説明

ライセンス本数管理システム

【課題】 現実のユーザによるソフトウェア使用実績を反映しつつ、ユーザの異動や業務量の増減予定に基づいて将来の適正ライセンス本数を予測可能なライセンス本数管理システムを実現する。
【解決手段】
本発明のライセンス本数管理システムは、履歴データ登録手段21により作成され、ライセンス本数データベース22に登録される履歴データ情報、履歴パターンデータ、計画本数入力手段25によって所属部門毎に入力される計画見込み本数、及び、増減見込み本数算出手段26により算出される来期の増減見込み本数に基づき、使用見込み本数算出手段27が自動でライセンス使用見込み本数を推定するライセンス使用見込み本数算出処理装置13を備える。当該履歴データ情報の夫々は、履歴パターン特定手段23により、履歴パターンデータベース24に登録された履歴パターンのうち何れか最も近いものと関連付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、企業等の組織内で複数の部門が複数のソフトウェアを使用する環境において、組織全体で適正なライセンス本数を算出することのできるソフトウェアライセンスの運用管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のユーザがソフトウェアを使用する場合に、必要なソフトウェアライセンス数を算出する方法としては、下記の特許文献1及び2に示すものが挙げられる。
【0003】
特許文献1に記載の方法は、現在のライセンス保有数と、実際に利用された本数を自動収集し、その差からライセンスの過不足に関する情報を求めて決定するものである。
【0004】
特許文献2に記載の方法は、保有するソフトウェアのライセンス本数などを管理する製品情報管理手段と、当該ソフトウェアの稼働状況を自動集計する稼動情報管理手段と、当該ソフトウェアのライセンス本数の増減情報を管理する増減情報管理手段をもとに適正本数を算出するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−222424号公報
【特許文献2】特開2005−157441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の方法は、ライセンス本数の変動が少ない場合、例えば、パソコンで使われる文書処理ソフトのような一人1本が原則で、不正コピーによる不正使用の防止あるいは遊休ライセンスの防止による適正本数の管理を行うものに適している。反面、人の異動、業務量の増減などにより本数の増減が多い場合は適正本数の算出が困難になる。
【0007】
これに対し、特許文献2に記載の方法では、需要予測を加味して適正本数を算出するものとなっているが、上記手法による増減情報は、個々のユーザの本数を合計したものであり、人手に頼ったものとなっている。
【0008】
ところで、LSIの設計業務では、例えば6ヶ月或いは3ヶ月といった単位で業務計画がなされる場合が多い。これに応じて、上記設計業務で用いられるソフトウェア群は、業務計画に従って周期的に使用される性質を有している。
【0009】
更に、当該ソフトウェア群は、ソフトウェアAを使用後、ソフトウェアAにより得られた結果を入力としてソフトウェアBを使用する等、ソフトウェアの使用順に依存関係がある場合が多い。そして、ソフトウェアA及びソフトウェアBも、夫々、使用される期間に周期性を有している。
【0010】
ここで、あるユーザがソフトウェアAを使用中、当該ユーザがソフトウェアBを使用することがないため、ソフトウェアAを使用している間は、ソフトウェアBを他のユーザに使用させることが可能である。同様に、あるユーザがソフトウェアBを使用中、ソフトウェアAを他のユーザに使用させることが可能である。
【0011】
このように、1本のソフトウェアライセンスを複数人でシェアして使うことで、更なるライセンス本数の最適化が可能になると考えられるが、上記の特許文献1乃至2に記載の方法では、このような事情は考慮されていない。
【0012】
本発明は、上記の状況に鑑み、複数のユーザによるソフトウェア群の使用に周期性、順序性などの規則性がある場合において、現実のユーザによるソフトウェア使用実績を反映しつつ、ユーザの異動および業務量の増減予定に基づいて将来の適正ライセンス本数を予測することのできるライセンス本数管理システムを実現することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するための本発明に係るライセンス本数管理システムは、ソフトウェアの稼働状況に基づき、前記ソフトウェアの保有ライセンスの適正本数をコンピュータによる演算処理により予測するライセンス本数管理システムであって、
前記ソフトウェアライセンスの来期の計画見込み本数、又は、前記ソフトウェアライセンスの来期の計画見込み本数の今期または前期における保有ライセンス本数からの増減本数が前記所属部門毎に入力される計画本数入力手段と、
各ユーザの少なくとも所属部門情報を含むユーザ情報を登録し、所属部門間のユーザ移動やユーザ追加に伴い、更新処理を行うユーザ情報処理手段と、
ユーザからの前記ソフトウェアの実行要求を受け付け、前記ソフトウェアを実行するためのライセンスに空きがあるか確認するとともに、当該ライセンスに空きがある場合に前記ソフトウェアの実行を許可し、前記ソフトウェアの使用実績を記録するライセンス情報処理手段と、
前記ソフトウェアの使用実績を分析し、前記ユーザ別、及び、前記ソフトウェア別の履歴データ情報に変換して、ライセンス本数算出データベースに登録する履歴データ登録手段と、
