説明

ラセミ化されたアミノ酸を含むポリペプチドの分離

【課題】ラセミ化されたアミノ酸残基を有するポリペプチド変異体は、毒性懸念のために、およびこれらが所望のポリペプチド以外の異なる活性を有するかもしれないという理由のために、治療的使用のためのポリペプチドには望ましくなく、これらの密接に関連したポリペプチドを調製用スケールで分離する方法を提供する。
【解決手段】アミノ酸残基のラセミ化が生じたときに、2つのポリペプチド変異体を分離することができるイオン交換プロセス。本方法は、大規模な操作に適用でき、かつ高い能力をもつ経済的な精製工程であり、前記ポリペプチドを調製用スケールで分離するためのものである。精製されたグルカゴン様ペプチドを含む薬学的組成物は、このような治療を必要とする患者に非経口的に投与してもよい。たとえばインフュージョンポンプを使用する注入によって行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンパク質精製の分野に関する。特に、本発明は、アミノ酸がラセミ化されたポリペプチドを分離するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリペプチドは、全ての主要療法領域内で、疾患治療のための薬物としてますます使用されている。慢性インスリン投与による糖尿病の治療は、80年以上の間実践されてきており、増殖障害および癌の範囲内におけるポリペプチドの医療適用も長年実践されてきた。ポリペプチドに基づいた療法が量販市場に達するためには、および既存の療法がより広く使用されるようになるためには、医療適用のための十分な純度をもつポリペプチドの大規模な産生のための経済的プロセスが重要である。
【0003】
治療適用のためのポリペプチドは、患者に投与する際に有効であるように、および有害事象を生じさせないための確実性を提供するために、高度に精製される。ポリペプチドの合成および精製に使用される多くの処理工程は、標的ポリペプチドに1つまたは複数のアミノ酸残基のラセミ化を生じさせることが知られている。典型的には、これらの条件は、極端なpHおよび高温、たとえばpH 12以上のpH値である(Senderoff et al. J. Pharm. Sci. 87, 183-189 (1998))。ラセミ化されたアミノ酸残基を有するポリペプチド変異体は、当技術分野の解析技術の水準による分離および同定に適用できる。これらの変異体は、毒性懸念のために、およびこれらが所望のポリペプチド以外の異なる活性を有するかもしれないという理由のために、治療的使用のためのポリペプチドには望ましくない。しかし、これらの密接に関連したポリペプチドを調製用スケールで、すなわち産業的製造の間に分離することは、重大な挑戦である。
【0004】
混合物からのポリペプチドの精製は、治療的ポリペプチドのための全体的製造プロセスの間に通常数回使用される工程である。イオン交換クロマトグラフィーは、粗製分離工程で適用されることが多いが、逆相高速液体クロマトグラフィー(RPHPLC)は、最終精製工程で関連したポリペプチドの産業的高分解能分離のために好ましい方法である。RPHPLCは、多くのポリペプチドの大規模精製のための用途が広いことが判明したが、本プロセスは、比較的高価であり、能力が限定されている。
【0005】
我々は、驚くべきことに、アミノ酸残基のラセミ化が生じたときに、2つのポリペプチド変異体を分離することができるイオン交換プロセスを発見した。本方法は、大規模な操作に適用でき、かつ経高い能力をもつ済的な精製工程を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】分離からの時間(分)対AU280のクロマトグラム。ピーク番号1は、D-His7Arg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)、ピーク番号2は、Arg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)である。
【図2】分離からの時間(分)対AU280のクロマトグラム。His7Arg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)およびArg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)は、メインピークに溶出する。D-His変異体は、メインピークの最先端に高度に濃縮されており、分画またはピークのカッティングによって低い収率の減少で分離することができる。
【図3】分離からの体積(mL)対AU215のクロマトグラム。ピーク番号1は、Exendin-4のL-His変異体を含み、ピーク番号2は、Exendin-4のD-His変異体を含む。
【発明の詳細な説明】
【0007】
[定義]
以下は、本明細書に使用される用語の詳細な定義である。
【0008】
本明細書に使用される「緩衝液」という用語は、それがなければ生じると考えられる、時間とともに変化するクロマトグラフィー溶液などの溶液のpH傾向を減少させる化学物質をいう。緩衝液は、以下の非限定の例を含む:酢酸ナトリウム、ナトリウム・カルボナート、クエン酸ナトリウム、グリシルグリシン、グリシン、ヒスチジン、リジン、リン酸ナトリウム、ホウ酸塩、トリス-ヒドロキシメチル-アミノメタン、エタノールアミン、およびこれらの混合物。
【0009】
本明細書に使用される「有機モディファイアー」という用語は、クロマトグラフィー溶液に添加される有機化合物をいう。有機モディファイアーは、一価アルコール、多価アルコール、並びにニトリルおよびケトンであってもよい。有機モディファイアーの非限定の例は、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、t-ブタノール、ヘキシレングリコール(4-メチル2,4-ペンタンジオール)、ネオペンチルアルコール(2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール)、アセトニトリル、アセトン、および尿素である。
【0010】
本明細書に使用される「ポリペプチド」という用語は、ペプチド結合によって接続された少なくとも5つの構成アミノ酸で構成される化合物をいう。構成アミノ酸は、遺伝暗号によってコードされるアミノ酸の群に由来してもよく、これらは、遺伝暗号によってコードされない天然のアミノ酸、並びに合成アミノ酸であってもよい。遺伝暗号によってコードされない天然のアミノ酸は、たとえばヒドロキシプロリン、γ-カルボキシグルタミン酸、オルニチン、ホスホセリン、D-アラニン、およびD-グルタミンである。合成アミノ酸は、化学合成、すなわちD-アラニンおよびD-ロイシン、Aib(α-アミノイソ酪酸)、Abu(α-アミノ酪酸)、Tle(tert-ブチルグリシン)、並びにβ-アラニンなどの遺伝暗号によってコードされるアミノ酸のD-アイソマーによって製造されるアミノ酸を含む。ポリペプチドは、単一のペプチド鎖を含んでもよく、またはこれは、たとえば2つの鎖がジスルフィド結合によって接続されたヒト・インスリンなどの複数のペプチド鎖を含んでもよい。
【0011】
本明細書に使用される「グルカゴン様ペプチド」という用語は、exendin、並びにプレプログルカゴン遺伝子、すなわちグルカゴン様ペプチド1(GLP-1)、グルカゴン様ペプチド2(GLP-2)、およびオキシントモジュリン(oxynthomodulin:OXM)に由来するグルカゴンの他の相同的なペプチド、並びにこれらの類似体および誘導体をいう。プレプログルカゴン遺伝子に由来するペプチドは、グルカゴン、グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)、グルカゴン様ペプチド2(GLP-2)、およびオキシントモジュリン(OXM)である。アメリカドクトカゲにおいて見いだされるexendinは、GLP-1に対して相同的で、更にインスリン分泌性の効果を及ぼす。exendinsの例は、exendin-4およびexendin-3である。
【0012】
グルカゴン様ペプチドは、以下の配列(配列番号:1〜6)を有する:
1 5 10 15 20 25 30 35
グルカゴン HSQGT FTSDY SKYLD SRRAQ DFVQW LMNT
GLP-1 HAEGT FTSDV SSYLE GQAAK EFIAW LVKGR G
GLP-2 HADGS FSDEM NTILD NLAAR DFINW LIQTK ITD
Exendin-4 HGEGT FTSDL SKQME EEAVR LFIEW LKNGG PSSGA PPPS-NH2
Exendin-3 HSDGT FTSDL SKQME EEAVR LFIEW LKNGG PSSGA PPPS-NH2
OXM HSQGT FTSDY SKYLD SRRAQ DFVQW LMDTK RNKNN IA
本明細書に使用される「類似体」という用語は、ペプチドの1つまたは複数のアミノ酸残基が、その他のアミノ酸残基によって置換されたか、および/または1つまたは複数のアミノ酸残基がペプチドから欠失されたか、および/または1つまたは複数のアミノ酸残基がペプチドから欠失され、または1つまたは複数のアミノ酸残基がペプチド付加された、修飾されたペプチドを意味するペプチドをいう。アミノ酸残基のこのような付加または欠失は、ペプチドのN末端におよび/またはペプチドのC末端に生じることができる。類似体を記載するために、たいてい2つの異なった、単純な系が使用される:たとえば、Arg34-GLP-1(7-37)またはK34R-GLP-1(7-37)は、GLP-1類似体であって、位置34に天然に存在するリジンが、アルギニンで置換されたものを示す(IUPAC-IUB 命名法に従って使用されるアミノ酸のための標準的な一文字略語)。
【0013】
本明細書に使用される「誘導体」という用語は、親ペプチドに関して、化学的に修飾された親タンパク質またはこれらの類似体であって、少なくとも1つの置換基が、親タンパク質またはこれらの類似体に存在しないもの、すなわち共有結合性に修飾された親タンパク質を意味する。典型的な修飾は、アミド、炭水化物、アルキル基、アシル基、エステル、ペグ化(pegylations)などである。GLP-1(7〜37)の誘導体の例は、Arg34、Lys26(Nε-(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル)))-GLP-1(7-37)である。
【0014】
本明細書に使用される「これらの断片」という用語は、ペプチドに関して、親ペプチドのアミノ酸の少なくとも20%を有するペプチドの任意の断片を意味する。従って、ヒト血清アルブミンについて、ヒト血清アルブミンは585アミノ酸を有するので、断片は少なくとも117アミノ酸を含む。一つの態様において、断片は、親ペプチドのアミノ酸の少なくとも35%を有する。もう一つの態様において、断片は、親ペプチドのアミノ酸の少なくとも50%を有する。もう一つの態様において、断片は、親ペプチドのアミノ酸の少なくとも75%を有する。
【0015】
本明細書に使用される「変異体」という用語は、ペプチド関して、親ペプチドの類似体、親ペプチドの誘導体、または親ペプチドの類似体の誘導体である修飾されたペプチドを意味する。
【0016】
本明細書に使用される「GLP-1ペプチド」という用語は、GLP-1(7-37)、GLP-1(7-37)の類似体、GLP-1(7-37)の誘導体、またはGLP-1(7-37)類似体の誘導体を意味する。
【0017】
本明細書に使用される「GLP-2ペプチド」という用語は、GLP-2(1-33)、GLP-2の類似体、GLP-2(1-33)の誘導体、またはGLP-2(1-33)類似体の誘導体を意味する。
【0018】
本明細書に使用される「exendin-4ペプチド」という用語は、exendin-4(1-39)、exendin-4類似体、exendin-4誘導体またはexendin-4類似体の誘導体を意味する。
【0019】
本明細書に使用される「安定なexendin-4化合物」という用語は、ヒトにおいて少なくとも10時間のインビボ血漿除去半減期を示す化学的に修飾されたexendin-4(1-39)、すなわち類似体または誘導体を意味する。ヒトにおいてexendin-4化合物の血漿除去半減期を決定するための方法は:化合物を等張性緩衝液、pH 7.4、PBS、または他の任意の適切な緩衝液に溶解する。投与量を末梢に、好ましくは腹部または上大腿に注射する。活性化合物を決定するための血液試料を頻繁な間隔で、かつ末端排除部分(たとえば、投与前、投与後1、2、3、4、5、6、7、8、10、12、24(2日)、36(2日)、48(3日)、60(3日)、72(4日)および84(4日)時間)をカバーする十分な期間採取する。活性化合物の濃度の決定は、Wilken et al., Diabetologia 43(51):A143, 2000に記載されたように行われる。導き出される薬物動態学的パラメーターは、商業的に入手可能なソフトウェアWinNonlin Version 2.1 (Pharsight, Cary, NC, USA)を使用して非区画法(non-compartmental methods)を用いて個々の被検者についての濃縮時間データから算出される。末端排出速度定数は、濃度-時間曲線の末端対数-一次部分に対する対数-一次回帰によって推定され、排出半減期を算出するために使用される。
