説明

モリンダ・シトリフォリア由来の生物活性化合物を投与するための方法及び組成物

本発明は、植物モリンダ・シトリフォリア由来の様々な生物活性化合物を個体に投与することによる、様々な健康上の利益を提供するための方法及び組成物に関する。本発明は、以下:ノニ葉抽出物;ノニ葉汁;及び/又は焙煎葉、のうちの一つ又はそれ以上を使用することに関する。より詳細には、本発明は、以下:ピロ−フォルビドa、フェオポルビドa、パーピン7及び/又はフェオポルビド(これらは全て、ノニ葉抽出物、ノニ葉汁、及び/又は焙煎葉から得ることができる)、のうちの一つ又はそれ以上を投与することに関する。さらに、上記製剤は、疼痛及び炎症の軽減をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物モリンダ・シトリフォリア(Morinda citrifolia)由来の様々な生物活性化合物を個体に投与することによる、様々な健康上の利益を提供するための方法及び組成物に関する。より詳細には、本発明は、以下:ピロ−フォルビド(Pyro−phorbide)a、フェオポルビド(Pheoporbide)a、パーピン(Purpin)7及び/又はフェオポルビドPhypolesper(これらは全て、ノニ葉抽出物、ノニ葉汁、及び/又は焙煎葉(Roast leaf)から得ることができる)、のうちの一つ又はそれ以上を投与することに関する。さらに、上記の製剤は疼痛及び炎症の軽減をもたらす。
【背景技術】
【0002】
人々は、自分達の健康に対してより気を使うようになっている。毎年、様々な死に至る病及び疾患が公衆衛生を脅かしており、疾患を処置及び予防する処置方法及び医薬を探索する努力が続けられている。さらに、包括的で新規な初期予防方法及び検出方法は、健康的に生活できる可能性を増大させる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明のいくつかの実施形態は、植物モリンダ・シトリフォリア由来の生物活性化合物を個体に投与することによる、様々な健康上の利益を提供するための方法及び組成物に関する。
【0004】
いくつかの実施形態は、以下:HMG−CoA還元酵素;ホスホジエステラーゼ(3及び4)PDE3及びPDE4;5−リポキシゲナーゼ(LOX)及び15−LOX;キサンチンオキシダーゼ(XO);γアミノ酪酸(GABA)及び二番目に最も一般的であるヒト皮膚癌細胞系の増殖、を阻害するために、以下:ノニ葉抽出物;ノニ葉汁;及び/又は焙煎葉、のうちの一つ又はそれ以上を使用することに関する。
【0005】
いくつかの実施形態は、以下:ピロ−フォルビドa、フェオポルビドa、パーピン7及び/又はフェオポルビドPhypolesper(これらは全て、ノニ葉抽出物、ノニ葉汁、及び/又は焙煎葉から得ることができる)、のうちの一つ又はそれ以上を投与することに関する。いくつかの実施形態は、疼痛及び炎症の軽減をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】葉抽出物を用いて処理されたA431ヒト癌細胞系の増殖阻害についての濃度−反応曲線の例である。
【図2】葉汁を用いて処理されたA431ヒト癌細胞系の増殖阻害についての濃度−反応曲線の例である。
【図3】焙煎葉を用いて処理されたA431ヒト癌細胞系の増殖阻害についての濃度−反応曲線の例である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の目的及び特徴は、添付された図面と併せて考慮することにより、以下の記述及び添付された特許請求の範囲から、より十分に明らかとなるであろう。これらの図面は、本発明の典型的な実施形態のみを示し、したがって、その範囲を限定するものと見なされるべきではないということを理解した上で、本発明は、添付された図面の使用を通じてさらに特定され、詳細に記述、説明されるであろう。
【0008】
本明細書中に一般的に記載される本発明の構成要素が、広範な異なる形態で準備及び設計されることは容易に理解されるであろう。したがって、本発明の組成物及び方法の実施形態における、以下のより詳細な記述は、請求されている本発明の範囲を限定することを意図するものでなく、本発明の現在好ましい実施形態の単なる例示にすぎない。本発明の範囲は、したがって、上記記載によってではなく、添付された特許請求の範囲により示される。特許請求の均等な意味及び範囲に該当する全ての変更は、発明の範囲に包含される。
【0009】
本発明は、植物モリンダ・シトリフォリア由来の様々な生物活性化合物を個体に投与することによる、様々な健康上の利益を提供するための方法及び組成物に関する。本発明は、以下:HMG−CoA還元酵素;ホスホジエステラーゼ(3及び4)PDE3及びPDE4;5−リポキシゲナーゼ(LOX)及び15−LOX;キサンチンオキシダーゼ(XO);γアミノ酪酸(GABA)及び二番目に最も一般的であるヒト皮膚癌細胞系の増殖、を阻害するために、以下:ノニ葉抽出物;ノニ葉汁;及び/又は焙煎葉、のうちの一つ又はそれ以上を使用することに関する。より詳細には、本発明は、以下:ピロ−フォルビドa、フェオポルビドa、パーピン7及び/又はフェオポルビドPhypolesper(これらは全て、ノニ葉抽出物、ノニ葉汁、及び/又は焙煎葉から得ることができる)、のうちの一つ又はそれ以上を投与することに関する。さらに、上記製剤は、疼痛及び炎症の軽減をもたらす。
【0010】
モリンダ・シトリフォリア L.植物体の一般的な記述
