説明

モールドコイルおよびモールドコイルを用いた電磁弁

【課題】給電端子と、ソケット組立体の給電端子ソケットとの電気的接続、アース端子と、ソケット組立体のアース端子ソケットとの電気的接続とを確実が図れ、電磁弁の作動を確実に行えるモールドコイルおよびモールドコイルを用いた電磁弁を提供する。
【解決手段】電磁弁の弁体を駆動するために用いられ、樹脂でモールドされたモールドコイルであって、巻線が巻き付けられたボビンと、ボビンに取付けられ、巻線の端部が電気的に接続された一対の給電端子と、ボビンを囲む磁気フレームと、磁気フレームに接続されたアース端子と、を備え、アース端子を磁気フレームの内壁に接続固定した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁弁の弁体を駆動するために用いられ、樹脂でモールドされたモールドコイルおよびモールドコイルを用いた電磁弁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電磁弁に用いられるコイルに防水性を持たせるため、コイルの全体を樹脂で覆ったモールドコイルが用いられ、モールドコイルの弁本体装着用孔に弁本体が装着されて、電磁弁が構成されるようになっている。
【0003】
また、この場合、防水目的で使用される電磁弁では、いわゆる規格化された「DINソケット(またはDINコネクタ)」と呼ばれるソケット組立体を接続するようになっている。
【0004】
すなわち、ボビンに取付けられ、巻線の端部が電気的に接続された一対の給電端子と、ソケット組立体の給電端子ソケットとを、また、ボビンを囲む磁気フレームに接続されたアース端子と、ソケット組立体のアース端子ソケットとを、モールドコイルにソケット組立体を接続することによって、それぞれ電気的に接続されるようになっている。このため、アース端子と給電端子との相対位置、突出距離などが規格で決まっており、また、アース端子を磁気フレームに強固に固定することが求められている。
【0005】
このため、特許文献1(特開2004−349360号公報)では、従来、コイル巻線とアース端子、給電端子との接続を、端子基板とリード線により行っていたため接続が弱かったため、給電端子とアース端子とを樹脂製のコイルボビンに直接止着することで接続を強固にし、さらに端子基板(プリント基板)が不要になったモールドコイルが開示されている。
【0006】
すなわち、図20に示したように、この特許文献1のモールドコイル100では、アース端子102の基端部104を、モールドコイル106の電磁弁装着用孔108まで延設することによって、電磁弁110とモールドコイル106とで、アース端子102を挟み込み、電磁弁110とアース端子102とを電気的に接続している。
【0007】
また、特許文献2(特開2007−208177号公報)では、図21に示したような構造のモールドコイル200が開示されている。すなわち、このモールドコイル200では、プリント基板202に、給電端子204を固定している。
【0008】
そして、アース端子206の係合片208を、磁気フレーム210の係合孔211に係合することによって、アース端子206を磁気フレーム210の外壁側に固定している。
【0009】
そして、磁気フレーム210の外壁とアース端子206との間にプリント基板202を挿入して固定するとともに、スペーサー212を介して、メネジ214を螺合することによって、磁気フレーム210に給電端子204を固定するように構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−349360号公報
【特許文献2】特開2007−208177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、このような従来のモールドコイルでは、いずれも溶融樹脂の注入時に、ボビンとボビンを囲む磁気フレームとから構成されるボビン組立品が金型内でずれて、被覆部の厚みが部分的に薄くなったり、磁気フレームが被覆部の表面に露出したり、アース端子と給電端子との相対位置、突出距離などがずれてしまうことになる。
【0012】
その結果、ソケット組立体をモールドコイルに固定できず、給電端子と、ソケット組立体の給電端子ソケットとの電気的接続、アース端子と、ソケット組立体のアース端子ソケットとの電気的接続とが図れず、その結果、電磁弁の作動不良となるおそれがある。
【0013】
また、特許文献1のモールドコイル100では、電磁弁110とモールドコイル106とで、アース端子102を挟み込むことで、電磁弁110とアース端子102とを電気的に接続しているので、電磁弁110とモールドコイル106の脱着を繰り返すと、脱着の度にアース端子102と電磁弁110がこすれるため、接触面が磨耗するため電気的接触が悪くなり、その結果、電磁弁110の作動不良となるおそれがある。
【0014】
さらに、特許文献2のモールドコイル200では、給電端子204とアース端子206とを、磁気フレーム210の外壁に設けているため、プリント基板202が必要になり、プリント基板202が必要な分、モールドコイル200が大型化することになる。
【0015】
また、ソケット組立体を固定、取り外す際に、スペーサー212の先端のメネジ214に、ソケット組立体を固定、取り外す際に、メネジ214に回転方向に力が加わり、スペーサーが212が一緒に回転する可能性がある。
