説明

ラベルプリンタ

【課題】ラベルに印字される内容を確認しつつ、かつ、ラベルに印字される内容を容易に変更可能なラベルプリンタを提供する。
【解決手段】印字する印字データを呼び出しラベルに印字し発行するラベルプリンタ1は、印字する各印字項目の印字データを記憶する記憶手段(RAM30)と、記憶手段に記憶されている印字データと、所定のフォーマット情報とに基づいて、ラベルに印字するラベルイメージを表示する表示手段(液晶表示器9b)と、表示手段により表示されたラベルイメージ上において印字データの指定をする指定手段(タッチパネル9a)と、指定手段により指定された印字データのラベルイメージ中における表示内容を変更する印字データ変更手段(CPU20)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定事項をラベルに印字するラベルプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定事項をラベル上に印字して発行するラベルプリンタにおいて、実際にラベル上に印字する前に、ラベル上に印字される内容が正しいか否かを表示画面にて確認することができるラベルプリンタが知られている(例えば、特許文献1参照)。該ラベルプリンタによれば、表示画面上にて印字の内容のミス等を見つけた場合、印字項目を設定する設定モード等にて印字内容(設定値)を修正することで、印字の内容にミス等がないラベルを発行することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−246972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、通常のラベルプリンタでは、様々な印字項目を多数設定可能になっており、類似する設定項目も多数存在する。ラベルに文字を印字しようとする場合、その内容が広告に係るものである場合(例えば、文字“本日特売品”)、該文字は、設定項目「コメント」の設定値(コメントの文言)として設定することもできるし、設定項目「広告文」の設定値(広告文)として設定することもできる。
このため、表示画面にて、例えば、上記例の“本日特売品”であるべきところ“本月特売品”となっていることを見つけたとしても、“本月特売品”が設定項目「コメント」の設定値(コメントの文言)として設定されたものであるのか、設定項目「広告文」の設定値(広告文)として設定されたものであるのかが、“本月特売品”を実際に設定した者以外の者には、瞬時には分からない。従って、修正対象である誤った設定値が設定されていると思われる設定項目を順に確認し、該設定値を探し出して正しい設定値に修正するという作業が生じるため、表示画面上にて印字の内容のミス等を見つけた場合であっても、設定値の修正に時間が掛かり、ラベルを迅速に発行できないという問題がある。
また、例えば、設定項目「コメント1」、設定項目「コメント2」のように、同一の属性で異なる設定値(例えば、コメント1には“XXX”、コメント2には“YYY”という異なる設定値)が複数設定可能な場合は、更に、設定項目の数が多くなるため、該設定値を探すのに時間が掛かり修正してラベルを発行する場合に該ラベルを迅速に発行できなくなるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題を考慮してなされたものであり、ラベルに印字される内容を確認しつつ、かつ、ラベルに印字される内容を容易に変更可能なラベルプリンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を解決するために、請求項1に係るラベルプリンタは、印字する印字データを呼び出しラベルに印字し発行するラベルプリンタにおいて、前記印字する各印字項目の印字データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている印字データと、該印字データのフォーマット情報とに基づいて、ラベルに印字するラベルイメージを表示する表示手段と、前記表示手段により表示された前記ラベルイメージ上において印字データを指定する指定手段と、前記指定手段により指定された印字データを変更する印字データ変更手段とを備えることを特徴とする。
請求項1に係るラベルプリンタによれば、実際にラベルに印字されるラベルイメージ上において印字データを指定して、ラベルイメージ中の該印字データを変更することができる。従って、実際にラベルに印字される内容を確認する画面にて、ラベルに印字される内容を容易に変更することができる。よって、印字項目に印字データを実際に設定した者以外の者が、ラベルイメージにて印字内容の誤りを見つけた場合であっても、すぐに印字内容を修正し、すぐに正しいラベルを発行することができるようになる。
【0007】
