説明

モルホリン(MO)、モノアミノジグリコール(ADG)、アンモニア及び水を含有する混合物を連続的に蒸留により分離するための方法

ジエチレングリコール(DEG)とアンモニアとの反応により得られた、モルホリン(MO)、モノアミノジグリコール(ADG)、アンモニア及び水を含有する混合物を、連続的に蒸留により分離するための方法において、第一の蒸留塔K10において、アンモニアを塔頂を介して分離し、K10の塔底搬出物を第二の蒸留塔K20に供給し、K20において、水及び有機生成物を、塔頂を介して45〜198℃の範囲内の塔頂温度で、0.1〜15バールの範囲内の圧力で分離し、K20の塔底搬出物を第三の蒸留塔K30に供給し、K30において、MO及び140℃未満(1.013バール)の沸点を有する有機生成物を塔頂を介してか又は側方抜出部において分離し、かつADG及び190℃を上回る(1.013バール)沸点を有する有機生成物を塔底を介して分離し、塔K30で塔頂を介してか又は側方抜出部において分離したMO含有流を、第四の塔K40に供給し、K40において、128℃以下(1.013バール)の沸点を有する有機生成物を塔頂を介して分離し、かつMO及び128℃以上(1.013バール)の沸点を有する有機生成物を塔底を介して分離し、かつK40の塔底搬出物を、第五の蒸留塔K55に供給し、K55において、MOを塔頂を介して分離し、かつ128℃以上(1.013バール)の沸点を有する有機生成物を塔底を介して分離することを特徴とする方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式
【化1】

のジエチレングリコール(DEG)とアンモニアとの反応により得られた、モルホリン(MO)、モノアミノジグリコール(ADG)、アンモニア及び水を含有する混合物を、連続的に蒸留により分離するための方法に関する。
【0002】
アミノジグリコール(ADG)[=2−(2−アミノエトキシ)エタノール=2,2’−アミノエトキシエタノール、式
【化2】

]及びモルホリンは、特に、溶剤、安定剤として、キレート剤、合成樹脂、医薬品、阻害剤及び界面活性物質の合成のために使用される。
【0003】
N−エチル−モルホリン(E−MO)は、特にポリウレタンフォームの製造のための触媒として使用される。
【0004】
ADG及びモルホリンの製造に関して、文献には数々の方法が記載されている。
【0005】
Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 6th Edition, 2000 electronic release, Wiley-VCH Verlag, 章"aliphatic amines"中の項目"cyclic amines"には、水素圧下で、かつコバルト又はニッケル触媒(引用:EP−A−696572(BASF AG)、DE−A−1049864)又は他の触媒(引用:DE−A−3002342、DE−A−3125662(BASF AG)、US3155657)の存在下にDEGをアミノ化することによるADG及びMOの合成が記載されている。
【0006】
先願の2005年9月30日付のドイツ連邦共和国特許出願番号第102005047458.6号及び先願の2006年2月6日付の欧州(後続)特許出願番号第06101339.7号(BASF AG)は、DEGとアンモニアとを、特定の銅、ニッケル及びコバルト−不均一触媒の存在下に反応させ、並びに全般に多段蒸留により後処理することによるADG及びモルホリンの製造法に関する。
【0007】
出願日が同一である2つの並行欧州特許出願(いずれもBASF AG)は、ジエチレングリコール(DEG)とアンモニアとの反応により得られた、モルホリン(MO)、モノアミノジグリコール(ADG)、アンモニア及び水を含有する混合物を、連続的に蒸留により分離するための方法に関する。
【0008】
出願日が同一である並行欧州特許出願(BASF AG)は、エレクトロニクス品質のADGの製造法に関する。
【0009】
モルホリン及びモノアミノジグリコール合成は、多数の副成分の形成が顕著である。未反応の出発物質、有用生成物並びに副生成物の分離は蒸留により行われるため、かなりの装置コストを招く。高沸点物を除き、全ての物質は1回又はその上複数回、塔頂を介して分離される。その結果、明らかなエネルギーコストを招く。
【0010】
本発明の課題は、従来技術の1つ以上の欠点の克服下に、モルホリン(MO)、モノアミノジグリコール(ADG)、アンモニア及び水及び場合によりN−エチル−モルホリン(E−MO)及び場合により1,2−エチレンジアミン(EDA)及び場合により224.8℃を上回る(1.013バール)沸点を有する有機生成物を含有する混合物を分離するための改善された経済的な方法を見出すことであった。個々の有機成分(アミン)、特にMO及びADG及び場合によりE−MOは、この場合、高純度でかつ高品質(例えば色調品質)で生じることが望ましい。
【0011】
これに応じて、ジエチレングリコール(DEG)とアンモニアとの反応により得られた、モルホリン(MO)、モノアミノジグリコール(ADG)、アンモニア及び水を含有する混合物を、連続的に蒸留により分離するための方法において、
第一の蒸留塔K10において、アンモニアを塔頂を介して分離し、K10の塔底搬出物を第二の蒸留塔K20に供給し、K20において、水及び有機生成物を、塔頂を介して45〜198℃の範囲内の塔頂温度で、0.1〜15バールの範囲内の圧力で分離し、
K20の塔底搬出物を第三の蒸留塔K30に供給し、K30において、MO及び140℃未満(1.013バール)の沸点を有する有機生成物を塔頂を介してか又は側方抜出部において分離し、かつADG及び190℃を上回る(1.013バール)沸点を有する有機生成物を塔底を介して分離し、
