説明

ラベルの剥離方法、およびラベルの剥離装置

【課題】多種多様なラベルを一度に大量に剥離処理可能なラベルの剥離方法、およびラベルの剥離装置を提供する。
【解決手段】内側通水性容器6aの底部に開閉可能な底部通水蓋61を設け、外側通水性容器6bの底部には通水床64を設け、溶媒Sの比重に比べて小さくなるように調整した被着体1を、底部通水蓋61を開放した状態の内側通水性容器6aに収納し、d−リモネンを主成分とする溶媒Sを注入した浸漬釜7に、二重通水性容器6を挿入して、粘着剤層に溶媒Sが浸透して粘着剤層が膨潤することにより、粘着力を消失させてラベル2を剥離し、溶媒Sとの比重差により沈降したラベル2を、外側通水性容器6bの通水床64で受け止め、内側通水性容器6aの底部通水蓋61を閉止したのち、二重通水性容器6を浸漬釜7から引き上げて、ラベル2を回収するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、プラスチック容器等に貼着しているラベルを容易に剥離し得るラベルの剥離方法、およびラベルの剥離装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、粘着ラベルが貼着された医薬品、化粧品、洗剤等の容器として使用されるプラスチックボトル、ガラス瓶、アルミ缶、スチール缶等(以下、これらを被着体と総称する)を回収、リサイクルするためには、被着体に貼着したラベルを剥離する必要がある。このため、従来は、水溶性もしくはアルカリ可溶性の粘着剤を用いた粘着ラベルを使用し、リサイクル工程で洗浄液として水、温水、アルカリ溶液等を用いて洗浄剥離するか、あるいは、水、温水やアルカリ溶液中でラベルの粘着力を低下させて剥離する等の方法が採られていた。
【0003】
しかし、このような方法では、粘着剤層中への洗浄液の浸透にかなりの時間を要し、また、高圧水によるラベルの剥離、ゴムローラーやブラシングによる接着剤の除去工程等を経る必要があるため、完全に除去するまでに長時間を要すると共に、大掛かりな設備等を必要としていた。また、アルカリ溶液を使用した場合には処理後の廃液処理にあたって中和処理が必要となるため、環境への配慮や被着体の回収に高いコストがかかる欠点があった。
【0004】
また、一般にLPGやMDE等の高圧ガスと一緒に石油系炭化水素等を、金属缶等の密封容器に封入するものがあり、粘着ラベル表面に直接噴霧してから、3ないし10分程度経過後、素手または治具を使用して容器から一枚づつ剥がしている。しかも、石油系炭化水素および高圧ガスは、共に可燃性があり危険なため、取り扱いに細心の注意が必要であり、一度に大量の剥離作業をすることはできない。
【0005】
そこで、粘着ラベルの粘着剤層表面と被着体表面との間に微細な空気を分布・封じ込めて、これを熱水中に浸漬することで粘着ラベルの剥離を容易にしたものが特許文献1により提案されている。
【0006】
また、粘着性に優れ、且つ容易に水に膨潤し得る粘着剤組成物が、特許文献2によって提案されている。
【0007】
更に、所定温度以下の冷却によって、接着力を大きく低下させることで、容器から容易に剥離、除去することができる易剥離性ラベルとその剥離方法が、特許文献3によって提案されている。
【0008】
一方、粘着剤層を介して被着体に接着された接着シートに、温水を高圧で吹き付けることにより、接着剤を被着体に残さずに且つ短時間で労力を要することなく被着体から剥離できる接着シートの剥離方法が、特許文献4によって提案されている。
【0009】
【特許文献1】特開2003−225962号公報
【特許文献2】特開2003−201306号公報
【特許文献3】特開平9−251272号公報
【特許文献4】特開平9−100448号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来の粘着剤の構造や組成物を対象にした提案では、多品種の容器や多種類のラベルを、一度に大量に処理することは不可能であった。その結果、特に、全国の医療機関から廃棄物として大量に排出されている使用済み点滴パック類や、試薬、錠剤等が詰められていたプラスチック容器類は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンとポリアミド系の複合体、エチレン−酢酸ビニール共重合体等、で出来ているため原料組成が非常に優れているのにも拘らず、容器表面に貼着されたラベルを容易に剥がすことができないので、リサイクルに回されることなく、焼却また埋立て処分されているのが現状である。
