説明

ユーザ端末及び無線通信システム並びに通信方法

【課題】ネットワーク側のトラヒックが逼迫した場合に、ネットワークの負荷を低減しつつ、通信を行うこと。
【解決手段】ユーザ端末は、回線交換網を介して発信が行われる際に、該回線交換網へのアクセスが規制されているかどうかを判定する規制状態判定部と、該回線交換網へのアクセスが規制されていると判定された場合に、発信者による所定の操作に従って、テキストデータに、該発信者から着信者への音声メッセージを変換し、パケット化する音声メッセージ変換部と、パケット交換網を介して、パケット化された音声メッセージを送信するように制御する通信制御部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
地震などの大規模な災害が発生したときには、災害の復旧活動にあたる行政や防災機関などに加えて、多くのユーザが被災地への安否確認などに音声電話を利用する。このとき、通常時と比べて多量のトラフィックがネットワークで処理されることになる。多量のトラフィックがネットワークで処理されることにより、通信がつながりにくい状態となる。通信がつながりにくい状態となるため、通信を規制することにより、トラヒックのネットワークコントロールが実施される。
【0003】
移動通信ネットワークには、回線交換(CS: Circuit Switching)呼を処理するネットワークと、パケット交換(PS: Packet Switching)呼を処理するネットワークとが含まれる。
【0004】
しかし、CS呼とPS呼のネットワークコントロールが、3GPP(3rd Generation Partnership Project)標準仕様で独立に制御できないように規定されているため、PS呼のトラヒック量が少ない状況のときでも、音声電話などのCS呼の規制率にしたがってPS呼が必要以上に規制されていた。
【0005】
そこで、3GPP標準仕様に、CS呼とPS呼のネットワークコントロールを独立に行う機能を追加することが行われた(例えば、非特許文献1参照)。
【0006】
従って、CS呼が規制されている場合でも、PS呼による通信が可能な場合がある。
【0007】
通信端末に関して、入力された通話入力を認識し、該通話入力を通話内容データに変換し、該通話内容データを基に通話入力に関連する通話内容補助データを生成するものが知られている。該通信端末は、通話品質レベルが予め設定された基準レベル以下であるかどうかを判断し、通話品質レベルが予め設定された基準レベル以下になったと判断したとき、通話内容補助データを通話中の相手に送信する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−042386号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】野口勝広、金内正臣、河端剛史、藤村広太 「FOMAアクセス規制の回線交換/パケット交換分離機能」、NTT DoCoMoテクニカル・ジャーナルVol.14 No.4 2007年1月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
CS呼が規制されている場合に、規制されていないPS呼に、許容される以上のトラヒックが集中する場合がある。PS呼に、許容される以上のトラヒックが集中した場合、PS呼も規制される場合がある。
【0011】
CS呼及びPS呼の両方が規制されるのを防止するためには、ネットワークに対する負荷を考慮する必要がある。
【0012】
また、CS呼が規制されているためにPS呼による通信を行うユーザは、着信者に声を聞かせたい要求がある。また、着信者にとっては、発信者の声を聞きたい要求がある。
【0013】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、ネットワーク側のトラヒックが逼迫した場合に、ネットワークへの負荷を低減しつつ、通信を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するために、
ユーザ端末は、
回線交換網を介して発信が行われる際に、該回線交換網へのアクセスが規制されているかどうかを判定する規制状態判定部と、
該規制状態判定部により前記回線交換網へのアクセスが規制されていると判定された場合に、発信者による所定の操作に従って、テキストデータに、該発信者から着信者への音声メッセージを変換し、パケット化する音声メッセージ変換部と、
パケット交換網を介して、前記音声メッセージ変換部によりパケット化された音声メッセージを送信するように制御する通信制御部と
を有する、ユーザ端末として達成される。
【0015】
ユーザ端末は、
パケット交換網を介して送信されたパケットから、発信者を識別するための情報を取得する発信者情報取得部と、
該発信者情報取得部により取得される発信者を識別するための情報に基づいて、音声メッセージに、前記パケットに含まれるテキストデータを変換する際に利用する音声パラメータを設定する出力音声設定部と、
該出力音声設定部により設定された音声パラメータを利用して、音声メッセージに、前記テキストデータを変換する音声メッセージ再生制御部と、
該音声メッセージ再生制御部により変換された音声メッセージを出力する出力部と
を有する、ユーザ端末として達成される。
【0016】
1又は複数のユーザに関する情報を含む電話帳
を有し、
前記出力音声設定部は、前記発信者に対応する電話帳に該発信者の声を合成するための音声パラメータが登録されている場合には、該発信者の声を合成するための音声パラメータを設定する、ように構成してもよい。
【0017】
所定の条件により、複数のカテゴリに、発信者を分類するための発信者分類テーブルと、
各カテゴリに分類される1又は複数の発信者により利用される再生用パラメータを含む音声パラメータテーブルと
を有し、
前記出力音声設定部は、発信者に対応する電話帳に含まれる情報に基づいて、前記発信者分類テーブルから該発信者が分類されるカテゴリを特定し、前記音声パラメータテーブルから、該カテゴリに対応する音声パラメータを特定し、該音声パラメータを設定する、ように構成してもよい。
【0018】
前記出力音声設定部は、予めインストールされた音声データに基づく音声パラメータを設定する、ように構成してもよい。
【0019】
前記音声データは、ネットワークからダウンロードすることにより得られた音声データ又は録音された音声に基づく音声データである、ように構成してもよい。
【0020】
無線通信システムは、
発信側のユーザ端末から、着信側のユーザ端末へ、メッセージを送信する無線通信システムであって、
前記発信側のユーザ端末は、
回線交換網を介して発信が行われる際に、該回線交換網へのアクセスが規制されているかどうかを判定する規制状態判定部と、
