説明

モルホロジー補正印刷

【課題】非平坦な基体表面上に液滴を付着させるときの液滴配置誤差を減少させる。
【解決手段】基体の表面プロファイルを、液滴吐出装置の複数のノズルが配列する方向と平行な方向に沿って該基体を測る変位計測器のアレイを用いて、前記基体と前記液滴吐出装置との相対移動の方向に対して垂直な方向であって前記ノズルが配列する方向に沿った複数の位置で同時に、測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被印刷物のモルホロジーに対して補正される印刷に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット印刷において、インクは、狭いオリフィスから基体の方向に吐出される。ドロップオンデマンド方式印刷として知られている1つのタイプのインクジェット印刷において、インクは、一連の液滴として吐出される。これらの液滴は、多数のオリフィスを持つ圧電式インクジェットヘッド(ノズルとも称される)を用いて、生成され、制御される。各オリフィスは、画像の所望の位置、すなわちピクセルでインクを選択的に吐出するように別々に制御可能である。例えば、インクジェットヘッドは、1インチ当たり少なくとも100ピクセル(ドット)(dpi)、ときにはそれよりずっと高い印刷解像度の間隔があけられた256のオリフィスを有する。この緻密なオリフィスのアレイによって、複雑で高精度の画像を作成できる。高性能のプリントヘッドにおいて、ノズル開口部は一般に、50マイクロメートル以下(例えば、25マイクロメートル辺り)の直径を有し、20〜300ノズル/インチ(2.54cm)のピッチで隔てられており、100から3000dpi以上の解像度を有し、約2から50ナノグラム(pl)以下の液滴サイズを有する。液滴吐出周波数は一般に10kHz以上である。ドロップオンデマンド方式の圧電式プリントヘッドが、ここに内容の全てを引用する特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第4825227号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概して、第1の態様において、本発明は、基体の表面プロファイルを測定し、その表面プロファイルに基づいて、液滴吐出装置への発射指示を生成し、その指示にしたがって液滴吐出装置により基体上に液滴を付着させる各工程を有してなる方法を特徴とする。
【0005】
この方法の実施の形態は、以下の特徴および/または他の態様の特徴を1つ以上含んで差し支えない。表面プロファイルは、光学的に測定することができる。表面プロファイルの光学的測定は、基体と変位計測器(displacement meter)のアレイとを相対移動させながら、複数の位置で、基体と計測器との間の距離をモニタする工程を含んで差し支えない。発射指示は、表面プロファイルにおける変動を考慮することができる。例えば、発射指示は、表面プロファイルにおける変動を考慮するために、液滴の飛行時間変動を補正することができる。ある実施の形態において、発射指示は、基体と液滴吐出装置との間のミスアライメントを考慮する。表面プロファイルの測定は、基体とプロファイリング装置とを相対移動させる工程を含んで差し支えない。液滴の付着は、基体と液滴吐出装置とを相対移動させる工程を含んで差し支えない。相対移動の速度は、約1m/s以上であり得る。この方法はさらに、一連の基体を提供し、各基体のプロファイルを連続的に測定し、各基体に液滴を付着させる各工程を含んで差し支えない。基体に付着した液滴の解像度は、約100dpi以上(例えば、200spi、300spi、600spi以上)であり得る。基体は、その表面上の2点間で約0.1mm以上(例えば、約0.2mm、0.3mm、0.5mm、1mm以上)の隔離変動を有する。基体は、焼いた品などの食品であり得る。液滴吐出装置は、ドロップオンデマンド方式の圧電式プリントヘッドであり得る。
【0006】
概して、別の態様において、本発明は、基体の液滴を付着させるための装置であって、液滴吐出装置、表面プロファイラ、および表面プロファイラと液滴吐出装置と連絡した電子プロセッサを備え、表面プロファイラが基体の表面プロファイルを測定し、電子プロセッサが表面プロファイルに基づいて液滴吐出装置への発射指示を生成するものである装置を特徴とする。
