ライトガイド層の導光構造
【課題】 押圧子の周面やライトガイド層との境界付近の縁から光線が漏れるのを抑制し、押圧子が輝点となって操作キーの照光性や操作入力層の意匠性が悪化するのを防止できるライトガイド層の導光構造を提供する。
【解決手段】 表面にメタルドーム22を配列した回路基板20と、メタルドーム22に操作キー31を対向させる操作入力層30とを備え、回路基板20と操作入力層30の間に、LED21からの光線を導光するライトガイド層40を介在し、ライトガイド層40に導光された光線を操作キー31に照射する構造であり、ライトガイド層40の裏面に、メタルドーム22に圧接してON動作させる略柱形の押圧子50を一体的に形成し、押圧子50の周面51のうち、少なくともLED21の反対側に位置する反対面54を45°以下の傾斜角度で傾斜させる。
【解決手段】 表面にメタルドーム22を配列した回路基板20と、メタルドーム22に操作キー31を対向させる操作入力層30とを備え、回路基板20と操作入力層30の間に、LED21からの光線を導光するライトガイド層40を介在し、ライトガイド層40に導光された光線を操作キー31に照射する構造であり、ライトガイド層40の裏面に、メタルドーム22に圧接してON動作させる略柱形の押圧子50を一体的に形成し、押圧子50の周面51のうち、少なくともLED21の反対側に位置する反対面54を45°以下の傾斜角度で傾斜させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯機器や情報通信機器等に使用されるライトガイド層の導光構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来におけるライトガイド層の導光構造は、図示しないが、複数のメタルドームを配列した回路基板と、この回路基板の複数のメタルドームに操作キーをそれぞれ対向させる操作入力層とを備え、これら回路基板と操作入力層との間に、LEDからの光線を導光するライトガイド層が介在されており、このライトガイド層に導光された光線を操作入力層の複数の操作キーに照射するよう機能する(特許文献1参照)。ライトガイド層には、円柱形の押圧子が形成されたり、円柱形の押圧子を有する押圧層が積層され、押圧子が回路基板のメタルドームに圧接してON動作させる。
【0003】
上記構成において、LEDが発光すると、光線は、LEDからライトガイド層内に反射しながら導光され、このライトガイド層から操作入力層の複数の操作キーにそれぞれ照射され、各操作キーが照光される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010‐62086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来におけるライトガイド層の導光構造は、以上のように構成され、回路基板のメタルドームをON動作させる押圧子が単なる円柱形なので、押圧子の垂直の周面やライトガイド層との境界付近の縁から導光された光線が漏れて発光し、光線の導光に支障を来たすことがある。特に、押圧子の周面のうち、LEDの反対側に位置する反対面やその根元の縁から光線の漏洩を招くおそれが少なくない。その結果、押圧子、特にその周面が輝点となって異常に輝き、操作キーの照光性が悪化したり、操作入力層の意匠性を損なうという問題がある。
【0006】
本発明は上記に鑑みなされたもので、押圧子の周面やライトガイド層との境界付近の縁から光線が漏れるのを抑制し、押圧子が輝点となって操作キーの照光性や操作入力層の意匠性が悪化するのを防止することのできるライトガイド層の導光構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明においては上記課題を解決するため、表面に接点スイッチを備えた回路基板と、この回路基板の接点スイッチに操作キーを対向させる操作入力層とを備え、これら回路基板と操作入力層との間に、光源からの光線を導光する可撓性のライトガイド層を介在し、このライトガイド層に導光された光線を操作入力層の少なくとも操作キーに照射する構造であって、
ライトガイド層の表裏いずれか一方の面に、対向する回路基板の接点スイッチに圧接してON動作させる略柱形の押圧子を一体形成し、この押圧子の周面のうち、少なくとも光源の反対側に位置する反対面を45°以下の傾斜角度で徐々に広がるよう傾斜させたことを特徴としている。
【0008】
なお、ライトガイド層の裏面に押圧子を一体形成するとともに、ライトガイド層の表面に、押圧子の上方に位置する発光模様を形成し、この発光模様により導光された光線を操作入力層の少なくとも操作キーに照射することができる。
また、押圧子を略円錐台形に形成することができる。
また、押圧子の接点スイッチに圧接する圧接面と傾斜した周面との境界部を丸めて形成することが好ましい。
【0009】
ここで、特許請求の範囲における接点スイッチ、操作キー、光源、押圧子は、単数複数を特に問うものではない。接点スイッチは、ライフサイクルを伸ばす観点から反り返し可能なメタルドームタイプが好ましい。光源は、ライトガイド層の周面の先端部、末端部、一側部、他側部等に適宜配置することができる。また、操作入力層とライトガイド層との間には、空気層や接着層等を介在させても良い。操作入力層の少なくとも操作キーには光透過性を付与することが好ましい。
