説明

ラジカル重合性化合物及びラジカル硬化性組成物

【課題】多価アリルエステル化合物を硬化して得られる硬化物の高い透明性と耐熱性を維持しながら、柔軟性とハンドリング性を両立させたラジカル組成物の提供。
【解決手段】一般式(1)及び式(2)で示される末端基、並びに一般式(3)で示される構造を有し、数平均分子量が500〜50000であることを特徴とするラジカル重合性化合物(多価アリルエステル化合物)を含有するラジカル硬化性組成物。





【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はラジカル重合性化合物及びラジカル硬化性組成物に関する。さらに詳しく言えば、分子内にアリルエステル構造及びカーボネート構造を有するラジカル重合性化合物、その製造方法、前記ラジカル重合性化合物を含む硬化性組成物、及び前記硬化性組成物を硬化させてなる透明性、耐熱性に優れ、柔軟性、ハンドリング性を兼ね備えた光学材料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、分子内に複数のアリルエステル構造を有する多価アリルエステル化合物を重合硬化して得られる硬化物は、透明性、耐熱性に優れ、光学材料、電子機器、人造大理石、化粧板、不飽和ポリエステル樹脂のクラック防止材として用いられている。例えば、多価アリルエステル化合物を用いた光学レンズが国際公開第02/33447(特許文献1)に、アリルエステル化合物を用いたフィルムが特開2009−197102(特許文献2)に、多価アリルエステル化合物を必須成分とする樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置が特開2010−84008(特許文献3)に開示されている。
【0003】
ところで、携帯電話や薄型テレビに代表される電子機器の高機能化、小型化、薄型化、軽量化のニーズに対応するため、それらに使用される光学部材のガラス製部材から樹脂製部材への置き換えが進んでいる。
ガラス代替として用いられる樹脂には、ガラスにより近い耐熱性と透明性、さらにガラスよりも軽量で割れにくいという特徴が求められている。
【0004】
それら用途に用いられる樹脂としてはポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等が知られているが、ガラス転移温度がそれぞれ70℃、140℃程度であり、耐熱性が充分とは言えず、使用用途が限られている。
【0005】
多価アリルエステル化合物を重合硬化して得られる硬化物は、ポリエチレンテレフタレートやポリカーボネートと比較して高い耐熱性、透明性を有するが、その用途によっては充分な柔軟性を有しているとは言えず、透明性、耐熱性に加えて、適度な柔軟性を兼ね備えた樹脂が強く望まれている。
【0006】
熱硬化性樹脂の柔軟性を改善する方法としては、ポリエーテル骨格などに代表される柔軟性の高い骨格を分子鎖に導入すること、コアシェル状のゴムの添加(例えば特開2011−57734:特許文献4)や、熱可塑性樹脂の導入(例えば、特開2010−202862:特許文献5)などが行われてきたが、耐光性、透明性の低下や粘度の上昇によるハンドリング性の低下などが問題となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第02/33447号パンフレット
【特許文献2】特開2009−197102号公報
【特許文献3】特開2010−84008号公報
【特許文献4】特開2011−57734号公報
【特許文献5】特開2010−202862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、多価アリルエステル化合物を硬化して得られる硬化物の高い透明性、耐熱性、及びハンドリング性を維持しながら、柔軟性を兼ね備えた硬化性組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有するラジカル重合性化合物を共重合させることにより、多価アリルエステル化合物及び多価アリルカーボネート化合物を重合させて得られる硬化物の透明性、耐熱性、ハンドリング性を維持しながら、柔軟性を改善できることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち本発明は以下の[1]〜[14]に示される。
[1]一般式(1)
【化1】

(式中、X1は置換基を有してもよい炭素数5〜10のシクロアルキレン基または置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキレン基を表す。)及び式(2)
【化2】

で示される末端基、並びに一般式(3)
【化3】

(式中、R1及びR2はそれぞれ独立してアルキル分岐を有してもよい炭素数2〜20のアルキレン基を表し、X2は置換基を有してもよい炭素数5〜10のシクロアルキレン基または置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキレン基を表し、n及びmは任意の自然数を表す。)
で示される構造を有し、数平均分子量が500〜50000であることを特徴とするラジカル重合性化合物。
[2]さらに、一般式(4)
【化4】

(式中、R3はアルキル分岐を有してもよい炭素数2〜20のアルキレン基を表し、X3は置換基を有してもよい炭素数5〜10のシクロアルキレン基または置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキレン基を表し、qは任意の自然数を表す。)
で示される構造を有する前項1に記載のラジカル重合性化合物。
[3]X1、X2、及びX3がそれぞれ独立して式(5)、(6)、及び(7)
【化5】

で示されるいずれかのシクロアルキレン基である前項1または2に記載のラジカル重合性化合物。
[4]R1、R2及びR3の少なくとも一つが炭素数1〜4のアルキル分岐を有するアルキレン基である前項1〜3のいずれかに記載のラジカル重合性化合物。
[5]R1及びR2が1,6−ヘキシレン基または2−メチル−1,5−ペンチレン基である前項1〜4のいずれかに記載のラジカル重合性化合物。
[6]R1及びR2がノニレン基である前項1〜4のいずれかに記載のラジカル重合性化合物。
[7]R1がR4を表し、R2がR5を表し、X1及びX2が1,4−シクロヘキシレン基である一般式(8)
【化6】

(式中、R4及びR5はそれぞれ独立して−(CH26−または−(CH22CH(CH3)(CH22−を表し、n及びmは任意の自然数を表す。)
で示される前項1に記載のラジカル重合性化合物。
[8]一般式(1)
【化7】

(式中、X1は置換基を有してもよい炭素数5〜10のシクロアルキレン基または置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキレン基を表す。)及び式(2)
【化8】

