説明

ラクトンおよびラクタムの開環

本発明は、ラクトン環および/またはラクタム環の開環のための新規な方法を提供する。より具体的には、本発明は、ラクトン環および/またはラクタム環の開環において新規な触媒を使用する方法を提供する。さらに、本発明はまた、ラクトン環含有化合物および/またはラクタム環含有化合物および/またはその開環生成物のいずれかの中に存在する任意の保護基の新規な脱保護の方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年8月11日に出願された米国特許出願第61/232,880号および2009年8月11日に出願された同第61/232,886号の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、ラクトン環および/またはラクタム環を開環するための新規な方法を提供する。より具体的には、本発明は、ラクトン環および/またはラクタム環の開環において新規な触媒を使用する方法を提供する。
【0003】
さらに、本発明はまた、上で記載した新規な触媒、または別の触媒のいずれかによるラクトン環および/またはラクタム環の開環、続いて、ラクトン環含有および/もしくはラクタム環含有化合物のいずれかの中、ならびに/またはその開環生成物の中に存在する任意の保護基の新規な脱保護方法を含む。
【0004】
様々なレニン阻害剤または薬学的に許容されるその塩を形成するための一部の合成方法は、ラクトン含有および/またはラクタム含有化合物の開環ステップを利用する。
【0005】
したがって、本発明はまた、ラクトン含有および/またはラクタム含有化合物の開環に新規な触媒を使用し、場合によって、続いて、新規な方法を使用して、前記中間体、レニン阻害剤またはこれらの薬学的塩のいずれかを所望のレニン阻害剤へと変換することによって、これらのレニン阻害剤およびその薬学的塩、ならびにこれらの中間体を調製するための方法も対象とする。
【0006】
さらに、本発明はまた、ラクトン含有および/またはラクタム含有化合物の開環に別の触媒を使用し、続いて、新規な方法を使用して、前記中間体、レニン阻害剤、またはこれらの薬学的塩のいずれかを脱保護して、所望のレニン阻害剤を得ることによって、これらレニン阻害剤およびその薬学的塩、ならびにこれらの中間体を調製するための方法も対象とする。
【背景技術】
【0007】
ラクトン環含有化合物および/またはラクタム環含有化合物の使用は、様々な産業的用途および商業的用途、例えば、医薬品などに広い有用性がある。ラクトン環含有化合物および/またはラクタム環含有化合物を急速におよび効率的に開環させたいという要望とは、所望の成分としてこのような化合物の使用を必要とする任意の用途において、このような開環した化合物の利用可能性を改善したいという要望である。さらに、ラクトン環含有化合物および/もしくはラクタム環含有化合物ならびに/またはその開環生成物上に存在する任意の保護基の脱保護は、ある特定の場合、商業的な観点から望ましいものとなり得る。
【0008】
レニン阻害剤の製造におけるこのような化合物の中間体としての使用は、特に商業的に重要な用途である。
【0009】
レニンは、腎臓から血液へと渡り、血液中でアンギオテンシノゲンの切断に影響を及ぼし、デカペプチドアンジオテンシンIを放出し、次いでこのデカペプチドアンジオテンシンIが、肺、腎臓ならびに他の器官内で切断されて、オクタペプチドアンジオテンシンIIを形成する。オクタペプチドは、直接的には動脈血管収縮により、および間接的には副腎からのナトリウム−イオン保持ホルモンアルドステロンの放出、これに伴う細胞外液容積の増加の両方により血圧を増加させるが、この増加は、アンジオテンシンIIの作用が原因となり得る。レニンの酵素活性の阻害剤は、アンジオテンシンIの形成を低下させ、したがってアンジオテンシンIIの産生量が減少する。活性ペプチドホルモンの濃度の低下は、レニン阻害剤の降圧効果が直接引き起こしたものである。
【0010】
様々なレニン阻害剤化合物は、アンジオテンシンII生合成の開始時にレニン−アンジオテンシン系を妨害することができる。このようなレニン阻害剤化合物を生成する方法は、商業的立場からは、タイムリーで、費用がかかる可能性がある。様々なレニン阻害剤化合物、およびこれらの有用な中間体の生成方法を改善する要望が引き続き存在し、このような方法により、時間、コストが低下し、これから得られる医薬品の取得効率を向上させることになる。
【発明の概要】
【0011】
驚くべきことに、ラクトン環含有化合物および/またはラクタム環含有化合物が、特定の酸触媒を用いることによって、迅速で、費用のかからない方式でこれらのラクトン環および/またはラクタム環を効果的に開環することができることを発見した。
【0012】
さらに、このような新規な触媒の使用は、ラクトン環含有化合物および/またはラクタム環含有化合物に対して等モル量の、このような触媒を含む範囲において、場合によって使用することができることを驚くべきことに発見した。一部の実施形態では、少なくとも1つのカルボン酸の存在下、少なくとも1つの環を開環させ、開環反応生成物を得るのに十分な条件下で、少なくとも1つのラクトン環および/または少なくとも1つのラクタム環を有する環含有化合物と、少なくとも1つのアミンを反応させるステップを含む、環含有化合物の環を開環させるための方法が提供される。特定の実施形態では、触媒として有効量の、少なくとも1つのカルボン酸(例えば、カルボン酸触媒)の存在下、少なくとも1つの環を開環し、開環反応生成物を得るのに十分な条件下で、少なくとも1つのラクトン環および/または少なくとも1つのラクタム環を有する環含有化合物と、少なくとも1つのアミンを反応させるステップを含む、環含有化合物の環を開環させるための方法が提供される。カルボン酸の触媒として有効量とは、実質的に消費されることなくおよび/または消費されることなく、ラクトン環および/またはラクタム環の開環を援助するカルボン酸の量であってよい。
【0013】
またさらに、保護基を含有する化合物、例えば、保護基を有するラクトン環含有化合物および/またはラクタム環含有化合物、その開環生成物、例えば、レニン阻害剤化合物、またはこれらの薬学的に許容されるその塩などは、このようなラクトン環含有化合物および/またはラクタム環含有化合物が新規な触媒を用いて開環されたかどうかに関わらず、またはさらに、保護基を含有するこのような化合物が、ラクトン環および/またはラクタム環(複数可)を含有するかどうかに関わらず、その固体および/または気体の形態の代わりに、水性ハロゲン酸の使用により、脱保護を成功させることができることを驚くべきことに発見した。
【0014】
レニン阻害剤、例えば、アリスキレン(2S,4S,5S,7S)−N−(3−アミノ−2,2−ジメチル−3−オキソプロピル)−2,7−ジ(1−メチルエチル)−4−ヒドロキシ−5−アミノ−8−[4−メトキシ−3−(3−メトキシ−プロポキシ)フェニル]オクタンアミドヘミフマレート)などの製造に使用される中間体(例えばラクトン環含有化合物および/またはラクタム環含有化合物および/またはこれらの開環生成物など)は、レニン阻害剤それ自体、または薬学的に許容される塩もしくは許容されないその塩と同じように、特定の酸触媒を使用して迅速および費用のかからない方式で生成することができることを驚くべきことに発見した。
【0015】
さらに、このような新規な触媒の使用は、このような触媒を、ラクトン環含有化合物および/またはラクタム環含有化合物の等モル量を含む範囲で場合によって使用することができる。レニン阻害剤化合物、その中間体(ラクトン環含有化合物および/またはラクタム環含有化合物、またはその開環の形)、または薬学的に許容されるその塩(保護基を含有するいずれか一種類)は、このようなラクトン環含有化合物および/またはラクタム環含有化合物が、新規な触媒を用いて開環されたかどうかに関わらず、その固体および/または気体の形態の代わりに、水性ハロゲン酸の使用により、脱保護を成功させることができることを驚くべきことに発見した。
【0016】
少なくとも1つのカルボン酸(例えば、モノカルボン酸、ジカルボン酸)の存在下、ラクトン環および/またはラクタム環の開環を得るのに十分な条件下で、少なくとも1つのラクトン環および/または少なくとも1つのラクタム環を含む少なくとも1つの化合物と、少なくとも1つのアミンを反応させるステップを含む、ラクトン環および/またはラクタム環の開環の方法が、本明細書中に提供される。
【0017】
少なくとも1つの触媒(例えば、触媒として有効量のカルボン酸が存在)の存在下、少なくとも1つのラクトン環および/または少なくとも1つのラクタム環を含む少なくとも1つの化合物と、少なくとも1つのアミンとを反応させ、水性ハロゲン酸を用いて開環反応生成物上に存在する少なくとも1つの保護基を取り除くステップとを含む、ラクトン環および/またはラクタム環の開環の方法が、本明細書中に提供される。
【0018】
本明細書中の「水性ハロゲン酸を用いて開環反応生成物上に存在する少なくとも1つの保護基を取り除くこと」とは、アミンとの反応前に、少なくとも1つのラクトン環および/または少なくとも1つのラクタム環を含む化合物上に存在する少なくとも1つの保護基を取り除くこと、および/またはアミンとの反応後に、開環反応生成物上にある少なくとも1つの保護基を取り除くことを含み得ることを理解されたい。
【0019】
一般式(I)のδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミド:
【0020】
【化1】

(式中、Rは、水素、ヒドロキシ、低級アルコキシ、シクロアルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシまたは遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したカルボキシ−低級アルコキシであり、
は、水素、低級アルキル、シクロアルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキル、シクロアルコキシ−低級アルキル、ヒドロキシ、場合によって低級アルカノイル化、ハロゲン化もしくはスルホニル化したヒドロキシ−低級アルコキシ;非置換であるか、または低級アルキル、低級アルカノイルおよび/または低級アルコキシカルボニルで置換されたアミノ−低級アルキル;場合によって水素化したヘテロアリール−低級アルキル;低級アルキル、低級アルカノイルおよび/または低級アルコキシカルボニルで置換されたアミノ−低級アルコキシ;オキソ−低級アルコキシ、低級アルコキシ、シクロアルコキシ、低級アルケニルオキシ、シクロアルコキシ−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルケニル、低級アルケニルオキシ−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルケニルオキシ、低級アルケニルオキシ−低級アルキル、低級アルカノイル−低級アルコキシ、場合によってS−酸化した低級アルキルチオ−低級アルコキシ、低級アルキルチオ−(ヒドロキシ)−低級アルコキシ、アリール−低級アルコキシ、場合によって水素化したヘテロアリール−低級アルコキシ、シアノ−低級アルコキシ、遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したカルボキシ−低級アルコキシまたは遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したカルボキシ−低級アルキルであり、
は、場合によってハロゲン化した低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、シクロアルコキシ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、場合によってS−酸化した低級アルキルチオ−低級アルキル、場合によって水素化したヘテロアリールチオ−低級アルキル、場合によって水素化したヘテロアリール−低級アルキル;非置換であるか、またはN−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキル化した、N−低級アルカノイル化したまたはN−低級アルカンスルホニル化しているか、または低級アルキレンにより、非置換もしくはN’−低級アルキル化したまたはN’−低級アルカノイル化したアザ−低級アルキレンにより、オキサ−低級アルキレンにより、または場合によってS−酸化したチア−低級アルキレンにより、N,N−二置換されたアミノ−低級アルキル;シアノ−低級アルキル、遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したカルボキシ−低級アルキル、シクロアルキル、アリール、ヒドロキシ、低級アルコキシ、シクロアルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、シクロアルコキシ−低級アルコキシ、ヒドロキシ−低級アルコキシ、アリール−低級アルコキシ、場合によってハロゲン化した低級アルコキシ、場合によってS−酸化した低級アルキルチオ−低級アルコキシ、場合によって水素化したヘテロアリール−低級アルコキシ、場合によって水素化したヘテロアリールチオ−低級アルコキシ;非置換であるか、またはN−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキル化した、N−低級アルカノイル化した、もしくはN−低級アルカンスルホニル化しているか、または低級アルキレンにより、非置換もしくはN’−低級アルキル化した、もしくはN’−低級アルカノイル化したアザ−低級アルキレンにより、オキサ−低級アルキレンにより、または場合によってS−酸化したチア−低級アルキレンにより置換されたアミノ−低級アルコキシ;シアノ−低級アルコキシ、または遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したカルボキシ低級アルコキシであるか、またはRと一緒になって、低級アルキレンジオキシまたは縮合したベンゾまたはシクロヘキセノ環であり、
は、Rと一緒になって、低級アルキレンジオキシまたは縮合したベンゾもしくはシクロヘキセノ環であるか、または水素、低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシもしくはシクロアルコキシであり、
Xは、メチレンまたはヒドロキシメチレンであり、
は、低級アルキルまたはシクロアルキルであり、
は、非置換であるか、またはN−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキル化した、もしくはN−低級アルカノイル化したアミノであり、
は、水素、低級アルキル、低級アルケニル、シクロアルキルまたはアリール−低級アルキルであり、および
は、低級アルキル、シクロアルキル、遊離もしくは脂肪族によりエステル化もしくはエーテル化したヒドロキシ−低級アルキル;非置換、またはN−低級アルカノイル化した、またはN−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキル化した、または低級アルキレンにより、ヒドロキシ−、低級アルコキシ−もしくは低級アルカノイルオキシ−低級アルキレンにより、非置換もしくはN’−低級アルカノイル化もしくはN’−低級アルキル化したアザ−低級アルキレンにより、オキサ−低級アルキレンもしくは場合によってS−酸化したチア−低級アルキレンによりN,N−二置換されているアミノ−低級アルキル;遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したカルボキシ−低級アルキル、遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したジカルボキシ−低級アルキル、遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したカルボキシ−(ヒドロキシ)−低級アルキル、遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したカルボキシシクロアルキル−低級アルキル、シアノ−低級アルキル、低級アルカンスルホニル−低級アルキル、非置換またはN−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキル化したチオカルバモイル−低級アルキル、非置換またはN−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキル化したスルファモイル−低級アルキル、または炭素原子を介して結合し、場合によって水素化したおよび/またはオキソ−置換したヘテロアリール基、または炭素原子を介して結合し、場合によって水素化したおよび/またはオキソ−置換したヘテロアリール基により置換された低級アルキルである)
およびその塩を生成するための方法であって、
少なくとも1つのカルボン酸の存在下、ラクトン環および/またはラクタム環の開環を得るために十分な条件下で、前記δ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物であり、少なくとも1つのラクトン環および/または少なくとも1つのラクタム環を含む中間体化合物と、少なくとも1つのアミンを反応させることによって、δ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドを得るステップ、または
前記開環反応生成物を変換させて、δ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドを得るステップを含む方法が、本明細書中に提供される。
【0021】
本明細書中のさらなる実施形態では、
少なくとも1つの触媒の存在下、ラクトン環および/またはラクタム環の開環を得るのに十分な条件下で、少なくとも1つのラクトン環および/または少なくとも1つのラクタム環を含む前記δ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物と、少なくとも1つのアミンを反応させるステップと、水性ハロゲン酸を用いて、中間体化合物上の少なくとも1つの保護基を取り除く、および/または開環反応生成物上の少なくとも1つの保護基を取り除くステップと
を含む、一般式(I)のδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドを生成する方法が提供される。
【0022】
上に記述されているのと同様に、本明細書中での「水性ハロゲン酸を用いて、中間体化合物上に存在する少なくとも1つの保護基を取り除くこと、および/または開環反応生成物上の少なくとも1つの保護基を取り除くこと」とは、アミンとの反応前に中間体化合物上に存在する少なくとも1つの保護基を取り除くこと、および/またはまたはアミンとの反応後に開環反応生成物上にある少なくとも1つの保護基を取り除くことを含み得ることを理解されたい。
【0023】
本明細書中のさらなる実施形態では、
2−エチルヘキサン酸またはシクロヘキサンカルボン酸またはその混合物の存在下、1,1−ジメチルエチル[(1S,3S)−3−[[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)フェニル]メチル−4−メチル−1−[(2S,4S)−テトラヒドロ−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−2−フラニル]ペンチル]カルバメートと、3−アミノ−2,2−ジメチルプロパンアミドを反応させて、(2S,4S,5S,7S)−N−(3−アミノ−2,2−ジメチル−3−オキソプロピル)−2,7−ジ(1−メチルエチル)−4−ヒドロキシ−5−アミノ−8−[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)フェニル]オクタンアミドヘミフマレートを得るステップ、または
反応生成物を変換して、(2S,4S,5S,7S)−N−(3−アミノ−2,2−ジメチル−3−オキソプロピル)−2,7−ジ(1−メチルエチル)−4−ヒドロキシ−5−アミノ−8−[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)フェニル]オクタンアミドヘミフマレートを得るステップ
を含む、(2S,4S,5S,7S)−N−(3−アミノ−2,2−ジメチル−3−オキソプロピル)−2,7−ジ(1−メチルエチル)−4−ヒドロキシ−5−アミノ−8−[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)フェニル]オクタンアミドヘミフマレートを生成する方法が、本明細書中に提供される。
【0024】
本明細書中のさらなる実施形態では、
カルボン酸触媒以外の触媒の存在下、1,1−ジメチルエチル[(1S,3S)−3−[[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)フェニル]メチル−4−メチル−1−[(2S,4S)−テトラヒドロ−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−2−フラニル]ペンチル]カルバメートと、3−アミノ−2,2−ジメチルプロパンアミドを反応させるステップ、および
1,1−ジメチルエチル[(1S,3S)−3−[[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)フェニル]メチル−4−メチル−1−[(2S,4S)−テトラヒドロ−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−2−フラニル]ペンチル]カルバメート上の少なくとも1つの保護基を取り除き、および/または水性ハロゲン酸を用いて、反応生成物上の少なくとも1つの保護基を取り除くステップ
を含む、(2S,4S,5S,7S)−N−(3−アミノ−2,2−ジメチル−3−オキソプロピル)−2,7−ジ(1−メチルエチル)−4−ヒドロキシ−5−アミノ−8−[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)フェニル]オクタンアミドヘミフマレートを生成する方法が、本明細書中に提供される。
【0025】
上に記述されているのと同様に、本明細書中での「水性ハロゲン酸を用いて、1,1−ジメチルエチル[(1S,3S)−3−[[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)フェニル]メチル−4−メチル−1−[(2S,4S)−テトラヒドロ−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−2−フラニル]ペンチル]カルバメート上の少なくとも1つの保護基を取り除くこと、および/または反応生成物上の少なくとも1つの保護基を取り除くこと」とは、3−アミノ−2,2−ジメチルプロパンアミドとの反応前に1,1−ジメチルエチル[(1S,3S)−3−[[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)フェニル]メチル−4−メチル−1−[(2S,4S)−テトラヒドロ−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−2−フラニル]ペンチル]カルバメート上に存在する少なくとも1つの保護基を取り除くこと、および/または3−アミノ−2,2−ジメチルプロパンアミドとの反応後に反応生成物上にある少なくとも1つの保護基を取り除くことを含み得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1〜5は、本明細書の開環の方法の実施形態を例示しているグラフ形態(グラフ1〜5)の実験データを提示する。
【図2】図1〜5は、本明細書の開環の方法の実施形態を例示しているグラフ形態(グラフ1〜5)の実験データを提示する。
【図3】図1〜5は、本明細書の開環の方法の実施形態を例示しているグラフ形態(グラフ1〜5)の実験データを提示する。
【図4】図1〜5は、本明細書の開環の方法の実施形態を例示しているグラフ形態(グラフ1〜5)の実験データを提示する。
【図5】図1〜5は、本明細書の開環の方法の実施形態を例示しているグラフ形態(グラフ1〜5)の実験データを提示する。
【図6】図6〜9は、本明細書の開環の方法の脱保護ステップの実施形態を例示している棒グラフ形態(グラフ6)および棒グラフ形態の実験データを提示する。
【図7】図6〜9は、本明細書の開環の方法の脱保護ステップの実施形態を例示している棒グラフ形態(グラフ6)および棒グラフ形態の実験データを提示する。
【図8】図6〜9は、本明細書の開環の方法の脱保護ステップの実施形態を例示している棒グラフ形態(グラフ6)および棒グラフ形態の実験データを提示する。
【図9】図6〜9は、本明細書の開環の方法の脱保護ステップの実施形態を例示している棒グラフ形態(グラフ6)および棒グラフ形態の実験データを提示する。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書の第1の実施形態では、少なくとも1つのカルボン酸の存在下での、ラクトン環および/またはラクタム環の開環の方法が提供される。
【0028】
本明細書において、本明細書中に記載されている、あらゆるラクトン環含有化合物および/またはラクタム環含有化合物、その開環生成物、これから由来されるレニン阻害剤化合物、または前述のもののいずれかの薬学的に許容される塩もしくは許容できない塩は、本明細書中に記載されている保護基または当業者に既知のあらゆる保護基(複数可)のうちのいずれか1つまたは複数で保護することができることを理解されたい。
【0029】
本明細書において、本明細書中に記載されている任意の化合物とは、薬学的に許容されるその塩(複数可)のいずれか、および/または任意の薬学的に許容できないその塩(複数可)についても記載し得ることを理解されたい。
【0030】
ラクトン環含有化合物および/またはラクタム環含有化合物は、少なくとも1つのラクトン環および/または少なくとも1つのラクタム環を含有する任意の化合物を含み得る。
【0031】
「ラクトン環含有化合物」という表現は、本明細書で使用する場合、「ラクトン含有化合物」と同等であると理解されたい。
【0032】
「ラクタム環含有化合物」という表現は、「ラクタム含有化合物」と同等であると理解される。
【0033】
本明細書において、一般式(I)のδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミド、その塩、アリスキレンおよび/またはその任意の中間体を作成するための、アミン(本明細書中に記載されている通り)を用いたラクトン環の開環のための、本明細書中に記載のラクトン開環方法は、使用する合成経路に関係なく、本明細書中に記載されている方式で行うことができ、アリスキレン、その塩、または一般式(I)のδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの合成における任意の既知のラクトン開環ステップを、本明細書中に記載されている方式で行うことができることを理解されたい。
【0034】
保護基(複数可)に関する「取り除く」という用語は、保護基(複数可)に関する「脱保護する」という用語と同等であると理解されたい。
【0035】
δ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドに関する「中間体」という用語は、本明細書で使用する場合、δ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの直接の前駆体を含んでもよく、または本明細書中に記載されているように反応させた場合、依然として、変換されて、δ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドをもたらす化合物を含んでもよい。
【0036】
それら全体においてその内容が本明細書中に取り込まれている米国特許第5,559,111号、および本明細書中に記載されているR〜Rの定義は、米国特許第5,559,111号の部分に対応する定義のいずれもそうであるように、いかなる形においても、米国特許第5,559,111号で定義されたR〜Rの定義と交換可能であると理解されたい。
【0037】
本明細書において、列挙されたグループのメンバーの任意のリストは、1つの非限定的実施形態において、前記列挙されたグループのメンバーのいずれかの組合せを含んでもよいことを理解されたい。さらに、本明細書において、本明細書中の同じ1つの成分の任意のメンバーの任意の別のリスト、例えば、ラクトン環含有化合物および/またはラクタム環含有化合物、アミン、触媒、溶媒などのメンバーの別のリストは、同じ1つの成分の別のリストからの任意のメンバーの組合せを含んでもよいことを理解されたい。
【0038】
本明細書において、範囲の列挙はいずれも、前記範囲の終了点と、その間の任意の下位の範囲とのいずれの組合せを含んでもよいことを理解されたい。
【0039】
本明細書の1つの具体的な実施形態では、δ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドは、式(II):
【0040】
【化2】

(式中、Rは、水素、C1〜7アルキル、C3〜8シクロアルキルまたはベンジルであり、Rは、ハロゲン、ヒドロキシル、C1〜6ハロゲンアルキル、C1〜6アルコキシ−C1〜6アルキルオキシまたはC1〜6アルコキシ−C1〜6アルキルであり、Rは、ハロゲン、ヒドロキシル、C1〜4アルキルまたはC1〜4アルコキシである)、またはその塩を含む。
【0041】
好ましくは、式(II)による化合物は、以下の立体配置を有する。
【0042】
【化3】