【0007】
この装置の実施の形態は、以下の特徴および/または他の態様の特徴を1つ以上含んで差し支えない。この装置は、表面プロファイラおよび液滴吐出装置に対して基体を走査するように構成された基体コンベヤをさらに備えても差し支えない。電子プロセッサは、基体と液滴吐出装置との相対移動に基づいて発射指示を生成することができ、したがって、発射指示または基体の移動が、表面プロファイルの変動に応じて変えられる。液滴吐出装置は、インクジェットプリントヘッド(例えば、ドロップオンデマンド方式の圧電式プリントヘッド)であって差し支えない。インクジェットプリントヘッドは、少なくとも約100dpiの解像度を有することができる。表面プロファイラは、光学式表面プロファイラであって差し支えない。例えば、表面プロファイラは、レーザ変位計測器のアレイ(例えば、計測器から基体までの距離を測定するように構成された計測器のアレイ)または走査レーザプロファイル計測器を含んで差し支えない。
【0008】
本発明の実施の形態は、以下の特徴および/または他の態様の特徴を1つ以上含んで差し支えない。非平坦な基体表面上に液滴を付着させるときの液滴配置誤差を減少させることができる。基体が非平坦な高処理能力用途において液滴配置誤差を減少させることができる。プリントヘッドに対する基体のミスアライメントによる誤差を減少させることができる。市販の構成要素を使用して実施できる。
【0009】
本発明の1つ以上の実施の形態の詳細が、添付の図面および以下の説明に述べられている。本発明の他の特徴、目的、および利点は、その説明と図面、および特許請求の範囲から明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は非平坦な基体に印刷するときの飛行時間の差の影響を示す概略図である。
【図2A】図2Aは非平坦な基体上に液滴を付着させるための液滴吐出装置の一部の概略図であって、進行方向に沿って装置を示す図である。
【図2B】図2Bは非平坦な基体上に液滴を付着させるための液滴吐出装置の一部の概略図であって、横向き方向で装置の一部を示す図である。
【図3】図3は非平坦な基体に液滴を付着させるプロセスを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
様々な図面における同じ参照記号は、同じ要素を示す。
【0012】
ある態様において、本発明は、非平坦な表面(例えば、不規則な表面および/または滑らかに湾曲した表面)上への液滴の付着(例えば、インクジェット印刷)に関する。
【0013】
図1を参照すると、インクジェットプリントヘッドなどの液滴吐出装置110が、液滴111を、食品(例えば、クッキーなどの焼いた品)、または食品包装などの不規則な基体101上に付着させている。動作中、装置110が基体101に向かって液滴を吐出しながら、基体は装置と相対的に(矢印130により示される方向に)動く。典型的な実施の形態において、複数の基体が印刷ステーションに連続して向けられ、各基体は、無作為に変化する異なるモルホロジーを有していてよい。基体と装置との間の実際の隔離距離は、公称の基体位置(線120により示される)と液滴吐出装置110との間の公称の隔離距離Dに対して変動する。
【0014】
基体が十分に平らであり、隔離距離がDから実質的に離れない場合、液滴の飛行時間TOFは、
【数1】

【0015】
により与えられ、ここで、νdは液滴速度である。液滴が定間隔τで吐出される場合、基体上で隣接する液滴の間の距離χは、
【数2】

【0016】
により与えられ、ここで、νsは、基体と液滴吐出装置との間の相対速度である。
【0017】
基体が非平坦な場合、実際の飛行時間t実際は、
【数3】

【0018】
により与えられ、ここで、Δdは、基体と公称の基体位置120との間の差である。補正されない場合、基体の不規則から生じる飛行時間の変動により、
【数4】

【0019】
により与えられる量Δχだけ液滴配置に誤差が生じ、ここで、Δt=t実際−TOFである。しかしながら、この実施の形態において、液滴吐出間のタイミングは、基体の不規則から生じる飛行時間の変動を調整するように量−Δtだけ調節され、飛行時間の変動に関連する液滴配置の誤差を減少させる(例えば、なくす)。
【0020】
