ラインヘッドの光量補正方法と画像形成装置
【課題】 レンズアレイを基準として発光部の位置ずれを検出し、光量を補正するラインヘッドの光量補正方法と画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 位置ずれ検出部102は、発光部106とロッドレンズの中心線との位置ずれを検出する。メモリ103には、位置ずれ検出部102で検出された位置ずれ量を記憶させている。制御回路104は、当該位置ずれ検出部102で検出された位置ずれ量の特性をメモリ103から読み出し、基準光量に対する補正光量を演算する。この演算結果に基づいて駆動回路104に信号を送出し、発光部106の印加電圧、または駆動電流を制御して光量補正を行う。
【解決手段】 位置ずれ検出部102は、発光部106とロッドレンズの中心線との位置ずれを検出する。メモリ103には、位置ずれ検出部102で検出された位置ずれ量を記憶させている。制御回路104は、当該位置ずれ検出部102で検出された位置ずれ量の特性をメモリ103から読み出し、基準光量に対する補正光量を演算する。この演算結果に基づいて駆動回路104に信号を送出し、発光部106の印加電圧、または駆動電流を制御して光量補正を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機EL発光素子を用いたラインヘッドにおいて、光学系に対する発光素子の位置ずれを検出して光量を補正する、ラインヘッドの光量補正方法と画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タンデム方式、またはロータリ方式の画像形成装置においては、露光装置として走査光学系を設ける方式と、発光素子アレイを用いる方式が知られている。発光素子アレイを用いる方式では、発光素子とレンズの位置合わせが必要になる。例えば特許文献1には、複数の発光体を配置した画像アレイと単眼レンズの位置決めのために、レンズホルダーにレンズの中心位置を示すためのマークを設けた例が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開平7−186444号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような光学系を用いる場合に、ラインヘッドの結像光学系としては、図30の説明図に示すような2列のロッドレンズを有するロッドレンズアレイを用いた等倍光学系が一般的に用いられる。図30において、84、84は2列に配置されたロッドレンズである。このロッドレンズアレイでは、主走査方向と平行なロッドレンズアレイの中心線と発光素子の位置を副走査方向において一致させる必要があるが、この位置がずれる場合がある。
【0005】
図30において、C.Lはロッドレンズアレイの中心線、Aは発光素子の位置がこの中心線C.Lから0.1mmずれた例、Bは発光素子の位置がこの中心線C.Lから0.2mmずれた例を示している。このように、発光素子の位置がロッドレンズアレイの中心線からずれる場合には、光量バラツキが生じる。図31(a)は主走査方向の光量バラツキを示す特性図、図31(b)は、副走査方向の光量分布データを示す特性図である。図31(b)に示すように、副走査方向に発光素子の位置がずれた場合には、光量ばらつきはずれ量の正負対称に生じる。
【0006】
図30において、ロッドレンズの直径を0.56mmとする。このときの図31(a)における主走査方向の光量バラツキは、発光素子の位置とロッドレンズアレイの中心線とのずれが0であれば、特性Daのように光量むら周期がロッドレンズの直径の1/2の0.28である。前記両者のずれ量が0.1mmのときには、光量むら周期はロッドレンズの直径の1/2の0.28mmと直径の0.56mmの和となる。この際の光量むら周期は、ずれ量が0の場合の2倍となる。前記両者のずれ量が0.2mmのときには、光量むら周期はロッドレンズの直径0.56mmとなる。
【0007】
このように、発光素子の位置がロッドレンズアレイの中心線からずれる場合には、次のような問題が生じる。(1)ロッドレンズを通過する光量ムラの周期が2倍となり、光量ムラが認識しやすくなり画質の劣化が明瞭になる。(2)ロッドレンズを通過する光量の光量ムラが増加する。(3)ロッドレンズを通過する光量が低下する。(4)結像性能が劣化して、スポット径が大きくなったり、ばらついたりする。
【0008】
従来の発光素子として特許文献1記載されているようなLEDを用いたラインヘッドでは、基板上に画像アレイを実装してラインヘッドを構成している。このため、実装誤差により発光部の画素列が直線にならず、全ての発光画素に対してレンズアレイの中心線を合わせる事が困難であった。さらに、発光部自身の光量ムラの方がレンズアレイの透過光量ムラよりも大きく、これを補正するためにヘッド通過後の光量に基づき発光素子1個1個に対して光量補正制御を行い、発光部自身の光量ムラとレンズアレイの透過光量ムラの両方を補正する必要があった。また、スポット径は補正することができないという問題があった。
【0009】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、レンズアレイを基準として発光部の位置ずれを検出し、光量を補正するラインヘッドの光量補正方法と画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明のラインヘッドの光量補正方法は、透明な単一基板上に形成された発光素子を複数配列した発光部と、レンズアレイの保持手段とを備えたラインヘッドにおいて、前記レンズアレイの位置を基準として前記発光部の位置ずれを検出する工程と、前記検出された位置ずれに基づいて前記発光部の光量を補正する工程よりなることを特徴とする。このように、発光素子を複数配列して発光部としたラインヘッドに対して、取り付け誤差が少ないレンズアレイを基準として発光部の位置ずれを検出している。そして、検出された位置ずれに基づいて発光部の光量を補正している。このため、発光部自身の光量ムラとレンズアレイの透過光量ムラの両方を補正でき、さらに、スポット径の補正も行うことができる。
【0011】
また、本発明のラインヘッドの光量補正方法において、前記位置ずれの検出は、透明な基板の出力光の照射側の反対側から行うことを特徴とする。このように、発光素子の出力光の影響を受けずにロッドレンズアレイとガラス基板の位置を観察できるので、両者間の位置ずれを容易にかつ高精度に行うことができ、当該位置ずれに起因する光量のばらつきを補正することができる。
【0012】
また、本発明のラインヘッドの光量補正方法において、前記レンズアレイの主走査方向の長さは、前記発光部を封止する封止部材の長さよりも長く形成したことを特徴とする。このため、前記位置ずれ検出手段を封止部の外側に設けることが可能となり、封止部を介せず位置ずれを検出することができる。したがって、位置ずれ検出処理を簡略に行える。
【0013】
また、本発明のラインヘッドの光量補正方法において、前記位置ずれの検出を画像形成領域外/およびまたは画像形成領域内に形成した手段により行う。位置ずれ検出手段を画像形成領域の外側に設けている場合には、位置ずれ検出手段による妨害を受けることなく画像形成が可能となる。このため、画質を高めることができる。また、位置ずれ検出手段を画像形成領域内に形成した場合には、透明基板の両端に位置ずれ検出手段を形成するスペースが不要となるので、透明基板の主走査方向の長さを短くすることができる。
【0014】
また、本発明のラインヘッドの光量補正方法において、前記位置ずれ検出手段を前記透明基板に複数形成したことを特徴とする。このように、位置ずれ検出手段を複数形成することにより、透明基板とレンズアレイとの位置ずれ検出の精度を高めることができる。
【0015】
また、本発明のラインヘッドの光量補正方法において、前記位置ずれ検出手段を前記透明基板の両端、または前記透明基板の両端と中央に形成したことを特徴とする。位置ずれ検出手段を透明基板の両端に形成している場合には、透明基板の主走査方向の長さが長くなった場合でも、透明基板とレンズアレイの副走査方向の位置ずれの検出を誤差なく行うことができる。また、位置ずれ検出手段を透明基板の両端と中央に形成している場合には、レンズアレイが製造時の誤差で変形しているような場合でも、精度を低下させることなく発光部とレンズアレイとの位置ずれの検出を行うことができる。
【0016】
また、本発明のラインヘッドの光量補正方法において、前記位置ずれ検出は、前記透明基板に形成されたアライメントマークの検出により行うことを特徴とする。このように、発光素子を複数配列して発光部としたラインヘッドに対して、取り付け誤差が少ないレンズアレイを基準としてアライメントマークを用いて位置ずれの検出を行っている。このため、発光部とレンズアレイとの位置ずれを精度良く検出することができ、ラインヘッドの光量補正を的確に行うことができる。
【0017】
また、本発明のラインヘッドの光量補正方法において、前記アライメントマークは、前記レンズアレイの主走査方向に平行で、レンズの外形に接する接線であることを特徴とする。このように、アライメントマークは、ロッドレンズアレイの中心線と平行に形成されるので、発光部との位置ずれを精度良く検出することができる。また、ロッドレンズアレイに対して、副走査方向のみの位置ずれ検出が可能となり、主走査方向の位置ずれ検出は、別の基準を用いることができる。
【0018】
また、本発明のラインヘッドの光量補正方法において、前記アライメントマークは、前記レンズと同形状であることを特徴とする。このため、アライメントマークとレンズとの位置ずれ検出が容易であり、結果として発光部とロッドレンズアレイの中心線との位置ずれを精度良く検出することができる。また、レンズアレイに対して、主走査方向と副走査方向の両方の位置ずれを検出することができる。
【0019】
また、本発明のラインヘッドの光量補正方法において、前記位置ずれ検出は、前記透明基板に形成されたモジュールの検出により行うことを特徴とする。このように、位置ずれ検出手段として既設のモジュールを用いているので、位置ずれ検出に別部材を必要とせず、コストを低減することができる。
【0020】
また、本発明のラインヘッドの光量補正方法において、前記モジュールは、駆動回路に接続される配線であることを特徴とする。このように、位置ずれ検出手段として駆動回路に接続される配線を用いているので、レンズアレイと発光部との位置ずれを精度良く検出することができる。また、レンズアレイに対して、副走査方向のみの位置ずれ検出が可能となり、主走査方向の位置ずれ検出は、別の基準を用いることができる。
【0021】
また、本発明のラインヘッドの光量補正方法において、前記位置ずれ検出手段は、前記発光部の発光パターンの形成と同一工程で行われることを特徴とする。このため、発光部と位置ずれ検出手段との相対精度を高めることができる。
【0022】
また、本発明のラインヘッドの光量補正方法において、前記モジュールは発光部の陰極、または前記発光素子を前記透明基板上に形成する際に用いた隔壁であることを特徴とする。発光部の陰極、または隔壁は、前記発光部の発光パターンの形成と同一工程で行われる。このため、発光部と位置ずれ検出用のモジュールである陰極、または隔壁との相対精度を高めることができる。
【0023】
また、本発明のラインヘッドの光量補正方法において、前記発光素子は、有機EL素子であることを特徴とする。このように、工程上直線性を良好に製造できる有機EL素子を発光素子として用いているので、レンズアレイと発光部との位置ずれを精度良く検出することができる。
【0024】
本発明の第1実施形態の画像形成装置は、像担持体の周囲に帯電手段と、前記いずれかに記載の方法で位置ずれに基づく光量ムラを補正したラインヘッドと、現像手段と、転写手段との各画像形成用ユニットを配した画像形成ステーションを少なくとも2つ以上設け、転写媒体が各ステーションを通過することにより、タンデム方式で画像形成を行うことを特徴とする。この構成により、タンデム型の画像形成装置に用いるラインヘッドにおいて、光学系に対する発光素子の位置ずれ検出精度を向上させ、光量の補正を行うことにより光量ムラを低減させることができる。
【0025】
また、本発明の第2実施形態の画像形成装置は、静電潜像を担持可能に構成された像担持体と、ロータリ現像ユニットと、前記いずれかに記載の方法で位置ずれに基づく光量ムラを補正したラインヘッドとを備え、前記ロータリ現像ユニットは、複数のトナーカートリッジに収納されたトナーをその表面に担持するとともに、所定の回転方向に回転することによって異なる色のトナーを順次前記像担持体との対向位置に搬送し、前記像担持体と前記ロータリ現像ユニットとの間に現像バイアスを印加して、前記トナーを前記ロータリ現像ユニットから前記像担持体に移動させることで、前記静電潜像を顕像化してトナー像を形成することを特徴とする。このため、ロータリ型の画像形成装置に用いるラインヘッドにおいて、光学系に対する発光素子の位置ずれ検出精度を向上させ、光量の補正を行うことにより光量ムラを低減させることができる。
【0026】
また、本発明の画像形成装置は、中間転写部材を備えたことを特徴とする。このため、中間転写部材を備えた画像形成装置に用いるラインヘッドにおいて、光学系に対する発光素子の位置ずれ検出精度を向上させ、光量の補正を行うことにより光量ムラを低減させることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明のラインヘッドの光量補正方法と画像形成装置によれば、レンズアレイを基準として発光部の位置ずれを精度良く検出でき、その検出結果により光量を補正している。このため、光量を均一にすることができ、スポット径も均一となる。したがって、高画質な画像を得る構成とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図を参照して本発明を説明する。ラインヘッドの発光部に有機EL素子を用いた場合には、発光画素列は単一の基板上に半導体プロセスを用いて製造されるため、その直線性は、従来のLEDに比べて極めて高精度に構成することが可能となる。さらに、発光素子自身の光量ムラもレンズアレイの透過光量ムラに比べて小さく、レンズアレイの中心線と発光素子列を高精度に位置決めできれば、光量補正がなくとも光量を均一にすることができ、スポット径も均一となる。このため、高画質なラインヘッドを構成することができる。本発明は、このような有機EL素子の特性に着目して、ラインヘッドの位置ずれを検出し光量補正を行うものである。