ヤエヤマアオキあるいはモリンダ・シトリフォリア植物体は、科学的にはモリンダ・シトリフォリア L.(“Morinda citrifolia”)として知られる、高さ10mまでの潅木又は小木である。葉は楕円形から卵形の形態で、向かい合わせに配置される。小さな白色の花は、肉厚で、球形の、頭部様の房の中に包まれている。果実は大きく、肉厚で、卵形である。熟すと、それらはクリーム状の白色で食用可能なものとなるが、不快な味と香りを有する。植物体は東南アジア原産で、古い時期にインドから東ポリネシアまでの広範囲に広まった。野生においてどこにでも成育し、農場及び小さな個人の栽培地所において栽培されている。モリンダ・シトリフォリアの花は小さく、白色で、3〜5の裂片を有し、管状で、香りが高く、長さは約1.25cmである。花は、ろう質で白色又は緑色がかった白色あるいは黄色がかった半透明の皮を有する、卵形、楕円形あるいは丸みを帯びたでこぼこした固まりとなるように融合する、多数の小さな石果からなる集合果へと発達する。果実はその表面にジャガイモのような「目」を含む。果実はジューシーで苦く、くすんだ黄色もしくは黄色がかった白色で、多数の赤褐色の、硬い、長楕円形−三角形で、翼状の2細胞石果を含み、それぞれは4つの種子を含む。完全に熟した時に、果実は、悪臭のするチーズのような強い匂いを有する。果実はいくつかの国では食物として食べられているが、最も共通的なモリンダ・シトリフォリア植物体の使用は、伝統的には赤色及び黄色の染料の供給源としての使用である。
【0011】
モリンダ・シトリフォリア植物体は、天然成分に富む。葉から発見された成分としては:アラニン、アントラキノン、アルギニン、アスコルビン酸、アスパラギン酸、カルシウム、ベータカロテン、システイン、シスチン、グリシン、グルタミン酸、配糖体類、ヒスチジン、鉄、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、ナイアシン、フェニルアラニン、リン、プロリン、樹脂類、リボフラビン、セリン、ベータシトステロール、チアミン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、ウルソル酸、及びバリン;花からは:アカセチン 7 o ベータd(+)グルコピラノシド、5,7 ジメチルアピゲニン 4’ o ベータ d(+)ガラクトピラノシド、及び、6,8 ジメトキシ 3 メチルアントラキノン 1 o ベータ ラムノシルグルコピラノシド;果実からは:酢酸、アスペルロサイド、ブタン酸、安息香酸、ベンジルアルコール、1 ブタノール、カプリル酸、デカン酸、(E)6 ドデセノガンマラクトン、(Z,Z,Z)8,11,14 エイコサトリエン酸、エライジン酸、デカン酸エチル、ヘキサン酸エチル、オクタン酸エチル、パルミチン酸エチル、(Z)6(エチルチオメチル)ベンゼン、オイゲノール、グルコース、ヘプタン酸、2 ヘプタノン、ヘキサナール、ヘキサンアミド、ヘキサン二酸、ヘキサン酸(hexoic acid)、1 ヘキサノール、3 ヒドロキシ 2 ブタノン、ラウリン酸、リモネン、リノール酸、2 メチルブタン酸、3 メチル 2 ブテン 1 オール、3 メチル 3 ブテン 1 オール、デカン酸メチル、エライジン酸メチル、ヘキサン酸メチル、メチル 3 メチルチオプロパノエート、オクタン酸メチル、オレイン酸メチル、パルミチン酸メチル、2 メチルプロパン酸、3 メチルチオプロパン酸、ミリスチン酸、ノナン酸、オクタン酸(octoic acid)、オレイン酸、パルミチン酸、カリウム、スコポレチン、ウンデカン酸、(Z,Z)2,5 ウンデカジエン 1 オール、及び、ボミフォル;根からは:アントラキノン、アスペルロサイド(rubichloric acid)、ダムナカンタール、配糖体、モリンダジオール、モリンジン、モリンドン、粘質性物質、ノルダムナカンタール、ルビアジン、ルビアジンモノメチルエーテル、樹脂、ソランジジオール、ステロール、及び、トリヒドロキシメチルアントラキノンモノメチルエーテル;根皮からは:アリザリン、クロロルビン、配糖体(ペントース、ヘキソース)、モリンダジオール、モリンダニグリン、モリンジン、モリンドン、樹脂性物質、ルビアジンモノメチルエーテル、及び、ソランジジオール;木部からは:アントラガロール 2,3 ジメチルエーテル;組織培養物からは:ダムナカンタール、ルシジン、ルシジン 3 プリメベロシド、及び、モリンドン 6 ベータ プリメベロシド;植物体からは:アリザリン、アリザリンアルファメチルエーテル、アントラキノン、アスペルロサイド、ヘキサン酸、モリンダジオール、モリンドン、モリンドゲニン、オクタン酸、及び、ウルソル酸が挙げられる。
【0012】
モリンダ・シトリフォリア葉の加工
モリンダ・シトリフォリア植物体の葉は、本発明のいくつかの組成物中に存在し得るモリンダ・シトリフォリア植物体における、可能性を有する一成分である。例えば、いくつかの組成物は、本明細書においてさらに記載される葉抽出物及び/又は葉汁を含む。いくつかの組成物は、モリンダ・シトリフォリア植物体から得られる葉抽出物及び果汁の両方から構成される葉漿(leaf serum)を含む。本発明のいくつかの組成物は、栄養補助製品(「栄養補助製品」とは、本明細書中において、ヒト又は哺乳動物等の生物の健康を向上させるように設計される任意の薬物又は製品のことをいう)中に組み入れられる葉漿及び/又は葉抽出物を含む。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態において、モリンダ・シトリフォリア葉抽出物は、以下の工程を用いて得られる。初めに、モリンダ・シトリフォリア L.植物体から比較的乾燥した葉を回収し、それらを小片へと切断し、破砕装置−好ましくは、水圧機−に入れて、そこで葉片を破砕させる。いくつかの実施形態において、破砕された葉片は、次に、当技術分野における公知の方法を用いて、エタノール、メタノール等のアルコール、酢酸エチル、又はその他のアルコール系誘導体に浸漬させる。次に、いくつかの実施形態において、破砕した葉片からアルコール及び全てのアルコール溶解性成分を抽出して葉抽出物を得、次にこれを熱で減量させ、そこから全ての液体を除去する。得られた乾燥葉抽出物を、本明細書において、「一次葉抽出物」と呼ぶことにする。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態において、一次葉抽出物は、抽出物を少なくとも部分的に滅菌し、好ましくない生物を滅ぼすように殺菌される。一次葉抽出物は、好ましくは、70〜80℃の範囲の温度にて、抽出物の大きな化学的変化を伴わせることなく、いずれの好ましくない生物をも滅ぼすために十分な期間で殺菌される。殺菌は、各種放射線技術又は方法にしたがって遂行することもできる。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態において、殺菌された一次葉抽出物を遠心分離デカンターに入れ、そこで遠心分離にかけ、クロロフィル等のその他の物質から、残留している葉汁を除去又は分離する。遠心分離サイクルがひとたび完了すれば、葉抽出物は比較的精製された状態である。この精製された葉抽出物は、次いで、上記と同様の方法で再び殺菌され、精製された一次葉抽出物が得られる。