該規制状態判定部により前記回線交換網へのアクセスが規制されていると判定された場合に、発信者による所定の操作に従って、テキストデータに、該発信者から着信者への音声メッセージを変換し、パケット化する音声メッセージ変換部と、
パケット交換網を介して、前記音声メッセージ変換部によりパケット化された音声メッセージを送信するように制御する通信制御部と
を有し、
着信側のユーザ端末は、
パケット交換網を介して送信されたパケットから、発信者を識別するための情報を取得する発信者情報取得部と、
該発信者情報取得部により取得される発信者を識別するための情報に基づいて、音声メッセージに、該パケットに含まれるテキストデータを変換する際に利用する音声パラメータを設定する出力音声設定部と、
該出力音声設定部により設定された音声パラメータを利用して、音声メッセージに、前記テキストデータを変換する音声メッセージ再生制御部と、
該音声メッセージ再生制御部により変換された音声メッセージを出力する出力部と
を有する、無線通信システムとして達成される。
【0021】
また、上記無線通信システムが実行する通信方法として構成することもできる。
【発明の効果】
【0022】
開示された実施例によれば、ネットワーク側のトラヒックが逼迫した場合に、ネットワークへの負荷を低減しつつ、通信を行うための技術を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】無線通信システムの一実施例を示す図である。
【図2】ユーザ端末の一実施例を示す図である。
【図3】ユーザ端末の一実施例を示す機能ブロック図である。
【図4】ユーザ端末の一実施例を示す図である。
【図5】電話帳の一実施例を示す図である。
【図6】発信者分類テーブルの一実施例を示す図である。
【図7】音声パラメータテーブルの一実施例を示す図である。
【図8】ユーザ端末の一実施例を示す機能ブロック図である。
【図9】ユーザ端末の動作の一実施例を示すフローチャートである。
【図10】ユーザ端末の動作の一実施例を示すフローチャートである。
【図11】ユーザ端末の動作の一実施例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面に基づいて、実施例を説明する。
なお、実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0025】
<実施例>
<無線通信システム>
図1は、無線通信システムの一実施例を示す。
【0026】
図1には、第1の無線通信システム(添え字「1」により表す)と、第2の無線通信システム(添え字「2」により表す)が示される。第1の無線通信システムにより無線通信を行うユーザ端末100から、第2の無線通信システムにより無線通信を行うユーザ端末100へ、CS回線により発呼することが試みられる。しかし、第1の無線通信システムの基地局200によりカバーされるセル250のCS回線へのアクセスが規制されている。従って、ユーザ端末100は、CS回線により発呼することができない。
【0027】
第1の無線通信システムと、第2の無線通信システムは、同じ事業者により運営されてもよいし、異なる事業者により運営されてもよい。
【0028】
ユーザ端末100、100は、ユーザが通信することができる適切な如何なる移動通信端末でもよく、例えば、携帯電話、情報端末、パーソナルディジタルアシスタント、携帯用パーソナルコンピュータ等が含まれるが、これらに限定されない。
【0029】
無線通信システムは、主に無線アクセス制御を行う無線アクセスネットワーク(RAN: Radio Access Network)(図示なし)と、移動管理、呼制御、サービス制御等を行うコアネットワーク(CN: Core Network)600に分類される。
【0030】
RANには、無線基地局(BTS: Base Transceiver Station)200(200)及び無線ネットワーク制御装置(RNC:Radio Network Controller)300(300)が含まれる。
【0031】
コアネットワーク600は、回線交換(CS: Circuit Switched)ドメイン、パケット交換(PS: Packet Switched)ドメインから構成される。一般に、CSドメインは音声系サービスを提供し、PSドメインはデータ通信系サービスを提供する。
【0032】
ユーザ端末に対して各ドメインのサービスを提供するノードとして、加入者階梯交換機(図示なし)が含まれる。
【0033】
ユーザ端末に対して各ドメインのサービスを提供するノードとして、関門階梯交換機(図示なし)が含まれる。音声呼を処理する関門階梯交換機とパケット呼を処理する関門階梯交換機が存在する。同一の装置に実装されていてもよい。
【0034】
図1に示される例では、加入者階梯交換機、関門階梯交換機は、交換機400(400)により表される。
【0035】
ここでは、主に、セルへのアクセス規制が実行されている場合を一例として説明するが、セル・交換機の両方へのアクセス規制が実行されている場合、交換機へのアクセス規制が実行されている場合についても同様である。
【0036】
発信側、すなわち第1の無線通信システムの基地局200によりカバーされるセル250のCS回線へのアクセス規制が実行されている場合には、基地局200からアクセス規制に関する情報を含む報知情報が送信される。
【0037】
基地局200に在圏するユーザ端末100に、回線交換により発呼をする操作が行われた場合、CS回線へのアクセス規制が実行されているため、発呼ができない。この場合、発信者による要求に応じて、ユーザ端末100は、着信者への音声メッセージをテキストデータに変換する。以下、テキストデータに変換された音声メッセージを「音声テキストデータ」という。具体的には、ユーザ端末100は、発信者により発せられた音声メッセージを音声認識することにより、音声テキストデータへ変換する。発信者は、所定の操作を行うことにより、ユーザ端末100に、音声テキストデータに、着信者への音声メッセージを変換させることができる。該ユーザ端末100は、音声テキストデータをエンコードし、パケット化する。該ユーザ端末100は、PS回線を介して、ユーザ端末100へ、パケット化された音声テキストデータ(以下、「音声テキストパケット」という)を送信する。
【0038】
音声テキストパケットは、BTS200、RNC300、交換機400、交換機400、RNC300、BTS200を介して、着信者のユーザ端末100へ送信される。
【0039】
