説明

ラテックスコポリマー並びにその製造方法および使用方法

【課題】ラテックスコポリマー、ラテックスコポリマーの製造方法、およびラテックスコポリマーの使用方法を提供する。
【解決手段】不飽和複素環を含有するモノマーX由来の重合単位を5重量%を超えて含むラテックスコポリマー組成物であって、1000ppm以下の残留モノマーXを含むラテックスコポリマー組成物が開示される。さらにそのラテックスコポリマー組成物を製造および使用する方法も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラテックスコポリマー組成物に関し、より詳細には、5重量%を超えるモノマーX由来の重合単位、および1000ppm以下の残留モノマーXを含み、モノマーXは不飽和複素環を含有する、ラテックスコポリマー組成物に関する。本発明はまた、そのラテックスコポリマー組成物の製造方法、および使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
不飽和複素環モノマーをベースとする水性ポリマー分散液を調製する一方法は、Bett等の米国特許第6469097号に開示されている。Bett等は、(1)(i)少なくとも1つの求核へテロ原子を含み、(ii)少なくとも1つの環外エチレン性不飽和を含有し、(iii)その複素環が少なくとも1つのエチレン性不飽和を含む、少なくとも1種の不飽和複素環モノマー(A)、および(2)場合によって少なくとも1種のエチレン性不飽和官能化モノマー(B)、および/または少なくとも1つの環外エチレン性不飽和を含有する芳香族モノマー:を含むモノマーの混合物の重合から得られた水不溶性ポリマーの水性分散液を開示している。
【0003】
環境、健康、および安全上の理由から、生成物ラテックスポリマーに存在する残留モノマーの濃度を最低限度に抑えることが望ましい。
【特許文献1】米国特許第6469097号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、不飽和複素環を含有するモノマー由来の単位を5重量%を超えて有するラテックスコポリマーであって、ラテックスコポリマー中の残留複素環含有モノマー含量が最低限度に抑えられている(すなわち、1000ppm以下)ラテックスコポリマーが依然として求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様において、モノマーXとモノマーYの重合単位を含むラテックスコポリマーを含む組成物であって;ラテックスコポリマーは、5重量%を超えるモノマーX由来の単位を含み;ラテックスコポリマーは、1000ppm以下の残留モノマーXを含み;モノマーXは、ビニルイミダゾール、ビニルイミダゾリン、ビニルアミジン、ビニルピリジン、ビニルピロール、ビニルピリリドン、ビニルカプロラクタム、それらの誘導体、およびそれらの組み合わせから選択され;モノマーYは、カルボン酸類、カルボン酸塩類、カルボン酸エステル類、有機硫酸類、有機硫酸塩類、スルホン酸類、スルホン酸塩類、ホスホン酸類、ホスホン酸塩類、ビニルエステル類、(メタ)アクリルアミド、少なくとも1つの環外エチレン性不飽和を含有するC〜C20芳香族モノマー、およびそれらの組み合わせから選択される:組成物が提供される。
【0006】
本発明の他の態様において、ラテックスコポリマーを製造する方法であって、水性溶媒を提供すること、モノマーXを提供すること、モノマーYを提供すること、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−バレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチル−ブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロ−ヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、およびそれらの組み合わせから選択された重合開始剤を提供すること、モノマーX、モノマーY、重合開始剤、および水性溶媒を合わせて、反応混合物を形成すること、並びに反応混合物のpHを≧7に維持すること:を含み、ラテックスコポリマーは、5重量%を超えるモノマーX由来の単位を含み、モノマーXは、ビニルイミダゾール、ビニルイミダゾリン、ビニルアミジン、ビニルピリジン、ビニルピロール、ビニルピリリドン、ビニルカプロラクタム、それらの誘導体、およびそれらの組み合わせから選択され、モノマーYは、カルボン酸、カルボン酸塩、カルボン酸エステル、有機硫酸、有機硫酸塩、スルホン酸、スルホン酸塩、ホスホン酸、ホスホン酸塩、ビニルエステル、(メタ)アクリルアミド、少なくとも1つの環外エチレン性不飽和を含有するC〜C20芳香族モノマー、およびそれらの組み合わせから選択される方法が提供される。
【0007】
本発明の他の態様において、本発明のラテックスコポリマーを含む感圧接着剤組成物が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本明細書および特許請求の範囲では、「コポリマー」という用語は、少なくとも2種の異なるモノマーから重合されたポリマーを指す。
【0009】
本明細書および特許請求の範囲では、「水性」という用語は、水、並びに実質的に水と水混和性溶媒からなる混合物を意味する。
【0010】
