説明

モータ、ディスク駆動装置、およびモータの製造方法

【課題】モータの取付板と回路基板とを、かしめを利用して固定する場合において、回路基板上のグラウンドパターンとかしめ部との間の接触電気抵抗を低減し、両者を安定的に導通させる技術を提供する。
【解決手段】取付板4Aは、第1貫通孔61Aと略同軸に配置された第2貫通孔62Aと、第2貫通孔62Aの周縁部から上方へ延びて、第1貫通孔61Aに挿入される筒状部41Aと、筒状部41Aの上部から外側へ広がり、グラウンドパターン51Aに接触するかしめ部42Aと、を有する。かしめ部42Aは、回路基板5Aの第1貫通孔61Aの周縁部においてグラウンドパターン51Aに第1貫通孔61Aから離れるに従って高さが上がるように傾斜した接触面で接触する内側接触部421Aと、内側接触部421Aの外側において、グラウンドパターン51Aに中心軸に略直交する方向に広がる接触面で接触する外側接触部422Aと、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ、ディスク駆動装置、およびモータの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光ディスクドライブ等のディスク駆動装置には、ディスクを回転させるためのブラシレスモータが搭載されている。ブラシレスモータは、コイルに駆動電流を供給するための回路基板を、有している。回路基板は、通常、ディスク駆動装置にモータを取り付けるための取付板の上面に、固定される。回路基板を有する従来のブラシレスモータについては、例えば、特開2002−262540号公報に記載されている。当該公報では、取付ベース部の上面に、プリント基板が、両面テープで固定されている(段落0043,図1等)。
【特許文献1】特開平7−75315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
取付板と回路基板との固定に両面テープを用いると、取付板に両面テープを貼り付ける工程、両面テープの剥離紙を剥がす工程、両面テープの上面に回路基板を貼り付ける工程などの、自動化しにくい複数の工程が生じる。また、取付板、両面テープ、および回路基板を、相互に精密に位置決めする必要がある。当該位置決めにも、作業者の労力と時間とが費やされる。このため、両面テープ以外の手段で、取付板と回路基板とを容易に固定できる技術が、求められている。
【0004】
両面テープに代わる固定方法として、例えば、取付板自体をかしめて、当該かしめ部と、取付板の上面との間に、回路基板を挟んで固定する方法が提案されている。具体的な手順としては、まず、取付板の上面に、バーリング加工で上方へ突出した筒状部を形成する。次に、当該筒状部を、回路基板に設けられた貫通孔に、挿入する。そして、回路基板の上面側に突出した筒状部の上端部を、外側へ塑性変形させて、かしめ部を形成する。このような固定方法を採用すれば、取付板と回路基板とを固定する工程を、短縮できる。
【0005】
一方、従来、取付板として金属板を用い、回路基板上のグラウンドパターンと取付板とを導通させて、基準電位をとる場合がある。しかしながら、グラウンドパターンと取付板とを導通させるために、ねじ等の他部材を使用すると、部品点数や工数が増加する。そこで、本願出願人は、上記のかしめ部を、回路基板上のグラウンドパターンに接触させて、グラウンドパターンと取付板とを導通させることを試みた。
【0006】
グラウンドパターンとかしめ部とを安定して導通させるためには、グラウンドパターンとかしめ部とを、広い面積かつ高い圧力で接触させて、両者の間の接触電気抵抗を低減させることが、好ましい。しかしながら、長期の使用による温度変化にも耐え得るように、グラウンドパターンとかしめ部との間の接触電気抵抗を低減させることは、容易ではなかった。
【0007】
本発明の目的は、モータの取付板と回路基板とを、かしめを利用して固定する場合において、回路基板上のグラウンドパターンとかしめ部との間の接触電気抵抗を低減し、両者を安定的に導通させる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願の例示的な第1発明は、上下に延びる中心軸に略直交する方向に広がる金属製の取付板と、前記取付板に固定された静止部と、前記静止部に回転可能に支持される回転部と、前記取付板の上面側に配置された回路基板と、を備え、前記回路基板は、第1貫通孔と、前記第1貫通孔の周囲の上面に設けられたグラウンドパターンと、を有し、前記取付板は、前記第1貫通孔と略同軸に配置された第2貫通孔と、前記第2貫通孔の周縁部から上方へ延びて、前記第1貫通孔に挿入される筒状部と、前記筒状部の上部から外側へ広がり、前記グラウンドパターンまたは前記グラウンドパターン上の半田に接触するかしめ部と、を有し、前記かしめ部は、前記回路基板の前記第1貫通孔の周縁部において、前記グラウンドパターンまたは前記半田に、前記第1貫通孔から離れるに従って高さが上がるように傾斜した接触面で接触する内側接触部と、前記内側接触部の外側において、前記グラウンドパターンまたは前記半田に、前記中心軸に略直交する方向に広がる接触面で接触する外側接触部と、を有するモータである。
