ラックへの試験管準備装置
【課題】ラックへの試験管の準備を自動的に行うことができる試験管準備装置の提供を目的とする。
【解決手段】汎用されているトレイへの試験管準備装置などを利用して、ラベルを貼着した試験管を準備し、ラベル貼着後の試験管の向きを検出して底部が先になるようにターンテーブルを利用して揃えると共に、試験管の軸心線を搬送方向と一致させる。そして、搬出コンベアの終端側に設けた投入シュートで搬送中の試験管を水平状態から垂直状態となるようにし、垂直姿勢のまま投入シュート下方で待機するラックの保持孔へ立てた状態で試験管を供給するようにしている。
これにより、試験管の選択、試験管へのラベルの貼付及びラベル貼着後の試験管のラックへの供給を全て自動的に行うことが可能である。
【解決手段】汎用されているトレイへの試験管準備装置などを利用して、ラベルを貼着した試験管を準備し、ラベル貼着後の試験管の向きを検出して底部が先になるようにターンテーブルを利用して揃えると共に、試験管の軸心線を搬送方向と一致させる。そして、搬出コンベアの終端側に設けた投入シュートで搬送中の試験管を水平状態から垂直状態となるようにし、垂直姿勢のまま投入シュート下方で待機するラックの保持孔へ立てた状態で試験管を供給するようにしている。
これにより、試験管の選択、試験管へのラベルの貼付及びラベル貼着後の試験管のラックへの供給を全て自動的に行うことが可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、採血検査の前工程における採血工程での試験管の事前準備作業を行なうものであって、医師からの採血指示に応じて種類の異なる試験管を選択し、これに患者IDや前記採血指示内容等の患者情報を印字したラベルを貼着し、患者別にラックへ選択的に収納することのできる試験管準備装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
病院、医院、その他の医療機関における血液検査部門では、採血作業者(看護師等)により、患者から血液を採取し、採取した検体を試験管へ収容して検査部門へ移送するようにしている。血液検査では、その血液検査項目に応じて、多種類の試験管が準備されており、通常、一人の患者に対して複数種類の検査が同時に行われる。そのため、試験管の準備も一人の患者に対して複数種類のものが試験管準備装置によって自動的に準備されるようになっている。また採血室では多数の患者を取り扱うのが当たり前であり、前記試験管準備装置で準備された各試験管にはオーダ番号等のバーコードが印刷されたラベルが貼付されている。
そして、試験管の準備は、患者ごとに一つのトレイ又はラックを準備し、前記選択された複数本のラベル貼着済の試験管を一つのトレイ又はラックへ収容し、採血室又は病室へ搬送するようにしている。
【0003】
本発明は、ラックへ試験管を自動的に準備する装置に関するものである。このようなラックへ試験管を準備する技術として、例えば特許文献1に記載された技術がある。
【0004】
この特許文献1に記載された技術は、一列に並んだラックの保持孔にそれぞれ試験管を差し込んで保持し、試験管を立てた状態で患者の採血に関する情報を印字したラベルを試験管の外周面に当接させ、貼付ロールで試験管の外周面に押し付けてラベルを試験管の外周面に貼着している。そして、保持孔の一個分だけラックを前進移動させ、次の保持孔に保持された試験管の外周面に同様にして患者の採血に関する情報を印字したラベルを貼着するようにしている。
【特許文献1】特開2000−153818号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
病棟などでの採血のためにラベル貼着後の試験管をラックへ準備する従来の技術にあっては、特許文献1に示すように、先にラックの保持孔へ試験管を差し込んで起立状態に保持し、この状態で試験管の外周面にラベルを貼着している。このようにラックへ試験管を起立状態に保持した状態でラベルを貼着する方法では、この起立状態の試験管に対してラベルを貼着することのできる専用のラベル貼着装置が必要であった。そのため、水平状態の試験管にラベルを貼着する汎用されているトレイへの試験管準備装置を利用することができないという欠点があった。
【0006】
またラックへの試験管の供給と、試験管へのラベルの貼着とは、ラックへの試験管の供給を先に行う必要があり、この供給は看護士などの病院側スタッフの人手による場合が多かった。つまり、従来のラックへ試験管を準備する技術にあっては、病院側スタッフが採血情報に基づいて試験管を選択してラックへ起立状態に収納保持させ、この状態でラック対応専用のラベル貼着装置で試験管の外周面に患者情報、採血情報等の特定情報を印字したラベルを貼着するようにしていた。そのため、非常に作業効率が悪く、採血患者数の多い病院などでは病院側スタッフに過度の労働を負担させるという問題があった。
【0007】
更に、従来において、試験管をラックへ準備する場合は、看護士などの病院側スタッフが医師などからの指示書に基づいてラックへ採血管を準備し、ラベル印字装置で患者情報、採血情報などの特定情報を印字したラベルをプリントアウトし、これを病院側スタッフがラックに立設した試験管へ手貼りで貼着するようにすることもあった。この場合は、上記にも増して作業が非効率的であり、病院側スタッフに与える負担が大きいという問題があった。
【0008】
本発明は従来の前記課題に鑑みてこれを改良除去したものであって、ラックへの試験管の準備を自動的に行うことができるラックへの試験管準備装置を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
而して、前記課題を解決するために本発明が採用した請求項1の手段は、ラベルを貼着した後の試験管の搬入コンベアと、該搬入コンベアの終端側に設けた試験管のストッパー及び到着センサーと、前記ストッパーによる停止位置での試験管の向きを検出する試験管向き検出部と、前記搬入コンベアの搬送方向とクロスする方向へ試験管を切り出す切出装置と、該切出装置の排出側下方に配設された試験管の向きを揃えるためのターンテーブルと、ターンテーブルの回転体底板に設けられた開口を開閉するシャッターと、開閉シャッターの下方に配設された搬出コンベアと、搬出コンベアの終端側に連続すると共に試験管の姿勢を水平状態から垂直状態になるように変更する姿勢変更通路部を備えた投入シュートとより成り、ラベルの貼着された試験管をラックの試験管保持孔へ自動的に立てた状態で順次供給するようにしたことを特徴とするラックへの試験管準備装置である。
【0010】
本発明が採用した請求項2の手段は、切出装置は、搬入コンベアを跨ぐように配置された切出板を有し、常時はばね等の蓄性弾力により、後退位置へ付勢されており、モーターの駆動力又は手動により、蓄性弾力に抗して前進し、蓄性弾力により自動的に復帰するようになされている前記請求項1に記載のラックへの試験管準備装置である。
【0011】
本発明が採用した請求項3の手段は、ターンテーブルの底板開口を開閉する開閉シャッターは、ボックス状でかつスライド式であり、通常は底板開口を閉塞する方向にばね等の蓄性弾力をもって付勢されている請求項1又は2に記載のラックへの試験管準備装置である。
【0012】
本発明が採用した請求項4の手段は、ターンテーブルは、その回転体の外周側面に取り付けられた回転位置検出板及び該回転位置検出板を検出する光電式の投受光センサーから成る回転位置検出機構と、回転体の対向壁面に光電式の投受光センサーを対向配置して回転体内を照射光が通過するようにすることで回転体内の試験管の有無を検出する試験管検知機構と、所定の回転位置で回転体を固定する電磁ソレノイド式ロックピンなどの固定手段とを有する請求項1乃至3のいずれか一つに記載のラックへの試験管準備装置である。
【0013】
本発明が採用した請求項5の手段は、搬出コンベアの両側面にガイド板を立設し、該ガイド板の一部に、蝶番とばね等の蓄性弾力により常時は閉塞方向へ付勢された点検扉を設けた請求項1乃至4のいずれか一つに記載のラックへの試験管準備装置である。
【0014】
本発明が採用した請求項6の手段は、搬出コンベアの一端側に可動板を取り付けると共に、該可動板の下方には試験管の回収トレイを配置し、再起動時にラック装置内に残っている試験管を強制的に排出して回収トレイへ回収するようにした請求項1乃至5のいずれか一つに記載のラックへの試験管準備装置である。
【0015】
本発明が採用した請求項7の手段は、投入シュートの姿勢変更通路部の周囲をボックス状に形成し、その一部分に蝶番とばね等の蓄性弾力により常時は閉塞方向へ付勢された点検扉を取り付けた請求項1乃至4のいずれか一つに記載のラックへの試験管準備装置である。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明にあっては、先ず、汎用されているトレイへの試験管準備装置などを利用して、ラベルを貼着した試験管を準備するようにしている。
そして、ラベルを貼着した後の試験管は、搬入コンベアへ移載される。試験管は、搬入コンベアの終端側に配設された試験管の向き検出部により、試験管の搬送方向が検知される。これは例えば光電式の投受光センサーを用い、試験管の底部側が先になって搬送されて来たときは、投光センサーからの光が試験管を透過して受光センサーで受光することで検知でき、また試験管の頭部が先になって搬送されて来たときは、試験管頭部のゴム栓又はラベルによって投光センサーからの照射光が遮断されることによって検知できる。
【0017】
試験管の向きが検知された後は、切出装置によって搬入コンベアから搬出コンベア側へ切り出されて供給される。切り出された試験管は、ターンテーブルへ落下供給される。そして、前記向き検出装置からの信号によって、試験管の向きが頭部側が先になって搬送されて来たときは、ターンテーブルを水平面内で180度回転させ、底部が先になるように方向を整列する。ターンテーブルは、その底板に開閉シャッターが設けられており、底部側が先となるように整列された試験管は、開閉シャッターが開くことで下方の搬出コンベアへ移載される。
搬出コンベアの終端側には、投入シュートが連続して設けられており、搬送路は水平状態から垂直状態となるように湾曲した通路(姿勢変更通路部)に形成されている。この通路を通過することで試験管は、水平姿勢から垂直姿勢となる。そのため、搬出コンベア終端側の排出口の直下に目的とするラックの保持孔を位置させることにより、ラックの保持孔へ立てた状態で試験管を供給することが可能である。
【0018】
このように、本装置を使用すれば、汎用されている試験管準備装置でラベルを貼着した試験管を準備し、ラックへ供給することができるので、ラック専用のラベル貼着装置が不要である。また試験管へのラベルの貼着からラベル貼着後の試験管をラックへの供給とを自動的行うことができ、病棟などにおける試験管の準備工程の全自動化が可能である。
