説明

ラック資産管理システムおよびラック資産管理方法

【課題】ラックに格納されたラック格納装置を管理する管理者の労力を軽減することができるラック資産管理システムを提供する。
【解決手段】ラック格納装置と通信を行って当該ラック格納装置の関連情報を受信するとともに、当該関連情報と、ラック格納装置がラック内に格納された当該ラック内の格納位置を示す位置情報とを送信し、ラックと通信ネットワークを介して接続され、受信した関連情報と位置情報とをラック資産管理テーブルへ記録するラック資産管理部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラックに格納されたラック格納装置の情報を管理するラック資産管理システムおよびラック資産管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータシステムに接続されたサーバを、ラック内に格納してコンピュータルーム等に設置することが多く行われている。ここで、当該ラック内に格納されるサーバが多くなるにつれて、どのラックの、どの格納位置に、どのような機能を有するサーバが格納されているかを管理する必要性が増す。このようなサーバ等の資産管理にあたり、通常は、管理者が、どのラックの、どの格納位置に、どのような機能を有するサーバが格納されているかを、資産管理シートやノートに記入し保管することが行われているが、ラックに格納されているサーバの数が多ければ多いほど、管理者の作業の労力が増す。そして、ラックに格納されているサーバの機能を変更した場合や、ラックに格納されているサーバ自体を交換してサーバの機種が変更された場合には、管理者は、資産管理シートやノートに記入されている情報を手作業で書き換える必要がある。このような場合には、資産管理シートやノートへの記入時に誤りが発生することもあり、管理者の労力の軽減と、誤りのない資産管理を行うことが求められていた。
なお、関連する技術として、スロットにモジュールを挿入して複数のモジュールの挿入状態を管理する技術が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−286359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこでこの発明は、上述の課題を解決するラック資産管理システムおよびラック資産管理方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、ラック格納装置と通信を行って当該ラック格納装置の関連情報を受信するとともに、当該関連情報と、前記ラック格納装置がラック内に格納された当該ラック内の格納位置を示す位置情報とを送信するラック管理制御部と、前記ラックと通信ネットワークを介して接続され、受信した前記関連情報と前記位置情報とをラック資産管理テーブルへ記録するラック資産管理部を備えた資産管理サーバと、からなることを特徴とするラック資産管理システムである。
【0006】
また本発明は、ラック資産管理システムのラック資産管理方法であって、ラックに備えられたラック管理制御部が、ラック格納装置と通信を行って当該ラック格納装置の関連情報を受信するとともに、当該関連情報と、前記ラック格納装置がラック内に格納された当該ラック内の格納位置を示す位置情報とを送信し、前記ラックと通信ネットワークを介して接続された資産管理サーバが、受信した前記関連情報と前記位置情報とをラック資産管理テーブルへ記録するラック資産管理部を備えた資産管理サーバと、からなることを特徴とするラック資産管理方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ラックに格納されたラック格納装置を管理する管理者の労力を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】ラック資産管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】ラック格納装置の機能ブロック図である。
【図3】ラック格納装置内の設定情報管理部の詳細な機能ブロック図である。
【図4】ラック格納装置内の赤外線通信部の詳細な機能ブロック図である。
【図5】ラック格納装置内において赤外線通信部が設けられる位置を示す図である。
【図6】ラック内に備わる各処理部を示す図である。
【図7】格納検知装置に設けられた赤外線通信部の機能ブロック図である。
【図8】格納検知装置に設けられた赤外線センサ部の機能ブロック図である。
【図9】ラックの第1の立面図である。
【図10】ラックの第2の立面図である。
【図11】ラック内に設置されるラック管理制御部の機能ブロック図である。
【図12】ラック内に設置されるラック扉センサの機能ブロック図である。
【図13】資産管理サーバの機能ブロック図である。
【図14】管理シートのイメージ図である。
【図15】ラック格納装置の処理フローを示す図である。
【図16】ラックに設置された格納検知装置内の赤外線通信部とラック管理制御部の処理フローを示す図である。
【図17】ラックに設置された格納検知装置内の赤外センサ部とラック管理制御部の処理フローを示す図である。
【図18】ラック扉開閉感知における処理フローを示す図である。
【図19】資産管理サーバの処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態によるラック資産管理システムを図面を参照して説明する。
図1は同実施形態によるラック資産管理システムの構成を示すブロック図である。
この図において、符号20はラックである。当該ラック20は、コンピュータサーバ等のラック格納装置10が上下の層を成して複数格納できるよう構成されており、各格納位置にラック格納装置10が格納される。また図1に示すように、本実施形態においてはラック20の最下面に接して資産管理サーバ30が設けられている。またラック20にはラック格納装置10や資産管理サーバ30と通信を行うラック管理制御部230が設けられている。そして、ラック管理制御部230は、赤外線通信部210を介して無線通信によりラック格納装置10と通信を行う。なおラック管理制御部230は資産管理サーバ30とは通信ケーブルを介して接続されているものとする。資産管理サーバ30はラック20の外部に設置され、通信ネットワークを介してラック管理制御部230と通信接続されるようにしてもよい。