上記ラベルプリンタにおいて、前記指定手段は、ユーザによる前記ラベルイメージ上のタッチ位置に基づいて、前記タッチ位置に対応する位置の印字データが指定されるようにしてもよい。
請求項2に係るラベルプリンタによれば、ユーザは、修正するべき印字データを簡便に指定することができるようになる。
【0008】
上記ラベルプリンタにおいて、前記印字データ変更手段は、前記ラベルイメージ中における印字データの表示内容を変更した場合、前記記憶手段に記憶されている印字データを更新するようにしてもよい。
請求項3に係るラベルプリンタによれば、ラベルイメージ中の印字データを変更した場合には、記憶手段に記憶されている印字データも更新される。従って、次回以降は同様の操作をすることなく、正しい印字内容のラベルを発行することができる。よって、全体として、ラベル発行に要する時間を短縮させることができるようになる。
【0009】
上記ラベルプリンタにおいて、前記表示手段は、前記指定手段により前記ラベルイメージ上において印字データの指定がされた場合、文字を入力するための文字入力画面を表示するようにしてもよい。
請求項4に係るラベルプリンタによれば、印字データの指定がされると文字入力画面が表示される。従って、修正すべき印字データの指定がされると表示された文字入力画面において正しい内容に簡便に修正することができ、指定される以前にはラベルイメージが表示されるので、文字入力画面によりラベルイメージの表示が小さくなることがなく大きな画面領域にて確認することができる。
【0010】
上記ラベルプリンタにおいて、前記指定手段により指定された印字データの前記ラベルイメージ中における表示位置を変更するとともに、前記フォーマット情報を更新するフォーマット変更手段を備えていてもよい。
請求項5に係るラベルプリンタによれば、ラベルイメージ上において、指定された印字項目の印字位置を変更し、かつ、フォーマット情報を更新することができる。従って、例えば、ラベルイメージにおいて、複数の印字項目の印字データ同士が重なり合っているような場合、簡便、かつ、正確に、正しい印字位置に修正することができる。よって、フォーマット情報に印字位置などを実際に設定(定義)した者以外の者が、フォーマットの誤りなどを見つけた場合であっても、すぐにその内容を修正し、すぐに正しいラベルを発行することができるようになる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、以上の様に、ラベルに印字される内容を確認しつつ、かつ、ラベルに印字される内容を容易に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係るラベルプリンタによる表示例である。
【図2】ラベルプリンタにおける表示例である。
【図3】ラベルプリンタの構成を表すブロック図の一例である。
【図4】ラベルプリンタが記憶する情報の一例である。
【図5】ラベルプリンタが記憶する情報の一例である。
【図6】ラベルプリンタが記憶する情報の一例である。
【図7】ラベルプリンタの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。本発明の実施形態に係るラベルプリンタ1は、商品又は商品容器に貼付するラベルを発行する装置である。図1及び図2は、ラベルプリンタ1による表示例である。
【0014】
ラベルプリンタ1は、タッチパネルである液晶表示器(後述)に、図1(a)に示すような発行するラベルに関する情報を表示する画面(以下、ラベル情報画面という)を表示し、該画面からラベルを発行することができる。ラベル情報画面に表示されるラベル情報は、商品(ラベル)毎の情報である(例えば、図1(a)に示すラベル情報は、商品「牛ロース」に関する情報である)。ユーザは、ラベル情報画面において、例えば、ラベルのサイズ、ラベルに印字される印字内容等を確認し、不図示の発行キーを押すことで、該ラベルの発行を指示することができる。なお、画面は、不図示の第1画面(メニュー画面)から、図1(a)の画面へ遷移し、更に図1(a)の画面中の各項目がタッチされることで、その項目に合った画面へ遷移する。
【0015】
また、ラベルプリンタ1は、印字設定(フォーマットファイル(後述))に従った場合に発行されるラベルのイメージ(以下、ラベルイメージという)を表示する画面(以下、ラベルイメージ画面という)を表示する。具体的には、ラベルプリンタ1は、ラベル情報画面においてボタン「ラベル印字イメージ」が押下(指定、選択)された場合、ラベルイメージ画面を表示する(ラベル情報画面からラベルイメージ画面に遷移する)。例えば、ラベルプリンタ1は、図1(a)に示すラベル情報画面においてボタン「ラベル印字イメージ」が押下された場合、図1(b)に示すようなラベルイメージ画面を表示する。
【0016】
