説明

モルタル・コンクリート剥離検出センサー

【課題】クラック等の局所歪発生時の経時的変化を改善したモルタル・コンクリート剥離検出センサーの提供。
【解決手段】歪検出用光ファイバと、温度補償用光ファイバと、抗張力体とを撚り合わせ、これらをケーブルシースで覆ってなり、歪検出用光ファイバとケーブルシースとが密着し、且つ、温度補償用光ファイバとケーブルシースとが密着していない構造を有するか、或いは、歪検出用光ファイバとケーブルシースとの密着力が200gf以上であり、且つ、温度補償用光ファイバとケーブルシースとの密着力が50gf未満であることを特徴とするモルタル・コンクリート剥離検出センサー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物、橋梁、トンネル等のコンクリート、モルタル構造物若しくは河川の堤防、山岳の斜面等の土壌に埋め込んで使用するモルタル・コンクリート剥離検出センサーに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、建築物、橋梁、トンネル等のコンクリート構造物若しくは河川の堤防、山岳の斜面等の土壌に光ファイバを直線的に或いはループ状に埋設し、BOTDA(Brillouin Optical Time Domain Analysis)を用いて光ファイバ中に光を伝播させることにより、各構造物の歪やクラックの発生やその広がり等をオンラインで測定する方法が開発された。
【0003】
従来、光ファイバを用いた歪検出用センサーとしては、例えば、特許文献1,2に開示された技術が提案されている。
特許文献1には、同一シース内に、シース伸び歪を正確に検知するため、タイトに収納した歪検出用光ファイバと、シース伸び歪から隔離するため、シース内のチューブにルースに収納された温度補償用光ファイバとを有する光ファイバケーブルが開示されている。
特許文献2には、温度補償用の光ファイバ心線と歪検知用の光ファイバ素線とが同一支持体に収納された光ファイバセンサーが開示されている。
【特許文献1】特開2000−75174号公報
【特許文献2】米国特許第6215927号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図1に示すように、歪検出用光ファイバ心線2と、温度補償用光ファイバコード3と、抗張力体4とをケーブルシース5で覆った構造のモルタル・コンクリート剥離検出センサー1において、このセンサー1を、図2(a)に示すようにモルタル6中に埋め込み、図2(b)に示すようにクラック7が発生した際には、埋め込んだセンサー1のクラック7に対応する部位(クラック部)には、局所的な伸びが加わるため、その箇所を検知することができる。
【0005】
しかし、センサー1内の歪検出用光ファイバ心線2がケーブルシース5の樹脂と密着していない場合、モルタル6のクラック発生時に歪が検出できない。もしくは瞬間的にはクラック6の発生を局所歪として検出できるものの、経時的にケーブルシース内で歪検出ファイバ心線が移動し、局所歪が伝播して歪ピーク値が減少してしまう(図2(c)参照)。このセンサ1では、クラックの発生の有無の他に、歪ピーク値の値よりクラック部の間隙幅を予測する機構も備えているため、その機能が失われてしまう。
【0006】
また、温度補償用光ファイバコード3については、逆にクラック発生時にケーブルシース5とともに伸ばされて歪を受けてしまうと温度補償機能が失われてしまう。
【0007】
本発明は、前記事情に鑑みてなされ、クラック等の局所歪発生時の経時的変化を改善したモルタル・コンクリート剥離検出センサーの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明は、歪検出用光ファイバと、温度補償用光ファイバと、抗張力体とを撚り合わせ、これらをケーブルシースで覆ってなり、歪検出用光ファイバとケーブルシースとが密着し、且つ、温度補償用光ファイバとケーブルシースとが密着していない構造を有することを特徴とするモルタル・コンクリート剥離検出センサーを提供する。
【0009】
また本発明は、歪検出用光ファイバと、温度補償用光ファイバと、抗張力体とを撚り合わせ、これらをケーブルシースで覆ってなり、歪検出用光ファイバとケーブルシースとの密着力が200gf以上であり、且つ、温度補償用光ファイバとケーブルシースとの密着力が50gf未満であることを特徴とするモルタル・コンクリート剥離検出センサーを提供する。
【0010】
