説明

ラケット

【課題】弾性体からなる手を挿入して用いるラケットを、対人、対物に安全で、且つ、持ち方等を気にすることなく、手を用具に挿入するだけで誰でも手軽にボールを打てるようにした。
【解決手段】柔軟な素材からなる略円板状のラケットに手を挿入する際、異なるピッチ円径の周上に配置した指をかける穴を設け、手の大きさに係らずラケットが手から離れないようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対人、対物に安全で、且つ、持ち方等を気にすることなく、手を挿入するだけで誰でも手軽にボールを打てるようにしたラケットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の手を挿入して使用するラケットは、特許文献1に示すように弾性素材を用いたラケットを使用してボール等を打つ球技でありながら、対人、対物に安全で、万人に対して簡易なラケット球技を楽しめるラケットを提供する利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】US2002/0098923
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示すラケットでは手をラケット内にとどめておく手段がないため、ラケットが手から外れやいという課題がある。また、大人などの大きな手で使用することによって、手を挿入するための細隙が広げられ、接着がはがれやすかったり、図1の28の留め具を通す穴が同様に広げられ、近傍より破断しやすいという欠点もある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によるラケットは、弾性素材の張り合わせで構成され、且つ、手を挿入するための細隙を持つことは同様であるが、大人にも子どもにも対応できる指をかける穴が複数あり、指先を係止することで手からラケットが外れない特徴を持つことで上記課題を解決する。また、手の挿入部と素材が接合されている円周部の間にU字溝を設けることで、他の補強材を使用するために穴などを設けることなく素材の接合を維持させながら上記欠点を解決することも可能にする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は子どもから大人まで対応できる手を挿入するための細隙を持つ弾性素材のラケットを提供し、安全で誰でもが簡単にラケットを使ったスポーツを楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明のラケットの斜視図である
【図2】大人が手を挿入した状態の図面である。
【図3】子供が手を挿入した状態の図面である。
【図4】スペーサーを付けた状態の図面である。
【図5】表の面で打球した状態の概略図である。
【図6】裏の面で打球した状態の概略図である。
【図7】プレー状態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に示すように本発明のラケット1は、表の面23と、裏の面となる他面24を接合して構成される。ラケット1は、合成樹脂、発泡合成樹脂、合成繊維など、適宜な材質の接合で成形される略円形平板状である。側縁21から境界32までの間は接合面31となるようで接着されており、下辺22は手を挿入できるように接着されていない状態となっている。
【0009】
下辺22から手を挿入する際、接合面がはがれないための先端に丸みをつけたU字溝28があることにより、手を挿入する細隙27から手を出し入れする際、ラケット1の変形が緩和されて剥がれ難く、破断し難い構造となっている。更に、強度向上させる際はU字溝部には紐やテープを用いて補強したり、金具で補強してもよい。
【0010】
図2、図3に示すように、前述のラケット1に手を挿入した後、プレー中に手から離れてしまわないように、大きいピッチ円径周上に配置した大人の指係止用穴25又は小さいピッチ円径周上に配置した子どもの指係止用穴26に手の指をひっかける。またその穴は、ラケット1の内部が汗で蒸れないよう、通気孔としても有用である。更に表の面23を硬質材とし、他面(裏の面)24を軟質材として、大人と子供のゲームや上級者と下級者のゲームの際には技量の差を補うために、大人や上級者は裏の面24を手のひら側とし、子供や下級者は表の面23を手のひら側とすることができる。
【0011】
図4に示すように、前述ラケット1は、表の面23と他面(裏面)24を直接接合する代わりに、表の面23と他面(裏面)24の間に合成樹脂、発泡合成樹脂、合成繊維など、適宜な材質のスペーサー29を接合することでラケット1の内部の空間の厚さを増大させて、挿入した手を圧迫しない構造とすることもできる。
【実施例】
【0012】
プレーヤーが前記のようにラケット1を保有したら、図5に示すように表の面23や裏の面となる他面24でボールを打球する。なお、表の面23と他面(裏の面)24は色を違えており、例えば適宜指示された色の面で打球するなど、色の違いを利用した遊びも可能である。
【0013】
図5に示すように保有したら、ボールbや風船で自由に打球しながら遊ぶが、一例として、テニスのような競技を設定する。図6のように地表面もしくは床面に長方形のコートdを表示設定し、このコートdの中央にネットcを設け、このネットcを挟んで2名のプレーヤーが対面する。そして、テニス競技のようにボールbを枠内に収まるように打球しあうのである。
【0014】
以上、本発明を図面の実施例に基づいて説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限りどのようにでも実施することができる。
例えば、ラケット1を両手に着用していずれかのラケット1でボールを打つようにしても良いし、前記競技をルール化して正規な競技とすることもできる。
【0015】
本発明のラケット1を用いることにより、極めて簡単に手に着用することができて、容易にボール等を打つことができるため、老若男女問わずに球技を楽しむことができ、特にルール化することにより競技として試合をすることができる。
そして本発明は、弾性素材でできていることによる安全性と、様々な手の大きさに対応する万人性、色の違いを活用することによる学習教材としての有用性を提供することができるので、幼児から年配の方までのスポーツ用具として実用的価値の高いものとなる。
【符号の説明】
【0020】
1 ラケット
21 側縁
22 下辺
23 表の面
24 他面(裏の面)
25 通気孔兼大人の指係止用穴(外周の穴)
26 通気孔兼子どもの指係止用穴(内周の穴)
27 手を挿入する細隙
28 接合面がはがれないためのU字溝
29 スペーサー
31 接合面(内面)
32 接合面の境界(内面)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手を挿入して打球する弾性素材からなる略円形板状のラケットに、使用者の手の大きさに対応した異なるピッチ円径の周上に指をかける穴を設けたことにより、指先が指をかける穴に係止することで手から離脱しないようにしたことを特徴とするラケット。
【請求項2】
表裏で色を違えることを特徴とする請求項1のラケット。
【請求項3】
下辺と側縁の間にU字溝を設けることを特徴とする請求項1のラケット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−131051(P2011−131051A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−277455(P2010−277455)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(308040199)株式会社スポーツフォーオール (1)