説明

ライブラリ装置、ライブラリ装置の媒体管理方法、光ディスク廃棄用ドライブ

【課題】 光ディスクの情報漏洩を完全に防止することのできるライブラリ装置、ライブラリ装置の媒体管理方法、光ディスク廃棄用ドライブを提供する。
【解決手段】 光ディスク120へ情報の記録再生を行う第1ドライブ105と、光ディスク120の寿命予測を行うための記録データの品質を検出する第2ドライブ104と、寿命と予測した光ディスクの記録データの破壊消去を行う第3ドライブ101と、寿命と予測した光ディスク120の記録データをコピーするバックアップ制御を行う主制御部108と、破壊消去済みの光ディスク120を筐体200外部へ取り出すメディア排出口103とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライブラリ装置、ライブラリ装置の媒体管理方法、光ディスク廃棄用ドライブに関し、特に、光ディスクの破壊消去を行い、データ漏洩を回避できるライブラリ装置、ライブラリ装置の媒体管理方法、光ディスク廃棄用ドライブに関する。
【背景技術】
【0002】
光ディスクライブラリ装置は、筐体内で光ディスクの保管およびデータの書き込み/読み取りを自動的に行う。光ディスクの廃棄時のデータ消去は、筐体外へ廃棄用光ディスクを手動で取り出し後、専用の消去装置にてデータ破壊を行うのが一般的である。
【0003】
そこで、追記型光ディスクのデータ破壊に関連する技術としては、例えば、特許文献1、2に記載のようなものがある。
【0004】
特許文献1は、追記型光ディスクに記録されたコピー禁止情報を別の光ディスクへ記録するとき、元のコピー禁止情報を読み出し不可能とすることで、コピー禁止情報を移動することを可能とする技術である。このため、追記型光ディスクに記録された情報がコピー禁止情報のとき、所定強度のレーザーで追記型光ディスクに書き込みを行い、管理情報、ファイルシステム、ユーザデータの何れか、または管理情報とユーザデータとの両方を破壊する。
【0005】
特許文献2は、データ消去手段のない追記型メディアで、コピー不可のコンテンツを他のメディアに移動することを可能とする技術である。このため、移動対象の全データを他機器で解析不能な独自形式で記録装置内部に一旦保持した後に、移動元の追記型メディアの破壊を行い、その後に移動先のメディアに書き込みを行う。
【0006】
また、記録媒体の寿命に関連する技術としては、特許文献3に記載のような技術がある。
【0007】
特許文献3は、記録媒体の劣化の進行に対するユーザの不安を解消する技術である。このため、ディスク再生装置は、エラーレートが単位時間当たり所定の閾値以上となったとき、ディスクの劣化を判定し、バックアップを指示する信号を発生する。また、記録面の傷の状態、ディスクのそり・面振れ、データの圧縮、記録方法に応じて、劣化判定用の閾値を適当な値に変更する。
【0008】
【特許文献1】特開2006−155816号公報
【特許文献2】特開2006−120218号公報
【特許文献3】特開2006−164332号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の一般的な光ディスクライブラリ装置は、筐体外へ廃棄用光ディスクを取り出し、消去装置まで運搬する必要があり、この間にデータ漏洩の虞があるという課題がある。
【0010】
また、特許文献1、2に記載の技術は、何れも、元の追記型光ディスクの情報を破壊後は、別の追記型光ディスクへの不法コピーを防止できる。しかし、追記型光ディスクを光ディスク装置に装着して情報を破壊する前段階の間に関し、追記型光ディスクは、取り扱いが自由である。従って、上記技術は、破壊の前段階では追記型光ディスクの情報漏洩の虞があるという課題がある。
【0011】
さらに、特許文献3に記載の技術は、ディスクの劣化を判定し、バックアップした後、バックアップ元のディスクの取り扱いに関し、特に記載がないが、通常、不良ディスクとして廃棄処理する。従って、特許文献3は、バックアップ後、廃棄処理を実施するまでの間にバックアップ元のディスクを用いた情報漏洩の虞があるという課題がある。
【0012】
本発明の目的は、上述の光ディスクの情報漏洩を完全に防止することのできるライブラリ装置、ライブラリ装置の媒体管理方法、光ディスク廃棄用ドライブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のライブラリ装置は、光ディスクと、光ディスクを保管する保管棚と、光ディスクへ情報の記録再生を行う第1ドライブと、光ディスクの寿命予測を行うための記録データの品質を検出する第2ドライブと、寿命と予測した光ディスクの記録データの破壊消去を行う第3ドライブと、光ディスクを保管棚と第1ドライブと第2ドライブと第3ドライブとの間で移動させる移動機構部と、移動機構部を制御する移動制御部と、寿命と予測した光ディスクの記録データをコピーするバックアップ制御を行う主制御部と、破壊消去済みの光ディスクを筐体外部へ取り出す排出口とを有することを特徴とする。
【0014】
本発明のライブラリ装置の媒体管理方法は、データの破壊消去済み光ディスクのみを筐体外に排出することを特徴とする。
【0015】
本発明のライブラリ装置の媒体管理方法は、第1ドライブにより光ディスクへ情報の記録再生を行うステップと、光ディスクを保管棚へ保管するステップと、保管棚から第2ドライブへ光ディスクを移動させるステップと、光ディスクの寿命予測を行うための記録データの品質を第2ドライブで検出するステップと、品質データを元に寿命予測判定を行うステップと、光ディスクが寿命へ到達と判定のとき、保管棚から新規の光ディスクを第1ドライブへ移動させるステップと、寿命へ到達の光ディスクの記録データを新規の光ディスクへコピーするステップと、コピー済みの新規の光ディスクを第1ドライブから保管棚へ移動させるステップと、寿命へ到達の光ディスクを第2ドライブから第3ドライブへ移動させるステップと、光ディスクの破壊消去を第3ドライブで行うステップと、破壊消去済みの光ディスクを第3ドライブから排出口へ移動させるステップと、光ディスクが寿命へ未達と判定のとき、寿命へ未達の光ディスクを第2ドライブから保管棚へ移動させるステップとを有することを特徴とする。
【0016】
本発明の光ディスク廃棄用ドライブは、光ディスクの記録層を破壊、または、基板を塑性変形させる破壊消去手段を有し、破壊消去手段は、光ディスクの種別に対応する完全消去手段と簡易消去手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明のライブラリ装置、ライブラリ装置の媒体管理方法は、光ディスクのデータ漏洩を完全に防止できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0019】
図1は、本発明のライブラリ装置100の第1実施例を示す概略構成ブロック図である。
【0020】
図1を参照すると、ライブラリ装置100は、筐体200と、光ディスク120と、メディア保管棚114と、第1ドライブ105と、第2ドライブ104と、第3ドライブ101と、メディア移動機構部106と、メディア移動制御部107と、主制御部108とで構成する。
【0021】
光ディスク120は、例えば、CD−R(Conpact Disk−Recordable)、DVD−R(Digital Versatile Disk−Recordable)、DVD±R、BD−R(Blue Ray Disk−Recordable)、HD DVD−R(High Density Digital Versatile Disk−Recordable)などのメディアである。
【0022】
メディア保管棚114は、光ディスク120を保管する。また、筐体200の外部から光ディスク120を投入するためのメディア投入口102は、メディア保管棚114に隣接して設ける。
【0023】
第1ドライブ105(以降、リードライト用光ディスクドライブ105と称す)は、例えば、CD−R、DVD−R、DVD±R、BD−R、HD DVD−Rなどの光ディスク120に対して読み書き可能なドライブである。
