度を有するか、または、現在のモバイルアクセスネットワークにハンドオーバすることを希望している別のモバイルネットワークに加入している別のモバイルノードが、該モバイルノードよりも高い優先度を有しているかを判断する。
【0056】
ステップS62:より高い優先度のモバイルノードがあるか。ある場合は、処理はステップS64に進み、そうでない場合には、処理はステップS78に進む。
【0057】
ステップS64:より高い優先度のモバイルノードがある場合、該モビリティマネージャは、現在のモバイルアクセスネットワークが輻輳しているか否かを判断する。現在のモバイルアクセスネットワークは輻輳しているか。該アクセスネットワークが輻輳している場合、処理はステップS66へ進み、そうでない場合には、処理はステップS80へ進む。
【0058】
ステップS66:現在のモバイルアクセスネットワークが、現在、輻輳している場合、該モビリティマネージャは、現在の通信セッションレベル、またはより低い通信セッションレベルをサポートすることができる別のモバイルアクセスネットワークがあるかを判断する。
【0059】
ステップS68:別のアクセスネットワークは、現在の通信セッションレベル、またはより低い通信セッションレベルをサポートする通信リンク帯域幅を提供することができるか。現在の通信リンク帯域幅をサポートすることができる別のモバイルアクセスネットワークがある場合は、処理はステップS70へ進み、そうでない場合には、処理はステップS72へ進む。
【0060】
ステップS70:該モビリティマネージャは、該モバイルノードが、現在の通信セッションレベルをサポートする通信リンク帯域幅を提供することができる他のモバイルアクセスネットワークへハンドオーバすべきであると判断し、処理は図4のステップS38へ進む。
【0061】
ステップS72:該モビリティマネージャは、現在のモバイルアクセスネットワークが、より低い通信セッションレベルのための許容可能なリンク通信帯域幅をサポートすることができるかを判断する。
【0062】
ステップS74:現在のモバイルアクセスネットワークは、より低い通信セッションレベルをサポートすることができるか。該現在のモバイルアクセスネットワークがより低い通信セッションレベルをサポートすることができる場合は、処理はステップS76へ進み、そうでない場合には、処理はステップS77へ進む。
【0063】
ステップS76:該モビリティマネージャは、通信セッションレベルを、現在のモバイルアクセスネットワークによってサポートすることができるより低いレベルに適応させるべきであると判断し、処理は、図4のステップS40に進む。
【0064】
ステップS77:現在のアクセスネットワークが、より低い通信セッションレベルをサポートすることができない場合、ステップS66で判断されたことに関して、該モビリティマネージャは、他のネットワークが、より低い通信セッションレベルをサポートすることができる場合には、該他のネットワークへのハンドオーバを指示し、処理は、ステップS78に進む。他のネットワークがより低い通信セッションレベルをサポートすることができない場合には、処理はステップS82に進む。
【0065】
ステップS78:このステップはステップS70と同じであり、該モビリティマネージャは、該モバイルノードが、現在の通信セッションレベルをサポートする通信リンク帯域幅を提供することができる他のモバイルアクセスネットワークへハンドオーバすべきであると判断し、処理は図4のステップS38へ進む。
【0066】
ステップS80:該モビリティマネージャは、ハンドオーバが必要ではなく、また、通信セッションレベルの適応が必要ではないと判断し、処理はステップS38またはステップS40へ進む。
【0067】
ステップS82:該モバイルノードは、現在のアクセスネットワーク上に留まるが、該モバイルノードのための通信セッションは閉じられる。
【0068】
一つのモバイルノードを他のモバイルノードよりも優先させるのに用いることができる様々なパラメータがある。
例えば、該モビリティマネージャは、加入したサービス品質、例えば、ブロンズ、シルバー及びゴールドのみならず、
該モバイルノードが、該アクセスネットワーク上に配置されている負荷、
該モバイルノードが、通信帯域幅の同意した消費に関する予想を超えているか、
該モバイルノードが、特定のアクセスネットワークが優先されていることを示しているか、
アクセスネットワークの安定性を保証する目的、
に基づいて識別することができる。
【0069】
(ネットワーク及びサービス品質再選択アルゴリズム2)
【0070】