【0009】
本願の例示的な第2発明は、上下に延びる中心軸に略直交する方向に広がる金属製の取付板と、前記取付板に固定される静止部と、前記静止部に回転可能に支持される回転部と、前記取付板の上面側に配置される回路基板と、を有するモータの製造方法において、a)前記回路基板に設けられた第1貫通孔に、前記取付板の上面から上方へ突出する筒状部を挿入する工程と、b)前記筒状部の上方から治具を打ち落とし、前記治具の下端部に放射状に設けられた第1押圧面で、前記筒状部を外側へ押し広げる工程と、c)平面視において前記第1押圧面の間に配置された複数の第2押圧面で、前記筒状部を下方へ押圧する工程と、を備え、前記工程b)および前記工程c)により、前記筒状部の上部にかしめ部を形成するとともに、前記かしめ部を、前記第1貫通孔の周囲の上面に設けられたグラウンドパターンまたは前記グラウンドパターン上の半田に、接触させる製造方法である。
【発明の効果】
【0010】
本願の例示的な第1発明によれば、内側接触部と外側接触部とが、グラウンドパターンまたは半田に接触している。これにより、グラウンドパターンとかしめ部との間の接触電気抵抗を低減し、両者を安定的に導通させることができる。
【0011】
本願の例示的な第2発明によれば、第2押圧面の最内周部より外側まで延びる第1押圧面で、筒状部の上端部を押し広げた後、第2押圧面により筒状部を押し潰す。これにより、かしめ部とグラウンドパターンまたは半田とを、広い面積かつ高い圧力で、接触させることができる。その結果、グラウンドパターンとかしめ部との間の接触電気抵抗を低減し、両者を安定的に導通させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、モータの縦断面図である。
【図2】図2は、ディスク駆動装置の縦断面図である。
【図3】図3は、ブラシレスモータの縦断面図である。
【図4】図4は、かしめ部の付近の上面図である。
【図5】図5は、図4中のA−A位置から見た縦断面図である。
【図6】図6は、図4中のB−B位置から見た縦断面図である。
【図7】図7は、図4中のC−C位置から見た縦断面図である。
【図8】図8は、取付板と回路基板との固定手順を示したフローチャートである。
【図9】図9は、かしめ前の取付板、回路基板、および治具を示す図である。
【図10】図10は、かしめ用の治具の下面図である。
【図11】図11は、第1押圧面によるかしめの様子を示す図である。
【図12】図12は、第2押圧面によるかしめの様子を示す図である。
【図13】図13は、かしめ部の付近の上面図である。
【図14】図14は、図13中のD−D位置から見た縦断面図である。
【図15】図15は、かしめ部の付近の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下では、モータの中心軸に沿う方向を上下方向とし、取付板に対して回路基板側を上として、各部の形状や位置関係を説明する。ただし、これは、あくまで説明の便宜のために上下方向を定義したものであって、本発明に係るモータおよびディスク駆動装置の使用時の向きを限定するものではない。
【0014】
<1.一実施形態に係るモータ>
図1は、本発明の一実施形態に係るモータ13Aの縦断面図である。図1に示すように、モータ13Aは、静止部2A、回転部3A、取付板4A、および回路基板5Aを備えている。
【0015】
静止部2Aは、取付板4Aに固定されている。回転部3Aは、静止部2Aに回転可能に支持されている。取付板4Aは、中心軸9Aに略直交する方向に広がる金属製の板材である。回路基板5Aは、取付板4Aの上面側に配置されている。回路基板5Aは、第1貫通孔61Aおよびグラウンドパターン51Aを、有している。グラウンドパターン51Aは、第1貫通孔61Aの周囲における回路基板5Aの上面に、設けられている。
【0016】
取付板4Aは、第2貫通孔62A、筒状部41A、およびかしめ部42Aを、有している。第2貫通孔62Aは、第1貫通孔61Aと略同軸に配置されている。筒状部41Aは、第2貫通孔62Aの周縁部から、取付板4Aの上方へ向けて、延びている。また、筒状部41Aは、回路基板5Aの第1貫通孔61Aに、挿入されている。かしめ部42Aは、筒状部41Aの上部から外側へ広がっている。そして、回路基板5A上のグラウンドパターン51Aに、かしめ部42Aが接触している。
【0017】
図1に示すように、かしめ部42Aは、内側接触部421Aと、外側接触部422Aとを、有している。内側接触部421Aは、第1貫通孔61Aの周縁部において、グラウンドパターン51Aに接触している。内側接触部421Aとグラウンドパターン51Aとの接触面は、第1貫通孔61Aから離れるに従って高さが上がるように、傾斜している。外側接触部422Aは、内側接触部421Aの外側において、グラウンドパターン51Aに接触している。外側接触部422Aとグラウンドパターン51Aとの接触面は、中心軸9Aに略直交する方向に広がっている。
【0018】