【0016】
好ましくは、殺菌されるか及び/又は精製されるかによらず、一次葉抽出物は、2つの別の画分:乾燥ヘキサン画分及び水性メタノール画分へとさらに分画される。このことは、好ましくは、当技術分野における周知の方法を用いて、二酸化シリコン及びCH2C12−MeOHを含むガスクロマトグラフを介して遂行される。本発明のいくつかの実施形態において、メタノール画分をさらに分画して二次メタノール画分を得る。いくつかの実施形態において、ヘキサン画分をさらに分画して二次ヘキサン画分を得る。
【0017】
一次葉抽出物、ヘキサン画分、メタノール画分、又は、二次ヘキサンもしくはメタノール画分のうちのいずれかを含む葉抽出物の一つ又はそれ以上をモリンダ・シトリフォリア植物体の果実の果汁と混合して、葉漿を得ることができる(果汁を得る工程は、本明細書においてさらに記載される)。いくつかの実施形態において、葉漿は、輸送のために容器詰めされて凍結され;あるいは、本明細書において説明される栄養補助製品へと組み入れられる。
【0018】
モリンダ・シトリフォリア果実の加工
本発明のいくつかの実施形態は、モリンダ・シトリフォリア植物体の果汁を含む組成物を含む。モリンダ・シトリフォリア果実は、あらゆる実用目的に関して食用できないので、この果実は、人間が摂取して口当たりがよく、本発明の組成物中に含まれるようにするためには、加工されねばならない。加工されたモリンダ・シトリフォリア果汁は、熟したモリンダ・シトリフォリア果実の果汁及び果肉から種子及び皮を分離し、果汁から果肉をろ過し、その果汁を容器詰めすることにより、調製することができる。あるいは、果汁を容器詰めするのではなく、その果汁を直ちに、別の製品中の成分として入れ、凍結又は殺菌することができる。本発明のいくつかの実施形態において、果汁及び果肉は、その他の成分と混合するために、裏ごしして均質な混合物にすることができる。その他の工程としては、果実及び果汁を凍結乾燥させることが挙げられる。果実及び果汁は、最終の果汁製品の生産時に再構成することができる。さらに他の工程としては、食する前に果実及び果汁を風乾させることが挙げられる。
【0019】
現在好ましいとされているモリンダ・シトリフォリア果汁の製造工程において、果実は、手摘みされるか又は機械装置によって摘み取られるかのいずれかである。果実は、直径が少なくとも1インチ(2〜3cm)から最大12インチ(24〜36cm)の時に、収穫することができる。果実は、好ましくは、暗緑色から黄緑色を経て白色までの範囲の色、及び、その間の色の勾配を有する。収獲後、果実は、いずれかの加工工程に先立ち、十分に洗浄される。
【0020】
果実は、0〜14日間、熟させ又は成熟させることができるが、好ましくは2〜3日間である。果実は、果実を地面に接触させないようにするための装置によって、熟させ又は成熟させられる。果実は好ましくは熟成の間、布やネットにより被覆されるが、被覆せずに熟成させることもできる。さらなる加工の準備ができたときには、果実は薄緑、薄黄色、白色又は半透明の色をしている。果実は、損傷がないか、又は、緑色が強すぎないか、固すぎないかを調べられる。損傷した果実と固い緑色の果実は、許容される果実から分離される。
【0021】
熟した及び成熟した果実は、好ましくは、さらなる加工及び輸送のためにプラスチックで裏打ちされた容器中に入れられる。成熟した果実の容器は、0〜30日間保持され得るが、好ましくは、果実の容器は、加工前に7〜14日間保持される。容器は、場合に応じて、さらなる加工前に冷蔵条件下で保存することができる。果実を保存容器から取り出し、手動式又は機械式の分離装置を用いて加工する。種子及び皮は果汁及び果肉から分離される。
【0022】
果汁及び果肉は、保存及び輸送のための容器中に詰めることができる。あるいは、果汁及び果肉を、最終的な果汁製品へと直ちに加工することができる。容器は、冷蔵、凍結、又は室温条件下で保存することができる。モリンダ・シトリフォリアの果汁及び果肉は、好ましくは、均質な混合物として混合され、その後、それらを、香料、甘味料、栄養成分、植物、及び着色剤等のその他の成分と混合してもよい。最終的な果汁製品は、好ましくは、最低181°F(83℃)又はそれ以上、最高212°F(100℃)までの温度で加熱及び殺菌される。製造される別の製品は、濃縮物又は希釈された形態のいずれかのモリンダ・シトリフォリアのピューレ及びピューレ汁である。ピューレは、本質的には、種子と分離された果肉であり、本明細書において記載される果汁製品とは異なる。
【0023】
生成物は、加工温度に耐えるプラスチック、ガラス又はその他の好適な材質で作られた最終容器に満たされ密封される。容器は充填温度に維持され、あるいは直ちに冷却され、次いで輸送容器中に置かれる。輸送容器は、好ましくは、最終容器中の製品の温度を維持または制御する素材及び形式によって覆われる。
【0024】
果汁と果肉は、ろ過装置により果汁と果肉を分離することにより、さらに加工してもよい。ろ過装置は、好ましくは、限定するものではないが、遠心分離デカンター、1ミクロンから最大2000ミクロンまで、より好ましくは500ミクロン未満のサイズのスクリーンフィルター、フィルタープレス、逆浸透ろ過装置、及び任意のその他の標準的な市販されているろ過装置からなる。操作ろ過圧は、好ましくは、0.1psigから最大約1000psigの範囲である。流速は、好ましくは、0.1g.p.m.から最大1000g.p.m.、より好ましくは、5〜50g.p.m.の範囲である。水分を含んでいる果肉は、果肉から果汁を除去するために少なくとも1回から最大10回、洗浄及びろ過する。得られる果肉抽出物は、通常、10〜40重量%の繊維含有量を有する。得られる果肉抽出物は、好ましくは、最低181°F(83℃)の温度で殺菌され、次に、高繊維製品へとさらに加工され又は製造されるためにドラムに入れられる。