【0043】
ラクトン環含有化合物および/またはラクタム環含有化合物、その中間体化合物、1,1−ジメチルエチル[(1S,3S)−3−[[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)フェニル]メチル−4−メチル−1−[(2S,4S)−テトラヒドロ−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−2−フラニル]ペンチル]カルバメートまたは本明細書中に記載されている任意のこのような化合物のいずれかと、本明細書中に記載されているアミンとの反応は、一部の非限定的実施形態では,ラクトンからのアミドの形成の標準的な条件下で、例えば適切な溶媒または溶媒混合物中、例えばtert−ブチルメチルエーテルなどのエーテルの中で、好ましくは弱酸性基および弱塩基性基を有する二官能性触媒、例えば2−ヒドロキシピリジンまたはプロリンなどの存在下、適切な塩基、例えばトリエチルアミンなどの三級窒素塩基の存在下、適切な温度、例えば0℃から反応混合物の還流温度、例えば0〜85℃の範囲の温度で行うことができる。
【0044】
本明細書中の別の具体的な実施形態では、δ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドは、式(III):
【0045】
【化4】

またはその塩である。
【0046】
本発明の具体的な実施形態では、アミド(III)は、以下の立体化学の配置を有するアリスキレン(aliskiren)、すなわち、アミド(IIIa)である。
【0047】
【化5】

