ラックサービングユニットおよびオーダピッキング倉庫
【課題】複数の物品が一度に取り扱われている場合でも積載装置を用いずに物品を取り扱うためのラックサービングユニットまたはオーダピッキング倉庫を提供する
【解決手段】積荷ピックアップ装置Mと、物品Cの下で把持するための物品用の台13を含む少なくとも1つの実質的に水平方向に伸縮する物品輸送グリッパTと、を備える、開放箱底3を有する収納箱2用のラックサービングユニットGに、物品輸送グリッパTとして働きかつ全く不安定な位置にある物品Cの下で把持するための物品用の台13と入れ子式フランクFとを有する単一の入れ子式グリッパピン、及び/又は、把持された物品Cの安定した輸送位置を設定するための押さえ装置Nが設けられる。
【解決手段】積荷ピックアップ装置Mと、物品Cの下で把持するための物品用の台13を含む少なくとも1つの実質的に水平方向に伸縮する物品輸送グリッパTと、を備える、開放箱底3を有する収納箱2用のラックサービングユニットGに、物品輸送グリッパTとして働きかつ全く不安定な位置にある物品Cの下で把持するための物品用の台13と入れ子式フランクFとを有する単一の入れ子式グリッパピン、及び/又は、把持された物品Cの安定した輸送位置を設定するための押さえ装置Nが設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載のラックサービングユニット、および請求項11の前文に記載のオーダピッキング倉庫に関する。
【背景技術】
【0002】
実践から知られるようなオーダピッキングストアまたはシステムでは、ラックサービングユニットは、ラックまたはラック通路内に全自動または半自動で移動しており、収納箱または区画は、在庫としてもっているべき物品の複数の寸法に対する単純な深さをもつ。ラックサービングユニットは、物品を所定の収納箱に積み込むとともに、これらの物品を周囲の搬送ユニットに送出するために、所定の収納箱から物品、例えば、個々のオーダピッキングに対して注文された物品を取り出す。既知のラックサービングユニットは、従来のロボットに広く対応するが、自由度、作業半径および空間、運動学などの技術的明細事項に関して、従来のロボットとは全く異なる。物品を利用できるようにするパッケージまたはハンドリングユニットがあまりに多くの側面をもち且つ敏感すぎ、棚、箱、トレイなどの運送設備または積込み設備が使用されることがない場合、物品を取り扱うのは、ますます複雑になってきている。例えば50を超える形態のパッケージを取り扱うための、および/またはパッケージの設計および形状の変化に適応できるようにするためのラックサービングユニットを開発するのは困難であるかまたはほとんど不可能である。このような場合、グリッパ交換システムが、小さい作業スペースを有するロボットに通常は使用される。しかしながら、積荷ピックアップ装置の大きい作業スペース及びかさのせいで、このことは、ラックサービングユニットに対してほとんど不可能である。実際には、積荷ピックアップ装置のない自動オーダピッキング倉庫は、現在、小包、すなわち滑らかで安定した表面及び四角い形状だけを有するパッケージしか処理することができない。さらに、パッケージの滑り摩擦係数および静止摩擦係数は、ラックサービングユニットが、かかるパッケージを積荷ピックアップ装置によって技術的に理解可能な半自動または全自動態様で取り扱うことができるようにするために、低くする必要がある。
【0003】
経験から、Beewen Companyの製品ラベル表示BEELAGを有しかつ積荷ピックアップ装置を具備するラックサービングユニットが知られており、積荷ピックアップ装置のフォーク状の積荷輸送グリッパは、伸縮方向に関して横方向に離間された2つの平行なベルトコンベヤを具備しており、ベルトコンベヤが、箱の底の開口部の下に位置付けられ、ベルトコンベヤ上にある物品をベルトコンベヤの下側で積み、収納箱からこれらの物品を取り出し、物品をピックアップ装置の静止したベルトコンベヤに載せるまで、ピックアップ装置に対して前記ピックアップ装置の片側に向かって伸縮する。前記物品輸送グリッパのそれぞれが積荷ピックアップ装置の片側でしか入ったり出たりすることができないので、反対側に設けられた収納箱を出したり操作したりするために反対方向に伸縮されうる別の物品輸送グリッパが必要である。前記物品輸送グリッパのそれぞれの2つのベルトコンベヤは、積まれた物品または把持された物品が、前記収納箱の内外に輸送されるときにベルトコンベヤ上で安定した位置をとることができるように、互いに離間される。しかしながら、ベルトコンベヤ間のスペースは箱底の極端に広い開口部を占めており、したがって、前記箱底は両側に設けられた狭いブレードによって形成されるにすぎない。そういうわけで、物品は、積載装置(板紙、コンテナ、トレイなど)を用いてしか取り扱われることができず、したがって、望ましくない大きな追加の努力を必要とするとともに、オーダピッキング倉庫の能力を減少させる。
【0004】
本発明は、複数の物品が一度に取り扱われている場合でも積載装置を用いずに物品を取り扱うためのラックサービングユニットまたはオーダピッキング倉庫を提供する目的に基づいている。この目的の一部は、ラックサービングユニットを改変せずにかつさらなる積載装置を必要とせずに、特に飲料用の多種多様な包装カテゴリまたはパッケージカテゴリ、例えば、12個入りの半開き板紙コンテナ内のテトラパック、ホイルと一体に溶接されたボトル6本入りパック、ワインボトルの板紙、一体化された自己支持形硬質プラスチックトレイを有する8個の2本入りCoke(コカコーラ)パックのPETボトルパッケージ、2列の約12個の飲料缶の縦板紙の形をとるFridge Mate(フリッジメート)パッケージ、従来の返却可能なビール用クレート、一般的な従来の返却可能な飲料用クレート、開放板紙キャリア内の缶詰食品の缶もしくはジャーを含むパッケージ、などを取り扱うことである。
【発明の概要】
【0005】
この目的は、請求項1の特徴および請求項11の特徴によって解決される。
【0006】
この解釈によれば、伸縮方向の輸送機能に加えて、入れ子式グリッパピンは物品のための狭い台または支持体による支持機能を満たし、すなわち、共にフランクおよび/または押さえ装置の支援によって側面からおよび/または上方から安定化される。物品用の入れ子式グリッパピンの狭い台のために、入れ子式グリッパピンは、積載装置の支援なしに物品を安定した態様で受け入れる収納箱の狭い箱底開口部の決定的な優位性とあいまって、多種多様の包装カテゴリおよびパッケージカテゴリを取り扱うのに向いている。物品の伸縮方向のあらゆる動きは、入れ子式グリッパピンおよびフランクとともに行われて、安定した輸送位置および/または押さえ装置をそれぞれ確保する。作業するとき、ラックサービングユニットは、収納箱またはラックに困難なまたは複雑な構造が設けられていない状態で、1つの物品またはいくつかの物品またはパッケージを一度にかつ積載装置によって支援されることなくすぐに取り扱うことができ、箱底開口部の幅だけによって制限される複数の、例えば、飲料パッケージを扱うことができる。積載装置は必要ないので、積載装置を戻すための追加のコンベヤ技術も必要ない。
【0007】
この目的のために、積荷ピックアップ装置は、好ましくは前記入れ子式グリッパピンから隔てられた横のスペースと同等の入れ子式グリッパピンの両側に、平行なベルトコンベヤまたはバンドコンベヤを備え、1つまたは複数の前記ベルトコンベヤまたはバンドコンベヤはそれぞれ、伸縮方向に個々にまたは連結された態様で駆動することができ、該当する場合に交互に配置される。連続的に配置されるベルトコンベヤまたはバンドコンベヤの妥当な数は、連続的にラックに保管されかつ入れ子式グリッパピンによって一度に取り扱われうる物品の数に相当する。前記物品のそれぞれが前記ベルトコンベヤ上の安定した位置を見出すことになる。さらに、必要になった場合、かかるベルトコンベヤまたはバンドコンヤは、物品を除去するまたは物品に入る間の動きの最後の段階または最初の段階中に、入れ子式グリッパピンを支援する。前記入れ子式グリッパピンの両側に伸縮方向に連続的に配置された前記ベルトコンベヤまたはバンドコンベヤのうちの1つまたは複数は、1つまたは複数の物品が積荷ピックアップ装置上に一時的に保管されるかまたは積み重ねられることを可能にする。その上、かかるベルトコンベヤまたはバンドコンベヤは、オーダピッキングまたは在庫中に物品を周辺のコンベヤ装置に運ぶために使用することができる。
【0008】
オーダピッキング倉庫は、積載装置を用いずに多様な形のパッケージまたは物品に使用することができ、例えば、非常に小さい箱底開口部を有する収納箱を含む単純なハイラックを備え、したがって、ラック構造内での高い技術的自由度を可能にし、すなわち、入れ子式グリッパピンの長さの物理的実現性に単に依存する箱の深さも可能にする。オーダピッキング倉庫は、周囲の搬送装置およびオーダピッキング装置への送達時に、注文された物品の迅速な問題のない在庫および個々のオーダピッキングを可能にする。
【0009】
ラックサービングユニットは、ラック通路内を水平に移動することができ、したがって、ラックレベルまたは、多くの用途では複数のラックレベルを操作することができる。垂直移動は、実質的に、ラックサービングユニットに沿って垂直に移動されうる昇降装置によって実行される。昇降装置には、本発明の場合と同様に、一方では輸送されるべき物品を受け入れかつ保管するために、他方では輸送されるべき物品をラックサービングユニット上に安定した態様で保管するために働く、1つまたは複数の積荷ピックアップ装置を備えることができる。受入れおよび保管は、入れ子式グリッパピンおよびフランク、および/または安定した輸送位置を確保する押さえ装置によって実行される。前記ラックサービングユニット上での安定した位置付けは、前記入れ子式グリッパピンに加えて、搬送装置または預かり装置によって実行される。
【0010】
入れ子式グリッパピンは、対応する動きを利用することにより、ラックサービングユニット自体のところで昇降装置を相対的に昇降されるかもしれないにしても、入れ子式グリッパピンは、前記昇降装置に対して持ち上げるまたは降下することができ、適切な実施形態によれば、高性能が要求される。この目的のために、物品を担持することができる追加の昇降機構は、前記昇降装置と前記入れ子式グリッパピンとの間に設けることができる。物品を保管したり除去したりするために、昇降装置は、事前に箱底に関して方向づけることができる。物品を除去するために、入れ子式グリッパピンは、箱底開口部の下方に降ろされ伸縮され、次いで、物品が箱底から持ち上げられているまで持ち上げられ、入れ子式グリッパピンは、1つまたは複数の物品をフランクおよび/または押さえ装置によって収納箱から積荷ピックアップ装置に直接移動させることができる。物品を保管するために、物品は、前記入れ子式グリッパピン上にかつ前記入れ子式グリッパピンによって持ち上げられ、箱底開口部の領域内で収納箱の中へ伸縮され、次いで、物品が箱の底に載るまで降下され、1つまたは複数の物品は、このような保管プロセス中に、フランクおよび/または押下げ装置によって安定化させることができる。
