説明

ラップフィルム用の巻芯、ラップ巻回体および容器入りラップ巻回体

【課題】剥離したラップフィルムの先端部の全体が、ラップフィルムが巻芯に巻かれたラップ巻回体の最外周に張り付いた場合に、ラップフィルムがラップ巻回体に対してどちらの方向に巻かれているのか容易に識別することができ、短時間でラップフィルムを引き出して剥離部を形成し、ラップフィルムを使用することができる巻芯を提供することを目的とする。
【解決手段】ラップフィルムを巻きつけるための巻芯において、巻き方向表示標識が外部から見うるように付されていることを特徴とするラップフィルム用の巻芯とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品包装用等のラップフィルムが巻きつけられるラップフィルム用の巻芯、当該巻芯に巻きつけられたラップフィルムと巻き芯とを備えるラップ巻回体、および当該ラップ巻回体と当該ラップ巻回体を収納する容器とを備える容器入りラップ巻回体とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図6に示すように、容器入りラップ巻回体101はラップ巻回体102と、ラップ巻回体102を収納する容器114とを含んで構成される。食品包装用等に使用されるラップフィルム112は紙製の円筒状の巻芯110に巻きつけられラップ巻回体102として使用されるのが一般的である。このようなラップ巻回体102は、細長い直方体形状の紙製の容器114の内に収容されている。容器114は、上部に一面全体に渡って開放された開口130を有する容器本体115と、容器本体115の開口130を覆って蓋をするように形成され、一端にカッター124が形成され、他端が容器本体115に回動可能に連接された蓋板122を含んで構成されている。巻芯110に巻かれたラップフィルム112は、ポリ塩化ビニリデンを原材料とする透明フィルムである。
【0003】
ラップフィルム112は、使用前は最外周部の先端部113のラップフィルム112に引出し用の紙テープ(不図示)が取り付けられている。したがって、ラップフィルム112を最初に使用するときは、例えば容器114を左手に持ち、蓋板122を開け、右手でこの紙テープを引っ張ればラップフィルム112は容器114内で回転しラップフィルム112をラップ巻回体102から剥離させ、容器114の外部へ引き出すことができる。必要な長さのラップフィルム112を引き出した場合には、蓋板122を閉め、蓋板122の側面126を左手の親指で押さえ、カッター124を使用してラップフィルム112を切断して、切り離しラップフィルム112を使用する。
【0004】
蓋板122のカッター124が付いている側面126が覆い被さる容器本体115の前面132の長手方向の中央であって、左手の親指の真下に相当する箇所には、ラップフィルム112の巻き戻りを防ぐストッパ128が貼り付けてある。当該ストッパ128はラップフィルム112に対して自己粘着性を有し、ラップフィルム112がストッパ128に張り付き、ラップフィルム112の先端部113は、容器本体115の外部にラップ巻回体102から剥離した状態で留まる(例えば、特許文献1、図2)。
【0005】
次回の使用時には、蓋板122を開けストッパ128に張り付いているラップフィルム112の先端部113をストッパ128からはがして、当該先端部113を再び引き出して使用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−184692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、何らかの理由で剥離したラップフィルム112の先端部113がストッパ128から外れ、先端部113の全体がラップ巻回体102の最外周に張り付いた場合には、ラップフィルム112の先端部113がどこにあるのか、またどちらの方向に巻き付いているのかを肉眼では見分けることは難しく、再びラップフィルム112の先端に剥離部119を形成するのに時間がかかってしまう。
【0008】
すなわち、先端部113の全体がラップ巻回体102の最外周部に張り付いた場合は、修復のためには容器114からラップ巻回体102を取り出さなければならない。さらに容器114から取り出したラップ巻回体102から目を離すか、あるいは持ち替えるか、あるいはどこかに置いたりすると、ラップフィルム112がラップ巻回体102に対してどちらの方向に巻かれているのか分からなくなることがある。また、ラップフィルム112の先端部113を探す際には、例えばセロハンテープ(不図示)を使って探すことが一般的であるが、その際巻き方向が分からないと、巻き方向を見つけて剥離部119を形成するのに時間がかかってしまう。
【0009】