【0020】
本明細書に使用される「DPP-IV保護されたグルカゴン様ペプチド」という用語は、天然のペプチドと比較して、化学的に修飾されて前記グルカゴン様ペプチドを血漿ペプチダーゼジペプチジルアミノペプチダーゼ-4(DPP-IV)に対して耐性にされたグルカゴン様ペプチドを意味する。
【0021】
本明細書に使用される「免疫調節されたexendin-4化合物」という用語は、exendin-4(1-39)と比較して、ヒトにおいて減少した免疫応答を有するexendin-4(1-39)の類似体または誘導体であるexendin-4ペプチドを意味する。免疫応答を評価するための方法は、患者を4週治療後、exendin-4化合物に対して反応性の抗体量を測定することである。
【0022】
本明細書に使用される「インスリン・ペプチド」という用語は、ヒト・インスリンまたはこれらの類似体もしくは誘導体などの化学的に修飾されたヒト・インスリンであるペプチドをいう。
【0023】
本明細書に使用される「ヒト・インスリン」という用語は、構造および性質が周知であるヒト・ホルモンをいう。ヒト・インスリンは、システイン残基間のジスルフィド橋によって接続された2つのポリペプチド鎖、すなわちA鎖およびB鎖を有する。A鎖は、21アミノ酸ペプチドであり、B鎖は、30アミノ酸ペプチドであり、2つの鎖は、3つのジスルフィド橋によって接続されている:一つは、A鎖の6位と11位のシステインとの間、第2のA鎖の7位のシステインとB鎖の7位のシステインとの間、および第3のA鎖の20位のシステインとB鎖の19位のシステインとの間。
【0024】
本明細書に使用される「ポリペプチド産物」という用語は、薬学的組成物の製造のために使用される精製されたペプチド産物を意味する。従って、ポリペプチド産物は、通常最終的な精製、乾燥、または調節工程からの産物として得られる。産物は、結晶、沈殿、溶液、または懸濁液の状態であってもよい。また、ポリペプチド産物は、原体、すなわち活性な薬学的成分として当該技術分野において既知である。
【0025】
本明細書に使用される「等電点」という用語は、ポリペプチドなどの巨大分子の全体の実効電荷がゼロであるpH値を意味する。ポリペプチドには、多くの荷電した基があってもよく、等電点において、全てのこれらの電荷の合計がゼロである。等電点以上のpHでは、ポリペプチドの全体の総電荷はネガティブであるが、等電点以下のpH値では、ポリペプチドの全体の総電荷は、ポジティブである。
【0026】
本明細書に使用される「薬学的に許容される」という用語は、正常な薬学的適用のために適していること、すなわち患者において有害事象などを引き起こさないことを意味する。
【0027】
本明細書に使用される「賦形剤」という用語は、通常薬学的組成物に添加される化学物質、たとえば緩衝液、緊張度薬剤、防腐剤などを意味する。
【0028】
本明細書に使用され「有効な量」という用語は、治療なしと比較して、患者の治療のために有効であるのに十分である用量を意味する。
【0029】
明細書に使用される「薬学的組成物」という用語は、活性化合物またはこれらの塩を、緩衝液、保存剤、および任意に緊張度修飾子および/または安定剤などの医薬賦形剤と共に含む製品を意味する。したがって、薬学的組成物は、当該技術分野において薬学的製剤としても既知である。
【0030】
本明細書に使用される「疾患の治療」という用語は、疾患、症状、または障害を発症した患者の管理および看護を意味する。治療の目的は、疾患、症状、または障害と戦うことである。治療は、疾患、症状、または障害を除去または制御するために、並びに疾患、症状、または障害と関係する症状または合併症を軽減するために活性化合物を投与することを含む。
【0031】
[本発明の詳細]
第1の側面において、本発明は、単一アミノ酸ラセミ化を有するポリペプチドの2つの形態を分離するための方法であって、溶出条件下で、ラセミ化されたアミノ酸残基のpKaから約2 pHユニット以下であるpHで塩濃度を増大することによる溶出を含むイオン交換クロマトグラフィープロセスであることを特徴とする方法に関する。
【0032】
もう一つの局面において、本発明は、単一アミノ酸ラセミ化を有するポリペプチドの2つの形態を分離するための方法であって、溶出条件下で、ラセミ化されたアミノ酸残基のpKaから約1 pHユニット以下であるpHで塩濃度を増大することによる溶出を含むイオン交換クロマトグラフィープロセスであることを特徴とする方法に関する。
【0033】
もう一つの局面において、本発明は、単一アミノ酸ラセミ化を有するポリペプチドの2つの形態を分離するための方法であって、溶出条件下で、ラセミ化されたアミノ酸残基のpKaから1 pHユニット以下であるpHで塩濃度を増大することによる溶出を含むイオン交換クロマトグラフィープロセスであることを特徴とする方法に関する。
【0034】
もう一つの局面において、式中、本発明は、2つのポリペプチド(X)およびA(X*)を分離するための方法であって、
式中、
Xは、Lアミノ酸であり、
A(X)は、アミノ酸Xを含むポリペプチドであり、
X*は、XのD異性体であり、
A(X*)は、アミノ酸X*を含むが、その他はA(X)と同一であるポリペプチドであり、
前記方法は、溶出条件下で、XのpKaから1 pHユニット以下であるpHで塩濃度を増大することによる溶出を含むイオン交換クロマトグラフィープロセスであることを特徴とする方法に関する。
【0035】
もう一つの本発明の側面は、単一アミノ酸ラセミ化を有する2つのポリペプチド(X)および(X*)を分離するための方法であって、
式中、
Xは、Lアミノ酸であり、
A(X)は、アミノ酸Xを含むポリペプチドであり、
X*は、XのD異性体であり、
A(X*)は、アミノ酸X*を含むが、その他はA(X)と同一であるポリペプチドであり、
前記方法は、溶出条件下で、XのpKaから1 pHユニット以下であるpHで塩濃度を増大することによる溶出を含むイオン交換クロマトグラフィープロセスであることを特徴とする方法に関する。
【0036】
ラセミ化されたアミノ酸残基を含む標的ポリペプチドおよび不純物は、アイソクラチック(isocratic)工程により、溶出剤の塩濃度を漸近的または線形的に増加し、またはこれらを組み合わせて溶出および分離される。XのpKaは、アミノ酸残基について表にしたpKa値によって評価してもよい(たとえばCreighton T.E. “Proteins. Structures and Molecular Properties”, page 6, 2nd ed. W.H. Freeman and Company, N.Y (1993)を参照されたい)。また、XのpKaは、XのpKaに対する隣接するアミノ酸残基の効果を考慮した、当該技術分野において既知のコンピューター実行アルゴリズムによって評価してもよい。XのpKaを決定するためのもう一つの可能性は、Xが組み入れられるタンパク質のNMR研究を行うことである。pKa値は、溶液の組成による影響を受けるかもしれないこと、たとえば有機モディファイアーの存在は、アミノ酸残基のpKaを変化するかもしれないことが知られている。
【0037】
イオン交換クロマトグラフィーは、溶質分子が有する電荷に基づいて分離が達成される広く適用される分離プロセスである。イオン交換クロマトグラフィーでは、主な分離原理は、分離される固定相と可溶性分子との間のイオン相互作用である。
【0038】
イオン交換クロマトグラフィーの通常の様式では、完全なサイクル(cyclus)は、
a)カラムをサイクルの準備ができている状態にさせるための、平衡緩衝液での平衡化、
b)産物を保持する試料の適用、
c)結合した産物を含む固定相を洗浄する任意の洗浄工程、
d)塩濃度の増大により、クロマトグラフィー固定相に対する産物の親和性を減少させて、産物がクロマトグラフィーのカラム溶出液中のカラムに離れる溶出、および、
e)再生溶液を使用して残留する不純物からクロマトグラフィー固定相を取り除くことを試みる任意の再生。
【0039】
溶出工程(d)の間に、異なるポリペプチドの分離は、カラム溶出液を多くのプールに収集することによって得られる。これらのプールの適当な収集によって、たとえばAU280(すなわち280nm吸光度)または伝導率の測定によって、各々のこれらのプールは、主に一定のポリペプチドを含む。従って、分離は、主に所望のポリペプチドを含む溶出剤のプールまたはこれらの一部を収集することによって達成される。平衡溶液および適用のための試料は、有機モディファイアーを含んでいてもよく、または含んでいなくてもよい。有機モディファイアーは、任意の一価脂肪族アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、およびブタノール)またはヘキシレングリコールまたはネオペンチルアルコールなどの多価アルコールであることができるが、これらに限定されない。クロマトグラフィー精製の任意のセクションのための塩成分は、以下を含む(しかし、これらに限定されない)任意の塩であってもよい:NaCl、KCl、NH4Cl、CaCl2、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸アンモニウムその他。以下を含む(しかし、これらに限定されない)任意の緩衝液成分を使用することができる:クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、カルボン酸緩衝液、酢酸緩衝液、アンモニウム緩衝液、グリシン緩衝液、トリ-ヒドロキシメチルアミノメタン緩衝液、4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-エタンスルホン酸緩衝液その他。以下を含む(しかし、これらに限定されない)広範囲にわたるクロマトグラフィーイオン交換樹脂を適用できる:
モノQ(Amersham Biosci-ences)、Source 15Qまたは30Q(Amersham Biosciences)、Poros 20HQまたは50HQ(Perspective Biosystems)、Toyopearl Q650S(Toso Haas)、およびその他。
【0040】
本発明の1つの態様において、本方法は、前記ポリペプチドを調製用スケールで分離するためのものである。
【0041】
本発明のもう一つの態様において、溶出は、結合のために使用されるpHと実質的に同じであるpHで行われる。しかし、これはまた、溶出のために使用されるpHと同じではないpHで、カラムに対する結合、すなわち試料の適用を行うこともできる。したがって、溶出のために使用されるpHとは異なるpHでの結合は、カラムに対してpH調整が行われることを意味する。
【0042】
本発明のもう一つの態様において、ポリペプチドの溶出は、溶出条件下で、XのpKaから約0.75 pHユニット以下であるpHで行われる。
【0043】
本発明のもう一つの態様において、ポリペプチドの溶出は、溶出条件下で、XのpKaから約1.0 pHユニット以下であるpHで行われる。
【0044】
本発明のもう一つの態様において、ポリペプチドの溶出は、溶出条件下で、XのpKaから約0.5 pHユニット以下であるpHで行われる。
【0045】
本発明のもう一つの態様において、ポリペプチドの溶出は、溶出条件下で、XのpKaから約0.25 pHユニット以下であるpHで行われる。
【0046】
本発明の1つの態様において、溶出は、前記ポリペプチドの等電点より高いpHで行われる。
【0047】
本発明のもう一つの態様において、溶出は、前記ポリペプチドの等電点より低いpHで行われる
本発明のもう一つの態様において、ポリペプチドは、約10kDa未満の分子量を有する。
【0048】
本発明のもう一つの態様において、ポリペプチドは、約8kDa未満の分子量を有する。
【0049】
本発明のもう一つの態様において、ポリペプチドは、約1kDa〜約10kDaの範囲の分子量を有する。
【0050】
本発明のもう一つの態様において、溶出剤は、有機モディファイアーを含む。
【0051】
本発明のもう一つの態様において、溶出剤は、前記ポリペプチドを可溶性に保つために十分な濃度で有機モディファイアーを含む。
【0052】
本発明のもう一つの態様において、有機モディファイアーは、エタノールである。
【0053】
本発明のもう一つの態様において、有機モディファイアーは、2-プロパノールである。
【0054】
本発明のもう一つの態様において、有機モディファイアーは、アセトニトリルである。
【0055】
本発明のもう一つの態様において、有機モディファイアーは、メタノール、1-プロパノール、およびヘキシレングリコールからなる群より選択される。
【0056】
本発明のもう一つの態様において、有機モディファイアーは、ネオペンチルアルコールである。
【0057】
本発明のもう一つの態様において、有機モディファイアーの濃度は、約20%〜約70%、または約30%〜約65%などの約10%〜約80%である。
【0058】
本発明のもう一つの態様において、塩は、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、および酢酸カリウムからなる群より選択される。
【0059】
本発明のもう一つの態様において、Xは、N末端またはC末端アミノ酸残基である。
【0060】
本発明のもう一つの態様において、Xは、L-ヒスチジンである。
【0061】
本発明のもう一つの態様において、Xは、ヒスチジンのアミノ酸類似体である。
【0062】