【0029】
図23は、本発明によって位置調整されたラインヘッドが用いられる画像形成装置の縦断側面図である。本実施例は、転写ベルトとして中間転写ベルトを用いる例である。図23において、本実施例の画像形成装置1は、ハウジング本体2と、ハウジング本体2の前面に開閉自在に装着された第1の開閉部材3と、ハウジング本体2の上面に開閉自在に装着された第2の開閉部材(排紙トレイを兼用している)4とを有している。さらに、第1の開閉部材3には、ハウジング本体2の前面に開閉自在に装着された開閉蓋3’を備えている。
【0030】
ハウジング本体2内には、電源回路基板及び制御回路基板を内蔵する電装品ボックス5、画像形成ユニット6、送風ファン7、転写ベルトユニット9、給紙ユニット10が配設される。また、第1の開閉部材3内には、二次転写ユニット11、定着ユニット12、記録媒体搬送手段13が配設されている。
【0031】
転写ベルトユニット9は、ハウジング本体2の下方に配設され図示しない駆動源により回転駆動される駆動ローラ14と、駆動ローラ14の斜め上方に配設される従動ローラ15と、この2本のローラ14、15間に張架されて図示矢印方向へ循環駆動される中間転写ベルト16と、中間転写ベルト16の表面に離当接されるクリーニング手段17とを備えている。
【0032】
各画像形成ステーションY、M、C、Kの像担持体20に対向して、板バネ電極からなる一次転写部材21がその弾性力で当接され、一次転写部材21には転写バイアスが印加されている。転写ベルトユニット9には、駆動ローラ14に近接してテストパターンセンサ18が設置されている。画像形成ユニット6は、複数(本実施例では4つ)の異なる色の画像を形成する画像形成ステーションY(イェロー用)、M(マゼンタ用)、C(シアン用)、K(ブラック用)を備え、各画像形成ステーションY、M、C、Kにはそれぞれ、感光ドラムからなる像担持体20と、像担持体20の周囲に配設された、帯電手段22、像書込手段(ラインヘッド)23及び現像手段24を有している。
【0033】
像担持体20は、図示矢印に示すように、中間転写ベルト16の搬送方向に回転駆動される。帯電手段22は、高電圧発生源に接続された導電性ブラシローラで構成され、ブラシ外周が感光体である像担持体20に対して逆方向で、かつ、2〜3倍の周速度で当接回転して像担持体20の表面を一様に帯電させる。
【0034】
像書込手段23は、有機EL素子を像担持体20の軸方向に列状に配列した有機EL素子アレイを用いている。有機EL素子アレイを用いたラインヘッドは、レーザー走査光学系よりも光路長が短くてコンパクトであり、像担持体20に対して近接配置が可能であり、装置全体を小型化できるという利点を有する。本実施形態においては、各画像形成ステーションY、M、C、Kの像担持体20、帯電手段22及び像書込手段23を1つの像担持体ユニット25としてユニット化している。
【0035】
次に、現像手段24の詳細について、画像形成ステーションKを代表して説明する。現像手段24は、トナー(図のハッチング部)を貯留するトナー貯留容器26と、このトナー貯留容器26内に形成されたトナー貯留部27と、トナー貯留部27内に配設されたトナー撹拌部材29と、トナー貯留部27の上部に区画形成された仕切部材30を有している。また、仕切部材30の上方に配設されたトナー供給ローラ31と、仕切部材30に設けられトナー供給ローラ31に当接されるブレード32と、トナー供給ローラ31及び像担持体20に当接するように配設される現像ローラ33と、現像ローラ33に当接される規制ブレード34とが設けられている。
【0036】
給紙ユニット10は、記録媒体Pが積層保持されている給紙カセット35と、給紙カセット35から記録媒体Pを一枚ずつ給送するピックアップローラ36とからなる給紙部を備えている。第1の開閉部材3内には、二次転写部への記録媒体Pの給紙タイミングを規定するレジストローラ対37と、駆動ローラ14及び中間転写ベルト16に圧接される二次転写手段としての二次転写ユニット11と、定着ユニット12と、記録媒体搬送手段13と、排紙ローラ対39と、両面プリント用搬送路40を備えている。
【0037】
定着ユニット12は、ハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵して回転自在な加熱ローラ45と、この加熱ローラ45を押圧付勢する加圧ローラ46と、加圧ローラ46に揺動可能に配設されたベルト張架部材47と、加圧ローラ45とベルト張架部材47間に張架された耐熱ベルト49を有している。記録媒体に二次転写されたカラー画像は、加熱ローラ45と耐熱ベルト49で形成するニップ部で所定の温度で記録媒体に定着される。
【0038】
図24は、図23に示した像担持体20近傍の部分的な断面図である。像担持体ユニット25は、中間転写ベルト16に接する側が開口した不透明な金属板等からなるケース50中に、相互に離間して平行に画像形成ステーションY、M、C、Kの4本の像担持体(感光体ドラム)20が回転可能に支持されている。各像担持体20の所定位置で当接回転するように帯電手段22の導電性ブラシローラが支持されており、帯電手段22の下流側に各々有機ELアレイ露光ヘッドからなる像書込手段23が各像担持体20に位置決めしてそれに平行に支持されている。
【0039】
像書込手段23の下流側のケース50の壁面には、各像担持体20に対応して現像手段24の現像ローラ33を当接させる開口51が設けられている。各開口51と像書込手段23の間には、ケース50の遮蔽部分52が残されており、また、帯電手段22と像書込手段23の間にケース50の遮蔽部分53が残されている。
【0040】
この遮蔽部分52、53、特に、開口51と像書込手段23の間の遮蔽部分52が像書込手段23中の有機EL材料からなる発光部へ外から紫外線が達するのを防いでいる。82は、有機EL素子アレイ61を前面から覆う屈折率分布型ロッドレンズアレイ65(SLA)が汚れた場合に、拭き取りを行うクリーニングパッドである。クリーニングパッド82は、図示を省略した把手により往復動される。
【0041】
図25は、像書込手段23を拡大して示す概略の斜視図である。図25においては、像書込手段23の細部が示されている。像担持体ユニット25に取り付けられた各像担持体(感光体ドラム)20に対して、像書込手段23を正確に位置決めするための機構が示されている。有機EL素子アレイ61は、長尺のハウジング60中に保持されている。長尺のハウジング60の両端に設けた位置決めピン69をケース50の対向する位置決め穴に嵌入させると共に、長尺のハウジング60の両端に設けたねじ挿入孔68を通して固定ねじをケース50のねじ穴にねじ込んで固定することにより、各像書込手段23が所定位置に固定される。
【0042】
像書込手段23は、ガラス基板62上に有機EL素子アレイ61の発光部63を載置し、同じガラス基板62上に形成されたTFT71により駆動される。屈折率分布型ロッドレンズアレイ65は結像光学系を構成し、発光部63の前面に配置される屈折率分布型ロッドレンズ84を俵積みしている。60はハウジング、66はカバー、67は固定板バネである。ハウジング60は、ガラス基板62の周囲を覆い、像担持体20に面した側は開放する。このようにして、屈折率分布型ロッドレンズ84から像担持体20に光線を射出する。ハウジング60のガラス基板62の端面と対向する面には、光吸収性の部材(塗料)が設けられている。
【0043】
図26は、像書込手段23の副走査方向の断面図である。像書込手段23には、ハウジング60中の屈折率分布型ロッドレンズアレイ65の後面に面して取り付けられた有機EL素子アレイ61と、ハウジング60の背面からその中の有機EL発光素子アレイ61を遮蔽する不透明なカバー66とが設けられている。また、固定板バネ67によりハウジング60の背面に対してカバー66を押圧して、ハウジング60内を光密に密閉する。すなわち、ガラス基板62は、固定板バネ67によりハウジング60で光学的に密閉されている。固定板バネ67は、ハウジング60の長手方向に複数個所設けられている。91は像担持体に形成される像面である。
【0044】
ケース50の内面に紫外線を吸収する黒色の塗料を塗布しておくと、有機EL素子アレイ61に対する紫外線遮蔽作用をより確実に行うことができ、有機EL発光素子の劣化を防止することができる。また、像書込手段23のハウジング60は不透明部材で形成され、その背面には不透明なカバー66により覆われている。このため、有機EL素子アレイ61の背面に入射する蛍光灯や太陽からの紫外線も、有機EL素子アレイ61の発光部63へ達することは防止される。83はガラス基板62をハウジング60に固定する接着剤である。
【0045】
図27は、ラインヘッドを位置決めする際の工程を示す説明図である。図27(a)で、ハウジング60の中央部に形成した開口部60aにロッドレンズアレイ65を挿入し、開口部60aに設けられている段差部60xでロッドレンズアレイ65の先端部を係止して、ハウジング60に固定する。(b)でガラス基板62に実装された発光部(図示を省略)をカバーガラス64で封止し、ガラス基板62をハウジング60内に挿入し、ハウジング60の内部に形成した段差部60yに載置する。
【0046】
この状態でCCDカメラ90により、後述するアライメントマークを観察しながら、ガラス基板62上に実装されている発光部の位置と、ロッドレンズアレイ65の中心線C.Lとの位置決めを行う。この際、ガラス基板62は矢視X方向に移動して位置決めを行う。前記位置決めが終了すると、(c)ガラス基板62を接着剤83でハウジング60に固定する。次に、(d)カバー66を取り付け、固定板バネ67でカバー66を押圧し、固定板バネ67の先端に形成した鉤部67aをハウジング60の外部に形成した段差部60zに係止して固定する。ハウジング60は、ロッドレンズアレイ65の保持手段として機能する。
【0047】
図28は、図26に示した有機EL発光素子アレイ61の発光部63近傍の構成例を示す断面図である。有機EL発光素子アレイ61は、例えば0.5mm厚のガラス基板62上に、各発光部63の発光を制御する厚さ50nmのポリシリコンからなるTFT(薄膜トランジスタ)71が、例えば千鳥配置の2列の発光部63各々に対応して欄外に設けられている。ガラス基板62上にはそのTFT71上のコンタクトホールを除いて厚さ100nm程度のSiO2からなる絶縁膜72が成膜され、コンタクトホールを介してTFT71に接続するように発光部63の位置に厚さ150nmのITOからなる陽極73が形成されている。
【0048】
次いで、発光部63以外の位置に対応する部分には厚さ120nm程度のSiO2からなる別の絶縁膜74が成膜され、その上に発光部63に対応する穴76を形成した厚さ2μmのポリイミドからなる隔壁75が設けられる。その隔壁75の穴76内に、陽極73側から順に、厚さ50nmの正孔注入層77、厚さ50nmの発光層78が成膜され、その発光層78の上面と穴76の内面及び隔壁75の外面を覆うように、厚さ100nmのCaからなる陰極第1層79aと厚さ200nmのAlからなる陰極第2層79bとが順に成膜されている。
【0049】
そして、その上に窒素ガス等の不活性ガス80を介して厚さ1mm程度のカバーガラス64でカバーされて、有機EL発光素子アレイ61の発光部63が構成されている。発光部63からの発光はガラス基板62側に行われる。なお、発光層78に用いる材料、正孔注入層77に用いる材料については、公知の種々のものが利用でき、詳細な説明は省略する。このような有機EL発光素子は、発光素子をガラス基板上に容易に作製することができるので、製造コストを低減することができる。
【0050】
次に、本発明に係る画像形成装置に係る他の実施の形態について説明する。図28は、画像形成装置の縦断側面図である。図28において、画像形成装置160には主要構成部材として、ロータリ構成の現像装置161、像担持体として機能する感光体ドラム165、有機EL素子が設けられているラインヘッド167、中間転写ベルト169、用紙搬送路174、定着器の加熱ローラ172、給紙トレイ178が設けられている。現像装置161は、現像ロータリ161aが軸161bを中心として矢視A方向に回転する。現像ロータリ161aの内部は4分割されており、それぞれイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色の像形成ユニットが設けられている。162a〜162dは、前記4色の各像形成ユニットに配置されており、矢視B方向に回転する現像ローラ、163a〜163dは、矢視C方向に回転するトナ−供給ローラである。また、164a〜164dはトナーを所定の厚さに規制する規制ブレードである。
【0051】
165は、前記のように像担持体として機能する感光体ドラム、166は一次転写部材、168は帯電器、167は像書込手段で有機EL素子を用いたラインヘッドで構成されている。感光体ドラム165は、図示を省略した駆動モータ、例えばステップモータにより現像ローラ162aとは逆方向の矢視D方向に駆動される。中間転写ベルト169は、従動ローラ170bと駆動ローラ170a間に張架されており、駆動ローラ170aが前記感光体ドラム165の駆動モータに連結されて、中間転写ベルトに動力を伝達している。当該駆動モータの駆動により、中間転写ベルト169の駆動ローラ170aは感光体ドラム165とは逆方向の矢視E方向に回動される。