本発明のモルタル・コンクリート剥離検出センサーにおいて、歪検出用光ファイバの被覆樹脂とケーブルシースの樹脂とを同材料で構成したことが好ましい。
【0011】
本発明のモルタル・コンクリート剥離検出センサーにおいて、歪検出用光ファイバの被覆樹脂とケーブルシースの樹脂とのいずれか一方に、他方の樹脂に対し接着性を発現する樹脂を被覆した構成としても良い。
【0012】
本発明のモルタル・コンクリート剥離検出センサーにおいて、温度補償用光ファイバを、ケーブルシースの樹脂よりも30℃以上融点の高い樹脂材料を用いて被覆した構成としても良い。
【0013】
本発明のモルタル・コンクリート剥離検出センサーにおいて、温度補償用光ファイバの周囲に介在を縦添えした構成としても良い。
【0014】
本発明のモルタル・コンクリート剥離検出センサーにおいて、温度補償用光ファイバの周囲にジェリーを充填した構成としても良い。
【0015】
本発明のモルタル・コンクリート剥離検出センサーにおいて、温度補償用光ファイバの被覆材として脂肪酸アミド又は脂肪酸エステル化合物を5〜20質量%含有するオレフィン系樹脂を用いた構成としても良い。
【発明の効果】
【0016】
本発明のモルタル・コンクリート剥離検出センサーによれば、モルタル、コンクリート上のクラック等による局所歪発生後、センサーに加わる歪が経時的に減少することなく、正確な歪センシングが可能となった。
また、温度補償用ファイバはクラック発生時に歪の影響を受けることなく、適正な温度補償が可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
本発明のモルタル・コンクリート剥離検出センサー(以下、センサーと略記する。)の一実施形態は、図1に示すセンサー1と同じく、歪検出用光ファイバ心線2と、温度補償用光ファイバコード3と、抗張力体4とを撚り合わせ、これらをケーブルシース5で覆った基本構造を有しているが、歪検出用光ファイバ心線2とケーブルシース5とが密着し、且つ、温度補償用光ファイバコード3とケーブルシース5とが密着していない構造を有するか、或いは、歪検出用光ファイバ心線2とケーブルシース5との密着力が200gf以上であり、且つ、温度補償用光ファイバコード3とケーブルシース5との密着力が50gf未満であることを特徴としている。
【0018】
歪検出用光ファイバ心線2は、モルタル・コンクリート剥離検出センサー1のケーブルシース5に圧力が加わった場合に、被覆内の光ファイバに圧力が伝えられる程度の被覆を有する光ファイバ心線を用いることができる。
【0019】
温度補償用光ファイバコード3は、モルタル・コンクリート剥離検出センサー1のケーブルシース5に圧力が加わった場合でも、光ファイバコード外被内部の光ファイバに歪が加わらない構造の光ファイバコードが用いられ、例えば、光ファイバ心線の外周に抗張力体(アラミド繊維など)を縦添えし、その外周にPVCシースなどのコード外被を設けた構造の光ファイバコードが挙げられる。
【0020】
抗張力体4は、撚り合わせた光ファイバコードや光ファイバ心線に張力が加わらないように設けられ、例えば、アラミド繊維強化プラスチック(アラミドFRP)などが用いられる。
【0021】
ケーブルシース5には、コンクリートやモルタルの強アルカリに対抗するために耐アルカリ性を有することが望まれる。また、土砂やそれに含まれる水分の浸透を防ぐために、耐水特性についても有することが望まれる。このようなケーブルシース5として用いる樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ABS系樹脂、また、これらの材料を組み込んだエラストマー材料などが挙げられる。
【0022】
このモルタル・コンクリート剥離検出センサー1において、前記歪検出用光ファイバ心線2と、温度補償用光ファイバコード3と、抗張力体4との各線材は、撚り合わせた状態でケーブルを構成している。これらの各線材の撚り合わせ方式は、次のa)〜d)であることが望ましい。
a)各線材を一方向に撚り合わせる方式、
b)各線材をSZ撚りに撚り合わせる方式、
c)各線材のうちの1種(例えば抗張力体4)を中心体として残りの2種の線材をその上に一方向に撚り合わせる方式、
d)各線材のうちの1種(例えば抗張力体4)を中心体として残りの2種の線材をその上にSZ撚りに撚り合わせる方式。
【0023】
