説明

ユーザの移動統計値を利用したロケーションベース・サービスの提供

【課題】本発明は、無線ネットワークに関連する移動体通信ユーザ装置にロケーションベース・サービスを配信するための改善された技術を提供する。
【解決手段】本発明の一態様は、的を絞られた販売キャンペーンまたは他のタイプのメッセージ配信の展開を容易にするために利用されることが可能なユーザの移動の統計値の創出に関連する。この態様では、ユーザの移動の統計値は移動体通信ユーザ装置に関するロケーションおよびプロフィール情報に基づいて作り出され、移動体通信ユーザ装置のうちの所定の装置への少なくとも1つのメッセージの配信がこのユーザの移動の統計値に基づいて制御される。ユーザの移動の統計値は、例えば特定の指定された特徴を有するユーザが所定の時間に所定のロケーションにどの程度多く居る可能性が高いかを近似的に判定するために十分な情報を含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は以下の米国特許出願、すなわち
・代理人の事件整理番号Poosala 37の「Methods and Apparatus for Providing Location−Based Services in a Wireless Communication System」という表題、
・代理人の事件整理番号Poosala 38の「Auctioning of Message Delivery Opportunities in a Location−Based Services System」という表題、
・代理人の事件整理番号Hampel 16−14−5−40の「Prioritization of Location Queries in a Location−Based Services System」という表題、
・代理人の事件整理番号Hampel 17−15−41の「Traffic−Synchronized Location Measurement」という表題、
・代理人の事件整理番号Hampel 18−16−42の「Mobile−Initiated Location Measurement」という表題、
・代理人の事件整理番号Hampel 19−17−43の「Broadcast Channel Derivery of Location−Based Services Information」という表題、
・代理人の事件整理番号Hampel 20−18−44の「Reverse Lookup of Mobile Location」という表題、
の出願に関連する。
【0002】
上記に記載した出願のすべては本願と同時に提出され、本願明細書に参照で組み入れられる。
【0003】
本発明は概して無線ネットワークおよび他のタイプの通信システムに関し、さらに特定するとロケーションベースのメッセージ配信および他のサービスをそのようなシステム内の移動体通信ユーザ装置に提供するための技術に関する。
【背景技術】
【0004】
多種多様な異なるタイプの無線通信システムが知られている。例えば、代表的な無線セルラー・ネットワークは多数の相互接続された基地局を含み、これらが画定された担当領域の中の移動体通信ユーザ装置と通信する。
【0005】
近年、移動体通信ユーザ装置の現在のロケーションに基づいて広告または他のタイプのメッセージをこれらの装置に配信する技術が開発されてきた。したがって、所定のユーザ装置が特定の小売り店舗の間近にあることが判定されれば、その店舗に関連する広告がこのユーザ装置に配信されることが可能である。
【0006】
このタイプの技術の実例は「Real−Time Wireless E−Coupon(Promotion)Definition Based On Available Segment」という表題の米国特許出願公開第2002/0095333号明細書、「System and Method for Providing Short Message Targeted Advertisements Over a Wireless Communication Network」という表題の米国特許出願公開第2002/0164977号明細書、「Push Delivery Service Providing Method,Information Providing Service System,Server System and User Station」という表題の米国特許出願公開第2003/0198346号明細書、「Location−Based Content Delivery」という表題の米国特許出願公開第2004/0209602号明細書、「Distribution of Location Specific Advertising Information Via Wireless Communication Network」という表題の米国特許出願公開第2005/0221843号明細書、「Method and Apparatus for Creating,Directing,Storing and Automatically Delivering a Message to an Intended Recipient Upon Arrival of a Specified Mobile Object at a Designated Location」という表題の米国特許出願公開第2005/0227711号明細書、および「Custom Information For Wireless Subscribers Based on Proximity」という表題の米国特許出願公開第2006/0058037号明細書に述べられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2002/0095333号
【特許文献2】米国特許出願公開第2002/0164977号
【特許文献3】米国特許出願公開第2003/0198346号
【特許文献4】米国特許出願公開第2004/0209602号
【特許文献5】米国特許出願公開第2005/0221843号
【特許文献6】米国特許出願公開第2005/0227711号
【特許文献7】米国特許出願公開第2006/0058037号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
都合の悪いことに、上記に引用された参考資料に述べられるような従来式の無線通信システムはいくつかの重大な欠点がある。例えば、従来式のシステムは通常、基地局とユーザ装置との間の過剰のロケーション問い合わせまたは他のタイプのロケーション関連の通信につながり、それによって第一義的な音声およびデータのトラフィック機能をサポートするシステムの能力をむしばむ可能性が高い様式で構成される。また、上記で言及されたシステムは与えられる収益発生能力の点に関して不足している。従来式の実践法に付随するこれらおよびその他の問題を考慮すると、移動体通信ユーザ装置にロケーションベース・サービスを配信するための改善された技術に関してニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は1つまたは複数の具体的な実施形態において、無線ネットワークに関連する移動体通信ユーザ装置にロケーションベース・サービスを配信するための改善された技術を提供する。
【0010】
本発明の一態様は、目標の販売キャンペーンまたは他のタイプのメッセージ配信の展開を容易にすることが可能であるユーザの移動の統計値の発生に関連する。この態様では、移動体通信ユーザ装置に関するロケーションとプロフィール情報に基づいてユーザの移動の統計値が作り出され、移動体通信ユーザ装置のうちの所定の1つへの少なくとも1つのメッセージの配信がこのユーザの移動の統計値に基づいて制御される。
【0011】
ユーザの移動の統計値は、例えば、特定の指定された特徴を有するユーザがどの程度多く所定の時間に所定の場所にいるかを概略で判定するために十分な情報を含むことが可能であり、移動体通信ユーザ装置へのメッセージの配信に関して請求される価格を決定するために利用されることが可能である。ユーザの移動の統計値はまた、または場合によっては、関心を持った契約当事者への1つまたは複数のメッセージ配信機会の競売に関して適切な入札水準を決定するため、移動体通信ユーザ装置に配信されるメッセージを含む販売キャンペーンの効果を見積もるため、またはメッセージの制御された配信に関連する他の目的のために利用されることが可能である。
【0012】
具体例となる実施形態において、ユーザの移動の統計値の発生および利用に関連する操作は、少なくとも部分的に、これ以降ではGcast(商標)システムと称されるロケーションベース・サービス・システム内に導入され、これがゲートウェイを介して無線ネットワークのメッセージ・サービスセンターまたは他の構成要素に連結されてもよい。このロケーションベース・サービス・システムはマーケティング・メッセージ・データベースおよび加入者情報データベースに連結されてもよい。ロケーションベース・サービス・システムは、例を挙げると、インターネット・プロトコル・ネットワーク上でブラウザ装備外部処理デバイスにアクセス可能な少なくとも1つの処理デバイスを含んでもよい。ロケーションベース・サービス・システムは、例えば二重のロケーション問い合わせを取り除くこと、またはロケーション問い合わせに優先順位を付けることによって移動体通信ユーザ装置と無線ネットワークの基地局との間のロケーション関連の通信を最少にするように構成されるロケーション・サーバを含んでもよい。
【0013】
具体的実施形態の本発明は上記で特定された従来式のシステムを上回る顕著な利点を提供する。例えば、必要とされるロケーション問い合わせおよび他のタイプのロケーション関連の通信の数が大幅に削減されることが可能であり、その一方でなお通信システムの中の多種多様なロケーションベース・サービスの実施を可能にする。これはロケーション関連の通信が無線ネットワークを制圧すること、およびそのネットワークの第一義的な音声およびデータのトラフィック機能を妨げることを防止する。さらに、上記に言及したメッセージ配信機会の競売ならびにユーザの移動の統計値を通じたさらに効果的な販売を含む多くの付加的な収益発生能力が提供される。
【0014】
本発明のこれらおよびその他の特徴と利点は添付の図面および以下の詳細な説明からさらに明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の具体例の実施形態におけるロケーションベース・サービス・システムを含む無線通信システムの一般的構成および動作を例示するブロック図とフロー図を組み合わせた図である。
【図2A】図1の無線通信システムの少なくとも一部分の考え得る実践例を示す図である。
【図2B】図1の無線通信システムの少なくとも一部分の考え得る実践例を示す図である。
【図3】図1の無線通信システムのロケーションベース・サービス・システムをさらに詳しく示す図である。
【図4】図1の無線通信システムにおいて図3のロケーションベース・サービス・システムによって提供されることが可能なロケーションベース・サービスの実例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は無線通信システムおよびこれに付随するロケーションベース・サービスと関連付けて下記に例示される。しかしながら、本発明がどのような特定のタイプの無線システムおよび(1つまたは複数の)ロケーションベース・サービスを伴う用途にも限定されないことは理解されるべきである。開示される技術は多種多様な他のシステムでの使用および多数の代替のサービスを提供することにも適している。例えば、述べられる技術はUMTS、W−CDMA、CDMA2000、HSDPA、IEEE802.11などのよく知られた規格を利用するものを含めた多くの異なるタイプの無線ネットワークに応用可能である。本願明細書に使用される「無線通信システム」という用語はこれらおよび他のタイプの無線ネットワーク、ならびにそのようなネットワークのうちのサブネットワークまたは他の部分および場合によっては異なる規格に従って動作する多数のネットワークの組み合わせを含むように意図される。所定の無線通信システムはまた、1つまたは複数の有線ネットワークまたはそのような有線ネットワークの一部をシステムの構成要素として含んでもよい。
【0017】
図1は本発明の具体的な実施形態における無線通信システム100を示している。通信システム100は、具体的には本願明細書でGcast(商標)システムと称されるロケーションベース・サービス・システム102を含み、ここでGcast(商標)は米国ニュージャージー州マリー・ヒルのLucent Technologies Inc.の商標である。Gcast(商標)システム102はマーケティング・メッセージ・データベース104からメッセージ情報を受信し、加入者情報データベース106から加入者情報を受信し、図示されるように1つまたは複数の広告配信ゲートウェイ107およびメッセージ通信ゲートウェイ108に連結される。
【0018】
通信システム100にやはり含まれるものは基地局114と通信するいくつかの加入者装置112を含む無線ネットワーク110である。基地局114は無線ネットワーク110のそれぞれのセル115内に配置される。無線ネットワーク110は具体的に無線セルラー・ネットワークとして構成されているが、これは例えば、別の従来式のUMTSネットワークであってもよく、他のタイプの無線ネットワークが本発明の実施に使用されることもあり得る。
【0019】
加入者装置112は本願では図1および他の場所に携帯電話器として具体的に示されているが、本願明細書でさらに一般的に移動体通信ユーザ装置と称されるものの実例として見なされてもよい。そのような装置は本願明細書で移動局または「モバイル」と称されることもやはりあり得る。本発明はどのような移動体通信ユーザ装置での使用にも限定されず、本願明細書における移動体通信ユーザ装置は例えば携帯型またはラップトップ・コンピュータ、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、無線電子メール装置、または他の携帯型処理デバイス、いずれかの組み合わせを含むこともあり得る。
【0020】
通信システム100はさらに、多数のコンピュータ121で構成されてかつ少なくとも1つのマーケティング・エージェント122と関連付けられるコンピュータ・ネットワーク120を含む。コンピュータ・ネットワーク120はマーケティング・メッセージ・データベース104に保存されるマーケティング情報を提供する。場合によっては、マーケティング情報はGcast(商標)システム102内に直接保存されてもよく、または部分的にマーケティング・メッセージ・データベース104内、部分的にGcast(商標)システム102内に保存されてもよい。
【0021】
加入者装置112のユーザであることが見込まれる無線加入者130は通信システム100の中でプロフィール情報132を供給する。このプロフィール情報は、例えばオプトイン・リストまたは他のユーザ嗜好、人口統計情報、または例えば販売時点管理(POS)のアンケート、折り込み広告への応答、サービス・プロバイダ(SP)のウェブサイト、または加入者プロフィール情報のいずれかの他の供給源から作り出される他のタイプのプロフィール情報を含んでもよい。プロフィール情報は例えば加入者情報データベース106に保存され、それにより、Gcast(商標)システム102にアクセス可能にされてもよい。場合によって、プロフィール情報132はGcast(商標)システム102内に直接保存されてもよく、または部分的に加入者情報データベース104内、部分的にGcast(商標)システム102内に保存されてもよい。