【0024】
第2ドライブ104(以降、エラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104と称す)は、光ディスク120に対して読み書き可能であり、光ディスク120のコレクタブルリードエラー数126、エラーレート127を取得可能な手段を備える。
【0025】
第3ドライブ101(以降、光ディスクメディア消去ドライブ101と称す)は、寿命に達したと予測した光ディスク120のデータの破壊消去を行う。また、光ディスクメディア消去ドライブ101は、破壊消去済みの光ディスク120のみを筐体200外部へ取り出すためのメディア排出口103を設け、光ディスクメディア消去ドライブ101からのみメディア排出口103へアクセスできる構造(図示省略)を備える。
【0026】
メディア移動機構部106は、光ディスク120をメディア保管棚114、リードライト用光ディスクドライブ105、エラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104、光ディスクメディア消去ドライブ101との間で移動させるアクセッサ機構で構成する。アクセッサ機構は、周知の機構であり詳細な説明を省略する。
【0027】
メディア移動制御部107は、メディア移動機構部106が光ディスク120を移動元の指定位置から移動先の指定位置へ移動させるための制御を行う。
【0028】
主制御部108は、寿命に達したと予測した光ディスク120の記録データをコピーする制御を行うバックアップ制御部1082と、ドライブロック機構140、光ディスクメディア消去ドライブ101、エラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104、リードライト用光ディスクドライブ105、メディア移動制御部107を制御する動作制御部1083とを備える。なお、主制御部108は、具体的にはCPU(Central Processing Unit)、半導体メモリなどを備える。
【0029】
筐体200は、例えば、図4に概略を示すドライブロック機構140を備える。ドライブロック機構140は、リードライト用光ディスクドライブ105、エラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104、光ディスクメディア消去ドライブ101、メディア保管棚114を各々筐体200へロックする。なお、メディア排出口103、メディア投入口102を独立して設けるときは、ドライブロック機構140は、光ディスクメディア消去ドライブ101、メディア保管棚114に代えメディア排出口103、メディア投入口102をロックする構成とする。図4では、一例としてリードライト用光ディスクドライブ105を筐体200へロックするときの概略構成を示す。
【0030】
図4を参照すると、ドライブロック機構140は、筐体200へ固定される。ドライブロック機構140は、ソレノイド141と、ソレノイド141のシャフト143を外部へ突出する方向へ付勢力を与えるスプリング142と、シャフト143に取り付けるストッパ145と、シャフト143の突出位置を規制するハウジングケース144とで構成する。
【0031】
リードライト用光ディスクドライブ105は、側面に穴202を設ける。ドライブロック機構140は、シャフト143が穴202に挿入時にリードライト用光ディスクドライブ105をロックする構成とする。
【0032】
図4は、ソレノイド141の電源がオフの状態を示し、電源がオンのときのみ、ドライブロック機構140は、シャフト143を吸引しロックを解除するよう構成する。
【0033】
従って、光ディスク120をローディングした状態で内部に存在する間、電源が入っていない状態でも、ドライブロック機構140は、シャフト143を穴202に挿入し、筐体200にロックするため、リードライト用光ディスクドライブ105を取り外しできない。なお、保守員によりリードライト用光ディスクドライブ105を交換するとき、主制御部108は、光ディスク120がアンロード状態(光ディスク120が無い状態)であることを検出し、ソレノイド141の電源をオンにする制御を行うことで、ロックを解除する。
【0034】
また、筐体200は、光ディスク120をメディア投入口102から投入する以外、筐体200内部へ人がアクセスできないよう、図示しない施錠などにより密閉する構造を備える。
【0035】
次に、上述のように構成したライブラリ装置100の動作について、図面を参照して説明する。
【0036】
図6は、光ディスク120を筐体200内へ投入時のライブラリ装置100の動作を説明するためのフローチャートである。
【0037】
図6を参照すると、光ディスク120がメディア投入口102へ投入されると(S601)、メディア移動機構部106は、光ディスク120をメディア投入口102からエラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104の位置へ移動し、投入(ロード)する(S602)。
【0038】
エラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104は、光ディスク120の書き込み状態を調べる(S603)。光ディスク120が未書き込みで、かつ、現状では書き込むべきデータがない場合(S604)、メディア移動機構部106は、光ディスク120をメディア保管棚114へ移動する(S606)。
【0039】
投入した光ディスク120が書き込み済みであった場合、または、未書き込みの光ディスク120で、書き込むべきデータがあり(S604)、そのデータの書き込みを行った後(S605)、エラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104は、光ディスク120の寿命予測を行うための品質(具体的には、後述のコレクタブルリードエラー数126、エラーレート127)を確認する(S607)。
【0040】
寿命か否かを判定し(S608)、コレクタブルリードエラー数126、エラーレート127が一定数未満であった場合(寿命ではないと判定時)、メディア移動機構部106は、メディア保管棚114へ光ディスク120を移動し格納する(S609)。
【0041】
コレクタブルリードエラー数126、エラーレート127が一定数以上であった場合(寿命と判定時)、メディア保管棚114に新規光ディスク120の有無を判定し(S610)、新規光ディスク120があれば、メディア移動機構部106は、新規光ディスク120をメディア保管棚114から取り出し、リードライト用光ディスクドライブ105へ投入する(S612)。メディア保管棚114に新規光ディスク120がない場合は、メディア投入口102へ新しい光ディスク120が投入される(S611)。
【0042】
メディア移動機構部106は、新規光ディスク120をメディア投入口102から取り出し、リードライト用光ディスクドライブ105へ投入する(S612)。
【0043】
バックアップ制御部1082は、コレクタブルリードエラー数126、エラーレート127が一定数以上の光ディスク120のデータを新規光ディスク120上にコピーを実行する(S613)。
【0044】
メディア移動機構部106は、コピー元の光ディスク120をエラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104から取り出し、メディア保管棚114に移動し、一時的に格納する(S614)。
【0045】
メディア移動機構部106は、コピー先の新規光ディスク120をリードライト用光ディスクドライブ105から取り出し、エラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104へ移動し、投入する(S615)。
【0046】
エラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104は、新規光ディスク120のコレクタブルリードエラー数126、エラーレート127を確認する(S616)。
【0047】
寿命か否かを判定し(S617)、新規光ディスク120のコレクタブルリードエラー数126、エラーレート127が一定数未満であった場合、メディア移動機構部106は、コピー元の光ディスク120をメディア保管棚114から取り出し、光ディスクメディア消去ドライブ101へ移動し、投入する(S618)。
【0048】
光ディスクメディア消去ドライブ101は、コピー元の光ディスク120のデータを破壊消去する(S619)。メディア移動機構部106は、破壊消去済みの光ディスク120を光ディスクメディア消去ドライブ101から取り出し、メディア排出口103へ移動して排出する(S620)。
【0049】
メディア移動機構部106は、コピー先の新規光ディスク120をエラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104から取り出し、コピー元の光ディスク120を保管していたメディア保管棚114の棚位置へ移動し格納する(S621)。
【0050】
上記(S617)において、エラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104が、新規光ディスク120のコレクタブルリードエラー数126、エラーレート127を確認の結果、寿命と判定したとき、メディア移動機構部106は、新規光ディスク120を光ディスクメディア消去ドライブ101へ移動、投入する。光ディスクメディア消去ドライブ101でデータを破壊消去後、メディア移動機構部106は、破壊消去済みの新規光ディスク120を光ディスクメディア消去ドライブ101から取り出し、メディア排出口103へ移動して排出する(S622)。メディア移動機構部106は、コピー元の光ディスク120をメディア保管棚114から取り出し、エラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104へ移動、投入する(S623)。その後、上記(S610)へ戻る。
【0051】
一方、メディア保管棚114にある未書き込みの光ディスク120へデータの書き込みを行うとき、メディア移動機構部106は、未書き込みの光ディスク120をメディア保管棚114から取り出し(S624)、エラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104へ移動し、投入する(S625)。エラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104は、光ディスク120にデータの書き込みを行い(S626)。その後は、上述の(S607)以降に進む。
【0052】
以上説明したように、上述のライブラリ装置100は、データの破壊消去済み光ディスク120のみを筐体200外に排出することにより、光ディスク120のデータ漏洩を防止できるという効果がある。
【0053】
また、ライブラリ装置100は、電源が入っていない状態でロックするような構成のドライブロック機構140を筐体200へ設けている。ドライブロック機構140は、リードライト用光ディスクドライブ105、エラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104、光ディスクメディア消去ドライブ101、メディア保管棚114(光ディスク120の各存在箇所と称す)を各々筐体200へロックする。従って、光ディスク120が各存在箇所の内部にある間、各存在箇所を取り外すことができず、光ディスク120を筐体200の外部へ各存在箇所毎に排出することも不可能となり、光ディスク120のデータ漏洩をより一層完全に防止できるという効果がある。
【実施例2】
【0054】
次に、本発明のライブラリ装置300の第2実施例について、図面を参照して説明する。
【0055】
図2は、ライブラリ装置300の第2実施例を示す概略構成ブロック図である。
【0056】
図2を参照すると、ライブラリ装置300は、筐体200と、光ディスク120と、メディア保管棚114と、第1ドライブ105と、第2ドライブ104と、第3ドライブ101と、メディア移動機構部106と、メディア移動制御部107と、主制御部308と、磁気ディスク130と、外部インタフェース部113と、動作モード選択スイッチ111(以降、動作モード選択SW111と称す)と、動作モード表示部112とで構成する。なお、既述の第1実施例のライブラリ装置100と同一構成要素は同一符号で表記する。
【0057】
主制御部308は、バックアップ制御部1082と動作制御部1083とに加え、監視部1081を備える。監視部1081は、後述の動作モードDB110を監視する。
【0058】
ライブラリ装置300は、構成要素として、磁気ディスク130と、外部インタフェース部113と、動作モード選択SW111と、動作モード表示部112とをライブラリ装置100に加えて備えることが異なる点であり、異なる点についてのみ、以下に重点的に説明する。
【0059】
ライブラリ装置300は、記憶手段の一例として磁気ディスク130を備える。磁気ディスク130は、光ディスク120の特定情報と保管位置情報と品質情報と検出日時情報とを関連付けてデータベース(以降、DBと略す)化して、動作モードDB110として各種情報を格納する(図3参照)。
【0060】
図3を参照すると、動作モードDB110は、新規光ディスク位置/未書き込みフラグDB1101、光ディスク位置/エラー数/エラーレートDB1102、メディア規格情報DB1103、光ディスクドライブ情報DB1104、消去動作モードDB1105、デフォルト動作パラメータDB1106とで構成する。
【0061】
図7を参照すると、新規光ディスク位置/未書き込みフラグDB1101は、メディア種別121、メディアラベル名122、未書き込みフラグ123、メディア格納位置124の各種情報を備える。
【0062】
図8を参照すると、光ディスク位置/エラー数/エラーレートDB1102は、メディア種別121、メディアラベル名122、記録済の使用容量(セクタ数)125、メディア格納位置124、コレクタブルリードエラー数126、エラーレート127、確認日128の各種情報を備える。
【0063】
図9を参照すると、メディア規格情報DB1103は、メディア種別121、セクタ長151、総セクタ数152、コレクタブルリードエラー数閾値153、エラーレート閾値154の各種情報を備える。
【0064】
図10を参照すると、光ディスクドライブ情報DB1104は、ドライブ種別161、ドライブ型番162、コマンド仕様163、光ディスク互換情報164の各種情報を備える。
【0065】
図11を参照すると、消去動作モードDB1105は、メディア種別121に対応する完全消去モード171と、簡易消去モード172との各種情報を備える。完全消去モード171と簡易消去モード172とは、各々、破壊消去用のパラメータ情報を備える。破壊消去用のパラメータ情報は、光ビームスポット強度と、光ビームが光ディスク120の半径方向へ往復する速度と、光ビームが記録データ領域の最内周位置と最外周位置とに到達時に光ディスク120を回転させる角度と、メディア表面温度とを備える。
【0066】
図12を参照すると、デフォルト動作パラメータDB1106は、消去動作モードDB1105を選択しないとき、光ディスク120のデータの破壊消去を簡易的に行うためのデフォルト動作パラメータを格納する。デフォルト動作パラメータDB1106は、消去動作モードDB1105の完全消去モード171と簡易消去モード172とのどちらの指定もない光ディスク120の消去を行う際にも使用する。
【0067】