【0016】
従って、スペーサーが212が回転すると、アース端子206と磁気フレーム210に隙間が生じ、アース端子206の強固な接続が不可能となる。
【0017】
本発明は、このような現状に鑑み、位置出し部品を必要とせず、ボビンと磁気フレームとを所定の位置で位置決めすることができ、これにより、溶融樹脂の注入時に、ボビン組立品が金型内でずれて、被覆部の厚みが部分的に薄くなったり、磁気フレームが被覆部の表面に露出したり、アース端子と給電端子との相対位置、突出距離などがずれてしまうことがなく、アース端子と給電端子との相対位置、突出距離などが一定であり、その結果、給電端子と、ソケット組立体の給電端子ソケットとの電気的接続、アース端子と、ソケット組立体のアース端子ソケットとの電気的接続とを確実が図れ、電磁弁の作動を確実に行えるモールドコイルおよびモールドコイルを用いた電磁弁を提供することを目的とする。
【0018】
また、本発明は、プリント基板が不要で、モールドコイルを小型化することができ、電磁弁のコンパクト化が図れるモールドコイルおよびモールドコイルを用いた電磁弁を提供することを目的とする。
【0019】
さらに、本発明は、磁気効率の低下を(磁気損失を)招くことなく、モールド性を向上できるモールドコイルおよびモールドコイルを用いた電磁弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、前述したような従来技術における課題及び目的を達成するために発明されたものであって、本発明のモールドコイルは、
電磁弁の弁体を駆動するために用いられ、樹脂でモールドされたモールドコイルであって、
巻線が巻き付けられたボビンと、
前記ボビンに取付けられ、巻線の端部が電気的に接続された一対の給電端子と、
前記ボビンを囲む磁気フレームと、
前記磁気フレームに接続されたアース端子と、を備え、
前記アース端子を磁気フレームの内壁に接続固定したことを特徴とする。
【0021】
このように構成することによって、アース端子を磁気フレームの内壁に接続固定しているため、磁気フレーム自体がアース端子として機能する。
【0022】
そのため、従来のように電磁弁とモールドコイルでアース端子を挟み込む構造よりも、アース端子の接触面積が大きくでき、磁気フレームと電磁弁との接触面全てでアースをとれることができ、電気的接触がより確実になる。
【0023】
また、プリント基板が不要であり、しかも、アース端子を磁気フレームの内壁に接続固定しているため、従来のようにアース端子を磁気フレームの外壁に接続固定する場合に比較して、モールドコイルを小型化することができ、電磁弁のコンパクト化が図れる。
【0024】
また、本発明のモールドコイルは、
前記ボビンに、アース端子位置決め用溝が形成され、ボビンと、アース端子が接続された磁気フレームとが所定の位置で位置決めされるように構成されていることを特徴とする。
【0025】
このように構成することによって、ボビンに形成されたアース端子位置決め用溝に、磁気フレームに接続されたアース端子が嵌合するので、アース端子位置決め用溝がストッパーとして機能するとともに、磁気フレーム内でボビンが回転するのを防止することができ、アース端子とボビンとの間の位置決めを確実に行うことができる。
【0026】
従って、別途、位置出し部品を必要とせず、ボビンと磁気フレームとを所定の位置で位置決めすることができ、これにより、溶融樹脂の注入時に、ボビン組立品が金型内でずれて、被覆部の厚みが部分的に薄くなったり、磁気フレームが被覆部の表面に露出したり、アース端子と給電端子との相対位置、突出距離などがずれてしまうことがなく、アース端子と給電端子との相対位置、突出距離などが一定である。
【0027】
また、アース端子の磁気フレームに対する固定位置が多少ずれたとしても、アース端子と給電端子との位置関係が一定となる。
【0028】
その結果、給電端子と、ソケット組立体の給電端子ソケットとの電気的接続、アース端子と、ソケット組立体のアース端子ソケットとの電気的接続とを確実が図れ、電磁弁の作動を確実に行える。
【0029】
また、本発明のモールドコイルは、
前記磁気フレームには、複数の貫通孔が所定間隔離間して形成され、
前記貫通孔が、磁気フレームの周方向に相互に位置をずらして形成されていることを特徴とする。
【0030】
ところで、モールド時に溶融樹脂が磁気フレームの内部に浸透しやすくなるように、磁気フレームに貫通孔を設けているが、複数の貫通孔を設けると断面積が極端に減少する部分ができ、磁気損失となる。磁気損失が大きい場合、コイルを大きくする必要がある。
【0031】
これに対して、本発明のモールドコイルによれば、複数の貫通孔が所定間隔離間して形成され、これらの貫通孔が、磁気フレームの周方向に相互に位置をずらして形成されているので、断面積が最小限の減少となり、その結果、磁気効率の低下を(磁気損失を)招くことなく、モールド性を向上できる。
【0032】
また、本発明のモールドコイルは、
前記磁気フレームには、給電端子が磁気フレームと電気的に接触するのを防止するための給電端子用切欠きが形成されていることを特徴とする。
【0033】
このように構成することによって、磁気フレームに、給電端子が磁気フレームと電気的に接触するのを防止するための給電端子用切欠きが形成されているので、給電端子26をボビン24に近づけることができ、モールドコイルをコンパクトにすることが可能となる。