【0048】
本明細書で使用する場合、以下の用語および表現は、以下に定義および例示される。
【0049】
アリール、およびアリール−低級アルコキシ、アリール−低級アルキルなどの中のアリールは、例えば、非置換であるか、または低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、低級アルキルアミノ、ジ−低級アルキルアミノ、ハロゲンおよび/またはトリフルオロメチルで一置換、二置換または三置換されたフェニルまたはナフチルである。
【0050】
シクロアルコキシ、およびシクロアルコキシ−低級アルコキシ中のシクロアルコキシ、およびシクロアルコキシ−低級アルキル中のシクロアルコキシとは、例えば、3〜8員の、好ましくは3、5または6員の、シクロアルコキシ、例えばシクロプロピルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、さらにシクロブチルオキシ、シクロヘプチルオキシまたはシクロオクチルオキシなどである。
【0051】
シクロアルコキシ−低級アルキルとは、例えば、3〜8員の、好ましくは5もしくは6員のシクロアルコキシ−C〜C低級アルキル、例えばシクロペンチルオキシ−メチルもしくはシクロヘキシルオキシ−メチル、2−シクロペンチルオキシ−エチルもしくは2−シクロヘキシルオキシ−エチル、2−もしくは3−シクロペンチルオキシ−または2−もしくは3−シクロヘキシルオキシ−プロピル、2−シクロペンチルオキシ−もしくは2−シクロヘキシルオキシ−2−メチル−プロピル、2−シクロペンチルオキシ−もしくは2−シクロヘキシルオキシ−2−エチル−ブチルまたは4−シクロペンチルオキシ−もしくは4−シクロヘキシルオキシ−ブチルである。
【0052】
シクロアルキルは、例えば、3〜8員の、好ましくは3、5もしくは6員の、シクロアルキル、例えばシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、さらにシクロブチル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルである。
【0053】
遊離の、またはエステル化もしくはアミド化したカルボキシ−低級アルコキシは、例えば、カルボキシ−低級アルコキシ、低級アルコキシカルボニル−低級アルコキシ、カルバモイル−低級アルコキシまたはN−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキルカルバモイル−低級アルコキシである。
【0054】
場合によって、低級アルカノイル化、ハロゲン化またはスルホニル化したヒドロキシ−低級アルコキシは、例えば、低級アルカノイルオキシ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルコキシ、ハロ−(ヒドロキシ)−低級アルコキシもしくは低級アルカンスルホニル−(ヒドロキシ)−低級アルコキシである。
【0055】
非置換であるか、または低級アルキル、低級アルカノイルおよび/もしくは低級アルコキシカルボニルで置換されたアミノ−低級アルキルは、例えば、アミノ−低級アルキル、低級アルキルアミノ−低級アルキル、ジ−低級アルキルアミノ−低級アルキル、低級アルカノイルアミノ−低級アルキルまたは低級アルコキシカルボニルアミノ−低級アルキルである。
【0056】
非置換であるか、または低級アルキル、低級アルカノイルおよび/または低級アルコキシカルボニルで置換されたアミノ−低級アルコキシは、例えば、アミノ−低級アルコキシ、低級アルキルアミノ−低級アルコキシ、ジ−低級アルキルアミノ−低級アルコキシ、低級アルカノイルアミノ−低級アルコキシまたは低級アルコキシカルボニルアミノ−低級アルコキシである。
【0057】
場合によってS−酸化した低級アルキルチオ−低級アルコキシは、例えば、低級アルキルチオ−低級アルコキシまたは低級アルカンスルホニル−低級アルコキシである。
【0058】
場合によって水素化したヘテロアリール−低級アルコキシは、例えば、場合によって部分的に水素化したまたはN−酸化したピリジル−低級アルコキシ、チアゾリル−低級アルコキシまたは特にモルホリノ−低級アルコキシである。
【0059】
場合によって水素化したヘテロアリールチオ−低級アルコキシは、例えば、場合によって部分的にまたは完全に水素化したヘテロアリールチオ−低級アルコキシ、例えばチアゾリルチオ−低級アルコキシまたはチアゾリニルチオ−低級アルコキシ、イミダゾリルチオ−低級アルコキシ、場合によってN−酸化したピリジルチオ−低級アルコキシまたはピリミジニルチオ−低級アルコキシである。
【0060】
遊離の、またはエステル化もしくはアミド化したカルボキシ−低級アルキルは、例えば、カルボキシ−低級アルキル、低級アルコキシカルボニル−低級アルキル、カルバモイル−低級アルキルまたはN−モノまたはN,N−ジ−低級アルキルカルバモイル−低級アルキルである。
【0061】
場合によってハロゲン化した低級アルキルは、例えば、低級アルキルまたはポリハロ−低級アルキルである。
【0062】
場合によってハロゲン化した低級アルコキシは、例えば、低級アルコキシまたはポリハロ−低級アルコキシである。
【0063】
場合によってS−酸化した低級アルキルチオ−低級アルキルは、例えば、低級アルキルチオ−低級アルキルまたは低級アルカンスルホニル−低級アルキルである。
【0064】
場合によってS−酸化した低級アルキルチオ−低級アルコキシは、例えば、低級アルキルチオ−低級アルコキシまたは低級アルカンスルホニル−低級アルコキシである。
【0065】
場合によって水素化したヘテロアリール−低級アルキルは、例えば、場合によって部分的に水素化したまたはN−酸化したピリジル−低級アルキルである。
【0066】
場合によって水素化したヘテロアリールチオ−低級アルキルは、例えば、チアゾリルチオ−低級アルキルまたはチアゾリニルチオ−低級アルキル、イミダゾリルチオ−低級アルキル、場合によってN−酸化したピリジルチオ−低級アルキルまたはピリミジニルチオ−低級アルキルである。
【0067】
非置換であるか、またはN−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキル化した、N−低級アルカノイル化した、またはN−低級アルカンスルホニル化しているか、または低級アルキレンにより、非置換もしくはN’−低級アルキル化した、もしくはN’−低級アルカノイル化したアザ−低級アルキレンにより、オキサ−低級アルキレンにより、または場合によってS−酸化したチア−低級アルキレンにより、N,N−二置換されているアミノ−低級アルキルは、例えば、アミノ−低級アルキル、低級アルキルアミノ−低級アルキル、ジ−低級アルキルアミノ−低級アルキル、低級アルカノイルアミノ−低級アルキル、低級アルカンスルホニルアミノ−低級アルキル、ポリハロ−低級アルカンスルホニルアミノ−低級アルキル、ピロリジノ−低級アルキル、ピペリジノ−低級アルキル、ピペラジノ−、N’−低級アルキルピペラジノ−もしくはN’−低級アルカノイルピペラジノ−低級アルキル、モルホリノ−低級アルキル、チオモルホリノ−、S−オキソチオモルホリノ−またはS,S−ジオキソチオモルホリノ−低級アルキルである。
【0068】
場合によってS−酸化した低級アルキルチオ−低級アルコキシは、例えば、低級アルキルチオ−低級アルコキシまたは低級アルカンスルホニル−低級アルコキシである。
【0069】
非置換であるか、またはN−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキル化した、N−低級アルカノイル化した、またはN−低級アルカンスルホニル化しているか、または低級アルキレンにより、非置換もしくはN’−低級アルキル化した、もしくはN’−低級アルカノイル化したアザ−低級アルキレンにより、オキサ−低級アルキレンにより、または場合によってS−酸化したチア−低級アルキレンによりN,N−二置換されているアミノ−低級アルコキシは、例えば、アミノ−低級アルコキシ、低級アルキルアミノ−低級アルコキシ、ジ−低級アルキルアミノ−低級アルコキシ、低級アルカノイルアミノ−低級アルコキシ、低級アルカンスルホニルアミノ−低級アルコキシ、ポリハロ−低級アルカンスルホニルアミノ−低級アルコキシ、ピロリジノ−低級アルコキシ、ピペリジノ−低級アルコキシ、ピペラジノ−、N’−低級アルキルピペラジノ−またはN’−低級アルカノイルピペラジノ−低級アルコキシ、モルホリノ−低級アルコキシ、チオモルホリノ−、S−オキソチオモルホリノ−もしくはS,S−ジオキソチオ−モルホリノ−低級アルコキシである。
【0070】
非置換であるか、またはN−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキル化した、またはN−低級アルカノイル化したアミノは、例えば、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ−低級アルキルアミノまたは低級アルカノイルアミノである。
【0071】
遊離の、または脂肪族によりエステル化したもしくはエーテル化したヒドロキシ−低級アルキルは、例えば、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルカノイルオキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキルまたは低級アルケニルオキシ−低級アルキルである。
【0072】
非置換であるか、またはN−低級アルカノイル化した、N−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキル化しているか、または低級アルキレンにより、ヒドロキシ−、低級アルコキシ−もしくは低級アルカノイルオキシ−低級アルキレンにより、非置換もしくはN’−低級アルカノイル化したアザ−低級アルキレンにより、オキサ−低級アルキレンにより、または場合によってS−酸化したチア−低級アルキレンによりN,N−二置換されている、アミノ−低級アルキルは、例えば、アミノ−低級アルキル、低級アルカノイルアミノ−低級アルキル、N−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキルアミノ−低級アルキル、場合によってヒドロキシル化したもしくは低級アルコキシ化したピペリジノ−低級アルキル、例えばピペリジノ−低級アルキル、ヒドロキシピペリジノ−低級アルキルまたは低級アルコキシ−ピペリジノ−低級アルキル、ピペラジノ−、N’−低級アルキルピペラジノ−もしくはN’−低級アルカノイル−ピペラジノ−低級アルキルなど、非置換もしくは低級アルキル化したモルホリノ−低級アルキル、例えばモルホリノ−低級アルキルまたはジメチルモルホリノ−低級アルキルなど、または場合によってS−酸化したチオ−モルホリノ−低級アルキル、例えばチオモルホリノ−低級アルキルまたはS,S−ジオキソチオモルホリノ−低級アルキルなどである。
【0073】
遊離の、またはエステル化もしくはアミド化したジカルボキシ−低級アルキルは、例えば、ジカルボキシ−低級アルキル、ジ−低級アルコキシカルボニル−低級アルキル、ジカルバモイル−低級アルキルまたはジ−(N−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキルカルバモイル)−低級アルキルである。
【0074】
遊離の、またはエステル化もしくはアミド化したカルボキシ−(ヒドロキシ)−低級アルキルは、例えば、カルボキシ−(ヒドロキシ)−低級アルキル、低級アルコキシカルボニル−(ヒドロキシ)−低級アルキルまたはカルバモイル−(ヒドロキシ)−低級アルキルである。
【0075】
遊離の、またはエステル化もしくはアミド化したカルボキシシクロアルキル−低級アルキルは、例えば、5−もしくは6員のカルボキシシクロアルキル−低級アルキル、低級アルコキシカルボニルシクロアルキル−低級アルキル、カルバモイルシクロアルキル−低級アルキル、またはN−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキルカルバモイルシクロ−アルキル−低級アルキルである。
【0076】
非置換であるか、またはN−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキル化したスルファモイル−低級アルキルは、例えば、スルファモイル−低級アルキル、低級アルキルスルファモイル−低級アルキルまたはジ−低級アルキル−スルファモイル−低級アルキルである。
【0077】
非置換であるか、またはN−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキル化したチオカルバモイル−低級アルキルは、例えば、チオカルバモイル−低級アルキル、低級アルキルチオカルバモイル−低級アルキルまたはジ−低級アルキルチオカルバモイル−低級アルキル、例えばN,N−ジメチルチオカルバモイルメチルなどである。
【0078】
場合によってオキソ−置換されており、炭素原子を介して結合しており、場合によって水素化しているヘテロアリールであって、場合によってオキソ−置換され、炭素原子を介して結合され、場合によって水素化したヘテロアリール基により置換されている低級アルキルの中のこのようなヘテロアリールは、場合によって水素化したヘテロアリール基として、例えば、場合によって部分的に水素化したおよび/またはベンゾ縮合した5員のアザ−、ジアザ−、トリアザ−、オキサジアザ−もしくはテトラアザ−アリール基または6員のアザ−もしくはジアザ−アリール基を含有し、低級アルキル基として、例えばC〜Cアルキル、好ましくは、C〜Cアルキルは、例えば、ピロリジニル−低級アルキル、例えばオキソピロリジニル−C〜Cアルキル、イミダゾリル−低級アルキル、例えばイミダゾール−4−イル−C〜Cアルキル、ベンズイミダゾリル−低級アルキル、例えばベンゾイミダゾール−2−イル−C〜Cアルキル、オキソジアゾリル−低級アルキル、例えば1,2,4−オキサジアゾール−5−イル−C〜Cアルキル、ピリジル−低級アルキル、例えばピリジン2−イル−C〜Cアルキル、オキソピペリジニル−C〜Cアルキル、ジオキソピペリジニル−C〜Cアルキル、オキソチアゾリル−C〜Cアルキル、オキソ−オキサゾリニル−C〜Cアルキルまたはキノリニル−低級アルキル、例えばキノリン−2−イル−C〜Cアルキル、またモルホリノカルボニル−低級アルキルまたは非置換もしくはN−低級アルカノイル化したピペリジル−低級アルキルである。
【0079】
本明細書中のこれより前後における、低級の基および化合物とは、例えば、7個以下、好ましくは4個以下の炭素原子であると理解されたい。
【0080】
5または6員のカルボキシシクロアルキル−低級アルキル、低級アルコキシカルボニルシクロアルキル−低級アルキル、カルバモイルシクロアルキル−低級アルキル、N−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキルカルバモイルシクロ−アルキル−低級アルキルは、例えば、ω−(1−カルボキシシクロアルキル)−C〜Cアルキル、ω−(1−低級アルコキシカルボニルシクロアルキル)−C〜Cアルキル、ω−(1−カルバモイルシクロアルキル)−C〜Cアルキル、ω−(1−低級アルキルカルバモイルシクロアルキル)−C〜Cアルキルまたはω−(1−ジ−低級アルキルカルバモイルシクロアルキル)−C〜Cアルキルであり、ここで、シクロアルキルは、例えば、シクロペンチルまたはシクロヘキシルであり、低級アルコキシカルボニルは、例えば、C〜Cアルコキシカルボニル、例えばメトキシ−もしくはエトキシカルボニルなどであり、低級アルキルカルバモイルは、例えば、C〜Cアルキルカルバモイル、例えばメチルカルバモイルなどであり、ジ−低級アルキルカルバモイルは、例えば、ジ−C〜Cアルキルカルバモイル、例えばジメチルカルバモイルなどであり、低級アルキルは、例えば、C1〜Cアルキル、例えばメチル、エチル、プロピルまたはブチル、特に(1−カルボキシシクロペンチル)メチルなどである。
【0081】
5または6員のシクロアルコキシ−低級アルコキシは、例えば、シクロペンチルオキシ−またはシクロヘキシルオキシ−C〜Cアルコキシ、例えばシクロペンチルオキシ−もしくはシクロヘキシルオキシ−メトキシ、2−シクロペンチルオキシ−もしくは2−シクロヘキシルオキシ−エトキシ、2−もしくは3−シクロペンチルオキシ−または2−もしくは3−シクロヘキシルオキシ−プロピルオキシまたは4−シクロペンチルオキシ−もしくは4−シクロヘキシルオキシ−ブチルオキシ、特にシクロペンチルオキシ−もしくはシクロヘキシルオキシ−メトキシなどである。
【0082】
5または6員のシクロアルコキシ−低級アルキルは、例えば、シクロペンチルオキシ−もしくはシクロヘキシルオキシ−C〜Cアルキル、例えばシクロペンチルオキシ−もしくはシクロヘキシルオキシ−メチル、2−シクロペンチルオキシ−もしくは2−シクロヘキシルオキシ−エチル、2−もしくは3−シクロペンチルオキシ−または2−もしくは3−シクロヘキシルオキシ−プロピル、2−シクロペンチルオキシ−もしくは2−シクロヘキシルオキシ−2−メチル−プロピル、2−シクロペンチルオキシ−もしくは2−シクロヘキシルオキシ−2−エチル−ブチルまたは4−シクロペンチルオキシ−もしくは4−シクロヘキシルオキシ−ブチル、特にシクロペンチルオキシ−もしくはシクロヘキシルオキシ−メチルなどである。
【0083】
アミノ−低級アルコキシは、例えば、アミノ−C〜Cアルコキシ、例えば2−アミノエトキシまたは5−アミノペンチルオキシ、さらに3−アミノプロピルオキシまたは4−アミノブチルオキシなどである。
【0084】
アミノ−低級アルキルは、例えば、アミノ−C〜Cアルキル、例えば2−アミノエチル、3−アミノプロピルまたは4−アミノブチルなどである。
【0085】
カルバモイル−(ヒドロキシ)−低級アルキルは、例えば、カルバモイル−C〜C(ヒドロキシ)アルキル、例えば1−カルバモイル−2−ヒドロキシエチルなどである。
【0086】
カルバモイル−低級アルコキシは、例えば、カルバモイル−C〜Cアルコキシ、例えばカルバモイルメトキシ、2−カルバモイルエトキシ、3−カルバモイルプロピルオキシまたは4−カルバモイルブチルオキシ、特にカルバモイルメトキシである。
【0087】
カルバモイル−低級アルキルは、例えば、カルバモイル−C〜Cアルキル、例えばカルバモイルメチル、2−カルバモイルエチル、3−カルバモイルプロピル、2−(3−カルバモイル)プロピル、2−カルバモイルプロピル、3−(1−カルバモイル)プロピル、2−(2−カルバモイル)プロピル、2−(カルバモイル−2−メチル)プロピル、4−カルバモイルブチル、1−カルバモイルブチル、1−(1−カルバモイル−2−メチル)ブチルまたは3−(4−カルバモイル−2−メチル)ブチルなどである。
【0088】
カルボキシ−(ヒドロキシ)−低級アルキルは、例えば、カルボキシ−C〜C(ヒドロキシ)アルキル、例えば1−カルボキシ−2−ヒドロキシ−エチルなどである。
【0089】
カルボキシ−低級アルコキシは、例えば、カルボキシ−C〜Cアルコキシ、例えばカルボキシメトキシ、2−カルボキシエトキシ、2−もしくは3−カルボキシプロピルオキシまたは4−カルボキシブチルオキシ、特にカルボキシ−メトキシなどである。
【0090】
カルボキシ−低級アルキルは、例えば、カルボキシ−C〜Cアルキル、例えばカルボキシメチル、2−カルボキシエチル、2−もしくは3−カルボキシプロピル、2−カルボキシ−2−メチル−プロピル、2−カルボキシ−2−エチル−ブチルまたは4−カルボキシブチル、特にカルボキシメチルなどである。
【0091】
シアノ−低級アルコキシは、例えば、シアノ−C〜Cアルコキシ、例えばシアノメトキシ、2−シアノ−エトキシ、2−もしくは3−シアノプロピルオキシまたは4−シアノブチルオキシ、特にシアノメトキシである。
【0092】
シアノ−低級アルキルは、例えば、シアノ−C〜Cアルキル、例えばシアノメチル、2−シアノエチル、2−もしくは3−シアノプロピル、2−シアノ−2−メチル−プロピル、2−シアノ−2−エチル−ブチルまたは4−シアノブチル、特にシアノメチルなどである。
【0093】
ジ−(N−モノ−またはN,N−ジ−低級アルキルカルバモイル)−低級アルキルは、例えば、ジ−(N−モノ−もしくはN,N−ジ−C〜Cアルキルカルバモイル)−C〜Cアルキル、例えば1,2−ジ−(N−モノ−もしくはN,N−ジ−C〜Cアルキルカルバモイル)エチルまたは1,3−ジ−(N−モノ−もしくはN,N−ジ−C〜Cアルキルカルバモイル)プロピルなどである。
【0094】
ジカルバモイル−低級アルキルは、例えば、ジカルバモイル−C〜Cアルキル、例えば1,2−ジカルバモイルエチルまたは1,3−ジカルバモイルプロピルなどである。
【0095】
ジカルボキシ−低級アルキルは、例えば、ジカルボキシ−C〜Cアルキル、例えば1,2−ジカルボキシエチルまたは1,3−ジカルボキシプロピルなどである。
【0096】
ジメチルモルホリノ−低級アルコキシは、N−酸化していてもよく、例えば、2,6−ジメチルモルホリノ−もしくは3,5−ジメチルモルホリノ−C〜Cアルコキシ、例えば2,6−ジメチルモルホリノ−もしくは3,5−ジメチルモルホリノ−メトキシ、2−(2,6−ジメチルモルホリノ−もしくは3,5−ジメチルモルホリノ)−エトキシ、3−(2,6−ジメチルモルホリノ−もしくは3,5−ジメチルモルホリノ)−プロピルオキシ、2−(2,6−ジメチルモルホリノ−もしくは3,5−ジメチルモルホリノ−3−メチル)プロピルオキシ、または1−もしくは2−[4−(2,6−ジメチルモルホリノ−もしくは3,5−ジメチルモルホリノ)]−ブチルオキシなどである。
【0097】
ジメチルモルホリノ−低級アルキルは、N−酸化していてもよく、例えば、2,6−ジメチルモルホリノ−もしくは3,5−ジメチルモルホリノ−C〜Cアルキル、例えば2,6−ジメチルモルホリノ−もしくは3,5−ジメチルモルホリノ−メトキシ、2−(2,6−ジメチルモルホリノ−もしくは3,5−ジメチルモルホリノ)−エトキシ、3−(2,6−ジメチルモルホリノ−もしくは3,5−ジメチルモルホリノ)−プロピル、2−(2,6−ジメチルモルホリノ−もしくは3,5−ジメチルモルホリノ−3−メチル)−プロピル、または1−もしくは2−[4−(2,6−ジメチルモルホリノ−もしくは3,5−ジメチルモルホリノ)]−ブチルなどである。
【0098】
ジ−低級アルコキシカルボニル−低級アルキルは、例えば、ジ−低級アルコキシカルボニル−C〜Cアルキル、例えば1,2−ジメトキシカルボニルエチル、1,3−ジメトキシカルボニルプロピル、1,2−ジメトキシカルボニルエチルまたは1,3−ジエトキシカルボニルプロピルなどである。
【0099】
ジ−低級アルキルアミノは、例えば、ジ−C〜Cアルキルアミノ、例えばジメチルアミノ、N−メチル−N−エチルアミノ、ジエチルアミノ、N−メチル−N−プロピルアミノまたはN−ブチル−N−メチルアミノなどである。
【0100】
ジ−低級アルキルアミノ−低級アルコキシは、例えば、N,N−ジ−C〜Cアルキルアミノ−C〜Cアルコキシ、例えば2−ジメチルアミノエトキシ、3−ジメチルアミノプロピルオキシ、4−ジメチルアミノブチルオキシ、2−ジエチルアミノエトキシ、2−(N−メチル−N−エチル−アミノ)エトキシまたは2−(N−ブチル−N−メチル−アミノ)エトキシなどである。
【0101】
ジ−低級アルキルアミノ−低級アルキルは、例えば、N,N−ジ−C〜Cアルキルアミノ−C〜Cアルキル、例えば2−ジメチルアミノエチル、3−ジメチルアミノプロピル、4−ジメチルアミノブチル、2−ジエチルアミノエチル、2−(N−メチル−N−エチル−アミノ)エチルまたは2−(N−ブチル−N−メチル−アミノ)エチルなどである。
【0102】
ジ−低級アルキルカルバモイル−低級アルコキシは、例えば、N,N−ジ−C〜Cアルキルカルバモイル−C〜Cアルコキシ、例えばメチル−もしくはジメチル−カルバモイル−C〜Cアルコキシ、例えばN−メチル−、N−ブチル−もしくはN,N−ジメチル−カルバモイルメトキシ、2−(N−メチルカルバモイル)エトキシ、2−(N−ブチルカルバモイル)エトキシ、2−(N,N−ジメチルカルバモイル)エトキシ、3−(N−メチルカルバモイル)プロピルオキシ、3−(N−ブチルカルバモイル)プロピルオキシ、3−(N,N−ジメチルカルバモイル)プロピルオキシまたは4−(N−メチルカルバモイル)ブチルオキシ、4−(N−ブチルカルバモイル)ブチルオキシまたは4−(N,N−ジメチルカルバモイル)ブチルオキシ、特にN−メチル−、N−ブチル−もしくはN,N−ジメチル−カルバモイルメトキシなどである。
【0103】
ジ−低級アルキルカルバモイル−低級アルキルは、例えば、N,N−ジ−C〜Cアルキルカルバモイル−C〜Cアルキル、例えば2−ジメチルカルバモイルエチル、3−ジメチルカルバモイルプロピル、2−ジメチルカルバモイルプロピル、2−(ジメチルカルバモイル−2−メチル)プロピルまたは2−(1−ジメチルカルバモイル−3−メチル)ブチルなどである。
【0104】
ジ−低級アルキルスルファモイル−低級アルキルは、例えば、N,N−ジ−C〜Cアルキルスルファモイル−C〜Cアルキル、N,N−ジメチルスルファモイル−C〜Cアルキル、例えばN,N−ジメチルスルファモイルメチル、2−(N,N−ジメチルカルバモイル)エチル、3−(N,N−ジメチルカルバモイル)プロピルまたは4−(N,N−ジメチルカルバモイル)ブチル、特にN,N−ジメチルカルバモイルメチルなどである。
【0105】
非置換であるか、またはN−低級アルカノイル化したピペリジル−低級アルキルは、例えば、1−C〜C低級アルカノイルピペリジン−4−イル−C〜Cアルキル、例えば1−アセチルピペリジニルメチルまたは2−(1−アセチルピペリジニル)エチルなどである。
【0106】
場合によって部分的に水素化した、またはN−酸化したピリジル−低級アルコキシは、例えば、場合によって部分的に水素化したピリジル−もしくはN−オキシドピリジル−C〜Cアルコキシ、例えばピリジル−もしくはN−オキシドピリジル−メトキシ、2−ピリジルエトキシ、2−もしくは3−ピリジルプロピルオキシまたは4−ピリジルブチルオキシ、特に3−もしくは4−ピリジルメトキシなどである。
【0107】
場合によって部分的に水素化した、またはN−酸化したピリジル−低級アルキルは、例えば、場合によって部分的に水素化したピリジル−もしくはN−オキシドピリジル−C〜Cアルキル、例えばピリジル−もしくはN−オキシドピリジル−メチル、2−ピリジルエチル、2−もしくは3−ピリジルプロピルまたは4−ピリジルブチル、特に3−または4−ピリジルメチルなどである。
【0108】
ハロ−(ヒドロキシ)−低級アルコキシは、例えば、ハロ−C〜C(ヒドロキシ)アルコキシ、特にハロ−C〜C(ヒドロキシ)アルコキシ、例えば3−ハロ−、例えば3−クロロ−2−ヒドロキシ−プロピルオキシなどである。
【0109】
ヒドロキシ−低級アルコキシは、例えば、ヒドロキシ−C〜Cアルコキシ、特にヒドロキシ−C〜Cアルコキシ、例えば2−ヒドロキシブチルオキシ、3−ヒドロキシプロピルオキシまたは4−ヒドロキシブチルオキシなどである。
【0110】
ヒドロキシ−低級アルキルは、例えば、ヒドロキシ−C〜Cアルキル、特にヒドロキシ−C〜Cアルキル、例えば2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピルまたは4−ヒドロキシブチルなどである。
【0111】
ヒドロキシピペリジノ−低級アルキルは、例えば、3−もしくは4−ヒドロキシピペリジノ−C〜Cアルコキシ、例えば3−もしくは4−ヒドロキシピペリジノメトキシ、2−(3−または4−ヒドロキシピペリジノ)エトキシ、3−(3−もしくは4−ヒドロキシピペリジノ)プロピルオキシまたは4−(3−もしくは4−ヒドロキシピペリジノ)ブチルオキシなどである。
【0112】
イミダゾリル−低級アルキルは、例えば、イミダゾリル−C〜Cアルキル、例えばイミダゾール−4−イル−メチル、2−(イミダゾール−4−イル)エチル、3−(イミダゾール−4−イル)プロピルまたは4−(イミダゾール−4−イル)ブチルなどである。
【0113】
イミダゾリル−低級アルコキシは、例えば、イミダゾリル−C〜Cアルコキシ、例えばイミダゾール−4−イル−メトキシ、2−(イミダゾール−4−イル)エトキシ、3−(イミダゾール−4−イル)プロピルオキシまたは4−(イミダゾール−4−イル)ブチルオキシなどである。
【0114】
イミダゾリル−低級アルキルは、例えば、イミダゾリル−C〜Cアルキル、例えばイミダゾール−4−イル−メチル、2−(イミダゾール−4−イル)エチル、3−(イミダゾール−4−イル)プロピルまたは4−(イミダゾール−4−イル)ブチルなどである。
【0115】
モルホリノカルボニル−低級アルキルは、例えば、モルホリノカルボニル−C〜Cアルキル、例えば1−モルホリノカルボニルエチル、3−モルホリノカルボニルプロピル、または1−(モルホリノカルボニル−2−メチル)プロピルなどである。
【0116】
モルホリノ−低級アルコキシは、N−酸化していてもよく、例えば、モルホリノ−C〜Cアルコキシ、例えば1−モルホリノエトキシ、3−モルホリノプロピルオキシ、または1−(モルホリノ−2−メチル)プロピルオキシである。
【0117】
モルホリノ−低級アルキルは、N−酸化していてもよく、例えば、モルホリノ−C〜Cアルキル、例えばモルホリノメチル、2−モルホリノエチル、3−モルホリノプロピルまたは1−もしくは2−(4−モルホリノ)ブチルなどである。
【0118】
低級アルカノイルは、例えば、C〜Cアルカノイル、特にC−Cアルカノイル、例えばアセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリルまたはピバロイルなどである。
【0119】
低級アルカノイルアミノは、例えば、N−C〜Cアルカノイルアミノ、例えばアセチルアミノまたはピバロイルアミノなどである。
【0120】
低級アルカノイルアミノは、例えば、N−C〜Cアルカノイルアミノ、例えばアセチルアミノまたはピバロイルアミノなどである。
【0121】
低級アルカノイルアミノ−低級アルキルは、例えば、N−C〜Cアルカノイルアミノ−C〜Cアルキル、例えば2−アセトキシアミノエチルなどである。
【0122】
低級アルカノイルアミノ−低級アルキルは、例えば、N−C〜Cアルカノイルアミノ−C〜Cアルキル、例えば2−アセトキシアミノエチルなどである。
【0123】
低級アルカノイル−低級アルコキシ(オキソ−低級アルコキシ)は、α位よりもより高い位置で低級アルカノイル基を担持し、例えば、C〜Cアルカノイル−C〜Cアルコキシ、例えば4−アセチルブトキシなどである。
【0124】
低級アルカノイルオキシ−低級アルキルは、α位よりもより高い位置で低級アルカノイルオキシ基を担持し、例えば、C〜Cアルカノイルオキシ−C〜Cアルキル、例えば4−アセトキシ−ブチルなどである。
【0125】
低級アルカンスルホニル−(ヒドロキシ)−低級アルコキシは、例えば、C〜Cアルカンスルホニル−C〜C(ヒドロキシ)アルコキシ、例えば3−メタンスルホニル−2−ヒドロキシ−プロピルオキシなどである。
【0126】
低級アルカンスルホニル−低級アルコキシは、例えば、C〜Cアルカンスルホニル−C〜Cアルコキシ、例えばメタンスルホニルメトキシまたは3−メタンスルホニル−2−ヒドロキシ−プロピルオキシなどである。
【0127】
低級アルカンスルホニルアミノ−低級アルコキシは、例えば、C〜Cアルカンスルホニルアミノ−C〜Cアルコキシ、例えばエタンスルホニルアミノメトキシ、2−エタンスルホニルアミノエトキシ、3−エタンスルホニルアミノプロピルオキシまたは3−(1,1−ジメチルエタンスルホニルアミノ)プロピルオキシなどである。
【0128】
低級アルカンスルホニルアミノ−低級アルキルは、例えば、C〜Cアルカンスルホニルアミノ−C〜Cアルキル、例えばエタンスルホニルアミノメチル、2−エタンスルホニルアミノエチル、3−エタンスルホニルアミノプロピルまたは3−(1,1−ジメチルエタンスルホニルアミノ)プロピルなどである。
【0129】
低級アルカンスルホニル−低級アルキルは、例えば、C〜Cアルカンスルホニル−C〜Cアルキル、例えばエタンスルホニルメチル、2−エタンスルホニルエチル、3−エタンスルホニルプロピルまたは3−(1,1−ジメチルエタンスルホニル)プロピルなどである。
【0130】
低級アルケニルは、例えば、C〜Cアルケニル、例えばビニルまたはアリルなどである。
【0131】
低級アルケニルオキシは、例えば、C〜Cアルケニルオキシ、例えばアリルオキシなどである。
【0132】
低級アルケニルオキシ−低級アルコキシは、例えば、C〜Cアルケニルオキシ−C〜Cアルコキシ、例えばアリルオキシメトキシなどである。
【0133】
低級アルケニルオキシ−低級アルキルは、例えば、C〜Cアルケニルオキシ−C〜Cアルキル、例えばアリルオキシメチルなどである。
【0134】
低級アルコキシは、例えば、C〜Cアルコキシ、好ましくはC〜Cアルコキシ、例えばメトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、イソブチルオキシ、二級ブチルオキシ、三級ブチルオキシ、ペンチルオキシまたはヘキシルオキシもしくはヘプチルオキシ基などである。
【0135】
低級アルコキシカルボニルは、例えば、C〜Cアルコキシカルボニル、好ましくはC〜Cアルコキシカルボニル、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロピルオキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、ブチルオキシカルボニル、イソブチルオキシカルボニル、二級ブチルオキシカルボニル、三級ブチルオキシ、ペンチルオキシカルボニルもしくはヘキシルオキシカルボニルまたはヘプチルオキシカルボニル基などである。
【0136】
低級アルコキシカルボニル−(ヒドロキシ)−低級アルキルは、例えば、C〜Cアルコキシカルボニル−C〜C(ヒドロキシ)アルキル、例えば1−メトキシカルボニル−または1−エトキシカルボニル−2−ヒドロキシ−エチルなどである。
【0137】
低級アルコキシカルボニルアミノ−低級アルコキシは、例えば、C〜Cアルコキシカルボニルアミノ−C〜Cアルコキシ、好ましくはC〜Cアルコキシカルボニルアミノ−C〜Cアルコキシ、例えばメトキシカルボニルアミノ−C〜Cアルコキシ、エトキシカルボニルアミノ−C〜Cアルコキシ、プロピルオキシカルボニルアミノ−C〜Cアルコキシ、イソブチルオキシカルボニルアミノ−C〜Cアルコキシ、ブチルオキシカルボニルアミノ−C〜Cアルコキシ、イソブチルオキシカルボニルアミノ−C〜Cアルコキシ、二級ブチルオキシカルボニルアミノ−C〜Cアルコキシまたは三級ブチルオキシアミノ−C〜Cアルコキシなどであり、C〜Cアルコキシは、例えば、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ブチルオキシ、ペンチルオキシまたはヘキシルオキシなどである。
【0138】
低級アルコキシカルボニルアミノ−低級アルキルは、例えば、C〜Cアルコキシカルボニルアミノ−C〜Cアルキル、好ましくはC〜Cアルコキシカルボニルアミノ−C〜Cアルキル、例えばメトキシカルボニル−C〜Cアルキル、エトキシカルボニルアミノ−C〜C−アルキル、プロピルオキシカルボニルアミノ−C〜C−アルキルイソプロピルオキシカルボニルアミノ−C〜Cアルキル、ブチルオキシカルボニルアミノ−C〜Cアルキル、イソブチルオキシカルボニルアミノ−C〜Cアルキル、二級ブチルオキシカルボニルアミノ−C〜Cアルキルまたは三級ブチルオキシアミノ−C〜Cアルキルなどであり、C〜Cアルキルは、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルまたはヘキシルなどである。
【0139】
低級アルコキシカルボニル−低級アルコキシは、例えば、C〜Cアルコキシカルボニル−C〜Cアルコキシ、例えばメトキシカルボニル−またはエトキシカルボニル−メトキシ、2−メトキシカルボニル−もしくは2−エトキシカルボニル−エトキシ、2−もしくは3−メトキシカルボニル−もしくは2−または3−エトキシカルボニル−プロピルオキシまたは4−メトキシカルボニル−もしくは4−エトキシカルボニル−ブチルオキシ、特にメトキシカルボニル−もしくはエトキシカルボニル−メトキシまたは3−メトキシカルボニル−もしくは3−エトキシカルボニル−プロピルオキシなどである。
【0140】
低級アルコキシカルボニル−低級アルキルは、例えば、C〜Cアルコキシカルボニル−C〜Cアルキル、例えばメトキシカルボニル−もしくはエトキシカルボニル−メトキシ、2−メトキシカルボニル−もしくは2−エトキシカルボニル−エトキシ、3−メトキシカルボニル−もしくは3−エトキシカルボニル−プロピルオキシまたは4−エトキシカルボニルブチルオキシなどである。
【0141】
低級アルコキシ−低級アルケニルは、例えば、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルケニル、例えば4−メトキシブタ−2−エニルなどである。
【0142】
低級アルコキシ−低級アルケニルオキシは、例えば、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルケニルオキシ、例えば4−メトキシブタ−2−エニルオキシなどである。
【0143】
低級アルコキシ−低級アルコキシは、例えば、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルコキシ、例えば2−メトキシ−、2−エトキシ−もしくは2−プロピルオキシ−エトキシ、3−メトキシ−もしくは3−エトキシ−プロピルオキシまたは4−メトキシブチルオキシ、特に3−メトキシプロピルオキシまたは4−メトキシブチルオキシなどである。
【0144】
低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキルは、例えば、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル、例えば2−メトキシ−、2−エトキシ−もしくは2−プロピルオキシ−エトキシメチル、2−(2−メトキシ−、2−エトキシ−もしくは2−プロピルオキシ−エトキシ)エチル、3−(3−メトキシ−もしくは3−エトキシ−プロピルオキシ)プロピルまたは4−(2−メトキシブチルオキシ)ブチル、特に2−(3−メトキシプロピルオキシ)エチルまたは2−(4−メトキシブチルオキシ)エチルなどである。
【0145】
低級アルコキシ−低級アルキルは、例えば、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル、例えばエトキシメチル、プロピルオキシメチル、ブチルオキシメチル、2−メトキシ−、2−エトキシ−または2−プロピルオキシ−エチル、3−メトキシ−または3−エトキシ−プロピルまたは4−メトキシブチル、特に3−メトキシプロピルまたは4−メトキシブチルなどである。
【0146】
低級アルコキシピペリジノ−低級アルキルは、例えば、ピペリジノ−、ヒドロキシピペリジノ−または低級アルコキシピペリジノ−C〜Cアルキル、例えばピペリジノメチル、4−ヒドロキシピペリジノメチルまたは4−C〜Cアルコキシ−、例えば4−メトキシ−ピペリジノメチルなどである。
【0147】
低級アルコキシピペリジノ−低級アルキルは、例えば、C〜Cアルコキシピペリジノ−C〜Cアルキル、例えば4−C〜Cアルコキシ−ピペリジノメチル、特に4−メトキシピペリジノメチルなどである。
【0148】
低級アルキルは、直鎖もしくは分枝、および/または架橋されていてもよく、例えば、対応するC〜Cアルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、二級ブチルもしくは三級ブチル、またはペンチル、ヘキシルもしくはヘプチル基である。低級アルキルRまたはRは、特にC〜Cアルキルであり、低級アルキルRまたはRは、特に分枝のC〜Cアルキルであり、低級アルキルRまたはRは、例えば、直鎖、分枝または架橋されたC〜Cアルキルである。
【0149】
低級アルキルアミノは、例えば、C〜Cアルキルアミノ、例えばメチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノ、イソブチルアミノ、二級ブチルアミノまたは三級ブチルアミノなどである。
【0150】
低級アルキルアミノ−低級アルコキシは、例えば、C〜Cアルキルアミノ−C〜Cアルコキシ、例えばプロピルアミノメトキシ、2−メチルアミノ−、2−エチルアミノ−、2−プロピルアミノ−もしくは2−ブチルアミノ−エトキシ、3−エチルアミノ−もしくは3−プロピルアミノ−プロピルオキシまたは4−メチルアミノブトキシなどである。
【0151】
低級アルキルアミノ−低級アルキルは、例えば、C〜Cアルキルアミノ−C〜Cアルキル、例えばプロピルアミノメチル、2−メチルアミノ−、2−エチルアミノ−、2−プロピルアミノ−もしくは2−ブチルアミノ−エチル、3−エチルアミノ−もしくは3−プロピルアミノ−プロピルまたは4−メチルアミノブチルなどである。
【0152】
低級アルキルカルバモイル−低級アルコキシは、例えば、N−C〜Cアルキルカルバモイル−C〜Cアルコキシ、例えばメチル−もしくはジメチル−カルバモイル−C〜Cアルコキシ、例えばメチルカルバモイルメトキシ、2−メチルカルバモイルエトキシまたは3−メチルカルバモイルプロピルオキシなどである。
【0153】
低級アルキレンジオキシは、例えば、メチレンジオキシまたはエチレンジオキシなどであるが、1,3−もしくは1,2−プロピレンジオキシであってもよい。
【0154】
低級アルキルスルファモイル−低級アルキルは、例えば、N−C〜Cアルキルスルファモイル−C〜Cアルキル、例えばN−メチル−、N−エチル−、N−プロピル−もしくはN−ブチル−スルファモイル−C〜Cアルキル、例えばN−メチル−、N−エチル−、N−プロピル−もしくはN−ブチル−スルファモイルメチル、2−(N−メチルスルファモイル)エチル、2−(N−ブチルスルファモイル)エチル、3−(N−メチルスルファモイル)プロピル、3−(N−ブチルスルファモイル)プロピル、もしくは4−(N−メチルスルファモイル)ブチル、4−(N−ブチルスルファモイル)ブチルもしくは4−(N,N−ジメチルスルファモイル)ブチル、特にN−メチル−、N−ブチル−もしくはN,N−ジメチル−スルファモイルメチルなどである。
【0155】
低級アルキルチオ−(ヒドロキシ)−低級アルコキシは、例えば、N−C〜Cアルキルチオ−C〜C(ヒドロキシ)アルコキシ、例えば2−ヒドロキシ−3−メチルチオプロピルオキシなどである。
【0156】
オキサゾリル−低級アルキルは、例えば、オキサゾリル−C〜Cアルキル、例えば2−(1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)エチル、3−(1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)プロピルもしくは4−(1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)ブチルなどである。
【0157】
低級アルキルチオ−低級アルコキシは、例えば、N−C〜Cアルキルチオ−C〜Cアルコキシ、例えばメチルチオ−C〜Cアルコキシ、例えばメチルチオメトキシ、2−メチルチオエトキシもしくは3−メチルチオプロピルオキシなどである。
【0158】
低級アルキルチオ−低級アルキルは、例えば、N−C〜Cアルキルチオ−C〜Cアルキル、例えばメチルチオ−C〜Cアルキル、例えばメチルチオメチル、2−メチルチオエチルもしくは3−メチルチオプロピルなどである。
【0159】
N’−低級アルカノイルピペラジノ−低級アルコキシは、例えば、N’−低級アルカノイルピペラジノ−C〜Cアルコキシ、例えば4−アセチルピペラジノメトキシなどである。
【0160】
N’−低級アルカノイルピペラジノ−低級アルキルは、例えば、N’−C〜C低級アルカノイルピペラジノ−C〜Cアルキル、例えば4−アセチルピペラジノメチルなどである。
【0161】
N’−低級アルキルピペラジノ−低級アルキルは、例えば、N’−C〜Cアルキルピペラジノ−C〜Cアルキル、例えば4−メチルピペラジノメチルなどである。
【0162】
オキソ−低級アルコキシは、例えば、オキソ−C〜Cアルコキシ、例えば3,3−ジメチル−2−オキソ−ブチルオキシなどである。
【0163】
ピペラジノ−低級アルキルは、例えば、ピペラジノ−C〜Cアルキル、例えばピペラジノメチル、2−ピペラジノエチルまたは3−ピペラジノプロピルなどである。
【0164】
ピペリジノ−低級アルコキシは、例えば、ピペリジノ−C〜Cアルコキシ、例えばピペリジノメトキシ、2−ピペリジノエトキシまたは3−ピペリジノプロピルオキシなどである。
【0165】
ピペリジノ−低級アルキルは、例えば、ピペリジノ−C〜Cアルキル、例えばピペリジノメチル、2−ピペリジノエチルまたは3−ピペリジノプロピルなどである。
【0166】
ポリハロ−低級アルカンスルホニルアミノ−低級アルコキシは、例えば、トリフルオロ−C〜Cアルカンスルホニル−C〜Cアルコキシ、例えばトリフルオロメタンスルホニルアミノブチルオキシなどである。
【0167】
ポリハロ−低級アルカンスルホニルアミノ−低級アルキルは、例えば、トリフルオロ−C〜Cアルカンスルホニル−C〜Cアルキル、例えばトリフルオロメタンスルホニルアミノブチルなどである。
【0168】
ピリミジニル−低級アルコキシは、例えば、ピリミジニル−C〜Cアルコキシ、例えばピリミジニルメトキシ、2−ピリミジニルエトキシまたは3−ピリミジニルプロピルオキシなどである。
【0169】
ピリミジニル−低級アルキルは、例えば、ピリミジニル−C〜Cアルキル、例えばピリミジニルメチル、2−ピリミジニルエチルまたは3−ピリミジニルプロピルなどである。
【0170】
ピロリジノ−低級アルコキシは、例えば、ピロリジノ−C〜Cアルコキシ、例えば2−ピロリジノエトキシまたは3−ピロリジノプロピルオキシなどである。
【0171】
ピロリジノ−低級アルキルは、例えば、ピロリジノ−C〜Cアルキル、例えばピロリジノメチル、2−ピロリジノエチルまたは3−ピロリジノプロピルなどである。
【0172】
S,S−ジオキソチオモルホリノ−低級アルキルは、例えば、S,S−ジオキソチオモルホリノ−C〜Cアルキル、例えばS,S−ジオキソチオモルホリノメチルまたは2−(S,S−ジオキソ)チオモルホリノエチルなどである。
【0173】
S−オキソチオモルホリノ−低級アルキルは、例えば、S−オキソチオモルホリノ−C〜Cアルキル、例えばS−オキソチオモルホリノメチルまたは2−(S−オキソ)チオモルホリノエチルなどである。
【0174】
スルファモイル−低級アルキルは、例えば、スルファモイル−C〜Cアルキル、例えばスルファモイル−C〜Cアルキル、例えばスルファモイルメチル、2−スルファモイルエチル、3−スルファモイルプロピルまたは4−スルファモイルブチルなどである。
【0175】
テトラゾリル−低級アルキルは、例えば、テトラゾリル−C〜Cアルキル、例えばテトラゾール−5−イルメチル、2−(テトラゾール−5−イル)エチル、3−(テトラゾール−5−イル)プロピルまたは4−(テトラゾール−4−イル)ブチルなどである。
【0176】
チアゾリニル−低級アルコキシは、例えば、チアゾリニル−C〜Cアルコキシ、例えばチアゾリニルメトキシ、2−チアゾリニルメトキシまたは3−チアゾリニルプロピルオキシなどである。
【0177】
チアゾリニル−低級アルキルは、例えば、チアゾリニル−C〜Cアルキル、例えばチアゾリニルメチル、2−チアゾリニルエチルまたは3−チアゾリニルプロピルなどである。
【0178】
チアゾリル−低級アルコキシは、例えば、チアゾリル−C〜Cアルコキシ、例えばチアゾリルメトキシ、2−チアゾリルエトキシまたは3−チアゾリルプロピルオキシなどである。
【0179】
チアゾリル−低級アルキルは、例えば、チアゾリル−C〜Cアルキル、例えばチアゾリルメチル、2−チアゾリルエチルまたは3−チアゾリルプロピルなどである。
【0180】
チオモルホリノ−低級アルキルまたはS,S−ジオキソチオモルホリノ−低級アルキルは、例えば、チオモルホリノ−C〜Cアルキル、例えば−メチルもしくは−エチル、またはS,S−ジオキソチオモルホリノ−C〜Cアルキル、例えば−メチルもしくは−エチルなどである。
【0181】
不斉炭素原子が存在するかどうかに応じて、本明細書中に記載されている化合物は、異性体の混合物、特にラセミ体として、または純粋な異性体、特に光学対掌体の形態で存在することができる。
【0182】
塩形成基を有する化合物の塩は、特に酸付加塩、塩基との塩、またはいくつかの塩形成基が存在する場合、混合塩または分子内塩であってもよい。
【0183】
塩は、特に式Iの化合物の薬学的に許容される塩または無毒性の塩である。
【0184】
このような塩は、例えばカルボキシ基またはスルホ基などの酸性基を有する式(I)の化合物により形成され、例えば適切な塩基との塩、例えば元素周期表Ia、Ib、IIaおよびIIb族金属に由来する無毒性金属塩、例えばアルカリ金属塩、特にリチウム塩、ナトリウム塩、またはカリウム塩、またはアルカリ土類金属塩、例えばマグネシウム塩、またはカルシウム塩、さらに亜鉛塩またはアンモニウム塩、ならびに有機アミンと形成される塩、例えば非置換もしくはヒドロキシ置換されたモノ−、ジ−またはトリ−アルキルアミン、特にモノ−、ジ−またはトリ−低級アルキルアミン、または第四級アンモニウム塩基と形成される塩、例えばメチル−、エチル−、ジエチル−もしくはトリエチル−アミン、モノ−、ヒス−もしくはトリス−(2−ヒドロキシ−低級アルキル)−アミン、例えばエタノール−、ジエタノール−もしくはトリエタノール−アミン、トリス−(ヒドロキシメチル)−メチルアミンまたは2−ヒドロキシ−tert−ブチルアミン、N,N−ジ−低級アルキル−N−(ヒドロキシ−低級アルキル)−アミン、例えばN,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−アミン、またはN−メチル−D−グルカミン、または第四級アンモニウムヒドロオキシド、例えばテトラブチルアンモニウムヒドロオキシドと形成される塩である。塩基性基、例えばアミノ基などを有する式(I)の化合物は、例えば適切な無機酸、例えばハロゲン化水素酸、例えば塩酸または臭化水素酸、硫酸(1つまたは両方のプロトンが置換されている)、リン酸(1つまたは複数のプロトンが置換されている)、例えばオルトリン酸またはメタリン酸、またはピロリン酸(1つまたは複数のプロトンが置換されている)、または有機カルボン酸、スルホン酸、スルホもしくはホスホン酸またはN−置換スルファミン酸、例えば酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、コハク酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、メチルマレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、グルカル酸、グルクロン酸、クエン酸、安息香酸、ケイヒ酸、マンデル酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、2−フェノキシ安息香酸、2−アセトキシ安息香酸、エンボン酸(=パモン酸)、ニコチン酸またはイソニコチン酸、ならびにアミノ酸、例えば本明細書中で以前に記述したα−アミノ酸、およびメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、エタン−1,2−二スルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、2−もしくは3−ホスホグリセラート、グルコース−6−ホスフェート、またはN−シクロヘキシルスルファミン酸(シクラメートを形成)または他の酸性有機化合物、例えばアスコルビン酸との酸付加塩を形成し得る。酸性基および塩基性基を有する式Iの化合物は、分子内塩も形成し得る。
【0185】
本明細書の一実施形態では、単離および精製の目的で、薬学的に許容できない塩を使用することも可能である。
【0186】
下記の化合物のグループは、限定的とみなされるものではない。むしろ、例えば一般的定義を、より具体的な定義で置き換えるために、化合物のこれらの基の部分を、上に与えられた定義に対して、取り換えるもしくは交換する、または必要に応じて省略することができる。
【0187】
本発明は、特に、
が、水素、ヒドロキシ、低級アルコキシ、シクロアルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、カルボキシ−低級アルコキシ、低級アルコキシカルボニル−低級アルコキシ、カルバモイル−低級アルコキシまたはN−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキルカルバモイル−低級アルコキシであり、
が、水素、低級アルキル、シクロアルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキル、シクロアルコキシ−低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルカノイルオキシ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルコキシ、ハロ−(ヒドロキシ)−低級アルコキシ、低級アルカンスルホニル−(ヒドロキシ)−低級アルコキシ、アミノ−低級アルキル、低級アルキルアミノ−低級アルキル、ジ−低級アルキルアミノ−低級アルキル、低級アルカノイルアミノ−低級アルキル、低級アルコキシカルボニル−アミノ−低級アルキル、アミノ−低級アルコキシ、低級アルキルアミノ−低級アルコキシ、ジ−低級アルキルアミノ−低級アルコキシ、低級アルカノイルアミノ−低級アルコキシ、低級アルコキシカルボニル−アミノ−低級アルコキシ、オキソ−低級アルコキシ、低級アルコキシ、シクロアルコキシ、低級アルケニルオキシ、シクロアルコキシ−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルケニル、低級アルケニルオキシ−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルケニルオキシ、低級アルケニルオキシ−低級アルキル、低級アルカノイル−低級アルコキシ、低級アルキルチオ−低級アルコキシ、低級アルカンスルホニル−低級アルコキシ、低級アルキルチオ−(ヒドロキシ)−低級アルコキシ、アリール−低級アルコキシ、チアゾリルチオ−低級アルコキシもしくはチアゾリニルチオ−低級アルコキシ、イミダゾリルチオ−低級アルコキシ、場合によってN−酸化したピリジルチオ−低級アルコキシ、ピリミジニルチオ−低級アルコキシ、シアノ−低級アルコキシ、低級アルコキシカルボニル−低級アルコキシ、カルバモイル−低級アルコキシ、N−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキルカルバモイル−低級アルコキシ、カルボキシ−低級アルキル、低級アルコキシカルボニル−低級アルキル、カルバモイル−低級アルキルまたはN−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキルカルバモイル−低級アルキルであり、
が、低級アルキル、ポリハロ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、シクロアルコキシ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルキルチオ−低級アルキル、低級アルカンスルホニル−低級アルキル、場合によって部分的に水素化したもしくはN−酸化したピリジル−低級アルキル、チアゾリル−チオ−低級アルキルもしくはチアゾリニルチオ−低級アルキル、イミダゾリルチオ−低級アルキル、場合によってN−酸化したピリジルチオ−低級アルキル、ピリミジニルチオ−低級アルキル、アミノ−低級アルキル、低級アルキルアミノ−低級アルキル、ジ−低級アルキルアミノ−低級アルキル、低級アルカノイル−アミノ−低級アルキル、低級アルカンスルホニルアミノ−低級アルキル、ポリハロ−低級アルカン−スルホニルアミノ−低級アルキル、ピロリジノ−低級アルキル、ピペリジノ−低級アルキル、ピペラジノ−、N’−低級アルキルピペラジノ−もしくはN’−低級アルカノイルピペラジノ−低級アルキル、モルホリノ−低級アルキル、チオモルホリノ−、S−オキソチオモルホリノ−もしくはS,S−ジオキソチオ−モルホリノ−低級アルキル、シアノ−低級アルキル、カルボキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−カルボニル−低級アルキル、カルバモイル−低級アルキル、N−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキル−カルバモイル−低級アルキル、シクロアルキル;非置換であるか、または低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、低級アルキルアミノ、ジ−低級アルキルアミノ、ハロゲンおよび/もしくはトリフルオロメチルで一置換、二置換もしくは三置換されたフェニルまたはナフチル;ヒドロキシ、低級アルコキシ、シクロアルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、シクロアルコキシ−低級アルコキシ、ヒドロキシ−低級アルコキシ;非置換であるか、または低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、低級アルキルアミノ、ジ−低級アルキルアミノ、ハロゲンおよび/もしくはトリフルオロメチルで一置換、二置換もしくは三置換されたフェニル−低級アルコキシもしくはナフチル−低級アルコキシ;低級アルコキシ、ポリハロ−低級アルコキシ、低級アルキルチオ−低級アルコキシ、低級アルカンスルホニル−低級アルコキシ、場合によって水素化したヘテロアリール−低級アルコキシ、場合によって部分的にまたは完全に水素化したヘテロアリールチオ−低級アルコキシ、例えばチアゾリルチオ−低級アルコキシまたはチアゾリニルチオ−低級アルコキシ、イミダゾリルチオ−低級アルコキシなど、場合によってN−酸化したピリジルチオ−低級アルコキシ、ピリミジニルチオ−低級アルコキシ、アミノ−低級アルコキシ、低級アルキルアミノ−低級アルコキシ、ジ−低級アルキルアミノ−低級アルコキシ、低級アルカノイルアミノ−低級アルコキシ、低級アルカンスルホニルアミノ−低級アルコキシ、ポリハロ−低級アルカンスルホニルアミノ−低級アルコキシ、ピロリジノ−低級アルコキシ、ピペリジノ−低級アルコキシ、ピペラジノ−、N’−低級アルキルピペラジノ−もしくはN’−低級アルカノイルピペラジノ−低級アルコキシ、モルホリノ−低級アルコキシ、チオモルホリノ−、S−オキソチオモルホリノ−もしくはS,S−ジオキソチオモルホリノ−低級アルコキシ、シアノ−低級アルコキシ、カルボキシ−低級アルコキシ、低級アルコキシカルボニル−低級アルコキシ、カルバモイル−低級アルコキシまたはN−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキルカルバモイル−低級アルコキシ、またはRと一緒になって、低級アルキレンジオキシまたは縮合したベンゾまたはシクロヘキセノ環であり、
が、Rと一緒になって、低級アルキレンジオキシまたは縮合したベンゾもしくはシクロヘキセノ環であるか、または水素、低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシもしくはシクロアルコキシであり、
Xが、メチレンまたはヒドロキシメチレンであり、
が、低級アルキルまたはシクロアルキルであり、
が、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ−低級アルキルアミノまたは低級アルカノイルアミノであり、
が、非置換であるか、または低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、低級アルキルアミノ、ジ−低級アルキルアミノ、ハロゲンおよび/もしくはトリフルオロメチルで一置換、二置換もしくは三置換された、低級アルキル、低級アルケニル、シクロアルキル、またはフェニル−もしくはナフチル−低級アルキルであり、
が、低級アルキル、シクロアルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルカノイルオキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキルまたは低級アルケニルオキシ−低級アルキル、アミノ−低級アルキル、低級アルカノイルアミノ−低級アルキル、N−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキルアミノ−低級アルキル、場合によってヒドロキシル化したもしくは低級アルコキシル化したピペリジノ−低級アルキル、例えばピペリジノ−低級アルキル、ヒドロキシピペリジノ−低級アルキルまたは低級アルコキシピペリジノ−低級アルキル、ピペラジノ−、N’−低級アルキルピペラジノ−もしくはN’−低級アルカノイルピペラジノ−低級アルキル、非置換もしくは低級アルキル化したモルホリノ−低級アルキル、例えばモルホリノ−低級アルキルもしくはジメチルモルホリノ−低級アルキル、または場合によってS−酸化したチオモルホリノ−低級アルキル、例えばチオモルホリノ−低級アルキル、S,S−ジオキソチオモルホリノ−低級アルキル、カルボキシ−低級アルキル、低級アルコキシカルボニル−低級アルキル、カルバモイル−低級アルキル、N−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキルカルバモイル−低級アルキル、ジカルボキシ−低級アルキル、ジ−低級アルコキシカルボニル−低級アルキル、ジカルバモイル−低級アルキル、ジ−(N−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキルカルバモイル)−低級アルキル、カルボキシ−(ヒドロキシ)−低級アルキル、低級アルコキシ−カルボニル−(ヒドロキシ)−低級アルキルもしくはカルバモイル−(ヒドロキシ)−低級アルキル、シアノ−低級アルキル、低級アルカンスルホニル−低級アルキル、スルファモイル−低級アルキル、低級アルキル−スルファモイル−低級アルキル、ジ−低級アルキルスルファモイル−低級アルキル、チオカルバモイル−低級アルキル、低級アルキルチオカルバモイル−低級アルキル、ジ−低級アルキルチオカルバモイル−低級アルキル、ピロリジニル、イミダゾリル、ベンズイミダゾリル、オキサジアゾリル、ピリジル、オキソピペリジニル、キノリニル、非置換もしくはN−低級アルカノイル化したピペリジルもしくはピロリジニル、イミダゾリル−低級アルキル、ベンズイミダゾリル−低級アルキル、オキサジアゾリル−低級アルキル、ピリジル−低級アルキル、非置換もしくはN−低級アルカノイル化したピペリジル−低級アルキルまたはピロリジニル−低級アルキル、オキソピペリジニル−低級アルキル、キノリニル−低級アルキル、モルホリノ−カルボニル−低級アルキルまたは非置換もしくはN−低級アルカノイル化したピペリジル−低級アルキルである、
式(I)の化合物およびその塩を生成することに関する。
【0188】
本発明は、
が、水素であり、
が、低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキル;非置換であるか、または低級アルキル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、ニトロおよび/またはアミノで置換されたフェニル−低級アルコキシ;場合によってN−酸化したピリジル−低級アルコキシ、低級アルキルチオ−低級アルコキシ、低級アルカン−スルホニル−低級アルコキシ、低級アルカノイル−低級アルコキシ、場合によってN−酸化したピリジル−低級アルコキシ、シアノ−低級アルコキシ、カルボキシ−低級アルコキシ、低級アルコキシカルボニル−低級アルコキシ、カルバモイル−低級アルコキシ、低級アルキルカルバモイル−低級アルコキシまたはジ−低級アルキルカルバモイル−低級アルコキシであり、
が、水素、低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシまたはポリハロ−低級アルコキシであるか、またはRと一緒になって、低級アルキレンジオキシであり、
が、水素であり、またはRと一緒になって低級アルキルイデンジオキシであり、
Xが、メチレンまたはヒドロキシメチレンであり、
が、低級アルキルまたはシクロアルキルであり、
が、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ−低級アルキルアミノまたは低級アルカノイルアミノであり、
が、低級アルキルであり、および
が、低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、低級アルカノイル−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルケニルオキシ−低級アルキル、アミノ−低級アルキル、低級アルカノイルアミノ−低級アルキル、例えば2−(C〜Cアルカノイルアミノ)−2−メチル−プロピル、例えば2−アセチルアミノ−2−メチル−プロピルまたは2−ホルミルアミノ−2−メチル−プロピル、N−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキルアミノ−低級アルキル、ピペリジノ−低級アルキル、ヒドロキシピペリジノ−低級アルキル、低級アルコキシピペリジノ−低級アルキル、モルホリノ−低級アルキル、ジメチルモルホリノ−低級アルキル、チオモルホリノ−低級アルキル、S,S−ジオキソチオモルホリノ−低級アルキル、カルボキシ−低級アルキル、低級アルコキシカルボニル−低級アルキル、カルバモイル−低級アルキル、N−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキルカルバモイル−低級アルキル、カルボキシ−(ヒドロキシ)−低級アルキル、低級アルコキシカルボニル−(ヒドロキシ)−低級アルキル、カルバモイル−(ヒドロキシ)−低級アルキル、5もしくは6員のカルボキシシクロアルキル−低級アルキル、5もしくは6員の低級アルコキシカルボニル−シクロアルキル−低級アルキル、5もしくは6員のカルバモイルシクロアルキル−低級アルキル、5もしくは6員のN−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキルカルバモイルシクロアルキル−低級アルキル、シアノ−低級アルキル、低級アルカンスルホニル−低級アルキル、スルファモイル−低級アルキル、低級アルキルスルファモイル−低級アルキル、またはジ−低級アルキルスルファモイル−低級アルキル、イミダゾリル−低級アルキル、オキソピロリジニル−低級アルキル、ベンズイミダゾリル−低級アルキル、オキサジアゾリル−低級アルキル、ピリジル−低級アルキル、オキソピペリジニル−低級アルキルまたはキノリニル−低級アルキル、ピペリジン−4−イル−低級アルキルまたは1−C〜C−低級アルカノイルピペリジン−4−イル−低級アルキルである、
式(I)の化合物およびその塩を生成することに特に関する。
【0189】
本発明は、とりわけ、
およびRが水素であり、
が、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルコキシ、例えば3−メトキシプロピルオキシ、またはC〜Cアルコキシ−C〜Cアルキル、例えば4−メトキシブチルであり、
が、C〜Cアルキル、例えばイソプロピルまたはtert−ブチル、またはC〜Cアルコキシ、例えばメトキシであり、
が、アミノであり、
Xが、メチレンであり、
およびRが、分枝のC〜Cアルキル、例えばイソプロピルであり、
が、カルバモイル−C〜Cアルキル、例えば2−もしくは3−カルバモイルプロピル、2−(3−カルバモイル)プロピルまたは1−(2−カルバモイル−2−メチル)プロピル、N−C〜Cアルキルカルバモイル−C〜Cアルキル、例えば3−(N−メチルカルバモイル)プロピル、1−(N−メチルカルバモイル)プロパ−2−イル、2−(N−メチル−カルバモイル)プロパ−1−イル、特に(2R)−(N−メチルカルバモイル)プロパ−1−イル、N,N−ジ−C〜Cアルキルカルバモイル−C〜Cアルキル、例えばN,N−ジメチルカルバモイルメチルまたは2−(N,N−ジメチルカルバモイル)エチル、3−(N,N−ジメチルカルバモイル)プロピル、モルホリノ−C〜Cアルキル、例えば2−モルホリノエチル、3−モルホリノプロピルまたは1−(2−モルホリノ−2−メチル)プロピル、チオモルホリノ−C〜Cアルキル、例えば2−チオモルホリノエチル、4−(1−C〜Cアルカノイルピペリジル)−C〜Cアルキル、例えば2−[4−(1−アセチル)ピペリジニル]エチル、2−オキソピロリジニル−C〜Cアルキル、例えば2−オキソピロリジン−5(S)−イルメチルもしくは2−オキソピロリジン−5(R)−イルメチルなどである、
式(I)の化合物およびその塩を生成することに関する。
【0190】
特に効果的なのは、主鎖の不斉炭素原子の少なくとも1個、例えば1個、2個または好ましくは4個すべてが、式(Ia)で示す立体化学の配置を有する、式(I)の化合物
【0191】
【化6】