【0019】
請求項2の発明は、搬入コンベアから搬出コンベアへ試験管を移載するための切出装置に関するものであり、搬入コンベアを跨ぐように配置された切出板を有し、常時はばね等の蓄性弾力により、後退位置へ付勢されている。ラベルが貼着された試験管は、前記切出板の間を先頭側が通過した状態で停止する。そして、切出信号が出力されると、モーターの駆動力により蓄性弾力に抗して前進し、搬入コンベア上の試験管を切り出して下方のターンテーブルのホッパーへ落下供給するようにしている。切り出した後は、ばね等の蓄性弾力により、自動的に元の位置へ自動復帰する。
また切出装置は、モーターOFFのときに、手動で蓄性弾力に抗して前進させることが可能であり、前進位置にさせた状態で搬入コンベア内に試験管が詰まっていないかなどの点検を行うことが可能である。切出装置から手を放すと、蓄性弾力により自動的に復帰する。
【0020】
請求項3の発明にあっては、ターンテーブルの底板開口を開閉する開閉シャッターをボックス状でかつスライド式とし、通常は底板開口を閉塞する方向にばね等の蓄性弾力をもって付勢するようにしている。シャッターの開動作指令が出されると、モーターの駆動力によりばね等の蓄性弾力に抗して前進し、シャッターを開いて試験管を下方の搬出コンベア上へ落下供給している。
一方、開閉シャッターをばね等の蓄性弾力に抗して手動で操作した場合は、開閉シャッター内の点検が可能となる。
【0021】
請求項4の発明にあっては、ターンテーブルの回転体の位置を正確に検知してその位置に固定保持するようにしている。これは試験管の軸心線が搬出コンベアの搬送方向に対して傾いた(クロス)まま試験管が搬出コンベアによって搬送されると、搬出コンベアの終端側に設置された投入シュートからラックへ投入する試験管の姿勢が悪くなり、正確な投入ができなくなる虞があるためである。回転体の位置の検出は、回転体の外周側面に取り付けられた回転位置検出板を、光電式の投受光センサーで検知することで行っている。回転体の固定は、位置検出機構からの信号によりON,OFF動作する電磁ソレノイド式ロックピンなどを回転体の外周側面凹部へ差し込むことで係止するようにしている。
【0022】
また回転体は、回転体の対向壁面に光電式の投受光センサーを対向配置して回転体内を照射光が通過するようにすることで回転体内の試験管の有無を検出するようにしている。これは回転体内に確実に試験管が供給されたか否かの検知と、回転体内から搬出コンベアへ確実に試験管が排出されたか否かを検知するためのものである。試験管の検知は、回転体を挟んでその外周面に対向配置された光電式の投受光センサーで行っている。前記投光センサーからの照射光は、回転体内の試験管に対して斜めになるように各センサーの位置が決定されており、ホッパー内に試験管Sがあるときは、当該試験管の向きがどちらを向いていてもラベル又は栓体によって前記照射光が遮断されるようになっている。つまり、照射光を受光しないときは試験管が存在し、照射光を受光したときは試験管が存在しないことになる。
【0023】
請求項5の発明にあっては、搬出コンベアの両側面にガイド板を立設し、該ガイド板の一部に、蝶番とばね等の蓄性弾力により常時は閉塞方向へ付勢された点検扉を設けている。この点検扉は、手動で開くと、ばね等の蓄性弾力に抗して開放され、内部の点検が可能となる。また手を放すと、蓄性弾力により自動的に復帰する。このように点検扉は、ワンタッチ式の開閉操作が可能である。
【0024】
請求項6の発明にあっては、搬出コンベアの一端側に可動板を取り付けると共に、該可動板の下方には試験管の回収トレイを配置し、再起動時にラック装置内に残っている試験管を強制的に排出して回収トレイへ回収するようにしている。これは、再起動させたときに装置内に残っている試験管については、その識別ができないので、これを強制的に排出し、手動のバーコードセンサーなどで試験管に貼付されたラベルのバーコードを読み取り、患者情報、採血情報等を認識するようにしている。
【0025】
請求項7の発明にあっては、投入シュートの姿勢変更通路部の周囲をボックス状に形成し、その一部分に蝶番とばね等の蓄性弾力により常時は閉塞方向へ付勢された点検扉を取り付け、請求項5の点検扉の場合と同じようにワンタッチ式の開閉操作が行えるようにしている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に、本発明の構成を図面に示す発明の実施の形態に基づいて説明すると次の通りである。図1乃至図4は本発明の一実施の形態に係る試験管準備装置1を示すものである。この試験管準備装置1は、トレイT又はラックRへ選択的に供給することができるように構成されている。図1は同装置1の全体を示す平面図、図2は同正面図、図3はラック装置3の右側面図、図4はラベラー本体2の右側面図である。
【0027】
図1乃至図4に示す如く、この実施の形態のトレイT又はラックRへの試験管準備装置1は、ラベラー本体2と、このラベラー本体2に対して後付け装備が可能であり、しかも独立して分離可能なラック装置3とを有している。ラベラー本体2は、種類の異なる試験管Sごとに多数を収容してなる収容部(ストッカー)と、該収容部から切り出された採血管Tに対して上位コンピュータからの患者情報をラベルへ印字し、印字したラベルを試験管の外周面へ貼着するラベル印字貼付装置と、ラベル貼付後の試験管を排出する搬送手段とを本体内に装備している。これらのラベラー本体内の各装置の構成と機能については、既に公知のオートラベラーの技術と同じであり、この公知技術を利用することが可能である。またラベラー本体2は、その上面側にトレイ機構部4と、トレイTへの試験管を搬送するためのL字状に配設された第一及び第二の試験管搬送コンベア5、6とを有している。またラベラー本体2の上面側には、トレイストッカー7と、手貼り用のラベルへ患者情報等を印字する手貼りラベラー8とが設置されている。
【0028】
ところで、本実施の形態にあっては、ラベラー本体2内に組み込まれたオートラベラーでラベルが貼着された後の試験管Sを排出する搬送手段に連係し、後述するトレイ又はラックへ搬送する搬送手段としてのリフター9を有している。リフター9は、ラベラー本体2の背面側に装着されており、オートラベラーの試験管排出側からラベル貼着後の試験管Sを受け取る小寸法の昇降コンベア10を有している。昇降コンベア10は、ベルト駆動手段11によって上下方向往復移動可能に設けられており、最下降位置でオートラベラーの試験管搬送装置からラベル貼着後の試験管Sを受け取り、最上位位置でラック装置3側へ試験管Sを受け渡し、それよりもやや下方の中間位置でトレイ機構側へ試験管Sを受け渡すようになっている。すなわち、昇降コンベア10は、最も下方の試験管受取位置と、最も上位のラック供給停止位置と、最上位位置よりもやや下方のトレイ供給停止位置との三つの停止位置を採ることができるように設定されている。
【0029】
ラック装置3は、前記リフター9のラック供給停止位置における昇降コンベア10から供給される試験管Sを受け取る搬入コンベア12と、搬入コンベア12から受け取った試験管Sの搬送方向の向きを検出し、試験管Sの底部が先になって搬送されるように試験管Sの向きを揃えるターンテーブル13と、ターンテーブル13から受け取った試験管Sをラック供給側へ搬送する搬出コンベア14と、搬出コンベア14に連続する投入シュート15と、投入シュート15の下方に待機し、投入シュート15から排出される試験管Sを待ち受けるラックR及びその駆動のためのラック機構16とを有している。なお、ラックRの上には、試験管Sの投入姿勢を安定させるためのアタッチメントAが脱着自在に載置されている。
【0030】
搬入コンベア12は、図5乃至図7に示すように、構成されている。図5は同コンベア12の平面図、図6は正面図、図7は右側面図である。搬入コンベア12の終端側には、搬送されて来た試験管Sを停止させるストッパー17(図8及び図9参照)と、試験管Sの到着を検知するリミットセンサーなどからなる到着センサー41と、該停止位置で停止中の試験管Sの先頭部分に、投光センサー42から赤外線などを照射してその透過光を受光センサー43で受光することで、試験管Sの底部か頭部(開口に栓体が装着されている)かを検出する試験管向き検出部44と、停止位置の試験管Sを搬送方向とクロスする方向へ切り出す切出装置18とが設けられている。
【0031】
切出装置18は、図8乃至図10に示すように構成されている。図8は同装置18の平面図、図9は正面図、図10は左側面図である。切出装置18は、搬入コンベア12を跨ぐように配置されたE字状の切出板19を有している。切出板19の開口部は下向きに配置されている。試験管Sは、図3における切出板19の真ん中と右端の板19A,19Bとで仕切られた開口部を先端側が通過し、試験管本体部分が切出板19に向き合う位置で先端部分がストッパーに当接して停止するようになっている。また切出装置18は、常時はばね等の蓄性弾力をもって図3の右方向へ付勢されており、「切出」動作の開始信号が出力されると、モーターの駆動力によりベルト及びプーリを介して図3の左方向へ移動し、試験管Sを切り出すようになっている。ばね等で付勢されているため、手動動作も可能であり、点検などが容易に行えるようになっている。
【0032】
ターンテーブル13は、図11乃至図13に示すように構成されている。図11はターンテーブル13の平面図、図12は同正面図、図13は同右側面図である。ターンテーブル13は、回転体20の上面側中央部にホッパー21が設けられており、ホッパー21の中央部の底板45に長方形状の開口46が穿設されている。また底板45の下方にはボックス状でかつスライド式の開閉シャッター22が取り付けられている。この開閉シャッター22は、通常は前記ホッパー底板45の開口46を閉塞する方向にばね等の蓄性弾力をもって付勢されている。そして、「開く」旨の信号が出力されると、モーター47の駆動力によりベルト及びプーリを介して開方向へ移動し、ホッパー底板45の試験管Sを下方の搬出コンベア14上へ落下供給するようになっている。また開閉シャッター22は、手動でも開閉できるようになっている。
【0033】
更に、ターンテーブル13は、試験管Sの進行方向に対する傾き(進行方向に対する試験管中心軸線の水平面内におけるズレ)が生じないようにするために、回転体20の位置検出機構23及び位置決め機構24が設けられている。これは試験管Sが傾いたまま搬出コンベア14によって搬送されると、投入シュート15からラックRへ投入されるときの試験管Sの姿勢が悪くなり、正確な投入ができなくなる虞があるためである。
回転体20の位置検出機構23は、回転体20の外周側面に取り付けた回転位置検出板25と光電式の投受光センサー26A,26Bとからなり、投光センサー26Aからの赤外線などが回転位置検出板25によって遮られて受光センサー26Bで受光できなくなったときに、回転体20が所定の回転位置にあることを検知するようになっている。また位置決め機構24は、回転体20の外周側面の一部に設けた凹部47に対して電磁ソレノイドにより進退するロックピン27を嵌合させることにより、回転体20を固定するようにしている。