【0022】
Gcast(商標)システム102によって利用されるプロフィール情報、ならびに場合によってはマーケティング情報、ロケーションおよび存在情報、または他のタイプの情報のうちの少なくとも一部が加入者装置112のうちの1つまたは複数、または1つまたは複数の他のシステム構成要素に保存されてもよいことに留意するべきである。例えば、所定の加入者装置がその装置に関するロケーション、存在およびプロフィール情報を保存し、必要に応じてGcast(商標)システム102にそのような情報を提供してもよい。
【0023】
具体例の実施形態における通信システム100の動作の1つの考え得るモードは図中に示されたステップ1から5によって示される。この実施形態における通信システムの動作は広告メッセージの配信に向けられているが、記述される技術がいずれのタイプのロケーションベース・サービスに関連するいずれのタイプのコンテンツの配信における使用にも直接的な方式で適合させられ得ることは理解されるはずである。このコンテンツはこの実例にあるようなマーケティング実体のみでなく、様々な異なる実体によって作り出されてもよく、そのような他の実体は加入者自身を含んでもよい。また、特定の動作が図示された順序で順々に起こることは必ずしも必要でなく、例えば或る複数のステップが少なくとも部分的に互いに同時に実行されることもあり得る。
【0024】
ステップ1で、マーケティング・エージェント122に付随するコンピュータ・システム120は広告コンテンツおよびその広告コンテンツに関するターゲットのプロフィールを集めるために利用される。この実例には単一のマーケティング・エージェントに付随する単一のネットワーク化されたコンピュータ・システムのみが示されているが、他の実施形態は各々が自身のコンピュータ・システムを有する多数のマーケティング・エージェントまたは他のタイプのマーケティング実体を含むこともあり得る。
【0025】
ステップ2で、オプトイン・リストが構築され、他のタイプのプロフィール情報132が無線加入者130に関して集められる。前に示されたように、この情報は加入者情報データベース106内に保存されてもよい。
【0026】
ステップ3で、加入者情報データベース106内の加入者のロケーションと存在の情報が無線ネットワーク110との通信によって自動的に集められて更新される。ロケーション情報は、例えば加入者装置のそれぞれの現在のロケーションを表示してもよい。存在情報は、例えば所定の加入者装置のユーザが現在その装置で音声電話使用に関与しているかどうか、またはユーザが会談中、そうでなければ手がふさがっている、または対応不可能であるかどうかを示してもよい。
【0027】
ステップ4で、Gcast(商標)システム102内のルール・エンジンがマーケティング・メッセージ・データベース104からのマーケティング・メッセージを加入者情報データベース106内に保存された情報に基づいて適切な加入者に一致させる。
【0028】
ステップ5で、Gcast(商標)システム102内のルール・エンジン内でそれぞれの加入者に一致させられたメッセージが無線ネットワーク110の1つまたは複数の基地局114を介してそれぞれの加入者装置112でこれらの加入者に配信される。
【0029】
ここで図2Aを参照すると、図1の通信システム100の少なくとも一部の或る考え得る実践の一例が示されている。図2Aに示されるような通信システム100では、図1のGcast(商標)システム102は無線ネットワーク110とは分離しているネットワーク運営センター202に導入される。ネットワーク運営センター202は従来式の統合サービス・ゲートウェイ(ISG)204を介して無線ネットワーク110の1つまたは複数の処理デバイスと通信する。
【0030】
さらに特定すると、ISG204は移動局測位センター(MPC)およびゲートウェイ移動局ロケーション・センター(GMLC)のうちの1つまたは複数を含む第1の処理デバイス210、およびショート・メッセージ・サービスセンター(SMSC)およびマルチメディア・メッセージ・サービスセンター(MMSC)のうちの1つまたは複数を含む第2の処理デバイス212と通信する。この実施形態における無線ネットワーク110は少なくとも1つの追加の処理デバイス214をさらに含み、これが具体例ではホーム・ロケーション・レジスタ(HLR)、移動体通信交換局(MSC)、位置判定素子(PDE)とおそらく1つまたは複数の在圏ロケーション・レジスタ(VLR)などの追加の素子、サービングGPRSサポート・ノード(SGSN)、ロケーション・サービス素子(LCS)などのうちの1つまたは複数を含む。図2Aおよび本願明細書の他の場所で使用される表記法「/」が概して「および/または」を参照することは理解されるはずである。上記で言及したMPC、GMLC、SMSC、MMSC、HLR、MSC、PDE、VLR、SGSN、およびLCSなどの無線ネットワーク素子に関連する従来型の動作は当業者によく知られており、したがって本願明細書では詳しく述べられない。
【0031】
無線ネットワーク110内の処理デバイス210、212、および214のうちの所定のものは1つまたは複数のコンピュータ、サーバ、交換機、記憶素子または他の素子、いずれかの組み合わせとして導入されてもよい。概して、そのような処理デバイスは少なくとも1つのメモリに連結された少なくとも1つのプロセッサを含み、本願明細書に述べられる技術に関連する機能を提供するためのソフトウェア・プログラムを実行するように構成されることが可能である。MPC、GMLC、SMSC、MMSC、HLR、MSC、およびPDEなどの特定のネットワーク素子が処理デバイス210、212、および214のうちの特定のものと関連するように図2Aに示されているが、これは具体的な実例の方式に過ぎない。代替の実施形態では、各々のそのようなネットワーク素子1つまたは複数の専用の処理デバイスを使用して導入されてもよく、またはこれらの素子の別の組み合わせが1つまたは複数の共有の処理デバイスを使用して導入されてもよい。したがって本願明細書に使用される「処理デバイス」という用語は所定のロケーションベース・サービスに関連する機能の少なくとも一部を供給することに適したどのようなプロセッサに基づくデバイスも包含するように概して解釈されることを意図されている。
【0032】
図2Aの実施形態のGcast(商標)システム102は220−1から220−Nで表示された任意の数N個の処理デバイスを含む。上記で示されたように、各々のそのような処理デバイスは1つまたは複数のコンピュータ、サーバ、交換機、記憶素子または他の素子、いずれかの組み合わせとして導入されてもよい。例えば、処理デバイス220のうちの1つがネットワーク上でアクセス可能なウェブ・サーバを含んでもよい。また、Gcast(商標)システムは多数の処理デバイス220を含むように図2Aに示されているが、代替の実施形態ではGcast(商標)システムは単一のそのようなデバイスのみを使用して導入されてもよい。ここでも再び、前に示されたようにそのような処理デバイスはメモリに連結されたプロセッサを概して含む。
【0033】
本願明細書に使用される「ロケーションベース・サービス・システム」という用語は、例えば図1および2AのGcast(商標)、または各々が少なくとも1つのメモリに連結された少なくとも1つのプロセッサを含む1つまたは複数の処理デバイスのいずれの他の配列も包含することを意図されている。所定のそのようなシステムは無線ネットワークの内部、すなわち基地局またはこのネットワークの他の素子の中、または無線ネットワークの外部に導入されてもよい。場合によってはこのシステムはいくつかの部分が無線ネットワークの内部にあって他の部分が無線ネットワークの外部にある分散方式で導入されることもあり得る。さらに、ロケーションベース・サービス・システムは図1または2Aに示されるシステム構成要素のうちの1つまたは複数をGcast(商標)システム102の外部にあるように含むように構成されてもよい。例えば、他の実施形態では図1のマーケティング・エージェント122に関連するコンピュータ121のうちの1つまたは複数、または処理デバイス204、232または235のうちの1つまたは複数が所定のロケーションベース・サービス・システムの一部であってもよい。
【0034】
ISG204を経由してGcast(商標)システム102と無線ネットワーク110との間で手渡される情報は、この実例では処理デバイス210とGcast(商標)システム102との間の点線224で示されるような移動体通信加入者装置112のロケーション、および処理デバイス212とGcast(商標)システム102との間の点線225で示されるような加入者装置112のそれぞれを対象にしたメッセージを含む。ISG204はこの実施形態ではGcast(商標)システム102と無線ネットワーク110との間のインターフェースとして使用されるが、他の実施形態において他のタイプのインターフェースが使用されることもあり得る。
【0035】
Gcast(商標)システム102はまた、この実施形態ではインターネット・プロトコル(IP)ネットワーク230を介してウェブ・ブラウザ234を備え付けられている少なくとも1つのコンピュータ232につながれる。ウェブ・ブラウザ234は、例えばIPネットワーク230上でマップ・サーバ235にアクセスするために使用されてもよい。他のタイプのウェブ・サーバが従来の方式でコンピュータ232のウェブ・ブラウザ234を介してアクセスされることもやはりあり得る。そのようなサーバの1つは処理デバイス220のうちの1つまたは複数を使用してGcast(商標)システム自体の中に導入されるウェブ・サーバであってもよい。コンピュータ232は、例えば図1のマーケティング・エージェントのコンピュータ・システム120のコンピュータ121のうちの1つであってもよい。マーケティング・エージェントはこの実施形態では広告サービス・プロバイダ(AdSP)または広告キャンペーン・マネージャとも称される。場合によって、そのようなコンピュータまたは他の処理デバイスの別の類似したコンピュータがシステム管理者、無線サービス・プロバイダの事業体、または加入者のうちの特定の者に関連付けられてもよい。もちろん、各々のそのような実体が自身のブラウザ装備コンピュータまたは本発明の所定の実施形態におけるコンピュータを有してもよい。
【0036】
ここで図2Bを参照すると、システム100の或る素子の1つの考え得る相互接続のさらに詳細な図が示されている。この実施形態では、基地局114は図示されるように移動体通信ユーザ装置112およびMSC250と通信する。MSC250はPDE252およびMPC254につながれている。MSC250はまた、図示されるようにSMSC256、HLR258およびVLR260にもつながれている。MPC254は1つまたは複数のLCS素子262と相互作用する。広告コンテンツおよび他のタイプのロケーションベース・サービス・コンテンツはこの実施形態では図中にadコンテンツ素子として具体例で指定される素子264からSMSC256およびMSC250を経由してアクセス可能である。素子264はGcast(商標)システム102の構成要素または通信システム100の別の構成要素を表わすこともあり得る。ここでも再び、図2Bに示されるような無線ネットワーク素子の動作の従来式の態様はよく知られており、したがって本願明細書に詳しく記述されない。また、無線ネットワーク素子の数多くの代替の配列が本発明の他の実践例に使用されることもあり得る。例えば代替の実施形態ではPDEが除外されてもよく、位置判定または他のタイプの移動体通信ユーザ装置ロケーション測定が移動体通信ユーザ装置自体の中で完全に実行されることもあり得る。
【0037】
具体例の実施形態では図2B中のLCS素子262はGcast(商標)システム102の少なくとも一部を導入してもよい。したがって、Gcast(商標)システム102は本願明細書に述べられるロケーションベース・サービス技術の1つまたは複数の態様を組み入れるために適切に変えられた別の従来式LCS素子と見なされてもよい。そのようなLCS素子は、必須ではないが無線ネットワーク110の中にあってもよい。図2BではMPC254と通信するように示されているが、他の実施形態ではLCS素子は例えばMSC250、PDE252、SMSC256などの他のシステム素子と直接通信することもあり得る。
【0038】
下記でさらに詳しく述べられるように、Gcast(商標)システム102はロケーション、存在、およびプロフィール情報の組み合わせに基づいて加入者に積極的にメッセージを配信する。上記で言及されたように、ロケーション情報は例えば特定の加入者に付随する加入者装置112の現在の地理的ロケーションを示してもよく、その一方で存在情報は例えば特定の加入者が現在その加入者装置で音声電話使用に関与しているかどうかを示してもよい。他のタイプの存在情報が例えば加入者が会談中、そうでなければ手がふさがっている、または対応不可能であるかどうかについての表示を含み得ることは前に示された。やはり前に示されたように、プロフィール情報は加入者の嗜好、人口統計情報などを含んでもよい。
【0039】
具体例の実施形態におけるメッセージは「プッシュ」メッセージを含んでもよく、ロケーションベース・サービスと併せて1つまたは複数の加入者装置に的を絞られてもよい広告またはいずれかの他のタイプのコンテンツを含んでもよい。したがって、さらに特定の実例として、メッセージは所定の郵便番号または他の特定の地理的領域に現在位置し、音声電話使用に関与していないすべての加入者装置に向けられ、かつ特定のユーザ嗜好および人口統計プロフィールに合った加入者に割り当てられるプッシュ広告を含んでもよい。
【0040】
図3は図1および2AのGcast(商標)システム102をさらに詳しく示している。この実施形態においてGcast(商標)システム102の中に示された特定の素子が実例の方式で提示されているに過ぎず、他の実施形態が図示されていない付加的または代替の素子と同様に具体例の素子のサブセットを含み得ることは理解されるべきである。数多くの代替のロケーションベース・サービス・システムが本発明の実践において使用されることもやはりあり得る。
【0041】
図3に示されたGcast(商標)システム102はアプリケーション・サポート層300、ロケーションベース・サービス(LBS)有効化層304、およびネットワーク接続性層306を含めたいくつかの層を含む。やはり含まれるものは具体例でホスティング、キャリア管理、プライバシー管理、統合、カスタム・アプリケーション開発、コンテンツ集約、および広告管理を含むサービス構成要素308である。
【0042】
アプリケーション・サポート層300は構成プロフィール310および開発ツール312を含む。構成プロフィール310は例えば横方向のエンドユーザ・アプリケーション、縦方向のマーケット・バンドル、または他のタイプの構成情報と関連付けられてもよい。開発ツールはソフトウェア開発キット(SDK)、アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)、ミドルウェアなどを含んでもよい。
【0043】