上述したように、上記モバイルノードが、図4のステップS38に従って、別のアクセスネットワークの輻輳により、該別のアクセスネットワークへハンドオーバすべきかを判断する第二のアルゴリズムは、該モバイルノードに対するハンドオーバおよび/またはセッション適応が必要かを判断するために、アクセスネットワークの輻輳を判断する。モバイルノードが、アクセスネットワークの現在の輻輳に基づいてハンドオーバするように指示されている例示的な実施形態を図6に示す。図6は、上記モビリティマネージャの動作を説明するフロー図を示す。図6は、まとめると以下のようになる。
【0071】
ステップS90:該モビリティマネージャは、該アクセスネットワークの各々のアクセスゲートウェイからアクセスネットワーク評価メッセージを受け取る。
【0072】
ステップS92:該アクセスネットワーク評価メッセージから、該モビリティマネージャは、特定のアクセスネットワークが輻輳しているかを判断する。輻輳していない場合、処理はステップS90へ進み、次のアクセスネットワーク評価メッセージを受け取って評価する。該モバイルアクセスネットワークが輻輳している場合には、処理はステップS94に進む。
【0073】
ステップS94:モバイルアクセスネットワークが、輻輳していることを示している場合、該モビリティマネージャは、該アクセスネットワークに現在加入している各モバイルノードに対して、それらのモバイルノードのうちの一つが、他のモバイルノードよりも低い優先度を有しているか、および異なるアクセスネットワークを介して通信セッションを続行することができるかを判断する。この結果、該モビリティマネージャは、より低い優先度のモバイルが現在、輻輳しているアクセスネットワークに属しているかを識別する。一つのモバイルノードの他のモバイルノードよりも優る優先度は、以下のいずれかの要素から決めることができる。
・該モバイルノードは、別のアクセスネットワークを介して作動することができるか、例えば、該モバイルノードは、GPRSが可能か。
・該モバイルノードが加入している加入レベル、例えば、ブロンズ、シルバー及びゴールド。
・高い消費モバイルノードに、より少量の通信帯域幅を消費するモバイルノードよりも低い優先度を与えるように、該モバイルノードが他のモバイルノードに対して消費する現在の帯域幅。
・該モバイルノードによって生成される媒体アクセス制御フレームの長さ。
・例えば、UDPが、パケット損失に適応することができるTCPよりも転送プロトコルとして好まれる場合等の、用いられる転送プロトコル。
【0074】
ステップS96:より低い優先度のモバイルノードが、輻輳しているアクセスネットワークに加入しているか。より低い優先度のモバイルノードがある場合、該モビリティマネージャは、ステップS98に進み、そうでない場合、処理はステップS100から続行する。
【0075】
ステップS98:該モビリティマネージャは、ステップS66からS80を実行して、別のモバイルアクセスネットワークへハンドオーバしてステップS38へ進むか、または、現在のネットワークに留まって、図4のステップS40へ進むかを判断する。
【0076】
ステップS100:該モビリティマネージャは、ハンドオーバが、輻輳しているモバイルアクセスネットワークに容認されないこと、および通信リンク帯域幅の増加が、該輻輳しているアクセスネットワークに加入している該モバイルノードに対して実現されないことを決定し、その結果、通信セッションレベルの増加を許可することができない。
【0077】
次に、上述したモビリティマネージャをインプリメントするために、該モビリティマネージャへの及び該モビリティマネージャからの通信のためのメッセージのフォーマット及び文法について説明する。IPバージョンとは無関係であるモビリティマネージャをインプリメントするために、以下に提示する該モビリティマネージャメッセージは、モバイルIPv4及びモバイルIPv6である少なくとも二つのインターネットプロトコル規格を考慮しなければならないであろうモバイルIP規格に関連付ける代わりに、該アプリケーションレイヤに書かれている。実際には、これらのメッセージは、TCP/IPまたはUDP/IP上のXMLメッセージとすることができる。
【0078】
三つの主なメッセージがある。すなわち、
・MNE:該モバイルノードは、ユーザが、どこにいても、そのアプリケーションにアクセスできるようにするコンポーネントである。該モバイルノードは、その使用可能なアクセスネットワーク品質に関する情報を含むメッセージ(MNE)を構成し、それを該モビリティマネージャに送る。
・ANEag:該アクセスポイントは、モバイルノードが属しているノードである。該アクセスゲートウェイは、アクセスポイントからその現在の負荷に関する情報を、すなわち、使用している無線資源、変動及び接続したMNの数の割合を集める。アクセスゲートウェイは、いくつかのアクセスポイントの情報を集めるノードであり、メッセージ(ANEag)を構成し、それを該モビリティマネージャへ送る。