【0034】
更にまた、ターンテーブル13は、回転体20のホッパー21内に試験管Sが確実に供給されたか否かの確認と、当該ホッパー21の開閉シャッター22が開いて試験管Sが搬出コンベア14上へ確実に落下供給されたか否かを確認するための試験管検知機構28を有している。この試験管検知機構28は、光電式の投光センサー29と受光センサー30とが回転体20を挟んでその外周面に対向配置されている。このときの回転体20は、ロックピン27によって回転が固定されており、この位置における投光センサー29からの照射光が回転体20を通過して反対側の受光センサー30で受光されるように回転体20の外周側面には透過窓が形成されている。前記投光センサー29から照射される赤外線などの光は、ホッパー21内の試験管Sに対して斜めになるように各センサーの位置が決定されており、ホッパー21内に試験管Sがあるときは、当該試験管Sの向きがどちらを向いていてもラベル又は栓体によって前記照射光が遮断されるようになっている。
【0035】
搬出コンベア14及びこれに連続する投入シュート15は、図14乃至図16に示すように構成されている。図14はその平面図、図15は正面図、図16は右側面図である。搬出コンベア14は、その両側面にガイド板31が立設されている。このガイド板31の装置正面側に面する一部分には、蝶番47とばね48等の蓄性弾力により常時は閉塞方向へ付勢された点検扉32が取り付けられている。この点検扉32を作業者が手動により手前へ引くと、蝶番部分を支点として回動し、ターンテーブル直下の搬送コンベア14が露出するようになっている。開放状態から手を離すと、点検扉32は蓄性弾力により自動的に閉塞位置まで復帰するようになっている。
【0036】
また搬出コンベア14の図2、図14、図15における右端側には、可動板39が取り付けられており、右端側の下方には試験管Sの回収トレイ40が配置されている。これは、停電などにより装置の電源がOFFになった後、再起動したときに、ラック装置3内に残っている試験管Sについては、その情報を認識することができないので、強制的に排出するためのものである。再起動時は、可動板39を開放し、搬出コンベア14を逆転させ、ラック装置3内に残っている試験管Sを回収トレイ40へ回収するようにしている。
【0037】
搬出コンベア14に連続する投入シュート15は、その姿勢変更通路部33が水平状態から垂直状態になるように湾曲しており、その周囲はボックス状に囲われている。この投入シュート15の装置正面側に面する一部分にも、蝶番とばね等の蓄性弾力により常時は閉塞方向へ付勢された点検扉34が取り付けられている。この点検扉34の場合も作業者が手動により手前へ引くと、蝶番部分を支点として回動し、湾曲した姿勢変更通路部33が露出するようになっている。開放状態から手を離すと、点検扉34は蓄性弾力により自動的に閉塞位置まで復帰する。
【0038】
ラックRは、図17乃至図19に示すように構成されている。図17はラックRの平面図、図18は正面図、図19は右側面図である。同図に示すごとく、ラックRには試験管Sを垂直状態に立てて保持できる試験管保持孔35が上部板49と中間板50の同一位置に設けられており、縦10列で、横5列の合計50個の試験管保持孔が形成されている。またこのラックRの上部板49の左右の両側板寄りには、このラックRの上に脱着自在に載置されるアタッチメントAの差込孔52が設けられている。
【0039】
ラックRの上に脱着自在に載置されるアタッチメントAの構成は、図20乃至図22に示すとおりである。図20はアタッチメントAの平面図、図21は同正面図、図22は同右側面図である。同図に示すごとく、アタッチメントAは、前記保持孔35と同位置に試験管Sの投入時の姿勢が垂直状になるように案内補助するための姿勢制御用孔36が上下方向に貫通して形成されている。またこの姿勢制御用孔36の上端側は、試験管Sの投入受け入れをスムーズに行うためのテーパー面51が形成されている。更に、アタッチメントAの左右の両側板には、ラックRの差込孔52へ係合させるための差込突片53が形成されている。
【0040】
このラックRを駆動させるラック駆動機構16は、X軸方向へ移動自在なスライダー37とY軸方向へ移動自在なスライダー38とが組み合わされており、ラックRの各試験管保持孔35を投入シュート15の真下へ正確に位置決めできるようになっている。
【0041】
次に、以上のように構成されたラックR又はトレイTへの試験管準備装置1の動作態様について、トレイTへ準備する外来患者の場合から説明する。先ず、患者が診察券カード又は整理券などを提示して採血受付を行うと、これらの診察券カードなどに記載又は記憶された患者IDがバーコードリーダ又はICカードリーダ/ライタなどによって読み取られる。読み取られた患者IDは、医療情報システム(HIS)、検査情報システム(LIS)などの上位コンピュータへ送られ、これらの上位コンピュータから当該患者の患者情報及び採血情報が採血室の試験管準備装置1のラベラー本体2へ伝達される。
【0042】
ラベラー本体2は、その内部に組み込まれたオートラベラーが前記採血情報に基づいて必要な試験管Sを試験管収容部から選択的に取り出し、これをラベル印字貼付装置へ移送する。ラベル印字貼付装置では、前記患者情報及び採血情報をラベルへ印字し、印字後のラベルを前記取り出された試験管の外周面へ貼着する。ラベル貼着後の試験管は、搬送装置により、ラベラー本体2の背面側に取り付けられたリフター9の最下降位置で待機する昇降コンベア10の位置まで搬送される。リフター9の昇降コンベア10は、ラベラー本体2の搬送装置によって試験管Sが所定の距離に近づくと、ラベラー本体2に設けたセンサーがこれを検知し、昇降コンベア10を駆動させるようになる。これにより、オートラベラー側から送られてくる試験管Sは、そのまま昇降コンベア10上へ乗り移り、完全に乗り移ると昇降コンベア10の駆動が停止する。
【0043】
続いて、リフター9が駆動し、昇降コンベア10を最上位位置よりもやや下方のトレイ供給停止位置まで上昇させる。昇降コンベア10は、この位置へ達すると、今度は前記とは逆方向へ回転駆動して試験管Sを排出し、第一の試験管搬送コンベア5上へ移載する。移載された試験管Sは、この第一のコンベア5に連続してL字状に配設された第二のコンベア6に移載され、横向きのままで搬送されてその終端からトレイTへ落下供給される。昇降コンベア10は、試験管Sが第一コンベア5へ移載された時点で回転駆動が停止される。またリフター9は、昇降コンベア10を最下降位置まで降下して搬送復帰させる。
【0044】
このようにして医師などの採血指示を反映した採血指示情報に基づいて、全ての種類のラベル貼着済の試験管SがトレイTへ準備されると、トレイ機構部4はトレイTをその一個分だけ前進移動させ、トレイストッカー7から試験管Sの受け渡し位置へ新たなトレイTを送り込んで待機する。以上でトレイTへの試験管Sの準備作業は終了する。
なお、患者に特殊な採血指示がなされており、別途試験管を準備する場合はこの試験管に貼着するための手貼りラベルが手貼りラベラー8からトレイTへ落下供給されるようになっている。
【0045】
次に、ラックRへラベル貼着済の試験管Sを準備する場合について説明する。試験管SのラックRへの準備は、入院患者などについて行われることが多い。入院病棟などにおいては、その日に採血検査を必要とする患者のリストがナースステーションの端末などにデータとして管理保存されている。病院スタッフが病棟ごとに、当日に行われる採血患者のIDをHIS又はLISなどに送ると、当該患者に関する患者情報及び採血情報が試験管準備装置1のラベラー本体2へ伝達される。ラベラー本体2では、前記したトレイTへ試験管Sを準備する場合と同じように、その内部に組み込まれたオートラベラーが前記採血情報に基づいて必要な試験管Sを試験管収容部から選択的に取り出し、これに前記患者情報及び採血情報を印字したラベルを貼着し、貼着後の試験管Sをリフター9の昇降コンベア10の位置まで搬送する。続いて、昇降コンベア10が回転駆動し、試験管Sを受け取ると、リフター9が駆動し、昇降コンベア10を最上位位置まで上昇させる。昇降コンベア10は、この上昇停止位置で逆回転し、試験管Sを排出する。排出された試験管Sは、ラック装置3の搬入コンベア12へ落下供給される。
【0046】
そして、試験管Sは、搬入コンベア12によって、図2、図5及び図6の左方向へ搬送され、その終端側で切出装置18のE字状切出板19の間を通過し、ストッパー17に当接して停止する。この試験管Sの到着は、図9に示す到着センサー41により検知することが可能である。またこの停止位置には、光電式の投受光センサー42,43などからなる試験管Sの向き検出部44が配設されており、該停止位置で停止中の試験管Sの先頭部分に赤外線などを照射してその透過光を受光することで試験管Sの底部か頭部(開口に栓体が装着されている)かを検出する。試験管Sの底部側が先になって搬送されている場合は、投光センサー42からの照射光は試験管Sの底部をそのまま透過して反対側の受光センサー43で受光されることで分かる。また試験管Sの頭部側が先になって搬送されている場合は、試験管Sの頭部には栓体が装着されているので、この栓体によって前記投光センサー42から照射された光が遮断され、受光センサー43で光検知信号が得られなくなることで分かる。
【0047】
試験管Sの方向検知後は、切出装置18が前記搬入コンベア12の搬送方向とはクロスする方向(図3及び図10の左方向)へ前進し、試験管Sをターンテーブル回転体20の上面側中央部に設けられたホッパー21へ落下供給する。試験管検知機構28は、ホッパー21内へ試験管Sが確実に供給されたかどうかを検出する。試験管Sがホッパー21内に存在しているときは、投光センサー29から照射された赤外線などの光が、試験管Sの外周面に貼着されているラベル又は頭部開口に装着されている栓体によって遮断されて受光センサー30で受光されないことで分かる。試験管Sが存在していないときは、投光センサー29からの照射光が直接受光センサー30で受光されることによって分かる。ホッパー21内に試験管Sが存在している状態で、前記向き検出部からの出力信号によって、試験管Sの向きが頭部が先になっていることが分かった場合は、モーター54及びベルト55、プーリー56,57の駆動方式により、ターンテーブル13の回転体20が180度回転する。これにより、搬送方向に対して試験管Sの向きが底部が先になるように揃えられる。
【0048】