【0010】
図2はラック格納装置の機能ブロック図である。
当該ラック格納装置10は、図2で示すように、設定情報管理部110、赤外線通信部120、装置メイン処理部10、を備えている。ここで、ラック格納装置10は、本実施形態においてはコンピュータサーバを示しているが、装置メイン処理部130は、当該コンピュータサーバに予め備わるメインのマザーボード等のコンピュータ処理部である。そして、設定情報管理部110は、装置メイン処理部130の記憶するラック格納装置10のIDなどの設定情報(ラック格納装置10の関連情報)等の取得処理を行う。また赤外線通信部120は、ラック格納装置10の設定情報等を設定情報管理部110の制御に基づいて送信する処理を行う処理部である。なお、設定情報管理部110や赤外線通信部120は、ラック格納装置10に拡張的に増設されたものであり、当該ラック格納装置10に内蔵されているように図示されているが、ラック格納装置10と通信ケーブルで接続できるようなインターフェースを設け、外付けの装置としてラック格納装置10の所定の箇所に取り付けられるようにしてもよい。
【0011】
図3はラック格納装置内の設定情報管理部の詳細な機能ブロック図である。
この図が示すように、設定情報管理部110は、制御プロセッサ111、記憶装置112、データ変換部113、通信インターフェース114、115から構成される。
制御プロセッサ111は、通信インターフェース114から装置メイン処理部130へ、ラック格納装置10のホスト名、OS(Operating System)情報、IPアドレスの情報などの設定情報の取得命令を出力し、その結果取得した設定情報を記憶装置112へ格納する処理部である。また制御プロセッサ111は、記憶装置112に保存された設定情報等を通信インターフェース115を介して赤外線通信部120へ出力する命令を行う。
また、記憶装置112は、装置メイン処理部130から取得した設定情報を一時格納する記憶部である。なお、記憶装置112は、予め管理者など登録によって、ラック格納装置10の装置名や、装置の高さ情報、装置のシリアル番号、装置型名などの情報を記憶しているものとする。
【0012】
また図3においてデータ変換部113は、制御プロセッサ111が赤外線通信部120へ送信命令を出した設定情報のデータを、0か1の2進数へ変換する処理部である。また、データ変換部113は、設定情報のデータの頭に「設定情報データ開始ビット」、設定情報のデータの末尾に「設定情報データ終了ビット」を付加する処理を行う。つまり、変換後の設定情報データは、「設定情報データ開始ビット」+「設定情報データ部分」+「設定情報データ終了ビット」からなる2進数のデータとなる。つまりデータ変換部113は、設定情報の開始位置と終了位置を判別しやすくするため、複数桁ビットを設定情報データの前後に付加する。具体的には、例えば本実施例では、設定情報の頭に32ビットの0を付加し、設定情報の末尾に32ビットの1を付加する。
また通信インターフェース114は装置メイン処理部130と信号線により通信接続され、通信インターフェース115は赤外線通信部120と信号線により通信接続されている。
【0013】
図4はラック格納装置内の赤外線通信部の詳細な機能ブロック図である。
この図で示すように赤外線通信部120は、赤外線制御部121、LED光発信部122、LED光受信部123、通信インターフェース124で構成される。
赤外線制御部121は、通信インターフェース124を介して設定情報管理部110から送信された2進数の情報を光に変換し、LED光発信部122を発光させる制御を行う処理部である。2進数の数値で送られてきた0か1の数値を、LEDの点滅パターンによって表現する。例えば、0ならば「0点滅パターン」、1ならば「1点滅パターン」に変換する。つまり、具体的には、例えば本実施例では、数値が0ならば[点灯、消灯]、1ならば[点灯、点灯]のようなパターンで変換する。LED光受信部123は対面する他の装置のLED光発信部からのLEDの光を受光し赤外線制御部121へ出力する。そして赤外線制御部121が、光から0か1の2進数の数値データに変換する。
【0014】
図5はラック格納装置内において赤外線通信部が設けられる位置を示す図である。
この図が示すように、赤外線通信部120は装置の高さが2U以上ある場合、図5に示すように装置の一番高い位置に格納される。なおU(ユニット)とは高さが4.45cmの19インチラックの収容スロット単位である。
【0015】
図6はラック内に備わる各処理部を示す図である。
この図が示すように、ラック20は、赤外線通信部210と赤外線センサ部220とを設けた格納検知装置2と、ラック管理制御部230と、反射板240と、ラック扉センサ250とにより構成される。
格納検知装置2は、ラック20の高さである1Uごとの位置にそれぞれ設置され、ラック管理制御部230と通信線により接続される。なお格納検知装置2は、ラック格納装置10と赤外線通信を行うための赤外線通信部210とラック格納装置10の有無を検知するための赤外線センサ部220とを備えている。
なお、格納検知装置2と反射板240とは、ラック20の内側において対向するように設置されている。例えば格納検知装置2と反射板240は、ラック20が箱型の六面体の構造であり、ラック20の内側前面と内側後面のラック内に1対が設置され、またラック20の左内側面と右内側面のラック内に1対が設置される。ここで、左右に設置される格納検知装置2と反射板240は、ラック前面付近に設定されており、奥行きがハーフサイズのラック格納装置10の格納有無を検知するためのものである。本実施形態においては、左右に1対、また前後に1対の、格納検知装置2と反射板240が備えられる場合について説明するが、何れか一方にのみ、格納検知装置2と反射板240が備えられるようにしてもよい。