で示される末端基、並びに一般式(3)
【化9】

(式中、R1及びR2はそれぞれ独立してアルキル分岐を有してもよい炭素数2〜20のアルキレン基を表し、X2は置換基を有してもよい炭素数5〜10のシクロアルキレン基または置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキレン基を表し、n及びmは任意の自然数を表す。)
で示される構造を有し、数平均分子量が500〜50000であるラジカル重合性化合物、末端にアリルオキシカルボニル基(CH2=CH−CH2−O−CO−)またはアリルオキシカルボニルオキシ基(CH2=CH−CH2−O−CO−O−)を有するラジカル重合性化合物、及びラジカル重合開始剤を含むことを特徴とするラジカル硬化性組成物。
[9]末端にアリルオキシカルボニル基を有するラジカル重合性化合物が、ジカルボン酸ジアリルエステル及び/またはジカルボン酸ジアリルエステルと多価アルコールの縮合物である前項8に記載のラジカル硬化性組成物。
[10]一般式(10)
【化10】

(式中、X4は置換基を有してもよい炭素数5〜10のシクロアルキレン基または置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキレン基を表す。)
で示される化合物とポリカーボネートジオールとを触媒の存在下、エステル交換反応させることを特徴とする前項1〜6のいずれかに記載のラジカル重合性化合物の製造方法。
[11]触媒が、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、アセチルアセトンハフニウム、及びアセチルアセトンジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である前項10に記載のラジカル重合性化合物の製造方法。
[12]反応を180℃未満の温度で行う前項10または11に記載のラジカル重合性化合物の製造方法。
[13]前項8に記載のラジカル硬化性組成物を硬化させてなる光学材料。
[14]前項13に記載の光学材料を用いた、光学フィルム、光学シート、光導波路、光学レンズ、光学用封止剤、光学用接着剤または導光板。
【発明の効果】
【0011】
本発明のラジカル重合性化合物を用いれば、従来耐熱性と透明性に優れることで知られていた多価アリルエステル化合物を硬化して得られる硬化物の高い透明性と耐熱性を維持しながら、柔軟性とハンドリング性を兼ね備えた硬化性組成物の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1で製造されたラジカル重合性化合物Aの1H−NMRスペクトルである。
【図2】実施例1で製造されたラジカル重合性化合物Aの13C−NMRスペクトルである。
【図3】実施例1で製造されたラジカル重合性化合物AのIRスペクトルである。
【図4】実施例2で製造されたラジカル重合性化合物Bの1H−NMRスペクトルである。
【図5】実施例2で製造されたラジカル重合性化合物Bの13C−NMRスペクトルである。
【図6】実施例2で製造されたラジカル重合性化合物BのIRスペクトルである。
【図7】実施例3で製造されたラジカル重合性化合物Cの1H−NMRスペクトルである。
【図8】実施例3で製造されたラジカル重合性化合物Cの13C−NMRスペクトルである。
【図9】実施例3で製造されたラジカル重合性化合物CのIRスペクトルである。
【図10】実施例4で製造されたラジカル重合性化合物Dの1H−NMRスペクトルである。
【図11】実施例4で製造されたラジカル重合性化合物Dの13C−NMRスペクトルである。
【図12】実施例4で製造されたラジカル重合性化合物DのIRスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
ラジカル重合性化合物:
本発明に用いられるラジカル重合性化合物は、一般式(1)及び式(2)
【化11】

【化12】

(式中、X1は置換基を有してもよい炭素数5〜10のシクロアルキレン基または炭素数2〜10の置換基を有してもよいアルキレン基を表す。)
で示される末端基、並びに一般式(3)
【化13】

(式中、R1及びR2はそれぞれ独立してアルキル分岐を有してもよい炭素数2〜20のアルキレン基を表し、X2は置換基を有してもよい炭素数5〜10のシクロアルキレン基または置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキレン基を表し、n及びmは任意の自然数を表す。)
で示される構造を有し、数平均分子量が500〜50000である化合物である。
【0014】
また、本発明のラジカル重合性化合物は、さらに一般式(4)
【化14】

(式中、R3はアルキル分岐を有してもよい炭素数2〜20のアルキレン基を表し、X3は置換基を有してもよい炭素数5〜10のシクロアルキレン基または置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキレン基を表し、qは任意の自然数を表す。)
で示される構造を有してもよい。
【0015】
本発明のラジカル重合性化合物の数平均分子量は500〜50000であり、1000〜10000がより好ましく、1500〜5000の範囲がさらに好ましい。数平均分子量はGPCにより測定されたポリスチレン換算の値である。数平均分子量が500未満であると、柔軟性を付与する効果が低くなることがある。50000を超えるとラジカル重合性化合物の粘度が増大しハンドリング性が低下する。また、多価アリルエステル化合物への相溶性が低下し、硬化物が白化する可能性も生じる。
【0016】
一般式(3)中、n及びmは任意の自然数である。本発明のラジカル重合性化合物の分子量はその数平均分子量が500〜50000となる分布をとる。n及びmの値は前記数平均分子量となるような繰り返し数を示す。したがって、n及びmの値を一義的に定めることはできないが、nは1〜1500、好ましくは1〜1000、さらに好ましくは1〜500である。同様にmは1〜1700、好ましくは1〜330、さらに好ましくは1〜180である。
【0017】
一般式(4)中、qは任意の自然数である。n及びmの場合と同じ理由で一義的に定めることはできないが、qは1〜1500、好ましくは1〜1000、さらに好ましくは1〜500である。
【0018】
一般式(1)、(2)、及び(3)中、X1、X2、及びX3は置換基を有してもよい炭素数5〜10のシクロアルキレン基または置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキレン基である。X1、X2、及びX3は同一であることが好ましいが異なっていてもよい。
本発明のラジカル重合性化合物の製造方法は後述するが、原料の一部としてX1、X2、及びX3の構造を含むジカルボン酸ジアリルエステルを使用する。一種類のジカルボン酸ジアリルエステルを原料とすれば、X1、X2、及びX3は同一になり、異なる種類のジカルボン酸ジアリルエステルを用いるとX1、X2、及びX3はそれぞれ異なる場合がある。また、ラジカル重合性化合物中にm個存在する一般式(3)の単位構造ごとにX2が異なることもある。
【0019】
1、X2、及びX3が表す、置換基を有してもよい炭素数5〜10のシクロアルキレン基としては、耐熱性、透明性、ハンドリング性を両立させる点から炭素数6〜8のシクロアルキレン基が好ましい。炭素数5〜10のシクロアルキレン基は単環でもビシクロアルキレン基のような複数の環構造を有してよい。炭素数5〜10個のシクロアルキレン基としてはシクロへキシレン基、ノルボルニレン基、ビシクロデシレン基が耐熱性の面で好ましい。
【0020】
炭素数5〜10のシクロアルキレン基の置換基としては、メチル基、エチル基のようなアルキル基が挙げられる。
【0021】
置換基を有してもよい炭素数5〜10のシクロアルキレン基の具体例としては、1,2−シクロペンチレン基、1,3−シクロペンチレン基、1,2−シクロヘキシレン基、1,3−シクロへキシレン基、1,4−シクロへキシレン基、メチルシクロへキシレン基、ジメチルシクロへキシレン基、シクロヘプチレン基、1−エチルシクロペンチレン基、シクロオクチレン基、シクロノニレン基、シクロデシレン基、ビシクロデシレン基、ノルボルニレン基及びシクロヘキサンジメチレン基が挙げられる。これらの中でも、耐熱性に優れた硬化物が得られるため、1,2−シクロへキシレン基、1,3−シクロへキシレン基、1,4−シクロへキシレン基、ノルボルニレン基及びビシクロデシレン基が好ましく、ラジカル重合性化合物の粘度が相対的に低く、ハンドリング性が高いため、1,2−シクロへキシレン基、1,3−シクロへキシレン基、1,4−シクロへキシレン基及びノルボルニレン基がさらに好ましい。
1,2−シクロへキシレン基、1,3−シクロへキシレン基、及び1,4−シクロへキシレン基は下記化学式(5)、(6)及び(7)で示される。
【化15】

