説明

ユーザー・インターフェイスのアンロック方法

【課題】電子装置のロック状態にあるユーザー・インターフェイスを効率よく解除することができるユーザー・インターフェイスのアンロック方法を提供すること。
【解決手段】本発明に係るユーザー・インターフェイスのアンロック方法は、電子装置のタッチ式表示パネルで押しボタン及び目盛り盤を備えるロックインターフェイスを表示するステップと、ユーザーの前記押しボタンに対する回転或いはスライド操作を検知して、前記押しボタンに設けられたポインターと前記目盛り盤との相対的な位置を変えるステップと、前記押しボタンの前記目盛り盤に対する位置が予め設定された値に合うかどうかに基づいて、ロックインターフェイスのアンロック条件を満たすかどうかを判断するステップと、ロックインターフェイスのアンロック条件を満たす場合に、前記ロックインターフェイスのロック状態を解除するステップと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザー・インターフェイスのアンロック方法に関し、特にタッチ式表示パネルを備えた電子装置に用いられるユーザー・インターフェイスのアンロック方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話及びコンピューター等の電子装置には、個人のプライバシーが格納されている。電子装置を長時間使用しない場合、他人が勝手に電子装置を使用することを防止するために、通常、電子装置のユーザー・インターフェイスをロックするためのロックソフトをインストールする(例えば、特許文献1を参照)。これにより、前記電子装置を再び起動させると、そのスクリーンにはアンロックの手順が映し出される。しかし従来のアンロック手順は、先ず認証パスワードを入力しなければ、ユーザー・インターフェイスにアクセスできず、このような方法は手間がかかり、効率的でない。しかも、ユーザー・インターフェイスのロック状態を解除する際の、スクリーンに表示される画面は、デザインの多様性に欠け且つ新規性がない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2011−522485
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上の問題点に鑑みて、本発明は、電子装置のロック状態にあるユーザー・インターフェイスを効率よく解除することができるユーザー・インターフェイスのアンロック方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明に係るユーザー・インターフェイスのアンロック方法は、タッチ式表示パネルを備える電子装置に用いられる。前記ユーザー・インターフェイスのアンロック方法は、前記電子装置に押しボタン及び目盛り盤を備えるロックインターフェイスを構築して、前記タッチ式表示パネルを介してそれを表示するステップと、ユーザーの前記押しボタンに対する回転或いはスライド操作を検知して、前記押しボタンに設けられたポインターと前記目盛り盤との相対的な位置を変えるステップと、前記押しボタンの前記目盛り盤に対する位置が予め設定された値に合うかどうかに基づいて、ロックインターフェイスのアンロック条件を満たすかどうかを判断するステップと、ロックインターフェイスのアンロック条件を満たす場合に、前記ロックインターフェイスのロック状態を解除するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0006】
従来の技術と比較して、本発明に係るユーザー・インターフェイスのアンロック方法は、電子装置のタッチ式表示パネルを介してユーザー・インターフェイスのロック状態を解除できるため、効率がよく、前記タッチ式表示パネルのロックインターフェイスの画面のデザイン性も豊富で、新規性がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明のユーザー・インターフェイスのアンロック方法をインストールした電子装置のハードウェアを示すブロック図である。
【図2】図1に示した電子装置のユーザー・インターフェイスをアンロックするための機能モジュールを示す図である。
【図3】本発明の1つの実施形態において、ユーザー・インターフェイスをロックする時の図である。
【図4】本発明のもう1つの実施形態において、ユーザー・インターフェイスをロックする時の図である。