・HI:該モビリティマネージャから該モバイルノードへ送信されるハンドオーバ命令メッセージ。
【0079】
(A.1−MNE)
最初に、メッセージMNEのフォーマットを示す。該メッセージは、二つの部分、すなわち、共通部分と、一つまたは複数の測定値を含む測定値部分とに分けられる。
【0080】
該共通部分は、以下の情報を含む。
message type(1バイト):02は、評価メッセージを識別する。
sequence number(1バイト):この値は、MNEが機器(モバイルノードまたはアクセスゲートウェイ)によって送られる度に更新される。
lifetime(1バイト):この値は、該メッセージの有効時間を与える。
sender message type(1バイト):該メッセージを送信する機器の種類(01=アクセスゲートウェイ、02=モバイルノード)を識別する。
sender identifier(6バイト):この値は、該メッセージを送信する機器を独自に識別する。該識別子は、MACアドレスとすることができる。
context_option(1バイト):この値は、該メッセージが、ユーザコンテキスト有効化MNE、HI ACK MNE、即時HO MNE、または通常のMNEであるかを示す。
number of measurements(1バイト):この値は、該メッセージで報告される測定値の数を与える。
【0081】
該測定値部分の文法は、以下のとおりである。
access network type(1バイト):アクセスネットワークの種類(01=セルラー、02=802.11…)を識別する。
ani_length(1バイト):この値は、ANIの長さをバイトで与える。
access Network Identifier(1〜32バイト):この値は、アクセスネットワークを独自に識別する。該識別子は、GPRS用のPLMNおよびWLAN用のSSIDである。
access Point Identifier(0〜6バイト):この値は、アクセスネットワーク内のアクセスポイントを独自に識別するものであり、そのMACアドレスである。
quality(1バイト):この値は、リンクに関する現在の品質を与える。
current(1バイト):この値は、該アクセスネットワークが現在のアクセスネットワークであるかを示す。
gprs_slot_up(4ビット):この値は、セルラーネットワークの場合にのみ存在し、アップリンク内のモバイルノードの能力を与える。
gprs_slot_down(4ビット):この値は、セルラーネットワークの場合にのみ存在し、ダウンリンク内のモバイルノードの能力を与える。
【0082】
(A.2−ANEag)
次に、ANEagメッセージのフォーマットを提示する。このメッセージは、二つの部分、すなわち、MNEメッセージを有する共通部分と、一つのアクセスポイントに対して一つの測定値を含む個別測定部分とに分かれる。
【0083】
該共通部分は、以下の情報を含む。
message type(1バイト):02は、評価メッセージを識別する。
sequence number(1バイト):この値は、ANEagが該アクセスゲートウェイによって送られる度に更新され、MMが、もう使われていないANEagメッセージを無視できるようにすることができる。
lifetime(1バイト):この値は、該メッセージの有効時間を与える。
sender message type(1バイト):該メッセージを送信する機器の種類(01=アクセスゲートウェイ、02=モバイルノード)を識別する。
sender identifier(6バイト):この値は、該メッセージを送信するアクセスゲートウェイを独自に識別し、該識別子は、MACアドレスまたは他の識別子である。
【0084】
測定部分は、以下の情報を含む。
access network type(1バイト):アクセスネットワークの種類(01=セルラー、02=802.11…)を識別する。
Access Point Identifier(0〜6バイト):この値は、アクセスネットワーク内のアクセスポイントを独自に識別し、該識別子はMAC@である。
connected_MN(2バイト):この値は、該アクセスポイントに関連するモバイルノードの数を与える。
load:このフィールドは、いくつかのサブフィールドに分けられる。すなわち、
・Value:このAPのためのAGによって処理される負荷値。
・Variation:この値の展開。
必要に応じて、該ANEagメッセージは、次のフィールドも含むことができる。