前記ユーザ毎、及び、前記ソフトウェア毎に、前記履歴データ情報を予め設定された複数の履歴パターンと比較し、前記履歴データ情報と最も近い前記履歴パターンを特定して、当該履歴パターンを、当該ユーザと当該ソフトウェアに対応する前記履歴データ情報と関連付ける履歴パターン特定手段と、
前記履歴データ情報を各ユーザにつき集計して、前記ソフトウェアが同時に使用された最大実績ライセンス本数を算出するとともに、前記計画見込み本数と当該最大実績ライセンス本数との所属部門毎の差、又は、前記計画見込み本数の前期における保有ライセンス本数からの増減本数を求めることで、前記ソフトウェアライセンスの所属部門毎の来期の増減見込み本数を算出する増減見込み本数算出手段と、
前記増減見込み本数、前記履歴データ情報、及び、前記履歴パターンに基づき、来期における前記ソフトウェアライセンスの使用見込み本数を推定する使用見込み本数算出手段と、を備え、
前記使用見込み本数算出手段は、
特定の所属部門に係る前記ソフトウェアライセンスの来期の前記増減見込み本数が増加する場合、当該ソフトウェアに対応付けられた当該所属部門に属するユーザの前記履歴パターンのうち何れかを、増加本数分だけ、新規ユーザの当該ソフトウェアの前記履歴データ情報として追加し、前記履歴データ情報を当該新規ユーザを含む各ユーザにつき再集計し、前記最大実績ライセンス本数を再計算して、当該再計算された最大実績ライセンス本数を前記使用見込み本数とすることを第1の特徴とする。
【0014】
上記第1の特徴の本発明に係るライセンス本数管理システムは、更に、前記使用見込み本数算出手段は、特定の所属部門に係る前記ソフトウェアライセンスの来期の前記増減見込み本数が減少する場合、当該所属部門に属するユーザの当該ソフトウェアの前記履歴データ情報のうち何れかに係る削除ユーザの前記履歴データ情報を、減少本数分だけ、当該ソフトウェアの前記履歴データ情報から取り除き、前記履歴データ情報を当該削除ユーザを除く各ユーザにつき再集計し、前記最大実績ライセンス本数を再計算して、当該再計算された最大実績ライセンス本数を前記使用見込み本数とすることを第2の特徴とする。
【0015】
上記第1または第2の何れかの特徴の本発明に係るライセンス本数管理システムは、更に、前記ユーザ情報としての前記所属部門情報には、各ユーザが生産計画に基づいて生産する生産物の情報を含み、
前記計画本数入力手段には、前記ソフトウェアライセンスの来期の計画見込み本数、又は、前記ソフトウェアライセンスの来期の計画見込み本数の今期または前期における保有ライセンス本数からの増減本数が前記生産物毎に入力され、
前記履歴データ登録手段は、前記ソフトウェアの使用実績を分析し、前記ユーザ別、前記生産物別、及び、前記ソフトウェア別の履歴データ情報に変換して、ライセンス本数算出データベースに登録し、
前記使用見込み本数算出手段は、
特定の前記生産物に係る前記ソフトウェアライセンスの来期の前記計画見込み本数が前期と比べて増加する場合、当該ソフトウェアに対応付けられ、且つ当該生産物に属するユーザの前記履歴パターンのうち何れかを、増加本数分だけ、新規ユーザの当該ソフトウェア別の履歴データ情報として追加し、前記履歴データ情報を当該新規ユーザを含む各ユーザにつき再集計して、前記最大実績ライセンス本数を再計算し、
特定の前記生産物に係る前記ソフトウェアライセンスの来期の前記計画見込み本数が前期と比べて減少する場合、当該ソフトウェアに対応付けられ、且つ当該生産物に属するユーザの前記ソフトウェアの前記履歴データ情報のうち何れかに係る削除ユーザの前記履歴データ情報を、減少本数分だけ、当該ソフトウェア別の履歴データ情報から取り除き、前記履歴データ情報を当該削除ユーザを除く各ユーザにつき再集計して、前記最大実績ライセンス本数を再計算することを第3の特徴とする。
【0016】
上記第3の特徴の本発明に係るライセンス本数管理システムは、更に、前記計画本数入力手段には、前記ソフトウェアのライセンスの来期の計画見込み本数、又は、前記ソフトウェアライセンスの来期の計画見込み本数の今期または前期における保有ライセンス本数からの増減本数が前記生産物毎に入力されるのに代えて、前記生産物の来期の予測生産量または来期の予測生産量の今期または前期からの増減量が入力され、
前記計画本数入力手段は、前記生産物の来期の予測生産量の増減量に基づいて、来期の前記ソフトウェアライセンスの計画見込み本数を前記生産物毎に算出することを第4の特徴とする。
【0017】
上記第4の特徴の本発明に係るライセンス本数管理システムは、更に、複数の前記ソフトウェアからなるソフトウェア群の間で、当該ソフトウェアの使用順に依存関係がある場合、前記計画本数入力手段は、前記生産物の予測生産量の増減に基づいて、互いに前記依存関係の有るソフトウェアの夫々について、当該生産物に係る当該各ソフトウェアのライセンスの計画見込み本数を同じ割合で増減させることを第5の特徴とする。
【0018】
上記第2乃至第5の何れかの特徴の本発明に係るライセンス本数管理システムは、更に、前記計画本数入力手段には、所属部門間のユーザ移動や削除の情報が入力され、
前記使用見込み本数算出手段は、特定の所属部門に係る前記ソフトウェアライセンスの来期の前記増減見込み本数が減少する場合、当該所属部門に属するユーザの当該ソフトウェアの前記履歴データ情報のうち前記計画本数入力手段により移動対象として入力されたユーザの前記履歴データ情報を、当該ソフトウェア別の前記履歴データ情報から取り除くことを第6の特徴とする。
【0019】
上記第1乃至第6の何れかの特徴の本発明に係るライセンス本数管理システムは、更に、前記履歴パターンは、前記ソフトウェアが使用される使用期間と、使用されない不使用期間が交互に周期的に繰り返されるパターンを有し、