【0016】
図7は格納検知装置に設けられた赤外線通信部の機能ブロック図である。
この図が示すように、格納検知装置2の赤外線通信部210は、赤外線制御部211、LED光発信部212、LED光受信部213、通信インターフェース214を備えている。
ここで、赤外線通信部210において、赤外線制御部211は、信号が示す0か1の2進数の数値を光に変換する処理部である。また赤外線制御部211は、光を0か1の2進数の数値の信号に変換する処理を行う。ここで、赤外線制御部211は、信号が0ならば[0点滅パターン]の光に、また信号が1ならば[1点滅パターン]に変換する。より具体的には、赤外線制御部211は、信号の数値が0ならば[点灯、消灯]、信号の数値が1ならば[点灯、点灯]のようなパターンの光に変換する。
【0017】
また、赤外線通信部210において、LED光発信部212は、赤外線制御部211で数値から変換された光を点灯する。またLED光受信部213は対面する反射板240からLED光を受光し、赤外線制御部211へ出力する。赤外線制御部211は光から変換して得たデータを、通信インターフェース214を介してラック管理制御部230へ送信する。
【0018】
図8は格納検知装置に設けられた赤外線センサ部の機能ブロック図である。
この図が示すように、格納検知装置2の赤外線センサ部220は、センサ制御部221、LED光発信部222、LED光受信部223、通信インターフェース224を備えている。
ここで、赤外線通信部210と同様に、赤外線センサ部220において、センサ制御部221は、信号が示す0か1の2進数の数値を光に変換する処理部である。またセンサ制御部221は、光を0か1の2進数の数値の信号に変換する処理を行う。センサ制御部221は、信号が0ならば[0点滅パターン]の光に、また信号が1ならば[1点滅パターン]に変換する。より具体的には、センサ制御部221は、信号の数値が0ならば[点灯、消灯]、信号の数値が1ならば[点灯、点灯]のようなパターンの光に変換する。
【0019】
また、赤外線通信部210と同様に、赤外線センサ部220において、LED光発信部222は、センサ制御部221で数値から変換された光を点灯する。またLED光受信部223は対面する反射板240からLED光を受光し、センサ制御部221へ出力する。センサ制御部221は光から変換して得たデータを、通信インターフェース224を介してラック管理制御部230へ送信する。
【0020】
図9はラックの第1の立面図である。
図10はラックの第2の立面図である。
上述したように、赤外線通信部210や赤外線センサ部220を備える格納検知装置2と反射板240は、ラック20の左右の側面において対向するように設置されている。また、ラック20の前後においても対向するように設置されているものとする。そして、格納検知装置2と反射板240とがラック20の左右の側面において対向するように設置されている様子が図8に示されている。また格納検知装置2と反射板240とがラック20の前後の側面において対向するように設置されている様子が図9に示されている。また、図9で示すように反射板240がラック扉内側のヒンジ脇に設置され、ラック扉の開閉によって、閉のときは格納検知装置2と対向し、開のときは格納検知装置2と対向する位置から外れるように反射板240が取り付けられた構成となっている。
【0021】
このようなラックに設置された格納検知装置2においては、赤外線センサ部220のLED光発信部222が、LED光を反射板240へ照射する。
そして、図9で示されるようにラック扉が閉であり、かつラック格納装置10が格納されていないときは、赤外線センサ部220のLED光発信部222が発信した赤外線は、ラック20の前面において、図示するようなラック格納装置を固定するためのネジ穴を通って反射板へ到達し、当該反射板で反射される。ラック格納装置10がラック20内に格納されている場合には、当該ネジ穴が、ラック格納装置10を前面でラックに固定するためのネジによって塞がれているため、当該ネジ穴(またはLED光を通す専用の穴であって、ラック格納装置10の格納時には閉じる穴であればどのようなものでもよい)より前面に位置する反射板240までLED光が届かず、格納検知装置2のLED光受信部223で反射光を検知できない。他方、ラック20にラック格納装置10が格納されていない場合には、ネジ穴が塞がれていないため、ラック扉が閉の時には反射板240においてLED光が反射し当該光を格納検知装置2のLED光受信部223で検知することができる。
【0022】
そして、ラック扉が閉で、かつラック格納装置10がラック20内に格納されていない場合には、赤外線センサ部220のセンサ制御部221がLED光発信部222を制御して光を発すると、当該光が反射板240で反射され、センサ制御部221が、LED光がLED光受信部223で受光したことを検知する。この場合、センサ制御部221は、ラック格納装置10が格納されていないと判定する。
他方、ラック扉が閉で、かつ反射板240からのLED光が受光できない場合、ラック格納装置10を固定したネジにより赤外線センサ部220と反射板240の間がさえぎられ、LED光が反射しないため、ラック格納装置10がラックに格納されたとみなすことができる。
【0023】
ラック20の内部側面に設置されている格納検知装置2内の赤外線センサ部220において、センサ制御部221が、ラック格納装置10がラック内に設置されていないと判定した場合には、当該センサ制御部221は、「側面装置未格納データ」を、格納位置を示す情報に付与して、通信インターフェース224を介してラック管理制御部230へ出力する。
また、ラック20の内部後面に設置されている格納検知装置2内の赤外線センサ部220において、センサ制御部221が、ラック格納装置10がラック内に設置されていないと判定した場合には、当該センサ制御部221は、「後面装置未格納データ」を、格納位置を示す情報に付与して、通信インターフェース224を介してラック管理制御部230へ出力する。
