説明

ラビットイヤー信号除去装置及び周波数分析装置

【課題】BPFにおける信号通過帯域Aの上限又は下限の周波数を有する受信信号がBPFに入力された場合、BPFから出力されるラビットイヤー信号を除去することができるようにする。
【解決手段】BPF3に入力される受信信号のうち、BPF3における信号通過帯域Aの上限の周波数B1又は下限の周波数B2を有する受信信号を検出するラビットイヤー判定回路6等を設け、上限の周波数B1又は下限の周波数B2を有する受信信号が検出されなければ、BPF3から出力された受信信号を転送し、上限の周波数B1又は下限の周波数B2を有する受信信号が検出されると、BPF3から出力された受信信号の転送を中止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、バンドパスフィルタから出力されるラビットイヤー信号(バンドパスフィルタにおける信号通過帯域の上限又は下限の周波数を有する受信信号)を検出して、そのラビットイヤー信号を除去するラビットイヤー信号除去装置と、例えば、レーダ信号などの受信信号のパルス諸元(周波数、パルス幅等)を分析する周波数分析装置とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の受信機における周波数分析装置では、通常、受信信号の帯域幅を限定するバンドパスフィルタ(BPF:Band Pass Filter)を実装している。
BPFにおける信号通過帯域の上限又は下限の周波数を有する受信信号がBPFに入力された場合、本来のBPFの通過信号よりパルス幅が狭く、位相特性も崩れている通過信号(ラビットイヤー信号)がBPFから出力される。
【0003】
ラビットイヤー信号は、上述したように、本来のBPFの通過信号よりパルス幅が狭く、位相特性も崩れているため、そのラビットイヤー信号の周波数の検出処理を実施すると、本来のBPFの通過信号の周波数と異なる周波数を誤検出することになる。
このため、後段の分析処理回路は、誤検出された周波数に基づくデータの分析処理を開始することになるため、システムで余分な分析処理時間が必要となる(例えば、特許文献1を参照)。
例えば、後段の分析処理回路が、例えば、探知装置や妨害装置などのEW機器で使用される場合、目標を素早く探知して、妨害を開始する必要があり、処理時間のスピード化は重要である。
【0004】
【特許文献1】特開2000−284007号公報(段落番号[0015]、図15)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の周波数分析装置は以上のように構成されているので、BPFにおける信号通過帯域の上限又は下限の周波数を有する受信信号がBPFに入力されると、BPFからラビットイヤー信号が出力される。BPFから出力されるラビットイヤー信号の周波数の検出処理を実施すると、本来のBPFの通過信号の周波数と異なる周波数を誤検出することになり、誤検出された周波数に基づくデータの分析処理を開始することになるため、システムで余分な分析処理時間が必要となるなどの課題があった。
【0006】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、BPFにおける信号通過帯域の上限又は下限の周波数を有する受信信号がBPFに入力された場合、BPFから出力されるラビットイヤー信号を除去することができるラビットイヤー信号除去装置を得ることを目的とする。
また、この発明は、BPFから出力されるラビットイヤー信号を除去して、分析処理時間のスピード化を図ることができる周波数分析装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るラビットイヤー信号除去装置は、バンドパスフィルタに入力される受信信号のうち、バンドパスフィルタにおける信号通過帯域の上限又は下限の周波数を有する受信信号を検出する信号検出手段を設け、信号検出手段により上限又は下限の周波数を有する受信信号が検出されなければ、信号転送手段がバンドパスフィルタから出力された受信信号を転送し、信号検出手段により上限又は下限の周波数を有する受信信号が検出されると、信号転送手段がバンドパスフィルタから出力された受信信号の転送を中止するようにしたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、バンドパスフィルタに入力される受信信号のうち、バンドパスフィルタにおける信号通過帯域の上限又は下限の周波数を有する受信信号を検出する信号検出手段を設け、信号検出手段により上限又は下限の周波数を有する受信信号が検出されなければ、信号転送手段がバンドパスフィルタから出力された受信信号を転送し、信号検出手段により上限又は下限の周波数を有する受信信号が検出されると、信号転送手段がバンドパスフィルタから出力された受信信号の転送を中止するように構成したので、バンドパスフィルタから出力されるラビットイヤー信号が後段の分析処理回路に出力されなくなり、分析処理時間のスピード化を図ることができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による周波数分析装置を示す構成図であり、図において、ラビットイヤー信号除去装置1はバンドパスフィルタ(BPF:Band Pass Filter)3を実装しており、BPF3から出力されるラビットイヤー信号(BPF3における信号通過帯域の上限又は下限の周波数を有する受信信号)を検出して、そのラビットイヤー信号を除去する処理を実施する。
ラビットイヤー信号除去装置1の分配器2は受信機の受信信号を2つに分配して、その受信信号の分配信号X(第1の分配信号)をBPF3に出力し、その受信信号の分配信号Y(第2の分配信号)を帯域除去フィルタ(BRF:Band Rejection Filter)5に出力する処理を実施する。
なお、言うまでもないが、分配信号Xと分配信号Yは、受信機の受信信号と同一の信号である。
【0010】
BPF3は信号通過帯域Aの信号通過特性を有し(図2及び図4を参照)、分配器2から出力された分配信号Xの帯域幅を限定する処理を実施する。
分配器4はBPF3の通過信号である分配信号Xをラビットイヤー判定回路6とラビットイヤー除去回路7に分配する処理を実施する。
BRF5は信号遮断帯域がBPF3における信号通過帯域Aと一致する信号通過特性を有し(図4を参照)、分配器2から出力された分配信号Yの帯域幅を限定する処理を実施する。
【0011】
ラビットイヤー判定回路6は分配器4からBPF3の通過信号である分配信号Xが出力され、かつ、BRF5から通過信号である分配信号Yが出力された場合、BPF3における信号通過帯域Aの上限の周波数B1又は下限の周波数B2を有する受信信号の検出を認定する処理を実施する。
なお、分配器2,4、BRF5及びラビットイヤー判定回路6から信号検出手段が構成されている。
【0012】
ラビットイヤー除去回路7はラビットイヤー判定回路6により分配器4から出力された分配信号X(BPF3の通過信号)がラビットイヤー信号であると認定されなければ、その分配信号Xを周波数・パルス幅検出回路8に転送し、その分配信号Xがラビットイヤー信号であると認定されると、周波数・パルス幅検出回路8に対する分配信号Xの転送を中止する処理を実施する。なお、ラビットイヤー除去回路7は信号転送手段を構成している。
【0013】
周波数・パルス幅検出回路8はラビットイヤー除去回路7から転送された分配信号X(BPF3の通過信号)の周波数を検出するとともに、その分配信号Xのパルス幅を検出する処理を実施する。
分析処理回路9は周波数・パルス幅検出回路8の検出結果に基づいて、例えば、パルス諸元(周波数、パルス幅等)などの分析処理を実施する。
なお、周波数・パルス幅検出回路8及び分析処理回路9から周波数分析手段が構成されている。
【0014】
次に動作について説明する。
図2はラビットイヤー信号除去装置1におけるBPF3の通過特性を示しており、受信機の受信信号の周波数がBPF3の信号通過帯域Aの範囲内にある場合、BPF3の通過信号の波形は、図3(a)に示すように、パルス幅及び位相特性が正常なものになる。
一方、受信機の受信信号の周波数がBPF3における信号通過帯域Aの上限の周波数B1又は下限の周波数B2である場合、BPF3の通過信号の波形は、図3(b)に示すように、本来よりパルス幅が狭くなり、位相特性が崩れたものになる。この場合のBPF3の通過信号をラビットイヤー信号と称する。
この実施の形態1では、BPF3から出力されるラビットイヤー信号を検出し、そのラビットイヤー信号が周波数・パルス幅検出回路8に出力されないようにしている。
