説明

モーダル固有のインターフェイスを介したマルチモーダル通信

本明細書では、マルチモーダル通信をモーダル固有のインターフェイスを介して提供する技術を説明する。1つの方法では、第1のモダリティの通信が第1のインターフェイスからコンピュータネットワークを介して受信される。この通信は第2のモダリティに変換される。通信の第2のモダリティへの変換終了に応答して、通信は、第2のインターフェイスにコンピュータネットワークを介して提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モーダル固有のインターフェイスを介したマルチモーダル通信に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータネットワークの急速な発展は、これらのコンピュータネットワークを介した通信の新しいモダリティを創造した。これらの新しいモダリティには、とりわけ、eメール、チャット(すなわち、インスタントメッセージング)、SMS(ショートメッセージサービス)およびVoIP(ボイスオーバーインターネットプロトコル)がある。従来の実施態様では、モダリティごとに専用のユーザーインターフェイスが提供されている。例えば、第1のユーザーインターフェイスとして、ユーザーがeメールメッセージを送信できるようにするインターフェイスが提供され、第2のユーザーインターフェイスとして、ユーザーが、インスタントメッセージを送信および受信することによりチャットできるインターフェイスが提供される場合がある。多くの場合、第1のユーザーインターフェイスは、第2のユーザーインターフェイスとは完全に別のウィンドウで提供され、したがって、ユーザーは、eメールを送信するためのウィンドウと、同時にチャットするためのウィンドウとの間で、時にはぎこちなく、切り替えねばならない。
本明細書の開示が行われたのは、これらの検討事項およびその他に関してである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
さらに、第1のインターフェイスによる通信は、通常、第2のインターフェイスによる通信とは相互に排他的である。例えば、2人のユーザー間のeメール交換は、たとえeメール交換とチャット交換が同時に行われたとしても、同じ2人のユーザー間のチャット交換とは無関係である。そのため、一般的に、ユーザーが複数のモダリティ間の通信を維持する責務を有し、したがって、複数のモダリティにまたがる通信に関しては、さらなる難題が発生してきた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書では、モーダル固有のユーザーインターフェイスを介してマルチモーダル通信を提供する技術について説明する。特に、1つのモダリティで動作している1つのユーザーインターフェイスが、別のモダリティで動作している別のユーザーインターフェイスと通信できるようにする通信コントローラーが提供される。例えば、通信コントローラーは、eメールインターフェイスを使用している第1のユーザーが、チャットインターフェイスを使用している第2のユーザーと通信できるようにすることが可能である。
【0005】
1つのモダリティ上で生成された通信を別のモダリティ用に設計されたインターフェイス上に表示するために、通信コントローラーは、通信を1つのモダリティから別のモダリティに変換するようになされてよい。モダリティの例には、限定ではないが、eメール、チャット(すなわち、インスタントメッセージング)、SMS(ショートメッセージサービス)およびボイスメールがある。通信コントローラーは、通信ネットワークの背景で2人以上のユーザー間で動作するようにさらになされてよい。それゆえ、ユーザーは、相手ユーザーが選んだインターフェイスまたはモダリティに関係なく、自分の好みのモダリティを介してシームレスに通信を送信および受信できる。ユーザーは通信を単一のモダリティで送信および受信できるため、他の人のモダリティに対して何らかの知識または気遣いを持続させる責務をユーザーから取り除くことができる。
【0006】
本明細書に提示された一態様によれば、コンピュータプログラムがモーダル固有のインターフェイスを介してマルチモーダル通信を提供する。コンピュータプログラムは、第1のインターフェイスからコンピュータネットワークを介して第1のモダリティの通信を受信する。コンピュータプログラムはその通信を第2のモダリティに変換する。通信の第2のモダリティへの変換終了に応答して、コンピュータプログラムはその通信を第2のインターフェイスにコンピュータネットワークを介して提供する。
【0007】
この「発明の概要」は、以下の「発明を実施するための形態」でさらに説明される概念の抜粋を簡略化された形で紹介するために提供されている。この「発明の概要」は、特許請求される主題の重要な特徴または本質的な特徴を識別することは意図されておらず、また特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることも意図されていない。さらに、特許請求される主題は、本開示のいずれかの部分で言及されたありとあらゆる欠点を解決する実施態様に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】一実施形態による、モーダル固有のインターフェイスを介してマルチモーダル通信を提供するように構成されたネットワークアーキテクチャを示したブロック図である。