【図5】本発明の実施形態に係る電子装置のタッチ式表示パネルを介してユーザー・インターフェイスをアンロックする方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に示したように、本発明の実施形態に係る電子装置1は、タブレットパソコン、スマートフォン或いはデジタルカメラ等であることが可能である。前記電子装置1は、CPU10、内部記憶装置12、格納装置14、ビデオカード16、タッチ式表示パネル20、I/O接続ポート22、LANカード24及び圧力感知器26を備える。前記格納装置14は、フラッシュ・メモリーであることができ、前記CPU10により実行される応用ソフトを積載することに用いられる。前記圧力感知器26は、前記タッチ式表示パネル20に電気的に接続される。前記圧力感知器26は、ユーザーが前記タッチ式表示パネル20に加えた圧力の大小を感知し、且つ検知した圧力の値を前記CPU10に伝送する。
【0009】
図2に示したように、本発明の実施形態において、前記電子装置1は、入力判断ユニット45及びロックインターフェイス制御ユニット42を備える。前記入力判断ユニット45は、位置判断サブユニット452及び圧力判断サブユニット455を備える。
【0010】
前記入力判断ユニット45は、ユーザーが前記タッチ式表示パネル20で行ったスライド及びクリック等の動作を検知し、且つスライド/クリックの座標位置及び押圧力の強度を、対応するロックインターフェイス制御ユニット42に伝送する。前記位置判断サブユニット452は、ユーザーが前記タッチ式表示パネル20で行ったスライド/クリックの位置を判断する。前記圧力判断サブユニット455は、前記タッチ式表示パネル20に加えられた押圧力の大小を判断する。
【0011】
図3に示したように、前記電子装置1には、ユーザー・インターフェイスをロック/アンロックするためのロックインターフェイス51が構築されている。前記ロックインターフェイス制御ユニット42は、前記ロックインターフェイス51と組み合わせて、前記電子装置1を使用モードからユーザー・インターフェイスロックモードへと切り換える。ユーザー・インターフェイスロックモードに切り替わった後、ユーザーは予め設定された手順を実行し終えれば、再度前記使用モードにアクセスすることができる。
【0012】
前記ロックインターフェイス51は、金庫の扉に類似する。前記ロックインターフェイス51は、目盛り盤513、押しボタン514及び押圧強度表示バー518を備える。本実施形態において、前記押しボタン514は、旋回ボタンであり、即ちユーザーの操作によって回転する。前記目盛り盤513は、前記押しボタン514を取り囲んでいる。前記目盛り盤513には、数字、アルファベット或いは符号等の目盛りが標されている。また、前記押しボタン514にはポインターが設けられており、前記ポインターが指す方向によって、前記押しボタン514の回転角度を判断することができる。前記押圧強度表示バー518は、ユーザーの前記押しボタン514に対する押圧強度の大小を即時に表示する。前記押圧強度表示バー518は、直角三角形であり且つユーザーの押圧強度の大小に基づいて複数の強度区間に分けられている。本実施形態において、前記押圧強度表示バー518は、四つの強度区間を備える。
【0013】
前記ロックインターフェイス制御ユニット42は、ユーザーの前記押しボタン514に対する回転操作に基づいて、前記押しボタン514に設けられたポインターを前記目盛り盤513に相対する位置へと回転させる。前記ロックインターフェイス制御ユニット42は、ユーザーの前記目盛り盤513に対する押圧操作(例えば、押圧点611)を検知すると、前記押しボタン514を回転させて、前記ポインターを前記目盛り盤513の押圧点611へ指向させる。また、前記ロックインターフェイス制御ユニット42は、ユーザーの前記押しボタン514に対する押圧操作を検知し、且つ押圧時間及びこの押圧時間内に行われた押圧強度の大小及び前記押しボタン514に設けられたポインターの前記目盛り盤513に相対する位置に基づいて、ロックインターフェイスのアンロック条件を満たすかどうかを判断する。
【0014】
