説明

ライセンス数管理装置、ライセンス数管理方法及びライセンス数管理プログラム

【課題】 一定のライセンス数の範囲内において各デバイス間で柔軟に所定プログラムを実行できるようにする。
【解決手段】 USBメモリ4に格納されたアプリケーション及びそのライセンス情報を取得するアプリケーション管理部11を備えたMFP1であって、ライセンス情報から前記ライセンス数を抽出する手段と、MFP毎のプログラムの有効/無効データを、所定グループに属するすべてのMFPから抽出する手段と、有効/無効データ及びライセンス数に基づきグループにおけるプログラムの残ライセンス数を算出する手段と、残ライセンス数の範囲内において自己が取得したプログラムを有効に設定してその実行を許諾する手段と、無効化コードを他のデバイスに送信する手段と、無効化コードの受信に応じて自己が取得したプログラムを無効に設定してその実行を制限する手段と、からなる構成としてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のデバイスからなるグループに割り当てられたライセンス数の範囲内において合理的かつ柔軟にプログラムの実行を管理するライセンス数管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ、MFP(Multifunction Peripheral)、その他コンピュータが組み込まれた各種装置においては、その機能を拡張するためにアプリケーションプログラム(以下、単にアプリケーションと省略する。)と呼ばれるソフトウェアを利用する方法が一般的である。
従来、アプリケーションを利用するため、ユーザは、利用する端末の数分のアプリケーションを購入したうえで、各々アプリケーションをインストールする必要があった。
例えば、アプリケーションが記録されたCD−ROMやDVD等のプログラムメディアを必要数購入したり、ASP(Application Service Provider)のサーバ等を経由して利用端末毎にアプリケーションをダウンロードする必要があった。
【0003】
ただし、昨今、企業等においては、所謂ライセンスソフトウェアを購入し、効率的にアプリケーションを利用するケースが増えている。
例えば、同一のアプリケーションを企業内の複数のユーザ端末で共用する場合、予め共有プログラムメディアと一定数のライセンスを購入しておけば、一定数のプログラムメディアを購入した場合と同様にアプリケーションを利用することができる。
このようにライセンスソフトウェアの導入によって、企業など複数のユーザ端末を有するユーザは同じプログラムを複数部購入する必要が無くなる一方、プログラムの提供者側もプログラムを記録した媒体を多数準備する必要がなくなる等の合理化が図られ、利便性の向上や低価格化等のメリットがあるだけでなく、違法コピーも効果的に防止できる。
【0004】
しかしながら、ライセンス管理は煩わしく、特に、ユーザ端末を多く有する大企業等においては、専任者が必要となったり、他の業務に支障が生ずるなどの弊害もある。
このため、このようなライセンス管理を効果的に行うための方法等がいくつか提案されている(例えば、特許文献1、2、3、4参照)。
【0005】
特許文献1のソフトウェア使用許諾方法は、使用許諾の対象となるソフトウェアをその使用許諾量を示す使用権情報を含む使用管理プログラムに組み込んだうえで当該使用管理プログラムを記憶手段の待機エリアに格納するステップと、前記使用管理プログラムを前記記憶手段の実行エリアへ移行することにより前記ソフトウェアを使用するステップと、前記使用管理プログラムにより前記ソフトウェアの使用量を監視するステップと、前記ソフトウェアの使用量が前記使用許諾量に達した場合には、前記使用管理プログラムにより前記ソフトウェアの使用を制限するステップと、を有する方法となっている。
【0006】
また、特許文献2のクライアントライセンスの管理システムは、クライアント管理部にライセンス情報の有無を確認し、ライセンス情報があればプログラムを起動し、無い場合にはサーバ用ライセンス管理部に登録されている残ライセンス数をチェックし、残ライセンス数が1以上であればサーバ用ライセンス管理部の残ライセンス数を1減算し、クライアント用ライセンス管理部にライセンス情報を登録してプログラムを起動するようにしている。
また、残ライセンス数が0であれば、クライアント用ライセンス管理部によりクライアント用アプリケーションプログラムを起動しないように制御するようにしている。
【0007】
また、特許文献3のライセンス認証方法は、アプリケーションプログラムをコンピュータにインストールする際にライセンスを認証する方法であって、前記アプリケーションプログラムのライセンス数を管理するためのライセンス管理テーブルを参照してアプリケーションプログラムの前記コンピュータへのインストールが可能か否かを判定する判定ステップと、当該判定ステップによって前記アプリケーションプログラムの前記コンピュータへのインストールが可能であると判定された場合、当該アプリケーションプログラムをインストールし、一方、当該判定ステップによって前記アプリケーションプログラムの前記コンピュータへのインストールが不可であると判定された場合、当該アプリケーションプログラムのインストールを禁止するステップと、を有する方法となっている。
【0008】
また、特許文献4の管理サーバによれば、認証情報とライセンス数とを保管する手段と、クライアントがアプリケーションソフトウェアのインストールを開始するに際してクライアントから送信された認証情報と保管している認証情報とに基づいてクライアントを認証する手段と、認証に成功した場合に保管しているライセンス数を確認する手段と、ライセンス数が零の場合、アプリケーションソフトウェアのインストールを中止させ、他方、ライセンス数が1以上の場合、アプリケーションソフトウェアのインストールを続行させるとともに、保管しているライセンス数を1減算する手段と、を備えるようにしている。
【0009】
【特許文献1】特開2002−116834号公報
【特許文献2】特開2002−23882号公報
【特許文献3】特開2005−122283号公報
【特許文献4】特開2007−200075公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、以上のような従来提案されているライセンス管理方法等においては、以下の共通の問題を有している。
