説明

ユーザ移動工程予測装置及びこれを利用した運行情報通知装置

【課題】ユーザが交通機関の出発時刻、出発駅、到着駅などの情報を入力しなくても、ユーザの打ち合わせ等がユーザスケジュールから、移動手段の経路、出発駅、到着駅、それらの駅の発着時刻、運行状況の運行情報をユーザに通知する。
【解決手段】運行情報提供側のサーバは、ユーザ端末112からネットワーク111を介してユーザが予定する移動の目的、その目的の実行場所及び開始時刻を含めたユーザスケジュール情報を受け取る。少なくとも、(i)このユーザスケジュール情報と、(ii)ユーザ位置情報と、(iii)路線経路情報,地図情報及びダイヤ情報とから、ユーザスケジュールのための移動経路,利用する路線の発着駅及び発着時刻を含む移動工程を予測して運行情報と共に、ユーザ端末に送る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザから提供される情報を入力して、ダイヤ(時刻表)管理されている交通機関と関係させてユーザの移動工程を予測するユーザ移動工程予測装置,及び予測されたユーザ移動工程と併せて関連する運行情報(例えば、交通機関の遅延,不通,運休などの発生状況)をユーザに通知する運行情報通知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電車やバスなどの日常的な交通機関が車両トラブルや人身事故などにより大きく遅延すると、駅などで思わぬ混雑に巻き込まれ、それぞれの旅客のスケジュールに大きな影響を与える。特に都市部の通勤時間帯で大きな遅延が発生すると、旅客が駅などにあふれて危険な状態になる場合さえある。そこで、旅客をユーザとして、運行に異常が発生したときに、それぞれのユーザにメール機能などを利用して運行情報を通知して、駅などでの混雑を緩和しようとするシステムが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ユーザ端末と交通機関の運行情報管理サーバがネットワークを介して接続されて、ユーザ端末からサーバにユーザが利用する交通機関の乗車予定情報(路線、発着駅、発着時刻など)を入力すると、その交通機関の経路を探索し、運行に障害が発生している区間を利用する場合には、運行障害(例えば遅延)の状況及び代替交通機関の出発時間や経路を表示するシステム及び端末が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-64382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1に開示されたシステムでは、交通機関の乗車予定情報として、少なくとも路線、発着駅、発着時刻などの情報を含むユーザの厳密な予定情報をユーザ自身が予め入力しておく必要がある。これらの情報は、入力に手間がかかったり、ユーザ最寄りの出発駅や目的地の最寄りの到着駅がどこなのか調べたりすることもあり、時として時間や手間がかかり利便性に欠くこともある。
【0006】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザが利用する交通機関の出発時刻、出発駅、到着駅などの情報を入力(提供)しなくても、ユーザが予定する移動目的(例えば、移動地で行われる各種用件等)に関するユーザスケジュール情報から、そのための移動手段(交通機関)の経路、出発駅、到着駅、それらの駅の発着時刻に関するユーザ個々の移動工程を予測可能な装置、さらにこの予測された移動工程を基にして、利用する交通機関の運行情報をユーザに通知する装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために、基本的には、次のような装置を提案する。
(1)一つは、登録されたユーザ端末からネットワークを介してユーザが予定する移動の目的、その目的の実行場所及び開始時刻を含めたユーザスケジュール情報を受け取り、少なくとも、(i)このユーザスケジュール情報と、(ii)前記ユーザ端末から送られるユーザ位置情報と、(iii)予めデータベースに用意された路線経路情報,地図情報及び交通機関のダイヤ情報とから、前記目的を実行する場所に向けた移動経路,利用する路線の発着駅及び発着時刻を含む移動工程を予測して前記ユーザに前記ネットワークを介して提供する構成となっていることを特徴とするユーザ移動工程予測装置である。
【0008】
ここで、ユーザが予定する用件は、いわゆるユーザが移動目的とする用件であって、非定常的、定常的、種類を問わず、例えば、出張による用件(打ち合わせ,会合,講演等)、観光による用件(見学,レジャー等)、帰省による用件(実家滞在等)、遠征による用件(試合等)のほか、通勤による用件(就業等),通学による用件(就学等)も含まれるものである。
(2)もう一つは、前記ユーザ移動工程予測装置を介してユーザの移動工程を予測すると、その移動工程予測情報を、前記ユーザ端末に提供するのに加えて、予測する移動工程に利用する交通機関の区間に運行の異常が生じている場合には、その運行異常に関する情報も前記ユーザ端末に提供する構成となっている運行情報通知装置である。
【0009】