ユーザ端末100は、ユーザ端末100からの音声テキストパケットを受信する。ユーザ端末100は、音声テキストパケットをデコードすることにより、音声テキストデータへ変換する。ユーザ端末100は、音声メッセージへ、音声テキストデータを変換する。ユーザ端末100は、音声メッセージを出力する。音声メッセージへ、音声テキストデータを変換する際に、ユーザ端末100は、音声メッセージを出力する音声を決定する。
【0040】
具体的には、ユーザ端末100は、音声テキストパケットの発信者に対応する電話帳を参照し、発信者固有の音声パラメータが登録されている場合には、該発信者固有の音声パラメータを利用して発信者の音声を合成する。発信者固有の音声パラメータが登録されていない場合には、音声テキストパケットの発信者に対応する電話帳に含まれる情報に基づいて、該発信者の特徴に応じた音声を合成できる音声パラメータを利用して、音声を合成する。
【0041】
また、ユーザ端末100は、音声データが予めインストールされている場合には、該音声データに基づく音声パラメータを利用して音声を合成するようにしてもよい。音声データは、発信側のユーザの音声に対応するものであってもよい。また、予めインストールされている音声データが複数である場合には、該複数の音声データから、ユーザ端末100により音声が合成される際に利用する音声データが選択される。音声データが解析されることにより、該音声データに対応する音声パラメータが設定されてもよい。
【0042】
音声データは、音声メッセージへ、音声テキストデータを変換する際に取得されてもよい。例えば、ユーザ端末100は、ネットワークから、音声データをダウンロードするようにしてもよい。また、ユーザ端末100は、通話の際に発信者の音声を録音し、該録音された音声に基づく音声データを取得するようにしてもよい。音声が解析されることにより、該音声に対応する音声データが設定されてもよい。
【0043】
<ユーザ端末100
図2は、ユーザ端末100の一実施例を示す。図2には、主にハードウェア構成が示される。
【0044】
ユーザ端末100は、入力部102と、出力部104と、通信制御部106と、無線部108と、記憶部110と、マイクロプロセッサ(MPU: Micro−Processing Unit)112とを有する。各機能ブロックは、バス150により接続される。
【0045】
MPU112は、入力部102、出力部104、通信制御部106、無線部108、及び記憶部110の制御を行う。MPU112は、記憶部110に記憶されたプログラムに従って機能し、所定の処理を行う。
【0046】
記憶部110は、アプリケーションと、オペレーティングシステム(OS: Operating System)とを有する。アプリケーションは、ユーザがユーザ端末100上で実行する作業を実施する機能を有するソフトウェアである。オペレーティングシステムは、ユーザ端末100において、ハードウェアを抽象化したインターフェースをアプリケーションソフトウェアに提供するソフトウェアである。
【0047】
入力部102は、例えば、キーボードやマウスにより構成され、当該ユーザ端末100への指示や、データの入力を行うための装置である。また、タッチパネルにより構成されてもよい。また、入力部102は、例えば、マイクにより構成され、ユーザにより発せられた音声メッセージを入力する。該音声メッセージには、着信者へのメッセージや、当該ユーザ端末100への指示が含まれてもよい。該指示には、オペレーティングシステムに対するものや、アプリケーションに対するものが含まれる。
【0048】
出力部104は、例えば、ディスプレイにより構成され、当該ユーザ端末100による処理状態や処理結果を表示する。また、出力部104は、例えば、スピーカにより構成され、ユーザに対して、音を出力するようにしてもよい。該処理状態や処理結果には、オペレーティングシステムやアプリケーションによるものが含まれる。ディスプレイには、液晶ディスプレイ(LCD: Liquid Crystal Display)、CRT(Cathod Ray Tube)ディスプレイ、プラズマディスプレイ(PDP: Plasma Display Panel)、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイなどが含まれる。
【0049】
通信制御部106は、上りリンクの信号を送信するための制御を行う。CS網への上りリンクの信号、PS網への上りリンクの信号の両方を含む。また、通信制御部106は、無線部108により入力されるべき下りリンクの信号を受信するための制御を行う。CS網からの下りリンクの信号、PS網からの下りリンクの信号の両方を含む。
【0050】
無線部108は、MPU112による制御により、基地局200との間で、所定の無線通信方式により無線通信を行う。該無線通信方式には、GSM(登録商標)、W−CDMAが含まれる。また、LTEが含まれてもよい。例えば、通信制御部106により生成されるべき、上りリンクの信号を無線信号に変換して送信する。また、基地局200からの無線信号をベースバンド信号に変換する。
【0051】
<ユーザ端末100の機能>
図3は、ユーザ端末100を示す機能ブロック図である。図3には、記憶部110に格納されたプログラムに従って、MPU112により実行される機能が主に示される。
【0052】
ユーザ端末100は、規制状態判定部1122と、規制状態設定部1124と、音声発信判定部1126と、音声メッセージ通信制御部1128と、音声メッセージ変換部1130とを有する。
【0053】
規制状態判断部1122は、通信制御部106と接続される。規制状態判断部1122には、通信制御部106から、当該ユーザ端末100により受信されるべき報知情報が入力される。規制状態判断部1122は、該報知情報に含まれる規制情報に基づいて、当該ユーザ端末100に対してアクセス規制が実行されているかどうかを判断する。CS回線及びPS回線のそれぞれについて判断されてもよい。具体的には、規制状態判断部1122は、報知情報に含まれるべき規制に関する情報(System Information Block Type 3)のアクセス不可情報(Cell Barred)、規制率情報(Cell Access Restriction)に基づいて判断するようにしてもよい。アクセス不可情報及び規制率情報は、CS回線及びPS回線のそれぞれについて用意されてもよい。規制状態判断部1122は、規制状態設定部1124に、規制状態の判断結果を表す情報を入力する。
【0054】
規制状態設定部1124は、規制状態判断部1122と接続される。規制状態設定部1124は、規制状態判断部1122により入力されるべき規制状態の判断結果を表す情報に従って、規制状態を設定する。
【0055】
音声発信判定部1126は、入力部102、出力部104、規制状態設定部1124と接続される。音声発信判定部1126には、ユーザにより音声発信の操作が行われた場合に、入力部102から音声発信操作信号が入力される。音声発信判定部1126は、音声発信操作信号が入力された場合に、規制状態設定部1124に設定されるべき規制状態を参照し、当該ユーザ端末100によりCS回線へのアクセス規制が実行されているかどうかを判定する。