【0034】
また、本発明のモールドコイルは、
前記磁気フレームには、アース端子を磁気フレームの内壁に接続固定する治具用の貫通孔または切欠きが形成されていることを特徴とする。
【0035】
このように構成することによって、アース端子を磁気フレームの内壁に接続固定する治具を貫通孔または切欠きを介して、挿入してアース端子を磁気フレームの内壁に確実に接続固定することができる。
【0036】
また、本発明のモールドコイルは、
前記ボビンの上面に、磁気フレーム側に突設する突設部が形成され、
前記ボビンと給電端子からなるボビン組立体を磁気フレームに挿入した際に、前記突設部が磁気フレームにより圧縮変形して、ボビン組立体と磁気フレームとの隙間を埋めることにより、ボビン組立体と磁気フレームとが固定されるように構成されていることを特徴とする。
【0037】
すなわち、ボビンと給電端子からなるボビン組立体を、磁気フレームに挿入して、コイル組立体を組み立てるが、その際、コイル組立体を横向きに倒すと、ボビン組立体と磁気フレームとの間に隙間が空いているため、ボビン組立体が磁気フレームから抜け落ちたり、磁気フレームに対するボビン組立体の位置がずれることがあり、組立に支障をきたすことがある。
【0038】
このため、このようにボビンの上部にこのような突設部を形成することによって、ボビンと給電端子からなるボビン組立体を、磁気フレームに挿入(圧入)した際に、突設部が圧縮変形することにより圧着される。すなわち、ボビン組立体と磁気フレームとの隙間を、圧縮変形した突設部が埋めることになるので、ボビン組立体と磁気フレームとを堅固に固定することができる。
【0039】
従って、この突設部の圧縮変形の力によって、磁気フレームにボビン組立体が押し付けられた状態で固定されるため、組立が容易になる。
【0040】
また、本発明は、前述のいずれかに記載のモールドコイルの弁本体装着用孔に弁本体が装着された電磁弁である。
【発明の効果】
【0041】
本発明によれば、アース端子を磁気フレームの内壁に接続固定しているため、磁気フレーム自体がアース端子として機能する。
【0042】
そのため、従来のように電磁弁とモールドコイルでアース端子を挟み込む構造よりも、アース端子の接触面積が大きくでき、磁気フレームと電磁弁との接触面全てでアースをとれることができ、電気的接触がより確実になる。
【0043】
また、プリント基板が不要であり、しかも、アース端子を磁気フレームの内壁に接続固定しているため、従来のようにアース端子を磁気フレームの外壁に接続固定する場合に比較して、モールドコイルを小型化することができ、電磁弁のコンパクト化が図れる。
【0044】
また、ボビンに形成されたアース端子位置決め用溝に、磁気フレームに接続されたアース端子が嵌合するので、アース端子位置決め用溝がストッパーとして機能するとともに、磁気フレーム内でボビンが回転するのを防止することができ、アース端子とボビンとの間の位置決めを確実に行うことができる。
【0045】
従って、位置出し部品を必要とせず、ボビンと磁気フレームとを所定の位置で位置決めすることができ、これにより、溶融樹脂の注入時に、ボビン組立品が金型内でずれて、被覆部の厚みが部分的に薄くなったり、磁気フレームが被覆部の表面に露出したり、アース端子と給電端子との相対位置、突出距離などがずれてしまうことがなく、アース端子と給電端子との相対位置、突出距離などが一定である。
【0046】
また、アース端子の磁気フレームに対する固定位置が多少ずれたとしても、アース端子と給電端子との位置関係が一定となる。
【0047】
その結果、給電端子と、ソケット組立体の給電端子ソケットとの電気的接続、アース端子と、ソケット組立体のアース端子ソケットとの電気的接続とを確実が図れ、電磁弁の作動を確実に行える。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、本発明のモールドコイルの弁本体装着用孔に弁本体が装着された電磁弁の部分断面図である。
【図2】図2は、図1のA−A線での矢視図である。
【図3】図3は、本発明のモールドコイルの磁気フレームの斜視図である。
【図4】図4は、本発明のモールドコイルの磁気フレームに、アース端子を接続固定した状態を示す斜視図である。
【図5】図5は、本発明のモールドコイルの磁気フレームに、アース端子を接続固定する方法を説明する部分拡大断面図である。
【図6】図6は、本発明のモールドコイルの磁気フレームに、アース端子を接続固定し、ボビンを装着した状態を示す斜視図である。
【図7】図7は、本発明のモールドコイルの磁気フレームに、アース端子を接続固定した状態の磁気フレームの底面部の部分拡大上面図である。
【図8】図8は、本発明のモールドコイルのボビンのアース端子位置決め用溝を示す下面図である。
【図9】図9は、本発明のモールドコイルのボビンに形成されたアース端子位置決め用溝に、磁気フレームに接続されたアース端子を嵌合させて、アース端子位置決め用溝がストッパーとして機能する状態を説明する概略図である。
【図10】図10は、本発明のモールドコイルの磁気フレームに、アース端子を接続固定し、ボビンを装着した状態を示す断面図である。
【図11】図11は、本発明のモールドコイルの磁気フレームに、アース端子を接続固定し、ボビンを装着し、溶融樹脂でモールドした状態を示す断面図である。