ここで、運行情報は、運行異常の状況そのもののほか、それに代わる交通機関の経路を探索してユーザ(すなわちユーザ端末)に提供してもよく、及び/又は、異常のある交通機関運行状況の経過を逐次収集して、それらの運行情報をユーザに通知するように設定してもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザへのサービス(すなわち、移動工程予測、運行情報)提供側は、ユーザ(ユーザ端末)から厳密な交通機関情報(発着駅、発着時刻、路線情報)の提供を受けなくとも、ユーザ自身の移動目的となるユーザスケジュールから、その移動目的に合ったユーザの移動工程(発着駅、発着時刻、路線情報など)を予測してユーザに提供することができる。これにより、ユーザは、自身で発着駅、発着時刻、路線などを調べてサービス提供システムに入力する手間暇から解放され、ユーザのスケジュール管理機能が交通機関の移動工程予測情報入手機能も兼ねるので、ユーザ自身のユーザ利便性を向上させることができる。さらに、交通機関のユーザは、システム側から取得した運行情報に基づき、適切に自分の行動を取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例1に係る交通機関の運行情報通知装置(移動工程予測装置を含む)の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例2に係る交通機関の運行情報通知装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例3に係る交通機関の運行情報通知装置の装置構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施例1に係るユーザ移動工程予測のシステムを実行する場合のデータの流れを示すブロック図である。
【図5】上記したユーザ移動工程予測を行う場合にユーザから提供されるスケジュール情報の一例を示す図である。
【図6】上記したユーザ移動工程予測に用いられる地図情報の一例を示す図である。
【図7】上記したユーザ移動工程予測に用いられる路線経路情報の一例を示す図である。
【図8】上記実施例により予測されたユーザ移動工程(旅行工程)の一例を示す図である。
【図9】上記したユーザ移動工程予測に用いられるユーザ情報の一例を示す図である。
【図10】上記ユーザ移動工程予測と関連して用いられる運行情報の一例を示す図である。
【図11】上記ユーザ移動工程予測と関連して用いられる駅及び時間帯毎配信情報の一例を示す図である。
【図12】上記ユーザ移動工程予測と関連して用いられるユーザ配信管理情報の一例を示す図である。
【図13】上記ユーザ移動工程予測に用いられるダイヤ情報の一例を示す図である。
【図14】上記実施例におけるユーザ移動工程予測の処理の流れの概要と情報の流れを示すシーケンス図の一例である。
【図15】上記実施例におけるユーザ移動工程予測の処理の流れの概要と情報の流れを示すシーケンス図の他の例である。
【図16】上記実施例におけるユーザ移動工程予測の処理の流れの概要と情報の流れを示すシーケンス図の他の例である。
【図17】上記実施例におけるユーザ移動工程予測の処理の流れの概要と情報の流れを示すシーケンス図の他の例である。
【図18】図14のS310の処理の詳細を示すフローチャートを示す図である。
【図19】図14のS313の処理の詳細を示すフローチャートを示す図である。
【図20】上記実施例のユーザ移動工程の予測結果を示す案内画面表示の一例を示す図である。
【図21】上記ユーザ移動工程予測と関連する路線案内を含む運行状況の画面表示の一例を示す図である。
【図22】上記ユーザ移動工程予測と関連するお勧め情報の画面表示の一例を示す図である。
【図23】上記ユーザ移動工程予測と関連するメールによる運行状況の案内情報の文面を示す一例である。
【図24】改札装置と一体となった情報配信端末の一例を示す図である。
【図25】上記ユーザ移動工程予測と関連する駅員向けの情報配信端末の一例を示す図である。
【図26】デジタルサイネージと一体となった情報配信端末の一例を示す図である。
【図27】本発明の一実施例1に係る運行情報通知装置のデータの流れを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施をするための形態を、以下に示す実施例に基づき説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の実施例1に係る交通機関の移動工程予測装置及び運行情報通知装置を含むサービス提供システムとして、コンピュータによる運行情報提供システムを示すブロック図である。このシステムは、例えば、ネットワークを介してユーザ端末と接続される情報提供サーバにより構成される。ここでは、交通機関の一例として列車を例示するが、これに限定されるものではなく、ダイヤ管理されている交通機関であればよく、例えばバスや旅客機であってもよく、また、異種交通機関の組み合わせであっても良い。
【0014】
図1に示す運行情報提供システムは、(i)本システムに登録されたユーザの移動工程を、ユーザ端末112、例えば、携帯電話、携帯情報機器等の携帯端末からネットワーク111を介して送られてくるユーザスケジュール情報と予め用意したダイヤ情報,地図情報,路線経路情報などを基に予測する移動工程予測装置120と、(ii)予測された移動工程の情報を格納する移動工程情報DB(DB:データベース)200と、(iii)予測された移動工程及びこれに関連する交通機関の運行情報(事故、遅延、運休などの情報)をユーザに通知するための運行情報通知装置101と、(iv)ユーザ端末112から送られてくるユーザの位置情報(ここで、位置情報とは、GPS機能を有するユーザ端末の現在地情報のほかに、ユーザが入力する出発地に関する位置情報であってもよい)を管理する位置情報管理装置(位置情報管理手段)122と、(v)自社路線或るいはこれに他社路線を含めた路線経路に関する情報を格納した路線経路情報DB201と、(vi)本システムに必要な地図に関する情報を格納する地図情報DB202と、(vii)交通機関のダイヤを格納するダイヤ情報DB206と、(viii)ユーザの移動目的、すなわち用件に関するユーザスケジュール情報を管理するスケジュール管理装置(スケジュール管理手段)121と、(ix)ユーザスケジュール情報を格納するスケジュールDB210と、(x)本システムに加入する列車会社からの運行情報を受け取ってデータベースに格納する運行管理システム102と、(xi)運行情報を格納する運行情報DB203と、(xii)ユーザ登録に必要なユーザ情報(例えば、識別番号、氏名、住所、職業)を格納するユーザ情報DB204と、(xiii)駅及び時間帯毎の交通機関に関する配信情報を格納する駅及び時間帯毎配信情報DB211と、(xiv)ユーザ端末112などの移動体が利用可能な移動体ネットワーク111とを含み、これらの要素が相互に接続されている。接続の方法として、直接あるいはネットワーク110を介して接続されている。また、本システムは、移動体ネットワーク111を介して、ユーザ端末112と通信可能である。ネットワーク110は、公衆網上に構築された専用ネットワークであってもよい。ユーザ端末112は携帯電話機、携帯情報端末などの携帯通信機器である。