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、多種多様なラベルを一度に大量に剥離処理可能なラベルの剥離方法、および剥離装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に係る発明は、粘着剤層を介してラベルが貼着された被着体を、d−リモネンを主成分とする溶媒中に浸漬し、粘着剤層に溶媒が浸透して粘着剤層が膨潤することにより、粘着力を消失させ、ラベルを剥離するようにしたことを特徴とするラベルの剥離方法である。
【0013】
請求項2に係る発明は、粘着剤層を介してラベルが貼着された被着体の比重を、溶媒の比重に比べて小さくなるように調整し、前記被着体を前記溶媒中に浸漬して浮遊させ、粘着剤層に溶媒が浸透して粘着剤層が膨潤することにより、粘着力を消失させてラベルを剥離し、このラベルを溶媒中に沈降させるようにしたことを特徴とするラベルの剥離方法である。
【0014】
請求項3に係る発明は、前記被着体を投入した溶媒を攪拌して、ラベルの剥離を促進するようにしたことを特徴とする請求項2に記載のラベルの剥離方法である。
【0015】
請求項4に係る発明は、溶媒を注入した浸漬釜と、この浸漬釜に収納可能な二重通水性容器とからなるラベルの剥離装置であって、前記二重通水性容器は、内側通水性容器と外側通水性容器とを備え、前記内側通水性容器の底部には、開閉可能な底部通水蓋を設け、この底部通水蓋の開閉操作を二重通水性容器の上部から行なう操作部を、当該底部通水蓋に設け、前記外側通水性容器の底部には通水床を設け、上部には開閉可能な通水上蓋を設け、溶媒の比重に比べて小さくなるように調整した被着体を、底部通水蓋を開放した状態の内側通水性容器に収納し、この内側通水性容器を外側通水性容器に収納して、二重通水性容器とし、d−リモネンを主成分とする溶媒を注入した浸漬釜に、前記被着体を収納した二重通水性容器を挿入して、前記被着体を前記二重通水性容器内で溶媒中に浮遊させ、粘着剤層に溶媒が浸透して粘着剤層が膨潤することにより、粘着力を消失させてラベルを剥離し、溶媒との比重差により沈降したラベルを、外側通水性容器の通水床で受け止め、前記操作部を操作して内側通水性容器の底部通水蓋を閉止したのち、二重通水性容器を浸漬釜から引き上げて、被着体及びラベルを回収するようにしたことを特徴とするラベルの剥離装置である。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、形状や材質が異なった様々な被着体、種々の原料と組成から作られている様々なラベル、これらのラベルを被着体に貼着するための粘着剤、を区別することなく、溶媒中に同時に浸漬することができ、溶媒の浸透により優れた剥離効果が得られる。しかも、従来の噴霧剥離方法の欠点である被着体表面に糊等の残渣が残ることがない。
また、溶媒として用いるd−リモネン、即ちいわゆるオレンジオイルは、繰り返し使用することができ、浸漬回数を複数回とすることができ、経済的に有利である。
しかも、オレンジオイルは、オレンジ臭の癒し効果が得られるので、職場環境が改善される。
【0017】
剥離されて沈降したラベルと、分離回収される被着体の本体は、リサイクルのために次の工程、例えば破砕工程に進めることができる。この被着体の本体は、紙ラベルやプラスチックフィルムラベルが、完全に除去されているため、エコマーク商品向け原料に、全量向けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、底部に開閉可能な底部通水蓋を設けた内側通水性容器と、底部に通水床を設けた外側通水性容器とで二重通水性容器を構成し、底部通水蓋の開閉操作を二重通水性容器の上部から行なう操作部を、当該底部通水蓋に設け、外側通水性容器の底部には通水床を設け、上部には開閉可能な通水上蓋を設け、溶媒の比重に比べて小さくなるように調整した被着体を、底部通水蓋を開放した状態の内側通水性容器に収納し、d−リモネンを主成分とする溶媒を注入した浸漬釜に、二重通水性容器を挿入して、被着体を二重通水性容器内で溶媒中に浮遊させ、粘着剤層に溶媒が浸透して粘着材層が膨潤することにより、粘着力を消失させてラベルを剥離し、溶媒との比重差により沈降したラベルを、外側通水性容器の通水床で受け止め、操作部を操作して内側通水性容器の底部通水蓋を閉止したのち、二重通水性容器を浸漬釜から引き上げて、被着体及びラベルを回収するようにしたラベルの剥離方法、及びラベルの剥離装置を実現した。
