説明

ラセミ2−アリール−プロピオン酸の製造方法

ラセミ2−アリールプロピオン酸化合物又は薬学上許容可能なその塩を製造する方法であって、対応する2−アリールプロピオン酸化合物のS−又はR−鏡像異性体を塩基と反応させることを含む方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、S型又はR型の鏡像異性体のいずれかで濃縮されたフルルビプロフェンのような2−アリール−プロピオン酸を含有する混合物から、メチルエステル含量を減らし鏡像体過剰率を減らした、フルルビプロフェンのようなラセミ2−アリール−プロピオン酸化合物及び薬学上許容可能なその塩を製造する新規の方法を提供する。
【0002】
本発明はまた、本明細書で記載されるフルルビプロフェンのようなラセミ2−アリール−プロピオン酸の分割によって、フルルビプロフェンのようなS型及び/又はR型の2−アリール−プロピオン酸及び薬学上許容可能なその塩を製造する新規の方法も提供する。
【背景技術】
【0003】
非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)として治療上有用であり、とりわけ、たとえば、関節炎が原因となる炎症及び疼痛を治療するのに使用される既知の薬学上活性のある剤の多数は2−アリールプロピオン酸部分Iを含む。
【0004】
【化1】

【0005】
そのような2−アリールプロピオン酸NSAIDには、イブプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセンなど、及び薬学上許容可能なそれらの塩が挙げられるが、これらに限定されるべきではない。
【0006】
【化2】

【0007】
例として、フルルビプロフェンは化学的に2−(2−フルオロ−4−ビフェニルイル)プロピオン酸であり、米国特許第3,755,427号に記載されている。フルルビプロフェンのようなNSAIDは、通常ラセミ化合物として供給される。しかしながら、近年、フルルビプロフェンの分離された鏡像異性体、すなわち、S−フルルビプロフェン及びR−フルルビプロフェンに新たな関心が持たれている。
【0008】
【化3】

【0009】
フルルビプロフェンは、ヒトにおけるシクロオキシゲナーゼ(COX−1とCOX−2の両方)の強力な阻害剤であり、阻害効果は、主としてS−鏡像異性体にあると理解されている。
【0010】
フルルビプロフェンは一般にラセミ化合物の形態で製造される。米国特許第5,599,969号に記載されているように、例えば、α−フェニルエチルアミンのような光学活性のあるアミン化合物を光学分割剤として用いる光学分割法によって、ラセミ化合物から高い光学純度を有するフルルビプロフェンを製造することができることが知られている。
【0011】
加えて、ラセミ、S−又はR−のいずれの2−アリールプロピオン酸を扱う場合でも、できるだけ効率的な合成工程を作る必要性もある。
【0012】
S−又はR−2−アリールプロピオン酸化合物いずれか及び薬学上許容可能なその塩の既存の製造工程では、米国特許第5,599,969号においてイブプロフェンとフルルビプロフェンについて記載されているように、先ずそれをメチルエステルに変換して望ましくない鏡像異性体が大まかにラセミ化され、ラセミ化合物のその後の分割を可能にし、達成されるべき所望の鏡像異性体のさらに高い収率を可能にしている。
【発明の概要】
【0013】
しかしながら、工程で再利用するために所望ではない鏡像異性体をラセミ2−アリールプロピオン酸化合物に再変換する比率は、隘路として作用することができ、工程の受容能力を抑え得る。たとえば、1つのバッチが完了するのに数日かかる可能性がある。
【0014】
従って、たとえば、フルルビプロフェン製造の現在の商業的方法はトルエンメタノール混合物におけるフルルビプロフェンの分割を含む。分割工程からのトルエン/メタノール母液が混合され、たとえば、蒸留によってメタノールを取り除く。フェニルエチルアミン(PEA)は洗浄することによって取り除く。残ったフルルビプロフェンは大部分、望ましくない鏡像異性体を含むが、次いでたとえば、触媒の硫酸と共にメタノール中で還流することによってそれをエステル化する。実質的に鏡像異性体のフルルビプロフェンメチルエステルを次いで鹸化し、その間にラセミ化も受ける。次いでフルルビプロフェンの所望のR−又はS−鏡像異性体の収率が増すように、このラセミ化反応の生成物を分割工程で使用することができる。R−フルルビプロフェンのラセミ化に同等の工程が使用されてもよいことが当業者によって理解されるであろうが、S−フルルビプロフェンのラセミ化についてこの方法を以下のスキームに表す。
【0015】
【化4】

【0016】