本実施形態では、このような内側接触部421Aと外側接触部422Aとが、グラウンドパターン51Aに接触している。これにより、グラウンドパターン51Aとかしめ部42Aとの間の接触電気抵抗が低減され、グラウンドパターン51Aとかしめ部42Aとが、安定的に導通している。
【0019】
なお、かしめ部42Aとグラウンドパターン51Aとの間に、半田が介在していてもよい。すなわち、グラウンドパターン51Aの上面に半田が設けられ、当該半田に対して、内側接触部421Aと外側接触部422Aとが、上記と同様の向きに接触していてもよい。
【0020】
上記のモータ13Aの製造過程には、取付板4Aに回路基板5Aを固定する工程が、含まれる。当該工程においては、まず、回路基板5Aの第1貫通孔61Aに、取付板4Aの筒状部41Aを挿入する。このとき、筒状部41Aの上部には、まだかしめ部42Aが形成されていない。次に、筒状部41Aの上方から治具を打ち落とす。治具の下端部には、放射状に広がる第1押圧面が設けられている。筒状部41の上端部は、治具の第1押圧面により、外側へ押し広げられる。
【0021】
その後、治具をさらに押し下げ、平面視において第1押圧面の間に配置された、第2押圧面で、筒状部を下方へ押圧する。その結果、筒状部41Aの上部に、かしめ部42Aが形成される。かしめ部42Aは、内側接触部421Aと外側接触部422Aとを有し、第1貫通孔61Aの周囲において、グラウンドパターン51Aまたはグラウンドパターン51A上の半田に、接触する。
【0022】
治具の第1押圧面は、第2押圧面の最内周部より外側、かつ、押圧された後のかしめ部42Aの外周部より外側の位置まで、広がっている。上記の製造工程では、当該第1押圧面で筒状部41Aの上端部を押し広げた後、第2押圧面により筒状部41Aを押し潰す。このようにすれば、かしめ部42Aとグラウンドパターン51Aまたは半田とを、広い面積かつ高い圧力で、接触させることができる。その結果、グラウンドパターン51Aとかしめ部42Aとの間の接触電気抵抗を低減し、両者を安定的に導通させることができる。
【0023】
<2.より具体的な実施形態>
<2−1.ディスク駆動装置の構成>
続いて、本発明のより具体的な実施形態について説明する。
【0024】
図2は、ディスク駆動装置1の縦断面図である。ディスク駆動装置1は、中心軸9を中心として光ディスク90を回転させつつ、光ディスク90に対して、情報の読み出しおよび書き込みを行う装置である。図2に示すように、ディスク駆動装置1は、ハウジング11、ディスクトレイ12、ブラシレスモータ13、およびアクセス部14を備えている。
【0025】
ハウジング11は、ディスクトレイ12、ブラシレスモータ13、およびアクセス部14を内部に収容する筐体である。ディスクトレイ12は、ハウジング11の外部と内部との間でスライド移動し、これにより、光ディスク90を搬入および搬出する。ブラシレスモータ13は、ディスクトレイ12に固定されている。光ディスク90は、ブラシレスモータ13の回転部3に保持され、ブラシレスモータ13により、中心軸9を中心として回転する。
【0026】
アクセス部14は、光ピックアップ機能を備えたヘッド141を有している。アクセス部14は、ブラシレスモータ13により回転する光ディスク90の記録面に沿ってヘッド141を移動させて、情報の読み出しおよび書き込みを行う。なお、アクセス部14のヘッド141は、光ディスク90に対して、情報の読み出しおよび書き込みの一方のみを行うものであってもよい。
【0027】
<2−2.ブラシレスモータの全体構成>
続いて、上記のブラシレスモータ13の構成について説明する。図3は、ブラシレスモータ13の縦断面図である。図3に示すように、本実施形態のブラシレスモータ13は、静止部2、回転部3、取付板4、および回路基板5を、備えている。
【0028】
静止部2は、取付板4に固定され、取付板4および回路基板5に対して、相対的に静止している。静止部2は、軸受ユニット21およびステータユニット22を有する。軸受ユニット21は、取付板4に固定された固定部材211と、略円筒状のスリーブ212と、を有する。スリーブ212は、固定部材211の内周面に、固定されている。回転部3側のシャフト31は、スリーブ212の内側に挿入され、スリーブ212に対して、回転可能に支持される。ステータユニット22は、複数本のティース231を有するステータコア23と、各ティース231に巻かれたコイル24と、を有する。
【0029】
回転部3は、中心軸9を中心として回転する。回転部3は、シャフト31、ターンテーブル32、ロータマグネット33、およびチャッキング部34を有する。シャフト31は、中心軸9に沿って上下に延びる略円柱状の部材である。ターンテーブル32は、シャフト31に固定されてシャフト31とともに回転する部材である。ロータマグネット33は、ステータユニット22の径方向外側に配置された円環状の磁石である。ロータマグネット33の内周面には、N極とS極とが周方向に交互に着磁されている。
【0030】
本実施形態のターンテーブル32は、内側円筒部321、平板部322、および外側円筒部323を有する。内側円筒部321は、シャフト31の上端部に、固定されている。平板部322は、内側円筒部321の下端部から径方向外側へ広がっている。また、外側円筒部323は、平板部322の径方向外側の端縁部から、下方へ向けて延びている。ロータマグネット33は、外側円筒部323の内周面に、固定されている。