【0015】
以下、周波数分析装置の処理内容を具体的に説明する。
ラビットイヤー信号除去装置1の分配器2は、受信機の受信信号を入力すると、その受信信号を2つに分配して、その受信信号の分配信号XをBPF3に出力し、その受信信号の分配信号YをBRF5に出力する。
【0016】
BPF3は、分配器2から分配信号Xを受けると、その分配信号Xの帯域幅を限定する処理を実施する。
即ち、BPF3は、信号通過帯域Aの信号通過特性を有しており(図2及び図4を参照)、分配器2から出力された分配信号Xの周波数が信号通過帯域Aの範囲内にある場合、その分配信号Xを殆ど減衰することなく、図3(a)に示すように、パルス幅及び位相特性が正常な波形の信号を出力する。
また、BPF3は、分配器2から出力された分配信号Xの周波数が信号通過帯域Aの上限の周波数B1又は下限の周波数B2である場合、図3(b)に示すように、本来よりパルス幅が狭く、位相特性が崩れているラビットイヤー信号を出力する。
また、BPF3は、分配器2から出力された分配信号Xの周波数が信号遮断帯域Cの範囲内にある場合、その分配信号Xを大きく減衰して、その分配信号Xの出力を行わない。
【0017】
分配器4は、BPF3の通過信号である分配信号Xを受けると、その分配信号Xをラビットイヤー判定回路6とラビットイヤー除去回路7に分配する。
【0018】
BRF5は、分配器2から分配信号Yを受けると、その分配信号Yの帯域幅を限定する処理を実施する。
即ち、BRF5は、信号遮断帯域がBPF3における信号通過帯域Aと一致する信号通過特性を有しており(図4を参照)、分配器2から出力された分配信号Yの周波数が信号遮断帯域Aの範囲内にある場合、その分配信号Yを大きく減衰して、その分配信号Yの出力を行わない。
また、BRF5は、分配器2から出力された分配信号Yの周波数が信号遮断帯域Aの範囲外B1,B2,Cにある場合、その分配信号Yを殆ど減衰することなく、その分配信号Yを出力する。
【0019】
ラビットイヤー判定回路6は、分配器4からBPF3の通過信号である分配信号Xが出力され、かつ、BRF5から通過信号である分配信号Yが出力された場合、BPF3における信号通過帯域Aの上限の周波数B1又は下限の周波数B2を有する受信信号の検出を認定する。
即ち、ラビットイヤー判定回路6は、図5に示すように、BPF3の通過信号である分配信号Xが有り、かつ、BRF5の通過信号である分配信号Yが有りの場合(分配信号Yの周波数が周波数B1又はB2である場合)、分配器4から出力された分配信号X(BPF3の通過信号)がラビットイヤー信号であると認定する。
【0020】
ラビットイヤー除去回路7は、ラビットイヤー判定回路6が、分配器4から出力された分配信号X(BPF3の通過信号)がラビットイヤー信号であると認定しなければ、その分配信号Xを周波数・パルス幅検出回路8に転送する。
一方、ラビットイヤー判定回路6が、分配器4から出力された分配信号X(BPF3の通過信号)がラビットイヤー信号であると認定すると、周波数・パルス幅検出回路8に対する分配信号Xの転送を中止する。
【0021】
周波数・パルス幅検出回路8は、ラビットイヤー除去回路7から分配信号X(BPF3の通過信号)を受けると、その分配信号Xの周波数を検出するとともに、その分配信号Xのパルス幅を検出する。
分析処理回路9は、周波数・パルス幅検出回路8の検出結果を受けると、その検出結果に基づいて、例えば、パルス諸元(周波数、パルス幅等)などの分析処理を実施する。
【0022】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、BPF3に入力される受信信号のうち、BPF3における信号通過帯域Aの上限の周波数B1又は下限の周波数B2を有する受信信号を検出するラビットイヤー判定回路6等を設け、ラビットイヤー判定回路6等により上限の周波数B1又は下限の周波数B2を有する受信信号が検出されなければ、BPF3から出力された受信信号を転送し、ラビットイヤー判定回路6等により上限の周波数B1又は下限の周波数B2を有する受信信号が検出されると、BPF3から出力された受信信号の転送を中止するように構成したので、BPF3から出力されるラビットイヤー信号が後段の分析処理回路9に出力されなくなり、分析処理時間のスピード化を図ることができる効果を奏する。
【0023】
実施の形態2.