しかしながら、上述の方法は、最終生成物において特定の望ましくない不純物、たとえば、メチル(2−(2−フルオロ−4−ビフェニルイル)プロピオネート(I);1−フェニルエチル−(2−(2−(フルオロ−4−ビフェニルイル)プロピオンアミド(II)を生成することが知られている。
【0017】
【化5】

【0018】
ほかの2−アリールプロピオン酸化合物の製造に使用される方法においても類似の類縁不純物が生成されるかもしれないことが当業者には理解される。
【0019】
しかしながら、我々は今やラセミ2−アリールプロピオン酸化合物の製造における新規の方法を見い出した。
【0020】
ラセミフルルビプロフェンを製造する新規の方法は、2−アリールプロピオン酸化合物の鏡像異性体S−体及び/又はR−体を調製する方法を提供する。この方法は改善されたラセミ化工程を介して既存の方法よりも高い効率性を提供する。この方法はまた、とりわけ、それが、メチルエステル含量が低下し、および/または鏡像体過剰率が低下したラセミ2−アリールプロピオン酸化合物を製造するという点で有利である。
【0021】
従って、本発明の第1の態様によれば、我々は、ラセミ2−アリールプロピオン酸化合物又は薬学上許容可能なその塩を製造する方法を提供するが、それは、対応する2−アリールプロピオン酸化合物のS−又はR−鏡像異性体を塩基と反応させることを含む。
【0022】
この塩基反応は、望ましくない鏡像異性体をラセミ2−アリールプロピオン酸化合物に変換することを意図するので、反応は一般に分割工程の「廃棄」生成物で行われることが理解されるであろう。この塩基反応は一般に、「廃棄」材料の性質のために単一の鏡像異性体で行われる一方で、所望の鏡像異性体の一部が存在していてもよい。
【0023】
用語「2−アリールプロピオン酸化合物」によって我々は一般に2−フェニルプロピオン酸部分にキラル中心を含む任意の誘導体を意味するが、フェニル基は、縮合、置き換えなどをされてもよいことが当業者によって理解されるであろう。
【0024】
しかしながら、言及されてもよい2−アリールプロピオン酸化合物の特定の例は、2−(4−イソブチルフェニル)プロパン酸(イブプロフェン)、2−(2−フルオロ−4−ビフェニルイル)プロピオン酸(フルルビプロフェン)、2−(3−ベンゾイルフェニル)プロパン酸(ケトプロフェン)、及び2−(6−メトキシナフタレン−2−イル)プロパン酸(ナプロキセン)、ならびに薬学上許容可能なそれらの塩である。
【0025】
塩基は、とりわけ、2−アリールプロピオン酸化合物によって異なってもよいが、それは一般に好ましくは陰イオン性塩基、たとえば、水酸化物イオンを含む塩基である。望ましくは、塩基はアミン塩基ではない。従って、陰イオン性塩基は1以上のアルカリ金属塩、たとえば、ナトリウム又はカリウムを含んでいてもよい。従って、最も好ましい塩基は水酸化ナトリウムである。
【0026】
存在する塩基の量は異なってもよく、存在する2−アリールプロピオン酸化合物のS−及びR−鏡像異性体の量に基づいて好ましくは2.5〜10当量であり、好ましくは、4〜7当量であり、さらに好ましくは5〜6当量である。
【0027】
本発明の重要な態様は、本発明の方法における溶媒混合物の使用である。溶媒混合物は所望の2−アリールプロピオン酸化合物に従って変化してもよいが、好ましくは、溶媒は、アルコールのような水混和性溶媒、たとえば、C1〜C10のアルコール、好ましくはアルキルC1〜C6アルコールと、炭化水素溶媒のような水非混和性の溶媒との混合物を含む。
【0028】
用語「アルキル」によって我々は、完全に飽和された分枝鎖又は非分枝鎖の炭化水素部分、すなわち、1級、2級又は3級のアルキル、又は適宜、シクロアルキル又はシクロアルキルによって置き換えされたアルキルを意味する。特に特定されなければ、アルキルは1〜10の炭素原子、好ましくは1〜6の炭素原子、又は1〜4の炭素原子を含んでいてもよい。そのようなアルキル基の例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、3−メチルヘキシル、2,2−ジメチルペンチル、2,3−ジメチルペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシルなどが挙げられるが、これらに限定されるべきではない。
【0029】
従って、アルキルC1〜C6アルコールは、たとえば、メタノール、エタノール、n−プロパノール又はイソプロパノールであればよい。
【0030】
水非混和性の溶媒は、たとえば、長鎖アルコール、ヘキサン、シクロヘキサン、クロロホルム、及びテトラクロロエチレン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、及びメチルイソブチルケトン、石油溶媒、又はトルエンのような芳香族溶媒を含んでもよい。
【0031】