(可変部分はそれぞれ上で定義された通りである)および薬学的に許容されるその塩である。
【0192】
したがって、本発明は、好ましくは、主鎖の不斉炭素原子の少なくとも1個、例えば1個、2個または好ましくは4個すべてが、式(Ia)に示した立体化学配置を有する式(I)の化合物を生成することに関する。
【0193】
本発明は、Xがメチレンである、好ましいと記載された式(I)および(Ia)の、上で定義の化合物を生成することにさらに特に関する。
【0194】
本発明は、実施例において記述されている式(I)の化合物を生成すること、およびその塩、特に薬学的に許容されるその塩に、具体的に関する。
【0195】
適切なラクトン環含有化合物および/またはラクタム環含有化合物は、本明細書中に記載されている条件下で、アミンおよび触媒(モノカルボン酸触媒または他の触媒のいずれか)と反応した場合、これらのラクトン環および/またはラクタム環を開環させることができる化合物を含むことができる。
【0196】
1つの非限定的実施形態では、ラクトン環含有化合物および/またはラクタム環含有化合物は、本明細書中に記載されているδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物以外のラクトン環含有化合物および/またはラクタム環含有化合物を含むことができる。
【0197】
ラクトンのいくつかの非限定的な例として、α−ラクトン、β−ラクトン、γ−ラクトン、δ−ラクトン、ε−ラクトンおよびζ−ラクトンが挙げられる。一実施形態では、ラクトン環含有化合物は、γ−デカノラクトン、β−ブチロラクトン、δ−デカノラクトン、β−プロピオラクトン、D−グルコノ−δ−ラクトン、ε−カプロラクトン、δ−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−カプロラクトン、(4R,4aS,7R,7aR)−4−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−7−メトキシ−2,2−ジメチルジヒドロ−4H−フロ[3,2−d][1,3]ジオキシン−6(4aH)−オン、(3aR,6R,6aR)−6−((tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)−2,2−ジメチルジヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4(3aH)−オン、および(3aR,4S,5R,6aS)−4−((tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)−5−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)メチル)ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−2−オン、およびこれらの組合せのうちの少なくとも1つである。
【0198】
別の実施形態では、δ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドへの中間体化合物は、一般式(IV):
【0199】
【化7】

(式中、R、R、R、R、R、R、およびXは、定義された通りであり、Xは、アミノ保護基である)である。
【0200】
この方法の好ましい変法は、活性化エステルとして、式(I)のカルボン酸に由来し、Xがメチレンである式(IV)を有する内部エステル(γ−ラクトン)と、以下に記載の、反応体中に存在する遊離官能基である式(V)HN−Rの化合物(ただし、所望する場合、上で記述されているように、保護された形態で反応に加わる基および上述のように取り除かれる任意の保護基を除く)を反応させることによって行われる。アミド結合の形成を用いたラクトン環の開環は、本明細書中に記載されている条件、場合によっては適切な触媒(カルボン酸またはカルボン酸以外の触媒のいずれか)の存在下で行うことができる。特に、γ−ラクトン(IV)は、以下に記載の式(V)HN−Rの一級アミンと、溶媒なしで、または極性溶媒、例えばメタノールまたはエタノールなどの低級アルコール、例えばテトラヒドロフランまたはジオキサンなどのエーテル、例えばアセトニトリルなどのニトリル、例えばジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−ピロリドンまたはヘキサメチルリン酸トリアミドなどのアミド、例えばN,N’−ジメチル−N,N’−プロピレン尿素などの尿素、例えばジエチレングリコールモノ−メチルエーテルなどの低級アルコキシ−低級アルカノールなどの存在下、ジメチルスルホキシド中、または記述されている溶媒の混合物または1つもしくは複数の記述されている溶媒と水との混合物中、室温〜150℃の温度、好ましくは約20℃〜100℃の温度で、およびカルボン酸触媒または非カルボン酸触媒、例えば2−ヒドロキシピリジンおよび/またはトリエチルアミンなどの存在下で反応させることができ、保護基に関しては、本明細書中で記述されているコメントが適用される。
【0201】
本発明は、主鎖の不斉炭素原子の少なくとも1個、例えば1個、2個または好ましくはすべてが式(IVa)
【0202】
【化8】

(可変部分はそれぞれ上で定義された通りである)に示す立体化学の配置を有する、式(IV)の中間体化合物およびその塩を使用する方法に特に関する。
【0203】
本発明は、
およびRが水素であり、
が、C〜Cアルコキシ−C〜Cアルコキシ、例えば3−メトキシプロピルオキシ、またはC〜Cアルコキシ−C〜C−アルキル、例えば3−メトキシブチルであり、
が、C〜Cアルキル、例えばイソプロピルまたはtert−ブチル、またはC〜Cアルコキシ、例えばメトキシであり、
Xが、メチレンであり、
およびRが、分枝のC〜Cアルキル、例えばイソプロピルであり、
が、C〜Cアルコキシカルボニル、例えばtert−ブトキシカルボニルである、
式(IVa)の中間体化合物およびその塩を使用する方法に極めて特に関する。
【0204】
またさらなる実施形態では、一般式(VI)のδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物が提供される
【0205】
【化9】

(式中、R、R、R、R、RおよびRは、定義された通りであり、および基−ORは、遊離またはエステル化またはエーテル化したヒドロキシル基であり、Rはヒドロキシル保護基である)。
【0206】
一実施形態では、δ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドへの中間体化合物は、好ましくは1,1−ジメチルエチル[(1S,3S)−3−[[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)フェニル]メチル]−4−メチル−1−[(2S,4S)−テトラヒドロ−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−2−フラニル]ペンチル]カルバメートを含むことができる。
【0207】
ラクタムのいくつかの非限定的な例として、α−ラクタム、β−ラクタム、γ−ラクタム、δ−ラクタム、ε−ラクタムおよびζ−ラクタムが挙げられる。
【0208】
本明細書中の一実施形態では、ラクトン環含有化合物およびラクタム環含有化合物は、一般式(A):
【0209】
【化10】