このときターンテーブル13の回転体20は、試験管Sの進行方向に対する傾き(進行方向に対する試験管中心軸線の水平面内におけるズレ)が生じないようにするために、位置検出機構23で回転体20の回転位置を検出し、更に位置決め機構24のロックピン27によって正確な回転位置で停止するように固定されている。回転体20の回転停止位置を正確に行うようにした理由は、前記した通りであり、試験管Sの中心軸線が傾いたまま搬出コンベア14によって搬送されると、投入シュート15からラックRへ投入されるときの試験管Sの姿勢が悪くなり、正確な投入ができなくなる虞があるためである。
このようにして試験管Sの向きが底部が先になって搬送されるように揃えられ、回転体20の回転角度位置が正確に位置決めされると、ホッパー21内に投入された試験管Sは底部が先頭になった上で、その中心軸線が搬出コンベア14の搬送方向に一致することになる。
【0049】
然る後は、ホッパー21の底板開口46を閉塞しているボックス状でかつスライド式の開閉シャッター22が開動作する。この開閉シャッター22は、通常は前記ホッパー底板45の開口46を閉塞する方向にばね等の蓄性弾力をもって付勢されている。そして、「開く」旨の信号が出力されると、モーター47の駆動力によりベルト及びプーリを介して開方向へ移動する。これにより、ホッパー底板の試験管Sは、下方の搬出コンベア14上へ自然落下により供給される。
【0050】
搬出コンベア14は、図2の右側から左側へ向けて試験管Sを搬送する。やがて試験管Sは、投入シュート15に至り、その湾曲した姿勢変更通路部33を通過することによって水平状態から垂直状態となるように姿勢が変更される。そして、垂直状態のまま下方で待機するラックRの試験管保持孔35へ落下投入される。このとき、ラックRの上面側に載置されたアタッチメントAの姿勢制御用孔36を通過することにより、ラックRの上面と投入シュート15の下端面との間の空間領域における試験管Sの姿勢を垂直状に安定して維持することが可能である。これは、ラックRの上面とアタッチメントAの下端面との間には、所定寸法の空間領域が設けられているからである。この空間領域は、ラックRへの試験管Sの準備を、試験管Sの中間より上部がラック上面から露出するように試験管Sを保持することで、採血後の試験管Sへ収容された検体の状態を確認できるようにするためのものである。
【0051】
このようにしてラックRの試験管保持孔35へ試験管Sが投入された後は、ラック機構16のX軸スライダー37及びY軸スライダー38を駆動させて、次に投入予定の空の試験管保持孔35を投入シュート15の直下へ移動させて配置し、前記した以上の動作を繰り返して順次、ラックRの試験管保持孔35へラベル貼着後の試験管Sを投入準備する。ラックRの試験管保持孔35への全ての試験管Sの投入が完了した後は、アタッチメントAを取り外し、次のラックRの上面へセットすればよい。これで一つのラックRに対する試験管Sの準備作業は終了する。然る後は、ラック機構16から試験管投入済のラックRを取り外し、新たなラックRを装着すればよい。
【0052】
ところで、このラック装置3においては、試験管Sの搬送途中において、試験管Sが搬送路途中で詰まったりすることが考えられる。そのため、本実施の形態にあっては、そのための保守点検を容易にするための手段が設けられている。切出装置18は手動により操作することが可能であり、前進した状態で、搬入コンベア12の上に試験管Sが残っていないかなどを点検することが可能である。切出装置18は、前進位置から手を放すと、ばね等の蓄性弾力により自動復帰するようになっている。またターンテーブル13のホッパー下方に設けられたボックス状の開閉シャッター22は手動で開放することが可能であり、これも手を離すと蓄性弾力などにより閉塞位置へ自動復帰することが可能である。更に、搬出コンベア14のターンテーブル直下に位置する手前側の側面部分に設けられた点検扉32と、投入シュート15の手前側側面に設けた点検扉34とは、蝶番とばね等の蓄性弾力により常時は閉塞方向へ付勢され、手動によりワンタッチで開放されてその内部を確認することができるようになっている。また確認後は手を放すだけで蓄性弾力により自動復帰することが可能である。
【0053】
このように本実施の形態におけるラックR又はトレイTへの試験管準備装置1にあっては、一つのオートラベラーによって試験管Sへラベルを貼着した後、ラックR又はトレイTへ選択的に供給することができる。つまり、オートラベラーを兼用でき、イニシャルコストの低下、装置全体のコンパクト化が可能である。また一つの装置で外来の採血検査と病棟の採血検査とを受け持つことが可能である。更に、ラック装置3はラベル貼着後の試験管Sを連続して自動的にラックRの試験管保持孔35へ整列して供給することができ、作業効率に優れ、病院側スタッフの負担を著しく軽減することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0054】
ところで、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、適宜の変更が可能である。例えば、本装置は、ラベラー本体2がオートラベラーの機能と、トレイTへの試験管準備装置の機能とを有しており、ラベラー本体2のみを単独で使用することも可能であるため、ラベラー本体2が先行して導入されている医療機関などに対して、ラック装置3を後から追加して装備し、トレイTとラックRのどちらへもラベル貼着後の試験管Sを準備するシステム構成が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施の形態に係るラック又はトレイへの試験管準備装置の全体を示す平面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るラック又はトレイへの試験管準備装置の全体を示す正面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るラック装置を示す右側面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係るラベラー本体の右側面図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る搬入コンベアの平面図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る搬入コンベアの正面図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係る搬入コンベアの右側面図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係る切出装置の平面図である。
【図9】本発明の一実施の形態に係る切出装置の正面図である。
【図10】本発明の一実施の形態に係る切出装置の右側面図である。
【図11】本発明の一実施の形態に係るターンテーブルの平面図である。
【図12】本発明の一実施の形態に係るターンテーブルの正面図である。
【図13】本発明の一実施の形態に係るターンテーブルの右側面図である。
【図14】本発明の一実施の形態に係る搬出コンベア及び投入シュートの平面図である。
【図15】本発明の一実施の形態に係る搬出コンベア及び投入シュートの正面図である。
【図16】本発明の一実施の形態に係る搬出コンベア及び投入シュートの右側面図である。
【図17】本発明の一実施の形態に係るラックの平面図である。
【図18】本発明の一実施の形態に係るラックの平面図である。
【図19】本発明の一実施の形態に係るラックの平面図である。
【図20】本発明の一実施の形態に係るアタッチメントの平面図である。
【図21】本発明の一実施の形態に係るアタッチメントの平面図である。
【図22】本発明の一実施の形態に係るアタッチメントの平面図である。
【符号の説明】
【0056】
1…ラック又はトレイへの試験管準備装置、2…ラベラー本体、3…ラック装置、4…トレイ機構部、5…第1コンベア、6…第2コンベア、7…トレイストッカー、8…手貼りラベラー、9…リフター、10…昇降コンベア、11…ベルト駆動手段、12…搬入コンベア、13…ターンテーブル、14…搬出コンベア、15…投入シュート、16…ラック機構、17…ストッパー、18…切出装置、19…切出板、20…回転体、21…ホッパー、22…開閉シャッター、32,34…点検扉、33…姿勢変更通路部、35…試験管保持孔、A…アタッチメント、R…ラック、T…トレイ、S…試験管
【技術分野】
【0001】
本発明は、採血検査の前工程における採血工程での試験管の事前準備作業を行なうものであって、医師からの採血指示に応じて種類の異なる試験管を選択し、これに患者IDや前記採血指示内容等の患者情報を印字したラベルを貼着し、患者別にラックへ選択的に収納することのできる試験管準備装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
病院、医院、その他の医療機関における血液検査部門では、採血作業者(看護師等)により、患者から血液を採取し、採取した検体を試験管へ収容して検査部門へ移送するようにしている。血液検査では、その血液検査項目に応じて、多種類の試験管が準備されており、通常、一人の患者に対して複数種類の検査が同時に行われる。そのため、試験管の準備も一人の患者に対して複数種類のものが試験管準備装置によって自動的に準備されるようになっている。また採血室では多数の患者を取り扱うのが当たり前であり、前記試験管準備装置で準備された各試験管にはオーダ番号等のバーコードが印刷されたラベルが貼付されている。
そして、試験管の準備は、患者ごとに一つのトレイ又はラックを準備し、前記選択された複数本のラベル貼着済の試験管を一つのトレイ又はラックへ収容し、採血室又は病室へ搬送するようにしている。
【0003】
本発明は、ラックへ試験管を自動的に準備する装置に関するものである。このようなラックへ試験管を準備する技術として、例えば特許文献1に記載された技術がある。
【0004】
この特許文献1に記載された技術は、一列に並んだラックの保持孔にそれぞれ試験管を差し込んで保持し、試験管を立てた状態で患者の採血に関する情報を印字したラベルを試験管の外周面に当接させ、貼付ロールで試験管の外周面に押し付けてラベルを試験管の外周面に貼着している。そして、保持孔の一個分だけラックを前進移動させ、次の保持孔に保持された試験管の外周面に同様にして患者の採血に関する情報を印字したラベルを貼着するようにしている。
【特許文献1】特開2000−153818号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