液滴吐出間のタイミングは、表面プロファイルまたは基体のモルホロジーに基づいて調節される。ある実施の形態において、基体の表面プロファイルは、光学的に得られる。図2Aおよび2Bを参照すると、液滴付着システム200がレーザ変位計測器のアレイ210を備えている。この実施の形態において、アレイ210は、基体201の異なる部分までの距離を測定する、8個のレーザ変位計測器211〜218を含む。コンベヤ240は、アレイ210の下で基体201を走査する。このアレイは、基体と液滴吐出装置220との相対移動の方向に対して垂直に(以後、「横向き(cross-web)」方向と称する)基体201に亘る。図2Aにおいて、液滴吐出装置220が、アレイ210の下で先に走査された別の基体211上に液滴215を付着させているのが示されている。液滴吐出装置220は、横向き方向に延在する複数のノズル(図示せず)を含む。ある実施の形態において、ノズル密度、および対応して付着される液滴解像度は、比較的高くあり得る。例えば、ある用途(例えば、インクジェット印刷)において、解像度は、300dpi以上などの、1インチ辺り約100ドット(dpi)以上であり得る。基体と液滴吐出装置220との相対移動の方向(以後、「進行(process)」方向と称する)に付着した液滴解像度は、システムの吐出周波数に依存する。進行方向解像度も比較的高く(例えば、約100dpi、300dpi、600dpi以上)あり得る。多くの用途において、進行方向解像度は、横向き方向解像度と同じである。
【0021】
基体201がアレイ210の下を移動するにつれ、各変位計測器が、計測器と基体との間の変位を測定する。これらの測定を行うために、各変位計測器は、レーザビームを基体201の表面に向ける。各ビームは、表面の異なる部分から反射し、各反射ビームは、それぞれの変位計測器における受光要素(例えば、電荷結合素子または位置敏感検出器)により検出される。受光要素上の反射光の位置に基づいて、各変位計測器は、出ていく反射レーザビームから基体表面の位置を三角測量し、計測器に対する基体表面の変位の値を提供する。変位計測器は、基体201がその下を移動するにつれ、多数の変位測定を行う。測定された変位は、液滴吐出装置220と基体との間の変動する隔離距離に対応する。それゆえ、アレイ210の下で基体201を走査することにより、基体全体の表面プロファイルが提供される。
【0022】
図3を参照すると、表面プロファイルは電子プロセッサ230(例えば、コンピュータ)により受信され、このプロセッサが表面プロファイルに基づいて液滴吐出装置220への発射指示を生成する。発射指示は、液滴吐出装置220のノズルに、各液滴吐出サイクルを作動させるように伝える。液滴吐出サイクルは、エンコーダ(図示せず)からの信号により制御され、このエンコーダは、基体と液滴吐出装置の相対位置をモニタし、進行方向解像度に対応する所定の変位後に液滴吐出を始動させる。プロセッサ230は、クライアントから受信したジョブデータに基づいて、発射指示を生成する。例えば、印刷用途においては、ジョブデータは画像に相当する。そのような用途において、クライアントは、典型的に、コンピュータであり、ジョブデータは、デスクトップ・パブリッシング・プログラムの出力である。ラスタ・イメージ・プロセッシング(RIP−ing)において、プロセッサ230は、ジョブデータと表面プロファイルに基づいて、吐出装置220への発射指示を生成する。発射指示は、どのノズルに各吐出サイクルを始動させるかについての情報、また液滴の飛行時間の変動を補正するためにエンコーダ信号に対して各ノズルの始動の相対的なタイミングのずれ(すなわち、Δt)についての情報を含む。
【0023】
ある実施の形態において、基体の処理能力が高い。例えば、νsは、約1m/s以上(例えば、約3m/s、5m/s、8m/s、10m/s以上)であり得る。さらに、多くの用途において、νdは、約3m/sから約8m/sである。これらの速度では、液滴変位誤差は、隔離変動1mm当たり約0.125から3.33mmに及び得る。したがって、高解像度用途(例えば、300dpi以上などの約100dpiより高い)において、補正されない場合、1mmの数分の一の隔離変動(例えば、0.1mm)で、ピクセルピッチに匹敵する液滴配置誤差が生じ得る。この範囲の液滴速度について飛行時間の変動を補正するために、Δtは、隔離変動の1mm当たり、約1.25×10-2から3.33×10-2秒である。実施の形態において、基体は、横向き方向で、約3インチ(約7.5cm)以上の幅(例えば、5から10インチ(約12.5から25cm)以上の幅)である。