【0056】
音声発信判定部1126は、当該ユーザ端末100によりCS回線へのアクセス規制が実行されていないと判定した場合、周期的に、当該ユーザ端末100によりCS回線へのアクセス規制が実行されているかどうかを判定するようにしてもよい。
【0057】
音声発信判定部1126は、当該ユーザ端末100によりCS回線へのアクセス規制が実行されていると判定した場合、出力部104に、当該ユーザ端末100によりCS回線へのアクセス規制が実行されていることを表す音声発信不可通知信号を入力する。出力部104は、音声発信判定部1126から音声発信不可通知信号が入力された場合に、ユーザに、音声発信ができないことを通知する。具体的には、音声発信ができないことを表示したり、音声ガイダンスにより音声により通知したりしてもよい。音声発信判定部1126は、音声発信ができないと判断した場合に、音声メッセージ通信制御部1128に、音声発信ができないことを表す情報を入力する。
【0058】
音声メッセージ通信制御部1128は、入力部102と、出力部104と、音声発信判定部1126と接続される。音声メッセージ通信制御部1128は、音声発信判定部1126から、音声発信ができないことを表す情報が入力された場合に、出力部104に、音声メッセージを送信するかどうかを問い合わせるための信号(以下、「音声メッセージ送信問い合わせ信号」という)を入力する。出力部104は、音声メッセージ通信制御部1128から音声メッセージ送信問い合わせ信号が入力された場合、ユーザに、音声メッセージを送信するかどうかを問い合わせるための情報を出力する。具体的には、音声メッセージを送信するかどうかを問い合わせるメッセージを表示したり、音声ガイダンスにより音声メッセージを送信するかどうかを問い合わせたりしてもよい。
【0059】
ユーザ端末100からの音声メッセージを送信するかどうかを問い合わせるための情報に対して、ユーザは、入力部102を操作することにより回答することができる。ユーザによる回答(以下、「音声メッセージ送信操作信号」という)は、音声メッセージ通信制御部1128に入力される。音声メッセージ通信制御部1128は、入力部102から、音声メッセージ送信操作信号が入力され、該音声メッセージ送信操作信号が音声メッセージを送信することを表す場合、出力部104に、ユーザに音声メッセージを依頼することを表す情報(以下、「音声メッセージ依頼信号」という)を入力するとともに、音声メッセージ変換部1130に、音声テキストパケットを生成するように命令する。出力部104は、音声メッセージ通信制御部1128からの音声メッセージ依頼信号に従って、音声メッセージを依頼するガイダンスを出力する。
【0060】
音声メッセージ変換部1130は、入力部102と、通信制御部106と、音声メッセージ通信制御部1128と接続される。音声メッセージ変換部1130は、音声メッセージ通信制御部1128から、音声テキストパケットを生成する命令が入力された場合に主に機能する。音声メッセージ変換部1130に、音声メッセージ通信制御部1128から音声テキストパケットを生成する命令が入力された際に、出力部104からは音声メッセージを依頼するガイダンスが出力される。該音声メッセージを依頼するガイダンスに従って、ユーザが音声メッセージを発すると、該音声メッセージは、入力部102を介して、音声メッセージ変換部1130に入力される。音声メッセージ変換部1130は、音声テキストデータに、入力部102からの音声メッセージを変換する。また、音声メッセージ変換部1130は、該音声テキストデータをエンコードし、パケット化することにより音声テキストパケットを生成する。該音声テキストパケットには、発信側のユーザ端末100の識別子と、着信側のユーザ端末100の識別子とが含まれる。音声メッセージ変換部1130は、通信制御部106に、音声テキストパケットを入力する。通信制御部106は、着信側のユーザ端末100に、音声メッセージ変換部1130からの音声テキストパケットを送信するための制御を行う。
【0061】
<ユーザ端末100
図4は、ユーザ端末100の一実施例を示す。図4には、主にハードウェア構成が示される。
【0062】
ユーザ端末100は、入力部102と、出力部104と、通信制御部106と、無線部108と、記憶部110と、MPU112とを有する。各機能ブロックは、バス150により接続される。記憶部110には、電話帳1102と、発信者分類テーブル1104と、音声パラメータテーブル1106とが格納される。図2を参照して説明したユーザ端末100と、記憶部110に、電話帳1102と、発信者分類テーブル1104と、音声パラメータテーブル1106とが格納される点で異なる。
【0063】
MPU112は、入力部102、出力部104、通信制御部106、無線部108、及び記憶部110の制御を行う。MPU112は、記憶部110に記憶されたプログラムに従って機能し、所定の処理を行う。
【0064】
記憶部110は、アプリケーションと、オペレーティングシステムとを有する。アプリケーションは、ユーザがユーザ端末100上で実行する作業を実施する機能を有するソフトウェアである。オペレーティングシステムは、ユーザ端末100において、ハードウェアを抽象化したインターフェースをアプリケーションソフトウェアに提供するソフトウェアである。
【0065】
図5は、記憶部110に格納される電話帳1102の一実施例を示す。
【0066】
電話帳1102には、予め登録される1又は複数のユーザに関する情報が含まれる。例えば、電話帳1102には、1ユーザに関する情報として、氏名、電話番号、電子メールアドレス、生年月日、性別、固有音声パラメータが登録されているかどうかを示す情報が含まれる。固有音声パラメータは、ユーザの音声を合成する際に利用される音声パラメータである。該音声パラメータを利用することにより、該ユーザの音声を合成することができる。
【0067】
図5に示される例では、1ユーザに関する情報として、氏名「AAA」、電話番号「090−1234−5678」、電子メールアドレス「○○○@XXX.ne.jp」、生年月日「△△△△年□□月YY日」、性別「男」、固有音声パラメータ「無」が含まれる。固有音声パラメータ「無」は、固有音声パラメータが登録されていないことを表す。電話帳1102に、図5に示される情報のうち、一部の情報が含まれてもよいし、他の情報が含まれてもよい。
【0068】
図6は、記憶部110に格納される発信者分類テーブル1104の一実施例を示す。
【0069】