【0025】
モリンダ・シトリフォリア種子の加工
本発明のいくつかのモリンダ・シトリフォリア組成物は、モリンダ・シトリフォリア植物体の種子を含む。本発明のいくつかの実施形態において、モリンダ・シトリフォリアの種子は、実験室用粉挽き機で種子粉末へと微粉砕することにより加工される。いくつかの実施形態において、種子粉末は未処理のまま置かれる。いくつかの実施形態において、種子粉末はさらに、ヘキサン中で−好ましくは、室温にて1時間(薬物:ヘキサン−比率1:10)−この粉末を浸漬及び撹拌することにより脱脂される。残留物を、いくつかの実施形態においては、次に、減圧下でろ過し、再び脱脂し(好ましくは、同じ条件下で30分間)、再び減圧下でろ過する。粉末は、残留しているヘキサンを除去するために、ドラフト内に一晩置いてもよい。
【0026】
さらに、本発明のいくつかの実施形態において、脱脂された粉末及び/又は未処理の粉末は、好ましくは、エタノール50%(m/m)を用いて、24時間、室温にて、薬物:溶媒比率が1:2の条件のもとで、抽出される。
【0027】
モリンダ・シトリフォリア油の加工
本発明のいくつかの実施形態は、モリンダ・シトリフォリア植物体から抽出された油を含み得る。この油を抽出及び加工するための方法は、1999年8月27日に出願され、2001年4月10日に米国特許第6,214,351号として特許された、米国特許出願第09/384,785号に記載されており、この文献は、参照により本明細書に組み入れられる。モリンダ・シトリフォリア油としては、通常、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、及びリノール脂肪酸のようなトリブリセリドとして様々な種類の脂肪酸、及び、より少ない量で含まれるその他の脂肪酸の混合物が挙げられる。さらに、この油は、好ましくは油の劣化を抑制するための抗酸化剤を含む。通常の食品等級の抗酸化剤が好ましく使用される。
【0028】
組成物及びそれらの用途
本発明は、植物モリンダ・シトリフォリア由来の様々な生物活性化合物を個体に投与することによる、様々な健康上の利益を提供するための方法及び組成物に関する。本発明は、以下:HMG−CoA還元酵素;ホスホジエステラーゼ(3及び4)PDE3及びPDE4;5−リポキシゲナーゼ(LOX)及び15−LOX;キサンチンオキシダーゼ(XO);γアミノ酪酸(GABA)及び二番目に最も一般的であるヒト皮膚癌細胞系の増殖、を阻害するために、以下:ノニ葉抽出物;ノニ葉汁;及び/又は焙煎葉、のうちの一つ又はそれ以上を使用することに関する。より詳細には、本発明は、以下:ピロ−フォルビドa、フェオポルビドa、パーピン7及び/又はフェオポルビドPhypolesper(これらは全て、ノニ葉抽出物、ノニ葉汁、及び/又は焙煎葉から得ることができる)、のうちの一つ又はそれ以上を投与することに関する。さらに、上記製剤は、疼痛及び炎症の軽減をもたらす。
【0029】
本発明の組成物は、葉抽出物、葉汁、葉漿物(leaf serum)、果汁、果肉、果肉抽出物、ピューレ、種子(脱脂されているか又は未処理のもの)、及び油等のいくつかのモリンダ・シトリフォリア成分のうちの、いずれかを含み得る。本発明の組成物は、様々なその他の成分を含んでもよい。その他の成分の例としては、限定するものではないが、合成香料、その他の天然果汁、又は、天然ブドウ果汁濃縮物もしくは天然ブルーベリー果汁濃縮物等の果汁濃縮物;担体成分;及び、本明細書においてさらに説明されるその他のもの、が挙げられる。
【0030】
モリンダ・シトリフォリアの葉からの葉抽出物を含む任意の組成物は、以下:一次葉抽出物、ヘキサン画分、メタノール画分、二次ヘキサン及びメタノール画分、葉漿物、又は栄養補助性葉生成物のうちの一つ又はそれ以上を含み得る。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態において、モリンダ・シトリフォリア成分の活性成分又は化合物は、当技術分野において一般的に公知である各種手順及び工程を用いて抽出することができる。例えば、活性成分は、当技術分野における公知の方法を用いて、メタノール、エタノール、及び酢酸エチル、及びその他のアルコール系誘導体等のアルコール又はアルコール系溶液を用いて単離・抽出することができる。これらの活性成分又は化合物は単離して、一つからそれらの構成部分へとさらに分画又は分離してもよい。好ましくは、これらの化合物は、疾患の予防、健康の増進、又は、その他の同様の機能を果たすために役立ち得る任意の活性成分を同定及び単離するために分離又は分画される。さらに、これらの化合物は、上記したものと同様の健康上の利益をもたらす機能を提供し得る任意の重要な又は依存性の相互作用を同定及び単離するために、それらの構成成分部分へと分画又は分離してもよい。
【0032】
モリンダ・シトリフォリアの任意の成分及び組成物は、栄養補助製品(再度、この場合、「栄養補助製品」とは、本明細書中において、ヒト又は哺乳動物等の生物の健康を向上させるように設計される任意の薬物又は製品のことをいう)中にさらに組み入れることができる。栄養補助製品の例としては、限定するものではないが、静脈内投与用製品、局所皮膚用製品、創傷治療用製品、スキンケア製品、ヘアケア製品、化粧品(例えば、メークアップ、ローション等)、やけど治療・処置用製品、救急用製品、抗菌製品、リップクリーム及び軟膏、骨治療・処置用製品、肉柔軟化用製品、抗炎症用製品、眼薬、消臭剤、抗真菌用製品、関節炎処置用製品、筋肉弛緩薬、歯磨き粉、各種栄養補助製品及び本明細書中においてさらに記載され得るその他の製品を挙げることができる。
【0033】