【図2】一実施形態による、別個のモーダル固有のインターフェイス間の例示的通信を示したデュアルスクリーンキャプチャ図である。
【図3】一実施形態による、モーダル固有のインターフェイスを提供する例示的方法を示した流れ図である。
【図4】本明細書で提示される実施形態の態様を実施することができるコンピューティングシステムの例示的コンピュータハードウェアアーキテクチャの態様を示したコンピュータキテクチャ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の詳細な説明は、モーダル固有のユーザーインターフェイスを介してマルチモーダル通信を提供する技術に関する。本明細書で説明される主題は、コンピュータシステム上でオペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムの実行と連動して実行されるプログラムモジュールの一般的なコンテキストで説明されるが、当業者は、他のタイプのプログラムモジュールと組み合わせて他の実施態様も実行できることが理解できよう。一般的に、プログラムモジュールには、ルーチン、プログラム、コンポーネント、データ構造、および特定のタスクを行う、または特定の抽象データタイプを実行する他のタイプの構造がある。その上、当業者は、本明細書で説明される主題は、ハンドヘルドデバイス、マルチプロセッサーシステム、マイクロプロセッサーベースの、またはプログラマブルな民生用電子機器、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータなどを含む他のコンピュータシステム構成で実施できることも理解できよう。
【0010】
以下の詳細な説明では、本明細書の一部を形成し、例示固有の実施形態または例として示される添付の図面が参照される。ここでは、いくつかの図面にわたって同様の番号は同様の要素を表す図面を参照して、コンピューティングシステムの態様およびモダリティ固有のユーザーインターフェイスを介してマルチモーダル通信を提供する方法が説明される。図1は、第1のユーザー102Aおよび第2のユーザー102Bを含む例示的なネットワークアーキテクチャ100を示している。第1のユーザー102Aは、第1のコンピュータ104Aを操作し、その第1のコンピュータ104Aはeメールインターフェイス106Aを含む。第2のユーザー102Bは第2のコンピュータ104Bを操作し、その第2のコンピュータ104Bはチャットインターフェイス106Bを含む。第1のユーザー102Aおよび第2のユーザー102Bは、まとめてユーザー102と呼ぶことができる。eメールインターフェイス106Aおよびチャットインターフェイス106Bは、まとめてインターフェイス106と呼ぶことができる。
【0011】
eメールインターフェイス106Aは、第1のユーザー102Aがeメールを他のユーザーに送信し、eメールを他のユーザーから受信できることが可能な任意の適切なインターフェイスであってよい。eメールインターフェイスの例には、NOVELL INC.からのGROUPWISE(商標)によって提供されるインターフェイスおよびMICROSOFT CORPORATIONからのOUTLOOK(登録商標)メッセージングおよび協働クライアントによって提供されるインターフェイスがある。一実施形態では、eメールインターフェイス106Aは、専用のeメールアプリケーションである。eメールインターフェイス106Aは、第1のコンピュータ104A上で実行される独立アプリケーションであってよい。代替として、eメールインターフェイス106Aは、第1のコンピュータ104A上で実行されているWebブラウザーを介してアクセス可能なWebアプリケーションでもよい。別の実施形態では、eメールインターフェイス106Aは、任意の適切なアプリケーション内で提供される。
【0012】
チャットインターフェイス106bは、第2のユーザー102Bがインスタントメッセージを他のユーザーに送信し、インスタントメッセージを他のユーザーから受信できることが可能な任意の適切なインターフェイスであってよい。チャットインターフェイスの例には、AOL LLCからのAOL(登録商標)INSTANT MESSENGER(商標)ソフトウェアによって提供されるインターフェイスおよびMICROSOFT CORPORATIONからのWINDOWS MESSENGER(登録商標)メッセージングクライアントによって提供されるインターフェイスがある。一実施形態では、チャットインターフェイス106Bは、専用のインスタントメッセージングアプリケーションである。チャットインターフェイス106Bは、第2のコンピュータ104B上で実行される独立アプリケーションであってよい。代替として、チャットインターフェイス106Bは、第2のコンピュータ104B上で実行されているWebブラウザー(図示せず)を介してアクセス可能なWebアプリケーションでもよい。別の実施形態では、チャットインターフェイス106Bは、任意の適切なアプリケーション内で提供される。
【0013】