前記履歴パターン特定手段は、前記使用期間および前記不使用期間の長さが異なる複数の前記履歴パターンの中から、前記履歴データ情報と最も近い前記履歴パターンを選択して、当該履歴パターンを前記履歴データ情報と関連付けることを第7の特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明では、履歴データ登録手段により作成され、ライセンス本数データベースに登録された履歴データ情報と、計画本数入力手段によって所属部門毎に見込み入力された計画見込み本数とに基づき、使用見込み本数算出手段が自動でライセンス適正本数を求める。
【0021】
ここで、履歴データ情報は、ソフトウェアの使用実績から分析されたユーザ別、ソフトウェア別の情報である。即ち、履歴データ情報には、各ユーザが、各ソフトウェアをいつ(何本)使用し、いつ使用しなかったかを示す時々刻々の情報が含まれている。あるソフトウェアに対し、当該履歴情報を全てのユーザにつき集計した値は、当該ソフトウェアの各時刻における実際のライセンス使用本数と等しく、当該集計値の最大値が実績のライセンス使用本数と等しくなる。
【0022】
履歴パターン特定手段は、履歴データ情報におけるソフトウェアの使用期間と不使用期間の情報から、最もマッチする所定の特徴パターン(履歴パターン)に当てはめ、当該履歴パターンを履歴データ情報の夫々と関連付ける。そして、計画見込み本数が最大実績ライセンス本数より多い場合(即ち、業務量の増大により、ソフトウェアの使用量が増加すると予測されるような場合)、増加本数分だけユーザを追加し、追加したユーザが現ユーザの何れかの履歴パターンで当該ソフトウェアを使用すると仮定して、最大実績ライセンス本数を再計算することで、来期におけるライセンス使用本数を推定する。
【0023】
一方、計画見込み本数が最大実績ライセンス本数より少ない場合(即ち、業務縮小により、ソフトウェアの使用量が減少すると予測されるような場合)、減少本数分だけユーザの履歴データ情報を取り除き、削除対象ユーザが来期は当該ソフトウェアを使用しないと仮定して、最大実績ライセンス本数を再計算し、来期におけるライセンス使用本数を推定する。
【0024】
このようにすることで、現実のユーザによるソフトウェア使用実績を反映しつつ、ユーザの異動および業務量の増減予定に基づいて将来の適正ライセンス本数を予測することが可能となり、必要最低限のライセンス本数による運用が可能となる。
【0025】
また、所属部門を更に生産物情報の小分類に分け、当該生産物情報毎にライセンス使用本数を推定することで、各ユーザの履歴データ情報は専ら生産物に依存するものであるため、精度の高い適正ライセンス本数の予測が可能になる。
【0026】
更に、計画本数入力手段の入力として、計画見込み本数の代わりに、生産物の来期の予測生産量を入力とすることで、当該予測生産量に応じて計画見込み本数を求めることができ、より精度の高い適正ライセンス本数の予測が可能になる。
【0027】
そして、ライセンス使用料は一般にライセンス本数に比例するため、適正ライセンス本数の予測が精度良く行えることにより、経費の無駄を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係るライセンス本数管理システムの全体の構成例を示すブロック図
【図2】ライセンス使用見込み本数算出処理装置の構成例を示すブロック図
【図3】ライセンス情報処理手段により生成されるソフトウェアの使用実績(アクセスログ)の一例
【図4】履歴データ登録手段によるソフトウェアの使用実績の分析結果(履歴データ情報)の一例
【図5】ソフトウェアの実績ライセンス本数の日毎の推移の一例
【図6】ユーザ別、及び、ソフトウェア別の履歴データ情報の一例
【図7】履歴パターンの一例
【図8】履歴パターンの一例
【図9】計画本数入力手段に、計画見込み本数と併せて入力されるユーザ情報の一例
【図10】本発明に係るライセンス本数管理システムを用いて、ソフトウェアの適正ライセンス本数を予測した結果
【発明を実施するための形態】
【0029】
〈第1実施形態〉
本発明の一実施形態に係るライセンス本数管理システム1(以降、適宜「本発明システム1」と称する)の構成例を図1及び図2に示す。図1は本発明システム1の全体の構成を示すブロック図であり、図2は、本発明システム1の要部であるライセンス使用見込み本数算出処理装置の構成例を示すブロック図である。
【0030】
図1に示すように、本発明システム1は、ライセンス情報処理手段11、ユーザ情報処理手段12、及び、ライセンス使用見込み本数算出処理装置13を備える。更に、ライセンス使用見込み本数算出処理装置13は、図2に示すように、履歴データ登録手段21、ライセンス本数算出データベース22、履歴パターン特定手段23、履歴パターンデータベース24、計画本数入力手段25、増減見込み本数算出手段26、使用見込み本数算出手段27を備えてなる。尚、ライセンス情報処理手段11、ユーザ情報処理手段12は、夫々、対応するサーバコンピュータ17、18上に設けられ、各部の処理が、夫々対応するプログラムを実行することで、コンピュータの演算処理によりソフトウェア的に実現されている。同様に、ライセンス使用見込み本数算出処理装置13の構成要素である履歴データ登録手段21、ライセンス本数算出データベース22、履歴パターン特定手段23、履歴パターンデータベース24、計画本数入力手段25、増減見込み本数算出手段26、及び、使用見込み本数算出手段27は、サーバコンピュータ15、17、18とは別のサーバコンピュータ(ライセンス本数算出サーバ)19上に設けられ、各部の処理が、夫々対応するプログラムを実行することで、コンピュータの演算処理によりソフトウェア的に実現されている。そして、当該各プログラムは、各サーバコンピュータ上のメモリやディスク等のハードウェア資源を利用して、CPUにより実行が制御される。更に、サーバコンピュータ15、17、18、及び、ライセンス本数算出サーバ19は、夫々、LAN20を介してネットワーク接続されて、ライセンス情報処理手段11、ユーザ情報処理手段12、及び、ライセンス使用見込み本数算出処理装置13間のデータ通信が可能に構成されている。