【0011】
特に適した実施形態は、同一の個々の入れ子式グリッパピンが、積荷ピックアップ装置を基準として随意に両側に向かって伸縮されることができ、好ましくは、引込み状態のときに、物品が周囲のコンベヤ装置にピックアップまたは送達されている間に妨げとならないように、前記積荷ピックアップ装置のプラットホームの外面形状とほぼ同一平面上にあることを特徴とする。しかしながら、このことは、昇降装置に2つの逆向きに動作する入れ子式グリッパピンを設けるという概念によって除外されるべきでない。
【0012】
適切な一実施形態では、2つの入れ子式フランクが入れ子式グリッパピンに対して対称的に設けられ、2つの入れ子式フランクは、例えば、前記入れ子式グリッパピンと共に同調して駆動され、それぞれが前記入れ子式グリッパピン上での安定した輸送位置を可能にする。種々の幅の物品を取り扱う場合、フランクは、伸縮方向に関して横方向に調整することができ、または横方向に調整可能な物品支持要素が設けられる。フランクは、入れ子式グリッパピンが昇降される、または昇降された後である場合に、接触した状態になる。
【0013】
別法としてまたは追加として、入れ子式押さえ装置は設けられて、積荷ピックアップ装置に垂直方向に設けられ調整可能に配置されるか、または垂直方向に調整可能な少なくとも1つの物品支持要素を装備される。押さえ装置または押さえ装置の物品支持要素は、入れ子式グリッパピンが1つまたは複数の物品を拾い上げることができるように持ち上がっている間にまたはその後で、好都合に降下される。物品をラックアップするとき、前記物品に作用する押さえ装置は、入れ子式グリッパピンが降下されている間に静止したままとすることができ、または、物品が箱の底上に位置付けられるまで安定した輸送位置を可能にするように降下することもできる。
【0014】
適切な一実施形態では、前記積荷ピックアップ装置において互いに対向するベルトコンベヤまたはバンドコンベヤのうちの2つがそれぞれ、入れ子式グリッパピンの両側に運動連結対を形成する。この目的のために、共通の運動可逆性駆動部を前記対に設けることができ、または、2つの連結された運動可逆性駆動部をそれぞれ1つのベルトコンベヤまたはバンドコンベヤに設けることができる。
【0015】
適切な一実施形態では、少なくとも1つのキャリアが、入れ子式グリッパピンに、かつ/または少なくとも1つのフランクに、かつ/または押さえ装置に設けられ、少なくとも1つのキャリアは、物品把持設定と受動的設定との間で切換え可能である。物品把持設定では、キャリアは、物品またはパッケージが入れ子式グリッパピンの端部から抜け出る可能性があるのを防止する。
【0016】
別の適切な実施形態では、前記入れ子式グリッパピンおよび/またはフランクおよび/または押さえ装置の物品用の台または支持体には、可撓性材料のノブ構造、好ましくは少なくとも1列の半屈曲性材料のノブが設けられる。前記ノブ構造は、特に入れ子式グリッパピンと物品との間で物品に作用する圧力分布を改善するか、またはかすり傷によって引き起こされる物品の損傷を防止するように機能することができ、同時に、物品に作用する摩擦を極度に増大させることもでき、したがって、物品は、箱の底と接触しているかまたは軽く接触しているときでも、なんとか挿入されたり引き出されたりすることができる。
【0017】
台または支持体に載っている物品の不安定性を減少させるために、ノブ構造、特に入れ子式グリッパピン上に設けられたノブ構造は、柔軟に再設定可能とすることができ、ノブ構造が、荷を降ろした状態のときに、伸縮方向に対して横方向に物品用の台または支持体の幅くらいに相当する幅を占めるが、荷を積んだ状態のときには、前記幅より有意に大きい幅に切換え可能となるような態様で設計され配置されることができる。入れ子式グリッパピンの物品用の狭い台または支持体にもかかわらず、物品がノブ構造のおかげでわずかにより安定した態様で荷重を受けて支持されるけれども、箱底開口部は、オフロード再設定ノブ構造が、入れ子式グリッパピンが降下している間に狭い箱底開口部を容易に通過することができるので、物品用の台または支持体より広くする必要はない。
【0018】
適切には、物品用の台または支持体の幅は、好ましくは複数パートの入れ子式グリッパピンの端部および/または中間部において、ほぼ40mm〜150mm、優先的には80mm〜100mmである。箱底開口部の対応する幅のおかげで、入れ子式グリッパピンは、両側に数ミリメートルの自由空間しか必要とせず、したがって、比較的小さい横断寸法の物品もオーダピッキング倉庫内に安定した態様で在庫することができる。
【0019】
入れ子式グリッパピンが積荷ピックアップ装置に対して相対的に昇降されうる場合、このような移動を実行するために、前記積荷ピックアップ装置の大質量全体を移動させる必要はないが、積荷ピックアップ装置は、事前に箱底開口部に関して正確に位置付けることができる。1つまたは複数の物品を入れ子式グリッパピンで取り扱うかまたは操作するとき、前記少なくとも1つの入れ子式フランクおよび/または前記少なくとも1つの入れ子式押さえ装置は、物品用の前記台または支持体上での物品の安定した輸送位置を与えるのに役立ち、前記フランクまたは前記押さえ装置はそれぞれ、伸縮方向に関して横方向に移動可能である。したがって、前記物品のそれぞれが、少なくとも2つの領域内で、好ましくは3つ以上の領域内で一度に把持される。
【0020】
オーダピッキング倉庫の適切な一実施形態では、箱底開口部のリムは、ほぼV字形に丸いまたは角面取り態様で下方に曲げられる。この手段は、開口部のリムの領域内の箱底を剛性化するように機能するだけでなく、入れ子式グリッパピンの物品用の台または支持体にノブ構造などの柔軟構造が装備されている場合に特に有用であり、柔軟構造は、荷を積んだ状態のときよりも荷を降ろした状態のときに、丸みまたは角度により、入れ子式グリッパピンを降下させる間により小さい幅をとる。
【0021】
別の剛性化手段は、箱底開口部を限定する箱底の隅を下方に曲げることである。このことは、それぞれの収納箱が伸縮方向に複数の部分に細分されたときに特に有用となりうる。
【0022】
オーダピッキング倉庫の重要な特徴は、積載装置なしの、異なるカテゴリおよび/またはサイズのかつ少なくとも箱底開口部の幅に相当する横断寸法のパッケージ、特にボトルパッケージであって、それぞれが前記少なくとも1つのフランクおよび/または前記少なくとも1つの押さえ装置の入れ子式グリッパピンによって支援される、パッケージが、積載装置を用いずに管理されうることである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】例えば物品を取り扱う間の、少なくとも1つの収納箱および1つのラックサービングユニットを備えるオーダピッキング倉庫の概略図である。
【図2】異なるサイズおよび/またはカテゴリのスケッチされた物品またはパッケージを有する、開放箱底をもつ収納箱の正面図である。
【図3】2つの物品が順に在庫された状態の収納箱の平面図である。
【図4】基本位置にあるラックサービングユニットの概略図である。
【図5】物品取扱い位置にある図4のラックサービングユニットを示す図である。
【図6】在庫物品がラックサービングユニットによって除去される直前の取扱い段階での収納箱の正面図である。
【図7】物品が収納箱内で安定した輸送位置に持ち上げられた状態の後続の取扱い段階を示す図である。
【図8】2つの物品が収納箱からラックサービングユニットに運ばれた状態の別の後続の取扱い段階の平面図である。
【図9】ラックサービングユニットの別の実施形態での別の取扱い段階を示す図である。
【図10】ラックサービングユニットの別の実施形態に対する、図7の取扱い段階に対応する取扱い段階を示す図である。
【図11】収納箱の詳細な変形形態の概略図である。
【図12】図11の収納箱の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の主題の実施形態について図面において説明する。
【0025】
図1は、物品Cを取り扱う間の、破線で示されている少なくとも1つの収納箱または区画2、例えばハイラックの前にラックサービングユニットGを備える、例えば食品産業や飲料産業におけるオーダピッキング倉庫Kの主要構成要素を示す。
【0026】
本発明は、オーダピッキング倉庫KとラックサービングユニットGの両方を備える。
【0027】
各収納箱2は開放箱底3を有する収納箱である。すなわち、2つの箱底半分がそれぞれ垂直柱1に固定され、2つの箱底半分のほぼ中央に、縦スロットの形をとりかつ幅Wを有する箱底開口部4を限定する。これらの箱底半分はそれぞれ、少なくとも1つの垂直柱1に、例えばサイドアングルブラケット(side angle bracket)5によって係止され、少なくとも1つの物品Cまたは複数の物品Cを在庫するように機能し、すなわち、前記収納箱2のそれぞれが、物品Cの通常の深さまたは2倍もしくは複数倍の深さに相当する深さとすることができ、各物品Cは、箱底開口部4の幅Wより大きい幅方向の横断寸法W1であり、積載装置を用いずに利用される。
【0028】
例えばフロア上で移動されうるラックサービングユニットGは積荷ピックアップ装置Mを備え、積荷ピックアップ装置Mは、プラットホームとほとんど同じものであり、ラックサービングユニットGにおいて二重矢印6の方向に上下移動することができる。積荷ピックアップ装置Mには少なくとも1つの物品輸送グリッパTが設けられ、物品輸送グリッパTは、図面に対して垂直に伸縮させることができ、好ましくは、物品を支持する追加の昇降機構7を用いて積荷ピックアップ装置Mに対して二重矢印7’の方向に昇降することができる。本発明によれば、物品輸送グリッパTは入れ子式グリッパピンDであり、入れ子式グリッパピンDは、好ましくは積荷ピックアップ装置Mに入れ子式態様で、好ましくは積荷ピックアップ装置Mのほぼ中心に配置され、最上部に、箱底開口部4の幅Wよりわずかに小さい幅Bの物品用の台または支持体13を有する。
【0029】