【図12】図12は、図11のB方向矢視図である。
【図13】図13は、本発明のモールドコイルのソケット組立体のモールドコイルとの接続部の端面図である。
【図14】図14は、本発明の別の実施例のモールドコイルの弁本体装着用孔に弁本体が装着された電磁弁の部分断面図である。
【図15】図15は、図14のA−A線での矢視図である。
【図16】図16は、本発明の別の実施例のモールドコイルの磁気フレームの斜視図である。
【図17】図17は、本発明のモールドコイルのボビンの上面図である。
【図18】図18は、本発明のモールドコイルのボビンの断面図である。
【図19】図19は、本発明のモールドコイルの製造方法を示す部分拡大断面図であって、図19(A)は、図18のA部分の拡大図、図19(B)は、図10のB部分の拡大図である。
【図20】図20は、従来のモールドコイルの断面図である。
【図21】図21は、従来のモールドコイルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいてより詳細に説明する。
【0050】
図1は、本発明のモールドコイルの弁本体装着用孔に弁本体が装着された電磁弁の部分断面図、図2は、図1のA−A線での矢視図、図3は、本発明のモールドコイルの磁気フレームの斜視図、図4は、本発明のモールドコイルの磁気フレームに、アース端子を接続固定した状態を示す斜視図、図5は、本発明のモールドコイルの磁気フレームに、アース端子を接続固定する方法を説明する部分拡大断面図、図6は、本発明のモールドコイルの磁気フレームに、アース端子を接続固定し、ボビンを装着した状態を示す斜視図、図7は、本発明のモールドコイルの磁気フレームに、アース端子を接続固定した状態の磁気フレームの底面部の部分拡大上面図、図8は、本発明のモールドコイルのボビンのアース端子位置決め用溝を示す下面図、図9は、本発明のモールドコイルのボビンに形成されたアース端子位置決め用溝に、磁気フレームに接続されたアース端子を嵌合させて、アース端子位置決め用溝がストッパーとして機能する状態を説明する概略図、図10は、本発明のモールドコイルの磁気フレームに、アース端子を接続固定し、ボビンを装着した状態を示す断面図、図11は、本発明のモールドコイルの磁気フレームに、アース端子を接続固定し、ボビンを装着し、溶融樹脂でモールドした状態を示す断面図、図12は、図11のB方向矢視図、図13は、本発明のモールドコイルのソケット組立体のモールドコイルとの接続部の端面図である。
【0051】
図1において、符号10は、全体で本発明のモールドコイルを装着した状態の電磁弁を示している。
【0052】
図1に示したように、電磁弁10は、弁本体12と、この弁本体12の駆動部14が装着されたモールドコイル16と、モールドコイル16に接続されたソケット組立体18とから構成されている。
【0053】
モールドコイル16は、図3に示したように、平板を四角に折り曲げて、断面略ロの字形状とした磁気フレーム20と、巻線22が巻かれたボビン24とから構成されている。すなわち、図6に示したように、ボビン24の周囲を囲むように、磁気フレーム20がボビン24の外部に装着されている。
【0054】
また、ボビン24には、図1、図6、図10に示したように、巻線22の端部が電気的に接続された一対の給電端子26が、圧入によってボビン24に固定されている。この給電端子26は、図6に示したように、基端部26aから下方に延設された延設部26bと、この延設部26bから、ソケット組立体18の方向に突出された給電端子部26cとから構成されている。
【0055】
また、図9(A)、図10、図17〜図19に示したように、ボビン24の上部には、上方に、すなわち、磁気フレーム20側に、磁気フレーム20の上板部20d側に突設する突設部21が形成されている。
【0056】
すなわち、ボビン24と給電端子26からなるボビン組立体を、磁気フレームに挿入して、コイル組立体15を組み立てるが、その際、コイル組立体15を横向きに倒すと、ボビン組立体と磁気フレーム20との間に隙間が空いているため、ボビン組立体が磁気フレーム20から抜け落ちたり、磁気フレーム20に対するボビン組立体の位置がずれることがあり、組立に支障をきたすことがある。
【0057】
このため、図19(A)に示したように、ボビン24の上部にこのような突設部21を形成することによって、図19(B)に示したように、ボビン24と給電端子26からなるボビン組立体を、磁気フレームに挿入(圧入)した際に、突設部21が圧縮変形することにより圧着される。すなわち、ボビン組立体と磁気フレーム20との隙間を、圧縮変形した突設部21が埋めることになるので、ボビン組立体と磁気フレーム20とを堅固に固定することができる。
【0058】
従って、この突設部21の圧縮変形の力によって、磁気フレーム20にボビン組立体が押し付けられた状態で固定されるため、組立が容易になる。
【0059】
さらに、図10、図18、図19に示したように、ボビン24の上部には、その外周端部に外周方向に突設する略鋭角三角形状の第1の鋭角突出部25aが形成されている。
【0060】
なお、図18に示したように、ボビン24の下部にも、その外周端部に外周方向に突設する略鋭角三角形状の第1の鋭角突出部25aが形成されている。
【0061】