【0022】
1、X2、及びX3が表す、置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキレン基としては、汎用性の面から炭素数2〜8のアルキレン基が好ましい。
【0023】
置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキレン基の置換基としてはメチル基、エチル基のようなアルキル基が挙げられる。
【0024】
置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキレン基の具体例としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基が挙げられ、中でも汎用性の面からエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、オクチレン基が好ましい。
【0025】
一般式(3)中、R1及びR2はそれぞれ独立してアルキル分岐を有してもよい炭素数2〜20のアルキレン基を表す。
1及びR2のアルキレン構造は本発明のラジカル重合性化合物の原料の一つであるカーボネートジオールに由来する。一般式(3)中にn個存在するR1は同一であっても異なっていてもよい。原料のカーボネートジオールのR1及びR2に相当するアルキレン基が複数種類(共重合タイプ)であれば、R1も複数種類存在することになる。
【0026】
アルキル分岐を有してもよい炭素数2〜20のアルキレン基は、硬化物の柔軟性とハンドリング性を両立させる面から炭素数2〜10のアルキレン基が好ましく、炭素数4〜9のアルキレン基がさらに好ましい。アルキル分岐としては炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。アルキル分岐は2つ以上あってもよい。
【0027】
1及びR2が表すアルキレン基としては、直鎖状及び分岐骨格を有するものが挙げられる。
直鎖状アルキレン基の具体例としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、へプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基等が挙げられ、中でもブチレン基、ヘキシレン基、ノニレン基が好ましい。
分岐骨格を有するアルキレン基、すなわちアルキル分岐を有する炭素数2〜20のアルキレン基の具体例としては、メチルエチレン基、1−メチル−プロピレン基、2−メチル−プロピレン基、2−エチル−3−プロピルプロピレン基、2−エチル−2−ブチルプロピレン基、1−メチルペンチレン基、2−メチルペンチレン基、3−メチルペンチレン基、2,4−ジメチルペンチレン基、1−メチルオクチレン基等が挙げられる。
【0028】
一般式(4)中、アルキル分岐を有してもよい炭素数2〜20のアルキレン基を表すR3の構造は、本発明のラジカル重合性化合物の任意の原料であるアルキレンジオールに由来する。具体例としては、前記のR1及びR2が表すアルキル分岐を有してもよい炭素数2〜20のアルキレン基の場合と同じものが挙げられる。
【0029】
さらに、R1、R2、及びR3の少なくとも一つは分岐骨格を有するアルキレン基であることが好ましい。分岐骨格を有することにより、ラジカル重合性化合物の結晶性を抑制し、粘度や融点が低下させることが可能となり、ラジカル重合性化合物のハンドリング性を向上させることができる。分岐骨格を有するアルキレン基の中でも特に好ましいのは、2−メチル−プロピレン基、2−エチル−2−ブチルプロピレン基、2−メチルペンチレン基、3−メチルペンチレン基、2,4−ジメチルペンチレン基、2−メチルオクチレン基である。
【0030】
本発明のラジカル重合性化合物におけるR1、R2、及びR3が表すアルキレン基の総量中の分岐骨格を有するアルキレン基の比率は好ましくは10モル%以上、さらに好ましくは30モル%以上である。
【0031】
1及びX2が1,4−シクロヘキシレン基、R1、R2、及びR3がヘキシレン基または2−メチルペンチレン基である場合、本発明のラジカル重合性化合物は、一般式(8)
【化16】

(式中、R4及びR5はそれぞれ独立して−(CH26−または−(CH22CH(CH3)(CH22−を表し、n及びmは任意の自然数を表す。)
で示される。
【0032】
1及びX2が1,4−シクロヘキシレン基、R1、R2及びR3がアルキル分岐を有してもよいノニレン基である場合、本発明のラジカル重合性化合物は一般式(9)で示される。
【化17】

(式中、R6及びR7はそれぞれ独立して−(CH29−または−(CH)2CH(CH3)(CH26−を表し、n及びmは任意の自然数を表す。)
【0033】
ラジカル重合性化合物の製造方法:
本発明のラジカル重合性化合物は一般式(10)で示される化合物とポリカーボネートジオールとを触媒の存在下、エステル交換反応を行いつつ、副生するアリルアルコールを留去させることにより製造することができる。
【化18】