【0031】
図1において、入出力装置14a、14bは、キーボード、及び表示装置等で構成され、ユーザによる各ソフトウェアの実行指示や、オペレータによるユーザ情報管理、並びに本発明におけるライセンス本数管理のための指示を行うためのものである。
【0032】
アプリケーションサーバ15には、本発明のライセンス本数管理対象となるソフトウェア16がインストールされ、稼働している。
【0033】
ライセンス管理サーバ17は、ソフトウェア16に付属するライセンスソフトウェアを稼働させ、ライセンスの許可や稼動情報の記録を行うための装置であり、ライセンス情報処理手段11をその内部に備える。ライセンス情報処理手段11は、ライセンス管理サーバ17に設けられ、ユーザからのソフトウェア16に対する実行要求を受け付けると、当該ソフトウェア16を実行するためのライセンスに空きがあるか確認を行い、ライセンスに空きがある場合にはソフトウェア16の実行を許可し、ライセンスに空きがない場合には使用不可のアラームを生成する。このとき、ライセンス情報処理手段11は、ソフトウェア16に対する実行を許可したか否か、及び、許可した場合にはソフトウェア16の実行開始時刻及び終了時刻など、ソフトウェア16の使用実績に係る情報を、ユーザ情報とともに、所謂アクセスログとして、サーバ17内の記憶装置に記録する。
【0034】
ユーザ情報管理サーバ18には、ユーザ名、ユーザの所属部門情報、ユーザの氏名、識別コード等の個人情報が、サーバ18内の記憶装置に記録されている。所属部門間のユーザ移動やユーザ追加に伴い、ユーザ情報管理サーバ18に設けられたユーザ情報処理手段12が、各ユーザ情報の更新処理を行う。
【0035】
尚、所属部門情報には、ユーザが生産する生産物の情報を含んでいる。ここで、生産物情報とは、例えば、表示ドライバモジュールや、電源モジュールといった、ユーザが生産する生産物の情報であり、同じ表示ドライバモジュールであっても、パソコン用モジュールとテレビ用モジュールでは生産物が相違する。更に、同じパソコン用モジュールであってもその構成(型番)により相違する場合があり、その場合は後述するライセンス見込み本数の算出過程において、異なる生産物として取り扱われる。
【0036】
また、ユーザ情報処理手段12は、ライセンス情報処理手段11あるいはライセンス使用見込み本数算出処理装置13からの要求に応じて、各ユーザの所属部門情報を、サーバ18内の記憶装置から読み出し、当該ライセンス情報処理手段11あるいはライセンス使用見込み本数算出処理装置13に出力する。
【0037】
図2において、ライセンス使用見込み本数算出処理装置13に設けられた履歴データ登録手段21は、ソフトウェアの使用実績を分析し、ユーザ別、生産物別、及び、ソフトウェア別の履歴データ情報に変換して、サーバ19内の記憶装置の一部に構成されたライセンス本数算出データベース22に登録する。具体的には、例えば、履歴データ登録手段21は、ライセンス情報処理手段11が生成したアクセスログを分析し、ソフトウェア毎に、及び、生産物毎に、各ユーザの当該ソフトウェアの実行の有無を所定の小区間毎に調査し、時系列データに変換する。
【0038】
図3にライセンス情報処理手段11が生成するアクセスログの例を、図4にその履歴データ登録手段21による分析結果を示す。図3において、各ソフトウェアの実行開始時刻、終了時刻、実行ソフトウェア名、使用ユーザ名からなるテーブルが、ソフトウェアの終了時刻順に並んでいる。ここで、実行ソフトウェア名、及び、使用ユーザ名別に各テーブルを抜き出し、所定の小区間(ここでは、1日)毎に、その区間における累積実行時間が所定値(ここでは、2時間)を超えた場合に1本相当分のソフトウェアライセンスを使用したとしてカウントする。そして、ソフトウェアA、B、C、及び、各ユーザ毎にライセンス本数の時間推移を分類することで、図4に示す履歴データが得られる。
【0039】
図5は、図4の履歴データを、ソフトウェア毎にユーザにつき和をとったもので、各ソフトウェアが同時に使用された実績ライセンス使用本数の時間推移を示している。
【0040】
これを、所定の分析期間(ここでは、6ヶ月)単位で行い、ソフトウェアAに係るライセンス本数の時間推移をユーザ毎に分類したものが図6である。尚、図6では、紙面スペースの都合上、1本相当のライセンス使用がカウントされたケースが週に1日でもあった場合を1カウントとして記載しているが、実際の履歴データ情報は所定の小区間毎(1日毎)の時系列データとなっている。右端のデータ系列は当該ライセンス本数の時間推移を各ユーザにつき累計したものであり、ソフトウェアAが同時に使用された実績ライセンス使用本数の時間推移を示している。当該実績ライセンス本数の最大本数(図6の例では、5本)が、所定の分析期間において実際に必要であったライセンス本数となる。
【0041】
履歴データ登録手段21は、例えば図6に示される、各ユーザの所定の分析期間内における履歴データを、当該ユーザ、及び、ソフトウェアAに対応する履歴データ情報として、ライセンス本数算出データベース22に登録する。
【0042】
