説明

ラインヘッド、および画像形成装置

【課題】 レジストマークの形成を簡略な構成で行うラインヘッドと、そのラインヘッドを用いた画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 ガラス基板62に形成された画像形成用のドット光源63を用いたラインヘッドにおいて、レジストマーク形成用の光源73は画像形成用のドット光源63とは異なるサイズで形成する。例えば、レジストマーク形成用の光源73aは、画像形成用のドット光源63よりも副走査方向の幅を狭く形成する。または、レジストマーク形成用の光源73aは、画像形成用のドット光源63よりも主走査方向の幅を広く形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レジストマークの形成を簡略に行えるラインヘッド、およびそのラインヘッドを用いた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タンデム方式の画像形成装置においては、露光装置として走査光学系を設ける方式と、発光素子アレイを用いる方式が知られている。例えば特許文献1には、LEDヘッドを用いたタンデム型画像形成装置で、色ずれマークを形成してレジスト制御を行う例が記載されている。また、特許文献2には、有機EL発光素子でラインヘッドを構成し、発光特性のバラツキを解消させている例が記載されている。また、このようなラインヘッドを用いたタンデム型画像形成装置が開示されている。さらに、
特許文献3には、タンデム型画像形成装置において、色ずれを補正するためのレジストセンサと濃度センサを共用する例が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開平4−107579号公報
【特許文献2】特開平11−138899
【特許文献3】特開平1−167769
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、タンデム型の画像形成装置においてカラー画像を形成する際には、色ずれを防止するためにレジストマークを形成している。従来、レジストマークの形成は、画像の書込みを行う露光ヘッドを制御して行われていた。このため、レジストマークの形成のためにレジストマークの画像データを記憶する手段や、記憶した画像データに基づき、露光ヘッドを制御するための制御回路などが必要であり、構成が複雑になるという問題があった。
【0005】
また、通常電子写真方式の画像形成装置では、画像処理を行う画像コントローラ部とメカ部分を制御するメカコントローラ部が設けられている。色ずれ量の測定は通常メカコントローラ部で行われ、レジストマークを形成するために、前記メカコントローラ部に画像処理や露光制御を行う回路が必要となるので、この点でも構成が複雑になるという問題があった。
【0006】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、レジストマークの形成を簡略に行えるラインヘッド、およびそのラインヘッドを用いた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のラインヘッドは、基板に形成された画像形成用のドット光源を用いたラインヘッドにおいて、レジストマーク形成用の光源を前記画像形成用のドット光源とは異なるサイズもしくは形状で形成したことを特徴とする。このように、レジストマーク形成用の光源を画像形成用のドット光源とは別に設けているので、レジストマーク形成用の光源を動作させるだけで簡単にレジストマークを形成することができる。したがって、特別な制御回路を設けることなく構成を簡略化できる。また、レジストマーク形成用の光源を前記画像形成用のドット光源とは異なるサイズもしくは形状で形成しているので、両者の区分を明確にすることができる。
【0008】
また、本発明のラインヘッドは、前記レジストマーク形成用の光源は、前記画像形成用のドット光源よりも副走査方向の幅を狭く形成したことを特徴とする。このように、レジストマーク形成用の各発光部の副走査方向における幅を、前記ドット光源よりも狭く形成しているので、レジストマーク形成の精度を向上させることができる。
【0009】
また、本発明のラインヘッドは、前記レジストマーク形成用の光源は、前記画像形成用のドット光源よりも主走査方向の幅を広く形成したことを特徴とする。このように、レジストマーク形成用光源の主走査方向における幅をドット光源よりも主走査方向の幅を広く形成しているので、レジストマークのエッジをスムースに形成できる。したがって、レジストマーク検出の精度を向上させることができる。
【0010】