図6はこの発明の実施の形態2による周波数分析装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
分配器11は受信機の受信信号を3つに分配して、その受信信号の分配信号X(第1の分配信号)をBPF3に出力し、その受信信号の分配信号Y(第2の分配信号)をローパスフィルタ(LPF:Low Pass Filter)12に出力し、その受信信号の分配信号Z(第3の分配信号)をハイパスフィルタ(HPF:High Pass Filter)13に出力する処理を実施する。
なお、言うまでもないが、分配信号Xと分配信号Yと分配信号Zは、受信機の受信信号と同一の信号である。
【0024】
LPF12は信号通過帯域がBPF3における信号通過帯域Aの上限の周波数B1以下である信号通過特性を有し(図7を参照)、分配器11から出力された分配信号Yの帯域幅を限定する処理を実施する。
HPF13は信号通過帯域がBPF3における信号通過帯域Aの下限の周波数B2以上である信号通過特性を有し(図8を参照)、分配器11から出力された分配信号Zの帯域幅を限定する処理を実施する。
【0025】
ラビットイヤー判定回路14は分配器4からBPF3の通過信号である分配信号Xが出力され、かつ、LPF12から通過信号である分配信号Yが出力された場合又はHPF13から通過信号である分配信号Zが出力された場合、BPF3における信号通過帯域Aの上限の周波数B1又は下限の周波数B2を有する受信信号の検出を認定する処理を実施する。
なお、分配器11,4、LPF12、HPF13及びラビットイヤー判定回路14から信号検出手段が構成されている。
【0026】
次に動作について説明する。
ラビットイヤー信号除去装置1の分配器11は、受信機の受信信号を入力すると、その受信信号を3つに分配して、その受信信号の分配信号XをBPF3に出力し、その受信信号の分配信号YをLPF12に出力し、その受信信号の分配信号ZをHPF13に出力する。
【0027】
BPF3は、分配器11から分配信号Xを受けると、その分配信号Xの帯域幅を限定する処理を実施する。
即ち、BPF3は、信号通過帯域Aの信号通過特性を有しており(図7及び図8を参照)、分配器11から出力された分配信号Xの周波数が信号通過帯域Aの範囲内にある場合、その分配信号Xを殆ど減衰することなく、図3(a)に示すように、パルス幅及び位相特性が正常な波形の信号を出力する。
また、BPF3は、分配器11から出力された分配信号Xの周波数が信号通過帯域Aの上限の周波数B1又は下限の周波数B2である場合、図3(b)に示すように、本来よりパルス幅が狭く、位相特性が崩れているラビットイヤー信号を出力する。
また、BPF3は、分配器11から出力された分配信号Xの周波数が信号遮断帯域Cの範囲内にある場合、その分配信号Xを大きく減衰して、その分配信号Xの出力を行わない。
【0028】
分配器4は、BPF3の通過信号である分配信号Xを受けると、その分配信号Xをラビットイヤー判定回路14とラビットイヤー除去回路7に分配する。
【0029】
LPF12は、分配器11から分配信号Yを受けると、その分配信号Yの帯域幅を限定する処理を実施する。
即ち、LPF12は、信号通過帯域がBPF3における信号通過帯域Aの上限の周波数B1以下である信号通過特性を有しており(図7を参照)、分配器11から出力された分配信号Yの周波数が信号遮断帯域Aの範囲内にある場合、その分配信号Yを大きく減衰して、その分配信号Yの出力を行わない。
また、LPF12は、分配器11から出力された分配信号Yの周波数が信号通過帯域B1,Cの範囲内にある場合、その分配信号Yを殆ど減衰することなく、その分配信号Yを出力する。
【0030】
HPF13は、分配器11から分配信号Zを受けると、その分配信号Zの帯域幅を限定する処理を実施する。
即ち、HPF13は、信号通過帯域がBPF3における信号通過帯域Aの下限の周波数B2以上である信号通過特性を有し(図8を参照)、分配器11から出力された分配信号Zの周波数が信号遮断帯域Aの範囲内にある場合、その分配信号Zを大きく減衰して、その分配信号Zの出力を行わない。