【0015】
本実施例では、システムがダウンした場合の影響を少なくするために、移動予測に用いる構成要件、すなわち、移動工程予測装置120,スケジュール管理装置121,スケジュールDB210,位置情報管理装置122,移動工程予測情報DB200、路線経路情報DB201,地図情報DB202,ユーザ情報DB204,及びダイヤ情報DB206は、ネットワーク110上に分散配置されている。また、運行情報通知に用いる運行情報通知装置101,運行管理システム102,及び運行情報DB203もネットワーク110上に分散配置されている。
【0016】
本実施例のシステムの要点の一つは、移動工程予測装置120にある。図4に移動工程予測装置120に関するデータの流れを示した。図4では、上記した構成要素(i)〜(xiv)の構成要件のほかに、実施例2で説明される情報配信端末113、配信管理情報DB、改札装置130、実施例3で説明される旅行業システム123も含んで図示してある。
【0017】
図4において、スケジュールDB210は、ユーザ端末112からネットワーク111,110を介して送られてくるユーザスケジュール情報300を、スケジュール管理装置121を介して格納している。
【0018】
移動工程予測装置120は、このスケジュールDB210からのユーザスケジュール情報300と、位置情報管理装置122により管理されているユーザの位置情報1200と、そのほか各種DB(201,202,206)から得られる路線経路情報500,地図情報400及び交通機関のダイヤ情報(1100,1101)とに基づいて、ユーザの移動目的のために利用される交通機関の情報(路線経路,発着駅及び発着時刻)を含む出発地から目的地までの移動工程を予測する。この移動工程予測情報600は移動工程予測情報DB200に格納される。
【0019】
要点のもう一つは、運行情報通知装置101にある。図27に運行情報通知装置101に関するデータの流れを示した。
【0020】
図27に示すように、運行情報通知装置101は、予めユーザ情報DB204に格納しておいたユーザ識別情報700及びユーザ移動工程予測情報DB200に格納しておいたユーザ対応の移動工程予測情報600を取得して、この移動工程予測情報600を対応のユーザ端末112に提供する。さらに、ユーザ移動工程に伴う列車の運行異常が発生している時には、運行異常区間を含む列車運行情報800を取得して、運行異常区間を移動するユーザ端末112に対して案内情報を通知する。さらに、本実施例では、運行情報通知装置101は、駅及び時間帯毎配信情報DB211からの駅及び時間帯毎配信情報900も併せてユーザ端末112に提供する。
【0021】
ここで、本実施例の移動工程予測及び運行情報通知のためのシステム全体の説明に先立ち、図5〜図13を用いて、本実施例で用いるデータについて説明する。
【0022】
図5は、ユーザ端末112により管理されるユーザスケジュール情報300の一例を示す図である。
【0023】
ユーザスケジュール情報300は、少なくともユーザが予定する移動目的となる用件、用件の開始時刻、用件が行われる場所(目的地)、ユーザID(ID:識別情報)を書き込むフォーマットよりなる。なお、ユーザスケジュール情報300には、予定終了時刻を加えて管理してもよい。これらの図5では、ユーザスケジュール情報300として、出張による用件(各種打ち合わせ)を例示しているが、これに限定されるものではなく、種々のものが対象になる。例えば、その他の例として、定常的な通勤,通学の情報の場合には、その用件は、就業や就学となる。非定常的な観光の場合には、その用件は、種々の観光地での予定行動が対象となる。
【0024】
ユーザスケジュール情報300は、ユーザがユーザ端末112及びネットワーク111を介してスケジュール管理装置121に入力する。スケジュール管理装置121は、ユーザIDに基づいて、ユーザ毎にスケジュールDB210にユーザスケジュール情報300を記録(格納)する。
【0025】
図6は、地図情報DB202に記録されている地図情報400の一例を示す図である。
【0026】
地図情報400は、公共及び私的な種々の場所及びそれらの最寄りの駅及び改札を緯度経度で示す情報である。
【0027】
図7は、路線経路情報DB201に記録されている路線経路情報500の一例を示す図である。
【0028】
路線経路情報500は、少なくともダイヤに沿った発着駅(各駅が対象)とその所要時間、利用路線を有するものとする。発着駅及び利用路線は、必要に応じて複数の路線、鉄道会社の情報を含むものとする。
【0029】
図8は、移動工程予測情報DB200に記録されている移動工程予測情報600の一例を示す図である。
【0030】
移動工程予測情報600は、ユーザIDと、予測されたユーザ移動工程の出発地とその出発時刻、出発地最寄駅の列車出発時刻、目的地最寄駅の列車到着時刻、目的地とその到着時刻を有するものとする。図8の移動工程予測情情報600は、図5のユーザスケジュール情報300をもとに図6の地図情報400、図7の路線経路情報500、図13のダイヤ情報を用いて予測されたものである。移動工程予測情報600は、ユーザ毎に移動工程予測情報DB200に記録されている。移動工程は、当初出発地から最終目的地までの間で工程ごとに、それぞれの出発地,その最寄駅(出発駅),目的地最寄駅(目的駅),目及びその目的地(目的駅)を細分して時間情報を伴って記録される。図5の例では、当初の出発地は、移動端末の位置座標(緯度経度)で示しており、そのほかの各工程の出発駅、目的駅、目的地は、その場所の名称で記録している。これらの各移動工程の算出の仕方については後述する。
【0031】