(式中、X4は置換基を有してもよい炭素数5〜10のシクロアルキレン基または置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキレン基を表す。)
【0034】
4が表す置換基を有してもよい炭素数5〜10のシクロアルキレン基または置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキレン基としては、前記X1、X2、及びX3が表す置換基を有してもよい炭素数5〜10のシクロアルキレン基または置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキレン基と同じ基が挙げられ、目的物である一般式(1)、(3)、及び(4)で示される構造に対応して適切に選択すればよい。X4は一種類に限定されず、複数種の一般式(10)で示される化合物を使用することができる。
【0035】
一般式(10)で示される化合物の具体例としては、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸ジアリル、メチルテトラヒドロフタル酸ジアリル、デカヒドロナフタレンジカルボン酸ジアリル、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸ジアリル、アジピン酸ジアリル、コハク酸ジアリル、マレイン酸ジアリル等が挙げられる。これら化合物は必要に応じて2種以上を併用することもできる。また、上述の具体例に限定されるものではない。
【0036】
ラジカル重合性化合物の製造に使用するポリカーボネートジオールは一般式(11)で示される。
【化19】

式中、R1及びR2は前記(一般式(3)の場合)と同じく、それぞれ独立して炭素数2〜20のアルキレン基を表す。
【0037】
前述のように本発明のラジカル重合性化合物においては、R1及びR2の少なくとも一つは分岐を有するアルキレン基であることがさらに好ましい。分岐を有するアルキレン基の中でも末端炭素に分岐を有さないものが特に好ましい。末端に分岐を有さないアルキレン基から誘導されるポリカーボネートジオールは分子中の水酸基が全て一級水酸基となり、エステル交換反応の反応速度が速く生産性の点で好ましい。末端に置換基を有すると反応速度が低下するため、生産性が低下する。末端炭素に分岐を有さない、分岐を有するアルキレン基の具体例としては、2−メチル−プロピレン基、2−エチル−2−ブチルプロピレン基、2−メチルペンチレン基、3−メチルペンチレン基、2,4−ジメチルペンチレン基、2−メチルオクチレン基等が挙げられる。
【0038】
ポリカーボネートジオールは必要に応じて2種以上を併用することもできる。また、上述の具体例に限定されるものではない。
反応に用いられるポリカーボネートジオールは一般的にはジメチルカーボネートやジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート等のカーボネート化合物とジオールとのエステル交換反応により製造される縮合体であり、異なる分子量のオリゴマーの集合体であり、分子量分布を有している。
【0039】
本発明のラジカル重合性化合物用のポリカーボネートジオールの数平均分子量は300〜10000であることが好ましく、500〜3000がさらに好ましい。平均分子量が小さいとポリカーボネート骨格由来の耐熱性、靭性等の諸特性が発現されにくくなる。平均分子量が大きいと、ポリカーボネートジオールが固体状となり、使用時に加温を要するなど作業性が低下する。また、それを用いて合成したラジカル重合性化合物を多価アリルエステル化合物と混合し、硬化させた際に硬化物が白化するなどの問題が生ずることがある。
【0040】
本発明のラジカル重合性化合物が一般式(4)で示される構造を有する場合、ジオールとしてポリカーボネートジオールとともにアルキレンジオールを使用することもできる。アルキレンジオールの具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール等が挙げられる。
一般式(10)で示される化合物とポリカーボネートジオールとの仕込み量のモル比率は1.1:1〜6:1が好ましく、1.5:1〜3:1がさらに好ましい。
【0041】
アルキレンジオールを併用する場合、一般式(10)で示される化合物とアルキレンジオールとの仕込み量のモル比率は1.1:1〜6:1が好ましく、1.5:1〜3:1がさらに好ましい。
【0042】
エステル交換反応触媒としては、従来知られているエステル交換触媒を使用することができる。具体的には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、それらの酸化物及び弱酸塩;Mn、U、Zn、Cd、Zr、Pb、Ti、Co、Sn、それらの酸化物、水酸化物、無機酸塩、アルコラート、及び有機酸塩;ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫ジクロライド等の有機錫化合物等が挙げられる。中でも、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、アセチルアセトンハフニウム、アセチルアセトンジルコニウムか好ましく、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイドがさらに好ましい。
【0043】
触媒の使用量は、触媒の活性によって異なるが、適度な速度でアリルアルコールを留出させ得るような量を使用する。一般的には、一般式(10)で示されるジアリルエステル化合物に対して0.0001〜1質量%、好ましくは0.001〜0.5質量%程度を使用する。
【0044】
本発明のラジカル重合性化合物の製造工程における反応温度は、180℃未満が好ましく、170℃以下がより好ましく、160℃以下がさらに好ましい。反応温度を上げると反応時間は短くなるが、着色、副生物量の増加の可能性がある。
【0045】
反応の実施の形態としては、反応の進行を促進させるため、減圧下での反応、適当な溶媒を使用するなどして、副生するアリルアルコールを反応系外に除去しながら行うことが好ましい。
【0046】
ラジカル硬化性組成物:
本発明のラジカル硬化性組成物(「本発明の組成物」と略記する。)は、本発明の前記ラジカル重合性化合物、末端にアリルオキシカルボニル基(CH2=CH−CH2−O−CO−、「アリルエステル基」ということがある。)またはアリルオキシカルボニルオキシ基((CH2=CH−CH2−O−CO−O−、「アリルカーボネート基」ということがある。)を有するラジカル重合性化合物、及びラジカル重合開始剤を必須成分として含有する組成物である。本発明の組成物は、必須成分以外に他のラジカル重合性化合物、反応性希釈剤(低分子のモノマー)、溶媒、及び各種添加剤(後述する。)を含有していてもよい。本発明の組成物は前記各成分を混合することにより調製することができる。
【0047】
末端にアリルオキシカルボニル基を有するラジカル重合性化合物の具体例としては、フタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル等のジアリルエステル化合物、上述のジアリルエステル化合物と多価アルコールとのエステル交換反応によって得られるアリルエステルオリゴマーが挙げられる。
【0048】
末端にアリルオキシカルボニルオキシ基を有するラジカル重合性化合物の具体例としては、ジエチレングリコールビスアリルカーボネートに代表されるアリルカーボネート化合物が挙げられる。
【0049】
末端にアリルオキシカルボニル基またはアリルオキシカルボニルオキシ基を有するラジカル重合性化合物として好ましいのは、脂肪族骨格または脂環式骨格を有するものであり、具体例として、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリルや上述の脂環式ジアリルエステル化合物と多価アルコールとのエステル交換反応で得られるアリルエステルオリゴマー、ジエチレングリコールビスアリルカーボネートが挙げられる。
【0050】
前記アリルエステルオリゴマーの原料として用いられる多価アルコールとして好ましいのは炭素数2〜20の多価アルコールであり、2価のアルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールが挙げられる。また、3価以上の多価アルコールの具体例としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、D−ソルビトール等が挙げられる。これらの多価アルコールの2種以上の混合物であってもよい。また、上述の具体例に限定されるものではない。
【0051】
本発明の前記ラジカル重合性化合物と末端にアリルオキシカルボニル基(またはアリルオキシカルボニルオキシ基)を有するラジカル重合性化合物との好ましい質量比は0.1〜50:99.9〜50であり、より好ましくは0.5〜30:99.5〜70、さらに好ましくは1〜20:99〜80である。本発明のラジカル重合性化合物の質量比が少なすぎると柔軟性の改善が充分に得られず、本発明のラジカル重合性化合物の質量比が大きすぎると、アリルオキシカルボニル基(またはアリルオキシカルボニルオキシ基)を有するラジカル重合性化合物を重合した硬化物の本来有する透明性や耐熱性を低下させる可能性があり好ましくない。
【0052】
ラジカル重合開始剤はとしては、有機過酸化物、光重合開始剤、アゾ化合物等が挙げられる。
