説明

ラキニモドとメトトレキセートとの組合せによる関節リウマチの治療

本発明は、関節リウマチに罹患している対象の治療方法であって、前記対象に、ある量のラキニモドまたは薬学的に許容されるその塩と、ある量のメトトレキセートとを定期的に投与することを含み、前記量が、一緒に服用されるとき、前記対象の治療に有効である方法を提供する。本発明はまた、関節リウマチに罹患している対象の治療においてメトトレキセートと組み合わせて使用するためのラキニモドまたは薬学的に許容されるその塩も提供する。本発明はまた、関節リウマチに罹患している対象の治療において使用するための、ある量のラキニモドまたは薬学的に許容されるその塩とある量のメトトレキセートとを含む医薬組成物も提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2010年3月3日出願の米国仮出願第61/339,375号の優先権を主張し、その全内容は本願に援用される、
本出願では終始、種々の刊行物は、筆頭著者および刊行年によって参照される。それら刊行物の完全な引用は、特許請求の範囲の直前にある参照文献欄に示す。参照文献欄で引用する刊行物の全体としての開示は、本明細書に記載の本発明の日付における従来技術についてより十分に述べるために、参照により本出願に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
関節リウマチ
関節リウマチ(RA)は、非特異的で、通常は対称性の末梢関節の炎症を特徴とする慢性の症候群であり、全身性の症状発現を伴ってまたは伴うことなく、関節および関節周囲の構造の進行性の破壊をもたらす可能性がある。その正確な病因は未だ特定されていないが、遺伝的素質が突き止められている。加えて、環境要因も役割を担うと考えられている(The Merck Manual、第7版)。
【0003】
American College of Rheumatology(1987)によれば、症状を関節リウマチとして分類する前に、以下の基準の少なくとも4項目を満たす必要がある(Arnett、1988)。すなわち、1)少なくとも6週間、ほとんどの朝に1時間を超える朝のこわばり、2)少なくとも6週間存在する、14のうち3箇所を超える関節/関節群の関節炎および軟組織腫脹、3)少なくとも6週間存在する手の関節の関節炎、4)少なくとも6週間存在する対称性の関節炎、5)特定の箇所の皮下小結節、6)95パーセンタイルを上回るレベルのリウマチ因子、および7)関節びらんを示唆する放射線学的変化。
【0004】
関節リウマチの治癒については知られていないが、症状を緩和し、かつ/または疾患経過を変更するために、多くの異なるタイプの治療が利用可能である。RAの薬理学的治療として、非ステロイド性抗炎症薬およびサリチル酸塩(NSAIDs)、遅効性薬、金化合物、ヒドロキシクロロキン、スルファサラジン、遅効性薬の組合せ、副腎皮質ステロイド、ならびに細胞毒性薬または免疫抑制薬が挙げられる。他の形態の治療としては、安静、栄養、運動、理学療法、および外科手術が挙げられる(The Merck Manual、第7版)。
【0005】
ラキニモド
ラキニモドは、多発性硬化症(MS)治療のための経口製剤として推薦されている、経口生物学的利用能の高い新規の合成化合物である(Polman、2005;Sandberg−Wollheim、2005)。ラキニモドおよびそのナトリウム塩形態は、たとえば、米国特許第6,077,851号に記載されている。メトトレキセートとの組合せにおけるラキニモドの関節リウマチに対する効果は、報告されていない。
【0006】
メトトレキセート
メトトレキセート(MTX)は、がんおよび自己免疫疾患の治療において使用される代謝拮抗薬である。メトトレキセートは、ジヒドロ葉酸還元酵素を阻害して葉酸の代謝を妨げることにより作用し、急速に増殖する細胞におけるDNA合成をブロックする。こうした作用は、免疫抑制を誘発する。
【0007】
MTXは、Rheumatrex(登録商標)およびTrexall(商標)のブランド名で販売されている。Rheumatrex(登録商標)およびTrexall(商標)は、特定の種類のがん、乾癬、および関節リウマチを治療適応症とする。
【0008】
MTXを始めとする細胞毒性/免疫抑制薬は、重篤な進行性RAに徐々に使用されてきている。こうした薬物は、炎症を抑制することができ、副腎皮質ステロイドの用量を減らすことが可能になる場合もある(The Merck Manual、第7版)。
【0009】
ヒトにおける重篤な関節リウマチのための推奨投与量(共通見解に基づく)は、最初に週1回経口で10〜15mg、2〜3週毎に5mg/週増やし、最高で20〜30mg/週までとするものである。ヒトにおける重篤な関節リウマチのための製造者の推奨投与量は、最初に週1回経口で7.5mgまたは週1回3回分を12時間毎に経口で2.5mg、最高で20mg/週までとするものである(Physicians’Desk Reference)。
【0010】
併用療法
関節リウマチなどの所与の状態を治療するために2種の薬物を投与すると、いくつかの潜在的な問題が生じる。2種の薬物間のin vivo相互作用は、複雑である。任意の単一薬物の効果は、その吸収、分布、および排泄と関係している。2種の薬物が身体に導入されると、それぞれの薬物は、他方の吸収、分布、および排泄に影響を及ぼし、したがって他方の効果を変更する場合がある。たとえば、一方の薬物が、他方の薬物の排泄の代謝経路に関与する酵素の産生を阻害、活性化、または誘発することがある(Guidance for Industry、1999)。したがって、2種の薬物を投与して同じ状態を治療するとき、それぞれが、ヒト対象において、他方の治療活性を補完するのか、それに影響を及ぼさないのか、それを妨害するのかは予測できない。