すなわち、特許文献1乃至特許文献4のいずれの技術によっても、ライセンス数が一定数に達している場合には、それ以上のアプリケーションプログラムの利用はできない。
このため、例えば、アプリケーションプログラムのライセンスが付与されているデバイスが万一故障した場合には、一定数のライセンス数の範囲であるにもかかわらずそのアプリケーションプログラムが利用できなくなるだけでなるといった問題が発生していた。
また、故障したデバイスの代替として別のデバイスを利用する場合には新たにライセンスを購入しなければソフトウェアの利用は出来なくないといった問題も生ずることとなっていた。
【0011】
本発明は、以上のような従来の技術が有する問題を解決するために提案されたものであり、与えられたライセンス数の範囲内において所定プログラムの無効化及び有効化を行うことによって、各デバイス間で柔軟にそのプログラムを実行することを可能とするライセンス数数管理装置、ライセンス数管理方法及びライセンス数管理プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明のライセンス数管理装置は、所定グループに属するデバイスであるとともに、前記グループに属する他のデバイスと接続されているライセンス数管理装置であって、所定操作に応じ、記憶手段に格納された所定のプログラム及びそのライセンス情報を取得するプログラム取得手段と、取得した前記ライセンス情報の中からライセンス数を抽出するライセンス数抽出手段と、デバイス毎の前記プログラムの有効/無効データを、所定グループに属するすべてのデバイスから抽出する有効/無効データ抽出手段と、前記有効/無効データ及びライセンス数に基づき、前記グループにおける前記プログラムの残ライセンス数を算出する残ライセンス数算出手段と、算出した前記残ライセンス数の範囲内において自己が取得した前記プログラムの有効/無効データを有効に設定するとともに、当該プログラムの実行を許諾する実行許諾手段と、所定操作に応じて所定の無効化コードを前記他のデバイスに送信する無効化命令手段と、無効化コードの受信に応じて自己が取得した所定プログラムの有効/無効データを無効に設定するとともに、当該プログラムの実行を制限する実行制御手段と、を備えた構成としてある。
【0013】
このような構成からなる本発明のライセンス数管理装置によれば、複数のデバイスからなるグループに対して予め割り当てられたライセンス数の範囲内において、デバイスごとに所定プログラムの実行を管理するようにしている。
特に、本装置によれば、プログラムを有効に取得したデバイスに対し、遠隔操作によってそのプログラムを無効化する無効化命令手段を備えており、さらに、この無効化命令手段の実行に伴い残ライセンス数を増やし、その分、他のデバイスが代替してプログラムを実行できるようになっている。
このため、単にライセンス数の範囲でプログラムの実行管理を行うだけでなく、グループ内におけるデバイスのプログラムを容易に有効化/無効化することが可能となり、柔軟性及び利便性を備えたライセンス数管理装置を実現することができる。
また、所謂ライセンスサーバが不要となり、コストパフォーマンスを向上させることも可能である。
【0014】
また、本発明のライセンス数管理装置は、上記の構成に加え、前記残ライセンス数の範囲内における所定操作に応じて所定の有効化コードを前記他のデバイスに送信する有効化命令手段を備え、前記実行許諾手段は、有効化コードの受信に応じて自己が取得した所定プログラムの有効/無効データを有効に設定するとともに、当該プログラムの実行を許諾するようにしてもよい。
【0015】
このような構成からなる本発明のライセンス数管理装置によれば、プログラムが無効化されているデバイスに対し、遠隔操作によってそのプログラムを有効化する有効化手段を備えており、さらに高い利便性を提供できるようになっている。
【0016】
また、本発明のライセンス数管理装置は、上記の構成に加え、前記記憶手段に格納されるライセンス情報には前記グループに属するデバイス毎の所定プログラムの有効/無効データが含まれ、前記無効化命令手段の実行に応じ、他のデバイスにおける前記プログラムの有効/無効データを無効に設定して前記ライセンス情報を更新し、前記実行許諾手段又は有効化命令手段の実行に応じ、自己又は他のデバイスにおける前記プログラムの有効/無効データを有効に設定して前記ライセンス情報を更新するライセンス情報更新手段を備え、前記有効/無効データ抽出手段は、前記プログラム取得手段によって取得した前記ライセンス情報の中から前記デバイス毎の前記プログラムの有効/無効データを抽出するとともに、前記実行制御手段は、前記有効/無効データ抽出手段が、自己が取得した前記プログラムが無効に設定された有効/無効データを抽出した場合に、当該プログラムの実行を制限するようにしている。
そして、本発明のライセンス数管理装置は、前記記憶手段は、前記グループに属する各デバイスに着脱可能に装着されるようにしてある。
【0017】
このような構成からなる本発明のライセンス数管理装置によれば、プログラムの有効化/無効化に応じて記憶手段に格納されるライセンス情報を更新するようにしており、また、記憶手段から取得したライセンス情報に、自己が取得した所定プログラムに関する無効データが設定されている場合にはそのプログラムの実行を制限するようにしている。
そして、プログラム及びライセンス情報を格納する記憶手段として、装置本体と着脱可能に構成される所謂リムーバブルメディアを利用することも可能としてある。
このため、関連するデバイス相互間で前記記憶手段を順次着脱させることによっても本発明を実現することができる。
したがって、各デバイスが同一ネットワークに属することを必須の要件とせず、簡易な形態によって本発明を実現することができる。
【0018】
また、本発明のライセンス数管理装置は、前記有効/無効データには、各デバイスに一意に定まるシリアル番号、MACアドレス、ホスト名のうちいずれか一以上のデータを含むデバイス識別データが付されるようにしてもよい。
【0019】
このような構成からなる本発明のライセンス数管理装置によれば、有効なプログラムを有するデバイスか無効なプログラムを有するデバイスかを、デバイス固有のシリアル番号、MACアドレス又はホスト名等のIDによって容易に識別できるようにしている。