【実施例】
【0019】
次に、本発明の一実施例を図面について説明する。図1は、ラベルを粘着させた使い捨て容器を、被着体として例示する斜視図であって、ここでは、輸液パック1A、錠剤ビン1Bを示している。例えば、輸液パック1Aは、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンとポリアミド系の複合体、エチレン−酢酸ビニール共重合体等、からなる円筒状シートの前後端を溶着して袋状に形成したものであって、表面には、後述するラベル2が、粘着剤層3を介して貼着してある。また、錠剤ビン1Bは、プラスチック製或いはガラス製のビンであって、表面に粘着剤層3を介してラベル2が貼着してある。そして、図2は、輸液パック1A、錠剤ビン1B、の断面図である。
【0020】
前記したラベル2は、紙製のシート、或いはポリエチレン系、ポリスチレン系等のプラスチックフィルムであって、成分、効能、使用法、注意事項等、必要な情報が記載されている。
【0021】
また、ラベル2を被着体に貼着するための粘着剤は、例えば、アクリル系、ビニル系化合物等、を使用することができる。
【0022】
一方、溶媒Sには、d−リモネン、即ち、いわゆるオレンジオイルを用いる。このオレンジオイルは、柑橘類の果皮に含まれる天然成分であるため、安全性がきわめて高い。また、独特の芳香によって、癒し効果も認められている。
【0023】
そして、この溶媒Sは、下記のような実験の結果、選択されたものである。即ち、オレンジオイル、ラベンダーオイル、天ぷら油、水道水に、プラスチックフィルムラベルが貼着されたプラスチック板を、室温で30分間静止状態で浸漬させ、別の容器に移してラベル表面をふき取り、ラベルを手でゆっくりと剥がして、浸漬前のラベル重量と、浸漬後のラベル重量を比較した。
【0024】
オレンジオイルは、浸漬後10.2%の重量増加が得られた。一方、ラベンダーオイル、天ぷら油、水道水では、浸漬の前後で、重量の変化はなかった。
【0025】
また、紙製のラベルについても同様の実験を行なったところ、オレンジオイルは43.6%、ラベンダーオイルは23.1%、天ぷら油は25.6%、水道水は、310.3%の重量増加がそれぞれ得られた。但し、水道水の場合は、印刷層から剥離するため、基材層および粘着剤層が、プラスチック板に残った。
【0026】
従って、d−リモネンを主成分とするいわゆるオレンジオイルが、種々のラベル2に対して有効であり、溶媒Sとして適していることが分った。
【0027】
図3は、ラベルの剥離装置5に用いる通水性容器6の斜視図である。即ち、ラベルの剥離装置5は、溶媒Sを注入する浸漬釜(図示せず)と、この浸漬釜に吊下げて使用する二重の通水性容器6とを備えている。この通水性容器6は、多数の開口部を有し、内部と外部とが自由に連通している容器であって、例えば金網カゴである。そこで、二重の通水性容器6を、内側金網カゴと外側金網カゴとにより構成する。なお、通水性容器6は、他に、多数の穴を開設したステンレス容器や、パンチングメタルからなる容器などにより構成してもよい。
【0028】
内側通水性容器6aは、例えば円筒形をなす収容体であって、底部には開閉可能な底部通水蓋61が設けてある。この底部通水蓋61は、図示の実施例によれば、半円形に形成した金網からなる蓋体611を、直径方向の支軸612によって開閉可能としたものである。この蓋体611には、開閉操作を上部から可能なように、操作部62が設けてある。この操作部62は、例えば、蓋体611に開設した穴613にワイヤー621を止着し、このワイヤー621を引き上げることにより、蓋体611を開放するものである。また、この開放状態は、ワイヤー621の上端に設けたフック622を、内側通水性容器6aの縁や網目に係止させて、固定すればよい。なお、内側通水性容器6aの上部には取手63aが設けてあり、この取手63aを持って、当該内側通水性容器6aの挿入や引き上げ業を行なうようになっている。
【0029】
外側通水性容器6bの底部には、前記した内側通水性容器6aとは異なり、固定状に金網からなる通水床64を設ける。なお、この通水床64は、簀の子状であってもよく、前記した底部通水蓋61も簀の子状に構成することができる。一方、外側通水性容器6bの上部には、蝶番651を介して開閉可能な通水上蓋65を設ける。なお、外側通水性容器6bにも、前記内側通水性容器6aに設けた取手63aと同様に、取手63bが設けてあり、この取手63bを持って、当該外側通水性容器6bの挿入や引き上げ作業を行なうとよい。