外部インタフェース部113は、図示しないサーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ、情報端末装置などに接続するRS232C、USB(Universal Serial Bus)、モデム、LAN(Local Area Network)などのインタフェースを持つ接続制御モジュールである。動作モードDB110に存在しない(動作モードDB110に未格納)光ディスクドライブに変更してライブラリ装置300内に搭載したとき、外部インタフェース部113は、その光ディスクドライブの情報、光ディスク120との互換情報を収集する際に使用される。また、外部インタフェース部113は、動作モードDB110に存在しない光ディスク120を投入したとき、その光ディスク120の規格情報を収集する際に使用される。
【0068】
動作モード選択SW111は、押しボタン(図示せず)などを使用したスイッチであり、消去動作モードを選択する。
【0069】
動作モード表示部112は、7セグメントLED(Light Emitting Diode)やLCD(Liquid Cristal Dispiay)などの表示部であり、動作モード選択SW111の状態を監視し、消去動作モード並びに動作結果などを表示する。
【0070】
なお、動作モード選択SW111と動作モード表示部112とは、保守員、オペレータなどが操作、視覚可能となる筐体200の外側に設けることは云うまでもない。
【0071】
次に、上述のように構成したライブラリ装置300の動作について、図面を参照して説明する。
【0072】
図13は、光ディスク120を筐体200内へ投入時のライブラリ装置300の動作を説明するためのフローチャートである。
【0073】
図13を参照すると、光ディスク120がメディア投入口102へ投入されると(S1301)、メディア移動機構部106は、光ディスク120をメディア投入口102からエラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104の位置へ移動し、投入(ロード)する(S1302)。
【0074】
エラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104は、光ディスク120の書き込み状態を調べ(S1303)、書き込むべきデータが有るか否かを判断する(S1304)。
【0075】
光ディスク120が未書き込みで、かつ、書き込むべきデータがない場合、監視部1081は、動作モードDB110を参照し、メディア保管棚114の空きを確認し、メディア格納位置124、メディア種別121、メディアラベル名122、未書き込みフラグ123の情報を関連付けて新規光ディスク位置/未書き込みフラグDB1101へ登録する(S1306)。
【0076】
各種情報を登録後、メディア移動機構部106は、光ディスク120をメディア保管棚114へ移動する(S1307)。
【0077】
投入した光ディスク120が書き込み済みであった場合、または、未書き込みの光ディスク120で、書き込むべきデータがあり、そのデータの書き込みを行った(S1305)場合、エラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104は、光ディスク120の寿命予測を行うための品質(コレクタブルリードエラー数126、エラーレート127)を確認する(S1308)。
【0078】
寿命か否かを判定し(S1309)、コレクタブルリードエラー数126、エラーレート127が一定数未満であった場合(寿命ではないと判定時)、メディア移動機構部106は、メディア保管棚114へ光ディスク120を移動し格納する(S1310)。格納後、監視部1081は、動作モードDB110を参照し、メディア保管棚114のメディア格納位置124と、特定情報(メディアラベル名122と使用容量(セクタ数)125とメディア種別121)と、品質情報(コレクタブルリードエラー数126とエラーレート127)と、確認日128との情報を関連付けて光ディスク位置/エラー数/エラーレートDB1102へ登録する(S1311)。
【0079】
コレクタブルリードエラー数126、エラーレート127が一定数以上であった場合(寿命と判定時)、監視部1081は、動作モードDB110を検索し(S1312)、新規の光ディスク120が有るか否かを判断する(S1313)。
【0080】
メディア保管棚114に新規光ディスク120があれば、メディア移動機構部106は、新規光ディスク120をメディア保管棚114から取り出し、リードライト用光ディスクドライブ105へ投入する(S1316)。メディア保管棚114に新規光ディスク120がない場合、主制御部308は、新しい光ディスク120を投入するよう動作モード表示部112へ表示させる制御を行う(S1314)。保守員は、表示内容を見てメディア投入口102へ新しい光ディスク120を投入する(S1315)。
【0081】
メディア移動機構部106は、新規光ディスク120をメディア投入口102から取り出し、リードライト用光ディスクドライブ105へ投入する(S1316)。
【0082】
バックアップ制御部1082は、コレクタブルリードエラー数126、エラーレート127が一定数以上の光ディスク120のデータを新規光ディスク120上にコピーを実施する(S1317)。
【0083】
メディア移動機構部106は、コピー元の光ディスク120をエラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104から取り出し、メディア保管棚114に移動し、一時的に格納する(S1318)。
【0084】
メディア移動機構部106は、コピー先の新規光ディスク120をリードライト用光ディスクドライブ105から取り出し、エラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104へ移動し、投入する(S1319)。
【0085】
エラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104は、新規光ディスク120のコレクタブルリードエラー数126、エラーレート127を確認する(S1320)。
【0086】
寿命か否かを判定し(S1321)、新規光ディスク120のコレクタブルリードエラー数126/エラーレート127が一定数未満であった場合、メディア移動機構部106は、コピー元の光ディスク120をメディア保管棚114から取り出し、光ディスクメディア消去ドライブ101へ移動し、投入する(S1322)。
【0087】
主制御部308は、コピー元の光ディスク120のデータを消去するための消去モードの選択画面、デフォルト動作パラメータを動作モード表示部112へ表示させる(S1323)。
【0088】
オペレータは、動作モード表示部112の表示内容を参照して、動作モード選択SW111で光ディスク120に対応する消去動作モードを選択する(S1324)。
【0089】
光ディスクメディア消去ドライブ101は、コピー元の光ディスク120のデータを破壊消去する(S1325)。
【0090】
ここで、図11を参照して、一例として、光ディスク120がDVD−R、消去動作モードとして完全消去モード171を選択したときの破壊消去動作について、以下に簡単に説明する。
【0091】
ハロゲン、キセノンなどを光源とした光ビームスポット強度を150W(ワット)、光ビーム駆動速度を6秒/エッジ間、最外周での回転角度および最内周での回転角度を共に8度、光ディスク120の表面温度を250度として、破壊消去動作を行う。
【0092】
先ず、光ビームスポットの出力を開始し、光ディスク120の表面温度を温度センサ(図示せず)で測定し、250度に保持した状態で光ビームスポットを最内周から最外周へ移動させ、最外周で光ディスク120を8度回転させる。次に、光ビームスポットを最外周から最内周へ移動させ、最内周で光ディスク120を8度回転させる。光ディスク120を1回転するまで、この動作を繰り返し実行する。光ディスク120の表面温度を一定温度(250度)に保持する方法は、図示しない光ビームスポット制御部が、温度センサの測定値が設定値に対して高温のときは光ビームスポット強度を小さくし、低温のときは、光ビームスポット強度を大きくするよう制御する。