図1に示されているラックサービングユニットGの実施形態によれば、フランクF、この場合は複数パートのフランクが、例えば側面支持要素8’に、入れ子式グリッパピンDに関して対称にかつ前記入れ子式グリッパピンDに同調して入れ子式に当てられ、入れ子式グリッパピンDは、追加の駆動部8によって二重矢印9の方向に伸縮方向に対して横方向に調整することができる。前記フランクFに対する代替または追加して、二重矢印10の方向に昇降されうる少なくとも1つの押さえ装置Nを入れ子式グリッパピンDの上方あたりに設けることができる。さらに、積荷ピックアップ装置Mには、少なくとも1対のベルトコンベヤまたはバンドコンベヤ11a、11bが設けられ、その場合、共通の方向可逆駆動部または2つの回転連結される運動可逆駆動部(図示せず)が、前記ベルトコンベヤまたはバンドコンベヤ11a、11bを伸縮方向に駆動するために設けられる。追加の昇降機構7およびベルトコンベヤまたはバンドコンベヤ11a、11bならびに支持要素8’(支持要素8’には、利用可能な場合、押さえ装置Nが配置される)は、積荷ピックアップ装置Mのプラットホーム12に配置される。
【0030】
入れ子式グリッパピンDの物品用の台または支持体13の幅は、例えば約40mm〜150mmであり、優先的には約80mm〜100mmである。
【0031】
図2は、2つの箱底半分によって形成された箱底3を含む収納箱2を示しており、箱底半分は、サイドアングルブラケット5を介して垂直柱1に係止され、中心にある箱底開口部4を限定する。異なる形状およびサイズならびにカテゴリの複数の物品Cが収納箱2内に指示またはスケッチされている。箱の開口部4は入れ子式グリッパピン用である。箱底開口部は、在庫されるべき物品の形状およびサイズの多様性をできるだけ少なく限定するように、できるだけ狭くする。
【0032】
図3は、2つの連続的に在庫された物品Cの少なくとも通常の深さに相当する深さの収納箱2の平面図である。しかしながら、収納箱2は、入れ子式グリッパピンDの長さの物理的実現可能性だけに依存する任意の深さとすることができる。入れ子式グリッパピンDおよびフランクFあるいはピックアップ装置Mの片側にある押さえ装置Nの伸縮方向は、二重矢印Rで示されている。
【0033】
図4は、積荷ピックアップ装置Mが開始位置にあるラックサービングユニットGの平面図である。引っ込められた入れ子式グリッパピンDは、フランクFと同様に(押さえ装置は図示されていない)、積荷ピックアップ装置Mの輪郭とほぼ一致する。入れ子式グリッパピンDは、積荷ピックアップ装置の中心に配置される。バンドコンベヤまたはベルトコンベヤ(この場合、2対11a、11b;11c、11d)は、それぞれ伸縮方向Rに順に配置され、両側に、フランクF内の入れ子式グリッパピンDから離間され、それぞれ対で独立して駆動することができる。
【0034】
図4に示されている入れ子式グリッパピンDは、収納箱を両側で随意に操作するために、積荷ピックアップ装置Mの両側に向かって伸縮することができ、例えば、わずかに大きい主要部16a、わずかに小さい中心部16b、およびさらに小さい端部16cを含み、それぞれが場合により異なる幅の物品台部分13a、13b、13cを有する。フランクFは、複数の部分15a、15b、15c、ならびに場合によりまたは代わりに設けられた押さえ装置N(図示せず)(図1)も含む。少なくとも1つの端部16cには、受動的設定と物品把持設定との間で切り換えることができるキャリア14が図4に設けられる。別法としてまたは追加として、この種の切換え可能なキャリア14は、前記フランクFのうちの1つまたはそれぞれの部分15cまたは押さえ装置N(図示せず)の部分15cに設けることができる。
【0035】
図5は、入れ子式グリッパピンDが入れ子式グリッパピンDの最大限に延長され、フランクFが同調して延長された状態のラックサービングユニットまたはラックサービングユニットの積荷ピックアップ装置Mを示し、少なくともフランクFの部分15cが、二重矢印9の方向の伸縮方向に関して横方向に調整されうるか、または横方向に調整可能な物品支持要素(図示せず)を含むことができる。
【0036】
図6は、物品Cが在庫されている収納箱2から物品Cが除去される直前の物品操作段階または取扱い段階を示す。入れ子式グリッパピンDは、箱底開口部4の下で完全に延長され位置付けられる。キャリア14は受動的位置にある。フランクFもまた、端部15cが、例えば物品Cの側壁の両側に配置されるように、同調して延長される。入れ子式グリッパピンDおよびフランクFは、それに対応して、1つまたは複数の物品が降ろされなければならないかどうかに応じてある程度延長される。
【0037】
図7による以下の動作段階では、入れ子式グリッパピンDは、箱底開口部4を通って矢印7’の方向に持ち上げられ、その結果、物品用の台または支持体13に載っている物品Cはやや不安定な位置で把持される。キャリア14は物品把持設定に切り換えられている。フランクFの端部15cは、物品Cの側壁に対して矢印9の方向に保持されて、物品用の台または支持体13上での物品Cの安定した輸送位置を確保するようにする。別法としてまたは追加として、押さえ装置Nは、入れ子式グリッパピンDと押さえ装置Nとの間に安定した輸送位置を与えるために、物品Cの上面に降下される。物品Cは箱底3から持ち上げられる。入れ子式グリッパピンDは、箱底開口部4の中または箱底開口部4の上方に位置付けられる。フランクFの部分15cは、入れ子式グリッパピンDが物品を図7による持ち上げられた位置まで運ばれるとすぐに、またはそれより前に、横方向に物品Cと接触して置くことができ、後者の場合、部分15cは持上げ運動に追従する、または、物品Cの側壁は部分15cに沿って上昇する。入れ子式グリッパピンDは、フランクFおよび/または押さえ装置Nとは独立して制御することができる。
【0038】
図8では、図7による安定した輸送位置で把持された前記1つの物品C(または2つ以上の物品C)は、入れ子式グリッパピンDおよびフランク(または押さえ装置N)を用いて引っ込めることにより、ラックサービングユニットGの積荷ピックアップ装置Mに運ばれている。物品Cは、前記ベルトコンベヤまたはバンドコンベヤ11a〜11cによって積荷ピックアップ装置M上に分配されている。この場合は2物品の深さの収納箱2が片付けられている。ラックサービングユニットGがハイラック間の通路またはハイラックの前の通路内で移動されるべき場合、前記フランクFおよび/または前記押さえ装置Nの圧力を受けて安定化されたそれぞれの物品を保持するのに有用であり、したがって、ラックサービングユニットGを駆動するときにより高い加速度を可能にすることができる。必要なら、入れ子式グリッパピンD(および傾斜に対する支持体)は、複数の物品Cを一度に操作するかまたは取り扱うことができる。
【0039】
図9は、物品用の入れ子式グリッパピンDの台13の上面に半屈曲性ノブ構造16が少なくとも部分的に設けられている、入れ子式グリッパピンDの改善された実施形態を示しており、半屈曲性ノブ構造16は、例えば、物品Cでの圧力の分布を改善するために、例えばかすり傷による物品への損傷を防ぐために、同時に、物品に対する摩擦を強力に増大させるために、好都合となりうる。例えば、図9によれば、内側のノブ17および外側のより長いノブ18を含む少なくとも1列のノブがある。これらのノブは、好ましくは荷を降ろした状態のときに幅B’を有することができ、幅B’は、物品用の台13の幅Bくらいだけに相当する。追加の手段として、箱底開口部4のリム19は、この場合、下方に曲げられてV字形、または20に示されているように丸い形にすることができる。この種の手段のおかげで、箱底開口部4の領域内の箱底3の剛性が高まるだけでなく、ノブ構造16を追加的に案内することもでき、ノブ構造16は、図9によれば、入れ子式グリッパピンDが持ち上げられ、その後箱底開口部4を通過したときに、物品Cの下側で広がり、入れ子式グリッパピンDの物品用の台13上に配置された物品Cの不安定な位置をある程度安定させるのに役立つこともできる。さらに、フランク部15cは安定した輸送位置をもたらすのに役立つ。図9で物品Cが収納箱2に運ばれ箱底3に降下されたときに、ノブ構造のノブ17、18は、入れ子式グリッパピンDがその後に降下されると、箱底を下方へわずかに滑り抜ける。
【0040】
図10は図9のノブ構造16を示し、ノブ構造16は、例えば降ろされるべき物品Cを持ち上げるときに、物品Cの荷重を受けて幅B1に変形している。この幅B1は、箱底開口部4の幅Wより明確に大きくすることができる。フランクF(または図10には示されていない押さえ装置N)にも同様の例えば半屈曲性ノブ構造16’を設けることができ、半屈曲性ノブ構造16’は、物品支持要素として働くとともに荷重を受けて上に広がり、圧力を分散させ、摩擦を増大させる。ノブ構造16、16’の代わりに、主としてかすり傷または損傷に関する物品のより優れた保護を得るために、異なる圧力を分散させかつ/または摩擦を増大させる、例えば可撓性要素が使用されてもよい。
【0041】
図11および図12は、オーダピッキング倉庫K用の収納箱2の詳細な変形形態を示す。この場合、箱底部分3は箱底部分の隅21で下方に面取りされていて、下側に設けられかつほぼ同じ高さである面取りされたフランジ21’が箱底開口部4に傾斜した態様で入るのを可能にする。この場合、収納箱2は、例えば、それぞれが物品の深さに相当する2つの部分に細分され、すなわち、箱底部分3が、各垂直柱1に、例えば上方を向いているサイドアングルブラケット5によって固定される。面取りされたフランジ21’は、面取りされたフランジ21’が連続した高さになるように角隅で切ることによって適切に形成される。
【0042】
最初に入れ子式グリッパピンDの物品用の台13に傾斜した位置で置かれている物品の安定した輸送位置を確立するために使用される図1および図7に略記されている押さえ装置Nは、フランクFが省略されうるので、収納箱を全幅にわたって最大限活用するという追加の利点を提供する。しかしながら、入れ子式グリッパピンDを支援するためにフランクFと押さえ装置Nを両方使用することが、非常によく考えられる。
【0043】
図4および図5では、入れ子式グリッパピンDは積荷ピックアップ装置Mに対して両側に伸縮されうるにしても、各操作側に別個の入れ子式グリッパピンDを有する実施形態(図示せず)を提供することも可能かもしれない。このことは押さえ装置Nおよび/またはフランクFにも同じように該当し、押さえ装置Nおよび/またはフランクFは、随意に両側に延長することができる、あるいは、積荷ピックアップ装置Mにそれぞれ2つずつ設けることができる。
【0044】
オーダピッキング倉庫Kのそれぞれ使用されるハイラックは、この場合は例示的に単一位置ラックシステムであり、すなわち、単一物品Cを各収納箱の横断方向に1つだけ在庫することができる。最も異なる形態の物品またはパッケージにもかかわらず、前記オーダピッキング倉庫は、積載装置を戻すために追加の搬送技術が必要ないように、積載装置を用いずに、すなわち、パレット、トレイ、コンテナなどを用いずに操作することができる。フランクF間の距離は変化しうるので、フランクFは、物品Cまでの横方向距離をできるだけ小さく保つように予め設定することができ、このような距離は、安定した輸送位置を設定するためにすぐに架橋される。