病棟などでの採血のためにラベル貼着後の試験管をラックへ準備する従来の技術にあっては、特許文献1に示すように、先にラックの保持孔へ試験管を差し込んで起立状態に保持し、この状態で試験管の外周面にラベルを貼着している。このようにラックへ試験管を起立状態に保持した状態でラベルを貼着する方法では、この起立状態の試験管に対してラベルを貼着することのできる専用のラベル貼着装置が必要であった。そのため、水平状態の試験管にラベルを貼着する汎用されているトレイへの試験管準備装置を利用することができないという欠点があった。
【0006】
またラックへの試験管の供給と、試験管へのラベルの貼着とは、ラックへの試験管の供給を先に行う必要があり、この供給は看護士などの病院側スタッフの人手による場合が多かった。つまり、従来のラックへ試験管を準備する技術にあっては、病院側スタッフが採血情報に基づいて試験管を選択してラックへ起立状態に収納保持させ、この状態でラック対応専用のラベル貼着装置で試験管の外周面に患者情報、採血情報等の特定情報を印字したラベルを貼着するようにしていた。そのため、非常に作業効率が悪く、採血患者数の多い病院などでは病院側スタッフに過度の労働を負担させるという問題があった。
【0007】
更に、従来において、試験管をラックへ準備する場合は、看護士などの病院側スタッフが医師などからの指示書に基づいてラックへ採血管を準備し、ラベル印字装置で患者情報、採血情報などの特定情報を印字したラベルをプリントアウトし、これを病院側スタッフがラックに立設した試験管へ手貼りで貼着するようにすることもあった。この場合は、上記にも増して作業が非効率的であり、病院側スタッフに与える負担が大きいという問題があった。
【0008】
本発明は従来の前記課題に鑑みてこれを改良除去したものであって、ラックへの試験管の準備を自動的に行うことができるラックへの試験管準備装置を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
而して、前記課題を解決するために本発明が採用した請求項1の手段は、ラベルを貼着した後の試験管の搬入コンベアと、該搬入コンベアの終端側に設けた試験管のストッパー及び到着センサーと、前記ストッパーによる停止位置での試験管の向きを検出する試験管向き検出部と、前記搬入コンベアの搬送方向とクロスする方向へ試験管を切り出す切出装置と、該切出装置の排出側下方に配設された試験管の向きを揃えるためのターンテーブルと、ターンテーブルの回転体底板に設けられた開口を開閉するシャッターと、開閉シャッターの下方に配設された搬出コンベアと、搬出コンベアの終端側に連続すると共に試験管の姿勢を水平状態から垂直状態になるように変更する姿勢変更通路部を備えた投入シュートとより成り、ラベルの貼着された試験管をラックの試験管保持孔へ自動的に立てた状態で順次供給するようにしたことを特徴とするラックへの試験管準備装置である。
【0010】
本発明が採用した請求項2の手段は、切出装置は、搬入コンベアを跨ぐように配置された切出板を有し、常時はばね等の蓄性弾力により、後退位置へ付勢されており、モーターの駆動力又は手動により、蓄性弾力に抗して前進し、蓄性弾力により自動的に復帰するようになされている前記請求項1に記載のラックへの試験管準備装置である。
【0011】
本発明が採用した請求項3の手段は、ターンテーブルの底板開口を開閉する開閉シャッターは、ボックス状でかつスライド式であり、通常は底板開口を閉塞する方向にばね等の蓄性弾力をもって付勢されている請求項1又は2に記載のラックへの試験管準備装置である。
【0012】
本発明が採用した請求項4の手段は、ターンテーブルは、その回転体の外周側面に取り付けられた回転位置検出板及び該回転位置検出板を検出する光電式の投受光センサーから成る回転位置検出機構と、回転体の対向壁面に光電式の投受光センサーを対向配置して回転体内を照射光が通過するようにすることで回転体内の試験管の有無を検出する試験管検知機構と、所定の回転位置で回転体を固定する電磁ソレノイド式ロックピンなどの固定手段とを有する請求項1乃至3のいずれか一つに記載のラックへの試験管準備装置である。
【0013】
本発明が採用した請求項5の手段は、搬出コンベアの両側面にガイド板を立設し、該ガイド板の一部に、蝶番とばね等の蓄性弾力により常時は閉塞方向へ付勢された点検扉を設けた請求項1乃至4のいずれか一つに記載のラックへの試験管準備装置である。
【0014】
本発明が採用した請求項6の手段は、搬出コンベアの一端側に可動板を取り付けると共に、該可動板の下方には試験管の回収トレイを配置し、再起動時にラック装置内に残っている試験管を強制的に排出して回収トレイへ回収するようにした請求項1乃至5のいずれか一つに記載のラックへの試験管準備装置である。
【0015】
本発明が採用した請求項7の手段は、投入シュートの姿勢変更通路部の周囲をボックス状に形成し、その一部分に蝶番とばね等の蓄性弾力により常時は閉塞方向へ付勢された点検扉を取り付けた請求項1乃至4のいずれか一つに記載のラックへの試験管準備装置である。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明にあっては、先ず、汎用されているトレイへの試験管準備装置などを利用して、ラベルを貼着した試験管を準備するようにしている。
そして、ラベルを貼着した後の試験管は、搬入コンベアへ移載される。試験管は、搬入コンベアの終端側に配設された試験管の向き検出部により、試験管の搬送方向が検知される。これは例えば光電式の投受光センサーを用い、試験管の底部側が先になって搬送されて来たときは、投光センサーからの光が試験管を透過して受光センサーで受光することで検知でき、また試験管の頭部が先になって搬送されて来たときは、試験管頭部のゴム栓又はラベルによって投光センサーからの照射光が遮断されることによって検知できる。
【0017】
試験管の向きが検知された後は、切出装置によって搬入コンベアから搬出コンベア側へ切り出されて供給される。切り出された試験管は、ターンテーブルへ落下供給される。そして、前記向き検出装置からの信号によって、試験管の向きが頭部側が先になって搬送されて来たときは、ターンテーブルを水平面内で180度回転させ、底部が先になるように方向を整列する。ターンテーブルは、その底板に開閉シャッターが設けられており、底部側が先となるように整列された試験管は、開閉シャッターが開くことで下方の搬出コンベアへ移載される。
搬出コンベアの終端側には、投入シュートが連続して設けられており、搬送路は水平状態から垂直状態となるように湾曲した通路(姿勢変更通路部)に形成されている。この通路を通過することで試験管は、水平姿勢から垂直姿勢となる。そのため、搬出コンベア終端側の排出口の直下に目的とするラックの保持孔を位置させることにより、ラックの保持孔へ立てた状態で試験管を供給することが可能である。
【0018】
このように、本装置を使用すれば、汎用されている試験管準備装置でラベルを貼着した試験管を準備し、ラックへ供給することができるので、ラック専用のラベル貼着装置が不要である。また試験管へのラベルの貼着からラベル貼着後の試験管をラックへの供給とを自動的行うことができ、病棟などにおける試験管の準備工程の全自動化が可能である。
【0019】
請求項2の発明は、搬入コンベアから搬出コンベアへ試験管を移載するための切出装置に関するものであり、搬入コンベアを跨ぐように配置された切出板を有し、常時はばね等の蓄性弾力により、後退位置へ付勢されている。ラベルが貼着された試験管は、前記切出板の間を先頭側が通過した状態で停止する。そして、切出信号が出力されると、モーターの駆動力により蓄性弾力に抗して前進し、搬入コンベア上の試験管を切り出して下方のターンテーブルのホッパーへ落下供給するようにしている。切り出した後は、ばね等の蓄性弾力により、自動的に元の位置へ自動復帰する。
また切出装置は、モーターOFFのときに、手動で蓄性弾力に抗して前進させることが可能であり、前進位置にさせた状態で搬入コンベア内に試験管が詰まっていないかなどの点検を行うことが可能である。切出装置から手を放すと、蓄性弾力により自動的に復帰する。
【0020】
請求項3の発明にあっては、ターンテーブルの底板開口を開閉する開閉シャッターをボックス状でかつスライド式とし、通常は底板開口を閉塞する方向にばね等の蓄性弾力をもって付勢するようにしている。シャッターの開動作指令が出されると、モーターの駆動力によりばね等の蓄性弾力に抗して前進し、シャッターを開いて試験管を下方の搬出コンベア上へ落下供給している。
一方、開閉シャッターをばね等の蓄性弾力に抗して手動で操作した場合は、開閉シャッター内の点検が可能となる。
【0021】
請求項4の発明にあっては、ターンテーブルの回転体の位置を正確に検知してその位置に固定保持するようにしている。これは試験管の軸心線が搬出コンベアの搬送方向に対して傾いた(クロス)まま試験管が搬出コンベアによって搬送されると、搬出コンベアの終端側に設置された投入シュートからラックへ投入する試験管の姿勢が悪くなり、正確な投入ができなくなる虞があるためである。回転体の位置の検出は、回転体の外周側面に取り付けられた回転位置検出板を、光電式の投受光センサーで検知することで行っている。回転体の固定は、位置検出機構からの信号によりON,OFF動作する電磁ソレノイド式ロックピンなどを回転体の外周側面凹部へ差し込むことで係止するようにしている。
【0022】
また回転体は、回転体の対向壁面に光電式の投受光センサーを対向配置して回転体内を照射光が通過するようにすることで回転体内の試験管の有無を検出するようにしている。これは回転体内に確実に試験管が供給されたか否かの検知と、回転体内から搬出コンベアへ確実に試験管が排出されたか否かを検知するためのものである。試験管の検知は、回転体を挟んでその外周面に対向配置された光電式の投受光センサーで行っている。前記投光センサーからの照射光は、回転体内の試験管に対して斜めになるように各センサーの位置が決定されており、ホッパー内に試験管Sがあるときは、当該試験管の向きがどちらを向いていてもラベル又は栓体によって前記照射光が遮断されるようになっている。つまり、照射光を受光しないときは試験管が存在し、照射光を受光したときは試験管が存在しないことになる。
【0023】
請求項5の発明にあっては、搬出コンベアの両側面にガイド板を立設し、該ガイド板の一部に、蝶番とばね等の蓄性弾力により常時は閉塞方向へ付勢された点検扉を設けている。この点検扉は、手動で開くと、ばね等の蓄性弾力に抗して開放され、内部の点検が可能となる。また手を放すと、蓄性弾力により自動的に復帰する。このように点検扉は、ワンタッチ式の開閉操作が可能である。
【0024】
請求項6の発明にあっては、搬出コンベアの一端側に可動板を取り付けると共に、該可動板の下方には試験管の回収トレイを配置し、再起動時にラック装置内に残っている試験管を強制的に排出して回収トレイへ回収するようにしている。これは、再起動させたときに装置内に残っている試験管については、その識別ができないので、これを強制的に排出し、手動のバーコードセンサーなどで試験管に貼付されたラベルのバーコードを読み取り、患者情報、採血情報等を認識するようにしている。