【0093】
なお、破壊消去は、光ディスク120の記録層(図示せず)を破壊するか、或いは、基板(図示せず)を塑性変形させる破壊の何れかを行い、廃棄用の消去を行う。記録層の破壊と基板の破壊との選択は、光ディスク120の表面温度の設定値により行う。
【0094】
メディア移動機構部106は、破壊消去済みの光ディスク120を光ディスクメディア消去ドライブ101から取り出し、メディア排出口103へ移動して排出する(S1326)。メディア移動機構部106は、コピー先の新規光ディスク120をエラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104から取り出し、コピー元の光ディスク120を保管していたメディア保管棚114の棚位置へ移動し格納する(S1327)。
【0095】
メディア保管棚114へ格納後、監視部1081は、メディア格納位置124、メディアラベル名122、使用容量(セクタ数)125、コレクタブルリードエラー数126、エラーレート127、確認日128の情報を関連付けて光ディスク位置/エラー数/エラーレートDB1102へ登録する(S1328)。
【0096】
上記(S1321)において、エラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104が、新規光ディスク120のコレクタブルリードエラー数126、エラーレート127を確認の結果、寿命と判定したとき、メディア移動機構部106は、新規光ディスク120を光ディスクメディア消去ドライブ101へ移動、投入する。光ディスクメディア消去ドライブ101でデータを破壊消去後、メディア移動機構部106は、破壊消去済みの新規光ディスク120を光ディスクメディア消去ドライブ101から取り出し、メディア排出口103へ移動して排出する(S1329)。メディア移動機構部106は、コピー元の光ディスク120をメディア保管棚114から取り出し、エラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104へ移動、投入する(S1330)。その後、上記(S1312)へ戻る。
【0097】
一方、メディア保管棚114にある未書き込みの光ディスク120へデータの書き込みを行う場合、メディア移動機構部106は、未書き込みの光ディスク120をメディア保管棚114から取り出し(S1331)、エラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104へ移動し、投入する(S1332)。エラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104は、光ディスク120にデータの書き込みを行い(S1333)、その後は、上述の(S1308)以降に進む。
【0098】
以上説明したように、上述のライブラリ装置300は、保守員が動作モード表示部112の表示内容を参照して、動作モード選択SW111で消去動作モードを選択するのみで、自動的にデータの破壊消去を実行できるという効果がある。
【0099】
また、ライブラリ装置300は、光ディスク120のメディア格納位置124、メディアラベル名122、使用容量(セクタ数)125、コレクタブルリードエラー数126、エラーレート127、確認日128の各種情報を関連付けて動作モードDB110へ登録している。従って、ライブラリ装置300は、光ディスク120を投入時に経年変化に起因して寿命のきた光ディスク120を抽出でき、データをバックアップすることで、筐体200内の全ての光ディスク120の信頼性を確保できるという効果がある。
【0100】
次に、光ディスク120を筐体200内で管理時のライブラリ装置300の動作について、図面を参照して説明する。
【0101】
図14は、光ディスク120を筐体200内で管理時のライブラリ装置300の動作を説明するためのフローチャートである。
【0102】
図14を参照すると、メディア移動機構部106は、コレクタブルリードエラー数126、エラーレート127の確認を一定期間(一例として6ヶ月間)行っていない光ディスク120を、メディア保管棚114からエラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104へ移動し、ロード(投入)する(S1401)。
【0103】
エラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104は、コレクタブルリードエラー数126、エラーレート127を測定し、光ディスク位置/エラー数/エラーレートDB1102を参照して、今回の測定値を前回の測定結果と比較する(S1402)。
【0104】
エラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104は、今回の測定値が、各々、コレクタブルリードエラー数閾値153、エラーレート閾値154未満で有るか否か、および、一定数未満の増加または変動であるか否かを判断する(S1403)。
【0105】
測定値が何れもコレクタブルリードエラー数閾値153、エラーレート閾値154未満で、且つ、前回の測定結果と比較して一定数未満の増加または変動であるとき、メディア移動機構部106は、光ディスク120をメディア保管棚114の元の棚位置へ移動し、保管する。メディア保管棚114へ格納後、監視部1081は、メディア格納位置124、メディアラベル名122、使用容量(セクタ数)125、コレクタブルリードエラー数126、エラーレート127、確認日128の情報を関連付けて光ディスク位置/エラー数/エラーレートDB1102へ登録する(S1404)。
【0106】
なお、一定数未満の増加であるか否かは、コレクタブルリードエラー数126に適用し、一定数以内の変動であるか否かは、エラーレート127に適用する。エラーレート127に関して、一定数を2に設定しておくと、例えば、今回の測定値と前回の測定値との比が1以上〜2未満であるとき、一定数未満の変動と判断する。
【0107】
上記(S1403)において、測定値がコレクタブルリードエラー数閾値153以上、エラーレート閾値154以上、または、前回の測定結果と比較して一定数以上の増加または変動があるとき、監視部1081は、動作モードDB110を検索し(S1405)、新規の光ディスク120が有るか否かを判断する(S1406)。
【0108】
メディア保管棚114に新規光ディスク120があれば、メディア移動機構部106は、新規光ディスク120をメディア保管棚114から取り出し、リードライト用光ディスクドライブ105へ投入する(S1409)。メディア保管棚114に新規光ディスク120がない場合、主制御部308は、新しい光ディスク120を投入するよう動作モード表示部112へ表示させる指示を行う(S1407)。オペレータは、表示内容を見てメディア投入口102へ新しい光ディスク120を投入する(S1408)。
【0109】
メディア移動機構部106は、新規光ディスク120をメディア投入口102から取り出し、リードライト用光ディスクドライブ105へ投入する(S1409)。
【0110】
バックアップ制御部1082は、コレクタブルリードエラー数126、エラーレート127が一定数以上の光ディスク120のデータを新規光ディスク120上にコピーを実施する(S1410)。
【0111】
メディア移動機構部106は、コピー元の光ディスク120をエラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104から取り出し、メディア保管棚114に移動し、一時的に格納する(S1411)。
【0112】
メディア移動機構部106は、コピー先の新規光ディスク120をリードライト用光ディスクドライブ105から取り出し、エラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104へ移動し、投入する(S1412)。
【0113】
エラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104は、新規光ディスク120のコレクタブルリードエラー数126、エラーレート127を確認する(S1413)。
【0114】
寿命か否かを判定し(S1414)、新規光ディスク120のコレクタブルリードエラー数126/エラーレート127が一定数未満であった場合、メディア移動機構部106は、コピー元の光ディスク120をメディア保管棚114から取り出し、光ディスクメディア消去ドライブ101へ移動し、投入する(S1415)。
【0115】
主制御部308は、コピー元の光ディスク120のデータを消去するための消去動作モードの選択画面、デフォルト動作パラメータを動作モード表示部112へ表示させる(S1416)。
【0116】
オペレータは、動作モード表示部112の表示内容を参照して、動作モード選択SW111で光ディスク120に対応する消去動作モードを選択する(S1417)。
【0117】
光ディスクメディア消去ドライブ101は、コピー元の光ディスク120のデータを破壊消去する(S1418)。メディア移動機構部106は、破壊消去済みの光ディスク120を光ディスクメディア消去ドライブ101から取り出し、メディア排出口103へ移動して排出する(S1419)。
【0118】
メディア移動機構部106は、コピー先の新規光ディスク120をエラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104から取り出し、コピー元の光ディスク120を保管していたメディア保管棚114の棚位置へ移動し格納する(S1420)。
【0119】
メディア保管棚114へ格納後、監視部1081は、メディア格納位置124、メディアラベル名122、使用容量(セクタ数)125、コレクタブルリードエラー数126、エラーレート127、確認日128の情報を関連付けて光ディスク位置/エラー数/エラーレートDB1102へ登録する(S1421)。
【0120】
上記(S1414)において、エラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104が、新規光ディスク120のコレクタブルリードエラー数126、エラーレート127を確認の結果、寿命と判定したとき、メディア移動機構部106は、新規光ディスク120を光ディスクメディア消去ドライブ101へ移動、投入する。光ディスクメディア消去ドライブ101でデータを破壊消去後、メディア移動機構部106は、破壊消去済みの新規光ディスク120を光ディスクメディア消去ドライブ101から取り出し、メディア排出口103へ移動して排出する(S1422)。メディア移動機構部106は、コピー元の光ディスク120をメディア保管棚114から取り出し、エラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104へ移動、投入する(S1423)。その後、上記(S1405)へ戻る。
【0121】
一方、メディア保管棚114にある書き込み済みの光ディスク120へデータの追加書き込み(追記)を行うとき、メディア移動機構部106は、書き込み済みの光ディスク120をメディア保管棚114から取り出し(S1424)、エラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104へ移動し、投入する(S1425)。エラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104は、光ディスク120にデータの書き込みを行い(S1426)、その後は、上述の(S1402)以降に進む。
【0122】
以上説明したように、ライブラリ装置300は、光ディスク120のコレクタブルリードエラー数126、エラーレート127を定期的に確認し、動作モードDB110へ格納しておき、前回測定値と今回測定値とを比較し、寿命予測の判断としている。
【0123】
従って、ライブラリ装置300は、経年変化に起因して寿命のきた光ディスク120を障害発生前に抽出し、バックアップすることで、筐体200内の全ての光ディスク120の信頼性を確保できるという効果がある。
【0124】
次に、リードライト用光ディスクドライブ105、エラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104を交換/変更時の動作について、図面を参照して説明する。
【0125】
図15は、ドライブを交換/変更時のライブラリ装置300の動作を説明するためのフローチャートである。
【0126】
図15を参照すると、監視部1081は、エラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104、およびリードライト用光ディスクドライブ105に光ディスク120が入っている(ロードされている)か否かを判断する(S1501)。
【0127】
光ディスク120が入っているとき、ドライブロック機構140は、エラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104、リードライト用光ディスクドライブ105をロックするため、交換/変更をすることができない(S1502)。エラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104、リードライト用光ディスクドライブ105は、内部に光ディスク120が入っていないときのみ、交換/変更をすることができる。
【0128】
監視部1081は、光ディスクドライブ情報DB1104を参照し、交換/変更をして筐体200に新たに搭載するエラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104、リードライト用光ディスクドライブ105の互換情報の有無を判断する(S1503)。例えば、次世代光ディスクドライブ(図示せず)などに交換/変更する場合、監視部1081は、次世代光ディスクドライブに対応する光ディスク互換情報164を光ディスクドライブ情報DB1104で確認する。
【0129】
交換/変更をするエラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104、リードライト用光ディスクドライブ105の光ディスク互換情報164が光ディスクドライブ情報DB1104に存在しないとき(例えば、次世代光ディスクドライブ情報、それに対応する光ディスク互換情報164が無いとき)、監視部1081は、外部インタフェース部113を介して次世代光ディスクドライブ情報および光ディスク互換情報164を入手する。監視部1081は、入手した次世代光ディスクドライブ情報と光ディスク互換情報164とを関連付けして、光ディスクドライブ情報DB1104内に登録する(S1504)。
【0130】
監視部1081は、次世代光ディスクドライブの下位互換の有無(ライブラリ装置300内部に入っている光ディスク120をそのまま読み書き可能であるか否か)を判断する(S1505)。
【0131】
交換/変更をする次世代光ディスクドライブが下位互換ありのとき、エラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104、および、リードライト用光ディスクドライブ105は、同時に交換/変更が行われる(S1506)。次世代の光ディスク120が入ってきた時点で、次世代光ディスクドライブは、次世代の光ディスク120へデータ書き込みを行う。
【0132】
交換/変更をする次世代光ディスクドライブが下位互換なしのとき、ライブラリ装置300は、全ての光ディスク120を次世代の光ディスク120へ入れ替えることが必要となる。そこで、ライブラリ装置300は、最初にエラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104のみ次世代光ディスクドライブへ交換/変更される(S1507)。
【0133】