eメールインターフェイス106Aおよびチャットインターフェイス106Bは、通信インターフェイスの単なる例示的な例であることを理解されたい。ユーザーがテキスト、イメージ、オーディオ、ビデオおよびこれらの組合せによって通信できるようにする他の適切な通信インターフェイスも同様に使用できる。各通信インターフェイスは特定のモダリティに固有であってよいこともさらに理解されるべきである。各通信インターフェイスは、特定のモダリティ用に最適化できるインターフェイスの設計、および提供されるモーダル固有のオプションによって区別できる。多くの場合、たとえインターフェイス106が単一のアプリケーション内で提供されても、インターフェイス106は、通常、ドロップダウンメニューまたは他の適切なインターフェイス選択手段によって互いに区別される。代替として、アプリケーションがユーザーのためにインターフェイス106を自動的に切り替えることもできる。
【0014】
図1に示されているように、ネットワークアーキテクチャ100は、通信コントローラー108をさらに含む。実施形態によれば、通信コントローラー108は、eメールインターフェイス106Aを使用する第1のユーザー102Aおよびチャットインターフェイス106Bを使用する第2のユーザーがシームレスに通信できるようにする。特に、通信コントローラー108は、第1のユーザー102Aが、第2のユーザー102Bまたはいずれか他のユーザーによって使用されている特定のモダリティの知識がなくとも、または特定のモダリティに対して気遣いをしなくとも、eメールインターフェイス106Aを使用して通信できるようにする。同様に、通信コントローラー108は、第2のユーザー102Bが、第1のユーザー102Aまたはいずれか他のユーザーによって使用されているモダリティもしくは通信インターフェイスの知識がなくとも、またはモダリティもしくは通信インターフェイスに対して気遣いをしなくとも、チャットインターフェイス106Bを使用して通信できるようにする。
【0015】
例えば、第1のユーザー102Aがeメールを第2のユーザー102Bに送信した場合、通信コントローラー108は、そのeメールをインスタントメッセージに変換し、そのインスタントメッセージを第2のユーザー102Bにチャットインターフェイス106Bを介して提供する。第2のユーザー102Bは、eメールではなく、インスタントメッセージを提供されるので、第2のユーザー102Bは、第1のユーザー102Aがeメールインターフェイス106Aを使用しようしているという知識がなくてもよい。第2のユーザー102Bに関する限り、第1のユーザー102Aが別のチャットインターフェイスを使用していてもかまわない。
【0016】
第1のユーザー102Aから通信コントローラー108を介してインスタントメッセージを受信すると、第2のユーザー102Bは、そのインスタントメッセージにチャットインターフェイス106Bを介して応答することができる。第2のユーザー102Bがインスタントメッセージの応答を第1のユーザー102Aに送信した場合、通信コントローラー108は、そのインスタントメッセージ応答をeメールに変換し、そのeメールを第1のユーザー102Aにeメールインターフェイス106Aを介して提供する。第1のユーザー102Aは、インスタントメッセージではなく、eメールを提供されるので、第1のユーザー102Aは、第2のユーザー102Bがチャットインターフェイス106Bを使用しているという知識を有さなくてよい。第1のユーザー102Aに関する限り、第2のユーザー102Aが別のeメールインターフェイスを使用していてもかまわない。
【0017】
第1のユーザー102Aおよび第2のユーザー102Bが相手のモダリティの知識は皆無でも、または相手のモダリティに対して気遣いせずに、別々のインターフェイスを介して、異なるモダリティにまたがって通信できることは、従来の実施態様を超える追加の抽象化レベルを提供することになる。通信コントローラー108は、複数のユーザーが、異なるモダリティで動作しているインターフェイスを使用していることがある可能性を本質的に隠す。したがって、ユーザーは、通信インターフェイスがモダリティ固有であって、他のユーザーとは異なるモダリティで動作していても、自分の好みの通信インターフェイスを使用することができる。
【0018】
それとは対照的に、マルチモーダル通信を提供する従来の実施態様は、通常、ユーザーが、他のユーザーに関係なく、好みの通信インターフェイスを選択できるようにはなっていない。一例では、送信者は、受信者がオンラインの場合のみ(すなわち、プレゼンス情報)、チャットインターフェイス106Bを使用することに制限されることがある。別の例では、eメールインターフェイス106Aからeメールを受信する受信者は、そのeメールを別のeメールインターフェイス上で閲覧することに制限されることがある。すなわち、受信者は、eメールを、デフォルトで、SMSまたはボイスメールメッセージなどの別のフォーマットで受信するかどうかを選択することはできない。
【0019】
一実施形態では、ユーザー102は、通信コントローラー108を、ある1つのモダリティで着信通信を1つまたは複数の他のモダリティに変換するように構成できる。例えば、第1のユーザー102Aは、通信コントローラー108を、着信通信をeメールおよびボイスメールメッセージに変換するように構成することができる。着信メッセージがテキストベースの場合、ボイスメールメッセージは、適切な音声合成変換器を介して生成することができる。
【0020】
