説明

ユースポイントでのプロセス制御ブレンダーシステムおよび対応する方法

化学溶液浴を所望の濃度で維持するブレンダーシステムを提供する。ブレンダーシステムは、少なくとも2つの化合物(例えば、アンモニアおよび過酸化水素)を受けて、ブレンドし、化合物の混合物を選択された濃度で含む溶液を、化学溶液浴の選択された体積を維持するタンク(2)に送達するように構成されたブレンダーユニット(100)を含む。さらに、ブレンダーシステムは、化学溶液浴中で少なくとも1つの化合物を選択された濃度範囲内に維持するように構成されたコントローラー(110)を含む。コントローラーは、タンクに送達される溶液内で、化合物の濃度を選択された濃度範囲内に維持するようにブレンダーユニットの少なくとも1つの動作、および、化学浴内の化合物の濃度が目標範囲から外れる場合は、タンクに入る溶液およびタンクから出る溶液の流速の変更を制御する。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
背景
分野
この開示は、半導体製作ツールのような化学薬品送達システムへの送達のために、化学溶液の濃度を制御するユースポイントのブレンダーに関する。
【0002】
関連技術
ウェーハの洗浄およびエッチングプロセスのような半導体製造産業において、化学溶液は典型的に、ウェーハの洗浄およびエッチングプロセスに使用される。試薬を所望される比率で正確に混合することは特に重要である。なせならば、化学薬品の濃度変動は、エッチング速度の不安定性を招き、したがってプロセス変動の元となるからである。
【0003】
半導体製造産業のための化学溶液に使用される化合物の例は、限定されないが、フッ化水素酸(HF)、フッ化アンモニウム(NHF)、塩酸(HCl)、硫酸(HSO)、酢酸(CHOOH)、アンモニアまたは水酸化アンモニウム(NHOH)、水酸化カリウム(KOH)、エチレンジアミン(EDA)、過酸化水素(H)、硝酸(HNO)、およびそれらの1つ以上の任意の組合せを含む。例えば、標準的なSC-1タイプの洗浄溶液は、脱イオン水(DIW)中に水酸化アンモニウムおよび過酸化水素の混合物を含む。標準的なSC-2タイプの洗浄溶液は、過酸化水素と塩酸との水性混合物を含む。さらに、界面活性剤および/または他の洗浄剤をこのような洗浄溶液混合物に加えて、個々の操作のための洗浄溶液の性能を高めることができる。
【0004】
洗浄溶液混合物をオフサイトで調製し、次に洗浄プロセスのエンドポイント場所またはユースポイント(例えば、洗浄浴タンクまたは半導体ウェーハ洗浄プロセスのためのタンクのようなツール)に送ることができる。
【0005】
代替的に、より望ましくは、洗浄プロセスへの送達に先立ち、適当なミキサーまたはブレンダーシステムによってユースポイントにて洗浄溶液混合物を調製する。
【0006】
化合物の混合物を含む化学溶液に関連した1つの問題は、ツールの中での化学溶液の使用の間に生じる分解反応のために、最終的な溶液中の1つ以上の化合物の濃度を正確に制御することが難しくなり得ることである。例えば、半導体プロセスのために不安定な化合物を使用する銅スラリー用途において、化学組成中に過硫酸アンモニウム(APS)のような化合物を追加することは、最終的なブレンド中のHおよび/または他の成分の分解をもたらし得る。これは、化学溶液中の最終的な成分の濃度に望ましくない変化をもたらすであろう。
【0007】
例えば、SC-1洗浄溶液を用いる通常のシステムにおいて、洗浄溶液中のこのような分解を補償することが必要なので、典型的にHおよび/またはNHOHを直接、ツール(例えば、洗浄浴)の中に加える。しかしながら、これらの化合物の1つ以上を洗浄溶液に加えることまたは混ぜることは、洗浄溶液中で他の化合物の希釈をもたらし、したがって、プロセスを通じて最終的な洗浄溶液中の化合物の正確な濃度を保証できなくなる。
【0008】
それゆえに、一緒に混合された2つ以上の化合物を含む化学溶液を、選択された濃度でプロセスに送達する一方で、最終的な溶液中の化合物の濃度を、プロセスサイクルの間に許容できるレベルまたは範囲内で正確に維持するために有効なシステムを提供することが望ましい。
【0009】
概要
半導体ウェーハ洗浄プロセスのようなプロセスでの使用について選択された濃度で有効に化学溶液を送達または維持するユースポイントでのプロセス制御ブレンダーシステムおよび対応する方法をここに記載する。
【0010】
化学溶液浴を所望の濃度で維持するためのブレンダーシステムは、少なくとも2つの化合物を受けてブレンドし、少なくとも1つの化学溶液浴の選択された体積を維持するタンクに、選択された濃度の化合物の混合物を含んだ溶液を送達するように構成されるブレンダーユニットを含む。さらに、ブレンダーシステムは、化学溶液浴中で少なくとも1つの化合物を選択された濃度範囲内に維持するように構成されたコントローラーを含む。コントローラーは、タンクに送達される溶液中の少なくとも1つの化合物の濃度を選択された濃度範囲内で維持するようにブレンダーユニットの少なくとも1つの操作を制御し、化学溶液浴中の少なくとも1つの化合物の濃度が目標範囲から外れる場合は、タンクへ入る溶液またはタンクから出る溶液の流量の変更を制御する。
【0011】
他の実施態様において、タンクに化学溶液を供給する方法は、少なくとも2つの化合物をブレンダーユニットに提供して、選択された濃度の少なくとも2つの化合物の混合溶液を生成し、ブレンダーユニットからタンクへ混合溶液を提供して、タンク内に化学溶液浴を生成することを含み、化学溶液浴は選択された体積を持つ。化学溶液浴中で、少なくとも1つの化合物の濃度は、タンクに送達される溶液中の少なくとも1つの化合物の濃度を選択された濃度範囲内に維持するようにブレンダーユニットを制御すること、および化学溶液浴中の少なくとも1つの化合物の濃度が目標範囲から外れる場合に、タンクへ入る溶液またはタンクから出る溶液の流量を変更すること、のうちの少なくとも一方によって、選択された濃度範囲内に維持される。