したがって、ユーザは、各デバイスにおけるプログラムの有効/無効を迅速かつ容易に判断でき、かつ、簡易な構成によって本発明を実現することができる。
【0020】
さらに、本発明のライセンス数管理装置は、上記構成に加えて、前記実行制御手段の実行に伴い所定のメッセージを通知する通知手段を備えた構成としてある。
【0021】
このような構成からなる本発明のライセンス数管理装置によれば、実行制御手段の実行に伴い所定プログラムの実行が制限される場合には、ユーザに対しそのプログラムの利用はできない旨を通知するようにしている。
このため、誤操作や誤操作に伴う故障等を防止することができ、作業効率の低下を防ぐことができるようになる。
【0022】
また、本発明のライセンス数管理方法は、所定グループに属する複数のデバイス間で所定のプログラムの実行を管理するライセンス数管理方法であって、あるデバイスにおける所定操作に応じ、記憶手段に格納された所定のプログラム及びそのライセンス情報を取得するステップと、取得した前記ライセンス情報の中からライセンス数を抽出するステップと、デバイス毎の前記プログラムの有効/無効データを、所定グループに属するすべてのデバイスから抽出するステップと、前記有効/無効データ及びライセンス数に基づき、前記グループにおける前記プログラムの残ライセンス数を算出するステップと、算出した前記残ライセンス数の範囲内において自己が取得した前記プログラムの有効/無効データを有効に設定するとともに、当該プログラムの実行を許諾するステップと、所定操作に応じて所定の無効化コードを他のデバイスに送信するステップと、無効化コードの受信に応じて自己が取得した所定プログラムの有効/無効データを無効に設定するとともに、当該プログラムの実行を制限するステップと、を有する方法としている。
【0023】
このように、本発明は上述した装置発明としてだけでなく、方法発明としても実現化することができる。
したがって、ハードウェアの構成にとらわれることなく発明を実施することができるため、汎用性、拡張性に優れた方法として提供することが可能である。
【0024】
また、本発明のライセンス数管理プログラムは、所定グループに属する複数のデバイス間で所定プログラムの実行を管理するライセンス数管理プログラムであって、前記複数のデバイスの内、任意のデバイスを構成するコンピュータを、所定操作に応じ、記憶手段に格納された所定プログラム及びそのライセンス情報を取得するプログラム取得手段、取得した前記ライセンス情報の中からライセンス数を抽出するライセンス数抽出手段、デバイス毎の前記プログラムの有効/無効データを、所定グループに属するすべてのデバイスから抽出する有効/無効データ抽出手段、前記有効/無効データ及びライセンス数に基づき、前記グループにおける前記プログラムの残ライセンス数を算出する残ライセンス数算出手段、算出した前記残ライセンス数の範囲内において自己が取得した前記プログラムの有効/無効データを有効に設定するとともに、当該プログラムの実行を許諾する実行許諾手段、所定操作に応じて所定の無効化コードを他のデバイスに送信する無効化命令手段、無効化コードの受信に応じて自己が取得した所定プログラムの有効/無効データを無効に設定するとともに、当該プログラムの実行を制限する実行制御手段、として機能させるためのプログラムとしてある。
【0025】
このように本発明はプログラムとしても実現化することができる。
これにより、パーソナルコンピュータ、MFPのみならず、アプリケーション等の実行が可能な様々な電子機器にこのライセンス数管理プログラムをインストールすることによって本発明を実現することができ、汎用性,拡張性に優れたライセンス数管理プログラムとして提供することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、与えられたライセンス数の範囲内において、他のデバイスにおける所定プログラムを無効化又は有効化することができ、利便性及び経済性に優れたライセンス管理システムを実現することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の好ましい実施形態について図1〜図7を参照して説明する。
ここで、以下に示す本発明に係るライセンス管理システムを構成するMFP(Multifunction Peripheral)等の情報処理装置は、プログラム(ソフトウェア)の命令によりコンピュータで実行される処理,手段,機能によって実現される。プログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、以下に示すような所定の処理・機能を行わせる。すなわち、本発明に係るMFP等における各処理・手段は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段によって実現される。
なお、プログラムの全部又は一部は、例えば、磁気ディスク,光ディスク,半導体メモリ,その他任意のコンピュータで読取り可能な記録媒体により提供され、記録媒体から読み出されたプログラムがコンピュータにインストールされて実行される。また、プログラムは、記録媒体を介さず、通信回線を通じて直接にコンピュータにロードし実行することもできる。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態に係るライセンス管理システムの構成を示したシステム構成図である。
図1(a)に示す本実施形態のライセンス管理システムは、MFP1,MFP2及びUSBメモリ4から構成され、MFP1とMFP2とは直接的に接続されP2P(ピアツーピア)のネットワーク形態をとっている。
また、本実施形態のライセンス管理システムは、図1(b)に示すように、MFP1,MFP2,MFP3及びUSBメモリ4によって構成され、MFP1を中心としたブロードキャストタイプのネットワーク形態をとることも可能である。
なお、上述のいずれの形態についても、各MFPは同一ネットワークに基づく所定グループに属するものとし、このグループに対して予め所定数のアプリケーションライセンスが付与されているものとする。
【0029】
[MFP]
ここでは、MFP1の構成について図1を参照しながら詳細に説明する。
なお、MFP2及びMFP3の構成については、MFP1と同様であるため詳細な説明は割愛する。