ライブラリ装置300は、メディア投入口102より交換した次世代光ディスクドライブに対応した次世代の光ディスク120が投入される(S1508)。監視部1081は、投入された次世代の光ディスク120の情報が、メディア規格情報DB1103内に存在するか否かを判断する(S1509)。
【0134】
次世代の光ディスク120の情報がメディア規格情報DB1103内に存在しない場合、監視部1081は、外部インタフェース部113を介してコレクタブルリードエラー数閾値153、エラーレート閾値154の各情報、および、次世代の光ディスク120の規格情報(セクタ長151、総セクタ数152)を入手する。
【0135】
監視部1081は、入手したコレクタブルリードエラー数閾値153、エラーレート閾値154の各情報と次世代の光ディスク120の規格情報とを関連付けして、メディア規格情報DB1103内に登録する(S1510)。
【0136】
バックアップ制御部1082は、全ての光ディスク120のデータを順次、次世代の光ディスク120へコピーする。コピー後、監視部1081は、エラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104にてコピーした次世代の光ディスク120のコレクタブルリードエラー数126、エラーレート127を確認する(S1511)。監視部1081は、メディア格納位置124、メディアラベル名122、使用容量(セクタ数)125、コレクタブルリードエラー数126、エラーレート127、確認日128の情報を関連付けて光ディスク位置/エラー数/エラーレートDB1102へ登録する。
【0137】
メディア移動機構部106は、コピー元の光ディスク120を光ディスクメディア消去ドライブ101へ移動、投入し(S1512)、コピー元の光ディスク120を格納していたメディア保管棚114の棚位置へ次世代の光ディスク120を移動、収納する(S1513)。
【0138】
光ディスクメディア消去ドライブ101は、光ディスク120のデータを消去し、消去後、メディア移動機構部106は、光ディスク120をメディア排出口103へ移動し、排出する(S1514)。全てのコピー元の光ディスク120の消去、および、排出が完了した時点で、保守員は、リードライト用光ディスクドライブ105の交換/変更を行う(S1515)。
【0139】
以上説明したように、ライブラリ装置300は、監視部1081が、外部インタフェース部113を介して光ディスクドライブ情報および光ディスク互換情報164を入手する。従って、ライブラリ装置300は、交換/変更をする光ディスクドライブの各種情報が内部に存在しないときにおいても、市場に存在する全ての光ディスクドライブ、光ディスク120に対応した情報を収集、格納して交換/変更可能である。
【0140】
また、ライブラリ装置300は、全てのコピー元の光ディスク120のデータを順次、新規光ディスク120へコピーし、全てのコピー元の光ディスク120を光ディスクメディア消去ドライブ101で消去して排出する故、光ディスクドライブの交換/変更時にも情報漏洩を完全に防止できるという効果がある。
【実施例3】
【0141】
次に、本発明のライブラリ装置400の第3実施例について、図面を参照して説明する。
【0142】
図5は、ライブラリ装置400の第3実施例を示す概略構成ブロック図である。なお、既述の第2実施例のライブラリ装置300と同一構成要素は同一符号で表記する。
【0143】
図5を参照すると、ライブラリ装置400は、構成要素として、温湿度センサ部115と、エアコン/風量調整部116とをライブラリ装置300に加えて備えることが異なる点であり、異なる点についてのみ、以下に重点的に説明する。
【0144】
温湿度センサ部115は、筐体200内部の各部の温湿度を管理するための温湿度センサ(図示せず)を備える。温湿度センサ部115は、メディア保管棚114、エラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ104、リードライト用光ディスクドライブ105などの温湿度を管理する。
【0145】
エアコン/風量調整部116は、温湿度に一定上変化があったとき、一定時間をかけて温湿度を調整する。
【0146】
温湿度センサ部115とエアコン/風量調整部116とは、主制御部308の制御を受け動作する。
【0147】
上述のライブラリ装置400は、筐体200内の温湿度を管理するため、保管する光ディスク120の長寿命化、および、光ディスク120をロードしたリードライト用光ディスクドライブ105の動作上の安定化を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0148】
【図1】本発明のライブラリ装置の第1実施例を示す概略構成ブロック図である。
【図2】本発明のライブラリ装置の第2実施例を示す概略構成ブロック図である。
【図3】磁気ディスクの格納情報を示す図である。
【図4】ドライブロック機構を示す概略構成図である。
【図5】本発明のライブラリ装置の第3実施例を示す概略構成ブロック図である。
【図6】本発明のライブラリ装置の第1実施例の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】新規光ディスク位置/未書き込みフラグDBを説明するための図である。
【図8】光ディスク位置/エラー数/エラーレートDBを説明するための図である。
【図9】メディア規格情報DBを説明するための図である。
【図10】光ディスクドライブ情報DBを説明するための図である。
【図11】消去動作モードDBを説明するための図である。
【図12】デフォルト動作パラメータDBを説明するための図である。
【図13】本発明の第2実施例のライブラリ装置の光ディスクを筐体内へ投入時の動作を説明するためのフローチャートである。
【図14】本発明の第2実施例のライブラリ装置の光ディスクを筐体内で管理時の動作を説明するためのフローチャートである。
【図15】本発明の第2実施例のライブラリ装置のドライブを交換/変更時の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0149】
100、300、400 ライブラリ装置
101 光ディスクメディア消去ドライブ
102 メディア投入口
103 メディア排出口
104 エラーレート確認/リードライト用光ディスクドライブ
105 リードライト用光ディスクドライブ
106 メディア移動機構部
107 メディア移動制御部
108、308 主制御部
1081 監視部
1082 バックアップ制御部
1083 動作制御部
110 動作モードDB
1101 新規光ディスク位置/未書き込みフラグDB
1102 光ディスク位置/エラー数/エラーレートDB
1103 メディア規格情報DB
1104 光ディスクドライブ情報DB
1105 消去動作モードDB
1106 デフォルト動作パラメータDB
111 動作モード選択SW
112 動作モード表示部
113 外部インタフェース部
114 メディア保管棚
115 温湿度センサ部
116 エアコン/風量調整部
120 光ディスク
121 メディア種別
122 メディアラベル名
123 未書き込みフラグ
124 メディア格納位置
125 使用容量(セクタ数)
126 コレクタブルリードエラー数
127 エラーレート
128 確認日
130 磁気ディスク
140 ドライブロック機構
141 ソレノイド
142 スプリング
143 シャフト
144 ハウジングケース
145 ストッパ
151 セクタ長
152 総セクタ数
153 コレクタブルリードエラー数閾値
154 エラーレート閾値
161 ドライブ種別
162 ドライブ型番
163 コマンド仕様
164 光ディスク互換情報
171 完全消去モード
172 簡易消去モード
200 筐体