また、HPF13は、分配器11から出力された分配信号Zの周波数が信号通過帯域B2,Cの範囲内にある場合、その分配信号Zを殆ど減衰することなく、その分配信号Zを出力する。
【0031】
ラビットイヤー判定回路14は、分配器4からBPF3の通過信号である分配信号Xが出力され、かつ、LPF12から通過信号である分配信号Yが出力された場合又はHPF13から通過信号である分配信号Zが出力された場合、BPF3における信号通過帯域Aの上限の周波数B1又は下限の周波数B2を有する受信信号の検出を認定する。
即ち、ラビットイヤー判定回路14は、図9に示すように、BPF3の通過信号である分配信号Xが有り、かつ、LPF12の通過信号である分配信号Yが有りの場合(分配信号Yの周波数が周波数B1である場合)、分配器4から出力された分配信号X(BPF3の通過信号)がラビットイヤー信号であると認定する。
また、ラビットイヤー判定回路14は、図10に示すように、BPF3の通過信号である分配信号Xが有り、かつ、HPF13の通過信号である分配信号Zが有りの場合(分配信号Zの周波数が周波数B2である場合)、分配器4から出力された分配信号X(BPF3の通過信号)がラビットイヤー信号であると認定する。
【0032】
ラビットイヤー除去回路7は、ラビットイヤー判定回路14が、分配器4から出力された分配信号X(BPF3の通過信号)がラビットイヤー信号であると認定しなければ、その分配信号Xを周波数・パルス幅検出回路8に転送する。
一方、ラビットイヤー判定回路14が、分配器4から出力された分配信号X(BPF3の通過信号)がラビットイヤー信号であると認定すると、周波数・パルス幅検出回路8に対する分配信号Xの転送を中止する。
【0033】
周波数・パルス幅検出回路8は、ラビットイヤー除去回路7から分配信号X(BPF3の通過信号)を受けると、その分配信号Xの周波数を検出するとともに、その分配信号Xのパルス幅を検出する。
分析処理回路9は、周波数・パルス幅検出回路8の検出結果を受けると、その検出結果に基づいて、例えば、パルス諸元(周波数、パルス幅等)などの分析処理を実施する。
【0034】
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、BRF5の代わりに、LPF12及びHPF13を用いるようにしても、上記実施の形態1と同様に、後段の分析処理回路9に対するラビットイヤー信号の出力を止めることができるようになり、分析処理時間のスピード化を図ることができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】この発明の実施の形態1による周波数分析装置を示す構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1によるラビットイヤー信号除去装置1のBPF3の通過特性を示す説明図である。
【図3】この発明の実施の形態1によるラビットイヤー信号除去装置1のBPF3の出力波形を示す説明図である。
【図4】この発明の実施の形態1によるラビットイヤー信号除去装置1のBPF3及びBRF5の通過特性を示す説明図である。
【図5】この発明の実施の形態1によるラビットイヤー信号除去装置1のラビットイヤー判定回路6の判定結果を示す説明図である。
【図6】この発明の実施の形態2による周波数分析装置を示す構成図である。
【図7】この発明の実施の形態2によるラビットイヤー信号除去装置1のBPF3及びLRF12の通過特性を示す説明図である。
【図8】この発明の実施の形態2によるラビットイヤー信号除去装置1のBPF3及びHRF13の通過特性を示す説明図である。
【図9】この発明の実施の形態2によるラビットイヤー信号除去装置1のラビットイヤー判定回路14の判定結果を示す説明図である。
【図10】この発明の実施の形態2によるラビットイヤー信号除去装置1のラビットイヤー判定回路14の判定結果を示す説明図である。