塔K30で塔頂を介してか又は側方抜出部において分離したMO含有流を、第四の塔K40に供給し、K40において、128℃以下(1.013バール)、有利に128℃未満(1.013バール)の沸点を有する有機生成物を塔頂を介して分離し、かつMO及び128℃以上(1.013バール)の沸点を有する有機生成物を塔底を介して分離し、かつ
K40の塔底搬出物を、第五の蒸留塔K55に供給し、K55において、MOを塔頂を介して分離し、かつ128℃以上(1.013バール)の沸点を有する有機生成物を塔底を介して分離することを特徴とする方法が見出された。
【0012】
塔K55において塔底を介して分離された生成物は、完全か又は部分的に、有利に完全に、塔K30へのフィードに返送される。
【0013】
塔K10は有利に3〜30の範囲内、特に5〜20の範囲内の理論分離段を有する。塔K10は、有利に5〜30バール、特に10〜20バールの範囲内の圧力で運転される。
【0014】
有利に、塔K10での供給箇所は、理論分離段数に対して上側三分の一に存在する。
【0015】
塔K20は有利に25〜70の範囲内、特に30〜60の範囲内の理論分離段を有する。塔K20は、有利に0.1〜10バール、特に0.8〜7バールの範囲内の圧力で運転される。
【0016】
有利に、塔K20での供給箇所は、理論分離段数に対して中央三分の一に存在する。
【0017】
塔K20において、有利に水が分離される。この水と共に、有利に、部分的に塔底生成物であるモルホリンよりも高い沸点を有する有機生成物が極小共沸混合物として塔頂を介して分離される。
【0018】
塔K30は有利に5〜25の範囲内、特に7〜20の範囲内の理論分離段を有する。塔K30は、有利に0.01〜5バール、特に0.05〜2.5バールの範囲内の圧力で運転される。
【0019】
有利に、塔K30での供給箇所は、理論分離段数に対して上側三分の一に存在する。それとは別のそれほど有利でない実施態様において、側方抜出部は、供給箇所の上方で、有利に1〜8の理論分離段、特に2〜6の理論分離段に存在する。
【0020】
塔K40は有利に10〜80の範囲内、特に15〜60の範囲内の理論分離段を有する。塔K40は、有利に0.01〜12バール、特に0.5〜6バールの範囲内の圧力で運転される。
【0021】
有利に、塔K40での供給箇所は、理論分離段数に対して中央又は下側、特に中央三分の一に存在する。
【0022】
塔K40において、128℃以下(1.013バール)の沸点を有する有機生成物(低沸点物=LS)、例えばEDAは塔頂を介して分離され、かつMO及び128℃以上(1.013バール)の沸点を有する有機生成物は塔底を介して分離される。
【0023】
塔K40において塔頂を介して分離された有機生成物、特にEDAを、有利に完全にか又は部分的に、塔K20へのフィードに返送することができる。
【0024】
もう1つの実施態様において、K40の塔頂留出物の更なる蒸留による後処理により、純粋なEDAを有用生成物として取得することができる。
【0025】
塔K55は有利に1〜15の範囲内、特に2〜12の範囲内の理論分離段を有する。塔K55は、有利に0.01〜12バール、特に0.5〜6バールの範囲内の圧力で運転される。
【0026】
有利に、塔K55での供給箇所は、理論分離段数に対して下側又は中央、特に中央三分の一に存在する。
【0027】
塔K55において、MOは塔頂を介して分離され、かつ128℃以上(1.013バール)の沸点を有する有機生成物は塔底を介して分離される。
【0028】
特別な実施態様において、塔K20で塔頂を介して分離された水及び有機生成物を含有する流は塔K50に供給され、K50において、N−エチル−モルホリン水溶液(E−MO水溶液)は塔頂又は液体側方抜出部を介して分離され、かつ水が塔底を介して分離され、その際、液体側方抜出部は、有利に理論分離段数に対して塔の上側三分の一に存在している。
【0029】
塔K50は有利に10〜50の範囲内、特に15〜40の範囲内の理論分離段を有する。塔K50は、有利に0.1〜16バール、特に0.2〜8バールの範囲内の圧力で運転される。
【0030】
有利に、塔K50での供給箇所は、理論分離段数に対して上側又は中央、特に中央三分の一に存在する。
【0031】
N−エチル−モルホリン水溶液は、純粋なE−MOの取得のためにまず脱水される。脱水剤として、有利に苛性ソーダ液が、例えば40〜60質量%の水溶液、特に50質量%の水溶液として使用される。有利に、苛性ソーダ液を用いた脱水は連続的に抽出塔内で行われる。抽出温度は有利に25〜60℃、特に30〜55℃である。苛性ソーダ液はこの場合15〜35質量%、特に20〜30質量%に希釈される。相分離後、有機相は連続的又は非連続的な蒸留で後処理される。蒸留は有利に非連続的に蒸留釜中で行われる。塔頂生成物はこの場合連続して生じ:場合によりエチルアミン、場合によりエタノールが水性共沸混合物として、場合によりN−メチルモルホリンが水性共沸混合物として、場合により水不含のN−メチルモルホリン及び有用生成物であるN−エチルモルホリン(E−MO)が生じる。
【0032】
有利な実施態様において、K30の塔底搬出物は蒸留塔K60に供給され、K60において、224.8℃以下(1.013バール)の沸点を有する有機生成物が塔頂を介して分離され、かつADG及び224.8℃以上(1.013バール)の沸点を有する有機生成物が塔底を介して分離される。
【0033】
塔K60は有利に5〜40の範囲内、特に10〜30の範囲内の理論分離段を有する。
塔K60は、有利に0.005〜1バール、特に0.05〜0.8バールの範囲内の圧力で運転される。
【0034】
有利に、塔K60での供給箇所は、理論分離段数に対して中央又は上側、特に中央三分の一に存在する。
【0035】
有利な実施態様において、塔K60において塔頂を介して分離された有機生成物、例えばN−(2−アミノエチル)モルホリン、2−(2−アミノエトキシ)エチルアミンは、DEGとアンモニアとの反応に返送される。
【0036】