アプリケーション有効化層302は、状況に応じた対象を絞られたメッセージを提供するために多様なネットワーク全体にわたってGcast(商標)システム102のロケーションベース・サービス能力を活用することができるアプリケーションが書き込まれることを可能にする。アプリケーション有効化層302は、図1に関連して前に述べられたようにマーケティング・メッセージ・データベース104からのメッセージをデータベース106にその情報が保存されている適切な加入者と一致させるための上述のルール・エンジン320を含む。アプリケーション有効化層302の他の素子はサービス管理構成要素322、加入者管理構成要素324、およびコンテンツ管理構成要素326を含み、後者は電子クーポン328およびモバイル・コマース(Mコマース)構成要素330を含めた付加的構成要素と関連している。Mコマース構成要素330はシステムの移動体通信ユーザ装置を介したオンライン・ショッピングなどの電子商取引アプリケーションの提供をサポートする。
【0044】
LBS有効化層304はロケーション・サーバ350を含む。ロケーション・サーバは、例えば二重の問い合わせを除外すること、または問い合わせを作成するアプリケーションの重要性に基づいてこれらの問い合わせに優先順位を付けることによって無線ネットワーク内で作り出されるロケーション問い合わせの数を最少にするように構成されることが好都合である。LBS有効化層の他の構成要素はメッセージ・サーバ352、プライバシー保護構成要素354、広告構成要素356、およびセキュリティ構成要素358を含む。
【0045】
ネットワーク接続性層306はロケーションと存在問い合わせモジュール360、およびメッセージング・モジュール362を含む。ロケーションと存在問い合わせモジュールはユーザのロケーションと存在の情報を入手するために多様なタイプの無線ネットワーク技術全体にわたって機能する。例えば、この実施形態ではこのモジュールはAdvanced Forward Link Trilateration(AFLT)、グローバル・ポジショニング・システム(GPS)、およびIEEE802.11(Wi−Fi)技術などのセルラー三角測量技術を使用してロケーションと存在の情報を入手することが可能であるが、前に示されたように、他のタイプの無線ネットワークに関してロケーションと存在の情報の判定がサポートされることもやはりあり得る。メッセージング・モジュールは例えばショート・メッセージ・サービス(SMS)、マルチメディア・メッセージ・サービス(MMS)、電子メール、インスタント・メッセージ(IM)などといった多様なメディア全体にわたってメッセージを配信および受信する。
【0046】
Gcast(商標)システム102は図4A、4B、4C、および4Dとそれぞれ結び付けて例示されるように地理的メッセージング、店内クーポン、ユーザ定義の生活様式上の通報、およびイベント関連のマーケティングを含めた多種多様なロケーションベース・サービスを実施するために利用されることが可能である。これらが単なる実例であって数多くの他のタイプのロケーションベース・サービスがGcast(商標)システム102を使用して特に効率的な様式で提供され得ることは理解されるはずである。
【0047】
図4Aは本願明細書においてGMS(商標)とも称される上述の地理的メッセージングの一例であり、GMS(商標)は米国ニュージャージー州マリー・ヒルのLucent Technologies Inc.の商標である。概して、GMS(商標)サービスにおいて、発信者は受信者への配信のためにメッセージをシステムに提出し、この配信はこの受信者の加入者装置112が指定されたロケーションに入ると生じる。例を挙げると、メッセージは加入者装置112のうちの1つから、コンピュータ232などのコンピュータから、または他のシステム素子から提出されてもよい。図4Aに示された実例は歓迎メッセージ402、レストラン推薦404、待ち通知406、および様々な用事の注意喚起408を含む。発信者と受信者が同じ加入者であってもよいことに留意するべきである。すなわち、所定の加入者が、彼または彼女が特定の店舗の近辺に入ると或る物を手に入れるように注意喚起を受け取るように望むこともあり得る。この加入者は彼または彼女の加入者装置が適切な地理的ロケーションに入るとこの加入者装置に配信を返すためにこの加入者装置からGMS(商標)メッセージを提示することが可能である。もちろん、数多くの他のタイプのGMS(商標)メッセージがロケーション、存在、およびプロフィール情報の組み合わせに基づいてサポートされることが可能である。また、メッセージがマップ・サーバ235から取り出される1つまたは複数の地図の関連する部分などの付加的な情報を組み入れることも可能である。加入者はGMS(商標)サービスの使用のために毎月定額料金を請求されることも可能であり、または提出されるGMS(商標)メッセージ毎に支払い請求されてもよい。他の価格設定モデルが使用されることもやはり可能であり、例えば価格設定はGMS(商標)メッセージに組み入れられるかまたは付加されるマーケティング・メッセージによって補助されてもよい。
【0048】
ここで図4Bを参照すると、店内電子クーポンを含むロケーションベース・サービスの実例が示されている。この実例では、商業者は選択された顧客が店舗の近辺に入るとこれらの顧客の加入者装置に電子クーポンを配信する。このクーポンは図示されるように所定の加入者装置112のディスプレイ上に提示されるメッセージ410の形態であってもよい。クーポンはシステム100内のプロフィール情報132などの顧客プロフィールに基づいて選択される。この実例のサービスに関して見込まれる価格設定モデルは、配信されるクーポン毎に商業者が定額料金を支払うモデル、換金されるクーポン毎に商業者が料金を支払うモデル、または他の協定を含んでもよい。
【0049】
図4Cは上述の生活様式上の通報サービスの実例を示している。この実例では、加入者は彼らの現在のロケーションまたはこれから先の予期される進路の付近の交通および天候関連の出来事に関して通報を受け取る。所定の通報412が加入者に、彼または彼女の関連する加入者装置112上で提示される。上記に述べられた他の実例のように、このメッセージはマップ・サーバ235からの地図などの付加的な情報を組み入れることもあり得る。通常の価格設定モデルはサービスに関して加入者に請求される定額の月額料金であろう。加入者のためのサービスを部分的または完全に補助するために広告は通報と共に含まれてもよい。
【0050】
イベント関連のマーケティング・サービスの実例が図4Dに示されている。この実例では、スポーツ・イベント、コンサート、または他のタイプのイベントのイベント主催者または商業者が加入者のうちの選択された視聴者の加入者装置にマーケティングまたは他の情報のメッセージを送信する。そのコンテンツはそれぞれの加入者のプロフィールに特化されてもよい。一例として、販売中の贈答品を示すメッセージ414がスタジアムまたは他のイベント会場の中に位置する加入者装置112のディスプレイ上に提示されてもよい。さらに特定の実例は「今獲得された得点のMMSクリップを購入するためにこのメッセージに返答して友人に転送してください」または「New York Yankees(登録商標)のTシャツ、今から30分間販売中」などのメッセージを含んでもよい。ここでも再び、見込まれる価格設定モデルは配信されるメッセージ毎に商業者に支払い請求し、成立した取り引きについてはさらに高い価格を請求するモデルを含んでもよい。
【0051】
前に述べられたように、数多くの他のロケーションベース・サービスが具体例の実施形態のGcast(商標)システム102を使用して効率的な様式で実施されることが可能である。これらの実施形態の1つの利点は、基地局114と加入者装置112との間で必要とされるロケーション問い合わせおよび他のタイプのロケーション関連の通信の数が削減されることが可能である一方で、なお通信システム100内の多種多様なロケーションベース・サービスの実施を可能にすることである。このようにしてGcast(商標)システム102はロケーション関連の通信が無線ネットワークを制圧すること、およびそのネットワークの第一義的な音声およびデータのトラフィック機能を妨げることを防止するように構成される。
【0052】
ロケーション関連の通信を削減するための技術の実例は「ロケーション問い合わせに優先順位を付けるステップ」、「トラフィック同期型ロケーション測定」、「モバイルで開始されるロケーション測定」、「LBS情報の放送チャネル配信」、および「逆方向検索」の名称の節を含めたいくつかの別々の節に記述される。これらの節が提示される前に、Gcast(商標)システム102のいくつかの付加的な特徴が述べられる。これらの特徴は「メッセージ配信機会の競売」、および「ユーザの移動の統計値」という表題の以下の節で述べられる。最終節では、軌道法、拡張ディスク法、および核生成領域法を含めたいくつかの実例のロケーション測定技術が提示される。
【0053】
(メッセージ配信機会の競売)
図1および2に例示された通信システム100はシステムにおいて付加的な収益の供給源を供給するためにメッセージ配信機会の競売を可能にするように構成されてもよい。このタイプの実施形態では、Gcast(商標)システム102は市場で売買する者または他の関心を持った契約当事者が加入者装置112へのマーケティング・メッセージの配信のために特定の利用可能な時間枠または他の機会を競り落とすことを可能にする。具体的例示の目的で、或る部類(例えばコーヒー広告)に属する一定数のメッセージが所定のロケーション(例えばショッピングセンター)、所定の時間(例えば日曜日)に配信されることが可能であると仮定すると、特定の部類−ロケーション−時間の組み合わせから成る所定のメッセージ配信機会がメッセージ(例えば様々なコーヒー広告)を配信することに関心を持った契約当事者によって入札されてもよい。Gcast(商標)システムは相当するメッセージ配信機会の入札を促進するために所定の部類−ロケーション−時間の組み合わせの人気についてリアルタイムおよび履歴情報を活用してもよい。他のタイプのメッセージ配信機会、例えばロケーション−部類、部類−時間、またはロケーション−時間の組み合わせに基づく機会が同様の方式で競売にかけられてもよい。
【0054】
上記に述べられたタイプのメッセージ配信機会の競売はGcast(商標)システム102の処理デバイス220のうちの1つまたは複数上で実行されるソフトウェアを介して少なくとも部分的に制御されてもよい。そのようなソフトウェアは、例えば入札エンジン、および関心を持った契約当事者がIPネットワーク230に接続されたそれぞれのコンピュータまたは他の装置を介してこの入札エンジンにアクセスすることを可能にする対応するウェブサイトを含んでもよい。そのような装置はブラウザを装備したコンピュータ232に類似の装置であってもよい。競売は、例えば無線ネットワーク110内で加入者装置112に配信されることが可能であるメッセージの現在の数に基づいてリアルタイムで生じてもよい。場合によっては、競売は将来のある時点で配信されることが可能であるメッセージの見積もり総数に基づいていてもよい。
【0055】
(ユーザの移動の統計値)
通信システム100はまた、または場合によっては、ユーザの移動の統計値を判定するように、およびそのような統計値を利用して加入者へのマーケティング・メッセージまたは他のタイプのメッセージの配信を容易にするように構成されてもよい。例えば、そのような統計値はユーザの流れを彼らのプロフィール情報と関連付けて捕捉することが可能である。これは、或るプロフィールのユーザが所定の期間に所定の領域でどの程度多く居るかをシステムが判定することを可能にし、そのような情報はシステム内のマーケティング・エージェントによる広告キャンペーンの確立を容易にするために使用されることが可能である。例えば、移動の統計値は、所定の時間的期間に所定の領域に入る合致したプロフィールを備えた選択された加入者(例えば日曜日にショッピングセンターの1マイル以内に居る15歳から25歳の間の男性)に広告を配信するためのキャンペーンを広告主が作り出すことを可能にする一方で、キャンペーンの有望な成功の先験的見積もりを広告主に提供する。
【0056】
稼動中、通信システム100は無線ネットワーク110のそれぞれの加入者装置112に関連するユーザについてプロフィール情報を入手すること、加入者装置112についてロケーション情報を入手すること、およびロケーションとプロフィール情報に基づいてユーザの移動の統計値を作り出すことが可能である。次いでこのシステムはユーザの移動の統計値に基づいて装置のうちの所定の1つへの少なくとも1つのメッセージを制御する。
【0057】
この統計値は、例えば販売キャンペーンの影響を見積もるため、メッセージ配信に関して広告主に支払い請求される価格を決定するため、またはメッセージ配信機会の上述の競売に関して適切な入札水準を確立するために使用されることができる。この統計値は加入者情報データベース106内に保存されたロケーション、存在、およびプロフィール情報を使用して少なくとも部分的に計算されることが可能であり、なぜならばそのような情報は通信システムのメッセージ配信機能と併用して日常的に集められて更新されるからである。
【0058】
(ロケーション問い合わせに優先順位を付けるステップ)
前に言及したように、本発明の態様は通信システム100内のロケーション問い合わせの優先順位付けに関連する。図3に示されるGcast(商標)システム102内のLBS有効化層304のロケーション・サーバ350を使用して実施されてもよいこの優先順位付けがここでさらに詳しく述べられる。
【0059】
上記で言及したMPCおよびGMLCなどの無線ネットワーク素子を含む従来式のシステムは移動体通信装置112のロケーションを判定するためにそのような素子を利用する。例えば、ロケーションベース・サービス・アプリケーションは必要とされるときに移動体通信装置のロケーションを入手するためにこれらのネットワーク素子に問い合わせを出してもよい。ロケーションベース・サービス・アプリケーションは通常、順方向検索(FL)と一般的に称される手法で装置のロケーションについてオン・デマンドでこれらのネットワーク素子に問い合わせを出す。FLの手法では、移動体通信ユーザ装置のそれぞれのロケーションを判定するために通常ではこれらのネットワーク素子はこれらの装置を呼び出す。したがって、移動体通信装置を含むロケーションの測定が実行されるときに所定の移動体通信装置が毎回呼び出されなければならず、かつこの呼び出しは多くのセルを含む大きなネットワーク・エリア全体にわたって実行されなければならないので呼び出し用チャネルは大きな負担を負う。しかしながら、従来式のシステムは所定の時間的期間の中でサポートされることができるロケーション問い合わせの数がしばしば極めて小さく、毎秒約5から30の問い合わせのオーダーであるという点で不十分である。ロケーション問い合わせのこの数は緊急事態911サービスなどの低処理能力用途については十分であると考え得るが、広告などのプッシュ・メッセージの配信をサポートするために例えば実質的に連続した加入者装置のモニタリングを含むロケーションベース・サービスについては不適切である。
【0060】