本発明の組成物は、経口組成物、局所皮膚用溶液、静脈注射用溶液、及びその他の製品又は組成物等の様々な実施形態のいずれかへと製剤化することができる。
【0034】
経口用組成物は、例えば、錠剤、トローチ剤、水性もしくは油性懸濁液、分散性粉末もしくは顆粒、エマルジョン、シロップ、又はエリキシル剤の形態を取ることができる。経口での使用が意図される組成物は、当技術分野において公知の任意の方法にしたがって調製することができ、かかる組成物は、甘味剤、香料添加剤、着色剤、及び保存剤等のうちの一つ又はそれ以上の物質を含んでもよい。それらはさらに、ビタミン類及びミネラル類等の一つ又はそれ以上のさらなる成分を含んでもよい。錠剤の製造に適した、非毒性の薬学的に許容可能な賦形剤と混合させて、一つ又はそれ以上のモリンダ・シトリフォリア成分を含むように錠剤を製造してもよい。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、造粒剤及び崩壊剤、結合剤、及び潤滑剤等であり得る。錠剤はコーティングされていなくてもよく、あるいは、消化管内での崩壊及び吸収を遅延させ、それにより、より長い期間に亘る持続的作用をもたらすために、公知の技術によりコーティングされていてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリン又はジステアリン酸グリセリン等の時間遅延物質を使用することができる。
【0035】
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混合させてモリンダ・シトリフォリア成分を含むように製造することができる。かかる賦形剤の例としては、限定するものではないが、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム及びアラビアゴム等の懸濁化剤;レシチンのような天然のリン脂質、又は、ポリオキシエチレンステアレート等の脂肪酸とのアルキレンオキシドの縮合生成物、又は、ヘプタデカエチレン−オキシセタノール等の長鎖脂肪族アルコールとのエチレンオキシドの縮合生成物、又は、脂肪酸とポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート等のヘキシトールとから得られる部分エステルとのエチレンオキシドの縮合生成物、又は、脂肪酸とポリエチレンソルビタンモノオレエート等のヘキシトール無水物とから得られる部分エステルとのエチレンオキシドの縮合生成物等の分散剤又は湿潤剤が挙げられる。
【0036】
典型的な甘味剤としては、限定するものではないが、トウモロコシ、テンサイ、サトウキビ、ジャガイモ、タピオカ又は結晶性の塊、粉末、及び/又はシロップに化学的又は酵素的に変換し得るその他のデンプン含有源に由来する天然の砂糖を挙げることができる。さらに、甘味料は、合成又は高強度の甘味料を含むことができ、それらのうちのいくつかとしては、アスパルテーム、スクラロース、ステビア、サッカリン等を挙げることができる。甘味料の濃度は、モリンダ・シトリフォリア組成物の0〜50重量%、より好ましくは約1〜5重量%の範囲であることができる。
【0037】
典型的な香味添加剤としては、限定するものではないが、食味に寄与する人工的及び/又は天然の香味成分を挙げることができる。香料の濃度は、例えば、モリンダ・シトリフォリア組成物の0〜15重量%の範囲に及び得る。着色剤としては、モリンダ・シトリフォリア組成物の0〜10重量%の範囲の濃度を有する、食品等級の人工的又は天然の着色剤を挙げることができる。
【0038】
典型的な栄養成分としては、ビタミン類、ミネラル類、微量元素類、ハーブ類、植物抽出物、生物活性物質、及び、モリンダ・シトリフォリア組成物の0〜10重量%の濃度の化合物を挙げることができる。ビタミン類の例としては、限定するものではないが、ビタミンA、B1〜B12、C、D、E、葉酸、パントテン酸、ビオチン等が挙げられる。ミネラル類及び微量元素類の例としては、限定するものではないが、カルシウム、クロム、銅、コバルト、ホウ素、マグネシウム、鉄、セレン、マンガン、モリブデン、カリウム、ヨウ素、亜鉛、リン等が挙げられる。ハーブ及び植物抽出物としては、限定するものではないが、アルファルファ草、蜂花粉、クロレラ粉、ドンクアイ粉、エキナセア(Ecchinacea)根、イチョウ抽出物、つくし(Horsetail)ハーブ、ヤエヤマアオキ(Indian mulberry)、シイタケキノコ、スピルリナ海藻、ブドウ種抽出物等を挙げることができる。典型的な生物学的活性を有する化学物質としては、限定するものではないが、カフェイン、エフェドリン、L−カルニチン、クレアチン、リコピン等を挙げることができる。
【0039】
局所的な皮膚製剤に利用される成分には、哺乳動物の体内へと取り込むことに対し安全で、ジェル、ローション、クレーム、軟膏等の多様な形態で存在し得る任意のものを含んでもよく、それぞれは1以上の担体物質を含む。全身的に(例えば、静脈的に)投与される組成物に取り込まれる成分又は担体物質もまた、公知の任意のものを含み得る。
【0040】
一つの例示的な実施形態において、本発明のモリンダ・シトリフォリア組成物は、約0.01〜100重量%、好ましくは約0.01〜95重量%の量で存在する、1以上の加工されたモリンダ・シトリフォリア成分を含む。配合におけるいくつかの実施形態は、2001年4月10日に交付された米国特許第6,214,351号中に含まれている。しかし、これらの組成物は、例示的なものであるにすぎない。当業者であれば、加工されたモリンダ・シトリフォリア生成物を含むその他の配合または組成物を認識するであろうからである。
【0041】
別の例示的な実施形態において、内部組成は、約0.1〜80重量%の量で存在する加工されたモリンダ・シトリフォリア果汁またはピューレ汁;約0.1〜20重量%の量で存在する加工されたモリンダ・シトリフォリアオイル;及び、約20〜90重量%の量で存在する担体媒質を含む。モリンダ・シトリフォリアピューレ汁又は果汁はまた、同様の濃度で存在する、加工されたモリンダ・シトリフォリア食物繊維製品と共に配合することができる。