ユーザー102は、通信コントローラー108を、満たされた事前定義の条件またはビジネスロジックに基づいて適切なモダリティを選択するようにさらに構成することができる。例えば、第2のユーザー102Bは、通信コントローラー108を、第2のユーザー102Bがオンラインの場合、着信通信をインスタントメッセージに変換し、第2のユーザー102Bがオフラインの場合、SMSメッセージに変換するように構成できる。通信コントローラー108は、ユーザー102が着信通信をどのように受信するかを定義するロジックをユーザー102が規定できるようにすることにより、従来の実施態様より拡張された柔軟性を提供する。
【0021】
ここで図2を参照すると、インターフェイス106間の通信に関する追加の詳細が提供されている。特に、図2は、第1のユーザー102Aと第2のユーザー102B間の例示的な会話を示すスクリーンキャプチャ図200A〜200Bを含んでいる。図1について前述したように、第1のユーザー102Aは、eメールインターフェイス106Aを介して通信を送信および受信し、第2のユーザー102Bは、チャットインターフェイス106Bを介して通信を送信および受信する。やはり前述したように、通信コントローラー108は、ユーザー102が、相手ユーザーの特定のモダリティまたは通信インターフェイスの知識がなくとも、それぞれのインターフェイス106を介して通信できるようにする。
【0022】
図2に示されているように、第1のスクリーンキャプチャ図200Aは、第1のユーザー102Aによって使用されるeメールインターフェイス106Aを表示している。eメールインターフェイス106Aは、第1のユーザー102Aが第2のユーザー102Bへのeメール204を作成したeメール作成ウィンドウ202を含んでいる。eメールインターフェイス106Aは、語「to」および件名フィールド208によって指定される受信者フィールド206を含んでいる。eメール作成ウィンドウ202でeメール204の作成終了に応答して、第1のユーザー102Aは、送信ボタン210にアクセス(例えば、クリック)してeメール204を第2のユーザー102Bへ送信する。
【0023】
図2にさらに示されているように、第2のスクリーンキャプチャ図200Bは、第2のユーザー102Bによって使用されるチャットインターフェイス106Bを表示している。チャットインターフェイス106Bは、読み取りペイン212および書き込みペイン214を含んでいる。読み取りペイン212は、着信インスタントメッセージを表示する。特に、図2では、読み取りペイン212は、通信コントローラー108がeメール204から変換したインスタントメッセージ216を表示している。インスタントメッセージ216は、第1のユーザー102Aがインスタントメッセージ216を送信したことを示す送信者情報218、および第1のユーザー102Aがインスタントメッセージ216を送信した時刻を示すタイムスタンプ220を含んでいる。読み取りペイン212は、読み取りペイン212内のどこにも、第1のユーザー102Aがeメールをeメールインターフェイス106Aを介して送信したことを示していないことに留意されたい。通信コントローラー108は、事実上、この情報を抽象化し、したがって、よりカスタマイズされた使用感を第2のユーザー102Bに提供する。
【0024】
書き込みペイン214は、第2のユーザー102Bが、インスタントメッセージ216に対する応答をインスタントメッセージ222の形で入力できるようにする。第2のユーザー102Bがサブミットボタン224にアクセスしてインスタントメッセージ222を第1のユーザー102Aにサブミットすると、通信コントローラー108は、インスタントメッセージ222をeメールに変換する。例えば、インスタントメッセージ222から変換されたeメールは、受信トレイ(図示せず)、またはeメールインターフェイス106A内の他の適切な通知インターフェイスに表示できる。
【0025】
図3に進むと、通信コントローラー108の動作に関する追加の詳細が提供されている。特に、図3は、モーダル固有のインターフェイスを介してマルチモーダル通信を提供する、本明細書で説明される方法の態様を示した流れ図である。本明細書で説明される論理的動作は、(1)コンピュータが実施する行為、またはコンピューティングシステム上で実行されるプログラムモジュールのシーケンスとして、および/または(2)コンピューティングシステム内の相互接続されたマシンロジック回路または回路モジュールとして実施されることを理解されたい。実施態様は、コンピューティングシステムのパフォーマンスおよび他の要件に応じて選択される事柄である。したがって、本明細書で説明される論理的動作は、状態、動作、構造的デバイス、行為またはモジュールと様々に呼ばれる。これらの動作、構造的デバイス、行為およびモジュールは、ソフトウェアとして、ファームウェアとして、専用のデジタルロジックとして、およびそれらの任意の組合せとして実施できる。図に示されて、本明細書で説明される動作より多い、または少ない動作が実行されてよいことを理解されたい。これらの動作は、本明細書で説明される順序とは異なる順序で実行することもできる。
【0026】
図3を参照すると、ルーチン300は動作302から始まり、動作302で、通信コントローラー108は、第1のモダリティの第1の通信を第1のインターフェイスから受信する。例えば、第1のインターフェイスがeメールインターフェイス106Aの場合、第1の通信のモダリティはeメールである。ルーチン300は次に動作304に進み、動作304で、通信コントローラーは、第1の通信を第1のモダリティから、第2のインターフェイスに関連付けられた第2のモダリティに変換する。例えば、第2のインターフェイスがチャットインターフェイス106Bの場合、通信コントローラー108は、eメールインターフェイス106Aから受信されたeメール204をインスタントメッセージ216に変換する。第1の通信の第2のモダリティへの変換終了に応答して、ルーチン300は動作306に進む。