図1の通信システム100は具体例の実施形態ではメッセージを配信しないことによって被るどのような収益の損失も最小にする一方で、ロケーションベース・サービスの改善された拡張可能性を提供するように都合良く構成される。この実施形態は、ロケーションが、対応するロケーションベース・サービス・アプリケーションにとって「大して有益ではない」ユーザが他よりも少ない頻度で問い合わせを出されるようにユーザ・ロケーションの問い合わせをスケジュール化するためのソフトウェア・アルゴリズムを利用する。これはシステムのそれぞれの移動体通信ユーザ装置に関連するユーザが第1と第2の利益分類をそれぞれ有する少なくとも第1と第2のユーザ群に分けられる割り振りの一例である。
【0061】
様々な利益分類が所定のロケーションベース・サービスのプロバイダへのそれぞれの認知される利益に基づいて、または他の技法を使用して画定されてもよい。認知されるサービス・プロバイダへの利益または他のタイプの利益定量化法に基づいて異なる利益分類が画定されるこのタイプの手法はどの程度頻繁に特定の移動体通信ユーザ装置がそのロケーションに関して問い合わせを受けるかを決定するために利益分類を使用する。そのような手法は従来のFLの手法に相対して顕著な利点を提供し、本願明細書では「知的検索」手法とも称される。下記でさらに詳しく述べられる逆方向検索手法は別のタイプの知的検索と見なされることができる。
【0062】
ユーザ・ロケーション応答の利益は、例えばユーザに広告または他の収益発生メッセージを送信する能力として規定されてもよい。本願明細書の別の場所で述べられるように、そのようなメッセージはロケーション、存在、およびプロフィール情報の組み合わせに基づいたメッセージとユーザとの間の整合性に基づいて送信されてもよい。上記で言及されたロケーション・サーバ350の一部であってもよいソフトウェア・アルゴリズムがロケーション問い合わせに優先順位を付けるために所定のユーザについてのロケーション情報を利用してもよい。これは、やはり収益の損失を最小にしながらシステムが所定のネットワークの処理能力に関して一層多数のユーザを扱うことを可能にする。結果として、ロケーションベース・サービス・アプリケーションの拡張可能性が改善される一方で配備コストが削減される。
【0063】
ロケーション問い合わせに優先順位を付けるために利用されるロケーション情報は、例えば下記で述べられる軌道法、拡張ディスク法、または核生成領域法を使用して、または他のロケーション測定技術を使用して入手されてもよい。さらに特定の実例として、ロケーション情報は特定のユーザが特定の時間に特定の地理的領域にいる確率を含んでもよい。
【0064】
(トラフィック同期型ロケーション測定)
上記で述べられたように、従来のFL手法は移動体通信ユーザ装置のロケーションの頻繁なモニタリングを含むロケーションベース・サービス・アプリケーションにとって十分に規模の対応をしない。これは呼び出し用チャネルの限られた容量、ならびにMPCおよびGMLCなどの無線ネットワーク素子の限られた処理能力に起因する。
【0065】
通信システム100の具体例の実施形態では、トラフィック同期型ロケーション測定の提供によってこの問題はさらに軽減される。概して、そのような手法は無線ネットワーク110の中のトラフィック・チャネル上で現在活動中である移動体通信ユーザ装置のいずれについても自動的にロケーション測定を実行するステップを含む。これはロケーション測定の開始をトラフィック・チャネルの活性と都合良く同期させる。
【0066】
ロケーション測定はAFLT、AGPSその他などといった技術、ならびにそのような技術の組み合わせを使用して実行されてもよい。トラフィック・チャネルは音声電話、SMSメッセージ、MMSメッセージ、またはいずれの他のタイプの通信に関連することも可能である。したがってこの文脈における「トラフィック・チャネル」という用語は広義に解釈されるように意図されている。移動体通信ユーザ装置のロケーション測定データはトラフィック・チャネルの逆方向リンク上で送信されてもよい。トラフィック・チャネルの順方向チャネルは、例えば衛星情報またはAGPSのための他のアシスト・データを転送するために使用されてもよい。このトラフィック同期型ロケーション測定は一層低いコストで一層高いロケーションベース・サービス・アプリケーションの拡張可能性に都合良くつながる。
【0067】
通信システム100における上述のトラフィック同期型ロケーション測定機能の1つの考え得る実施法がここで再び図2Bを参照してさらに詳しく述べられる。この特定の実施法では、図2BのMSC250によってロケーション測定活動が開始される。ロケーション測定活動は場合によっては上記で言及したSGSNなどの他の無線ネットワーク素子によって開始されてもよい。例を挙げるとこの開始はトラフィック・チャネルの設定および/または解体で起こってもよい。ロケーション測定活動を開始するための他の考え得る環境は移動体通信ユーザ装置のセル識別部(ID)が変えられたとき、または対応する能動セットが変えられたときを含み、これらの両方は新たなロケーション測定を正当化するために十分な程度に移動体通信ユーザ装置が移動したことの表示として解釈されてもよい。
【0068】
MSC250はMPC254にロケーション測定要求を送信することによってロケーション測定活動を開始する。この要求は移動体通信ユーザ装置のID、ユーザのID、およびセルのIDなどの情報を含む。
【0069】
MPC254はこのロケーション測定要求を少なくとも1つのLCS262に転送し、このLCSがユーザIDを関連するデータベース内の情報と比較する。整合が見出され、かつロケーション測定活動が承認されればこのLCSはMPCに報告を返す。不承認の理由は加入者がロケーション測定を拒否したこと、またはLCSがこの加入者に関してロケーションの更新を得た直後であることであると考え得る。
【0070】
整合が見出され、適切なLCS262の承認が得られると仮定すると、MPC254はロケーション測定要求をPDE252に送信する。PDEは既に利用可能であるトラフィック・チャネルを利用するMSC250および適切な(1つまたは複数の)基地局114を介してロケーション測定を開始する。移動体通信ユーザ装置112が同じチャネルに沿ってロケーション測定データをPDEに返信する。PDEは移動体通信ユーザ装置の測定データに基づいてロケーションを判定し、結果をMPCに報告する。順送りにMPCはロケーション測定活動を承認したLCSにこれらの結果を送信する。
【0071】
別の考え得る実施法では、従来の方法で得られる往復の遅延を利用する三角測量を介してMSC250または他の無線ネットワーク素子がロケーション測定を実行してもよい。
【0072】
さらに別の考え得る実施法では、MSC250または他の無線ネットワーク素子ではなく移動体通信ユーザ装置112自体が自動的にロケーション測定処理を開始する。
【0073】
本発明によるトラフィック同期型ロケーション測定を実施するために上記で述べられたもの以外の数多くの代替の方法が使用され得ることを当業者は認知するであろう。
【0074】
本発明の所定の実施形態のトラフィック同期型ロケーション測定が従来の標準的な通信プロトコルを使用して実施され得ることは理解されるはずである。例えば、CDMA2000無線ネットワークから成る通信システムでは、上述のロケーション測定方法は例えばすべてが本願明細書に参照で組み入れられるCDMA2000−Access Network Interoperability Specification(3GPP2A.S0001−A V2.0)、CDMA2000−TIA/EIA Location Services Enhancements(3GPP2X.S0002.0 V1.0)、およびCDMA2000−Wireless Intelligent Network Support for Location−Based Services(3GPP2X.S0009−0 V.1.0)を含めた関連の規格文書に述べられたプロトコルに緊密に従ってもよい。
【0075】
上述のトラフィック同期型ロケーション測定手法はロケーション測定のために移動体通信ユーザ装置を独立して呼び出す必要性を回避し、それにより、呼び出し用チャネルのオーバーヘッドを大幅に削減する。この手法はまた、ロケーションベース・サービス情報が例えばデータ・セッションまたは音声電話の完了の間、または直後にデータ・セッションと併せて通信されることを可能にする。そのような環境下では、加入者は通常では彼または彼女の移動体通信ユーザ装置に高い度合いの注意を払い、したがってロケーションベース・サービス・メッセージに気付き易く、これに反応し易い。さらに、ロケーション測定は既に存在するトラフィック・チャネル上で実行されると比較的安価であるので、移動体通信装置が別のセルへの引き継ぎを受けたときに容易に繰り返されることができる。これは移動体通信装置のロケーション、および例えばユーザの移動パターンまたは他のタイプのユーザの移動の統計値を導き出すために後の参照のためにデータベース106などの加入者データベース内に保存される関連情報が追尾されることができるという利点を有する。
【0076】
(モバイルで開始されるロケーション測定)
本発明の所定の実施形態は、移動体通信ユーザ装置のうちの1つまたは複数が自発的にロケーション測定を実行するように構成されてもよい。例えば、ユーザ装置のロケーションが大幅に変わったとき、ユーザ装置が無線ネットワークからのロケーション読み取りを要求してもよい。このセッションで、ロケーション測定データはLCSへと転送される。この手法は遊休状態にある移動体通信ユーザ装置による使用のために特によく適している。
【0077】
モバイルで開始されるロケーション測定技法の1つの考え得る実施法では、移動体通信ユーザ装置はGPSまたはAGPSを介して自体のロケーションを判定する。AGPSに関すると、移動体通信ユーザ装置は近辺にあるセルから衛星情報または他のアシスト・データが転送されることを要求する。この目的のために、下記でさらに詳しく述べられるであろうが、これに対応する衛星情報または他のアシスト・データをすべてのセルが呼び出し用チャネルまたは他のタイプの放送チャネルを介して放送してもよい。ロケーション測定の頻度は移動体通信ユーザ装置に電源投入時に設定されるが、それは初期設定によって供給されるか、他の技法を使用して供給されるか、または移動体通信ユーザ装置へのいわゆる「第3層」メッセージングを介して供給されてもよい。
【0078】
モバイルは十分なロケーション変化を観測するとネットワークからのロケーション読み取り活動を要求する。この目的のために、モバイルはロケーション読み取りのためのトラフィック・チャネルを設定する要求を伴うバーストを図2BのMSC250へのアクセス・チャネル上に送信する。この処理は本願明細書で前に言及されたCDMA2000規格などの既に有る通信規格に準拠した方式で実行されてもよい。
【0079】
MSC250はトラフィック・チャネル設定のためのルーチン・プロトコル・ステップを実行する。MSCはさらに、移動体通信ユーザ装置にロケーションベース・サービスを提供するすべてのLCS262に移動体通信ユーザ装置のIDおよびユーザのIDを供給する。LCSはユーザのIDを加入者データベースと比較し、肯定応答または否定で応答する。少なくとも1つのLCSがロケーション読み取り活動の肯定応答を出した場合、MSCはロケーション測定読み取り命令を移動体通信ユーザ装置に送信する。次いでモバイルはロケーション測定データをMSCに返す。MSCはこのロケーション測定データを特定のLCSに転送する。MSCは、例えばLCSのうちの1つまたは複数からの逆方向検索要求を扱うために、ロケーション測定データのコピーをさらなる参照のためにデータベース内に保持することもやはりあり得る。
【0080】
モバイルで開始されるロケーション測定はロケーションベース・サービスの規模拡大を容易にすることおよび配備コストを削減することを可能にする。この測定は呼び出し用チャネルのオーバーヘッドを削減すること、およびMSC、LCS、基地局などの無線ネットワーク素子と移動体通信ユーザ装置との間の信号送信オーバーヘッドを削減することもやはり可能である。
【0081】
(LBS情報の放送チャネル配信)
図1および2の通信システム100はコンテンツ識別情報または他のタイプのロケーションベース・サービス情報が呼び出し用チャネルまたは他のタイプの放送チャネル上で移動体通信ユーザ装置に送信されるように構成されてもよい。コンテンツ識別情報は移動体通信ユーザ装置に利用可能であるロケーションベース・サービス・コンテンツの特定のタイプを識別する情報を含んでもよく、それにより、所定のモバイルが配信されることを望む特定の利用可能なロケーションベース・サービス・コンテンツを自発的に選択できる。呼び出し用チャネルまたは他のタイプの放送チャネルを使用して配信されることができる他のタイプのロケーションベース・サービス情報は、例えばAGPSロケーション処理に使用するためのアシスト・データを含む。ここでも再び、この特徴は配備コストを削減する一方でロケーションベース・サービス・アプリケーションの拡張可能性を容易にする。
【0082】
具体例として、無線ネットワーク110の所定のセル115内のすべての加入者がロケーション測定を開始することを望んでいる状況を考える。共有セル内のすべての加入者に関するアシスト・データは同じであるので、呼び出し用チャネルまたは他のタイプの放送チャネルはAGPSのためにアシスト・データを配信するために使用されることができる。返されたロケーション測定情報はなおもトラフィック・チャネル上で配信されてもよいが、アクセス・チャネルなどの他のタイプのチャネルがこの目的のために使用されることもやはり可能である。この手法は移動体通信ユーザ装置がトラフィック・チャネル上で費やす時間を都合良く削減し、アシスト・データ送信のためのトラフィック・チャネルの使用を除外する。
【0083】
別の実例では、上記で言及した呼び出し用チャネルまたは他のタイプの放送チャネルは広告、電子クーポン、または他のロケーションベース・サービス・コンテンツを共有セルまたは他の共有の地理的領域内の移動体通信ユーザ装置に配信するために使用されてもよい。次いで所定の移動体通信ユーザ装置がそのような放送コンテンツを内部メモリ内に保存し、例えばロケーション、存在、およびプロフィール情報の組み合わせに基づいて規定される適切な時間にこのコンテンツの一部を自動的に取り出してもよい。このタイプの割り振りはロケーションベース・サービス・コンテンツの配信におけるトラフィック・チャネルのどのような使用の必要性も都合良く回避することができる。
【0084】
ロケーションベース・サービス・コンテンツはAGPSのためのアシスト・データを送信するために使用されるものから離れた呼び出し用チャネルまたは他のタイプの放送チャネル上で送信されてもよい。
【0085】
コンテンツ識別情報が呼び出し用チャネルまたは他のタイプの放送チャネル上で送信される割り振りでは、この情報は目次の形態または他のタイプのコンテンツ要約であってもよい。所定のコンテンツ要約はコンテンツ・プロバイダのID、コンテンツ参照のID、コンテンツ分類のID(例えば通報、広告、社会的ネットワーク形成群などに言及してもよい)、地理的標的ロケーション(例えば最小緯度、最大緯度、最小経度、最大経度など)、および有効性の時間枠(例えば開始時間、終了時間など)などの情報を含んでもよい。
【0086】