図9は、ユーザ情報700の一例を示す図である。ユーザ情報700は、少なくともユーザを識別するためのユーザIDと、ユーザのメールアドレスを有するものとする。ユーザIDは、ユーザ端末のIDや、電子乗車券(乗車情報を記録する半導体チップ内蔵の運賃引き落としカード)が有するID(通常、ユーザ端末と同一ID)とする。ユーザ情報700はユーザ情報DB204に記録される。
【0032】
図10は、列車運行情報800の一例を示す図である。運行情報800は、少なくとも路線と、前記路線の方面と、運行に異常が発生した区間と、その運行状況(運転見合わせ、遅延などの状況)との情報を有するものとする。運行情報800は、各列車会社の運行管理システム102から得られ、得られた運行情報800は運行情報DB203に記録される。
【0033】
図11は、駅及び時間帯毎配信情報900の一例を示す図である。駅及び時間帯毎配信情報900は、情報配信対象となる駅名と、情報配信の時間帯と、その駅や周辺での情報の内容(例えばショッピング情報、飲食店情報、宿泊情報、公共施設情報等)を有する。DBに配信する時間帯を指定して配信する情報を記録しておくことで、ユーザにより即した情報提供が可能になる。駅及び時間帯毎配信情報900は、駅及び時間帯毎配信情報DB211に記録される。
【0034】
図12は配信管理情報DB205に記録されるユーザ配信管理情報1000の一例を示す図である。ユーザ配信管理情報1000は、ユーザID及び配信情報を有する。ユーザ配信管理情報1000は、各ユーザ端末に表示するための配信案内情報1500(図23のような運行情報、移動案内情報、駅及び周辺の配信情報を内容とするもの)を予め生成しておき記録しておくことで、ユーザから情報の表示要求があった際に即座に情報を表示させることができる。
【0035】
図13は、ダイヤ情報DB206に記録されるA線上りのダイヤ情報1100の例と、B線下りのダイヤ情報1101の例を示す図である。ダイヤ情報は、線区、方面(上り、下りなどの運転方向)毎に列車運行の時刻表データを持ち、これらのデータは、各路線を運行予定の列車の少なくとも各駅の発時刻を有する。
【0036】
ここで、情報サービス提供側(サーバ側)のユーザ移動工程予測装置120により、ユーザスケジュール情報300及びユーザの位置情報に取得して、ユーザの移動工程を予測(ユーザ移動工程予測情報600の作成)する処理の流れの概要と各種データの流れについて、図14のシーケンス図に沿って説明する。
【0037】
まず、ユーザ端末112から、ユーザIDと位置情報と位置情報取得時刻とが、位置情報管理装置122に送信される(S301)。位置情報はユーザ端末(携帯端末)112のGPS機能により得られた位置情報、または、ユーザ端末が接続している基地局のセル識別情報から推定するユーザの位置情報の一方あるいは両方を用いる。或いは、ユーザが現在の位置と異なる場所を出発地とする場合には、上記の位置情報に代えてその出発地を位置情報として送信する。
【0038】
位置情報管理装置122は、S301で受信したユーザIDと位置情報と位置情報取得時刻とを、移動工程予測装置120に送信する(S304)。
【0039】
移動工程予測装置120は、ユーザの情報取得時刻をキーとして、ユーザスケジュールDB210に対してユーザの予定するユーザスケジュール情報(これは予めユーザ端末112からネットワークを介してスケジュールDB210に記録されている)を要求し(S305)、スケジュールDB210は要求されたユーザスケジュール情報300を移動工程予測装置120に送信する(S306)。
【0040】
移動工程予測装置120は、上記位置管理装置122から送られてきた位置情報を出発地、ユーザスケジュール情報300に含まれる用件(目的)遂行の場所(例えば図5参照)を目的地として、ユーザの移動工程の最初の出発地と目的地を、地図情報の緯度経度から予測する(S307)。
【0041】
さらに、移動工程予測装置(計算装置)120は、出発地及び目的地に対するそれぞれの最寄りの駅を地図情報400から検索すると共に、路線経路情報500に基づき利用すべき経路の路線、乗り換えの有無、発着駅等検索する。さらに、ユーザ移動工程予測装置は、ユーザの移動工程を予測する場合に、移動目的(用件)を実行する場所となる目的地側から出発地側に向けて時間を逆算するプログラムを備える。この逆算プログラムにより、目的地の到着時刻t3を、ユーザスケジュール情報300に含まれる目的実行の開始時刻に基づき設定し、地図情報400を利用して、目的地とその最寄りの駅までの所要時間を算出し、目的地到着時刻t3と前記所要時間とダイヤ情報1100,1101とから、この目的地最寄駅での路線到着時刻t2を算出し且つ出発地最寄駅の路線出発時刻t1を算出する。さらに、地図情報400から出発地最寄駅と出発地間の所要時間を算出し、この算出時間と前記路線出発時刻t1から出発地時刻t0を算出する。
【0042】
目的地・その最寄駅間の所要時間や、出発地・その最寄駅間の所要時間の算出方法は、図18のフローチャートにより後述される。この所要時間は、距離に応じて徒歩或いはタクシー換算かを選択して行なわれる。
【0043】
より具体的には、移動工程予測装置120は、S307で得られた出発地及び目的地(到着地)の緯度経度から、出発地の最寄駅e1と目的地の最寄駅e2を地図情報DBに要求し(S308)、地図情報DBは、要求された最寄駅e1,e2を移動工程予測装置120へ送信する(S309)。最寄駅とは、出発地或いは目的地距離のもっとも近い駅とし、緯度経度間の距離は、公知のヒュベニの距離計算式を用いることとする。
【0044】
次に、列車が目的地最寄駅e2に到着する時刻t2及び出発地最寄駅e1の出発時刻t1を算出する(S310〜S312)。
【0045】
ここで、移動工程予測装置120の処理S310〜S312で求められる最寄駅e2の列車到着時刻t2及び出発地最寄駅e1の出発時刻t1を算出する処理の詳細について、フローチャート図18及び図19を用いて説明する。
【0046】