【0024】
より具体的には、ラック20の内部側面に設置されている格納検知装置2内の赤外線センサ部220において、センサ制御部221が、ラック格納装置10がラック内に設置されていないと判定した場合には、開始32ビット(前16ビットが「0」+後16ビットが「1」)と終了32ビット(前16ビットが「1」+後16ビットが「0」)からなる側面装置未格納データをラック管理制御部230へ出力する。
また、ラック20の内部後面に設置されている格納検知装置2内の赤外線センサ部220において、センサ制御部221が、ラック格納装置10がラック内に設置されていないと判定した場合には、開始32ビット(8ビット「0」+8ビット「1」+8ビット「0」+8ビット「1」)と終了32ビット(8ビット「1」+8ビット「0」+8ビット「1」+8ビット「0」)からなる後面装置未格納データをラック管理制御部230へ出力する。
【0025】
また、ラック20の内部側面に設置されている格納検知装置2内の赤外線センサ部220において、センサ制御部221が、ラック格納装置10がラック内に格納されていると判定した場合には、当該センサ制御部221は、側面装置格納データ(格納有無情報)を、通信インターフェース224を介してラック管理制御部230へ出力する。
また、ラック20の内部後面に設置されている格納検知装置2内の赤外線センサ部220において、センサ制御部221が、ラック格納装置10がラック内に格納されていると判定した場合には、当該センサ制御部221は、後面装置格納データ(格納有無情報)を、通信インターフェース224を介してラック管理制御部230へ出力する。
【0026】
より具体的には、ラック20の内部側面に設置されている格納検知装置2内の赤外線センサ部220において、センサ制御部221が、ラック格納装置10がラック内に設置されていると判定した場合には、開始32ビット(前16ビットが「1」+後16ビットが「0」)と終了32ビット(前16ビットが「0」+後16ビットが「1」)からなる側面装置格納データをラック管理制御部230へ出力する。
また、ラック20の内部後面に設置されている格納検知装置2内の赤外線センサ部220において、センサ制御部221が、ラック格納装置10がラック内に設置されていると判定した場合には、開始32ビット(8ビット「1」+8ビット「0」+8ビット「1」+8ビット「0」)と終了32ビット(8ビット「0」+8ビット「1」+8ビット「0」+8ビット「1」)からなる前面装置格納データをラック管理制御部230へ出力する。
【0027】
図11はラック内に設置されるラック管理制御部の機能ブロック図である。
この図が示すように、ラック20内に設置されるラック管理制御部230は、ユニットごとにラック内に設置された格納検知装置2と通信接続する通信インターフェース232と、当該通信インターフェース232から取得したデータにラック格納装置10の格納位置を示す位置情報を付加して出力する通信インターフェース232に対応する位置情報付加制御部231と、を備える。またラック管理制御部230は、ラック扉センサ250と通信接続するための通信インターフェース234、および資産管理サーバ30と通信接続するための通信インターフェース233を備えている。
なお、位置情報付加制御部231は、通信インターフェース232を介して赤外線通信部210から受信したデータの開始ビットの直後に「位置情報」を挿入する。例えば、開始ビットの後ろに8ビットの数値で位置情報データを付加する。例えば、8Uの高さ(ラック20の下から8Uの高さ)にラック格納装置10が格納されている場合、位置情報は『00001000』となる。
【0028】
図12はラック内に設置されるラック扉センサの機能ブロック図である。
この図が示すようにラック扉センサ250は、センサ制御部251、開閉感知部252、通信インターフェース253を備える。ここで開閉感知部252はラックが開いているか、閉まっているかを感知する処理部である。センサ制御部251は通信インターフェース253を介してラック管理制御部230へラックの開閉情報を送信する。
【0029】
図13は資産管理サーバの機能ブロック図である。
この図で示すように、資産管理サーバ30は、通常のサーバ等の情報処理装置であり、通常の演算機能、キーボード、ディスプレイ等の入出力機能を備えるとともに、データ変換部301、管理シート記憶部302、通信インターフェース303、ラック資産管理部304を備えている。
ここで、データ変換部301は、ラック管理制御部230から通信インターフェース303が受信した情報を、管理シート記憶部302に格納される管理シートのフォーマットへ変換する処理部である。また、管理シート記憶部302は、ラック格納装置10の情報を記録した管理シートをファイル形式で記憶する。管理者は、資産管理サーバ30のディスプレイを見ながら、管理シート記憶部302に記録されている管理シートを表示操作することでラック格納装置10の設定情報の記載された管理シートをモニタ上で確認することができる。ラック資産管理部304は、管理シート記憶部302に格納された管理シートの情報を編集または出力する処理部である。
【0030】
図14は管理シートのイメージ図である。
資産管理サーバ30のラック資産管理部304は、管理者からの操作入力に基づいて、この図が示すような管理シートを、管理シート記憶部302から読み取ってモニタ上に出力する。当該管理シートは、図14で示すようにラック20を図で表示し、当該ラック20の実際の格納位置に合わせて装置名をラック20内に並べて表示されるものである。ここで、管理者が管理シートに表記されたラック格納装置10の装置名を、マウス等を用いて選択すると、資産管理サーバ30は、管理シートの画面右側に、当該選択されたラック格納装置10の装置名、装置型名、シリアル番号、ホスト名、OS情報、IPアドレスなどの設定情報を表示する。また、資産管理サーバ30は、外部のコンピュータ端末からのアクセスを受け付け、管理シートの送信要求を受けた場合には、管理シート記憶部302に記録されている管理シートのデータを送信する。これにより外部のコンピュータ端末を利用するオペレータは、手元のコンピュータ端末のディスプレイ管理シートを表示して、ラック格納装置10の設定情報を確認する際に利用することができる。