個々の成分が製造プラントの循環中に蓄積するのを回避するために、有利に、塔頂で分離された留出物の部分流は排出される。返送流の割合は、塔頂で分離された留出物の有利に40〜100質量%、特に有利に50〜100質量%である。
【0037】
塔K60で底部抜出部で分離されたADG含有流は、有利に塔K70に供給され、K70において、ADGは塔頂を介して分離され、かつDEG及び225℃以上(1.013バール)の沸点を有する有機生成物は塔底を介して分離される。
【0038】
塔K70は有利に10〜60の範囲内、特に20〜50の範囲内の理論分離段を有する。塔K70は、有利に0.005〜1バール、特に0.01〜0.8バールの範囲内の圧力で運転される。
【0039】
有利に、塔K70での供給箇所は、理論分離段数に対して上側又は中央、有利に上側三分の一に存在する。
【0040】
塔K70において塔底を介して分離された生成物は、DEG及び場合によりモルホリルアミノジグリコール、モルホリノジグリコールである。(モルホリルアミノジグリコール=4−(2−(2−アミノエトキシ)−エチル)−モルホリン、C81822;モルホリノジグリコール(モルホリニルエトキシエタノール)CAS番号3603−45−0、C817NO3
塔K70で底部抜出部で分離されたDEG含有流は、有利に塔K80に供給され、K80において、DEGは塔頂を介して分離され、かつ225℃以上(1.013バール)の沸点を有する有機生成物(高沸点物=HS)は塔底を介して分離される。
【0041】
塔K80は有利に10〜60の範囲内、特に20〜50の範囲内の理論分離段を有する。塔K80は、有利に0.005〜1バール、特に0.05〜0.8バールの範囲内の圧力で運転される。
【0042】
有利に、塔K80での供給箇所は、理論分離段数に対して上側又は中央、有利に中央三分の一に存在する。
【0043】
有利に、塔K80において塔頂を介して分離された生成物、例えばDEG、モルホリルアミノジグリコールは、DEGとアンモニアとの反応に返送される。
【0044】
返送流の割合は、塔頂で分離された留出物の有利に80〜100質量%、特に有利に95〜100質量%である。
【0045】
本発明による方法は、特別な実施態様において、以下の集熱措置により更に有利である:
K80の蒸気からの熱を、K20、K50、K30、K40、K55及び/又はK60、有利にK50、K30、K55及び/又はK60に集積することができる。
【0046】
K70の蒸気からの熱を、K20、K50、K30、K40、K55及び/又はK60、有利にK20及び/又はK40に集積することができる。
【0047】
K55の蒸気からの熱を、K20、K50、K30、K40及び/又はK60、有利にK50、K30及び/又はK60に集積することができる。
【0048】
K40の蒸気からの熱を、K20、K50、K30、K55及び/又はK60、有利にK50に集積することができる。
【0049】
前記の集熱を以下のように実施することができる:生じる蒸気の熱を最大限利用し得るために、有利に伝熱媒体は省略され、かつ蒸気流は有利に、加熱蒸気ではなく、直接相応する蒸発器で凝縮される。蒸発器として、それぞれ、自然対流式蒸発器、強制循環式蒸発器、強制循環減圧式蒸発器、流下薄膜式蒸発器、ロバート式蒸発器、釜型蒸発器、薄膜式蒸発器又は上昇薄膜式蒸発器を使用することができる。有利に、それぞれ、自然対流式蒸発器、強制循環式蒸発器、強制循環減圧式蒸発器、流下薄膜式蒸発器、ロバート式蒸発器又は釜型蒸発器を使用することができる。残留蒸気は、有利にその都度、後凝縮器中で液化される。
【0050】
更に、分離すべき混合物の合成からの反応熱を、特に蒸発冷却(水蒸気)により排出し、かつ蒸留に集積することが有利である。合成の際に、特に実施態様(A)及び(B)が有利である。
【0051】
この場合、反応熱を、塔K20、K50、K30、K40、K55、K60、K70及び/又はK80に、有利に塔K20、K50、K30、K55及び/又はK60に集積することができる。
【0052】
もう1つの特に有利な実施態様において、K30の塔底搬出物は蒸留塔K60に供給され、その際、塔K60は隔壁塔(TK)である。
【0053】
隔壁塔(TK)は、有利に、塔の長さ方向に、上方の共通の塔領域(1)、下方の共通の塔領域(6)、濃縮部(2)とストリッピング部(4)とを有する供給部(2、4)、並びに濃縮部(3)とストリッピング部(5)とを有する排出部(3、5)の形成下に隔壁(T)を有し、その際、K30の塔底搬出物の供給は、理論分離段数に対して、供給部(2、4)の上側又は中央、特に上側三分の一で行われ、255℃を上回る(1.013バール)沸点を有する有機生成物の排出は塔底を介して行われ、224.8℃以下(1.013バール)の沸点を有する有機生成物の排出は塔頂を介して行われ、ADGの排出は塔領域1から行われ、かつ場合により、特別な実施態様において有利に、224.8℃以上(1.013バール)、特に235℃を上回る(1.013バール)沸点を有する蒸気状の有機生成物、例えばDEGの排出は、排出部(3、5)(側方抜出部)の理論分離段数に対して、排出部(3、5)の上側又は中央、特に上側三分の一から行われる。
【0054】
塔K60において蒸気状の側方抜出部を介して分離した有機生成物、例えばDEGは、有利にDEGとアンモニアとの反応に返送される。
【0055】
もう1つの有利な実施態様において、隔壁塔(TK)は、塔の長さ方向に、上方の共通の塔領域(1)及び(2)、濃縮部(3)とストリッピング部(4)とを有する供給部(3、4)並びに部(5)の形成下に隔壁(T)を有し、その際、隔壁Tは塔底まで形成されており、その際、K30の塔底搬出物の供給は、供給部(3、4)の理論分離段数に対して、供給部(3、4)の上側又は中央、特に上側三分の一で行われ、DEG及び224.8℃以上(1.013バール)、有利に235℃を上回る(1.013バール)沸点を有する有機生成物の排出は、部5の下方の塔底を介して行われ、255℃を上回る(1.013バール)沸点を有する有機生成物(高沸点物=HS)の排出は、部3、4の下方の塔底を介して行われ、224.8℃以下(1.013バール)の沸点を有する有機生成物の排出は塔頂を介して行われ、かつADGの排出は、上方の共通の塔領域(1)及び(2)の中央部(側方抜出部)から行われる。