さらに特定の実例として、コンテンツ識別情報はコンテンツ要約の連結リストの形態で時間枠組みされた呼び出し用チャネル上で送信されてもよい。このリストは1つの特定の時間枠で始まってもよい。この特定の時間枠はMSCによって制御される領域内のすべてのセルについて同じであってもよく、移動体通信ユーザ装置が電源投入するかまたは別の場合にはこのMSC領域内の基地局にアクセスするときに配信される第3層メッセージまたは他のタイプのメッセージを介して移動体通信ユーザ装置に通知されてもよい。いくつかのコンテンツ要約が1つの時間枠の中にはめ込まれてもよい。所定の時間枠の中の最後のコンテンツ要約は例えばリスト終了フラッグに続いてもよく、または次の時間枠へのポインタに続いてもよく、この場合にはリストが継続される。
【0087】
コンテンツ要約は、各々のセルがその担当領域内で利用可能なコンテンツのみの要約を提示できるように1つのセルと次のセルの間で変わっていてもよい。これは全体的な呼び出しオーバーヘッドを削減する。しかしながら、移動体通信ユーザ装置はしばしば極めて頻繁にセルからセルへと移動するので、いくつかの用途では複数のセルから成る領域全体にわたって利用可能なコンテンツの要約を提示することが望ましいこともあり得る。これらの領域は従来式の移動体通信ユーザ装置呼び出しサービスまたは他のタイプのサービスに関して使用されるロケーション領域と合致してもよい。例えば、移動体通信ユーザ装置は上記で言及したコンテンツ関連のIDのうちの1つまたは複数を活用することによって異なるコンテンツ要約のセットを伴う領域に入ったことを判定することが可能である。そのようなIDはコンテンツ要約を伴う見出し情報として送信されてもよい。
【0088】
この見出しは最新の更新が起きた時間などの他の情報を含むこともやはりあり得る。次いで所定の移動体通信ユーザ装置は更新が起きたとき、または異なるコンテンツ関連IDを伴う領域に入ったときにのみ全リストを復号化すればよく、これは移動体通信ユーザ装置のバッテリー電力を節約する。この見出しは更新されたコンテンツ要約を有する呼び出し用チャネルの時間枠を識別する情報を提供することもやはりあり得る。これはオーバーヘッドを増大させるが、移動体通信ユーザ装置がさらに高速で、ここでも再びバッテリー電力を節約する選択的復号化を実行することを可能にする。
【0089】
コンテンツ要約および自身のロケーション測定を使用すると、移動体通信ユーザ装置は利用可能なロケーションベース・サービス・コンテンツのうちのいずれが加入者にとって適切であるかを判定することができる。移動体通信ユーザ装置がそのような一致を見出せば適切なコンテンツ・プロバイダにメッセージを送信し、対応するコンテンツの配信を要求する。このメッセージ中で、移動体通信ユーザ装置は認証目的のために加入者IDおよび/または他の情報をコンテンツ・プロバイダに供給することもやはりあり得る。この認証はトラフィック・チャネルの要求に関して無線ネットワークで実行される標準的な認証に追加して実行されてもよい。この認証が成功すれば、LCSまたは他のシステム素子が要求されたロケーションベース・サービス・コンテンツを移動体通信ユーザ装置に返信する。
【0090】
移動体通信ユーザ装置は、例えばどの程度頻繁にロケーション測定が実行されるか、利用可能なロケーションベース・サービス・コンテンツからの選択のためのフィルタ基準は何であるか、およびコンテンツ選択方法に関連する他の情報を判定するコンテンツ選択アルゴリズムを設けられてもよい。そのようなアルゴリズムは従来のFLアルゴリズムと同様であってもよく、ネットワークまたは第三者のプロバイダからダウンロードされてもよい。場合によっては、このアルゴリズムは加入者自身によって少なくとも部分的に決定されてもよい。例えば、所定の加入者がインターフェース命令を通じて様々な選択基準を規定してもよい。加入者はネットワークへの接続を有して、または有することなく移動体通信ユーザ装置のすべてのロケーションベース・サービス・コンテンツ機能をオフに切り換えることもやはり許される。これはロケーションベース・サービス提供とコンテンツ選択との間の完全な分断を可能にし、それにより、ハイレベルのセキュリティを加入者に提供する。
【0091】
別の実例として、加入者は彼または彼女が現在居ない特定のロケーションに関してロケーションベース・サービス・コンテンツを選択することを許されてもよい。これは加入者が他のロケーションにおける活動に関与することを可能にする。そのような選択に応答するよう喚起されれば、彼または彼女はその領域に移動するように決定するかまたはその領域内の友人または家族に電話をかけて活動に関与する(例えばクーポン、販売、提供などを利用する)ことができる。
【0092】
なおも別の実例として、企業がその従業員のためにロケーションベース・サービスを提供してもよい。そのようなサービスは企業のニーズおよび特定の従業員の職務に特に合わせられてもよい。
【0093】
上述のタイプのコンテンツ選択アルゴリズムは加入者が端末を使用しているときにのみコンテンツ通報を探して表示するように構成されてもよい。これは利用可能なロケーションベース・サービス・コンテンツが、加入者が装置に注意を払っている時に明らかにされることを確実にする。これはまた、装置が別の時間に休止状態に戻ることを許容し得るのでバッテリー電力を節約する。この実施形態におけるコンテンツ選択アルゴリズムは移動体通信ユーザ装置に有ると想定されるので、たとえこの装置が電話以外に他の目的で使用されるとき、例えば加入者がアドレス帳、カレンダー、時間表示などをチェックするときでさえ装置の稼動に反応することができる。
【0094】
(逆方向検索)
図1および2の通信システム100内で実施されることができる別の特徴は本願明細書で「逆方向検索」またはRLと称される。上記で示されたように、従来式のFLの手法はロケーションベース・サービスの拡張可能性を制限し、無線ネットワークのトラフィック・チャネルおよび他のリソースに過剰な要求を突きつけるという点で問題が多い。下記で述べられるRLの手法は従来式のFLの手法に付随する問題を都合良く克服する。前に述べられた他の特徴と同様に、この特徴は削減されたコストでさらに高いロケーションベース・サービスの拡張可能性を提供することができる。
【0095】
概して、RLの手法は図2BのLCS262などの所定のネットワーク素子で容易に利用可能である情報に基づいてFLのロケーション要求を制限するステップを含み、それにより、実行されるロケーション要求の実際の数は大幅に削減される。
【0096】
RLの手法の第1の具体的な実例は図2BのHLR258および/またはVLR260内に登録されるユーザを識別するステップを含む。さらに特定すると、現在登録されているユーザのリストがHLR/VLRから入手され、関心対象の所定のロケーション内で最近活動していた1人または複数のユーザを識別するために処理されてもよい。次にこの情報が、例えばメッセージまたは他のロケーションベース・サービス・コンテンツを直ぐに特定のユーザに送信するため、またはFLのロケーション要求が実行されることが減少したユーザのセットを識別するために利用されてもよい。現在登録されているユーザのリストは例えばLCS262または他の無線ネットワーク素子によって開始されるバッチ検索を介して入手されてもよい。
【0097】
HLR/VLR内に登録されたユーザの識別に基づいた上述のRLの実例は、例えば別のネットワーク内を散策している、電源を切った装置を持っている、カバー範囲の穴に居るなどの理由で特定の時間点においてロケーションベース・サービスを利用できないユーザに関してFLのロケーション要求を実行する必要性を都合良く除外することができる。このタイプのRLはまた、ローミング・ユーザ、例えば他の無線ネットワークから無線ネットワーク110を訪問しているユーザへのロケーションベース・サービスの提供を容易にする。
【0098】
別の考え得る実践例では、RL処理は信号送信データ記録を保持するMSC250または他の無線ネットワーク素子から入手されたそのような情報に基づいてもよい。例えば、所定の移動体通信ユーザ装置112と無線ネットワークの複数の基地局114との間の往復の遅延はAFLTまたは他のタイプのセルラー三角測量法を介してモバイルのロケーションを判定するためにしばしば使用される。これらの往復遅延は例えば各々のサービス提供基地局のチャネル・カードまたは他の構成要素から入手されてもよく、MSCまたはいずれかの他の無線ネットワーク素子に転送されてもよい。さらに、パイロット強度測定メッセージ(PSMM)は第2次と第1次のサービス提供基地局の間の相対的往復遅延についての情報を含む。このPSMMは電話中に移動体通信ユーザ装置によって頻繁に供給される。これらおよび他のタイプの信号送信データは他の関連情報、例えば移動体通信ユーザ装置のID、セルのID、タイムスタンプなどと一緒に記録されてもよい。
【0099】
結果として得られる信号送信データ記録は或る時間周期の後に、要求があったとき、または更新が起こったときはいつでもLCS262または他の無線ネットワーク素子に転送されてもよく、関連するデータベース、例えば加入者情報データベース106内に保存されてもよい。次いでこのデータベースは、信号送信データ記録に基づいて或る一定のユーザを考慮から除外し、それによって必要とされるFLのロケーション要求の数を制限するためにロケーションベース・サービス・コンテンツの配信に先行して問い合わせを受けてもよい。
【0100】
ここでも再び、このタイプのRLの手法は実行されるFLのロケーション要求の数を大幅に削減することができる。この手法は不十分な受信可能範囲を有する登録済みモバイルに関する不必要なFLのロケーション要求を回避する。また、ネットワークの負荷が高くなるにつれて一層多くの信号送信データが利用可能になって一層少ないFLのロケーション要求が実行されることを必要とする、という点でリソースの節約はトラフィック・コールの量と共に増大する。さらに、この手法は対象とされる加入者がその装置に一層注意を配っている可能性が高い電話中または直後の移動体通信ユーザ装置へのロケーションベース・サービス・コンテンツの配信を容易にする。
【0101】
RLの手法を使用して達成されることができるFLのロケーション要求実行の節約の見積もりとして、加入者当たり毎時1つのFLのロケーション要求が通常では実行されるであろうと想定する。さらに、特定の時間に加入者が着呼に対応できるであろう尤度が約80%であり、加入者がSMSを送信または受信するであろう尤度が約40%であると想定する。この特定の時間中に加入者がトラフィック・チャネルを持つ複合の尤度は1−(1−0.8)×(1−0.4)=88%である。これらの加入者がRLの手法を介して位置特定されれば、残りのFLのロケーション要求の必要性100%−88%=12%に大幅に削減されている。
【0102】
本発明のこの態様による所定のRLの実践例は、上記の実例のような単なるHLR/VLR登録または信号送信データ記録ではなく他のタイプの利用可能な情報に基づくこともあり得る。
【0103】
「ロケーション問い合わせに優先順位を付けるステップ」、「トラフィック同期型ロケーション測定」、「モバイルで開始されるロケーション測定」、「LBS情報の放送チャネル配信」および「逆方向検索」という表題の前述の節はGcast(商標)システム102内でロケーション関連の通信の数を削減するための実例の技術を開示している。しかしながら、他のタイプの削減技術が使用されることもあり得ることは理解されるはずである。また、上記の「メッセージ配信機会の競売」および「ユーザの移動の統計値」の節で述べられた特定の特徴はGcast(商標)システム102の所定の実践例によって提供され得る有利な特徴のうちの少しに過ぎない。
【0104】
以下の節では、Gcast(商標)システム102と併せて使用するために適した特定のロケーション測定技術の実例がさらに詳しく述べられる。これらの技術は軌道法、拡張ディスク法、および核生成領域法を含む。
【0105】
(ロケーション測定技術)
具体的例示の目的のために、下記で述べられるロケーション測定技術はロケーション測定データを保存するためのデータ構造を利用するロケーション推定エンジン内に導入されると仮定される。このデータ構造はロケーション推定エンジンの内部、ロケーション推定エンジンの外部にあってもよく、または内部と外部のデータの組み合わせから成ってもよい。
【0106】
ロケーション推定エンジンはシステム100の処理デバイス上で実行されるソフトウェア内に少なくとも部分的に導入されてもよい。例えば、ロケーション推定エンジンは図2BのLCS262などのシステム素子の一部であってもよく、または前に述べられた実施形態における複数のシステム素子全体にわたって分配されてもよい。その動作の少なくとも一部分は図3のロケーション・サーバ350およびロケーションと存在の問い合わせモジュール360などの素子を使用して実施されてもよい。
【0107】
ロケーション推定エンジンによって利用されるデータ構造は、例えばタイムスタンプ;利用可能性フラッグ;緯度、経度、およびロケーション精度半径などのロケーション・データ;2つの連続したロケーション測定から導き出される速度を表示する速度フラッグ;AGPSからの明確な速度値または信頼性の無い値の表示;平均速度のベクトル、平均時間枠および速度精度;信頼できる値または信頼性の無い値を表示する加速度フラッグ;および平均加速度のベクトルと平均時間枠を含めた各々のユーザに関する測定データを含んでもよい。
【0108】
データ構造は、例えば時間瓶指数(k)、開始時間および終了時間などの時間データ;地理的瓶(i、j、段階指数s)、瓶のバウンディング・ボックス(SW、NE)と領域サイズなどの地理的領域データ;および核生成領域内でユーザを見つける確率のうちの1つまたは複数を含めた各々のユーザに関する核領域を含むこともやはりあり得る。これらのデータは平日と週末に関して、または異なる時間周期の他の配列に関して別々に供給されてもよい。
【0109】
データ構造はさらに、例えば時間瓶指数(k)、開始時間および終了時間などの時間データ;およびこの時間枠内でユーザが利用可能である確率のうちの1つまたは複数を含めた各々のユーザに関する利用可能性領域を含んでもよい。ここでも再び、これらのデータは平日と週末に関して、または異なる時間周期の他の配列に関して別々に供給されてもよい。
【0110】
データ構造内にあると考え得る他のタイプのデータは速度の地理的分布および加速度の地理的分布などの累積データ;ロケーション予測の信頼性レベル、平均および/または最悪ケースのユーザの速度、通常または平均のユーザの加速度、一時的および地理的瓶サイズおよび/または瓶拡張配列、核生成領域のカットオフ・パラメータα、最低検索率および利用不可能検索率などの全体的データなどを含む。
【0111】
他のタイプのデータ構造が本発明の実施に使用されることもあり得ることは理解されるべきである。
【0112】
この具体例の実施形態におけるロケーション推定エンジンは所定の時間の移動体通信ユーザ装置のロケーションの推定を提供する。このロケーション推定機能に渡されるパラメータはユーザ識別子およびタイムスタンプであってもよい。以下では、タイムスタンプが常に現在の時間に言及することが仮定される。
【0113】
ロケーション推定機能は特定のユーザを見つける対応する確率を伴う領域{LA,PLA}のセットを返す。このセットは空であることもあり得る。このロケーション領域は円形ディスク(例えば中心、半径)または方形(例えば南西、北東)のどちらかで特定される。確率はゼロよりも大きく、合計で1以下の値になる。
【0114】
【数1】

