説明

ライトペン

【課題】情報端末装置における入力画面に情報を入力するための光を発する発光部を配したライトペンに、情報端末装置の入力画面に情報を入力中に、入力した情報の情報端末装置の入力画面および/または表示用画面に表示される筆跡の線幅や色等を容易に変更可能とするための機能を変更するためのスイッチを設ける。
【解決手段】 軸筒2の把持部11に1つの点滅切換用スイッチ12を設け、軸筒2に設けた、発光部9の発光ダイオードの点灯状態と点滅状態を制御する点滅制御回路を有した回路部13に接続する。メインスイッチ体16を軸筒2の後端部15に設け、メインスイッチ体16を押圧すると、電源部14と回路部13と発光部9が電気的に接続し、発光部9が点灯状態となり、点滅切換用スイッチ12を押すことにより発光部9が点滅するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報端末装置における入力画面に情報を入力するための光を発する発光部を配したライトペンに関する。
【背景技術】
【0002】
情報端末装置における入力画面に情報を入力するための、ペン本体の先端部に入力チップと該入力チップに向けて光を発する発光部を配し、発光部が発光して入力チップから照射される光により情報を入力するライトペンについては、従来より知られている。
【0003】
こうした情報端末装置におけるライトペンは、筆圧により入力チップが後退することで回路が電気的にオン状態となる筆圧スイッチにより、あるいはライトペンの本体軸部に設けた手動スイッチにより、発光部が継続して発光する構造となっており、情報端末の入力画面に入力した情報の入力画面および/または表示用画面に表示される筆跡は、同じ線幅や同じ色である。前記筆跡の線幅や色を変えるようにするには、線幅や色を選定する等の機能選定スイッチを情報端末装置の本体に設けるか、あるいは入力画面のある部分に、光が照射されているライトペンの入力チップで当接することでスイッチがON状態となる機能選定スイッチとなるスイッチエリアを設けて、スイッチ操作をする必要があるが、前記方法ではライトペンを用いてスイッチ操作を行なうので、ライトペンの入力チップを入力画面より一旦離して前記スイッチを押すことになる。そうすると、入力画面に1つの連続線で情報を入力中には、一旦、ライトペンの入力チップの先端を入力画面から離間しなければならないので、情報を再入力した際には、元の情報の位置と再入力の情報の位置は微妙にずれた位置となり、1つの連続線として情報を入力することは難しいという問題や操作が煩わしいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−347806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、情報端末装置における入力画面に情報を入力するための光を発する発光部を配したライトペンに、情報端末装置の入力画面に情報を入力中に、入力した情報の情報端末装置の入力画面および/または表示用画面に表示される筆跡の線幅や色等を容易に変更可能とするための機能を変更するためのスイッチを設けることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
「1.情報端末装置における入力画面に情報を入力するための光を発する発光部を配したライトペンにおいて、軸筒内に発光部を異なる点滅パルスで点滅する発光状態を可能とするための点滅制御回路を有した回路部を設け、軸筒の把持部に前記回路部に接続した1つまたは複数の点滅切替用スイッチを設けたことを特徴とするライトペン。」
である。
【0007】
本発明において、前記点滅制御回路は特別な回路ではなく、従来より知れている点滅制御回路を採用するものである。
【0008】
ライトペンにおいては発光部を発光させるための電源部が必要となるが、本発明のライトペンにおいては、電源部は軸筒内に設けても良いし、あるいは情報端末装置とコードで接続し情報端末装置の電源を電源部としても良い。
【0009】
本発明のライトペンは発光部が点滅状態で発光するが、情報端末装置におけるライトペンとしては、当然に、情報端末装置における入力画面の内部に、ライトペンの発光部の点滅の点滅パルスの長さを検知する検知部や、情報端末本体の制御部に入力した情報の位置の座標や入力画面および/または表示用画面に表示される筆跡の線幅や色等に関する情報を出力する出力部を設けてある必要がある。
【発明の効果】
【0010】
本発明のライトペンは前記したような構造なので、情報端末装置における入力画面に入力した情報の入力画面および/または表示用画面に表示される筆跡の線幅や色に変化をもたらす等の機能変更を容易に行えることができ、かつライトペンの入力チップを入力画面より離すことなくスイッチ操作ができるので、連続した1つの筆跡線となる情報の入力中に入力を中断することなくスイッチ操作が可能という効果がある。
【0011】
ライトペンの発光部の連続した点灯の発光状態と点滅パルスが異なる点滅した発光状態を、複数の発光体を設ける必要がなく、点滅制御回路を設けることで1つの発光体で行なことができ、製造コスト面での利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明のライトペンの実施例を示す、ライトペンの概略図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、ライトペンの軸筒の把持部に、軸筒内に設けた点滅制御回路を有した回路部に接続した点滅切替用スイッチを設ける。
【実施例】
【0014】