出発地とその最寄駅e1の各緯度経度から出発地・その最寄駅e1間の距離を算出し、この距離と徒歩換算(或いは距離に応じてタクシー換算を採用しても良い)により移動時間c1を求める(S201)。同様にして、目的地とその最寄駅e2の各緯度経度から目的地・その最寄駅e2間の距離を算出し、移動時間c2を算出する(S202)。出発地及び目的地とそれぞれの最寄駅までの移動時間の算出は、まず、公知のヒュベニの距離計算式を用いて距離を算出し、算出した距離に対して、一例としては徒歩換算で時速4kmとすれば移動時間を算出できる。
【0047】
移動工程の時間スケジュールは、目的地に間に合うように、後の予定の時刻から順に決めていく。そのため、まずS306で取得したユーザスケジュールの予定の用件開始時刻を目的地の到着時刻t3とする(S203)。次に最寄駅e2の仮列車到着時刻t2´を算出する。仮列車到着時刻t2´とは、ダイヤ情報で決定される前の仮定の到着時刻であり、目的地到着時刻t3から、移動時間c2を引いた時刻t2´から算出される(S204:図14のS310に相当)。
【0048】
次に移動工程予測装置120は、仮到着時刻t2´までに到着可能で且つt2´に最も近い駅(目的地最寄駅)e2の列車到着時刻とこれに対応する出発地最寄駅e1の列車出発時刻とを検索するため、ダイヤDB206にダイヤ情報(すなわち、駅e1,e2間のダイヤ情報:例えば図13参照)を要求する(図19のS301及び図14のS311)。この要求により決定された目的地最寄駅e2の列車到着時刻をt2とし、出発地最寄駅e1の列車出発時刻をt1とする。これらのt2,t1に関するダイヤスケジュールは、移動工程予測装置120に送信される(図14のS312)。駅e1,e2間のダイヤ情報の取得には、公知のダイクストラのアルゴリズムを用いる。ダイクストラのアルゴリズムは広く鉄道の乗換案内などに利用されている。ここで受信対象の駅e1,e2間のダイヤ情報は、出発駅とそこでの列車出発時刻、到着駅とそこでの到着時刻、さらに途中に乗換駅がある場合には、乗換駅とそこでの到着時刻及び乗換列車の発時刻、ならびに各路線の情報を有する。
【0049】
さらに、移動工程予測装置120は、ユーザの元々の出発地(例えば、ユーザの仕事先、自宅など)の出発時刻t0を算出する。t0は、最寄駅e1における列車出発時刻t1から出発地・最寄駅間の移動時間c1を引いた値である(図19のS302)。移動時間c1の算出方法は、既述したとおりである。これにより、ユーザのスケジュールに沿った移動工程を、出発地から目的地までの工程ごとの移動時間として算出できる。
【0050】
移動工程予測装置120は、これらの時刻t0,t1,t2,t3から移動工程予測情報600(例えば図8参照)を生成し(S313)、移動工程予測情報DB200に記録する(S314)。以上で、図14のシーケンス図の説明を終える。
【0051】
このような移動工程予測情報600は、ユーザIDを伴ってDB200に格納されると共に、スケジュール対象の特定ユーザにネットワーク111及びユーザ端末112を介して配信される。
【0052】
予測された移動工程における列車区間に障害が発生している場合には、その運行情報800が移動工程予測情報600と共に、特定ユーザに対して配信される。その運行情報を通知するまでの処理の流れの概要と情報の流れについて、図16のシーケンス図に沿って説明する。
【0053】
運行管理システム102は、路線の運行に異常が発生すると、まず、運行情報800を運行情報DB203に送信し記録し(S501)、運行情報通知装置101に異常発生の旨を通知する(S502)。通知を受けた運行情報通知装置101は、運行情報DB203に運行情報を要求し(S503)、運行情報DB203は、運行情報800を運行情報通知装置101に送信する(S504)。
【0054】
運行情報通知装置101は、運行情報に含まれる運行に異常が発生している区間(列車ダイヤ異常発生区間)を利用するユーザを、移動工程予測情報DB200の移動工程予測情報600から検索を要求し(S505)、移動工程予測情報DB200は、検索結果として運行に異常が発生している区間を利用するユーザID一覧を運行情報通知装置101に送信する(S506)。
【0055】
さらに、運行情報通知装置101は、駅及び時間帯毎配信情報DB211に、駅及び時間帯毎配信情報を要求し(S507)、駅及び時間帯毎配信情報DB211は、駅及び時間帯毎配信情報を送信する(S508)。
【0056】
運行情報通知装置101は、受信したユーザID一覧及び、運行情報、移動工程予測情報を用いて、ユーザ配信管理情報1500(図23参照)を作成する(S509)。ユーザ配信管理情報1500に含まれる配信案内情報1000(図12)の生成の処理の詳細については後述する。
【0057】
運行情報通知装置101はユーザID一覧をユーザ情報DBに送信し、ユーザIDに対応するメールアドレス一覧を要求し(S510)、ユーザ情報DB204は、要求されたメールアドレス一覧を運行情報通知装置101に送信する(S511)。運行情報通知装置101は、ユーザ配信管理情報1000を、該当ユーザに案内情報1000を含めてメールアドレスを介して送信する(S513)。
【0058】
以上で、障害が発生してから通知対象ユーザに対して、運行情報を通知するまでの処理の流れの説明を終了する。
【0059】
次に、情報通知装置101が通知対象ユーザに対してユーザ端末112を介して配信するユーザ配信管理情報1500を生成する処理の流れの概要と案内情報の表示例について説明する。
【0060】
図20にユーザの移動案内情報1200の一例を示す。ユーザの移動案内情報1200は、各ユーザの移動工程予測情報600における利用路線のダイヤスケジュールを基に出発駅、目的駅、経由駅を含めて生成される。路線に遅延が起きている場合は、出発、到着時間を遅延時分だけ後ろにずらし、路線の列車が運転見合わせとなっている場合は、到着時間が不明である旨を記載する。この移動案内情報1200により、ユーザは今後の利用する移動の詳細を理解することができる。
【0061】