【0024】
適切な変位計測器は、キーエンス社(Keyence Corp.)(ニュージャージー州、ウッドクリフレイク)からのLCシリーズ超高精度変位計測器(Ultra-high Accuracy Displacement Meters)である。この変位計測器では、赤色ダイオードレーザ(670nm)を使用する。このレーザは、約20マイクロメートル以下のスポットサイズに集束させることができる。この計測器は、50kHzのサンプリング周波数で動作する。アレイ210は、上述した実施の形態において8個の変位計測器を有しているが、一般に、いくつの変位計測器を用いても差し支えない。変位計測器の数は、アレイ210が基体に亘り、基体の表面変動を十分に補正するのに横方向の表面プロファイルに関して十分な解像度を提供するように選択できる。ある実施の形態において、変位計測器の数は、液滴吐出装置220におけるノズルの数と同じであって差し支えない。しかしながら、より一般的には、飛行時間の変動は、横方向の液滴解像度よりも低い解像度の表面プロファイルを用いて適切に補正できる。例えば、表面プロファイル解像度は、液滴解像度の約10%以下(例えば、5%、2%、1%、0.5%、0.1%以下)であって差し支えない。各ノズルについて補正を行うために、プロセッサ230は、表面プロファイルデータを補間して、液滴吐出装置と同じ解像度を持つ調節された表面プロファイルを提供することができる。例えば、プロセッサは、隣接する変位計測器からの表面プロファイルデータを線形に補間しても、または他の関数(例えば、高次の幾何学関数)を用いてこのデータを補間しても差し支えない。
【0025】
アレイ210の最大横方向解像度は変位計測器の数に対応するが、アレイ210は、より低い解像度で動作させても差し支えない。例えば、表面プロファイルの変動の平均長さ規模が、横方向の解像度よりも著しく大きい(例えば、2倍大きい)場合、それから発射指示に対する適切な補正を行える表面プロファイルを提供するために、基体上のより少ない位置しかモニタする必要がない。
【0026】
アレイ210は、進行方向に対してずれて配置された変位計測器の列を含んでも差し支えない。例えば、解像度が変位計測器の物理的幅により制限される場合、2列以上の計測器をずらして(それぞれ、横方向に関して互いからずれている)、全体的に増加したアレイ解像度を提供できる。
【0027】
表面プロファイルの進行方向解像度は、変位計測器のサンプリングレートおよび基体の速度に関連する。この解像度は、横方向の解像度と同じであっても異なっていても差し支えなく、進行方向の液滴解像度と同じであっても異なっていても差し支えない。
【0028】
適切な液滴吐出装置は、スペクトラ社(Spectra, Inc.)(ニューハンプシャー州、ハノーバー)から市販されているGalaxyまたはNovaシリーズのプリントヘッドなどのインクジェットプリントヘッドである。プリントヘッドの追加の例が、ここにその内容全てを両方とも引用する、2003年7月3日に出願された、「プリントヘッド」と題する米国特許出願公開第2004−0004649号、および2003年10月10日に出願された、「薄膜を備えたプリントヘッド」と題する米国仮特許出願第60/510459号の各明細書に記載されている。ある実施の形態において、液滴吐出装置220は、プリントヘッドのアレイを含む。
【0029】
上述した実施の形態では、表面プロファイルを作成するためにレーザ変位計測器を用いているが、他のプロファイル作成装置を使用しても差し支えない。例えば、走査レーザ検査システムを用いて、基体表面が液滴吐出装置の下を通過する前に、横方向にその表面を走査しても差し支えない。市販のレーザ検査システムの例としては、ShapeGrabber(登録商標)AIシリーズの自動化検査システム(カナダ国、オタワ所在の「ShapeGrabber」社)が挙げられる。走査検査システムの別の例は、コニカ・ミノルタ社(ニュージャージー州、ラムジー所在のミノルタUSA)から入手できるVIVIDシリーズのスキャナである。検査システムの走査周波数は、所望の表面プロファイル解像度を提供するのに、基体速度に対して十分に速いべきである。あるいは、プロファイル測定をオンラインで行い、プロファイル測定に適応するためにプロセシングを設定しても差し支えない。実施の形態において、例示の基体のプロファイルまたは基体の一部からの平均プロファイルを決定し、発射指示を生成するために使用しても差し支えない。