【0031】
ターンテーブル32の平板部322の上面には、ゴム製の載置部材35が固定されている。光ディスク90は、その下面を載置部材35の上面に接触させた状態で、ターンテーブル32上に載置される。また、光ディスク90の内周部は、チャッキング部34に保持される。すなわち、本実施形態では、ターンテーブル32、載置部材35、およびチャッキング部34が、光ディスク90を保持する保持部を構成している。
【0032】
静止部2のコイル24に駆動電流を与えると、ステータコア23の複数のティース231に磁束が発生する。そして、ティース231とロータマグネット33との間の磁束の作用により、周方向のトルクが発生する。その結果、静止部2に対して回転部3が、中心軸9を中心として回転する。回転部3に保持された光ディスク90は、回転部3とともに、中心軸9を中心として回転する。
【0033】
取付板4は、中心軸9に直交する方向に広がる板材である。取付板4は、回路基板5より剛性が高く、かつ、後述するグラウンドパターン51と電気的に導通可能な金属からなる。具体的には、取付板4の材料として、亜鉛めっき鋼板、SUS、アルミニウム合金などを使用することができる。本実施形態では、ディスク駆動装置1のディスクトレイ12に、取付板4が固定されている。そして、取付板4に、静止部2および回路基板5が固定されている。
【0034】
回路基板5は、コイル24に駆動電流を供給するための電子配線が実装された基板である。回路基板5は、例えば、ガラスエポキシ樹脂や、紙フェノールからなるものであってもよく、フレキシブルプリント基板(FPC)であってもよい。本実施形態では、回路基板5の上面のみに電子配線が設けられている。そして、取付板4の上面に、回路基板5が直接的に載置されている。ただし、回路基板は、上面および下面の双方に電子配線を有する、いわゆる両面基板であってもよい。両面基板を使用する場合には、下面側の電子配線と取付板との電気的短絡を防止するために、回路基板と取付板との間に、絶縁シートを介在させるとよい。
【0035】
<2−3.取付板と回路基板との固定構造について>
回路基板5は、取付板4に形成されたかしめ部42によって、取付板4に固定されている。図4は、かしめ部42の付近の上面図である。図5は、図4中のA−A位置から見た縦断面図である。図6は、図4中のB−B位置から見た縦断面図である。図7は、図4中のC−C位置から見た縦断面図である。以下では、図3〜図7を参照しつつ、かしめ部42の付近の構造について説明する。
【0036】
回路基板5は、軸方向に貫通する円形の第1貫通孔61を、有している。また、回路基板5の上面には、グラウンドパターン51が形成されている。グラウンドパターン51は、回路基板5上の電子回路の基準電位をとるためのパターンである。グラウンドパターン51は、第1貫通孔61の周縁部分を含む回路基板5の上面の一部分に、配置されている。ただし、回路基板5の下面にも、グラウンドパターン51が配置されていてもよい。
【0037】
また、本実施形態では、図4〜図7に示すように、第1貫通孔61の周囲を取り囲むように、半田52が設けられている。半田52は、グラウンドパターン51の上面に形成され、グラウンドパターン51と接触している。したがって、グラウンドパターン51と半田52とは、電気的に導通している。
【0038】
一方、取付板4は、円形の第2貫通孔62を有している。第2貫通孔62は、平面視において第1貫通孔61と重なる位置において、取付板4を上下に貫通している。第1貫通孔61と第2貫通孔62とは、略同軸に配置されている。また、第2貫通孔62の内径は、第1貫通孔61の内径より小さい。
【0039】
取付板4は、第2貫通孔62の周縁部に、筒状部41とかしめ部42とを、有している。筒状部41は、第2貫通孔62の周縁部から上方へ、略円筒状に延びている。また、筒状部41は、回路基板5の第1貫通孔61の内側に挿入されている。筒状部41は、例えば、バーリング加工により、形成される。かしめ部42は、筒状部41の上部において、外側へ広がっている。後述のように、かしめ部42は、筒状部41の上部を治具80で押圧することにより、形成される。
【0040】
回路基板5は、取付板4の上面とかしめ部42との間に挟まれることにより、取付板4に固定されている。また、図6および図7に示すように、かしめ部42は、グラウンドパターン51および半田52に、接触している。このため、かしめ部42を介して、グラウンドパターン51と取付板4とが、電気的に導通している。その結果、グラウンドパターン51の電位が、基準電位に維持されている。すなわち、かしめ部42は、取付板4に回路基板5を固定する役割と、グラウンドパターン51と取付板4とを電気的に導通させる役割と、の双方を果たしている。
【0041】