【0031】
次に、ラック資産管理システムの処理の詳細について説明する。
図15はラック格納装置の処理フローを示す図である。
まず、ラック格納装置10の電源が投入されると(ステップS100)、設定情報管理部110の制御プロセッサ111が、装置メイン処理部130へ設定情報の取得要求を出力する。次に、取得要求を受信した装置メイン処理部130は、ラック格納装置10のホスト名、OS情報、IPアドレスの情報をメモリ等から取得して(ステップS101)、その設定情報を設定情報管理部110へ出力する。すると設定情報管理部110の制御プロセッサ111が設定情報を取得し、記憶装置112へ書き込む(ステップS102)。このとき、制御プロセッサ111は、予め記憶装置112へ格納されているラック格納装置10の装置名、高さ情報(ユニットの大きさ)、シリアル番号、装置型名に、設定情報を対応付けて書き込む。
【0032】
次に設定情報の記憶装置112への書き込みが完了すると、設定情報の保存が完了したことを記憶装置112が制御プロセッサ111へ通知する。次に、制御プロセッサ111は、記憶装置112に対して、保存した設定情報の送信命令を出力する。すると記憶装置112は、データ変換部113へ設定情報を送信する。そして、データ変換部113は、受信した設定情報をファイル形式から0か1の2進数の値に変換する(ステップS103)。さらに、データ変換部113は、変換した2進数のデータの先頭に「設定情報データ開始ビット」を付加し、また、末尾に「設定情報データ終了ビット」を付加する(ステップS104)。これにより、「設定情報データ開始ビット」+「設定情報を示すビット」+「設定情報データ終了ビット」のビット列で構成されたデータが生成される。より具体的には、例えば、開始32ビット(全ビット「0」)+「設定情報を示すビット」+終了32ビット(全ビット「1」)のビット列である。
【0033】
そして、データ変換部113は、開始ビットおよび終了ビットを付加した設定情報データを、通信インターフェース115を介して赤外線通信部120へ出力する。すると赤外線通信部120は通信インターフェース124にて設定情報データを受信し、当該設定情報データを赤外線制御部121へ送信する。そして、赤外線制御部121は、受信したビット列の設定情報データにおいて、2進数数値が0ならば[0点滅パターン]、1ならば[1点滅パターン]の光信号に変換する(ステップS105)。より具体的には、たとえば2進数値が0ならば[点灯、消灯]、1ならば[点灯、点灯]のようなパターンの光信号へ変換する
【0034】
次に、ステップ110において設定情報データのビット列の数値から変換された光信号の点滅パターンで、LED光発信部122が点滅しLED光を発光する(ステップS106)。「設定情報データ開始ビット」+「設定情報を示すビット」+「設定情報データ終了ビット」に対応する全てのLED光の点滅が終了すると、LED光を発光し終えてから規定秒後までに、ステップS107の処理においてLED光の受信がでたかを判定し(ステップS107)、できないと赤外線制御部121が判定した場合には、当該赤外線制御部121は、再度、ステップS106のLED光発信部122の制御を行う。LED光受信部123は、対向したラック20のLED光発信部212から受信結果のデータをLED光で受け取った場合には(ステップS108)、処理を終了する。なお、受信結果のデータは2進数のデータである。
【0035】
なお、赤外線制御部121は、ステップS106およびステップS107の処理を、新しいデータが送られてくるまで実行する。また、ラック格納装置10における設定情報管理部110の制御プロセッサ111は、電源投入後、上記ステップS101の処理を行った後、一定時間待機し、一定時間経過したと判定した場合には(ステップS109)、ステップS101以降の処理を繰り返す。これにより、一定時間おきに、上述のステップS101からステップ107の処理がラック格納装置10において繰り返される。つまり、ラック格納装置10は電源投入後、一定間隔で、設定情報データをLED光により発信する。
【0036】
図16はラックに設置された格納検知装置内の赤外線通信部とラック管理制御部の処理フローを示す図である。
次に、ラック20に設置された各処理部の動作について説明する。
格納検知装置2に備わる赤外線通信部210のLED光受信部213は、当該格納検知装置2が設置された高さのユニットの位置に格納された対面するラック格納装置10のLED光発信部122から上記ステップS106によって発光された設定情報データのLED光を受信し(ステップS201)、当該LED光を赤外線制御部211へ出力する。すると、LED光を感知した赤外線制御部211は、LED光発信部212へ受信結果のデータを送るため、点滅命令を出力する(ステップS202)。すると、LED光発信部212は、赤外線制御部211から点滅命令を入力し、LEDを点滅してLED光を発光する(ステップS203)。
【0037】
次に、赤外線制御部211は、ステップS201で受光した光の点滅を2進数の数値の設定情報データに変換する(ステップS204)。そして赤外線制御部211は、変換後の2進数数値の設定情報データを通信インターフェース214を介してラック管理制御部230へ送信する(ステップS205)。そして、ラック管理制御部230の通信インターフェース232を介して位置情報付加制御部231が設定情報データを受信し、当該位置情報付加制御部231が、受信した設定情報データに[位置情報データ]を付加する(ステップS206)。なお、[位置情報データ]は、[開始ビット]の後ろに挿入される。より具体的には、「開始ビット」+「位置情報データのビット」+「設定情報のビット」+「終了ビット」となる。そして、最後に、位置情報の付加された設定情報データを、位置情報付加制御部231が、通信インターフェース233を介して資産管理サーバ30へ送信する(ステップS207)。