(式中、
は、C1〜7アルキルまたはC3〜8シクロアルキルであり、Rは、それぞれ非置換であるか、またはC1〜4アルキル、O−C1〜4アルキル、OH、C1〜4アルキルアミノ、ジ−C1〜4アルキルアミノ、ハロゲンおよび/もしくはトリフルオロメチルで一置換、二置換もしくは三置換された、C1〜7アルキル、C2〜7アルケニル、C3〜8シクロアルキルまたはフェニル−もしくはナフチル−C1〜4アルキルである)、またはその塩であってよい。本明細書中の一実施形態では、(A)のラクトン部分は、本明細書中に記載されている方式で最初に開環し、これに続いてラクタムを同一または異なる方式で引き続き開環でき、またはこれらを逆にして行うこともでき、その後所望する場合、このような化合物を本明細書中または他に記載されている方式でアリスキレンへと変換することができる。本明細書に物理的に付随されている米国特許公開第2008/0262246号は、アリスキレンを生成するための代替法を含有し、これら代替法は、本明細書中の開示にそれら全体が取り込まれ、その全体が対象開示の一部であると考えられる。
【0210】
本明細書において別の実施形態では、ラクトン環含有化合物およびラクタム環含有化合物は、一般式(B):
【0211】
【化11】

(式中、
各Rは、互いに独立して、水素、C1〜7アルキル、C3〜8シクロアルキルまたはベンジルであり、特に両方のRは、分枝のC3〜6アルキル例えばイソプロピルであり、
Actは、アミノ保護基から選択される活性化基である)またはその塩であってよい。
【0212】
加えて、上に記載の化合物(A)または(B)の任意の中間体、または任意のレニン阻害剤の中間体としてこれらから形成される化合物であって、ラクトン環および/またはラクタム環を含有する化合物は、本明細書においてラクトン環含有化合物および/またはラクタム環含有化合物として使用することができる。
【0213】
上で記述したように、ラクトン環含有化合物および/またはラクタム環含有化合物ならびにδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物を含む本明細書中に記載されている任意の化合物は、少なくとも1つの保護基を含有することができる。
【0214】
保護基の特徴とは、これらは、例えば加溶媒分解、還元、光分解または別法として生理的条件(例えば酵素の切断により)などにより、容易に(すなわち所望しない第2の反応を発生させることなく)取り除くことができることである。他の保護基は無傷のままで、保護基を異なるステップで選択的に取り除くことができるよう、異なる保護基を選択することできる。対応する代替は、当業者であれば容易に選択することができる。
【0215】
本明細書において、本明細書中に記載の保護基(複数可)とは、アミンとの反応の前に、ラクトン環含有化合物および/またはラクタム環含有化合物(またはその塩)ならびにδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物上に存在することができ、または別法として、アミンとの反応前に取り除くこともできることを理解されたい。このような保護基(複数可)がアミンとの反応前に取り除かれていない場合、このような保護基(複数可)は、アミンとのこのような反応の後、例えば本明細書中に記載されているように、レニン阻害剤中間体、レニン阻害剤、またはその塩のいずれか1つまたは複数を得ることができる変換ステップ(例えば、脱保護ステップ)において取り除くことができる。保護基は、当業者に既知の任意の方式で取り除くことができるが、このような方法は当業者には周知であるので、本明細書中では詳細に記述しないこととし、このような保護基は、本明細書中に記載されているままの方式で追加的に、または別法により取り除くこともできる。
【0216】
出発物質の中の官能基は、その反応は回避すべきであるため、特にカルボキシ、アミノ、ヒドロキシおよびメルカプト基などは、ペプチド化合物の合成、さらにセファロスポリンおよびペニシリンならびに核酸誘導体および糖の合成に通常使用されている適切な保護基(従来の保護基)により保護することができる。これらの保護基は、前駆体中にすでに存在していてよく、所望しない第2の反応、例えばアシル化、エーテル化、エステル化、酸化、加溶媒分解などから問題の官能基を保護することを意図する。特別の場合には、保護基はさらに、反応を選択的に、例えば立体選択的に進行させることができる。これは、保護基は容易に取り除くことができる、すなわち所望しない第2の反応を起こすことなく、例えば加溶媒分解、還元、光分解、さらに酵素学的に、例えば生理的条件下で容易に取り除くことができるという保護基の特徴である。しかし保護基はまた、最終生成物中に存在することもある。保護された官能基を有する式(I)の化合物は、より高い代謝安定性を有することができるか、または遊離官能基を有する対応する化合物よりも何か他の面で優れている薬力学的特性を有することができる。
【0217】
このような保護基による官能基の保護、保護基それ自体およびこれらの除去のための反応は、例えば標準的研究、例えばJ. F. W. McOmie, "Protective Groups in Organic Chemistry", Plenum Press, London and New York 1973, Th. W. Greene, "Protective Groups in Organic Synthesis", Wiley, New York 1981, "The Peptides", Volume 3(E. Gross and J. Meienhofer, eds.), Academic Press, London and New York 1981, "Methoden der organischen Chemie", Houben-Weyl, 4th edition, Volume 15/I, Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974、H.-D. Jakubke and H. Jescheit, "Aminosauren, Peptide, Proteine" ("Amino acids, peptides, proteins"), Verlag Chemie, Weinheim, Deerfield Beach and Basle 1982およびJochen Lehmann, "Chemie der Kohlenhydrate:Monosaccharide und Derivate" ("The Chemistry of Carbohydrates:Monosaccharides and Derivatives"), Georg Thieme Verlag, Stuttgart1974などにおいて記載されている。
【0218】
アミノ−保護基Xは、例えば低級アルカノイル、さらにアリールメチル、低級アルキルチオ、2−アシル−低級alk−1−エニルまたはシリル以外のアシル基である。基X−N(X)−はまた、アジド基の形態であってよい。
【0219】
低級アルカノイル以外のアシル基とは、例えば、ハロ−低級アルカノイル、例えば2−ハロアセチル、例えば2−クロロ−、2−ブロモ−、2−ヨード−、2,2,2−トリフルオロ−もしくは2,2,2−トリクロロ−アセチル、非置換もしくは置換された、例えばハロ−、低級アルコキシ−もしくはニトロ−置換された、ベンゾイル、例えばベンゾイル、4−クロロベンゾイル、4−メトキシベンゾイルまたは4−ニトロベンゾイルなどであるか、または低級アルキル基の1位で分枝しているか、または1もしくは2−位で適切に置換された低級アルコキシカルボニル、例えば三級低級アルコキシカルボニル、例えばtert−ブトキシカルボニル、アリールメトキシカルボニル(非置換であるか、または例えば、低級アルキル、例えば三級低級アルキル、例えば三級ブチルなど、低級アルコキシ、例えばメトキシ、ヒドロキシなど、ハロゲン、例えば塩素など、および/またはニトロで一置換もしくは多置換されているフェニルである、1つまたは2つのアリール基を有する)、例えばベンジルオキシカルボニル、非置換もしくは置換されたベンジルオキシカルボニル、例えば4−ニトロベンジルオキシカルボニル、ジフェニルメトキシカルボニル、フルオレニルメトキシカルボニルまたは置換されたジフェニルメトキシカルボニル、例えばジ(4−メトキシフェニル)メトキシカルボニル、アロイルメトキシカルボニル(このアロイル基は、好ましくは、非置換であるか、または、例えばハロゲン、例えば臭素などで置換されているベンゾイルである)、例えばフェナシルオキシカルボニル、2−ハロ−低級アルコキシカルボニル、例えば2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、2−ブロモエトキシカルボニルまたは2−ヨード−エトキシカルボニル、2−(三置換シリル)−低級アルコキシカルボニル、例えば2−トリ−低級アルキルシリル−低級アルコキシカルボニル、例えば2−トリメチルシリルエトキシカルボニルまたは2−(ジ−n−ブチル−メチル−シリル)−エトキシカルボニル、またはトリアリールシリル−低級アルコキシカルボニル、例えば2−トリフェニルシリルエトキシカルボニルである。
【0220】
アミノ保護基として使用することができる2−アシル−低級alk−1−エニル基において、アシルは、例えば低級アルカンカルボン酸の対応する基であり、非置換であるか、または例えばメチルもしくは三級ブチルなどの低級アルキル、例えばメトキシなどの低級アルコキシ、例えば塩素などのハロゲン、および/もしくはニトロにより置換されている安息香酸の対応する基であり、または特に炭酸半エステル、例えば炭酸低級アルキル半エステルなどの対応する基である。対応する保護基は、特に1−低級アルカノイル−プロパ−1−エン−2−イル、例えば1−アセチル−プロパ−1−エン−2−イル、または低級アルコキシカルボニル−プロパ−1−エン−2−イル、例えば1−エトキシ−カルボニル−プロパ−1−エン−2−イルである。
【0221】
シリルアミノ基は、例えばトリ−低級アルキルシリルアミノ基、例えばトリメチルシリルアミノである。シリルアミノ基のケイ素原子はまた、2つの低級アルキル基、例えばメチル基のみで、および式(I)の第2の分子のアミノ基またはカルボキシ基で置換することもできる。このような保護基を有する化合物は、例えば、シリル化剤としてジメチルクロロシランを用いて調製することができる。
【0222】
アミノ基はまた、プロトン化された形態への変換により保護することもできる。適切な対応するアニオンは、特に強無機酸、例えば硫酸、リン酸またはハロゲン化水素酸などのもの、例えば塩素または臭素のアニオン、または有機スルホン酸、例えばp−トルエンスルホン酸などのアニオンである。
【0223】
好ましいアミノ−保護基Xは、炭酸半エステルのアシル基、例えば低級アルコキシカルボニル、特にtert−ブチルオキシカルボニルまたはフルオレニルメトキシカルボニル、非置換もしくは低級アルキル−、低級アルコキシ−、ニトロ−および/もしくはハロ−置換されたα−フェニル−もしくはα、α−ジフェニル−低級アルコキシカルボニル、例えばベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシ−カルボニルまたはジフェニルメトキシカルボニル、または2−ハロ−低級アルコキシカルボニル、例えば2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、さらにトリチルもしくはホルミルなどである。
【0224】
ヒドロキシ−保護基Xは、例えば、アシル基、例えば塩素などのハロゲンで置換された低級アルカノイル、例えば2,2−ジクロロアセチル、または特に、保護されたアミノ基に対して記述された炭酸半エステルのアシル基である。好ましいヒドロキシ−保護基は、例えば、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、4−ニトロベンジルオキシカルボニル、ジフェニルメトキシカルボニルまたはトリチルなどである。さらに適切なヒドロキシ−保護基Xは、トリ−低級アルキルシリル、例えばトリメチルシリル、トリイソプロピルシリルまたはジメチル−tert−ブチルシリル、容易に取り除くことができるエーテル化する基、例えばアルキル基、例えば三級低級アルキル、例えば三級ブチル、オキサ−もしくはチア−脂肪族または−脂環式の、特に2−オキサ−もしくは2−チア−脂肪族もしくは−脂環式の、炭化水素基、例えば1−低級アルコキシ−低級アルキルまたは1−低級アルキルチオ−低級アルキル、例えばメトキシメチル、1−メトキシエチル、1−エトキシエチル、メチルチオメチル、1−メチルチオエチルまたは1−エチルチオエチル、または5〜7個の環原子を有する2−オキサ−もしくは2−チア−シクロアルキル、例えば2−テトラヒドロフリルまたは2−テトラヒドロピラニル、または対応するチア類似物、さらに1−フェニル−低級アルキル、例えばベンジル、ジフェニルメチルまたはトリチルであり、このフェニル基は、例えば塩素などのハロゲン、例えばメトキシなどの低級アルコキシおよび/またはニトロで置換することができる。
【0225】
およびXが一緒になって形成された二価の保護基は、例えば、1つもしくは2つのアルキル基で置換されたメチレン基であり、したがって非置換もしくは置換されたアルキリデン、例えば低級アルキリデン、例えばイソプロピリデン、シクロアルキリデン、例えばシクロヘキシリデン、またカルボニルもしくはベンジリデンなどである。
【0226】
が反応によりエーテル化もしくはエステル化したヒドロキシの場合、末端基−(=O)−Xは、反応により官能的に修飾されたカルボン酸官能基であり、例えば、活性化エステルまたは無水物の形態である。反応性の酸誘導体もまたその場で形成することができる。
【0227】
本明細書中に記載されている任意のアミドのアミド窒素もまた、所望する場合保護することができ、次いで対応する保護された化合物、またはその塩において保護基を取り除くことができる。このような工程ステップもまた、本発明の実施形態を形成する。
【0228】
本明細書の別の実施形態では、任意のアミンを、ラクトン環含有化合物および/またはラクタム環含有化合物との反応のために使用することができることを理解されたい。このようなアミンの適切な非限定的な例として、アミノリシス反応において本明細書中に記載されているような、ラクトン環含有化合物および/またはラクタム環含有化合物ならびにδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物と反応させることができる任意のアミンを含むことができる。
【0229】
アミンのいくつかの適切な非限定的な例として、非置換もしくはヒドロキシ−置換されたモノ−、ジ−またはトリ−アルキルアミン、特にモノ−、ジ−またはトリ−低級アルキルアミン、または例えばメチル−、エチル−、ジエチル−もしくはトリエチル−アミン、モノ−、ヒス−もしくはトリス−(2−ヒドロキシ−低級アルキル)−アミン、例えばエタノール−、ジエタノール−もしくはトリエタノール−アミン、トリス−(ヒドロキシメチル)−メチルアミンまたは2−ヒドロキシ−tert−ブチルアミン、N,N−ジ−低級アルキル−N−(ヒドロキシ−低級アルキル)−アミン、例えばN,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−アミン、またはN−メチル−D−グルカミンなどを含むことができる。
【0230】
一実施形態では、アミンは、N三置換された(C1〜7アルキル、C3〜8シクロアルキル、フェニル、および/またはフェニル−C1〜4アルキル)アミンを含めた三級アミン、例えばトリメチルアミンの非限定的な例として、DBU、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリンまたは4−ジメチルアミノピリジンなどを含むことができる。
【0231】
アミンは、一級アミンおよび二級アミンのうちの少なくとも1つが好ましい。より好ましくは、アミンは、一般式(V)HN−Rの一級アミン(式中、Rは、Rに対して定義された通りであり、すなわち、低級アルキル、シクロアルキル、遊離もしくは脂肪族によりエステル化もしくはエーテル化したヒドロキシ−低級アルキル;非置換であるか、またはN−低級アルカノイル化したまたはN−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキル化しているか、または低級アルキレンにより、ヒドロキシ−、低級アルコキシ−もしくは低級アルカノイルオキシ−低級アルキレンにより、非置換またはN’−低級アルカノイル化したまたはN’−低級アルキル化したアザ−低級アルキレンにより、オキサ−低級アルキレンにより、または場合によってS−酸化したチア−低級アルキレンによりN,N−二置換されているアミノ−低級アルキル;遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したカルボキシ−低級アルキル、遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したジカルボキシ−低級アルキル、遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したカルボキシ−(ヒドロキシ)−低級アルキル、遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したカルボキシシクロアルキル−低級アルキル、シアノ−低級アルキル、低級アルカンスルホニル−低級アルキル、非置換またはN−モノ−またはN,N−ジ−低級アルキル化したチオカルバモイル−低級アルキル、非置換またはN−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキル化したスルファモイル−低級アルキル、または炭素原子を介して結合し、場合によって水素化したおよび/またはオキソ−置換したヘテロアリール基、または炭素原子を介して結合し、場合によって水素化し、および/またはオキソ−置換したヘテロアリール基により置換された低級アルキルである)またはその塩である。
【0232】
本明細書の「低級アルキレン」という表現は、約8個までの炭素原子、好ましくは約6個までの炭素原子を有するアルキレン基を含み得る。低級アルカノイルオキシはまた、「低級」という用語が、本明細書の「アルキル化したチオカルバモイル」および「アルキル化したスルファモイル」と関連して使用される場合と同様に、1〜約8個、好ましくは1〜約6個の炭素原子を含み得る。
【0233】
一級アミンの例として、C3〜8シクロアルキルアミン、例えばシクロヘキシルアミン、一級芳香族アミン、例えばアニリン、アリールアルキルアミン、例えばベンジルアミンなどが挙げられ、これには、アリール分枝アルキルアミン、例えばフェニル−もしくはナフチルエチルアミンなども含まれる。二級アミンとして、Nジ−置換された(C1〜7アルキル、C3〜8シクロアルキル、フェニル、および/またはフェニル−C1〜4アルキル)アミン、例えばジ(C1〜7アルキル)アミンまたはジシクロヘキシルアミンなどが挙げられる。
【0234】
アミンの1つの好ましい例として、式(VII)のアミンを含むことができる。
【0235】
【化12】