【0025】
請求項7の発明にあっては、投入シュートの姿勢変更通路部の周囲をボックス状に形成し、その一部分に蝶番とばね等の蓄性弾力により常時は閉塞方向へ付勢された点検扉を取り付け、請求項5の点検扉の場合と同じようにワンタッチ式の開閉操作が行えるようにしている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に、本発明の構成を図面に示す発明の実施の形態に基づいて説明すると次の通りである。図1乃至図4は本発明の一実施の形態に係る試験管準備装置1を示すものである。この試験管準備装置1は、トレイT又はラックRへ選択的に供給することができるように構成されている。図1は同装置1の全体を示す平面図、図2は同正面図、図3はラック装置3の右側面図、図4はラベラー本体2の右側面図である。
【0027】
図1乃至図4に示す如く、この実施の形態のトレイT又はラックRへの試験管準備装置1は、ラベラー本体2と、このラベラー本体2に対して後付け装備が可能であり、しかも独立して分離可能なラック装置3とを有している。ラベラー本体2は、種類の異なる試験管Sごとに多数を収容してなる収容部(ストッカー)と、該収容部から切り出された採血管Tに対して上位コンピュータからの患者情報をラベルへ印字し、印字したラベルを試験管の外周面へ貼着するラベル印字貼付装置と、ラベル貼付後の試験管を排出する搬送手段とを本体内に装備している。これらのラベラー本体内の各装置の構成と機能については、既に公知のオートラベラーの技術と同じであり、この公知技術を利用することが可能である。またラベラー本体2は、その上面側にトレイ機構部4と、トレイTへの試験管を搬送するためのL字状に配設された第一及び第二の試験管搬送コンベア5、6とを有している。またラベラー本体2の上面側には、トレイストッカー7と、手貼り用のラベルへ患者情報等を印字する手貼りラベラー8とが設置されている。
【0028】
ところで、本実施の形態にあっては、ラベラー本体2内に組み込まれたオートラベラーでラベルが貼着された後の試験管Sを排出する搬送手段に連係し、後述するトレイ又はラックへ搬送する搬送手段としてのリフター9を有している。リフター9は、ラベラー本体2の背面側に装着されており、オートラベラーの試験管排出側からラベル貼着後の試験管Sを受け取る小寸法の昇降コンベア10を有している。昇降コンベア10は、ベルト駆動手段11によって上下方向往復移動可能に設けられており、最下降位置でオートラベラーの試験管搬送装置からラベル貼着後の試験管Sを受け取り、最上位位置でラック装置3側へ試験管Sを受け渡し、それよりもやや下方の中間位置でトレイ機構側へ試験管Sを受け渡すようになっている。すなわち、昇降コンベア10は、最も下方の試験管受取位置と、最も上位のラック供給停止位置と、最上位位置よりもやや下方のトレイ供給停止位置との三つの停止位置を採ることができるように設定されている。
【0029】
ラック装置3は、前記リフター9のラック供給停止位置における昇降コンベア10から供給される試験管Sを受け取る搬入コンベア12と、搬入コンベア12から受け取った試験管Sの搬送方向の向きを検出し、試験管Sの底部が先になって搬送されるように試験管Sの向きを揃えるターンテーブル13と、ターンテーブル13から受け取った試験管Sをラック供給側へ搬送する搬出コンベア14と、搬出コンベア14に連続する投入シュート15と、投入シュート15の下方に待機し、投入シュート15から排出される試験管Sを待ち受けるラックR及びその駆動のためのラック機構16とを有している。なお、ラックRの上には、試験管Sの投入姿勢を安定させるためのアタッチメントAが脱着自在に載置されている。
【0030】
搬入コンベア12は、図5乃至図7に示すように、構成されている。図5は同コンベア12の平面図、図6は正面図、図7は右側面図である。搬入コンベア12の終端側には、搬送されて来た試験管Sを停止させるストッパー17(図8及び図9参照)と、試験管Sの到着を検知するリミットセンサーなどからなる到着センサー41と、該停止位置で停止中の試験管Sの先頭部分に、投光センサー42から赤外線などを照射してその透過光を受光センサー43で受光することで、試験管Sの底部か頭部(開口に栓体が装着されている)かを検出する試験管向き検出部44と、停止位置の試験管Sを搬送方向とクロスする方向へ切り出す切出装置18とが設けられている。
【0031】
切出装置18は、図8乃至図10に示すように構成されている。図8は同装置18の平面図、図9は正面図、図10は左側面図である。切出装置18は、搬入コンベア12を跨ぐように配置されたE字状の切出板19を有している。切出板19の開口部は下向きに配置されている。試験管Sは、図3における切出板19の真ん中と右端の板19A,19Bとで仕切られた開口部を先端側が通過し、試験管本体部分が切出板19に向き合う位置で先端部分がストッパーに当接して停止するようになっている。また切出装置18は、常時はばね等の蓄性弾力をもって図3の右方向へ付勢されており、「切出」動作の開始信号が出力されると、モーターの駆動力によりベルト及びプーリを介して図3の左方向へ移動し、試験管Sを切り出すようになっている。ばね等で付勢されているため、手動動作も可能であり、点検などが容易に行えるようになっている。
【0032】
ターンテーブル13は、図11乃至図13に示すように構成されている。図11はターンテーブル13の平面図、図12は同正面図、図13は同右側面図である。ターンテーブル13は、回転体20の上面側中央部にホッパー21が設けられており、ホッパー21の中央部の底板45に長方形状の開口46が穿設されている。また底板45の下方にはボックス状でかつスライド式の開閉シャッター22が取り付けられている。この開閉シャッター22は、通常は前記ホッパー底板45の開口46を閉塞する方向にばね等の蓄性弾力をもって付勢されている。そして、「開く」旨の信号が出力されると、モーター47の駆動力によりベルト及びプーリを介して開方向へ移動し、ホッパー底板45の試験管Sを下方の搬出コンベア14上へ落下供給するようになっている。また開閉シャッター22は、手動でも開閉できるようになっている。
【0033】
更に、ターンテーブル13は、試験管Sの進行方向に対する傾き(進行方向に対する試験管中心軸線の水平面内におけるズレ)が生じないようにするために、回転体20の位置検出機構23及び位置決め機構24が設けられている。これは試験管Sが傾いたまま搬出コンベア14によって搬送されると、投入シュート15からラックRへ投入されるときの試験管Sの姿勢が悪くなり、正確な投入ができなくなる虞があるためである。
回転体20の位置検出機構23は、回転体20の外周側面に取り付けた回転位置検出板25と光電式の投受光センサー26A,26Bとからなり、投光センサー26Aからの赤外線などが回転位置検出板25によって遮られて受光センサー26Bで受光できなくなったときに、回転体20が所定の回転位置にあることを検知するようになっている。また位置決め機構24は、回転体20の外周側面の一部に設けた凹部47に対して電磁ソレノイドにより進退するロックピン27を嵌合させることにより、回転体20を固定するようにしている。
【0034】
更にまた、ターンテーブル13は、回転体20のホッパー21内に試験管Sが確実に供給されたか否かの確認と、当該ホッパー21の開閉シャッター22が開いて試験管Sが搬出コンベア14上へ確実に落下供給されたか否かを確認するための試験管検知機構28を有している。この試験管検知機構28は、光電式の投光センサー29と受光センサー30とが回転体20を挟んでその外周面に対向配置されている。このときの回転体20は、ロックピン27によって回転が固定されており、この位置における投光センサー29からの照射光が回転体20を通過して反対側の受光センサー30で受光されるように回転体20の外周側面には透過窓が形成されている。前記投光センサー29から照射される赤外線などの光は、ホッパー21内の試験管Sに対して斜めになるように各センサーの位置が決定されており、ホッパー21内に試験管Sがあるときは、当該試験管Sの向きがどちらを向いていてもラベル又は栓体によって前記照射光が遮断されるようになっている。
【0035】
搬出コンベア14及びこれに連続する投入シュート15は、図14乃至図16に示すように構成されている。図14はその平面図、図15は正面図、図16は右側面図である。搬出コンベア14は、その両側面にガイド板31が立設されている。このガイド板31の装置正面側に面する一部分には、蝶番47とばね48等の蓄性弾力により常時は閉塞方向へ付勢された点検扉32が取り付けられている。この点検扉32を作業者が手動により手前へ引くと、蝶番部分を支点として回動し、ターンテーブル直下の搬送コンベア14が露出するようになっている。開放状態から手を離すと、点検扉32は蓄性弾力により自動的に閉塞位置まで復帰するようになっている。
【0036】
また搬出コンベア14の図2、図14、図15における右端側には、可動板39が取り付けられており、右端側の下方には試験管Sの回収トレイ40が配置されている。これは、停電などにより装置の電源がOFFになった後、再起動したときに、ラック装置3内に残っている試験管Sについては、その情報を認識することができないので、強制的に排出するためのものである。再起動時は、可動板39を開放し、搬出コンベア14を逆転させ、ラック装置3内に残っている試験管Sを回収トレイ40へ回収するようにしている。
【0037】
搬出コンベア14に連続する投入シュート15は、その姿勢変更通路部33が水平状態から垂直状態になるように湾曲しており、その周囲はボックス状に囲われている。この投入シュート15の装置正面側に面する一部分にも、蝶番とばね等の蓄性弾力により常時は閉塞方向へ付勢された点検扉34が取り付けられている。この点検扉34の場合も作業者が手動により手前へ引くと、蝶番部分を支点として回動し、湾曲した姿勢変更通路部33が露出するようになっている。開放状態から手を離すと、点検扉34は蓄性弾力により自動的に閉塞位置まで復帰する。
【0038】
ラックRは、図17乃至図19に示すように構成されている。図17はラックRの平面図、図18は正面図、図19は右側面図である。同図に示すごとく、ラックRには試験管Sを垂直状態に立てて保持できる試験管保持孔35が上部板49と中間板50の同一位置に設けられており、縦10列で、横5列の合計50個の試験管保持孔が形成されている。またこのラックRの上部板49の左右の両側板寄りには、このラックRの上に脱着自在に載置されるアタッチメントAの差込孔52が設けられている。
【0039】