また、本発明のラインヘッドは、前記画像形成用のドット光源の中心線に、前記レジストマーク形成用の光源の中心を合わせて形成したことを特徴とする。このような構成としているので、レジストマーク形成用各光源を形成する際の位置合わせ工程が簡略化され、精度良くレジストマーク形成用光源を設けることができる。
【0011】
また、本発明のラインヘッドは、前記画像形成用のドット光源と、レジストマーク形成用の光源を共通の駆動回路で駆動することを特徴とする。このように、単一の駆動回路を用いているので、制御回路の構成を簡略にすることができる。
【0012】
また、本発明のラインヘッドは、前記画像形成用のドット光源と、前記レジストマーク形成用の光源を副走査方向に異なるラインで形成したことを特徴とする。このため、基板の副走査方向のスペースを有効に利用することができる。
【0013】
また、本発明のラインヘッドは、前記レジストマーク形成用の光源を副走査方向に複数列形成したことを特徴とする。このように、レジストマーク形成用の光源を副走査方向に複数列形成設けているので、副走査方向の色ずれ補正を精度良く行うことができる。
【0014】
また、本発明のラインヘッドは、前記レジストマーク形成用の光源は、段差を設けて斜めに複数列形成されたことを特徴とする。このような構成としているので、副走査方向の色ずれ補正をさらに精度良く行うことができる。
【0015】
また、本発明のラインヘッドは、前記画像形成用のドット光源と、前記レジストマーク形成用の光源は、異なる駆動回路で駆動することを特徴とする。このように、画像形成用の光源の制御と、レジストマーク形成用光源との制御専用に、異なる駆動回路を設けているので、画像形成用の光源の制御と、レジストマーク形成用光源の制御とをそれぞれ精度良く行うことができる。
【0016】
また、本発明のラインヘッドは、前記ドット光源および前記レジストマーク形成用の光源は有機EL素子であることを特徴とする。このように、工程上直線性を良好に製造できる有機EL素子を光源としているので、位置精度が向上し高精度の色ずれ補正が可能となる。
【0017】
本発明の画像形成装置は、像担持体の周囲に帯電手段と、前記のいずれかに記載のラインヘッドと、現像手段と、転写手段との各画像形成用ユニットを配した画像形成ステーションを少なくとも2つ以上設け、転写媒体が各ステーションを通過することにより、タンデム方式で画像形成を行うことを特徴とする。この構成により、タンデム型の画像形成装置に用いるラインヘッドにおいて、レジストマークの形成を簡略に行うことができる。
【0018】
また、本発明の画像形成装置は、中間転写部材を備えたことを特徴とする。このため、中間転写部材を備えた画像形成装置に用いるラインヘッドにおいて、レジストマークの形成を簡略に行うことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明のラインヘッド、およびラインヘッドを用いる画像形成装置によれば、レジストマーク形成用の光源を動作させるだけで簡単にレジストマークを形成することができる。したがって、特別な制御回路を設ける必要がなく構成を簡略化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図を参照して本発明を説明する。図1は、本発明のラインヘッドに用いるガラス基板の例を示す平面図である。図1において、ガラス基板62には、ドット光源として構成されている画像形成用の光源(発光部)63が形成されている。発光部63が主走査方向に複数配列されて、画像形成用の光源群70が形成される。ガラス基板62の長尺方向Xは主走査方向、短尺方向Yは副走査方向である。
【0021】
ガラス基板62の主走査方向両端には、画像形成用の光源群70を挟んで、色ずれを検出するためのレジストマーク形成用光源(発光部)73a、74aが設けられている。レジストマーク形成用光源73a、74aもそれぞれ複数個配列されており、レジストマーク形成用光源群73、74を形成している。72は、後述するようにTFTなどを用いた駆動回路である。駆動回路72は、画像形成用の光源群70の各発光部63と、レジストマーク形成用光源群の各発光部を制御する。
【0022】
このように、画像形成用の光源群70と、レジストマーク形成用光源群73、74は、同じ駆動回路72で制御されるので、制御系の構成が簡単になる。また、画像形成用の光源群70と、レジストマーク形成用光源群73、74は、ガラス基板62上で主走査方向に中心線を合わせて1ラインで形成されている。
【0023】