【0012】
システムおよび対応する方法は、プロセス操作の間に1つ以上のツール内で生じるかもしれない化学溶液中の化合物の分解および/または他の反応にも関わらず、許容される濃度範囲内で、半導体用途のため(例えば、水酸化アンモニウムおよび過酸化水素を含んだSC−1洗浄溶液を維持するため)の化学溶液の濃度の維持に特に有用である。さらに、ユースポイントでのブレンダーシステムは、直接、または1つ以上の任意のツールに実質的に近接して実施されるか、あるいは1つ以上のプロセスツールの部材または部分として一体化されるように設計される。さらに、ブレンダーシステムを、化学溶液を正確な濃度で複数のプロセスツールに供給するように構成することができる。
【0013】
上記のおよびなお更なる特徴および利点は、特に添付図と組合せた場合に以下の具体的な実施態様の詳細な説明の考察の際に明らかとなるであろう。ここで図中の同じ参照番号は同じ構成要素を示すために使われる。
【0014】
詳細な説明
半導体ウェーハまたは他の構成要素の加工(例えば、洗浄)を容易にする化学浴を含む1つ以上の容器またはタンクに送達するために、少なくとも2つの化合物を受けて一緒にブレンドする少なくとも1つのブレンダーユニットを含むユースポイントでのプロセス制御ブレンダーシステムをここに記載する。化学溶液は、単数または複数のタンク内で選択された体積および温度で維持され、ブレンダーシステムは、1つ以上のタンクに化学溶液を連続的に送達できるように構成されるか、または代替的に、1つ以上のタンクに化学溶液を必要な場合のみ(後述のように)送達し、単数または複数のタンク内の化合物の濃度を所望の範囲内で維持する。
【0015】
ブレンダーシステムが、選択された体積の化学浴を含んだプロセスツールに化学溶液を直接提供するように、タンクをプロセスツールの一部にしてもよい。プロセスツールは、半導体ウェーハまたは他の構成要素を加工する(例えば、エッチングプロセス、洗浄プロセスなどで)、任意の、通常のまたは他の適当なツールでもよい。代替的に、ブレンダーシステムは、1つ以上の保持または貯蔵タンクに化学溶液を提供することができ、次に単数または複数の貯蔵タンクは化学溶液を1つ以上のプロセスツールに提供する。
【0016】
好ましい実施態様において、溶液中の1つ以上の化合の濃度が選択された目標範囲から外れる場合、1つ以上のタンクへの化学溶液の流量を増大させ、望ましくない単数または複数の化学溶液を単数または複数のタンクから迅速に取り除く一方で、フレッシュな化学溶液を所望の化合物濃度で単数または複数のタンクに供給するように構成される、ユースポイントでのプロセス制御ブレンダーシステムが提供される。
【0017】
システム1の例示的な実施態様は、図1に示され、半導体ウェーハまたは他の構成要素の洗浄のための、洗浄タンク2の形態のプロセスツールと組み合わされた、ユースポイントでのプロセス制御ブレンダーシステム10を含む。代替的に、先述したように、タンク2は、化合物を所望の濃度で1つ以上の半導体プロセスツールに提供する貯蔵タンクでもよい。
【0018】
洗浄タンク2の入口は、フローライン4を介してブレンダーユニット100と接続される。この実施態様において、ブレンダーユニット100中で生成され、洗浄タンク2に提供される洗浄溶液はSC−1洗浄溶液であり、水酸化アンモニウム(NHOH)が供給ライン102を介してブレンダーユニットに提供され、過酸化水素(H)が供給ライン104を介してブレンダーユニットに提供され、および脱イオン水(DIW)が供給ライン106を介してブレンダーユニットに提供される。しかしながら、ブレンダーシステムを任意で選択される数の(すなわち、2以上の)化合物の混合物を、選択された濃度で任意のタイプのツールに提供するように構成できることは注目される。混合物は、フッ化アンモニウム(NHF)、塩酸(HCl)、硫酸(HSO)、酢酸(CHOOH)、水酸化アンモニウム(NHOH)、水酸化カリウム(KOH)、エチレンジアミン(EDA)、過酸化水素(H)、および硝酸(HNO)のような化合物を含むことができる。
【0019】
さらに、任意の適当な界面活性剤および/または他の化学添加剤(例えば、過硫酸アンモニウムまたはAPS)を洗浄溶液と組合せて、特定の用途に対する洗浄効果を高めることができる。任意でフローライン6をブレンダーユニット100とタンク2への入口との間でフローライン4に接続して、例えば洗浄浴において使用するための洗浄溶液への、添加剤の添加を容易にする。
【0020】
タンク2は、タンク内で選択された洗浄溶液の体積を維持するように適切な大きさとし、構成する(例えば、洗浄操作のための洗浄浴を形成するのに十分な体積)。先述のように、洗浄溶液をブレンダーユニット100からタンク2へ、1つ以上の選択された流量で連続的に提供してもよい。代替的に、洗浄溶液をブレンダーユニットからタンクへ、選択された時間のみ提供することができる(例えば、最初のタンク充填の際、およびタンク内の溶液中の1つ以上の成分が、選択されたまたは目標の濃度範囲から外れる場合)。さらにタンク2は、洗浄溶液がオーバーフローライン8を介してタンクから出ることができる一方で、洗浄溶液が以下に記載する方法で連続的にタンクに供給および/または再循環される際に、タンク内で選択された洗浄溶液の体積を維持する、オーバーフローセクションおよび出口を具備して構成される。
【0021】