【0052】
用紙搬送路174には、複数の搬送ローラと排紙ローラ対176などが設けられており、用紙を搬送する。中間転写ベルト169に担持されている片面の画像(トナー像)が、二次転写ローラ171の位置で用紙の片面に転写される。二次転写ローラ171は、クラッチにより中間転写ベルト169に離当接され、クラッチオンで中間転写ベルト169に当接されて用紙に画像が転写される。
【0053】
上記のようにして画像が転写された用紙は、次に、定着器で定着処理がなされる。定着器には、加熱ローラ172、加圧ローラ173が設けられている。定着処理後の用紙は、排紙ローラ対176に引き込まれて矢視F方向に進行する。この状態から排紙ローラ対176が逆方向に回転すると、用紙は方向を反転して両面プリント用搬送路175を矢視G方向に進行する。177は電装品ボックス、178は用紙を収納する給紙トレイ、179は給紙トレイ178の出口に設けられているピックアップローラである。
【0054】
4色のカラー画像担持には中間転写ベルト169は4回転して、その後に更に回転位置が制御されて二次転写ローラ171の位置で用紙に画像を転写する。給紙トレー178から給紙された用紙を搬送路174で搬送し、二次転写ローラ171の位置で用紙の片面に前記カラー画像を転写する。片面に画像が転写された用紙は前記のように排紙ローラ対176で反転されて、搬送径路で待機している。その後、用紙は適宜のタイミングで二次転写ローラ171の位置に搬送されて、他面に前記カラー画像が転写される。ハウジング180には、排気ファン181が設けられている。
【0055】
図4は、本発明のラインヘッドに用いるガラス基板62を示す平面図である。ガラス基板62には、有機EL素子を用いた発光部63が形成されており、各発光部63はTFTなどで構成される駆動回路88にリード線92で接続されている。ガラス基板62の両端には、位置決めマーク(アライメントマーク)87a、87bが形成されている。アライメントマーク87a、87bは、発光部63の発光パターンの形成と同一工程で行われる。このため、発光部63とアライメントマーク87a、87bの相対精度を高めることができる。
【0056】
図5は、図4のガラス基板62にカバーガラス64を被覆した例を示す図で、(a)は平面図、(b)は側面図である。カバーガラス64は、
発光部63、駆動回路88、リード線92を覆う。ガラス基板62の両端に形成されているアライメントマーク87a、87bは、カバーガラス64から露出させている。
【0057】
図6は、ラインヘッド23の主走査方向の断面図である。図4、図5で説明したように、ガラス基板62は、有機EL素子を用いた発光部63をカバーガラス64で被覆している。このようなガラス基板62をハウジング60に固定する。この際に、ガラス基板62は、発光部63の位置とロッドレンズアレイ65の中心との位置決めがなされている。カバー66でガラス基板62を覆い板バネ67でカバー66を固定する。
【0058】
図7は、本発明のラインヘッド(像書込手段)23の位置調整の例を示す平面図である。画像形成装置本体側のケース50と固定するために、ラインヘッド23の基台89の両端には、ねじ挿入孔68a、68bが設けられている。ガラス基板62の両端には、前記のように位置決めマーク(アライメントマーク)87a、87bが形成されている。ロッドレンズ84は2列に配列されている。
【0059】
基台89の中央部には、開口部89aが形成されており、ガラス基板62をこの開口部89aに挿入する。開口部89aの長手方向の一方側縁には、板バネ85a、85bが設けられている。ガラス基板62の長手方向の一方側縁を当該板バネ85a、85bで押圧する。そして、図17(b)で説明したCCDカメラ90で、アライメントマーク87a、87bを観察し、ガラス基板62を調整用ネジ86a、86bで調整しながら副走査方向に移動して、ロッドレンズアレイの中心線との位置決めを行う。
【0060】
なお、この際に発光部63とロッドレンズアレイの中心線との位置ずれ量をCCDカメラ90検出し、光量補正を行うためのデータを取得する。この場合には、図7のようなガラス基板62の位置調整は行わずに、後述するように発光部の電圧または電流を制御して、電気的な手段により光量補正を行う。
【0061】
このように、図7の実施形態例においては、工程上直線性を良好に製造できる有機EL素子を複数配列して、発光部63としたラインヘッド23に対して、取り付け誤差が少ないロッドレンズアレイを基準としてアライメントマーク87a、87bを用いて位置ずれを検出する。このため、発光部63とロッドレンズアレイとの位置ずれを精度良く検出することができる。
【0062】
また、本発明の実施形態においては、ロッドレンズアレイとガラス基板、すなわち発光部との位置ずれ検出は、ガラス基板の後ろ側(有機EL素子の出力光の照射側とは反対側)から、ロッドレンズアレイとアライメントマークを見て行っている。このため、有機EL素子の出力光の影響を受けずに、ロッドレンズアレイとガラス基板の位置を観察できるので、両者間の位置ずれ検出を容易にかつ高精度に行うことができる。
【0063】
また、図7の例では、ロッドレンズアレイの主走査方向の長さは、発光部を封止する封止部材(カバーガラス64)の長さよりも長くしている。このため、アライメントマーク87a、87bを封止部の外側に設けることが可能となり、封止部を介せず位置ずれの検出ができる。したがって、位置ずれ検出処理を簡略に行える。
【0064】
図8〜図15は、アライメントマークによるガラス基板の位置ずれ検出の例を示す説明図である。図8の例は、アライメントマーク87aの位置を、ロッドレンズアレイの主走査方向に平行で、ロッドレンズ84の少なくとも2つの外周の接線(外接線)の位置に合わせて形成している。このため、アライメントマーク87aは、ロッドレンズアレイの中心線C.Lと平行に形成され、発光部との位置ずれ検出を精度良く実施することができる。また、ロッドレンズアレイに対して、副走査方向のみ位置ずれ検出が可能となり、主走査方向は、別の基準を用いることができる。このアライメントマーク87aは、ガラス基板62の一方端部に形成される。
【0065】
図9の例は、アライメントマーク87xの位置を、2列に配列されたロッドレンズ84の下側の少なくとも2つの外周の接線に合わせた位置に形成する。また、アライメントマーク87yの位置は、2列に配列されたロッドレンズ84の上側の少なくとも2つの外周の接線の位置に合わせて形成する。このように、2列に配列されたロッドレンズ84の上側と下側の少なくとも2つの外周の接線の位置に合わせて、アライメントマーク87x、87yの位置を形成している。このため、ロッドレンズの直径の大きさにばらつきがある場合でも、発光部との正確な位置ずれ検出を行うことができる。アライメントマーク87x、87yは、ガラス基板62の一方端部、または両端に形成される。
【0066】
図10の例は、ガラス基板62の両端にアライメントマーク87a、87bを形成するものである。このアライメントマークの位置は、図8で説明したようにロッドレンズ84の少なくとも2つの外接線の位置に合わせて形成される。図10の例では、アライメントマークをガラス基板62の両端に形成しているので、図8の構成よりも位置ずれ検出の精度が向上する。また、ガラス基板62の主走査方向の長さが長くなった場合でも、ガラス基板62に配列されている発光部とロッドレンズアレイの副走査方向の位置ずれを誤差なく検出することができる。
【0067】
図11の例では、アライメントマークをガラス基板62の両端の87u、87wと、中央の87vの3個所に形成している。各アライメントマークの位置は、2列に配列されたロッドレンズ84の上側の少なくとも2つの外接線の位置に合わせて形成される。このように、アライメントマークをガラス基板62の両端と中央に形成しているので、ロッドレンズアレイが製造時の誤差で変形しているような場合でも、精度を低下させることなく発光部の位置ずれ検出を行うことができる。
【0068】
図12の例は、アライメントマーク87a、87bをガラス基板62の両端に設けているが、特に画像形成領域Rの外側に設けたことを限定するものである。このように、位置ずれ検出用のアライメントマークを画像形成領域Rの外側に設けているので、アライメントマークによる妨害を受けることなく画像形成が可能となる。このため、画質を高めることができる。
【0069】
図13の例は、アライメントマーク87c、87dをガラス基板62の両側に設けているが、設置個所を画像形成領域R内に限定するものである。この場合には、ガラス基板62の両端にアライメントマークを形成するスペースが不要となるので、ガラス基板62の主走査方向の長さを短くすることができる。
【0070】
図14の例は、アライメントマーク87eをロッドレンズ84の外周と同じ大きさに形成するものであり、ガラス基板62の端部に設けている。このため、アライメントマーク87eとロッドレンズ84との位置ずれは両者が重なった位置を観察して決定できる。したがって、位置ずれ検出処理が容易であり、結果として発光部63とロッドレンズアレイの中心線C.Lとの位置ずれを精度良く検出することができる。また、ロッドレンズアレイに対して、主走査方向と副走査方向の両方で位置ずれ検出することができる。なお、アライメントマークは、ガラス基板62の一方端部、または両端に形成することができる。
【0071】
図15の例は、アライメントマーク87e、87fをロッドレンズ84の外形と同じ大きさに2個形成するものである。このため、アライメントマーク87e、87fとロッドレンズ84との位置ずれ検出が容易であり、精度も向上する。このアライメントマークは、2個に限定されず複数設けることができる。なお、ロッドレンズ84の外形と同じ大きさのアライメントマークは、ガラス基板62の一方端部、または両端に形成することができる。更に、図11で説明したように当該アライメントマークを、ガラス基板62の両端と中央に設ける構成とすることもできる。
【0072】
前記発光部63とロッドレンズ84との位置ずれ検出は、アライメントマークの検出の他に、ガラス基板に形成されているモジュール(部品)によっても可能である。次に、このようなモジュールによる位置ずれ検出について説明する。図16は、本発明のラインヘッドに用いるガラス基板62を示す平面図である。ガラス基板62には、有機EL素子を用いた発光部63が形成されており、各発光部63はTFTなどで構成される駆動回路88にリード線92で接続されている。ガラス基板62の両端には、位置ずれ検出用のモジュール、この例では駆動回路88に接続される配線93が形成されている。配線93は、発光部63の発光パターンの形成と同一工程で行われる。このため、発光部63と配線93との相対精度を高めることができる。
【0073】
また、配線93は、ロッドレンズアレイの中心線C.Lと平行に形成され、発光部との位置ずれ検出を精度良く実施することができる。さらに、ロッドレンズアレイに対して、副走査方向のみ位置ずれ検出が可能となり、主走査方向は、別の基準を用いることができる。この配線93は、ガラス基板62の両端に形成されるが、位置ずれ検出用のモジュールとしては、ガラス基板62の一方端部、または両端に形成される配線93を用いることができる。
【0074】
図17は、図16の変形例を示す説明図である。図17の例では、位置決め用の配線93に、ロッドレンズ84のセンターライン63Lと一致する配線93cを設けている。このように、ロッドレンズ84のセンターライン63Lと一致する配線93cを設けているので、位置ずれ検出の処理を精度良く行うことができる。
【0075】
図18は、ラインヘッド(像書込手段)23の位置調整の例を示す平面図である。画像形成装置本体側のケース50と固定するために、ラインヘッド23の基台89の両端には、ねじ挿入孔68a、68bが設けられている。ガラス基板62の両端には、前記のように位置決め用の配線93a、93bが形成されている。ロッドレンズ84は2列に配列されている。
【0076】
基台89の中央部には、開口部89aが形成されており、ガラス基板62をこの開口部89aに挿入する。開口部89aの長手方向の一方側縁には、板バネ85a、85bが設けられている。ガラス基板62の長手方向の一方側縁を当該板バネ85a、85bで押圧する。そして、図12(b)で説明したCCDカメラ90で、位置ずれ検出用のモジュールである配線93a、93bを観察し、ガラス基板62を調整用ネジ86a、86bで調整しながら副走査方向に移動して、ロッドレンズアレイの中心線との位置決めを行う。なお、この際に発光部63とロッドレンズアレイの中心線との位置ずれ量をCCDカメラ90検出し、光量補正を行うためのデータを取得する。この場合には、図18のようなガラス基板62の位置調整は行わずに、後述するように発光部の電圧または電流を制御して、電気的な手段により光量補正を行う。
【0077】
このように、図18の実施形態例においては、工程上直線性を良好に製造できる有機EL素子を複数配列して発光部63としたラインヘッド23に対して、取り付け誤差が少ないロッドレンズアレイを基準として、配線93a、93bを用いて位置ずれ検出を行っている。このため、発光部63とロッドレンズアレイとを精度良く位置決めすることができ、光量が均一でスポット径も均一になるように、ラインヘッドを設置することができる。
【0078】
また、本発明の実施形態においては、ロッドレンズアレイとガラス基板の位置ずれ検出は、ガラス基板の後ろ側(有機EL素子の出力光の照射側とは反対側)から、ロッドレンズアレイと配線93a、93bを観察して行っている。このため、有機EL素子の出力光の影響を受けずに、ロッドレンズアレイとガラス基板の位置を観察できるので、両者間の位置ずれ検出を容易にかつ高精度に行うことができる。