本発明のもう一つの態様において、Xは、デスアミノ-ヒスチジン、2-アミノ-ヒスチジン、β-ヒドロキシ-ヒスチジン、ホモヒスチジン、α-フルオロメチル-ヒスチジン、およびα-メチル-ヒスチジンからなる群より選択される。
【0063】
本発明のもう一つの態様において、Xは、N末端アミノ酸残基である。
【0064】
本発明のもう一つの態様において、Xは、L-フェニルアラニンである。
【0065】
本発明のもう一つの態様において、Xは、L-リジンである。
【0066】
本発明のもう一つの態様において、Xは、L-アルギニンである。
【0067】
本発明のもう一つの態様において、Xは、L-アスパラギン酸である。
【0068】
本発明のもう一つの態様において、Xは、L-アスパラギンである
本発明のもう一つの態様において、Xは、L-グルタミン酸である。
【0069】
本発明のもう一つの態様において、Xは、L-グルタミンである。
【0070】
本発明のもう一つの態様において、Xは、L-γ-カルボキシグルタミン酸である。
【0071】
本発明のもう一つの態様において、ポリペプチドは、グルカゴン様ペプチドである。
【0072】
本発明のもう一つの態様において、ポリペプチドは、グルカゴン、グルカゴン類似体、グルカゴンの誘導体、またはグルカゴン類似体の誘導体である。
【0073】
本発明のもう一つの態様において、グルカゴン様ペプチドは、GLP-1、GLP-1類似体、GLP-1の誘導体、またはGLP-1類似体の誘導体である。
【0074】
本発明のもう一つの態様において、GLP-1類似体は、Arg34-GLP-1(7-37)、Gly8-GLP-1(7-36)-アミド、Gly8-GLP-1(7-37)、Val8-GLP-1(7-36)-アミド、Val8-GLP-1(7-37)、Val8Asp22-GLP-1(7-36)-アミド、Val8Asp22-GLP-1(7-37)、Val8Glu22-GLP-1(7-36)-アミド、Val8Glu22-GLP-1(7-37)、Val8Lys22-GLP-1(7-36)-アミド、Val8Lys22-GLP-1(7-37)、Val8Arg22-GLP-1(7-36)-アミド、Val8Arg22-GLP-1(7-37)、Val8His22-GLP-1(7-36)-アミド、Val8His22-GLP-1(7-37)、Val8Trp19Glu22-GLP-1(7-37)、Val8Glu22Val25-GLP-1(7-37)、Val8Tyr16Glu22-GLP-1(7-37)、Val8Trp16Glu22-GLP-1(7-37)、Val8Leu16Glu22-GLP-1(7-37)、Val8Tyr18Glu22-GLP-1(7-37)、Val8Glu22His37-GLP-1(7-37)、Val8Glu22Ile33-GLP-1(7-37)、Val8Trp16Glu22Val25Ile33-GLP-1(7-37)、Val8Trp16Glu22Ile33-GLP-1(7-37)、Val8Glu22Val25Ile33-GLP-1(7-37)、Val8Trp16Glu22Val25-GLP-1(7-37)、これらの類似体、およびこれらのいずれかの誘導体からなる群より選択される。
【0075】
本発明のもう一つの態様において、GLP-1の誘導体またはGLP-1類似体の誘導体は、1つのリジンなどのリジン残基を有し、親油性置換基が、任意にスペーサーを介して前記リジンのイプシロンアミノ基に付着されている。
【0076】
本発明のもう一つの態様において、親油性置換基は、8〜40炭素原子、好ましくは8〜24炭素原子、たとえば12〜18炭素原子を有する。
【0077】
本発明のもう一つの態様において、スペーサーが存在し、かつアミノ酸、たとえばβ-Ala、L-Glu、またはアミノブチロイルから選択される。
【0078】
本発明のもう一つの態様において、グルカゴン様ペプチドは、DPPIV保護されたグルカゴン様ペプチドである。
【0079】
本発明のもう一つの態様において、グルカゴン様ペプチドは、血漿安定グルカゴン様ペプチドである。
【0080】
本発明のもう一つの態様において、グルカゴン様ペプチドは、Arg34、Lys26(Nε-(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル)))-GLP-1(7-37)である。
【0081】
本発明のもう一つの態様において、グルカゴン様ペプチドは、22〜40アミノ酸残基、好ましくは26〜36アミノ酸残基、さらに好ましくは29〜33アミノ酸残基を有する。
【0082】
本発明の一つの態様において、グルカゴン様ペプチドは、GLP-2、GLP-2類似体、GLP-2の誘導体、またはGLP-2類似体の誘導体である。
【0083】
本発明のもう一つの態様において、GLP-2の誘導体またはGLP-2類似体の誘導体は、1つのリジンなどのリジン残基を有し、かつ親油性置換基が、任意にスペーサーを介して前記リジンのイプシロンアミノ基に付着されている。
【0084】
本発明のもう一つの態様において、親油性置換基は、8〜40炭素原子、好ましくは8〜24炭素原子、たとえば12〜18炭素原子を有する。
【0085】
本発明のもう一つの態様において、スペーサーが存在し、かつアミノ酸、たとえばβ-Ala、L-Glu、アミノブチロイルから選択される。
【0086】
本発明のもう一つの態様において、グルカゴン様ペプチドは、27〜39アミノ酸残基、好ましくは29〜37アミノ酸残基、さらにより好ましくは31〜35アミノ酸残基を有する。
【0087】
本発明のもう一つの態様において、グルカゴン様ペプチドは、、Lys17Arg30-GLP-2(1-33)またはArg30Lys17Nε(β-Ala(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-2(1-33)である。
【0088】
本発明のもう一つの態様において、グルカゴン様ペプチドは、Gly2-GLP-2(1-33)である。
【0089】
本発明の一つの態様において、グルカゴン様ペプチドは、exendin-4、前endin-4類似体、exendin-4の誘導体、またはexendin-4類似体の誘導体である。
【0090】
本発明のもう一つの態様において、グルカゴン様ペプチドは、exendin-4である。
【0091】
本発明のもう一つの態様において、exendin-4の誘導体またはexendin-4類似体の誘導体は、アシル化されたペプチドまたはペグ化されたペプチドである。
【0092】
本発明のもう一つの態様において、グルカゴン様ペプチドは、安定exendin-4化合物である。
【0093】
本発明のもう一つの態様において、グルカゴン様ペプチドは、DPP-IV保護されたexendin-4化合物である。
【0094】
本発明のもう一つの態様において、グルカゴン様ペプチドは、免疫調整されたexendin-4化合物である。
【0095】
本発明のもう一つの態様において、exendin-4の誘導体またはexendin-4類似体の誘導体は、1つのリジンなどのリジン残基を有し、かつ親油性置換基が、任意にスペーサーを介して前記リジンのイプシロンアミノ基に付着されている。
【0096】
本発明のもう一つの態様において、親油性置換基は、8〜40炭素原子、好ましくは8〜24炭素原子、たとえば12〜18炭素原子を有する。
【0097】
本発明のもう一つの態様において、スペーサーが存在し、かつアミノ酸、たとえばβ-Ala、L-Glu、アミノブチロイルから選択される。
【0098】
本発明のもう一つの態様において、グルカゴン様ペプチドは、30〜48アミノ酸残基、33〜45アミノ酸残基、好ましくは35〜43アミノ酸残基、さらに好ましくは37〜41アミノ酸残基を有するexendin-4ペプチドである。
【0099】
本発明の一つの態様において、GLP-2ペプチドは、以下からなる一覧から選択される:K30R-GLP-2(1-33);S5K-GLP-2(1-33);S7K-GLP-2(1-33);D8K-GLP-2(1-33);E9K-GLP-2(1-33);M10K-GLP-2(1-33);N11K-GLP-2(1-33);T12K-GLP-2(1-33);I13K-GLP-2(1-33);L14K-GLP-2(1-33);D15K-GLP-2(1-33);N16K-GLP-2(1-33);L17K-GLP-2(1-33);A18K-GLP-2(1-33);D21K-GLP-2(1-33);N24K-GLP-2(1-33);Q28K-GLP-2(1-33);S5K/K30R-GLP-2(1-33);S7K/K30R-GLP-2(1-33);D8K/K30R-GLP-2(1-33);E9K/K30R-GLP-2(1-33);M10K/K30R-GLP-2(1-33);N11K/K30R-GLP-2(1-33);T12K/K30R-GLP-2(1-33);I13K/K30R-GLP-2(1-33);L14K/K30R-GLP-2(1-33);D15K/K30R-GLP-2(1-33);N16K/K30R-GLP-2(1-33);L17K/K30R-GLP-2(1-33);A18K/K30R-GLP-2(1-33);D21K/K30R-GLP-2(1-33);N24K/K30R-GLP-2(1-33);Q28K/K30R-GLP-2(1-33);K30R/D33K-GLP-2(1-33);D3E/K30R/D33E-GLP-2(1-33);D3E/S5K/K30R/D33E-GLP-2(1-33);D3E/S7K/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/D8K/K30R/D33E-GLP-2(1-33);D3E/E9K/K30R/D33E-GLP-2(1-33);D3E/M10K/K30R/D33E-GLP-2(1-33);D3E/N11K/K30R/D33E-GLP-2(1-33);D3E/T12K/K30R/D33E-GLP-2(1-33);D3E/I13K/K30R/D33E-GLP-2(1-33);D3E/L14K/K30R/D33E-GLP-2(1-33);D3E/D15K/K30R/D33E-GLP-2(1-33);D3E/N16K/K30R/D33E-GLP-2(1-33);D3E/L17K/K30R/D33E-GLP-2(1-33);D3E/A18K/K30R/D33E-GLP-2(1-33);D3E/D21K/K30R/D33E-GLP-2(1-33);D3E/N24K/K30R/D33E-GLP-2(1-33);D3E/Q28K/K30R/D33E-GLP-2(1-33);およびこれらの誘導体。
【0100】
本発明の一つの態様において、GLP-2誘導体は、以下からなる群より選択される;
S5K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)-GLP-2(1-33);
S7K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)-GLP-2(1-33);
D8K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)-GLP-2(1-33);
E9K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)-GLP-2(1-33);
M10K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)-GLP-2(1-33);
N11K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)-GLP-2(1-33);
T12K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)-GLP-2(1-33);
I13K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)-GLP-2(1-33);
L14K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)-GLP-2(1-33);
D15K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)-GLP-2(1-33);
N16K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)-GLP-2(1-33);
L17K(3-(オクタノイルアミノ)プロピオニル)-GLP-2(1-33);
L17K(3-(ノナノイルアミノ)プロピオニル)-GLP-2(1-33);
L17K(3-(デカノイルアミノ)プロピオニル)-GLP-2(1-33);
L17K(3-(ウンデカノイルアミノ)プロピオニル)-GLP-2(1-33);
L17K(3-(ドデカノイルアミノ)プロピオニル)-GLP-2(1-33);
L17K(3-(トリデカノイルアミノ)プロピオニル)-GLP-2(1-33);
L17K(3-(テトラデカノイルアミノ)プロピオニル)-GLP-2(1-33);
L17K(3-(ペンタデカノイルアミノ)プロピオニル)-GLP-2(1-33);
L17K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)-GLP-2(1-33);
