説明

ラップパック

【課題】 市販のラップでは、パック作業それ自体およびラップに穴を開ける作業が必要になり、パックに手間がかかっていた。
【解決手段】
このラップパック100は、パックに必要な分量を引き出し、ケース3の蓋5の歯により所定長さに切断する。続いて、ミシン目4が目の上にくるようにしてラップ2をのせ、その後、ミシン目4を割いて目の部分に穴を開ける。この発明のラップパック100によれば、鋏を使わなくてもラップ2に簡単に穴を開けることができる。また、ミシン目4に沿って切断することでラップ2の幅を簡単に小さくできる。これらの結果、パック作業自体が簡単に行えるようになる。また、ラップパック100の構造が簡単であるため、安価に製造できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラップによりパックをしたときに簡単に穴を開けられるラップパックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、ラップパックという美容方法が注目されている。このラップパックは、市販のラップをローションパックの上に被せ、水分の蒸発を防止するものであり、市販のラップを用いて簡単に実施できるために流行の兆しがある。
【0003】
しかしながら、顔にラップをするにしても、目鼻口を避けて用いるか、目鼻口の部分に穴を開けて用いる必要があり、前者の場合にはパック作業に手間がかかり、後者の場合には鋏等によりラップに穴を開ける手間がかかり、そうなると幅の大きな市販のラップは使い難いものとなっていた。なお、特許文献1に記載のようなパックもあるが、面積が大きく且つ1枚毎に用いることになり、高価である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−39169号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、市販のラップでは、パック作業それ自体およびラップに穴を開ける作業が必要になり、パックに手間がかかっていた点である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のラップは、棒状の芯材と、芯材の周囲に多数層に巻かれ且つ単数または複数のミシン目を少なくとも略巻回方向に有するラップと、芯材に巻きつけたラップを収納するケースとを備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明のラップは、上記発明において、前記ミシン目同士が交差部分を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明のラップは、上記発明において、前記ケースに、固定バンドを設けたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明のラップパックは、上記ラップを、幅が10cm以下4cm以上としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、パックした後で簡単に穴を開けられるうえ、ミシン目で切断することで異なる幅のラップとして用いることができる。また、これらは食品等をラップする場合にも同様の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の実施の形態1にかかるラップパックを示す斜視図である。
【図2】図1に示したラップパックの中身のラップ2の斜視図である。
【図3】図1に示したラップパックの使用方法を示す説明図である。
【図4】ラップパックの別の使用方法を示す説明図である。
【図5】この発明の実施の形態2にかかるラップパックを示す斜視図である。
【図6】図5に示したラップパックの中身のラップ2の斜視図である。
【図7】この発明の実施の形態3にかかるラップパックの中身のラップ2を示す平面図である。
【図8】図7に示したラップ2の使用方法を示す説明図である。
【図9】この発明の別の実施の形態にかかるラップパックを示す斜視図である。
【図10】この発明の別の実施の形態にかかるラップパックを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1にかかるラップパックを示す斜視図である。図2は、図1に示したラップパックの中身のラップ2の斜視図である。このラップパック100は、円筒の棒状の芯材1と、この芯材1の周囲に巻きついているラップ2と、このラップ2を芯材1と共に収納するケース3とから構成される。ラップ2は、幅が20cm以下2cm以上とするのが使用上好ましく、幅が10cm以下4cm以上とするのがより好ましい。これは、市販のラップのような大きな幅だと、パックには使用し難いためである。
【0013】
ラップ2には、巻回方向(芯材1の周方向または長手方向に垂直方向)に1本のミシン目4が設けられている。このミシン目4は、ラップ2の幅方向の略中央に形成される。ケース3は、ラップ2と芯材1を収納するのに適した長めの箱状体である。上部が開閉可能な蓋5となっており、その蓋5の端縁には微小な歯が設けられている。
【0014】
ラップ2の素材には、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチルベンテン、ポリプロピレン等を用いる。特に、酸素ガス透過度が高く、透湿度が低いものを用いるのが好ましい。
【0015】