【0079】
また、図18の例では、ロッドレンズアレイの主走査方向の長さは、前記したように発光部を封止する封止部材(カバーガラス64)の長さよりも長くしている。このため、位置ずれ検出用のモジュール、この例では封止部の外側に設けた配線93を用いることが可能となり、封止部を介せず位置ずれ検出することができる。したがって、ラインヘッドの位置ずれ検出処理を簡略に行える。
【0080】
図19〜図22は、モジュールによるガラス基板の位置ずれ検出の例を示す説明図である。図19の例は、図28で説明した有機EL素子の陰極79を位置ずれ検出用のモジュールとして用いるものである。図19の例においても、陰極79は発光部63の発光パターンの形成と同一工程で行われる。このため、発光部63と配線93との相対精度を高めることができる。
【0081】
なお、陰極79は、ガラス基板の端部に形成されている部分に限らず、中央部の画像形成領域内の部分を位置決めに用いても良い。この場合には、位置ずれ検出用のモジュールを設置する位置に制約がないので、前記モジュール設置の自由度を高めることができる。さらに、陰極79のガラス基板62の両端と中央部の位置に形成されている部分を、位置合わせ用のモジュールとすることもできる。この場合には、ロッドレンズアレイが製造時の誤差で変形しているような場合でも、精度を低下させることなく発光部の位置ずれ検出を行うことができる。
【0082】
図20の例は、図28で説明したように有機EL素子の形成の際に用いる隔壁75を位置ずれ検出用のモジュールとするものである。図20の例では、ラインヘッドに既設の隔壁を用いるので、位置ずれ検出用に新規の部品を設ける必要がなく、コストを低減することができる。この隔壁75は、ガラス基板62の両端に形成されるが、位置ずれ検出用のモジュールとしては、ガラス基板62の一方端部、または両端に形成される隔壁75を用いることができる。さらに、図19の陰極79と同様に、隔壁75も中央部の画像形成領域内の部分を位置ずれ検出に用いても良い。なお、ガラス基板62の両端および中央部に形成された隔壁75を、位置ずれ検出用のモジュールとすることも可能である。
【0083】
図21の例は、前記配線93に接続されるICチップ94を位置ずれ検出用のモジュールとするものである。ICチップ94は、ガラス基板62の両端に設けられることがある。図21の例では、このようなガラス基板62の一端または両端に設けられているICチップ94を、位置ずれ検出用のモジュールとしている。このため、新規に位置ずれ検出用の手段を設ける必要がない。なお、図21の例においては、ICチップ94と共に配線93も位置ずれ検出用のモジュールとして用いることもできる。このように、複数のモジュールを位置ずれ検出用のモジュールとして設定することにより、ガラス基板の位置ずれ検出の精度を向上させることができる。
【0084】
図22の例は、フレキシブル基板95の位置決め用のマーク96a、96bを、ガラス基板62の位置ずれ検出用のモジュールとして兼用するものである。フレキシブル基板95に設けられている位置決め用のマーク97a、97bを、前記ガラス基板62の端部に設けられている位置決め用のマーク96a、96bに重ね、両者を接合する。フレキシブル基板95の位置決め用のマークは、ガラス基板62の両端に設けられており、その一方端部に設けられている前記マーク、または両端のマークをガラス基板62の位置ずれ検出用のモジュールとして用いる。この例では、フレキシブル基板95の位置決め用のマーク96a、96bを、ガラス基板62の位置ずれ検出用モジュールとして兼用しているので、ロッドレンズアレイとの位置合わせを合理的に行うことができる。
【0085】
上記した各実施形態において、ガラス基板62の両端に設けられている位置ずれ検出用のモジュールを用いた場合には、一方端部のモジュールを用いた構成よりも位置決めの精度が向上する。また、ガラス基板62の主走査方向の長さが長くなった場合でも、ガラス基板62に配列されている発光部とロッドレンズアレイの副走査方向の位置ずれを誤差なく検出することができる。
【0086】
図16〜図22の例において、画像形成領域の外側に設けているモジュールを位置ずれ検出用に用いている。このように、位置ずれ検出用のモジュールを画像形成領域の外側に設けている場合には、モジュールによる妨害を受けることなく画像形成が可能となる。このため、画質を高めることができる。
【0087】
図1は、画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。図1において、101はラインヘッドの制御部、102は位置ずれ検出部、103はメモリ、104は制御回路、105はTFTからなる駆動回路で図4の図示番号88に相当する。106は発光素子が1ライン(主走査方向)に複数配列されている発光部で、図4の図示番号63に相当する。100は本体コントローラである。本体コントローラ100は、印刷データを形成してラインヘッドの制御部101に送信する。
【0088】
位置ずれ検出部102は、発光部106とロッドレンズの中心線との位置ずれを検出する。メモリ103には、位置ずれ検出部102で検出された位置ずれ量を記憶させている。制御回路104は、当該位置ずれ検出部102で検出された位置ずれ量の特性をメモリ103から読み出し、基準光量に対する補正光量を演算する。この演算結果に基づいて駆動回路104に信号を送出し、発光部106の印加電圧、または駆動電流を制御して光量補正を行う。
【0089】
図2は、位置ずれ検出の具体例を示す断面図である。図2は、図27(b)と対応している。図2において、ロッドレンズアレイ65はハウジング60に保持されており、ガラス基板62は接着剤83でハウジング60に固定される。ロッドレンズの中心線をC.Lとするときに、発光部63のガラス基板62に対する形成位置が、前記中心線からΔLずれているものとする。この位置ずれは、CCD90により検出される。LaはCCD90の光路である。CCD90により検出された位置ずれ量は、図1のメモリ103に記憶される。
【0090】
図3は、本発明の処理手順を示すフローチャートである。図3において、処理プログラムをスタートさせ(ステップS1)、発光部とロッドレンズの中心線との位置ずれを検出する(ステップS2)。次に、前記検出された位置ずれ量をメモリに記憶させ(ステップS3)、光量補正データへの変換処理を行う(ステップS4)。光量補正データをラインヘッドに転送し(ステップS5)、処理プログラムを終了させる(ステップS6)。
【0091】
以上、本発明のラインヘッドの光量補正方法と画像形成装置をいくつかの実施例に基づいて説明したが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の制御部を示すブロック図である。
【図2】位置ずれ検出例を示す断面図である。
【図3】本発明の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】ガラス基板の平面図である。
【図5】ガラス基板にカバーガラスを設けた例の平面図である。
【図6】ラインヘッドの断面図である。
【図7】本発明に適用されるラインヘッドの平面図である。
【図8】アライメントマークによる位置ずれ検出例の説明図である。
【図9】位置ずれ検出例の説明図である。
【図10】位置ずれ検出例の説明図である。
【図11】位置ずれ検出例の説明図である。
【図12】位置ずれ検出例の説明図である。
【図13】位置ずれ検出例の説明図である。
【図14】位置ずれ検出例の説明図である。
【図15】位置ずれ検出例の説明図である。
【図16】モジュールによる位置ずれ検出の例を示す説明図である。
【図17】モジュールによる位置ずれ検出の例を示す説明図である。
【図18】モジュールによる位置ずれ検出の例を示す説明図である。
【図19】モジュールによる位置ずれ検出の例を示す説明図である。
【図20】モジュールによる位置ずれ検出の例を示す説明図である。
【図21】モジュールによる位置ずれ検出の例を示す説明図である。
【図22】モジュールによる位置ずれ検出の例を示す説明図である。
【図23】本発明のラインヘッドが用いられる画像形成装置の縦断側面図である。
【図24】図23に示した像担持体近傍の部分的な断面図である。
【図25】像書込手段を拡大して示す概略の斜視図である。
【図26】ガラス基板を固定した例を示す断面図である。
【図27】ガラス基板の位置決めの例を示す説明図である。
【図28】発光部近傍の構成例を示す断面図である。
【図29】本発明の他の実施形態を示す画像形成装置の縦断側面図である。
【図30】発光部の位置ずれの例を示す説明図である。
【図31】光量バラツキを示す特性図である。
【符号の説明】
【0093】
1・・・画像形成装置、16・・・中間転写ベルト、20・・・像担持体、23・・・像書込手段(ラインヘッド)、61・・・有機EL素子アレイ、62・・・ガラス基板、63・・・発光部、64・・・カバーガラス、65…屈折率分布型ロッドレンズアレイ(SLA)、84・・・屈折率分布型ロッドレンズ、85a、85b・・・板バネ、86a、86b・・・調整用ネジ、87・・・アライメントマーク、88・・・駆動回路、90・・・CCD、93・・・配線、94・・・ICチップ、95・・・フレキシブル基板、96a、96b・・・フレキシブル基板位置合わせ用マーク、100・・・本体コントローラ、101・・・制御部、102・・・位置ずれ検出部、103・・・メモリ、104・・・制御回路、105・・・駆動回路、106・・・発光部、167・・・ラインヘッド、169・・・中間転写ベルト。
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機EL発光素子を用いたラインヘッドにおいて、光学系に対する発光素子の位置ずれを検出して光量を補正する、ラインヘッドの光量補正方法と画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
タンデム方式、またはロータリ方式の画像形成装置においては、露光装置として走査光学系を設ける方式と、発光素子アレイを用いる方式が知られている。発光素子アレイを用いる方式では、発光素子とレンズの位置合わせが必要になる。例えば特許文献1には、複数の発光体を配置した画像アレイと単眼レンズの位置決めのために、レンズホルダーにレンズの中心位置を示すためのマークを設けた例が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開平7−186444号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような光学系を用いる場合に、ラインヘッドの結像光学系としては、図30の説明図に示すような2列のロッドレンズを有するロッドレンズアレイを用いた等倍光学系が一般的に用いられる。図30において、84、84は2列に配置されたロッドレンズである。このロッドレンズアレイでは、主走査方向と平行なロッドレンズアレイの中心線と発光素子の位置を副走査方向において一致させる必要があるが、この位置がずれる場合がある。
【0005】
図30において、C.Lはロッドレンズアレイの中心線、Aは発光素子の位置がこの中心線C.Lから0.1mmずれた例、Bは発光素子の位置がこの中心線C.Lから0.2mmずれた例を示している。このように、発光素子の位置がロッドレンズアレイの中心線からずれる場合には、光量バラツキが生じる。図31(a)は主走査方向の光量バラツキを示す特性図、図31(b)は、副走査方向の光量分布データを示す特性図である。図31(b)に示すように、副走査方向に発光素子の位置がずれた場合には、光量ばらつきはずれ量の正負対称に生じる。
【0006】
図30において、ロッドレンズの直径を0.56mmとする。このときの図31(a)における主走査方向の光量バラツキは、発光素子の位置とロッドレンズアレイの中心線とのずれが0であれば、特性Daのように光量むら周期がロッドレンズの直径の1/2の0.28である。前記両者のずれ量が0.1mmのときには、光量むら周期はロッドレンズの直径の1/2の0.28mmと直径の0.56mmの和となる。この際の光量むら周期は、ずれ量が0の場合の2倍となる。前記両者のずれ量が0.2mmのときには、光量むら周期はロッドレンズの直径0.56mmとなる。
【0007】
このように、発光素子の位置がロッドレンズアレイの中心線からずれる場合には、次のような問題が生じる。(1)ロッドレンズを通過する光量ムラの周期が2倍となり、光量ムラが認識しやすくなり画質の劣化が明瞭になる。(2)ロッドレンズを通過する光量の光量ムラが増加する。(3)ロッドレンズを通過する光量が低下する。(4)結像性能が劣化して、スポット径が大きくなったり、ばらついたりする。
【0008】
従来の発光素子として特許文献1記載されているようなLEDを用いたラインヘッドでは、基板上に画像アレイを実装してラインヘッドを構成している。このため、実装誤差により発光部の画素列が直線にならず、全ての発光画素に対してレンズアレイの中心線を合わせる事が困難であった。さらに、発光部自身の光量ムラの方がレンズアレイの透過光量ムラよりも大きく、これを補正するためにヘッド通過後の光量に基づき発光素子1個1個に対して光量補正制御を行い、発光部自身の光量ムラとレンズアレイの透過光量ムラの両方を補正する必要があった。また、スポット径は補正することができないという問題があった。