図4、図6、および図7に示すように、かしめ部42は、内側接触部421と外側接触部422とを、有している。内側接触部421は、回路基板5の第1貫通孔61の周囲において、グラウンドパターン51および半田52に、接触している。回路基板5の第1貫通孔61の周縁部は、内側接触部421に押圧されることによって、斜めに圧縮されている。この斜めに圧縮された部分に、グラウンドパターン51および半田52の一部分が、配置されている。したがって、内側接触部421と、グラウンドパターン51および半田52との接触面は、第1貫通孔61から離れるに従って高さが上がるように、傾斜している。
【0042】
外側接触部422は、内側接触部421の外側、すなわち、内側接触部421より筒状部41から離れた位置において、半田52に接触している。外側接触部422と半田52との接触面は、中心軸9に略直交する方向に広がっている。このように、本実施形態では、接触面の向きが異なる2つの接触部421,422が、グラウンドパターン51または半田52に、接触している。これにより、グラウンドパターン51とかしめ部42との間の接触電気抵抗が低減され、両者が安定的に導通している。
【0043】
特に、回路基板5の第1貫通孔61の周縁部は、内側接触部421によって、斜めに圧縮されている。この圧縮を回復させようとする回路基板5の弾性力によって、グラウンドパターン51および半田52と内側接触部421との接触圧力が、より高められている。その結果、グラウンドパターン51および半田52と内側接触部421との接触電気抵抗が、より低減されている。長期の使用により、各部材に熱膨張や収縮が生じたとしても、グラウンドパターン51および半田52と内側接触部421との導通は、損なわれにくい。
【0044】
また、本実施形態では、内側接触部421の上面が、中心軸に略直交する方向に広がる平坦面となっている。すなわち、内側接触部421の上面が、平坦に潰されている。これにより、グラウンドパターン51および半田52に対する内側接触部421の接触圧力が、より高められている。その結果、グラウンドパターン51および半田52と内側接触部421との接触電気抵抗が、より低減されている。
【0045】
図4に示すように、本実施形態の外側接触部422は、4つの第1接触部71と、4つの第2接触部72とを、含んでいる。第1接触部71と第2接触部72とは、周方向に交互に配列されている。第1接触部71は、第2接触部72より高い圧力で、半田52に接触している。すなわち、回路基板5に対する第1接触部71および第2接触部72の接触圧力を、それぞれ第1圧力および第2圧力とすると、第1圧力より第2圧力の方が、低くなっている。
【0046】
第1接触部71は、後述する製造工程において、治具80の第2押圧面822に押圧されて、形成された部分である。第2接触部72は、後述する製造工程において、治具80の第1押圧面813に押圧されて、形成された部分である。図5に示すように、第2接触部72の外周面は、側面視において、下方へ向けて凸状に湾曲している。この湾曲形状は、治具80の第1押圧面813の形状に、対応している。
【0047】
本実施形態では、外側接触部422より外側の位置まで、半田52が広がっている。また、図6および図7に示すように、第1接触部71が、半田52の上面より下方へ埋もれた状態で、半田52に接触している。したがって、半田52は、第1接触部71の下面だけではなく、第1接触部71の側面にも、接触している。また、第1接触部71の下面の形状に応じて、半田52が変形しつつ接触している。このため、第1接触部71と半田52とがより密着し、それによって、両者の接触面積が広がっている。その結果、第1接触部71と半田52との接触電気抵抗が、さらに低減されている。
【0048】
第2接触部72は、少なくとも、その内周部付近において、半田52に接触している。第2接触部72も、部分的に半田52に埋もれていてもよい。また、第2接触部72の内周部から外周部までの全体が、半田52に接触していてもよい。
【0049】
また、図4および図5に示すように、本実施形態では、第1接触部71と第2接触部72との境界部が、周方向に分離している。すなわち、第1接触部71と第2接触部72との間に、内側接触部421側へ向けて延びる切れ込みが形成されている。また、第1接触部71および第2接触部72は、径方向外側へ向けて、ほぼ収束することなく広がっている。すなわち、外側接触部422の外周部の周方向の長さが、外側接触部422の内周部の周方向の長さと同等またはそれ以上となっている。したがって、外側接触部422の外周部付近において、外側接触部422と半田52との接触面が、広く確保されている。これにより、外側接触部422と半田52との接触電気抵抗が、さらに低減されている。
【0050】
<2−4.取付板と回路基板との固定手順について>
続いて、上記のブラシレスモータ13の製造工程において、取付板4と回路基板5とを固定する手順について、説明する。図8は、取付板4と回路基板5との固定手順を示したフローチャートである。
【0051】
回路基板5には、予め、第1貫通孔61が設けられている。また、第1貫通孔61の周囲の上面には、グラウンドパターン51と半田52とが、設けられている。回路基板5に、第1貫通孔61、グラウンドパターン51、および半田52を設ける工程は、ブラシレスモータ13の製造者自身が実施してもよく、他者が実施してもよい。