【0011】
2種の薬物間の相互作用は、各薬物の目的の治療活性に影響を及ぼしかねないだけでなく、毒性代謝産物のレベルを増大させることもある(Guidance for Industry、1999)。相互作用は、各薬物の副作用を強め、または弱めることもある。したがって、疾患を治療するのに2種の薬物が投与されると、各薬物のマイナス面のプロファイルにどんな変化が起こるのか予測不可能である。
【0012】
さらに、2種の薬物間の相互作用の影響がいつ明らかとなるかを正確に予測することは難しい。たとえば、薬物間の代謝相互作用は、第2の薬物が最初に投与されたとき、2種が定常状態濃度に達した後、または薬物の一方が中断されたときに明白になる場合がある(Guidance for Industry、1999)。
【発明の概要】
【0013】
本発明は、関節リウマチに罹患している対象の治療方法であって、前記対象に、ある量のラキニモドまたは薬学的に許容されるその塩と、ある量のメトトレキセートとを定期的に投与することを含み、前記量が、一緒に服用されるとき、前記対象の治療に有効である方法を提供する。
【0014】
本発明はまた、関節リウマチに罹患している対象の治療においてメトトレキセートと組み合わせて使用するためのラキニモドまたは薬学的に許容されるその塩も提供する。
【0015】
本発明はまた、関節リウマチに罹患している対象の治療において使用するための、ある量のラキニモドまたは薬学的に許容されるその塩とある量のメトトレキセートとを含む医薬組成物も提供する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、個々の組織病理学的パラメータ(6関節)のグラフを示す:棒グラフは、対照群および治療群における各組織病理学的パラメータについて(6箇所の関節の)平均スコアを示している。(「LAQ」はラキニモドを示し、「MTX」はメトトレキセートを示す)(*ビヒクルに対してスチューデントのt検定p≦0.05、#ビヒクルに対してスチューデントのt検定p≦0.05、n=10/治療群、n=4/正常対照)。y軸は、個々の組織病理学的パラメータ(6関節)の平均±SEを示す(スコア記録:0−正常、1=最小限、2=軽度、3=中程度、4=顕著、および5=重度)。
【0017】
各治療群の最も左の棒(黒)は炎症を表す。各治療群の左から2番目の棒(薄いグレー)はパンヌスを表す。各治療群の左から3番目の棒(白)は軟骨損傷を表し、各治療群の左から4番目の棒(濃いグレー)は骨損傷を表す。
【図2】図2は、6関節動物スコアのグラフを示す:棒グラフは、対照群および治療群における総スコア(6箇所の関節の個々の組織病理学的パラメータのスコアの合計)を示している。(「LAQ」はラキニモドを示し、「MTX」はメトトレキセートを示す)(*ビヒクルに対してスチューデントのt検定p≦0.05、#ビヒクルに対してスチューデントのt検定p≦0.05、n=10/治療群、n=4/正常対照)。y軸は、6関節動物スコア(個々のパラメータの合計)の平均±SEを示す。
【図3】図3は、各治療アームにおける臨床関節炎スコア経過(スコア0〜5)を示している。(*ビヒクルに対してスチューデントのt検定p≦0.05、# MTXに対してスチューデントのt検定p≦0.05、n=10/治療群、n=4/正常対照)。y軸は、臨床関節炎スコア(スコア記録0〜5)の平均±SEを示す。
【発明の詳細な説明】
【0018】
本発明は、関節リウマチに罹患している対象の治療方法であって、前記対象に、ある量のラキニモドまたは薬学的に許容されるその塩と、ある量のメトトレキセートとを定期的に投与することを含み、前記量が、一緒に服用されるとき、前記対象の治療に有効である方法を提供する。
【0019】
一実施形態では、ラキニモドまたは薬学的に許容されるその塩の量およびメトトレキセートの前記量は、一緒に服用されるとき、各薬剤を単独で投与するより前記対象の治療に有効である。
【0020】
一実施形態では、ラキニモドまたは薬学的に許容されるその塩の量およびメトトレキセートの前記量は、一緒に服用されるとき、前記対象において関節リウマチの臨床症状を軽減するのに有効である。別の実施形態では、ラキニモドの薬学的に許容される塩は、ラキニモドナトリウムである。
【0021】
一実施形態では、ラキニモドまたは薬学的に許容されるその塩の周期的な投与は、経口的に実施される。別の実施形態では、投与されるラキニモドの量は、0.0005〜10mg/kg/日である。さらに別の実施形態では、投与されるラキニモドの量は、0.1〜2.0mg/日である。
【0022】
一実施形態では、メトトレキセートの定期的な投与は、経口的に実施される。別の実施形態では、投与されるメトトレキセートの量は、0.02〜1.0mg/kg/日である。さらに別の実施形態では、投与されるメトトレキセートの量は、1〜3mg/日である。
【0023】
一実施形態では、本方法は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、サリチル酸塩、遅効性薬、金化合物、ヒドロキシクロロキン、スルファサラジン、遅効性薬の組合せ、副腎皮質ステロイド、細胞毒性薬、免疫抑制薬、および/または抗体の投与をさらに含む。
【0024】
一実施形態では、ラキニモドまたは薬学的に許容されるその塩およびメトトレキセートの定期的な投与が、関節リウマチに関連する症状を実質的に消失させる。別の実施形態では、ラキニモドまたは薬学的に許容されるその塩およびメトトレキセートの定期的な投与が、関節リウマチに関連する症状の重症度を軽減させる。さらに別の実施形態では、ラキニモドまたは薬学的に許容されるその塩およびメトトレキセートの定期的な投与が、関節リウマチに関連する症状に冒された関節の数を減少させる。