【0027】
動作306で、通信コントローラー108は、変換された第1の通信を第2のインターフェイスに提供する。例えば、eメール204のインスタントメッセージ216への変換終了に応答して、通信コントローラー108は、インスタントメッセージ216をチャットインターフェイス106Bに提供することができる。変換された第1の通信を通信コントローラー108から受信すると、第2のインターフェイスは第1の通信を、第2のユーザー102Bによって規定された第2のモダリティで表示することができる。ルーチン300は次に動作308に進む。
【0028】
動作308で、通信コントローラー108は、第2のモダリティの第2の通信を第2のインターフェイスから受信する。例えば、第2のインターフェイスがチャットインターフェイス106Bの場合、第2の通信のモダリティはチャットである。第2の通信は、第1の通信に対する応答、例えば、インスタントメッセージ222であってよい。ルーチン300は次に動作310に進み、動作310で、通信コントローラー108は、第2の通信を第2のモダリティから、第1のインターフェイスに関連付けられた第1のモダリティに変換する。例えば、第1のインターフェイスがeメールインターフェイス106Aの場合、通信コントローラー108は、チャットインターフェイス106Bから受信されたインスタントメッセージ222をeメールに変換する。第2の通信の第1のモダリティへの変換終了に応答して、ルーチン300は動作312に進む。
【0029】
動作312で、通信コントローラー108は、変換された第2の通信を第1のインターフェイスに提供する。例えば、インスタントメッセージ222のeメールへの変換終了に応答して、通信コントローラー108は、そのeメールをeメールインターフェイス106Aに提供する。変換された第2の通信を通信コントローラー108から受信すると、第1のインターフェイスは第2の通信を、第1のユーザー102Aによって規定された第1のモダリティで表示することができる。
【0030】
ここで図4を参照すると、コンピュータ400の態様を示した例示のコンピュータキテクチャ図が示されている。コンピュータ400の例は、第1のコンピュータ104Aおよび第2のコンピュータ104Bを含む。コンピュータ400は、プロセッシングユニット402(「CPU」)、システムメモリ404、およびメモリ404をCPU 402に結合するシステムバス406を含む。コンピュータ400は、1つまたは複数のプログラムモジュール414および1つまたは複数のデータベース416を保管するための大容量記憶デバイス412をさらに含む。プログラムモジュール414の例には、eメールインターフェイス106A、チャットインターフェイス106Bおよび通信コントローラー108がある。大容量記憶デバイス412は、バス406に接続された大容量記憶コントローラー(図示せず)を介してCPU 402に接続される。大容量記憶デバイス412およびその関連のコンピュータ読み取り可能メディアは、コンピュータ400に不揮発性記憶域を提供する。本明細書に含まれるコンピュータ読み取り可能メディアの説明は、ハードディスクまたはCD−ROMドライブなどの大容量記憶デバイスを指すが、当業者は、コンピュータ読み取り可能メディアは、コンピュータ400によってアクセス可能な任意の利用可能なコンピュータ記憶メディアでよいことが理解できよう。
【0031】
例としてであって、限定ではないが、コンピュータ読み取り可能メディアには、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュールまたは他のデータなどの情報の保管用に任意の方法または技術で実装される揮発性および不揮発性、取り付け可能および取り付け不可のメディアがある。例えば、コンピュータ読み取り可能メディアには、限定ではないが、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他の半導体メモリ技術、CD−ROM、DVD(Digital Versatile Disk:デジタル多用途ディスク)、HD−DVD、BLU−RAY、または他の光学式記憶デバイス、磁気カセット、磁気テープデバイス、磁気ディスク記憶デバイスまたは他の磁気記憶デバイス、あるいは所望の情報を保管するために使用できて、コンピュータ400によってアクセス可能な、任意の他のメディアがある。
【0032】
様々な実施形態によって、コンピュータ400は、ネットワーク接続された環境で、ネットワーク418を介したリモートコンピュータとの論理的接続を使用して動作できる。コンピュータ400は、バス406に接続されたネットワークインターフェイスユニット410を介してネットワーク418に接続できる。ネットワークインターフェイスユニット410は、他のタイプのネットワークおよびリモートコンピュータシステムに接続するために使用できることを理解されたい。コンピュータ400は、キーボード、マウス、マイクロホンおよびゲームコントローラーを含む多くの入力デバイス(図示せず)からの入力を受信および処理するための入力/出力コントローラー408も備えてよい。同様に、入力/出力コントローラー408は、ディスプレイまたは他のタイプの出力デバイス(図示せず)に出力を提供することができる。