本明細書および特許請求の範囲では、アクリル、アクリレート、アクリルアミドなど他の用語の前に「(メタ)」という用語が用いられるとき、たとえばアクリルおよびメタクリル;アクリレートおよびメタクリレート;アクリルアミドおよびメタクリルアミドなど、の両方を指す。
【0011】
本発明のコポリマーおよび感圧接着剤配合物のガラス転移温度(「Tg」)は、温度変化に対する熱流量の中間点をTg値とする示差走査熱量測定法(DSC)によって測定することができる。
【0012】
本明細書および特許請求の範囲では、「残留モノマーX」という用語は、全ラテックスに対する非重合モノマーを意味する。残留モノマー濃度は、よく知られているガスクロマトグラフィ法を用いて求められる。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態において、ラテックスコポリマーは、5重量%を超えるモノマーX由来の単位を含む。これらの実施形態のいくつかの態様において、ラテックスコポリマーは、10重量%以上のモノマーX由来の単位を含む。これらの実施形態のいくつかの態様において、ラテックスコポリマーは、15重量%以上のモノマーX由来の単位を含む。これらの実施形態のいくつかの態様において、ラテックスコポリマーは、20重量%以上のモノマーX由来の単位を含む。これらの実施形態のいくつかの態様において、ラテックスコポリマーは、25重量%以上のモノマーX由来の単位を含む。これらの実施形態のいくつかの態様において、ラテックスコポリマーは、27重量%以上のモノマーX由来の単位を含む。これらの実施形態のいくつかの態様において、ラテックスコポリマーは、28重量%以上のモノマーX由来の単位を含む。これらの実施形態のいくつかの態様において、ラテックスコポリマーは、29重量%以上のモノマーX由来の単位を含む。これらの実施形態のいくつかの態様において、ラテックスコポリマーは、30重量%以上のモノマーX由来の単位を含む。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態において、ラテックスコポリマーは、1000ppm以下の残留モノマーXを含む。これらの実施形態のいくつかの態様において、ラテックスコポリマーは、900ppm以下の残留モノマーXを含む。これらの実施形態のいくつかの態様において、ラテックスコポリマーは、800ppm以下の残留モノマーXを含む。これらの実施形態のいくつかの態様において、ラテックスコポリマーは、700ppm以下の残留モノマーXを含む。これらの実施形態のいくつかの態様において、ラテックスコポリマーは、600ppm以下の残留モノマーXを含む。これらの実施形態のいくつかの態様において、ラテックスコポリマーは、500ppm以下の残留モノマーXを含む。これらの実施形態のいくつかの態様において、ラテックスコポリマーは、400ppm以下の残留モノマーXを含む。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態において、モノマーXは、ビニルイミダゾール、ビニルイミダゾリン、ビニルアミジン、ビニルピリジン、ビニルピロール、ビニルピリリドン、ビニルカプロラクタム、それらの誘導体、およびそれらの組み合わせから選択される。これらの実施形態のいくつかの態様において、モノマーXは、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、それらの誘導体、およびそれらの組み合わせから選択される。これらの実施形態のいくつかの態様において、モノマーXは、N−ビニルイミダゾール、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、およびそれらの組み合わせから選択される。これらの実施形態のいくつかの態様において、モノマーXは、N−ビニルイミダゾールである。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態において、モノマーYは、カルボン酸類、カルボン酸塩類、カルボン酸エステル類、有機硫酸類、有機硫酸塩類、スルホン酸類、スルホン酸塩類、ホスホン酸類、ホスホン酸塩類、ビニルエステル類、(メタ)アクリルアミド、少なくとも1つの環外エチレン性不飽和を含有するC〜C20芳香族モノマー、およびそれらの組み合わせから選択される。これらの実施形態のいくつかの態様において、モノマーYは、カルボン酸、カルボン酸エステル、(メタ)アクリルアミド、少なくとも1つの環外エチレン性不飽和を含有するC〜C20芳香族モノマー、およびそれらの組み合わせから選択される。これらの実施形態のいくつかの態様において、モノマーYは、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、およびそれらの組み合わせから選択される。これらの実施形態のいくつかの態様において、モノマーYは、(メタ)アクリル酸n−ブチルである。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態において、モノマーXとモノマーYの重合単位を含むラテックスコポリマーを含む組成物であって、ラテックスコポリマーは、5重量%を超えるモノマーX由来の単位を含み、ラテックスコポリマーは、1000ppm以下の残留モノマーXを含み、モノマーXは、ビニルイミダゾール、ビニルイミダゾリン、ビニルアミジン、ビニルピリジン、ビニルピロール、ビニルピリリドン、ビニルカプロラクタム、それらの誘導体、およびそれらの組み合わせから選択され、モノマーYは、カルボン酸類、カルボン酸塩類、カルボン酸エステル類、有機硫酸類、有機硫酸塩類、スルホン酸類、スルホン酸塩類、ホスホン酸類、ホスホン酸塩類、ビニルエステル類、(メタ)アクリルアミド、少なくとも1つの環外エチレン性不飽和を含有するC〜C20芳香族モノマー、およびそれらの組み合わせから選択され、ただしその組成物はエポキシド官能基を含有するエチレン性不飽和モノマー由来の単位を5重量%以下含む組成物が提供される。