またタンクは、ドレーンライン10と接続されるドレーン出口を具備する。ここでドレーンライン10は、以下に記載するような選択された時間の間、タンクからより速い速度で洗浄溶液の排出および除去を容易にするように選択的に制御されるバルブ12を含む。ドレーンバルブ12は、好ましくは、コントローラー110(以下でさらに詳細を記載する)によって自動的に制御される電子バルブである。オーバーフローラインおよびドレーンライン8および10は、中に配置されたポンプ15を含むフローライン14に接続され、再循環ライン26および/または収集サイトまたは以下に記載するようなさらなるプロセスサイトへの、タンク2から移された洗浄溶液の送達を容易にする。
【0022】
濃度モニターユニット16は、フローライン14中でポンプ15の下流の位置に配置される。濃度モニターユニット16は、洗浄溶液がライン14を通って流れる際に洗浄溶液中の1つ以上の化合物(例えば、Hおよび/またはNHOH)の濃度を測定するように構成された少なくとも1つのセンサーを含む。濃度モニターユニット16の単数または複数のセンサーは、洗浄溶液中の関心のある1つ以上の化合物の正確な濃度測定を容易にする任意の適当なタイプでよい。好ましくは、システムに使用される濃度センサーは、限定しないが、GLI International,Inc.(コロラド)からモデル3700シリーズの下で商業的に入手可能なタイプのようなACトロイダルコイルセンサー、Swagelok Company(オハイオ)からモデルCR−288の下で商業的に入手可能なタイプのようなRIディテクタ、およびMesa Laboratories, Inc.(コロラド)から商業的に入手可能なタイプのような音響認識(acoustic signature)センサーを含む、無電極導電率プローブおよび/または屈折率(RI)ディテクタである。
【0023】
フローライン22は、濃度モニターユニット16の出口と三方バルブ24の入口を接続する。好ましくは、三方バルブは以下に記載する方法で、ユニット16によって提供される濃度測定値に基づき、コントローラー110によって自動的に制御される電子バルブである。再循環ライン26は、バルブ24の出口と接続し、タンク2の入口まで延び、(以下に記載するような)通常のシステム動作の間にオーバーフローライン8からタンクに戻る溶液の再循環を容易にする。ドレーンライン28は、バルブ24の他の出口から延び、溶液内の1つ以上の成分濃度が目標範囲から外れる場合に、タンク2からの溶液の除去(ライン8および/またはライン14を介して)を容易にする。
【0024】
再循環フローライン26は、任意の適当な数およびタイプの温度、圧力および/または流量センサー、ならびにタンク2に再循環して戻る際の溶液の加熱、温度および流量の制御を容易にする1つ以上の適当な熱交換器を含んでもよい。再循環ラインは、システム動作の間にタンク内の溶液浴温度の制御に有用である。さらに、任意の適当な数のフィルターおよび/またはポンプ(例えば、ポンプ15に加えて)をフローライン26の途中に提供し、タンク2に再循環して戻る溶液の濾過および流量の制御を容易にすることができる。
【0025】
プロセス制御ブレンダーシステム10は、濃度モニターユニット16によって得られる濃度測定値に基づいてブレンダーユニットの構成要素およびドレーンバルブ12を自動的に制御するコントローラー110を含む。以下に示すように、コントローラーは、濃度モニターユニット16によって測定される、タンク2から出る洗浄溶液中の1つ以上の化合物の濃度に依存して、ブレンダーユニット100からの洗浄溶液の流量、およびタンク2からの洗浄溶液の排出または取り出しを制御する。
【0026】
コントローラー110は(図1中に破線で示すように)、ドレーンバルブ12、濃度モニターユニット16、およびバルブ24、およびブレンダーユニット100の或る構成要素と、任意の適当な電気配線または無線通信リンクを介して通信しており、濃度モニターユニットから受けとる測定データに基づいてブレンダーユニットおよびドレーンバルブの制御を容易にする。コントローラーは、比例−積分−微分(PID)フィードバック制御のような任意の1つ以上の適当なタイプのプロセス制御を実行するようにプログラム可能なプロセッサーを含んでもよい。プロセス制御ブレンダーシステムにおける用途に適当な典型的なコントローラーは、Siemens Corporation(ジョージア)から商業的に入手可能なPLC Simatic S7−300システムである。
【0027】
先述のように、ブレンダーユニット100は、水酸化アンモニウム、過酸化水素および脱イオン水(DIW)の供給流を独立に受け、これらは所望の濃度のこれらの化合物を持ったSC−1洗浄溶液を得るために適当な濃度および流量で互いに混合される。コントローラー110は、ブレンダーユニット100内でこれらの化合物それぞれの流を制御し、所望の最終的な濃度を達成し、さらにSC−1洗浄溶液の流量を制御して、タンク2中に洗浄浴を生成する。
【0028】
ブレンダーユニットの典型的な実施態様を図2に示す。特に、NHOH、HおよびDIWをブレンダーユニット100に供給するための供給ライン102、104および106それぞれは、逆止めバルブ111、113、115および逆止めバルブの下流に配置された電子バルブ112、114、116を含む。それぞれの供給ラインのための電子バルブはコントローラー110と通信して(例えば、電子配線または無線リンクを介して)、システム操作の間にコントローラーによる電子バルブの自動制御を容易にする。各NHOHおよびHの供給ライン102および104はそれぞれ、コントローラー110と通信し(電子配線または無線リンクを介して)、かつ第1の電子バルブ112、114の下流に配置される電子三方バルブ118、120と接続される。
【0029】