【0033】
前述の説明に基づいて、モーダル固有のインターフェイスを介してマルチモーダル通信を提供する技術が本明細書で提示されていることを理解されたい。本明細書で提示された主題は、コンピュータの構造上の特徴、方法論的な行為およびコンピュータ読み取り可能メディアに特有な文言で説明されているが、添付の特許請求の範囲で定義される発明は、必ずしも、本明細書で説明される具体的な特徴、行為またはメディアに限定されないことを理解されたい。より正確に言えば、具体的な特徴、行為およびメディアは、請求項を実施する例の形で開示されている。
【0034】
上述の主題は、例としてのみ提供されているのであって、限定として解釈されるべきではない。例示の実施形態、および例示され、説明された用途に追随せず、また添付の特許請求の範囲に記載された本発明の真の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書で説明された主題に対して様々な修正および変更を行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチモーダル通信のための方法であって、
第1のインターフェイス(106A)からコンピュータネットワーク(418)を介して第1のモダリティの通信(204)を受信するステップと、
前記通信(204)を第2のモダリティに変換するステップと、
前記通信(204)の前記第2のモダリティへの変換終了に応答して、前記通信(204)を第2のインターフェイス(106B)に前記コンピュータネットワーク(418)を介して提供するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1のインターフェイスを第1のユーザーに提供するステップであって、前記第1のインターフェイスは、前記第1のモダリティに関連付けられた第1のモーダル固有のインターフェイスである、ステップと、
前記第2のインターフェイスを第2のユーザーに提供するステップであって、前記第2のインターフェイスは、前記第2のモダリティに関連付けられた第2のモーダル固有のインターフェイスである、ステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のモダリティは、eメール、チャット、SMS(ショートメッセージサービス)、またはボイスメールのうちの1つを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2のインターフェイスからコンピュータネットワークを介して前記第2のモダリティの第2の通信を受信するステップと、
前記第2の通信を前記第1のモダリティに変換するステップと、
前記第2の通信の前記第1のモダリティへの変換終了に応答して、前記第2の通信を前記第1のインターフェイスに前記コンピュータネットワークを介して提供するステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のインターフェイスは前記第1のモダリティの通信のみを送信および受信するように構成され、前記第2のインターフェイスは前記第2のモダリティの通信のみを送信および受信するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のインターフェイスへ着信する通信は、所与の条件が満たされた場合に前記第2のモダリティに変換されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記所与の条件はプレゼンス情報に基づくことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
マルチモーダル通信のための方法であって、
第1のインターフェイス(106A)からコンピュータネットワーク(418)を介して第1のモダリティの第1の通信(204)を受信するステップと、
前記第1の通信(204)を第2のモダリティに変換するステップと、
前記第1の通信(204)の前記第2のモダリティへの変換終了に応答して、前記第1の通信(204)を第2のインターフェイス(106B)に前記コンピュータネットワーク(418)を介して提供するステップと、
前記第2のインターフェイス(106B)から前記コンピュータネットワーク(418)を介して前記第2のモダリティの第2の通信(216)を受信するステップと、
前記第2の通信(216)を前記第1のモダリティに変換するステップと、
前記第2の通信(216)の前記第1のモダリティへの変換終了に応答して、前記第2の通信(216)を前記第1のインターフェイス(106A)に前記コンピュータネットワーク(418)を介して提供するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
前記第1のインターフェイスを第1のユーザーに提供するステップであって、前記第1のインターフェイスは、前記第1のモダリティに関連付けられた第1のモーダル固有のインターフェイスである、ステップと、