図21にユーザの路線案内情報1300の一例を示す。ユーザの路線案内情報1300は各ユーザの利用路線に関して、運行に異常が生じている路線に対して、その運行異常の種類や、遅延時間の長さに応じて、路線を描画する、色や、線の太さ、線の種類を変えることで、運行の異常が起きている路線を強調して路線案内情報を生成する。この路線案内情報1300により、ユーザが利用する路線のどの路線がどの程度遅延しているかを理解することができる。
【0062】
図22にユーザのお勧め情報1400の一例を示す。ユーザのお勧め情報1400は、図9の駅及び時間帯毎配信情報900から、予測したユーザが各駅を通過する時刻(出発、到着含む)をキーに配信時間帯に沿ったお勧め情報1400を生成する。このお勧め情報1400により、ユーザの移動を見越した情報提供を行うことができる。
【0063】
図20、図21、図22の各配信案内情報は、ひとつまたは複数の情報を、ユーザ配信管理情報1500(図23)の配信案内情報として記録することができる。これにより、S512で複数種類の案内情報をユーザ端末に通知することができる。
【0064】
図23には複数の種類の情報を用いて作成した案内情報(ユーザ管理情報1500)のメール本文の例を示し、このメール本文は、ユーザ管理情報1500として、該当のユーザ端末に送信される。
【0065】
本実施例によれば、ユーザへのサービス提供側(サーバ)は、ユーザから送られてくるユーザスケジュール及びユーザ位置情報から、その移動目的に合ったユーザの移動工程(発着駅、発着時刻、路線情報など)を予測してユーザに提供することができる。さらに、ユーザは、サービス提供側から取得した運行情報に基づき、適切に自分の行動をとることができる。
【実施例2】
【0066】
次に、本発明の運行情報通知装置の実施例2について説明する。
【0067】
図2は、実施例2に係るサービス提供システム(コンピュータによる運行情報提供システム:サーバ)を示すブロック図である。
【0068】
本実施例における運行情報サービス提供システムは、実施例1同様の構成要件を備えるほかに、改札装置130での情報提供機能と、情報配信端末113と、配信管理情報DB205とを備える。
【0069】
本実施例の運行情報サービス提供システムにおいても、実施例1で実行されるユーザ移動工程予測及び運行情報の提供は同様に行われるので、この点についての説明は省略し、追加されたサービス提供を中心に説明する。
【0070】
ここで、追加されるサービスとして、次のような態様が考えられる。
【0071】
(i)運行情報通知装置101は、実施例1同様にユーザ端末112にユーザスケジュール情報に基づく移動工程予測情報及び運行情報を提供するほかに、ユーザIDが取得できる電子乗車券(例えば、IC内蔵の電子乗車カードや、電子乗車券としての機能を有することが可能なユーザ端末)を、改札装置や駅構内に設置した情報配信端末のユーザID読み取り部にタッチさせると、その情報配信装置を介して運行情報やその進捗状況を注意喚起のために念のためユーザに知らせる。
【0072】
(ii)或いは、ユーザ端末112が携帯性を有さない場合や不携帯の場合であっても、このユーザ端末とは別に購買される電子乗車券にユーザIDを取得できるようにして、この電子乗車券を、改札装置や駅構内に設置した情報配信端末のユーザID読み取り部にタッチさせると、その情報配信装置を介して運行情報やその進捗状況をユーザに知らせる。
【0073】
本実施例における移動工程予測情報600を予測する処理の流れの概要と情報の流れは、図15のシーケンス図により示される。このシーケンスにおいて、特に実施例1と相違する点は、次のとおりである。
【0074】
まず、スケジュール実行中のユーザが、路線経路における改札装置130を通過すると、ユーザの電子乗車券から取得できるユーザIDと、改札装置を識別する改札IDと、改札を通過した時刻を情報取得時刻として、位置情報管理装置122に送信する(S401)。位置情報管理装置122は、改札IDから、改札の設置位置情報から、ユーザの位置を認識する(S403)。
【0075】
本実施例では、改札装置以外でも、位置が特定可能な電子乗車券読み取り装置、例えば、駅、あるいは列車車両内のサイネージ2000や、駅員、車掌などが携帯することが可能な端末1800から、位置情報管理装置122に、装置のIDと電子乗車券のユーザIDを送信し、位置情報管理装置122は、各端末の設置情報から、ユーザの位置情報を特定してもよい。
【0076】
なお、図15において、S404〜S414のユーザ移動工程予測は、実施例1で実行される図14のシーケンスのS304〜S314に対応するものであり、その説明を省略する。
【0077】
位置情報管理装置122は、電子乗車券で取得したユーザID,改札ID,及びそれらの情報取得時刻を、図17に示すように運行情報通知装置101に送信する(S611)。図17は、実施例2における運行情報を配信するための処理の流れの概要と情報の流れを示すフローチャートであり、S601〜S609は、図16に示す実施例1のS501〜S509に対応する。S609で作成されたユーザ配信管理情報は、配信管理情報DB205に記録される(S610)。
【0078】
本実施例では、運行情報通知装置101に電子乗車券で取得したユーザID,改札ID,及びそれらの情報取得時刻が送信されると、運行情報通知装置101は、対応する改札装置130及び/又は駅構内に備えた情報配信端末113に、配信管理情報DB205に記録された対応のユーザ配信管理情報1500(配信案内情報1000)を送信する(S612)。送信されたユーザ配信管理情報は、情報配信端末113の表示部を介して表示され、ユーザに上記した追加のサービス(i),(ii)を提供することができる。
【0079】
情報配信端末113は、上述のように、改札装置や、駅構内への設置、あるいは、駅員により所持される。図24、図25、図26は情報配信端末113の例を示している。
【0080】