【0042】
以下の実施例は、本発明のいくつかの実施形態を説明する。これらの実施例は、いかなる形でも限定的であることを意図されず、本発明のモリンダ・シトリフォリア組成物のいくつかの実施形態における利益、利点及び治療的効果を説明するにすぎない。
【実施例1】
【0043】
ノニ葉汁
一例において、5−LOX及び15−LOX、HMG−CoA、PDE3及びPDE4、XO及びGABAにおけるモリンダ・シトリフォリア葉汁の効果を調べた。モリンダ・シトリフォリア葉汁を、各種濃度の投与量でウサギ、ラット、ヒト及びウシに投与した。5−LOX及び15−LOXの阻害はウサギとヒトでそれぞれ観察された。HMG−CoAレダクターゼの阻害はラットで観察された。PDEsの阻害はヒトで観察された。キサンチンオキシダーゼの阻害はウシで観察され、GABAの阻害はラットで観察された。以下の表はこれらの結果をまとめたものである。
【0044】
【表1】

【実施例2】
【0045】
ノニ葉抽出物
【表2】

【0046】
実施例2(上記)は以下のパラメータに基づくものであった
【0047】
【表3】

【0048】
【表4】

【0049】
【表5】

【0050】
【表6】

【実施例3】
【0051】
この、次の実施例において、モリンダ・シトリフォリア葉汁及び葉抽出物は、2番目に多くみられるタイプのヒト皮膚癌の成長を顕著に阻害することが示された。本実施例においては、生存細胞がアラマーブルーに作用し、蛍光を発しない青色形態から還元されて蛍光を発する赤色形態へと変化させ得ることに基づく、細胞増殖における変化を検出するためのアッセイが行われた。アラマーブルーの反応により得られた結果を用いて、細胞増殖は定量化され、生存細胞の代謝活性を調べることができる。モリンダ・シトリフォリア葉抽出物及び葉汁、及び焙焼した葉を含む試験化合物は、一連の10倍希釈系列において、0.01〜100μg/mlすなわち0.0001%〜1%の濃度で、ヒト扁平上皮癌細胞株A431の増殖におけるそれらの効果を試験された。
【0052】
まとめると、癌細胞株において、ビヒクル処理された対照と比較して、10〜100μg/mlの濃度の葉抽出物、ならびに0.1%〜1%の葉汁は、顕著な成長阻害を引き起こし(<50%の成長)、一方、焙焼した葉は顕著な効果を示さなかった(0.01〜100μg/ml)。顕著な阻害効果は、同時に試験した標準参照試薬である<10pMのマイトマイシンについても同様に観察された。そこで、非線形回帰分析により、半定量的なLC50(50%阻害濃度)、TGI(全成長阻害)及びLC50(50%致死濃度)の算出が行われた。以下にそのアッセイの材料、装置、及び方法並びにその結果をまとめた表を記載する。
【0053】
試験物質及び濃度
インビトロ抗腫瘍試験のためのモリンダ・シトリフォリア葉抽出物、葉汁及び焙焼した葉は、タヒチアン・ノニ・インターナショナル社により提供された。モリンダ・シトリフォリア組成物を滅菌水に溶解し、次いで滅菌水で希釈して、葉抽出物及び焙焼した葉については10000、1000、100、10及び1μg/ml、ならびに葉汁については100、10、1、0.1及び0.01%の開始標準溶液を得た。試験において、培地の100倍希釈物を作製し、最終アッセイ濃度が100、10、1、0.1及び0.01μg/ml、及び1、0.1、0.01、0.001及び0.0001%となるようにした。
【0054】
細胞株及び培地
アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションから得た腫瘍細胞株であるA431(ヒト扁平上皮癌)(ATCC CRL−1555)を、5%CO雰囲気下、37℃にてインキュベートした。培地は、90%のダルベッコ変法イーグル培地、10%のウシ胎児血清に1%の抗生物質−抗菌剤を添加して用いた。
【0055】
化学物質
アッセイには以下の化学物質を用いた:アラマーブルー(Biosource社、米国)、抗生物質−抗菌剤(GIBCO BRL、米国)、ダルベッコ変法イーグル培地(GIBCO BRL、米国)、ウシ胎児血清(HyClone、米国)、及びマイトマイシン(Kyowa、日本)。
【0056】
装置
アッセイには以下の化学物質を用いた:COインキュベーター(フォルマ・サイエンティフィックInc.,米国)、遠心分離機 5810R(エッペンドルフ、ドイツ)、血球計(ハウザー・サイエンティフィック・ホーシャム、米国)、倒立顕微鏡CK−40(オリンパス、日本)、システム顕微鏡E−400(ニコン、日本)、スペクトラフロールプラス(Spectrafluor Plus)(Tecan、オーストリア)、及びバーチカルラミナーフロー(Vertical Laminar Flow)(Tsao Hsin、中華民国)。
【0057】
方法
試験物質の抗増殖を評価した。100plの細胞懸濁液(約3×10/ウェル)を、5% CO雰囲気下、37℃の96ウェルのマイクロタイタープレート中に入れた。24時間後、培地の100pl及び2plの試験溶液、マイトマイシン又はビヒクル(蒸留水)を、ウェルあたりそれぞれ2連で添加し、さらに72時間インキュベーションした。2つの試験化合物、葉抽出物及び焙焼葉を、100、10、1、0.1及び0.01 pg/mlの濃度で評価した。その他の化合物である葉汁は、1、0.1、0.01、0.001及び0.0001%の濃度で評価した。インキュベーションの終了時に、20plの90%アラマーブルー試薬を各ウェルに添加し、細胞の生存率を蛍光強度により検出する前に、さらに6時間インキュベーションした。蛍光強度は、スペクトラフロールプラスプレートリーダーを用いて、励起530nm及び発光590nmにて測定した。
【0058】
次いで、IC50、TGI及びLC50値を測定した。IC50(50%阻害濃度)とは、試験終了時点で、処理された細胞の数又は質量の0時間からの増加が、相当するビヒクル対照のわずか50%となった試験化合物濃度である。TGI(全成長阻害)は、試験終了時点で、処理された細胞の数又は質量が0時間の値と等しくなった試験化合物濃度である。LC50(50%致死濃度)は、試験終了時点で、処理された細胞の数又は質量が、0時間の値の半分となった試験化合物濃度である。測定された結果は、以下の式により計算された:
PG(%)=100×(平均Ftest−平均Ftime0)/(平均Fctrl−平均Ftime0
(平均Ftest−平均Ftime0<0の場合には、次いで
PG(%)−100×(平均Ftest−平均Ftime0)/(平均time0−平均Fblank
ここで、PG=パーセント成長率;平均Ftime0=試験物質に対して細胞を曝した直後の還元アラマーブルーによる蛍光強度の2回の測定平均値;平均Ftest=試験物質に対して細胞を曝して72時間後のアラマーブルーによる蛍光強度の2回の測定平均値;平均Fctrl=試験物質を伴わずに72時間インキュベーションを行った後のアラマーブルーによる蛍光強度の2回の測定平均値;及び平均Fblank=細胞を伴わずに72時間培地中でインキュベーションを行った後のアラマーブルーによる蛍光強度の2回の測定平均値である。
【0059】
ビヒクル処理した対照に比較して50%またはそれを超える(>50%)蛍光強度の減少は、顕著な細胞成長阻害、細胞増殖抑制活性又は細胞毒性を示し、次いで、半定量的なIC50、TGI及びLC50を、GraphPad Prism(グラフパッドソフトウェア、米国)を用いた非線形回帰により決定した。
【0060】
結果
以下の表は、アッセイの結果をまとめたものである。
A431皮膚癌細胞の成長におけるモリンダ・シトリフォリア試験物質の効果
【0061】
【表7】

【0062】
【表8】

【0063】
【表9】

【0064】
ビヒクル処理した対照に比較して50%またはそれを超える(>50%)蛍光強度の減少は、顕著な成長阻害、細胞増殖抑制活性又は細胞毒性を示す。
【0065】
表7〜10中に用いられるとき、以下の語は以下を意味する:
ブランク:2連における、time(変換され、−100%として記録される)に比較した、3日間のインキュベーション期間後の細胞を伴わない培地中のアラマーブルーの平均蛍光強度
0時間:2連における、試験物質に対し細胞を曝す直前(変換され、0%として記録される)の培地中のアラマーブルーの平均蛍光強度
ビヒクル:2連における、time(変換され、100%として記録される)に比較した、3日間のインキュベーション期間後の細胞を含みビヒクルを添加した培地中のアラマーブルーの平均蛍光強度
Mso(50%阻害濃度):試験終了時点で、処理された細胞の数又は質量のtimeからの増加が、相当するビヒクル対照のわずか50%となった試験化合物濃度である。
TGI(全成長阻害):試験終了時点で、処理された細胞の数又は質量がtimeの値と等しくなった試験化合物濃度である。
LC50(50%致死濃度):試験終了時点で、処理された細胞の数又は質量が、timeの値の半分となった試験化合物濃度である。
【0066】
以下の図は、葉抽出物、葉汁及び焙焼葉を用いて処理したA431ヒト腫瘍細胞株における成長阻害に関する濃度応答曲線である。
【0067】
モリンダ・シトリフォリア試験化合物のIC50、TGI及びLC50
【表10】

【0068】
GraphPad Prism(グラフパッドソフトウェア、米国)を用いた非線形回帰により、半定量的なIC50、TGI及びLC50の決定を行った。
【0069】
まとめると、本発明のいくつかの実施形態は、疼痛及び炎症の軽減;前立腺癌の処置;コレステロールレベルの低下;タイプII糖尿病への対抗;損傷のない神経機能をもたらす、脳中の細胞相互作用の可能な限り最高の完全性の維持(すなわち神経防護作用);喘息及びアレルギーの影響の緩和;エネルギー状態の向上;インスリン分泌の向上;腎結石の蓄積減少;通風の影響の軽減;てんかん及びその他の発作性疾患に関する発作の最小化;及び、薬剤を常習する者に対する緩和効果を提供するという目的で、HMG−CoAレダクターゼ;PDE3及びPDE4;5−LOX及び15−LOX;XO;GABA、及び、2番目に多くみられるヒト皮膚癌細胞株の成長を阻害するための、ノニ葉汁及びノニ葉抽出物の使用を提供する。
【実施例4】
【0070】
さらに、新鮮なモリンダ・シトリフォリア葉を絞って得た汁を用いて、バイオアッセイによる同定を行い、単離され、顕著な生物学的活性を有することがわかっているアデノシンA2Aの4つの生物学的に活性な化合物を同定した。それらの構造はNMR技術及び質量分析法により調べられ、ピロ−フォルビド(Pyro−phorbide)a、フェオポルビド(Pheoporbide)a、パーピン(Purpin)7及びフェオポルビドフィトールエステルであると同定された。上記の参照される生物学的活性化合物の単離及び特徴づけは、モリンダ・シトリフォリア植物体由来の抽出物、特に植物体の葉由来の抽出物の抗炎症性及び鎮痛性の特筆すべき説明を提供する。
【0071】
本発明は、その本質的特徴の精神を逸脱することのない、その他の特定の形態の実施形態を有し得る。記載された実施形態は、あらゆる点で説明的なものにすぎず、限定的なものであると解釈されるべきでない。本発明の範囲は、従って、前述の記載によってではなく、添付される特許請求の範囲によって示される。その特許請求の範囲における意味及び均等の範囲内に含まれる全ての変化が、その範囲内にあるものとして包含される。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物の炎症を処置する方法であって、
モリンダ・シトリフォリア(Morinda citrifolia)の葉を取得する工程;
葉を小片に溶解切断する工程;
葉を破砕装置内に入れる工程;
葉を破砕する工程;
葉片をアルコール溶液中に浸漬させる工程;
アルコール葉スラリーからアルコール及び全てのアルコール溶解性成分を回収する工程;
アルコールを蒸発させる工程;
一次葉抽出物を放置する工程;
葉抽出物を水に溶解させる工程;および、