L17K(3-(ヘプタデカノイルアミノ)プロピオニル)-GLP-2(1-33);
L17K(3-(オクタデカノイルアミノ)プロピオニル)-GLP-2(1-33);
L17K(3-(ノナデカノイルアミノ)プロピオニル)-GLP-2(1-33);
L17K(3-(エイコサノイルアミノ)プロピオニル)-GLP-2(1-33);
L17K((S)-4-カルボキシ-4-(オクタノイルアミノ)ブタノイル)-GLP-2(1-33);
L17K((S)-4-カルボキシ-4-(ノナノイルアミノ)ブタノイル)-GLP-2(1-33);
L17K((S)-4-カルボキシ-4-(デカノイルアミノ)ブタノイル)-GLP-2(1-33);
L17K((S)-4-カルボキシ-4-(ウンデカノイルアミノ)ブタノイル)-GLP-2(1-33);
L17K((S)-4-カルボキシ-4-(ドデカノイルアミノ)ブタノイル)-GLP-2(1-33);
L17K((S)-4-カルボキシ-4-(トリデカノイルアミノ)ブタノイル)-GLP-2(1-33);
L17K((S)-4-カルボキシ-4-(テトラデカノイルアミノ)ブタノイル)-GLP-2(1-33);
L17K((S)-4-カルボキシ-4-(ペンタデカノイルアミノ)ブタノイル)-GLP-2(1-33);
L17K((S)-4-カルボキシ-4-(ヘキサデカノイルアミノ)ブタノイル)-GLP-2(1-33);
L17K((S)-4-カルボキシ-4-(ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル)-GLP-2(1-33);
L17K((S)-4-カルボキシ-4-(オクタデカノイルアミノ)ブタノイル)-GLP-2(1-33);
L17K((S)-4-カルボキシ-4-(ノナデカノイルアミノ)ブタノイル)-GLP-2(1-33);
L17K((S)-4-カルボキシ-4-(エイコサノイルアミノ)ブタノイル)-GLP-2(1-33);
L17K(4-(オクタノイルアミノ)ブタノイル)-GLP-2(1-33);
L17K(4-(ノナノイルアミノ)ブタノイル)-GLP-2(1-33);
L17K(4-(デカノイルアミノ)ブタノイル)-GLP-2(1-33);
L17K(4-(ウンデカノイルアミノ)ブタノイル)-GLP-2(1-33);
L17K(4-(ドデカノイルアミノ)ブタノイル)-GLP-2(1-33);
L17K(4-(トリデカノイルアミノ)ブタノイル)-GLP-2(1-33);
L17K(4-(テトラデカノイルアミノ)ブタノイル)-GLP-2(1-33);
L17K(4-(ペンタデカノイルアミノ)ブタノイル)-GLP-2(1-33);
L17K(4-(ヘキサデカノイルアミノ)ブタノイル)-GLP-2(1-33);
L17K(4-(ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル)-GLP-2(1-33);
L17K(4-(オクタデカノイルアミノ)ブタノイル)-GLP-2(1-33);
L17K(4-(ノナデカノイルアミノ)ブタノイル)-GLP-2(1-33);
L17K(4-(エイコサノイルアミノ)ブタノイル)-GLP-2(1-33);
A18K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)-GLP-2(1-33);
D21K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)-GLP-2(1-33);
N24K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)-GLP-2(1-33);
Q28K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)-GLP-2(1-33);
S5K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R-GLP-2(1-33);
S7K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R-GLP-2(1-33);
D8K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R-GLP-2(1-33);
E9K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R-GLP-2(1-33);
M10K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R-GLP-2(1-33);
N11K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R-GLP-2(1-33);
T12K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R-GLP-2(1-33);
I13K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R-GLP-2(1-33);
L14K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R-GLP-2(1-33);
D15K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R-GLP-2(1-33);
N16K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K(3-(オクタノイルアミノ)プロピオニル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K(3-(ノナノイルアミノ)プロピオニル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K(3-(デカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K(3-(ウンデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K(3-(ドデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K(3-(トリデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K(3-(テトラデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K(3-(ペンタデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K(3-(ヘプタデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K(3-(オクタデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K(3-(ノナデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K(3-(エイコサノイルアミノ)プロピオニル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K((S)-4-カルボキシ-4-(オクタノイルアミノ)ブタノイル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K((S)-4-カルボキシ-4-(ノナノイルアミノ)ブタノイル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K((S)-4-カルボキシ-4-(デカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K((S)-4-カルボキシ-4-(ウンデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K((S)-4-カルボキシ-4-(ドデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K((S)-4-カルボキシ-4-(トリデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K((S)-4-カルボキシ-4-(テトラデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K((S)-4-カルボキシ-4-(ペンタデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K((S)-4-カルボキシ-4-(ヘキサデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K((S)-4-カルボキシ-4-(ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K((S)-4-カルボキシ-4-(オクタデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K((S)-4-カルボキシ-4-(ノナデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K((S)-4-カルボキシ-4-(エイコサノイルアミノ)ブタノイル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K(4-(オクタノイルアミノ)ブタノイル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K(4-(ノナノイルアミノ)ブタノイル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K(4-(デカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K(4-(ウンデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K(4-(ドデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K(4-(トリデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K(4-(テトラデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K(4-(ペンタデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K(4-(ヘキサデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K(4-(ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K(4-(オクタデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K(4-(ノナデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R-GLP-2(1-33);
L17K(4-(エイコサノイルアミノ)ブタノイル)/K30R-GLP-2(1-33);
A18K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R-GLP-2(1-33);
D21K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R-GLP-2(1-33);
N24K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R-GLP-2(1-33);
Q28K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R-GLP-2(1-33);