【0009】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、レンズアレイを基準として発光部の位置ずれを検出し、光量を補正するラインヘッドの光量補正方法と画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明のラインヘッドの光量補正方法は、透明な単一基板上に形成された発光素子を複数配列した発光部と、レンズアレイの保持手段とを備えたラインヘッドにおいて、前記レンズアレイの位置を基準として前記発光部の位置ずれを検出する工程と、前記検出された位置ずれに基づいて前記発光部の光量を補正する工程よりなることを特徴とする。このように、発光素子を複数配列して発光部としたラインヘッドに対して、取り付け誤差が少ないレンズアレイを基準として発光部の位置ずれを検出している。そして、検出された位置ずれに基づいて発光部の光量を補正している。このため、発光部自身の光量ムラとレンズアレイの透過光量ムラの両方を補正でき、さらに、スポット径の補正も行うことができる。
【0011】
また、本発明のラインヘッドの光量補正方法において、前記位置ずれの検出は、透明な基板の出力光の照射側の反対側から行うことを特徴とする。このように、発光素子の出力光の影響を受けずにロッドレンズアレイとガラス基板の位置を観察できるので、両者間の位置ずれを容易にかつ高精度に行うことができ、当該位置ずれに起因する光量のばらつきを補正することができる。
【0012】
また、本発明のラインヘッドの光量補正方法において、前記レンズアレイの主走査方向の長さは、前記発光部を封止する封止部材の長さよりも長く形成したことを特徴とする。このため、前記位置ずれ検出手段を封止部の外側に設けることが可能となり、封止部を介せず位置ずれを検出することができる。したがって、位置ずれ検出処理を簡略に行える。
【0013】
また、本発明のラインヘッドの光量補正方法において、前記位置ずれの検出を画像形成領域外/およびまたは画像形成領域内に形成した手段により行う。位置ずれ検出手段を画像形成領域の外側に設けている場合には、位置ずれ検出手段による妨害を受けることなく画像形成が可能となる。このため、画質を高めることができる。また、位置ずれ検出手段を画像形成領域内に形成した場合には、透明基板の両端に位置ずれ検出手段を形成するスペースが不要となるので、透明基板の主走査方向の長さを短くすることができる。
【0014】
また、本発明のラインヘッドの光量補正方法において、前記位置ずれ検出手段を前記透明基板に複数形成したことを特徴とする。このように、位置ずれ検出手段を複数形成することにより、透明基板とレンズアレイとの位置ずれ検出の精度を高めることができる。
【0015】
また、本発明のラインヘッドの光量補正方法において、前記位置ずれ検出手段を前記透明基板の両端、または前記透明基板の両端と中央に形成したことを特徴とする。位置ずれ検出手段を透明基板の両端に形成している場合には、透明基板の主走査方向の長さが長くなった場合でも、透明基板とレンズアレイの副走査方向の位置ずれの検出を誤差なく行うことができる。また、位置ずれ検出手段を透明基板の両端と中央に形成している場合には、レンズアレイが製造時の誤差で変形しているような場合でも、精度を低下させることなく発光部とレンズアレイとの位置ずれの検出を行うことができる。
【0016】
また、本発明のラインヘッドの光量補正方法において、前記位置ずれ検出は、前記透明基板に形成されたアライメントマークの検出により行うことを特徴とする。このように、発光素子を複数配列して発光部としたラインヘッドに対して、取り付け誤差が少ないレンズアレイを基準としてアライメントマークを用いて位置ずれの検出を行っている。このため、発光部とレンズアレイとの位置ずれを精度良く検出することができ、ラインヘッドの光量補正を的確に行うことができる。
【0017】
また、本発明のラインヘッドの光量補正方法において、前記アライメントマークは、前記レンズアレイの主走査方向に平行で、レンズの外形に接する接線であることを特徴とする。このように、アライメントマークは、ロッドレンズアレイの中心線と平行に形成されるので、発光部との位置ずれを精度良く検出することができる。また、ロッドレンズアレイに対して、副走査方向のみの位置ずれ検出が可能となり、主走査方向の位置ずれ検出は、別の基準を用いることができる。
【0018】
また、本発明のラインヘッドの光量補正方法において、前記アライメントマークは、前記レンズと同形状であることを特徴とする。このため、アライメントマークとレンズとの位置ずれ検出が容易であり、結果として発光部とロッドレンズアレイの中心線との位置ずれを精度良く検出することができる。また、レンズアレイに対して、主走査方向と副走査方向の両方の位置ずれを検出することができる。
【0019】
また、本発明のラインヘッドの光量補正方法において、前記位置ずれ検出は、前記透明基板に形成されたモジュールの検出により行うことを特徴とする。このように、位置ずれ検出手段として既設のモジュールを用いているので、位置ずれ検出に別部材を必要とせず、コストを低減することができる。
【0020】
また、本発明のラインヘッドの光量補正方法において、前記モジュールは、駆動回路に接続される配線であることを特徴とする。このように、位置ずれ検出手段として駆動回路に接続される配線を用いているので、レンズアレイと発光部との位置ずれを精度良く検出することができる。また、レンズアレイに対して、副走査方向のみの位置ずれ検出が可能となり、主走査方向の位置ずれ検出は、別の基準を用いることができる。
【0021】
また、本発明のラインヘッドの光量補正方法において、前記位置ずれ検出手段は、前記発光部の発光パターンの形成と同一工程で行われることを特徴とする。このため、発光部と位置ずれ検出手段との相対精度を高めることができる。
【0022】
また、本発明のラインヘッドの光量補正方法において、前記モジュールは発光部の陰極、または前記発光素子を前記透明基板上に形成する際に用いた隔壁であることを特徴とする。発光部の陰極、または隔壁は、前記発光部の発光パターンの形成と同一工程で行われる。このため、発光部と位置ずれ検出用のモジュールである陰極、または隔壁との相対精度を高めることができる。
【0023】
また、本発明のラインヘッドの光量補正方法において、前記発光素子は、有機EL素子であることを特徴とする。このように、工程上直線性を良好に製造できる有機EL素子を発光素子として用いているので、レンズアレイと発光部との位置ずれを精度良く検出することができる。
【0024】
本発明の第1実施形態の画像形成装置は、像担持体の周囲に帯電手段と、前記いずれかに記載の方法で位置ずれに基づく光量ムラを補正したラインヘッドと、現像手段と、転写手段との各画像形成用ユニットを配した画像形成ステーションを少なくとも2つ以上設け、転写媒体が各ステーションを通過することにより、タンデム方式で画像形成を行うことを特徴とする。この構成により、タンデム型の画像形成装置に用いるラインヘッドにおいて、光学系に対する発光素子の位置ずれ検出精度を向上させ、光量の補正を行うことにより光量ムラを低減させることができる。
【0025】
また、本発明の第2実施形態の画像形成装置は、静電潜像を担持可能に構成された像担持体と、ロータリ現像ユニットと、前記いずれかに記載の方法で位置ずれに基づく光量ムラを補正したラインヘッドとを備え、前記ロータリ現像ユニットは、複数のトナーカートリッジに収納されたトナーをその表面に担持するとともに、所定の回転方向に回転することによって異なる色のトナーを順次前記像担持体との対向位置に搬送し、前記像担持体と前記ロータリ現像ユニットとの間に現像バイアスを印加して、前記トナーを前記ロータリ現像ユニットから前記像担持体に移動させることで、前記静電潜像を顕像化してトナー像を形成することを特徴とする。このため、ロータリ型の画像形成装置に用いるラインヘッドにおいて、光学系に対する発光素子の位置ずれ検出精度を向上させ、光量の補正を行うことにより光量ムラを低減させることができる。
【0026】
また、本発明の画像形成装置は、中間転写部材を備えたことを特徴とする。このため、中間転写部材を備えた画像形成装置に用いるラインヘッドにおいて、光学系に対する発光素子の位置ずれ検出精度を向上させ、光量の補正を行うことにより光量ムラを低減させることができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明のラインヘッドの光量補正方法と画像形成装置によれば、レンズアレイを基準として発光部の位置ずれを精度良く検出でき、その検出結果により光量を補正している。このため、光量を均一にすることができ、スポット径も均一となる。したがって、高画質な画像を得る構成とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図を参照して本発明を説明する。ラインヘッドの発光部に有機EL素子を用いた場合には、発光画素列は単一の基板上に半導体プロセスを用いて製造されるため、その直線性は、従来のLEDに比べて極めて高精度に構成することが可能となる。さらに、発光素子自身の光量ムラもレンズアレイの透過光量ムラに比べて小さく、レンズアレイの中心線と発光素子列を高精度に位置決めできれば、光量補正がなくとも光量を均一にすることができ、スポット径も均一となる。このため、高画質なラインヘッドを構成することができる。本発明は、このような有機EL素子の特性に着目して、ラインヘッドの位置ずれを検出し光量補正を行うものである。
【0029】
図23は、本発明によって位置調整されたラインヘッドが用いられる画像形成装置の縦断側面図である。本実施例は、転写ベルトとして中間転写ベルトを用いる例である。図23において、本実施例の画像形成装置1は、ハウジング本体2と、ハウジング本体2の前面に開閉自在に装着された第1の開閉部材3と、ハウジング本体2の上面に開閉自在に装着された第2の開閉部材(排紙トレイを兼用している)4とを有している。さらに、第1の開閉部材3には、ハウジング本体2の前面に開閉自在に装着された開閉蓋3’を備えている。
【0030】
ハウジング本体2内には、電源回路基板及び制御回路基板を内蔵する電装品ボックス5、画像形成ユニット6、送風ファン7、転写ベルトユニット9、給紙ユニット10が配設される。また、第1の開閉部材3内には、二次転写ユニット11、定着ユニット12、記録媒体搬送手段13が配設されている。
【0031】
転写ベルトユニット9は、ハウジング本体2の下方に配設され図示しない駆動源により回転駆動される駆動ローラ14と、駆動ローラ14の斜め上方に配設される従動ローラ15と、この2本のローラ14、15間に張架されて図示矢印方向へ循環駆動される中間転写ベルト16と、中間転写ベルト16の表面に離当接されるクリーニング手段17とを備えている。
【0032】
各画像形成ステーションY、M、C、Kの像担持体20に対向して、板バネ電極からなる一次転写部材21がその弾性力で当接され、一次転写部材21には転写バイアスが印加されている。転写ベルトユニット9には、駆動ローラ14に近接してテストパターンセンサ18が設置されている。画像形成ユニット6は、複数(本実施例では4つ)の異なる色の画像を形成する画像形成ステーションY(イェロー用)、M(マゼンタ用)、C(シアン用)、K(ブラック用)を備え、各画像形成ステーションY、M、C、Kにはそれぞれ、感光ドラムからなる像担持体20と、像担持体20の周囲に配設された、帯電手段22、像書込手段(ラインヘッド)23及び現像手段24を有している。
【0033】
像担持体20は、図示矢印に示すように、中間転写ベルト16の搬送方向に回転駆動される。帯電手段22は、高電圧発生源に接続された導電性ブラシローラで構成され、ブラシ外周が感光体である像担持体20に対して逆方向で、かつ、2〜3倍の周速度で当接回転して像担持体20の表面を一様に帯電させる。
【0034】
像書込手段23は、有機EL素子を像担持体20の軸方向に列状に配列した有機EL素子アレイを用いている。有機EL素子アレイを用いたラインヘッドは、レーザー走査光学系よりも光路長が短くてコンパクトであり、像担持体20に対して近接配置が可能であり、装置全体を小型化できるという利点を有する。本実施形態においては、各画像形成ステーションY、M、C、Kの像担持体20、帯電手段22及び像書込手段23を1つの像担持体ユニット25としてユニット化している。
【0035】
次に、現像手段24の詳細について、画像形成ステーションKを代表して説明する。現像手段24は、トナー(図のハッチング部)を貯留するトナー貯留容器26と、このトナー貯留容器26内に形成されたトナー貯留部27と、トナー貯留部27内に配設されたトナー撹拌部材29と、トナー貯留部27の上部に区画形成された仕切部材30を有している。また、仕切部材30の上方に配設されたトナー供給ローラ31と、仕切部材30に設けられトナー供給ローラ31に当接されるブレード32と、トナー供給ローラ31及び像担持体20に当接するように配設される現像ローラ33と、現像ローラ33に当接される規制ブレード34とが設けられている。
【0036】
給紙ユニット10は、記録媒体Pが積層保持されている給紙カセット35と、給紙カセット35から記録媒体Pを一枚ずつ給送するピックアップローラ36とからなる給紙部を備えている。第1の開閉部材3内には、二次転写部への記録媒体Pの給紙タイミングを規定するレジストローラ対37と、駆動ローラ14及び中間転写ベルト16に圧接される二次転写手段としての二次転写ユニット11と、定着ユニット12と、記録媒体搬送手段13と、排紙ローラ対39と、両面プリント用搬送路40を備えている。
【0037】
定着ユニット12は、ハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵して回転自在な加熱ローラ45と、この加熱ローラ45を押圧付勢する加圧ローラ46と、加圧ローラ46に揺動可能に配設されたベルト張架部材47と、加圧ローラ45とベルト張架部材47間に張架された耐熱ベルト49を有している。記録媒体に二次転写されたカラー画像は、加熱ローラ45と耐熱ベルト49で形成するニップ部で所定の温度で記録媒体に定着される。
【0038】