【0056】
隔壁塔K60は有利に30〜100の範囲内、特に40〜90の範囲内の理論分離段を有する。隔壁塔K60は、有利に0.005〜1バール、特に0.01〜0.7バールの範囲内の圧力で運転される。
【0057】
隔壁(T)により分割された、部分領域3、4及び5ないし2、3、4及び5又はそのそれぞれの部分からなる塔TKの部分領域には、有利に規則充填物、不規則充填物及び/又はトレイが備えられている。前記部分領域における隔壁は、有利に断熱的に構成されている。
【0058】
有利な実施態様において、塔K60において塔頂を介して分離された有機生成物、例えばN−(2−アミノエチル)モルホリン、2−(2−アミノエトキシ)エチルアミンは、排出されずに、DEGとアンモニアとの反応に返送される。
【0059】
塔底まで形成されている隔壁Tを有する塔K60において、部5の下方の塔底を介して分離された有機生成物、例えばDEGは、有利にDEGとアンモニアとの反応に返送される。
【0060】
返送流の割合は、塔頂で分離された留出物の有利に80〜100質量%、特に有利に95〜100質量%である。
【0061】
本発明による方法は、特別な実施態様において、隔壁塔(TK)を使用した場合、3つの塔の接続(K60−K80)に対するわずかな熱需要により、並びに、塔の数の低減により有利である。
【0062】
本発明による方法において使用される、モルホリン(MO)、モノアミノジグリコール(ADG)、アンモニア及び水及び場合によりE−MO及び場合によりEDA及び場合により224.8℃を上回る(1.013バール)沸点を有する有機生成物を含有する混合物は、実施態様(A)において、有利に、ジエチレングリコール(DEG)とアンモニアとを、担体としての二酸化ジルコニウム上のCu、Ni及びCoを含有する触媒の存在下に反応させることにより得られたものである。前記タイプの触媒は、EP−A−963975、EP−A−1106600及びWO−A−03/076386(いずれもBASF AG)に記載されている。
【0063】
特に有利な触媒において、触媒の触媒活性材料は、水素での処理前に、20〜65質量%の範囲内の二酸化ジルコニウム(ZrO2)、CuOとして算出された1〜30質量%の範囲内の銅の酸素含有化合物、NiOとして算出された15〜50質量%の範囲内のニッケルの酸素含有化合物、及びCoOとして算出された15〜50質量%の範囲内のコバルトの酸素含有化合物を含有する。
【0064】
ジエチレングリコール(DEG)とアンモニアとの反応に有利な反応器中の温度は、170〜220℃の範囲内である。等温的な反応器運転方式が有利である。ジエチレングリコール(DEG)とアンモニアとの反応に有利な圧力は、100〜200バールの範囲内である。
【0065】
有利に、ジエチレングリコール(DEG)とアンモニアとの反応は水素の存在下に行われる。水素は有利に高圧分離装置を介して循環ガスとして反応器に返送される。アンモニア:DEGのモル比は有利に4〜6の範囲内である。DEG変換率は有利に55〜90%の範囲内である。
【0066】
特に有利に、本発明による方法において使用される混合物の製造は、先願の2005年9月30日付のドイツ連邦共和国特許出願番号第102005047458.6号及び先願の2006年2月6日付の欧州(後続)特許出願番号第06101339.7号(BASF AG)に従って行われ、それによれば、DEGとアンモニアとの反応は特定の触媒成形体の存在下に行われ、かつ該触媒の触媒活性材料は、水素での処理前に、アルミニウム及び/又はジルコニウム、銅、ニッケル及びコバルトの酸素含有化合物を含有している。
【0067】
もう1つの実施態様(B)において、本発明による方法において使用される、モルホリン(MO)、モノアミノジグリコール(ADG)、アンモニア及び水及び場合によりE−MO及び場合によりEDA及び場合により224.8℃を上回る(1.013バール)沸点を有する有機生成物を含有する混合物は、有利に、特にEP−A−70397(BASF AG)に記載されているように、ジエチレングリコール(DEG)とアンモニアとを、担体としての酸化アルミニウム上のCu及びNiを含有する触媒の存在下に反応させることにより得られたものである。前記タイプの触媒は、EP−A−514692及びEP−A−167872(いずれもBASF AG)にも記載されている。
【0068】
ここで特に有利な触媒において、触媒の触媒活性材料は、水素での処理前に、25〜65質量%の範囲内の酸化アルミニウム(Al23)、CuOとして算出された30〜60質量%の範囲内の銅の酸素含有化合物、及びNiOとして算出された5〜15質量%の範囲内のニッケルの酸素含有化合物を含有する。
【0069】
この場合、ジエチレングリコール(DEG)とアンモニアとの反応に有利な反応器中の温度は、190〜235℃の範囲内である。等温的な反応器運転方式が有利である。ジエチレングリコール(DEG)とアンモニアとの反応に有利な圧力は、20〜30バールの範囲内である。
【0070】
有利に、ジエチレングリコール(DEG)とアンモニアとの反応は気相中で水素の存在下に行われる。ガス状の反応器搬出物は、有利に伝熱体に導かれ、その際有利に部分的な凝縮が行われる(粗モルホリンの凝縮)。H2及びNH3からなる気相は、有利に再度DEG蒸発器に導かれ、その後反応器に導かれる。
【0071】
本発明による方法は、特に、
99.5質量%以上、特に99.6質量%以上、例えば99.65〜99.95質量%の純度、