【0038】
図17はラックに設置された格納検知装置内の赤外センサ部とラック管理制御部の処理フローを示す図である。
次に、ラック20に設置された格納検知装置2内の赤外センサ部220とラック管理制御部230の処理フローについて説明する。
まず、資産管理サーバ30の電源投入後に資産管理サーバ30は、ラック20の側面と後面に設置されている格納検知装置2それぞれの赤外線センサ部220へ、ラック格納情報取得要求を送信する。すると、各格納検知装置2それぞれの赤外線センサ部220において、センサ制御部221が、ラック格納情報取得要求を受信し(ステップS301)、LED光発信部222にLED光の発光命令を出力する。すると、センサ制御部221から発光命令を受け取ったLED光発信部222は、ラック格納情報取得要求を示すLED光を発光する(ステップS302)。当該LED光は、反射板240へ向けて照射される。
【0039】
ここで、センサ制御部221は、反射板240から反射されたLED光をLED光受信部223で受光したか否かを判断する(ステップS303)。センサ制御部221は、LED光受信部223によってLED光を受光できないと判定した場合には、ラック20にラック格納装置10が格納されているとみなし、装置格納を示す装置格納データ(格納有無情報)を、通信インターフェース224を介してラック管理制御部230へ送信する(ステップS304)。または、センサ制御部221は、LED光受信部223によってLED光を受光したと判定した場合には、ラック20にラック格納装置10が格納されていないとみなし、装置未格納を示す装置未格納データ(格納有無情報)を、通信インターフェース224を介してラック管理制御部230へ送信する(ステップS305)。そして、ラック管理制御部230において、位置情報付加制御部231が通信インターフェース232を介して装置格納データまたは装置未格納データを受信する(ステップS306)。
【0040】
ここで、本実施形態においてラック管理制御部230は、ラック20の側面に備えられた格納検知装置2と、ラック後面に備えられた格納検知装置2のそれぞれから、装置格納データや装置未格納データを受信する。側面に備えられた格納検知装置2から出力された装置格納データおよび装置未格納データを、側面装置格納データ、側面装置未格納データと呼ぶとすると、側面装置格納データは、本実施形態においては、例えば、開始32ビットのうちの前16ビットが「1」、後16ビットが「0」で、終了32ビットのうちの前16ビットが「0」、後ろ16ビットが「1」のビット列で構成されたデータである。また、側面装置未格納データは、本実施形態においては、例えば、開始32ビットのうちの前16ビットが「0」、後16ビットが「1」で、終了32ビットのうちの前16ビットが「1」、後ろ16ビットが「0」のビット列で構成されたデータである。
【0041】
また、後面に備えられた格納検知装置2から出力された装置格納データおよび装置未格納データを、後面装置格納データ、後面装置未格納データと呼ぶとすると、後面装置格納データは、本実施形態においては、例えば、開始32ビットのうちの最初の8ビットが「1」、次の8ビットが「0」、次の8ビットが「1」、次の8ビットが「0」のビット列で構成され、終了32ビットのうちの最初の8ビットが「0」、次の8ビットが「1」、次の8ビットが「0」、次の8ビットが「1」のビット列で構成されたデータである。
また、後面装置未格納データは、本実施形態においては、例えば、開始32ビットのうちの最初の8ビットが「0」、次の8ビットが「1」、次の8ビットが「0」、次の8ビットが「1」のビット列で構成され、終了32ビットのうちの最初の8ビットが「1」、次の8ビットが「0」、次の8ビットが「1」、次の8ビットが「0」のビット列で構成されたデータである。
【0042】
ラック管理制御部230において、上記ステップS307において装置格納データまたは装置未格納データを受信した場合には、位置情報付加制御部231が、それら装置格納データまたは装置未格納データの開始32ビットと終了32ビットの間にラック格納装置10の格納位置を示す位置情報を挿入する(ステップS307)。そして、位置情報付加制御部231は、通信インターフェース233を介して位置情報を挿入した装置格納データまたは装置未格納データを資産管理サーバ30へ送信する(ステップS308)。
そして、ラック格納装置10がラック20に格納されている場合には、一定時間経過後、格納検知装置2に備わる赤外線通信部210のLED光受信部213は、当該格納検知装置2が設置された高さのユニットの位置に格納された対面するラック格納装置10のLED光発信部122から上記ステップS106によって発光された設定情報データのLED光を受信し、当該LED光が示す設定情報を資産管理サーバ30へ通知する。そして当該設定情報を受信した資産管理サーバ30は、受信するたびにラック格納情報取得要求を赤外線センサ部220へ送信する。これにより、繰り返し、上述のステップS301からステップS308の処理が繰り返される。
【0043】
図18はラック扉開閉感知における処理フローを示す図である。
次に、ラック扉開閉感知における処理フローについて説明する。
まず、ラック扉センサ250の開閉感知部252が、ラック扉が開いているか、閉じているか検知する(ステップ401)。次にセンサ制御部251が、開閉感知部252の検知結果に基づいて、ラック扉開、またはラック扉閉を示すラック開閉情報を、通信インターフェース253を介してラック管理制御部230へ送信する(ステップS402)。そしてラック管理制御部230は、ラック開閉情報を、資産管理サーバ30へ転送する(ステップS403)。なお、ラック開閉情報は、例えば、当該ラック開閉情報がラック開を示す場合には、開始32ビットにおいて4ビットずつ「1」と「0」が交互に繰り返し、終了32ビットにおいて4ビットずつ「0」と「1」が交互に繰り返すビット列により構成されている。また、ラック開閉情報がラック閉を示す場合には、開始32ビットにおいて4ビットずつ「0」と「1」が交互に繰り返し、終了32ビットにおいて4ビットずつ「1」と「0」が交互に繰り返すビット列により構成されている。