【0010】
本発明によれば、光源が発光すると、光線は、光源からライトガイド層内に反射しながら導光され、このライトガイド層から操作入力層の操作キーに照射され、操作キーの少なくとも一部が照光される。
この際、光線は、ライトガイド層と一体の押圧子内にも入射するが、押圧子の周面のうち、少なくとも光線の漏洩を招き易い反対面が垂直ではなく、45°以下の傾斜角度で徐々に傾いているので、押圧子の傾斜した周面やライトガイド層との境界付近の縁から漏れて発光することが少ない。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、押圧子の周面やライトガイド層との境界付近の縁から光線が漏れるのを抑制し、押圧子が輝点となって操作キーの照光性や操作入力層の意匠性が悪化するのを防止することができるという効果がある。
【0012】
また、請求項2記載の発明によれば、押圧子を複数の凹凸や切り欠きを有する複雑な形状に形成するのではなく、円錐台形に形成するので、例えライトガイド層の両端部や前後左右等に複数の光源が設置され、異なる複数の方向から光線が導光されても、押圧子の周面やライトガイド層との境界付近の縁から光線が漏れるのを防止でき、しかも、構成の簡素化や製造の容易化が期待できる。
【0013】
また、請求項3記載の発明によれば、押圧子の圧接面と周面との境界部が角張っておらず、光線の反射角度に変更が生じるのを防ぐことができるので、境界部から光線が漏れ、押圧子の輝度が過剰に増大するのを抑制することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係るライトガイド層の導光構造の実施形態における携帯電話を模式的に示す分解斜視図である。
【図2】本発明に係るライトガイド層の導光構造の実施形態を模式的に示す部分断面説明図である。
【図3】本発明に係るライトガイド層の導光構造の実施形態における押圧子を模式的に示す拡大説明図である。
【図4】本発明に係るライトガイド層の導光構造の第2の実施形態を模式的に示す部分断面説明図である。
【図5】本発明に係るライトガイド層の導光構造の実施例と比較例とを模式的に示す部分断面説明図である。
【図6】本発明に係るライトガイド層の導光構造の比較例を模式的に示す部分断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明すると、本実施形態におけるライトガイド層の導光構造は、図1ないし図3に示すように、携帯電話1に内蔵される回路基板20と、この回路基板20のメタルドーム22に操作キー31を対向させる操作入力層30とを備え、これら回路基板20と操作入力層30との間に、LED21からの光線を導光するライトガイド層40を介在し、導光された光線を操作入力層30の操作キー31に照射する構造であり、ライトガイド層40に、回路基板20のメタルドーム22にON動作させる押圧子50を形成してその周面51を所定の傾斜角度で傾斜させるようにしている。
【0016】
携帯電話1は、図1に示すように、送話口2を有する第一の筐体3と、この第一の筐体3の先端部に折り畳み可能に軸支される第二の筐体9とを備え、この第二の筐体9の先端部には、受話口10が設けられる。第一の筐体3は、回路基板20、操作入力層30、ライトガイド層40を積層して挟持する表カバー4と裏カバー5とを備え、これら表カバー4と裏カバー5との間には、図示しない小型のマイクが併せて内蔵される。裏カバー5の裏面には、薄いバッテリ6を収納する収納穴7が凹み形成され、この収納穴7には、バッテリ6用のバッテリカバー8が外部から着脱自在に覆着される。
【0017】
第二の筐体9は、回路基板20にフレキシブル基板11を介し電気的に接続された表示装置12を挟持する表面カバー13と裏面カバー14とを備える。これら表面カバー13と裏面カバー14との間には、小型のスピーカ15や図示しないカメラ等が内蔵される。表示装置12の端部には、赤外線入出力装置16が付設される。
【0018】
回路基板20は、図1や図2に示すように、表面に配線パターンと共に複数のメタルドーム22がXY方向に配列され、この複数のメタルドーム22が接点スイッチとして機能する。この回路基板20の表面の末端部には一対のLED21が間隔をおいて配設され、この一対のLED21がライトガイド層40の周面の対向する対向部に僅かな間隔をおいて隣接し、図2に矢印で示す白色や青色の光線を照射する。
【0019】
各メタルドーム22は、良好なクリック感を得る観点から薄いSUS板等を使用して弾性変形可能な中空の略半球状殻形に形成される。このメタルドーム22は、上方から押圧されることで変形して回路基板20の回路をON動作し、押圧が解除され、元の形態に復帰することで回路をOFF動作する。
【0020】
操作入力層30は、図1や図2に示すように、可撓性を有する細長い平面矩形の薄いシート等からなり、ライトガイド層40の表面周縁部に両面粘着テープや接着剤を介し平坦に接着されて携帯電話1の表カバー4に略面一に揃えられる。この操作入力層30のシートとしては、特に限定されるものではないが、例えば寸法安定性や強度に優れるポリカーボネート(PC)やポリエチレンテレフタレート(PET)製のシート等があげられる。