0.20質量%以下、特に0.10質量%以下、例えば0.01〜0.08質量%のN−エチル−モルホリン(E−MO)の含分、
0.30質量%以下、特に0.20質量%以下、例えば0.05〜0.15質量%の1,2−エチレンジアミン(EDA)の含分、
0.50質量%未満、特に0.30質量%未満、例えば0.05〜0.25質量%の2−メトキシ−エタノールの含分、
及び0.05質量%以下、特に0.04質量%以下、例えば0.01〜0.03質量%の水含分
を有するモルホリン(MO)の製造に有利である。
【0072】
本発明による方法は、10以下、特に8以下、例えば2〜7のAPHA色数、及び15mg/L以下、特に5mg/L以下、極めて特に有利に1mg/L以下、例えば0.1〜0.9mg/Lの塩化物含分を有するモルホリン(MO)の製造に極めて特に有利である。
【0073】
本発明による方法は、さらに、
98.00質量%以上、特に98.30質量%以上、例えば98.50〜99.50質量%の純度、
0.40質量%以下、特に0.10質量%以下、例えば0.01〜0.08質量%のDEG含分、
0.20質量%以下、特に0.10質量%以下、例えば0.01〜0.08質量%の水含分、
及び20以下、特に15以下、極めて特に有利に10以下、例えば2〜8のAPHA色数
を有するモノアミノジグリコール(ADG)の製造に特に有利である。
【0074】
本発明による方法は、さらに、
98.50質量%以上、特に99.00質量%以上、例えば99.50〜99.90質量%の純度、
0.30質量%以下、特に0.20質量%以下、例えば0.05〜0.15質量%の水含分、
及び50以下、特に20以下、極めて特に有利に10以下、例えば2〜8のAPHA色数
を有するN−エチルモルホリン(E−MO)の製造に特に有利である。
【0075】
APHA色数は、DIN EN 1557により測定される。水含分は、DIN 51777(K.Fischer)により測定される。塩化物含分は、イオンクロマトグラフィーを用いて(化学的サプレッションによる伝導性の検出)以下の方法により測定される:
試料の調製:試料約2gをメスフラスコ(10ml)中に量り入れ、溶離液を標線まで充填する。
【0076】
測定条件:
イオンクロマトグラフィーシステム:Metrohm Modulares System (733)
プレカラム:例えばDIONEX AG 12;分離カラム:例えばDIONEX AS 12
溶離液:例えば水中でNa2CO3 2.7ミリモル、NaHCO3 0.28ミリモル/l
流量:1ml/分;供給体積:100μl
検出:化学的サプレッションによる伝導性
サプレッサー:Metrohm Modul 753
再生液:高純水中のH2SO4 50ミリモル(流量約0.4ml/分)
校正:外部、標準添加法により定量
定量限界:試料中で塩化物0.1mg/kg。
【0077】
有用生成物であるモルホリンにおいて、モルホリン、1,2−エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、2−メトキシ−エタノールの含分を、GCを用いて測定する(GC条件:30 m DB−1;温度プログラム:初期温度60℃、加熱速度4℃/分、最終温度190℃)。
【0078】
有用生成物であるADGにおいて、ADG及びDEGの含分を、GCを用いて測定する(GC条件:30 m DB1;温度プログラム:初期温度100℃、加熱速度8℃/分、最終温度250℃)。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】9つの塔の接続による本発明によるMO及びADGの取得を示す図。
【図2】点線により示される有利な集熱の実施態様を示す図。
【図3】9つの塔の接続の塔K60−K80から隔壁塔(TK)への代替を示す図。
【図4】隔壁(T)が塔底まで構成されている、隔壁塔K60の特別な実施態様を示す図。
【図5】返送流及び合成部及び集熱を含む、実施例による9つの塔の接続を示す図。
【図6】図5に対して付加的に、点線により示される集熱の実施態様を示す図。
【実施例】
【0080】
実施例1(図5及び6参照)
ジグリコール(DEG)を塔K80の塔頂生成物(主成分:ジグリコール及びモルホリルADG)と混合し、連続的に熱交換器W1に供給する。液体アンモニアを、塔K10から返送されたアンモニアと混合し、連続的に熱交換器W1に供給する。双方の流を、熱交換器W1の前で、主に水素からなる循環ガスと混合する。圧縮装置V1を用いて、循環ガスを、合成出口に存在する高圧分離装置B1から導き寄せる。熱交換器W1の後、温度145℃の混合物を加熱装置W2により195℃に加熱し、反応器C1へ搬送する。反応器C1の固定床触媒上で、ジグリコールからアミノジグリコール及びモルホリンへの反応を、200バールの圧力でかつ215℃までの温度で行う。反応器を等温的に運転させる。反応熱を、反応器での蒸発冷却により排出する。このために、水を14バール(絶対圧)で蒸発させる。蒸気を加熱蒸気としてK20で使用する。その後、反応器搬出物を熱交換器W1、W3及び空気冷却器W4中で45℃に冷却する。高圧分離装置B1において、気相及び液相の分離を行う。気相を上記の通り循環ガスとして熱交換器W1に導く。
【0081】
液相を、高圧分離装置B1から中圧分離装置B2へ、25バールに減圧する。そこで放出されるいわゆる発泡ガスをNH3回収のために吸収装置へと導く。補うべき水素量を供給網から取り出し、合成フィードに供給する。
【0082】
その後、反応混合物は、中圧分離装置B2から熱交換器W3を介して塔K10に到達する。
【0083】
アンモニア分離(K10)
塔K10において、アンモニアを99.9%を上回る純度で16バール(絶対圧)の塔頂圧力でフィードから留去し、反応器入口に返送する。排ガスは吸収装置に接続されている。アンモニア不含の220℃の温度の缶出物を、水の分離のために塔K20へ減圧する。K10は17の理論分離段を有し、14段で供給を行う。