・Packet lost:一秒間に、(受信及び送信したパケットを含む)アクセスポイントによって失われたパケットの数。
・The mobile node:APに接続された全てのモバイルノードに関する情報を含む。
・MAC address of the MN:該アクセスポイントに接続されているモバイルノードを識別する(WLAN MAC@)。
・Statistics:さらなる情報をMMに与える。すなわち、
・このMNの場合の平均受信パケット長。
・このMNの場合の平均送信パケット長。
・一秒間に、このMNによって送信されたバイト数。
・一秒間に、このMNによって受信されたバイト数。
【0085】
【表1】

【0086】
注意:必要に応じて、より多くのフィールドを該MNEまたはANEagに付加することができる。それらのフィールドは、
・APと通信するための、該モバイルノードによって用いられる変調。
・モバイルノードの場合の、パケット損失、遅延及びジッタアップリンク/ダウンリンク。
【0087】
(1.3−HI)
以下は、HIメッセージのフォーマットである。
message type(1バイト):01は、ハンドオーバ命令メッセージを識別する。
sequence number(1バイト):この値は、ハンドオーバ命令が同じモバイルノードに送信される度に更新される。
access network type(1バイト):アクセスネットワークの種類(01=セルラー、02=802.11…)を識別する。
ani_length(1バイト):この値は、アクセスネットワーク識別子の長さをバイトで与える。
access Network Identifier(1〜32バイト):この値は、アクセスネットワークを独自に識別する。
access Point Identifier(0〜6バイト):この値は、アクセスネットワーク内のアクセスポイントを独自に識別する。
【0088】
上述した実施形態に対しては、本発明の範囲を逸脱することなく、様々な変更を行うことができる。例えば、該実施形態は、IEEE 802.11規格に準拠するWLANに関して説明されているが、他のWLAN規格、ならびにGSM(登録商標)及びUMTS以外のセルラーモバイル無線ネットワークも適していることは、正しく理解できるであろう。
【0089】
本発明の様々な他の態様及び特徴は、以下の具体的な実施形態で理解することができる。
・該アクセスネットワーク評価メッセージが、輻輳の状態が、通信セッションのために加入したサービス品質をサポートするのに、該第一のアクセスネットワークから使用可能な通信帯域幅が不足しているようになっていることを示し、かつ、該第一のモバイルノードによって使用される少なくとも一つの通信帯域幅が、同じサービス品質レベルに加入した他のモバイルノードによって使用される通信帯域幅よりも非効率的に利用されているか、または、該第一のモバイルノードによって使用される通信プロトコルが、インターネットプロトコルパケットの損失にうまく対処することができる場合に、該モビリティマネージャが、該第一のモバイルノードが該第一のアクセスネットワークから該第二のアクセスネットワークへ加入を変更すべきであると判断するように、または、該第一のアクセスネットワーク上で消費される通信帯域幅を低減するように機能する、通信システム。
・該第一のネットワークのアクセスゲートウェイから受け取った該アクセスネットワーク評価メッセージが、輻輳状態により、該第一のアクセスネットワークから使用可能な十分な通信資源があることを示しており、該第一のモバイルノードが、該第一のアクセスネットワークを介して通信する通信インタフェースを含み、かつ、該アプリケーションサーバメッセージが、該モバイルノードがより高い相対通信リンク帯域幅から恩恵を受けるであろうことを示している場合に、該モビリティマネージャが、該第一のアクセスネットワークに対してより低い相対通信リンク帯域幅を備える該第二のアクセスネットワークから該第一のアクセスネットワークへ加入を変更するように該第一のモバイルノードに指示するように機能する、通信システム。
・該モビリティマネージャが、該第一のモバイルノードからのリンク品質評価メッセージ(MNE)に応答して、該アクセスネットワーク評価メッセージと共同して、現在の通信セッションレベルを、該第二のモバイルノードより優先して実施される該第一のアクセスネットワークへの加入の変更によってのみサポートすることができることを判断する、通信システム。