本発明のモルタル・コンクリート剥離検出センサー1は、建築物、橋梁、トンネル等のコンクリート、モルタル構造物に埋め込んで使用する。測定対象物に歪を生じると、モルタル・コンクリート剥離検出センサー1に歪が伝えられるので、この時の歪を検出する。歪の検出は、例えば、光ファイバ(ここでは歪検出用光ファイバ心線2)にブリルアン散乱光の観測用の光パルス試験器(いわゆるBOTDR)を接続し、光パルス試験器を用いて光ファイバの光試験を行ってブリルアン散乱光を観測することで行う。具体的には、光ファイバに試験光を入射すると、該光ファイバの長手方向に歪が生じている場合には、後方散乱光の一つであるブリルアン散乱光を生じ、該ブリルアン散乱光の波長は入射した試験光の波長からずれているため、この周波数シフト量から該光ファイバの歪量を検出することができる。また、試験光入射後に、ブリルアン散乱光が前記光パルス試験器で受光、観測されるまでの時間(戻り時間)を検知することにより、光ファイバに歪が生じている位置の概略を把握することができる。
【0024】
このようにして、歪検出用光ファイバ心線2の歪量および歪位置を検出することで、測定対象物の歪量および歪位置を特定することができる。
しかし、光ファイバに温度変化が生じると、該光ファイバで実際に検出される歪量は、測定対象物の歪量と、光ファイバの温度変化に伴って生じる光ファイバ自身の歪量とを合わせたものとなってしまう。
本発明のモルタル・コンクリート剥離検出センサー1では、歪検出用光ファイバ心線2で検出した歪量から、温度補償用光ファイバコード3で検出した歪量を差し引くことにより、高精度に測定対象物の歪量を測定することができる。すなわち、温度補償用光ファイバコード3は、測定対象物の歪に伴って自身が歪を生じることが無く、該温度補償用光ファイバコード3自身の温度変化に伴う伸縮による歪量のみを検出する。したがって、測定対象物の歪に伴う歪量と自身の温度変化に伴う自身の伸縮による歪量との総和を検出する歪検出用光ファイバ心線2の歪量検出値から、前記温度補償用光ファイバコード3の歪量検出値を差し引けば、測定対象物の歪量を正確に測定できる訳である。
【0025】
このような温度の影響の補正は、具体的には、以下のようにして行う。すなわち、温度補償用光ファイバコード3の光試験データから、ブリルアン散乱光の入射光に対する周波数の温度変化によるシフト量を求め、該シフト量を、歪検出用光ファイバ心線2の光試験によって検出されたブリルアン散乱光の周波数のシフト量から差し引くことで、歪検出用光ファイバ心線2の測定対象物の歪に起因するブリルアン散乱光の周波数のシフト量を求めることができる。
【0026】
あるいは、温度補償用光ファイバコード3への入射光のラマン散乱光の後方散乱光を光パルス試験器で受光検出したデータから、ブリルアン散乱光の検出データを補正する手法を採用しても良い。温度補償用光ファイバコード3への光の入射により検出されるラマン散乱光の後方散乱光は、該温度補償用光ファイバコード3の温度によって強度が変化するので、検出されるラマン散乱光の後方散乱光の強度は、該温度補償用光ファイバコード3の部分的な温度の違いに対応して異なる。そして、検出波形(ストークス光と反ストークス光のOTDR波形)の散乱強度から両者の強度比をとり、所定の理論式から温度を求めれば良い。
【0027】
本実施形態のモルタル・コンクリート剥離検出センサー1は、歪検出用光ファイバ心線2とケーブルシース5とが密着し、且つ、温度補償用光ファイバコード3とケーブルシース5とが密着していない構造を有するか、或いは、歪検出用光ファイバ心線2とケーブルシース5との密着力が200gf以上であり、且つ、温度補償用光ファイバコード3とケーブルシース5との密着力が50gf未満である構造になっている。このように、歪検出用光ファイバ心線2とケーブルシース5との密着性が得られ、且つ温度補償用光ファイバコード3とケーブルシース5との剥離性が得られるようにするには、例えば、以下の(1)〜(6)のように構成することが望ましい。
【0028】
(1)歪検出用光ファイバ心線2の被覆樹脂とケーブルシース5の樹脂とを同材料で構成すること。
(2)歪検出用光ファイバ心線2の被覆樹脂とケーブルシース5の樹脂とのいずれか一方に、他方の樹脂に対し接着性を発現する樹脂(例:アイオノマー樹脂、エポキシ基付加熱可塑性エラストマ、エチレン・アクリル酸エステル・無水マレイン酸三元共重合体等)を被覆した構成とすること。
(3)温度補償用光ファイバコード3を、ケーブルシース5の樹脂よりも30℃以上融点の高い樹脂材料を用いて被覆すること。
(4)温度補償用光ファイバコード3の周囲に介在を縦添えすること(図5,図6参照)。