D3E/S5K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/S7K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/D8K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/E9K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/M10K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/N11K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/T12K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/I13K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L14K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/D15K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/N16K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K(3-(オクタノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K(3-(ノナノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K(3-(デカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K(3-(ウンデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K(3-(ドデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K(3-(トリデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K(3-(テトラデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K(3-(ペンタデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K(3-(ヘプタデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K(3-(オクタデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K(3-(ノナデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K(3-(エイコサノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K((S)-4-カルボキシ-4-(オクタノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K((S)-4-カルボキシ-4-(ノナノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K((S)-4-カルボキシ-4-(デカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K((S)-4-カルボキシ-4-(ウンデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K((S)-4-カルボキシ-4-(ドデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K((S)-4-カルボキシ-4-(トリデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K((S)-4-カルボキシ-4-(テトラデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K((S)-4-カルボキシ-4-(ペンタデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K((S)-4-カルボキシ-4-(ヘキサデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K((S)-4-カルボキシ-4-(ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K((S)-4-カルボキシ-4-(オクタデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K((S)-4-カルボキシ-4-(ノナデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K((S)-4-カルボキシ-4-(エイコサノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K(4-(オクタノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K(4-(ノナノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K(4-(デカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K(4-(ウンデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K(4-(ドデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K(4-(トリデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K(4-(テトラデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K(4-(ペンタデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K(4-(ヘキサデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K(4-(ヘプタデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K(4-(オクタデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K(4-(ノナデカノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/L17K(4-(エイコサノイルアミノ)ブタノイル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/A18K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/D21K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);
D3E/N24K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33);および、
D3E/Q28K(3-(ヘキサデカノイルアミノ)プロピオニル)/K30R/D33E-GLP-2(1-33)。
【0101】
GLP-2、これらの類似体、並びにGLP-2誘導体の調製のための方法は、たとえば国際公開公報第99/43361号および国際公開公報第00/55119号に見出される。
【0102】
本発明のさらなる態様において、グルカゴン様ペプチドは、exendin-4(1-39)のインスリン分泌性の類似物、たとえばSer2Asp3-exendin-4(1-39)であり、式中位置2と3のアミノ酸残基は、それぞれセリンおよびアスパラギン酸で置換されている(この特定の類似体は、当該技術分野においてexendin-3としても既知である)。
【0103】
本発明のさらなる態様において、グルカゴン様ペプチドは、導入される置換分がアミド、炭水化物、アルキル基、エステル、および親油性置換基から選択されるexendin-4誘導体である。exendin-4(1-39)およびこれらの類似体のインスリン分泌性の誘導体の例は、Tyr31-exendin-4(1-31)-アミドである。
【0104】
本発明のもう一つの態様において、グルカゴン様ペプチドは、安定なexendin-4化合物である。本発明のもう一つの態様において、グルカゴン様ペプチドは、DPP-IV保護されたexendin-4化合物である。本発明のもう一つの態様において、グルカゴン様ペプチドは、免疫調製されたexendin-4化合物である。
【0105】
exendin-4、これらの類似体、並びにexendin-4誘導体の調製のための方法は、たとえば国際公開公報第99/43708号、国際公開公報第00/41546号、および国際公開公報第00/55119号に見出される。
【0106】
親グルカゴン様ペプチドは、ペプチド合成、たとえばFmoc-またはBoc-化学を用いた固相ペプチド合成またはその他の確立された技術によって作製することができる。また、親グルカゴン様ペプチドは、ポリペプチドをコードするDNA配列を含み、かつペプチドの発現を可能にする条件下で、適切な栄養培地中でポリペプチドを発現することができる宿主細胞を培養することを含む方法によって産生することができ、その後に生じるペプチドが培養から回収される。
【0107】
細胞を培養するために使用される培地は、適切なサプリメントを含む最小培地または複合培地などの宿主細胞を栽培するために適した任意の従来の培地であってもよい。適切な培地は、商業的な供給元から入手可能であるか、または発行された処方(たとえばATCCのカタログのもの)に従って調製してもよい。次いで、細胞によって産生されるペプチドは、問題のペプチドのタイプに応じて、遠心分離または濾過によって宿主細胞を培地から分離すること、塩、たとえば硫酸アンモニウム手段による上清または濾液のタンパク質成分を沈殿させること、種々のクロマトグラフィー手順、たとえばイオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等による精製を含む従来の手順によって、培地から回収してもよい。
【0108】
親ペプチドをコードするDNA配列は、たとえばゲノムまたはcDNAライブラリーを調製すること、および標準的な技術に従って合成オリゴヌクレオチド・プローブを使用するハイブリダイゼーションによってペプチドの全部または一部をコードするDNA配列をスクリーニングすることによって得られる、ゲノムまたはcDNA起源のものが適していてもよい(たとえばSambrook, J, Fritsch, EF and Maniatis, T, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York, 1989を参照されたい)。ペプチドをコードするDNA配列は、確立された標準的な方法、たとえばBeaucage and Caruthers, Tetrahedron Letters 22 (1981), 1859-1869によって記載されているホスホアミダイト法(phosphoamidite)、またはMatthes et al., EMBO Journal 3 (1984), 801 - 805によって記載されている方法によって総合的にまた調製してもよい。また、DNA配列は、たとえば米国特許第683,202号またはSaiki et al., Science 239 (1988), 487 - 491に記載したとおりに、特異的なプライマーを使用するポリメラーゼ連鎖反応によって調製してもよい。
【0109】
DNA配列は、組換えDNA法に都合よく供されるであろう任意のベクターに挿入してもよく、ベクターの選択は、それが導入される宿主細胞に依存することが多い。従って、ベクターは、独立して複製するベクター、すなわちその複製が染色体複製から独立している染色体外の実体として存在するベクター、例えばプラスミドであってもよい。あるいは、ベクターは、宿主細胞に導入されたときに、宿主細胞ゲノムに組み込まれて、これが組み込まれた染色体と共に複製されるものであってもよい。
【0110】
ベクターは、好ましくは、ペプチドをコードするDNA配列が、DNAの転写のために必要とされるさらなるセグメント、例えばプロモーターに作動可能に連結された発現ベクターであるプロモーターは、選択の宿主細胞において転写活性を示す任意のDNA配列であってもよく、宿主細胞に同種または異種のタンパク質をコードする遺伝子に由来してもよい。種々の宿主細胞において本発明のペプチドをコードするDNAの転写を指揮するための適切なプロモーターの例は、当該技術分野において周知である(例えば、Sambrook et al.前記を参されたい)。
【0111】
また、ペプチドをコードするDNA配列は、必要に応じて適切なターミネーター、ポリアデニル化シグナル、転写エンハンサー配列、および翻訳エンハンサー配列に作動可能に接続されていてもよい。本発明の組換えベクターは、ベクターが問題の宿主細胞において複製することを可能にするDNA配列をさらに含んでもよい。
【0112】
また、ベクターは、選択可能なマーカー、たとえばその産物が宿主細胞における欠陥を補うか、または薬物、たとえばアンピシリン、カナマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、ネオマイシン、ハイグロマイシン、またはメトトレキセートに対する耐性を与える遺伝子を含んでもよい。
【0113】
本発明の親ペプチドを宿主細胞の分泌経路内に向けるために、分泌シグナル配列(リーダー配列、プレプロ配列、またはプレ配列としても知られる)を組換えベクター内に提供してもよい。分泌シグナル配列は、適切なリーディングフレームにおいてペプチドをコードするDNA配列に連結される。分泌シグナル配列は、一般にペプチドをコードするDNA配列に対して5'に配置されている。分泌シグナル配列は、通常ペプチドと関係していてもよく、または別の分泌タンパク質をコードする遺伝子に由来してもよい。
【0114】
存在するペプチド、プロモーター、および任意にターミネーターおよび/または分泌シグナル配列をコードするDNA配列をそれぞれ結合するために、並びに複製のために必要な情報を含む適切なベクターにこれらを挿入するために使用される手順は、当業者に周知である(例えば、Sambrook et al、前記を参照されたい)。