図1に示すように本発明の実施形態においては、レジストマーク形成用の光源73a、74aを、画像形成用のドット光源63とは別に設けているので、レジストマーク形成用の光源を動作させるだけで簡単にレジストマークを形成することができる。したがって、特別な制御回路を設ける必要がなく構成を簡略化できる。また、後述するように、レジストマーク形成用の光源73a、74aを画像形成用のドット光源63とは異なるサイズもしくは形状で形成しているので、両者の区分を明確にすることができる。
【0024】
図2は、図1を部分的に拡大して示す平面図である。図において、画像形成用の光源群70の各発光部63と、レジストマーク形成用光源群73の各発光部73aは、主走査方向に延在する同じ中心線CL上に形成される。図示を省略しているが、レジストマーク形成用光源群74の各発光部74aも前記中心線CL上に形成されている。
【0025】
この中心線CLは、例えば前記各発光部63をガラス基板62に形成する際に用いられ、当該中心線CL上に前記レジストマーク形成用光源群73の各発光部73aを形成する。このような構成としているので、レジストマーク形成用光源群73の各発光部73aの位置合わせが精度良く行える。また、各発光部73aをガラス基板62に形成する工程が簡略化される。
【0026】
図3、図4は、本発明の実施形態を示す説明図である。図3(a)は、前記発光部63の形状を示しており、ほぼ真円状に形成される。図3(b)は、レジストマーク形成用光源群73の各発光部73aの形状を示している。図3(b)の例では、前記発光部73aは前記発光部63よりも副走査方向の幅を狭く形成している。このように、レジストマーク形成用光源群73の各発光部73aの副走査方向における幅を、前記発光部63よりも狭く形成しているので、レジストマーク形成の精度を向上させることができる。
【0027】
図4(a)は、前記発光部63の形状を示しており、ほぼ真円状に形成される。図4(b)は、レジストマーク形成用光源群73の各発光部75の形状を示している。図4(b)の例では、前記発光部75は前記発光部63よりも主走査方向の幅(長さ)を広く形成している。このように、レジストマーク形成用光源群73の各発光部75の主走査方向における幅(長さ)を、前記発光部63よりも広く形成しているので、レジストマークのエッジをスムースに形成できる。したがって、レジストマーク検出の精度を向上させることができる。
【0028】
図5は、本発明の他の実施形態を示すガラス基板の平面図である。図1と同じところには同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。図5の例では、ガラス基板62には、画像形成用の光源群70と副走査方向で対向させて、複数個配列されたレジストマーク形成用光源73a、74aからなるレジストマーク形成用光源群73、74を形成している。
【0029】
また、画像形成用の光源群70の各発光部63を制御する駆動回路72とは別個に、レジストマーク形成用光源群73、74の各発光部73a、74aを制御する駆動回路76を設けている。ガラス基板62には、画像形成用の光源群70と、レジストマーク形成用光源群73、74は、主走査方向に2ラインで形成されている。このため、ガラス基板62の副走査方向のスペースを有効に利用することができる。
【0030】
このように、図5の実施形態では画像形成用の光源群70を制御する駆動回路72と、レジストマーク形成用光源群73、74を制御する駆動回路76が設けられている。すなわち、画像形成用の光源群70の制御と、レジストマーク形成用光源群73、74との制御専用に駆動回路72、76を構成するので、画像形成用の光源群70の制御と、レジストマーク形成用光源群73、74の制御とをそれぞれ精度良く行うことができる。
【0031】
図6は、本発明の他の実施形態を示すガラス基板の平面図である。図5と同じところには同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。図6の例では、レジストマーク形成用光源群79、80の各発光部79a、80aを、副走査方向に段差を設けて斜めに配列している。このため、レジストマークが多数形成されるので副走査方向の色ずれ補正をさらに精度良く行うことができる。また、レジストマーク形成用光源群79、80の配線処理が容易に行える。図6では、ガラス基板62には、画像形成用の光源群70と、レジストマーク形成用光源群73、74は、主走査方向に異なるラインで形成されている。
【0032】