ラックRの上に脱着自在に載置されるアタッチメントAの構成は、図20乃至図22に示すとおりである。図20はアタッチメントAの平面図、図21は同正面図、図22は同右側面図である。同図に示すごとく、アタッチメントAは、前記保持孔35と同位置に試験管Sの投入時の姿勢が垂直状になるように案内補助するための姿勢制御用孔36が上下方向に貫通して形成されている。またこの姿勢制御用孔36の上端側は、試験管Sの投入受け入れをスムーズに行うためのテーパー面51が形成されている。更に、アタッチメントAの左右の両側板には、ラックRの差込孔52へ係合させるための差込突片53が形成されている。
【0040】
このラックRを駆動させるラック駆動機構16は、X軸方向へ移動自在なスライダー37とY軸方向へ移動自在なスライダー38とが組み合わされており、ラックRの各試験管保持孔35を投入シュート15の真下へ正確に位置決めできるようになっている。
【0041】
次に、以上のように構成されたラックR又はトレイTへの試験管準備装置1の動作態様について、トレイTへ準備する外来患者の場合から説明する。先ず、患者が診察券カード又は整理券などを提示して採血受付を行うと、これらの診察券カードなどに記載又は記憶された患者IDがバーコードリーダ又はICカードリーダ/ライタなどによって読み取られる。読み取られた患者IDは、医療情報システム(HIS)、検査情報システム(LIS)などの上位コンピュータへ送られ、これらの上位コンピュータから当該患者の患者情報及び採血情報が採血室の試験管準備装置1のラベラー本体2へ伝達される。
【0042】
ラベラー本体2は、その内部に組み込まれたオートラベラーが前記採血情報に基づいて必要な試験管Sを試験管収容部から選択的に取り出し、これをラベル印字貼付装置へ移送する。ラベル印字貼付装置では、前記患者情報及び採血情報をラベルへ印字し、印字後のラベルを前記取り出された試験管の外周面へ貼着する。ラベル貼着後の試験管は、搬送装置により、ラベラー本体2の背面側に取り付けられたリフター9の最下降位置で待機する昇降コンベア10の位置まで搬送される。リフター9の昇降コンベア10は、ラベラー本体2の搬送装置によって試験管Sが所定の距離に近づくと、ラベラー本体2に設けたセンサーがこれを検知し、昇降コンベア10を駆動させるようになる。これにより、オートラベラー側から送られてくる試験管Sは、そのまま昇降コンベア10上へ乗り移り、完全に乗り移ると昇降コンベア10の駆動が停止する。
【0043】
続いて、リフター9が駆動し、昇降コンベア10を最上位位置よりもやや下方のトレイ供給停止位置まで上昇させる。昇降コンベア10は、この位置へ達すると、今度は前記とは逆方向へ回転駆動して試験管Sを排出し、第一の試験管搬送コンベア5上へ移載する。移載された試験管Sは、この第一のコンベア5に連続してL字状に配設された第二のコンベア6に移載され、横向きのままで搬送されてその終端からトレイTへ落下供給される。昇降コンベア10は、試験管Sが第一コンベア5へ移載された時点で回転駆動が停止される。またリフター9は、昇降コンベア10を最下降位置まで降下して搬送復帰させる。
【0044】
このようにして医師などの採血指示を反映した採血指示情報に基づいて、全ての種類のラベル貼着済の試験管SがトレイTへ準備されると、トレイ機構部4はトレイTをその一個分だけ前進移動させ、トレイストッカー7から試験管Sの受け渡し位置へ新たなトレイTを送り込んで待機する。以上でトレイTへの試験管Sの準備作業は終了する。
なお、患者に特殊な採血指示がなされており、別途試験管を準備する場合はこの試験管に貼着するための手貼りラベルが手貼りラベラー8からトレイTへ落下供給されるようになっている。
【0045】
次に、ラックRへラベル貼着済の試験管Sを準備する場合について説明する。試験管SのラックRへの準備は、入院患者などについて行われることが多い。入院病棟などにおいては、その日に採血検査を必要とする患者のリストがナースステーションの端末などにデータとして管理保存されている。病院スタッフが病棟ごとに、当日に行われる採血患者のIDをHIS又はLISなどに送ると、当該患者に関する患者情報及び採血情報が試験管準備装置1のラベラー本体2へ伝達される。ラベラー本体2では、前記したトレイTへ試験管Sを準備する場合と同じように、その内部に組み込まれたオートラベラーが前記採血情報に基づいて必要な試験管Sを試験管収容部から選択的に取り出し、これに前記患者情報及び採血情報を印字したラベルを貼着し、貼着後の試験管Sをリフター9の昇降コンベア10の位置まで搬送する。続いて、昇降コンベア10が回転駆動し、試験管Sを受け取ると、リフター9が駆動し、昇降コンベア10を最上位位置まで上昇させる。昇降コンベア10は、この上昇停止位置で逆回転し、試験管Sを排出する。排出された試験管Sは、ラック装置3の搬入コンベア12へ落下供給される。
【0046】
そして、試験管Sは、搬入コンベア12によって、図2、図5及び図6の左方向へ搬送され、その終端側で切出装置18のE字状切出板19の間を通過し、ストッパー17に当接して停止する。この試験管Sの到着は、図9に示す到着センサー41により検知することが可能である。またこの停止位置には、光電式の投受光センサー42,43などからなる試験管Sの向き検出部44が配設されており、該停止位置で停止中の試験管Sの先頭部分に赤外線などを照射してその透過光を受光することで試験管Sの底部か頭部(開口に栓体が装着されている)かを検出する。試験管Sの底部側が先になって搬送されている場合は、投光センサー42からの照射光は試験管Sの底部をそのまま透過して反対側の受光センサー43で受光されることで分かる。また試験管Sの頭部側が先になって搬送されている場合は、試験管Sの頭部には栓体が装着されているので、この栓体によって前記投光センサー42から照射された光が遮断され、受光センサー43で光検知信号が得られなくなることで分かる。
【0047】
試験管Sの方向検知後は、切出装置18が前記搬入コンベア12の搬送方向とはクロスする方向(図3及び図10の左方向)へ前進し、試験管Sをターンテーブル回転体20の上面側中央部に設けられたホッパー21へ落下供給する。試験管検知機構28は、ホッパー21内へ試験管Sが確実に供給されたかどうかを検出する。試験管Sがホッパー21内に存在しているときは、投光センサー29から照射された赤外線などの光が、試験管Sの外周面に貼着されているラベル又は頭部開口に装着されている栓体によって遮断されて受光センサー30で受光されないことで分かる。試験管Sが存在していないときは、投光センサー29からの照射光が直接受光センサー30で受光されることによって分かる。ホッパー21内に試験管Sが存在している状態で、前記向き検出部からの出力信号によって、試験管Sの向きが頭部が先になっていることが分かった場合は、モーター54及びベルト55、プーリー56,57の駆動方式により、ターンテーブル13の回転体20が180度回転する。これにより、搬送方向に対して試験管Sの向きが底部が先になるように揃えられる。
【0048】
このときターンテーブル13の回転体20は、試験管Sの進行方向に対する傾き(進行方向に対する試験管中心軸線の水平面内におけるズレ)が生じないようにするために、位置検出機構23で回転体20の回転位置を検出し、更に位置決め機構24のロックピン27によって正確な回転位置で停止するように固定されている。回転体20の回転停止位置を正確に行うようにした理由は、前記した通りであり、試験管Sの中心軸線が傾いたまま搬出コンベア14によって搬送されると、投入シュート15からラックRへ投入されるときの試験管Sの姿勢が悪くなり、正確な投入ができなくなる虞があるためである。
このようにして試験管Sの向きが底部が先になって搬送されるように揃えられ、回転体20の回転角度位置が正確に位置決めされると、ホッパー21内に投入された試験管Sは底部が先頭になった上で、その中心軸線が搬出コンベア14の搬送方向に一致することになる。
【0049】
然る後は、ホッパー21の底板開口46を閉塞しているボックス状でかつスライド式の開閉シャッター22が開動作する。この開閉シャッター22は、通常は前記ホッパー底板45の開口46を閉塞する方向にばね等の蓄性弾力をもって付勢されている。そして、「開く」旨の信号が出力されると、モーター47の駆動力によりベルト及びプーリを介して開方向へ移動する。これにより、ホッパー底板の試験管Sは、下方の搬出コンベア14上へ自然落下により供給される。
【0050】
搬出コンベア14は、図2の右側から左側へ向けて試験管Sを搬送する。やがて試験管Sは、投入シュート15に至り、その湾曲した姿勢変更通路部33を通過することによって水平状態から垂直状態となるように姿勢が変更される。そして、垂直状態のまま下方で待機するラックRの試験管保持孔35へ落下投入される。このとき、ラックRの上面側に載置されたアタッチメントAの姿勢制御用孔36を通過することにより、ラックRの上面と投入シュート15の下端面との間の空間領域における試験管Sの姿勢を垂直状に安定して維持することが可能である。これは、ラックRの上面とアタッチメントAの下端面との間には、所定寸法の空間領域が設けられているからである。この空間領域は、ラックRへの試験管Sの準備を、試験管Sの中間より上部がラック上面から露出するように試験管Sを保持することで、採血後の試験管Sへ収容された検体の状態を確認できるようにするためのものである。
【0051】
このようにしてラックRの試験管保持孔35へ試験管Sが投入された後は、ラック機構16のX軸スライダー37及びY軸スライダー38を駆動させて、次に投入予定の空の試験管保持孔35を投入シュート15の直下へ移動させて配置し、前記した以上の動作を繰り返して順次、ラックRの試験管保持孔35へラベル貼着後の試験管Sを投入準備する。ラックRの試験管保持孔35への全ての試験管Sの投入が完了した後は、アタッチメントAを取り外し、次のラックRの上面へセットすればよい。これで一つのラックRに対する試験管Sの準備作業は終了する。然る後は、ラック機構16から試験管投入済のラックRを取り外し、新たなラックRを装着すればよい。
【0052】
ところで、このラック装置3においては、試験管Sの搬送途中において、試験管Sが搬送路途中で詰まったりすることが考えられる。そのため、本実施の形態にあっては、そのための保守点検を容易にするための手段が設けられている。切出装置18は手動により操作することが可能であり、前進した状態で、搬入コンベア12の上に試験管Sが残っていないかなどを点検することが可能である。切出装置18は、前進位置から手を放すと、ばね等の蓄性弾力により自動復帰するようになっている。またターンテーブル13のホッパー下方に設けられたボックス状の開閉シャッター22は手動で開放することが可能であり、これも手を離すと蓄性弾力などにより閉塞位置へ自動復帰することが可能である。更に、搬出コンベア14のターンテーブル直下に位置する手前側の側面部分に設けられた点検扉32と、投入シュート15の手前側側面に設けた点検扉34とは、蝶番とばね等の蓄性弾力により常時は閉塞方向へ付勢され、手動によりワンタッチで開放されてその内部を確認することができるようになっている。また確認後は手を放すだけで蓄性弾力により自動復帰することが可能である。