履歴パターン特定手段23は、ライセンス本数算出データベース22に登録された個々の履歴データ情報について、サーバ19内の記憶装置の一部に構成された履歴パターンデータベース24に登録されている履歴パターンと比較し、履歴データ情報と関連付ける。
【0043】
図7及び図8に履歴パターンの例を示す。図7(a,b)は6ヶ月の分析期間内において、3ヶ月のソフトウェアの使用期間と、3ヶ月の不使用期間とが交互に周期的に繰り返されるパターンである。図7(c,d)は、1ヶ月の使用期間と、1ヶ月の不使用期間とが交互に周期的に繰り返されるパターンである。また、図8(a〜c)は1ヶ月のソフトウェアの使用期間と、2ヶ月の不使用期間とが交互に周期的に繰り返されるパターンである。
【0044】
従って、図6の場合、ユーザ名鈴木一郎、及び、ソフトウェアAに対応する履歴データが、図7(a)の履歴パターンと関連付けられ、ユーザ名山田太郎、及び、ソフトウェアAに対応する履歴データが、図7(b)の履歴パターンと関連付けられる。また、ユーザー3、及び、ソフトウェアAに対応する履歴データが、図8(a)の履歴パターンと、ユーザー5、及び、ソフトウェアAに対応する履歴データが、図8(b)の履歴パターンと、夫々関連付けられる。これらの関連付けられた履歴パターンの情報は、ユーザの生産物情報と併せて、履歴データの一部として、ライセンス本数算出データベース22に格納される。
【0045】
計画本数入力手段25には、来期の生産計画に基づく所属部門毎、及び、生産物毎のソフトウェアライセンスの計画見込み本数が、オペレータにより、入出力装置14bを介して入力される。尚、当該計画見込み本数は、来期のソフトウェアライセンスの計画見込み本数の全数を入力としてもよいし、今期または前期の実際の保有ライセンス本数との増減本数を入力としても構わない。更に、来期の所属部門間のユーザ移動の情報やユーザ追加の情報を、計画見込み本数と併せて入力としてもよい。
【0046】
図9に、計画本数入力手段25に入力されるユーザ情報の一例を示す。図9に示す例では、ソフトウェア名、ユーザ名、所属部門名、生産物の情報のほか、来期において追加ないし削除されるユーザの情報が入力される。上記のユーザ追加ないし削除の情報は、更に、ソフトウェアの使用形態(バッチ処理、会話型処理(TSS)の別)、予定されるソフトウェア使用時間等の付加情報を入力してもよい。これらの付加情報に基づいて、履歴データ登録手段21によるアクセスログの分析において、所定の小区間毎に、一本分相当のソフトウェアライセンスを使用したか否かを判定するための判定基準を設定することができる。
【0047】
増減見込み本数算出手段26は、ソフトウェアの使用実績から、ソフトウェアが同時に使用された最大実績ライセンス本数(即ち、ソフトウェアAの場合、図6の右端のデータ系列の最大本数)を所属部門毎に算出し、計画本数入力手段25から入力された計画見込み本数との差を求める。この差が、ソフトウェアライセンスの来期の所属部門毎の増減見込み本数となる。 尚、計画本数入力手段25に、来期のソフトウェアライセンスの計画見込み本数の全数ではなく、今期または前期の実際の保有ライセンス本数からの増減本数が入力される場合は、今期および前期の保有ライセンス本数(乃至はその増減本数)を参照し、当該計画見込み本数の前期における保有ライセンス本数からの増減本数を算出して、来期の所属部門毎の増減見込み本数としてもよい。
【0048】
使用見込み本数算出手段27は、特定の所属部門に係る増減見込み本数算出手段26が算出したソフトウェアライセンスの来期の増減見込み本数が増加する場合、当該ソフトウェアに対応付けられた当該所属部門に属する各ユーザの履歴パターンのうち何れかを、増加本数分だけ、新規ユーザの当該ソフトウェアの履歴データ情報として追加し、履歴データ情報を当該新規ユーザを含む各ユーザにつき再集計した上で、最大実績ライセンス本数を再計算し、再計算された最大実績ライセンス本数を、当該ソフトウェアの使用見込み本数として推定する。
【0049】
一方、特定の所属部門に係る増減見込み本数算出手段26が算出したソフトウェアライセンスの来期の増減見込み本数が減少する場合には、使用見込み本数算出手段27は、当該所属部門に属する各ユーザのソフトウェアの履歴データ情報のうち何れかに係る削除ユーザの履歴データ情報を、減少本数分だけ、当該ソフトウェアの履歴データ情報から取り除き、履歴データ情報を当該削除ユーザを除く各ユーザにつき再集計した上で、最大実績ライセンス本数を再計算し、再計算された最大実績ライセンス本数を、当該ソフトウェアの使用見込み本数として推定する。
【0050】
このとき、生産物毎の計画見込み本数を参照して、どの生産物に係る増減見込み本数が増加し、どの生産物に係る増減見込み本数が減少したかに基づき、使用見込み本数の推定を行うことができる。
【0051】
即ち、特定の生産物に係るソフトウェアライセンスの来期の計画見込み本数が前期と比べて増加する場合、当該生産物に属するユーザの当該ソフトウェアの履歴パターンのうち何れかを、増加本数分だけ当該ソフトウェアの履歴データ情報に追加して、使用見込み本数を推定する。一方、特定の生産物に係るソフトウェアライセンスの来期の計画見込み本数が前期と比べて減少する場合、当該生産物に属するユーザのソフトウェアの履歴データ情報のうち何れかに係る削除ユーザの履歴データ情報を、減少本数分だけ当該ソフトウェアの履歴データ情報から取り除き、使用見込み本数を推定する。
【0052】
