説明

ユーフォルビア・プロストラータを含有する組成物およびその調製方法

ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物を約0.1質量%〜約99質量%含有し、ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の有効平均粒径が、薬学的に許容しうる添加剤とともに,約500μm以下である経口医薬組成物と、痔核、肛門裂傷、裂肛、痔瘻、肛門周囲膿瘍および炎症性腸疾患等のような肛門直腸疾患および結腸疾患の治療に有用であるこのような組成物を調製する方法と、を提供する。さらに本発明の医薬組成物は、組成物が炎症を抑え、毛細血管の出血を予防し、哺乳類、特にヒトにおける脆弱性を予防する特性を有するような治療および/または予防有効量のユーフォルビア・プロストラータの投与を提供する。また組成物は、約2〜約7.5の生理的pHの範囲で、所望により界面活性剤を用いて、本明細書に記載の溶出方法に従って試験したときに、最初の15分間にユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の約50%以上を、および約60分間の全溶出試験の後にユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の約80%以上を、好ましくは放出する。好ましくは、本発明の組成物は、錠剤、小型錠剤、散剤、カプセル剤、ペレット剤、顆粒剤、ビーズ剤、圧粉成形錠剤等の剤形である。また、本発明は、痔核および結腸疾患を含む肛門直腸疾患の治療のための、このような組成物を使用する予防および/または治療方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物を約0.1質量%〜約99質量%含有し、ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の有効平均粒径が、薬学的に許容しうる添加剤とともに、約500μm以下である経口医薬組成物と、痔核、肛門裂傷、裂肛、痔瘻、肛門周囲膿瘍および炎症性腸疾患等のような肛門直腸疾患および結腸疾患の治療に有用であるこのような組成物を調製する方法と、に関する。さらに本発明の医薬組成物は、組成物が炎症を抑え、毛細血管の出血を予防し、哺乳類、特にヒトにおける脆弱性を予防する特性を有するような治療および/または予防有効量のユーフォルビア・プロストラータの投与を提供する。また組成物は、約2〜約7.5の生理的pHの範囲で、所望により界面活性剤を用いて、本明細書に記載の溶出方法に従って試験したときに、最初の15分間にユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の約50%以上を、および約60分間の全溶出試験の後にユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の約80%以上を、好ましくは放出する。好ましくは、本発明の組成物は、錠剤、小型錠剤、散剤、カプセル剤、ペレット剤、顆粒剤、ビーズ剤、成形体等の剤形である。また、本発明は、痔核および結腸疾患を含む肛門直腸疾患の治療のための、このような組成物を使用する予防および/または治療方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
様々な肛門直腸および結腸の疾患のうち痔核は重要な位置を占め、多くの臨床的研究の課題であった。痔核患は痛みのない出血によって特徴付けられる。新鮮な血班が排便時に即座に発生する。しかし痔核が二次感染されるか、または血栓症や肛門裂傷により複雑化した時に痛みが発生する。痔核はホルモン、遺伝子、炎症、感染、便秘、運動、血管鬱血、食習慣、遺伝的傾向、排便の物理的姿勢、加齢による結合組織の弾力性欠如等を含む種々の要因により発生しうる。もっとも広く認識されている兆候は出血、痛みおよび脱肛である(Hyams and Philpot,1970;Smith,1987)。これらは血栓症、そう痒炎、浮腫等を伴うことがある。痔核は、炎症や痛みの低減、止血、創傷治療、および血管壁の保護を介して治療することができる。従って急性の痔核発作の効果的な治療は、治療開始後2〜3日で早期に症状を緩和するだけでなく、そのような発作の再発を減らすことでもある。
【0003】
痔核の治療にはいくつかの手順が存在する。特許文献1では、そのような治療のための外科的縫合剤を開示している。外科的装置に関しては、例えば特許文献2などの特許が許可されており、特許文献3号は痔核の治療におけるレーザーの使用に関して許可されている。また痔核の治療のための低温薬物療法技術および電気化学的技術がそれぞれ特許文献4および特許文献5に特許として許可されている。しかしながら、上記技術の最大の欠点は単なる薬の処方を超える医療関係者の関与であり、入院の可能性である。またこれらのいくつかは、このような疾患の治療に使用する際、物理的および心理的に不快なものである。
【0004】
いくつかの特許(特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9および特許文献10)は、組織修復を促進し、炎症を低減し、そして創傷治癒を助けることによって症状を緩和するための、ある種の創傷治癒薬剤を含有する組成物に関して許可されている。これらのいくつか、例えば特許文献9および特許文献10は、抗菌薬剤を含有する。しかしこれらの組成物は熱、かゆみ、赤み、痛み、および腫れのような炎症に関連する症状を緩和するだけである。肛門直腸疾患(痔核を含む)の治療のための多くの組成物は、成分の麻酔特性および血管収縮特性に基づいているが、これらは一時的に症状緩和をもたらすに過ぎない。
【0005】