図24の情報配信端末113は、改札装置130と一体となった端末1900であり、案内情報を表示する画面1901と電子乗車券(例えばIC乗車券)の読み取り部1902を備え、電子乗車券の読み取り部1902にユーザの電子乗車券をかざすことで、改札入出場と同時に、前記電子乗車券に記録されたユーザIDを読み取り、情報配信端末1900は、配信管理情報DB205からユーザ配信管理情報1000を取得し、読み取ったユーザIDをキーとしてユーザ配信管理情報1000から対応するユーザの配信案内情報を取得し、画面上1902に表示させることができる。この場合、情報配信端末113は、他の通行者に支障をきたさない位置に配置することが好ましい。或いは、ユーザが瞬時にキャッチできるように配信案内情報があった旨のシグナルを送るようにしてもよい。
【0081】
図25の情報配信端末113は、駅員、車掌などが携帯することが可能な端末1800であり、案内情報を表示する画面1801と電子乗車券のID読み取り部1802、無線通信部1803を備える。電子乗車券の読み取り部1802にユーザの電子乗車券をあてがうことで、前記電子乗車券に記録されたユーザIDを読み取ることができる。情報配信端末113は、配信管理情報DB205からユーザ配信管理情報1000を取得し、読み取ったユーザIDをキーとしてユーザ配信管理情報1000から対応するユーザの配信案内情報を取得し、画面上1801に表示させることができる。それにより、駅員或いは車掌は、配信案内情報をユーザに伝えることができる。
【0082】
図26の情報配信端末113は、駅、あるいは列車車両内のサイネージ2000として設置されており、案内情報を表示する画面2001と電子乗車券の読み取り部2002を備えており、通常は、駅構内や近郊の地図、あるいは周辺の広告情報を表示させている。サイネージ2000は、ユーザが電子乗車券の読み取り部2002にユーザの電子乗車券をかざすことで、改札入出場と同時に、前記電子乗車券に記録されたユーザIDを読み取り、情報配信端末1900は、配信管理情報DB205からユーザ配信管理情報1000を取得し、読み取ったユーザIDをキーとしてユーザ配信管理情報1000から対応するユーザの配信案内情報を取得し、画面上1902に表示させることができる。
【0083】
上記した種々の態様の情報配信端末113は、サーバ装置として機能してもよい。その場合、一般のパソコンや携帯電話などの情報端末から送信されたユーザIDを情報配信端末113が受信し、配信管理情報DB205からユーザ配信管理情報1000を取得し、ユーザの端末112から受信したユーザIDをキーとして、ユーザ配信管理情報1000から配信案内情報を取得し、ユーザの端末に送信する。ユーザの端末は受信した前記配信案内情報を端末の画面に表示させることができる。
【実施例3】
【0084】
次に、本発明の運行情報通知装置の実施例3について説明する。
【0085】
図3は、実施例3に係るサービス提供システム(コンピュータによる運行情報提供システム:サーバ)を示すブロック図である。
【0086】
本実施例における運行情報サービス提供システムは、実施例1及び実施例2同様の構成要件を備えるほかに、旅行業システム123がネットワーク110を介して、運行情報サービス提供システム(情報提供サーバ)に接続されている。
【0087】
本実施例の運行情報サービス提供システムにおいても、実施例1で実行されるユーザ移動工程予測及び運行情報の提供と、実施例2での配信情報端末の動作は同様に行われるので、この点についての説明は省略し、追加されたサービス提供を中心に説明する。
【0088】
旅行業システム(コンピュータシステム)で本運行情報サービス提供システムに登録しているユーザの旅程情報を管理している場合に、実施例1及び2で作成された運行情報を該当のユーザ端末113及び旅行業システム123に提供する構成となっている。旅程情報は、ユーザスケジュール情報同様のユーザID、移動地での目的行動の開始時刻、終了時刻、場所を少なくとも含む情報とする。
【0089】
本実施例によれば、旅行業がユーザから旅程作成を依頼された場合に、本運行情報サービス提供システムを利用してユーザや旅行業者に通知でき、旅行業者も旅行の運行状況を迅速に把握できる利点を有する。
【符号の説明】
【0090】
101…運行情報通知装置、102…運行管理システム、110…ネットワーク、111…移動体ネットワーク、112…ユーザ端末、113…情報配信端末、120…移動工程予測装置、121…スケジュール管理装置、122…位置情報管理装置、123…旅行業システム、200…移動予測情報DB、201…路線経路情報DB、202…地図情報DB、203…運行情報DB、204…ユーザ情報DB、205…配信管理情報DB、206…ダイヤ情報DB、210…ユーザスケジュールDB、211…駅及び時間帯毎配信情報DB。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
登録されたユーザ端末からネットワークを介してユーザが予定する移動の目的、その目的の実行場所及び開始時刻を含めたユーザスケジュール情報を受け取り、少なくとも、(i)このユーザスケジュール情報と、(ii)前記ユーザ端末から送られるユーザ位置情報と、(iii)予めデータベースに用意された路線経路情報,地図情報及び交通機関のダイヤ情報とから、前記目的を実行する場所に向けた移動経路,利用する路線の発着駅及び発着時刻を含む移動工程を予測して前記ユーザに前記ネットワークを介して提供する構成となっていることを特徴とするユーザ移動工程予測装置。
【請求項2】
請求項1において、前記ユーザ位置情報は、GPS機能を有する携帯のユーザ端末から送られる緯度経度情報或いはユーザの入力するユーザスケジュールの出発地情報であるユーザ移動工程予測装置。
【請求項3】