【0052】
また、取付板4には、予め、第2貫通孔62と、第2貫通孔62の周縁部から上方へ延びる筒状部41とが、形成されている。筒状部41は、例えば、バーリング加工により形成される。取付板4に、第2貫通孔62および筒状部41を形成する工程は、ブラシレスモータ13の製造者自身が実施してもよく、他者が実施してもよい。
【0053】
取付板4と回路基板5とを固定するときには、まず、取付板4の上面に、回路基板5を配置する。そして、回路基板5の第1貫通孔61に、取付板4の筒状部41を挿入する(ステップS1)。第1貫通孔61に挿入された筒状部41の上端部は、回路基板5の上面より上方へ突出する。その後、図9に示すように、かしめ用の治具80の下方に、筒状部41を配置する。
【0054】
図10は、かしめ用の治具80の下面図である。図9および図10に示すように、かしめ用の治具80は、第1構成部材81と第2構成部材82とを有している。第1構成部材81は、軸方向に延びる中央部811と、下面視において中央部から放射状に延びる4つの突出部812と、を有している。第1構成部材81の下端部には、下面視において+(プラス)形の第1押圧面813が、設けられている。第1押圧面813は、中央部811の下面が最も低く、周縁部に向かうに従って高くなるように、傾斜している。
【0055】
第1構成部材81は、軸方向に伸縮するばね等の弾性部材83を介して、第2構成部材82に接続されている。したがって、第1構成部材81は、第1押圧面813に掛かる荷重に応じて、軸方向に弾性的に変位する。また、第2構成部材82は、第1構成部材81の4つの突出部812の間に配置された、4つの柱状部821を有している。各柱状部821の下端部には、平坦な第2押圧面822が設けられている。弾性部材83が自然状態のときには、第2押圧面822より第1押圧面813の方が、下方に位置している。
【0056】
かしめ部42を形成するときには、まず、図9中の白抜き矢印のように、筒状部41の上方から治具80を打ち落とす。これにより、治具80の第1押圧面813が、筒状部41の上端部を押圧する。その結果、図11のように、筒状部41の上端部が、外側へ押し広げられる(ステップS2)。
【0057】
ここで、治具80の第1押圧面813は、第2押圧面822の最内周部より外側、かつ、押圧された後のかしめ部42の外周部より外側の位置まで、広がっている。このため、ステップS2では、筒状部41の上端部が、第2押圧面822の最内周部より外側の位置まで、押し広げられる。このようにすれば、次のステップS3の前に、筒状部41の上端部が、第1押圧面813と第2押圧面822との境目に引っ掛かる状態となりにくい。したがって、次のステップS3において、外側へ大きく広がるかしめ部42を、形成することができる。
【0058】
ステップS2において、筒状部41の上端部が十分に押し広げられると、治具80の第1構成部材81の下降量は小さくなる。そして、弾性部材83が軸方向に圧縮され、第1構成部材81に対して第2構成部材82が、相対的に下降する。このような、第1構成部材81と第2構成部材82との相対移動によって、第1押圧面813の押圧の深さが、抑制される。
【0059】
下降した第2構成部材82の第2押圧面822は、筒状部41に当接し、図12のように、筒状部41を下方へ向けて押し潰す(ステップS3)。その結果、筒状部41の上部に、かしめ部42が形成される。かしめ部42は、内側接触部421と外側接触部422とを有し、第1貫通孔61の周囲において、グラウンドパターン51および半田52に接触する。内側接触部421と、グラウンドパターン51および半田52との接触面は、第1貫通孔61から離れるに従って高さが上がるように、傾斜している。また、外側接触部422と半田52との接触面は、中心軸9に略直交する方向に広がっている。
【0060】
特に、ステップS3では、平坦な第2押圧面822で、筒状部41を下方へ押し潰す。これにより、グラウンドパターン51に対するかしめ部42の接触圧力が、より高められる。その結果、グラウンドパターン51とかしめ部42との間の接触電気抵抗が、より低減される。ステップS3における筒状部41の上端部の軸方向の変位量は、ステップS2における筒状部41の上端部の軸方向の変位量より、大きいことが、好ましい。そうすれば、グラウンドパターン51に対するかしめ部42の接触圧力を、さらに高めることができる。
【0061】
なお、ステップS3の後に、別途にかしめ部42とグラウンドパターン51とを半田付けしてもよい。特に、コイル24を回路基板5へ半田付けする作業の際に、併せて、かしめ部42とグラウンドパターン51との半田付けも行えば、作業性がよい。また、ステップS3の後に、半田52を加熱して溶融し、再度硬化させてもよい。このようにすれば、半田52とかしめ部42との間の接触電気抵抗を、さらに低減させることができる。
【0062】