DIW供給ライン106は、電子バルブ116の下流に配置された圧力レギュレーター122を含み、システム100に入るDIWの圧力および流量を制御し、さらにライン106はレギュレーター122の下流で3つのフローラインに分岐する。メインライン106から延びる分岐したライン124は、分岐したラインの途中に配置され、かつ任意でコントローラー110によって制御される流量制御バルブ125を含み、さらにライン124は第1の静的ミキサー134と接続する。第2の分岐したライン126は、メインライン106から、NHOHフローライン102とも接続された三方バルブ118の入口へと延びる。さらに、第3の分岐したライン128は、メインライン106から、Hフラーライン104とも接続された三方バルブ120の入口へと延びる。したがって、NHOHおよびHフローラインのそれぞれのための三方バルブは、これらの流それぞれへのDIWの追加を容易にし、操作の間かつブレンダーユニットの静的ミキサーにおける互いの混合に先立って、蒸留水中の水酸化アンモニウムおよび過酸化水素の濃度を選択的に調節する。
【0030】
NHOHフローライン130は、水酸化アンモニウム供給ラインのための三方バルブの出口118と脱イオン水供給ラインの第1の分岐ライン124との間に、バルブ125と静的ミキサー134との間の位置で接続される。任意で、フローライン130は、コントローラー110によって自動的に制御され得る流量制御バルブ132を含み、第1の静的ミキサーに供給される水酸化アンモニウムの流量制御を向上させてもよい。第1の静的ミキサー134に供給される水酸化アンモニウムおよび脱イオン水はミキサー中で合併されて、混合され、かつ全体に均質な溶液を得る。フローライン135は第1の静的ミキサーの出口に接続されて延び、第2の静的ミキサー142と接続する。
【0031】
溶液中の水酸化アンモニウムの濃度を決定する1つ以上の適当な濃度センサー136(例えば、先述した任意のタイプの1つ以上の無電極センサーまたはRIディテクタ)がフローライン135の途中に配置されている。濃度センサー136は、コントローラー110と通信され、第1の静的ミキサーから出てくる溶液中の水酸化アンモニウムの測定された濃度を提供する。これは今度は、第2の静的ミキサー142への送達に先立ち、コントローラーによるNHOHおよびDIW供給ラインの一方および両方における任意のバルブの選択的かつ自動的な操作によって、この溶液中の水酸化アンモニウムの濃度の制御を容易にする。
【0032】
フローライン138は、H供給ラインと接続された三方バルブ120の出口と接続する。フローライン138は三方バルブ120から延び、単数または複数の濃度センサー136と第2の静的ミキサー142との間の位置でフローライン135と接続する。任意で、フローライン138は、コントローラー110によって自動的に制御され得る流量制御バルブ140を含み、第2の静的ミキサーに供給される過酸化水素の流量制御を向上させることができる。第2の静的ミキサーは、第1の静的ミキサー134から受けたDIW希釈NHOH溶液と、H供給ラインから流れてくるH溶液とを混合し、混合され、かつ全体に均質な水酸化アンモニウム、過酸化水素および脱イオン水のSC−1洗浄溶液を生成する。フローライン144は、混合された洗浄溶液を第2の静的ミキサーから受け、電子三方バルブ148の入口と接続する。
【0033】
洗浄溶液中の過酸化水素および水酸化アンモニウムのうちの少なくとも一方の濃度を測定する少なくとも1つの適当な濃度センサー146(例えば、先述した任意のタイプの1つ以上の無電極センサーまたはRIディテクタ)がバルブ148の上流で、フローライン144の途中に配置されている。単数または複数の濃度センサー146もコントローラー110と通信し、コントローラーによるNHOH、HおよびDIW供給ラインの1つ以上における任意のバルブの選択的かつ自動的な操作によって、今度は洗浄溶液中の水酸化アンモニウムおよび/または過酸化水素の濃度の制御を容易にするコントローラーに、測定された濃度情報を提供する。任意で、圧力レギュレーター147を、フローライン144の途中でセンサー146とバルブ148との間に配置し、洗浄溶液の圧力および流速を制御することができる。
【0034】
ドレーンライン150は、三方バルブ148の出口と接続する一方で、フローライン152は三方バルブ148の他の出口ポートから延びる。三方バルブはコントローラー110によって選択的かつ自動的に操作され、タンク2への送達のためにブレンダーから出る洗浄溶液の量、およびドレーンライン150へ送達される量の制御を容易にする。さらに、電子バルブ154はフローライン152の途中に配置されてコントローラー110によって自動的に制御され、さらにブレンダーユニットからタンク2への洗浄溶液の流を制御する。フローライン152は、タンク2へのSC−1洗浄溶液の送達のための図1に示すようなフローライン4となる。
【0035】
コントローラー110と組み合わされたブレンダーユニット100内に配置された一連の電子バルブおよび濃度センサーは、システム操作の間に変動する洗浄溶液の流量にて、タンクへの洗浄溶液の流量、および、洗浄溶液中の過酸化水素および過酸化アンモニウムの濃度の正確な制御を容易にする。さらに、タンク2のためのドレーンライン14の途中に配置される濃度モニターユニット16は、過酸化水素および過酸化アンモニウムの一方または両方の濃度が洗浄溶液について許容できる範囲から外れる場合、コントローラーに指示を与える。
【0036】