【0025】
一実施形態では、症状は炎症である。別の実施形態では、症状は、パンヌス組織の形成である。別の実施形態では、症状は軟骨損傷である。別の実施形態では、症状は骨吸収である。
【0026】
一実施形態では、ラキニモドまたは薬学的に許容されるその塩およびメトトレキセートの定期的な投与が、対象の蛋白尿を減少させる。別の実施形態では、蛋白尿の減少は、24時間尿蛋白、24時間蛋白/クレアチニン比、スポット尿蛋白/クレアチニン比、24時間尿アルブミン、24時間アルブミン/クレアチニン比、スポット尿アルブミン/クレアチニン比によって、または尿試験紙によって測定される。さらに別の実施形態では、ラキニモドまたは薬学的に許容されるその塩およびメトトレキセートの定期的な投与が、尿沈渣を消失させる。
【0027】
一実施形態では、単独で服用されるときのラキニモドまたは薬学的に許容されるその塩の前記量、および単独で服用されるときのメトトレキセートの前記量のそれぞれが、対象の治療に有効である。別の実施形態では、単独で服用されるときのラキニモドまたは薬学的に許容されるその塩の前記量、単独で服用されるときのメトトレキセートの前記量、および単独で服用されるときのそうした各量のいずれかが、対象の治療に有効でない。
【0028】
一実施形態では、対象は、ラキニモド療法を開始するより前にメトトレキセート療法を受療中である。別の実施形態では、対象は、定期的なラキニモド投与の開始より前に定期的なメトトレキセート投与を開始する。
【0029】
一実施形態では、ラキニモドまたは薬学的に許容されるその塩の投与を、メトトレキセートの投与の前に行う。別の実施形態では、メトトレキセートの投与を、ラキニモドまたは薬学的に許容されるその塩の投与の前に行う。
【0030】
一実施形態では、対象は哺乳動物である。別の実施形態では、哺乳動物はヒトである。
【0031】
本発明は、それに罹患している対象において関節リウマチを治療する方法であって、前記対象に、ある量のラキニモドまたは薬学的に許容されるその塩、およびある量のメトトレキセートを定期的に投与することを含み、前記量が、一緒に服用されるとき、前記対象における関節リウマチの治療に有効である方法を提供する。
【0032】
本発明はまた、関節リウマチに罹患している対象の治療においてメトトレキセートと組み合わせて使用するためのラキニモドまたは薬学的に許容されるその塩も提供する。
【0033】
本発明はまた、関節リウマチに罹患している対象の治療において使用するための、ある量のラキニモドまたは薬学的に許容されるその塩とある量のメトトレキセートとを含む医薬組成物も提供する。
【0034】
前述の実施形態について、本明細書で開示する各実施形態は、開示する他の実施形態それぞれに適用可能であると考える。
【0035】
パラメータ範囲を規定する場合、その範囲内のすべての整数およびその少数第1位も、本発明によって規定されていると理解される。たとえば、「0.2〜5mg/kg/日」は、0.2mg/kg/日、0.3mg/kg/日、0.4mg/kg/日、0.5mg/kg/日、0.6mg/kg/日など、5.0mg/kg/日までを包含する。
【0036】
各薬剤単独よりも効果的な治療を提供するラキニモドとメトトレキセートとを使用して、関節リウマチに罹患している対象を治療する方法が開示される。対象発明によれば、ラキニモドのメトトレキセートとの投与は、関節リウマチに罹患している対象を治療するための組合せにおいて特に有効である。
【0037】
用語
本明細書では、別段記載しない限り、以下の用語はそれぞれ、以下で述べる定義を有するものとする。
【0038】
本明細書では、「ラキニモド」とは、ラキニモド酸または薬学的に許容されるその塩を意味する。
【0039】
本明細書では、「関節リウマチに罹患している対象」とは、関節リウマチに罹っていると肯定的に診断されている対象を意味する。
【0040】
本明細書では、ミリグラムを測定単位とする、ラキニモドの「量」または「用量」は、製剤の形態にかかわらず、製剤中に存在するラキニモド酸のミリグラムを指す。
【0041】
本明細書では、「有効」とは、ラキニモドおよび/またはメトトレキセートの量に言及するとき、本発明の方法で使用したとき、妥当な利益/リスク比に対応した、過度の有害な副作用(毒性、刺激、アレルギー反応など)のない、所望の治療反応を得るのに十分な、ラキニモドおよび/またはメトトレキセートの量を指す。
【0042】
本明細書では、関節リウマチに関連する症状が「実質的に消失する」とは、その症状の出現が少なくとも96%減少することを意味する。
【0043】
本明細書では、「治療する」は、たとえば、障害の抑制、後退、もしくは静止を誘発すること、または障害の重症度を下げること、抑止すること、抑制すること、軽減すること、障害の症状を消失させること、もしくは緩和することを包含する。
【0044】
本明細書では、対象における病状悪化または疾患合併症の「抑制」とは、対象において病状悪化および/または疾患合併症を予防または軽減することを意味する。
【0045】
本明細書では、関節リウマチに関連する「症状」には、関節リウマチに関連する、臨床上または検査上の任意の症状発現が含まれ、対象が感じ、認めることのできるものに限定されない。炎症は、関節リウマチの一症状である。
【0046】
本明細書では、「有害事象」または「AE」とは、医薬品を投与された臨床試験対象における、治療との因果関係のない、任意の不適当な医学的存在を意味する。したがって、有害事象は、治験医薬品に関連するとみなされようがみなされまいが、治験医薬品の使用に時間的に関連する異常な臨床検査所見、症状、または疾患を含めた、不都合で意図されないいかなる徴候でもよい。