これらの実施形態のいくつかの態様において、ラテックスコポリマーは、エポキシド官能基を含有するエチレン性不飽和モノマー由来の単位を1重量%以下含む。これらの実施形態のいくつかの態様において、ラテックスコポリマーは、エポキシド官能基を含有するエチレン性不飽和モノマー由来の単位を0.5重量%以下含む。これらの実施形態のいくつかの態様において、ラテックスコポリマーは、エポキシド官能基を含有するエチレン性不飽和モノマー由来の単位を0.1重量%以下含む。これらの実施形態のいくつかの態様において、ラテックスコポリマーは、エポキシド官能基を含有するエチレン性不飽和モノマー由来の単位を0.05重量%以下含む。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態において、本発明のラテックスコポリマーを含む組成物であって、その組成物がpH≧7を有する組成物が提供される。これらの実施形態のいくつかの態様において、組成物は、pH7〜10を有する。これらの実施形態のいくつかの態様において、組成物は、pH≧8を有する。これらの実施形態のいくつかの態様において、組成物は、pH8〜10を有する。これらの実施形態のいくつかの態様において、組成物は、pH≧9を有する。これらの実施形態のいくつかの態様において、組成物は、pH9〜10を有する。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態において、本発明のラテックスコポリマーを含む組成物であって、その組成物が20重量%以上の固形分を含む組成物が提供される。これらの実施形態のいくつかの態様において、組成物は、25重量%以上の固形分を含む。これらの実施形態のいくつかの態様において、組成物は、30重量%以上の固形分を含む。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態において、5を超えて、50重量%までのモノマーX由来の重合単位、および95から50重量%のモノマーY由来の重合単位を含む組成物が提供される。これらの実施形態のいくつかの態様において、5を超えて30重量%までのモノマーX由来の重合単位、および95から70重量%のモノマーY由来の重合単位を含む組成物が提供される。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態において、本発明の組成物は、架橋剤由来の重合単位をさらに含む。本発明での使用に適した架橋剤には、多エチレン性不飽和モノマーが含まれる。これらの実施形態のいくつかの態様において、架橋剤由来の単位は、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,1,1−トリメチロールプロパントリアクリレート、1,1,1−トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルメタクリレート、ジビニルベンゼン、およびN−アリルアクリルアミドから選択された架橋剤に由来する。これらの実施形態のいくつかの態様において、架橋剤由来の単位は、1,1,1−トリメチロールプロパントリメタクリレートから選択された架橋剤に由来する。これらの実施形態のいくつかの態様において、組成物は、0.01から10重量%(固形分に対して)の架橋剤を含む。これらの実施形態のいくつかの態様において、組成物は、0.01から5重量%(固形分に対して)の架橋剤を含む。これらの実施形態のいくつかの態様において、組成物は、0.01から1重量%(固形分に対して)の架橋剤を含む。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態において、本発明の組成物は、重合開始剤および/または重合開始剤の分解生成物をさらに含む。これらの実施形態のいくつかの態様において、重合開始剤は、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−バレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチル−ブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロ−ヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、およびそれらの組み合わせから選択される。これらの実施形態のいくつかの態様において、重合開始剤は、DuPontからVAZO(登録商標)68の商品名で市販され入手可能である4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)から選択される。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態において、組成物は、連鎖移動剤および/または連鎖移動剤の分解生成物をさらに含む。これらの実施形態のいくつかの態様において、連鎖移動剤は、その組成物と適合性である任意の通常の連鎖移動剤から選択される。これらの実施形態のいくつかの態様において、連鎖移動剤は、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、ヘキサンチオール、メルカプトプロピオン酸メチル、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0024】