この第1の鋭角突出部25aは、溶融樹脂でモールドする際に、溶融樹脂の熱によって、この第1の鋭角突出部25aの鋭角な部分が溶けることになる。これにより、溶融樹脂とボビン24とが一体になり、ボビン24とモールド樹脂との密着性が向上する。
【0062】
特に、ボビン24の材料と溶融樹脂との密着性が悪い場合には、このような鋭角突出部による鋭角部の数を増やすと密着性が向上する。例えば、図19に示したように、ボビン24の上部には、その外周端部近傍に、第1の鋭角突出部25aの突出方向に対して、垂直(90度)な方向、すなわち、上方向に(磁気フレーム20の上板部20dの方向に)突出する、第2の鋭角突出部25bを設ければ、溶融樹脂のモールド時の流れに左右されずに密着性が向上する。
【0063】
なお、図18に示したように、ボビン24の下部にも、その外周端部に外周方向に突設する略鋭角三角形状の第1の鋭角突出部25aが形成されている。
【0064】
なお、この場合、これらの突設部21、第1の鋭角突出部25a、第2の鋭角突出部25bの数、形状、配置位置などは、上記の作用を奏するものであれば適宜選択可能である。
【0065】
さらに、図3、図4、図5(A)に示したように、磁気フレーム20の底板部20aのソケット組立体18の方向に内壁側には、アース端子28が接続固定されている。
【0066】
すなわち、図4、図5(A)に示したように、磁気フレーム20の底板部20aには、内壁側に突設するカシメ用凸部20bが突設されており、アース端子28の基端部28aには、カシメ用孔部28bが形成されている。
【0067】
これにより、アース端子28の基端部28aに設けられたカシメ用孔部28bに、この磁気フレーム20の底板部20aのカシメ用凸部20bを係合させて、磁気フレーム20の底板部20aの内壁側から、ポンチなどの治具によって、カシメ加工することによって、磁気フレーム20の底板部20aの内壁側に、アース端子28の基端部28aを電気的に強固に接続固定するように構成されている。
【0068】
なお、磁気フレーム20の底板部20aの内壁側に、アース端子28の基端部28aを電気的に強固に接続固定する方法としては、図5(A)に示したカシメ加工以外にも、図5(B)に示したように、アース端子28の基端部28aに設けられたカシメ用孔部28bと、磁気フレーム20の底板部20aのカシメ用凸部20bとの間を溶接33によって固定することも可能である。
【0069】
なお、この場合、図3に示したように、磁気フレーム20の上板部20dには、ソケット組立体18の方向に、給電端子26が磁気フレーム20と電気的に接触するのを防止するための給電端子用切欠き30が形成されている。また、給電端子用切欠き30の中央部に、ポンチまたは溶接治具などの治具を挿通するための治具用切欠き32が形成されている。
【0070】
これにより、磁気フレーム20の上板部20dに、給電端子26が磁気フレーム20と電気的に接触するのを防止するための給電端子用切欠き30が形成されているので、給電端子26をボビン24に近づけることができ、モールドコイル16をコンパクトにすることが可能となる。
【0071】
また、給電端子用切欠き30の中央部に、ポンチまたは溶接治具などの治具を挿通するための治具用切欠き32が形成されているので、アース端子28を磁気フレーム20の内壁に接続固定するポンチまたは溶接治具などの治具を、治具用切欠き32を介して、挿入してアース端子28を磁気フレーム20の内壁に確実に接続固定することができる。
【0072】
また、図5(C)に示したように、アース端子28の基端部28aに、カシメ用凸部28cを下方に突設するとともに、磁気フレーム20の底板部20aに、カシメ用孔部20cを形成するようにしても良い。
【0073】
すなわち、アース端子28の基端部28aのカシメ用凸部28cを、磁気フレーム20の底板部20aのカシメ用孔部20cに係合させて、磁気フレーム20の底板部20aの外壁側から、ポンチなどの治具によって、カシメ加工することによって、磁気フレーム20の底板部20aの内壁側に、アース端子28の基端部28aを電気的に強固に接続固定するように構成してもよい。
【0074】
また、図5(D)に示したように、アース端子28の基端部28aのカシメ用凸部28cと、磁気フレーム20の底板部20aのカシメ用孔部20cの間を溶接33によって固定することも可能である。
【0075】
この図5(C)、図5(D)の場合には、磁気フレーム20の外壁側から、アース端子28を磁気フレーム20の内壁に接続固定するポンチまたは溶接治具などの治具を用いればよいので、磁気フレーム20の治具用切欠き32が不要となり、磁気フレーム20の構成が簡単でコストを低減することが可能となる。
【0076】
また、アース端子28は、図4に示したように、アース端子28の基端部28aから上方に延設した延設部28dと、この延設部28dから、ソケット組立体18の方向に突出されたアース端子部28eとから構成されている。
【0077】
さらに、図3、図4に示したように、平板を四角に折り曲げて、断面略ロの字形状とした磁気フレーム20は、その合わせ部34が、アース端子28の基端部28aの接続位置を避けるように、磁気フレーム20の一方の側板部20eに形成されている。また、この合わせ部34は、その中央部が、テーパ状の凸部34aとこのテーパ状の凸部34aと相補的なテーパ形状の凹部34bとから構成され、この凸部34aと凹部34bとの嵌合によって、磁気フレーム20が一体化され、強度に優れるようになっている。