発信者分類テーブル1104には、所定の条件により、複数のカテゴリに、発信者を分類するための情報が含まれる。具体的には、発信者を分類するための所定の条件には、発信者が「男性」であるか「女性」であるか、さらに、発信者が「子ども」、「大人」、「壮年」のいずれかであるか等が含まれる。図6に示される所定の条件は一例であり、適宜条件の設定が可能である。発信者分類テーブル1104は、主に、電話帳に含まれる情報のうち、「固有音声パラメータ」が「無」である場合に利用される。発信者分類テーブル1104により、発信者が「A」、「B」、「C」、「D」、「E」、及び「F」のいずれかに分類される。発信者分類テーブル1104は、音声メッセージに、ユーザ端末100からの音声テキストパケットに含まれる音声テキストデータを変換する際に利用される。
【0070】
図7は、記憶部110に格納される音声パラメータテーブル1106の一実施例を示す。
【0071】
音声パラメータテーブル1106には、発信者分類リスト1104により分類されるカテゴリ毎に、音声メッセージに、ユーザ端末100からの音声テキストパケットに含まれる音声テキストデータを変換する際に利用される再生用パラメータが含まれる。再生用パラメータには、基本周波数F、再生速度、抑揚、アクセント音調が含まれる。これらは一例であり、これらのうちの一部のパラメータが利用されてもよいし、これら以外のパラメータが利用されてもよい。
【0072】
具体的には、発信者が「男性」、「子ども」に該当する発信者識別子「A」である場合には、再生用パラメータとして「基本周波数F」がXHz、「再生速度」が1.5倍、「抑揚」が変動大、「アクセント音調」がセット1に設定される。該再生用パラメータを利用して音声が合成されることにより、男の子の音声を合成できる。
【0073】
同様に、発信者が「男性」、「大人」に該当する発信者識別子「B」である場合には、再生用パラメータとして「基本周波数F」がYHz、「再生速度」が1.0倍、「抑揚」が変動中、「アクセント音調」がセット2に設定される。該再生用パラメータを利用して音声が合成されることにより、大人の男性の音声を合成できる。
【0074】
同様に、発信者が「男性」、「壮年」に該当する発信者識別子「C」である場合には、再生用パラメータとして「基本周波数F」がZHz、「再生速度」が0.6倍、「抑揚」が変動無し、「アクセント音調」がセット3に設定される。該再生用パラメータを利用して音声が合成されることにより、壮年の男性の音声を合成できる。
【0075】
ここで、アクセント音調に関して、「セット1」−「セット3」により、アクセントと、音調との組み合わせが予め設定されてもよい。また、アクセントと、音調に関して個別に設定されてもよい。
【0076】
入力部102は、例えば、キーボードやマウスにより構成され、当該ユーザ端末100への指示や、データの入力を行うための装置である。また、タッチパネルにより構成されてもよい。また、入力部102は、例えば、マイクにより構成され、ユーザにより発せられた音声メッセージを入力する。該音声メッセージには、着信者へのメッセージや、当該ユーザ端末100への指示が含まれてもよい。該指示には、オペレーティングシステムに対するものや、アプリケーションに対するものが含まれる。
【0077】
出力部104は、例えば、ディスプレイにより構成され、当該ユーザ端末100による処理状態や処理結果を表示する。また、出力部104は、例えば、スピーカにより構成され、ユーザに対して、音を出力するようにしてもよい。該処理状態や処理結果には、オペレーティングシステムやアプリケーションによるものが含まれる。ディスプレイには、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどが含まれる。
【0078】
通信制御部106は、上りリンクの信号を送信するための制御を行う。CS網への上りリンクの信号、PS網への上りリンクの信号の両方を含む。また、通信制御部106は、無線部108により入力されるべき下りリンクの信号を受信するための制御を行う。CS網からの下りリンクの信号、PS網からの下りリンクの信号の両方を含む。
【0079】
無線部108は、MPU112による制御により、基地局200との間で、所定の無線通信方式により無線通信を行う。該無線通信方式には、GSM(登録商標)、W−CDMAが含まれる。また、LTEが含まれてもよい。例えば、通信制御部106により生成されるべき、上りリンクの信号を無線信号に変換して送信する。また、基地局200からの無線信号をベースバンド信号に変換する。
【0080】
<ユーザ端末100の機能>
図8は、ユーザ端末100を示す機能ブロック図である。図8には、記憶部110に格納されたプログラムに従って、MPU112により実行される機能が主に示される。
【0081】
ユーザ端末100は、発信者情報取得部1132と、出力音声設定部1134と、音声メッセージ再生制御部1136とを有する。
【0082】
発信者情報取得部1132は、通信制御部106と、記憶部110と接続される。発信者情報取得部1132には、ユーザ端末100からの音声テキストパケットが入力される。発信者情報取得部1132は、音声テキストパケットに含まれる発信者を表す情報を取得する。具体的には、発信者情報取得部1132は、発信側のユーザ端末の識別子を取得する。発信者情報取得部1132は、記憶部110に格納された電話帳1102から、発信側のユーザ端末100に対応する電話帳を取得する。発信者情報取得部1132は、出力音声設定部1134に、発信側のユーザ端末100に対応する電話帳を入力する。
【0083】
出力音声設定部1134は、発信者情報取得部1132と、記憶部110と接続される。出力音声設定部1134は、発信者情報取得部1132からの発信側のユーザ端末100に対応する電話帳に、固有音声パラメータが登録されているかどうかを判定する。固有音声パラメータが登録されていると判定された場合、出力音声設定部1134は、音声メッセージ再生制御部1136に、該固有音声パラメータを表す情報を入力する。固有音声パラメータが登録されていないと判定された場合、出力音声設定部1134は、記憶部110に格納された発信者分類テーブル1104を参照し、発信側のユーザ端末100に対応する電話帳に含まれる情報に基づいて、発信者が分類されるカテゴリを表す発信者識別子を取得する。出力音声設定部1134は、記憶部110に格納された音声パラメータテーブル1106から、発信者識別子に対応する再生パラメータを取得する。
【0084】
また、固有音声パラメータが登録されていないと判定された場合、出力音声設定部1134は、音声データが予めインストールされている場合には、該音声データに基づく音声パラメータを取得するようにしてもよい。音声データは、発信側のユーザの音声に対応するものであってもよい。また、予めインストールされている音声データが複数ある場合には、該複数の音声データから、出力音声設定部1134は、音声を合成する際に利用する音声データを選択する。音声データが解析されることにより、該音声データに対応する音声パラメータが設定されてもよい。