【符号の説明】
【0036】
1 ラビットイヤー信号除去装置、2,4,11 分配器(信号検出手段)、3 BPF(バンドパスフィルタ)、5 BRF(帯域除去フィルタ、信号検出手段)、6,14 ラビットイヤー判定回路(信号検出手段)、7 ラビットイヤー除去回路(信号転送手段)、8 周波数・パルス幅検出回路(周波数分析手段)、9 分析処理回路(周波数分析手段)、12 LPF(ローパスフィルタ、信号検出手段)、13 HPF(ハイパスフィルタ、信号検出手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信信号の帯域幅を限定するバンドパスフィルタと、上記バンドパスフィルタに入力される受信信号のうち、上記バンドパスフィルタにおける信号通過帯域の上限又は下限の周波数を有する受信信号を検出する信号検出手段と、上記信号検出手段により上限又は下限の周波数を有する受信信号が検出されなければ、上記バンドパスフィルタから出力された受信信号を転送し、上記信号検出手段により上限又は下限の周波数を有する受信信号が検出されると、上記バンドパスフィルタから出力された受信信号の転送を中止する信号転送手段とを備えたラビットイヤー信号除去装置。
【請求項2】
信号検出手段は、受信信号を2つに分配して、上記受信信号の第1の分配信号をバンドパスフィルタに出力する分配器と、信号遮断帯域が上記バンドパスフィルタにおける信号通過帯域と一致する信号通過特性を有し、上記分配器から出力された第2の分配信号の帯域幅を限定する帯域除去フィルタと、上記バンドパスフィルタから第1の分配信号が出力され、かつ、上記帯域除去フィルタから第2の分配信号が出力された場合、上記バンドパスフィルタにおける信号通過帯域の上限又は下限の周波数を有する受信信号の検出を認定する判定回路とから構成されていることを特徴とする請求項1記載のラビットイヤー信号除去装置。
【請求項3】
信号検出手段は、受信信号を3つに分配して、上記受信信号の第1の分配信号をバンドパスフィルタに出力する分配器と、信号通過帯域が上記バンドパスフィルタにおける信号通過帯域の上限の周波数以下である信号通過特性を有し、上記分配器から出力された第2の分配信号の帯域幅を限定するローパスフィルタと、信号通過帯域が上記バンドパスフィルタにおける信号通過帯域の下限の周波数以上である信号通過特性を有し、上記分配器から出力された第3の分配信号の帯域幅を限定するハイパスフィルタと、上記バンドパスフィルタから第1の分配信号が出力され、かつ、上記ローパスフィルタから第2の分配信号が出力された場合又は上記ハイパスフィルタから第3の分配信号が出力された場合、上記バンドパスフィルタにおける信号通過帯域の上限又は下限の周波数を有する受信信号の検出を認定する判定回路とから構成されていることを特徴とする請求項1記載のラビットイヤー信号除去装置。
【請求項4】
受信信号の帯域幅を限定するバンドパスフィルタと、上記バンドパスフィルタに入力される受信信号のうち、上記バンドパスフィルタにおける信号通過帯域の上限又は下限の周波数を有する受信信号を検出する信号検出手段と、上記信号検出手段により上限又は下限の周波数を有する受信信号が検出されなければ、上記バンドパスフィルタから出力された受信信号を転送し、上記信号検出手段により上限又は下限の周波数を有する受信信号が検出されると、上記バンドパスフィルタから出力された受信信号の転送を中止する信号転送手段と、上記信号転送手段から転送された受信信号の周波数を分析する周波数分析手段とを備えた周波数分析装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2008−224325(P2008−224325A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−60694(P2007−60694)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】