図24は、図23に示した像担持体20近傍の部分的な断面図である。像担持体ユニット25は、中間転写ベルト16に接する側が開口した不透明な金属板等からなるケース50中に、相互に離間して平行に画像形成ステーションY、M、C、Kの4本の像担持体(感光体ドラム)20が回転可能に支持されている。各像担持体20の所定位置で当接回転するように帯電手段22の導電性ブラシローラが支持されており、帯電手段22の下流側に各々有機ELアレイ露光ヘッドからなる像書込手段23が各像担持体20に位置決めしてそれに平行に支持されている。
【0039】
像書込手段23の下流側のケース50の壁面には、各像担持体20に対応して現像手段24の現像ローラ33を当接させる開口51が設けられている。各開口51と像書込手段23の間には、ケース50の遮蔽部分52が残されており、また、帯電手段22と像書込手段23の間にケース50の遮蔽部分53が残されている。
【0040】
この遮蔽部分52、53、特に、開口51と像書込手段23の間の遮蔽部分52が像書込手段23中の有機EL材料からなる発光部へ外から紫外線が達するのを防いでいる。82は、有機EL素子アレイ61を前面から覆う屈折率分布型ロッドレンズアレイ65(SLA)が汚れた場合に、拭き取りを行うクリーニングパッドである。クリーニングパッド82は、図示を省略した把手により往復動される。
【0041】
図25は、像書込手段23を拡大して示す概略の斜視図である。図25においては、像書込手段23の細部が示されている。像担持体ユニット25に取り付けられた各像担持体(感光体ドラム)20に対して、像書込手段23を正確に位置決めするための機構が示されている。有機EL素子アレイ61は、長尺のハウジング60中に保持されている。長尺のハウジング60の両端に設けた位置決めピン69をケース50の対向する位置決め穴に嵌入させると共に、長尺のハウジング60の両端に設けたねじ挿入孔68を通して固定ねじをケース50のねじ穴にねじ込んで固定することにより、各像書込手段23が所定位置に固定される。
【0042】
像書込手段23は、ガラス基板62上に有機EL素子アレイ61の発光部63を載置し、同じガラス基板62上に形成されたTFT71により駆動される。屈折率分布型ロッドレンズアレイ65は結像光学系を構成し、発光部63の前面に配置される屈折率分布型ロッドレンズ84を俵積みしている。60はハウジング、66はカバー、67は固定板バネである。ハウジング60は、ガラス基板62の周囲を覆い、像担持体20に面した側は開放する。このようにして、屈折率分布型ロッドレンズ84から像担持体20に光線を射出する。ハウジング60のガラス基板62の端面と対向する面には、光吸収性の部材(塗料)が設けられている。
【0043】
図26は、像書込手段23の副走査方向の断面図である。像書込手段23には、ハウジング60中の屈折率分布型ロッドレンズアレイ65の後面に面して取り付けられた有機EL素子アレイ61と、ハウジング60の背面からその中の有機EL発光素子アレイ61を遮蔽する不透明なカバー66とが設けられている。また、固定板バネ67によりハウジング60の背面に対してカバー66を押圧して、ハウジング60内を光密に密閉する。すなわち、ガラス基板62は、固定板バネ67によりハウジング60で光学的に密閉されている。固定板バネ67は、ハウジング60の長手方向に複数個所設けられている。91は像担持体に形成される像面である。
【0044】
ケース50の内面に紫外線を吸収する黒色の塗料を塗布しておくと、有機EL素子アレイ61に対する紫外線遮蔽作用をより確実に行うことができ、有機EL発光素子の劣化を防止することができる。また、像書込手段23のハウジング60は不透明部材で形成され、その背面には不透明なカバー66により覆われている。このため、有機EL素子アレイ61の背面に入射する蛍光灯や太陽からの紫外線も、有機EL素子アレイ61の発光部63へ達することは防止される。83はガラス基板62をハウジング60に固定する接着剤である。
【0045】
図27は、ラインヘッドを位置決めする際の工程を示す説明図である。図27(a)で、ハウジング60の中央部に形成した開口部60aにロッドレンズアレイ65を挿入し、開口部60aに設けられている段差部60xでロッドレンズアレイ65の先端部を係止して、ハウジング60に固定する。(b)でガラス基板62に実装された発光部(図示を省略)をカバーガラス64で封止し、ガラス基板62をハウジング60内に挿入し、ハウジング60の内部に形成した段差部60yに載置する。
【0046】
この状態でCCDカメラ90により、後述するアライメントマークを観察しながら、ガラス基板62上に実装されている発光部の位置と、ロッドレンズアレイ65の中心線C.Lとの位置決めを行う。この際、ガラス基板62は矢視X方向に移動して位置決めを行う。前記位置決めが終了すると、(c)ガラス基板62を接着剤83でハウジング60に固定する。次に、(d)カバー66を取り付け、固定板バネ67でカバー66を押圧し、固定板バネ67の先端に形成した鉤部67aをハウジング60の外部に形成した段差部60zに係止して固定する。ハウジング60は、ロッドレンズアレイ65の保持手段として機能する。
【0047】
図28は、図26に示した有機EL発光素子アレイ61の発光部63近傍の構成例を示す断面図である。有機EL発光素子アレイ61は、例えば0.5mm厚のガラス基板62上に、各発光部63の発光を制御する厚さ50nmのポリシリコンからなるTFT(薄膜トランジスタ)71が、例えば千鳥配置の2列の発光部63各々に対応して欄外に設けられている。ガラス基板62上にはそのTFT71上のコンタクトホールを除いて厚さ100nm程度のSiO2からなる絶縁膜72が成膜され、コンタクトホールを介してTFT71に接続するように発光部63の位置に厚さ150nmのITOからなる陽極73が形成されている。
【0048】
次いで、発光部63以外の位置に対応する部分には厚さ120nm程度のSiO2からなる別の絶縁膜74が成膜され、その上に発光部63に対応する穴76を形成した厚さ2μmのポリイミドからなる隔壁75が設けられる。その隔壁75の穴76内に、陽極73側から順に、厚さ50nmの正孔注入層77、厚さ50nmの発光層78が成膜され、その発光層78の上面と穴76の内面及び隔壁75の外面を覆うように、厚さ100nmのCaからなる陰極第1層79aと厚さ200nmのAlからなる陰極第2層79bとが順に成膜されている。
【0049】
そして、その上に窒素ガス等の不活性ガス80を介して厚さ1mm程度のカバーガラス64でカバーされて、有機EL発光素子アレイ61の発光部63が構成されている。発光部63からの発光はガラス基板62側に行われる。なお、発光層78に用いる材料、正孔注入層77に用いる材料については、公知の種々のものが利用でき、詳細な説明は省略する。このような有機EL発光素子は、発光素子をガラス基板上に容易に作製することができるので、製造コストを低減することができる。
【0050】
次に、本発明に係る画像形成装置に係る他の実施の形態について説明する。図28は、画像形成装置の縦断側面図である。図28において、画像形成装置160には主要構成部材として、ロータリ構成の現像装置161、像担持体として機能する感光体ドラム165、有機EL素子が設けられているラインヘッド167、中間転写ベルト169、用紙搬送路174、定着器の加熱ローラ172、給紙トレイ178が設けられている。現像装置161は、現像ロータリ161aが軸161bを中心として矢視A方向に回転する。現像ロータリ161aの内部は4分割されており、それぞれイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色の像形成ユニットが設けられている。162a〜162dは、前記4色の各像形成ユニットに配置されており、矢視B方向に回転する現像ローラ、163a〜163dは、矢視C方向に回転するトナ−供給ローラである。また、164a〜164dはトナーを所定の厚さに規制する規制ブレードである。
【0051】
165は、前記のように像担持体として機能する感光体ドラム、166は一次転写部材、168は帯電器、167は像書込手段で有機EL素子を用いたラインヘッドで構成されている。感光体ドラム165は、図示を省略した駆動モータ、例えばステップモータにより現像ローラ162aとは逆方向の矢視D方向に駆動される。中間転写ベルト169は、従動ローラ170bと駆動ローラ170a間に張架されており、駆動ローラ170aが前記感光体ドラム165の駆動モータに連結されて、中間転写ベルトに動力を伝達している。当該駆動モータの駆動により、中間転写ベルト169の駆動ローラ170aは感光体ドラム165とは逆方向の矢視E方向に回動される。
【0052】
用紙搬送路174には、複数の搬送ローラと排紙ローラ対176などが設けられており、用紙を搬送する。中間転写ベルト169に担持されている片面の画像(トナー像)が、二次転写ローラ171の位置で用紙の片面に転写される。二次転写ローラ171は、クラッチにより中間転写ベルト169に離当接され、クラッチオンで中間転写ベルト169に当接されて用紙に画像が転写される。
【0053】
上記のようにして画像が転写された用紙は、次に、定着器で定着処理がなされる。定着器には、加熱ローラ172、加圧ローラ173が設けられている。定着処理後の用紙は、排紙ローラ対176に引き込まれて矢視F方向に進行する。この状態から排紙ローラ対176が逆方向に回転すると、用紙は方向を反転して両面プリント用搬送路175を矢視G方向に進行する。177は電装品ボックス、178は用紙を収納する給紙トレイ、179は給紙トレイ178の出口に設けられているピックアップローラである。
【0054】
4色のカラー画像担持には中間転写ベルト169は4回転して、その後に更に回転位置が制御されて二次転写ローラ171の位置で用紙に画像を転写する。給紙トレー178から給紙された用紙を搬送路174で搬送し、二次転写ローラ171の位置で用紙の片面に前記カラー画像を転写する。片面に画像が転写された用紙は前記のように排紙ローラ対176で反転されて、搬送径路で待機している。その後、用紙は適宜のタイミングで二次転写ローラ171の位置に搬送されて、他面に前記カラー画像が転写される。ハウジング180には、排気ファン181が設けられている。
【0055】
図4は、本発明のラインヘッドに用いるガラス基板62を示す平面図である。ガラス基板62には、有機EL素子を用いた発光部63が形成されており、各発光部63はTFTなどで構成される駆動回路88にリード線92で接続されている。ガラス基板62の両端には、位置決めマーク(アライメントマーク)87a、87bが形成されている。アライメントマーク87a、87bは、発光部63の発光パターンの形成と同一工程で行われる。このため、発光部63とアライメントマーク87a、87bの相対精度を高めることができる。
【0056】
図5は、図4のガラス基板62にカバーガラス64を被覆した例を示す図で、(a)は平面図、(b)は側面図である。カバーガラス64は、
発光部63、駆動回路88、リード線92を覆う。ガラス基板62の両端に形成されているアライメントマーク87a、87bは、カバーガラス64から露出させている。
【0057】
図6は、ラインヘッド23の主走査方向の断面図である。図4、図5で説明したように、ガラス基板62は、有機EL素子を用いた発光部63をカバーガラス64で被覆している。このようなガラス基板62をハウジング60に固定する。この際に、ガラス基板62は、発光部63の位置とロッドレンズアレイ65の中心との位置決めがなされている。カバー66でガラス基板62を覆い板バネ67でカバー66を固定する。
【0058】
図7は、本発明のラインヘッド(像書込手段)23の位置調整の例を示す平面図である。画像形成装置本体側のケース50と固定するために、ラインヘッド23の基台89の両端には、ねじ挿入孔68a、68bが設けられている。ガラス基板62の両端には、前記のように位置決めマーク(アライメントマーク)87a、87bが形成されている。ロッドレンズ84は2列に配列されている。
【0059】
基台89の中央部には、開口部89aが形成されており、ガラス基板62をこの開口部89aに挿入する。開口部89aの長手方向の一方側縁には、板バネ85a、85bが設けられている。ガラス基板62の長手方向の一方側縁を当該板バネ85a、85bで押圧する。そして、図17(b)で説明したCCDカメラ90で、アライメントマーク87a、87bを観察し、ガラス基板62を調整用ネジ86a、86bで調整しながら副走査方向に移動して、ロッドレンズアレイの中心線との位置決めを行う。
【0060】
なお、この際に発光部63とロッドレンズアレイの中心線との位置ずれ量をCCDカメラ90検出し、光量補正を行うためのデータを取得する。この場合には、図7のようなガラス基板62の位置調整は行わずに、後述するように発光部の電圧または電流を制御して、電気的な手段により光量補正を行う。
【0061】
このように、図7の実施形態例においては、工程上直線性を良好に製造できる有機EL素子を複数配列して、発光部63としたラインヘッド23に対して、取り付け誤差が少ないロッドレンズアレイを基準としてアライメントマーク87a、87bを用いて位置ずれを検出する。このため、発光部63とロッドレンズアレイとの位置ずれを精度良く検出することができる。
【0062】
また、本発明の実施形態においては、ロッドレンズアレイとガラス基板、すなわち発光部との位置ずれ検出は、ガラス基板の後ろ側(有機EL素子の出力光の照射側とは反対側)から、ロッドレンズアレイとアライメントマークを見て行っている。このため、有機EL素子の出力光の影響を受けずに、ロッドレンズアレイとガラス基板の位置を観察できるので、両者間の位置ずれ検出を容易にかつ高精度に行うことができる。
【0063】
また、図7の例では、ロッドレンズアレイの主走査方向の長さは、発光部を封止する封止部材(カバーガラス64)の長さよりも長くしている。このため、アライメントマーク87a、87bを封止部の外側に設けることが可能となり、封止部を介せず位置ずれの検出ができる。したがって、位置ずれ検出処理を簡略に行える。