図7は、本発明の制御部の構成を示す回路図であり、図1の構成と対応している。図7において、92は例えば本体側のコントローラに接続されて制御データの送受信が行われる周辺回路、93は画像形成用の光源群70の各発光部63、およびレジストマーク形成用光源群73の各発光部73aのカソード97の接続を切り替える切り替え回路93、98は制御データを転送するシフトレジスタ、94はスキャンライン、95はデータライン、96はサプライライン(アノード側電源線)、97はカソード側電源線である。前記各発光部63、各発光部73aは、個別に接続されたTFT回路72で制御される。各発光部63、各発光部73aは、例えば有機EL素子で形成する。
【0033】
ラインヘッドの発光部に有機EL素子を用いた場合には、発光画素列は単一の基板上に半導体プロセスを用いて製造されるため、その直線性は、従来のLEDに比べて極めて高精度に構成することが可能となる。したがって、位置精度が向上し高精度の色ずれ補正が可能となる。このため、高画質なラインヘッドを構成することができる。さらに、発光素子自身の光量ムラもレンズアレイの透過光量ムラに比べて小さく、レンズアレイの中心線と発光素子列を高精度に位置決めできれば、光量補正がなくとも光量を均一にすることができ、スポット径も均一となる。
【0034】
図7の例では、本体側のコントローラで形成された制御データが周辺回路92に入力され、周辺回路92からシフトレジスタ98に出力される。シフトレジスタ98は、制御データに基づきスキャンライン94を選択する。スキャンライン94は、前記各TFT回路72に接続されており、シフトレジスタ98で選択されたスキャンライン94は、接続されている各TFT回路72に制御信号を印加する。
【0035】
また、周辺回路92はデータライン95とサプライライン96に接続されており、スキャンライン94から制御信号を印加されたTFT回路72が起動する。この際に、切り替え回路93を動作させて画像形成用の光源群70、またはレジストマーク形成用光源群73のいずれかを選択する。切り替え回路93で選択された側の光源群70、または光源群73のいずれかの発光部にカソード電源線97が接続される。このようにして、画像形成用の光源群70、またはレジストマーク形成用光源群73のいずれかの発光部が点灯する。
【0036】
図8は、本発明によって色ずれ補正するラインヘッドが用いられる画像形成装置の縦断側面図である。本実施例は、転写ベルトとして中間転写ベルトを用いる例である。図8において、本実施例の画像形成装置1は、ハウジング本体2と、ハウジング本体2の前面に開閉自在に装着された第1の開閉部材3と、ハウジング本体2の上面に開閉自在に装着された第2の開閉部材(排紙トレイを兼用している)4とを有している。さらに、第1の開閉部材3には、ハウジング本体2の前面に開閉自在に装着された開閉蓋3’を備えている。
【0037】
ハウジング本体2内には、電源回路基板及び制御回路基板を内蔵する電装品ボックス5、画像形成ユニット6、送風ファン7、転写ベルトユニット9、給紙ユニット10が配設される。また、第1の開閉部材3内には、二次転写ユニット11、定着ユニット12、記録媒体搬送手段13が配設されている。
【0038】
転写ベルトユニット9は、ハウジング本体2の下方に配設され図示しない駆動源により回転駆動される駆動ローラ14と、駆動ローラ14の斜め上方に配設される従動ローラ15と、この2本のローラ14、15間に張架されて図示矢印方向へ循環駆動される中間転写ベルト16と、中間転写ベルト16の表面に離当接されるクリーニング手段17とを備えている。
【0039】
各画像形成ステーションY、M、C、Kの像担持体20に対向して、板バネ電極からなる一次転写部材21がその弾性力で当接され、一次転写部材21には転写バイアスが印加されている。転写ベルトユニット9には、駆動ローラ14に近接してテストパターンセンサ18が設置されている。画像形成ユニット6は、複数(本実施例では4つ)の異なる色の画像を形成する画像形成ステーションY(イェロー用)、M(マゼンタ用)、C(シアン用)、K(ブラック用)を備え、各画像形成ステーションY、M、C、Kにはそれぞれ、感光ドラムからなる像担持体20と、像担持体20の周囲に配設された、帯電手段22、像書込手段(ラインヘッド)23及び現像手段24を有している。
【0040】
像担持体20は、図示矢印に示すように、中間転写ベルト16の搬送方向に回転駆動される。帯電手段22は、高電圧発生源に接続された導電性ブラシローラで構成され、ブラシ外周が感光体である像担持体20に対して逆方向で、かつ、2〜3倍の周速度で当接回転して像担持体20の表面を一様に帯電させる。
【0041】
像書込手段23は、有機EL素子を像担持体20の軸方向に列状に配列した有機EL素子アレイを用いている。有機EL素子アレイを用いたラインヘッドは、レーザー走査光学系よりも光路長が短くてコンパクトであり、像担持体20に対して近接配置が可能であり、装置全体を小型化できるという利点を有する。本実施形態においては、各画像形成ステーションY、M、C、Kの像担持体20、帯電手段22及び像書込手段23を1つの像担持体ユニット25としてユニット化している。