有機過酸化物としては、メチルエチルケトンパーオキシド、メチルイソブチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド等のケトンパーオキシド類、ジベンゾイルパーオキシド、ジデカノイルパーオキシド、ジラウロイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド類、ジクミルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド等のジアルキルパーオキシド類、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール類、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチルアジペート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート等のアルキルパーオキシエステル類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロプルカーボネート等のパーオキシジカーボネート類等が挙げられる。
【0053】
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン等のアセトフェノン誘導体、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4−トリメチルシリルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド等のベンゾフェノン誘導体、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾイン誘導体、メチルフェニルグリオキシレート、ベンゾインジメチルケタール、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。
【0054】
アゾ化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソバレロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系化合物等が挙げられる。
これらのラジカル重合開始剤は2種以上を併用してもよい。
【0055】
これらの重合開始剤の添加量は、硬化温度やラジカル硬化性組成物の組成比、添加剤の種類、量によって異なるため一概に規定することはできないが、本発明のラジカル硬化性組成物中の全ラジカル重合性成分100質量部に対して0.01〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部が特に好ましい。ラジカル重合開始剤の添加量が0.01質量部未満の場合は重合、硬化が不十分になる恐れがある。また、10質量部を超えて添加することは経済上好ましくない。
【0056】
重合温度(硬化温度)はラジカル重合開始剤の種類に応じて適宜選択すればよい。紫外線等による重合であれば、室温でも可能である。熱重合の場合は開始剤の分解温度に対応して適宜決めることが望ましく、一般的には30〜180℃の範囲で選択される。また、段階的に温度を変えて重合(硬化)させてもよい。
【0057】
本発明のラジカル硬化性組成物は紫外線吸収剤、酸化防止剤、離型剤、着色剤、流動調整剤、レベリング剤、無機充填剤などの公知の各種添加剤を使用することも可能である。
【0058】
紫外線吸収剤の具体例としては、2−(2’−ヒドロキシ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのトリアゾール類、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、4−tert−ブチルフェニルサリシラート等のサリシラート類が挙げられる。
【0059】
紫外線吸収剤の配合量は、他の配合物の種類、量等により変わるが、一般的には、本発明のラジカル硬化性組成物中の全ラジカル重合性成分100質量部に対して0.01〜2質量部が好ましく、0.03〜1.7質量部がより好ましく、0.05〜1.4質量部が最も好ましい。紫外線吸収剤が0.01質量部未満では十分な効果が期待できず、2質量部を超えると経済的に好ましくない。
【0060】
酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]メタン等のフェノール系、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオナート等の硫黄系、トリスノニルフェニルホスファイト等のリン系の酸化防止剤、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケートなどのヒンダードアミン類等が挙げられる。
【0061】
酸化防止剤の配合量は、他の配合物の種類、量等により変わるが、一般的には、本発明のラジカル硬化性組成物中の全ラジカル重合性成分100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましく、0.05〜4質量部がより好ましく、1〜3質量部が最も好ましい。酸化防止剤が0.01質量部未満では十分な効果が期待できず、5質量部を超えると経済的に好ましくない。
【0062】
離型剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アミド、フッ素系化合物類、シリコン化合物類などが挙げられる。
離型剤の配合量は、他の配合物の種類、量等により変わるが、一般的には、本発明のラジカル硬化性組成物中の全ラジカル重合性成分100質量部に対して、0.01〜2質量部が好ましく、0.03〜1.7質量部がより好ましく、0.05〜1.4質量部が最も好ましい。離型剤が0.01質量部未満では十分な効果が期待できず、2質量部を超えると経済的に好ましくない。
【0063】
着色剤としては、アントラキノン系、アゾ系、カルボニウム系、キノリン系、キノンイミン系、インジゴイド系、フタロシアニン系などの有機顔料、アゾイック染料、硫化染料などの有機染料、チタンイエロー、黄色酸化鉄、亜鉛黄、クロムオレンジ、モリブデンレッド、コバルト紫、コバルトブルー、コバルトグリーン、酸化クロム、酸化チタン、硫化亜鉛、カーボンブラックなどの無機顔料などが挙げられる。その配合量は特に限定されない。
【0064】
本発明のラジカル硬化性組成物は、必要に応じて無機フィラーや無機繊維と混合して成形することもできる。無機フィラーの具体例としては炭酸カルシウム、クレー、水酸化アルミニウム、タルク、マイカ、シリカ、ガラス球等が例示できるが、これらに限定されるものではない。無機繊維の具体例としてはガラス繊維、炭素繊維等が例示できるがこれらに限定されるものではない。
【0065】
本発明のラジカル硬化性組成物は、材料の粘度及び性状に応じて、注型成形、圧縮成形、トランスファー成形、射出成形、プロトルージョン成形することができる。
【0066】
注型成形の場合には、組成物中にラジカル重合開始剤を添加し、ラインを通してエラストマー製ガスケットやスペーサーで固定化している型へ注入して、オーブン中で熱により硬化する方法などが挙げられる。使用する型としては金属やガラス製のものが好ましい。
【実施例】
【0067】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの記載により何らの限定を受けるものではない。
【0068】
実施例1〜4及び比較例1〜4で調製したラジカル重合性化合物の諸物性は以下の通り測定した。
[ハーゼン色数]
JIS K0071に準拠し、比色管を用いて標準液との比較によりラジカル重合性化合物のハーゼン色数を測定した。
【0069】
[数平均分子量]
使用機種:昭和電工社製GPCシステムSIC−480II
カラム :昭和電工社製GPC用カラムK−801、K−802、K−802.5
検出器 :昭和電工社製RI−201H
溶離液 :クロロホルム
測定方法:クロロホルムに溶解した試料を、40℃に制御されたカラムへ100μL導入し、ポリスチレン換算の数分子量を測定した。
【0070】
1H−NMR、13C−NMR]
使用機種:日本電子社製 JEOL EX−400(400MHz)
測定方法:重水素化クロロホルムに溶解し、内部標準物質にテトラメチルシランを使用して測定した。
【0071】
[FT−IR]
使用機種:パーキンエルマー社製 Spectrum GX
測定方法:KBr板を用いて、液膜法で測定した。
【0072】
[ハンドリング性]:25℃で液体であり、流動性のあるものを○、流動性のないものを×とした。
【0073】
[粘度]
使用機種:東機産業株式会社製TVE−20H
測定方法:コーンプレート型粘度計、ローターNo.1°34’×R24のローターを用い、液温25℃で測定した。
【0074】
実施例5〜8及び比較例5〜9で調製した硬化物の諸物性は以下の通り測定した。
[硬化物の黄色度]
使用機器:日本電色工業社製 測色色差計ZE6000
測定方法:ASTM E313準拠(C光源/2°視野)、50mm×50mm×3mmの硬化板のYI(イエローインデックス)を測定した。
【0075】
[硬化物のヘイズ(Haze)]
使用機器:日本電色工業(株)製の濁度計NDH2000
測定方法:JIS K7136に従い、50mm×50mm×3mmの硬化物試験片を用いて測定した。
【0076】
[全光線透過率]
使用機器:日本電色工業(株)製の濁度計NDH2000
測定方法:JIS K7361−1に従い、50mm×50mm×3mmの硬化物試験片を用いて測定した。
【0077】
[線膨張係数]
使用機器:エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製熱機械的分析装置、TMA/SS7100
測定方法:8mm×8mm×3mmの硬化物試験片に4.0kPaの圧力をかけ、昇温速度5℃/minで30℃から260℃まで昇温し、30℃まで冷却した後、再度昇温速度5℃/minで30℃から260℃まで昇温した際の試験片の厚さの変化量から算出した。
【0078】
[鉛筆硬度]
サイズ50mm×50mm×3mmの硬化板の鉛筆硬度をJIS−K6894に準じて評価した。