【0045】
ラックサービングユニットGは、複数の物品形態およびカテゴリ、例えば最も多様な飲料容器を管理することができる。閾値は箱底開口部4の幅で見られる。この種の物品は、例えば、12個入りの半開き板紙コンテナ内のテトラパック、ホイルと一体に溶接されたPETボトル6本入りパック、ワインボトルの板紙、物品の一体化部分としての自己支持形硬質プラスチックトレイ上の8個の2本入りCoke(コカコーラ)パックのPETボトルパッケージ、Fridge Mates(フリッジメート)、すなわち2列の約12個の飲料缶の縦板紙、従来の返却可能なビール用クレート、一般的な従来の返却可能な飲料用クレート、物品の一体化部分としての開放板紙キャリア内の缶詰食品の缶もしくはジャー、などである。
【0046】
物品の在庫は、オーダピッキング倉庫Kの主要機能ではないが、例えば、混合されたパレットを全自動でオーダピッキングおよび類別するために、物品を別個にまたは必要に応じてグループで利用できるようにする。入れ子式グリッパピンDを有する積荷ピックアップ装置Mは、ラックサービングユニットGと共には使用できないが、非常に一般的な産業用ロボットタイプ、例えば、ポータルタイプ、またはSCARA(すなわち座屈アーム)もしくはデルタタイプに関して、多様なタイプのロボットと共に使用することができる。オーダピッキング倉庫Kおよび/またはラックサービングユニットGは、食品飲料産業で使用できるだけでなく、多様な目的の自動ハンドリングにも使用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1…垂直柱、2…収納箱、3…開放箱底、4…箱底開口部、5…サイドアングルブラケット、6、7’、9、10…二重矢印、7…追加の昇降機構、8…駆動部、8’…側面支持要素、11a〜11c…ベルトコンベヤ、バンドコンベヤ、12…プラットホーム、13…台、支持台、13a〜13c…物品台部分、14…キャリア、15a〜15c…部分、16、16’…半屈曲性ノブ構造、16a…主要部、16b…中心部、16c…端部、17…内側のノブ、18…外側のより長いノブ、19…リブ、21…隅、21’…面取りされたフランジ、C…物品、D…入れ子式グリッパピン、F…フランク、G…ラックサービングユニット、K…オーダピッキング倉庫、M…積荷ピックアップ装置、N…押さえ装置、R…伸縮方向、T…物品輸送グリッパ、W…幅、W1…横断寸法
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載のラックサービングユニット、および請求項11の前文に記載のオーダピッキング倉庫に関する。
【背景技術】
【0002】
実践から知られるようなオーダピッキングストアまたはシステムでは、ラックサービングユニットは、ラックまたはラック通路内に全自動または半自動で移動しており、収納箱または区画は、在庫としてもっているべき物品の複数の寸法に対する単純な深さをもつ。ラックサービングユニットは、物品を所定の収納箱に積み込むとともに、これらの物品を周囲の搬送ユニットに送出するために、所定の収納箱から物品、例えば、個々のオーダピッキングに対して注文された物品を取り出す。既知のラックサービングユニットは、従来のロボットに広く対応するが、自由度、作業半径および空間、運動学などの技術的明細事項に関して、従来のロボットとは全く異なる。物品を利用できるようにするパッケージまたはハンドリングユニットがあまりに多くの側面をもち且つ敏感すぎ、棚、箱、トレイなどの運送設備または積込み設備が使用されることがない場合、物品を取り扱うのは、ますます複雑になってきている。例えば50を超える形態のパッケージを取り扱うための、および/またはパッケージの設計および形状の変化に適応できるようにするためのラックサービングユニットを開発するのは困難であるかまたはほとんど不可能である。このような場合、グリッパ交換システムが、小さい作業スペースを有するロボットに通常は使用される。しかしながら、積荷ピックアップ装置の大きい作業スペース及びかさのせいで、このことは、ラックサービングユニットに対してほとんど不可能である。実際には、積荷ピックアップ装置のない自動オーダピッキング倉庫は、現在、小包、すなわち滑らかで安定した表面及び四角い形状だけを有するパッケージしか処理することができない。さらに、パッケージの滑り摩擦係数および静止摩擦係数は、ラックサービングユニットが、かかるパッケージを積荷ピックアップ装置によって技術的に理解可能な半自動または全自動態様で取り扱うことができるようにするために、低くする必要がある。
【0003】
経験から、Beewen Companyの製品ラベル表示BEELAGを有しかつ積荷ピックアップ装置を具備するラックサービングユニットが知られており、積荷ピックアップ装置のフォーク状の積荷輸送グリッパは、伸縮方向に関して横方向に離間された2つの平行なベルトコンベヤを具備しており、ベルトコンベヤが、箱の底の開口部の下に位置付けられ、ベルトコンベヤ上にある物品をベルトコンベヤの下側で積み、収納箱からこれらの物品を取り出し、物品をピックアップ装置の静止したベルトコンベヤに載せるまで、ピックアップ装置に対して前記ピックアップ装置の片側に向かって伸縮する。前記物品輸送グリッパのそれぞれが積荷ピックアップ装置の片側でしか入ったり出たりすることができないので、反対側に設けられた収納箱を出したり操作したりするために反対方向に伸縮されうる別の物品輸送グリッパが必要である。前記物品輸送グリッパのそれぞれの2つのベルトコンベヤは、積まれた物品または把持された物品が、前記収納箱の内外に輸送されるときにベルトコンベヤ上で安定した位置をとることができるように、互いに離間される。しかしながら、ベルトコンベヤ間のスペースは箱底の極端に広い開口部を占めており、したがって、前記箱底は両側に設けられた狭いブレードによって形成されるにすぎない。そういうわけで、物品は、積載装置(板紙、コンテナ、トレイなど)を用いてしか取り扱われることができず、したがって、望ましくない大きな追加の努力を必要とするとともに、オーダピッキング倉庫の能力を減少させる。
【0004】
本発明は、複数の物品が一度に取り扱われている場合でも積載装置を用いずに物品を取り扱うためのラックサービングユニットまたはオーダピッキング倉庫を提供する目的に基づいている。この目的の一部は、ラックサービングユニットを改変せずにかつさらなる積載装置を必要とせずに、特に飲料用の多種多様な包装カテゴリまたはパッケージカテゴリ、例えば、12個入りの半開き板紙コンテナ内のテトラパック、ホイルと一体に溶接されたボトル6本入りパック、ワインボトルの板紙、一体化された自己支持形硬質プラスチックトレイを有する8個の2本入りCoke(コカコーラ)パックのPETボトルパッケージ、2列の約12個の飲料缶の縦板紙の形をとるFridge Mate(フリッジメート)パッケージ、従来の返却可能なビール用クレート、一般的な従来の返却可能な飲料用クレート、開放板紙キャリア内の缶詰食品の缶もしくはジャーを含むパッケージ、などを取り扱うことである。
【発明の概要】
【0005】
この目的は、請求項1の特徴および請求項11の特徴によって解決される。
【0006】
この解釈によれば、伸縮方向の輸送機能に加えて、入れ子式グリッパピンは物品のための狭い台または支持体による支持機能を満たし、すなわち、共にフランクおよび/または押さえ装置の支援によって側面からおよび/または上方から安定化される。物品用の入れ子式グリッパピンの狭い台のために、入れ子式グリッパピンは、積載装置の支援なしに物品を安定した態様で受け入れる収納箱の狭い箱底開口部の決定的な優位性とあいまって、多種多様の包装カテゴリおよびパッケージカテゴリを取り扱うのに向いている。物品の伸縮方向のあらゆる動きは、入れ子式グリッパピンおよびフランクとともに行われて、安定した輸送位置および/または押さえ装置をそれぞれ確保する。作業するとき、ラックサービングユニットは、収納箱またはラックに困難なまたは複雑な構造が設けられていない状態で、1つの物品またはいくつかの物品またはパッケージを一度にかつ積載装置によって支援されることなくすぐに取り扱うことができ、箱底開口部の幅だけによって制限される複数の、例えば、飲料パッケージを扱うことができる。積載装置は必要ないので、積載装置を戻すための追加のコンベヤ技術も必要ない。
【0007】
この目的のために、積荷ピックアップ装置は、好ましくは前記入れ子式グリッパピンから隔てられた横のスペースと同等の入れ子式グリッパピンの両側に、平行なベルトコンベヤまたはバンドコンベヤを備え、1つまたは複数の前記ベルトコンベヤまたはバンドコンベヤはそれぞれ、伸縮方向に個々にまたは連結された態様で駆動することができ、該当する場合に交互に配置される。連続的に配置されるベルトコンベヤまたはバンドコンベヤの妥当な数は、連続的にラックに保管されかつ入れ子式グリッパピンによって一度に取り扱われうる物品の数に相当する。前記物品のそれぞれが前記ベルトコンベヤ上の安定した位置を見出すことになる。さらに、必要になった場合、かかるベルトコンベヤまたはバンドコンヤは、物品を除去するまたは物品に入る間の動きの最後の段階または最初の段階中に、入れ子式グリッパピンを支援する。前記入れ子式グリッパピンの両側に伸縮方向に連続的に配置された前記ベルトコンベヤまたはバンドコンベヤのうちの1つまたは複数は、1つまたは複数の物品が積荷ピックアップ装置上に一時的に保管されるかまたは積み重ねられることを可能にする。その上、かかるベルトコンベヤまたはバンドコンベヤは、オーダピッキングまたは在庫中に物品を周辺のコンベヤ装置に運ぶために使用することができる。
【0008】
オーダピッキング倉庫は、積載装置を用いずに多様な形のパッケージまたは物品に使用することができ、例えば、非常に小さい箱底開口部を有する収納箱を含む単純なハイラックを備え、したがって、ラック構造内での高い技術的自由度を可能にし、すなわち、入れ子式グリッパピンの長さの物理的実現性に単に依存する箱の深さも可能にする。オーダピッキング倉庫は、周囲の搬送装置およびオーダピッキング装置への送達時に、注文された物品の迅速な問題のない在庫および個々のオーダピッキングを可能にする。
【0009】