本発明の他の実施形態において、前記ロックインターフェイスのアンロック条件は、多種にわたる。例えば、前記押しボタン514の前記目盛り盤513に対する位置のみを判断することによって、ロックを解除する。または、前記押しボタン514の前記目盛り盤513に対する位置を判断すると同時に、前記押しボタン514に対する押圧操作を判断することによって、ロックを解除する。または、前記押しボタン514の前記目盛り盤513に対する位置及び前記押しボタン514に対する押圧操作を判断すると同時に、前記押しボタン514に対する押圧強度及び押圧時間を判断することによって、ロックを解除する。
【0015】
図4に示したように、押圧強度の表現方式は、1つに限定されない。本発明の他の実施形態において、図3に示した前記押圧強度表示バー518は、前記押しボタン514の仮想投影528として表示され、押圧強度の大小は、前記仮想投影528の長さによって表示される。また、前記押しボタン514の回転方式も、1つに限定されない。前記ロックインターフェイス制御ユニット42は、ユーザーの前記ロックインターフェイス51での弧状スライド操作621を検知して、前記弧状スライド操作621のスライド方向に基づいて、前記押しボタン514を回転させる。前記弧状スライド操作621は、単点弧線移動操作或いは方向が同じである多点弧線移動操作であることができる。
【0016】
また、前記目盛り盤513及び前記押しボタン514の配置方式は、1つに限定されない。変形例として、前記目盛り盤513は、直線に沿って設けられる。前記押しボタン514を前記目盛り盤513の直線の目盛り線に沿って移動することを介して、前記押しボタン514の前記目盛り盤513に対する位置を調節する。
【0017】
図5に示したように、本発明に係る電子装置のタッチ式表示パネルを操作することによるユーザー・インターフェイスのアンロック方法は、以下のステップを備える。
【0018】
ステップS01において、前記電子装置1に押しボタン514及び目盛り盤513を備えるロックインターフェイス51を構築し、且つ前記タッチ式表示パネル20を介して前記ロックインターフェイス51を表示する。
【0019】
ステップS02において、前記ロックインターフェイス制御ユニット42によって、ユーザーの前記押しボタン514に対する回転或いはスライド操作を検知して、前記押しボタン514に設けられたポインターと前記目盛り盤513との相対的な位置を変える。1つの実施形態において、前記ロックインターフェイス制御ユニット42は、ユーザーの前記目盛り盤513に対する押圧操作(例えば、押圧点611)を検知すると、前記押しボタン514に設けられたポインターが、前記目盛り盤513の押圧点611を指すように、前記押しボタン514を回転させる。もう1つの実施形態において、前記ロックインターフェイス制御ユニット42は、ユーザーの前記ロックインターフェイス51での弧状スライド操作を検知して、前記弧状スライドの方向に基づいて前記押しボタン514を回転させる。
【0020】
ステップS03において、前記押しボタン514の前記目盛り盤513に対する位置が予め設定された値に合うかどうかを判断する。合ったと判断された場合、ステップS04に移る。合っていないと判断された場合は、ステップS02に戻る。なお、他の実施形態において、直接次のステップS06に移ることができる。
【0021】
ステップS04において、ユーザーの前記押しボタン514に対する押圧操作を検知して、前記押しボタン514が押圧されたかどうかを判断する。前記押しボタン514が押圧されたと判断された場合、ステップS05に移る。前記押しボタン514が押圧されていないと判断された場合、ステップS03に戻る。なお、他の実施形態において、直接次のステップS06に移ることができる。
【0022】
ステップS05において、前記押しボタン514に対する押圧強度及び押圧時間が予め設定された値に合うかどうかを判断する。合ったと判断された場合、ステップS06に移る。合っていないと判断された場合、ステップS04に戻る。なお、他の実施形態において、押圧強度は、前記押圧強度表示バー518により即時に表示される。
【0023】
ステップS06において、前記ロックインターフェイス51のロック状態を解除する。
【0024】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形又は修正が可能であり、該変形又は修正も又、本発明の特許請求の範囲内に含まれるものであることは、いうまでもない。
【符号の説明】
【0025】
1 電子装置
10 CPU
12 内部記憶装置
14 格納装置
16 ビデオカード