【0085】
音声データは、音声メッセージへ、音声テキストデータを変換する際に取得されてもよい。例えば、ユーザ端末100は、ネットワークから、音声データをダウンロードするようにしてもよい。また、ユーザ端末100は、通話の際に発信者の音声を録音し、該録音された音声に基づく音声データを取得するようにしてもよい。音声が解析されることにより、該音声に対応する音声データが設定されてもよい。
【0086】
出力音声設定部1134は、音声メッセージ再生制御部1136に、該再生パラメータを表す情報を入力する。
【0087】
音声メッセージ再生制御部1136は、通信制御部106と、出力音声設定部1134と、出力部104と接続される。音声メッセージ再生制御部1136には、通信制御部106から音声テキストパケットが入力され、出力音声設定部1134から固有音声パラメータを表す情報又は再生用パラメータを表す情報が入力される。音声メッセージ再生制御部1136は、音声メッセージに、音声テキストパケットに含まれる音声テキストデータを変換する。音声テキストデータを変換する際に、音声メッセージ再生制御部1136は、固有音声パラメータ又は再生用パラメータを利用する。音声メッセージ再生制御部1136は、出力部104に、音声メッセージを入力する。出力部104は、音声メッセージを出力する。
【0088】
発信側のユーザ端末100が、発信側のユーザ端末100の機能に加え、着信側のユーザ端末100の機能を有するようにしてもよい。
【0089】
また、着信側のユーザ端末100が、着信側のユーザ端末100の機能に加え、発信側のユーザ端末100の機能を有するようにしてもよい。
【0090】
<無線通信システムの動作(その1)>
無線通信システムの動作の一実施例を説明する。発信側のユーザ端末100の動作と、着信側のユーザ端末100の動作に分けて説明する。
【0091】
<ユーザ端末100の動作>
図9は、ユーザ端末100の動作の一実施例を示す。
【0092】
ユーザ端末100は、CS回線へのアクセス規制が実行されていることを検出する(ステップS902)。つまり、音声発信判定部1126は、CS回線へのアクセス規制が実行されていることを検出する。
【0093】
ユーザ端末100は、音声テキストデータへ、音声メッセージを変換し、着信者に伝えるための操作が実行されたかどうかを判定する(ステップS904)。つまり、音声メッセージ通信制御部1128は、音声メッセージを送信するための操作が行われたかどうかを判定する。
【0094】
音声テキストデータへ、音声メッセージを変換し、着信者に伝えるための操作が実行されたと判定されない場合(ステップS904:NO)、終了する。
【0095】
音声テキストデータへ、音声メッセージを変換し、着信者に伝えるための操作が実行されたと判定される場合(ステップS904:YES)、ユーザ端末100は、テキストデータへ、音声メッセージを変換し、パケット化する(ステップS906)。つまり、音声メッセージ変換部1130は、テキストデータへ、音声メッセージを変換し、パケット化することにより音声テキストパケットを生成する。
【0096】
ユーザ端末100は、着信側のユーザ端末100の電子メールアドレスを取得できるかどうかを判定する(ステップS908)。つまり、通信制御部106は、着信側のユーザ端末100の電子メールアドレスを取得できるかどうかを判定する。
【0097】
着信側のユーザ端末100の電子メールアドレスを取得できると判定されない場合(ステップS908:NO)、後述する図11のステップS1108に遷移する。図11のステップS1108に遷移せずに終了するようにしてもよい。
【0098】
着信側のユーザ端末100の電子メールアドレスを取得できると判定される場合(ステップS908:YES)、ユーザ端末100は、電子メールアドレスを利用して、音声テキストパケットを送信する(ステップS910)。つまり、通信制御部106は、電子メールアドレスを利用して、PS回線により、音声テキストパケットを送信する。
【0099】
MPU112をユーザ端末100として機能させるためのプログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM、メモリカード等の記録媒体に記録された状態で提供される。また、プログラムを、CN600を介してダウンロードするようにしてもよい。この記録媒体をコンピュータの補助記憶装置に挿入すると、記録媒体に記録されたプログラムが読み取られる。MPU112は、読み込んだプログラムをRAMあるいはHDDに書き込み、処理を実行する。プログラムは、コンピュータに、図9の各ステップS902−S910の処理を実行させる。また、例えば、プログラムは、少なくとも一部のステップを実行されるようにしてもよい。
【0100】
<ユーザ端末100の動作>
図10は、ユーザ端末100の動作の一実施例を示す。
【0101】
ユーザ端末100は、ユーザ端末100からの音声テキストパケットを受信する(ステップS1002)。つまり、ユーザ端末100からの音声テキストパケットが、無線部108から、通信制御部106を介して、発信者情報取得部1132に入力される。
【0102】
ユーザ端末100は、音声テキストパケットの発信者の情報を取得する(ステップS1004)。つまり、発信者情報取得部1132は、音声テキストパケットに含まれる発信者の識別子に基づいて、記憶部110に格納される電話帳1102から、発信者に対応するものを取得する。発信者情報取得部1132は、出力音声設定部1134に、発信者に対応する電話帳を入力する。
【0103】
ユーザ端末100は、発信者の固有音声パラメータが登録されているかどうかを判定する(ステップS1006)。つまり、出力音声設定部1134は、発信者情報取得部1132からの電話帳に、発信者の固有音声パラメータが含まれるかどうかを判定する。
【0104】
発信者情報取得部1132からの電話帳に、発信者の固有音声パラメータが含まれると判定された場合(ステップS1006:YES)、ユーザ端末100は、固有音声パラメータを利用して、音声メッセージに、音声テキストデータを変換する(ステップS1008)。つまり、音声メッセージ再生制御部1136は、固有音声パラメータを利用して、音声メッセージに、音声テキストデータを変換する制御を行う。
【0105】
ユーザ端末100は、音声メッセージを出力する。つまり、出力部104は、音声メッセージを出力する。
【0106】