【0115】
ロケーション推定機能はまた、特定の時間点においてユーザが利用可能である確率Pavを示すパラメータも返す。この利用可能性パラメータはロケーション情報の利用可能性およびネットワーク内のユーザへの無線接続の利用可能性などの因子を占める。
【0116】
ロケーション推定エンジンは内部の測定データベースを更新するための機能を提供することもやはりあり得る。これらの機能は、例えば個々のユーザの順方向検索(FL)から測定結果を取り込むこと、さらに多数のユーザに関する逆方向検索(RL)のバッチを取り込むこと、またはこれらおよび他の技術の組み合わせを使用することが可能である。付け加えると、ユーザの行動パターン分析を更新するために1つまたは複数の機能が呼び出されることもあり得る。
【0117】
ロケーション推定エンジンは、例えば軌道法、拡張ディスク法、および核生成領域法を含めたいくつかの異なるロケーション推定方法のうちの1つまたは複数を使用してもよく、これらの各々は下記で述べられる。
【0118】
本システムは異なる条件下でこれらの方法のうちの異なるものを使用することが可能である。例えば、軌道法は最近の信頼できる速度測定データが利用可能であるときに使用されてもよく、拡張ディスク法は最後のロケーション測定が最近起きたが速度データが利用不可能であるかまたは不確か過ぎるときに使用されてもよく、核生成領域法は他のすべてのケースで使用されてもよい。これらと他のタイプのロケーション測定技術との間の切り換えの多数の他のタイプが使用されることもあり得る。
【0119】
様々な方法の間の切り換えのさらに詳しい実例として、ロケーション推定要求に応答して3つの方法すべてが初期に適用されてもよい。明確な速度データが利用可能でないとき、軌道法はそのような速度情報を導き出すために最後の2つのロケーション測定結果を使用する。軌道法および拡張ディスク法はそれぞれ、確率1を伴う1つの領域LATR、およびLAEDを与えるであろう。この領域のサイズはロケーション測定精度、速度精度、時間全体にわたる(移動の方向の変化を含めた)ユーザの加速度の確率などのすべてのパラメータにおける不確実性を占める。核生成領域法は部分確率を伴うロケーション領域{LANA,PNA}のセットを与える。
【0120】
次いでそれぞれの方法によって与えられる3つの初期推定がそれらの合計の領域サイズに対して比較される。核生成領域法に関すると、合計の領域サイズは少なくとも50%の累積確率を伴うロケーション領域によって網羅される領域に設定される。この推定は複数のロケーション領域が互いに重複し得るという事実を占める。重複領域は1回のみ計数され、相当する確率が帳尻を合わされる。
【0121】
最後に、最小の合計領域サイズを与える方法がロケーション推定のために使用される。
【0122】
前に示されたように、これら3つの実例の方法、または他の方法のうちのいずれが所定の条件のセットの下で使用されるべきかを判定するために他のタイプの技法が使用されることもあり得る。
【0123】
実例の方法、すなわち軌道法、拡張ディスク法、および核生成領域法の各々がここでさらに詳しく述べられる。
【0124】
(軌道法)
軌道法は速度情報、例えば移動の速さと方向の利用可能性に基づいている。速度情報は少なくとも2つの連続したロケーション測定から得られる。例えばAGPSが使用されるとき、速度は1つの従来式のFLから直接得られることが可能である。このケースでは、FLの実行は連続したロケーション測定の配列を査定し、これらから速度距離を導き出す。この手順はIS−801として知られている無線通信規格の一部である。
【0125】
そのような情報が利用可能でないとき、速度は連続した検索の測定結果から導き出されてもよい。各々のユーザに関する通常の検索率では、最後の2つのロケーション測定のみに価値があることを予期してもよい。
【0126】
これら2つの技法のうちのいずれが速度推定のために使用されるかは測定データ(「速度フラッグ」)内に含まれるべきである。
【0127】
最後の2つのロケーション測定に半径精度dxとdxをそれぞれ伴って時間tとtにおける座標を与えさせる。tとtとの間の平均速度は
12=()/(t−t
として導き出される。
【0128】
現時点でのユーザ・ロケーション領域の中心は
12×(t−t
と推定されることが可能であり、式中、i=1、2、すなわち、より最近の両方の点である。
【0129】
このロケーション領域のサイズは初期のロケーション測定の精度および導き出された速度の精度によって与えられる。
【0130】
速度の精度は2つの構成要素を有し、一方はロケーション測定の精度に起因し、他方は測定が実行されてから後の実際の速度の見込まれる変化に起因する。
=d+d
【0131】
単純にするために、速度精度うちの前者の寄与をユーザの速さの精度で近似させると
【0132】
【数2】