【0079】
[曲げ試験(曲げ強さ、曲げ弾性率、破断点歪み)]
使用機器:島津製作所製万能試験機AG−1
測定方法:JIS K7171に従い、60mm×25mm×3mmの試験片を支点間距離48mm、試験速度1mm/minで3点曲げ試験を行った。
【0080】
実施例1:ラジカル重合性化合物(A)
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル400g、ポリカーボネートジオール(旭化成製UH−100、数平均分子量1000、アルキレン基:1,6−ヘキシレン基、一般式(11)の自然数nが1〜153)800g、ジオクチル錫オキシド1.0gを三ツ口フラスコに仕込み、160℃に調節したオイルバスにより加熱して反応を行った。反応の進行とともに生成するアリルアルコールを留出させた。反応は常圧から1.4kPaまで徐々に圧力を下げ、理論量のアリルアルコールが留出した時点を反応終了とした。反応時間は約6時間であった。冷却後、反応液を取り出し、ラジカル重合性化合物(A)を1052g得た。
得られたラジカル重合性化合物は室温で液状であり、ハーゼン色数は10、25℃での粘度は15000mPa・s、ポリスチレン換算の数平均分子量は3407であった。ラジカル重合性化合物Aの13C−NMR測定の結果δ=155.5ppmに−OCOO−基に由来するピークを確認した。GPC測定結果より一般式(3)中の自然数mはおよそ1〜64の範囲であった。
ラジカル重合性化合物Aの1H−NMRスペクトル、13C−NMR、及びIRスペクトルをそれぞれ図1、2、及び3に示す。
【0081】
実施例2:ラジカル重合性化合物(B)
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル400g、ポリカーボネートジオール(クラレ製C1015N、数平均分子量1000、アルキレン基:1,9−ノニレン基、2−メチル−1,8−オクチレン基、直鎖/分岐=15/85(モル/モル)、一般式(11)の自然数nが1〜116)800g、ジオクチル錫オキシド0.4gを三ツ口フラスコに仕込み、160℃に調節したオイルバスにより加熱して反応を行った。反応の進行とともに生成するアリルアルコールを留出させた。反応は常圧から1.4kPaまで徐々に圧力を下げ、理論量のアリルアルコールが留出した時点を反応終了とした。反応時間は約8時間であった。冷却後、反応液を取り出し、ラジカル重合性化合物(B)を1067g得た。
得られたラジカル重合性化合物は室温で液状であり、ハーゼン色数は30、25℃での粘度は10000mPa・s、ポリスチレン換算の数平均分子量は4197であった。ラジカル重合性化合物Bの13C−NMR測定の結果δ=155.3ppmに−OCOO−基に由来するピークを確認した。GPC測定結果より一般式(3)中の自然数mはおよそ1〜79の範囲であった。
ラジカル重合性化合物Bの1H−NMRスペクトル、13C−NMRスペクトル、及びIRスペクトルをそれぞれ図4、5、及び6に示す。
【0082】
実施例3:ラジカル重合性化合物(C)
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル400g、ポリカーボネートジオール(クラレ製C590、数平均分子量500、アルキレン基:1,6−ヘキシレン基、2−メチル−1,5−ペンチレン基、直鎖/分岐=10/90(モル/モル)一般式(11)の自然数nが1〜76)400g、ジオクチル錫オキシド0.4gを三ツ口フラスコに仕込み、160℃に調節したオイルバスにより加熱して反応を行った。反応の進行とともに生成するアリルアルコールを留出させた。反応は常圧から1.4kPaまで徐々に圧力を下げ、理論量のアリルアルコールが留出した時点を反応終了とした。反応時間は約7時間であった。冷却後、反応液を取り出し、ラジカル重合性化合物(C)を751g得た。
得られたラジカル重合性化合物は室温で液状であり、ハーゼン色数は15、25℃での粘度は3300mPa・s、ポリスチレン換算の数平均分子量は2067であった。ラジカル重合性化合物Cの13C−NMR測定の結果δ=155.2ppmに−OCOO−基に由来するピークを確認した。GPC測定結果より一般式(3)中の自然数mはおよそ1〜68の範囲であった。
ラジカル重合性化合物Cの1H−NMRスペクトル、13C−NMRスペクトル、及びIRスペクトルをそれぞれ図7、8、及び9に示す。
【0083】
実施例4:ラジカル重合性化合物(D)
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル400g、ポリカーボネートジオール(旭化成製UH−100、数平均分子量1000、アルキレン基:1,6−ヘキシレン基、一般式(10)の自然数nが1〜153)400g、3−メチル−1,5−ペンタンジオール(和光純薬工業社製)46g、ジオクチルスズオキシド1.0gを三ツ口フラスコに仕込み、160℃に調節したオイルバスにより加熱して反応を行った。反応の進行とともに生成するアリルアルコールを留出させた。反応は常圧から1.4kPaまで徐々に圧力を下げ、理論量のアリルアルコールが留出した時点を反応終了とした。反応時間は約6時間であった。冷却後、反応液を取り出し、ラジカル重合性化合物(D)を751g得た。
得られたラジカル重合性化合物は室温で液状であり、ハーゼン色数は25、25℃での粘度は5200mPa・s、ポリスチレン換算の数平均分子量は2302であった。ラジカル重合性化合物Dの13C−NMR測定の結果δ=155.3ppmに−OCOO−基に由来するピークを確認した。
ラジカル重合性化合物Dの1H−NMRスペクトル、13C−NMRスペクトル、及びIRスペクトルをそれぞれ図10、11、及び12に示す。
【0084】
比較例1:ラジカル重合性化合物(E)
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル300g、1,2−プロピレングリコール(和光純薬工業社製)75g、ジオクチル錫オキシド0.75gを三ツ口フラスコに仕込み、180℃に調節したオイルバスにより加熱して反応を行った。反応の進行とともに生成するアリルアルコールを留出させた。反応は常圧から1.4kPaまで徐々に圧力を下げ、理論量のアリルアルコールが留出した時点を反応終了とした。反応時間は約20時間であった。冷却後、反応液を取り出し、ラジカル重合性化合物(E)を291g得た。得られたラジカル重合性化合物は室温で半固体状であった。ポリスチレン換算の数平均分子量は1805であった。
【0085】
比較例2:ラジカル重合性化合物(F)
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル300g、3−メチル−1,5−ペンタンジオール(和光純薬工業社製)75g、ジオクチル錫オキシド0.75gを三ツ口フラスコに仕込み、180℃に調節したオイルバスにより加熱して反応を行った。反応の進行とともに生成するアリルアルコールを留出させた。反応は常圧から1.4kPaまで徐々に圧力を下げ、理論量のアリルアルコールが留出した時点を反応終了とした。反応時間は約5時間であった。冷却後、反応液を取り出し、ラジカル重合性化合物(F)を241g得た。
得られたラジカル重合性化合物は室温で液状であり、25℃での粘度は19800mPa・sであった。ポリスチレン換算の数平均分子量は2606であった。
【0086】
比較例3:ラジカル重合性化合物(G)
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル144g、ポリテトラメチレングリコール(和光純薬工業社製、平均分子量1000)277g、ジオクチル錫オキシド0.35gを三ツ口フラスコに仕込み、180℃に調節したオイルバスにより加熱して反応を行った。反応の進行とともに生成するアリルアルコールを留出させた。反応は常圧から1.4kPaまで徐々に圧力を下げ、理論量のアリルアルコールが留出した時点を反応終了とした。反応時間は約4時間であった。冷却後、反応液を取り出し、ラジカル重合性化合物(G)を371g得た。
得られたラジカル重合性化合物は室温で液状であり、ハーゼン色数は35、25℃での粘度は3130mPa・s、ポリスチレン換算の数平均分子量は3647であった。
【0087】
比較例4:ラジカル重合性化合物(H)
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル144g、ポリプロピレングリコール(和光純薬工業社製、平均分子量1000、ジオール型)277g、ジオクチル錫オキシド0.36gを三ツ口フラスコに仕込み、180℃に調節したオイルバスにより加熱して反応を行った。反応の進行とともに生成するアリルアルコールを留出させた。反応は常圧から1.4kPaまで徐々に圧力を下げ、理論量のアリルアルコールが留出した時点を反応終了とした。反応時間は18時間であった。冷却後、反応液を取り出し、ラジカル重合性化合物(H)を815g得た。
得られたラジカル重合性化合物は室温で液状であり、ハーゼン色数は35、25℃での粘度は4500mPa・s、ポリスチレン換算の数平均分子量は3728であった。
【0088】
合成例1:多価アリルエステル化合物(a)
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル500g、トリメチロールプロパン(和光純薬工業社製)59g、ジオクチル錫オキシド0.5gを三ツ口フラスコに仕込み、180℃に調節したオイルバスにより加熱して反応を行った。反応の進行とともに生成するアリルアルコールを留出させた。反応は常圧から1.4kPaまで徐々に圧力を下げ、理論量のアリルアルコールが留出した時点を反応終了とした。冷却後、反応液を取り出し、多価アリルエステル化合物(a)472gを得た。
【0089】
表1に実施例1〜4及び比較例1〜4の結果を示す。
【表1】