ラックサービングユニットは、ラック通路内を水平に移動することができ、したがって、ラックレベルまたは、多くの用途では複数のラックレベルを操作することができる。垂直移動は、実質的に、ラックサービングユニットに沿って垂直に移動されうる昇降装置によって実行される。昇降装置には、本発明の場合と同様に、一方では輸送されるべき物品を受け入れかつ保管するために、他方では輸送されるべき物品をラックサービングユニット上に安定した態様で保管するために働く、1つまたは複数の積荷ピックアップ装置を備えることができる。受入れおよび保管は、入れ子式グリッパピンおよびフランク、および/または安定した輸送位置を確保する押さえ装置によって実行される。前記ラックサービングユニット上での安定した位置付けは、前記入れ子式グリッパピンに加えて、搬送装置または預かり装置によって実行される。
【0010】
入れ子式グリッパピンは、対応する動きを利用することにより、ラックサービングユニット自体のところで昇降装置を相対的に昇降されるかもしれないにしても、入れ子式グリッパピンは、前記昇降装置に対して持ち上げるまたは降下することができ、適切な実施形態によれば、高性能が要求される。この目的のために、物品を担持することができる追加の昇降機構は、前記昇降装置と前記入れ子式グリッパピンとの間に設けることができる。物品を保管したり除去したりするために、昇降装置は、事前に箱底に関して方向づけることができる。物品を除去するために、入れ子式グリッパピンは、箱底開口部の下方に降ろされ伸縮され、次いで、物品が箱底から持ち上げられているまで持ち上げられ、入れ子式グリッパピンは、1つまたは複数の物品をフランクおよび/または押さえ装置によって収納箱から積荷ピックアップ装置に直接移動させることができる。物品を保管するために、物品は、前記入れ子式グリッパピン上にかつ前記入れ子式グリッパピンによって持ち上げられ、箱底開口部の領域内で収納箱の中へ伸縮され、次いで、物品が箱の底に載るまで降下され、1つまたは複数の物品は、このような保管プロセス中に、フランクおよび/または押下げ装置によって安定化させることができる。
【0011】
特に適した実施形態は、同一の個々の入れ子式グリッパピンが、積荷ピックアップ装置を基準として随意に両側に向かって伸縮されることができ、好ましくは、引込み状態のときに、物品が周囲のコンベヤ装置にピックアップまたは送達されている間に妨げとならないように、前記積荷ピックアップ装置のプラットホームの外面形状とほぼ同一平面上にあることを特徴とする。しかしながら、このことは、昇降装置に2つの逆向きに動作する入れ子式グリッパピンを設けるという概念によって除外されるべきでない。
【0012】
適切な一実施形態では、2つの入れ子式フランクが入れ子式グリッパピンに対して対称的に設けられ、2つの入れ子式フランクは、例えば、前記入れ子式グリッパピンと共に同調して駆動され、それぞれが前記入れ子式グリッパピン上での安定した輸送位置を可能にする。種々の幅の物品を取り扱う場合、フランクは、伸縮方向に関して横方向に調整することができ、または横方向に調整可能な物品支持要素が設けられる。フランクは、入れ子式グリッパピンが昇降される、または昇降された後である場合に、接触した状態になる。
【0013】
別法としてまたは追加として、入れ子式押さえ装置は設けられて、積荷ピックアップ装置に垂直方向に設けられ調整可能に配置されるか、または垂直方向に調整可能な少なくとも1つの物品支持要素を装備される。押さえ装置または押さえ装置の物品支持要素は、入れ子式グリッパピンが1つまたは複数の物品を拾い上げることができるように持ち上がっている間にまたはその後で、好都合に降下される。物品をラックアップするとき、前記物品に作用する押さえ装置は、入れ子式グリッパピンが降下されている間に静止したままとすることができ、または、物品が箱の底上に位置付けられるまで安定した輸送位置を可能にするように降下することもできる。
【0014】
適切な一実施形態では、前記積荷ピックアップ装置において互いに対向するベルトコンベヤまたはバンドコンベヤのうちの2つがそれぞれ、入れ子式グリッパピンの両側に運動連結対を形成する。この目的のために、共通の運動可逆性駆動部を前記対に設けることができ、または、2つの連結された運動可逆性駆動部をそれぞれ1つのベルトコンベヤまたはバンドコンベヤに設けることができる。
【0015】
適切な一実施形態では、少なくとも1つのキャリアが、入れ子式グリッパピンに、かつ/または少なくとも1つのフランクに、かつ/または押さえ装置に設けられ、少なくとも1つのキャリアは、物品把持設定と受動的設定との間で切換え可能である。物品把持設定では、キャリアは、物品またはパッケージが入れ子式グリッパピンの端部から抜け出る可能性があるのを防止する。
【0016】
別の適切な実施形態では、前記入れ子式グリッパピンおよび/またはフランクおよび/または押さえ装置の物品用の台または支持体には、可撓性材料のノブ構造、好ましくは少なくとも1列の半屈曲性材料のノブが設けられる。前記ノブ構造は、特に入れ子式グリッパピンと物品との間で物品に作用する圧力分布を改善するか、またはかすり傷によって引き起こされる物品の損傷を防止するように機能することができ、同時に、物品に作用する摩擦を極度に増大させることもでき、したがって、物品は、箱の底と接触しているかまたは軽く接触しているときでも、なんとか挿入されたり引き出されたりすることができる。
【0017】
台または支持体に載っている物品の不安定性を減少させるために、ノブ構造、特に入れ子式グリッパピン上に設けられたノブ構造は、柔軟に再設定可能とすることができ、ノブ構造が、荷を降ろした状態のときに、伸縮方向に対して横方向に物品用の台または支持体の幅くらいに相当する幅を占めるが、荷を積んだ状態のときには、前記幅より有意に大きい幅に切換え可能となるような態様で設計され配置されることができる。入れ子式グリッパピンの物品用の狭い台または支持体にもかかわらず、物品がノブ構造のおかげでわずかにより安定した態様で荷重を受けて支持されるけれども、箱底開口部は、オフロード再設定ノブ構造が、入れ子式グリッパピンが降下している間に狭い箱底開口部を容易に通過することができるので、物品用の台または支持体より広くする必要はない。
【0018】
適切には、物品用の台または支持体の幅は、好ましくは複数パートの入れ子式グリッパピンの端部および/または中間部において、ほぼ40mm〜150mm、優先的には80mm〜100mmである。箱底開口部の対応する幅のおかげで、入れ子式グリッパピンは、両側に数ミリメートルの自由空間しか必要とせず、したがって、比較的小さい横断寸法の物品もオーダピッキング倉庫内に安定した態様で在庫することができる。
【0019】
入れ子式グリッパピンが積荷ピックアップ装置に対して相対的に昇降されうる場合、このような移動を実行するために、前記積荷ピックアップ装置の大質量全体を移動させる必要はないが、積荷ピックアップ装置は、事前に箱底開口部に関して正確に位置付けることができる。1つまたは複数の物品を入れ子式グリッパピンで取り扱うかまたは操作するとき、前記少なくとも1つの入れ子式フランクおよび/または前記少なくとも1つの入れ子式押さえ装置は、物品用の前記台または支持体上での物品の安定した輸送位置を与えるのに役立ち、前記フランクまたは前記押さえ装置はそれぞれ、伸縮方向に関して横方向に移動可能である。したがって、前記物品のそれぞれが、少なくとも2つの領域内で、好ましくは3つ以上の領域内で一度に把持される。
【0020】
オーダピッキング倉庫の適切な一実施形態では、箱底開口部のリムは、ほぼV字形に丸いまたは角面取り態様で下方に曲げられる。この手段は、開口部のリムの領域内の箱底を剛性化するように機能するだけでなく、入れ子式グリッパピンの物品用の台または支持体にノブ構造などの柔軟構造が装備されている場合に特に有用であり、柔軟構造は、荷を積んだ状態のときよりも荷を降ろした状態のときに、丸みまたは角度により、入れ子式グリッパピンを降下させる間により小さい幅をとる。
【0021】
別の剛性化手段は、箱底開口部を限定する箱底の隅を下方に曲げることである。このことは、それぞれの収納箱が伸縮方向に複数の部分に細分されたときに特に有用となりうる。
【0022】
オーダピッキング倉庫の重要な特徴は、積載装置なしの、異なるカテゴリおよび/またはサイズのかつ少なくとも箱底開口部の幅に相当する横断寸法のパッケージ、特にボトルパッケージであって、それぞれが前記少なくとも1つのフランクおよび/または前記少なくとも1つの押さえ装置の入れ子式グリッパピンによって支援される、パッケージが、積載装置を用いずに管理されうることである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】例えば物品を取り扱う間の、少なくとも1つの収納箱および1つのラックサービングユニットを備えるオーダピッキング倉庫の概略図である。
【図2】異なるサイズおよび/またはカテゴリのスケッチされた物品またはパッケージを有する、開放箱底をもつ収納箱の正面図である。
【図3】2つの物品が順に在庫された状態の収納箱の平面図である。
【図4】基本位置にあるラックサービングユニットの概略図である。
【図5】物品取扱い位置にある図4のラックサービングユニットを示す図である。
【図6】在庫物品がラックサービングユニットによって除去される直前の取扱い段階での収納箱の正面図である。
【図7】物品が収納箱内で安定した輸送位置に持ち上げられた状態の後続の取扱い段階を示す図である。
【図8】2つの物品が収納箱からラックサービングユニットに運ばれた状態の別の後続の取扱い段階の平面図である。
【図9】ラックサービングユニットの別の実施形態での別の取扱い段階を示す図である。
【図10】ラックサービングユニットの別の実施形態に対する、図7の取扱い段階に対応する取扱い段階を示す図である。
【図11】収納箱の詳細な変形形態の概略図である。
【図12】図11の収納箱の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の主題の実施形態について図面において説明する。
【0025】
図1は、物品Cを取り扱う間の、破線で示されている少なくとも1つの収納箱または区画2、例えばハイラックの前にラックサービングユニットGを備える、例えば食品産業や飲料産業におけるオーダピッキング倉庫Kの主要構成要素を示す。
【0026】
本発明は、オーダピッキング倉庫KとラックサービングユニットGの両方を備える。
【0027】
各収納箱2は開放箱底3を有する収納箱である。すなわち、2つの箱底半分がそれぞれ垂直柱1に固定され、2つの箱底半分のほぼ中央に、縦スロットの形をとりかつ幅Wを有する箱底開口部4を限定する。これらの箱底半分はそれぞれ、少なくとも1つの垂直柱1に、例えばサイドアングルブラケット(side angle bracket)5によって係止され、少なくとも1つの物品Cまたは複数の物品Cを在庫するように機能し、すなわち、前記収納箱2のそれぞれが、物品Cの通常の深さまたは2倍もしくは複数倍の深さに相当する深さとすることができ、各物品Cは、箱底開口部4の幅Wより大きい幅方向の横断寸法W1であり、積載装置を用いずに利用される。