そこで、本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、剥離したラップフィルムの先端部の全体が、ラップフィルムが巻芯に巻かれたラップ巻回体の最外周に張り付いた場合に、ラップフィルムがラップ巻回体に対してどちらの方向に巻かれているのか容易に識別することができ、短時間でラップフィルムを引き出して剥離部を形成し、ラップフィルムを使用することができる、ラップフィルム用の巻芯、ラップ巻回体、および容器入りラップ巻回体とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様に係るラップフィルム12用の巻芯10は、例えば図1、図2に示すように、ラップフィルム12を巻きつけるための巻芯10において;ラップフィルム12を巻芯10に巻きつけた状態で、巻き方向表示標識40Aが外部から見うるように付されていることを特徴とする。
【0011】
このように構成すると、ラップフィルム用の巻芯は、ラップフィルムを巻芯に巻きつけた状態で、巻き方向表示標識が巻芯の外部から見うるように付されているので、剥離したラップフィルムの先端部の全体が、ラップフィルムを巻芯に巻回したラップ巻回体の最外周に張り付いた場合に、ラップフィルムがラップ巻回体に対してどちらの方向に巻かれているのか容易に識別することができ、ラップフィルムの先端部を巻き方向とは反対方向に剥がして、短時間でラップフィルムを引き出して剥離部を形成し、ラップフィルムを使用することができる。
【0012】
本発明の第2の態様に係るラップフィルム12用の巻芯10は、例えば図1、図2に示すように、本発明の第1の態様に係るラップフィルム用の巻芯において、巻き方向表示標識40Aが巻き方向を示す図形または記号44Aを含むことを特徴とする。
【0013】
このように構成すると、ラップフィルム用の巻芯は、巻き方向表示標識が巻き方向を示す図形または記号を含むので、剥離したラップフィルムの先端部の全体が、ラップフィルムを巻芯に巻回したラップ巻回体の最外周に張り付いた場合に、ラップフィルムがラップ巻回体に対してどちらの方向に巻かれているのか容易かつ確実に識別することができる。
【0014】
本発明の第3の態様に係るラップフィルム12用の巻芯10は、例えば図3、図4に示すように、本発明の第1の態様または第2の態様に係るラップフィルム用の巻芯において、巻芯10が中空の円筒形状であり;巻き方向表示標識40B、40C、40Dが巻芯10の内側面46の端部48、側面52、外側面47の端部49からなる群より選択された一の箇所に付されていることを特徴とする。
【0015】
このように構成すると、ラップフィルム用の巻芯は、巻芯が中空の円筒形状であり、巻き方向表示標識が巻芯の内側面の端部、側面、外側面の端部からなる群より選択された一の箇所に付されているので、剥離したラップフィルムの先端部の全体が、ラップフィルムを巻芯に巻回したラップ巻回体の最外周に張り付いた場合に、ラップフィルムがラップ巻回体に対してどちらの方向に巻かれているのか容易かつ確実に識別することができる。
【0016】
本発明の第4の態様に係るラップフィルム用の巻芯10は、例えば図1、図2に示すように、本発明の第1の態様または第2の態様に係るラップフィルム用の巻芯において、巻芯10の最外周部分に表面層18を有しており、表面層18の裏面50側に巻き方向表示標識40Aが付されていることを特徴とする。
【0017】
このように構成すると、ラップフィルム用の巻芯は、表面層の裏面側に巻き方向表示標識が付されているので、表面層により巻き方向表示標識を保護し巻き方向表示標識を消えにくくすることができる。また、巻き方向表示標識を印刷した場合に、ラップフィルムに転着されるのを防ぐことができる。
【0018】
上記目的を達成するため、本発明の第5の態様に係るラップ巻回体2は、例えば図1に示すように、本発明の第1の態様乃至第4の態様のいずれか1の態様に記載の巻芯と;巻芯10に巻きつけられたラップフィルム12とを備えることを特徴とする。
【0019】
このように構成すると、ラップ巻回体は、第1の態様乃至第4の態様のいずれか1の態様に記載の巻芯を備え、当該巻芯には、巻き方向表示標識が巻芯の外部から見うるように付されているので、剥離したラップフィルムの先端部の全体がラップ巻回体の最外周に張り付いた場合に、ラップフィルムがラップ巻回体に対してどちらの方向に巻かれているのか容易に識別することができ、ラップフィルムの先端部を巻き方向とは反対方向に剥がして、短時間でラップフィルムを引き出して剥離部を形成し、ラップフィルムを使用することができる。
【0020】
本発明の第6の態様に係るラップ巻回体2は、例えば図1に示すように、本発明の第5の態様に係るラップ巻回体において、最初の使用開始時において、巻き方向表示標識40Aがラップ巻回体2の外部から見えるようになっていることを特徴とする。