第1押圧面813の外周部の周方向の長さ(図10の例ではd1×4)と、第2押圧面822の外周部の周方向の長さ(図10の例ではd2×4)との大小関係は、かしめ部42に生じるスプリングバックや割れを防止する観点と、第2押圧面822による押圧面積を確保する観点とに基づいて、適切に設定されることが、好ましい。スプリングバックや割れの防止を重視する場合には、例えば、第1押圧面813の外周部の周方向の長さを、第2押圧面の外周部の周方向の長さ以上にするとよい。また、第2押圧面822による押圧面積の確保を重視する場合には、例えば、第1押圧面813の外周部の周方向の長さを、第2押圧面822の外周部の周方向の長さ以下にするとよい。
【0063】
<3.変形例>
以上、本発明の例示的な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
【0064】
例えば、図13のかしめ部42Bのように、第1接触部71Bと第2接触部72Bとの間に、割れが生じていなくてもよい。すなわち、第1接触部71Bと第2接触部72Bとが、周方向に連続していてもよい。図14は、図13中のD−D位置から見た縦断面図である。この例では、第1接触部71Bの外周縁部と、第2接触部72Bの外周縁部との境界部は、第2接触部72B側へ向けて高さが上がるように、傾斜している。
【0065】
また、他の変形例として、1つのかしめ部の中に、第1接触部と第2接触部とが連続する部分と、分離した部分とが、混在していてもよい。また、図15のように、第1接触部71Cの中央や、第2接触部72Cの中央に、割れ73Cが生じていてもよい。
【0066】
回路基板に設けられる第1貫通孔の数は、1つであってもよく、複数であってもよい。また、取付板に設けられる第2貫通孔、筒状部、およびかしめ部の数も、1つであってもよく、複数であってもよい。例えば、回路基板の複数の第1貫通孔のそれぞれに対応するように、取付板に、複数の第2貫通孔、複数の筒状部、および複数のかしめ部が、設けられていてもよい。1つのグラウンドパターンに対して、複数のかしめ部が接触していてもよい。また、複数のかしめ部の中に、グラウンドパターンにも半田にも接触しない、すなわち、導通に関与しないかしめ部が、含まれていてもよい。
【0067】
また、かしめ用の治具の第1押圧面は、上記の実施形態のように、下面視においてプラス形であってもよく、三叉形や五叉形であってもよい。すなわち、第1押圧面は、下面視において、中央から外側へ放射状に広がる複数の部分を有していればよい。したがって、かしめ部の第1接触部および第2接触部の数も、上記の例に限定されるものではない。
【0068】
また、本発明のモータは、上記実施形態のように、ディスクトレイに固定されるものであってもよく、ディスク駆動装置のハウジングにシャーシを介して固定されるものであってもよい。
【0069】
また、本発明のモータは、上記実施形態のように、光ディスクを回転させるためのモータであってもよく、磁気ディスク等の他の記録ディスクを回転させるためのモータであってもよい。また、本発明のモータは、ディスクの駆動以外の目的で、使用されるものであってもよい。例えば、掃除ロボット等の家電製品やポンプ等に搭載されて、各種の駆動力を発生させるものであってもよい。
【0070】
また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、モータ、ディスク駆動装置、およびモータの製造方法に利用できる。
【符号の説明】
【0072】
1 ディスク駆動装置
2,2A 静止部
3,3A 回転部
4,4A 取付板
5,5A 回路基板
9,9A 中心軸
11 ハウジング
12 ディスクトレイ
13 ブラシレスモータ
13A モータ
14 アクセス部
21 軸受ユニット
22 ステータユニット
31 シャフト
32 ターンテーブル
33 ロータマグネット
34 チャッキング部
41,41A 筒状部
42,42A,42B かしめ部
51,51A グラウンドパターン
52 半田
61,61A 第1貫通孔
62,62A 貫通孔
71,71B,71C 第1接触部
72,72B,72C 第2接触部
80 治具
81 第1構成部材
82 第2構成部材
83 弾性部材
90 光ディスク
421,421A 内側接触部
422,422A 外側接触部
813 第1押圧面
822 第2押圧面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に延びる中心軸に略直交する方向に広がる金属製の取付板と、
前記取付板に固定された静止部と、
前記静止部に回転可能に支持される回転部と、
前記取付板の上面側に配置された回路基板と、
を備え、
前記回路基板は、
第1貫通孔と、
前記第1貫通孔の周囲の上面に設けられたグラウンドパターンと、
を有し、
前記取付板は、
前記第1貫通孔と略同軸に配置された第2貫通孔と、
前記第2貫通孔の周縁部から上方へ延びて、前記第1貫通孔に挿入される筒状部と、
前記筒状部の上部から外側へ広がり、前記グラウンドパターンまたは前記グラウンドパターン上の半田に接触するかしめ部と、
を有し、
前記かしめ部は、
前記回路基板の前記第1貫通孔の周縁部において、前記グラウンドパターンまたは前記半田に、前記第1貫通孔から離れるに従って高さが上がるように傾斜した接触面で接触する内側接触部と、