【0084】
水分離(K20)
塔K20において、反応水を常圧で分離する。水98質量%及び低沸点物(主にエチルモルホリン)2質量%を含有する留出物を塔K50に導く。更に、塔K20に、K40におけるLS分離の塔頂生成物(主成分:1,2−エチレンジアミン、モルホリン及び水)を供給する。十分に水不含の温度158℃のK20の缶出物(主成分:モルホリン、アミノジグリコール、ジグリコール及び高沸点残留物)を塔K30へと減圧する。K20は56の理論分離段を有し、25段で供給を行う。K20を、部分的に、反応器の蒸発冷却からの加熱蒸気を用いて運転する。付加的な熱需要を、供給網からの加熱蒸気を用いて補う。
【0085】
LS/HS分離(K30)
塔K30において、塔K20の底部抜出分と返送された精留K55の底部抜出分とからなるフィードを、120ミリバールの塔頂圧力で、低沸点物フラクション(主成分:モルホリン)と、164℃の塔底温度を有する高沸点物フラクション(主成分:アミノジグリコール、ジグリコール及び高沸点残留物)とに分離する。缶出物を塔K60に供給する。モルホリン95質量%、1,2−エチレンジアミン4.5質量%並びに2−メトキシ−エタノール及び水を含有する凝縮物を、塔K40に供給する。K30は14の理論分離段を有し、11段で供給を行う。
【0086】
LS分離(K40)
塔K40において、塔頂圧力3.4バール(絶対圧)で低沸点物(LS)を塔頂を介して分離する。留出物(主成分:1,2−エチレンジアミン、モルホリン及び水)を、K20に返送するか、又は、エチレンジアミンの濃縮後に非連続的に容器を介して排出する。温度174℃の塔K40の缶出物(難沸騰性副成分を含有するモルホリン)をK55に導く。K40は38の理論分離段を有し、15段で供給を行う。K40の蒸気からの熱をK50の底部に集積する。
【0087】
モルホリン精留(K55)
塔K55において、塔頂圧力4.25バール(絶対圧)で、99.6質量%を上回る純度、0.10質量%未満の1,2−エチレンジアミン(EDA)含分を有するモルホリンを、塔頂を介して分離する。温度184℃の塔の缶出物を、塔K30のフィードに返送する。K55は8の理論分離段を有し、5段で供給を行う。K55の蒸気からの熱をK30の底部に集積する。
【0088】
エチルモルホリン蒸留(K50)
塔K50において、常圧で、N−エチルモルホリンを水との共沸混合物としてフィードから分離する。温度103℃の塔の缶出物を排出する。K50は21の理論分離段を有し、11段で供給を行う。
【0089】
LS分離(K60)
塔K60において、フィードから低沸点物を160ミリバールの塔頂圧力で分離する。塔の留出物(主成分:アミノエトキシエチルアミン、アミノエチルモルホリン、メトキシエチルモルホリン並びに少量のアミノジグリコール)を、DEGとアンモニアとの反応に返送する。主成分であるアミノジグリコール、ジエチレングリコールを含有し、かつ塔底温度181℃である塔の缶出物を、後続のK70に導く。K60は18の理論分離段を有し、10段で供給を行う。
【0090】
アミノジグリコール蒸留(K70)
塔K70において、フィードから、98.5質量%を上回る純度及び0.10質量%未満のDEG含分を有するアミノジグリコールを、塔頂圧力475ミリバールで留出物として取得する。塔底温度225℃の塔の缶出物(DEG64質量%、モルホリル−ADG22質量%、モルホリノジグリコール5質量%及び高沸点物9質量%)を塔K80に導く。K70は33の理論分離段を有し、22段で供給を行う。K70の蒸気からの熱をK40の底部に集積する。
【0091】
HS排出(K80)
塔K80において、塔頂で、純度〜80%のジエチレングリコールを、塔頂圧力350ミリバールで取得する。ジエチレングリコールに加えて更にモルホリルアミノジグリコールをも含有する留出物を、反応器の入口に返送する。塔底温度約240℃で塔底で濃縮された高沸点物(HS)を、プロセスから排出する。前記塔は28の理論分離段を有し、15段で供給を行う。K80の蒸気からの熱をK55の底部に集積する。
【0092】
塔中の段の番号付けは、下方から上方へとしたものである。
【符号の説明】
【0093】
B1 高圧分離装置、 B2 中圧分離装置、 C1 反応器、 V1 圧縮装置、 W1 熱交換器、 W2 熱交換器、 W3 熱交換器、 W4 熱交換器、 HS 高沸点物、 LS 低沸点物、 MS 中沸点物、 BBA 処理を要する廃水、 HD 加熱蒸気。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジエチレングリコール(DEG)とアンモニアとの反応により得られた、モルホリン(MO)、モノアミノジグリコール(ADG)、アンモニア及び水を含有する混合物を、連続的に蒸留により分離するための方法において、
第一の蒸留塔K10において、アンモニアを塔頂を介して分離し、K10の塔底搬出物を第二の蒸留塔K20に供給し、K20において、水及び有機生成物を、塔頂を介して45〜198℃の範囲内の塔頂温度で、0.1〜15バールの範囲内の圧力で分離し、
K20の塔底搬出物を第三の蒸留塔K30に供給し、K30において、MO及び140℃未満(1.013バール)の沸点を有する有機生成物を塔頂を介してか又は側方抜出部において分離し、かつADG及び190℃を上回る(1.013バール)沸点を有する有機生成物を塔底を介して分離し、
塔K30で塔頂を介してか又は側方抜出部において分離したMO含有流を、第四の塔K40に供給し、K40において、128℃以下(1.013バール)の沸点を有する有機生成物を塔頂を介して分離し、かつMO及び128℃以上(1.013バール)の沸点を有する有機生成物を塔底を介して分離し、かつ
K40の塔底搬出物を、第五の蒸留塔K55に供給し、K55において、MOを塔頂を介して分離し、かつ128℃以上(1.013バール)の沸点を有する有機生成物を塔底を介して分離することを特徴とする方法。