【0047】
本明細書では、「薬学的に許容される担体」とは、妥当な利益/リスク比に対応した、過度の有害な副作用(毒性、刺激、アレルギー反応など)のない、ヒトおよび/または動物での使用に適する担体または添加剤を指す。薬学的に許容される担体は、当該化合物を対象に送達するための薬学的に許容される溶媒、懸濁化剤、またはビヒクルでよい。
【0048】
投薬に言及する際、「BID」という呼称は、用量が1日2回投与されることを示す。「QD」という呼称は、用量が1日1回投与されることを示す。
【0049】
関節リウマチへのラキニモドの使用は、たとえば米国特許第6,077,851号で、以前より提唱されている。しかし、本発明者らは、意外にも、ラキニモドとメトトレキセート(MTX)との組合せが、各薬剤単独と比べて、関節リウマチの治療に有意に有効であることを見出した。
【0050】
本出願で使用される場合、ラキニモドの薬学的に許容される塩には、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、マンガン、銅、亜鉛、アルミニウム、および鉄が含まれる。ラキニモドの塩製剤およびその調製方法は、たとえば、米国特許出願公開第2005/0192315号およびPCT国際出願公開第WO2005/074899号に記載されており、これらの文献は本出願に援用される。
【0051】
投与量単位は、単一化合物またはその化合物の混合物を含むものでよい。投与量単位は、錠剤、カプセル剤、丸剤、粉剤、および顆粒剤などの経口剤形用に製剤することができる。
【0052】
ラキニモドは、目的の投与形態に関して適切に選択され、また従来の製薬習慣と調和する、適切な医薬用希釈剤、増量剤、添加剤、または担体(本明細書では、まとめて薬学的に許容される担体と呼ぶ)と混合して投与することができる。単位は、経口投与に適する形態にすることが好ましい。ラキニモドは、単独で投与することもできるが、一般に、薬学的に許容される担体と混合され、錠剤もしくはカプセル剤、リポソームの形で、または凝集粉末として同時投与される。適切な固体担体の例として、ラクトース、スクロース、ゼラチン、および寒天が挙げられる。カプセル剤または錠剤は、容易に製剤することができ、嚥下または咀嚼を容易にすることができ、他の固体形態としては、顆粒および原薬粉末が挙げられる。錠剤は、適切な結合剤、滑沢剤、崩壊剤、着色剤、着香剤、流動性誘導剤(flow−inducing agent)、および溶融助剤を含有してよい。たとえば、錠剤またはカプセル剤の投与量単位形態での経口投与については、活性薬物成分を、ラクトース、ゼラチン、寒天、デンプン、スクロース、グルコース、メチルセルロース、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、マンニトール、ソルビトール、微結晶性セルロースなどの薬学的に許容される非毒性の経口用不活性担体と混ぜ合わせることができる。適切な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、グルコースやβ−ラクトースなどの天然の糖、トウモロコシデンプン;アカシア、トラガカント、アルギン酸ナトリウムなどの天然および合成のガム質;ポビドン、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ろうなどが挙げられる。こうした剤形に使用される滑沢剤としては、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、タルクなどが挙げられる。崩壊剤としては、限定しないが、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガム、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0053】
本発明の経口剤形の製剤に使用することのできる技術、薬学的に許容される担体および添加剤の詳細な例は、たとえば、米国特許出願公開第2005/0192315号、PCT国際出願公開第WO2005/074899号、第WO2007/047863号、および第WO2007/146248号に記載されている。
【0054】
本発明において有用な剤形を作成するための一般技術および組成は、以下の参照文献に記載されている。7 Modern Pharmaceutics、第9章および10章(BankerおよびRhodes編、1979);Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets(Liebermanら、1981);Ansel、Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms 第2版(1976);Remington’s Pharmaceutical Sciences、第17版(Mack Publishing Company、ペンシルヴェニア州イーストン、1985);Advances in Pharmaceutical Sciences(David Ganderton、Trevor Jones編、1992);Advances in Pharmaceutical Sciences 第7巻(David Ganderton、Trevor Jones、James McGinity編、1995);Aqueous Polymeric Coatings for Pharmaceutical Dosage Forms(Drugs and the Pharmaceutical Sciences、第36集(James McGinity編、1989);Pharmaceutical