溶媒混合物は多重成分であってもよく、すなわち、2を超える成分を含んでもよいが、好ましくは、混合物は2成分混合物である。特に好ましい炭化水素溶媒はトルエンである。従って、特に好ましい溶媒混合物はトルエンとアルキルC1〜C6アルコールである。
【0032】
驚くべきことに、我々は、本発明の目的が2−アリールプロピオン酸化合物nの望ましくない鏡像異性体のメチルエステルの生成の必然性を回避することであるにもかかわらず、最も望ましいアルキルアルコール共溶媒が一般にメタノールであることを見い出した。共溶媒としてのメタノールは、2−アリールプロピオン酸化合物がフルルビプロフェン又は代わりにイブプロフェンであるときに特に望ましい。
【0033】
従って、我々はさらに、方法が溶媒混合物の使用を含み、混合物の少なくとも1つの成分がメタノールである上文で記載した方法を提供する。従って、混合物はメタノールと、水非混和性の溶媒、たとえば、上文で定義されたような炭化水素溶媒とを含んでもよい。最も好ましい溶媒混合物はメタノールとトルエンである。
【0034】
水非混和性の溶媒と水混和性の溶媒の比は、とりわけ、溶媒の性質によって異なっていてもよい。従ってたとえば、水非混和性:水混和性の比は1:1〜10:1v/v、好ましくは2:1〜8:1、特に3:1〜5:1、たとえば4:1v/vであってもよい。溶媒混合物がメタノール/トルエン混合物である場合、トルエン:メタノールの比は変化してもよいが、1:1〜10:1v/v、好ましくは2:1〜8:1、特に3:1〜5:1、たとえば4:1v/vであってもよい。
【0035】
ラセミ化反応を行う温度は変化してもよいが、好ましくは溶媒混合物の還流温度であり、メタノール/トルエンの共沸はメタノールのみより低い温度で沸騰するので、上文で記載されたようなメタノール/トルエン混合物については60〜65℃の範囲である。
【0036】
反応時間も、とりわけ、2−アリールプロピオン酸化合物によって変化してもよいが、3〜10時間、好ましくは5〜8時間、たとえば、6時間であってもよい。
【0037】
本発明の第1の態様の方法は以下のように模式的に表されうる。
【化6】

【0038】
従って、例示の目的で、フルルビプロフェンについて本発明の模式的方法が以下のように表されうる。
【化7】

【0039】
本発明の方法によって製造されるラセミ化合物は、とりわけ、所望の鏡像異性体、たとえば、フルルビプロフェンの場合、S−フルルビプロフェン及びR−フルルビプロフェンの製造にて、又はイブプロフェンの場合、S−イブプロフェン及びR−イブプロフェンの製造にて中間体として有用である。さらに、本発明の本態様に従って製造される2−アリールプロピオン酸化合物のラセミ化合物は低下したメチルエステル含量及び/又は低下した鏡像体過剰率を有していてもよい。
【0040】
従って、本発明はまた、実質的にゼロ、すなわち、0.04%以下の鏡像体過剰率を有する、上文で記載されたようなラセミ2−アリールプロピオン酸化合物、又は上文で記載されたような薬学上許容可能なその塩も提供する。従って、本発明の本態様に係るラセミ2−アリールプロピオン酸化合物は、実質的にゼロ、すなわち、0.04%以下の鏡像体過剰率を有する、たとえば、ラセミイブプロフェン、ラセミフルルビプロフェン、ラセミケトプロフェン又はラセミナプロキセン、及び薬学上許容可能なそれらの塩であってもよい。
【0041】
我々はさらに、対応するプロピオン酸メチルエステル不純物の量が2.5%w/w未満である上文で記載されたようなラセミ2−アリールプロピオン酸化合物、又は薬学上許容可能なその塩を提供する。好ましくは、対応するプロピオン酸メチルエステル不純物の量は2.5%w/w未満、さらに好ましくは2%未満、さらに好ましくは1.5%w/w未満、特に1.0%w/w未満である。
【0042】
従って、たとえば、フルルビプロフェンの場合、本発明はラセミフルルビプロフェン又は薬学上許容可能なその塩を提供するが、メチル(2−(2−フルオロ−4−ビフェニルイル)プロピオネート不純物の量は2.5%w/w未満である。
【0043】
本発明のさらなる態様によれば、我々は、上文で記載されたような2−アリールプロピオン酸化合物の鏡像異性体、又は薬学上許容可能なその塩の製造方法を提供するが、それは上文で記載されたように本発明に従って製造される対応するラセミ2−アリールプロピオン酸化合物又は薬学上許容可能なその塩の分割を含む。従って、本発明の本態様によれば、たとえば、イブプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン又はナプロキセンの鏡像異性体、及び薬学上許容可能なその塩の製造方法。
【0044】
従って、フルルビプロフェンについて、我々は、フルルビプロフェン、すなわち、S−(2−(2−フルオロ−4−ビフェニルイル)プロピオン酸の鏡像異性体若しくはその塩、又はR−(2−(2−フルオロ−4−ビフェニルイル)プロピオン酸の鏡像異性体若しくはその塩の製造方法を提供するが、それは、上文で記載されたように本発明に従って製造されるラセミフルルビプロフェン又はその塩の分割を含む。