・該第一のモバイルノードに与えられた通信セッションレベルを、該第二のモバイルノードに与えられた通信セッションレベルに適応するのに必要な帯域幅ではなく、該第一のアクセスネットワークから使用可能な通信帯域幅内に適応させることができる場合に、該モビリティマネージャが、同じサービス品質レベルに加入している該第二のモバイルノードに優先して該第一のモバイルネットワークへ加入を変更するように、該第一のモバイルノードに指示すべきであると判断するように機能する、通信システム。
・該第一のモバイルノード及び第二のモバイルノードが現在、該第二のアクセスネットワークに加入しており、該第一のモバイルノードは、該第一のアクセスネットワークへ加入を変更するように指示され、該第二のモバイルノードは指示されない、通信システム。
・該第一のモバイルノードは第二のアクセスネットワークに加入しており、該第二のモバイルノードは現在、該第一のアクセスネットワークに加入しており、該モビリティマネージャは、該第二のモバイルノードに、該第二のアクセスネットワークへ加入を変更するように指示し、該第一のモバイルノードには、該第一のアクセスネットワークへ加入を変更するように指示するよう機能する、通信システム。
・該第一のモバイルノードは該第二のアクセスネットワークに加入しており、該第二のモバイルノードは現在、該第一のアクセスネットワークに加入しており、該モビリティマネージャは、該第一のモバイルに必要な通信帯域幅に適応するために、通信サービスレベルを変更するように該第二のモバイルノードに指示するように機能し、該第一のモバイルノードは、該第一のアクセスネットワークに加入を変更するように指示される、通信システム。
・該第一のアクセスネットワークがWLANであり、該第二のアクセスネットワークがセルラーモバイル無線ネットワークである、通信システム。
・該アクセスネットワーク評価メッセージ(ANEag)が、該第一のモバイルノードに対する通信セッションレベルをサポートするために、通信帯域幅が該第一のアクセスネットワークから使用可能であることを示しており、該第一のモバイルノードが、該第一のアクセスネットワークを介して通信する通信インタフェースを含み、該第一のモバイルノードが、該第二のモバイルノードよりも高いサービス品質レベルに加入している場合に、該第二のモバイルノードに優先して、該第一のアクセスネットワークに対してより低い相対通信帯域幅を備える該第二のアクセスネットワークから該第一のアクセスネットワークへ加入を変更するように該第一のモバイルノードに指示すべきであると判断するように機能する、モビリティマネージャ。
・該第二のモバイルノードが、該第一のモバイルノードよりも高いサービス品質レベルに加入しており、該第一のモバイルノードによって使用される該第一のアクセスネットワークからの通信帯域幅が、該第二のモバイルノードに対して、使用可能な通信帯域幅を不十分にするという影響を及ぼす場合に、該第一のモバイルノードが、該第一のアクセスネットワークから該第二のアクセスネットワークへ加入を変更すべきであると判断するように、または、より低い通信帯域幅を用いて、通信セッションを異なるレベルへ変更することにより、該第一のアクセスネットワーク上で消費される通信帯域幅を低減するように機能する、モビリティマネージャ。
・該第一のモバイルノードからのリンク品質評価メッセージ(MNE)に応答して、該アクセスネットワーク評価メッセージと共同して、現在の通信セッションレベルを、該第一のアクセスネットワークへの加入の変更によってのみサポートすることができることを判断し、該加入の変更が、該第二のモバイルノードに優先して実施される、モビリティマネージャ。
・該第一のモバイルノードに与えられた通信セッションレベルを、該第二のモバイルノードに与えられた通信セッションレベルに適応させるのに必要な帯域幅ではなく、該第一のアクセスネットワークから使用可能な通信帯域幅内に適応させることができる場合に、同じサービス品質レベルに加入している該第二のモバイルノードに優先して、該第一のモバイルネットワークに加入を変更するように該第一のモバイルノードに指示すべきであると判断するように機能する、モビリティマネージャ。
・該第一のモバイルノード及び該第二のモバイルノードが現在、該第二のアクセスネットワークに加入しており、該第一のモバイルノードは、該第一のアクセスネットワークに加入を変更するように指示され、該第二のモバイルノードは指示されない、モビリティマネージャ。
・該第一のモバイルノードが該第二のアクセスネットワークに加入しており、該第二のモバイルノードが現在、該第一のアクセスネットワークに加入しており、該第二のモバイルノードに該第二のアクセスネットワークに加入を変更するように指示し、かつ該第一のモバイルノードに該第一のアクセスネットワークに加入を変更するように指示するように機能する、モビリティマネージャ。