Particulate Carriers:Therapeutic Applications:Drugs and the Pharmaceutical Sciences、第61巻(Alain Rolland編、1993);Drug Delivery to the Gastrointestinal Tract(Ellis Horwood Books in the Biological Sciences.Series in Pharmaceutical Technology;J.G.Hardy、S.S.Davis、Clive G.Wilson編);Modern Pharmaceutics Drugs and the Pharmaceutical Sciences、第40巻(Gilbert S.Banker、Christopher T.Rhodes編)。これらの参照文献は、その全体が参照により本出願に組み込まれる。
【実施例】
【0055】
本発明は、以下の「実験詳細」を参照することでより深く理解されるが、当業者なら、詳述される特定の実験は、その後に続く請求項においてより十分に記載される本発明を例示するものに過ぎないことが容易に理解されよう。
【0056】
実験詳細
例1:35日間のDBA/10lahsdマウス半確立II型コラーゲン関節炎(MTTC/TV−9)において経口的に(PO)毎日(QD)投与した抗炎症薬の効果の評価
序文
マウス(DBA/1lacJ、1J、またはB10R111)は、エンドトキシンまたは組換え型IL−1で同時追加免疫を行いおよび行うことなく、0日目、15、16または21日目の免疫化(Bendele、2001)を含む様々な方法を使用して、ウシII型コラーゲン(Trentham、1977)に対して免疫化した場合、確実に多発性関節炎になる。発生する疾患は、普通は対称性でなく、足/関節の任意の組合せが冒され得る。マウスの小さい足首のカリパス測定は難しいため、多くの場合、組織学的スコア記録法と共に主観的臨床スコア記録システムを使用する。治療は、予防的な場合(一般に16日目〜21日目に始まる)も、治療的な場合(病変を認めた後)もあり、使用する免疫化プロトコールおよび所望の破壊の程度に応じて、10日から数週間に延長することがある。冒された関節の病変は、インターロイキン1受容体アンタゴニスト(IL−1ra)や可溶性TNF受容体などのラットコラーゲン関節炎生物学的製剤において生じる病変に似ている(Wooley、1993;Bakker、1997;Joosten、1994;Joosten、1996;Geiger、1993)。II型コラーゲンで免疫化し、IL−1などのサイトカインを同時に与えたマウスでは、疾患出現率および重症度の増大が示されている(Hom、1991;Hom、1988)。
【0057】
この研究は、マウスにおける半確立II型コラーゲン関節炎に関連する炎症、軟骨破壊、および骨吸収の抑制において、単独で、または潜在的抗炎症薬としてのメトトレキセート(MTX)と組み合わせて(po、qd)投与した潜在的抗炎症薬(ラキニモド0.2、1または5mg/kg)の効力を判定するように設計されている。マウスII型コラーゲン関節炎は、ヒトにおける関節リウマチ用の、当分野で求められている動物モデルである(Bendele、2001)。
【0058】
ここで、半確立II型コラーゲン関節炎の雄DBA/1OlaHsdマウスには、研究18日目〜33日目に、ビヒクル、ラキニモド(0.2、1もしくは5mg/kg)、メトトレキセート(0.5mg/kg、MTX)、またはMTX(0.5mg/kg)と組み合わせたラキニモド(0.2もしくは1mg/kg)を経口的(PO)に毎日(QD)投薬した。マウスを34日目に屠殺した。評価可能な効力は、動物体重、毎日の臨床関節炎スコア、曲線下面積(AUC)として示される関節炎スコア、ならびにマウスの前足、後足、および膝についての病理組織診断(1〜3、5、および8群のみ)に基づくものとした。病理組織診断結果は、4つの足、膝のみ、または6箇所の関節(膝を含める)として示した。血清抗II型コラーゲン抗体レベルも評価した(1〜3、6、および8群のみ)。すべての動物が研究終了まで生存した。
【0059】
動物
到着時に5〜7週齢であり、研究18日目に体重が約17〜22グラムとなった74匹の雄DBA/1OlaHsd(Harlan Inc.)を入手した。マウスは、最初の免疫化の時点で少なくとも6週齢であった。
【0060】
材料:ビヒクル中の薬剤および薬物、II型コラーゲン(Elastin Products)、フロイント完全アジュバント(補充結核菌(M.tuberculosis)を含有、4mg/ml)(Difco)。
【0061】
一般研究計画
1.動物(10/関節炎群、4/正常群、収容数5/ケージ)は、すべての動物が少なくとも7週齢になる、到着後の8日間気候順化した。
【0062】
2.マウスは、イソフルランで麻酔し、尾の付け根に、ウシII型コラーゲン(Elastin Products、ミズーリ州Owensville)(2mg/ml)を含有する150μlのウシII型コラーゲン入りフロイント完全アジュバント注射(Sigma)を打った(0日目および21日目)。
【0063】
3.マウスは、研究18日目に体重によって治療群に無作為化した。
【0064】
4.MTXは、Bolder BioPATH,Inc.より、MWIから購入した1mg/ml保存液として提供を受け、10ml/kgでの投薬用に0.05mg/mlの1%CMC溶液として調製した。
【0065】
5.投与液はすべて、マウスに10ml/kg(0.3ml/30g)で送達されるように調製した。
【0066】
6.治療は、研究18日目に開始し、表1に従って毎日1日1回続ける(po、qd)。