本発明のライトペンの実施例を図面を用いて説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。本実施例におけるライトペン1は、図示してないが、情報を入力する入力画面を有した携帯用の情報端末装置に具設される、前記入力画面に情報を入力するためのライトペンであり、従来のライトペンにおける構造と同様の構造を有するものである。
【0015】
本発明のライトペン1の特徴は、筆跡の線幅や色に変化をもたらしたり、筆跡を消去するための機能変更スイッチを設けてる。ライトペン1は、図1に示すように、軸筒2の先端に先窄み状に形成した口先部3を螺着してあり、該口先部3内には尖端部4を有する透明または半透明に形成した入力チップ5を、尖端部4を口先部3の先端開口部6より外方に突出させ、入力チップ5を前後方向(図1において左右方向)に摺動可能に挿着してある。
【0016】
入力チップ5の後端部7には発光部収容室8を形成してあり、入力チップ5の後方に装着した発光ダイオードからなる発光部9の先端部10を前記発光部収容室8に収容してある。
【0017】
軸筒2の把持部11に1つの点滅切換用スイッチ12を設けてあり、発光部9の発光ダイオードを継続した点灯状態(以下、単に「点灯状態」という。)と点滅した点灯状態(以下、単に「点滅状態」という。)を制御する点滅制御回路を有した回路部13に接続してある。発光部9は前記回路部13に接続してあり、該回路部13より後方の軸筒2内に設けた電池(図示せず)を電源とする電源部14を前記回路部13に接続してある。
【0018】
軸筒2の後端部15には、発光部9を点灯状態とするためのメインスイッチ体16を、摺動可能に一部を軸筒2の後端部15より後方(図1において左側)に突出させて配してあり、図示してないが、筆記具の繰出機構で知られている、「ノック式」と呼ばれている繰出機構のカム溝、固定カムを付設して、メインスイッチ体16を押圧することによりメインスイッチ体16が前進してその位置を保持し、再度押圧することによりメインスイッチ体16が後退して元の位置に復帰するようにしてある。図1においては省略してあるが、メインスイッチ体16が前進した際に、回路部13とメインスイッチ体16を電気的に接続する一方の配線17と他方の配線18が導通するようにしてある。
【0019】
メインスイッチ体16を押圧すると、電源部14と回路部13と発光部9が電気的に接続し、発光部9の発光ダイオードが点灯する。
【0020】
前記状態で点滅切換用スイッチ12を押すと、図示していないが回路部13の点滅制御回路が作動して、発光部9の発光ダイオードは点滅状態になる。
【0021】
本実施例では、点滅切換用スイッチ12は1つしか設けてないが、複数設けて、例えば、入力画面に入力した情報の入力画面および/または表示画面に表示される筆跡の状態が、色や線幅等が変化するようにしても良い。
【0022】
また、本実施例では、メインスイッチ体16を押圧することにより発光部9の発光ダイオードが点灯するような構造としたが、点滅状態となるようにし、点滅切換用スイッチ12を押すと発光ダイオードが点灯状態になるようにしても良い。また、図示していないが、メインスイッチ体16を押圧することにより回路部13の点滅制御回路が作動状態となり、入力チップ5が後退することにより、電源部14、回路部13、発光部9が電気的に接続し、発光部9の発光ダイオードが点灯し、点滅切換用スイッチ12を押しながら情報を入力することで入力チップ5が後退して、電源部14と回路部13と発光部9が電気的に接続し、発光部9の発光ダイオードが点滅するようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0023】
情報端末装置における入力画面に情報を入力するためのライトペンとしてのみならず、照明用のライトとしても適用できる。また前者においては、情報端末装置において入力画面等に機能を選定するための、ライトペンの光が照射された入力チップで接触することで機能が変更する機能選定指示箇所を設けた構造の情報端末装置等において、機能別に複数の機能選定指示箇所を設けることなく、1箇所の機能選定指示箇所で複数の機能を選定したい場合等に適用できる。また、情報端末装置にまえもって点滅パルスを記憶させておくことにより、発光部の特定した点滅状態(点滅パルス)を行なうライトペンのみに反応するようにすることができるので、認証ペンとして適用できる。
【符号の説明】
【0024】
1 ライトペン
2 軸筒
9 発光部
11 把持部
12 点滅切替用スイッチ
13 回路部
16 メインスイッチ体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報端末装置における入力画面に情報を入力するための光を発する発光部を配したライトペンにおいて、軸筒内に発光部を異なる点滅パルスで点滅する発光状態を可能とするための点滅制御回路を有した回路部を設け、軸筒の把持部に前記回路部に接続した1つまたは複数の点滅切替用スイッチを設けたことを特徴とするライトペン。

【図1】
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【公開番号】特開2011−48660(P2011−48660A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−196927(P2009−196927)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(303022891)株式会社パイロットコーポレーション (647)
【Fターム(参考)】