【0115】
DNA配列または組換えベクターが導入される宿主細胞は、本ペプチドを産生することができる任意の細胞であってもよく、細菌、酵母、真菌、および高等真核細胞を含む。周知および当該技術分野において使用される適切な宿主細胞の例は、大腸菌、酵母、または哺乳類BHKもしくはCHO株化細胞であるが、これらに限定されない。
【0116】
典型的には、本発明に従って精製されるグルカゴン様ペプチドを含む薬学的組成物は、ば防腐剤、等張性の薬剤および界面活性物質などの種々の医薬賦形剤を含む。薬学的組成物の調製は、当業者には周知である。便宜のために、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th edition, 1995に対して参照がなされる。
【0117】
本発明に従って精製されたグルカゴン様ペプチドを含む薬学的組成物は、このような治療を必要とする患者に非経口的に投与してもよい。非経口的投与は、注射器、任意にペン様注射器によって、皮下注射、筋肉内注射、または静脈内注射によって行われてもよい。あるいは、投与は、たとえばインフュージョンポンプを使用することによって注入によって行うことができる。
【0118】
本発明は、以下の実施例によってさらに例示されるが、保護の範囲を限定するものと解釈されない。前述の明細書において、および以下の例において開示される特徴は、両方別々に、およびこれらの任意の組み合わせで、これらの多様な形態の本発明を理解するための材料である。
【実施例】
【0119】
実施例1
Arg34GLP-1(7-37)は、他に記載されているとおりに(国際公開公報第98/08871号)従来の組換え技術によって酵母(S. cerevisiae)で発現した。次いで、発酵ブロス中のArg34GLP-1(7-37)を従来の逆相クロマトグラフィーによって精製し、その後ペプチドの等電pHで、すなわちpH 5.4で沈殿した。沈殿を遠心分離によって単離した。もう一つのRPLC精製工程および等電沈殿に続いて、Arg34GLP-1(7-37)ペプチドを国際公開公報第00/55119号に記載されたとおりにアシル化し、GLP-1 誘導体Arg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37).を得た。
【0120】
0.5g/LのArg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)の混合物をpH 8.0 で調製した。ポリペプチドの純度は、約90%であった(約5%のD-His変異体ヒスチジンの位置7、すなわちペプチドのN末端がD-ヒスチジン残基にラセミ化されたD-His7Arg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)、と5%はその他の不純物)。混合物を、陰イオン交換クロマトグラフィーを使用して精製する。
【0121】
0.005 カラム体積(CV)の混合物を、10CVの20mmのトリ-ヒドロキシメチルアミノメタン、63%(w/w)エタノール、pH 8.0で平衡化した1mlのモノQ(Amersham Biosciences)陰イオン交換体カラムに加えた。カラムを3CV平衡溶液で洗浄し、溶出は、2種の直線的な塩濃度勾配、20CVにわたって0〜20mMのNaCl、20mMのトリス-ヒドロキシメチルアミノメタン、63%(w/w)エタノール、pH8.0の第1の勾配、続いて10CVにわたって20〜50mMのNaCl、20mMのトリス-ヒドロキシメチルアミノメタン、63%(w/w)エタノール、pH 8.0の第2の勾配で行った。フローは、実験の全体にわたって40CV/hおよび温度25℃であった。
【0122】
実験の間に、カラムからの溶出液を分画し、各々の画分を、それぞれD-His7Arg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)およびArg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)の含量について解析した。
【0123】
データは、ペプチドのD-His変異体がArg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)の前に溶出し、したがって、ペプチドの2つの形態を分離することができることを示した。
【0124】
実施例2
2.0 g/L(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)のpH8の混合物は、実施例1に記載したとおりに調製した。
【0125】
0.6 CVの混合物を5CVの20mmのトリ-ヒドロキシメチルアミノメタン、63%(w/w)エタノール、pH 8.0で平衡化した4.7mlのPoros20HQ(Perseptive Biosystems)陰イオン交換体カラムに加えた。カラムを6CV平衡溶液で洗浄し、溶出は、2種の直線的な塩濃度勾配、12CVにわたって0〜50mMのNaCl、20mMのトリス-ヒドロキシメチルアミノメタン、63%(w/w)エタノール、pH8.0の第1の勾配、続いて20CVにわたって50〜80mMのNaCl、20mMのトリス-ヒドロキシメチルアミノメタン、63%(w/w)エタノール、pH 8.0の第2の勾配で行った。フローは、実験の全体にわたって90CV/hおよび温度40℃であった。
【0126】
実験の間に、カラムからの溶出液を分画し、各々の画分を、それぞれD-His7Arg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)およびArg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)の含量について解析した。
【0127】
データは、ペプチドのD-His変異体がArg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)の前に溶出し、したがって、ペプチドの2つの形態を分離することができることを示した。
【0128】
実施例3
0.5 g/L Arg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)のpH 8.0の混合物は、実施例1に記載したとおりに調製する。
【0129】
0.1CVの混合物を、10CVの20mmのトリ-ヒドロキシメチルアミノメタン、63%(w/w)エタノール、pH 8.0で平衡化した1mlのモノQ(Amersham Biosciences)陰イオン交換体カラムに加える。カラムを3CV平衡溶液で洗浄し、溶出は、2種の直線的な塩濃度勾配、20CVにわたって0〜20mMのNaCl、20mMのHEPES、63%(w/w)エタノール、pH8.0の第1の勾配、続いて10CVにわたって20〜50mMのNaCl、20mMのHEPES、63%(w/w)エタノール、pH 8.0の第2の勾配で行った。フローは、実験の全体にわたって20CV/hおよび温度25℃である。
【0130】
実験の間に、カラムからの溶出液を分画し、各々の画分を、それぞれD-His7Arg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)およびArg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)の含量について解析した。
【0131】
データは、ペプチドのD-His変異体がArg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)の前に溶出し、したがって、ペプチドの2つの形態を分離することができることを示した。
【0132】
実施例4
0.5 g/L Arg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)のpH 8.0の混合物は、実施例1に記載したとおりに調製する。
【0133】
0.1CVの混合物を、10CVの20mmのトリ-ヒドロキシメチルアミノメタン、63%(w/w)エタノール、pH 8.0で平衡化した1mlのモノQ(Amersham Biosciences)陰イオン交換体カラムに加える。カラムを3CV平衡溶液で洗浄し、溶出は、2種の直線的な塩濃度勾配、20CVにわたって0〜20mMのNaCl、20mMのトリス-ヒドロキシメチルアミノメタン、63%(w/w)エタノール、pH8.0の第1の勾配、続いて10CVにわたって20〜50mMのNaCl、20mMのトリス-ヒドロキシメチルアミノメタン、63%(w/w)エタノール、pH 8.0の第2の勾配で行った。フローは、実験の全体にわたって80CV/hおよび温度25℃である。
【0134】
実験の間に、カラムからの溶出液を分画し、各々の画分を、それぞれD-His7Arg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)およびArg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)の含量について解析した。
【0135】
データは、ペプチドのD-His変異体がArg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)の前に溶出し、したがって、ペプチドの2つの形態を分離することができることを示した。
【0136】
実施例5
0.5 g/L Arg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)のpH 8.0の混合物は、実施例1に記載したとおりに調製する。
【0137】
0.1CVの混合物を、10CVの20mmのトリ-ヒドロキシメチルアミノメタン、63%(w/w)エタノール、pH 8.0で平衡化した1mlのモノQ(Amersham Biosciences)陰イオン交換体カラムに加える。カラムを3CV平衡溶液で洗浄し、溶出は、2種の直線的な塩濃度勾配、20CVにわたって0〜20mMの酢酸ナトリウム、20mMのトリス-ヒドロキシメチルアミノメタン、63%(w/w)エタノール、pH8.0の第1の勾配、続いて10CVにわたって20〜50mMのCH3COOH、20mMのトリス-ヒドロキシメチルアミノメタン、63%(w/w)エタノール、pH 8.0の第2の勾配で行った。フローは、実験の全体にわたって40CV/hおよび温度25℃である。
【0138】
実験の間に、カラムからの溶出液を分画し、各々の画分を、それぞれD-His7Arg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)およびArg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)の含量について解析した。
【0139】
データは、ペプチドのD-His変異体がArg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)の前に溶出し、したがって、ペプチドの2つの形態を分離することができることを示した。
【0140】
実施例6
0.5 g/L Arg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)のpH 8.0の混合物は、実施例1に記載したとおりに調製する。
【0141】
0.1CVの混合物を、10CVの20mmのトリ-ヒドロキシメチルアミノメタン、63%(w/w)エタノール、pH 8.0で平衡化した1mlのモノQ(Amersham Biosciences)陰イオン交換体カラムに加える。カラムを3CV平衡溶液で洗浄し、溶出は、2種の直線的な塩濃度勾配、20CVにわたって0〜10mMのNa2SO4、20mMのトリス-ヒドロキシメチルアミノメタン、63%(w/w)エタノール、pH8.0の第1の勾配、続いて10CVにわたって10〜20mMのNa2SO4、20mMのトリス-ヒドロキシメチルアミノメタン、63%(w/w)エタノール、pH 8.0の第2の勾配で行った。フローは、実験の全体にわたって80CV/hおよび温度25℃であった。
【0142】
実験の間に、カラムからの溶出液を分画し、各々の画分を、それぞれD-His7Arg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)およびArg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)の含量について解析した。
【0143】
データは、ペプチドのD-His変異体がArg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)の前に溶出し、したがって、ペプチドの2つの形態を分離することができることを示した。
【0144】
実施例7
2.0 g/L Arg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)のpH 8.0の混合物は、実施例1に記載したとおりに調製した。その後、試料を約1/3D-His7Arg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)でスパイクした。
【0145】