である。
【0133】
後者の寄与は経験則による手法
dv=|d|=a×dt=a×(t−0.5×(t+t))
を通じてモデル化され、式中、aは累積データから推定されるかまたは導き出される平均の加速度項を表わす。
【0134】
結果として得られる速さの精度は
【0135】
【数3】

によって与えられる。
【0136】
ロケーション領域の半径は
【0137】
【数4】

となる。
【0138】
この精度は(初期のロケーション測定精度に起因する)定数項、(ロケーション精度と関連した速さ精度に起因する)tの一次項、および(付加的な加速度項に起因する)tの二次項を含む。この加速度項が移動の速さの変化と方向の変化の両方を占めることに留意するべきである。
【0139】
速度情報が1つの検索測定から明確に与えられるとき、これに対応する速さ精度dvはネットワークによって与えられるはずである。しかしながら、第2項dvが上記に示されるように含まれる。測定活動は通常では数秒かかるがこれは通常の検索時間枠間と比較して小さいので、tおよびtは最後の測定のタイムスタンプに等しく設定されることができる。
【0140】
上記の軌道推定では、ユーザの加速度はスカラー・パラメータを通じて近似させられた。原理では、3つ以上の連続したロケーション測定から完全な加速度ベクトルを導き出すことが可能である。時間t、tおよびt、tの間それぞれの平均速度である12および23でもって平均加速度ベクトルを
123=(1223)/(0.5×(t+t)−0.5×(t+t))
と算出する。この推定は正しいと証明されることができない精度を示唆している。道路を変更する、ブレーキをかけて止まる、または移動に入るなどといった強い加速度は普通では通常のFLの時間周期よりもはるかに短い数秒から1分のタイムスケールで起きるので、過去の測定は現在の軌道を殆ど予測することができない。しかしながら、時間全体にわたるロケーション測定から通常の平均加速度分布を導き出すことには意味がある。この理由で、加速度がロケーション測定データベースの中に含められた。毎日1回集合データを更新することで十分であるはずであるが、他の更新期間が使用されることもあり得る。
【0141】
(拡張ディスク法)
速度情報が利用可能でないとき、ユーザ・ロケーション領域は平均または最悪のケースの速さの値に基づいて推定されてもよい。結果として得られるロケーション領域は円形の形状を有し、半径は時間と共に広がる(「拡張ディスク」)。
【0142】
ロケーション測定に精度dxを伴うtにおける座標を与えさせ、速さの値を精度dvを伴うvとする。運動の方向の情報が利用可能でないので、ロケーション領域の中心は変わらずに

である。その代わり、ロケーション領域の半径が時間と共に変化して
【0143】
【数5】

となる。この推定では、加速度項が無視されている。この理由は、速さ情報が極めて不正確であり、経験則による加速度項を通じた付加的な複雑さを追加することが正当化されると思われないからである。
【0144】
拡張ディスク法は平均または最悪のケースの速さの値が検索または外部供給源から得られる集合の領域特異性の速さデータで置き換えられると改善されることが可能である。毎日1回集合の速さデータを更新することで十分であるはずであるが、ここでも再び、他の更新期間が使用されることもあり得る。
【0145】
(核生成領域法)
・瓶空間の定義
核生成領域分析法は経度、緯度、および時間座標を備えた3次元(3D)瓶空間で機能する。各々の3D瓶はBijkと称される。各々の3D瓶のさらに低次元の部分空間は「地理的瓶」(Bij)または「時間的瓶」(B)とそれぞれ称される。地理的平面では、瓶空間はネットワーク領域の周りの境界矩形によって縛られる。時間的次元では、瓶は1日の時間枠を網羅する。
【0146】
各々のユーザについて、いくつかの延長した時間枠(例えば3カ月)全体にわたって獲得されたロケーション測定データが瓶空間に割り当てられる。具体例の実施形態では平日と週末のユーザの行動の間を差別化するので、平日と週末の両方の測定データのサブセットについて独立して処理全体を実行する。
【0147】
瓶Bijkへの測定点(x,y,t)に関する割り当て条件は
(x−dx/2)<x≦(x+dx/2)および
(y−dy/2)<y≦(y+dy/2)および
(t−dt/2)<t≦(t+dt/2)であれば(x,y,t)∈Bijk
であり、式中、(dx,dy,dt)は瓶サイズを表わし、(x,y,t)は瓶Bijkの中心である。時間的成分は1日の時間枠を占めるのみであるので、同じ時間であるが異なる日に取られるデータは同じ時間的瓶の中に畳み込まれる。
【0148】
・統計学的確実性に基づく核生成領域
割り当て作業は瓶毎の測定カウントcijkにつながる。時間枠(t−dt/2)<t≦(t+dt/2)の間のユーザに関する測定の合計数は
【0149】
【数6】

である。
【0150】
ユーザに関する合計の測定カウントは
【0151】
【数7】

である。
【0152】
ユーザが反復性の行動パターンを示すとき、このユーザに関するロケーション測定点は瓶の小さいサブセット内に核生成され、結果としてこれらの瓶に関する一層高いcijkカウントにつながる。k番目の時間間隔の中でBijk内にユーザを見つける確率Pijk
【0153】
【数8】

を伴ってPijk=cijk/cである。
【0154】
ijkが日全体ではなく各々の時間的瓶に対して正規化されることに留意するべきである。
【0155】
原則として、非ゼロのPijkを伴う各々の瓶が1つの核生成領域NAijkとして規定されることが可能である。これらの核生成領域すべてがメモリ内に保持されれば、これらはユーザがt∈Bにおいて関連する確率Pijkで見つけられ得るロケーション領域{LA}のサブセットを見つけるために使用されることが可能である。しかしながら、この手法はPijkの不確実性dPijkがPijk自体よりもはるかに小さいときにのみ信頼できる結果につながる。これは核生成領域のセットが条件α×Pijk>dPijkを満たすものに限定されるはずであることを意味し、ここでαは設計パラメータである。確率誤差dPijk
【0156】
【数9】

と推定されることが可能である。これは同じ時間指標kを伴うすべての瓶について同じ値を有する。核生成領域当たりのカウントの最小数は
【0157】
【数10】

であり、これは
【0158】
【数11】

を伴う瓶のみが核生成領域になり得ることを意味する。
【0159】
αに関して妥当な値は以下の方法で見出されることが可能である。確率誤差dPはPijk自体と無関係であるので、確率空間をサイズdPの等距離の瓶に分割して様々なPijkの値をこの空間に割り当てることが可能である。最下位の瓶はP=0を有し、次に下位のP=dP、等等である。核生成領域はPijkが最下位の瓶内に無いすべてのBijkに関して作り出されるはずであり、Pijk>P/2またはα=0.5を設定する。
【0160】
・増分瓶サイズ拡張
たとえ延長時間枠がデータ取得のために選択されても、通常の検索率(1時間に1回)で供給される測定点の数は少ない。結果として、上記の核生成領域法はいくつかの瓶全体にわたって広がるユーザ・パターンをカウントの欠如のせいで見逃すこともあり得る。以下の実例はこの現象を具体的に示す。
【0161】
あらゆるユーザが1カ月=31日にわたってほぼ1時間に1回検索されると仮定する。これは約19日の平日または1時間当たりc=19ロケーション測定に相当する。時間的瓶サイズが1時間であると仮定する。α=0.5に関してカットオフ・カウントは
【0162】
【数12】

であり、したがって核生成領域当たりのカウントの最小数はCijk=3である。このカットオフに関すると、時間的瓶当たりの核生成領域の最大数は19/3=6である。19測定点が13瓶にわたって分配されて各々が1から2カウントを保持するとき、これらは条件
【0163】
【数13】

に合致しないので、これらのうちで核生成領域として識別され得るものは無い。これらの瓶のうちのいくつかは散り散りにされることもあり得るが、その一方で他は互いに密接に近接してグループ化される。後者の瓶は関連する領域内のユーザの存在についての統計学的に有意の情報を保持する。大きい瓶サイズが使用される場合、この情報が抽出されることが可能である。例えば、4の因数による地理的瓶サイズの拡大は
【0164】
【数14】

を伴う複数の核生成領域を識別するために十分であると見込まれる。したがって、異なる長さ規模で核生成パターンを捕捉するために大規模の瓶サイズ全体にわたって核生成領域分析を繰り返す必要があると見込まれる。
【0165】
(地理的瓶サイズ拡張)
核生成領域分析は地理的瓶サイズを上げながら複数回繰り返される。各々の増分で、地理的瓶サイズは経度と緯度の両方で同時に増大させられてもよい。瓶サイズは、例えば各々の地理的要素に関する2つの乗数を使用して、または等価的に地理的瓶サイズについて4の因数を使用して地理的に増大させられてもよい。
【0166】
あらゆるステップにおいて、核生成領域を形成したすべての測定点は引き続くステップのために使用される測定点の合計のセットから取り出されなければならない。これは同じ測定点が複数の核生成領域に寄与する状況を回避する。
【0167】
核生成領域法のこの態様を実施するためのアルゴリズムは以下の通りである。
1.推定のための測定データのセットを選択する(例えば3カ月全体にわたる平日)。
2.時間的瓶サイズを設定する(例えば1時間)。
3.最小の地理的瓶サイズを設定する(例えば500メートル)。
4.時間的瓶に測定データを予め割り当て、これらの各々についてcを計算する。
5.すべての時間的瓶kをループにする:
A.すべての地理的瓶サイズ、段階指数sをループにする:
a.地理的瓶に測定データを割り当てる・
b.瓶毎に測定カウント
【0168】
【数15】

を判定する。
c.新たな核生成領域
【0169】
【数16】

を、
【0170】
【数17】

に基づいて識別する。
d.段階sの新たな核生成領域
【0171】
【数18】

に測定点を割り当てることによって測定データのセットを使い尽くす。
e.因数4で地理的瓶サイズを増大させる。
f.瓶サイズがネットワーク領域よりも大きくなると中断する。
6.アルゴリズムを終了する。
【0172】
時間tにユーザが見つけられ得るロケーション領域{LA}はt∈Bを伴う核生成領域
【0173】
【数19】

のサブセットから導き出されることができる。前述のように、関連する確率は
【0174】
【数20】

である。異なる地理的サイズのロケーション領域が互いに重複し得ることに留意するべきである。
【0175】
・時間的および地理的瓶サイズの同時拡張
上記のアルゴリズムは変化する地理的長さ規模の核生成領域を認知することができるが、多数の地理的瓶ではなく長い時間枠にわたって続くパターン、すなわち多数の時間的瓶を見逃すこともあり得る。そのようなパターンを捕捉するために、アルゴリズムは時間的瓶サイズの変化も同様に含んでもよい。小さい地理的領域であるが長い時間枠にわたって、またはその逆で核生成を認知するためにこの変化は地理的瓶サイズの変化と無関係に生じるべきである。
【0176】
あらゆる核生成分析は新たな核生成領域に割り当てられる測定データによって測定データのセットを減少させるので、各々の段階が引き続く段階の結果に影響を与える。2次元(2D)パラメータ空間(時間的および地理的瓶サイズ)全体にわたって走査するとき、いずれの配列が最良の結果につながるか明確でないこともあり得る。また、異なる走査配列の結果をランク付けして比較する適切な測定基準が何であるべきかが明確でないこともあり得る。結果はさらに、初期の(すなわち最小の)時間的および地理的瓶サイズの選択によって決まることもあり得る。妥当な値は時間的瓶については0.75時間(=45分)、経度と緯度については500mであってもよい。この選択は100km×100kmのマーケットについて32の時間的瓶および約40000の地理的瓶、すなわち各々の地理的寸法で200を作り出す。
【0177】
2つの考え得る配列が下記で表1に示されている。配列Aは3D瓶サイズの増分に関して単調な順序を保ち、地理的拡張を上回る時間的拡張の優先順位を与える。これはユーザが長時間同じ地点に在るパターンに焦点を合わせている。配列Bは時間的増分と地理的寸法の段階増分の積を単調に保ち、最初に地理的瓶、次いで時間的瓶を拡張させる。これはユーザが一層短い時間枠に関して一層大きい地理的領域全体にわたって散策するパターンを重視しており、これは実際の用途に一層よく適している可能性が高い。
【0178】
【表1】

【0179】
時間的規模を拡張するときに考慮されるべき別の態様は、様々な時間間隔Bが異なる合計カウントcを有することもあり得るということである。以下では、指数kは最小の時間的瓶を参照し、指数lはいずれかの他の、最終的に拡張された時間的瓶を参照する。すべてのk全体にわたるcの変化に説明をつけるために、カウントcijkではなくカウントの比zijk=cijk/cが分析のために使用される。各々のカウント比に関して関連する確実性は
【0180】
【数21】

である。時間的に拡張された瓶Bに関すると、合計のカウント比およびその確実性は
【0181】
【数22】

および
【0182】
【数23】

であり、ここでは合計はB内に含まれるすべての最小サイズの瓶Bにわたってとられる。
【0183】
核生成領域に関するカットオフは前のように
【0184】
【数24】