【0021】
操作入力層30の平坦な表面には、回路基板20の複数のメタルドーム22の直上にそれぞれ位置する複数の操作キー31が所定の間隔で一体的に配列され、各操作キー31が平面矩形に区画形成されてその表面には操作用の模様(文字、数字、記号等)が印刷される。各操作キー31は、少なくとも周縁部に照光用の光透過性が付与される。
【0022】
ライトガイド層40は、同図に示すように、可撓性を有する平面矩形の薄いシートやフィルム等からなり、回路基板20上に積層されて操作入力層30の裏面周縁部に接着する。このライトガイド層40は、特に限定されるものではないが、例えば導光性に優れる透明のシリコーンゴムやポリウレタン等からなる厚さ0.1〜0.2mm程度、好ましくは0.125mm程度のシートやフィルムで細長い平面矩形に形成される。
【0023】
ライトガイド層40の平坦な表面には、操作入力層30の複数の操作キー31の直下にそれぞれ位置する発光パターン41が白色インク等でドット印刷される。各発光パターン41は、発光模様として導光された光線を操作入力層30の操作キー31に拡散照射し、照光するよう機能する。
【0024】
押圧子50は、図2や図3に示すように、ライトガイド層40の平坦な裏面に所定の間隔で一体的に配列成形され、回路基板20の複数のメタルドーム22に上方からそれぞれ対向するとともに、複数の発光パターン41の下方にそれぞれ位置しており、メタルドーム22に圧接して変形させることにより、回路基板20の回路をON動作させる。
【0025】
各押圧子50は、例えば高さ0.2mm程度の背の低い透明の円錐台形に成形され、材料のコスト削減や光線の漏洩防止の観点から、全ての周面51が45°以下、好ましくは5°〜45°、より好ましくは10°〜45°の傾斜角度で徐々に広がるよう傾斜する。押圧子50のメタルドーム22の湾曲した表面に圧接する平坦な圧接面52と傾斜した周面51との境界部53は、光線の漏洩を防止するため、滑らかに僅かに丸めてR加工される。
【0026】
上記構成において、操作入力層30の所定の操作キー31が押圧操作されると、ライトガイド層40が撓みながらその対応する押圧子50を回路基板20のメタルドーム22に圧接し、対応するメタルドーム22が圧潰変形して回路基板20の回路をON動作し、携帯電話1の所定の機能(例えば、電話の送話機能、メールの新規作成や送信機能等)が実行されることとなる。
【0027】
次に、操作入力層30の所定の操作キー31が押圧操作され、一対のLED21が発光すると、光線は、各LED21からライトガイド層40内のXY方向に繰り返し全反射しながら導光され、このライトガイド層40表面の発光パターン41から複数の操作キー31にそれぞれ拡散照射され、各操作キー31の少なくとも周縁部が照光される。
【0028】
この際、光線は、ライトガイド層40と一体の押圧子50内にも入射するが、押圧子50の周面51が垂直ではなく、45°以下の傾斜角度で傾斜しているので、反射角度に変更が生じることが殆んどなく、押圧子50の周面51やライトガイド層40との境界付近の縁から外部に漏れて発光することがない。したがって、光線は、押圧子50から外部に漏れることなく、ライトガイド層40内に閉じ込められつつ、全反射しながら導光される。
【0029】
上記構成によれば、押圧子50の周面51が徐々に傾き、光線が所定の入射角で入射して界面で略完全に反射するので、押圧子50の周面51やライトガイド層40との境界付近の縁から光線が漏れるのを有効に防止することができる。特に、押圧子50の周面51のうち、LED21の反対側、換言すれば、光線の導光方向側の反対面54やその根元の縁から光線の漏洩を招くことが全くなく、良好な光線の導光特性を得ることができる。したがって、押圧子50の周面51が輝点となって押圧子50や発光パターン41が局所的に過剰に輝くのを抑制し、操作キー31の照光性が悪化したり、操作入力層30の意匠性が損なわれるのを防止することができる。
【0030】
また、押圧子50の圧接面52と周面51との境界部53が角張っておらず、R加工されて光線の反射角度に変更が生じるのを防ぐので、境界部53から光線が漏れ、押圧子50や発光パターン41の輝度が過剰に増大するのを抑制することが可能になる。また、押圧子50を円錐台形に形成して全周面51を傾斜させるので、例え回路基板20表面の両端部にLED21がそれぞれ配設され、相反する多方向(例えば、図2の左右)から光線が導光されても、押圧子50の周面51やライトガイド層40との境界付近の縁から光線が漏れるのを有効に防止でき、しかも、構成の簡素化や製造の容易化が可能になる。
【0031】
また、押圧子50の周面51が5°以上の傾斜角度で傾斜しているので、隣接する押圧子50の周面51同士の干渉防止が期待できる。さらに、ライトガイド層40と押圧子50を有する別体の押圧層とを積層するのではなく、ライトガイド層40と押圧子50を一体化して薄くするので、携帯電話1の薄型化が大いに期待できる。
【0032】