【0030】
さらに、上述した実施の形態では、吐出パルスタイミングを調節することによって液滴配置誤差を減少させているが、他の補正モードを用いても差し支えない。例えば、表面変動に適応するように液滴速度を調節するために、表面プロファイル情報を用いても差し支えない。ほとんどの圧電式インクジェットプリントヘッドにおいて、例えば、液滴速度は、圧電式アクチュエータに印加される吐出パルスの電圧に応じて変わる(例えば、電圧が高いほど、速度が速くなる)。したがって、隔離距離が基体プロファイルのために増加する場合、吐出パルス電圧をより大きくすることにより、液滴の飛行時間を実質的に一定にするのに十分な量だけ液滴速度を増加させることができる。
【0031】
あるいは、もしくはそれに加えて、横方向の基体の変動が進行方向の変動と比較して無視できるほどの場合、不規則な基体表面に適応するために、隔離距離を変動させても差し支えない。例えば、液滴吐出装置および/または基体を搬送するコンベヤは、動作中にそれらの相対位置を変動させるアクチュエータ上に取り付けることもできる。このようにして、基体の表面プロファイルの変動にもかかわらず、飛行時間が一定に維持される。
【0032】
ある実施の形態において、基体は、固体食品および発泡体などの食用品目を含んで差し支えない。食用基体への印刷の例が、ここにその内容の全てを引用により含む、2004年1月20日に出願された、「食用基体への印刷」と題する米国特許出願第10/761008号明細書に記載されている。不規則な基体の他の例としては、食品包装(例えば、ボトル、缶、および不規則な食品の箱)、家庭用家電製品、おもちゃ(例えば、人形)、およびアパレルなどの包装製品が挙げられる。
【0033】
液滴付着は、非インク印刷用途を含む。例えば、上述した実施の形態は、マイクロ電子機器における流体の精密な供給(例えば、はんだ)およびフラットパネルディスプレイの製造(例えば、有機発光ダイオード材料やカラーフィルタ材料)などの様々な製造プロセスに適用できる。
【0034】
表面の不規則性以外に他の表面不整合に関連する付着誤差を減少させるために、表面プロファイル情報を用いても差し支えない。例えば、液滴吐出装置に関する基体の無機の変動を補正するために、基体プロファイルを用いても差し支えない。この例は、矩形の基体上に矩形の画像を印刷することがある。上述した装置を用いて、基体のプリントヘッドに関するミスアライメントを表面プロファイルから検出する。したがって、プリントジョブデータは、ミスアライメントを補正するようにラスタ・イメージ処理され、画像は、基体に対して向きが補正されて印刷される。
【0035】
本発明の実施の形態をいくつか説明してきた。しかしながら、本発明の精神および範囲から逸脱せずに様々な改変を行ってもよいことが理解されよう。したがって、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0036】
101,201 基体
110,220 液滴吐出装置
111 液滴
130 矢印
210 変位計測器のアレイ
230 電子プロセッサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体の表面プロファイルを、液滴吐出装置の複数のノズルが配列する方向と平行な方向に沿って該基体を測る変位計測器のアレイを用いて、前記基体と前記液滴吐出装置との相対移動の方向に対して垂直な方向であって前記ノズルが配列する方向に沿った複数の位置で同時に、測定し、
前記表面プロファイルに基づいて、液滴吐出装置への発射指示を生成し、
前記指示にしたがって前記液滴吐出装置により前記基体上に液滴を付着させる、
各工程を有してなる方法。
【請求項2】