請求項1において、前記ユーザ位置情報は、電子乗車券のIDを認識する、各種端末と、その設置位置との照合により、特定した位置情報であるユーザ移動工程予測装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項において、前記ユーザ移動工程予測装置は、ユーザ端末とネットワークを介して接続される情報提供サーバに含まれており、前記ユーザスケジュール情報を受け取ってスケジュール情報データベースに記録させるスケジュール管理手段と、前記ユーザ位置情報を管理する位置情報管理手段と、を備えるユーザ移動工程予測装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項において、前記ユーザスケジュール情報は、少なくとも、ユーザ識別情報、前記移動の目的となる用件、この用件が実行される場所及び開始時刻を書き込むフォーマットにしたがってユーザ端末から送られてくるよう設定されているユーザ移動工程予測装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項において、前記地図情報は、公共及び私的な種々の場所及びそれらの最寄りの駅を関連づけて緯度経度で示す情報として地図情報データベースに格納されており、
前記ユーザ移動工程予測装置は、ユーザの移動工程を予測する場合に、前記移動目的を実行する場所となる目的地側から出発地側に向けて時間を逆算するプログラムを備え、
この逆算プログラムにより、前記目的地の到着時刻(t3)を、前記ユーザスケジュール情報に含まれる目的実行の開始時刻に基づき設定し、前記地図情報を利用して、前記目的地とその最寄りの駅までの所要時間を算出し、前記目的地到着時刻(t3)と前記所要時間と前記ダイヤ情報とから、この目的地最寄駅での路線到着時刻(t2)を算出し且つ出発地最寄駅の路線出発時刻(t1)を算出し、さらに、前記地図情報から前記出発地最寄駅と出発地間の所要時間を算出し、この算出時間と前記路線出発時刻(t1)から出発地時刻(t0)を算出するユーザ移動工程予測装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項において、
前記移動工程予測装置は、前記ネットワークを介して旅行業のコンピュータシステムとも接続され、前記旅行業コンピュータシステムで前記ユーザの旅程情報を管理している場合に、この旅程情報を前記旅行業コンピュータシステムから前記ネットワークを介して受け入れ、この旅程情報に基づき前記ユーザスケジュール情報同様に旅程の移動経路,利用する路線の発着駅及び発着時刻を含む移動工程を予測して、前記ユーザ及び前記旅行業コンピュータシステムに提供する構成となっているユーザ移動工程予測装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項において、
前記移動予測に用いる前記各種データベースは、ネットワーク上に分散配置され、移動工程予測装置自身も、この分散配置の要素の一つになるように前記ネットワーク上に配置されているユーザ移動工程予測装置。
【請求項9】
登録されたユーザ端末とネットワークを介して接続されるコンピュータにより構成され、交通機関の運行情報を、前記ネットワークを介して前記ユーザに提供する運行情報通知装置において、
請求項1ないし8のいずれか1項記載の前記ユーザ移動工程予測装置と、
運行情報を記録する運行情報データベースと、を備え、
前記ユーザ移動工程予測装置を介して前記ユーザの移動工程を予測すると、その移動工程予測情報を、前記ユーザ端末に提供するのに加えて、予測する移動工程に利用する交通機関の区間に運行異常が生じている場合には、その運行異常に関する運行情報も前記ユーザ端末に提供する構成となっている運行情報通知装置。
【請求項10】
請求項9において、前記運行情報通知装置は、前記ユーザ端末とネットワークを介して接続される情報提供サーバに含まれており、前記移動工程予測装置に用いた前記スケジュール情報データベース,前記路線経路情報のデータベース及び前記地図情報のデータベースに加えて、前記運行情報データベースと、ユーザの識別情報及びメールアドレスを含むユーザ情報を記録するユーザ情報データベースと、を備え、
ユーザが利用する路線区間に運行異常が発生している時には、少なくとも、(i)前記ユーザ移動工程予測情報と、(ii)ユーザの識別情報及びメールアドレスを含むユーザ情報と、(iii)ユーザが利用する予定の区間の運行情報とからユーザ対応の案内情報を作成して、この案内情報をユーザに対して通知する構成となっている運行情報通知装置。
【請求項11】
請求項10において、ユーザに対する前記案内情報の通知は、予めデータベースに記録しておいたユーザのメールアドレスを取得して、この取得されたメールアドレス宛に前記案内情報を送信することで行う運行情報通知装置。
【請求項12】
請求項8ないし11のいずれか1項において、
前記運行情報の通知に用いる前記各種データベースは、前記移動工程予測に用いるデータベース同様に前記ネットワーク上に分散配置され、運行情報通知装置自身も、前記移動工程予測装置同様にこの分散配置の要素の一つになるように前記ネットワーク上に配置されている運行情報通知装置。
【請求項13】
請求項8ないし12のいずれか1項において、
前記運行情報通知装置は、前記ネットワークを介して旅行業のコンピュータシステムとも接続され、前記旅行業コンピュータシステムで前記ユーザの旅程情報を管理している場合に、前記運行情報を前記ユーザ及び前記旅行業コンピュータシステムに提供する構成となっている運行情報通知装置。
【請求項14】
請求項8ないし13のいずれか1項において、
前記ネットワークは、任意の駅構内に設置される公共の情報配信端末,改札口に設置される公共の配信情報端末及び駅員が所持する携帯情報配信端末の少なくとも一つと接続され、前記ユーザが前記ユーザ端末と同一のユーザ識別情報を有している電子乗車券を介してユーザ識別情報を前記配信情報端末に与えると、前記運行情報をネットワークを介して提供する構成となっている運行情報通知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2013−3991(P2013−3991A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136865(P2011−136865)
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】