発信者情報取得部1132からの電話帳に、発信者の固有音声パラメータが含まれないと判定された場合(ステップS1006:NO)、ユーザ端末100は、発信者に対応する電話帳に含まれる情報に基づいて、発信者分類テーブル1104から、発信者が分類されるカテゴリを表す発信者識別子を取得する(ステップS1012)。つまり、出力音声設定部1134は、発信者に対応する電話帳に含まれる情報に基づいて、発信者分類テーブル1104から、発信者が分類されるカテゴリを表す発信者識別子を取得する。
【0107】
ユーザ端末100は、音声パラメータ1106から、発信者識別子に対応する再生用パラメータを取得する(ステップS1014)。つまり、出力音声設定部1134は、音声パラメータテーブル1106から、発信者識別子に対応する再生パラメータを取得する
ユーザ端末100は、再生用パラメータを利用して、音声メッセージに、音声テキストデータを変換する(ステップS1016)。つまり、音声メッセージ再生制御部1136は、再生用パラメータを利用して、音声メッセージに、音声テキストデータを変換する制御を行う。
【0108】
ユーザ端末100は、音声メッセージを出力する(ステップS1018)。つまり、出力部104は、音声メッセージを出力する。
【0109】
図10に示されるフローチャートのステップS1006において、発信者情報取得部1132からの電話帳に、発信者の固有音声パラメータが含まれないと判定された場合(ステップS1006:NO)、ユーザ端末100は、音声データが予めインストールされている場合には、該音声データに基づく再生用パラメータを取得するようにしてもよい。音声データは、発信側のユーザの音声に対応するものであってもよい。また、予めインストールされている音声データが複数ある場合には、該複数の音声データから、ユーザ端末100は、音声を合成する際に利用する音声データを選択するようにしてもよい。この場合、音声データが解析されることにより、該音声データに対応する再生用パラメータが設定されてもよい。音声データは、音声メッセージへ、音声テキストデータを変換する際に取得されてもよい。例えば、ユーザ端末100は、ネットワークから、音声データをダウンロードするようにしてもよい。また、ユーザ端末100は、通話の際に発信者の音声を録音し、該録音された音声に基づく音声データを取得するようにしてもよい。この場合、音声が解析されることにより、該音声データが設定されてもよい。この処理の後、ステップS1016に遷移する。
【0110】
MPU112をユーザ端末100として機能させるためのプログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM、メモリカード等の記録媒体に記録された状態で提供される。また、プログラムを、CN600を介してダウンロードするようにしてもよい。この記録媒体をコンピュータの補助記憶装置に挿入すると、記録媒体に記録されたプログラムが読み取られる。MPU112は、読み込んだプログラムをRAMあるいはHDDに書き込み、処理を実行する。プログラムは、コンピュータに、図10の各ステップS1002−S1018の処理を実行させる。また、例えば、プログラムは、少なくとも一部のステップを実行されるようにしてもよい。
【0111】
<無線通信システムの動作(その2)>
無線通信システムの動作の一実施例を説明する。発信側のユーザ端末100の動作について示す。着信側のユーザ端末100の動作は、図10と略同一である。
【0112】
<ユーザ端末100の動作>
図11は、ユーザ端末100の動作の一実施例を示す。
【0113】
図11のステップS1102−S1106は、図9のステップS902−S906と略同一である。
【0114】
ユーザ端末100は、着信側のユーザ端末100の電話番号に基づいて、専用の電子メールアドレスを作成する(ステップS1108)。つまり、通信制御部106は、着信側のユーザ端末100の電話番号に基づいて、専用の電子メールアドレスを作成する。具体的には、着信側のユーザ端末100の電話番号が「090******」である場合に、専用の電子メールアドレスとして「090******@saigai.XXXXXX.ne.jp」を作成する。「saigai.XXXXXX」によりファイルサーバ500のドメイン名が指定されてもよい。
【0115】
ユーザ端末100は、ステップS1108により作成された専用の電子メールアドレスを利用して、音声メッセージパケットを送信する(ステップS1110)。つまり、通信制御部106は、専用の電子メールアドレスを利用して、音声メッセージパケットを送信する。
【0116】
MPU112をユーザ端末100として機能させるためのプログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM、メモリカード等の記録媒体に記録された状態で提供される。また、プログラムを、CN600を介してダウンロードするようにしてもよい。この記録媒体をコンピュータの補助記憶装置に挿入すると、記録媒体に記録されたプログラムが読み取られる。MPU112は、読み込んだプログラムをRAMあるいはHDDに書き込み、処理を実行する。プログラムは、コンピュータに、図11の各ステップS1102−S1110の処理を実行させる。また、例えば、プログラムは、少なくとも一部のステップを実行されるようにしてもよい。
【0117】
上述した実施例において、ユーザ端末100は、CS回線により発呼した際に、ネットワークからCS回線へのアクセス規制が実行されていることを通知されることにより、ネットワークCS回線へのアクセス規制が実行されていることを検出するようにしてもよい。
【0118】
本実施例によれば、発信者のユーザ端末は、着信者に対する音声メッセージをテキストデータに変換し、パケット化できる。発信者のユーザ端末は、着信者のユーザ端末にPS回線により、パケット化された音声メッセージがテキストデータに変換されたものを送信できる。着信者のユーザ端末は、音声メッセージに、テキストデータを変換し、出力できる。音声メッセージに、テキストデータを変換する際に、予め登録される発信者の固有音声パラメータを利用して、発信者の声を合成し、出力することができる。また、発信者の固有音声パラメータが登録されていない場合でも、発信者の特徴に応じた声により出力できる。
【0119】
テキストデータに変換された音声メッセージが送信されるため、ネットワークの負荷を軽減できる。また、発信者の声や、発信者の特徴に応じた声により出力できるため、着信者に与える違和感を低減できる。
【0120】
説明の便宜上、発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明されるが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてよい。
【0121】