【請求項2】
塔K55において塔底を介して分離された生成物を、完全にか又は部分的に、塔K30へのフィードに返送する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
塔K40において塔頂を介して分離された生成物を、完全にか又は部分的に、塔K20へのフィードに返送する、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
塔K10が3〜30の範囲内の理論分離段を有し、かつ5〜30バールの範囲内の圧力で運転する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
塔K20が25〜70の範囲内の理論分離段を有し、かつ0.1〜10バールの範囲内の圧力で運転する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
塔K30が5〜25の範囲内の理論分離段を有し、かつ0.01〜5バールの範囲内の圧力で運転する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
塔K40が10〜80の範囲内の理論分離段を有し、かつ0.01〜12バールの範囲内の圧力で運転する、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
塔K55が1〜15の範囲内の理論分離段数を有し、かつ0.01〜12バールの範囲内の圧力で運転する、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
塔K10における供給箇所が、理論分離段数に対して上側三分の一に存在している、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
塔K20における供給箇所が、理論分離段数に対して中央三分の一に存在している、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
塔K30における供給箇所が、理論分離段数に対して上側三分の一に存在している、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
塔K40における供給箇所が、理論分離段数に対して下側又は中央三分の一に存在している、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
塔K55における供給箇所が、理論分離段数に対して下側又は中央三分の一に存在している、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
塔K20で塔頂を介して分離された水及び有機生成物を含有する流を、塔K50に供給し、K50において、N−エチル−モルホリン水溶液(E−MO水溶液)を塔頂又は液体側方抜出部を介して分離し、かつ水を塔底を介して分離する、請求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
塔K50が10〜50の範囲内の理論分離段を有し、かつ0.1〜16バールの範囲内の圧力で運転する、請求項14記載の方法。
【請求項16】
塔K50における供給箇所が、理論分離段数に対して上側又は中央三分の一に存在している、請求項14又は15記載の方法。
【請求項17】
N−エチル−モルホリン水溶液を脱水し、その後、その際に生じる有機相を蒸留により濃縮して有用生成物とする、請求項14から16までのいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
K30の塔底搬出物を蒸留塔K60に供給し、K60において、224.8℃以下(1.013バール)の沸点を有する有機生成物を塔頂を介して分離し、かつADG及び224.8℃以上(1.013バール)の沸点を有する有機生成物を塔底を介して分離する、請求項1から17までのいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
塔K60が5〜40の範囲内の理論分離段を有し、かつ0.005〜1バールの範囲内の圧力で運転する、請求項18記載の方法。
【請求項20】
塔K60における供給箇所が、理論分離段数に対して上側又は中央三分の一に存在している、請求項18又は19記載の方法。
【請求項21】
塔K60において塔頂を介して分離された有機生成物を、排出するか、又はDEGとアンモニアとの反応に返送する、請求項18から20までのいずれか1項記載の方法。
【請求項22】
塔K60で底部抜出部で分離されたADG含有流を、塔K70に供給し、K70において、ADGを塔頂を介して分離し、かつDEG及び225℃以上(1.013バール)の沸点を有する有機生成物を塔底を介して分離する、請求項18から21までのいずれか1項記載の方法。
【請求項23】
塔K70が10〜60の範囲内の理論分離段を有し、かつ0.005〜1バールの範囲内の圧力で運転する、請求項22記載の方法。
【請求項24】
塔K70における供給箇所が、理論分離段数に対して上側又は中央三分の一に存在している、請求項22又は23記載の方法。
【請求項25】
塔K70で底部抜出部で分離されたDEG含有流を、塔K80に供給し、K80において、DEGを塔頂を介して分離し、かつ225℃以上(1.013バール)の沸点を有する有機生成物を塔底を介して分離する、請求項22から24までのいずれか1項記載の方法。
【請求項26】
塔K80が10〜60の範囲内の理論分離段を有し、かつ0.005〜1バールの範囲内の圧力で運転する、請求項25記載の方法。
【請求項27】
塔K80における供給箇所が、理論分離段数に対して上側又は中央三分の一に存在している、請求項25又は26記載の方法。
【請求項28】
塔K80において塔頂を介して分離された生成物を、DEGとアンモニアとの反応に返送する、請求項25から27までのいずれか1項記載の方法。