【0064】
図8〜図15は、アライメントマークによるガラス基板の位置ずれ検出の例を示す説明図である。図8の例は、アライメントマーク87aの位置を、ロッドレンズアレイの主走査方向に平行で、ロッドレンズ84の少なくとも2つの外周の接線(外接線)の位置に合わせて形成している。このため、アライメントマーク87aは、ロッドレンズアレイの中心線C.Lと平行に形成され、発光部との位置ずれ検出を精度良く実施することができる。また、ロッドレンズアレイに対して、副走査方向のみ位置ずれ検出が可能となり、主走査方向は、別の基準を用いることができる。このアライメントマーク87aは、ガラス基板62の一方端部に形成される。
【0065】
図9の例は、アライメントマーク87xの位置を、2列に配列されたロッドレンズ84の下側の少なくとも2つの外周の接線に合わせた位置に形成する。また、アライメントマーク87yの位置は、2列に配列されたロッドレンズ84の上側の少なくとも2つの外周の接線の位置に合わせて形成する。このように、2列に配列されたロッドレンズ84の上側と下側の少なくとも2つの外周の接線の位置に合わせて、アライメントマーク87x、87yの位置を形成している。このため、ロッドレンズの直径の大きさにばらつきがある場合でも、発光部との正確な位置ずれ検出を行うことができる。アライメントマーク87x、87yは、ガラス基板62の一方端部、または両端に形成される。
【0066】
図10の例は、ガラス基板62の両端にアライメントマーク87a、87bを形成するものである。このアライメントマークの位置は、図8で説明したようにロッドレンズ84の少なくとも2つの外接線の位置に合わせて形成される。図10の例では、アライメントマークをガラス基板62の両端に形成しているので、図8の構成よりも位置ずれ検出の精度が向上する。また、ガラス基板62の主走査方向の長さが長くなった場合でも、ガラス基板62に配列されている発光部とロッドレンズアレイの副走査方向の位置ずれを誤差なく検出することができる。
【0067】
図11の例では、アライメントマークをガラス基板62の両端の87u、87wと、中央の87vの3個所に形成している。各アライメントマークの位置は、2列に配列されたロッドレンズ84の上側の少なくとも2つの外接線の位置に合わせて形成される。このように、アライメントマークをガラス基板62の両端と中央に形成しているので、ロッドレンズアレイが製造時の誤差で変形しているような場合でも、精度を低下させることなく発光部の位置ずれ検出を行うことができる。
【0068】
図12の例は、アライメントマーク87a、87bをガラス基板62の両端に設けているが、特に画像形成領域Rの外側に設けたことを限定するものである。このように、位置ずれ検出用のアライメントマークを画像形成領域Rの外側に設けているので、アライメントマークによる妨害を受けることなく画像形成が可能となる。このため、画質を高めることができる。
【0069】
図13の例は、アライメントマーク87c、87dをガラス基板62の両側に設けているが、設置個所を画像形成領域R内に限定するものである。この場合には、ガラス基板62の両端にアライメントマークを形成するスペースが不要となるので、ガラス基板62の主走査方向の長さを短くすることができる。
【0070】
図14の例は、アライメントマーク87eをロッドレンズ84の外周と同じ大きさに形成するものであり、ガラス基板62の端部に設けている。このため、アライメントマーク87eとロッドレンズ84との位置ずれは両者が重なった位置を観察して決定できる。したがって、位置ずれ検出処理が容易であり、結果として発光部63とロッドレンズアレイの中心線C.Lとの位置ずれを精度良く検出することができる。また、ロッドレンズアレイに対して、主走査方向と副走査方向の両方で位置ずれ検出することができる。なお、アライメントマークは、ガラス基板62の一方端部、または両端に形成することができる。
【0071】
図15の例は、アライメントマーク87e、87fをロッドレンズ84の外形と同じ大きさに2個形成するものである。このため、アライメントマーク87e、87fとロッドレンズ84との位置ずれ検出が容易であり、精度も向上する。このアライメントマークは、2個に限定されず複数設けることができる。なお、ロッドレンズ84の外形と同じ大きさのアライメントマークは、ガラス基板62の一方端部、または両端に形成することができる。更に、図11で説明したように当該アライメントマークを、ガラス基板62の両端と中央に設ける構成とすることもできる。
【0072】
前記発光部63とロッドレンズ84との位置ずれ検出は、アライメントマークの検出の他に、ガラス基板に形成されているモジュール(部品)によっても可能である。次に、このようなモジュールによる位置ずれ検出について説明する。図16は、本発明のラインヘッドに用いるガラス基板62を示す平面図である。ガラス基板62には、有機EL素子を用いた発光部63が形成されており、各発光部63はTFTなどで構成される駆動回路88にリード線92で接続されている。ガラス基板62の両端には、位置ずれ検出用のモジュール、この例では駆動回路88に接続される配線93が形成されている。配線93は、発光部63の発光パターンの形成と同一工程で行われる。このため、発光部63と配線93との相対精度を高めることができる。
【0073】
また、配線93は、ロッドレンズアレイの中心線C.Lと平行に形成され、発光部との位置ずれ検出を精度良く実施することができる。さらに、ロッドレンズアレイに対して、副走査方向のみ位置ずれ検出が可能となり、主走査方向は、別の基準を用いることができる。この配線93は、ガラス基板62の両端に形成されるが、位置ずれ検出用のモジュールとしては、ガラス基板62の一方端部、または両端に形成される配線93を用いることができる。
【0074】
図17は、図16の変形例を示す説明図である。図17の例では、位置決め用の配線93に、ロッドレンズ84のセンターライン63Lと一致する配線93cを設けている。このように、ロッドレンズ84のセンターライン63Lと一致する配線93cを設けているので、位置ずれ検出の処理を精度良く行うことができる。
【0075】
図18は、ラインヘッド(像書込手段)23の位置調整の例を示す平面図である。画像形成装置本体側のケース50と固定するために、ラインヘッド23の基台89の両端には、ねじ挿入孔68a、68bが設けられている。ガラス基板62の両端には、前記のように位置決め用の配線93a、93bが形成されている。ロッドレンズ84は2列に配列されている。
【0076】
基台89の中央部には、開口部89aが形成されており、ガラス基板62をこの開口部89aに挿入する。開口部89aの長手方向の一方側縁には、板バネ85a、85bが設けられている。ガラス基板62の長手方向の一方側縁を当該板バネ85a、85bで押圧する。そして、図12(b)で説明したCCDカメラ90で、位置ずれ検出用のモジュールである配線93a、93bを観察し、ガラス基板62を調整用ネジ86a、86bで調整しながら副走査方向に移動して、ロッドレンズアレイの中心線との位置決めを行う。なお、この際に発光部63とロッドレンズアレイの中心線との位置ずれ量をCCDカメラ90検出し、光量補正を行うためのデータを取得する。この場合には、図18のようなガラス基板62の位置調整は行わずに、後述するように発光部の電圧または電流を制御して、電気的な手段により光量補正を行う。
【0077】
このように、図18の実施形態例においては、工程上直線性を良好に製造できる有機EL素子を複数配列して発光部63としたラインヘッド23に対して、取り付け誤差が少ないロッドレンズアレイを基準として、配線93a、93bを用いて位置ずれ検出を行っている。このため、発光部63とロッドレンズアレイとを精度良く位置決めすることができ、光量が均一でスポット径も均一になるように、ラインヘッドを設置することができる。
【0078】
また、本発明の実施形態においては、ロッドレンズアレイとガラス基板の位置ずれ検出は、ガラス基板の後ろ側(有機EL素子の出力光の照射側とは反対側)から、ロッドレンズアレイと配線93a、93bを観察して行っている。このため、有機EL素子の出力光の影響を受けずに、ロッドレンズアレイとガラス基板の位置を観察できるので、両者間の位置ずれ検出を容易にかつ高精度に行うことができる。
【0079】
また、図18の例では、ロッドレンズアレイの主走査方向の長さは、前記したように発光部を封止する封止部材(カバーガラス64)の長さよりも長くしている。このため、位置ずれ検出用のモジュール、この例では封止部の外側に設けた配線93を用いることが可能となり、封止部を介せず位置ずれ検出することができる。したがって、ラインヘッドの位置ずれ検出処理を簡略に行える。
【0080】
図19〜図22は、モジュールによるガラス基板の位置ずれ検出の例を示す説明図である。図19の例は、図28で説明した有機EL素子の陰極79を位置ずれ検出用のモジュールとして用いるものである。図19の例においても、陰極79は発光部63の発光パターンの形成と同一工程で行われる。このため、発光部63と配線93との相対精度を高めることができる。
【0081】
なお、陰極79は、ガラス基板の端部に形成されている部分に限らず、中央部の画像形成領域内の部分を位置決めに用いても良い。この場合には、位置ずれ検出用のモジュールを設置する位置に制約がないので、前記モジュール設置の自由度を高めることができる。さらに、陰極79のガラス基板62の両端と中央部の位置に形成されている部分を、位置合わせ用のモジュールとすることもできる。この場合には、ロッドレンズアレイが製造時の誤差で変形しているような場合でも、精度を低下させることなく発光部の位置ずれ検出を行うことができる。
【0082】
図20の例は、図28で説明したように有機EL素子の形成の際に用いる隔壁75を位置ずれ検出用のモジュールとするものである。図20の例では、ラインヘッドに既設の隔壁を用いるので、位置ずれ検出用に新規の部品を設ける必要がなく、コストを低減することができる。この隔壁75は、ガラス基板62の両端に形成されるが、位置ずれ検出用のモジュールとしては、ガラス基板62の一方端部、または両端に形成される隔壁75を用いることができる。さらに、図19の陰極79と同様に、隔壁75も中央部の画像形成領域内の部分を位置ずれ検出に用いても良い。なお、ガラス基板62の両端および中央部に形成された隔壁75を、位置ずれ検出用のモジュールとすることも可能である。
【0083】
図21の例は、前記配線93に接続されるICチップ94を位置ずれ検出用のモジュールとするものである。ICチップ94は、ガラス基板62の両端に設けられることがある。図21の例では、このようなガラス基板62の一端または両端に設けられているICチップ94を、位置ずれ検出用のモジュールとしている。このため、新規に位置ずれ検出用の手段を設ける必要がない。なお、図21の例においては、ICチップ94と共に配線93も位置ずれ検出用のモジュールとして用いることもできる。このように、複数のモジュールを位置ずれ検出用のモジュールとして設定することにより、ガラス基板の位置ずれ検出の精度を向上させることができる。
【0084】
図22の例は、フレキシブル基板95の位置決め用のマーク96a、96bを、ガラス基板62の位置ずれ検出用のモジュールとして兼用するものである。フレキシブル基板95に設けられている位置決め用のマーク97a、97bを、前記ガラス基板62の端部に設けられている位置決め用のマーク96a、96bに重ね、両者を接合する。フレキシブル基板95の位置決め用のマークは、ガラス基板62の両端に設けられており、その一方端部に設けられている前記マーク、または両端のマークをガラス基板62の位置ずれ検出用のモジュールとして用いる。この例では、フレキシブル基板95の位置決め用のマーク96a、96bを、ガラス基板62の位置ずれ検出用モジュールとして兼用しているので、ロッドレンズアレイとの位置合わせを合理的に行うことができる。
【0085】
上記した各実施形態において、ガラス基板62の両端に設けられている位置ずれ検出用のモジュールを用いた場合には、一方端部のモジュールを用いた構成よりも位置決めの精度が向上する。また、ガラス基板62の主走査方向の長さが長くなった場合でも、ガラス基板62に配列されている発光部とロッドレンズアレイの副走査方向の位置ずれを誤差なく検出することができる。
【0086】
図16〜図22の例において、画像形成領域の外側に設けているモジュールを位置ずれ検出用に用いている。このように、位置ずれ検出用のモジュールを画像形成領域の外側に設けている場合には、モジュールによる妨害を受けることなく画像形成が可能となる。このため、画質を高めることができる。
【0087】
図1は、画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。図1において、101はラインヘッドの制御部、102は位置ずれ検出部、103はメモリ、104は制御回路、105はTFTからなる駆動回路で図4の図示番号88に相当する。106は発光素子が1ライン(主走査方向)に複数配列されている発光部で、図4の図示番号63に相当する。100は本体コントローラである。本体コントローラ100は、印刷データを形成してラインヘッドの制御部101に送信する。
【0088】
位置ずれ検出部102は、発光部106とロッドレンズの中心線との位置ずれを検出する。メモリ103には、位置ずれ検出部102で検出された位置ずれ量を記憶させている。制御回路104は、当該位置ずれ検出部102で検出された位置ずれ量の特性をメモリ103から読み出し、基準光量に対する補正光量を演算する。この演算結果に基づいて駆動回路104に信号を送出し、発光部106の印加電圧、または駆動電流を制御して光量補正を行う。
【0089】