濃度モニターユニット16によってコントローラー110に提供される濃度測定値に基づいて、コントローラーは好ましくはタンクへの洗浄溶液の流量の変更を実行するように、そして、浴中のSC−1洗浄溶液の迅速な排出を容易にする一方、フレッシュなSC−1洗浄溶液をタンクに供給し、かくして洗浄溶液浴を規格または目標濃度範囲内に可及的速やかにもたらすためにドレーンバルブ12を開けるようにプログラムされる。過酸化水素および/または水酸化アンモニウムの濃度が許容される範囲(濃度モニターユニット16によって測定される)になるように一旦洗浄溶液がタンクから十分に排出されると、コントローラーはドレーンバルブ12を閉じるように、そして流速を減じる(または止める)一方で、タンク2に送達される洗浄溶液中で所望の化合物濃度を維持するためにブレンダーユニットを制御するようにプログラムされる。
【0037】
先述の、および図1および2に示したシステムを操作する方法の典型的な実施態様を以下に示す。この典型的な実施態様において、洗浄溶液を連続的にタンクに提供するか、または代替的に、選択された時間だけ(例えば、洗浄溶液がタンクから排出されたとき)タンクに提供してもよい。およそ0.01〜29重量%の範囲、好ましくはおよそ1.0重量%の濃度の水酸化アンモニウム、およびおよそ0.01〜31重量%の範囲、好ましくはおよそ5.5重量%の濃度の過酸化水素を有するSC−1洗浄溶液が、ブレンダーユニット100中で調製され、タンク2に提供される。洗浄タンク2は、およそ30リットルの洗浄溶液浴をタンク内でおよそ25℃ないしおよそ125℃の範囲の温度にて維持するように構成される。
【0038】
操作に当り、タンク2を洗浄溶液で最大限まで充填したら、システム動作の間にブレンダーが連続的に、または代替的に選択された時間で溶液を提供できる場合は、コントローラー110はブレンダーユニット100を制御し、およそ0〜10リットル/分(LPM)の第1の流量にて、フローライン4を介してタンク2へ洗浄溶液を提供する。溶液が連続的に提供される場合、典型的な第1の流量はおよそ0.001LPMないしおよそ0.25LPM、好ましくはおよそ0.2LPMである。水酸化アンモニウム供給ライン102は、およそ29〜30重量%のNHOHの仕込み供給をブレンダーユニットに提供する一方で、過酸化水素供給ライン104は、およそ30重量%のHの仕込み供給をブレンダーユニットに提供する。およそ0.2LPMの流量において、ブレンダーユニットの供給ラインの流量は、所望の水酸化アンモニウムおよび過酸化水素の濃度を持った洗浄溶液を提供することを保証するために次の通りに設定することができる:およそ0.163LPMのDIW、およそ0.006LPMのNHOH、およびおよそ0.031LPMのH
【0039】
任意で、添加剤(例えば、APS)を供給ライン6を介して添加してもよい。この操作の段階において、フレッシュなSC−1洗浄溶液の連続的な流を、ブレンダーユニット100からタンク2へ第1の流量で提供することができる一方で、洗浄浴からの洗浄溶液を、オーバーフローライン8を介して一般的に同じ流量(すなわち、およそ0.2LPM)にてタンク2から出すことができる。したがって、タンクへの、およびタンクからの洗浄溶液の、同じまたは一般的に同様の流量により、洗浄溶液浴の体積は比較的一定に維持される。オーバーフローした洗浄溶液はドレーンライン14に流入し、濃度モニターユニット16を通り、ここで、洗浄溶液中の1つ以上の化合物(例えば、Hおよび/またはNHOH)の濃度測定が、連続的または選択された時間で測定され、その濃度測定値はコントローラー110に提供される。
【0040】
任意で、タンク2から流れる洗浄溶液が再循環ライン26を通って流れ、選択された流量(例えば、およそ20LPM)でタンクに戻るようにバルブ24を調節することによって洗浄溶液を循環させてもよい。このような操作において、洗浄溶液中の1つ以上の化合物の濃度が選択された目標範囲から外れない限りは、洗浄溶液がブレンダーユニットからタンクへ全く送達されないようにブレンダーユニット100を制御してもよい。代替的に、ライン26を通した洗浄溶液の再循環と組合せて、ブレンダーユニットによって選択された流量(例えば、およそ0.20LPM)にて、洗浄溶液を提供してもよい。この代替的な操作の実施態様において、三方バルブ24を調節して(例えば、コントローラー110によって自動的に)、ブレンダーユニットによってタンクに提供される洗浄溶液とおよそ等しい流量で、ライン28への洗浄溶液の除去を容易にする一方で、洗浄溶液をなお再循環ライン26を通して流すことができる。さらなる代替案においては、バルブ24を閉じて、ライン26を通る流体のあらゆる再循環を防ぐことができる一方で、ブレンダーユニット100によって(例えば、およそ0.20LPMにて)洗浄溶液をタンク2に連続的に提供する。この応用において、溶液は、ブレンダーユニットからタンクへ入る流体の流量とおよそ等しいか、または同じような流量にて、ライン8を介してタンクから出る。
【0041】
洗浄溶液が連続的にタンクに提供される用途については、濃度モニターユニット16によって提供される測定された濃度が許容されるな範囲内である限りは、コントローラー110は、ブレンダーユニット100からタンク2への洗浄溶液の流量を第1の流速で、ならびに過酸化水素および水酸化アンモニウムの濃度を選択された範囲内で維持する。洗浄溶液がブレンダーユニットからタンクに連続的に提供されない用途については、過酸化水素および/または水酸化アンモニウムの濃度が選択された濃度範囲から外れるまで、コントローラー110はこの状態の操作(例えば、ブレンダーユニットからタンクへの洗浄溶液が全く無い)を維持する。
【0042】
濃度モニターユニット16によって測定される過酸化水素および水酸化アンモニウムのうちの少なくとも一方の濃度が、許容される範囲から外れる場合(例えば、測定されたNHOHの濃度が目標濃度と比較しておよそ1%の範囲から外れ、および/または測定されたHの濃度が目標濃度と比較しておよそ1%の範囲から外れる)、コントローラーは先述のブレンダーユニット100における任意の1つ以上のバルブを調節または操作し、(洗浄溶液中のNHOHおよびHの濃度を選択された範囲内で維持する一方で)ブレンダーユニットからタンク2への洗浄溶液の流量を第2の流量まで開始または増大させる。