次に、図4は本発明の第2の実施形態を示すもので、この場合には、各押圧子50を基本的には円柱形に形成し、この押圧子50の周面51のうち、少なくともLED21の反対側、換言すれば、光線の導光方向の反対面54を45°以下の傾斜角度で徐々に広がるよう傾斜させ、押圧子50の圧接面52と傾斜した周面51との境界部53を僅かにR加工するようにしている。その他の部分については、上記実施形態と略同様であるので説明を省略する。
【0033】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、押圧子50の形状の多様化を図ることができるのは明らかである。
【0034】
なお、上記実施形態では押圧子50をライトガイド層40の裏面に形成したが、何らこれに限定されるものではなく、例えばライトガイド層40の表面に形成しても良い。また、上記実施形態では押圧子50にプランジャ機能と光線の漏洩防止機能とを付与したが、これに限定されるものではない。例えば、押圧子50にレンズ機能等をさらに付与して光線を集光し、この集光した光線で操作キー31を発光パターン41を介し効率的に照明しても良い。
【0035】
以下、本発明に係るライトガイド層の導光構造の実施例を比較例と共に説明する。
〔実施例1〕
図5に示すように、表面にメタルドームが実装された回路基板上に、LEDからの光線を導光するライトガイド層を水平に積層し、このライトガイド層の表面に、光線を拡散照射する発光パターンを白色インクでドット印刷してその上方には輝度計〔コニカミノルタ製:商品名CS‐100〕を設置し、ライトガイド層の裏面には、回路基板のメタルドームにON動作させる押圧子を成形した。
【0036】
LEDは、回路基板の表面端部に設置してライトガイド層の周面の対向部に僅かな間隔で対向させ、押圧子の中心部までの距離を30mmとした。また、ライトガイド層はシリコーンゴムを用いて成形した。押圧子は、発光パターンの下方に位置する円錐台形に一体成形してその全周面を所定の傾斜角度θで徐々に広がるよう傾斜させた。この押圧子の周面の傾斜角度θは40°に調整した。
【0037】
上記構造に構成したら、LEDを発光させてその光線をライトガイド層の対向部に照射し、発光パターンの平均輝度と、輝点部分、すなわち押圧子周面の輝度とを輝度計により測定した。測定の結果、発光パターンの平均輝度は45〔cd/m2〕、押圧子周面の輝度は47〔cd/m2〕であり、良好な測定結果を得られた。
なお、押圧子の周面の傾斜角度θが40°以下の場合についても測定したが、同様に良好な測定結果が得られた。
【0038】
〔実施例2〕
基本的には実施例1と同様だが、押圧子の周面の傾斜角度θは45°に変更した。このような構造に構成したら、LEDを発光させてその光線をライトガイド層の対向部に照射し、発光パターンの平均輝度と押圧子周面の輝度とを輝度計により測定した。測定の結果、発光パターンの平均輝度は46〔cd/m2〕、押圧子周面の輝度は48〔cd/m2〕であった。
【0039】
〔比較例1〕
基本的には実施例1と同様であるが、押圧子の周面の傾斜角度θは50°に変更した。こうして変更したら、LEDを発光させてその光線をライトガイド層の対向部に照射し、発光パターンの平均輝度と押圧子周面の輝度とを輝度計により測定した。測定したところ、発光パターンの平均輝度が46〔cd/m2〕、押圧子周面の輝度が85〔cd/m2〕となり、押圧子の周面が輝いて見えるようになった。
【0040】
〔比較例2〕
基本的には実施例と同様であるが、押圧子を図6に示すように従来の円柱形に形成してその全周面の傾斜角度θを90°に変更した。
このように構成したら、LEDを発光させてその光線をライトガイド層の対向部に照射し、発光パターンの平均輝度と押圧子周面の輝度とを輝度計により測定した。測定したところ、発光パターンの平均輝度が49〔cd/m2〕、押圧子周面の輝度が185〔cd/m2〕で実施例よりも数値が大幅に悪化し、押圧子の周面が輝点となって押圧子が過剰に輝いた。
【0041】
以上より、実施例の場合には、押圧子の周面の傾斜角度θが45°以下なので、比較例と異なり、押圧子の周面が輝点となって押圧子や発光パターンが局所的に過剰に輝くことが殆んどなく、きわめて良好な結果を得た。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明に係るライトガイド層の導光構造は、音楽機器、家電機器、携帯機器、コンピュータ機器、情報通信機器、車載機器等の分野で使用することができる。
【符号の説明】
【0043】
1 携帯電話
20 回路基板
21 LED(光源)
22 メタルドーム(接点スイッチ)
30 操作入力層
31 操作キー
40 ライトガイド層
41 発光パターン
50 押圧子
51 周面
52 圧接面
53 境界部
54 反対面
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯機器や情報通信機器等に使用されるライトガイド層の導光構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来におけるライトガイド層の導光構造は、図示しないが、複数のメタルドームを配列した回路基板と、この回路基板の複数のメタルドームに操作キーをそれぞれ対向させる操作入力層とを備え、これら回路基板と操作入力層との間に、LEDからの光線を導光するライトガイド層が介在されており、このライトガイド層に導光された光線を操作入力層の複数の操作キーに照射するよう機能する(特許文献1参照)。ライトガイド層には、円柱形の押圧子が形成されたり、円柱形の押圧子を有する押圧層が積層され、押圧子が回路基板のメタルドームに圧接してON動作させる。