【0042】
次に、現像手段24の詳細について、画像形成ステーションKを代表して説明する。現像手段24は、トナー(図のハッチング部)を貯留するトナー貯留容器26と、このトナー貯留容器26内に形成されたトナー貯留部27と、トナー貯留部27内に配設されたトナー撹拌部材29と、トナー貯留部27の上部に区画形成された仕切部材30を有している。また、仕切部材30の上方に配設されたトナー供給ローラ31と、仕切部材30に設けられトナー供給ローラ31に当接されるブレード32と、トナー供給ローラ31及び像担持体20に当接するように配設される現像ローラ33と、現像ローラ33に当接される規制ブレード34とが設けられている。
【0043】
給紙ユニット10は、記録媒体Pが積層保持されている給紙カセット35と、給紙カセット35から記録媒体Pを一枚ずつ給送するピックアップローラ36とからなる給紙部を備えている。第1の開閉部材3内には、二次転写部への記録媒体Pの給紙タイミングを規定するレジストローラ対37と、駆動ローラ14及び中間転写ベルト16に圧接される二次転写手段としての二次転写ユニット11と、定着ユニット12と、記録媒体搬送手段13と、排紙ローラ対39と、両面プリント用搬送路40を備えている。
【0044】
定着ユニット12は、ハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵して回転自在な加熱ローラ45と、この加熱ローラ45を押圧付勢する加圧ローラ46と、加圧ローラ46に揺動可能に配設されたベルト張架部材47と、加圧ローラ45とベルト張架部材47間に張架された耐熱ベルト49を有している。記録媒体に二次転写されたカラー画像は、加熱ローラ45と耐熱ベルト49で形成するニップ部で所定の温度で記録媒体に定着される。
【0045】
図9は、像書込手段23を拡大して示す概略の斜視図である。図9においては、像書込手段23の細部が示されている。像担持体ユニット25に取り付けられた各像担持体(感光体ドラム)20に対して、像書込手段23を正確に位置決めするための機構が示されている。有機EL素子アレイ61は、長尺のハウジング60中に保持されている。長尺のハウジング60の両端に設けた位置決めピン69をケース50の対向する位置決め穴に嵌入させると共に、長尺のハウジング60の両端に設けたねじ挿入孔68を通して固定ねじをケース50のねじ穴にねじ込んで固定することにより、各像書込手段23が所定位置に固定される。
【0046】
像書込手段23は、ガラス基板62上に有機EL素子アレイ61の発光部63を載置し、同じガラス基板62上に形成されたTFT71により駆動される。屈折率分布型ロッドレンズアレイ65は結像光学系を構成し、発光部63の前面に配置される屈折率分布型ロッドレンズ78を俵積みしている。60はハウジング、66はカバー、67は固定板バネである。ハウジング60は、ガラス基板62の周囲を覆い、像担持体20に面した側は開放する。このようにして、屈折率分布型ロッドレンズ78から像担持体20に光線を射出する。ハウジング60のガラス基板62の端面と対向する面には、光吸収性の部材(塗料)が設けられている。
【0047】
図10は、像書込手段23の副走査方向の断面図である。像書込手段23には、ハウジング60中の屈折率分布型ロッドレンズアレイ65の後面に面して取り付けられた有機EL素子アレイ61と、ハウジング60の背面からその中の有機EL発光素子アレイ61を遮蔽する不透明なカバー66とが設けられている。また、固定板バネ67によりハウジング60の背面に対してカバー66を押圧して、ハウジング60内を光密に密閉する。すなわち、ガラス基板62は、固定板バネ67によりハウジング60で光学的に密閉されている。固定板バネ67は、ハウジング60の長手方向に複数個所設けられている。91は像担持体に形成される像面である。
【0048】
ケース50の内面に紫外線を吸収する黒色の塗料を塗布しておくと、有機EL素子アレイ61に対する紫外線遮蔽作用をより確実に行うことができ、有機EL発光素子の劣化を防止することができる。また、像書込手段23のハウジング60は不透明部材で形成され、その背面には不透明なカバー66により覆われている。このため、有機EL素子アレイ61の背面に入射する蛍光灯や太陽からの紫外線も、有機EL素子アレイ61の発光部63へ達することは防止される。83はガラス基板62をハウジング60に固定する接着剤である。
【0049】
本発明の実施形態によれば、タンデム型の画像形成装置に用いるラインヘッドにおいて、レジストパターンの形成を簡略に行うことができる。また、この画像形成装置は、中間転写部材を備えた構成とすることができる。