【0043】
第2の流量はおよそ0.001LPNないしおよそ20LPMの範囲内にあり得る。連続的な洗浄溶液操作について、典型的な第2の流量はおよそ2.5LPMである。さらに、コントローラーはタンク2においてドレーンバルブ12を開き、およそ等しい速度でタンクからの洗浄溶液の流れを容易にする。およそ2.5LPMの流量において、ブレンダーユニットの供給ラインの流量は、所望の濃度の水酸化アンモニウムおよび過酸化水素を持った洗浄溶液が提供されることを保証するために次の通りに設定することができる:およそ2.04LPMのDIW、およそ0.070LPMのNHOH、およびおよそ0.387LPMのH
【0044】
代替的に、洗浄溶液をライン28に逸らせてライン26には全く流入しないようにし、ブレンダーユニットが第2の流量を選択されたレベル(例えば、20LPM)に調節し、等しいまたは同じような流量で流体の除去を補うように、三方バルブ24を調節することによって、選択された流量(例えば、およそ20LPM)でタンクに再循環される洗浄溶液をシステムから除去する。かくして、タンクへの、およびタンクからの洗浄溶液の流量の増大の間に、タンク2内の洗浄溶液浴の体積を、比較的一定に維持することができる。さらに、タンク内のプロセス温度および循環流パラメータを、タンク内で選択された体積の溶液を置換するプロセスの間に維持することができる。
【0045】
コントローラーは、濃度モニターユニット16がコントローラーに対して許容できる範囲内の濃度測定値を与えるまで、第2の流量でタンク2への洗浄溶液の送達を維持する。濃度モニターユニット16による濃度測定値が許容できる範囲内にある場合、洗浄溶液浴は再び所望の洗浄化合物濃度に対応する。次にコントローラーはブレンダーユニット100を制御し、洗浄溶液をタンク2に第1の流量で提供し(または、ブレンダーユニットからタンクへ洗浄溶液を提供しない)、さらにコントローラーはドレーンバルブ12を閉位置に操作し、タンクからオーバーフローライン8のみを介した洗浄溶液の流れを容易にする。再循環ラインを使用する用途において、コントローラーは、洗浄溶液がライン14からライン26に流入しタンク2に戻るように三方バルブを操作する。
【0046】
したがって、先述のユースポイントでのプロセス制御ブレンダーシステムは、タンク中の化学溶液濃度を変更させるかもしれない潜在的な分解および/または他の反応に関わらず、処理またはプロセスの間に化学溶液タンク(例えば、ツールまたは溶液タンク)に送達される洗浄溶液中の少なくとも2つの化合物の濃度を有効かつ正確に制御することができる。システムは、タンク内の化学溶液が、望ましくないまたは許容されない1つ以上の化合物の濃度を持つと決定された場合は、フレッシュな化学溶液をタンクへ第1の流量で連続的に提供し、フレッシュな化学溶液によって、タンクの化学溶液を第1の流量よりも速い第2の流量で置換する。
【0047】
先述のユースポイントでのプロセス制御ブレンダーシステムは、先述のならびに図1および2に示した典型的な実施態様に限定されない。むしろ、このようなシステムを用いて、先述のタイプのような任意の2つ以上の混合物を、任意の半導体プロセスタンクまたは他の選択されたツールに化学溶液を提供する一方で、洗浄処理の間に化学溶液内の化合物の濃度を許容される範囲内で維持することができる。
【0048】
さらに、プロセス制御ブレンダーシステムを、任意に選択した数の単数または複数の溶液タンクおよび/または半導体プロセスツールの用途のために実施することができる。例えば、先述のコントローラーおよびブレンダーユニットを実施し、2つ以上の化合物の正確な濃度を持った化学溶液混合物を、2つ以上のプロセスツールに直接供給することができる。代替的に、コントローラーおよびブレンダーユニットを実施して、1つ以上の保持または貯蔵タンクに、このような化学溶液を供給してもよく、ここで貯蔵タンクは化学溶液を1つ以上のプロセスツールに供給するプロセス制御ブレンダーシステムは、単数または複数のタンク内で単数または複数の溶液の濃度をモニターし、溶液濃度が目標範囲から外れる場合は、溶液を置換するか、または当該タンクに補充することにより化学溶液中の化合物の濃度の正確な制御を提供する。
【0049】
プロセス制御ブレンダーシステムの設計および構成は、システムから化学溶液を提供される1つ以上の化学溶液タンクおよび/またはプロセスツールと実質的に極めて近接したシステムの配置を容易にする。特に、プロセス制御ブレンダーシステムを、製造施設(fab)またはクリーンルームの中もしくは近く、または代替的に、サブ−ファブ(sub−fab)ルーム中ではあるが、溶液タンクおよび/またはツールがクリーンルーム中に位置するところに近接して設置することができる。例えば、ブレンダーユニットおよびコントローラーを含むプロセス制御ブレンダーシステムを、溶液タンクまたはプロセスツールからおよそ30メートル以内、好ましくはおよそ15メートル以内、およびより好ましくはおよそ3メートル以内に設置することができる。さらに、プロセス制御ブレンダーシステムを1つ以上のツールと統合して、プロセスブレンダーシステムおよび単数または複数のツールを含んだ単一のユニットを形成してもよい。
【0050】