0.015 カラム床体積(CV)の混合物を、5CVの20mmのトリ-ヒドロキシメチルアミノメタン、63%(w/w)エタノール、pH 8.0で平衡化した1mlのモノQ(Amersham Biosciences)陰イオン交換体カラムに加えた。溶出は、2種の直線的な塩濃度勾配、12CVにわたって0〜20mMのNaCl、20mMのトリス-ヒドロキシメチルアミノメタン、63%(w/w)エタノール、pH8.0の第1の勾配、続いて8CVにわたって20〜50mMのNaCl、20mMのトリス-ヒドロキシメチルアミノメタン、63%(w/w)エタノール、pH 8.0の第2の勾配で行った。フローは、実験の全体にわたって48CV/hおよび温度25℃であった。クロマトグラムを図1に示してある。
【0146】
実施例8
4.5g g/L Arg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)のpH 8.0の混合物は、実施例1に記載したとおりに調製した。
【0147】
0.7CVの混合物を20mmのトリ-ヒドロキシメチルアミノメタン、63%(w/w)エタノール、pH 8.0を5CVで平衡化した152mlのSource30Q(Perseptive Biosystems)陰イオン交換体カラムに加えた。カラムを2CV平衡溶液で洗浄し、溶出は、2種の直線的な塩濃度勾配、12CVにわたって0〜23mMのNaCl、20mMのトリス-ヒドロキシメチルアミノメタン、63%(w/w)エタノール、pH8.0の第1の勾配、続いて20CVにわたって23〜30mMのNaCl、20mMのトリス-ヒドロキシメチルアミノメタン、63%(w/w)エタノール、pH 8.0の第2の勾配で行った。フローは、実験の全体にわたって20CV/hおよび温度25℃であった。
【0148】
実験の間に、カラムからの溶出液を分画し、各々の画分を、それぞれD-His7Arg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)およびArg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)の含量について解析した。
【0149】
データは、ペプチドのD-His変異体がArg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)の前に溶出し、したがって、ペプチドの2つの形態を分離することができることを示した。
【0150】
実施例9
5.0g g/L Arg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)のpH 8.0の混合物は、実施例1に記載したとおりに調製した。
【0151】
0.6CVの混合物を5CVの20mMのトリ-ヒドロキシメチルアミノメタン、63%(w/w)エタノール、pH7.5で平衡化した11.8mlのSource30Q(Perseptive Biosystems)陰イオン交換体カラムに加えた。カラムを1CV平衡溶液で洗浄し、溶出は、2種の直線的な塩濃度勾配、12CVにわたって0〜20mMのNaCl、20mMのトリス-ヒドロキシメチルアミノメタン、63%(w/w)エタノール、pH7.5の第1の勾配、続いて20CVにわたって20〜40mMのNaCl、20mMのトリス-ヒドロキシメチルアミノメタン、63%(w/w)エタノール、pH 7.5の第2の勾配で行った。フローは、実験の全体にわたって20CV/hおよび温度25℃であった。
【0152】
実験の間に、カラムからの溶出液を分画し、各々の画分を、それぞれD-His7Arg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)およびArg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)の含量について解析した。
【0153】
データは、ペプチドのD-His変異体がArg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)の前に溶出し、したがって、ペプチドの2つの形態を分離することができることを示した。
【0154】
実施例10
5.0g/L Arg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)のpH 8.0の混合物は、実施例1に記載したとおりに調製した。
【0155】
0.6CVの混合物を5CVの20mmのトリ-ヒドロキシメチルアミノメタン、63%(w/w)エタノール、pH7.0で平衡化した11.8mlのSource30Q(Perseptive Biosystems)陰イオン交換体カラムに加えた。カラムを1CV平衡溶液で洗浄し、溶出は、2種の直線的な塩濃度勾配、12CVにわたって0〜15mMのNaCl、20mMのトリス-ヒドロキシメチルアミノメタン、63%(w/w)エタノール、pH7.0の第1の勾配、続いて20CVにわたって15〜40mMのNaCl、20mMのトリス-ヒドロキシメチルアミノメタン、63%(w/w)エタノール、pH 7.0の第2の勾配で行った。フローは、実験の全体にわたって20CV/hおよび温度25℃であった。
【0156】
実験の間に、カラムからの溶出液を分画し、各々の画分を、それぞれD-His7Arg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)およびArg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)の含量について解析した。
【0157】
データは、ペプチドのD-His変異体がArg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)の前に溶出し、したがって、ペプチドの2つの形態を分離することができることを示した。
【0158】
実施例11
5.0g/L Arg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)のpH 8.0の混合物は、実施例1に記載したとおりに調製した。
【0159】
0.6CVの混合物を5CVの20mmのトリ-ヒドロキシメチルアミノメタン、63%(w/w)エタノール、pH8.5で平衡化した11.8mlのSource30Q(Perseptive Biosystems)陰イオン交換体カラムに加えた。カラムを1CV平衡溶液で洗浄し、溶出は、2種の直線的な塩濃度勾配、12CVにわたって0〜20mMのNaCl、20mMのトリス-ヒドロキシメチルアミノメタン、63%(w/w)エタノール、pH8.5の第1の勾配、続いて20CVにわたって20〜40mMのNaCl、20mMのトリス-ヒドロキシメチルアミノメタン、63%(w/w)エタノール、pH 8.5の第2の勾配で行った。フローは、実験の全体にわたって20CV/hおよび温度25℃であった。
【0160】
実験の間に、カラムからの溶出液を分画し、各々の画分を、それぞれD-His7Arg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)およびArg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)の含量について解析した。
【0161】
データは、ペプチドのD-His変異体がArg34Lys26Nε(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-1(7-37)の前に溶出し、したがって、ペプチドの2つの形態を分離することができることを示した。
【0162】
実施例12
L-His1-Exendin-4およびD-His1-Exendin-4 は、固相合成によって調製した。2つの混合物は、1g/Lの濃度にpH 9.2で10mMのトリス-ヒドロキシメチルアミノメタンにペプチドを溶解することによって調製した。
【0163】
1CVのこの混合物を、10CVの10mMのトリス-ヒドロキシメチルアミノメタン、63%(w/w)エタノール、pH 7.0で平衡化した1mlのモノ-Q(Amersham Biosciences)陰イオン交換カラムに充填した。カラムを1CVの10mM トリス-ヒドロキシメチルアミノメタン、63%(w/w)エタノール、pH 7.0で洗浄し、20CVにわたって10mMのトリス-ヒドロキシメチルアミノメタン、63%(w/w)エタノール、pH 7.0でアイソクラチカルに(isocratically)溶出を行った。フローは、実験の全体にわたって138CV/hおよび温度25℃であった。
【0164】
溶出(図3)は、Exendin-4のL-His形態が、Exendin-4のD-his形態よりも早く溶出され、したがって、ペプチドの2つの形態を分離することができることを示した。
【0165】
実施例13
L17K,K30R-GLP2(1-33)は、GLP-1ペプチドについて国際公開公報第98/08871号に記載されたものと同じ方法で従来の組換技術によって酵母(S. cerevisiae)に発現させた。次いで、発酵ブロス中のL17K,K30R-GLP2(1-33)を従来のインイオン交換および逆相クロマトグラフィーによって精製し、その後、ペプチドの等電pHで、すなわちpH 4で沈殿させた。沈殿物を遠心分離によって単離した。D-His-L17K,K30R-GLP2(1-33)は、固相合成によって調製した。
【0166】
2つの混合物は、1g/Lの濃度にpH 9.2で10mMのトリス-ヒドロキシメチルアミノメタンにペプチドを溶解することによって調製した。
【0167】
1CVのこの混合物を、5CVの20mMのトリス-ヒドロキシメチルアミノメタン、63%(w/w)エタノール、pH 7.0で平衡化した1mlのモノ-Q(Amersham Biosciences)アニオン交換カラムに充填した。カラムを1CVの20mM トリス-ヒドロキシメチルアミノメタン、63%(w/w)エタノール、pH 7.0で洗浄し、溶出は、20CVにわたって0〜63mMまでのNaClの20mMトリス-ヒドロキシメチルアミノメタン、63%(w/w)エタノール、pH 7.0溶液の勾配とした。フローは、実験の全体にわたって138CV/hおよび温度25℃であった。
【0168】
溶出は、L17K、K30R-GLP2(1-33)のD-His形態は、L17K,K30R-GLP2(1-33)のL-his形態よりも早く溶出され、したがって、ペプチドの2つの形態を分離することができることを示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一アミノ酸ラセミ化を有するポリペプチドの2つの形態を分離するための方法であって、溶出条件下で、ラセミ化されたアミノ酸残基のpKaから1 pHユニット以下であるpHで塩濃度を増大することによる溶出を含むイオン交換クロマトグラフィープロセスであることを特徴とする方法。
【請求項2】
2つのポリペプチドA(X)およびA(X*)を分離するための方法であって、
式中、
Xは、Lアミノ酸であり、
A(X)は、アミノ酸Xを含むポリペプチドであり、
X*は、XのD異性体であり、
A(X*)は、アミノ酸X*を含むが、その他はA(X)と同一であるポリペプチドであり、
前記方法は、溶出条件下で、XのpKaから1 pHユニット以下であるpHで塩濃度を増大することによる溶出を含むイオン交換クロマトグラフィープロセスであることを特徴とする方法。
【請求項3】
単一アミノ酸ラセミ化を有する2つのポリペプチドA(X)およびA(X*)を分離するための方法であって、
式中、
Xは、Lアミノ酸であり、
A(X)は、アミノ酸Xを含むポリペプチドであり、
X*は、XのD異性体であり、
A(X*)は、アミノ酸X*を含むが、その他はA(X)と同一であるポリペプチドであり、
前記方法は、溶出条件下で、XのpKaから1 pHユニット以下であるpHで塩濃度を増大することによる溶出を含むイオン交換クロマトグラフィープロセスであることを特徴とする方法。
【請求項4】
前記方法が、前記ポリペプチドを調製用スケールで分離するためのものである、前述の請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
溶出が、結合のために使用されるpHと実質的に同様であるpHで行われる、前述の請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
ポリペプチドの結合が、溶出条件下で、XのpKaから約0.5 pHユニット以下であるpHで行われる、前述の請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記溶出が、前記ポリペプチドの等電点より高いpHで行われる、前述の請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記ポリペプチドが、約10kDa未満の分子量を有する、前述の請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
溶出剤が有機モディファイアーを含む、前述の請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