同図に示すように、MFP1は、本発明のライセンス数管理装置であって、アプリケーション管理手段11及びライセンス情報更新手段12を備えている。
【0030】
アプリケーション管理手段11は、アプリケーションプログラムの実行をそのライセンスに基づいて管理するものであり、プログラム取得手段111、ライセンス数抽出手段112、有効/無効データ抽出手段113、ライセンス数算出手段114、実行許諾手段115、無効化命令手段116、実行制御手段117、有効化命令手段118、通知手段119を備えている。
【0031】
プログラム取得手段111は、USBメモリ4が装着された後、ユーザの所定操作に応じてUSBメモリ4に格納されているアプリケーションファイル411及びライセンス情報ファイル412をインストール(又はアンインストール)するものである。
ライセンス数抽出手段112は、USBメモリ4からインストールしたライセンス情報412からデバイスグループに付与されたライセンス数を抽出するものである。
有効/無効データ抽出手段113は、アプリケーションプログラム(以下、アプリケーションという)の有効/無効を識別するために設定された有効/無効データを抽出するものである。
【0032】
ライセンス数算出手段114は、このようにして抽出された有効/無効データやライセンス数に基づいて、デバイスグループに割り当て可能なアプリケーションの残ライセンス数を算出するものである。
実行許諾手段115および無効化命令手段116は、MFP1にインストールされたアプリケーションファイル411を構成するアプリケーションを有効・無効に設定するものである。
具体的には、実行許諾手段115は、自己のデバイスにインストールされたアプリケーションを有効化するとともにその実行を許諾するものである。また、無効化命令手段116は、他のデバイスにおけるアプリケーションを無効化するものである。
【0033】
実行制御手段117は、無効化コードの受信に応じて自己のデバイスにインストールされたアプリケーションを無効化するとともに、その実行を制限するものである。
有効化命令手段118は、他のデバイスにおけるアプリケーションを有効化するものである。
通知手段119は、実行制御手段117の実行に伴い所定の通知を行うものである。
実際には、取得したアプリケーションが無効化されている場合に、ユーザに対し、そのアプリケーションの実行ができない旨のメッセージを通知するものである。
【0034】
ライセンス情報更新手段12は、インストールパッケージ41に含まれるライセンス情報ファイル412の更新を行うものである。
また、ライセンス情報更新手段12は、ライセンス情報ファイル412の暗号化及び復号化を行うこともできる。
これは、ライセンス情報がMFPを提供するメーカ専用であるため、ライセンス情報の違法な複製を防止するためである。
なお、本実施形態の暗号化に関しては、アプリケーションを動作させるMFPにおける独自アルゴリズムを暗号化アルゴリズムとして利用するものとする。
【0035】
[USBメモリ]
図1に示すように、本実施形態に係るMFP1の記憶手段4としてUSBメモリ4が装着されるようになっており、このUSBメモリ4にはインストールパッケージ41が予め格納されている。
なお、記憶手段4としては、USBメモリに限らず、ハードディスク、RAM等、読み出しが可能な記憶媒体であれば良い。
【0036】
図2は、本実施形態に係るライセンス管理システムを構成するUSBメモリ4に格納されたインストールパッケージの構成を示したブロック図である。
同図に示すように、インストールパッケージ41は、アプリケーションファイル411とライセンス情報ファイル412によって構成される。
アプリケーションファイル411は、ある特定の目的のために設計されたアプリケーションプログラムであり、例えば、MFP1において新たな機能を追加したい場合にインストールして用いることができる。
ライセンス情報ファイル412は、アプリケーションファイル411のライセンスを管理するための各種ライセンス情報によって構成される。
そこで、ライセンス情報の内容について図3を参照しながら以下詳細に説明する。
【0037】
図3は、本実施形態に係るライセンス管理システムを構成するUSBメモリに格納されるライセンス情報の内容を説明するためのサンプル図である。
同図に示すように、ライセンス情報は、「ライセンス数」、「有効なデバイス」、「無効なデバイス」の各欄に基づくテーブル形式によってUSBメモリ4に登録される。
【0038】
「ライセンス数」欄には、複数のMFPからなるグループに対して許諾された最大のライセンス数が登録される。すなわち、この欄には、グループ内で実行できるアプリケーション数が登録される。
なお、ライセンス数の取得方法としては、MFPメーカのWebサイト等からインストールパッケージ41をダウンロードする際にライセンス数を指定する方法の他、SDK(Software Development Kit)等で提供されるインストールパッケージ作成用のツールを利用する際に直接指定する方法がある。
【0039】
「有効なデバイス」欄には、アプリケーションを起動できるMFPのデバイス識別子(デバイス識別データ)が登録される。
基本的には、ライセンス数の範囲内でアプリケーションを取得したMFPは「有効なデバイス」として認められ、そのデバイス識別子が登録される。
また、無効なアプリケーションが、ユーザの所定操作によって有効化された場合であってもそのデバイスの識別子が登録される。
具体的には、実行許諾手段115によりアプリケーションの利用を許諾されたMFPのシリアル番号、MACアドレス、ホスト名(ネットワークアドレス)等が登録される。
「無効なデバイス」欄には、アプリケーションの利用許諾を受けたデバイスであったが、実行制御手段117によってアプリケーションが無効化されたデバイスの識別子が登録される。
【0040】
次に、以上のような構成からなる本実施形態のライセンス管理システムにおけるアプリケーションのインストール処理手順について図5を参照しつつ説明する。
図5は、本実施形態に係るライセンス管理システムにおいて実行されるアプリケーションのインストール処理手順を示したフローチャートである。
なお、本実施形態においては、暗号化処理が施されたアプリケーションファイル411及びライセンス情報ファイル412を格納したUSBメモリ4が、予めMFP1に装着されているものとする(図1参照)。