【0236】
本明細書で使用することができるカルボン酸は、ラクトン開環および/またはラクタム開環を起こすことによって、開環生成物(複数可)を得ることができ、次いでこれをアミンと反応させることによって、最終アミド生成物(複数可)を得ることができるような任意の酸を含むことができる。カルボン酸は、6〜約30個の炭素原子、より好ましくは約6〜約20個の炭素原子、最も好ましくは約6〜約18個の炭素原子を含有することが好ましい。カルボン酸に対する炭素原子の前記範囲の低い方の終点はまた、8、10および12個の炭素原子を含むことができる。
【0237】
カルボン酸は、一般式RCOOHのモノカルボン酸(式中、Rは、有機基、場合によってハロゲン化した基である)が好ましく、より好ましくは、この有機基は、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、置換アリール、およびアラルキルからなる群から選択される。Rに適したアルキル基は、メチル、トリクロロメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、イソヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、3−ヘプチル、4−ヘプチル、イソヘプチル、シクロヘプチル、ネオヘプチル;n−オクチル;2−オクチル;3−オクチル;4−オクチル;イソオクチル;ネオオクチル;n−ノニル;2−ノニル;3−ノニル;4−ノニル;5−ノニル;イソノニル;ネオノニル、およびn−デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、エイコシル、ヘニコシル、トリアコンチルなどからなる群から選択することができる。Rに対して好ましいアルキル基は、6〜8個の炭素原子の分枝のアルキルからなる群から選択することができる。一実施形態では、Rに対するアルキル基は、2−ヘキシル、3−ヘキシル、3−ヘプチル、4−ヘプチル、3−オクチル、4−オクチル、および5−オクチルからなる群から選択することができる。
【0238】
Rが飽和している適切なモノカルボン酸として、2−エチルヘキサン酸、2−プロピルペンタン酸、オクタン酸およびトリクロロ酢酸が挙げられる。
【0239】
上記モノカルボン酸の式のR基がシクロアルキルである場合、このようなシクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルからなる群から選択することができる。適切な環式モノカルボン酸として、シクロペンタン酸およびシクロヘキサンカルボン酸(シクロヘキサン酸)が挙げられる。
【0240】
適切なモノカルボン酸として、Rが不飽和であるもの、例えば、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、イソヘキセニルなどが挙げられる。適切な不飽和モノカルボン酸として、チグリン酸((E)−2−メチルブタ−2−エン)酸)および5−ヘキセン酸が挙げられる。
【0241】
モノカルボン酸のR基がアリールまたは置換アリールの場合、このような基は、フェニル、メトキシフェニル、アミン−置換フェニル、ハロゲン−置換フェニルなどであってよい。適切なアリールおよび置換アリールカルボン酸(carboxyclic)の例として、安息香酸、o−アニス酸(2−メトキシ安息香酸)、トリメチルアミノ安息香酸、2−メトキシ安息香酸、3−メトキシ安息香酸、2−メチル安息香酸、3−メチル安息香酸、3−ヨード安息香酸、3−クロロ安息香酸、f−トリフルオロメチル安息香酸、f−ニトロ安息香酸などが挙げられる。
【0242】
ポリカルボン酸もまた、本明細書の開環触媒としての使用に適している。有用なポリカルボン酸の中に含まれるのは、ジカルボン酸、例えばフマル酸、リンゴ酸および酒石酸などである。
【0243】
アミド結合を形成するための縮合は、1つの非限定的実施形態では、それ自体既知の方式、例えば標準的な研究、例えばHouben-Weyl, "Methoden der organischen Chemie ", 4th edition, Volume 15/II (1974), Volume IX(1955), Volume E11(1985), Georg Thieme Verlag, Stuttgart, "The Peptides" (E. Gross and J. Meienhofer, eds.), Volumes 1 and 2, Academic Press, Londonand New York, 1979/1980, またはM. Bodansky, "Principles of Peptide Synthesis ", Springer-Verlag, Berlin 1984などに記載された方法により行うことができるが、アミド結合を形成するためのこのような縮合はまた、他の1つの非限定的実施形態では、列挙したカルボン酸触媒の存在下で行われることを理解されたい。
【0244】
1つの非限定的実施形態では、縮合は、R. Merrifieldが考案、例えば、Angew. Chem.97、801-812 (1985)、Naturwissenschaften 71, 252-258(1984)において、または R.A.Houghten、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.82、5131-5135(1985)において記載されている、固体−相合成として知られている技法に従い行うことができる。
【0245】
1つの非限定的実施形態では、ラクトン環含有化合物および/またはラクタム環含有化合物またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物とアミンの反応は、カルボン酸触媒以外の触媒の存在下で行うことができる。カルボン酸触媒以外のこのような触媒のいくつかの例として、金属塩例えば、ナトリウム2−エチルヘクサノアート;トリエチルアミン;2−ヒドロキシピリジン;有機酸および無機酸;ならびにこれらの組合せが挙げられる。このような実施形態では、開環生成物、すなわち、このような触媒の存在下での、ラクトン環含有化合物および/もしくはラクタム環含有化合物またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物とアミンの反応生成物は、本明細書中に記載されている変換の対象とすることができ、具体的には、本明細書中に記載されている少なくとも1つの保護基の脱保護の対象とすることができる。
【0246】
本明細書の一実施形態では、カルボン酸の存在下での、ラクトン環含有化合物および/もしくはラクタム環含有化合物またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物とアミンの間の反応は、ラクトン環および/またはラクタム環の開環を得るために十分な条件下で行うことができる。開環のための条件は、選択された具体的な反応体および触媒に応じて異なる可能性があり、適宜に、および本明細書中に記載されているように調整することができる。例えば、開環のためのこのような条件とは、中でも、本明細書中に記載されているモル量、温度、および時間を含み得る。
【0247】
カルボン酸の存在下での、ラクトン環含有化合物および/またはラクタム環含有化合物またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物とアミンの間の反応に関して、このような開環は、溶媒の不在下、例えば溶融した状態で行うことができるが、ただし、場合によって本明細書中に記載されている溶媒を約.1M〜約2M、好ましくは、0.5M〜約1.5M、好ましくは約0.9M〜約1.1Mの量で使用してもよい。
【0248】
カルボン酸の存在下での、ラクトン環含有化合物および/もしくはラクタム環含有化合物またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物とアミンの間の反応の温度は、約20℃〜約140℃、好ましくは約70℃〜約130℃、最も好ましくは約100℃〜約120℃であってよい。本明細書のさらに別の実施形態では、カルボン酸の存在下での、ラクトン環含有化合物および/もしくはラクタム環含有化合物またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物とアミンの間の反応は、約90℃〜約125℃、好ましくは約115℃〜約125℃および最も好ましくは約118℃〜約122℃であってよい。
【0249】
驚くべきことに、本明細書中に記載されているカルボン酸触媒を、使用するラクトンのモル量に対して約0.5当量〜約1.5当量の量で利用することによって、反応平衡を得るためのモル過剰の触媒が必要でなくなったことを発見した。さらにより驚くべきことに、カルボン酸触媒以外の触媒、例えば、金属塩触媒を必要とせず、ラクトン環含有化合物および/もしくはラクタム環含有化合物またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物とアミンの反応は、金属塩触媒の不在下で、例えば、ナトリウム2−エチルヘキサン酸塩の不在下で進行させることができる。好ましくは、カルボン酸触媒の量は、使用するラクトン環含有化合物および/もしくはラクタム環含有化合物またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物のモル量に対して約0.6〜約1.4当量、より好ましくは、使用するラクトン環含有化合物および/またはラクタム環含有化合物またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物のモル量の約0.8〜約1.2当量、および最も好ましくは、使用するラクトン環含有化合物および/またはラクタム環含有化合物またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物のモル量の約0.9〜約1.1当量とすることができる。
【0250】
カルボン酸の存在下での、ラクトン環含有化合物および/もしくはラクタム環含有化合物またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物とアミンの間の反応に使用するアミンの量は、使用するラクトン環含有化合物および/もしくはラクタム環含有化合物またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物の量に基づき、約1〜約50、好ましくは約2〜約35、最も好ましくは約3〜約20モル当量とすることができる。
【0251】
カルボン酸以外の触媒の存在下での、ラクトン環含有化合物および/もしくはラクタム環含有化合物またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物とアミンの間の反応に関して、このような開環は、本明細書中でカルボン酸触媒の使用に対して示された同じ反応条件で行うことができるが、ただし、例外として、カルボン酸触媒以外の触媒を使用する方法での触媒の量は、使用するラクトン環含有化合物および/もしくはラクタム環含有化合物またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物のモル量の当量に基づき、約0.5当量〜約2当量、好ましくは約0.9〜約1.6、最も好ましくは約1.1〜約1.4モル当量の触媒とする。
【0252】
カルボン酸の存在下での、ラクトン環含有化合物および/もしくはラクタム環含有化合物またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物とアミンの間の反応は、所望のレベルの開環生成物を得るために必要とみなされた期間の間進行することができ、これは、反応条件および使用する特定の成分に応じて異なり得る。所望のレベルの反応は、開環生成物への70%を超える変換、好ましくは開環生成物への80%を超える変換、最も好ましくは開環生成物への90%を超える変換を含むことができ、このようなパーセンテージは、反応体ラクトン環含有化合物および/もしくはラクタム環含有化合物、またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物のモル量に基づく。
【0253】
一実施形態では、驚くべきことに、開環生成物への、上記所望のレベルの変換のための、カルボン酸の存在下での、ラクトン環含有化合物および/もしくはラクタム環含有化合物またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物とアミンの間のこのような反応の期間は、約5分間〜約12時間、好ましくは約10分間〜約6時間、最も好ましくは約20分間〜約1時間半進行させることができる。1つの好ましい実施形態では、開環生成物への上記所望のレベルの変換のための、モノカルボン酸存在下での、ラクトン環含有化合物および/もしくラクタム環含有化合物またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物とアミンの間のこのような反応の時間は、約40分間〜約3時間進行させることができる。
【0254】
別の実施形態では、開環生成物への、上記所望のレベルの変換のための、カルボン酸の存在下での、このようなラクトン環含有化合物および/もしくはラクタム環含有化合物またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物とアミンの間の反応時間は、金属塩触媒を使用する同等の反応の10分の1未満(greater than 10 fold less)の時間、好ましくは、金属塩触媒を使用する同等の反応の20分の1未満、および最も好ましくは、金属塩触媒を使用する同等の反応の50分の1未満の期間の間継続することができる。触媒を言及する場合の「カルボン酸以外」という表現は、金属塩触媒と同等とすることができ、逆の場合もまた同じであり、または金属塩触媒、中でも、例えば本明細書中に記載されている金属塩触媒、例えば、ナトリウム2−エチルヘキサン酸塩などを含有する種類を含むことができる。
【0255】
本明細書の1つの具体的な実施形態では、ラクトン環および/またはラクタム環の開環を得るのに十分な条件とは、約80℃〜約160℃の温度で、約5分間〜約5時間の間反応させることを含む。
【0256】
カルボン酸の存在下での、ラクトン環含有化合物および/もしくはラクタム環含有化合物またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物とアミンの反応の反応生成物(開環生成物)は、δ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドそれ自体およびそれを有するもの(またはその塩)、例えば、アリスキレンであってよく、またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミド(またはその塩)へと変換することができる中間体、例えばアリスキレンなどであってよい。
【0257】
開環生成物を所望の生成物(例えばアリスキレンまたはその塩(複数可))へと変換する前に、開環生成物の反応混合物は、当技術分野で既知の手段による開環生成物の分離、例えば、適切な溶媒、例えば酢酸イソプロピルまたは酢酸エチル、中でも水と、分離した層との間の分配の対象とすることができる。次いで、分離した開環生成物は、当技術分野で既知の手段により分離した有機相から結晶化することができる。
【0258】
1つの非限定的実施形態では、開環生成物の変換は、当業者には既知であり、開環生成物および所望の生成物、例えば特定のレニン阻害剤、例えばアリスキレンなどに依存することになる任意の中間体合成ステップ(複数可)を含むことができる。
【0259】
開環生成物のこのような変換は、他の場合によるステップの中でも、カルボン酸の存在下での(または別法としてカルボン酸触媒以外の触媒、例えば、金属塩触媒などの存在下での)、ラクトン環含有化合物および/もしくはラクタム環含有化合物、またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物とアミンの間の反応の後の、脱保護ステップにおいて本明細書中に記載されている任意の保護基(複数可)を取り除くステップを含んでもよい。
【0260】
脱保護ステップに加えて、または別法として、開環生成物の変換は、任意の活性化基(複数可)(Act)を取り除くステップと、所望する場合、開環生成物、すなわち、入手可能な遊離化合物または入手可能な塩を、それぞれ塩または遊離化合物へと変換するステップとを含んでもよい。塩への変換はまた、塩をその異なる塩へと変換するステップを含むこともできる。加えて、または別法として、このような活性化基の除去または変換は、ラクトン環含有化合物および/もしくはラクタム環含有化合物またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物とアミンの間の反応の前に行うこともできる。
【0261】
(Act)とは、本明細書で使用する場合、例えばアミノ保護基の非限定的な例、特にカルバメート、またはその塩など保護基から選択される活性化基である。活性化基は、任意のラクトン環含有化合物および/もしくはラクタム環含有化合物または本明細書中に記載されているδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物、またはこれらのうちのいずれか1つまたは複数に対する前駆体の窒素の位置に導入することができる。
【0262】
開環生成物の変換は、追加としてまたは別法として、(i)基−OR(式中、−ORは、遊離であるか、またはエステル化もしくはエーテル化したヒドロキシル基であり、Rは、開環反応生成物の主鎖に直接結合したヒドロキシル保護基である)からヒドロキシメチル基を遊離させるステップ、またはこのような基−ORを還元により水素と置き換えるステップ、または(ii)開環反応生成物の主鎖と結合しているアジド基を、水素でアミノへと還元するステップを含むこともできる。
【0263】
1つの非限定的実施形態では、開環生成物の変換は、例えばアジド、アミノ保護基、およびヒドロキシル保護基の非限定的な例などの任意の保護基(複数可)の脱保護を含んでもよい。本明細書中で記述されているように、このような脱保護は、追加としてまたは別法として、ラクトン環含有化合物および/もしくはラクタム環含有化合物またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物とアミンの間の反応の前に(カルボン酸触媒またはカルボン酸触媒以外の触媒が使用されるかどうかに関わらず)行うこともできる。
【0264】
本明細書において、ラクトン環含有化合物および/もしくはラクタム環含有化合物またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物とアミンの間の反応においてカルボン酸触媒以外の触媒が使用される場合、水性ハロゲン酸を使用するこのような反応の前および/または後に、少なくとも1つの脱保護ステップが生じることになることを理解されたい。
【0265】
本明細書中に記載されている脱保護は、開環生成物(分離しているか、または反応混合物中にある)および/またはラクトン環含有化合物および/もしくはラクタム環含有化合物、またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物と、水性の酸、好ましくは、水性ハロゲン酸と接触させるステップを含むことができる。1つの非限定的実施形態では、水性ハロゲン酸は、水性塩酸、好ましくは濃縮水性塩酸、水性臭化水素酸、もしくはトリフルオロ酢酸またはこれらの組合せを含むことができる。他の水性の酸として、硫酸および任意の水性の無機酸を含むことができる。開環生成物および/もしくはラクトン環含有化合物および/もしくはラクタム環含有化合物、またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物と、水性ハロゲン酸とのこのような接触は、それ自体およびそれを含むものが、少なくとも1つの保護基(複数可)の脱保護をもたらし得る。
【0266】
一実施形態では、開環生成物および/またはラクトン環含有化合物および/もしくはラクタム環含有化合物またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物を、気体のハロゲン酸不在下で、例えば、気体塩酸単独で、またはジイソプロピルエーテル中の気体の塩酸の不在下で、水性ハロゲン酸と接触させる。
【0267】
上述のように、開環生成物は、カルボン酸触媒以外を用いて得ることができる。カルボン酸触媒以外を用いて開環生成物を得る実施形態では、このような開環生成物を、本明細書中に記載されている同じ変換ステップ(複数可)、例えば水性ハロゲン酸を使用する同じ脱保護ステップの対象とすることができる。
【0268】
場合によっては、ハロゲン酸を溶媒中に懸濁させることができる。溶媒は、水、エステル、アルコール、エーテル、環式エーテル、液体芳香族炭化水素、ニトリル、ハロゲン化炭化水素、酸性アミド、複素環式窒素塩基、カルボン酸無水物、環式の、直鎖または分枝の炭化水素;およびこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0269】
好ましくは、溶媒は、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、tert−酢酸ブチル、THF、TBME、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ピリジン、N−メチルピロリジン−2−オン、無水酢酸、シクロヘキサン、ヘキサン、イソペンタン、ジイソプロピルエーテルおよびこれらの組合せからなる群から選択される。
【0270】
本明細書の1つの好ましい実施形態では、カルボン酸の存在下でのラクトン(IV)とアミン(V)の反応に続いて、反応生成物を変換するステップは、X保護基を取り除いて開環反応生成物を脱保護することによって、δ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドを生成するステップを含む。上述のように、反応生成物を脱保護することは、溶媒中で、または溶媒の不在下で水性ハロゲン酸を使用することを含むことができる。
【0271】
本明細書の1つの他の好ましい実施形態では、カルボン酸の存在下でのラクトン(VI)とアミン(V)の反応に続いて、反応生成物を変換するステップは、(i)基−ORからヒドロキシメチルを遊離するか、または還元的に水素で基−ORを置き換えるステップと、(ii)水素でアジド基をアミノに還元するステップと、(iii)存在する任意の保護基を脱保護することによって、δ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドを生成するステップを含み、ステップ(i)および(ii)は、任意の順序で、および/または同時に行うことができる。
【0272】
本明細書中に記載されている(V)との反応(複数可)に式(VI)を使用する場合、反応(複数可)に関わらない(VI)の官能基は、本明細書中で記述されている保護基の1つによって保護されている。例えば、基−ORが遊離であるか、またはエステル化もしくはエーテル化したヒドロキシ基であり、Rが好ましくはヒドロキシ−保護基、例えば特にイソブチリルなどの場合である。(VI)と(V)のこのような反応(複数可)において、式(V)のRは、Rに対して式(I)のもとに与えられた意味の1つを有し、所望する場合、このような反応は、基−ORからヒドロキシメチルを遊離させるか、または基−ORを還元的に水素で置き換える結果となる。
【0273】
アジド基の還元に適した還元剤は、本方法の反応条件下で、場合によって官能基化したヒドロキシ基またはアジド基を選択的に、または式(I)の化合物に存在するアミド基よりも急速に還元するものである。
【0274】
還元は、適切な重金属触媒、例えばラネーニッケルまたは白金またはパラジウム触媒、例えば白金またはパラジウム担持活性炭素の存在下で水素を用いて行うのが好ましい。
【0275】
最も好ましくは、ハロゲン酸に対する溶媒は酢酸エチルである。
【0276】
1つの好ましい、非限定的実施形態では、開環生成物(分離しているか、または反応混合物中にある)および/またはラクトン環含有化合物および/もしくはラクタム環含有化合物またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物を、水性ハロゲン酸と(任意の溶媒なしで)接触させるステップは、約20秒〜約1時間の間、好ましくは約30秒〜約30分の間、最も好ましくは約1分間〜約10分の間行うことができる。
【0277】
別の好ましい、非限定的実施形態では、開環生成物(分離しているか、または反応混合物中にある)および/またはラクトン環含有化合物および/もしくはラクタム環含有化合物またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物を、水性ハロゲン酸(溶媒と共に)と接触させるステップは、約1分間〜約1時の間、好ましくは約2分間〜約30分の間、最も好ましくは約5分間〜約10分の間行うことができる。
【0278】
前記開環生成物(分離しているか、または反応混合物中にある)、および/またはラクトン環含有化合物および/もしくはラクタム環含有化合物またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物を水性ハロゲン酸(溶媒中または溶媒なし)と接触させる温度は、約0〜約50、好ましくは約10〜約40および最も好ましくは約20〜約30℃であってよい。
【0279】
本明細書の一実施形態では、前記開環生成物(分離しているか、または反応混合物中にある)、および/またはラクトン環含有化合物および/もしくはラクタム環含有化合物またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物を、水性ハロゲン酸(溶媒中または溶媒なし)と接触させる温度は、約0℃〜約50℃、好ましくは約10℃〜約30℃、最も好ましくは約20℃〜約25℃であってよい。
【0280】
開環生成物、および/またはラクトン環含有化合物および/もしくはラクタム環含有化合物またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物と接触させることができる水性ハロゲン酸の量は、約1当量〜約30当量、好ましくは約5当量〜約20当量、最も好ましくは約8当量〜約15当量を含むことができる。1つの非限定的実施形態では、開環生成物、および/またはラクトン環含有化合物および/もしくはラクタム環含有化合物またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物と接触させることができる水性ハロゲン酸の好ましい量は、約12当量を含むことができる。
【0281】
前記開環生成物と、ハロゲン酸(溶媒中または溶媒なし)との接触の後、所望の反応生成物(複数可)(例えば、アリスキレンおよび/またはその塩)が、95%を超える、好ましくは97%を超えるおよび最も好ましくは99%を超える変換量で生じる可能性があり、このようなパーセントは、使用する開環生成物の量に基づく。
【0282】
さらに、前記開環生成物、および/またはラクトン環含有化合物および/もしくはラクタム環含有化合物またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物を、ハロゲン酸(溶媒中または溶媒なし)と接触させた後、所望の反応生成物(複数可)、および/またはラクトン環含有化合物および/もしくはラクタム環含有化合物またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物を含有する反応混合物は、あらゆる過剰の酸をNaOHなどの適切な塩基でクエンチさせることができ、この生成物、および/またはラクトン環含有化合物および/もしくはラクタム環含有化合物またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物を、酢酸イソプロピルおよび/または酢酸エチルなどの適切な溶媒で抽出することができる。
【0283】
本明細書の一実施形態では、ラクトン環含有化合物および/もしくはラクタム環含有化合物またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物とアミンとの反応は、金属塩の不在下(例えば、カルボン酸触媒のみの存在下)で行われ、この反応は、金属塩触媒のみを含有する同等の方法として同じレベルの変換まで完了することができるが、この場合反応時間は、同等の反応の少なくとも半分であり、さらにカルボン酸は、ラクトン−環および/もしくはラクタム環またはδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物を含む化合物の約1.50当量〜約0.50当量の量で存在する。
【0284】
式(I)の所望の最終生成物の構成要素ではない保護基、例えばカルボキシ−、アミノ−、ヒドロキシ−および/またはメルカプト−保護基の除去は、上に記載の工程の変形の後に続いて行うことができるが、それ自体は既知の方式で、例えば加溶媒分解、特に加水分解、アルコーリシスまたは酸分解を用いて、または還元、特に水素化分解もしくは化学的還元、ならびに光分解を用いて、必要に応じて段階的または同時に行われ、酵素による方法を使用することも可能である。保護基の除去は、例えば本明細書中の上の保護基に関するセクションで記述されている標準的な研究に記載されている。
【0285】
例えば、保護されたカルボキシ、例えば三級の低級アルコキシカルボニル、2位において三置換シリル基で置換された、または1位において低級アルコキシもしくは低級アルキルチオで置換された低級アルコキシカルボニル、または非置換もしくは置換されたジフェニルメトキシカルボニルは、適切な酸、例えばギ酸またはトリフルオロ酢酸などでの処理により遊離カルボキシへと変換することができ、適切な場合、フェノールまたはアニソールなどの求核性化合物を添加する。非置換または置換されたベンジルオキシカルボニルは、水素化分解を用いて、すなわちパラジウム触媒などの金属水素付加触媒の存在下、水素で処理することにより、遊離することができる。加えて、適切に置換されたベンジルオキシカルボニル、例えば4−ニトロベンジルオキシカルボニルなどは、還元により、例えば亜ジチオン酸ナトリウムなどのアルカリ金属亜ジチオン酸塩での処理、または亜鉛などの還元金属での処理、またはクロム(H)塩、例えばクロム(II)クロリドなどの還元金属塩などでの処理によっても、遊離カルボキシへと変換することができ、金属と一緒になって、発生期水素(nascent hydrogen)を生成することが可能である水素生成剤、例えば酸、特に適切なカルボン酸、例えば非置換もしくは置換された、例えばヒドロキシ置換された、低級アルカンカルボン酸、例えば酢酸、ギ酸、グリコール酸、ジフェニルグリコール酸、乳酸、マンデル酸、4−クロロマンデル酸または酒石酸の存在下、またはアルコールまたはチオール、水が、好ましくは添加された状態で存在する中で通常変換することができる。上述のような還元金属または金属塩での処理により、2−ハロ−低級アルコキシカルボニル(適切な場合、2−ブロモ−低級アルコキシカルボニル基の対応する2−ヨード−低級アルコキシカルボニル基へ変換後)またはアロイルメトキシカルボニルもまた遊離カルボキシへと変換することができる。アロイルメトキシカルボニルは、求核性試薬、好ましくは塩形成試薬、例えばナトリウムチオフェノラートまたはヨウ化ナトリウムなどでの処理により切断できる。2−(三置換シリル)−低級アルコキシカルボニル、例えば2−トリ−低級アルキルシリル−低級アルコキシカルボニルなどは、適切な場合、大環状ポリエーテル(「クラウンエーテル」)の存在下、フッ化物アニオンを生じるフッ化水素酸の塩、例えばアルカリ金属フッ化物、例えばフッ化ナトリウムまたはフッ化カリウムなどでの処理により、または非プロトン性極性溶媒、例えばジメチルスルホキシドまたはN,N−ジメチルアセトアミドなどの存在下、有機の四級塩基のフッ化物、例えばテトラ−低級アルキル−アンモニウムフッ化物またはトリ−低級アルキルアリールアンモニウムフッ化物、例えばテトラエチルアンモニウムフッ化物またはテトラブチルアンモニウムフッ化物などでの処理によっても遊離カルボキシへと変換することができる。有機シリルオキシカルボニル、例えばトリ−低級アルキルシリルオキシカルボニル、例えばトリメチルシリルオキシカルボニルなどの形態で保護されたカルボキシは、通常の方式で、例えば水、アルコールまたは酸での、さらに上述のフッ化物での処理など、加溶媒分解により遊離することができる。エステル化したカルボキシはまた酵素により、例えばエステラーゼまたは適切なペプチダーゼを用いて遊離することもできる。
【0286】
保護されたアミノ基は、それ自体既知の方式により、および保護基の性質に従い、様々なやり方で、好ましくは加溶媒分解または還元により遊離される。2−ハロ−低級アルコキシカルボニルアミノ(適切な場合、2−ブロモ−低級アルコキシカルボニルアミノ基の、2−ヨード−低級アルコキシカルボニルアミノ基への変換後)、アロイルメトキシカルボニルアミノまたは4−ニトロベンジルオキシカルボニルアミノは、例えば適切なカルボン酸、例えば水性酢酸などの存在下、適切な還元剤、例えば亜鉛などでの処理により切断できる。アロイルメトキシカルボニルアミノは、求核性試薬、好ましくは塩形成試薬、例えばナトリウムチオフェノラート、および4−ニトロベンジルオキシカルボニルアミノでの処理により、同様にアルカリ金属ジチオナイト、例えば亜ジチオン酸ナトリウムでの処理によっても切断できる。非置換または置換されたジフェニルメトキシカルボニルアミノ、tert−低級アルコキシカルボニルアミノまたは2−(三置換シリル)−低級アルコキシカルボニルアミノ、例えば2−トリ−低級アルキルシリル−低級アルコキシカルボニルアミノなどは、適切な酸、例えばギ酸またはトリフルオロ酢酸での処理により切断でき、非置換または置換されたベンジルオキシカルボニルアミノは、例えば、水素化分解を用いて、すなわち適切な水素付加触媒、例えばパラジウム触媒などの存在下、水素での処理により切断でき、非置換または置換されたトリアリールメチルアミノまたはホルミルアミノは、適切な場合水の存在下で、例えば鉱酸、例えば塩酸などの酸での処理、または例えばギ酸、酢酸またはトリフルオロ酢酸などの有機酸での処理により切断でき、シリルアミノの形態で保護されたアミノ基は、例えば、加水分解またはアルコーリシスを用いて遊離できる。2−ハロアセチル、例えば2−クロロアセチルなどにより保護されたアミノ基は、塩基の存在下、チオウレアで処理、またはチオール酸塩、例えばチオウレアのアルカリ金属チオラートなどで処理し、それに続いて生成した縮合物の加溶媒分解、例えばアルコーリシスまたは加水分解などを行うことによって遊離できる。2−(三置換シリル)−低級アルコキシカルボニル、例えば2−トリ−低級アルキルシリル−低級アルコキシカルボニルなどにより保護されたアミノ基は、対応する保護されたカルボキシ基を遊離することに関連して上で示された通り、フッ化物アニオンを生じるフッ化水素酸の塩で処理することによっても、遊離アミノ基へと変換できる。同様に、窒素などのヘテロ原子に直接結合しているトリメチルシリルなどのシリルは、フッ化物イオンを用いて取り除くことができる。
【0287】
アジド基の形態で保護されたアミノは、例えば白金酸化物、パラジウムまたはラネーニッケルなどの水素付加触媒の存在下、例えば水素を用いた触媒による水素付加などの還元により、ジチオトレイトールまたはメルカプトエタノールなどのメルカプト化合物を用いた還元により、または酢酸などの酸の存在下で亜鉛を用いた処理により、遊離アミノへと変換する。触媒による水素付加は、不活性溶媒、例えばハロゲン化した炭化水素、例えば塩化メチレンなどの中で、または水中で、または水とアルコールもしくはジオキサンなどの有機溶剤の混合物の中で、約20℃〜25℃で、または冷却もしくは加熱しながら行うことが好ましい。
【0288】
適切なアシル基により、トリ−低級アルキルシリル基により、または非置換もしくは置換された1−フェニル−低級アルキルにより保護されたヒドロキシまたはメルカプト基は、対応して保護されたアミノ基と同じように遊離させる。2,2−ジクロロアセチルにより保護されたヒドロキシまたはメルカプト基は、例えば塩基性加水分解により遊離し、三級低級アルキルまたは2−オキサ−もしくは2−チア−脂肪族もしくは−脂環式炭化水素基により保護されたヒドロキシまたはメルカプト基は、酸分解、例えば鉱酸または強カルボン酸、例えばトリフルオロ酢酸などでの処理により取り除く。ピリジルジフェニルメチルで保護されたメルカプトは、例えばpH2〜6で水銀(II)塩を用いて、または亜鉛/酢酸によって、または電解還元によって遊離することができ、アセトアミドメチルおよびイソブチリルアミドメチルは、例えばpH2〜6での水銀(II)塩との反応により取り除くことができ;2−クロロアセトアミドメチルは、例えば、1−ピペリジノチオカルボキサミドを用いて取り除くことができ、S−エチルチオ、S−tert−ブチルチオおよびS−スルホは、例えばチオフェノール、チオグリコール酸、ナトリウムチオフェノラートまたは1,4−ジチオトレイトールなどでのチオ開裂(thiolysis)により切断できる。二価の保護基により、好ましくは、例えば低級アルキルにより一置換または二置換されたメチレン基、例えば低級アルキリデン、例えばイソプロピリデン、シクロ−アルキリデン、例えばシクロヘキシリデン、またはベンジリデンなどで、一緒に保護されている、2つのヒドロキシ基または隣接するアミノおよびヒドロキシ基は、特に鉱酸または強い有機酸の存在下、酸加溶媒分解により遊離することができる。2−ハロ−低級アルコキシカルボニルもまた、上記の還元剤、例えば亜鉛などの還元金属、例えばクロム(II)塩などの還元金属塩を用いて、または硫黄化合物、例えば亜ジチオン酸ナトリウムまたは好ましくは硫化ナトリウムおよび二硫化炭素などを用いて取り除く。
【0289】
いくつかの保護された官能基が存在する場合、所望するならば、保護基をそのように選択することによって、例えば酸分解、例えばトリフルオロ酢酸での処理などにより、または水素および水素付加触媒、例えばパラジウム担持炭素触媒などでの処理により、2つ以上のこのような基を同時に取り除くことができる。逆に、すべてが同時に取り除かれず、これらが所望の順序で取り除かれるよう、またはこれらのうちいくつかのみが取り除かれるように、基を選択することもできる。
【0290】
本明細書の一実施形態では式(VIII)の化合物は、
【0291】
【化13】