米国の特許(特許文献11;特許文献12;特許文献13;特許文献14;特許文献10および特許文献8)および欧州の特許(特許文献15および特許文献16)は、種々の成分を有する組成物に関して許可されている。これらの組成物は塩類、軟膏等の適切かつ許容可能な医薬的担体の形状で局所的適用のためのものであり、有機的、無機的、または生物学的に活性な薬剤を含有する。しかしながら、これらの組成物は一時的な緩和をもたらすに過ぎず、局所的適用に限られ、全身使用または経口投与には用いることができない。
【0006】
痔核の痛み、および胃腸管内に位置する括約筋および筋肉の痙攣に対する局所的治療は、許可済みの特許(特許文献17)に開示されており、これは薬学的に許容しうる担体中にアミノ酸L−アルギニンを含有する。別の特許文献18は、痔核治療用の食事補助食品の組成物に関して許可されている。この組成物は、60質量%〜95質量%のインドメギ(Indian Barberry);4.8質量%〜38質量%のナグケサル(Nagkesar);および0.2質量%〜2質量%のマルゴサ(Margosa)樹葉を含有する。別の特許文献19は、ザントキシルム・クラバヘルクリス L.(Xanthoxylum clava herculis L.)種およびザントキシルム・アメリカヌム Mill.(Xanthoxylum americanum Mill.)種の樹皮または果実の使用を開示しており、その両方はミカン科(yellow wood tree family)に帰属し、痔核や他の細胞膜、ならびに静脈および動脈の毛細血管疾患の治療に用いられる。静脈、動脈、およびそれらの構成組織の強度および柔軟性の改善が得られる。
【0007】
特許文献20およびいくつかの他の特許(特許文献21;特許文献22;特許文献23;特許文献24;特許文献25;特許文献26および特許文献27)は、肛門直腸および結腸疾患の治療のための、ユーフォルビア・プロストラータの抽出物を含むフラボノイドを含有する組成物に関し、本出願人に対して許可されている。最近、特許文献28が植物ユーフォルビア・プロストラータの抽出物を含有する組成物に関し、本出願人に対して許可されており、この組成物は痔核、肛門裂傷、裂肛、痔瘻、肛門周囲膿瘍および炎症性腸疾患等のような肛門直腸疾患および結腸疾患の治療に有用であり、特に薬学的に許容しうる担体/基剤を含み、所望により追加の治療薬剤を含む。
【0008】
先行技術のどこにおいても、ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物を約0.1質量%〜約99質量%含有する経口医薬組成物であって、ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物または医薬物質または有効成分の有効平均粒径が、薬学的に許容しうる添加剤とともに約500μm以下であり、また約2〜約7.5の生理的pHの範囲を採用し所望により界面活性剤を用いて本明細書に記載の溶出方法に従って試験したときに、好ましくは最初の15分間にユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の約50%以上を放出し、約60分間の全溶出試験の後にユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の約80%以上を放出する組成物は開示されていない。本発明者らは、知的努力と注意深い実験の結果、痔核を含む肛門直腸疾患および結腸疾患を長期的に管理するための経口医薬組成物であって、投与に際し安全で苦痛がなく、かつ長期の有効性を有する組成物を調製した。本発明の組成物は、有効性および安全性を改善し、経済的に製造できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第88/03398号パンフレット
【特許文献2】欧州特許第0095142号明細書
【特許文献3】米国特許第4,621,635号明細書
【特許文献4】欧州特許第0091405号明細書
【特許文献5】欧州特許第0116688号明細書
【特許文献6】米国特許第4,160,148号明細書
【特許文献7】米国特許第4,508,728号明細書
【特許文献8】米国特許第4,797,392号明細書
【特許文献9】米国特許第4,518,583号明細書
【特許文献10】米国特許第5,234,914号明細書
【特許文献11】米国特許第4,613,498号明細書
【特許文献12】米国特許第4,626,433号明細書
【特許文献13】米国特許第5,166,132号明細書
【特許文献14】米国特許第5,219,880号明細書
【特許文献15】欧州特許第0225832号明細書
【特許文献16】欧州特許第0513442号明細書
【特許文献17】米国特許第5,595,753号明細書
【特許文献18】米国特許第5,591,436号明細書
【特許文献19】米国特許第5,562,906号明細書
【特許文献20】インド国特許第186803号明細書
【特許文献21】オーストラリア国特許第698407号明細書
【特許文献22】中国特許第CN1102387C号明細書
【特許文献23】欧州特許第868914号明細書
【特許文献24】ロシア国特許第2174396号明細書
【特許文献25】南アフリカ国特許第97/2900号明細書
【特許文献26】韓国特許第281679号明細書
【特許文献27】米国特許第5,858,371号明細書
【特許文献28】米国特許第7,371,412号明細書
【発明の概要】
【0010】