20 タッチ式表示パネル
22 I/O接続ポート
24 LANカード
26 圧力感知器
42 ロックインターフェイス制御ユニット
45 入力判断ユニット
452 位置判断サブユニット
455 圧力判断サブユニット
51 ロックインターフェイス
513 目盛り盤
514 押しボタン
518 押圧強度表示バー
528 仮想投影
611 押圧点
621 弧状スライド操作

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチ式表示パネルを備える電子装置に用いられるユーザー・インターフェイスのアンロック方法であって、
前記電子装置に押しボタン及び目盛り盤を備えるロックインターフェイスを構築し、且つ前記タッチ式表示パネルを介してそれを表示するステップと、
ユーザーの前記押しボタンに対する回転或いはスライド操作を検知して、前記押しボタンに設けられたポインターと前記目盛り盤との相対的な位置を変えるステップと、
前記押しボタンの前記目盛り盤に対する位置が予め設定された値に合うかどうかに基づいて、ロックインターフェイスのアンロック条件を満たすかどうかを判断するステップと、
ロックインターフェイスのアンロック条件を満たす場合に、前記ロックインターフェイスのロック状態を解除するステップと、
を備えることを特徴とするユーザー・インターフェイスのアロック方法。
【請求項2】
前記ロックインターフェイスのアンロック条件は、前記押しボタンが押圧されたかどうかを判断することをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載するユーザー・インターフェイスのアンロック方法。
【請求項3】
前記ロックインターフェイスのアンロック条件は、前記押しボタンに対する押圧強度及び押圧時間が予め設定された値に合うかどうかを判断することさらに含むことを特徴とする請求項2に記載するユーザー・インターフェイスのアンロック方法。
【請求項4】
ユーザーの前記押しボタンに対する回転或いはスライド操作を検知して、前記押しボタンに設けられたポインターと前記目盛り盤との相対的な位置を変えるステップは、ユーザーの前記目盛り盤に対する押圧操作を検知して、前記押圧操作の押圧位置に基づいて前記押しボタンを回転させることをさらに含むことを特徴とする請求項2または請求項3の何れか一項に記載するユーザー・インターフェイスのアンロック方法。
【請求項5】
ユーザーの前記押しボタンに対する回転或いはスライド操作を検知して、前記押しボタンに設けられたポインターと前記目盛り盤との相対的な位置を変えるステップは、ユーザーの前記ロックインターフェイスでの弧状スライド操作を検知して、前記弧状スライドの方向に基づいて、前記押しボタンを回転させることをさらに含むことを特徴とする請求項2または請求項3の何れか一項に記載するユーザー・インターフェイスのアンロック方法。
【請求項6】
前記弧状スライド操作は、単点弧線移動操作或いは方向が同じである多点弧線移動操作であることを特徴とする請求項5に記載するユーザー・インターフェイスのアンロック方法。
【請求項7】
前記ロックインターフェイスにおいて、押圧強度表示バーを表示して、前記押圧強度表示バーを介してユーザーの前記押しボタンに対する押圧強度の大小を、即時に示すことを特徴とする請求項3に記載するユーザー・インターフェイスのアンロック方法。
【請求項8】
前記押圧強度表示バーは、直角三角形であり、且つユーザーの押圧強度の大小に基づいて、少なくとも三つの強度区間に分けられることを特徴とする請求項7に記載するユーザー・インターフェイスのアンロック方法。
【請求項9】
前記押圧強度表示バーは、前記押しボタンの仮想投影であり、前記仮想投影の長さの値を介して、ユーザーの押圧強度の大小を示すことを特徴とする請求項7に記載するユーザー・インターフェイスのアンロック方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−160177(P2012−160177A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−4953(P2012−4953)
【出願日】平成24年1月13日(2012.1.13)
【出願人】(500080546)鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)
【Fターム(参考)】