本発明のいくつかの実施形態において、本発明の組成物は、界面活性剤および/または界面活性剤の分解生成物をさらに含む。これらの実施形態のいくつかの態様において、界面活性剤は、その組成物に適合性である任意の通常の界面活性剤であることができる。これらの実施形態のいくつかの態様において、界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態において、感圧接着剤配合物が提供される。これらの実施形態のいくつかの態様において、感圧接着剤配合物は、ベース材料を含む。これらの実施形態のいくつかの態様において、ベース材料は、少なくとも1種の重合されたエチレン性不飽和モノマーを含む。これらの実施形態のいくつかの態様において、エチレン性不飽和モノマーは、たとえばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸アミノアルキルを含む(メタ)アクリル酸エステルモノマー;スチレン、置換スチレン、ブタジエン、酢酸ビニル、ビニルエステル、ビニルモノマー(たとえば塩化ビニル、塩化ビニリジエン、N−ビニルピロリドンを含む)、(メタ)アクリロニトリル、およびそれらの組み合わせから選択される。これらの実施形態のいくつかの態様において、エチレン性不飽和モノマーは、(メタ)アクリル酸エステルモノマー、およびそれらの組み合わせから選択される。これらの実施形態のいくつかの態様において、エチレン性不飽和モノマーは、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸アミノアルキル、およびそれらの組み合わせから選択される。これらの実施形態のいくつかの態様において、エチレン性不飽和モノマーは、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0026】
本発明のいくつかの実施形態において、感圧接着剤配合物は、0から10重量%(固形分に対して)のモノエチレン性不飽和カルボン酸モノマー由来の重合単位を場合によってさらに含む。これらの実施形態のいくつかの態様において、モノエチレン性不飽和カルボン酸モノマーは、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸モノメチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノブチル、無水マレイン酸、およびそれらの組み合わせから選択される。これらの実施形態のいくつかの態様において、感圧接着剤配合物は、0.2から5重量%(固形分に対して)のアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、およびそれらの組み合わせ由来の重合単位を含む。
【0027】
本発明のいくつかの実施形態において、感圧接着剤配合物は、0から1重量%(固形分に対して)の多エチレン性不飽和モノマー由来の重合単位を場合によってさらに含む。これらの実施形態のいくつかの態様において、感圧接着剤配合物は、0から0.1重量%(固形分に対して)の多エチレン性不飽和モノマー由来の重合単位を含む。これらの実施形態のいくつかの態様において、多エチレン性不飽和モノマーは、メタクリレートアリル、ジアリルフタレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、1,2−エチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジビニルベンゼン、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態において、感圧接着剤配合物は、Tg≦20℃を有する。これらの実施形態のいくつかの態様において、感圧接着剤配合物は、Tg−80から20℃、あるいは−80から0℃、あるいは−80から−10℃、あるいは−60から−20℃、あるいは−50から−30℃を有する。
【0029】
本発明のいくつかの実施形態において、感圧接着剤配合物は、通常の補助剤を場合によってさらに含む。これらの実施形態のいくつかの態様において、感圧接着剤配合物は、粘着付与剤、顔料、乳化剤、造膜助剤、緩衝剤、中和剤、増粘剤またはレオロジー調整剤、保湿剤、湿潤剤、殺生物剤、可塑剤、消泡剤、着色剤、ワックス、抗酸化剤、熱安定剤、光開始剤、脱重合剤、充填剤、強化剤、架橋剤、連鎖移動剤、触媒、およびそれらの組み合わせから選択された通常の補助剤を含む。
【0030】
本発明のいくつかの実施形態において、感圧接着剤配合物は、酸エッチングまたはコロナ放電、プライマーなどの基体の前処理を用いるか、またはそれらを用いずに、通常の接着剤適用法、たとえばロールコーティング、ドクターブレード塗布、およびプリント法などを用いて、基体、たとえばテープまたはラベルストック、たとえば紙、またはポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレートなどのポリマーフィルム、金属などの基体に適用することができる。
【0031】
本発明のいくつかの実施形態において、感圧接着剤配合物は、pH≧6.0を有する。これらの実施形態のいくつかの態様において、感圧接着剤配合物は、pH≧7.0、あるいは≧8.0、あるいは≧9.0を有する。
【0032】