【0003】
上記構成において、LEDが発光すると、光線は、LEDからライトガイド層内に反射しながら導光され、このライトガイド層から操作入力層の複数の操作キーにそれぞれ照射され、各操作キーが照光される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010‐62086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来におけるライトガイド層の導光構造は、以上のように構成され、回路基板のメタルドームをON動作させる押圧子が単なる円柱形なので、押圧子の垂直の周面やライトガイド層との境界付近の縁から導光された光線が漏れて発光し、光線の導光に支障を来たすことがある。特に、押圧子の周面のうち、LEDの反対側に位置する反対面やその根元の縁から光線の漏洩を招くおそれが少なくない。その結果、押圧子、特にその周面が輝点となって異常に輝き、操作キーの照光性が悪化したり、操作入力層の意匠性を損なうという問題がある。
【0006】
本発明は上記に鑑みなされたもので、押圧子の周面やライトガイド層との境界付近の縁から光線が漏れるのを抑制し、押圧子が輝点となって操作キーの照光性や操作入力層の意匠性が悪化するのを防止することのできるライトガイド層の導光構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明においては上記課題を解決するため、表面に接点スイッチを備えた回路基板と、この回路基板の接点スイッチに操作キーを対向させる操作入力層とを備え、これら回路基板と操作入力層との間に、光源からの光線を導光する可撓性のライトガイド層を介在し、このライトガイド層に導光された光線を操作入力層の少なくとも操作キーに照射する構造であって、
ライトガイド層の表裏いずれか一方の面に、対向する回路基板の接点スイッチに圧接してON動作させる略柱形の押圧子を一体形成し、この押圧子の周面のうち、少なくとも光源の反対側に位置する反対面を45°以下の傾斜角度で徐々に広がるよう傾斜させたことを特徴としている。
【0008】
なお、ライトガイド層の裏面に押圧子を一体形成するとともに、ライトガイド層の表面に、押圧子の上方に位置する発光模様を形成し、この発光模様により導光された光線を操作入力層の少なくとも操作キーに照射することができる。
また、押圧子を略円錐台形に形成することができる。
また、押圧子の接点スイッチに圧接する圧接面と傾斜した周面との境界部を丸めて形成することが好ましい。
【0009】
ここで、特許請求の範囲における接点スイッチ、操作キー、光源、押圧子は、単数複数を特に問うものではない。接点スイッチは、ライフサイクルを伸ばす観点から反り返し可能なメタルドームタイプが好ましい。光源は、ライトガイド層の周面の先端部、末端部、一側部、他側部等に適宜配置することができる。また、操作入力層とライトガイド層との間には、空気層や接着層等を介在させても良い。操作入力層の少なくとも操作キーには光透過性を付与することが好ましい。
【0010】
本発明によれば、光源が発光すると、光線は、光源からライトガイド層内に反射しながら導光され、このライトガイド層から操作入力層の操作キーに照射され、操作キーの少なくとも一部が照光される。
この際、光線は、ライトガイド層と一体の押圧子内にも入射するが、押圧子の周面のうち、少なくとも光線の漏洩を招き易い反対面が垂直ではなく、45°以下の傾斜角度で徐々に傾いているので、押圧子の傾斜した周面やライトガイド層との境界付近の縁から漏れて発光することが少ない。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、押圧子の周面やライトガイド層との境界付近の縁から光線が漏れるのを抑制し、押圧子が輝点となって操作キーの照光性や操作入力層の意匠性が悪化するのを防止することができるという効果がある。
【0012】
また、請求項2記載の発明によれば、押圧子を複数の凹凸や切り欠きを有する複雑な形状に形成するのではなく、円錐台形に形成するので、例えライトガイド層の両端部や前後左右等に複数の光源が設置され、異なる複数の方向から光線が導光されても、押圧子の周面やライトガイド層との境界付近の縁から光線が漏れるのを防止でき、しかも、構成の簡素化や製造の容易化が期待できる。
【0013】
また、請求項3記載の発明によれば、押圧子の圧接面と周面との境界部が角張っておらず、光線の反射角度に変更が生じるのを防ぐことができるので、境界部から光線が漏れ、押圧子の輝度が過剰に増大するのを抑制することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係るライトガイド層の導光構造の実施形態における携帯電話を模式的に示す分解斜視図である。
【図2】本発明に係るライトガイド層の導光構造の実施形態を模式的に示す部分断面説明図である。