有効量の加工されたモリンダ・シトリフォリア葉生成物を含む前記希釈された葉抽出物化合物を哺乳動物に投与する工程であって、前記化合物は炎症及び/又は疼痛を低減又は予防する工程;
の各工程を含む方法。
【請求項2】
葉抽出物が水中に溶解され、その溶解液が10,000mg/mL、1000mg/mL、100mg/mL、10mg/mL、1mg/mL、0.1mg/mL、0.001mg/mL、及び0.0001mg/mLからなる群より選択される量となるように希釈される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
一次葉抽出物が殺菌されている、請求項1記載の方法。
【請求項4】
一次葉抽出物が部分的に滅菌されている、請求項1記載の方法。
【請求項5】
一次葉抽出物を遠心分離機に入れ、残存する葉汁及びクロロフィル等のその他の物質を除去する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
一次葉抽出物が、
乾燥ヘキサン画分;及び
水性メタノール画分のヘキサン、
からなる群より選択される画分へとさらに分画される、請求項1記載の方法。
【請求項7】
二次画分は二酸化シリコーンを含むガスクロマトグラフを用いて生成される、請求項6記載の方法。
【請求項8】
二次メタノール画分をさらなるメタノール画分へと分割する工程をさらに含む、請求項6記載の方法。
【請求項9】
二次ヘキサン画分がさらなるヘキサン画分へとさらに分画される、請求項6記載の方法。
【請求項10】
葉抽出物を、モリンダ・シトリフォリア植物体果実の果汁と混合して葉漿液を得る工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
投与前に、一次抽出物を担体媒質と混合する工程をさらに含む、請求項2記載の方法。
【請求項12】
シクロオキシゲナーゼ−1と比較して、シクロオキシゲナーゼ−2も選択的に阻害される、請求項1記載の方法。
【請求項13】
胃粘膜の完全性を維持しながら、炎症及び/又は疼痛の低減又は予防が達成される、請求項1記載の方法。
【請求項14】
溶解させた抽出物を投与前に100倍に希釈する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項15】
健康を増進する方法であって、
加工されたモリンダ・シトリフォリア成分をアルコール系溶液に添加する工程;
前記溶液から前記加工されたモリンダ・シトリフォリア成分の活性成分を単離及び抽出して画分を得る工程;
前記抽出された活性成分を前記哺乳動物に導入する工程であって、前記抽出された活性成分は炎症及び/又は疼痛を低減又は予防する工程、
の各工程を含む方法。
【請求項16】
前記アルコール系溶液が、メタノール、エタノール及び酢酸エチル、及び、その他のアルコール系誘導体を本質的に含んでなる群から選択される、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記活性成分が、ピロ−フォルビド(Pyro−phorbide)a、フェオポルビド(Pheoporbide)a、パーピン(Purpin)7及びフェオポルビドフィトールエステルからなる群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項18】
哺乳動物の炎症を処置する方法であって、
モリンダ・シトリフォリアの葉を取得する工程;
葉を小片に切断する工程;
葉を破砕装置内に入れる工程;
葉を破砕する工程;
破砕された時に葉から出たものを全て回収する工程;
葉汁を水に溶解させる工程;および、
前記希釈された葉汁を哺乳動物に投与する工程であって、前記化合物は炎症及び/又は疼痛を低減又は予防する工程、
の各工程を含む方法。
【請求項19】
葉抽出物が水中に溶解され、その溶解液が10,000mg/mL、1000mg/mL、100mg/mL、10mg/mL、1mg/mL、0.1mg/mL、0.001mg/mL、及び0.0001mg/mLからなる群から選択される量となるように希釈される、請求項18記載の方法。
【請求項20】
葉汁が、殺菌、滅菌及び部分的滅菌から選択される方法によってさらに加工される、請求項18記載の方法。
【請求項21】
葉汁が、
乾燥ヘキサン画分;及び
水性メタノール画分のヘキサン、
からなる群より選択される画分へとさらに分画される、請求項18記載の方法。
【請求項22】
二次メタノール画分をさらなるメタノール画分へと分割する工程をさらに含む、請求項21記載の方法。
【請求項23】
二次ヘキサン画分が、さらなるヘキサン画分へとさらに分画される、請求項21記載の方法。
【請求項24】
葉汁を、モリンダ・シトリフォリア植物体果実の果汁と混合して葉漿液を得る工程をさらに含む、請求項18記載の方法。
【請求項25】
投与前に、葉汁を担体媒質と混合する工程をさらに含む、請求項18記載の方法。
【請求項26】
シクロオキシゲナーゼ−1と比較して、シクロオキシゲナーゼ−2も選択的に阻害される、請求項18記載の方法。
【請求項27】
胃粘膜の完全性を維持しながら、炎症及び/又は疼痛の低減又は予防が達成される、請求項18記載の方法。
【請求項28】
投与前に葉汁を100倍に希釈する工程をさらに含む、請求項18記載の方法。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−536957(P2009−536957A)
【公表日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−510181(P2009−510181)
【出願日】平成19年5月11日(2007.5.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/068729
【国際公開番号】WO2007/134205
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(504279337)タヒチアン ノニ インターナショナル インコーポレーテッド (24)
【Fターム(参考)】