次に、このラップパック100の使用方法を説明する。図3は、図1に示したラップパックの使用方法を示す説明図である。このラップパック100は、例えば、8cmの幅のラップ2を収納したラップパック100であり、額をパックするだけの分量を引き出し、ケース3の蓋5の歯により所定長さに切断する。そして、このラップ2を額にのせ、パックする。この場合は、ミシン目4を切断しない。続いて、目の周りをパックするだけの分量を引き出し、同様に所定長さに切断する。そして、ミシン目4が目の上にくるようにしてラップ2をのせ、その後、ミシン目4を割いて目の部分に穴を開ける。続いて、口の周りをパックするだけの分量を引き出し、同様に所定長さに切断する。そして、ミシン目4が口の上にくるようにしてラップ2をのせ、その後、ミシン目4を割いて口の部分に穴を開ける。
【0016】
このように、目と口の部分にミシン目4がくるようにし、ラップ2をのせてからミシン目4を裂いて穴を開けるようにすれば、簡単にラップパックをすることができる。なお、図示しないが、鼻の周りをパックする場合は、鼻の上にミシン目4がくるようにしてラップ2をのせ、その後、ミシン目4を割いて鼻の部分に穴を開ければよい。
【0017】
図4は、ラップパックの別の使用方法を示す説明図である。このラップパック100は、巻回方向にミシン目4を設けているので、パックする前に、このミシン目4に沿ってラップ2を切断して用いることもできる。同図の例では、8cm幅のラップ2を半分に切断して幅4cmのラップ2とし、頬や鼻の頭、口元等に用いている。
【0018】
以上、この発明のラップパック100によれば、鋏を使わなくてもラップ2に簡単に穴を開けることができる。また、ミシン目4に沿って切断することでラップ2の幅を簡単に小さくできる。これらの結果、パック作業自体が簡単に行えるようになる。また、ラップパック100の構造が簡単であるため、安価に製造できる。
【0019】
(実施の形態2)
図5は、この発明の実施の形態2にかかるラップパックを示す斜視図である。図6は、図5に示したラップパックの中身のラップの斜視図である。このラップパック200は実施の形態1に示したラップパック100と略同様の構成であるが、ミシン目4が巻回方向に2本設けられている点が異なる。このように、2本のミシン目4を設けることで、ラップ2をのせたときに2つの位置で穴を開けられる。また、図4に示したように切断して用いる場合に、ラップ幅を3種類にできる。即ち、1列のみ用いる場合、2列用いる場合、切断せずに用いる場合である。
【0020】
また、図示しないが、ミシン目4の数を3本以上にしても良い。その場合には、更に穴を開ける位置を増やすことができ、切断して様々な幅のラップ2として用いることができる。
【0021】
(実施の形態3)
図7は、この発明の実施の形態3にかかるラップパックの中身のラップ2を示す平面図である。このラップパック300は実施の形態1に示したラップパック100と略同様の構成であるが、ラップ2に形成するミシン目204同士が交差したパターンである点が異なる。例えば図7の場合には、ミシン目204がクロスするように設けられ、換言するとX字形状に多数設けられている。このX字形状のミシン目204は、図8に示すように、パックしたときに引き裂くことで切断片205を四方に窓を開くように穴を開けることができ、引き裂いた切断片205を折り返すことでラップ2同士が吸着して固定される。これにより、四角の穴を開けることができる。
【0022】
また、図9に示すように、実施の形態1〜3のケース3に環状の固定バンドとしてのゴムバンド6を設けてもよい。このゴムバンド6は、図10に示すように、ケース3の周りに巻くことで持ち運びのとき等にケース3の蓋5が開かないようにできる。また、図示しないが、蓋5に固定バンドを取り付け、その先端にフック側の面テープを設けると共に、ケース3の前記面テープに対応する位置にループ側の面テープを設けても良い。なお、上記実施の形態1〜3のラップ2に多数の微小孔を設け、一定の通気性を与えても良い(図示省略)。
【0023】
(実施の形態4)
また、上記実施の形態1〜3のラップの幅を14cm以上33cm未満とし、食品等に用いるようにしてもよい。このようにすれば、ミシン目で切断できることから、サイズ規格違いのラップをいくつも購入して、使い分ける必要がないので、大変便利である。例えば、1汁2菜(メイン大皿、小鉢、汁椀)の場合、1本のラップ(幅30cm)で、メインオ大皿に対して幅30cmのままでラップをし、小鉢、汁椀に対しては、幅15cmに切断してラップをすれば、大変使い勝手が良くなる。また、レンジでの調理の際、水分を飛ばしたいがレンジ内への飛び散りを最小限で抑えたい場合には、ラップを被せ、ミシン目に沿って適当な量の穴を開ければよい。
【符号の説明】
【0024】
100 ラップパック
1 芯材
2 ラップ
3 ケース
4 ミシン目
5 蓋


【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状の芯材と、
芯材の周囲に多数層に巻かれ且つ単数または複数のミシン目を少なくとも略巻回方向に有するラップと、
芯材に巻きつけたラップを収納するケースと、
を備えたことを特徴とするラップ。
【請求項2】
前記ミシン目同士が交差部分を有することを特徴とする請求項1に記載のラップ。
【請求項3】
前記ケースに、固定バンドを設けたことを特徴とする請求項1または2に記載のラップ。
【請求項4】
前記請求項1〜3のいずれか一つに記載のラップを、幅が10cm以下4cm以上としたことを特徴とするラップパック。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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