【0041】
まず、MFP1のプログラム取得手段111は、USBメモリ4に格納されているインストールパッケージ41を認識する(S501)。
これにより、ユーザは、USBメモリ4のインストールパッケージ41の存在を、MFP1を介して確認することができるようになる。
次に、ユーザの所定操作に応じて、MFP1のプログラム取得手段111が、インストールパッケージ41をMFP1上に展開する(S502)。
具体的には、USBメモリ4に格納されているインストールパッケージ41をMFP1のハードディスク等の記憶媒体にダウンロードする。
次いで、ライセンス情報更新手段12は、インストールパッケージ41に含まれるライセンス情報ファイル412を復号する(S503)。
【0042】
ここで、MFP1は、復号して得たライセンス情報ファイル412に基づき、各デバイスに許諾したライセンスが既に最大ライセンス数に到達しているか否かを判定する(S504)。
具体的には、まず、MFP1の有効/無効データ抽出手段113がネットワーク上の各MFPに問い合わせを行い、対象アプリケーションを有効に取得したデバイス数を算出するとともに、MFP1のライセンス数抽出手段112がUSBメモリ4からライセンス情報ファイル412に含まれるライセンス数を抽出する。
なお、前記有効デバイス数は、USBメモリ4に格納されているライセンス情報ファイル412の「有効なデバイス」欄に登録されているデバイス数を算出することによって導き出しても良い。
その上で、MFP1のライセンス数算出手段114が前記有効デバイス数及びライセンス数に基づき残ライセンス数を算出し、残ライセンス数が0(ゼロ)であれば最大ライセンス数に到達と判定し、残ライセンス数が1以上であれば最大ライセンス数に未到達と判定する。
【0043】
ステップS504の結果、許諾したライセンス数が最大ライセンス数に到達していない場合(S504:未到達)、MFP1のプログラム取得手段111が、アプリケーションファイル411をインストールする(S505)。
そして、MFP1の実行許諾手段115が、メモリ等にそのアプリケーションに係る有効/無効データを有効に設定するとともに、上記インストールが行われたデバイスの識別子(即ちMFP1の識別子)をライセンス情報ファイル412の「有効なデバイス」欄に登録する(S506)。
【0044】
一方、ステップS504の結果、許諾したライセンス数が既に最大ライセンス数に到達している場合(S504:到達)、MFP1は、他のデバイスにおいて無効化処理を行うため、ライセンス情報ファイル412に登録されているデバイス情報を取得する(S507)。
具体的には、MFP1の有効/無効データ抽出手段113が、USBメモリ4に格納されているライセンス情報ファイル412の「有効なデバイス」欄に登録されているMFPのデバイス識別子を取得する。
また、MFP1の有効/無効データ抽出手段113は、ネットワーク上の各MFPに問い合わせを行い、対象アプリケーションが有効に設定されたデバイスの識別子を取得する方法でも良い。
これにより、ユーザは、現在、アプリケーションが実行可能な他のMFPを認識することができるようになる。
【0045】
ステップS507に続き、MFP1の無効化命令手段116は、アプリケーションファイル411からアプリ識別子を取得する(S508)。
なお、アプリ識別子とは、無効化するアプリケーションを特定するための識別情報である。
次いで、MFP1の無効化命令手段116は、任意の他のMFP(本実施形態においては、MFP2)へアプリケーションの無効化を依頼する(S509)。
具体的には、ステップS507において取得した「有効なデバイス」欄のデバイスの中から任意の他のデバイスを選択して依頼する。
【0046】
例えば、図4において、MFP2は、現在「有効なデバイス」欄に登録されているが、MFP2を選択して無効化を実行することによってMFP2のアプリケーションを無効化する依頼が実行されることとなる。
なお、ここでは、最大ライセンス数(残ライセンス数)の範囲内において、「無効なデバイス」欄に登録されているデバイスのアプリケーションを有効化することも可能である。
【0047】
ここで、ステップS509におけるアプリケーションの無効化処理手順について図6を参照しながら詳細に説明する。
図6は、本実施形態に係るライセンス管理システムにおいて実行されるアプリケーションの無効化処理手順を示したフローチャートである。
同図に示すとおり、まず、MFP1(デバイスA)が、対象となるMFP2(デバイスB)に対し、アプリケーションの無効化を要求する(S601)。
具体的には、MFP1の無効化命令手段116は、ステップS508で取得したアプリ識別子を含む所定の無効化コードを、ネットワーク等を介してMFP2に送信する。
【0048】
これを受け、MFP2では、アプリケーションの無効化を設定する(S602)。
具体的には、MFP2の実行制御手段117が、無効化コードから検出されるアプリ識別子に基づき、対象アプリケーションの有効/無効データを無効に設定してメモリ等に登録する。
次いで、MFP2の通知手段119は、ステップS602で行った無効化設定の結果をMFP1に返す(S603)。
そして、MFP1は、MFP2から無効化設定の結果を取得することによって、MFP2における無効化処理は終了する(S604)。
【0049】
なお、上記他のデバイス(デバイスB)におけるアプリケーションの有効化処理についても上述のステップS601乃至ステップS604と同様の処理フローとなるが、特にステップS601では、MFP1の有効化命令手段118が所定の有効化コードを上記他のデバイス(デバイスB)に送信することによってアプリケーションの有効化要求が行われ、ステップS602では、MFP2の実行許諾手段115が有効化コードから検出されるアプリ識別子に基づき、対象アプリケーションの有効/無効データを有効に設定してメモリ等に登録することとなる。
【0050】
図5に戻り、MFP1のライセンス情報更新手段12が、無効化(又は有効化)が行われたデバイスの識別子をライセンス情報ファイル412へ登録する(S510)。
本実施形態においては、ライセンス情報ファイル412の「有効なデバイス」欄にMFP1のデバイス識別子が登録され、「無効なデバイス」欄にMFP2のデバイス識別子が登録されることとなる。