【0078】
また、図3、図4に示したように、磁気フレーム20の底板部20a、上板部20d、側板部20eには、複数の貫通孔36が、所定間隔離間して形成されている。
【0079】
また、この実施例では、磁気フレーム20の側板部20eに形成された貫通孔36が、図5(E)に示したように、磁気フレーム20の周方向に相互に位置をずらして形成されている。
【0080】
すなわち、金属からなる磁気フレーム20とモールド樹脂38とは濡れ性が異なるので、モールド時に溶融樹脂が磁気フレーム20の内部に浸透しやすくなるように、磁気フレーム20に貫通孔36を設けている。また、この場合、複数の貫通孔36を設けると断面積が極端に減少する部分ができ、磁気損失となる。磁気損失が大きい場合、コイルを大きくする必要がある。
【0081】
これに対して、複数の貫通孔36が所定間隔離間して形成され、これらの貫通孔36が、磁気フレーム20の周方向に相互に位置をずらして形成されているので、断面積が最小限の減少となり、その結果、磁気効率の低下を(磁気損失を)招くことなく、モールド性を向上できる。
【0082】
さらに、図3、図4に示したように、磁気フレーム20の上板部20dには、その中央部に弁本体12の駆動部14をネジ止めするためのボルト挿通孔31が形成されている。また、磁気フレーム20の底板部20aには、その中央部に弁本体12の駆動部14を挿通するための駆動部挿通孔40が形成されている。
【0083】
また、図7、図8に示したように、コイル組立体15の磁気フレーム20に接続固定したアース端子28の基端部28aに対応する位置に、ボビン24の下面に、アース端子位置決め用溝42が形成されている。
【0084】
このように構成することによって、図9(A)の矢印に示したように、磁気フレーム20内にコイル組立体15を装着した際に、図9(B)に示したように、アース端子28の基端部28aの一端部28fに、アース端子位置決め用溝42のストッパー面42aが当接して、ストッパーとして機能することになる。
【0085】
また、磁気フレーム20内にコイル組立体15を装着した際に、図9(B)に示したように、アース端子28の基端部28aの両側の側端部28gに、アース端子位置決め用溝42の両側のストッパー側面42bが、それぞれ当接して、磁気フレーム20内でボビン24が回転するのを防止することができるようになっている。
【0086】
この場合、上記のストッパー機能と回転防止機能を果たすためには、少なくとも、アース端子28の基端部28aの一端部28fと、アース端子位置決め用溝42のストッパー面42aとが当接し、アース端子28の基端部28aの片側の側端部28gと、アース端子位置決め用溝42の片側のストッパー側面42bとが当接すれば良い。
【0087】
このように構成されるモールドコイル16は、以下のように作製される。
【0088】
先ず、図3、図4、図5(A)に示したように、アース端子28の基端部28aに設けられたカシメ用孔部28bに、この磁気フレーム20の底板部20aのカシメ用凸部20bを係合させて、磁気フレーム20の底板部20aの内壁側から、ポンチなどの治具によって、カシメ加工することによって、磁気フレーム20の底板部20aの内壁側に、アース端子28の基端部28aを電気的に強固に接続固定する。
【0089】
そして、図9に示したように、磁気フレーム20内にコイル組立体15を装着する際に、アース端子28の基端部28aの一端部28fに、アース端子位置決め用溝42のストッパー面42aが当接して、ストッパーとして機能させる。
【0090】
また、磁気フレーム20内にコイル組立体15を装着する際に、アース端子28の基端部28aの両側の側端部28gに、アース端子位置決め用溝42の両側のストッパー側面42bが、それぞれ当接して、磁気フレーム20内でボビン24が回転するのを防止する回転防止機構として機能させる。
【0091】
これにより、図10に示したように、アース端子28とボビン24との間の位置決めを確実に行うことができる。
【0092】
そして、この状態で、図示しない金型内に配置して、溶融樹脂を注入することによって、ボビン組立品が金型内でずれて、被覆部の厚みが部分的に薄くなったり、磁気フレーム20がモールド樹脂38の被覆部の表面に露出することがない。
【0093】
しかも、溶融樹脂を注入した際にも、図2に示したように、アース端子28と給電端子26との相対位置(アース端子28と給電端子26との間の距離L1、給電端子26、26の間の距離L2)、突出距離(アース端子28の先端と給電端子26の先端との間の距離L3)などがずれてしまうことがなく、アース端子28と給電端子26との相対位置、突出距離などが一定となる
また、アース端子28の磁気フレーム20に対する固定位置が多少ずれたとしても、アース端子28と給電端子との位置関係が一定となる。
【0094】
その結果、後述するように、図12、図13に示したように、給電端子26と、ソケット組立体18の給電端子ソケット44との電気的接続、アース端子28と、ソケット組立体18のアース端子ソケット46との確実な電気的接続が図れ、電磁弁10の作動を確実に行える。
【0095】
このようにモールド樹脂38でモールドしたモールドコイル16に、図1に示したように、弁本体12の駆動部14を挿通して固定する。
【0096】