式(II)の化合物
(式中、RおよびRは、式(II)の化合物に対して定義された通りであり、RおよびRは、式(II)の化合物に対して定義された通りである)またはその塩へと変換することができ、前記変換は、活性化基Actを取り除くステップと、所望する場合、式VIIIの入手可能な遊離化合物を塩(これが好ましい)に変換するステップまたは入手可能な塩を式VIIIの遊離化合物または異なるその塩に変換するステップとを含む。例えば、Actが(これが好ましい)C〜C−アルコキシカルボニル基、例えばtert−ブトキシカルボニルなどである場合、除去は、通常の条件下で、例えばハロゲン化水素酸などの酸存在下、例えばジオキサンなどの適切な溶媒中で、例えば0〜50℃の温度、例えば室温などで行う。基Actの除去は、本明細書中で参照された文献に記載の手順に従い、または当技術分野で周知の方法を用いて(例えばEP−A−0678503、特に実施例130を参照)、および場合によって、例えば米国特許第5,559,111号(特に実施例83を参照)に記載の反応条件を用いた塩形成により、標準的な保護基化学反応を用いて実施する。
【0292】
上述された方法のそれぞれにおいて、化合物は、反応条件がこれを許容すれば、塩の形態で使用することもできる。
【0293】
本方法に従い入手可能な式(I)の化合物は、通常の方式で式Iの異なる化合物に変換することができる。
【0294】
例えば、本方法に従い入手可能な式(I)の化合物において、ヒドロキシメチルXは、例えばパラジウム担持炭素の存在下で触媒による水素付加などにより、還元的にメチレンへと還元することができる。
【0295】
さらに、本方法に従い入手可能な式(I)の化合物において、遊離または反応性の形態のカルボキシ基は、エステル化もしくはアミド化してもよく、またはエステル化もしくはアミド化したカルボキシ基は、遊離カルボキシ基へと変換してもよい。
【0296】
式(I)の化合物中のカルボキシ基のエステル化またはアミド化のため、所望する場合、遊離酸を使用することができ、またはこの遊離酸を上記の反応性誘導体のうちの1つに変換し、アルコールと、アンモニアと、または一級もしくは二級アミンと反応させることができ、または、エステル化の場合、この遊離酸または反応性塩、例えばセシウム塩を、アルコールの反応性誘導体と反応させることができる。例えばカルボン酸のセシウム塩は、アルコールに対応するハロゲン化物またはスルホン酸エステルと反応させることができる。カルボキシ基のエステル化は、他の通常のアルキル化剤、例えばジアゾメタン、Meerwein塩または一置換3−アリールトリアゼンを用いて行うこともできる。
【0297】
エステル化またはアミド化したカルボキシ基の遊離カルボキシ基への変換のため、カルボキシ保護基の除去に対して上に記載の方法の1つ、または、所望する場合には、Organikum, 17th edition, VEB Deutscher Verlag der Wissenschaften, Berlin 1988に記述されている反応条件に従いアルカリの加水分解を使用することが可能である。
【0298】
本方法に従い入手可能な式(I)の化合物において、エステル化したカルボキシ基は、アンモニアまたは一級アミンもしくは二級アミンを用いて、アミノリシスにより、非置換または置換されているカルボキサミド基へと、場合によって適切な縮合剤または触媒の存在下で変換することができる。このアミノリシスは、Organikum, 15th edition, VEB Deutschcr Verlag der Wissenschaften, Berlin (East) 1976においてこのような反応に対して記述されている反応条件に従い行うことができる。
【0299】
本方法に従い入手可能な式(I)の化合物中に存在する遊離アミノ基をアシル化またはアルキル化することによって、例えば一級アミン以外の基Rを導入することができる。アシル化およびアルキル化は、Organikum, 17th edition, VEB Deutscher Verlag der Wissenschaften, Berlin (East) 1988において保護基に対して記述されている方法のうちの1つに従い、または記述されている方法のうちの1つに従い行うことができる。
【0300】
さらに、本方法に従い入手可能な式(I)の化合物中に、例えば基Rの成分として存在する遊離ヒドロキシ基をアシル化することができる。アシル化は、Organikum, 17th edition, VEB Deutscher Verlag der Wissenschaften, Berlin (East) 1988において保護基に対して記述されている方法のうちの1つに従い、または記述されている方法のうちの1つに従い、アシル化試薬を用いて行うことができる。
【0301】
本方法に従い入手可能な式(I)の化合物において、硫化物から対応するスルホキシドまたはスルホンを得ることも可能であり、すなわちこれは、チオ基をスルフィニル基またはスルホニル基へと酸化させ、またはスルフィニル基をスルホニルへと酸化させ、さらにチオモルホリノをS−オキシ−もしくはS,S−ジオキシ−チオモルホリノへと酸化させることである。
【0302】
スルホンへの酸化は、大部分の通常の酸化剤を用いて行うことができる。チオ基または硫化物硫黄を、問題の式(I)の化合物の他の官能基、例えばアミノまたはヒドロキシ基などの存在下、選択的に酸化する酸化剤、例えば芳香族もしくは脂肪族のペルオキシカルボン酸、例えばペルオキシ安息香酸、モノペルフタル酸、m−クロロ過安息香酸、過酢酸、過ギ酸またはトリフルオロ過酢酸などを使用するのが特に好ましい。ペルオキシカルボン酸を用いた酸化は、その目的に対して通常使用される適切な溶媒、例えばクロル化した炭化水素、例えば塩化メチレンまたはクロロホルム、エーテル、例えばジエチルエーテル、エステルなど、例えば酢酸エチルなどの中で、−78℃〜室温、例えば−20℃〜+10℃、好ましくは約0℃の温度で行われる。ペルオキシカルボン酸はまた、例えば無水酢酸を場合によって含有する酢酸またはギ酸中の過酸化水素、例えば酢酸/無水酢酸中の30%または90%過酸化水素を用いて、その場で形成することができる。他のパーオキソ化合物、例えば−70℃〜+30℃、例えば−20℃〜室温の温度での低級アルカノール/水の混合物、例えばメタノール/水もしくはエタノール/水、または水性酢酸中のペルオキソ一硫酸カリウム、さらに0℃〜50℃、例えばおよそ室温の温度でのメタノールまたはメタノール/水の混合物中のメタ過ヨウ素酸ナトリウムもまた適切である。記述した酸化剤の化学量論的量を使用する場合、対応するスルホキシドを得ることもまた可能である。
【0303】
所望する場合、入手可能な式(I)の化合物のスルホニル基またはスルホン基の還元によって例えばエーテルもしくはテトラヒドロフラン中のジイソブチルアルミニウム水素化物を用いて、対応するチオ化合物または対応する硫化物を得ることが可能である。
【0304】
式(I)の化合物において、対応する式(I)の化合物(式中、R、R、Rおよび/またはRは、通常の形、例えば塩基性縮合剤の存在下でヒドロキシである)と、式(e)R’−Y、R’−Y、R’−Yおよび/またはR’−Yの化合物(式中、R’は、低級アルキルまたは遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したカルボキシ−低級アルキルであり、R’は、低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキル、シクロアルコキシ−低級アルキル、場合によって低級アルカノイル化した、ハロゲン化したまたはスルホニル化したヒドロキシ−低級アルキル、オキソ−低級アルキル、低級アルキル、低級アルケニル、シクロアルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルケニル、低級アルケニルオキシ−低級アルキル、低級アルケニルオキシ−低級アルキル、低級アルケニルオキシ−低級アルキル、低級アルカノイル−低級アルキル、場合によってS−酸化した低級アルキル−チオ−低級アルキル、低級アルキルチオ−(ヒドロキシ)−低級アルキル、アリール−低級アルキル、場合によって水素化したヘテロアリール−低級アルキル、場合によって水素化したヘテロアリールチオ−低級アルキル、シアノ−低級アルキルまたは遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したカルボキシ−低級アルキルであり、R’は、低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、アリール−低級アルキル、ハロゲン化した低級アルキル、シアノ−低級アルキル、または遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したカルボキシ−低級アルキルであり、R’は低級アルキルであり、Yは、反応性のエステル化したヒドロキシ、特に鉱酸により、硫酸により、または有機スルホン酸、ハロゲン、好ましくは塩素、臭素またはヨウ素によりエステル化したヒドロキシであり、式O−SO−O−R’の基、または低級アルカンスルホニルオキシまたは非置換もしくは置換されたベンゼンスルホニルオキシ、特にメタン−、エタン−、ベンゼン−、p−トルエン−またはp−ブロモベンゼン−スルホニルである)とを反応させることによって、ヒドロキシR、R、Rおよび/またはRを、式(I)のもとで記述したエーテル化したヒドロキシ基のうちの1つで置き換えることも可能である。R’は、1〜約30個の炭素原子を含有する任意のアルキルまたはアリール、特にp−ニトロフェニルとして定義される。反応は、記述されているように、好ましくは、例えばアルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸カリウムなどの塩基性縮合剤の存在下で、例えば低級アルカノール、例えばメタノール、エタノール、ブタノール、tert−ブタノールまたは特にアミルアルコールなどの不活性溶媒中、有利には高温、例えば約40℃〜140℃の範囲の温度で、必要に応じて反応で生成した水を、蒸留、例えば共沸蒸留により除去して行う。
【0305】
例えば塩基、例えばアルカリ金属水酸化物、金属炭酸塩もしくは炭酸水素金属、もしくはアンモニア、または冒頭で記述した別の塩形成塩基で処理することによって、または酸、例えば鉱酸、例えば塩酸、もしくは冒頭で記述した別の塩形成酸で処理することによって、本方法に従い入手可能な式(I)の化合物の塩を、それ自体既知の方式で、遊離化合物へと変換することも可能である。
【0306】
生成した塩は、それ自体既知の方式で異なる塩へと変換することができる。例えば、適切な溶媒中の異なる酸の酸付加塩は、適切な金属塩、例えばナトリウム、バリウムもしくは銀の塩などで処理することによって変換でき(この場合形成される無機塩は不溶性であり、したがって反応平衡から排除される)、塩基性塩は、遊離酸を遊離し、塩へと再び変換することによって変換できる。
【0307】
式(I)の化合物はまた、これらの塩を含めて、水和物の形態で得ることもでき、または結晶化のために使用される溶媒を含み得る。
【0308】
本明細書中の遊離型での化合物とこれらの塩の形態との間の密接な関係の結果、本明細書中のこれより前後における、遊離化合物およびこれらの塩へのあらゆる言及は、それぞれ必要に応じておよび適切な場合、対応する塩および遊離化合物も含むものと理解されたい。
【0309】
立体異性混合物、すなわちジアステレオ異性体および/またはエナンチオマーの混合物、例えばラセミ混合物などは、それ自体既知の方式で、適切な分離方法により対応する異性体へと分離することができる。例えば、ジアステレオ異性体の混合物は、分別結晶、クロマトグラフィー、溶媒分配などにより、個々のジアステレオ異性体へと分離することができる。ラセミ体は、光学対掌体のジアステレオ異性体への変換後に、例えば光学活性化合物、例えば光学活性酸または光学活性塩基との反応により、光学活性化合物を仕込んだカラム物質上でのクロマトグラフィーにより、または酵素による方法、例えば2つのエナンチオマーのうちの1つのみの選択的反応により、互いに分離させることができる。この分離は、出発物質の1つのステージで、または式(I)の化合物それら自体を用いて行うことができる。
【0310】
式(I)の化合物において、個々のステレオジェン中心での配置は、選択的に逆転させることができる。例えば、求核性置換基、例えばアミノまたはヒドロキシなどを担持する不斉炭素原子の配置は、二次求核置換、場合によって結合した求核性置換基の、適切な離核性脱離基への変換後、および元の置換基を導入する試薬との反応により逆転させることができ、またはヒドロキシ基を有する炭素原子での配置は、欧州特許出願EP−A−0236734と同じように酸化および還元により逆転させることができる。
【0311】
同様に有利なのは、ヒドロキシ基の反応性官能基による修飾およびこれに続くヒドロキシによる交換であり、配置が逆転する。この目的のため、式(I)において示されているアミノおよびヒドロキシ基は、二価の基、特にカルボニルで架橋され、ここで、式(IX)の化合物:
【0312】
【化14】

が得られ、これを塩化チオニルで再び処理することによって切断することができ、配置が逆転する。
【0313】
本発明の開環の方法は、バッチベースまたは継続ベースで行うことができ、所望する場合、回収された触媒および/または反応媒体の他の成分(複数可)をリサイクルして行うことができる。
【0314】
本明細書中の遊離型での化合物とこれらの塩の形態との間の密接な関係の結果、本明細書中のこれより前後における、遊離化合物およびこれらの塩へのあらゆる言及は、それぞれ必要に応じておよび適切な場合、対応する塩および遊離化合物も含むものと理解されたい。
【0315】
本発明はまた、式(I)の化合物を含む医薬組成物にも関する。
【0316】
薬理学的に許容される本発明の化合物は、例えば有効量の活性成分を、有意な量の無機もしくは有機の固体もしくは液体の、薬学的に許容される担体と一緒にまたは混合して含む医薬組成物の調製において使用することができる。
【0317】
本発明による医薬組成物は、温血動物(ヒトおよび動物)への、例えば経鼻、直腸もしくは経口、または非経口、例えば筋肉内もしくは静脈内など腸内投与のための組成物であって、有効量の薬理学的活性成分を、単独でまたは有意な量の薬学的に許容される担体と一緒に含む組成物である。活性成分の用量は、温血動物の種属、体重、年齢および個体の状態、個体の薬物動態学的データ、治療する疾患および投与方法に依存する。
【0318】
医薬組成物は、約1%〜約95%、好ましくは約20%〜約90%の活性成分を含む。本発明による医薬組成物は、例えば単位剤形、例えばアンプル、バイアル、坐剤、糖衣錠、錠剤またはカプセル剤などの形態であってよい。
【0319】
本発明の医薬組成物は、それ自体既知の方式、例えば従来の溶解、凍結乾燥、混合、整粒または糖剤化の方法を用いて調製する。
【0320】
本明細書の1つの非限定的実施形態では、式(I)の化合物を含む医薬組成物は、高血圧および緑内障の治療のために使用することができる。本明細書の1つの非限定的実施形態では、t−bocは、Xおよび/またはAct内にあると理解される。
【実施例】
【0321】
[実施例1〜32]
進歩したラクトン1,1−ジメチルエチル[(1S,3S)−3−[[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)フェニル]メチル]−4−メチル−1−[(2S,4S)−テトラヒドロ−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−2−フラニル]ペンチル]カルバメートからアリスキレンを調製するための改善された方法を以下に記載する。
【0322】
新しい方法では、第1のステップにおいて、求核性触媒をより低価なモノカルボン酸触媒と置き換え、脱保護の第2のステップにおいて、気体HClを、水性HClと置き換える。両方の新しい手順は、現在の手順よりもアリスキレンの生成における時間の有意な削減を実証している。
【0323】
上記のラクトンを、3−アミノ−2,2−ジメチルプロパンアミド(3〜20当量)を有するフラスコ内に入れる。酸触媒2−エチルヘキサン酸またはシクロヘキシルカルボン酸(0.5〜1当量)を添加し、この反応混合物を高温(100〜140℃)で加熱する(40分間〜3時間)。このような状態で、反応を78〜93%の間の変換まで進行させることによって、所望のアミドを得る。100℃〜125℃の間の温度で、5%を上回る副生物は観測されない。この反応混合物を、酢酸イソプロピルまたは酢酸エチルと水の間で分配し、層を分離させる。次いで生成物を有機相から結晶化する。室温で、エタノール中では、反応は感知できるほどの程度までは進行しない。テトラヒドロフラン、トルエン、エタノール、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタンおよび酢酸イソプロピル/エタノール、tert−酢酸ブチル/エタノール、テトラヒドロフラン/トルエンおよびエタノール/トルエン混合物を用いて、より低い変換が観測されている。
【0324】
アミドを酢酸エチル中に懸濁させ、濃塩酸(12当量)を添加する。5分後、反応は、98%を超える変換まで進行する。過剰の酸を水性NaOHでクエンチし、この生成物を酢酸イソプロピルまたは酢酸エチルのいずれかで抽出する。アミドを直接10〜12モルの塩酸(8〜12当量)に添加することによって、同じ結果を得ることができる。2〜15分後、反応は、98%を超える変換まで進行する。両状態下で、5%を上回る副生物は観測されない。
【0325】
新しい方法は、両方のステップの反応時間を約50倍削減する。新しい経路は、最初の変換に対して、かなり低価格の触媒をより少ない量で使用し、第2のステップで腐食性の気体の使用を排除する。
【0326】
一当量のラクトンを、酸触媒(モノカルボン酸触媒)およびアミンを有するフラスコ内に入れた。示された溶媒を添加し、フラスコを密閉し、示された温度に、示された時間の間加熱した。生成物および回収した出発物質を以下のカラムクロマトグラフィーで単離した。
【0327】
以下の表1は、溶媒テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジクロロメタン(CHCl)、エタノール(EtOH)、酢酸イソ−プロピル(iPrOAc)および酢酸tert−ブチル(tBuOAc)を使用して、一連の開環反応を別々に行った結果を記載している。反応物を示された温度に、示された時間の間加熱した。
【0328】
記述された当量の酸触媒(モノカルボン酸触媒)および記述された当量のアミンを有するフラスコ内に入れた1当量のラクトンを用いて、反応を実行した。アミンは、3−アミノ−2,2−ジメチルプロピオンアミドであり、酸は、2−エチルヘキサン酸である。ラクトンは、1,1−ジメチルエチル[(1S,3S)−3−[[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)フェニル]メチル]−4−メチル−1−[(2S,4S)−テトラヒドロ−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−2−フラニル]ペンチル]カルバメートである。反応物を示された温度に、示された時間の間加熱した。収率は、すべてのラクトン開環反応に対してラクトンである制限的な試薬に基づく。ある場合には、所望の生成物は、副生成物が混入していたが、収率は、100%を上回る。回収したラクトンの量も示されている。本明細書のすべて反応に対してHPLCにより測定される、生成物(%)は、特定の反応に応じて、制限的試薬、すなわちラクトンまたはBoc−保護されたアミンに基づく。
【0329】
【表1】

【0330】
[実施例33〜58]
以下の表2に要約された反応に関して、50mgのラクトンをバイアル内に入れ、示された溶媒中のアミンの1M溶液、すなわち、3−アミノ−2,2−ジメチルプロピオンアミドを添加するか、またはアミンを固体として添加し、続いて示された溶媒(0.05mL)、続いて1当量の2−エチルヘキサン酸を添加した。いくらかの水とは2〜3滴である。変換をHPLCで測定した。
【0331】
【表2】

【0332】
[実施例59〜67]
結果が以下の表3に記載されている反応に関して、以前の実施例の50mgのラクトンをアミン、3−アミノ−2,2−ジメチルプロピオンアミド、示された量の示された溶媒および1当量の2−エチルヘキサン酸を有するフラスコ内に入れた。当量とは、本明細書で使用する場合、他で示されていない限り、当量のラクトンに基づくものと理解されたい。
【0333】
【表3】

【0334】
[実施例68〜72]
これら実施例では、前の実施例の1当量のラクトン、および別の反応における3、5、7.5、10および20当量のアミン3−アミノ−2,2−ジメチルプロピオンアミドを、1当量の酸触媒と共に120℃に加熱した。HPLCで測定した変換を図1において報告する(グラフ1:溶媒を用いない、120℃でのラクトン開環)。
【0335】
[実施例73〜75]
上記の実施例68〜72と実質的に同じ手順を使用して、2−エチルヘキサン酸(NA)のナトリウムカルボキシレートを、前記実施例での酸触媒と置換し、3−アミノ−2,2−ジメチルプロペオンアミド(propeonamide)(アミドHCl)の塩化アンモニウム塩を遊離アミンと置換した。100mgのラクトンを使用した。図2に示されたアミンHClおよびNAの量を使用して、これらの反応の結果が、(グラフ2:溶媒を用いない120℃でのラクトン開環)本明細書中で報告されている。
【0336】
[実施例76〜78]
これらの実施例において、0.5、1.0または1.5当量の2−エチルヘキサン酸を使用して、以前の実施例の100mgのラクトンを、120℃に加熱した5当量の3−アミノ−2,2−プロピオンアミドと別々に反応させ、結果を図3に示した(グラフ3:異なる当量の2−エチルヘキサン酸)。
【0337】
[実施例79〜82]
これら実施例は、5当量の3−アミノ−2,2−ジメチルプロピオンアミド、100mgのラクトンおよび2−エチルヘキサン酸を使用する異なる温度での一連の反応の効果を例示している。反応温度は120、100、130および100℃である。HPLCで測定した反応の結果を図4で報告する(グラフ4:ラクトン開環反応に対する温度の効果)。
【0338】
[実施例83〜86]
これら実施例は、ラクトン開環反応に対して溶媒および異なる量のアミンを使用する効果を例示している。反応のため、エタノール(2モル)中に溶解した3−アミノ−2,2−ジメチルプロピオンアミドおよびトルエン(0.5モル、0.40ml)中に溶解したラクトンを120℃に加熱した。アミンを3、5、7.5および10当量の量で添加した。1当量の2−エチルヘキサン酸を使用した。この反応の結果を、HPLCで観察し、図5で報告する(グラフ5:ラクトン開環反応に対する溶媒の効果)。
【0339】
[実施例87〜95]
これら実施例は、上述のアリスキレンを得るため、tert−ブチオキシカルボニル(butyoxycarbonyl)基(Boc)でそのアミン官能基を保護している環を開環したラクトンの脱保護を例示している。
【0340】
図6に結果が報告されている脱保護反応(グラフ6:tert−ブチオキシカルボニル基(Boc)の除去)に対して、100mgの保護された環を開環したラクトンを、0.45mlの酢酸エチル中に懸濁し、6または12当量の濃縮HCLを添加した。様々な時間間隔での脱保護された生成物のパーセンテージをHPLCで測定した。
【0341】
[実施例96〜106]
異なる量の水性HClを用いて、フラスコ中の固体の開環したBoc−保護されたアミン(100mg)に脱保護反応を行い、続いて2または3分の終わりにエタノールで希釈された水性NaOHでクエンチした。脱保護した生成物のパーセンテージをHPLCで測定した。
【0342】
図7および8は、2分の時点での、12当量の濃縮HClを用いて得た脱保護の結果(実施例96)、3分の時点での、12当量の濃縮HClを用いて得た脱保護の結果(実施例97)、2分の時点での、10当量の濃縮HClを用いて得た脱保護の結果(実施例98)、2分の時点での、2当量の濃縮HClを用いて得た脱保護の結果(実施例99)、2分の時点での、12M濃縮HClを用いて得た脱保護の結果(実施例100)、2分の時点での、9M HClを用いて得た脱保護の結果(実施例101)および2分の時点での、6M HClを用いて得た脱保護の結果(実施例102)を棒グラフの形態で記載している。
【0343】
図9は、反応時間2、5、10および15分間(実施例103〜106)に対して10M HClで得た、HPLCで測定した脱保護の結果を記載している。
【0344】
[実施例107〜164]
これらの実施例は、反応温度およびアミン当量の異なる条件下で(実施例108〜126:結果は以下の表4に記載);異なる脂肪族のカルボン酸を用いて(実施例127〜142:結果は以下の表5に記載);異なるアミンを用いて(実施例143〜147:結果は表5に記載);ならびに安息香酸および様々な置換された安息香酸触媒を用いて(実施例161〜177:結果は表7に記載)、ラクトン開環したBoc−保護されたアミド(3)(実施例107)を調製することを例示している。
【0345】
【化15】