前記表面プロファイルを光学的に測定することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記表面プロファイルを光学的に測定する工程が、前記基体と前記変位計測器のアレイとを相対移動させながら、前記複数の位置で該基体と該計測器との間の距離をモニタする各工程を含むことを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記発射指示が、前記表面プロファイルにおける変動を考慮するように前記液滴の飛行時間の変動を補正することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記表面プロファイルを測定する工程が、前記基体と前記変位計測器のアレイとを相対移動させる工程を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記液滴を付着させる工程が、前記基体と前記液滴吐出装置とを相対移動させる工程を含むことを特徴とする請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記基体と前記液滴射出装置との間の前記相対移動の速度が約1m/s以上であることを特徴とする請求項6記載の方法。
【請求項8】
一連の基体を提供し、各基体のプロファイルを連続的に測定し、各基体上に液滴を付着させる各工程をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記基体に付着した液滴の解像度が約100dpi以上であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記基体が、その表面の2点間で約0.1mm以上の隔離変動を有することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記基体が食品であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記食品が焼いた品であることを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記液滴吐出装置がドロップオンデマンド方式の圧電式プリントヘッドであることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項14】
基体に液滴を付着させるための装置であって、
所定の方向に配列する複数のノズルを有する液滴吐出装置、
前記ノズルが配列する方向と平行な方向に測る変位計測器のアレイを有する表面プロファイラ、および
前記表面プロファイラと前記液滴吐出装置と連絡した電子プロセッサ、
を備え、
前記表面プロファイラが、前記基体の表面プロファイルを、前記基体と前記液滴吐出装置との相対移動の方向に対して垂直な方向であって前記ノズルが配列する方向に沿った複数の位置で同時に測定し、
前記電子プロセッサが前記表面プロファイルに基づいて前記液滴吐出装置への発射指示を生成するものであることを特徴とする装置。
【請求項15】
前記表面プロファイラおよび前記液滴吐出装置に対して前記基体を走査するように構成された基体コンベヤをさらに備えていることを特徴とする請求項14記載の装置。
【請求項16】
前記電子プロセッサが、前記基体と前記液滴吐出装置との相対移動に基づいて発射指示を生成し、したがって、前記発射指示または前記基体の移動が、前記表面プロファイルの変動に応じて変えられることを特徴とする請求項14記載の装置。
【請求項17】
前記液滴吐出装置がインクジェットプリントヘッドであることを特徴とする請求項14記載の装置。
【請求項18】
前記インクジェットプリントヘッドの解像度が少なくとも約100dpiであることを特徴とする請求項17記載の装置。
【請求項19】
前記表面プロファイラが光学的表面プロファイラであることを特徴とする請求項14記載の装置。
【請求項20】
前記光学的表面プロファイラが計測器のアレイを含み、該計測器のアレイが、該計測器から前記基体までの距離を測定するものであることを特徴とする請求項19記載の装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−96229(P2012−96229A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−253936(P2011−253936)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【分割の表示】特願2007−502034(P2007−502034)の分割
【原出願日】平成17年3月2日(2005.3.2)
【出願人】(502122794)フジフィルム ディマティックス, インコーポレイテッド (73)
【Fターム(参考)】