【0045】
さらに詳しくは、我々は、以下の工程を含む2−アリールプロピオン酸化合物の鏡像異性体、又は薬学上許容可能なその塩の製造方法を提供する:
(i)分割剤との反応によるラセミ2−アリールプロピオン酸化合物又は薬学上許容可能なその塩の分割;
(ii)所望の鏡像異性体と望ましくない鏡像異性体の分離;
(iii)望ましくない鏡像異性体を塩基と反応させてラセミ2−アリールプロピオン酸化合物を生成することを含む望ましくない鏡像異性体のラセミ化;
(iv)工程(iii)のラセミ2−アリールプロピオン酸化合物又は薬学上許容可能なその塩の分割。
【0046】
本発明の好ましい態様では、上文で記載されたような鏡像異性体の製造方法は、フルルビプロフェン、すなわち、S−(2−(2−フルオロ−4−ビフェニルイル)プロピオン酸の鏡像異性体若しくはその塩、又はR−(2−(2−フルオロ−4−ビフェニルイル)プロピオン酸の鏡像異性体若しくはその塩の製造を含み、それは、
(i)分割剤との反応によるラセミフルルビプロフェン又はその塩の分割;
(ii)所望の鏡像異性体と望ましくない鏡像異性体の分離;
(iii)望ましくない鏡像異性体を塩基と反応させてラセミフルルビプロフェンを生成することを含む望ましくない鏡像異性体のラセミ化;
(iv)工程(iii)のラセミフルルビプロフェン又はその塩の分割の工程を含む。
【0047】
本発明の本態様では、従来既知の任意の分割剤を本発明の方法で考慮してもよい。従って、分割剤は、とりわけ、2−アリールプロピオン酸化合物によって異なっていてもよい。しかしながら、好ましい分割剤は、アミン塩基のような分割塩基、たとえば、1−フェニルエチルアミン(PEA)である。ラセミ化合物からの2−アリールプロピオン酸化合物のS−鏡像異性体の製造については、分割剤は好ましくはS−1−フェニルエチルアミンである。同様に、ラセミフルルビプロフェンからの2−アリールプロピオン酸化合物のR−鏡像異性体の製造については、分割剤は好ましくはR−1−フェニルエチルアミンである。
【0048】
本発明の態様の1つでは、本発明は、ラセミ又は鏡像異性体の2−(4−イソブチルフェニル)プロパン酸(イブプロフェン)及び薬学上許容可能なその塩に関する。別の態様では、本発明は、ラセミ又は鏡像異性体の2−(2−フルオロ−4−ビフェニルイル)プロピオン酸(フルルビプロフェン)及び薬学上許容可能なその塩に関する。別の態様では、本発明は、ラセミ又は鏡像異性体の2−(3−ベンゾイルフェニル)プロパン酸(ケトプロフェン)及び薬学上許容可能なその塩に関する。別の態様では、本発明は、ラセミ又は鏡像異性体の2−(6−メトキシナフタレン−2−イル)プロパン酸(ナプロキセン)及び薬学上許容可能なその塩に関する。
【0049】
好適な薬学上許容可能な塩、APIの例には、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム及び亜鉛が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、リシン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)、プロカイン及びトロメタミンを含むが、これらに限定されない有機塩も使用してもよい。
【0050】
今や、例示目的のみによって本発明を説明する。以下の実施例は、本発明を説明することが意図され、それについての限定であると解釈されるものではない。温度は摂氏で与えられる。特に言及しない限り、蒸発はすべて減圧下、好ましくは15mmHg〜100mmHg(=20〜133ミリバール)にて行われる。最終生成物、中間体及び出発物質の構造は、標準的な分析法、たとえば、微量分析及び分光分析の特徴、たとえば、MS、IR、NMRなどによって確認される。使用される略記は当該技術で従来のものである。本発明の化合物を合成するのに利用される出発物質、基礎的要素、試薬、酸、塩基、脱水剤、溶媒及び触媒はすべて市販されており、又は当業者に既知の有機合成法によって製造することができる。
【実施例】
【0051】
実施例1−フルルビプロフェン
実施例1.1
分割の手順
ラセミフルルビプロフェン(3.0kg)を20Lのジャケット付きガラス反応器に詰めた。メタノール(2.0L)及びトルエン(8.0L)を加えた。混合物を加熱し、固形物を溶解した。S−1−フェニルエチルアミン(0.76g)をトルエン(1.87L)に溶解し、60℃で撹拌しながら約30分間かけて溶液を20Lの反応器に加えた。混合物を0〜5℃に徐々に冷却し、結晶化を誘導した。結晶を濾別し、トルエン(3L)で洗浄し、55℃の真空オーブンで乾燥させて粗精製のS−フルルビプロフェン/S−1−フェニルエチルアミン塩(1.4kg)を形成した。