本発明のいくつかの実施形態において、ラテックスコポリマーを製造する方法であって、水性溶媒を提供すること、モノマーXを提供すること、モノマーYを提供すること、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−バレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチル−ブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロ−ヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、およびそれらの組み合わせから選択された重合開始剤を提供すること、モノマーX、モノマーY、重合開始剤、および水性溶媒を合わせて、反応混合物を形成すること、並びに反応混合物のpHを≧7に維持することを含み、ラテックスコポリマーは、5重量%を超えるモノマーX由来の単位を含み、モノマーXは、ビニルイミダゾール、ビニルイミダゾリン、ビニルアミジン、ビニルピリジン、ビニルピロール、ビニルピリリドン、ビニルカプロラクタム、それらの誘導体、およびそれらの組み合わせから選択され、モノマーYは、カルボン酸類、カルボン酸塩類、カルボン酸エステル類、有機硫酸類、有機硫酸塩類、スルホン酸類、スルホン酸塩類、ホスホン酸類、ホスホン酸塩類、ビニルエステル類、(メタ)アクリルアミド、少なくとも1つの環外エチレン性不飽和を含有するC〜C20芳香族モノマー、およびそれらの組み合わせから選択される方法が提供される。これらの実施形態のいくつかの態様において、重合開始剤は、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)である。これらの実施形態のいくつかの態様において、反応混合物のpHは、7〜10、あるいは≧8、あるいは8〜10、あるいは≧9、あるいは9〜10に維持される。これらの実施形態のいくつかの態様において、ラテックスコポリマーは、10重量%以上、あるいは15重量%以上、あるいは20重量%以上、あるいは25重量%以上、あるいは27重量%以上、あるいは28重量%以上、あるいは29重量%以上、あるいは30重量%以上のモノマーX由来の単位を含む。これらの実施形態のいくつかの態様において、モノマーXは、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、それらの誘導体、およびそれらの組み合わせから選択され、あるいはモノマーXは、N−ビニルイミダゾール、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、およびそれらの組み合わせから選択される。これらの実施形態のいくつかの態様において、モノマーXは、N−ビニルイミダゾールである。これらの実施形態のいくつかの態様において、モノマーYは、カルボン酸、カルボン酸エステル、(メタ)アクリルアミド、少なくとも1つの環外エチレン性不飽和を含有するC〜C20芳香族モノマー、およびそれらの組み合わせから選択される。これらの実施形態のいくつかの態様において、モノマーYは、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、およびそれらの組み合わせから選択される。これらの実施形態のいくつかの態様において、モノマーYは、(メタ)アクリル酸n−ブチルである。
【0033】
本発明のいくつかの実施形態において、ラテックスコポリマーを製造する方法であって、水性溶媒を提供すること、モノマーXを提供すること、モノマーYを提供すること、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−バレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチル−ブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロ−ヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、およびそれらの組み合わせから選択された重合開始剤を提供すること、モノマーX、モノマーY、重合開始剤、および水性溶媒を合わせて、反応混合物を形成すること、並びに反応混合物のpHを≧7に維持することを含み、ラテックスコポリマーは、5重量%を超えるモノマーX由来の単位を含み、ラテックスコポリマーは、1000ppm以下の残留モノマーXを含み、モノマーXは、ビニルイミダゾール、ビニルイミダゾリン、ビニルアミジン、ビニルピリジン、ビニルピロール、ビニルピリリドン、ビニルカプロラクタム、それらの誘導体、およびそれらの組み合わせから選択され、モノマーYは、カルボン酸、カルボン酸塩、カルボン酸エステル、有機硫酸、有機硫酸塩、スルホン酸、スルホン酸塩、ホスホン酸、ホスホン酸塩、ビニルエステル、(メタ)アクリルアミド、少なくとも1つの環外エチレン性不飽和を含有するC〜C20芳香族モノマー、およびそれらの組み合わせから選択され、ただしラテックスコポリマーはエポキシド官能基を含有するエチレン性不飽和モノマー由来の単位を5重量%以下含む方法が提供される。これらの実施形態のいくつかの態様において、重合開始剤は、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)である。これらの実施形態のいくつかの態様において、反応混合物のpHは、7〜10、あるいは≧8、あるいは8〜10、あるいは≧9、あるいは9〜10に維持される。