【0028】
例えばフロア上で移動されうるラックサービングユニットGは積荷ピックアップ装置Mを備え、積荷ピックアップ装置Mは、プラットホームとほとんど同じものであり、ラックサービングユニットGにおいて二重矢印6の方向に上下移動することができる。積荷ピックアップ装置Mには少なくとも1つの物品輸送グリッパTが設けられ、物品輸送グリッパTは、図面に対して垂直に伸縮させることができ、好ましくは、物品を支持する追加の昇降機構7を用いて積荷ピックアップ装置Mに対して二重矢印7’の方向に昇降することができる。本発明によれば、物品輸送グリッパTは入れ子式グリッパピンDであり、入れ子式グリッパピンDは、好ましくは積荷ピックアップ装置Mに入れ子式態様で、好ましくは積荷ピックアップ装置Mのほぼ中心に配置され、最上部に、箱底開口部4の幅Wよりわずかに小さい幅Bの物品用の台または支持体13を有する。
【0029】
図1に示されているラックサービングユニットGの実施形態によれば、フランクF、この場合は複数パートのフランクが、例えば側面支持要素8’に、入れ子式グリッパピンDに関して対称にかつ前記入れ子式グリッパピンDに同調して入れ子式に当てられ、入れ子式グリッパピンDは、追加の駆動部8によって二重矢印9の方向に伸縮方向に対して横方向に調整することができる。前記フランクFに対する代替または追加して、二重矢印10の方向に昇降されうる少なくとも1つの押さえ装置Nを入れ子式グリッパピンDの上方あたりに設けることができる。さらに、積荷ピックアップ装置Mには、少なくとも1対のベルトコンベヤまたはバンドコンベヤ11a、11bが設けられ、その場合、共通の方向可逆駆動部または2つの回転連結される運動可逆駆動部(図示せず)が、前記ベルトコンベヤまたはバンドコンベヤ11a、11bを伸縮方向に駆動するために設けられる。追加の昇降機構7およびベルトコンベヤまたはバンドコンベヤ11a、11bならびに支持要素8’(支持要素8’には、利用可能な場合、押さえ装置Nが配置される)は、積荷ピックアップ装置Mのプラットホーム12に配置される。
【0030】
入れ子式グリッパピンDの物品用の台または支持体13の幅は、例えば約40mm〜150mmであり、優先的には約80mm〜100mmである。
【0031】
図2は、2つの箱底半分によって形成された箱底3を含む収納箱2を示しており、箱底半分は、サイドアングルブラケット5を介して垂直柱1に係止され、中心にある箱底開口部4を限定する。異なる形状およびサイズならびにカテゴリの複数の物品Cが収納箱2内に指示またはスケッチされている。箱の開口部4は入れ子式グリッパピン用である。箱底開口部は、在庫されるべき物品の形状およびサイズの多様性をできるだけ少なく限定するように、できるだけ狭くする。
【0032】
図3は、2つの連続的に在庫された物品Cの少なくとも通常の深さに相当する深さの収納箱2の平面図である。しかしながら、収納箱2は、入れ子式グリッパピンDの長さの物理的実現可能性だけに依存する任意の深さとすることができる。入れ子式グリッパピンDおよびフランクFあるいはピックアップ装置Mの片側にある押さえ装置Nの伸縮方向は、二重矢印Rで示されている。
【0033】
図4は、積荷ピックアップ装置Mが開始位置にあるラックサービングユニットGの平面図である。引っ込められた入れ子式グリッパピンDは、フランクFと同様に(押さえ装置は図示されていない)、積荷ピックアップ装置Mの輪郭とほぼ一致する。入れ子式グリッパピンDは、積荷ピックアップ装置の中心に配置される。バンドコンベヤまたはベルトコンベヤ(この場合、2対11a、11b;11c、11d)は、それぞれ伸縮方向Rに順に配置され、両側に、フランクF内の入れ子式グリッパピンDから離間され、それぞれ対で独立して駆動することができる。
【0034】
図4に示されている入れ子式グリッパピンDは、収納箱を両側で随意に操作するために、積荷ピックアップ装置Mの両側に向かって伸縮することができ、例えば、わずかに大きい主要部16a、わずかに小さい中心部16b、およびさらに小さい端部16cを含み、それぞれが場合により異なる幅の物品台部分13a、13b、13cを有する。フランクFは、複数の部分15a、15b、15c、ならびに場合によりまたは代わりに設けられた押さえ装置N(図示せず)(図1)も含む。少なくとも1つの端部16cには、受動的設定と物品把持設定との間で切り換えることができるキャリア14が図4に設けられる。別法としてまたは追加として、この種の切換え可能なキャリア14は、前記フランクFのうちの1つまたはそれぞれの部分15cまたは押さえ装置N(図示せず)の部分15cに設けることができる。
【0035】
図5は、入れ子式グリッパピンDが入れ子式グリッパピンDの最大限に延長され、フランクFが同調して延長された状態のラックサービングユニットまたはラックサービングユニットの積荷ピックアップ装置Mを示し、少なくともフランクFの部分15cが、二重矢印9の方向の伸縮方向に関して横方向に調整されうるか、または横方向に調整可能な物品支持要素(図示せず)を含むことができる。
【0036】
図6は、物品Cが在庫されている収納箱2から物品Cが除去される直前の物品操作段階または取扱い段階を示す。入れ子式グリッパピンDは、箱底開口部4の下で完全に延長され位置付けられる。キャリア14は受動的位置にある。フランクFもまた、端部15cが、例えば物品Cの側壁の両側に配置されるように、同調して延長される。入れ子式グリッパピンDおよびフランクFは、それに対応して、1つまたは複数の物品が降ろされなければならないかどうかに応じてある程度延長される。
【0037】
図7による以下の動作段階では、入れ子式グリッパピンDは、箱底開口部4を通って矢印7’の方向に持ち上げられ、その結果、物品用の台または支持体13に載っている物品Cはやや不安定な位置で把持される。キャリア14は物品把持設定に切り換えられている。フランクFの端部15cは、物品Cの側壁に対して矢印9の方向に保持されて、物品用の台または支持体13上での物品Cの安定した輸送位置を確保するようにする。別法としてまたは追加として、押さえ装置Nは、入れ子式グリッパピンDと押さえ装置Nとの間に安定した輸送位置を与えるために、物品Cの上面に降下される。物品Cは箱底3から持ち上げられる。入れ子式グリッパピンDは、箱底開口部4の中または箱底開口部4の上方に位置付けられる。フランクFの部分15cは、入れ子式グリッパピンDが物品を図7による持ち上げられた位置まで運ばれるとすぐに、またはそれより前に、横方向に物品Cと接触して置くことができ、後者の場合、部分15cは持上げ運動に追従する、または、物品Cの側壁は部分15cに沿って上昇する。入れ子式グリッパピンDは、フランクFおよび/または押さえ装置Nとは独立して制御することができる。
【0038】
図8では、図7による安定した輸送位置で把持された前記1つの物品C(または2つ以上の物品C)は、入れ子式グリッパピンDおよびフランク(または押さえ装置N)を用いて引っ込めることにより、ラックサービングユニットGの積荷ピックアップ装置Mに運ばれている。物品Cは、前記ベルトコンベヤまたはバンドコンベヤ11a〜11cによって積荷ピックアップ装置M上に分配されている。この場合は2物品の深さの収納箱2が片付けられている。ラックサービングユニットGがハイラック間の通路またはハイラックの前の通路内で移動されるべき場合、前記フランクFおよび/または前記押さえ装置Nの圧力を受けて安定化されたそれぞれの物品を保持するのに有用であり、したがって、ラックサービングユニットGを駆動するときにより高い加速度を可能にすることができる。必要なら、入れ子式グリッパピンD(および傾斜に対する支持体)は、複数の物品Cを一度に操作するかまたは取り扱うことができる。
【0039】
図9は、物品用の入れ子式グリッパピンDの台13の上面に半屈曲性ノブ構造16が少なくとも部分的に設けられている、入れ子式グリッパピンDの改善された実施形態を示しており、半屈曲性ノブ構造16は、例えば、物品Cでの圧力の分布を改善するために、例えばかすり傷による物品への損傷を防ぐために、同時に、物品に対する摩擦を強力に増大させるために、好都合となりうる。例えば、図9によれば、内側のノブ17および外側のより長いノブ18を含む少なくとも1列のノブがある。これらのノブは、好ましくは荷を降ろした状態のときに幅B’を有することができ、幅B’は、物品用の台13の幅Bくらいだけに相当する。追加の手段として、箱底開口部4のリム19は、この場合、下方に曲げられてV字形、または20に示されているように丸い形にすることができる。この種の手段のおかげで、箱底開口部4の領域内の箱底3の剛性が高まるだけでなく、ノブ構造16を追加的に案内することもでき、ノブ構造16は、図9によれば、入れ子式グリッパピンDが持ち上げられ、その後箱底開口部4を通過したときに、物品Cの下側で広がり、入れ子式グリッパピンDの物品用の台13上に配置された物品Cの不安定な位置をある程度安定させるのに役立つこともできる。さらに、フランク部15cは安定した輸送位置をもたらすのに役立つ。図9で物品Cが収納箱2に運ばれ箱底3に降下されたときに、ノブ構造のノブ17、18は、入れ子式グリッパピンDがその後に降下されると、箱底を下方へわずかに滑り抜ける。
【0040】
図10は図9のノブ構造16を示し、ノブ構造16は、例えば降ろされるべき物品Cを持ち上げるときに、物品Cの荷重を受けて幅B1に変形している。この幅B1は、箱底開口部4の幅Wより明確に大きくすることができる。フランクF(または図10には示されていない押さえ装置N)にも同様の例えば半屈曲性ノブ構造16’を設けることができ、半屈曲性ノブ構造16’は、物品支持要素として働くとともに荷重を受けて上に広がり、圧力を分散させ、摩擦を増大させる。ノブ構造16、16’の代わりに、主としてかすり傷または損傷に関する物品のより優れた保護を得るために、異なる圧力を分散させかつ/または摩擦を増大させる、例えば可撓性要素が使用されてもよい。
【0041】
図11および図12は、オーダピッキング倉庫K用の収納箱2の詳細な変形形態を示す。この場合、箱底部分3は箱底部分の隅21で下方に面取りされていて、下側に設けられかつほぼ同じ高さである面取りされたフランジ21’が箱底開口部4に傾斜した態様で入るのを可能にする。この場合、収納箱2は、例えば、それぞれが物品の深さに相当する2つの部分に細分され、すなわち、箱底部分3が、各垂直柱1に、例えば上方を向いているサイドアングルブラケット5によって固定される。面取りされたフランジ21’は、面取りされたフランジ21’が連続した高さになるように角隅で切ることによって適切に形成される。