【図3】本発明に係るライトガイド層の導光構造の実施形態における押圧子を模式的に示す拡大説明図である。
【図4】本発明に係るライトガイド層の導光構造の第2の実施形態を模式的に示す部分断面説明図である。
【図5】本発明に係るライトガイド層の導光構造の実施例と比較例とを模式的に示す部分断面説明図である。
【図6】本発明に係るライトガイド層の導光構造の比較例を模式的に示す部分断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明すると、本実施形態におけるライトガイド層の導光構造は、図1ないし図3に示すように、携帯電話1に内蔵される回路基板20と、この回路基板20のメタルドーム22に操作キー31を対向させる操作入力層30とを備え、これら回路基板20と操作入力層30との間に、LED21からの光線を導光するライトガイド層40を介在し、導光された光線を操作入力層30の操作キー31に照射する構造であり、ライトガイド層40に、回路基板20のメタルドーム22にON動作させる押圧子50を形成してその周面51を所定の傾斜角度で傾斜させるようにしている。
【0016】
携帯電話1は、図1に示すように、送話口2を有する第一の筐体3と、この第一の筐体3の先端部に折り畳み可能に軸支される第二の筐体9とを備え、この第二の筐体9の先端部には、受話口10が設けられる。第一の筐体3は、回路基板20、操作入力層30、ライトガイド層40を積層して挟持する表カバー4と裏カバー5とを備え、これら表カバー4と裏カバー5との間には、図示しない小型のマイクが併せて内蔵される。裏カバー5の裏面には、薄いバッテリ6を収納する収納穴7が凹み形成され、この収納穴7には、バッテリ6用のバッテリカバー8が外部から着脱自在に覆着される。
【0017】
第二の筐体9は、回路基板20にフレキシブル基板11を介し電気的に接続された表示装置12を挟持する表面カバー13と裏面カバー14とを備える。これら表面カバー13と裏面カバー14との間には、小型のスピーカ15や図示しないカメラ等が内蔵される。表示装置12の端部には、赤外線入出力装置16が付設される。
【0018】
回路基板20は、図1や図2に示すように、表面に配線パターンと共に複数のメタルドーム22がXY方向に配列され、この複数のメタルドーム22が接点スイッチとして機能する。この回路基板20の表面の末端部には一対のLED21が間隔をおいて配設され、この一対のLED21がライトガイド層40の周面の対向する対向部に僅かな間隔をおいて隣接し、図2に矢印で示す白色や青色の光線を照射する。
【0019】
各メタルドーム22は、良好なクリック感を得る観点から薄いSUS板等を使用して弾性変形可能な中空の略半球状殻形に形成される。このメタルドーム22は、上方から押圧されることで変形して回路基板20の回路をON動作し、押圧が解除され、元の形態に復帰することで回路をOFF動作する。
【0020】
操作入力層30は、図1や図2に示すように、可撓性を有する細長い平面矩形の薄いシート等からなり、ライトガイド層40の表面周縁部に両面粘着テープや接着剤を介し平坦に接着されて携帯電話1の表カバー4に略面一に揃えられる。この操作入力層30のシートとしては、特に限定されるものではないが、例えば寸法安定性や強度に優れるポリカーボネート(PC)やポリエチレンテレフタレート(PET)製のシート等があげられる。
【0021】
操作入力層30の平坦な表面には、回路基板20の複数のメタルドーム22の直上にそれぞれ位置する複数の操作キー31が所定の間隔で一体的に配列され、各操作キー31が平面矩形に区画形成されてその表面には操作用の模様(文字、数字、記号等)が印刷される。各操作キー31は、少なくとも周縁部に照光用の光透過性が付与される。
【0022】
ライトガイド層40は、同図に示すように、可撓性を有する平面矩形の薄いシートやフィルム等からなり、回路基板20上に積層されて操作入力層30の裏面周縁部に接着する。このライトガイド層40は、特に限定されるものではないが、例えば導光性に優れる透明のシリコーンゴムやポリウレタン等からなる厚さ0.1〜0.2mm程度、好ましくは0.125mm程度のシートやフィルムで細長い平面矩形に形成される。
【0023】
ライトガイド層40の平坦な表面には、操作入力層30の複数の操作キー31の直下にそれぞれ位置する発光パターン41が白色インク等でドット印刷される。各発光パターン41は、発光模様として導光された光線を操作入力層30の操作キー31に拡散照射し、照光するよう機能する。
【0024】
押圧子50は、図2や図3に示すように、ライトガイド層40の平坦な裏面に所定の間隔で一体的に配列成形され、回路基板20の複数のメタルドーム22に上方からそれぞれ対向するとともに、複数の発光パターン41の下方にそれぞれ位置しており、メタルドーム22に圧接して変形させることにより、回路基板20の回路をON動作させる。
【0025】
各押圧子50は、例えば高さ0.2mm程度の背の低い透明の円錐台形に成形され、材料のコスト削減や光線の漏洩防止の観点から、全ての周面51が45°以下、好ましくは5°〜45°、より好ましくは10°〜45°の傾斜角度で徐々に広がるよう傾斜する。押圧子50のメタルドーム22の湾曲した表面に圧接する平坦な圧接面52と傾斜した周面51との境界部53は、光線の漏洩を防止するため、滑らかに僅かに丸めてR加工される。