・該第一のモバイルノードが該第二のアクセスネットワークに加入しており、該第二のモバイルノードが現在、該第一のアクセスネットワークに加入しており、該モビリティマネージャは、該第二のモバイルノードに、通信サービスレベルを変更して、該第一のモバイルノードに必要な通信帯域幅に適応するように指示するように機能し、該第一のモバイルノードが、該第一のアクセスネットワークに加入を変更するように指示される、モビリティマネージャ。
【符号の説明】
【0090】
2 モビリティマネージャレジスタ
4 アクセスゲートウェイ
6 モビリティマネージャサーバ
20 アクセスネットワーク
22 アクセスネットワーク
24 アクセスネットワーク
26 モバイルノード
28 モバイルノード
30 アクセスポイント
32 アクセスポイント
34 アクセスゲートウェイ
36 アクセスゲートウェイ
38 アクセスゲートウェイ
40 モビリティマネージャサーバ
42 モビリティマネージャレジスタ
44 アプリケーションサーバ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0091】
【特許文献1】欧州特許第1435748号明細書

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイルインターネットプロトコル関連通信サービスを、複数のアクセスネットワークを介してモバイルノードに提供する通信システムであって、前記アクセスネットワークの各々が、前記モバイルノードによる前記アクセスネットワークへのアクセスを制御するアクセスゲートウェイを含み、前記通信サービスが、異なるレベルを有するインターネットプロトコル通信セッション内で提供される通信システムであって、
各々が、アクセスネットワーク上の前記モバイルノードに対して使用可能なリンク品質のインジケーションを備える一つまたは複数の測定値を含む、モバイルノードからのリンク品質評価メッセージ(MNE)を受け取るように、
前記通信サービスを前記モバイルノードに提供するアプリケーションサーバから、現在使用可能なリンク品質に応じて通信セッションレベルを変更するアプリケーションサーバメッセージを受け取るように、
前記モバイルノードがそれを介して通信している前記アクセスネットワークの各々の前記アクセスゲートウェイからアクセスネットワーク評価メッセージを受け取るように、
機能するアプリケーションレイヤモビリティマネージャを含むモビリティマネージャサーバを備え、前記アクセスネットワーク評価メッセージは、現在、使用されているアクセスネットワークによって提供される無線アクセスインタフェースの無線通信資源に従って、前記アクセスネットワークを介して通信する前記モバイルノードによって現在、使用されている総通信帯域幅に対する前記アクセスネットワークの輻輳の状態のインジケーションを示し、
前記モビリティマネージャは、第一のアクセスネットワークまたは第二のアクセスネットワークの輻輳状態、前記第一のモバイルノードが現在、経験している回線品質、前記アプリケーションサーバメッセージ、および前記第一または第二のアクセスネットワークに加入した第二のモバイルノードが加入したサービス品質のレベルに対して、前記第一のモバイルノードが加入したサービス品質のレベルに従って、前記第一のアクセスネットワーク及び前記第二のアクセスネットワークの一方から、前記第一及び第二のアクセスネットワークの他方への第一のモバイルノードの加入の変更、または、前記第一のモバイルノードの通信セッションレベルの変更のうちの少なくとも一方を指示するように機能する、通信システム。
【請求項2】
前記モビリティマネージャは、前記第一のモバイルノードが、前記第二のアクセスネットワークを介して通信する通信インタフェースを含み、前記アクセスネットワーク評価メッセージ(ANEag)が、前記第一のモバイルノードによって使用される現在の通信セッションレベルをサポートするのに前記第一のアクセスネットワークから使用可能な通信帯域幅が不十分であるため、前記第一のアクセスネットワークが輻輳状態になっていることを示している場合に、前記第一のモバイルノードが、前記第一のアクセスネットワークから前記第二のアクセスネットワークへ加入を変更すべきであると判断するように機能する、請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記モビリティマネージャは、前記アクセスネットワーク評価メッセージ(ANEag)が、通信帯域幅が前記第一のモバイルノードに対する通信セッションレベルをサポートするために前記第一のアクセスネットワークから使用可能であることを示しており、前記第一のモバイルノードが、前記第一のアクセスネットワークを介して通信する通信