溶出剤が、前記ポリペプチドを可溶性に保つために十分な濃度で有機モディファイアーを含む、前述の請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記有機モディファイアーがエタノールである、請求項9〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記有機モディファイアーが2-プロパノールである、請求項9〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記有機モディファイアーがアセトニトリルである、請求項9〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記有機モディファイアーがメタノール、1-プロパノール、およびヘキシレングリコールからなる群より選択される、請求項9〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記有機モディファイアーの濃度が、約20%〜約70%または約30%〜約65%など、約10%〜約80%である、請求項9〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記塩が、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、および酢酸カリウムからなる群より選択される、前述の請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
XがN末端またはC末端アミノ酸残基である、前述の請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
XがL-ヒスチジンである、前述の請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
Xがヒスチジンのアミノ酸類似体である、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
Xが脱アミノ-ヒスチジン、2-アミノ-ヒスチジン、β-ヒドロキシ-ヒスチジン、ホモヒスチジン、α-フルオロメチル-ヒスチジン、およびα-メチル-ヒスチジンからなる群より選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
Xが、N末端アミノ酸残基である、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
Xが、L-フェニルアラニンである、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法
【請求項23】
前記ポリペプチドがグルカゴン様ペプチドである、前述の請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記ポリペプチドが、グルカゴン、グルカゴン類似体、グルカゴンの誘導体、またはグルカゴン類似体の誘導体である、前述の請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記ポリペプチドが、GLP-1、GLP-1類似体、GLP-1の誘導体、またはGLP-1類似体の誘導体である、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記GLP-1類似体が、Arg34-GLP-1(7-37)、Gly8-GLP-1(7-36)-アミド、Gly8-GLP-1(7-37)、Val8-GLP-1(7-36)-アミド、Val8-GLP-1(7-37)、Val8Asp22-GLP-1(7-36)-アミド、Val8Asp22-GLP-1(7-37)、Val8Glu22-GLP-1(7-36)-アミド、Val8Glu22-GLP-1(7-37)、Val8Lys22-GLP-1(7-36)-アミド、Val8Lys22-GLP-1(7-37)、Val8Arg22-GLP-1(7-36)-アミド、Val8Arg22-GLP-1(7-37)、Val8His22-GLP-1(7-36)-アミド、Val8His22-GLP-1(7-37)、Val8Trp19Glu22-GLP-1(7-37)、Val8Glu22Val25-GLP-1(7-37)、Val8Tyr16Glu22-GLP-1(7-37)、Val8Trp16Glu22-GLP-1(7-37)、Val8Leu16Glu22-GLP-1(7-37)、Val8Tyr18Glu22-GLP-1(7-37)、Val8Glu22His37-GLP-1(7-37)、Val8Glu22Ile33-GLP-1(7-37)、Val8Trp16Glu22Val25Ile33-GLP-1(7-37)、Val8Trp16Glu22Ile33-GLP-1(7-37)、Val8Glu22Val25Ile33-GLP-1(7-37)、Val8Trp16Glu22Val25-GLP-1(7-37)、これらの類似体、およびこれらのいずれかの誘導体からなる群より選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
請前記GLP-1の誘導体またはGLP-1類似体の誘導体が、1つのリジンなどのリジン残基を有し、親油性置換基が、任意にスペーサーを介して前記リジンのイプシロンアミノ基に付着されている、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記親油性置換基が、8〜40炭素原子、好ましくは8〜24炭素原子、たとえば12〜18炭素原子を有する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記スペーサーが存在し、かつアミノ酸、たとえばβ-Ala、L-Glu、またはアミノブチロイルから選択される、請求項27〜28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記グルカゴン様ペプチドが、DPPIV保護されたグルカゴン様ペプチドである、請求項23〜29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記グルカゴン様ペプチドが、血漿安定グルカゴン様ペプチドである、請求項23〜30のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
前記GLP-1類似体の誘導体が、Arg34,Lys26(Nε-(γ-Glu(Nα-ヘキサデカノイル)))-GLP-1(7-37)である、請求項25に記載の方法。
【請求項33】
前記グルカゴン様ペプチドが、22〜40アミノ酸残基、好ましくは26〜36アミノ酸残基、さらに好ましくは29〜33アミノ酸残基を有する、請求項24〜32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記グルカゴン様ペプチドが、GLP-2、GLP-2類似体、GLP-2の誘導体、またはGLP-2類似体の誘導体である、請求項23に記載の方法。
【請求項35】
前記GLP-2の誘導体またはGLP-2類似体の誘導体が、1つのリジンなどのリジン残基を有し、かつ親油性置換基が、任意にスペーサーを介して前記リジンのイプシロンアミノ基に付着されている、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記親油性置換基が、8〜40炭素原子、好ましくは8〜24炭素原子、たとえば12〜18炭素原子を有する、請求項35記載の方法。
【請求項37】
前記スペーサーが存在し、かつアミノ酸、たとえばβ-Ala、L-Glu、アミノブチロイルから選択される、請求項35〜36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記グルカゴン様ペプチドが、27〜39アミノ酸残基、好ましくは29〜37アミノ酸残基、さらにより好ましくは31〜35アミノ酸残基を有する、請求項34〜37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
前記グルカゴン様ペプチドが、Lys17Arg30-GLP-2(1-33)またはArg30Lys17Nε(β-Ala(Nα-ヘキサデカノイル))GLP-2(1-33)である、請求項23または34に記載の方法。
【請求項40】
前記グルカゴン様ペプチドが、Gly2-GLP-2(1-33)である、請求項23または34に記載の方法。
【請求項41】
前記グルカゴン様ペプチドが、exendin-4、前exendin-4類似体、exendin-4誘導体、またはexendin-4類似体の誘導体である、請求項23に記載の方法。
【請求項42】
前記グルカゴン様ペプチドがexendin-4である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記グルカゴン様ペプチドがZP10、すなわちHGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPSKKKKKK-NH2である、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記exendin-4の誘導体またはexendin-4類似体の誘導体が、アシル化されたペプチドまたはペグ化された(pegylated)ペプチドである、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記exendin-4の誘導体またはexendin-4類似体の誘導体が、1つのリジンなどのリジン残基を有し、かつ親油性置換基が、任意にスペーサーを介して前記リジンのイプシロンアミノ基に付着されている、請求項41に記載の方法。
【請求項46】
前記親油性置換基が、8〜40炭素原子、好ましくは8〜24炭素原子、たとえば12〜18炭素原子を有する、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記スペーサーが存在し、かつアミノ酸、たとえばβ-Ala、L-Glu、アミノブチロイルから選択される、請求項45〜46のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
前記ポリペプチドがインスリン・ペプチドである、請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
前記インスリン・ペプチドが、ヒト・インスリン、ヒト・インスリン類似体、ヒト・インスリンの誘導体、またはヒト・インスリン類似体の誘導体である、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記インスリン・ペプチドがヒト・インスリンである、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記ヒト・インスリン類似体が、AspB28-ヒト・インスリン、LysB28ProB29-ヒト・インスリン、LysB3GluB29-ヒト・インスリン、GlyA21ArgB31ArgB32-ヒト・インスリン、およびdes(B30)ヒト・インスリンからなる群より選択される、請求項49記載の方法。
【請求項52】
前記ヒト・インスリンの誘導体または前記ヒト・インスリン類似体の誘導体が、1つのリジンなどのリジン残基を有し、かつ親油性置換基が、任意にスペーサーを介して前記リジンのイプシロンアミノ基に付着されている、請求項49に記載の方法。
【請求項53】
前記親油性置換基が、8〜40炭素原子、好ましくは8〜24、たとえば12〜18炭素原子を有する、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記スペーサーが存在し、かつアミノ酸、たとえばβ-Ala、L-Glu、アミノブチロイルから選択される、請求項52〜53のいずれか1項に記載の方法。
【請求項55】
前記ヒト・インスリン類似体の誘導体が、NεB29-テトラデカノイルdes(B30)ヒト・インスリンまたはNεB29-リトコロイル-γ-グルタミルdes(B30)ヒト・インスリンである、請求項52〜54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項56】
Xがインスリン・ペプチドのB鎖の位置1のL-フェニルアラニンである、請求項48〜55のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
以下の工程を含む方法によって製造されるポリペプチド産物:
a)請求項1〜56のいずれか1項に記載の方法を使用してポリペプチドを精製する工程と、および、
b)前記ポリペプチドを単離して生じるポリペプチド産物を得る工程。
【請求項58】
以下の工程を含む方法によって調製される薬学的組成物:
a)最初に、請求項1〜56のいずれか1項に記載の方法を使用してこれらのポリペプチドまたは前駆体を精製する工程と、
b)次いで、前記ポリペプチド乾燥する工程と、および、
c)最後に、薬学的に許容される賦形剤と混合する工程。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−102104(P2012−102104A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−264942(P2011−264942)
【出願日】平成23年12月2日(2011.12.2)
【分割の表示】特願2006−523526(P2006−523526)の分割
【原出願日】平成16年8月18日(2004.8.18)
【出願人】(509091848)ノヴォ ノルディスク アー/エス (42)
【Fターム(参考)】