【0026】
上記構成において、操作入力層30の所定の操作キー31が押圧操作されると、ライトガイド層40が撓みながらその対応する押圧子50を回路基板20のメタルドーム22に圧接し、対応するメタルドーム22が圧潰変形して回路基板20の回路をON動作し、携帯電話1の所定の機能(例えば、電話の送話機能、メールの新規作成や送信機能等)が実行されることとなる。
【0027】
次に、操作入力層30の所定の操作キー31が押圧操作され、一対のLED21が発光すると、光線は、各LED21からライトガイド層40内のXY方向に繰り返し全反射しながら導光され、このライトガイド層40表面の発光パターン41から複数の操作キー31にそれぞれ拡散照射され、各操作キー31の少なくとも周縁部が照光される。
【0028】
この際、光線は、ライトガイド層40と一体の押圧子50内にも入射するが、押圧子50の周面51が垂直ではなく、45°以下の傾斜角度で傾斜しているので、反射角度に変更が生じることが殆んどなく、押圧子50の周面51やライトガイド層40との境界付近の縁から外部に漏れて発光することがない。したがって、光線は、押圧子50から外部に漏れることなく、ライトガイド層40内に閉じ込められつつ、全反射しながら導光される。
【0029】
上記構成によれば、押圧子50の周面51が徐々に傾き、光線が所定の入射角で入射して界面で略完全に反射するので、押圧子50の周面51やライトガイド層40との境界付近の縁から光線が漏れるのを有効に防止することができる。特に、押圧子50の周面51のうち、LED21の反対側、換言すれば、光線の導光方向側の反対面54やその根元の縁から光線の漏洩を招くことが全くなく、良好な光線の導光特性を得ることができる。したがって、押圧子50の周面51が輝点となって押圧子50や発光パターン41が局所的に過剰に輝くのを抑制し、操作キー31の照光性が悪化したり、操作入力層30の意匠性が損なわれるのを防止することができる。
【0030】
また、押圧子50の圧接面52と周面51との境界部53が角張っておらず、R加工されて光線の反射角度に変更が生じるのを防ぐので、境界部53から光線が漏れ、押圧子50や発光パターン41の輝度が過剰に増大するのを抑制することが可能になる。また、押圧子50を円錐台形に形成して全周面51を傾斜させるので、例え回路基板20表面の両端部にLED21がそれぞれ配設され、相反する多方向(例えば、図2の左右)から光線が導光されても、押圧子50の周面51やライトガイド層40との境界付近の縁から光線が漏れるのを有効に防止でき、しかも、構成の簡素化や製造の容易化が可能になる。
【0031】
また、押圧子50の周面51が5°以上の傾斜角度で傾斜しているので、隣接する押圧子50の周面51同士の干渉防止が期待できる。さらに、ライトガイド層40と押圧子50を有する別体の押圧層とを積層するのではなく、ライトガイド層40と押圧子50を一体化して薄くするので、携帯電話1の薄型化が大いに期待できる。
【0032】
次に、図4は本発明の第2の実施形態を示すもので、この場合には、各押圧子50を基本的には円柱形に形成し、この押圧子50の周面51のうち、少なくともLED21の反対側、換言すれば、光線の導光方向の反対面54を45°以下の傾斜角度で徐々に広がるよう傾斜させ、押圧子50の圧接面52と傾斜した周面51との境界部53を僅かにR加工するようにしている。その他の部分については、上記実施形態と略同様であるので説明を省略する。
【0033】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、押圧子50の形状の多様化を図ることができるのは明らかである。
【0034】
なお、上記実施形態では押圧子50をライトガイド層40の裏面に形成したが、何らこれに限定されるものではなく、例えばライトガイド層40の表面に形成しても良い。また、上記実施形態では押圧子50にプランジャ機能と光線の漏洩防止機能とを付与したが、これに限定されるものではない。例えば、押圧子50にレンズ機能等をさらに付与して光線を集光し、この集光した光線で操作キー31を発光パターン41を介し効率的に照明しても良い。
【0035】
以下、本発明に係るライトガイド層の導光構造の実施例を比較例と共に説明する。
〔実施例1〕
図5に示すように、表面にメタルドームが実装された回路基板上に、LEDからの光線を導光するライトガイド層を水平に積層し、このライトガイド層の表面に、光線を拡散照射する発光パターンを白色インクでドット印刷してその上方には輝度計〔コニカミノルタ製:商品名CS‐100〕を設置し、ライトガイド層の裏面には、回路基板のメタルドームにON動作させる押圧子を成形した。
【0036】
LEDは、回路基板の表面端部に設置してライトガイド層の周面の対向部に僅かな間隔で対向させ、押圧子の中心部までの距離を30mmとした。また、ライトガイド層はシリコーンゴムを用いて成形した。押圧子は、発光パターンの下方に位置する円錐台形に一体成形してその全周面を所定の傾斜角度θで徐々に広がるよう傾斜させた。この押圧子の周面の傾斜角度θは40°に調整した。
【0037】