すなわち、磁気フレーム20の底板部20aに形成した駆動部挿通孔40、ボビン24の駆動部挿通孔24aに、弁本体12の駆動部14を挿通する。そして、磁気フレーム20の上板部20dに形成したボルト挿通孔31を介して、締結ボルト48を駆動部14の吸引子50に形成したネジ孔52に螺合させて、モールドコイル16に弁本体12の駆動部14を挿通して固定する。
【0097】
なお、図1中、符号54は、図示しない弁体に接続されたプランジャー、56は、吸引子50とプランジャー54との間に介装した付勢バネ、58は、シール材を示している。
【0098】
そして、図1、図14に示したように、このように弁本体12の駆動部14を挿通して固定したモールドコイル16に、ソケット組立体18を接続する。
【0099】
すなわち、給電端子26と、ソケット組立体18の給電端子ソケット44との電気的接続、アース端子28と、ソケット組立体18のアース端子ソケット46との電気的接続を行えば、本発明の電磁弁10が構成される。
【0100】
なお、モールドコイル16に、ソケット組立体18を接続するには、図1に示したように、モールドコイル16側に設けたメネジ60と、給電端子ソケット44側に設けたオネジ62とを螺合すればよい。
【0101】
このように構成される本発明のモールドコイル16およびモールドコイル16を備えた電磁弁10によれば、アース端子28を磁気フレーム20の内壁に接続固定しているため、磁気フレーム20自体がアース端子として機能する。
【0102】
そのため、従来のように電磁弁とモールドコイルでアース端子を挟み込む構造よりも、アース端子28の接触面積が大きくでき、磁気フレーム20と電磁弁10との接触面全てでアースをとれることができ、電気的接触がより確実になる。
【0103】
また、プリント基板が不要であり、しかも、アース端子28を磁気フレーム20の内壁に接続固定しているため、従来のようにアース端子を磁気フレームの外壁に接続固定する場合に比較して、モールドコイルを小型化することができ、電磁弁のコンパクト化が図れる。
【0104】
また、ボビン24に形成されたアース端子位置決め用溝42に、磁気フレーム20に接続されたアース端子28が嵌合するので、アース端子位置決め用溝42がストッパーとして機能するとともに、磁気フレーム20内でボビン24が回転するのを防止することができ、アース端子28とボビン24との間の位置決めを確実に行うことができる。
【0105】
従って、位置出し部品を必要とせず、ボビン24と磁気フレーム20とを所定の位置で位置決めすることができ、これにより、溶融樹脂の注入時に、ボビン組立品が金型内でずれて、被覆部の厚みが部分的に薄くなったり、磁気フレーム20が被覆部の表面に露出したり、アース端子28と給電端子26との相対位置、突出距離などがずれてしまうことがなく、アース端子28と給電端子26との相対位置、突出距離などが一定である。
【0106】
また、アース端子28の磁気フレーム20に対する固定位置が多少ずれたとしても、アース端子28と給電端子26との位置関係が一定となる。
【0107】
その結果、給電端子26と、ソケット組立体18の給電端子ソケット44との電気的接続、アース端子28と、ソケット組立体18のアース端子ソケット46との確実な電気的接続が図れ、電磁弁10の作動を確実に行える。
【0108】
図14は、本発明の別の実施例のモールドコイルの弁本体装着用孔に弁本体が装着された電磁弁の部分断面図、図15は、図14のA−A線での矢視図、図16は、本発明の別の実施例のモールドコイルの磁気フレームの斜視図である。
【0109】
この実施例の電磁弁10は、図1〜図13に示した電磁弁10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0110】
この実施例の電磁弁10では、モールドコイル16の磁気フレーム20の上板部20dには、ソケット組立体18の方向に、給電端子26が磁気フレーム20と電気的に接触するのを防止するための給電端子用切欠き30が形成されていない。
【0111】
このため、磁気フレーム20よりも、給電端子26が磁気フレーム20に接触しないように、ソケット組立体18方向により突出しており、これに伴い、アース端子28もソケット組立体18方向により突出した形状となっている。
【0112】
また、磁気フレーム20の上板部20dに、ポンチまたは溶接治具などの治具を挿通するための治具用貫通孔64が形成されている。
【0113】
さらに、磁気フレーム20は、その合わせ部34が、アース端子28の基端部28aの基端部28aの接続位置を避けるように、磁気フレーム20の磁気フレーム20の底板部20aに形成されている。
【0114】
また、磁気フレーム20の上板部20dに形成されたボルト挿通孔31は、図16に示したように、カギ溝31aが形成されており、これにより、カシメ時、溶融樹脂によるモールド時に治具内での回転を防止するように構成されている。
【0115】
この場合には、図1〜図13に示したモールドコイル16よりも、給電端子26とアース端子28がソケット組立体18方向により突出した分、少し大型になっているが、この場合でも、図1〜図13に示したモールドコイル16と同様な作用効果を奏することができる。
【0116】