図2は、位置ずれ検出の具体例を示す断面図である。図2は、図27(b)と対応している。図2において、ロッドレンズアレイ65はハウジング60に保持されており、ガラス基板62は接着剤83でハウジング60に固定される。ロッドレンズの中心線をC.Lとするときに、発光部63のガラス基板62に対する形成位置が、前記中心線からΔLずれているものとする。この位置ずれは、CCD90により検出される。LaはCCD90の光路である。CCD90により検出された位置ずれ量は、図1のメモリ103に記憶される。
【0090】
図3は、本発明の処理手順を示すフローチャートである。図3において、処理プログラムをスタートさせ(ステップS1)、発光部とロッドレンズの中心線との位置ずれを検出する(ステップS2)。次に、前記検出された位置ずれ量をメモリに記憶させ(ステップS3)、光量補正データへの変換処理を行う(ステップS4)。光量補正データをラインヘッドに転送し(ステップS5)、処理プログラムを終了させる(ステップS6)。
【0091】
以上、本発明のラインヘッドの光量補正方法と画像形成装置をいくつかの実施例に基づいて説明したが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の制御部を示すブロック図である。
【図2】位置ずれ検出例を示す断面図である。
【図3】本発明の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】ガラス基板の平面図である。
【図5】ガラス基板にカバーガラスを設けた例の平面図である。
【図6】ラインヘッドの断面図である。
【図7】本発明に適用されるラインヘッドの平面図である。
【図8】アライメントマークによる位置ずれ検出例の説明図である。
【図9】位置ずれ検出例の説明図である。
【図10】位置ずれ検出例の説明図である。
【図11】位置ずれ検出例の説明図である。
【図12】位置ずれ検出例の説明図である。
【図13】位置ずれ検出例の説明図である。
【図14】位置ずれ検出例の説明図である。
【図15】位置ずれ検出例の説明図である。
【図16】モジュールによる位置ずれ検出の例を示す説明図である。
【図17】モジュールによる位置ずれ検出の例を示す説明図である。
【図18】モジュールによる位置ずれ検出の例を示す説明図である。
【図19】モジュールによる位置ずれ検出の例を示す説明図である。
【図20】モジュールによる位置ずれ検出の例を示す説明図である。
【図21】モジュールによる位置ずれ検出の例を示す説明図である。
【図22】モジュールによる位置ずれ検出の例を示す説明図である。
【図23】本発明のラインヘッドが用いられる画像形成装置の縦断側面図である。
【図24】図23に示した像担持体近傍の部分的な断面図である。
【図25】像書込手段を拡大して示す概略の斜視図である。
【図26】ガラス基板を固定した例を示す断面図である。
【図27】ガラス基板の位置決めの例を示す説明図である。
【図28】発光部近傍の構成例を示す断面図である。
【図29】本発明の他の実施形態を示す画像形成装置の縦断側面図である。
【図30】発光部の位置ずれの例を示す説明図である。
【図31】光量バラツキを示す特性図である。
【符号の説明】
【0093】
1・・・画像形成装置、16・・・中間転写ベルト、20・・・像担持体、23・・・像書込手段(ラインヘッド)、61・・・有機EL素子アレイ、62・・・ガラス基板、63・・・発光部、64・・・カバーガラス、65…屈折率分布型ロッドレンズアレイ(SLA)、84・・・屈折率分布型ロッドレンズ、85a、85b・・・板バネ、86a、86b・・・調整用ネジ、87・・・アライメントマーク、88・・・駆動回路、90・・・CCD、93・・・配線、94・・・ICチップ、95・・・フレキシブル基板、96a、96b・・・フレキシブル基板位置合わせ用マーク、100・・・本体コントローラ、101・・・制御部、102・・・位置ずれ検出部、103・・・メモリ、104・・・制御回路、105・・・駆動回路、106・・・発光部、167・・・ラインヘッド、169・・・中間転写ベルト。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明な単一基板上に形成された発光素子を複数配列した発光部と、レンズアレイの保持手段とを備えたラインヘッドにおいて、前記レンズアレイの位置を基準として前記発光部の位置ずれを検出する工程と、前記検出された位置ずれに基づいて前記発光部の光量を補正する工程よりなることを特徴とする、ラインヘッドの光量補正方法。
【請求項2】
前記位置ずれの検出は、透明な基板の出力光の照射側の反対側から行うことを特徴とする、請求項1に記載のラインヘッドの光量補正方法。
【請求項3】
前記レンズアレイの主走査方向の長さは、前記発光部を封止する封止部材の長さよりも長く形成したことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のラインヘッドの光量補正方法。
【請求項4】
前記位置ずれの検出を、画像形成領域外/およびまたは画像形成領域内に形成した手段により行うことを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のラインヘッドの光量補正方法。
【請求項5】
前記位置ずれの検出手段を前記透明基板に複数形成したことを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のラインヘッドの光量補正方法。
【請求項6】
前記位置ずれの検出手段を前記透明基板の両端、または両端と中央に形成したことを特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のラインヘッドの光量補正方法。
【請求項7】
前記位置ずれの検出は、前記透明基板に形成したアライメントマークの検出により行うことを特徴とする、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のラインヘッドの光量補正方法。
【請求項8】
前記アライメントマークは、前記レンズアレイの主走査方向に平行で、レンズの外形に接する接線であることを特徴とする、請求項7に記載のラインヘッドの光量補正方法。
【請求項9】
前記アライメントマークは、前記レンズと同形状であることを特徴とする、請求項7に記載のラインヘッドの位置決め方法。
【請求項10】
前記位置ずれの検出は、前記透明基板に形成したモジュールの検出により行うことを特徴とする、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のラインヘッドの光量補正方法。
【請求項11】
前記モジュールは、前記発光素子の駆動回路に接続される配線であることを特徴とする、請求項10に記載のラインヘッドの光量補正方法。
【請求項12】
前記位置ずれの検出手段は、前記発光部の発光パターンの形成と同一工程で行われることを特徴とする、請求項1ないし請求項11のいずれかに記載のラインヘッドの光量補正方法。
【請求項13】
前記モジュールは、前記発光部の陰極、または前記発光素子を前記透明基板上に形成する際に用いた隔壁であることを特徴とする、請求項10または請求項11に記載のラインヘッドの光量補正方法。
【請求項14】
前記発光素子は有機EL素子であることを特徴とする、請求項1ないし請求項13のいずれかに記載のラインヘッドの光量補正方法。
【請求項15】
像担持体の周囲に帯電手段と、請求項1ないし請求項14のいずれかに記載の方法で位置決めされたラインヘッドと、現像手段と、転写手段との各画像形成用ユニットを配した画像形成ステーションを少なくとも2つ以上設け、転写媒体が各ステーションを通過することにより、タンデム方式で画像形成を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項16】
静電潜像を担持可能に構成された像担持体と、ロータリ現像ユニットと、請求項1ないし請求項14のいずれかに記載の方法で位置決めされたラインヘッドとを備え、前記ロータリ現像ユニットは、複数のトナーカートリッジに収納されたトナーをその表面に担持するとともに、所定の回転方向に回転することによって異なる色のトナーを順次前記像担持体との対向位置に搬送し、前記像担持体と前記ロータリ現像ユニットとの間に現像バイアスを印加して、前記トナーを前記ロータリ現像ユニットから前記像担持体に移動させることで、前記静電潜像を顕像化してトナー像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項17】
中間転写部材を備えたことを特徴とする、請求項15または請求項16に記載の画像形成装置。
【請求項1】
透明な単一基板上に形成された発光素子を複数配列した発光部と、レンズアレイの保持手段とを備えたラインヘッドにおいて、前記レンズアレイの位置を基準として前記発光部の位置ずれを検出する工程と、前記検出された位置ずれに基づいて前記発光部の光量を補正する工程よりなることを特徴とする、ラインヘッドの光量補正方法。
【請求項2】
前記位置ずれの検出は、透明な基板の出力光の照射側の反対側から行うことを特徴とする、請求項1に記載のラインヘッドの光量補正方法。
【請求項3】
前記レンズアレイの主走査方向の長さは、前記発光部を封止する封止部材の長さよりも長く形成したことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のラインヘッドの光量補正方法。
【請求項4】
前記位置ずれの検出を、画像形成領域外/およびまたは画像形成領域内に形成した手段により行うことを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のラインヘッドの光量補正方法。
【請求項5】
前記位置ずれの検出手段を前記透明基板に複数形成したことを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のラインヘッドの光量補正方法。
【請求項6】
前記位置ずれの検出手段を前記透明基板の両端、または両端と中央に形成したことを特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のラインヘッドの光量補正方法。
【請求項7】
前記位置ずれの検出は、前記透明基板に形成したアライメントマークの検出により行うことを特徴とする、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のラインヘッドの光量補正方法。
【請求項8】
前記アライメントマークは、前記レンズアレイの主走査方向に平行で、レンズの外形に接する接線であることを特徴とする、請求項7に記載のラインヘッドの光量補正方法。
【請求項9】
前記アライメントマークは、前記レンズと同形状であることを特徴とする、請求項7に記載のラインヘッドの位置決め方法。
【請求項10】
前記位置ずれの検出は、前記透明基板に形成したモジュールの検出により行うことを特徴とする、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のラインヘッドの光量補正方法。
【請求項11】
前記モジュールは、前記発光素子の駆動回路に接続される配線であることを特徴とする、請求項10に記載のラインヘッドの光量補正方法。
【請求項12】
前記位置ずれの検出手段は、前記発光部の発光パターンの形成と同一工程で行われることを特徴とする、請求項1ないし請求項11のいずれかに記載のラインヘッドの光量補正方法。
【請求項13】
前記モジュールは、前記発光部の陰極、または前記発光素子を前記透明基板上に形成する際に用いた隔壁であることを特徴とする、請求項10または請求項11に記載のラインヘッドの光量補正方法。
【請求項14】
前記発光素子は有機EL素子であることを特徴とする、請求項1ないし請求項13のいずれかに記載のラインヘッドの光量補正方法。
【請求項15】
像担持体の周囲に帯電手段と、請求項1ないし請求項14のいずれかに記載の方法で位置決めされたラインヘッドと、現像手段と、転写手段との各画像形成用ユニットを配した画像形成ステーションを少なくとも2つ以上設け、転写媒体が各ステーションを通過することにより、タンデム方式で画像形成を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項16】
静電潜像を担持可能に構成された像担持体と、ロータリ現像ユニットと、請求項1ないし請求項14のいずれかに記載の方法で位置決めされたラインヘッドとを備え、前記ロータリ現像ユニットは、複数のトナーカートリッジに収納されたトナーをその表面に担持するとともに、所定の回転方向に回転することによって異なる色のトナーを順次前記像担持体との対向位置に搬送し、前記像担持体と前記ロータリ現像ユニットとの間に現像バイアスを印加して、前記トナーを前記ロータリ現像ユニットから前記像担持体に移動させることで、前記静電潜像を顕像化してトナー像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【請求項17】
中間転写部材を備えたことを特徴とする、請求項15または請求項16に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【公開番号】特開2006−62221(P2006−62221A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−247939(P2004−247939)
【出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月27日(2004.8.27)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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