以下に、図6〜図9を参照しつつ、使用見込み本数算出手段27による使用見込み本数の算出法について、具体的に説明する。図9から、ソフトウェアAに関し、ユーザ4の削除により、生産物12に係る計画見込み本数が前期から1本減少することが分かる。一方、ユーザ6及びユーザ7の追加により、生産物11に係る計画見込み本数が前期から2本増加することが分かる。これに伴い、生産物12に係る増減見込み本数が前期から1本減少し、生産物11に係る増減見込み本数が前期から2本増加する。
【0053】
従って、生産物11に関しては、増減見込み本数が2本だけ増加するため、ユーザ6、ユーザ7の新規ユーザを割り当てるとともに、当該新規ユーザが、生産物11に属する現ユーザである鈴木一郎氏のソフトウェアAの履歴パターン(図7(a))で、ソフトウェアAを来期使用すると仮定し、来期のソフトウェアAの使用ライセンス本数を推定する。即ち、図7(a)の履歴パターンを新規ユーザの履歴データ情報として追加し、最大実績ライセンス本数を再計算する。
【0054】
一方、生産物12に関しては、増減見込み本数が1本だけ減少するため、生産物12に属する何れかの現ユーザの履歴データを、1人分、履歴データ情報から取り除き、最大見込みライセンス本数を再計算する。尚、ここでは、図9より、ユーザ4が削除されることが分かっているので、ユーザ4の履歴データ情報を取り除いた上で、最大実績ライセンス本数を再計算する。
【0055】
図6において、ユーザ4の履歴データ情報を取り除き、ユーザ6、7の履歴データ情報を、鈴木一郎氏の履歴パターン(図7(a))を仮定し追加して、ソフトウェアAの来期におけるライセンス本数の時間推移を予測したものが図10である。図10の右端のデータ系列は、当該ライセンス本数の時間推移を各ユーザにつき累計したものであり、ソフトウェアAが来期において同時に使用されるであろう見込みライセンス本数の時間推移を示している。図10から、ソフトウェアAが同時に使用される最大見込みライセンス本数は、当該見込みライセンス本数の最大本数であり、4本となる。
【0056】
一方、前期の最大実績ライセンス本数は、図6から5本であるので、本実施形態では、ソフトウェアを使用するユーザが全体で1人増えたにもかかわらず、全体としての使用見込み本数は1本だけ減少したことが分かる。
【0057】
このように、本発明システム1では、現実のユーザによるソフトウェア使用実績を反映しつつ、ユーザの異動および業務量の増減予定に基づいて将来の適正ライセンス本数を予測することが可能となる結果、必要最低限のライセンス本数による運用が可能となる。
【0058】
〈第2実施形態〉
上記本発明システム1では、増減見込み本数算出手段26は、計画本数入力手段25から入力された計画見込み本数に基づき、増減見込み本数を算出していた。そして、当該計画見込み本数は、オペレータにより入力されるものであった。ここで、計画本数入力手段25には、計画見込み本数が入力される代わりに、生産物の来期の予測生産量が入力される構成としてもよい。来期の予測生産量に比例して、ソフトウェアの使用時間も増加すると考えられるため、計画見込み本数もこれに応じて増加すると考えられる。
【0059】
例えば、ある生産物の来期の生産量が前期比で1.5倍になると予測される場合で、当該生産物に属し、ソフトウェアAを使用しているユーザが前期に4人いた場合、受注から生産までの期間(納期)を同じとするためには、来期の使用ユーザを1.5倍の6人とする必要がある。従って、当該生産物に属し、ソフトウェアを使用するユーザを2人増加させる必要がある。
【0060】
そこで、本実施形態において、計画本数入力手段25は、生産物の来期の予測生産量または来期の予測生産量の今期または前期からの増減量が入力されると、当該予測生産量の増減量に基づき、当該生産物に属し、ソフトウェアを使用するユーザの増減人数(今の例では、+2人)を導出し、これを生産物毎の計画見込み本数の増減本数とする。
【0061】
そして、当該計画見込み本数の増減本数に基づき、履歴データ登録手段21、ライセンス本数算出データベース22、履歴パターン特定手段23、履歴パターンデータベース24、増減見込み本数算出手段26、使用見込み本数算出手段27により、来期におけるソフトウェアライセンスの使用見込み本数を推定する構成とする。
【0062】
これにより、生産物の来期の予測生産量に応じて計画見込み本数を求めることができ、より精度の高い適正ライセンス本数の予測が可能になる。
【0063】
尚、上記実施形態では、特に図4のソフトウェアAの来期の使用見込み本数を推定する場合について詳細に説明したが、これは、他のソフトウェアB、Cについても同様である。複数のソフトウェアが稼動している場合には、夫々のソフトウェアについて、ユーザ別の履歴データ情報を作成し、特定の履歴パターンと関連付けることで、各ソフトウェアの適正ライセンス本数の予測が可能となる。
【0064】
ここで、ソフトウェアの使用順に依存関係がある場合を考える。例えば、ソフトウェアAの使用後、ソフトウェアAにより得られた結果を入力としてソフトウェアBを使用し、ソフトウェアBを使用後、ソフトウェアCを使用するとする。生産物の規模、複雑さ等により工数が異なるため、生産物によって、各ソフトウェアA、B及びCの使用時間に違いが生じる。
【0065】
このとき、ある生産物の来期の生産量が1.5倍になると予測される場合には、上述の通り、予測された当該生産量の増減量に基づき、当該生産物に属し、ソフトウェアAを使用するユーザの増減人数が導出され、結果、ソフトウェアAに係る計画見込み本数が生産物毎に算出されるが、各ソフトウェアA,B及びCを使用するユーザの増減人数は、同じ生産物に属する限り、夫々、同じとなるので、ソフトウェアB及びCに係る生産物毎の計画見込み本数についても、当該各生産物のソフトウェアAに係る計画見込み本数と同じ割合で増減されることになる。
【0066】
以下に、別実施形態について説明する。