化学溶液をプロセスのために所望の濃度レベルで送達および維持する、新規なユースポイントでのプロセス制御ブレンダーシステムおよび関連する方法を記載したが、他の修飾、変形および変更は、ここで明らかにする教示の参照において、当業者に示唆されるであろうと思われる。それゆえに、全てのこのような変形、修飾および変更は、添付の請求項によって規定される範囲内であると信じられると解する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は、洗浄プロセスの間に洗浄溶液を調製して洗浄浴に送達するユースポイントでのプロセス制御ブレンダーシステムに接続される洗浄浴を含む半導体ウェーハ洗浄システムの典型的な実施態様の模式図である。
【図2】図2は、図1のプロセス制御ブレンダーシステムの典型的な実施態様の模式図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学溶液浴を所望の濃度で維持するブレンダーシステムであって、前記システムは、
少なくとも2つの化合物を受けてブレンドし、選択された濃度の化合物の混合物を含む溶液を、化学溶液浴の選択された体積を維持する少なくとも1つのタンクに送達するように構成されたブレンダーユニットと、
前記化学溶液浴中で前記少なくとも1つの化合物を選択された濃度範囲内に維持するように構成されたコントローラーと
を含み、前記コントローラーは、
前記タンクへ送達される溶液中で前記少なくとも1つの化合物の濃度を選択された濃度範囲内に維持するブレンダーユニットの動作、および
前記化学溶液浴内の前記少なくとも1つの化合物の濃度が目標範囲から外れる場合における、タンクに出入りする溶液の流量の変更
のうちの少なくとも一方を制御するブレンダーシステム。
【請求項2】
請求項1のシステムであって、システムの動作中に前記ブレンダーユニットが溶液を前記タンクに連続的に送達するシステム。
【請求項3】
請求項1のシステムであって、前記コントローラーが、化学溶液浴中の少なくとも1つの化合物の濃度が前記目標の範囲から外れる場合に、前記ブレンダーユニットから前記タンクへの溶液の流量を増大させ、前記タンクからの化学溶液浴の流量の増大を容易にして、前記タンク内の溶液浴の選択された体積を維持するように構成されているシステム。
【請求項4】
請求項3のシステムであって、前記コントローラーが、前記ブレンダーユニットから前記タンクへの溶液の流量が増大する間に、前記タンクに接続されたドレーンバルブの操作を制御して、前記タンクからの化学溶液の流量を増大させ、タンク内の化学溶液浴の選択された体積を維持するように構成されているシステム。
【請求項5】
請求項3のシステムであって、前記コントローラーと通信した濃度センサーをさらに含み、前記濃度センサーは、前記化学溶液浴の少なくとも1つの化合物の濃度を測定して、前記化学溶液浴中の少なくとも1つの化合物の濃度が前記目標範囲から外れる場合に、コントローラーに指示を与えるシステム。
【請求項6】
請求項3のシステムであって、前記コントローラーが、化学溶液浴中の少なくとも1つの化合物の濃度が前記目標範囲内である場合は、前記溶液中に前記少なくとも1つの化合物を選択された濃度範囲内で含む溶液を、ブレンダーから第1の流量でタンクに提供するように構成され、前記コントローラーが、化学溶液浴中の少なくとも1つの化合物の濃度が目標範囲から外れる場に、前記溶液中に前記少なくとも1つの化合物を選択された濃度範囲内で含む溶液を、前記ブレンダーから前記第1の流量よりも大きな第2の流量でタンクに提供するように構成されているシステム。
【請求項7】
請求項6のシステムであって、さらに、
過酸化水素を前記ブレンダーユニットに送達する第1の供給源と、
水酸化アンモニウムを前記ブレンダーユニットに送達する第2の供給源と
を含み、前記コントローラーは、前記ブレンダーユニットが溶液を前記タンクに第1および第2の流量で提供する一方で、前記タンクに送達される溶液中で、過酸化水素を第1の濃度範囲内で、および水酸化アンモニウムを第2の濃度範囲内で維持するように、前記ブレンダーユニットへの過酸化水素および水酸化アンモニウムの送達を、選択された濃度かつ異なる流量で制御するように構成されているシステム。
【請求項8】
請求項7のシステムであって、前記第1の流量がおよそ10リットル/分以下であり、前記第2の流量がおよそ20リットル/分以下であるシステム。
【請求項9】
請求項7のシステムであって、前記コントローラーは、前記化学溶液浴中で過酸化水素を第1の目標濃度からおよそ1%の範囲内で維持し、前記化学溶液浴中で過酸化アンモニウムを第2の目標濃度からおよそ1%の範囲内で維持するように、前記ブレンダーユニットならびに前記タンクへの溶液および前記タンクからの化学溶液の流量を制御するように構成されているシステム。
【請求項10】
請求項9のシステムであって、前記化学溶液浴中の過酸化水素の第1の目標濃度が、前記化学溶液浴のおよそ5.5重量%であり、前記化学溶液浴中の水酸化アンモニウムの第2の目標濃度が、前記化学溶液浴のおよそ1重量%であるシステム。
【請求項11】
請求項7によるシステムであって、さらに、
第3の化合物を前記化学溶液浴に送達する第3の供給源
を含み、前記第3の化合物が、過酸化水素および水酸化アンモニウムのうちの少なくとも一方を分解するシステム。
【請求項12】
請求項1のシステムであって、前記ブレンダーユニットが、選択された濃度の化合物の混合物を複数のタンクに提供するように構成されているシステム。
【請求項13】
タンクを含む半導体ツールであって、前記半導体ツールは半導体構成要素を加工するように構成されているものと、
ブレンダーシステムであって、
少なくとも2つの化合物を受けてブレンドし、選択された濃度の化合物の混合物を含む溶液をタンクに送達するように構成され、前記タンクが化学溶液浴の選択された体積を維持するところのブレンダーユニット、および
前記化学溶液浴中で少なくとも1つの化合物を選択された濃度範囲内に維持するように構成されたコントローラー
を含み、前記コントローラーは、