【0052】
粗精製のS−フルルビプロフェン/S−1−フェニルエチルアミン塩(1.0kg)を20Lのジャケット付きガラス反応器に詰めた。トルエン(11.4L)及びメタノール(2.7L)を加え、混合物を撹拌し、60℃に加熱して固形物を溶解した。溶液を0〜5℃に徐々に冷却し、結晶化を誘導した。結晶を濾別し、トルエン(3L)で洗浄し、55℃の真空オーブンで乾燥して純粋なS−フルルビプロフェン/S−1−フェニルエチルアミン塩(0.8kg)を形成した。
【0053】
純粋なS−フルルビプロフェン/S−1−フェニルエチルアミン塩(2.2kg)を20Lのジャケット付きガラス反応器に詰めた。撹拌しながらトルエン(7.5L)を加えた。水(1.9L)と濃塩酸(0.9L)を加え、混合物を60℃で撹拌した。下の水性層を分離し、上の有機層を保持した。塩酸洗浄を繰り返し、次いでトルエン溶液を水で洗浄した。追加のトルエン(1.2L)を加え、次いでトルエン(3.5L)を留去して溶液が確実に水を含まないようにした。トルエン溶液を−10℃に徐々に冷却して結晶化を誘導した。結晶を濾別し、ヘプタン(1.9L)で洗浄し、40℃の真空オーブンで乾燥させて純粋なS−フルルビプロフェン(1.1kg)を形成した。
【0054】
ラセミ化の手順
分割手順における粗精製のS−フルルビプロフェン/S−1−フェニルエチルアミン塩の濾過からのトルエン/メタノール母液(2L、推定370gのフルルビプロフェンを含有する)を3Lの三口丸底フラスコに詰め、大気圧にてメタノールを留去した(およそ250mLの除かれた体積)。次いでバッチを60℃前後に冷却し、塩酸(330mLの水に80mLの濃塩酸)で2回洗浄し、次いで水(330mL)で2回洗浄した。トルエン(160mL)を入れ、その後メタノール(388mL)と苛性ソーダ溶液(28%w/w溶液を800mL、5モル当量)を入れた。混合物を約6時間加熱還流した。次いで蒸気温がおよそ85℃に達するまで大気圧にて溶媒を除いた。混合物を60℃前後に冷却し、混合物のpHが1以下になるまで約60〜70℃にて濃塩酸を入れた。層を分離し、下の水性層を取り除いた。有機相を水(400mL)で洗浄し、次いでディーンとスタークのトラップを用いて乾燥するまで共沸させた。ラセミフルルビプロフェンのトルエン溶液が残った。
【0055】
実施例1.2
溶媒の量の変動
S−フルルビプロフェン(20g)を500mLのジャケット付きガラス反応器に詰めた。トルエン(200mL)を加え、溶液を60℃に加熱した。水酸化ナトリウム溶液(28%w/w溶液を46mL、5.1モル当量)及びメタノール(70mL)を加えた。混合物を4時間加熱還流した。蒸留温度が100℃に達するまで蒸留によって溶媒を除き、除かれた体積をトルエンで置き換えた。60℃にて塩酸(36%w/wを60mL)の添加によって反応混合物を中和し、下の水性層を分離した。フルルビプロフェンを含有する有機層を分析し、5.6%の鏡像体過剰率を有することが分かった。
【0056】
異なった溶媒比率を用いて半分の規模にて上記の手順を繰り返した。S−フルルビプロフェン(10g)をトルエン(100mL)及びメタノール(20mL)と混合した。水酸化ナトリウム溶液(28%w/w溶液を25mL、5.6モル当量)を加え、混合物を3時間加熱還流した。溶媒の蒸発と塩酸(36%w/w溶液を35mL)の添加による中和の後、有機層が3.4%の鏡像体過剰率を持つフルルビプロフェンを含有することが分かった。
【0057】
実施例1.3
水酸化ナトリウムの量の変動
分割手順における粗精製のR−フルルビプロフェン/R−1−フェニルエチルアミン塩の濾過からのトルエン/メタノール母液(250mL、推定47gのフルルビプロフェンを含有する)を500mLのジャケット付きガラス反応器に詰め、大気圧でメタノールを留去した。次いで混合物を60℃前後に冷却し、塩酸(100mLの水に40mLの濃塩酸)で2回洗浄し、次いで水(100mL)で2回洗浄した。メタノール(50mL)を入れ、その後、苛性ソーダ溶液を入れた(表を参照のこと)。混合物を加熱還流した(表を参照のこと)。次いで蒸気温が約85℃に達するまで大気圧で溶媒を除いた。混合物を60℃前後に冷却し、混合物のpHが1以下になるまで約60〜70℃にて濃塩酸を入れた。層を分離し、下の水性層を取り除いた。有機相を水で洗浄し、次いでディーンとスタークのトラップを用いて乾燥するまで共沸させた。残ったラセミフルルビプロフェンのトルエン溶液を、鏡像異性体の純度について分析した。
【0058】
【表1】

【0059】
実施例1.4
大規模試行