【0030】
そして、外側通水性容器6bの内部に、内側通水性容器6aを収納して二重通水性容器6とする。このとき、内側通水性容器6aの底部通水蓋61と、外側通水性容器6bの通水床64との間に、空間が形成されるように設定する。即ち、例えば、台座66を通水床64に設け、この台座66の上に内側通水性容器6aを載置する。
【0031】
次に、内側通水性容器6aの底部通水蓋61を開放した状態とし、この開放状態にある内側通水性容器6aに、種々の被着体1を収容する。このとき、図5に示すように、種類や形状の異なる被着体1を混在させてよいが、各被着体1の比重を調整して、溶媒Sの比重に比べて小さくなるようにしておく。即ち、各被着体1の内部に、空気を残存させて密封することにより、被着体自体に浮力を与えて、溶媒S中に浮遊するようにするのである。
【0032】
一般に、被着体1を構成する容器の基材が異なると、その比重も異なる。例えば、ポリアミド系の場合は比重1.14、ポリエステル系の場合は比重1.38、ポリカーボネイト系の場合は比重1.2、ポリエチレン系の場合は比重0.95、ポリプロピレン系の場合は比重0.91、となる。一方、溶媒Sとして使用するd−リモネンの比重は、0.87であるので、通常は被着体1が沈んでしまう。そこで、前記したように、被着体1に空気を入れて浮力を与えるのである。
【0033】
一方、浸漬釜7には、d−リモネンを主成分とする溶媒Sを注入する。そして、この浸漬釜7に、前記した二重通水性容器6を挿入して、前記被着体1を前記二重通水性容器6内で溶媒S中に浮遊させる。各被着体1の浮力が強すぎると、溶媒S上に浮き上がってしまうので、各被着体1を押え込むように、落し蓋状に浸漬蓋68を内側通水性容器6aにセットするとよい(図5、図6参照)。また、二重通水性容器6の全体を押え込むように、重石71を載せるようにしてもよい(図5参照)。浸漬蓋68は、溶媒Sの液量が少ない場合に、重石71は液量が多い場合に好適である。
【0034】
そして、時間の経過と共に、溶媒Sが粘着剤層3へ浸透し、この粘着剤層3が膨潤する。すると、粘着剤による粘着力が失われ、ラベル2が被着体1から剥離する。剥離したラベル2は、溶媒Sとの比重差により沈降する。そこで、開放した内側通水性容器6aの底部を通って沈降したラベル2を、外側通水性容器6bの通水床64で受け止める(図5参照)。なお、溶媒Sの浸透は、紙製のラベル2のように、ラベル2の表面から容易に浸透するものがあれば、プラスチックフィルムからなるラベル2のように、表面から浸透することが困難で、粘着剤層3の端面部分から浸透するものもある。そして、浸漬時間は、早い物で1時間程度、通常は2時間程度を要する。
【0035】
各被着体1のラベル2が剥離して沈降が完了したら、操作部62であるワイヤー621を引き上げて、内側通水性容器6aの底部通水蓋61を閉止する。その後、二重通水性容器6を浸漬釜7から引き上げて、溶媒Sに接しない位置で保持し、溶媒Sが完全に垂れ落ちるまで静止させる。例えば、外側通水性容器6bの上縁部分に設けた係止金具67を、浸漬釜7の縁に係止させて、二重通水性容器6を浸漬釜7に吊下げている(図6参照)。そして、溶媒Sを除去したラベル2、及びラベル2が剥離した被着体1を回収すればよい。
【0036】
このように、d−リモネンを主成分とするいわゆるオレンジオイルからなる溶媒Sに、被着体1を浸漬してラベル2を剥離するときは、ラベル自体の浸透性が少ないプラスチックフィルムのラベル2であっても、粘着剤層3の外端面から浸透させることができ、ラベル2を確実に且つ安全に剥離させることができる。もちろん、紙製のラベル2のように表面からも溶媒Sが浸透する場合には、浸漬時間を著しく短縮した剥離が可能である。また、紙製のラベル2であっても、水のように印刷層から剥離することがないので、基材層および粘着剤層3が残ることがない。
【0037】
また、形状や種類の異なる被着体1を混在させて、オレンジオイルからなる溶媒Sに浸漬できるので、手軽にラベル2を剥離させて、医療用容器等、素材の優れた被着体1のリサイクルを促進することができる。そして、多種多様なラベル2を一度に大量に剥離処理可能である。
【0038】