本発明の1つの目的は、ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物を約0.1質量%〜約99質量%含有し、前記ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の有効平均粒径が約500μm以下である、痔核、肛門裂傷、裂肛、痔瘻、肛門周囲膿瘍および炎症性腸疾患等のような肛門直腸または結腸疾患の治療のための経口医薬組成物であって、フラボノイド約3質量%〜約9質量%と、フェノール化合物約10質量%〜約50質量%と、他の化合物約41質量%〜約87質量%とを、薬学的に許容しうる添加剤とともに含有し、前記フラボノイドは、アピゲニン−7−グリコシド,1〜5質量%;ルテオリン−7−グリコシド,0.3〜4質量%;ならびに、アピゲニン、ルテオリンおよびケルセチン,0.01〜1質量%等を含有し、前記フェノール化合物は、エラグ酸,1〜15質量%;没食子酸,1〜12質量%;およびタンニン,1〜10質量%等含有し、ならびに、前記組成物は、約2〜約7.5の生理的pHの範囲で、所望により界面活性剤を用いて、本明細書に記載の溶出方法に従って試験したときに、最初の15分間にユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の約50%以上を、および約60分間の全溶出試験の後にユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の約80%以上を、好ましくは放出する、経口医薬組成物を提供することである。
【0011】
本明細書中に記載される「ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物」は、植物ユーフォルビア・プロストラータを温度および湿度の制御された条件下で乾燥し、乾燥した植物から粉末を作成し、乾燥した粗末を極性溶媒で繰り返し抽出して抽出物を作製し、抽出物を蒸留し、所望により濃縮した抽出物を非極性有機溶媒で洗浄し、所望により濃縮した抽出物を中極性溶媒で再抽出し、および洗浄した抽出物を乾燥して所望の薬学的に許容しうる抽出物を製造することによって調製される。
【0012】
本発明の1つの目的は、ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物を約0.1質量%〜約99質量%含有し、前記ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の有効平均粒径が約350μm以下である、痔核、肛門裂傷、裂肛、痔瘻、肛門周囲膿瘍および炎症性腸疾患等のような肛門直腸または結腸疾患の治療のための経口医薬組成物であって、フラボノイド約3質量%〜約9質量%と、フェノール化合物約10質量%〜約50質量%と、他の化合物約41質量%〜約87質量%とを、薬学的に許容しうる添加剤とともに含有し、前記フラボノイドは、アピゲニン−7−グリコシド,1〜5質量%;ルテオリン−7−グリコシド,0.3〜4質量%;ならびにアピゲニン、ルテオリンおよびケルセチン,0.01〜1質量%;等を含有し、前記フェノール化合物は、エラグ酸1〜15質量%;没食子酸1〜12質量%;およびタンニン,1〜10質量%;等を含有し、ならびに、前記組成物は、約2〜約7.5の生理的pHの範囲で、所望により界面活性剤を用いて、本明細書に記載の溶出方法に従って試験したときに、最初の15分間にユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の約50%以上を、および約60分間の全溶出試験の後にユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の約80%以上を、好ましくは放出する、経口医薬組成物を提供することである。
【0013】
本発明の1つの目的は、ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物を約0.1質量%〜約99質量%含有し、前記ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の有効平均粒径が約250μm以下である、痔核、肛門裂傷、裂肛、痔瘻、肛門周囲膿瘍および炎症性腸疾患等のような肛門直腸または結腸疾患の治療のための経口医薬組成物であって、前記フラボノイド約3質量%〜約9質量%と、フェノール化合物約10質量%〜約50質量%と、他の化合物約41質量%〜約87質量%とを、薬学的に許容しうる添加剤とともに含有し、前記フラボノイドは、アピゲニン−7−グリコシド,1〜5質量%;ルテオリン−7−グリコシド,0.3〜4質量%;ならびにアピゲニン、ルテオリンおよびケルセチン,0.01〜1質量%;等を含有し、前記フェノール化合物は、エラグ酸1〜15質量%;没食子酸1〜12質量%;およびタンニン,1〜10質量%;等を含有し、ならびに、前記組成物は、約2〜約7.5の生理的pHの範囲で、所望により界面活性剤を用いて、本明細書に記載の溶出方法に従って試験したときに、最初の15分間にユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の約50%以上を、および約60分間の全溶出試験の後にユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の約80%以上を、好ましくは放出する、経口医薬組成物を提供することである。
【0014】
本発明の1つの目的は、ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物を約0.1質量%〜約99質量%含有し、前記ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の有効平均粒径が約500μm以下である、痔核、肛門裂傷、裂肛、痔瘻、肛門周囲膿瘍および炎症性腸疾患等のような肛門直腸または結腸疾患の治療のための経医薬組成物であって、フラボノイド約3質量%〜約9質量%と、フェノール化合物約10質量%〜約50質量%と、他の化合物約41質量%〜約87質量%とを、本明細書に記載の薬学的に許容しうる添加剤とともに含有し、前記フラボノイドはアピゲニン−7−グリコシド,1〜5質量%;ルテオリン−7−グリコシド,0.3〜4質量%;ならびにアピゲニン、ルテオリンおよびケルセチン,0.01〜1質量%等を含有し、前記フェノール化合物は、エラグ酸,1〜15質量%;没食子酸,1〜12質量%;およびタンニン,1〜10質量%;等を含有する経口医薬組成物の調製方法であって、以下の工程を含む調製方法を提供することである:
(i)抽出物を乾燥し、所望の薬学的に許容しうる抽出物を製造する工程、
(ii)工程(i)において得た乾燥抽出物を薬学的に許容しうる添加剤と混合する工程、
(iii)工程(ii)において得た混合物を適切な剤形に製剤する工程。
【0015】
本発明のさらに別の目的は、痔核、肛門裂傷、裂肛、痔瘻、肛門周囲膿瘍および炎症性腸疾患等のような肛門直腸または結腸疾患の治療のための、そのような医薬組成物の使用方法を提供することである。
【0016】
ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物を用いて痔核および結腸疾患を含む肛門直腸疾患を治療するための、本発明の組成物および方法は、長期的な有効性と低い脱肛率を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は経口投与可能な組成物を提供する。本発明は痔核に関連する痛みの緩和を提供する。また本発明は出血を有意に減少させ、そして影響を受けた痔核組織における組織再生を促進させる。本発明は、肛門直腸部分の痔核以外の、損傷の治療に有用であり、いくつかのタイプの剤形に製剤しうる。組成物をヒトに用いることによる副作用は無い。植物ユーフォルビア・プロストラータ(科:トウダイグサ科)は痔核を含む肛門直腸および結腸疾患の研究において関連性があるものとして認定されている。ユーフォルビア・プロストラータは喘息、出血性赤痢および痛みの治療に用いられるインドの伝統薬としてよく知られている。
【0018】
本発明の1つの実施形態では、ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物を約0.1質量%〜約99質量%含有し、前記ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の有効平均粒径が約500μm以下である、痔核、肛門裂傷、裂肛、痔瘻、肛門周囲膿瘍および炎症性腸疾患等のような肛門直腸または結腸疾患の治療のための経口医薬組成物であって、フラボノイド約3質量%〜約9質量%と、フェノール化合物約10質量%〜約50質量%と、他の化合物約41質量%〜約87質量%とを、薬学的に許容しうる添加剤とともに含有し、前記フラボノイドは、アピゲニン−7−グリコシド,1〜5質量%;ルテオリン−7−グリコシド,0.3〜4質量%;ならびにアピゲニン、ルテオリンおよびケルセチン,0.01〜1質量%;等を含有し、前記フェノール化合物は、エラグ酸,1〜15質量%;没食子酸,1〜12質量%;およびタンニン,1〜10質量%;等を含有し、ならびに、前記組成物は、約2〜約7.5の生理的pHの範囲で、所望により界面活性剤を用いて、本明細書に記載の溶出方法に従って試験したときに、最初の15分間にユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の約50%以上を、および約60分間の全溶出試験の後にユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の約80%以上を、好ましくは放出する、経口医薬組成物を提供する。
【0019】
本明細中に記載される「ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物」は、植物ユーフォルビア・プロストラータを温度および湿度の制御された条件下で乾燥し、乾燥した植物から粉末を作成し、乾燥した粗末を極性溶媒で繰り返し抽出して抽出物を作製し、抽出物を蒸留し、所望により濃縮した抽出物を非極性有機溶媒で洗浄し、所望により濃縮した抽出物を中極性溶媒で再抽出し、および洗浄した抽出物を乾燥して所望の薬学的に許容しうる抽出物を製造することによって調製される。
【0020】
本発明の別の実施形態では、ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物を約0.1質量%〜約99質量%含有し、前記ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の有効平均粒径が約350μm以下である、痔核、肛門裂傷、裂肛、痔瘻、肛門周囲膿瘍および炎症性腸疾患等のような肛門直腸または結腸疾患の治療のための経口医薬組成物であって、フラボノイド約3質量%〜約9質量%と、フェノール化合物約10質量%〜約50質量%と、他の化合物約41質量%〜約87質量%とを、薬学的に許容しうる添加剤とともに含有し、前記フラボノイドは、アピゲニン−7−グリコシド,1〜5質量%;ルテオリン−7−グリコシド,0.3〜4質量%;ならびにアピゲニン、ルテオリンおよびケルセチン,0.01〜1質量%;等を含有し、前記フェノール化合物は、エラグ酸,1〜15質量%;没食子酸,1〜12質量%;およびタンニン,1〜10質量%;等を含有し、ならびに、前記組成物は、約2〜約7.5の生理的pHの範囲で、所望により界面活性剤を用いて、本明細書に記載の溶出方法に従って試験したときに、最初の15分間にユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の約50%以上を、および約60分間の全溶出試験の後にユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の約80%以上を、好ましくは放出する、経口医薬組成物を提供する。