【請求項29】
K30の塔底搬出物を蒸留塔K60に供給し、その際、塔K60が隔壁塔(TK)であり、該隔壁塔(TK)は、塔の長さ方向に、上方の共通の塔領域(1)、下方の共通の塔領域(6)、濃縮部(2)とストリッピング部(4)とを有する供給部(2、4)、並びに濃縮部(3)とストリッピング部(5)とを有する排出部(3、5)の形成下に隔壁(T)を有し、その際、K30の塔底搬出物の供給を、供給部(2、4)の理論分離段数に対して供給部(2、4)の上側又は中央三分の一で行い、255℃を上回る(1.013バール)沸点を有する有機生成物の排出を塔底を介して行い、224.8℃以下(1.013バール)の沸点を有する有機生成物の排出を塔頂を介して行い、ADGの排出を塔領域1から行い、かつ場合により、224.8℃以上(1.013バール)の沸点を有する蒸気状の有機生成物、例えばDEGの排出を、排出部(3、5)(側方抜出部)の理論分離段数に対して、排出部(3、5)の上側又は中央三分の一から行う、請求項1から17までのいずれか1項記載の方法。
【請求項30】
蒸気状の側方抜出部を介して分離した生成物を、DEGとアンモニアとの反応に返送する、請求項29記載の方法。
【請求項31】
K30の塔底搬出物を蒸留塔K60に供給し、その際、塔K60が隔壁塔(TK)であり、該隔壁塔(TK)は、塔の長さ方向に、上方の共通の塔領域(1)及び(2)、濃縮部(3)とストリッピング部(4)とを有する供給部(3、4)並びに部(5)の形成下に隔壁(T)を有し、その際、隔壁Tは塔底まで形成されており、その際、K30の塔底搬出物の供給を、供給部(3、4)の理論分離段数に対して供給部(3、4)の上側又は中央三分の一で行い、DEG及び224.8℃以上(1.013バール)の沸点を有する有機生成物の排出を、部5の下方の塔底を介して行い、255℃を上回る(1.013バール)沸点を有する有機生成物の排出を、部3、4の下方の塔底を介して行い、224.8℃以下(1.013バール)の沸点を有する有機生成物の排出を塔頂を介して行い、かつADGの排出を、上方の共通の塔領域(1)及び(2)の中央部(側方抜出部)から行う、請求項1から17までのいずれか1項記載の方法。
【請求項32】
部5の下方で塔底を介して分離した生成物を、DEGとアンモニアとの反応に返送する、請求項31記載の方法。
【請求項33】
隔壁塔K60が30〜100の範囲内の理論分離段を有し、かつ0.005〜1バールの範囲内の圧力で運転する、請求項29から32までのいずれか1項記載の方法。
【請求項34】
隔壁(T)により分割された、部分領域3、4及び5ないし2、3、4及び5又はそのそれぞれの部分からなる塔(TK)の部分領域に、規則充填物、不規則充填物及び/又はトレイが備えられており、かつ隔壁が前記部分領域において断熱的に構成されている、請求項29から33までのいずれか1項記載の方法。
【請求項35】
塔頂を介して分離された有機生成物を、DEGとアンモニアとの反応に返送する、請求項29から34までのいずれか1項記載の方法。
【請求項36】
モルホリン(MO)、モノアミノジグリコール(ADG)、アンモニア、水、N−エチル−モルホリン(E−MO)、1,2−エチレンジアミン(EDA)及び224.8℃を上回る(1.013バール)沸点を有する有機生成物を含有する混合物を分離するための、請求項1から35までのいずれか1項記載の方法。
【請求項37】
モルホリン(MO)、モノアミノジグリコール(ADG)、アンモニア及び水を含有する混合物が、担体としての二酸化ジルコニウム上のCu、Ni及びCoを含有する不均一触媒の存在下での、又は、担体としての酸化アルミニウム上のCu及びNiを含有する不均一触媒の存在下での、ジエチレングリコール(DEG)とアンモニアとの反応により得られたものである、請求項1から36までのいずれか1項記載の方法。
【請求項38】
蒸留による分離に使用される混合物の合成から生じる蒸気の熱及び/又は反応熱を、塔K20、K30、K40、K50、K55及び/又はK60の蒸発器に集積することにより利用する、請求項1から37までのいずれか1項記載の方法。
【請求項39】
99.5質量%以上の純度、0.20質量%以下のN−エチルモルホリン(E−MO)含分、0.30質量%以下の1,2−エチレンジアミン(EDA)含分、0.50質量%未満の2−メトキシ−エタノール含分及び0.05質量%以下の水含分を有するモルホリン(MO)を製造するための、請求項1から38までのいずれか1項記載の方法。
【請求項40】
10以下のAPHA色数及び15mg/L以下の塩化物含分を有するモルホリン(MO)を製造するための、請求項1から39までのいずれか1項記載の方法。
【請求項41】
98.00質量%以上の純度、0.40質量%以下のDEG含分、0.20質量%以下の水含分及び20以下のAPHA色数を有するモノアミノジグリコール(ADG)を製造するための、請求項22から40までのいずれか1項記載の方法。
【請求項42】
98.50質量%以上の純度、0.30質量%以下の水含分及び50以下のAPHA色数を有するN−エチルモルホリン(E−MO)を製造するための、請求項17から41までのいずれか1項記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−504937(P2010−504937A)
【公表日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−529648(P2009−529648)
【出願日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【国際出願番号】PCT/EP2007/059556
【国際公開番号】WO2008/037589
【国際公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】