浸漬釜7には、撹拌機を利用することが可能である。即ち、溶媒Sを攪拌することにより、各被着体1に振動を加え、或いは液圧を変動させることにより、レベル2の剥離、落下を促進させることができる。
【0039】
例えば、500mmの浸漬釜7において、二重通水性容器6を静置した状態で30分間浸漬した後,165mmの羽根を備える撹拌機を使用し、回転数1300で回転させところ、被着体1からラベル2が直ちに剥離して落下した。即ち、撹拌機の利用は、粘着剤層3の粘着力が無くなっている被着体1からラベル2を速やかに落下せしめる効果がある。
【0040】
以上、本発明を図示の実施例について説明したが、本発明は前記した各実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した構成を変更しない限り適宜に実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】ラベルを粘着させた使い捨て容器を例示する斜視図である。
【図2】ラベルを粘着させた使い捨て容器を例示する断面図である。
【図3】ラベルの剥離装置を構成する内側通水性容器および外側通水性容器の斜視図である。
【図4】内側通水性容器および外側通水性容器を浸漬釜に挿入した状態の断面図である。
【図5】浸漬釜内部で被着体を溶媒に浸漬している状態の断面図である。
【図6】浸漬釜内部で被着体の溶媒を切っている状態の断面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 被着体
1A 輸液パック
1B 錠剤ビン
2 ラベル
3 粘着剤層
5 剥離装置
6 通水性容器
6a 内側通水性容器
6b 外側通水性容器
7 浸漬釜
61 底部通水蓋
62 操作部
63 取手
64 通水床
65 通水上蓋
66 台座
67 係止金具
68 浸漬蓋
71 重石
611 蓋体
612 支軸
613 穴
621 ワイヤー
622 フック
651 蝶番
S 溶媒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着剤層を介してラベルが貼着された被着体を、d−リモネンを主成分とする溶媒中に浸漬し、粘着剤層に溶媒が浸透して粘着剤層が膨潤することにより、粘着力を消失させ、ラベルを剥離するようにしたことを特徴とするラベルの剥離方法。
【請求項2】
粘着剤層を介してラベルが貼着された被着体の比重を、溶媒の比重に比べて小さくなるように調整し、前記被着体を前記溶媒中に浸漬して浮遊させ、粘着剤層に溶媒が浸透して粘着剤層が膨潤することにより、粘着力を消失させてラベルを剥離し、このラベルを溶媒中に沈降させるようにしたことを特徴とするラベルの剥離方法。
【請求項3】
前記被着体を投入した溶媒を攪拌して、ラベルの剥離を促進するようにしたことを特徴とする請求項2に記載のラベルの剥離方法。
【請求項4】
溶媒を注入した浸漬釜と、この浸漬釜に収納可能な二重通水性容器とからなるラベルの剥離装置であって、
前記二重通水性容器は、内側通水性容器と外側通水性容器とを備え、
前記内側通水性容器の底部には、開閉可能な底部通水蓋を設け、この底部通水蓋の開閉操作を二重通水性容器の上部から行なう操作部を、当該底部通水蓋に設け、
前記外側通水性容器の底部には通水床を設け、上部には開閉可能な通水上蓋を設け、
溶媒の比重に比べて小さくなるように調整した被着体を、底部通水蓋を開放した状態の内側通水性容器に収納し、この内側通水性容器を外側通水性容器に収納して、二重通水性容器とし、
d−リモネンを主成分とする溶媒を注入した浸漬釜に、前記被着体を収納した二重通水性容器を挿入して、前記被着体を前記二重通水性容器内で溶媒中に浮遊させ、
粘着剤層に溶媒が浸透して粘着剤層が膨潤することにより、粘着力を消失させてラベルを剥離し、溶媒との比重差により沈降したラベルを、外側通水性容器の通水床で受け止め、
前記操作部を操作して内側通水性容器の底部通水蓋を閉止したのち、
二重通水性容器を浸漬釜から引き上げて、被着体及びラベルを回収するようにしたことを特徴とするラベルの剥離装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−68477(P2008−68477A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−247868(P2006−247868)
【出願日】平成18年9月13日(2006.9.13)
【出願人】(506310991)株式会社タカヤナギ (5)
【Fターム(参考)】