【0021】
このように構成すると、ラップ巻回体は、最初の使用開始時において、巻き方向表示標識がラップ巻回体の外部から見えるようになっているので、最初の使用開始時から、ラップフィルムがラップ巻回体に対してどちらの方向に巻かれているのか容易に識別することができる。
巻き方向表示標識がラップ巻回体の外部から見えるようになっているとは、巻き方向表示標識が何にも覆われておらず、またはラップフィルムがその他の何かに覆われていても、覆っているものが透明または半透明であり光を透過し、かつ巻き方向表示標識をラップフィルムの使用者が使用時に肉眼で見えるような位置に配置されていることをいう。
【0022】
上記目的を達成するため、本発明の第7の態様に係る容器入りラップ巻回体1は、例えば図1に示すように、第5の態様または第6の態様に記載のラップ巻回体2と;ラップ巻回体2を収容する容器14とを備えることを特徴とする。
【0023】
このように構成すると、容器入りラップ巻回体は、ラップ巻回体と、ラップ巻回体を収容する容器とを備えるので、剥離したラップフィルムの先端部の全体がラップ巻回体の最外周に張り付いた場合に、ラップフィルムがラップ巻回体に対してどちらの方向に巻かれているのか容易に識別することができ、ラップフィルムの先端部を巻き方向とは反対方向に剥がして、短時間でラップフィルムを引き出して剥離部を形成し、ラップフィルムを使用することができる。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように、本発明のラップフィルム用の巻芯によれば、ラップフィルムを巻芯に巻きつけた状態で、巻き方向表示標識が巻芯の外部から見うるように付されているので、剥離したラップフィルムの先端部の全体が、ラップフィルムを巻芯に巻回したラップ巻回体の最外周に張り付いた場合に、ラップフィルムがラップ巻回体に対してどちらの方向に巻かれているのか容易に識別することができ、ラップフィルムの先端部を巻き方向とは反対方向に剥がして、短時間でラップフィルムを引き出して剥離部を形成し、ラップフィルムを使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は本発明の実施の形態に係る容器入りラップ巻回体の斜視図である。
【図2】図2(a)は図1に示すラップ巻回体の巻芯の斜視図である。図2(b)は図1に示すラップ巻回体の巻芯の表面層を一部剥がした斜視図である。
【図3】図3(a)は他の巻き方向表示標識が表示された巻芯の斜視図である。図3(b)は図3(a)の巻芯のB部の部分拡大図である。
【図4】図4(a)は他の巻き方向表示標識が表示されたラップ巻回体の斜視図である。図4(b)、図4(c)は、図4(a)のラップ巻回体のA部の部分拡大図である。
【図5】図5(a)〜(c)は他の巻き方向表示標識の例を示した図である。
【図6】図6は従来の容器入りラップ巻回体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において互いに同一あるいは相当する部材には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0027】
図1は、本実施の形態に係る容器入りラップ巻回体1の斜視図である。容器入りラップ巻回体1は、ラップ巻回体2と、当該ラップ巻回体2を収納する容器14とを含んで構成される。本実施の形態は、ラップ巻回体2に巻き方向表示標識(以下、適宜標識)40A(図2他)がラップ巻回体2の外部から見えるように付されていることを特徴とする。
【0028】
図1は、ラップ巻回体2に標識40Aが記載されている点で、図6と相違するが、その他の点では図6と共通する。すなわち、図1の内容は標識40A以外は、図6の従来のラップ巻回体102と共通し、背景技術の欄で説明した内容と同じである。したがって、ここでは説明を繰り返さない。なお、図1の符号と図6の符号は、一桁目と二桁目が共通する。本願のさらなる特徴を、以下に説明する。
【0029】
図2(a)、(b)は、図1のラップ巻回体2に用いられる巻芯10の斜視図である。巻芯10は、従来一般のものと同様に、ボール紙等の厚紙からなる中空の円筒形状の管状体16と、この管状体16の外周面上(最外周部分)に上質紙等の薄紙を螺旋状に巻き付け接着してなる表面層18を含んで構成されている。なお、巻芯10の材質は紙に限らず、合成樹脂であってもよい。表面層18は、透明または半透明である。
【0030】