(5)温度補償用光ファイバコード3の周囲にジェリーを充填すること(図7参照)。
(6)温度補償用光ファイバコード3の被覆材として脂肪酸アミド又は脂肪酸エステル化合物を5〜20質量%含有するオレフィン系樹脂を用いた構成とすること。
【0029】
本実施形態のモルタル・コンクリート剥離検出センサー1は、歪検出用光ファイバ心線2とケーブルシース5とが密着し、且つ、温度補償用光ファイバコード3とケーブルシース5とが密着していない構造を有するか、或いは、歪検出用光ファイバ心線2とケーブルシース5との密着力が200gf以上であり、且つ、温度補償用光ファイバコード3とケーブルシース5との密着力が50gf未満である構造としたので、モルタル、コンクリート上のクラック等による局所歪発生後、センサーに加わる歪が経時的に減少することなく、正確な歪センシングが可能となった。
また、温度補償用ファイバコード3はクラック発生時に歪の影響を受けることなく、適正な温度補償が可能となった。
【0030】
図5〜図7は、本発明のモルタル・コンクリート剥離検出センサーの別の実施形態を示す横断面図である。これらの図中、符号1はモルタル・コンクリート剥離検出センサー、2は歪検出用光ファイバ心線、3は温度補償用光ファイバコード、4は抗張力体、5はケーブルシース、13は密着部、14は介在、15はジェリーである。
図5に示すモルタル・コンクリート剥離検出センサー1は、温度補償用光ファイバコード3の周囲に介在14を縦添えしている。この介在としては、特に限定されず、温度補償用光ファイバコード3の被覆と接着し難い合成樹脂繊維などでよい。
図6に示すモルタル・コンクリート剥離検出センサー1は、ケーブルシース5の内部空間と各線材との隙間の全てに介在14を設けている。
図7に示すモルタル・コンクリート剥離検出センサー1は、ケーブルシース5の内部空間と各線材との隙間にジェリー15を充填している。
これらの図5〜図7に示す構造を採用することで、温度補償用光ファイバコード3とケーブルシース5とが密着していない構造を簡単に得ることができる。
【実施例】
【0031】
[検証試験]
ケーブルシース、ならびに歪検出用光ファイバ心線、さらに、温度補償用光ファイバコードの被覆樹脂をすべてポリエチレンとし、それらの上にケーブルシースを被覆する際に樹脂温度を融点近傍で変えることで、歪検出用光ファイバ心線、ならびに温度補償用光ファイバコードとケーブルシースとの密着力をそれぞれ調整し、各密着力でクラック歪の有無、ならびにクラック歪ピーク値の経時変化を調整した。
【0032】
密着力については、図3(a)に示すようにセンサー1の要部に切れ目8を入れ、100mm長の心線−ケーブルシース部を採取し、(c)に示すように、ケーブルシース材から線材を引き上げることで密着力を測定した。結果を表1に示す。
【0033】
【表1】

【0034】
また、クラック歪経時変化については、図4に示すように、スライド台9と固定台10との上にセンサー1を接着剤11により接着固定して構成した、モルタルのクラック発生を模擬した装置を用い、故意に1mmの局所間隙を生じさせた際、符号12で示す局所歪発生部における歪の発生の有無、ならびに、それを1週間放置した後の局所歪発生部12の歪ピーク値変化量が50μStrain以下である場合を「有」、50μStrain以上である場合を「無」とした。結果を表2に示す。
【0035】
【表2】

【0036】
この結果より、歪検出用光ファイバ心線―シース樹脂間の密着力が200gf以上であると経時的なクラック部歪の減少は発生しなくなることを確認した。
また、温度補償用光ファイバコード―シース樹脂間の密着力が50gf以下であるとクラック発生時の局所歪を検知しないことを確認した。
【0037】
[実施例センサー]
本実施例のセンサーは、対象物の歪検出を行うφ0.9mmの歪検出用光ファイバ心線2と歪測定時の温度補償を行うφ1.1mmの温度補償用光ファイバコード3と、および抗張力体として実装したφ0.8mmのアラミドFRP4と、これらを覆うケーブルシース5とで構成されている。これらの線材を一方向、もしくはSZ状に撚り、その上にケーブルシース5を被覆し、その外径を2.8mmとした。
なお、歪検出用光ファイバ心線2の外被材料としてポリエチレン、温度補償用光ファイバコード3の外被材としてTPEE(ポリエステルエラストマー)を、ケーブルシース5の材料としてポリエチレンを選定した。
【0038】