【表1】

【0067】
7.治療期間の間、表2に従い、足のそれぞれ(右前、左前、右後、左後)について臨床スコアを記録した。
【表2】

【0068】
8.21日目〜35日目には、関節炎の発症が起こった。関節炎18、20、22、24、26、28、30、32日目に、さらに34日目(最終日)の組織収集の前にマウスを秤量した。
【0069】
9.剖検時に、全群の動物から心臓穿刺によって血清のための採血を行い、頸椎脱臼によって屠殺した。前足、後足、および膝を摘出し、10%NBFに浸した。全血を室温で約2時間凝固させた後、13,000rpmで8分間スピンにかけた。
【0070】
10.関節の処理:固定液中で1〜2日、次いで脱灰液中で4〜5日経過後、関節を処理し、包埋し、薄片にし、トルイジンブルーおよびH&Eで染色した(動物1匹あたり2枚のスライド)。前足と後足、および膝だけを最初に処理した(6箇所の関節/マウス)。
【0071】
11.形態病理法:病理組織診断は、1〜3、5および8群だけについて実施した。固定液中で1〜2日、さらに脱灰用の5%ギ酸中で4〜5日経過後、組織をトリミングし、パラフィン包埋処理し、8μmの薄片にし、トルイジンブルー(Tブルー)で染色した。後足、前足、および膝は、包埋し、前額面で薄片を作製した。各動物の6箇所の関節を病理組織診断側面図用に処理した。
【0072】
12.組織処理および評価:
a.関節を脱灰液に浸し、
b.関節をトリミングし、洗浄し、組織を処理し、
c.関節を包埋し、
d.組織を薄片にし、組織を染色し、
e.組織病理学的評価、および
f.データ処理、QC、グラフを作成し、報告する。
【0073】
II型コラーゲン関節炎に罹患したマウス関節の組織病理学的スコア記録法
II型コラーゲン関節炎の病変を有するマウスの足または足首をスコア記録する際、変化の重症度ならびに罹患した個々の関節の数を考慮しなければならない。中手骨/中足骨/指または足根骨/脛足根骨のいくつもの関節の可能性のうち、足または足首の1〜3箇所の関節だけが罹患しているとき、変化の重症度に応じて、以下のパラメータ(表3〜6)について1、2または3の最大スコアを自由裁量によって割り当てた。3箇所を超える関節が関わっている場合、以下の基準(表3〜6)を、最も重度に罹患した関節/大多数の関節に適用した。
【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【0074】
各動物について、扱った6箇所の関節それぞれの炎症、パンヌス、軟骨損傷、および骨損傷スコアを求めた。総合計(全6関節)動物スコアおよび6関節平均動物スコアに加えて、個々のパラメータそれぞれについて合計および平均を求めた。データは、足(4関節)または膝(2関節)の平均としても示した。次いで、種々の群についてのパラメータを疾患対照動物と比較する。
【0075】
統計的分析
研究18日目〜34日目についての投薬曲線下面積(AUC)を求めることにより、足スコアの臨床データ(動物平均)を分析した。AUCの算出については、各マウスの1日毎平均スコアをMicrosoft Excelに入力し、疾患発症後の治療日から最終日の間の面積を計算した。各群の平均を求め、治療動物および正常動物の値を比較することにより、関節炎対照の抑制パーセントを算出した。臨床および病理組織診断データの統計的分析は、スチューデントのt検定を使用し、有意性をp≦0.05に設定して実施した。
【0076】
臨床パラメータおよびAUCの抑制パーセントは、次式を使用して算出する。
【0077】
抑制%=B/A×100、
ここで、A=疾患対照平均−正常平均
B=治療平均−正常平均
【0078】
結果
この研究は、ヒト関節リウマチの動物モデルにおいて経口的に毎日投与した抗炎症薬の効果を評価するものである。結果は、関節リウマチ症状に対するラキニモドとメトトレキセートとの組合せの効果が、各薬剤単独の相加的効果を有意に上回っていることを示している。
【0079】
関節炎による体重減少は、1mg/kgのラキニモド+MTXでの治療により、ビヒクル処置した疾患対照と比べて有意に抑制された(62%抑制)。この群についての体重減少は、MTXで治療したマウスと比べても有意に抑制された(69%)。他のすべての治療群についての体重減少に、ビヒクル対照との有意差はなかった。
【0080】
ビヒクル処置した疾患対照マウスは、研究27日目には疾患出現率が100%となった。0.2mg/kgのラキニモドで治療したマウスは、研究28日目には疾患出現率が100%となった。MTX、1mg/kgのラキニモド、または0.2mg/kgのラキニモド+MTXで治療した動物は、疾患出現率が研究終了時に90%と低下していた。疾患出現率の低下は、5mg/kgのラキニモド(出現率70%)または1mg/kgのラキニモド+MTX(60%)で治療したマウスでも見られた。
【0081】
1日毎臨床関節炎スコアは、MTX(*有意27〜34日目)、0.2mg/kgのラキニモド(*28〜34日目)、1mg/kgのラキニモド(*25〜34日目)、5mg/kgのラキニモド(*24〜34日目)、0.2mg/kgのラキニモド+MTX(*24〜34日目)、または1mg/kgのラキニモド+MTX(*24〜34日目)で治療したマウスについて、ビヒクル対照と比べて有意に減少した。1日毎臨床スコアは、0.2mg/kgのラキニモド+MTX(*29〜34日目)または1mg/kgのラキニモド+MTX(*26〜34日目)での治療によって、MTXだけで治療したマウスと比べても有意に減少した。ビヒクル対照群において疾患が発生するより前に、0.2mg/kgのラキニモド(*23日目)、1mg/kgのラキニモド(*22〜24日目)、または5mg/kgのラキニモド(*22〜23日目)で治療したマウスにおいて1日毎臨床関節炎スコアが有意に増加した(図3)。