ステップ506又はS510に続いて、MFP1のライセンス情報更新手段12は、ライセンス情報ファイル412の暗号化を行う(S511)
そして、ライセンス情報更新手段12は、展開したインストールパッケージ41を再パッケージ化した後、USBメモリ4に戻す(S512)ことによって、アプリケーションのインストール処理フローは終了する。
【0051】
次に、以上のような構成からなる本実施形態のライセンス管理システムにおけるアプリケーションの起動処理手順について図7を参照しつつ説明する。
図7は、本実施形態に係るライセンス管理システムにおいて実行されるアプリケーションの起動処理手順を示したフローチャートである。
同図に示すように、MFP1は、まず、ユーザの起動操作に応じ、対象となるアプリケーションの起動設定を確認する(S701)。
具体的には、MFP1の有効/無効データ抽出手段113が、自己のメモリ又はUSBメモリ4に登録された有効/無効データを抽出して、そのアプリケーションが有効か否かを確認することで判定することができる(S702)。
【0052】
ステップS702の結果、対象となるアプリケーションが有効と判定された場合(S702:YES)、実行許諾手段115が有効に働き、そのアプリケーションが起動される(S703)。
一方、S702の判別結果、対象となるアプリケーションが有効でないと判定された場合(S702:NO)、実行制御手段117が有効に働き、そのアプリケーションの起動ができず、さらに、通知手段119によってその旨がユーザに通知されることとなる(S704)。
【0053】
以上説明したように、本実施形態のライセンス管理システムによれば、ネットワークに付与されたライセンス数の範囲内において、自己が取得したアプリケーションの実行を許諾できるだけでなく、他のデバイスにおけるアプリケーションを無効化することによって自己を含む他のデバイスのアプリケーションを代替的に有効化できる。
例えば、本実施形態においては、MFP2のアプリケーションを無効化することによって、残ライセンス数を増やすことができ、その分、MFP1におけるアプリケーションの実行が可能となる。
【0054】
また、従来技術においては、許諾したライセンス数が既に最大ライセンス数に到達している状況下で、アプリケーションがインストールされているMFPにおいて故障が発生した場合、その分アプリケーションの利用可能数は減るためライセンスの無駄が発生していた。
しかも、故障したMFPの筐体を他の新たなMFPに交換する場合には、アプリケーションを継続利用するためにライセンスを新たに購入せざるを得なかったため、不経済でかつ不合理な仕組みとなっていた。
しかしながら、本実施形態に係るライセンス管理システムによれば、このようなケースにおいても、合理的な方法によってアプリケーションの利用ができるようになる。
【0055】
また、組織変更等によりデバイスの移設が必要な場合でも、デバイス自体は移動せずに、アプリケーションの有効/無効の設定変更等によって済むケースも想定される。
さらに、アプリケーションベンダー側においては管理業務が削減し、ライセンス管理コストを低減させることも可能であるため、この点でもコストパフォーマンスの向上が見込まれる。
【0056】
このように、本実施形態によれば利便性、経済性に優れたライセンス管理システムを簡易な構成で実現することができる。
【0057】
[他の実施形態]
次に、本発明の他の実施形態に係るライセンス管理システムについて図8及び図9を参照しつつ説明する。
図8は、本発明の他の実施形態に係るライセンス管理システムの構成を示したシステム構成図である。
同図に示すように本実施形態に係るライセンス管理システムは、前述の実施形態と同様に複数のMFP(デバイス)とUSBメモリ4によって構成されるが、各MFPが同一ネットワークに属さない構成であるところが特徴である。
このため、有効なライセンス数が不足するために、MFP1におけるアプリケーションを無効化して、MFP2のアプリケーションを有効化したいような場合には、まず、USBメモリ4をMFP1に装着して無効化処理を行った後、そのUSBメモリ4をMFP2に装着して有効化処理を行うこととなる。
【0058】
そこで、以上のような構成からなる本実施形態のライセンス管理システムにおけるアプリケーションのインストール処理手順について図9を参照しながら詳細に説明する。
図9は、本実施形態に係るライセンス管理システムにおいて実行されるアプリケーションのインストール処理手順を示したフローチャートである。
【0059】
本実施形態に係るインストール処理手順においては、まず、ユーザによって、USBメモリ4がMFP1に装着される(S901)と、ステップS902へ移行する。
なお、USBメモリ4には、予めアプリケーションファイル411とライセンス情報ファイル412とが格納されており、さらに、ライセンス情報ファイル412の内容としては、「有効なデバイス」欄にMFP1が登録されているものとする。つまり、MFP1は、現在、所定アプリケーションが有効に設定されているものとする。
【0060】
次に、MFP1のプログラム取得手段111は、USBメモリ4に格納されているインストールパッケージ41を認識する(S902)。
これにより、ユーザは、USBメモリ4のインストールパッケージ41の存在を、MFP1を介して確認することができるようになる。
続いて、ユーザの所定操作に応じて、プログラム取得手段111が、インストールパッケージ41をMFP1上に展開する(S903)。
具体的には、USBメモリ4に格納されているインストールパッケージ41をMFP1のハードディスク等の記憶媒体にダウンロードする。
【0061】
次いで、MFP1のライセンス情報更新手段12は、インストールパッケージ41に含まれるライセンス情報ファイル412を復号する(S904)。
これにより、ユーザは、ライセンス情報ファイル412の「有効なデバイス」欄にMFP1が登録されていることを認識することができる。
このとき、MFP1のライセンス数算出手段114を介し、ユーザは、残ライセンス数がゼロであることを認識したものとする。
このため、MFP2に有効なライセンスを取得させるには、残ライセンス数を少なくとも1にする必要がある。
そこで、MFP1では、自己が取得したアプリケーションファイル411の無効化を行う(S905)。
実際には、MFP1の実行制御手段117によってMFP1におけるアプリケーションが無効化設定され、そのアプリケーションの実行が停止されることとなる。