以上、本発明の好ましい実施の態様を説明してきたが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、上記の実施例では、磁気フレーム20の底板部20aの内壁側に、アース端子28の基端部28aを電気的に強固に接続固定したが、磁気フレーム20の内壁側であれば、磁気フレーム20の上板部20d、側板部20eにも接続固定することができる。
【0117】
また、上記の実施例では、磁気フレーム20は、平板を四角に折り曲げた断面略ロ字形状であるとしたが、平板をコ字状に折り曲げた形状でもよく、また、平板を複数枚組み合わせることで磁気フレーム20を形成してもよい。
【0118】
また、弁本体12として二方弁、三方弁など種々の弁本体に適用可能であるなど本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本発明は、電磁弁の弁体を駆動するために用いられ、樹脂でモールドされたモールドコイルおよびモールドコイルを用いた電磁弁に適用することができる。
【符号の説明】
【0120】
10 電磁弁
12 弁本体
14 駆動部
15 コイル組立体
16 モールドコイル
18 ソケット組立体
20 磁気フレーム
21 突設部
20a 底板部
20b カシメ用凸部
20c カシメ用孔部
20d 上板部
20e 側板部
22 巻線
24 ボビン
24a 駆動部挿通孔
25a 第1の鋭角突出部
25b 第2の鋭角突出部
26 給電端子
26a 基端部
26b 延設部
26c 給電端子部
28 アース端子
28a 基端部
28b カシメ用孔部
28c カシメ用凸部
28d 延設部
28e アース端子部
28f 一端部
28g 側端部
30 給電端子用切欠き
31 ボルト挿通孔
31a カギ溝
32 治具用切欠き
33 溶接
34 合わせ部
34a 凸部
34b 凹部
36 貫通孔
38 モールド樹脂
40 駆動部挿通孔
42 アース端子位置決め用溝
42a ストッパー面
42b ストッパー側面
44 給電端子ソケット
46 アース端子ソケット
48 締結ボルト
50 吸引子
52 ネジ孔
54 プランジャー
56 付勢バネ
58 シール材
60 メネジ
62 オネジ
64 治具用貫通孔
100 モールドコイル
102 アース端子
104 基端部
106 モールドコイル
108 電磁弁装着用孔
110 電磁弁
200 モールドコイル
202 プリント基板
204 給電端子
206 アース端子
208 係合片
210 磁気フレーム
211 係合孔
212 スペーサー
214 メネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁弁の弁体を駆動するために用いられ、樹脂でモールドされたモールドコイルであって、
巻線が巻き付けられたボビンと、
前記ボビンに取付けられ、巻線の端部が電気的に接続された一対の給電端子と、
前記ボビンを囲む磁気フレームと、
前記磁気フレームに接続されたアース端子と、を備え、
前記アース端子を磁気フレームの内壁に接続固定したことを特徴とするモールドコイル。
【請求項2】
前記ボビンに、アース端子位置決め用溝が形成され、ボビンと、アース端子が接続された磁気フレームとが所定の位置で位置決めされるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のモールドコイル。
【請求項3】
前記磁気フレームには、複数の貫通孔が所定間隔離間して形成され、
前記貫通孔が、磁気フレームの周方向に相互に位置をずらして形成されていることを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載のモールドコイル。
【請求項4】
前記磁気フレームには、給電端子が磁気フレームと電気的に接触するのを防止するための給電端子用切欠きが形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のモールドコイル。
【請求項5】
前記磁気フレームには、アース端子を磁気フレームの内壁に接続固定する治具用の貫通孔または切欠きが形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のモールドコイル。
【請求項6】
前記ボビンの上面に、磁気フレーム側に突設する突設部が形成され、
前記ボビンと給電端子からなるボビン組立体を磁気フレームに挿入した際に、前記突設部が磁気フレームにより圧縮変形して、ボビン組立体と磁気フレームとの隙間を埋めることにより、ボビン組立体と磁気フレームとが固定されるように構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のモールドコイル。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載のモールドコイルの弁本体装着用孔に弁本体が装着された電磁弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−164752(P2012−164752A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−22882(P2011−22882)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(000143949)株式会社鷺宮製作所 (253)
【Fターム(参考)】