上記構造に構成したら、LEDを発光させてその光線をライトガイド層の対向部に照射し、発光パターンの平均輝度と、輝点部分、すなわち押圧子周面の輝度とを輝度計により測定した。測定の結果、発光パターンの平均輝度は45〔cd/m2〕、押圧子周面の輝度は47〔cd/m2〕であり、良好な測定結果を得られた。
なお、押圧子の周面の傾斜角度θが40°以下の場合についても測定したが、同様に良好な測定結果が得られた。
【0038】
〔実施例2〕
基本的には実施例1と同様だが、押圧子の周面の傾斜角度θは45°に変更した。このような構造に構成したら、LEDを発光させてその光線をライトガイド層の対向部に照射し、発光パターンの平均輝度と押圧子周面の輝度とを輝度計により測定した。測定の結果、発光パターンの平均輝度は46〔cd/m2〕、押圧子周面の輝度は48〔cd/m2〕であった。
【0039】
〔比較例1〕
基本的には実施例1と同様であるが、押圧子の周面の傾斜角度θは50°に変更した。こうして変更したら、LEDを発光させてその光線をライトガイド層の対向部に照射し、発光パターンの平均輝度と押圧子周面の輝度とを輝度計により測定した。測定したところ、発光パターンの平均輝度が46〔cd/m2〕、押圧子周面の輝度が85〔cd/m2〕となり、押圧子の周面が輝いて見えるようになった。
【0040】
〔比較例2〕
基本的には実施例と同様であるが、押圧子を図6に示すように従来の円柱形に形成してその全周面の傾斜角度θを90°に変更した。
このように構成したら、LEDを発光させてその光線をライトガイド層の対向部に照射し、発光パターンの平均輝度と押圧子周面の輝度とを輝度計により測定した。測定したところ、発光パターンの平均輝度が49〔cd/m2〕、押圧子周面の輝度が185〔cd/m2〕で実施例よりも数値が大幅に悪化し、押圧子の周面が輝点となって押圧子が過剰に輝いた。
【0041】
以上より、実施例の場合には、押圧子の周面の傾斜角度θが45°以下なので、比較例と異なり、押圧子の周面が輝点となって押圧子や発光パターンが局所的に過剰に輝くことが殆んどなく、きわめて良好な結果を得た。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明に係るライトガイド層の導光構造は、音楽機器、家電機器、携帯機器、コンピュータ機器、情報通信機器、車載機器等の分野で使用することができる。
【符号の説明】
【0043】
1 携帯電話
20 回路基板
21 LED(光源)
22 メタルドーム(接点スイッチ)
30 操作入力層
31 操作キー
40 ライトガイド層
41 発光パターン
50 押圧子
51 周面
52 圧接面
53 境界部
54 反対面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に接点スイッチを備えた回路基板と、この回路基板の接点スイッチに操作キーを対向させる操作入力層とを備え、これら回路基板と操作入力層との間に、光源からの光線を導光する可撓性のライトガイド層を介在し、このライトガイド層に導光された光線を操作入力層の少なくとも操作キーに照射するライトガイド層の導光構造であって、
ライトガイド層の表裏いずれか一方の面に、対向する回路基板の接点スイッチに圧接してON動作させる略柱形の押圧子を一体形成し、この押圧子の周面のうち、少なくとも光源の反対側に位置する反対面を45°以下の傾斜角度で徐々に広がるよう傾斜させたことを特徴とするライトガイド層の導光構造。
【請求項2】
押圧子を略円錐台形に形成した請求項1記載のライトガイド層の導光構造。
【請求項3】
押圧子の接点スイッチに圧接する圧接面と傾斜した周面との境界部を丸めて形成した請求項1又は2記載のライトガイド層の導光構造。
【請求項1】
表面に接点スイッチを備えた回路基板と、この回路基板の接点スイッチに操作キーを対向させる操作入力層とを備え、これら回路基板と操作入力層との間に、光源からの光線を導光する可撓性のライトガイド層を介在し、このライトガイド層に導光された光線を操作入力層の少なくとも操作キーに照射するライトガイド層の導光構造であって、
ライトガイド層の表裏いずれか一方の面に、対向する回路基板の接点スイッチに圧接してON動作させる略柱形の押圧子を一体形成し、この押圧子の周面のうち、少なくとも光源の反対側に位置する反対面を45°以下の傾斜角度で徐々に広がるよう傾斜させたことを特徴とするライトガイド層の導光構造。
【請求項2】
押圧子を略円錐台形に形成した請求項1記載のライトガイド層の導光構造。
【請求項3】
押圧子の接点スイッチに圧接する圧接面と傾斜した周面との境界部を丸めて形成した請求項1又は2記載のライトガイド層の導光構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2012−43545(P2012−43545A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−181095(P2010−181095)
【出願日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】
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