【0082】
曲線下面積(AUC)として示した臨床関節炎スコアは、MTX(50%減少)、0.2mg/kgのラキニモド(32%)、1mg/kgのラキニモド(52%)、5mg/kgのラキニモド(69%)、0.2mg/kgのラキニモド+MTX(82%)、または1mg/kgのラキニモド+MTX(95%)で治療したマウスについて、ビヒクル対照と比べて有意に減少した。臨床関節炎スコアAUCは、0.2mg/kgのラキニモド+MTX(65%)または1mg/kgのラキニモド+MTX(90%)での治療によって、MTXで治療したマウスと比べても有意に減少した。
【0083】
抗TTCレベルについての血清分析は、1〜3、6、および8群だけのマウスで行った。血清分析によって、ビヒクル対照マウスは、抗TTCレベルが27,062.50単位/mlであることが判明した。血清抗TTCレベルは、5mg/kgのラキニモド、1mg/kgのラキニモド+MTX、またはMTXで治療しても、ビヒクル対照と比べて有意な影響を受けなかった。
【0084】
疾患対照動物は、大部分の関節において、II型コラーゲン誘発関節炎で見られる変化と一致した、病理組織診断の変化を伴い、スコアは、最小限から重度の範囲であった。顕微鏡的な変化として、滑膜および関節周囲組織への好中球および単核炎症細胞の浸潤(炎症)、辺縁帯パンヌスおよび骨吸収、ならびに軟骨損傷(プロテオグリカン減少、軟骨細胞死、およびコラーゲンマトリクス破壊)が挙げられる。
【0085】
全足病理組織診断パラメータは、1mg/kgのラキニモド(合計スコアの61%の減少)、1mg/kgのラキニモド+MTX(96%)、またはMTX(46%)で治療したマウスでは、ビヒクル対照と比べて、正常に向かって有意に減少した。1mg/kgのラキニモド+MTXでの治療では、MTXで治療したマウスと比べても、全足病理組織診断パラメータが有意に減少した(93%)。
【0086】
全膝病理組織診断パラメータは、1mg/kgのラキニモド+MTX(合計スコアの97%の減少)で治療したマウスでは、ビヒクル対照と比べて、正常に向かって有意に減少した。この群の治療では、MTXで治療したマウスと比べても、全膝病理組織診断パラメータが有意に減少した(95%)。1mg/kgのラキニモドでの治療では、ビヒクル対照と比べて、膝炎症(51%減少)、パンヌス(59%)、軟骨損傷(62%)、および合計膝スコア(57%)が有意に減少した。
【0087】
全6関節平均病理組織診断パラメータは、1mg/kgのラキニモド(合計スコアの60%の減少)、1mg/kgのラキニモド+MTX(96%)、またはMTX(43%)で治療したマウスでは、ビヒクル対照と比べて、正常に向かって有意に減少した。1mg/kgのラキニモド+MTXでの治療では、MTXで治療したマウスと比べても、全6関節病理組織診断パラメータが有意に減少した(93%)(図1および2)。
【0088】
図1および図2に示すように、ラキニモドをメトトレキセートと組み合わせて投与すると、DBA/1OlaHsdマウスの6箇所の関節(足4箇所と膝2箇所)で、炎症、パンヌス、軟骨損傷、および骨吸収を含めた、関節リウマチに関連する種々の症状の重症度が、対照群、メトトレキセート単独治療群、およびラキニモド単独治療群と比べて有意に軽減される。
【0089】
図1は、ラキニモドをメトトレキセートと組み合わせて投与すると、試験対象の6箇所の関節においてパンヌスおよび骨損傷が実質的に消失し、対象の平均スコアがほぼゼロに減少したことを示している。図2は、ラキニモドをメトトレキセートと組み合わせて投与すると、試験対象において、関節リウマチに関連する全体としての症状が実質的に消失し、対象の累積スコアが96%に減少したことを示している。
【0090】
すなわち、これらの結果は、ラキニモドをメトトレキセートと組み合わせて投与すると、進行性関節リウマチに罹患している対象の治療において、各薬剤を単独で投与するよりもかなり効果的であることを示している。本発明者らは、意外にも、ラキニモドとメトトレキセートが、進行性関節リウマチの治療において相乗的に働くことを見出した。
【0091】
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
関節リウマチに罹患している対象の治療方法であって、前記対象に、ある量のラキニモドまたは薬学的に許容されるその塩と、ある量のメトトレキセートとを定期的に投与することを含み、前記量が、一緒に服用されるとき、前記対象の治療に有効である方法。
【請求項2】
ラキニモドまたは薬学的に許容されるその塩の前記量およびメトトレキセートの前記量が、一緒に服用されるとき、各薬剤を単独で投与するより前記対象の治療に有効である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ラキニモドまたは薬学的に許容されるその塩の前記量およびメトトレキセートの前記量が、一緒に服用されるとき、前記対象において関節リウマチの臨床症状を軽減するのに有効である請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ラキニモドの薬学的に許容される塩がラキニモドナトリウムである、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
ラキニモドまたは薬学的に許容されるその塩の定期的な投与が経口的に実施される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
投与されるラキニモドの量が0.0005〜10mg/kg/日である請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