【0044】
そして、資産管理サーバ30においては、データ変換部301が、通信インターフェース303を介してラック管理制御部230よりラック開閉情報を受信する(ステップS404)。そして、データ変換部301は、2進数のラック開閉情報を、ラック開閉を示すデータへ変換し、当該変換後のラックが開いているか閉じているかを示す情報を、ラック資産管理部304が管理シート記憶部302へ登録する(ステップS405)。なお、ラックの開閉が再度行われた場合、上述のステップS401からステップS405の処理が繰り返される。
なお、ラック開閉情報は、ラック管理制御部230から赤外線センサ部220へ送信されるようにしてもよい。赤外線センサ部220は、受信したラック開閉情報がラック開を示す場合にのみ、LED光を発信して、ラック格納装置10の有無を検知する。
【0045】
図19は資産管理サーバの処理フローを示す図である。
次に、資産管理サーバ30の処理フローについて説明する。
まず、資産管理サーバ30のデータ変換部301は、通信インターフェース303を介してデータを受信する(ステップS501)。そして、データ変換部301は、受信したデータの開始ビットの数値を確認する(ステップS502)。そして、データ変換部301は、開始ビットによって、そのデータが、設定情報データかまたは装置格納データや装置未格納データかを判定する(ステップS503)。データ変換部301は、受信したデータが設定情報データである場合には、当該設定情報データに格納されている位置情報を2進数から10進数に変換し、当該位置情報を、ラック資産管理部304が管理シート記憶部302に記録されている管理シートへ登録する(ステップS504)。またデータ変換部301は、設定情報データに格納されている設定情報(ラック格納装置10の装置名、装置型名、シリアル番号、ホスト名、OS情報、IPアドレス)を2進数数値のデータからファイル形式のデータに変換し、その情報をラック資産管理部304が管理シート記憶部302に記録されている管理シートへ、位置情報に対応付けて登録する(ステップS505)。ここで、データ変換部301は、受信したデータの終了を、末尾の[終了ビット]の数値を確認して判断する。
【0046】
これにより、図14で示したように、管理シート記憶部302には、ラック20に格納されているラック格納装置10の格納位置(ラック20内における高さが何Uあるかの情報)と、装置名、装置型名、シリアル番号、ホスト名、OS情報、IPアドレスなどからなる設定情報がリンクされて登録されることとなる。
【0047】
また、ステップS503において、受信したデータが装置格納データや装置未格納データであると判定した場合、データ変換部301は、まず、[開始ビット]の情報から、それら装置格納データや装置未格納データが、側面装置格納データまたは側面装置未格納データを示すのか、後面装置格納データまたは後面装置未格納データを示すのかを判定する(ステップS506)。そして、データ変換部301は、受信したデータが側面装置格納データまたは側面装置未格納データである場合には、装置格納判断の処理として、開始ビットの後ろに続く[位置情報データ]の数値を2進数から10進数へ変換して位置情報を特定する(ステップS507)。そして、[終了ビット]によってデータの終了を判定する。
【0048】
次に、ラック資産管理部304は、受信した装置格納データや装置未格納データに基づいて、管理シート記憶部302に記録されている管理シートのデータを更新する(ステップS508)。
つまり、受信したデータが側面装置格納データである場合には、当該側面装置格納データから判定した格納位置に対応付けられて管理シート記憶部302に記録されている側面装置格納フラグをONに更新し、側面装置未格納フラグをOFFに更新する。
またラック資産管理部304は、受信したデータが側面装置未格納データである場合には、当該側面装置未格納データから判定した格納位置に対応付けられて管理シート記憶部302に記録されている側面装置格納フラグをOFFに更新し、側面装置未格納フラグをONに更新する。
また同様にラック資産管理部304は、受信したデータが後面装置格納データである場合には、当該後面装置格納データから判定した格納位置に対応付けられて管理シート記憶部302に記録されている後面装置格納フラグをONに更新し、後面装置未格納フラグをOFFに更新する。
またラック資産管理部304は、受信したデータが後面装置未格納データである場合には、当該後面装置未格納データから判定した格納位置に対応付けられて管理シート記憶部302に記録されている後面装置格納フラグをOFFに更新し、後面装置未格納フラグをONに更新する。
【0049】
これにより、例えば資産管理サーバ30において管理シートの出力要求を受け付けた場合、側面装置格納フラグがONまたは後面装置格納フラグがONである場合には、そのフラグに対応付けられて管理シート記憶部302に記録されているラック格納装置10の表示において、ラック内に格納されていることを示す色によって出力する。また、管理シートの出力要求を受け付けた場合、側面装置未格納フラグがONまたは後面装置未格納フラグがONである場合には、そのフラグに対応付けられて管理シート記憶部302に記録されているラック格納装置10の表示において、ラック内に格納されていないことを示す色によって出力する。なお、資産管理サーバ30のラック資産管理部304は、管理シート記憶部302において、側面装置格納フラグがONまたは後面装置格納フラグがONとして登録されている場合、当該フラグに対応付けられて設定情報が対応付けられているかを判定する。そして、資産管理サーバ30のラック資産管理部304は、側面装置格納フラグがONまたは後面装置格納フラグがONに対応付けられて設定情報が対応付けられて登録されていない場合には、管理シートの出力要求時において、不明装置であることを示す情報を、ラック20を示す画像内の対応する格納位置に表示する。また、資産管理サーバ30のラック資産管理部304は、側面装置未格納フラグがONまたは後面装置未格納フラグがONであるラック格納装置10の設定情報が、登録されている場合には、それら設定情報を削除する処理を行う。