【0021】
本発明の1つの実施形態では、ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物を約0.1質量%〜約99質量%含有し、前記ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の有効平均粒径が約250μm以下である、痔核、肛門裂傷、裂肛、痔瘻、肛門周囲膿瘍および炎症性腸疾患等のような肛門直腸または結腸疾患の治療のための経口医薬組成物であって、フラボノイド約3質量%〜約9質量%と、フェノール化合物約10質量%〜約50質量%と、他の化合物約41質量%〜約87質量%とを、薬学的に許容しうる添加剤とともに含有し、前記フラボノイドは、アピゲニン−7−グリコシド,1〜5質量%;ルテオリン−7−グリコシド,0.3〜4質量%;ならびにアピゲニン、ルテオリンおよびケルセチン,0.01〜1質量%;等を含有し、前記フェノール化合物は、エラグ酸,1〜15質量%;没食子酸,1〜12質量%;およびタンニン,1〜10質量%;等を含有し、ならびに、前記組成物は、約2〜約7.5の生理的pHの範囲で、所望により界面活性剤を用いて、本明細書に記載の溶出方法に従って試験したときに、最初の15分間にユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の約50%以上を、および約60分間の全溶出試験の後にユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の約80%以上を、好ましくは放出する、経口医薬組成物を提供する。
【0022】
医薬組成物は、薬学的に許容しうる添加剤および周知技術を用いて、各種の剤形に製剤されうる。本発明の医薬品剤形は、錠剤(コーティングされた、またはコーティングされていない)、チュアブル錠、小型錠剤、トローチおよびローゼンジ、サチェット剤、カプセル剤(硬質または軟質)、カプセルに充填された小型錠剤/錠剤、顆粒剤、液剤、懸濁剤、散剤、舌下剤、カシェ剤、カプレット剤ならびに他の経口投与に適した剤形から選択される剤形でありうるが、それに限定されない。1つの実施形態では、組成物はユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物を、薬学的に許容しうる添加剤とともに、またはそれなしで、溶媒または溶媒の混合物中に溶出または分散させ、そして溶液または分散液を不活性なビーズ、スフィア、コア、種、粒子または核の上に塗布し、積層し、または吹き付けることによって調製しうる。有用な不活性なビーズ、スフィア、コア、種、粒子または核は、シュガースフィア、乳糖等、およびそれらの混合物のような水溶性物質を制限無く含みうるがそれに限定されない。また不活性なビーズ、スフィア、コア、種、粒子または核は、微結晶セルローススフィア等のセルロース、ガラスビーズ、プラスチック粒子のような水不溶性物質と、炭酸カルシウム、第二リン酸カルシウム無水物、第二リン酸カルシウム一水和物、三塩基リン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、および酸化マグネシウム等のような不水溶性または部分可溶性無機物質、およびそれらの混合物を制限無く含みうるがそれに限定されない。本発明の好ましい実施形態では、組成物は錠剤の形状に製剤される。錠剤は、直接粉末圧縮法、乾式顆粒圧縮法(スラッグ法)または湿式造粒法のいずれかによって調製されうる。本発明の好ましい実施形態では、経口組成物は、当業者に周知の添加剤を用いて、直接粉末圧縮法/圧粉法、スラッグ法、押出し法、モールディング法等によって、調製される。また、組成物は、水性/極性溶媒、非水性/有機溶媒またはこれらの混合物のいずれかを用いてもよい、湿式造粒法によって調製されてもよい。用いられる非水性溶媒はエタノール、イソプロピルアルコール、塩化メチレン、またはアセトンを含む群から選択されるがそれに限定されない。1つの実施形態では、本発明の組成物は、圧粉成形錠/小型錠、圧縮成形錠/小型錠、またはモールド成形錠/小型錠、コーティング錠/小型錠等の形状に製剤されうる。別の実施形態では、コーティング錠/小型錠は、所望により、有効成分の一部または全部をコーティング組成物中に含みうる。本発明の1つの実施形態では、適切な有機溶媒系は、メタノール、エタノール、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、イロプロパノール、1−ペンタノール、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酢酸イロプロピル、酢酸イソブチル、エチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ギ酸エチル、クロロホルム、ジクロロメタン等またはこれらの混合物から選択されるがそれに限定されない。
【0023】
1つの実施形態では、ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の調製の方法のために本発明において用いられる極性溶媒は、単独でまたは組合せて使用される、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロパノールおよび水等を含む群から選択されるがそれに限定されない。さらに別の実施形態では、ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の調製の方法のために本発明において用いられる非極性有機溶媒は、単独でまたは組合せて使用される、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、石油エーテル、クロロホルム、ジクロロメタンおよびジクロロエタン等を含む群から選択されるがそれに限定されない。1つの実施形態では、中極性有機溶媒は、単独でまたは組合せて使用される、酢酸エチル、エチルメチルケトンおよびブタノール等から選択されるがそれに限定されない。