前記タンクへ送達される溶液中で前記少なくとも1つの化合物の濃度を選択された濃度範囲内に維持する前記ブレンダーユニットの動作、および
前記化学溶液浴中の少なくとも1つの化合物の濃度が目標範囲から外れる場合における、前記タンクに出入りする溶液の流量の変更
のうちの少なくとも一方を制御する
ブレンダーシステムと
を含む半導体加工システム。
【請求項14】
請求項13のシステムであって、前記ブレンダーシステムが前記プロセスツールと実質的に極めて近接しているシステム。
【請求項15】
化学溶液をタンクに提供する方法であって、
少なくとも2つの化合物をブレンダーユニットに提供して、前記少なくとも2つの化合物の混合溶液を選択された濃度で生成し、
前記混合溶液を前記ブレンダーユニットからタンクに提供して、前記タンク内に化学溶液浴を生成し、ここで、前記化学溶液浴は選択された体積を持ち、
前記化学溶液浴中の少なくとも1つの化合物の濃度を、
前記タンクに送達される溶液中で前記少なくとも1つの化合物の濃度を選択された濃度範囲内に維持するように前記ブレンダーユニットを制御すること、および、
前記化学溶液浴中の前記少なくとも1つの化合物の濃度が目標範囲から外れる場合は、前記タンクに出入りする溶液の流量を変更すること
のうちの少なくとも一方によって、選択された濃度範囲に維持する
ことを含む方法。
【請求項16】
請求項15の方法であって、システム動作の間に前記ブレンダーユニットが溶液を前記タンクに連続的に送達する方法。
【請求項17】
請求項16の方法であって、前記化学溶液浴中の前記少なくとも1つの化合物の濃度が前記目標範囲から外れる場合に、前記ブレンダーユニットを制御して前記ブレンダーユニットから前記タンクへの溶液の流量を増大させ、そして前記タンクからの化学溶液浴の流量を増大させて、前記タンク内の化学溶液浴の前記選択された体積を維持する方法。
【請求項18】
請求項17の方法であって、前記タンクに接続されたドレーンバルブを開くことによって、前記タンクからの化学溶液浴の流量を増大させる方法。
【請求項19】
請求項17の方法であって、さらに、
前記化学溶液浴の少なくとも1つの化合物の濃度を測定し、
前記化学溶液浴の少なくとも1つの化合物の測定された濃度に基づいて、前記化学溶液浴中の少なくとも1つの化合物を選択された濃度範囲内に維持するように、ブレンダーユニットと、タンクからの化学溶液浴の流速とを自動的に制御する
ことを含む方法。
【請求項20】
請求項17による方法であって、前記化学溶液浴中の少なくとも1つの化合物の濃度が前記目標範囲内である場合は、溶液中に少なくとも1つの化合物を選択された濃度範囲内で含む溶液を第1の流量で前記タンクに提供するように前記ブレンダーユニットを制御し、前記化学溶液浴中の少なくとも1つの化合物の濃度が前記目標範囲から外れる場合は、溶液中に少なくとも1つの化合物を選択された濃度範囲内で含む溶液を前記第1の流量よりも大きな第2の流速で前記タンクに提供するように前記ブレンダーユニットを制御する方法。
【請求項21】
請求項20の方法であって、前記ブレンダーユニットに少なくとも2つの化合物を提供することが、
前記ブレンダーユニットに過酸化水素を提供し、
前記ブレンダーユニットに水酸化アンモニウムを提供する
ことを含み、溶液を前記タンクに第1および第2の流量で提供する一方で、前記タンクへ送達される溶液中で、過酸化水素を第1の濃度範囲内で、および水酸化アンモニウムを第2の濃度範囲内で維持するように前記ブレンダーユニットへの過酸化水素および水酸化アンモニウムの送達ならびに前記ブレンダーユニットの動作を制御する方法。
【請求項22】
請求項21の方法であって、前記第1の流量がおよそ10リットル/分以下であり、前記第2の流量がおよそ20リットル/分以下である方法。
【請求項23】
請求項21の方法であって、前記化学溶液浴中の過酸化水素を第1の目標濃度からおよそ1%の範囲内で維持し、化学溶液浴内で過酸化アンモニウムを第2の目標濃度からおよそ1%の範囲内で維持するように、前記ブレンダーユニットならびに前記タンクへの溶液および前記タンクからの化学溶液浴の流量を制御する方法。
【請求項24】
請求項21の方法であって、前記化学溶液浴中の過酸化水素の前記第1の目標濃度が、前記化学溶液浴のおよそ5.5重量%であり、前記化学溶液浴中の水酸化アンモニウムの前記第2の目標濃度が、前記化学溶液浴のおよそ1重量%である方法。
【請求項25】
請求項20の方法であって、さらに、
前記化学溶液浴に第3の化合物を配送する
ことを含み、前記第3の化合物は過酸化水素および水酸化アンモニウムのうちの少なくとも一方を分解する方法。
【請求項26】
請求項15の方法であって、前記タンクが半導体プロセスツールを含む方法。
【請求項27】
請求項26の方法であって、前記ブレンダーユニットが実質的にプロセスツールと極めて近接している方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−510556(P2009−510556A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−531810(P2008−531810)
【出願日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際出願番号】PCT/IB2006/002618
【国際公開番号】WO2007/034304
【国際公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(591036572)レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード (438)
【Fターム(参考)】