【0050】
また、ステップS503において、データ変換部301が、受信したデータが後面装置格納データまたは後面装置未格納データであると判定した場合には、ラック資産管理部304は、管理シート記憶部302に記録されているラック開閉情報がラック閉を示すか否かを判定する(ステップS509)。そして、ラック閉である場合には、それら後面装置格納データまたは後面装置未格納データを用いて、上述のステップS507以降の処理を行う。なお、ラック資産管理部304は、ラック開である場合には、後面装置格納データまたは後面装置未格納データを破棄して終了する。
【0051】
以上の処理によれば、ラックに格納されたサーバ等のラック格納装置が、当該ラックのどの位置に格納されているかを示す格納位置や、そのラック格納装置がどのような装置であるかを示す設定情報を自動的に収集し、資産管理サーバで管理することができる。従って、ラックに格納されたラック格納装置の設定情報が変更された場合や、ラックからラック格納装置が取り出された場合など、自動でその情報が更新され、管理者による管理の工数が減少し、また、管理者による設定情報や格納位置の記録漏れや入力ミスを軽減することができる。
【0052】
なお、上述の各装置は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0053】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0054】
ラック内に格納される装置以外にも、例えば机や棚に格納される物を管理する技術にも応用することができる。
【符号の説明】
【0055】
2・・・格納検知装置
10・・・ラック格納装置
20・・・ラック
30・・・資産管理サーバ
210・・・赤外線通信部
220・・・赤外線センサ部
230・・・ラック管理制御部
240・・・反射板
250・・・ラック扉センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラック格納装置と通信を行って当該ラック格納装置の関連情報を受信するとともに、当該関連情報と、前記ラック格納装置がラック内に格納された当該ラック内の格納位置を示す位置情報とを送信するラック管理制御部と、
前記ラックと通信ネットワークを介して接続され、受信した前記関連情報と前記位置情報とをラック資産管理テーブルへ記録するラック資産管理部を備えた資産管理サーバと、
からなることを特徴とするラック資産管理システム。
【請求項2】
前記ラック格納装置がラック内に格納されているかを検知する格納検知装置を、前記ラック内の前記ラック格納装置の格納位置ごとに備え、
前記ラック管理制御部が、前記格納検知装置の検知した前記ラック格納装置の格納有無情報を前記資産管理サーバへ送信し、
前記資産管理サーバの前記ラック資産管理部が、前記関連情報と前記位置情報とに対応付けて、前記格納有無情報を前記ラック資産管理テーブルに記録するとともに、ラック資産の出力要求に基づいて、前記ラック格納装置それぞれの前記関連情報と前記位置情報と前記格納有無情報とを関連付けて出力する
ことを特徴とする請求項1に記載のラック資産管理システム。
【請求項3】
前記ラックの扉の開閉を検知する扉開閉感知部を前記ラック内に備え、
前記ラック管理制御部が前記扉開閉感知部から取得した開閉情報を前記資産管理サーバへ送信し、
前記資産管理サーバの前記ラック資産管理部が、前記関連情報と前記位置情報とに対応付けて、前記開閉情報を前記ラック資産管理テーブルに記録するとともに、前記ラック資産の出力要求に基づいて、前記ラック格納装置それぞれの前記関連情報と前記位置情報と前記開閉情報とを関連付けて出力する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のラック資産管理システム。
【請求項4】
前記格納検知装置は、前記ラックの一の側面に設けられた信号発信部および前記信号受信部と、当該一の側面に対向する他の側面に設けられた信号反射板とからなり、
前記格納検知装置は、前記信号発信部から発信した信号の前記信号反射板における反射信号を、前記信号受信部で検知した場合に、前記ラック格納装置が格納されていることを示す格納有無情報を前記資産管理サーバへ送信する
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のラック資産管理システム。
【請求項5】
前記格納検知装置は、所定の期間ごとに、前記ラック格納装置がラック内に格納されているかを検知する
ことを特徴とする請求項2または請求項4に記載のラック資産管理システム。
【請求項6】
ラック資産管理システムのラック資産管理方法であって、
ラックに備えられたラック管理制御部が、ラック格納装置と通信を行って当該ラック格納装置の関連情報を受信するとともに、当該関連情報と、前記ラック格納装置がラック内に格納された当該ラック内の格納位置を示す位置情報とを送信し、
前記ラックと通信ネットワークを介して接続された資産管理サーバが、受信した前記関連情報と前記位置情報とをラック資産管理テーブルへ記録するラック資産管理部を備えた資産管理サーバと、
からなることを特徴とするラック資産管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−42986(P2012−42986A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−180728(P2010−180728)
【出願日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)