【0024】
本発明の組成物中に用いられる薬学的に許容しうる添加剤は、単独でまたは組合せて用いられる、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、デンプン、微結晶セルロース、キシリトール、フラクトース、ショ糖、デキストロース、第二リン酸カルシウム、硫酸カルシウムのような希釈剤;崩壊剤;結合剤;充填剤;イスパグラフスク(ispaghura husk)のような増量剤;有機酸;着色剤;安定剤;保存剤;滑沢剤;流動促進剤;キレート剤;賦形剤;増量剤;安定剤;保存剤;グリセリン、各等級のポリエチレン酸化物、トランスクトール、およびグリコフロールのような溶解促進剤;pH調整剤;抗酸化剤;浸透圧調整剤;キレート剤;増粘剤;湿潤剤;乳化剤;酸;糖アルコール;還元糖;非還元糖;等のような当業者に周知の添加剤の群から選択されるがそれに限定されない。本発明で用いられる崩壊剤は、単独または組合せて用いられる、デンプン、またはその誘導体、完全にアルファ化したトウモロコシデンプン(Starch 1500)、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、等を含むがそれに限定されない。本発明で用いられる結合剤は、単独でまたは組合せて用いられる、ポリビニルピロリドン、デンプンまたはその誘導体、完全にアルファ化したトウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アラビアゴム粉末、ゼラチン等を含む群から選択されるが、これに限定されない。本発明で用いられる滑沢剤は、単独でまたは組合せて用いられる、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、硬化植物油脂、デンプンフマル酸ナトリウム等を含むがそれに限定されない。
【0025】
カプセル剤は、約25〜約300mgの、好ましくは約50〜約100mgの、ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物を、薬学的添加剤とともに含有する。同様に、錠剤は、約25〜約300mgの、好ましくは約50〜約100mgの、ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物を、他の医薬的添加剤とともに分散することによって調製されうる。1つの実施形態では、錠剤はコーティングされていても、またはコーティングされていなくてもよい。
【0026】
本発明の1つの実施形態では、カプセル剤は、1日あたり最高約300mgの乾燥抽出物、医薬物質または有効成分を上限として、服用してもよい。別の実施形態では、即座に分散可能で発泡性の剤形の顆粒剤は、ショ糖、マンニトール、重炭酸ナトリウムおよびクエン酸等のような添加剤を用いることによって調製される。
【0027】
他の実施形態では、組成物は、フィルムコーティングされた剤形として製剤される。フィルムコーティングに用いられるコーティング物質は、セルロースポリマー等またはこれらの混合物のような、従来使用されている物質から選択されるがそれに限定されない。コーティング用に従来から用いられている他の添加剤は、可塑剤、溶媒、滑沢剤、界面活性剤等またはこれらの混合物を含むがそれに限定されない。
【0028】
本発明の1つの実施形態では、ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物を、本明細書に記載の薬学的に許容しうる添加剤とともに含有する、痔核、肛門裂傷、裂肛、痔瘻、肛門周囲膿瘍および炎症性腸疾患のような肛門直腸または結腸疾患の治療のための経口医薬組成物の調製方法であって、以下の工程を含む調製方法が提供される:
(i)抽出物を乾燥し、所望の薬学的に許容しうる抽出物を製造する工程、
(ii)工程(i)において得た乾燥抽出物を薬学的に許容しうる添加剤と混合する工程、
(iii)工程(ii)において得た混合物を適切な剤形に製剤する工程。
【0029】
(溶出試験方法)
本発明による溶出試験方法(I)は、以下のパラメータを有する:
【表1】

【0030】
1つの実施例では、下記の実施例1に記載の、ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物を含有する組成物の溶出プロファイルは、以下のとおりである:
【表2】

【0031】
本発明の1つの実施形態では、ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物を薬学的に許容しうる添加剤とともに含む、痔核、肛門裂傷、裂肛、痔瘻、肛門周囲膿瘍および炎症性腸疾患等のような肛門直腸または結腸疾患の治療方法が提供される。
【0032】
さらなる実施形態では、痔核、肛門裂傷、裂肛、痔瘻、肛門周囲膿瘍および炎症性腸疾患等のような肛門直腸または結腸疾患の治療のための医薬組成物を調製するための、植物ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の使用が提供される。
【0033】
ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物を用いる、痔核および結腸疾患を含む肛門直腸疾患を治療するための本発明の組成物および治療方法は、長期的な有効性および低い脱肛率を提供する。その治療方法は、薬学的に許容しうる担体ならびにユーフォルビア・プロストラータから抽出されたフラボノイドおよびフェノール化合物の混合物を含有する組成物の有効量を経口投与する工程を含む。
【0034】
以下に示す実施例は本発明の実施形態を説明するためのものである。しかしながら、それらはいかなる場合も本発明の範囲を限定する意図はない。
【実施例1】
【0035】
【表3】

【0036】
手順:
(i)ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物、微結晶セルロースおよびマンニトールをメッシュサイズ#30のふるいにかけ、一緒に混合した。
(ii)アルファ化デンプンを、連続して攪拌しながら精製水中に分散させ、結合剤溶液を調製した。
(iii)工程(ii)の結合剤溶液を工程(i)の物質と混合し、顆粒剤を得て、その後その顆粒剤を乾燥した。
(iv)クロスカルメロースナトリウム、グリセロールジベヒネート、コロイダルシリカ無水物、ステアリン酸マグネシウム、クロスポビドンを、一緒にメッシュサイズ30のふるいにかけた。
(v)工程(iii)の乾燥した顆粒剤および工程(iv)の物質を10〜12分間一緒にブレンドした。
(vi)工程(v)のブレンドされた顆粒剤を圧縮して錠剤にした。
(vii)オパドライIIを精製水中に約45分間混合し、ベースコーティング溶液を調製した。
(viii)工程(vi)のコア錠剤を工程(vii)で得たベースコーティング溶液でコーティングした。
【実施例2】
【0037】
【表4】

【0038】
手順:
(i)ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物、ラクトース、および微結晶セルロースをメッシュサイズ#30のふるいにかけ、一緒に混合した。
(ii)ポリビニルピロリドンを連続的に攪拌しながら精製水中に分散させ結合剤溶液を調製した。
(iii)工程(ii)の結合剤溶液を工程(i)の物質と混合し、顆粒剤を得て、その後その顆粒剤を乾燥した。
(iv)デンプングリコール酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、コロイダルシリカ、無水物、ステアリン酸、クロスポビドンを一緒にメッシュサイズ30のふるいにかけた.
(v)工程(iii)の乾燥した顆粒剤および工程(iv)の物質を一緒に10〜12分間ブレンドした。
(vi)工程(v)のブレンドした顆粒剤を圧縮して錠剤にした。
(vii)オパドライIIを精製水中に約45分間混合してベースコーティング溶液を調製した。
(viii)工程(vi)のコア錠剤を工程(vii)で得たベースコーティング溶液でコーティングした。
(ix)オパドライambを精製水中に約45分間混合して最終コーティング溶液を調製した。
(x)工程(viii)のベースコーティングした錠剤を工程(ix)から得たフィルムコーティング溶液でコーティングした。
【実施例3】
【0039】
【表5】

【0040】
手順:
(i)ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物、微結晶セルロースおよびマンニトールをメッシュサイズ#30のふるいにかけ、一緒に混合した。
(ii)タルク、デンプングリコール酸ナトリウム、およびコロイド状二酸化ケイ素を個別に細かいふるいに通し、次に一緒に混合した。
(iii)工程(i)および(ii)の物質を混合した。
(iv)工程(iii)の物質を平均充填重量400mg±2%で、空のゼラチンカプセルに充填した。
(v)充填したカプセルを気密パッケージに詰めた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物を約0.1質量%〜約99質量%含有し、前記ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の有効平均粒径が約500μm以下である経口医薬組成物であって、
フラボノイド約3質量%〜約9質量%と、フェノール化合物約10質量%〜約50質量%と、他の化合物約41質量%〜約87質量%とを、薬学的に許容しうる添加剤とともに含有し、
前記フラボノイドは、アピゲニン−7−グリコシド,1〜5質量%;ルテオリン−7−グリコシド,0.3〜4質量%;ならびにアピゲニン、ルテオリンおよびケルセチン,0.01〜1質量%;等を含有し、
前記フェノール化合物は、エラグ酸,1〜15質量%;没食子酸,1〜12質量%;およびタンニン,1〜10質量%;等を含有し、ならびに
前記組成物は、約2〜約7.5の生理的pHの範囲で、所望により界面活性剤を用いて、本件明細書に記載の溶出方法に従って試験したときに、最初の15分間に前記ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の約50%以上を、および約60分間の全溶出試験の後に前記ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の約80%以上を、好ましくは放出する、経口医薬組成物。
【請求項2】
前記ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の有効平均粒径が、薬学的に許容しうる添加剤とともに、約350μm以下であり、
前記組成物は、約2〜約7.5の生理的pHの範囲で、所望により界面活性剤を用いて、本件明細書に記載の溶出方法に従って試験したときに、最初の15分間に前記ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の約50%以上を、および約60分間の全溶出試験の後に前記ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の約80%以上を、好ましくは放出する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の有効平均粒径が、薬学的に許容しうる添加剤とともに、約250μm以下であり、