これらの実施形態のいくつかの態様において、ラテックスコポリマーは、10重量%以上、あるいは15重量%以上、あるいは20重量%以上、あるいは25重量%以上、あるいは27重量%以上、あるいは28重量%以上、あるいは29重量%以上、あるいは30重量%以上のモノマーX由来の単位を含む。これらの実施形態のいくつかの態様において、ラテックスコポリマーは、900ppm以下、あるいは800ppm以下、あるいは700ppm以下、あるいは600ppm以下、あるいは500ppm以下、あるいは400ppm以下の残留モノマーXを含む。これらの実施形態のいくつかの態様において、モノマーXは、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、それらの誘導体、およびそれらの組み合わせから選択され、あるいはモノマーXは、N−ビニルイミダゾール、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、およびそれらの組み合わせから選択される。これらの実施形態のいくつかの態様において、モノマーXは、N−ビニルイミダゾールである。これらの実施形態のいくつかの態様において、モノマーYは、カルボン酸、カルボン酸エステル、(メタ)アクリルアミド、少なくとも1つの環外エチレン性不飽和を含有するC〜C20芳香族モノマー、およびそれらの組み合わせから選択される。これらの実施形態のいくつかの態様において、モノマーYは、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、およびそれらの組み合わせから選択される。これらの実施形態のいくつかの態様において、モノマーYは、(メタ)アクリル酸n−ブチルである。これらの実施形態のいくつかの態様において、ラテックスコポリマーは、エポキシド官能基を含有するエチレン性不飽和モノマー由来の単位を1重量%以下、あるいは0.5重量%以下、あるいは0.1重量%以下、あるいは0.05重量%以下含む。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態において、ラテックスコポリマーを製造する方法は、連鎖移動剤を反応混合物に添加することをさらに含む。
【0035】
本発明のいくつかの実施形態において、本発明のラテックスコポリマーを含む感圧接着剤配合物が提供される。これらの実施形態のいくつかの態様において、感圧接着剤配合物は、0.01から20重量%、あるいは0.1から15重量%、あるいは0.1から12重量%、あるいは0.3から10重量%、あるいは0.5から8重量%、あるいは1から6重量%の本発明のラテックスコポリマーを含む。感圧接着剤配合物に本発明のラテックスコポリマーを添加することによって、感圧接着剤配合物の少なくとも1つの特性が強化される。本発明のラテックスコポリマーの添加によって強化されうる感圧接着剤配合物の特性には、たとえばステンレススチール剪断力、粘着性、ビニルフェイスストックの耐可塑剤移行性、耐水白化性、および耐湿性が含まれる。
【実施例】
【0036】
本発明のいくつかの実施形態を、下記の実施例に詳細に記載する。実施例において以下に示す割合およびパーセントはすべて、他に指定のないかぎり重量による。実施例では以下の略語を用いる。
BA アクリル酸ブチル
BOM モノマーに対して
DI 脱イオン
DSC 示差走査熱量測定法
EA アクリル酸エチル
GC ガスクロマトグラフィ
GPC ゲル浸透クロマトグラフィ
nDDM n−ドデシルメルカプタン
NN−MBA N,N−メチレンビスアクリルアミド
SLS ラウリル硫酸ナトリウム
Tg ガラス転移温度
TMPTA トリメチロールプロパントリアクリレート
VAZO(登録商標)68フリーラジカル開始剤 DuPontから入手可能な4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)
VI 1−ビニルイミダゾール
【0037】
実施例1〜8 ラテックスコポリマーの合成(w/シード)
メカニカルスターラ、温度計、温度制御装置、加熱マントル、コンデンサ、および窒素スイープを備えた1000mlの反応フラスコに、DI水(183.86g)および32.6%、58nmシードラテックス(23.02g)を充填した。反応フラスコの内容物を85℃に加熱した。
【0038】
別の容器で、BA(105.0g)、n−DDM(表1に示す量)、DI水(94.29g)、および28%SLS(10.71g)を合わせた。その後、この容器の内容物を高速ローター/ステーターミキサで乳化して、モノマーエマルションを形成した。
【0039】
別の容器で、VI(45g)、VAZO(登録商標)68フリーラジカル開始剤(2.25g)、DI水(54.0g)、および1N NaOH溶液(17.76g)を合わせて、水性供給溶液を形成した。
【0040】
その後、反応フラスコ内容物の温度を85℃に維持しながら、モノマーエマルションと水性供給溶液を、別々に反応フラスコに供給した。モノマーエマルションと水性供給溶液の反応フラスコへの供給は、同時に開始した。その後、モノマーエマルションの供給は45分間継続し、水性供給溶液の供給は90分間継続した。水性供給溶液の供給終了後、反応フラスコの内容物をさらに2.5時間、総反応時間4時間、85℃に保持して、生成物ラテックスコポリマーを得た。
【0041】
ラテックスコポリマーの重量測定によって求めた固形分含量、GCによって求めた残留モノマー含量、光散乱粒子サイズ分析によって求めた粒子サイズ、およびGPCによって求めた分子量を表1に示す。DSCによって求めた乾燥コポリマーのTgも表1に示す。