分割工程における粗精製のS−フルルビプロフェン/S−1−フェニルエチルアミン塩の濾過からのトルエン/メタノール母液(11.5L、S−鏡像異性体で濃縮された推定1.7kgのフルルビプロフェンを含有する)を20Lのジャケット付きガラス反応器に詰め、大気圧でメタノールを留去した。次いで混合物を60℃前後に冷却し、塩酸(1.8Lの水に0.6Lの濃塩酸)で2回洗浄し、次いで水(1.9L)で2回洗浄した。追加のトルエン(1.0L)を入れ、その後メタノール(2.5L)と苛性ソーダ溶液(28%w/w溶液を4.5L、6.1モル当量)を入れた。混合物を6時間加熱還流した。次いで蒸気温がおよそ85℃に達するまで大気圧にて溶媒を除いた。混合物を60℃前後に冷却し、混合物のpHが1以下になるまで約60〜70℃にて濃塩酸(36%w/w溶液を4.5L)及び水(2L)を入れた。さらにトルエン(3L)を加え、層を分離させ、下の水性層を取り除いた。有機層を水(3.6L)で洗浄し、次いでディーンとスタークのトラップを用いて乾燥するまで共沸させた。ラセミフルルビプロフェンの残ったトルエン溶液を分析し、以下に示す結果を得た。米国特許第5,599,969号に記載されたようなラセミ化のための従来技術を用いて実施したバッチから得た典型的な結果を比較のために表に示す。
【0060】
【表2】

【0061】
実施例1.5
ラセミ化フルルビプロフェンからのR−フルルビプロフェン/R−1−フェニルエチルアミン塩の合成
分割工程における粗精製のR−フルルビプロフェン/R−1−フェニルエチルアミン塩の濾過からのトルエン/メタノール母液(1.25L、S−鏡像異性体で濃縮された推定230gのフルルビプロフェンを含有する)を3Lの三口丸底ガラス反応器に詰め、大気圧でメタノール(150mL)を留去した。次いで混合物を60℃前後に冷却し、塩酸(200mLの水に50mLの濃塩酸)で2回洗浄し、次いで水(250mL)で2回洗浄した。追加のトルエンを入れ(100mL)、その後メタノール(180mL)、苛性ソーダ溶液(48%w/w溶液を250mL、4.7モル当量)及び水(250mL)を入れた。混合物を6時間加熱還流した。次いで蒸気温がおよそ85℃に達するまで大気圧にて溶媒を除いた。混合物を60℃前後に冷却し、さらにトルエン(380mL)を加えた。混合物のpHが1以下になるまで約60〜70℃にて塩酸(36%w/w溶液を500mL)を入れ、層を分離させ、下の水性層を取り除いた。有機層を水(250mL)で洗浄し、次いでディーンとスタークのトラップを用いて乾燥するまで共沸させた。ラセミフルルビプロフェンの残ったトルエン溶液を分析し、1.1%の鏡像体過剰率を有することが分かった。得られた溶液の一部(160g)を乾燥するまで蒸発させ、そのフルルビプロフェン含量(22g)を決定し、トルエン(50g)とメタノール(11g)に再溶解した。溶液を60℃に加熱し、R−1−フェニルエチルアミン(6.5g)のトルエン(14g)溶液をゆっくり加えた。混合物をゆっくり0℃に冷却し、結晶を濾別し、トルエン(25mL)で洗浄し、60℃にて真空下で乾燥させた。分析によって粗精製のR−フルルビプロフェン/R−1−フェニルエチルアミン塩に典型的な77%の鏡像体過剰率が示された。メチル(2−(2−フルオロ−4−ビフェニルイル)プロピオネートと1−フェニルエチル−(2−2−(フルオロ−4−ビフェニルイル))プロピオンアミドのレベルは0.1%に過ぎなかった。
【0062】
実施例2−イブプロフェン
実施例2.1
分割手順
ラセミイブプロフェン(530g)をトルエン(1335mL)及びメタノール(900mL)に溶解する。混合物を加熱して固形物を溶解する。S−1−フェニルエチルアミン(247g)をトルエン(200mL)に溶解し、60℃にて撹拌しながら溶液を加え、温度を約65〜70℃で維持しつつ約3時間を越えて撹拌する。混合物を徐々に0〜5℃に冷却して結晶化を誘導し、この温度にて1時間撹拌する。結晶を濾別してトルエン(600mL)で洗浄し、55℃の真空オーブンにて乾燥させ、粗精製のS−イブプロフェン/S−1−フェニルエチルアミン塩(635g)を形成する。
【0063】
粗精製のS−イブプロフェン/S−1−フェニルエチルアミン塩(635g)をトルエン(1930mL)及びメタノール(800mL)と共に撹拌し、混合物を60℃に加熱して固形物を溶解する。溶液を徐々に0〜5℃に冷却して結晶化を誘導する。結晶を濾別し、55℃の真空オーブンで乾燥させて純粋なS−イブプロフェン/S−1−フェニルエチルアミン塩(510g)を形成する。必要に応じてS−イブプロフェン/S−1−フェニルエチルアミン塩の再結晶化を繰り返し、必要に応じて鏡像体純度を高めてもよい。
【0064】