前記組成物は、約2〜約7.5の生理的pHの範囲で、所望により界面活性剤を用いて、本件明細書に記載の溶出方法に従って試験したときに、最初の15分間に前記ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の約50%以上を、および約60分間の全溶出試験の後に前記ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物の約80%以上を、好ましくは放出する、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
薬学的に許容しうる添加剤を用いて、錠剤(コーティングされた、またはコーティングされていない)、チュアブル錠、小型錠剤、トローチおよびローゼンジ、サチェット剤、カプセル剤(硬質または軟質)、カプセルに充填された小型錠剤/錠剤、顆粒剤、液剤、懸濁剤、散剤、舌下剤、カシェ剤、カプレット剤、および経口投与に適した他の剤形、から選択される各種の剤形に製剤しうる、請求項1〜3のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記組成物はユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物を、薬学的に許容しうる添加剤とともに、またはそれなしで、溶媒または溶媒の混合物中に溶出または分散させ、そして前記溶液または分散液を不活性なビーズ、スフィア、コア、種、粒子または核の上に塗布し、積層し、または吹き付けることによって調製しうる、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
前記不活性なビーズ、スフィア、コア、種、粒子または核は、シュガースフィア、乳糖等およびそれらの混合物のような水溶性物質;微結晶セルローススフィア等のセルロース、ガラスビーズおよびプラスチック粒子のような水不溶性物質;炭酸カルシウム、第二リン酸カルシウム無水物、第二リン酸カルシウム一水和物、三塩基リン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、および酸化マグネシウムのような不水溶性または部分可溶性の無機物質;等ならびにこれらの混合物を含みうる、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物は、圧粉成形錠/小型錠、圧縮成形錠/小型錠、またはモールド成形錠/小型錠、コーティング錠/小型錠等の剤形に製剤される、請求項4に記載の組成物。
【請求項8】
前記コーティング錠/小型錠は、所望により、前記有効成分の一部または全部を前記コーティング組成物中に含みうる、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
本発明の前記組成物は、単独でまたは組合せて用いられる、希釈剤;崩壊剤;結合剤;充填剤;増量剤;有機酸;着色剤;安定剤;保存剤;滑沢剤;流動促進剤;キレート剤;賦形剤;増量剤;安定剤;保存剤;溶解促進剤;pH調整剤;抗酸化剤;浸透圧調整剤;キレート剤;増粘剤;湿潤剤;乳化剤;酸;糖アルコール;還元糖;非還元糖;等を含む群から選択される1種または2種以上の薬学的に許容しうる添加剤を含有する、請求項1〜8のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物を本件明細書に記載の薬学的に許容しうる添加剤とともに含有する、痔核、肛門裂傷、裂肛、痔瘻、肛門周囲膿瘍および炎症性腸疾患のような肛門直腸または結腸疾患の治療のための、請求項1に記載の経口医薬組成物の調製方法であって、以下の工程を含む調製方法:
(i)前記抽出物を乾燥し、前記所望の薬学的に許容しうる抽出物を製造する工程、
(ii)工程(i)において得た前記乾燥抽出物を薬学的に許容しうる添加剤と混合する工程、
(iii)工程(ii)において得た前記混合物を適切な剤形に製剤する工程。
【請求項11】
前記組成物の有効量を、それを必要とする患者に投与する工程を含む、請求項1に記載の医薬組成物の使用方法。
【請求項12】
痔核、肛門裂傷、裂肛、痔瘻、肛門周囲膿瘍および炎症性腸疾患等のような肛門直腸または結腸疾患の治療のために、ユーフォルビア・プロストラータの乾燥抽出物、医薬物質または有効成分を、薬学的に許容しうる添加剤とともに含有する、請求項11に記載の医薬組成物の使用方法。
【請求項13】
痔核、肛門裂傷、裂肛、痔瘻、肛門周囲膿瘍、炎症性腸疾患のような肛門直腸または結腸疾患を管理するための医薬品を調製するための、請求項1に記載の組成物の使用。
【請求項14】
実質的に本件明細書に記載され、実施例によって説明された医薬組成物および医薬組成物の調製方法。

【公表番号】特表2011−521942(P2011−521942A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−511168(P2011−511168)
【出願日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際出願番号】PCT/IN2009/000308
【国際公開番号】WO2009/144744
【国際公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(500445631)パナセア バイオテック リミテッド (29)
【Fターム(参考)】