で規定されてもよい。
【0185】
上記の手法を実施するためのアルゴリズムは以下の通りである。
1.推定のための測定データのセットを選択する(例えば3カ月全体にわたる平日)。
2.最小の時間的瓶サイズを設定する(例えば0.75時間)。
3.最小の地理的瓶サイズを設定する(例えば500m)。
4.時間的および地理的瓶サイズ、段階指数sをループにする:
A.瓶に測定データを割り当てる。
B.各々の時間的瓶に対してcを計算する。
C.瓶毎の測定カウントおよびカウント比
【0186】
【数25】

および
【0187】
【数26】

を判定する。
D.新たな核生成領域
【0188】
【数27】


【0189】
【数28】

に基づいて識別する。
E.新たな核生成領域
【0190】
【数29】

に割り当てられる測定点によって測定データのセットを使い尽くす。
F.配列(例えば表1から由来する配列Aまたは配列B)に従って時間的および地理的瓶サイズに増分を加える。関連する瓶乗数は2つの地理的瓶と時間的瓶それぞれについて
【0191】
【数30】

および
【0192】
【数31】

である。
G.地理的瓶サイズがネットワーク領域よりも大きくなると中断する。
5.各々のBに関して、合計のカウント比
【0193】
【数32】

を、残りの瓶、すなわち核生成領域に含まれない最小サイズの地理的瓶について識別する:
【0194】
【数33】

6.アルゴリズムを終了する。
【0195】
すべての核生成領域
【0196】
【数34】

が識別された後、対応するロケーション領域およびこれらの確率が時間tにおけるロケーション要求のために導き出される。この目的のために、
【0197】
【数35】

を同じサイズの地理的瓶であるが最小サイズの時間的瓶の核生成領域に分解する。
【0198】
【数36】

【0199】
この
【0200】
【数37】

のカウント比がすべての分解された
【0201】
【数38】

全体にわたって等しく分配され、
【0202】
【数39】

式中、nはBに含まれるBの数である。
【0203】
時間tにおいて、ロケーション領域
【0204】
【数40】

はt∈Bを伴うすべての分解された
【0205】
【数41】

の地理的断面に等しい。各々の
【0206】
【数42】

に関する確率
【0207】
【数43】

はすべてのi、j、sに関する
【0208】
【数44】

の値、または
【0209】
【数45】

に基づいている。
【0210】
【数46】

この式において、
【0211】
【数47】

のカウント比はB内の分解された核生成領域とB内の残りの領域のすべてのカウント比の合計に対して正規化されている。この正規化の結果として、1つの核生成領域
【0212】
【数48】

から導き出されるすべてのロケーション領域が同じ地理的サイズを有するが異なる
【0213】
【数49】

を有することもあり得ることに留意するべきである。
【0214】
・自己バイアスに対する補正
上記の具体例の手法はデータ取得速度が時間およびユーザのロケーションと無関係であるときに良好に働く。本願明細書の別の場所で述べられる知的検索手法のうちの1つまたは複数は、ユーザが高い重複尤度を有するときにそのような手法がロケーション更新をさらに頻繁に所望の広告地域でスケジュール化することが見込まれるのでこの条件に違反することもあり得る。これは広告地域付近の核生成領域にバイアスをかけ、ユーザが実際に居るよりもさらに頻繁に彼または彼女がこれらの付近に居ることを示唆する。この影響は定常状態に自己安定することもあり得るが、これは広告地域が変わると遅延した応答を作り出す。
【0215】
この自己バイアス効果は以下のステップのうちの一方または両方を実行することによって緩和されることが可能である。
1.保証された最低検索頻度flow(例えば2時間周期に1回)をSFLの中に導入するステップ。
2.Tlow=1/flowの時間窓全体にわたるカウント数を瓶空間の中に入れる前にこれらを正規化するステップ。
【0216】
上記の第2のステップはすべての測定データの時間的規模に対する事前瓶処理を表わす。事前瓶処理空間Ωτはすべての測定データの時間軸τ全体に延び、瓶サイズTlowを有する。測定データは各々のユーザについてこの事前瓶空間の中に入れられる。次いで時間瓶Ωτ毎のカウントの数γτが判定される。測定データが瓶空間Bijkの中に入れられると、各々のカウントのcijkへの寄与がその事前瓶の1/γτで重み付けされる。これはcijkに関する比の値につながる。次いで、zijkなどを作り出すためにこのカウント比がcによって正規化される。
【0217】
上記の手法を実施するためのアルゴリズムは以下の通りである。
1.推定のための測定データのセットを選択する(例えば3カ月全体にわたる平日)。
2.事前瓶処理のための時間枠Tlowを設定する。
3.データをΩτの中に事前瓶処理する。
4.Ωτ毎にカウントγτを判定する。
5.瓶空間に関して最小の時間的瓶サイズを設定する(例えば0.75時間)。
6.瓶空間に関して最小の地理的瓶サイズを設定する(例えば500m)。
7.時間的および地理的瓶サイズ、段階指数sをループにする:
A.事前瓶重み因数1/γτを伴う瓶に測定データを割り当てる。
B.各々の時間的瓶に対してcを計算する。
C.瓶毎に測定カウントおよびカウント比
【0218】
【数50】

および
【0219】
【数51】

を判定する。
D.新たな核生成領域
【0220】
【数52】

を、
【0221】
【数53】

に基づいて識別する。
E.段階sの新たな核生成領域
【0222】
【数54】

に割り当てられる測定点によって測定データのセットを使い尽くす。
F.配列(例えば表1から由来する配列Aまたは配列B)に従って時間的および地理的瓶サイズに増分を加える。関連する瓶乗数は2つの地理的瓶と時間的瓶それぞれについて
【0223】
【数55】

および
【0224】
【数56】

である。
G.地理的瓶サイズがネットワーク領域よりも大きくなると中断する。
8.各々のBに関して、残りの瓶、すなわち核生成領域に含まれない最小サイズの地理的瓶について合計のカウント比
【0225】
【数57】

を識別する。
【0226】
【数58】

9.アルゴリズムを終了する。
【0227】
・ユーザの利用不可能性
上記で与えられた具体例のアルゴリズムは、どのようなロケーション情報ももたらさない測定データが処理されるべき方法を指定しない。これは、例えば受信可能範囲を有さないユーザが彼/彼女の移動体通信装置の電源を切ったとき、異なるネットワークにローミングをしたとき、またはロケーション情報制限(LIR)フラッグを設定したときのケースである。
【0228】
具体的例示の目的で、関連するタイプスタンプで「利用可能でない」ようなデータベースによってこれらの条件が保たれ得ると仮定する。ユーザが時間的瓶Bの間に100回検索されたが、地理的瓶ロケーションBijおよびBi’j’で2回のみ利用可能であったとき、これら2つの瓶のどちらかにおいてこのユーザを見つける確率は0.5ではなく0.01に設定されるはずである。この実例は、利用不可能性が正規化において考慮に入れられるべきであることを示している。
【0229】
この目的のために、いずれの他の瓶とも隣接関係を持たないが、その加入が合計のカウントcに考慮される追加の地理的瓶Bij=Boffが導入されてもよい。これは利用不可能性をロケーション領域確率の中に自動的に含める。
【0230】
利用可能性情報を付加的特徴として知的検索処理に供給することはさらに意味がある。これは、決して(または殆ど)利用できないユーザに関してflowよりも大幅に下のレベルへの検索の数の削減を可能にする。相当する検索率はfoffである。時間規模Toff=1/foffに対する付加的な事前瓶処理を回避するために、1つのTflow以上離れている連続した「利用不可能性」結果を伴う測定データはすべてのΩτ事前瓶の中心において間を人為的な利用不可能性データで充填される。これらの付加的データもやはり瓶空間Bijkの中に入れられる。
【0231】
付加的な利用可能性領域(AA)分析が利用可能性単独に対して時間的規模の中で実行されてもよい。この分析は核生成領域分析と同じ概念に従っているが、しかし1つの規模、すなわち時間的規模のみである。これはユーザが利用可能でない場合、例えば夜間または週末の各々のユーザに関する通常の時間枠を識別することを可能にする。結果として、知的検索処理はこれらのユーザを極めて低い率で検索することによって処理能力リソースを節約することができる。
【0232】
・核生成領域更新頻度
核生成領域は一層長い時間枠にわたって累積のユーザ行動を捕捉するので、これらは最新のロケーション更新に比較的左右されない。したがって、そのような領域は極めて頻繁に更新される必要が無い。例えば、毎日の終わりにすべての核生成領域を更新することが所定の用途では十分であることもあり得る。もちろん、他の実施形態において他の更新頻度が使用されることも可能である。
【0233】
ここでも再び、上述の具体的実施形態の特定のシステム素子、処理操作、および他の特徴が単に実例の方式で提示されていることは理解されるべきである。前に示されたように、上述の技法は他のタイプの無線通信システムにおける、および他のタイプのロケーションベース・サービスを伴う使用のために直接的な様式で適合させられることが可能である。付け加えると、本発明は所定の無線ネットワークのサブネットワークまたは他の指定された部分に、または複数のネットワークまたは場合によっては異なるタイプの他のネットワークの組み合わせに応用されることもあり得る。添付の特許請求の範囲内にあるこれらおよび数多くの他の代替実施形態は当業者に容易に明らかになるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロケーションベース・サービスを提供する方法であって、
無線ネットワークに付随するそれぞれの移動体通信ユーザ装置に関連するユーザについてプロフィール情報を入手するステップと、
前記移動体通信ユーザ装置についてロケーション情報を入手するステップと、
前記ロケーションおよびプロフィール情報に基づいてユーザの移動の統計値を作り出すステップと、
前記ユーザの移動の統計値に基づいて前記移動体通信ユーザ装置のうちの所定の装置への少なくとも1つのメッセージの配信を制御するステップとを含む方法。
【請求項2】
前記入手するステップ、作り出すステップ、および制御するステップが、前記無線ネットワークの外部にあるロケーションベース・サービス・システム内に導入される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ロケーションベース・サービス・システムがゲートウェイを介して前記無線ネットワークの処理デバイスに連結される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ユーザの移動の統計値が、特定の指定された特徴を有するユーザが所定の時間に所定のロケーションにどの程度多く居る可能性が高いかを近似的に判定するために十分な情報を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザの移動の統計値が前記移動体通信ユーザ装置へのメッセージの配信に関して支払い請求される価格を決定するために利用される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザの移動の統計値が、関心を持った契約当事者への1つまたは複数のメッセージ配信機会の競売のための適切な入札水準を決定するために利用される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ユーザの移動の統計値が、前記移動体通信ユーザ装置に配信されるメッセージから成る販売キャンペーンの影響を推定するために利用される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記推定された影響の関数として前記販売キャンペーンを調節するステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ロケーションベース・サービスを提供することに使用するための装置であって、
メモリに連結されたプロセッサを有する少なくとも1つの処理デバイスを含むロケーションベース・サービス・システムを含み、
前記ロケーションベース・サービス・システムが、無線ネットワークに付随するそれぞれの移動体通信ユーザ装置に関連するユーザについてプロフィール情報を入手するように、前記移動体通信ユーザ装置についてロケーション情報を入手するように、および前記ロケーションおよびプロフィール情報に基づいてユーザの移動の統計値を作り出すように構成され、
前記ロケーションベース・サービス・システムがさらに、前記ユーザの移動の統計値に基づいて前記移動体通信ユーザ装置のうちの所定の装置への少なくとも1つのメッセージの配信を制御するように構成される装置。
【請求項10】
無線ネットワークに付随する移動体通信ユーザ装置であって、(i)前記無線ネットワークに付随する前記移動体通信ユーザ装置および他の移動体通信ユーザ装置に関して入手されるロケーション情報、および(ii)前記移動体通信ユーザ装置のうちのそれぞれの装置に関連するユーザのプロフィール情報から判定されるユーザの移動の統計値に基づいて制御可能に前記移動体通信ユーザ装置に配信される少なくとも1つのメッセージを受信するように構成される装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−110041(P2012−110041A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−33650(P2012−33650)
【出願日】平成24年2月20日(2012.2.20)
【分割の表示】特願2009−512031(P2009−512031)の分割
【原出願日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(596092698)アルカテル−ルーセント ユーエスエー インコーポレーテッド (965)
【Fターム(参考)】