前記第2のインターフェイスを第2のユーザーに提供するステップであって、前記第2のインターフェイスは、前記第2のモダリティに関連付けられた第2のモーダル固有のインターフェイスである、ステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のモダリティは、eメール、チャット、SMS(ショートメッセージサービス)、またはボイスメールのうちの1つを含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のモダリティはチャットであり、前記第2のモダリティはeメールであり、前記第2のインターフェイスは、前記第1の通信を受信したことの通知を受信トレイに表示することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のインターフェイスは前記第1のモダリティの通信のみを送信および受信するように構成され、前記第2のインターフェイスは前記第2のモダリティの通信のみを送信および受信するように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記第2のインターフェイスへの着信通信は、所与の条件が満たされた場合に前記第2のモダリティに変換されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記所与の条件はプレゼンス情報に基づくことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
コンピュータ実行可能な命令が保管されたコンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、前記コンピュータ実行可能な命令がコンピュータによって実行されると、前記コンピュータは、
第1のコンピュータ(104A)上で動作する第1のインターフェイス(106A)からコンピュータネットワーク(418)を介して第1のモダリティの第1の通信(204)を受信し、
前記第1の通信(204)を第2のモダリティに変換し、
前記第1の通信(204)の前記第2のモダリティへの変換終了に応答して、前記第1の通信(204)を、第2のコンピュータ(104B)上で動作する第2のインターフェイス(106B)に前記コンピュータネットワーク(418)を介して提供し、
前記第2のコンピュータ(104B)上で動作する前記第2のインターフェイス(106B)から前記コンピュータネットワーク(418)を介して前記第2のモダリティの第2の通信(216)を受信し、
前記第2の通信(216)を前記第1のモダリティに変換し、
前記第2の通信(216)の前記第1のモダリティへの変換終了に応答して、前記第2の通信(216)を、前記第1のコンピュータ(104A)上で動作する前記第1のインターフェイス(106A)に前記コンピュータネットワーク(418)を介して提供する
ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項16】
コンピュータ実行可能な命令がさらに保管されたコンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、当該コンピュータ実行可能な命令がコンピュータによって実行されると、前記コンピュータが、
前記第1のインターフェイスが前記第1のモダリティに関連付けられた第1のモーダル固有のインターフェイスである場合に前記第1のインターフェイスを第1のユーザーに提供し、
前記第2のインターフェイスが前記第2のモダリティに関連付けられた第2のモーダル固有のインターフェイスである場合に前記第2のインターフェイスを第2のユーザーに提供する
ことを特徴とする請求項15に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項17】
前記第1のモダリティは、eメール、チャット、SMS(ショートメッセージサービス)、またはボイスメールのうちの1つを含むことを特徴とする請求項15に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項18】
前記第1のインターフェイスは前記第1のモダリティの通信のみを送信および受信するように構成され、前記第2のインターフェイスは前記第2のモダリティの通信のみを送信および受信するように構成されていることを特徴とする請求項15に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項19】
前記第2のインターフェイスへ着信の通信は、所与の条件が満たされた場合前記第2のモダリティに変換されることを特徴とする請求項15に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項20】
前記所与の条件はプレゼンス情報に基づくことを特徴とする請求項19に記載のコンピュータ読み取り可能記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−525676(P2011−525676A)
【公表日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−516369(P2011−516369)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【国際出願番号】PCT/US2009/044101
【国際公開番号】WO2010/008668
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(500046438)マイクロソフト コーポレーション (3,165)
【Fターム(参考)】