インタフェースを含み、前記第一のモバイルノードが前記第二のモバイルノードよりも高い品質レベルに加入している場合に、前記第二のモバイルノードに優先して、前記第一のアクセスネットワークに対して、より低い相対通信帯域幅を備える前記第二のアクセスネットワークから前記第一のアクセスネットワークへ加入を変更するように前記第一のモバイルノードに指示すべきであると判断するように機能する、請求項1または請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記モビリティマネージャは、前記第二のモバイルノードが、前記第一のモバイルノードよりも高いサービス品質レベルに加入しており、かつ前記第一のモバイルノードによって使用される前記第一のアクセスネットワークからの通信帯域幅が、前記第二のモバイルノードに対して使用可能な通信帯域幅を不足させるという影響を及ぼす場合に、前記第一のモバイルノードが、前記第一のアクセスネットワークから前記第二のアクセスネットワークへ加入を変更すべきであると判断するように、または、より低い通信帯域幅を用いて、通信セッションを異なるレベルに変更することにより、前記第一のアクセスネットワーク上で消費する通信帯域幅を低減するように機能する、請求項3に記載の通信システム。
【請求項5】
前記第一のモバイルノード及び第二のモバイルノードが現在、前記第二のアクセスネットワークに加入しており、前記第一のモバイルノードは、前記第一のアクセスネットワークに加入を変更するように指示され、前記第二のモバイルノードは指示されない、請求項3または請求項4に記載の通信システム。
【請求項6】
複数のモバイルノードの複数のアクセスネットワークへのアクセスを制御して、複数のアクセスネットワークを介してモバイルインターネットプロトコル関連通信サービスをモバイルノードに提供するモビリティマネージャであって、前記アクセスネットワークの各々が、前記モバイルノードによる前記アクセスネットワークへのアクセスを制御するアクセスゲートウェイを含み、前記通信サービスが、異なるレベルを有するインターネットプロトコル通信セッション内で提供されるモビリティマネージャであって、
各々が、アクセスネットワーク上の前記モバイルノードに対して使用可能なリンク品質のインジケーションを備える一つまたは複数の測定値を含む、モバイルノードからのリンク品質評価メッセージ(MNE)を受け取るように、
前記通信サービスを前記モバイルノードに提供するアプリケーションサーバから、使用可能なリンク品質に応じて通信セッションレベルを変更するアプリケーションサーバメッセージを受け取るように、
前記モバイルノードがそれを介して通信している前記アクセスネットワークの各々の前記アクセスゲートウェイから、現在、使用されているアクセスネットワークによって提供される無線アクセスインタフェースの無線通信資源に従って、前記アクセスネットワークを介して通信する前記モバイルノードによって現在、使用されている総通信帯域幅に対する前記アクセスネットワークの輻輳の状態のインジケーションを示すアクセスネットワーク評価メッセージを受け取るように、
前記第一または第二のアクセスネットワークの輻輳状態、前記第一のモバイルノードが現在、経験している回線品質、前記アプリケーションサーバメッセージ、および前記第一または第二のアクセスネットワークに加入した第二のモバイルノードが加入したサービス品質のレベルに対して、前記第一のモバイルノードが加入したサービス品質のレベルに従って、前記第一のアクセスネットワーク及び前記第二のアクセスネットワークの一方から、前記第一及び第二のアクセスネットワークの他方への前記第一のモバイルノードの加入の変更、または、前記第一のモバイルノードの通信セッションレベルの変更のうちの少なくとも一方を指示するように機能する、モビリティマネージャ。
【請求項7】
前記モビリティマネージャは、
前記第一のモバイルノードが、前記第二のアクセスネットワークを介して通信する通信インタフェースを含み、前記アクセスネットワーク評価メッセージ(ANEag)が、前記第一のモバイルノードによって使用される現在の通信セッションレベルをサポートするのに、前記第一のアクセスネットワークから使用可能な通信帯域幅が不十分であるため、前記第一のアクセスネットワークが輻輳状態になっていることを示している場合に、前記第一のモバイルノードが、前記第一のアクセスネットワークから前記第二のアクセスネットワークへ加入を変更すべきであると判断するように機能する、請求項6に記載のモビリティマネージャ。
【請求項8】