この表面層18の裏面50(裏面50とは表層面18が巻芯10に巻きつけられたときに下側(巻芯側)にくる部分をいう。)には、巻き方向表示標識40Aが印刷されている。標識40Aは、「巻き方向」の文字と、巻き方向を示す図形または記号としての矢印44Aからなる。標識40Aは、一般に、文字、図形(例えば矢印のみ)若しくは記号(例えば矢印のみ)またはこれらの結合からなるものとすることができる。標識40Aは、薄紙の裏面となる側の面に予め印刷されたものである。巻芯10に表面層18として使用される薄紙は一般的に白色で且つ非常に薄く透明または半透明であるため、印刷面を管状体16側に向けて管状体16に貼り付けても、標識40Aは巻芯10の外側から見ることができ視認することができ、巻芯10にラップフィルム12が巻回された場合でも、ラップ巻回体2の外側からもラップフィルム12を介して視認することができる。
【0031】
表面層18が、透明または半透明とは、表面層18の裏面50に標識40Aを印刷し、表面層18を巻芯10に巻きつけた場合に、標識40Aを視認することができる程度の透明度を表面層18が有することをいう。また、さらにラップフィルム12を巻芯10に巻きつけた場合に、最初にラップフィルム12を使用するときから、標識40Aを視認することができる程度に、表面層18を通して見た標識40Aが鮮明であることが好ましい。
【0032】
表面層18の裏面50側に標識40Aを印刷したのは、巻芯10の外周面に接する部分のラップフィルム12も使用に供されるので、印刷用インクがラップフィルム12に転着するのを防止するためである。これによって、印刷インクの種類に注意を払う必要がなくなり、印刷という簡便な方法で標識40Aを巻芯10に付すことができる。
【0033】
このような巻芯10にラップフィルム12を巻き付けると、巻き数が増すにつれて標識40Aは見えにくくなっていく。これは、ラップフィルム12は完全な透明ではないので、巻き数が増加すれば光の透過率も低下するためである。すなわち、ラップフィルム12の巻き付け量が多ければ、標識40Aからの反射光のエネルギー量が減るため、ラップ巻回体2の外部からは標識40Aの見やすさが減少する。この反射光のエネルギー量は、標識40Aの濃淡や色等を変えることにより変化させることができる。したがって、標識40Aの濃淡や色等を適宜調整するにより、ラップフィルム12の最初の使用開始時において、多くの人間が標識40Aを見うる状態とすることができる。この場合、一般家庭のキッチンでの蛍光灯のワット数等を考慮して最適な条件を見いだすことが好ましい。なお、色彩については、食品用であることから、明るい色合いが好ましく、例えば赤色系が好ましい。但し、黄色系では見にくいことがある。
【0034】
巻芯10に巻かれたラップフィルム12は、ポリ塩化ビニリデンを原材料とする透明フィルムであるが、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、もしくはこれらを組み合わせた多層ラップフィルムであってもよい。
【0035】
本実施の形態の容器入りラップ巻回体2によれば、ラップフィルム12用の巻芯10を備えるラップ巻回体2を備え、ラップフィルム12を巻芯10に巻きつけた状態で、巻き方向表示標識40Aが巻芯の外部、およびラップ巻回体2の外部から見うるように付されているので、剥離したラップフィルム12の先端部13の全体がラップ巻回体2の最外周に張り付いた場合に、ラップフィルム12がラップ巻回体2に対してどちらの方向に巻かれているのか容易に識別することができ、ラップフィルム12の先端部を巻き方向とは反対方向に剥がして、短時間でラップフィルム12を引き出して剥離部19を形成し、ラップフィルム12を使用することができる。
【0036】
ラップフィルム12を巻芯10に巻きつけた状態で、巻き方向表示標識40Aが巻芯10の外部、およびラップ巻回体2の外部から見えるようになっているとは、巻き方向表示標識40Aがラップフィルムに覆われておらず、または巻き方向表示標識40Aがラップフィルム12に覆われていても、ラップフィルム12が透明または半透明であり光を透過し、かつ、巻き方向表示標識40Aが、ラップフィルム12の使用者が肉眼で見えるような位置に配置されていることをいう。
【0037】
ラップフィルムが透明、または半透明とは、ラップフィルムを巻芯に巻きつけた状態で、最初の使用時から巻芯の最外周に記載した(巻芯の表面層の表面側、裏面側に記載した場合を含む)文字、図形、記号が外部から見えるような透明度をラップフィルムが有することをいう。
【0038】
図3(a)は、図2の標識40Aとは異なる形態の巻き方向表示標識40Bが表示された巻芯10の斜視図である。図3(b)は巻芯10の図中のB部の部分拡大図である。巻芯10の内側面46の端部(巻芯の内側面の端部)48には、標識40Bが印刷されている。標識40Bは、「巻き方向」の文字と、巻き方向を示す図形または記号である矢印44Bからなる。端部48は、標識40Bが巻芯10の外側から見ることができ視認することができる部分である。