【0042】
最初に入れ子式グリッパピンDの物品用の台13に傾斜した位置で置かれている物品の安定した輸送位置を確立するために使用される図1および図7に略記されている押さえ装置Nは、フランクFが省略されうるので、収納箱を全幅にわたって最大限活用するという追加の利点を提供する。しかしながら、入れ子式グリッパピンDを支援するためにフランクFと押さえ装置Nを両方使用することが、非常によく考えられる。
【0043】
図4および図5では、入れ子式グリッパピンDは積荷ピックアップ装置Mに対して両側に伸縮されうるにしても、各操作側に別個の入れ子式グリッパピンDを有する実施形態(図示せず)を提供することも可能かもしれない。このことは押さえ装置Nおよび/またはフランクFにも同じように該当し、押さえ装置Nおよび/またはフランクFは、随意に両側に延長することができる、あるいは、積荷ピックアップ装置Mにそれぞれ2つずつ設けることができる。
【0044】
オーダピッキング倉庫Kのそれぞれ使用されるハイラックは、この場合は例示的に単一位置ラックシステムであり、すなわち、単一物品Cを各収納箱の横断方向に1つだけ在庫することができる。最も異なる形態の物品またはパッケージにもかかわらず、前記オーダピッキング倉庫は、積載装置を戻すために追加の搬送技術が必要ないように、積載装置を用いずに、すなわち、パレット、トレイ、コンテナなどを用いずに操作することができる。フランクF間の距離は変化しうるので、フランクFは、物品Cまでの横方向距離をできるだけ小さく保つように予め設定することができ、このような距離は、安定した輸送位置を設定するためにすぐに架橋される。
【0045】
ラックサービングユニットGは、複数の物品形態およびカテゴリ、例えば最も多様な飲料容器を管理することができる。閾値は箱底開口部4の幅で見られる。この種の物品は、例えば、12個入りの半開き板紙コンテナ内のテトラパック、ホイルと一体に溶接されたPETボトル6本入りパック、ワインボトルの板紙、物品の一体化部分としての自己支持形硬質プラスチックトレイ上の8個の2本入りCoke(コカコーラ)パックのPETボトルパッケージ、Fridge Mates(フリッジメート)、すなわち2列の約12個の飲料缶の縦板紙、従来の返却可能なビール用クレート、一般的な従来の返却可能な飲料用クレート、物品の一体化部分としての開放板紙キャリア内の缶詰食品の缶もしくはジャー、などである。
【0046】
物品の在庫は、オーダピッキング倉庫Kの主要機能ではないが、例えば、混合されたパレットを全自動でオーダピッキングおよび類別するために、物品を別個にまたは必要に応じてグループで利用できるようにする。入れ子式グリッパピンDを有する積荷ピックアップ装置Mは、ラックサービングユニットGと共には使用できないが、非常に一般的な産業用ロボットタイプ、例えば、ポータルタイプ、またはSCARA(すなわち座屈アーム)もしくはデルタタイプに関して、多様なタイプのロボットと共に使用することができる。オーダピッキング倉庫Kおよび/またはラックサービングユニットGは、食品飲料産業で使用できるだけでなく、多様な目的の自動ハンドリングにも使用することができる。
【符号の説明】
【0047】
1…垂直柱、2…収納箱、3…開放箱底、4…箱底開口部、5…サイドアングルブラケット、6、7’、9、10…二重矢印、7…追加の昇降機構、8…駆動部、8’…側面支持要素、11a〜11c…ベルトコンベヤ、バンドコンベヤ、12…プラットホーム、13…台、支持台、13a〜13c…物品台部分、14…キャリア、15a〜15c…部分、16、16’…半屈曲性ノブ構造、16a…主要部、16b…中心部、16c…端部、17…内側のノブ、18…外側のより長いノブ、19…リブ、21…隅、21’…面取りされたフランジ、C…物品、D…入れ子式グリッパピン、F…フランク、G…ラックサービングユニット、K…オーダピッキング倉庫、M…積荷ピックアップ装置、N…押さえ装置、R…伸縮方向、T…物品輸送グリッパ、W…幅、W1…横断寸法
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に、開放箱底を有する物品収納箱(2)を含むハイラックのオーダパッキング倉庫(K)用の、とりわけ食品飲料産業向けのラックサービングユニット(G)であって、ほぼプラットホーム様の高さ調節可能でありかつラックサービングユニット(G)に設けられる積荷ピックアップ装置(M)を備え、前記積荷ピックアップ装置(M)が、少なくとも1つの物品(C)の下で把持するための、実質的に水平に且つラックサービングユニット(G)に対して伸縮されうる少なくとも1つの入れ子式輸送グリッパ(T)を含むラックサービングユニット(G)において、前記輸送グリッパ(T)が、不安定な輸送位置にある前記物品(C)の下で把持するための前記物品用の台(13、13a、13b、13c)を含む前記積荷ピックアップ装置(M)のほぼ中央に配置される単一の入れ子式グリッパピン(D)であり、前記物品(C)が前記入れ子式グリッパピン(D)によって把持されるための安定した輸送位置を設定するために、前記積荷ピックアップ装置(M)が、前記入れ子式グリッパピン(D)の側面に、前記入れ子式グリッパピン(D)の伸縮方向(R、R’)と実質的に平行な少なくとも1つの入れ子式フランク(F)、および/または、前記入れ子式グリッパピン(D)の上方の少なくとも1つの入れ子式押さえ装置(N)を有すること、ならびに、前記積荷ピックアップ装置(M)が、前記入れ子式グリッパピン(D)の両側に、それぞれ、前記入れ子式グリッパピン(D)の前記伸縮方向(R、R’)に駆動されうる1つまたは複数のベルトコンベヤまたはバンドコンベヤ(11a〜11d)を含むこと、を特徴とする、ラックサービングユニット(G)。
【請求項2】
物品を担持することができる追加の昇降機構(7)が、前記入れ子式グリッパピン(D)を前記積荷ピックアップ装置(M)に対して相対的に昇降させるために、前記積荷ピックアップ装置(M)と前記入れ子式グリッパピン(D)との間に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のラックサービングユニット。
【請求項3】
前記ベルトコンベヤまたはバンドコンベヤ(11a〜11d)が、前記入れ子式グリッパピン(D)から横のスペースによって隔てられること、および、好ましくは、少なくとも2つのベルトコンベヤまたはバンドコンベヤ(11a〜11d)がそれぞれ前記伸縮方向(R、R’)に連続的に配置されること、を特徴とする、請求項1に記載のラックサービングユニット。
【請求項4】
前記入れ子式グリッパピン(D)が、前記積荷ピックアップ装置(M)を基準として両側に対して随意に延長可能または引込み可能であり、好ましくは引込み状態のときに、前記積荷ピックアップ装置(M)の前記プラットホームの外面形状とほぼ一致することを特徴とする、請求項1に記載のラックサービングユニット。
【請求項5】
2つのフランク(F、15a〜15c)が前記入れ子式グリッパピン(D)に対して対称的に設けられ、前記積荷ピックアップ装置(M)のところで前記伸縮方向(R、R’)に関して横方向に調整することができ、かつ/または、横方向に調整可能な物品支持要素(16’)を含むことを特徴とする、請求項1に記載のラックサービングユニット。
【請求項6】
前記押さえ装置(N)が、前記積荷ピックアップ装置(M)のところで垂直方向に調整されうること、および/または、少なくとも1つの垂直方向に調整可能な物品支持要素を含むこと、を特徴とする、請求項1に記載のラックサービングユニット。
【請求項7】
前記入れ子式グリッパピン(D)の両側で対向する前記積荷ピックアップ装置(M)内の前記ベルトコンベヤまたはバンドコンベヤ(11a〜11c)のうちの2つがそれぞれ、好ましくは、共通の運動可逆性駆動部で、または、それぞれ2つの連結された運動可逆性駆動部で、運動連結対(11a、11b;11c、11d)を形成することを特徴とする、請求項3に記載のラックサービングユニット。
【請求項8】
前記入れ子式グリッパピン(D)および/または少なくとも1つのフランク(F、15a〜15c)および/または前記押さえ装置(N)のいずれかに、物品把持設定と受動的設定との間で切換え可能な少なくとも1つのキャリア(14)が設けられることを特徴とする、請求項1に記載のラックサービングユニット。
【請求項9】
前記入れ子式グリッパピン(D)および/または前記フランク(F、15a〜15c)および/または前記押さえ装置(N)の前記物品用の前記台(13、13a〜13c)のいずれかに、可撓性材料のノブ構造(16、16’)、好ましくは少なくとも1列の半屈曲性材料のノブが設けられることを特徴とする、請求項1に記載のラックサービングユニット。
【請求項10】
前記入れ子式グリッパピン(D)の前記物品用の前記台(13、13a〜13c)上の設けられた少なくとも1つのノブ構造(16)が、柔軟に再設定可能な態様で形成され、前記ノブ構造(16)が、荷を降ろした状態にあるときに、前記物品用の前記台(13、13a〜13c)の幅(B)くらいに相当する前記伸縮方向(R、R’)の幅(B’)を横方向にとり、荷を積んだ状態にあるときに、前記幅(B)より有意に大きい幅(B1)に適合できるように配置されることを特徴とする、請求項9に記載のラックサービングユニット。
【請求項11】
中央が開放している箱底(3)を有する物品収納箱(2)を含む少なくとも1つのハイラックと、とりわけ食品飲料産業において、特に物品を自動的にオーダピッキングおよび在庫するための、前記収納箱(2)の前で操作されうる少なくとも1つのラックサービングユニット(G)と、を備えるオーダピッキング倉庫(K)であって、前記ラックサービングユニット(G)が、高さ調節可能なプラットホーム様の物品担持要素(M)に設けられ且つ前記物品担持要素(M)に対してほぼ水平に伸縮する少なくとも1つの物品輸送グリッパ(T)を含み、前記物品輸送グリッパ(T)が、少なくとも1つの物品(C)の下げ把持することができ且つ前記箱底開口部(4)を通って昇降することができるオーダピッキング倉庫(K)において、前記物品輸送グリッパ(T)が単一の入れ子式グリッパピン(D)であり、前記単一の入れ子式グリッパピン(D)の前記物品用の台(13、13a〜13c)が、全く不安定な位置で前記物品(C)を支持するために、前記伸縮方向(R、R’)に関して横方向から見られると幅(B)であること、および、前記箱底開口部(4)が、前記物品の台(13、13a〜13c)の前記幅(B)よりほんのわずかに大きい幅(W)を有すること、を特徴とする、オーダピッキング倉庫。