【0062】
次に、MFP1のライセンス情報更新手段12が、無効化を行った自己のデバイス識別子をライセンス情報ファイル412に登録する(S906)。
具体的には、これまでライセンス情報ファイル412の「有効なデバイス」欄に登録されていたMFP1のデバイス識別子を、「無効なデバイス」欄の登録に変更する。
【0063】
その後、MFP1のライセンス情報更新手段12は、ライセンス情報ファイル412の暗号化を行う(S907)
そして、展開したインストールパッケージ41を再パッケージ化した後、USBメモリ4に戻す(S908)。
【0064】
ここで、ユーザによって、USBメモリ4がMFP1から外され、MFP2に装着されると(S909)、ステップS910へ移行する。
次に、MFP2のプログラム取得手段211は、USBメモリ4に格納されているインストールパッケージ41を認識する(S910)。
これにより、ユーザは、USBメモリ4のインストールパッケージ41の存在を、MFP2を介して確認することができるようになる。
続いて、ユーザの所定操作に応じて、MFP2のプログラム取得手段211が、インストールパッケージ41をMFP2上に展開する(S911)。
具体的には、USBメモリ4に格納されているインストールパッケージ41をMFP2のハードディスク等の記憶媒体にダウンロードする。
【0065】
次いで、MFP2のライセンス情報更新手段22は、インストールパッケージ41に含まれるライセンス情報ファイル412を復号する(S912)。
これにより、MFP2のライセンス数算出手段214は、予め付与されたライセンス数と有効なライセンス数に基づいて現在の残ライセンス数を認識することができる。
具体的には、ステップS905においてMFP1のアプリケーションが無効化されているため、残ライセンス数は少なくとも1以上あることをユーザは認識することができる。
そして、MFP2のプログラム取得手段211は、アプリケーションファイル411をインストールする(S913)。
【0066】
続いて、MFP2のライセンス情報更新手段22は、メモリ等にそのアプリケーションに係る有効/無効データを有効に設定するとともに、上記インストールが行われたデバイスの識別子(即ちMFP2の識別子)をライセンス情報ファイル412の「有効なデバイス」欄に登録する(S914)。
【0067】
その後、MFP2のライセンス情報更新手段22は、ライセンス情報ファイル412の暗号化を行う(S915)
そして、MFP2のライセンス情報更新手段22は、展開したインストールパッケージ41を再パッケージ化した後、USBメモリ4に戻す(S916)ことによって、本実施形態に係るアプリケーションのインストール処理フローは終了する。
【0068】
以上説明したように、本実施形態のライセンス管理システムによれば、ライセンス情報ファイル412を共有するために、USBメモリ4を対象となるデバイス間で順次装着するようにしている。
このため、ネットワークの介在を必要としない本実施形態によっても、前述の実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、ネットワークを併用することにより、万一ネットワークにトラブルが発生した場合でも、USBメモリ4を介して本発明のライセンス管理を確実に実行することができる。
【0069】
以上、本発明のライセンス数管理装置について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明にかかるライセンス数管理装置は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、本発明のライセンス数管理装置は、MFPに限らずライセンスを必要とする他のデバイス、情報処理装置等であってもよい。
また、コピー防止のための暗号化/復号化機能は、MFPの機能としてではなく、USBメモリ4が備えていてもよく、また、ライセンス情報ファイル412が備える構成であっても良い。
【0070】
さらに、対象となるデバイスにおいては、無効化されたアプリケーションを削除することもでき、あるいは、無効化されたアプリケーションを削除せずに無効化が識別できる形で保持させておくことも可能である。
このように、本発明のライセンス数管理装置は、様々な実施形態によっても実現することができ、優れた拡張性及び柔軟性を発揮することができる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、アプリケーションの実行に際し、ライセンスの取得が必要な各種装置、デバイスに好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の一実施形態に係るライセンス管理システムの構成を示したシステム構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るライセンス管理システムを構成するUSBメモリに格納されるインストールパッケージの構成を示したブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るライセンス管理システムを構成するUSBメモリに格納されるライセンス情報の内容を説明するためのサンプル図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るライセンス管理システムを構成するMFPにおける無効化/有効化の依頼操作画面を示したサンプル図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るライセンス管理システムにおいて実行されるアプリケーションのインストール処理手順を示したフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態に係るライセンス管理システムにおいて実行されるアプリケーションの無効化処理手順を示したフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態に係るライセンス管理システムにおいて実行されるアプリケーションの起動処理手順を示したフローチャートである。
【図8】本発明の他の実施形態に係るライセンス管理システムの構成を示したシステム構成図である。