【0042】
【表1】

【0043】
実施例9〜12 ラテックスコポリマーの合成(w/oシード)
メカニカルスターラ、温度計、温度制御装置、加熱マントル、コンデンサ、および窒素スイープを備えた1000mlの丸底反応フラスコに、DI水(253.4g)および28%SLS(10.72g)を充填した。反応フラスコの内容物を攪拌しながら85℃に加熱した。
【0044】
別の容器で、BA(表2に示す量)、VI(表2に示す量)、およびTMPTA(表2に示す量)を合わせ、モノマー混合物を形成した。
【0045】
別の容器で、VAZO(登録商標)68フリーラジカル開始剤(1.50g)、DI水(73.5g)、および1N NaOH(10.70g)を合わせて、水性開始剤溶液を形成した。
【0046】
その後、反応フラスコ内容物の温度を85℃に維持しながら、モノマー混合物と水性開始剤溶液を、別々に反応フラスコに供給した。モノマー混合物と水性開始剤溶液の反応フラスコへの供給は、同時に開始した。その後、モノマー混合物の供給は30分間継続し、水性開始剤溶液の供給は60分間継続した。水性開始剤溶液の供給終了後、反応フラスコの内容物をさらに2.0時間、総反応時間3時間、85℃に保持して、生成物ラテックスコポリマーを得た。
【0047】
ラテックスコポリマーの重量測定によって求めた固形分含量、GCによって求めた残留モノマー含量、および光散乱粒子サイズ分析によって求めた粒子サイズを表2に示す。DSCによって求めた乾燥コポリマーのTgも表2に示す。
【0048】
【表2】

【0049】
実施例13〜19 ラテックスコポリマーの合成(w/シード)
メカニカルスターラ、温度計、温度制御装置、加熱マントル、コンデンサ、および窒素スイープを備えた1000mlの反応フラスコに、DI水(255.42g)、28%SLS(10.72g)、および58nmシードラテックス(58.93g)を充填した。反応フラスコの内容物を85℃に加熱した。
【0050】
別の容器で、BA(表3に示す量)、VI(表3に示す量)、およびTMPTA(表3に示す量)を合わせ、モノマー混合物を形成した。
【0051】
別の容器で、VAZO(登録商標)68フリーラジカル開始剤(1.50g)、DI水(73.5g)、および1N NaOH(11.77g)を合わせて、水性開始剤溶液を形成した。
【0052】
その後、反応フラスコ内容物の温度を85℃に維持しながら、モノマー混合物と水性開始剤溶液を、別々に反応フラスコに供給した。モノマー混合物と水性開始剤溶液の反応フラスコへの供給は、同時に開始した。その後、モノマー混合物の供給は30分間継続し、水性開始剤溶液の供給は60分間継続した。水性開始剤溶液の供給終了後、反応フラスコの内容物をさらに2.0時間、総反応時間3時間、85℃に保持して、生成物ラテックスコポリマーを得た。
【0053】
ラテックスコポリマーの重量測定によって求めた固形分含量、GCによって求めた残留モノマー含量、および光散乱粒子サイズ分析によって求めた粒子サイズを表3に示す。DSCによって求めた乾燥コポリマーのTgも表3に示す。
【0054】
【表3】

【0055】
実施例20〜22 ラテックスコポリマーの合成
メカニカルスターラ、温度計、温度制御装置、加熱マントル、コンデンサ、および窒素スイープを備えた1000mlの丸底反応フラスコに、DI水(379.63g)および28%SLS(16.07g)を充填した。反応フラスコの内容物を攪拌しながら85℃に加熱した。
【0056】
別の容器で、EA(157.5g)、VI(67.5g)、およびNN−MBA(表4に示す量)を合わせ、モノマー混合物を形成した。
【0057】
別の容器で、VAZO(登録商標)68フリーラジカル開始剤(2.25g)、DI水(110.25g)、および1N NaOH(17.66g)を合わせて、水性開始剤溶液を形成した。
【0058】
その後、反応フラスコ内容物の温度を85℃に維持しながら、モノマー混合物と水性開始剤溶液を、別々に反応フラスコに供給した。モノマー混合物と水性開始剤溶液の反応フラスコへの供給は、同時に開始した。その後、モノマー混合物の供給は60分間継続し、水性開始剤溶液の供給は120分間継続した。水性開始剤溶液の供給終了後、反応フラスコの内容物をさらに1時間、総反応時間3時間、85℃に保持して、生成物ラテックスコポリマーを得た。
【0059】
ラテックスコポリマーの重量測定によって求めた固形分含量、GCによって求めた残留モノマー含量、および光散乱粒子サイズ分析によって求めた粒子サイズを表4に示す。
【0060】
【表4】

【0061】
実施例23 改質された感圧接着剤組成物の調製
ベース成分として、Rohm and Haas社からRobond PS−90の商品名で市販され入手可能な水性アクリルベース感圧接着剤材料を用いて、改質された感圧接着剤組成物を調製した。このベース成分に、実施例7に従って調製した3重量%のラテックスコポリマーを混合して、生成物の改質された感圧接着剤組成物を提供した。
【0062】
実施例24〜25 PTSC−7法による試験
実施例23の生成物の改質された感圧接着剤組成物、およびベース成分(Robond PS−90)を、感圧テープ協議会(Pressure Sensitive Tape Council)法PTSC−7に従って、4ポンド(約1.81kg)荷重でステンレススチール剪断力(保持力)に関して試験した。感圧接着剤組成物を、2ミル(約0.05mm)のポリエステル試験布(1’’×1’’)(2.54cm×2.54cm)に直接被覆し、105℃で5分間乾燥した。試験の結果を表5に示す。