前記モビリティマネージャは、前記第一のネットワークのアクセスゲートウェイから受取った前記アクセスネットワーク評価メッセージが、前記輻輳状態により、前記第一のアクセスネットワークから使用可能な十分な通信資源があることを示しており、前記第一のモバイルノードが、前記第一のアクセスネットワークを介して通信する通信インタフェースを含み、前記アプリケーションサーバメッセージが、前記モバイルノードが、より高い相対通信リンク帯域幅から恩恵を受けるであろうことを示している場合に、前記第一のアクセスネットワークに対してより低い相対通信リンク帯域幅を備える前記第二のアクセスネットワークから前記第一のアクセスネットワークへ加入を変更するように前記第一のモバイルノードに指示するように機能する、請求項6または請求項7に記載のモビリティマネージャ。
【請求項9】
モバイルインターネットプロトコル関連通信サービスをモバイルノードに提供するアクセスネットワークであって、前記モバイルノードによるアクセスネットワークへのアクセスを制御するアクセスゲートウェイを含み、前記通信サービスが、異なるレベルを有するインターネットプロトコル通信セッション内で提供される前記アクセスネットワークが、
前記モバイルノードがそれを介して通信している前記アクセスゲートウェイからアクセスネットワーク評価メッセージを請求項6から請求項8のいずれか一つに記載の前記モビリティマネージャに送信するように機能し、
前記アクセスネットワーク評価メッセージは、現在、使用されているアクセスネットワークによって提供される無線アクセスインタフェースの無線通信資源に従って、前記アクセスネットワークを介して通信する前記モバイルノードによって現在、使用されている総通信帯域幅に対する前記アクセスネットワークの輻輳の状態のインジケーションを示す、アクセスネットワーク。
【請求項10】
モバイルインターネットプロトコル関連通信サービスを、複数のアクセスネットワークを介してモバイルノードに提供する方法であって、前記アクセスネットワークの各々が、前記モバイルノードによる前記アクセスネットワークへのアクセスを制御するアクセスゲートウェイを含み、前記通信サービスが、異なるレベルを有するインターネットプロトコル通信セッション内で提供される方法であって、
各々が、アクセスネットワーク上の前記モバイルノードに対して使用可能なリンク品質のインジケーションを備える一つまたは複数の測定値を含む、前記モバイルノードからのリンク品質評価メッセージ(MNE)を受け取ることと、
前記通信サービスを前記モバイルノードに提供するアプリケーションサーバから、現在使用可能なリンク品質に応じて通信セッションレベルを変更するアプリケーションサーバメッセージを受け取ることと、
前記モバイルノードがそれを介して通信している前記アクセスネットワークの各々の前記アクセスゲートウェイからアクセスネットワーク評価メッセージを受け取ることであって、前記アクセスネットワーク評価メッセージが、現在、使用されているアクセスネットワークによって提供される無線アクセスインタフェースの無線通信資源に従って、前記アクセスネットワークを介して通信する前記モバイルノードによって現在、使用されている総通信帯域幅に対する前記アクセスネットワークの輻輳の状態のインジケーションを示すことと、
第一または第二のアクセスネットワークの輻輳状態、前記第一のモバイルノードが現在、経験している回線品質、前記アプリケーションサーバメッセージ、および前記第一または第二のアクセスネットワークに加入した第二のモバイルノードが加入したサービス品質のレベルに対して、前記第一のモバイルノードが加入したサービス品質のレベルに従って、前記第一のアクセスネットワーク及び前記第二のアクセスネットワークの一方から、前記第一及び第二のアクセスネットワークの他方への第一のモバイルノードの加入の変更、または、前記第一のモバイルノードの通信セッションレベルの変更のうちの少なくとも一方を指示することと、
を備える方法。
【請求項11】
コンピュータが実行可能な命令を有するコンピュータプログラムであって、データプロセッサにロードされたときに、前記データプロセッサに、請求項10に記載の方法を実行させるコンピュータプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−124935(P2012−124935A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−22570(P2012−22570)
【出願日】平成24年2月3日(2012.2.3)
【分割の表示】特願2007−544803(P2007−544803)の分割
【原出願日】平成17年12月2日(2005.12.2)
【出願人】(591034154)フランス・テレコム (290)
【Fターム(参考)】