この組み合わせで試作したケーブルシースと歪検出用光ファイバ心線、温度補償用光ファイバの密着力はそれぞれ1000gf、10gfであった。
【0039】
このように作製したセンサーをコンクリートやモルタル、または土砂に埋設した際の伝送性能は、1.0dB/km以下と充分に歪検出が可能である値であり、歪検出ファイバについてはクラック発生1ヶ月後においてもクラック部歪の変化はみられず、正確な歪検出が可能であった。また、温度補償用光ファイバについてはクラック発生による歪の影響を受けなかった。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】モルタル・コンクリート剥離検出センサーの構造の一例を示し、(a)は縦断面図、(b)はA−A’断面図である。
【図2】モルタル・コンクリート剥離検出センサーにおける局部歪の経時的減少を説明する概略図である。
【図3】実施例で行ったピール力測定方法を説明する図であり、(a)本発明のモルタル・コンクリート剥離検出センサーの要部に切れ目を入れた状態の横断面図、(b)は要部を切り出した状態の横断面図、(c)はピール力測定状態の斜視図である。
【図4】実施例で行ったクラック模擬試験の概要を示す正面図である。
【図5】本発明のモルタル・コンクリート剥離検出センサーの別の実施形態を示す横断面図である。
【図6】本発明のモルタル・コンクリート剥離検出センサーのさらに別の実施形態を示す横断面図である。
【図7】本発明のモルタル・コンクリート剥離検出センサーのさらに別の実施形態を示す横断面図である。
【符号の説明】
【0041】
1…モルタル・コンクリート剥離検出センサー、2…歪検出用光ファイバ心線、3…温度補償用光ファイバコード、4…抗張力体、5…ケーブルシース、6…モルタル、7…クラック、8…切れ目、9…スライド台、10…固定台、11…接着剤、12…局所歪発生部、13…密着部、14…介在、15…ジェリー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歪検出用光ファイバと、温度補償用光ファイバと、抗張力体とを撚り合わせ、これらをケーブルシースで覆ってなり、歪検出用光ファイバとケーブルシースとが密着し、且つ、温度補償用光ファイバとケーブルシースとが密着していない構造を有することを特徴とするモルタル・コンクリート剥離検出センサー。
【請求項2】
歪検出用光ファイバと、温度補償用光ファイバと、抗張力体とを撚り合わせ、これらをケーブルシースで覆ってなり、歪検出用光ファイバとケーブルシースとの密着力が200gf以上であり、且つ、温度補償用光ファイバとケーブルシースとの密着力が50gf未満であることを特徴とするモルタル・コンクリート剥離検出センサー。
【請求項3】
歪検出用光ファイバの被覆樹脂とケーブルシースの樹脂とを同材料で構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のモルタル・コンクリート剥離検出センサー。
【請求項4】
歪検出用光ファイバの被覆樹脂とケーブルシースの樹脂とのいずれか一方に、他方の樹脂に対し接着性を発現する樹脂を被覆したことを特徴とする請求項1又は2に記載のモルタル・コンクリート剥離検出センサー。
【請求項5】
温度補償用光ファイバを、ケーブルシースの樹脂よりも30℃以上融点の高い樹脂材料を用いて被覆したことを特徴とする請求項1又は2に記載のモルタル・コンクリート剥離検出センサー。
【請求項6】
温度補償用光ファイバの周囲に介在を縦添えしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のモルタル・コンクリート剥離検出センサー。
【請求項7】
温度補償用光ファイバの周囲にジェリーを充填したことを特徴とする請求項1又は2に記載のモルタル・コンクリート剥離検出センサー。
【請求項8】
温度補償用光ファイバの被覆材として脂肪酸アミド又は脂肪酸エステル化合物を5〜20質量%含有するオレフィン系樹脂を用いたことを特徴とする請求項1又は2に記載のモルタル・コンクリート剥離検出センサー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−309565(P2008−309565A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−156377(P2007−156377)
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】