【0067】
〈1〉上記実施形態では、本発明システム1において、ソフトウェアがアプリケーションサーバ16で稼動し、ライセンス情報処理手段11がライセンス管理サーバ17上で動作し、ユーザ情報処理手段12がユーザ情報管理サーバ18上で動作し、ライセンス使用見込み本数算出処理装置13がライセンス本数算出サーバ19上で動作しており、アプリケーションサーバ16、ライセンス管理サーバ17、ユーザ情報管理サーバ18、及びライセンス本数算出サーバ19の4つのサーバが各別に設けられているが、このうち少なくとも2つのサーバを共通にしても構わない。
【0068】
〈2〉また、上記実施形態では、ライセンス管理対象であるソフトウェア16が、全てアプリケーションサーバ15上で稼動している場合を説明したが、各ユーザのパーソナルコンピュータにソフトウェア16がインストールされており、ソフトウェアの実行時にライセンス管理サーバ17にアクセスし、ライセンス情報処理手段11が、保有ライセンス数に応じて、各ユーザのコンピュータ上におけるソフトウェア16の実行の可否を判断するものであってもよい。
【0069】
〈3〉本発明システム1を用いて来期の適正ライセンス本数を予測する場合、当該適正ライセンス本数の予測は今期中に行うことが当然に想定されるが、当該予測時点においては、今期におけるソフトウェアの使用実績は未だライセンス情報処理手段により記録途中であるので、来期におけるライセンス使用本数の推定の基礎となる履歴データ情報としては前期のデータを使用せざるをえない。しかしながら、予測時点において、今期のソフトウェア使用実績が十分な期間記録されていれば、今期の未完成の履歴データとそれに関連付けられた履歴パターンを用いて、来期の適正ライセンス本数を推定することが可能と考えられる。
【0070】
例えば図7、8に示す履歴パターンを用いて履歴データ情報との関連付けを行う場合、各履歴パターンの使用期間、不使用期間の最短期間は1ヶ月であるので、来期の開始から1ヶ月前を経過した後、即ち5か月分の今期の履歴データ情報が作成された後であれば、今期の履歴データ情報の履歴パターンへのあてはめが可能となる。そこで、今期の履歴データ情報のうち、予測時点において未だ経過していない未来の期間については、当該あてはめられた履歴パターンに従って各ユーザがソフトウェアを使用すると仮定して、履歴データ情報を補完することができる。
【0071】
このように、履歴パターンを用いて今期の履歴データ情報を補完することができるため、前期ではなく今期のソフトウェアの使用実績に基づいて、来期の適正ライセンス本数の予測が可能となり、より正確な予測が可能となる。
【0072】
〈4〉本実施形態では、ソフトウェアの使用履歴パターンとして図7或いは図8に示すものを例示したが、履歴パターンとしてはこれに限られるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、企業等の組織内で複数の部門が複数のソフトウェアを使用する環境において、組織全体で適正なライセンス本数を算出することのできるライセンス管理システムとしての利用が可能である。
【符号の説明】
【0074】
1: 本発明に係るライセンス管理システム
11: ライセンス情報処理手段
12: ユーザ情報処理手段
13: ライセンス使用見込み本数算出処理装置
14a,14b: 入出力装置
15: アプリケーションサーバ
16: ソフトウェア
17: ライセンス管理サーバ
18: ユーザ情報管理サーバ
19: ライセンス本数算出サーバ
20: LAN
21: 履歴データ登録手段
22: ライセンス本数算出データベース
23: 履歴パターン特定手段
24: 履歴パターンデータベース
25: 計画本数入力手段
26: 増減見込み本数算出手段
27: 使用見込み本数算出手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソフトウェアの稼働状況に基づき、前記ソフトウェアの保有ライセンスの適正本数をコンピュータによる演算処理により予測するライセンス本数管理システムであって、
前記ソフトウェアライセンスの来期の計画見込み本数、又は、前記ソフトウェアライセンスの来期の計画見込み本数の今期または前期における保有ライセンス本数からの増減本数が前記所属部門毎に入力される計画本数入力手段と、
各ユーザの少なくとも所属部門情報を含むユーザ情報を登録し、所属部門間のユーザ移動やユーザ追加に伴い、更新処理を行うユーザ情報処理手段と、
ユーザからの前記ソフトウェアの実行要求を受け付け、前記ソフトウェアを実行するためのライセンスに空きがあるか確認するとともに、当該ライセンスに空きがある場合に前記ソフトウェアの実行を許可し、前記ソフトウェアの使用実績を記録するライセンス情報処理手段と、
前記ソフトウェアの使用実績を分析し、前記ユーザ別、及び、前記ソフトウェア別の履歴データ情報に変換して、ライセンス本数算出データベースに登録する履歴データ登録手段と、
前記ユーザ毎、及び、前記ソフトウェア毎に、前記履歴データ情報を予め設定された複数の履歴パターンと比較し、前記履歴データ情報と最も近い前記履歴パターンを特定して、当該履歴パターンを、当該ユーザと当該ソフトウェアに対応する前記履歴データ情報と関連付ける履歴パターン特定手段と、
前記履歴データ情報を各ユーザにつき集計して、前記ソフトウェアが同時に使用された最大実績ライセンス本数を算出するとともに、前記計画見込み本数と当該最大実績ライセンス本数との所属部門毎の差、又は、前記計画見込み本数の前期における保有ライセンス本数からの増減本数を求めることで、前記ソフトウェアライセンスの所属部門毎の来期の増減見込み本数を算出する増減見込み本数算出手段と、