撹拌しながら、純粋なS−イブプロフェン/S−1−フェニルエチルアミン塩(485g)をトルエン(1700mL)と混合する。水(300mL)と濃塩酸(170g)を加え、混合物を60℃で撹拌する。下の水性層を分離し、上の有機層を保持する。塩酸洗浄を繰り返し、次いでトルエン溶液を水で洗浄する。水(370mL)と47%の水酸化ナトリウム溶液(118g)を加え、溶液を60℃に加熱し、安定させる。下の水性層を分離し、上のトルエン層を水で洗浄する。水性相を合わせ、ヘプタン(420mL)を加える。塩酸(130g)を加え、混合物を60℃に加熱し、撹拌し、安定させる。有機層を分離し、水で洗浄する。溶液を−10℃に冷却して結晶化を誘導し、濾過によって結晶を分離し、ヘプタンで洗浄し、真空下で乾燥させて、99%を超える鏡像体純度で(S)−イブプロフェン(280g)を得る。
【0065】
実施例2.2
ラセミ化の手順
分割手順における粗精製のS−イブプロフェン/S−1−フェニルエチルアミン塩の濾過からのトルエン/メタノール母液(2400mL、推定130gのイブプロフェンを含有する)を3Lの三口丸底フラスコに詰め、大気圧でメタノール及びトルエンを留去する(取り除いた体積は約1400mL)。次いでバッチを60℃前後に冷却し、塩酸(200mLの水に20mLの濃塩酸)で2回洗浄し、次いで水(200mL)で2回洗浄する。トルエン(80mL)を入れ、その後、メタノール(200mL)及び苛性ソーダ溶液(28%w/w溶液を450g、5モル当量)を入れる。混合物を約6時間加熱還流する。次いで蒸気温がおよそ85℃に達するまで大気圧にて溶媒を除く。混合物を60℃前後に冷却し、混合物のpHが1以下になるまで、約60〜70℃にて濃塩酸を入れる。層を分離し、下の水性層を取り除く。有機層を水(200mL)で洗浄し、次いでディーンとスタークのトラップを用いて共沸させる。ラセミイブプロフェンのトルエン溶液が残る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラセミ2−アリールプロピオン酸化合物又は薬学上許容可能なその塩を製造する方法であって、対応する2−アリールプロピオン酸化合物のS−又はR−鏡像異性体を塩基と反応させることを含む方法。
【請求項2】
前記2−アリールプロピオン酸化合物が2−(4−イソブチルフェニル)プロパン酸(イブプロフェン)、2−(2−フルオロ−4−ビフェニルイル)プロピオン酸(フルルビプロフェン)、2−(3−ベンゾイルフェニル)プロパン酸(ケトプロフェン)、及び2−(6−メトキシナフタレン−2−イル)プロパン酸(ナプロキセン)、ならびに薬学上許容可能なそれらの塩からなる群より選択される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記塩基が1以上のアルカリ金属塩を含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記アルカリ金属塩がナトリウム塩である請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記塩基が水酸化物を含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記塩基が水酸化ナトリウムである請求項5に記載の方法。
【請求項7】
存在する前記塩基の量が存在する2−アリールプロピオン酸化合物に対して2.5〜10当量である請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記反応がアルキルC1〜C10アルコールと水非混和性の溶媒とを含む溶媒混合物中で行われる請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記アルキルC1〜C10アルコールがメタノールである請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記水非混和性の溶媒がトルエンである請求項8に記載の方法。
【請求項11】
トルエン:メタノールの比が2:1〜8:1v/vである請求項10に記載の方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法により製造されるラセミ2−アリールプロピオン酸化合物又は薬学上許容可能なその塩。
【請求項13】
前記ラセミ体が実質的にゼロの鏡像体過剰率を有する、請求項12に記載のラセミ2−アリールプロピオン酸化合物又は薬学上許容可能なその塩。
【請求項14】
前記ラセミ体が2.5%w/w未満の量の対応するプロピオン酸メチルエステル不純物を有する請求項12に記載のラセミ2−アリールプロピオン酸化合物又は薬学上許容可能なその塩。
【請求項15】
前記2−アリールプロピオン酸化合物が2−(4−イソブチルフェニル)プロパン酸(イブプロフェン)、2−(2−フルオロ−4−ビフェニルイル)プロピオン酸(フルルビプロフェン)、2−(3−ベンゾイルフェニル)プロパン酸(ケトプロフェン)、及び2−(6−メトキシナフタレン−2−イル)プロパン酸(ナプロキセン)、ならびに薬学上許容可能なそれらの塩からなる群より選択される請求項12に記載のラセミ2−アリールプロピオン酸化合物又は薬学上許容可能なその塩。