【0090】
実施例5〜8及び比較例5〜9:
100mlのポリエチレン製容器に多価アリルエステル化合物(a)、ラジカル重合性化合物、ラジカル重合開始剤(日油社製パーヘキシルI;t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート)を表2に示す組成比(質量比)で計量し、室温下でガラス棒を用いて均一となるまで撹拌し、ラジカル硬化性組成物を調製した。当該ラジカル硬化性組成物を、2枚のガラス板とシリコーンゴム紐製スペーサーからなる幅15cm、高さ20cm、厚さ3mmの型に流しこみ、これを熱風循環オーブンに入れ、90℃で1時間加熱し、ついで130℃まで2時間かけて昇温し、そのまま130℃で1時間加熱した。硬化終了後、型を外し160℃で1時間後硬化を行い平板状の硬化物を得た。この硬化物をダイヤモンドカッターを用いて所定のサイズに切り出し、前記の各種測定を行った。結果を表2に示す。
【0091】
【表2】

【0092】
表2に示す通り、本発明のラジカル重合性化合物の使用により、多価アリルエステル化合物の耐熱性、透明性、耐光性等の諸物性を維持しながら、柔軟性を有する硬化物を得ることができた。
柔軟性付与を目的に一般的に用いられるエーテル骨格、アルキレン骨格の導入では硬化物の透明性の著しい低下、ハンドリング性の低下が見られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