【0063】
【表5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノマーXおよびモノマーYの重合単位を含むラテックスコポリマーを含む組成物であって、
前記ラテックスコポリマーは、5重量%を超えるモノマーX由来の単位を含み;
前記ラテックスコポリマーは、1000ppm以下の残留モノマーXを含み;
モノマーXは、ビニルイミダゾール、ビニルイミダゾリン、ビニルアミジン、ビニルピリジン、ビニルピロール、ビニルピリリドン、ビニルカプロラクタム、それらの誘導体、およびそれらの組み合わせから選択され;
モノマーYは、カルボン酸類、カルボン酸塩類、カルボン酸エステル類、有機硫酸類、有機硫酸塩類、スルホン酸類、スルホン酸塩類、ホスホン酸類、ホスホン酸塩類、ビニルエステル類、(メタ)アクリルアミド、少なくとも1つの環外エチレン性不飽和を含有するC〜C20芳香族モノマー、およびそれらの組み合わせから選択される:組成物。
【請求項2】
前記組成物が、pH≧7を有する請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物が、25重量%以上の固形分を含む請求項1記載の組成物。
【請求項4】
前記ラテックスコポリマーが、5を超えて、50重量%までのモノマーX由来の単位、および95から50重量%のモノマーY由来の単位を含む請求項1記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が、さらに架橋剤を含む請求項1記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物が、さらに重合開始剤または重合開始剤の分解生成物を含み、前記重合開始剤が、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−バレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチル−ブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロ−ヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、およびそれらの組み合わせから選択される請求項1記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、さらに連鎖移動剤または連鎖移動剤の分解生成物を含む請求項1記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、さらに界面活性剤または界面活性剤の分解生成物を含む請求項1記載の組成物。
【請求項9】
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸アミノアルキル、およびそれらの組み合わせから選択された少なくとも1種の重合されたエチレン性不飽和モノマーを含むベース材料をさらに含み、前記組成物が、Tg−80から−20℃を有し、前記組成物が、乾燥時に感圧接着剤としての使用に適している請求項1記載の組成物。
【請求項10】
ラテックスコポリマーを製造する方法であって、
水性溶媒を提供すること;
モノマーXを提供すること;
モノマーYを提供すること;
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−バレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチル−ブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−シクロ−ヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、およびそれらの組み合わせから選択された重合開始剤を提供すること;
前記モノマーX、前記モノマーY、前記重合開始剤、および前記水性溶媒を合わせて、反応混合物を形成すること;
前記反応混合物のpHを≧7に維持すること;
を含み、
前記ラテックスコポリマーは、5重量%を超えるモノマーX由来の単位を含み;
モノマーXは、ビニルイミダゾール、ビニルイミダゾリン、ビニルアミジン、ビニルピリジン、ビニルピロール、ビニルピリリドン、ビニルカプロラクタム、それらの誘導体、およびそれらの組み合わせから選択され、
モノマーYは、カルボン酸類、カルボン酸塩類、カルボン酸エステル類、有機硫酸類、有機硫酸塩類、スルホン酸類、スルホン酸塩類、ホスホン酸類、ホスホン酸塩類、ビニルエステル類、(メタ)アクリルアミド、少なくとも1つの環外エチレン性不飽和を含有するC〜C20芳香族モノマー、およびそれらの組み合わせから選択される:方法。

【公開番号】特開2007−321145(P2007−321145A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−131380(P2007−131380)
【出願日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【出願人】(590002035)ローム アンド ハース カンパニー (524)
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
【Fターム(参考)】