【請求項16】
2−アリールプロピオン酸化合物の鏡像異性体、又は薬学上許容可能なその塩の製造方法であって、請求項12に記載の、対応するラセミ2−アリールプロピオン酸化合物又は薬学上許容可能なその塩の分割を含む方法。
【請求項17】
2−アリールプロピオン酸化合物の鏡像異性体、又は薬学上許容可能なその塩の製造方法であって、
(i)分割剤との反応によるラセミ2−アリールプロピオン酸化合物又は薬学上許容可能なその塩の分割;
(ii)所望の鏡像異性体と望ましくない鏡像異性体との分離;
(iii)望ましくない鏡像異性体を塩基と反応させてラセミ2−アリールプロピオン酸化合物を製造することを含む望ましくない鏡像異性体のラセミ化;
(iv)工程(iii)のラセミ2−アリールプロピオン酸化合物又は薬学上許容可能なその塩の分割
の工程を含む方法。
【請求項18】
S−(2−(2−フルオロ−4−ビフェニルイル)プロピオン酸若しくはその塩、又はR−(2−(2−フルオロ−4−ビフェニルイル)プロピオン酸若しくはその塩の製造方法であって、
(i)分割剤との反応によるラセミ2−(2−フルオロ−4−ビフェニルイル)プロピオン酸又はその塩の分割;
(ii)所望の鏡像異性体と望ましくない鏡像異性体との分離;
(iii)望ましくない鏡像異性体又は薬学上許容可能なその塩を塩基と反応させることを含む望ましくない鏡像異性体のラセミ化;
(iv)工程(iii)のラセミ2−(2−フルオロ−4−ビフェニルイル)プロピオン酸又はその塩の分割
の工程を含む方法。
【請求項19】
前記分割剤が、アミン塩基である請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
前記アミン塩基が1−フェニルエチルアミンである請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記分割剤が、S−1−フェニルエチルアミン又はR−1−フェニルエチルアミンである請求項20に記載の方法。
【請求項22】
2−アリールプロピオン酸化合物の鏡像異性体、又は薬学上許容可能なその塩の製造のための請求項12に記載のラセミ2−アリールプロピオン酸化合物又は薬学上許容可能なその塩の使用。
【請求項23】
前記2−アリールプロピオン酸化合物又は薬学上許容可能なその塩が2−(4−イソブチルフェニル)プロパン酸(イブプロフェン)、2−(2−フルオロ−4−ビフェニルイル)プロピオン酸(フルルビプロフェン)、2−(3−ベンゾイルフェニル)プロパン酸(ケトプロフェン)、及び2−(6−メトキシナフタレン−2−イル)プロパン酸(ナプロキセン)、ならびに薬学上許容可能なそれらの塩からなる群より選択される請求項22に記載の使用。
【請求項24】
請求項17又は18に記載の方法により製造される2−アリールプロピオン酸化合物のS−鏡像異性体又は薬学上許容可能なその塩。
【請求項25】
請求項17又は18に記載の方法により製造される2−アリールプロピオン酸化合物のR−鏡像異性体又は薬学上許容可能なその塩。
【請求項26】
前記2−アリールプロピオン酸化合物又は薬学上許容可能なその塩が2−(4−イソブチルフェニル)プロパン酸(イブプロフェン)、2−(2−フルオロ−4−ビフェニルイル)プロピオン酸(フルルビプロフェン)、2−(3−ベンゾイルフェニル)プロパン酸(ケトプロフェン)、及び2−(6−メトキシナフタレン−2−イル)プロパン酸(ナプロキセン)、ならびに薬学上許容可能なそれらの塩からなる群より選択される請求項24又は25に記載のS−又はR−鏡像異性体。
【請求項27】
添付の実施例を参照して、ここで実質的に記載されている方法、化合物、又は使用。

【公表番号】特表2011−526614(P2011−526614A)
【公表日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−515598(P2011−515598)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【国際出願番号】PCT/GB2009/001619
【国際公開番号】WO2010/001103
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(509007654)アエシカ ファーマシュティカルズ リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】Aesica Pharmaceuticals Limited
【住所又は居所原語表記】Windmill Industrial Estate,Cramlington,Northumberland,NE23 3JL,United Kingdom
【Fターム(参考)】