【0053】
このように本実施の形態におけるラックR又はトレイTへの試験管準備装置1にあっては、一つのオートラベラーによって試験管Sへラベルを貼着した後、ラックR又はトレイTへ選択的に供給することができる。つまり、オートラベラーを兼用でき、イニシャルコストの低下、装置全体のコンパクト化が可能である。また一つの装置で外来の採血検査と病棟の採血検査とを受け持つことが可能である。更に、ラック装置3はラベル貼着後の試験管Sを連続して自動的にラックRの試験管保持孔35へ整列して供給することができ、作業効率に優れ、病院側スタッフの負担を著しく軽減することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0054】
ところで、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、適宜の変更が可能である。例えば、本装置は、ラベラー本体2がオートラベラーの機能と、トレイTへの試験管準備装置の機能とを有しており、ラベラー本体2のみを単独で使用することも可能であるため、ラベラー本体2が先行して導入されている医療機関などに対して、ラック装置3を後から追加して装備し、トレイTとラックRのどちらへもラベル貼着後の試験管Sを準備するシステム構成が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施の形態に係るラック又はトレイへの試験管準備装置の全体を示す平面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るラック又はトレイへの試験管準備装置の全体を示す正面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るラック装置を示す右側面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係るラベラー本体の右側面図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る搬入コンベアの平面図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る搬入コンベアの正面図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係る搬入コンベアの右側面図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係る切出装置の平面図である。
【図9】本発明の一実施の形態に係る切出装置の正面図である。
【図10】本発明の一実施の形態に係る切出装置の右側面図である。
【図11】本発明の一実施の形態に係るターンテーブルの平面図である。
【図12】本発明の一実施の形態に係るターンテーブルの正面図である。
【図13】本発明の一実施の形態に係るターンテーブルの右側面図である。
【図14】本発明の一実施の形態に係る搬出コンベア及び投入シュートの平面図である。
【図15】本発明の一実施の形態に係る搬出コンベア及び投入シュートの正面図である。
【図16】本発明の一実施の形態に係る搬出コンベア及び投入シュートの右側面図である。
【図17】本発明の一実施の形態に係るラックの平面図である。
【図18】本発明の一実施の形態に係るラックの平面図である。
【図19】本発明の一実施の形態に係るラックの平面図である。
【図20】本発明の一実施の形態に係るアタッチメントの平面図である。
【図21】本発明の一実施の形態に係るアタッチメントの平面図である。
【図22】本発明の一実施の形態に係るアタッチメントの平面図である。
【符号の説明】
【0056】
1…ラック又はトレイへの試験管準備装置、2…ラベラー本体、3…ラック装置、4…トレイ機構部、5…第1コンベア、6…第2コンベア、7…トレイストッカー、8…手貼りラベラー、9…リフター、10…昇降コンベア、11…ベルト駆動手段、12…搬入コンベア、13…ターンテーブル、14…搬出コンベア、15…投入シュート、16…ラック機構、17…ストッパー、18…切出装置、19…切出板、20…回転体、21…ホッパー、22…開閉シャッター、32,34…点検扉、33…姿勢変更通路部、35…試験管保持孔、A…アタッチメント、R…ラック、T…トレイ、S…試験管
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベルを貼着した後の試験管の搬入コンベアと、該搬入コンベアの終端側に設けた試験管のストッパー及び到着センサーと、前記ストッパーによる停止位置での試験管の向きを検出する試験管向き検出部と、前記搬入コンベアの搬送方向とクロスする方向へ試験管を切り出す切出装置と、該切出装置の排出側下方に配設された試験管の向きを揃えるためのターンテーブルと、ターンテーブルの回転体底板に設けられた開口を開閉するシャッターと、開閉シャッターの下方に配設された搬出コンベアと、搬出コンベアの終端側に連続すると共に試験管の姿勢を水平状態から垂直状態になるように変更する姿勢変更通路部を備えた投入シュートとより成り、ラベルの貼着された試験管をラックの試験管保持孔へ自動的に立てた状態で順次供給するようにしたことを特徴とするラックへの試験管準備装置。
【請求項2】
切出装置は、搬入コンベアを跨ぐように配置された切出板を有し、常時はばね等の蓄性弾力により、後退位置へ付勢されており、モーターの駆動力又は手動により、蓄性弾力に抗して前進し、蓄性弾力により自動的に復帰するようになされている前記請求項1に記載のラックへの試験管準備装置。
【請求項3】
ターンテーブルの底板開口を開閉する開閉シャッターは、ボックス状でかつスライド式であり、通常は底板開口を閉塞する方向にばね等の蓄性弾力をもって付勢されている請求項1又は2に記載のラックへの試験管準備装置。
【請求項4】
ターンテーブルは、その回転体の外周側面に取り付けられた回転位置検出板及び該回転位置検出板を検出する光電式の投受光センサーから成る回転位置検出機構と、回転体の対向壁面に光電式の投受光センサーを対向配置して回転体内を照射光が通過するようにすることで回転体内の試験管の有無を検出する試験管検知機構と、所定の回転位置で回転体を固定する電磁ソレノイド式ロックピンなどの固定手段とを有する請求項1乃至3のいずれか一つに記載のラックへの試験管準備装置。
【請求項5】
搬出コンベアの両側面にガイド板を立設し、該ガイド板の一部に、蝶番とばね等の蓄性弾力により常時は閉塞方向へ付勢された点検扉を設けた請求項1乃至4のいずれか一つに記載のラックへの試験管準備装置。
【請求項6】
搬出コンベアの一端側に可動板を取り付けると共に、該可動板の下方には試験管の回収トレイを配置し、再起動時にラック装置内に残っている試験管を強制的に排出して回収トレイへ回収するようにした請求項1乃至5のいずれか一つに記載のラックへの試験管準備装置。
【請求項7】
投入シュート1の姿勢変更通路部の周囲をボックス状に形成し、その一部分に蝶番とばね等の蓄性弾力により常時は閉塞方向へ付勢された点検扉34を取り付けた請求項1乃至4のいずれか一つに記載のラックへの試験管準備装置。
【請求項1】
ラベルを貼着した後の試験管の搬入コンベアと、該搬入コンベアの終端側に設けた試験管のストッパー及び到着センサーと、前記ストッパーによる停止位置での試験管の向きを検出する試験管向き検出部と、前記搬入コンベアの搬送方向とクロスする方向へ試験管を切り出す切出装置と、該切出装置の排出側下方に配設された試験管の向きを揃えるためのターンテーブルと、ターンテーブルの回転体底板に設けられた開口を開閉するシャッターと、開閉シャッターの下方に配設された搬出コンベアと、搬出コンベアの終端側に連続すると共に試験管の姿勢を水平状態から垂直状態になるように変更する姿勢変更通路部を備えた投入シュートとより成り、ラベルの貼着された試験管をラックの試験管保持孔へ自動的に立てた状態で順次供給するようにしたことを特徴とするラックへの試験管準備装置。
【請求項2】
切出装置は、搬入コンベアを跨ぐように配置された切出板を有し、常時はばね等の蓄性弾力により、後退位置へ付勢されており、モーターの駆動力又は手動により、蓄性弾力に抗して前進し、蓄性弾力により自動的に復帰するようになされている前記請求項1に記載のラックへの試験管準備装置。
【請求項3】
ターンテーブルの底板開口を開閉する開閉シャッターは、ボックス状でかつスライド式であり、通常は底板開口を閉塞する方向にばね等の蓄性弾力をもって付勢されている請求項1又は2に記載のラックへの試験管準備装置。
【請求項4】
ターンテーブルは、その回転体の外周側面に取り付けられた回転位置検出板及び該回転位置検出板を検出する光電式の投受光センサーから成る回転位置検出機構と、回転体の対向壁面に光電式の投受光センサーを対向配置して回転体内を照射光が通過するようにすることで回転体内の試験管の有無を検出する試験管検知機構と、所定の回転位置で回転体を固定する電磁ソレノイド式ロックピンなどの固定手段とを有する請求項1乃至3のいずれか一つに記載のラックへの試験管準備装置。
【請求項5】
搬出コンベアの両側面にガイド板を立設し、該ガイド板の一部に、蝶番とばね等の蓄性弾力により常時は閉塞方向へ付勢された点検扉を設けた請求項1乃至4のいずれか一つに記載のラックへの試験管準備装置。
【請求項6】
搬出コンベアの一端側に可動板を取り付けると共に、該可動板の下方には試験管の回収トレイを配置し、再起動時にラック装置内に残っている試験管を強制的に排出して回収トレイへ回収するようにした請求項1乃至5のいずれか一つに記載のラックへの試験管準備装置。
【請求項7】
投入シュート1の姿勢変更通路部の周囲をボックス状に形成し、その一部分に蝶番とばね等の蓄性弾力により常時は閉塞方向へ付勢された点検扉34を取り付けた請求項1乃至4のいずれか一つに記載のラックへの試験管準備装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2008−268033(P2008−268033A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−112327(P2007−112327)
【出願日】平成19年4月20日(2007.4.20)
【出願人】(395000337)株式会社アステックコーポレーション (32)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月20日(2007.4.20)
【出願人】(395000337)株式会社アステックコーポレーション (32)
【Fターム(参考)】
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