投与されるラキニモドの量が0.1〜2.0mg/日である請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
メトトレキセートの定期的な投与が経口的に実施される請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
投与されるメトトレキセートの量が0.02〜1.0mg/kg/日である請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
投与されるメトトレキセートの量が1〜3mg/日である請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、サリチル酸塩、遅効性薬、金化合物、ヒドロキシクロロキン、スルファサラジン、遅効性薬の組合せ、副腎皮質ステロイド、細胞毒性薬、免疫抑制薬および/または抗体の投与をさらに含む請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
ラキニモドまたは薬学的に許容されるその塩およびメトトレキセートの定期的な投与が、関節リウマチに関連する症状を実質的に消失させる請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
ラキニモドまたは薬学的に許容されるその塩およびメトトレキセートの定期的な投与が、関節リウマチに関連する症状の重症度を軽減させる請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
ラキニモドまたは薬学的に許容されるその塩およびメトトレキセートの定期的な投与が、関節リウマチに関連する症状に冒された関節の数を減少させる請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記症状が炎症である請求項12から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記症状が、パンヌス組織の形成である請求項12から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記症状が軟骨損傷である請求項12から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記症状が骨吸収である請求項12から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
ラキニモドまたは薬学的に許容されるその塩およびメトトレキセートの定期的な投与が、前記対象の蛋白尿を減少させる請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
蛋白尿の減少が、24時間尿蛋白、24時間蛋白/クレアチニン比、スポット尿蛋白/クレアチニン比、24時間尿アルブミン、24時間アルブミン/クレアチニン比、スポット尿アルブミン/クレアチニン比によって、または尿試験紙によって測定される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
ラキニモドまたは薬学的に許容されるその塩およびメトトレキセートの定期的な投与が、尿沈渣を消失させる請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
単独で服用されるときのラキニモドまたは薬学的に許容されるその塩の前記量、および単独で服用されるときのメトトレキセートの前記量のそれぞれが、前記対象の治療に有効である請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
単独で服用されるときのラキニモドまたは薬学的に許容されるその塩の前記量、単独で服用されるときのメトトレキセートの前記量、および単独で服用されるときのそうした各量が、いずれも、前記対象の治療に有効でない請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
対象が、ラキニモド療法を開始するより前にメトトレキセート療法を受療中である請求項1から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記対象が哺乳動物である請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記哺乳動物がヒトである請求項25に記載の方法。
【請求項27】
関節リウマチに罹患している対象の治療においてメトトレキセートと組み合わせて使用するためのラキニモドまたは薬学的に許容されるその塩。
【請求項28】
関節リウマチに罹患している対象の治療において使用するための、ある量のラキニモドまたは薬学的に許容されるその塩とある量のメトトレキセートとを含む医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−521304(P2013−521304A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−556213(P2012−556213)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【国際出願番号】PCT/US2011/026885
【国際公開番号】WO2011/109531
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(501079705)テバ ファーマシューティカル インダストリーズ リミティド (283)
【Fターム(参考)】