【請求項12】
好ましくは、複数部分で形成された前記入れ子式グリッパピン(D)の端部および/または中間部(16b、16c)における前記物品用の前記台(13、13a〜13c)の幅が、40mm〜150mm、好ましくは80mm〜100mmであることを特徴とする、請求項11に記載のオーダピッキング倉庫。
【請求項13】
前記入れ子式グリッパピン(D)が、前記積荷ピックアップ装置(M)に対して上昇又は下降されうること、および、前記物品用の前記台(13、13a〜13c)上での前記物品(C)の安定した輸送位置を得るために、少なくとも1つの入れ子式フランク(F、15a〜15c)および/または少なくとも1つの入れ子押さえ装置(N)が前記収納箱の幅の中に前記積荷ピックアップ装置(M)に配置され、それぞれが前記伸縮方向(R、R’)に関して横方向に移動可能であること、を特徴とする、請求項11に記載のオーダピッキング倉庫。
【請求項14】
前記箱底開口部(4)のリム(19)が、ほぼV字形の形に下方に曲げられるまたは角面取りされていることを特徴とする、請求項11に記載のオーダピッキング倉庫。
【請求項15】
前記箱底(3)の前記箱底開口部(4)を限定する隅(21)が、下方に角度を付けた面取りフランジ(21’)を形成することを特徴とする、請求項11に記載のオーダピッキング倉庫。
【請求項16】
前記物品(C)が、異なるカテゴリおよび/またはサイズをもちかつ且つもつパッケージであり、積載装置を用いずに前記入れ子式グリッパピン(D)によって搬送されうることを特徴とする、請求項11〜15の少なくとも一項に記載のオーダピッキング倉庫。
【請求項1】
特に、開放箱底を有する物品収納箱(2)を含むハイラックのオーダパッキング倉庫(K)用の、とりわけ食品飲料産業向けのラックサービングユニット(G)であって、ほぼプラットホーム様の高さ調節可能でありかつラックサービングユニット(G)に設けられる積荷ピックアップ装置(M)を備え、前記積荷ピックアップ装置(M)が、少なくとも1つの物品(C)の下で把持するための、実質的に水平に且つラックサービングユニット(G)に対して伸縮されうる少なくとも1つの入れ子式輸送グリッパ(T)を含むラックサービングユニット(G)において、前記輸送グリッパ(T)が、不安定な輸送位置にある前記物品(C)の下で把持するための前記物品用の台(13、13a、13b、13c)を含む前記積荷ピックアップ装置(M)のほぼ中央に配置される単一の入れ子式グリッパピン(D)であり、前記物品(C)が前記入れ子式グリッパピン(D)によって把持されるための安定した輸送位置を設定するために、前記積荷ピックアップ装置(M)が、前記入れ子式グリッパピン(D)の側面に、前記入れ子式グリッパピン(D)の伸縮方向(R、R’)と実質的に平行な少なくとも1つの入れ子式フランク(F)、および/または、前記入れ子式グリッパピン(D)の上方の少なくとも1つの入れ子式押さえ装置(N)を有すること、ならびに、前記積荷ピックアップ装置(M)が、前記入れ子式グリッパピン(D)の両側に、それぞれ、前記入れ子式グリッパピン(D)の前記伸縮方向(R、R’)に駆動されうる1つまたは複数のベルトコンベヤまたはバンドコンベヤ(11a〜11d)を含むこと、を特徴とする、ラックサービングユニット(G)。
【請求項2】
物品を担持することができる追加の昇降機構(7)が、前記入れ子式グリッパピン(D)を前記積荷ピックアップ装置(M)に対して相対的に昇降させるために、前記積荷ピックアップ装置(M)と前記入れ子式グリッパピン(D)との間に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のラックサービングユニット。
【請求項3】
前記ベルトコンベヤまたはバンドコンベヤ(11a〜11d)が、前記入れ子式グリッパピン(D)から横のスペースによって隔てられること、および、好ましくは、少なくとも2つのベルトコンベヤまたはバンドコンベヤ(11a〜11d)がそれぞれ前記伸縮方向(R、R’)に連続的に配置されること、を特徴とする、請求項1に記載のラックサービングユニット。
【請求項4】
前記入れ子式グリッパピン(D)が、前記積荷ピックアップ装置(M)を基準として両側に対して随意に延長可能または引込み可能であり、好ましくは引込み状態のときに、前記積荷ピックアップ装置(M)の前記プラットホームの外面形状とほぼ一致することを特徴とする、請求項1に記載のラックサービングユニット。
【請求項5】
2つのフランク(F、15a〜15c)が前記入れ子式グリッパピン(D)に対して対称的に設けられ、前記積荷ピックアップ装置(M)のところで前記伸縮方向(R、R’)に関して横方向に調整することができ、かつ/または、横方向に調整可能な物品支持要素(16’)を含むことを特徴とする、請求項1に記載のラックサービングユニット。
【請求項6】
前記押さえ装置(N)が、前記積荷ピックアップ装置(M)のところで垂直方向に調整されうること、および/または、少なくとも1つの垂直方向に調整可能な物品支持要素を含むこと、を特徴とする、請求項1に記載のラックサービングユニット。
【請求項7】
前記入れ子式グリッパピン(D)の両側で対向する前記積荷ピックアップ装置(M)内の前記ベルトコンベヤまたはバンドコンベヤ(11a〜11c)のうちの2つがそれぞれ、好ましくは、共通の運動可逆性駆動部で、または、それぞれ2つの連結された運動可逆性駆動部で、運動連結対(11a、11b;11c、11d)を形成することを特徴とする、請求項3に記載のラックサービングユニット。
【請求項8】
前記入れ子式グリッパピン(D)および/または少なくとも1つのフランク(F、15a〜15c)および/または前記押さえ装置(N)のいずれかに、物品把持設定と受動的設定との間で切換え可能な少なくとも1つのキャリア(14)が設けられることを特徴とする、請求項1に記載のラックサービングユニット。
【請求項9】
前記入れ子式グリッパピン(D)および/または前記フランク(F、15a〜15c)および/または前記押さえ装置(N)の前記物品用の前記台(13、13a〜13c)のいずれかに、可撓性材料のノブ構造(16、16’)、好ましくは少なくとも1列の半屈曲性材料のノブが設けられることを特徴とする、請求項1に記載のラックサービングユニット。
【請求項10】
前記入れ子式グリッパピン(D)の前記物品用の前記台(13、13a〜13c)上の設けられた少なくとも1つのノブ構造(16)が、柔軟に再設定可能な態様で形成され、前記ノブ構造(16)が、荷を降ろした状態にあるときに、前記物品用の前記台(13、13a〜13c)の幅(B)くらいに相当する前記伸縮方向(R、R’)の幅(B’)を横方向にとり、荷を積んだ状態にあるときに、前記幅(B)より有意に大きい幅(B1)に適合できるように配置されることを特徴とする、請求項9に記載のラックサービングユニット。
【請求項11】
中央が開放している箱底(3)を有する物品収納箱(2)を含む少なくとも1つのハイラックと、とりわけ食品飲料産業において、特に物品を自動的にオーダピッキングおよび在庫するための、前記収納箱(2)の前で操作されうる少なくとも1つのラックサービングユニット(G)と、を備えるオーダピッキング倉庫(K)であって、前記ラックサービングユニット(G)が、高さ調節可能なプラットホーム様の物品担持要素(M)に設けられ且つ前記物品担持要素(M)に対してほぼ水平に伸縮する少なくとも1つの物品輸送グリッパ(T)を含み、前記物品輸送グリッパ(T)が、少なくとも1つの物品(C)の下げ把持することができ且つ前記箱底開口部(4)を通って昇降することができるオーダピッキング倉庫(K)において、前記物品輸送グリッパ(T)が単一の入れ子式グリッパピン(D)であり、前記単一の入れ子式グリッパピン(D)の前記物品用の台(13、13a〜13c)が、全く不安定な位置で前記物品(C)を支持するために、前記伸縮方向(R、R’)に関して横方向から見られると幅(B)であること、および、前記箱底開口部(4)が、前記物品の台(13、13a〜13c)の前記幅(B)よりほんのわずかに大きい幅(W)を有すること、を特徴とする、オーダピッキング倉庫。
【請求項12】
好ましくは、複数部分で形成された前記入れ子式グリッパピン(D)の端部および/または中間部(16b、16c)における前記物品用の前記台(13、13a〜13c)の幅が、40mm〜150mm、好ましくは80mm〜100mmであることを特徴とする、請求項11に記載のオーダピッキング倉庫。
【請求項13】
前記入れ子式グリッパピン(D)が、前記積荷ピックアップ装置(M)に対して上昇又は下降されうること、および、前記物品用の前記台(13、13a〜13c)上での前記物品(C)の安定した輸送位置を得るために、少なくとも1つの入れ子式フランク(F、15a〜15c)および/または少なくとも1つの入れ子押さえ装置(N)が前記収納箱の幅の中に前記積荷ピックアップ装置(M)に配置され、それぞれが前記伸縮方向(R、R’)に関して横方向に移動可能であること、を特徴とする、請求項11に記載のオーダピッキング倉庫。
【請求項14】
前記箱底開口部(4)のリム(19)が、ほぼV字形の形に下方に曲げられるまたは角面取りされていることを特徴とする、請求項11に記載のオーダピッキング倉庫。
【請求項15】
前記箱底(3)の前記箱底開口部(4)を限定する隅(21)が、下方に角度を付けた面取りフランジ(21’)を形成することを特徴とする、請求項11に記載のオーダピッキング倉庫。
【請求項16】
前記物品(C)が、異なるカテゴリおよび/またはサイズをもちかつ且つもつパッケージであり、積載装置を用いずに前記入れ子式グリッパピン(D)によって搬送されうることを特徴とする、請求項11〜15の少なくとも一項に記載のオーダピッキング倉庫。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−86974(P2013−86974A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−227953(P2012−227953)
【出願日】平成24年10月15日(2012.10.15)
【出願人】(506040652)クロネス アクティェンゲゼルシャフト (55)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−227953(P2012−227953)
【出願日】平成24年10月15日(2012.10.15)
【出願人】(506040652)クロネス アクティェンゲゼルシャフト (55)
【Fターム(参考)】
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