【0039】
図4(a)は、図2の標識40Aとは異なる形態の標識40C(図4(b))、40D(図4(c))が表示された巻芯10にラップフィルム12が巻回されたラップ巻回体2の斜視図である。
図4(b)は図4(a)のラップ巻回体2の図中のA部の部分拡大図である。標識40Cは、「巻き方向」の文字と、巻き方向を示す図形または記号である矢印44Cからなり、巻芯10の側面52に印刷されている。
【0040】
図4(c)は図4(a)のラップ巻回体2の図中のA部の部分拡大図である。標識40Dも、同様に「巻き方向」の文字と、巻き方向を示す図形または記号である矢印44Dからなり、巻芯10の外側面47の端部49であって、ラップフィルム12が巻回されていない端部(巻芯の外側面の端部)49に印刷されている。
【0041】
標識40Dは、巻芯10の表面層18の表面51側、あるいは裏面50側であって、ラップフィルム12が巻回されていない表面層18の端部11に印刷してもよい。
【0042】
このように、ラップフィルム12に覆われていない巻芯10の箇所に標識40B、40C、40Dを付することにより、ラップフィルム12が厚く巻かれている場合、またはラップフィルム12の透明度が低い場合にも、巻き方向を容易かつ確実に識別することができる。
【0043】
図5(a)は、他の形態の標識40Eを示す。矢印44Eが、中抜きで太く描かれた例である。
【0044】
図5(b)は、ラップフィルム12(図1)の引き出し方向を示す引き出し方向表示標識(以下、適宜標識)42Aを示す。引き出し方向は巻き方向と同じであるので、引き出し方向表示標識は、巻き方向表示標識の一形態である。
【0045】
図5(c)は、図5(b)とは異なる形態の引き出し方向表示標識42Bである。引き出し方向が手の親指にて示されているが、このように方向が分かる図形または記号による表示も巻き方向表示標識の一形態である。
【符号の説明】
【0046】
1 容器入りラップ巻回体
2 ラップ巻回体
10 巻芯
11 端部
12 ラップフィルム
13 先端部
14 容器
15 容器本体
16 管状体
18 表面層
19 剥離部
22 蓋板
24 カッター
26 側面
28 ストッパ
30 開口
32 前面
40A、40B、40C、40D、40E 巻き方向表示標識
42A、42B 引き出し方向表示標識(巻き方向表示標識)
44A、44B、44C、44D、44E 矢印(図形または記号)
46 内側面
47 外側面
48、49 端部
50 裏面
51 表面
52 側面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラップフィルムを巻きつけるための巻芯において;
前記ラップフィルムを前記巻芯に巻きつけた状態で、巻き方向表示標識が外部から見うるように付されていることを特徴とする;
ラップフィルム用の巻芯。
【請求項2】
前記巻き方向表示標識が巻き方向を示す図形または記号を含むことを特徴とする;
請求項1に記載のラップフィルム用の巻芯。
【請求項3】
前記巻芯が中空の円筒形状であり;
前記巻き方向表示標識が前記巻芯の内側面の端部、側面、外側面の端部からなる群より選択された一の箇所に付されていることを特徴とする;
請求項1または請求項2に記載のラップフィルム用の巻芯。
【請求項4】
前記巻芯の最外周部に表面層を有しており、前記表面層の裏面側に前記巻芯方向表示を標識が付されていることを特徴とする;
請求項1または請求項2に記載のラップフィルム用の巻芯。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の巻芯と;
前記巻芯に巻きつけられた前記ラップフィルムとを備えることを特徴とする;
ラップ巻回体。
【請求項6】
最初の使用開始時において、前記巻き方向表示標識が前記ラップ巻回体の外部から見えるようになっていることを特徴とする;
請求項5に記載のラップ巻回体。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載のラップ巻回体と;
前記ラップ巻回体を収容する容器とを備える;
容器入りラップ巻回体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−230918(P2011−230918A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−105445(P2010−105445)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(000001100)株式会社クレハ (477)
【Fターム(参考)】