以上、本発明は特定の実施例を参照しながら説明されてきたが、各実施例は単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウエアで、ソフトウエアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が包含される。
【符号の説明】
【0122】
100、100 ユーザ端末
102 入力部
104 出力部
106 通信制御部
108 無線部
110 記憶部
112 MPU
1102 電話帳
1104 発信者分類テーブル
1106 音声パラメータテーブル
1122 規制状態判定部
1124 規制状態設定部
1126 音声発信判定部
1128 音声メッセージ通信制御部
1130 音声メッセージ変換部
1132 発信者情報取得部
1134 出力音声設定部
1136 音声メッセージ再生制御部
150 バス
200、200 基地局
300、300 RNC
400、400 交換機
600 コアネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回線交換網を介して発信が行われる際に、該回線交換網へのアクセスが規制されているかどうかを判定する規制状態判定部と、
該規制状態判定部により前記回線交換網へのアクセスが規制されていると判定された場合に、発信者による所定の操作に従って、テキストデータに、該発信者から着信者への音声メッセージを変換し、パケット化する音声メッセージ変換部と、
パケット交換網を介して、前記音声メッセージ変換部によりパケット化された音声メッセージを送信するように制御する通信制御部と
を有する、ユーザ端末。
【請求項2】
パケット交換網を介して送信されたパケットから、発信者を識別するための情報を取得する発信者情報取得部と、
該発信者情報取得部により取得される発信者を識別するための情報に基づいて、音声メッセージに、前記パケットに含まれるテキストデータを変換する際に利用する音声パラメータを設定する出力音声設定部と、
該出力音声設定部により設定された音声パラメータを利用して、音声メッセージに、前記テキストデータを変換する音声メッセージ再生制御部と、
該音声メッセージ再生制御部により変換された音声メッセージを出力する出力部と
を有する、ユーザ端末。
【請求項3】
請求項2に記載のユーザ端末において、
1又は複数のユーザに関する情報を含む電話帳
を有し、
前記出力音声設定部は、前記発信者に対応する電話帳に該発信者の声を合成するための音声パラメータが登録されている場合には、該発信者の声を合成するための音声パラメータを設定する、ユーザ端末。
【請求項4】
請求項3に記載のユーザ端末において、
所定の条件により、所定のカテゴリに、発信者を分類するための発信者分類テーブルと、
各カテゴリに分類される1又は複数の発信者により利用される再生用パラメータを含む音声パラメータテーブルと
を有し、
前記出力音声設定部は、発信者に対応する電話帳に含まれる情報に基づいて、前記発信者分類テーブルから該発信者が分類されるカテゴリを特定し、前記音声パラメータテーブルから、該カテゴリに対応する音声パラメータを特定し、該音声パラメータを設定する、ユーザ端末。
【請求項5】
請求項2に記載のユーザ端末において、
前記出力音声設定部は、予めインストールされた音声データに基づく音声パラメータを設定する、ユーザ端末。
【請求項6】
請求項5に記載のユーザ端末において、
前記音声データは、ネットワークからダウンロードすることにより得られた音声データ又は録音された音声に基づく音声データである、ユーザ端末。
【請求項7】
発信側のユーザ端末から、着信側のユーザ端末へ、メッセージを送信する無線通信システムであって、
前記発信側のユーザ端末は、
回線交換網を介して発信が行われる際に、該回線交換網へのアクセスが規制されているかどうかを判定する規制状態判定部と、
該規制状態判定部により前記回線交換網へのアクセスが規制されていると判定された場合に、発信者による所定の操作に従って、テキストデータに、該発信者から着信者への音声メッセージを変換し、パケット化する音声メッセージ変換部と、
パケット交換網を介して、前記音声メッセージ変換部によりパケット化された音声メッセージを送信するように制御する通信制御部と
を有し、
着信側のユーザ端末は、
パケット交換網を介して送信されたパケットから、発信者を識別するための情報を取得する発信者情報取得部と、
該発信者情報取得部により取得される発信者を識別するための情報に基づいて、音声メッセージに、該パケットに含まれるテキストデータを変換する際に利用する音声パラメータを設定する出力音声設定部と、
該出力音声設定部により設定された音声パラメータを利用して、音声メッセージに、前記テキストデータを変換する音声メッセージ再生制御部と、
該音声メッセージ再生制御部により変換された音声メッセージを出力する出力部と
を有する、無線通信システム。
【請求項8】
発信側のユーザ端末から、着信側のユーザ端末へ、メッセージを送信する無線通信システムにおける通信方法であって、
前記発信側のユーザ端末は、
回線交換網を介して発信が行われる際に、該回線交換網へのアクセスが規制されているかどうかを判定する規制状態判定ステップと、
該規制状態判定ステップにより前記回線交換網へのアクセスが規制されていると判定された場合に、発信者による所定の操作に従って、テキストデータに、該発信者から着信者への音声メッセージを変換し、パケット化する音声メッセージ変換ステップと、
パケット交換網を介して、前記音声メッセージ変換ステップによりパケット化された音声メッセージを送信するように制御する通信制御ステップと
を有し、
着信側のユーザ端末は、
パケット交換網を介して送信されたパケットから、発信者を識別するための情報を取得する発信者情報取得ステップと、
該発信者情報取得ステップにより取得される発信者を識別するための情報に基づいて、音声メッセージに、該パケットに含まれるテキストデータを変換する際に利用する音声パラメータを設定する出力音声設定ステップと、
該出力音声設定ステップにより設定された音声パラメータを利用して、音声メッセージに、前記テキストデータを変換する音声メッセージ再生制御ステップと、
該音声メッセージ再生制御ステップにより変換された音声メッセージを出力する出力ステップと
を有する、通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−98770(P2013−98770A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240239(P2011−240239)
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】