【図9】本発明の他の実施形態に係るライセンス管理システムにおいて実行されるアプリケーションのインストール処理手順を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0073】
1,2,3 MFP
11 アプリケーション管理部
12 ライセンス情報更新部
4 USBメモリ
41 インストールパッケージ
411 アプリケーションファイル
412 ライセンス情報ファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定グループに属するデバイスであるとともに、前記グループに属する他のデバイスと接続されている管理するライセンス数管理装置であって、
所定操作に応じ、記憶手段に格納された所定のプログラム及びそのライセンス情報を取得するプログラム取得手段と、
取得した前記ライセンス情報の中からライセンス数を抽出するライセンス数抽出手段と、
デバイス毎の前記プログラムの有効/無効データを、所定グループに属するすべてのデバイスから抽出する有効/無効データ抽出手段と、
前記有効/無効データ及びライセンス数に基づき、前記グループにおける前記プログラムの残ライセンス数を算出するライセンス数算出手段と、
算出した前記残ライセンス数の範囲内において自己が取得した前記プログラムの有効/無効データを有効に設定するとともに、当該プログラムの実行を許諾する実行許諾手段と、
所定操作に応じて所定の無効化コードを前記他のデバイスに送信する無効化命令手段と、
無効化コードの受信に応じて自己が取得した前記プログラムの有効/無効データを無効に設定するとともに、前記プログラムの実行を制限する実行制御手段と、
を備えることを特徴とするライセンス数管理装置。
【請求項2】
前記残ライセンス数の範囲内における所定操作に応じて所定の有効化コードを前記他のデバイスに送信する有効化命令手段を備え、
前記実行許諾手段は、
有効化コードの受信に応じて自己が取得した所定プログラムの有効/無効データを有効に設定するとともに、当該プログラムの実行を許諾する請求項1記載のライセンス数管理装置。
【請求項3】
前記記憶手段に格納されるライセンス情報には前記グループに属するデバイス毎の所定プログラムの有効/無効データが含まれ、
前記無効化命令手段の実行に応じ、他のデバイスにおける前記プログラムの有効/無効データを無効に設定して前記ライセンス情報を更新し、
前記実行許諾手段又は有効化命令手段の実行に応じ、自己又は他のデバイスにおける前記プログラムの有効/無効データを有効に設定して前記ライセンス情報を更新するライセンス情報更新手段を備え、
前記有効/無効データ抽出手段は、
前記プログラム取得手段によって取得した前記ライセンス情報の中から前記デバイス毎の前記プログラムの有効/無効データを抽出するとともに、
前記実行制御手段は、
前記有効/無効データ抽出手段が、自己が取得した前記プログラムが無効に設定された有効/無効データを抽出した場合に、当該プログラムの実行を制限する請求項2記載のライセンス数管理装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、前記グループに属する各デバイスに着脱可能に装着される請求項1乃至3のいずれか一項記載のライセンス数管理装置。
【請求項5】
前記有効/無効データには、各デバイスに一意に定まるシリアル番号、MACアドレス、ホスト名のうちいずれか一以上のデータを含むデバイス識別データが付される請求項1乃至4のいずれか一項記載のライセンス数管理装置。
【請求項6】
前記実行制御手段の実行に伴い所定のメッセージを通知する通知手段を備える請求項1乃至5のいずれか一項記載のライセンス数管理装置。
【請求項7】
所定グループに属する複数のデバイス間で所定のプログラムの実行を管理するライセンス数管理方法であって、
あるデバイスにおける所定操作に応じ、記憶手段に格納された所定のプログラム及びそのライセンス情報を取得するステップと、
取得した前記ライセンス情報の中からライセンス数を抽出するステップと、
デバイス毎の前記プログラムの有効/無効データを、所定グループに属するすべてのデバイスから抽出するステップと、
前記有効/無効データ及びライセンス数に基づき、前記グループにおける前記プログラムの残ライセンス数を算出するステップと、
算出した前記残ライセンス数の範囲内において自己が取得した前記プログラムの有効/無効データを有効に設定するとともに、当該プログラムの実行を許諾するステップと、
所定操作に応じて所定の無効化コードを他のデバイスに送信するステップと、
無効化コードの受信に応じて自己が取得した所定プログラムの有効/無効データを無効に設定するとともに、当該プログラムの実行を制限するステップと、
を有することを特徴とするライセンス数管理方法。
【請求項8】
所定グループに属する複数のデバイス間で所定のプログラムの実行を管理するライセンス数管理プログラムであって、
前記デバイスを構成するコンピュータを、
所定操作に応じ、記憶手段に格納された所定プログラム及びそのライセンス情報を取得するプログラム取得手段、
取得した前記ライセンス情報の中からライセンス数を抽出するライセンス数抽出手段、
デバイス毎の前記プログラムの有効/無効データを、所定グループに属するすべてのデバイスから抽出する有効/無効データ抽出手段、
前記有効/無効データ及びライセンス数に基づき、前記グループにおける前記プログラムの残ライセンス数を算出する残ライセンス数算出手段、
算出した前記残ライセンス数の範囲内において自己が取得した前記プログラムの有効/無効データを有効に設定するとともに、当該プログラムの実行を許諾する実行許諾手段、
所定操作に応じて所定の無効化コードを他のデバイスに送信する無効化命令手段、
無効化コードの受信に応じて自己が取得した所定プログラムの有効/無効データを無効に設定するとともに、当該プログラムの実行を制限する実行制御手段、
として機能させるためのライセンス数管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−301188(P2009−301188A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−152961(P2008−152961)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】