202 穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクと、前記光ディスクを保管する保管棚と、前記光ディスクへ情報の記録再生を行う第1ドライブと、前記光ディスクの寿命予測を行うための記録データの品質を検出する第2ドライブと、寿命と予測した前記光ディスクの前記記録データの破壊消去を行う第3ドライブと、前記光ディスクを前記保管棚と前記第1ドライブと前記第2ドライブと前記第3ドライブとの間で移動させる移動機構部と、前記移動機構部を制御する移動制御部と、寿命と予測した前記光ディスクの記録データをコピーするバックアップ制御を行う主制御部と、破壊消去済みの前記光ディスクを筐体外部へ取り出す排出口とを有することを特徴とするライブラリ装置。
【請求項2】
前記光ディスクの特定情報と保管位置情報と品質情報と検出日時情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、前記第3ドライブの消去動作モードの選択画面を表示する動作モード表示部と、前記消去動作モードを選択する動作モード選択手段と、外部のコンピュータへ接続する外部インタフェース部とを有することを特徴とする請求項1記載のライブラリ装置。
【請求項3】
前記光ディスクは、ライトワンス媒体を有することを特徴とする請求項1または2記載のライブラリ装置。
【請求項4】
前記第2ドライブは、定期的に品質を検出する手段を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載のライブラリ装置。
【請求項5】
前記記録データの品質は、コレクタブルリードエラー数またはエラーレートを有することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載のライブラリ装置。
【請求項6】
前記寿命予測は、閾値に対する前記コレクタブルリードエラー数または前記エラーレート、或いは、時間経過に対する前記コレクタブルリードエラーの増加数または前記エラーレートの変化率により行うことを特徴とする請求項5記載のライブラリ装置。
【請求項7】
前記第3ドライブは、前記排出口を有することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載のライブラリ装置。
【請求項8】
前記第3ドライブは、前記光ディスクの記録層を破壊、または、基板を塑性変形させる廃棄用の破壊消去手段を有することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項記載のライブラリ装置。
【請求項9】
前記移動制御部は、廃棄用の前記記録データの消去を行った前記光ディスクを前記排出口へ移動させ、寿命でないと予測した前記光ディスクまたはコピー済みのコピー先の前記光ディスクを前記保管棚へ移動させる制御を行うことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項記載のライブラリ装置。
【請求項10】
前記記憶手段は、磁気ディスクを有し、前記光ディスクの特定情報と保管位置情報と品質情報と検出日時情報とを関連付けて前記磁気ディスクへデータベース化して格納することを特徴とする請求項2記載のライブラリ装置。
【請求項11】
前記特定情報は、前記光ディスクの種別、ラベル名、記録済容量とを有することを特徴とする請求項2または10記載のライブラリ装置。
【請求項12】
前記記憶手段は、前記消去動作モードをデータベース化して格納し、前記消去動作モードは、前記光ディスクの種別に対応する完全消去モードと簡易消去モードとを有することを特徴とする請求項2、10、11の何れか1項記載のライブラリ装置。
【請求項13】
前記完全消去モードと前記簡易消去モードとは、各々、前記破壊消去用のパラメータを有することを特徴とする請求項12記載のライブラリ装置。
【請求項14】
前記記憶手段は、前記消去動作モードを選択しないときに前記破壊消去を行うためのデフォルト動作パラメータを格納することを特徴とする請求項2乃至13の何れか1項記載のライブラリ装置。
【請求項15】
前記筐体は、前記第1ドライブと前記第2ドライブと前記第3ドライブとを各々前記筐体から取り外せないようロックするドライブロック機構を有することを特徴とする請求項1または2記載のライブラリ装置。
【請求項16】
前記外部インタフェース部は、前記光ディスクまたは光ディスクドライブの仕様情報を受信することを特徴とする請求項2記載のライブラリ装置。
【請求項17】
データの破壊消去済み光ディスクのみを筐体外に排出することを特徴とするライブラリ装置の媒体管理方法。
【請求項18】
第1ドライブにより光ディスクへ情報の記録再生を行うステップと、前記光ディスクを保管棚へ保管するステップと、前記保管棚から第2ドライブへ前記光ディスクを移動させるステップと、前記光ディスクの寿命予測を行うための記録データの品質を前記第2ドライブで検出するステップと、品質データを元に寿命予測判定を行うステップと、前記光ディスクが寿命へ到達と判定のとき、前記保管棚から新規の前記光ディスクを前記第1ドライブへ移動させるステップと、寿命へ到達の前記光ディスクの前記記録データを新規の前記光ディスクへコピーするステップと、コピー済みの新規の前記光ディスクを前記第1ドライブから前記保管棚へ移動させるステップと、寿命へ到達の前記光ディスクを前記第2ドライブから第3ドライブへ移動させるステップと、前記光ディスクの破壊消去を前記第3ドライブで行うステップと、破壊消去済みの前記光ディスクを前記第3ドライブから排出口へ移動させるステップと、前記光ディスクが寿命へ未達と判定のとき、寿命へ未達の前記光ディスクを前記第2ドライブから前記保管棚へ移動させるステップとを有することを特徴とするライブラリ装置の媒体管理方法。
【請求項19】
前記光ディスクの特定情報と保管位置情報と品質情報と検出日時情報とを関連付けて記憶手段へ記憶するステップと、前記第3ドライブの消去動作モードの選択画面を動作モード表示部へ表示するステップと、前記消去動作モードを動作モード選択手段により選択するステップと、外部インタフェース部を介して外部のコンピュータへ接続するステップとを実行することを特徴とする請求項18記載のライブラリ装置の媒体管理方法。
【請求項20】
前記第2ドライブは、定期的に品質検出のステップを実行することを特徴とする請求項18または19記載のライブラリ装置の媒体管理方法。
【請求項21】
前記記録データの品質は、コレクタブルリードエラー数またはエラーレートを有し、前記寿命予測判定は、閾値に対する前記コレクタブルリードエラー数または前記エラーレート、或いは、時間経過に対する前記コレクタブルリードエラーの増加数または前記エラーレートの変化率により判定することを特徴とする請求項18乃至20の何れか1項記載のライブラリ装置の媒体管理方法。
【請求項22】
前記第3ドライブは、前記光ディスクの記録層を破壊、または、基板を塑性変形させる廃棄用の前記破壊消去のステップを実行することを特徴とする請求項18記載のライブラリ装置の媒体管理方法。
【請求項23】
光ディスクの記録層を破壊、または、基板を塑性変形させる破壊消去手段を有し、前記破壊消去手段は、前記光ディスクの種別に対応する完全消去手段と簡易消去手段とを有することを特徴とする光ディスク廃棄用ドライブ。
【請求項24】
前記破壊消去手段は、光ビームの強度と、前記光ビームが前記光ディスクの半径方向へ往復する速度と、前記光ビームが記録データ領域の最内周位置と最外周位置とに到達時に前記光ディスクを回転させる角度とをパラメータとして有することを特徴とする請求項23記載の光ディスク廃棄用ドライブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−104684(P2009−104684A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−273070(P2007−273070)
【出願日】平成19年10月19日(2007.10.19)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)
【Fターム(参考)】