(式中、X1は置換基を有してもよい炭素数5〜10のシクロアルキレン基または置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキレン基を表す。)及び式(2)
【化2】

で示される末端基、並びに一般式(3)
【化3】

(式中、R1及びR2はそれぞれ独立してアルキル分岐を有してもよい炭素数2〜20のアルキレン基を表し、X2は置換基を有してもよい炭素数5〜10のシクロアルキレン基または置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキレン基を表し、n及びmは任意の自然数を表す。)
で示される構造を有し、数平均分子量が500〜50000であることを特徴とするラジカル重合性化合物。
【請求項2】
さらに、一般式(4)
【化4】

(式中、R3はアルキル分岐を有してもよい炭素数2〜20のアルキレン基を表し、X3は置換基を有してもよい炭素数5〜10のシクロアルキレン基または置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキレン基を表し、qは任意の自然数を表す。)
で示される構造を有する請求項1に記載のラジカル重合性化合物。
【請求項3】
1、X2、及びX3がそれぞれ独立して式(5)、(6)、及び(7)
【化5】

で示されるいずれかのシクロアルキレン基である請求項1または2に記載のラジカル重合性化合物。
【請求項4】
1、R2及びR3の少なくとも一つが炭素数1〜4のアルキル分岐を有するアルキレン基である請求項1〜3のいずれかに記載のラジカル重合性化合物。
【請求項5】
1及びR2が1,6−ヘキシレン基または2−メチル−1,5−ペンチレン基である請求項1〜4のいずれかに記載のラジカル重合性化合物。
【請求項6】
1及びR2がノニレン基である請求項1〜4のいずれかに記載のラジカル重合性化合物。
【請求項7】
1がR4を表し、R2がR5を表し、X1及びX2が1,4−シクロヘキシレン基である一般式(8)
【化6】

(式中、R4及びR5はそれぞれ独立して−(CH26−または−(CH22CH(CH3)(CH22−を表し、n及びmは任意の自然数を表す。)
で示される請求項1に記載のラジカル重合性化合物。
【請求項8】
一般式(1)
【化7】

(式中、X1は置換基を有してもよい炭素数5〜10のシクロアルキレン基または置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキレン基を表す。)及び式(2)
【化8】

で示される末端基、並びに一般式(3)
【化9】

(式中、R1及びR2はそれぞれ独立してアルキル分岐を有してもよい炭素数2〜20のアルキレン基を表し、X2は置換基を有してもよい炭素数5〜10のシクロアルキレン基または置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキレン基を表し、n及びmは任意の自然数を表す。)
で示される構造を有し、数平均分子量が500〜50000であるラジカル重合性化合物、末端にアリルオキシカルボニル基(CH2=CH−CH2−O−CO−)またはアリルオキシカルボニルオキシ基(CH2=CH−CH2−O−CO−O−)を有するラジカル重合性化合物、及びラジカル重合開始剤を含むことを特徴とするラジカル硬化性組成物。
【請求項9】
末端にアリルオキシカルボニル基を有するラジカル重合性化合物が、ジカルボン酸ジアリルエステル及び/またはジカルボン酸ジアリルエステルと多価アルコールの縮合物である請求項8に記載のラジカル硬化性組成物。
【請求項10】
一般式(10)
【化10】

(式中、X4は置換基を有してもよい炭素数5〜10のシクロアルキレン基または置換基を有してもよい炭素数2〜10のアルキレン基を表す。)
で示される化合物とポリカーボネートジオールとを触媒の存在下、エステル交換反応させることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のラジカル重合性化合物の製造方法。
【請求項11】
触媒が、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、アセチルアセトンハフニウム、及びアセチルアセトンジルコニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項10に記載のラジカル重合性化合物の製造方法。
【請求項12】
反応を180℃未満の温度で行う請求項10または11に記載のラジカル重合性化合物の製造方法。
【請求項13】
請求項8に記載のラジカル硬化性組成物を硬化させてなる光学材料。
【請求項14】
請求項13に記載の光学材料を用いた、光学フィルム、光学シート、光導波路、光学レンズ、光学用封止剤、光学用接着剤または導光板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−67792(P2013−67792A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−196989(P2012−196989)
【出願日】平成24年9月7日(2012.9.7)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】