【0050】
以上、本発明のラインヘッド、およびそのラインヘッドを用いた画像形成装置をいくつかの実施例に基づいて説明したが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】ラインヘッドのガラス基板の平面図である。
【図2】ガラス基板を拡大して示す平面図である。
【図3】光源の形状の説明図である。
【図4】光源の他の形状を示す説明図である。
【図5】他のガラス基板を示す平面図である。
【図6】他のガラス基板を示す平面図である。
【図7】ラインヘッドの制御回路の例を示す説明図である。
【図8】本発明のラインヘッドが用いられる画像形成装置の縦断側面図である。
【図9】像書込手段を拡大して示す概略の斜視図である。
【図10】ガラス基板を固定した例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0052】
1・・・画像形成装置、16・・・中間転写ベルト、20・・・像担持体、23・・・像書込手段(ラインヘッド)、61・・・有機EL素子アレイ、62・・・ガラス基板、63・・・ドット光源(発光部)、64・・・カバーガラス、65…屈折率分布型ロッドレンズアレイ(SLA)、72、76・・・駆動回路、73a、74a・・・レジストマーク形成用光源、78・・・屈折率分布型ロッドレンズ、92・・・周辺回路、93・・・切り替え回路、98・・・シフトレジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に形成された画像形成用のドット光源を用いたラインヘッドにおいて、レジストマーク形成用の光源を前記画像形成用のドット光源とは異なるサイズもしくは形状で形成したことを特徴とする、ラインヘッド。
【請求項2】
前記レジストマーク形成用の光源は、前記画像形成用のドット光源よりも副走査方向の幅を狭く形成したことを特徴とする、請求項1に記載のラインヘッド。
【請求項3】
前記レジストマーク形成用の光源は、前記画像形成用のドット光源よりも主走査方向の幅を広く形成したことを特徴とする、請求項1に記載のラインヘッド。
【請求項4】
前記画像形成用のドット光源の中心線に、前記レジストマーク形成用の光源の中心を合わせて形成したことを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のラインヘッド。
【請求項5】
前記画像形成用のドット光源と、レジストマーク形成用の光源を共通の駆動回路で駆動することを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のラインヘッド。
【請求項6】
前記画像形成用のドット光源と、前記レジストマーク形成用の光源を副走査方向に異なるラインで形成したことを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のラインヘッド。
【請求項7】
前記レジストマーク形成用の光源を副走査方向に複数列形成したことを特徴とする、請求項6に記載のラインヘッド。
【請求項8】
前記レジストマーク形成用の光源は、段差を設けて斜めに複数列形成されたことを特徴とする、請求項7に記載のラインヘッド。
【請求項9】
前記画像形成用のドット光源と、前記レジストマーク形成用の光源は、異なる駆動回路で駆動することを特徴とする、請求項6ないし請求項8のいずれかに記載のラインヘッド。
【請求項10】
前記ドット光源および前記レジストマーク形成用の光源は有機EL素子であることを特徴とする、請求項1ないし請求項9のいずれかに記載のラインヘッド。
【請求項11】
像担持体の周囲に帯電手段と、請求項1ないし請求項10のいずれかに記載のラインヘッドと、現像手段と、転写手段との各画像形成用ユニットを配した画像形成ステーションを少なくとも2つ以上設け、転写媒体が各ステーションを通過することにより、タンデム方式で画像形成を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
中間転写部材を備えたことを特徴とする、請求項11に記載の画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−205362(P2006−205362A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−16399(P2005−16399)
【出願日】平成17年1月25日(2005.1.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】