アミド(3)の調製:撹拌棒を備えた20mLマイクロ波バイアルに、ラクトン(2)(1.00g、1.87mmol):
【0346】
【化16】

アミン(4)(1.08g、9.33mmol):
【0347】
【化17】

および2−エチルヘキサン酸(0.30mL、1.88mmol)を仕込んだ。120℃でバイアルを油浴内に入れ、反応物を50分間撹拌した。バイアルを油浴から取り出し、EtOAc(5mL)および水(5mL)をすぐに添加した。この溶液を撹拌し、分液ロートに注ぎ入れる前に室温まで冷やしておいた。層を分離させ、水相をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、MSO上で乾燥させ、濃縮することによって白色固体を得た。フラッシュクロマトグラフィー(1:1ヘキサン:EtOAc〜9:1CH3Cl2:MeOH)に続いて、アミド(3)を84%収率(1.03g、1.57mmol)で単離し、15%の出発物質ラクトンを回収した(159mg、0.29mmol)。
【0348】
1当量の2−エチルヘキサン酸の存在下、アミド(3)を120℃に加熱することで、30分後、ラクトン(2)とアミド3の比40:60を生成した。その後も、およびさらに60分間の加熱でもこの比率はそのままであった。4当量のアミン(4)(50分間の正反応後に残っている概算量)および1当量の2−エチルヘキサン酸の存在下、アミド(3)を120℃に加熱することにより、30分後、3:2の比85:15が得られ、この比率は、さらなる加熱においても変化しなかった。これは1当量のエチルヘキサン酸の存在下、1当量のラクトン(2)および5当量のアミン(4)から開始した時点で観測したものと同じ生成物比である。
【0349】
その結果が以下の表4に記載されている一連の反応を、1当量のラクトン(2)(250mg、0.47mmol)および1当量の2−エチルヘキサン酸を用いて実行した。副生成物の形成が30分後に観測された。この反応物を140℃に加熱すると、副生成物の形成は顕著であった。
【0350】
【表4】

【0351】
その結果が以下の表5に記載されている一連の反応を、1当量のラクトン(2)(250mg、0.47mmol)、5当量のアミン(4)(271mg、2.33mmol)および1当量の示された酸を用いて、120(℃)で50分間実行した。
【0352】
【表5】

【0353】
その結果が表6に記載されている一連の反応を、示されたアミンを用いて、実施例107と実質的に同じ条件で、83℃で行った。アミド生成物の収率(%)をHPLCで測定した。
【0354】
【表6】

【0355】
その結果が表7に記載されている一連の反応を、ラクトン(2)(250mg、0.47mmol)アミン4(271mg、2.33mmol)および120℃に50分間加熱した、1当量の安息香酸または置換された安息香酸を用いて行った。すべての変換をHPLCで測定した。
【0356】
【表7】

【0357】
[実施例165〜190]
これらの実施例は、アミド(3)を得るためのラクトン(2)とアミン(4)の反応に対する本発明の範囲内および範囲外の両方の様々な酸触媒の効果を例示している。その結果が表8に記載の一連の反応において、5当量アミン(4)を有するフラスコ内に、1当量のラクトン(2)を入れた。次いで示された酸触媒を添加し、混合された反応物を20℃で45分間加熱した。アミド(3)への変換(%)をHPLCで測定した。
【0358】
【表8】

【0359】
上の明細書は多くの詳細を含むが、これらの詳細は制限として解釈されるべきではなく、単にその具体的な実施形態の例証として解釈されるべきである。当業者であれば、本明細書に添付された特許請求の範囲で定義された本明細書の範囲および趣旨の中で多くの他の実施形態を想定することになろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのモノカルボン酸の存在下、少なくとも1つの環を開環させ、開環反応生成物を得るのに十分な条件で、少なくとも1つのラクトン環および/または少なくとも1つのラクタム環を有する環含有化合物と、少なくとも1つのアミンを反応させるステップを含む、環含有化合物の環を開環させる方法。
【請求項2】
触媒として有効量の、少なくとも1つのカルボン酸触媒の存在下、少なくとも1つの環を開環させ、開環反応生成物を得るのに十分な条件で、少なくとも1つのラクトン環および/または少なくとも1つのラクタム環を有する環含有化合物と、少なくとも1つのアミンを反応させるステップを含む、環含有化合物の環を開環させる方法。
【請求項3】
環含有化合物および/または開環反応生成物が、少なくとも1つの保護基を有する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つのラクトン環を有する環含有化合物が、γ−デカノラクトン、β−ブチロラクトン、δ−デカノラクトン、β−プロピオラクトン、D−グルコノ−δ−ラクトン、ε−カプロラクトン、δ−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−カプロラクトン、4R,4aS,7R,7aR)−4−((R)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−7−メトキシ−2,2−ジメチルジヒドロ−4H−フロ[3,2−d][1,3]ジオキシン−6(4aH)−オン、(3aR,6R,6aR)−6−((tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)−2,2−ジメチルジヒドロフロ[3,4−d][1,3]ジオキソール−4(3aH)−オン、および(3aR,4S,5R,6aS)−4−((tert−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル)−5−((テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イルオキシ)メチル)ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−2−オンからなる群から選択される、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
環含有化合物が、一般式(A):
【化18】

(式中、
は、C1〜7アルキルまたはC3〜8シクロアルキルであり、Rは、C1〜7アルキル、C2〜7アルケニル、C3〜8シクロアルキル、フェニル−もしくはナフチル−C1〜4アルキルであり、それぞれ非置換であるか、またはC1〜4アルキル、O−C1〜4アルキル、OH、C1〜4アルキルアミノ、ジ−C1〜4アルキルアミノ、ハロゲンおよび/もしくはトリフルオロメチルで一置換、二置換もしくは三置換されている)またはその塩
および一般式(B):
【化19】

(式中、
各Rは、互いに独立して、水素、C1〜7アルキル、C3〜8シクロアルキルまたはベンジルであり、特に両方のR1は、分枝のC3〜6アルキル、例えばイソプロピルであり、Actは、アミノ保護基から選択される活性化基である)またはその塩
からなる群の少なくとも1つのメンバーである、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つのアミンが、式HN−R(式中、Rは、低級アルキル、シクロアルキル、遊離または脂肪族でエステル化もしくはエーテル化したヒドロキシ−低級アルキル;非置換であるか、またはN−低級アルカノイル化またはN−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキル化しており、または低級アルキレンにより、ヒドロキシ−、低級アルコキシ−もしくは低級アルカノイルオキシ−低級アルキレンにより、非置換もしくはN’−低級アルカノイル化もしくはN’−低級アルキル化したアザ−低級アルキレンにより、オキサ−低級アルキレンにより、または場合によってS−酸化したチア−低級アルキレンによりN,N−二置換されたアミノ−低級アルキル;遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したカルボキシ−低級アルキル、遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したジカルボキシ−低級アルキル、遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したカルボキシ−(ヒドロキシ)−低級アルキル、遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したカルボキシシクロアルキル−低級アルキル、シアノ−低級アルキル、低級アルカンスルホニル−低級アルキル、非置換またはN−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキル化したチオカルバモイル−低級アルキル、非置換またはN−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキル化したスルファモイル−低級アルキル、または炭素原子を介して結合し、場合によって水素化したおよび/またはオキソ−置換したヘテロアリール基、または炭素原子を介して結合し、場合によって水素化したおよび/またはオキソ−置換したヘテロアリール基により置換された低級アルキル、または基−CHC(CH)C(=0)NHである)、またはその塩である、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つの酸が、一般式RCOOH(式中、Rは、少なくとも1個のハロゲン原子で場合によって置換されている、30個までの炭素原子のアルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、置換アリールまたはアラルキルである)である、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
一般式(I)のδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミド:
【化20】

(式中、Rは、水素、ヒドロキシ、低級アルコキシ、シクロアルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシまたは遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したカルボキシ−低級アルコキシであり、
は、水素、低級アルキル、シクロアルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキル、シクロアルコキシ−低級アルキル、ヒドロキシ、場合によって低級アルカノイル化、ハロゲン化もしくはスルホニル化したヒドロキシ−低級アルコキシ;非置換であるか、または低級アルキル、低級アルカノイルおよび/または低級アルコキシカルボニルで置換されたアミノ−低級アルキル;場合によって水素化したヘテロアリール−低級アルキル;低級アルキル、低級アルカノイルおよび/または低級アルコキシカルボニルで置換されたアミノ−低級アルコキシ;オキソ−低級アルコキシ、低級アルコキシ、シクロアルコキシ、低級アルケニルオキシ、シクロアルコキシ−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルケニル、低級アルケニルオキシ−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルケニルオキシ、低級アルケニルオキシ−低級アルキル、低級アルカノイル−低級アルコキシ、場合によってS−酸化した低級アルキルチオ−低級アルコキシ、低級アルキルチオ−(ヒドロキシ)−低級アルコキシ、アリール−低級アルコキシ、場合によって水素化したヘテロアリール−低級アルコキシ、シアノ−低級アルコキシ、遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したカルボキシ−低級アルコキシまたは遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したカルボキシ−低級アルキルであり、
は、場合によってハロゲン化した低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、シクロアルコキシ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、場合によってS−酸化した低級アルキルチオ−低級アルキル、場合によって水素化したヘテロアリールチオ−低級アルキル、場合によって水素化したヘテロアリール−低級アルキル;非置換であるか、またはN−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキル化した、N−低級アルカノイル化したまたはN−低級アルカンスルホニル化しているか、または低級アルキレンにより、非置換もしくはN’−低級アルキル化したまたはN’−低級アルカノイル化したアザ−低級アルキレンにより、オキサ−低級アルキレンにより、または場合によってS−酸化したチア−低級アルキレンにより、N,N−二置換されたアミノ−低級アルキル;シアノ−低級アルキル、遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したカルボキシ−低級アルキル、シクロアルキル、アリール、ヒドロキシ、低級アルコキシ、シクロアルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、シクロアルコキシ−低級アルコキシ、ヒドロキシ−低級アルコキシ、アリール−低級アルコキシ、場合によってハロゲン化した低級アルコキシ、場合によってS−酸化した低級アルキルチオ−低級アルコキシ、場合によって水素化したヘテロアリール−低級アルコキシ、場合によって水素化したヘテロアリールチオ−低級アルコキシ;非置換であるか、またはN−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキル化した、N−低級アルカノイル化した、もしくはN−低級アルカンスルホニル化しているか、または低級アルキレンにより、非置換もしくはN’−低級アルキル化した、もしくはN’−低級アルカノイル化したアザ−低級アルキレンにより、オキサ−低級アルキレンにより、または場合によってS−酸化したチア−低級アルキレンにより置換されたアミノ−低級アルコキシ;シアノ−低級アルコキシ、または遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したカルボキシ低級アルコキシであるか、またはRと一緒になって、低級アルキレンジオキシまたは縮合したベンゾまたはシクロヘキセノ環であり、
は、Rと一緒になって、低級アルキレンジオキシまたは縮合したベンゾもしくはシクロヘキセノ環であるか、または水素、低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシもしくはシクロアルコキシであり、
Xは、メチレンまたはヒドロキシメチレンであり、
は、低級アルキルまたはシクロアルキルであり、
は、非置換であるか、またはN−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキル化した、もしくはN−低級アルカノイル化したアミノであり、
は、水素、低級アルキル、低級アルケニル、シクロアルキルまたはアリール−低級アルキルであり、および
は、低級アルキル、シクロアルキル、遊離もしくは脂肪族によりエステル化もしくはエーテル化したヒドロキシ−低級アルキル;非置換、またはN−低級アルカノイル化した、またはN−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキル化した、または低級アルキレンにより、ヒドロキシ−、低級アルコキシ−もしくは低級アルカノイルオキシ−低級アルキレンにより、非置換もしくはN’−低級アルカノイル化もしくはN’−低級アルキル化したアザ−低級アルキレンにより、オキサ−低級アルキレンもしくは場合によってS−酸化したチア−低級アルキレンによりN,N−二置換されているアミノ−低級アルキル;遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したカルボキシ−低級アルキル、遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したジカルボキシ−低級アルキル、遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したカルボキシ−(ヒドロキシ)−低級アルキル、遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したカルボキシシクロアルキル−低級アルキル、シアノ−低級アルキル、低級アルカンスルホニル−低級アルキル、非置換またはN−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキル化したチオカルバモイル−低級アルキル、非置換またはN−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキル化したスルファモイル−低級アルキル、または炭素原子を介して結合し、場合によって水素化したおよび/またはオキソ−置換したヘテロアリール基、または炭素原子を介して結合し、場合によって水素化したおよび/またはオキソ−置換したヘテロアリール基により置換された低級アルキルである)
およびその塩を生成するための方法であって、
少なくとも1つのカルボン酸の存在下、ラクトン環および/またはラクタム環の開環を得るために十分な条件下で、前記δ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの前駆体である中間体化合物であって、少なくとも1つのラクトン環および/または少なくとも1つのラクタム環を含む中間体化合物と、少なくとも1つのアミンを反応させることによって、δ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドを得るステップ、または
前記開環反応生成物を変換させて、δ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドを得るステップを含む方法。
【請求項9】
δ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸が、式(II)のアミド:
【化21】

(式中、Rは、水素、C1〜7アルキル、C3〜8シクロアルキルまたはベンジルであり、Rは、ハロゲン、ヒドロキシル、C1〜6ハロゲンアルキル、C1〜6アルコキシ−C1〜6アルキルオキシまたはC1〜6アルコキシ−C1〜6アルキルであり、Rは、ハロゲン、ヒドロキシル、C1〜4アルキルまたはC1〜4アルコキシである)またはその塩、
式(III)のアミド:
【化22】

またはその塩、
式(IV)のアミド:
【化23】

(式中、R、R、R、R、R、R、およびXは、定義された通りであり、Xは、アミノ−保護基である)であって、さらに一般式(IV)のラクトンが、一般式(V):HN−Rのアミン(式中、Rは定義された通りである)と反応する式(IV)のアミド、
および一般式(VI)のアミド:
【化24】

(式中、R、R、R、R、RおよびRは、定義された通りであり、基−ORは、遊離もしくはエステル化もしくはエーテル化したヒドロキシル基であり、Rは、ヒドロキシル保護基である)であって、さらに、一般式(VI)のラクトンが、一般式(V):HN−R(式中、Rは定義された通りである)のアミンと反応する一般式(VI)のアミド、からなる群から選択されるアミドである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つのアミンが、一般式HN−R(式中、Rは、低級アルキル、シクロアルキル、遊離、または脂肪族でエステル化もしくはエーテル化したヒドロキシ−低級アルキル;非置換であるか、またはN−低級アルカノイル化またはN−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキル化しており、または低級アルキレンにより、ヒドロキシ−、低級アルコキシ−もしくは低級アルカノイルオキシ−低級アルキレンにより、非置換もしくはN’−低級アルカノイル化もしくはN’−低級アルキル化したアザ−低級アルキレンにより、オキサ−低級アルキレンにより、または場合によってS−酸化したチア−低級アルキレンによりN,N−二置換されたアミノ−低級アルキル;遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したカルボキシ−低級アルキル、遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したジカルボキシ−低級アルキル、遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したカルボキシ−(ヒドロキシ)−低級アルキル、遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したカルボキシシクロアルキル−低級アルキル、シアノ−低級アルキル、低級アルカンスルホニル−低級アルキル、非置換またはN−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキル化したチオカルバモイル−低級アルキル、非置換またはN−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキル化したスルファモイル−低級アルキル、または炭素原子を介して結合し、場合によって水素化したおよび/またはオキソ−置換したヘテロアリール基、または炭素原子を介して結合し、場合によって水素化したおよび/またはオキソ−置換したヘテロアリール基により置換された低級アルキル、または基−CHC(CH)C(=0)NHである)、またはその塩である、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
少なくとも1つのカルボン酸が一般式RCOOH(式中、Rは、30個までの炭素原子の、少なくとも1個のハロゲン原子で場合によって置換されている、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アリール、置換されたアリールもしくはアラルキルである)である、請求項8から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
一般式(I)のδ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミド:
【化25】

(式中、Rは、水素、ヒドロキシ、低級アルコキシ、シクロアルコキシ、カルボキシ−低級アルコキシまたは遊離の、エステル化もしくはアミド化したカルボキシ−低級アルコキシであり、
は、水素、低級アルキル、シクロアルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルコキシ−低級アルキル、シクロアルコキシ−低級アルキル、ヒドロキシ、場合によって低級アルカノイル化、ハロゲン化もしくはスルホニル化したヒドロキシ−低級アルコキシ;非置換であるか、または低級アルキル、低級アルカノイルおよび/または低級アルコキシカルボニルで置換されたアミノ−低級アルキル;場合によって水素化したヘテロアリール−低級アルキル;低級アルキル、低級アルカノイルおよび/または低級アルコキシカルボニルで置換されたアミノ−低級アルコキシ;オキソ−低級アルコキシ、低級アルコキシ、シクロアルコキシ、低級アルケニルオキシ、シクロアルコキシ−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルケニル、低級アルケニルオキシ−低級アルコキシ、低級アルコキシ−低級アルケニルオキシ、低級アルケニルオキシ−低級アルキル、低級アルカノイル−低級アルコキシ、場合によってS−酸化した低級アルキルチオ−低級アルコキシ、低級アルキルチオ−(ヒドロキシ)−低級アルコキシ、アリール−低級アルコキシ、場合によって水素化したヘテロアリール−低級アルコキシ、シアノ−低級アルコキシ、遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したカルボキシ−低級アルコキシまたは遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したカルボキシ−低級アルキルであり、
は、場合によってハロゲン化した低級アルキル、低級アルコキシ−低級アルキル、シクロアルコキシ−低級アルキル、ヒドロキシ−低級アルキル、場合によってS−酸化した低級アルキルチオ−低級アルキル、場合によって水素化したヘテロアリールチオ−低級アルキル、場合によって水素化したヘテロアリール−低級アルキル;非置換であるか、またはN−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキル化した、N−低級アルカノイル化したまたはN−低級アルカンスルホニル化しているか、または低級アルキレンにより、非置換もしくはN’−低級アルキル化したまたはN’−低級アルカノイル化したアザ−低級アルキレンにより、オキサ−低級アルキレンにより、または場合によってS−酸化したチア−低級アルキレンにより、N,N−二置換されたアミノ−低級アルキル;シアノ−低級アルキル、遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したカルボキシ−低級アルキル、シクロアルキル、アリール、ヒドロキシ、低級アルコキシ、シクロアルコキシ、低級アルコキシ−低級アルコキシ、シクロアルコキシ−低級アルコキシ、ヒドロキシ−低級アルコキシ、アリール−低級アルコキシ、場合によってハロゲン化した低級アルコキシ、場合によってS−酸化した低級アルキルチオ−低級アルコキシ、場合によって水素化したヘテロアリール−低級アルコキシ、場合によって水素化したヘテロアリールチオ−低級アルコキシ;非置換であるか、またはN−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキル化した、N−低級アルカノイル化した、もしくはN−低級アルカンスルホニル化しているか、または低級アルキレンにより、非置換もしくはN’−低級アルキル化した、もしくはN’−低級アルカノイル化したアザ−低級アルキレンにより、オキサ−低級アルキレンにより、または場合によってS−酸化したチア−低級アルキレンにより置換されたアミノ−低級アルコキシ;シアノ−低級アルコキシ、または遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したカルボキシ低級アルコキシであるか、またはRと一緒になって、低級アルキレンジオキシまたは縮合したベンゾまたはシクロヘキセノ環であり、
は、Rと一緒になって、低級アルキレンジオキシまたは縮合したベンゾもしくはシクロヘキセノ環であるか、または水素、低級アルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシもしくはシクロアルコキシであり、
Xは、メチレンまたはヒドロキシメチレンであり、
は、低級アルキルまたはシクロアルキルであり、
は、非置換であるか、またはN−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキル化した、もしくはN−低級アルカノイル化したアミノであり、
は、水素、低級アルキル、低級アルケニル、シクロアルキルまたはアリール−低級アルキルであり、
は、低級アルキル、シクロアルキル、遊離もしくは脂肪族によりエステル化もしくはエーテル化したヒドロキシ−低級アルキル;非置換、またはN−低級アルカノイル化した、またはN−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキル化した、または低級アルキレンにより、ヒドロキシ−、低級アルコキシ−もしくは低級アルカノイルオキシ−低級アルキレンにより、非置換もしくはN’−低級アルカノイル化もしくはN’−低級アルキル化したアザ−低級アルキレンにより、オキサ−低級アルキレンもしくは場合によってS−酸化したチア−低級アルキレンによりN,N−二置換されているアミノ−低級アルキル;遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したカルボキシ−低級アルキル、遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したジカルボキシ−低級アルキル、遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したカルボキシ−(ヒドロキシ)−低級アルキル、遊離もしくはエステル化もしくはアミド化したカルボキシシクロアルキル−低級アルキル、シアノ−低級アルキル、低級アルカンスルホニル−低級アルキル、非置換またはN−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキル化したチオカルバモイル−低級アルキル、非置換またはN−モノ−もしくはN,N−ジ−低級アルキル化したスルファモイル−低級アルキル、または炭素原子を介して結合し、場合によって水素化したおよび/またはオキソ−置換したヘテロアリール基、または炭素原子を介して結合し、場合によって水素化したおよび/またはオキソ−置換したヘテロアリール基により置換された低級アルキルである)
およびその塩を生成するための方法であって、
少なくとも1つの開環触媒の存在下、ラクトン環および/またはラクタム環の開環を得るために十分な条件下で、前記δ−アミノ−γ−ヒドロキシ−ω−アリール−アルカン酸アミドの中間体化合物であって、少なくとも1つのラクトン環および/または少なくとも1つのラクタム環を含む中間体化合物と、少なくとも1つのアミンを反応させるステップと、中間体化合物上の少なくとも1つの保護基を取り除き、および/または水性ハロゲン酸を用いて、前記開環反応生成物上の少なくとも1つの保護基を取り除くステップとを含む方法。
【請求項13】
化合物(2S,4S,5S,7S)−N−(3−アミノ−2,2−ジメチル−3−オキソプロピル)−2,7−ジ(1−メチルエチル)−4−ヒドロキシ−5−アミノ−8−[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)フェニル]オクタンアミドヘミフマレートが、
2−エチルヘキサン酸またはシクロヘキサンカルボン酸またはその混合物の存在下、1,1−ジメチルエチル[(1S,3S)−3−[[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)フェニル]メチル−4−メチル−1−[(2S,4S)−テトラヒドロ−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−2−フラニル]ペンチル]カルバメートと、3−アミノ−2,2−ジメチルプロパンアミドを反応させて、2(S),4(S),5(S),7(S)−N−(3−アミノ−2,2−ジメチル−3−オキソプロピル)−2,7−ジ(1−メチルエチル)−4−ヒドロキシ−5−アミノ−8−[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)フェニル]オクタンアミドヘミフマレートを得ることによって、または
前記反応生成物を変換して、(2S,4S,5S,7S)−N−(3−アミノ−2,2−ジメチル−3−オキソプロピル)−2,7−ジ(1−メチルエチル)−4−ヒドロキシ−5−アミノ−8−[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)フェニル]オクタンアミドヘミフマレートを得ることによって
生成される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
化合物(2S,4S,5S,7S)−N−(3−アミノ−2,2−ジメチル−3−オキソプロピル)−2,7−ジ(1−メチルエチル)−4−ヒドロキシ−5−アミノ−8−[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)フェニル]オクタンアミドヘミフマレートが、
モノカルボン酸触媒以外の触媒の存在下、1,1−ジメチルエチル[(1S,3S)−3−[[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)フェニル]メチル−4−メチル−1−[(2S,4S)−テトラヒドロ−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−2−フラニル]ペンチル]カルバメートと、3−アミノ−2,2−ジメチルプロパンアミドを反応させ、および
1,1−ジメチルエチル[(1S,3S)−3−[[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)フェニル]メチル−3−4−メチル−1−[(2S,4S)−テトラヒドロ−4−(1−メチルエチル)−5−オキソ−2−フラニル]ペンチル]カルバメート上の少なくとも1つの保護基を取り除き、および/または水性ハロゲン酸を用いて、前記反応生成物上の少なくとも1つの保護基を取り除くことによって
生成される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
アリスキレンを調製するための、請求項1から14のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−501797(P2013−501797A)
【公表日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−524828(P2012−524828)
【出願日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【国際出願番号】PCT/US2010/045121
【国際公開番号】WO2011/019789
【国際公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【出願人】(596060697)マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー (233)
【Fターム(参考)】