前記内側接触部の外側において、前記グラウンドパターンまたは前記半田に、前記中心軸に略直交する方向に広がる接触面で接触する外側接触部と、
を有するモータ。
【請求項2】
請求項1に記載のモータにおいて、
前記外側接触部は、
前記回路基板に対して、第1圧力で接触する複数の第1接触部と、
前記回路基板に対して、前記第1圧力より低い第2圧力で接触する複数の第2接触部と、
を有し、
前記第1接触部と前記第2接触部とが、周方向に交互に配列されているモータ。
【請求項3】
請求項2に記載のモータにおいて、
4つの前記第1接触部と、4つの前記第2接触部とを有するモータ。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載のモータにおいて、
前記第1接触部と前記第2接触部との境界部の少なくとも一部分が、周方向に分離しているモータ。
【請求項5】
請求項2から請求項4までのいずれかに記載のモータにおいて、
前記第2接触部の外周縁部が、側面視において、下方へ向けて凸状に湾曲しているモータ。
【請求項6】
請求項2または請求項3に記載のモータにおいて、
前記第1接触部と前記第2接触部との境界部の少なくとも一部分が、周方向に連続しているモータ。
【請求項7】
請求項6に記載のモータにおいて、
前記第1接触部の外周縁部と前記第2接触部の外周縁部との境界部は、前記第2接触部側へ向けて高さが上がるように傾斜しているモータ。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれかに記載のモータにおいて、
前記回路基板は、前記グラウンドパターンの上面に設けられた前記半田を有し、
前記外側接触部の下面の少なくとも一部分が、前記半田の上面より下方へ埋もれた状態で、前記半田に接触しているモータ。
【請求項9】
請求項8に記載のモータにおいて、
前記半田は、前記外側接触部の外側まで及んでいるモータ。
【請求項10】
請求項1から請求項9までのいずれかに記載のモータにおいて、
前記外側接触部の外周部の周方向の長さは、前記外側接触部の内周部の周方向の長さと同等またはそれ以上であるモータ。
【請求項11】
請求項1から請求項10までのいずれかに記載のモータにおいて、
前記内側接触部の上面は、前記中心軸に略直交する方向に広がる平坦面であるモータ。
【請求項12】
請求項1から請求項11までのいずれかに記載のモータにおいて、
前記回路基板は、複数の前記第1貫通孔を有し、
前記取付板は、複数の前記第1貫通孔のそれぞれに対応するように、複数の前記第2貫通孔、複数の前記筒状部、および複数の前記かしめ部を有するモータ。
【請求項13】
請求項1から請求項12までのいずれかに記載のモータと、
前記モータの前記回転部に保持されたディスクに対し、情報の読み出しおよび書き込みの少なくとも一方を行うアクセス部と、
前記モータおよび前記アクセス部を収容するハウジングと、
を備えたディスク駆動装置。
【請求項14】
上下に延びる中心軸に略直交する方向に広がる金属製の取付板と、前記取付板に固定される静止部と、前記静止部に回転可能に支持される回転部と、前記取付板の上面側に配置される回路基板と、を有するモータの製造方法において、
a)前記回路基板に設けられた第1貫通孔に、前記取付板の上面から上方へ突出する筒状部を挿入する工程と、
b)前記筒状部の上方から治具を打ち落とし、前記治具の下端部に放射状に設けられた第1押圧面で、前記筒状部を外側へ押し広げる工程と、
c)平面視において前記第1押圧面の間に配置された複数の第2押圧面で、前記筒状部を下方へ押圧する工程と、
を備え、
前記工程b)および前記工程c)により、前記筒状部の上部にかしめ部を形成するとともに、前記かしめ部を、前記第1貫通孔の周囲の上面に設けられたグラウンドパターンまたは前記グラウンドパターン上の半田に、接触させる製造方法。
【請求項15】
請求項14に記載の製造方法において、
前記第1押圧面は、軸方向に弾性的に支持されている製造方法。
【請求項16】
請求項14または請求項15に記載の製造方法において、
前記工程b)における前記筒状部の上端部の軸方向の変位量より、前記工程c)における前記筒状部の上端部の軸方向の変位量の方が、大きい製造方法。
【請求項17】
請求項14から請求項16までのいずれかに記載の製造方法において、
前記第1押圧面の外周部の周方向の長さは、前記第2押圧面の外周部の周方向の長さ以上である製造方法。
【請求項18】
請求項14から請求項16までのいずれかに記載の製造方法において、
前記第1押圧面の外周部の周方向の長さは、前記第2押圧面の外周部の周方向の長さ以下である製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−13206(P2013−13206A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143605(P2011−143605)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(000232302)日本電産株式会社 (697)
【Fターム(参考)】