前記増減見込み本数、前記履歴データ情報、及び、前記履歴パターンに基づき、来期における前記ソフトウェアライセンスの使用見込み本数を推定する使用見込み本数算出手段と、を備え、
前記使用見込み本数算出手段は、
特定の所属部門に係る前記ソフトウェアライセンスの来期の前記増減見込み本数が増加する場合、当該ソフトウェアに対応付けられた当該所属部門に属するユーザの前記履歴パターンのうち何れかを、増加本数分だけ、新規ユーザの当該ソフトウェアの前記履歴データ情報として追加し、前記履歴データ情報を当該新規ユーザを含む各ユーザにつき再集計し、前記最大実績ライセンス本数を再計算して、当該再計算された最大実績ライセンス本数を前記使用見込み本数とすることを特徴とするライセンス本数管理システム。
【請求項2】
前記使用見込み本数算出手段は、
特定の所属部門に係る前記ソフトウェアライセンスの来期の前記増減見込み本数が減少する場合、当該所属部門に属するユーザの当該ソフトウェアの前記履歴データ情報のうち何れかに係る削除ユーザの前記履歴データ情報を、減少本数分だけ、当該ソフトウェアの前記履歴データ情報から取り除き、前記履歴データ情報を当該削除ユーザを除く各ユーザにつき再集計し、前記最大実績ライセンス本数を再計算して、当該再計算された最大実績ライセンス本数を前記使用見込み本数とすることを特徴とする請求項1に記載のライセンス本数管理システム。
【請求項3】
前記ユーザ情報としての前記所属部門情報には、各ユーザが生産計画に基づいて生産する生産物の情報を含み、
前記計画本数入力手段には、前記ソフトウェアライセンスの来期の計画見込み本数、又は、前記ソフトウェアライセンスの来期の計画見込み本数の今期または前期における保有ライセンス本数からの増減本数が前記生産物毎に入力され、
前記履歴データ登録手段は、前記ソフトウェアの使用実績を分析し、前記ユーザ別、前記生産物別、及び、前記ソフトウェア別の履歴データ情報に変換して、ライセンス本数算出データベースに登録し、
前記使用見込み本数算出手段は、
特定の前記生産物に係る前記ソフトウェアライセンスの来期の前記計画見込み本数が前期と比べて増加する場合、当該ソフトウェアに対応付けられ、且つ当該生産物に属するユーザの前記履歴パターンのうち何れかを、増加本数分だけ、新規ユーザの当該ソフトウェア別の履歴データ情報として追加し、前記履歴データ情報を当該新規ユーザを含む各ユーザにつき再集計して、前記最大実績ライセンス本数を再計算し、
特定の前記生産物に係る前記ソフトウェアライセンスの来期の前記計画見込み本数が前期と比べて減少する場合、当該ソフトウェアに対応付けられ、且つ当該生産物に属するユーザの前記ソフトウェアの前記履歴データ情報のうち何れかに係る削除ユーザの前記履歴データ情報を、減少本数分だけ、当該ソフトウェア別の履歴データ情報から取り除き、前記履歴データ情報を当該削除ユーザを除く各ユーザにつき再集計して、前記最大実績ライセンス本数を再計算することを特徴とする請求項1又は2に記載のライセンス本数管理システム。
【請求項4】
前記計画本数入力手段には、前記ソフトウェアのライセンスの来期の計画見込み本数、又は、前記ソフトウェアライセンスの来期の計画見込み本数の今期または前期における保有ライセンス本数からの増減本数が前記生産物毎に入力されるのに代えて、前記生産物の来期の予測生産量または来期の予測生産量の今期または前期からの増減量が入力され、
前記計画本数入力手段は、前記生産物の来期の予測生産量の増減量に基づいて、来期の前記ソフトウェアライセンスの計画見込み本数を前記生産物毎に算出することを特徴とする請求項3に記載のライセンス本数管理システム。
【請求項5】
複数の前記ソフトウェアからなるソフトウェア群の間で、当該ソフトウェアの使用順に依存関係がある場合、
前記計画本数入力手段は、前記生産物の来期の予測生産量の増減量に基づいて、互いに前記依存関係の有るソフトウェアの夫々について、当該生産物に係る当該各ソフトウェアのライセンスの計画見込み本数を同じ割合で増減させることを特徴とする請求項4に記載のライセンス本数管理システム。
【請求項6】
前記計画本数入力手段には、所属部門間のユーザ移動や削除の情報が入力され、
前記使用見込み本数算出手段は、
特定の所属部門に係る前記ソフトウェアライセンスの来期の前記増減見込み本数が減少する場合、当該所属部門に属するユーザの当該ソフトウェアの前記履歴データ情報のうち前記計画本数入力手段により移動対象として入力されたユーザの前記履歴データ情報を、当該ソフトウェア別の前記履歴データ情報から取り除くことを特徴とする請求項2〜5の何れか一項に記載のライセンス本数管理システム。
【請求項7】
前記履歴パターンは、前記ソフトウェアが使用される使用期間と、使用されない不使用期間が交互に周期的に繰り返されるパターンを有し、
前記履歴パターン特定手段は、前記使用期間および前記不使用期間の長さが異なる複数の前記履歴パターンの中から、前記履歴データ情報と最も近い前記履歴パターンを選択して、当該履歴パターンを前記履歴データ情報と関連付けることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のライセンス本数管理システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−185536(P2012−185536A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46311(P2011−46311)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】