ラベルイメージ画面に表示されるラベルイメージには、設定項目の設定値に基づいて実際にラベル上に印字される各情報の領域が含まれる。例えば、図1(b)に示すラベルイメージには、設定項目「広告文」の設定値「本日特売品」に基づいて実際に印字される広告文の文字情報「本日特売品」の領域(広告文領域)、設定項目「品名」の設定値「牛ロース」に基づいて実際に印字される品名の文字情報「牛ロース」の領域(品名領域)、設定項目「バーコード」の設定値「512345 014340」(バーコード情報)に基づいて実際に印字(印刷)されるバーコード画像の領域(バーコード領域)、設定項目「製造日」の設定値「02. 6. 5」に基づいて実際に印字される製造日の文字情報「02. 6. 5」の領域(製造日領域)、設定項目「賞味期限」の設定値「02. 6. 7」に基づいて実際に印字される賞味期限の文字情報「02. 6. 7」の領域(賞味期限領域)、及び、設定項目「単価」の設定値「600」及び重さに基づいて実際に印字される値段の文字情報「1434」の領域(値段領域)が含まれている。ユーザは、ラベルイメージ画面において、実際にラベル上に印字される内容を確認することができる。
【0017】
なお、設定項目に設定される設定値には、ラベルに設定値自体が印字されるもの(例えば、上記「広告文」、「品名」)と、該設定値に基づく情報(例えば、上記「バーコード情報」)と、該設定値に基づく情報さえもラベルに印字されないもの(例えば、後述のフォーマット番号)とが存在する。設定項目のうち、ラベルに設定値自体が印字されるもの、又は、該設定値に基づく情報がラベルに印字されるものを印字項目と称し、印字項目の設定値(及び印字される場合の印字項目)を印字データとも称する。
【0018】
また、ラベルプリンタ1は、文字を入力するための画面(以下、文字入力画面という)を表示する。具体的には、ラベルプリンタ1は、ラベルイメージ内に表示されている各領域にタッチされた場合(接触しその位置で離した場合)、文字入力画面を表示する(ラベルイメージ画面から文字入力画面に遷移する)。例えば、ラベルプリンタ1は、図1(b)に示すラベルイメージ画面において広告文領域である「本日特売日」がタッチされた場合、図2(a)に示すような広告文領域に表示されている印字データ(設定項目「広告文」の広告文番号1の現設定値「本日特売品」)を変更するための文字入力画面を表示する。
ユーザは、文字入力画面において、ラベルイメージ上の各領域の印字データを変更することができる。また、ユーザは、文字入力画面において、ラベルイメージ上の各領域の印字データに加え、各領域への表示の基となっている設定値を変更することができる。例えば、ユーザが、図2(a)に示す文字入力画面において、印字データ「本日特売品」を「ポイント5倍」変更した場合、設定項目「広告文」の広告文番号1の設定値「本日特売品」は「ポイント5倍」に自動的に変更することができる。
【0019】
なお、ラベルプリンタ1は、ラベルイメージ画面においてタッチされた領域に応じた文字入力画面を表示する。例えば、図1(b)に示すラベルイメージ画面において、製造日である「02.6.5」や消費期限である「02.6.7」あるいは値段である「1343」がタッチされた場合、図2(a)に示すようなひらがなを入力するための文字入力画面に代えて、数字を入力する文字入力画面(テンキー)を表示する。なお、図1(b)の「戻る」を押下すると、図1(a)の画面へ戻る。
【0020】
また、ラベルプリンタ1は、ラベルイメージ画面においてラベルイメージ内に表示されている各領域の表示位置の移動を受け付ける。つまり、ユーザは、図1(b)の表示中の「位置変更」キーを押下すると、例えば、図2(b)に示すように、各印字領域が移動できるよう各印字領域を点線で囲む表示がされ、例えば「本日特売品」をタッチし、上下左右方向へ指で該部分を接触させながら、所望の位置に移動させることができる。また、ラベルプリンタ1は、ラベルイメージ上において各領域の表示位置を移動させた場合、フォーマットファイル内のフォーマット情報を移動後の表示位置に更新する。なお、図2(b)の「戻る」を押下すると、図1(b)の画面へ戻る。又、前記「広告文」、「製造日」の印字データの変更や「本日特売日」の印字位置の変更について説明したが、それぞれの印字データを変更し、あるいは位置を変更した後、それぞれの画面を抜ける際「戻る」キーを押下するが、その際に変更したデータを各ファイルに記憶させるか否かを選択させる表示がされ、記憶することを選択することで、各ファイルに上書きされ記憶される。例えば前記「広告文」の例で言えば、広告文ファイルのうち、広告文番号1の「本日特売日」が上書き記憶される。前記「製造日」や「値段」は、図4の商品ファイルの例に示すように直接、商品ファイルに設定されるデータであるので、該印字データが変更された場合には商品ファイルが上書きして記憶されるようになる。
【0021】
図3は、ラベルプリンタ1の構成を表すブロック図の一例である。ラベルプリンタ1は、図3に示すように、制御部100と、はかり2と、印字機構部3と、操作部5とを備える。はかり2は、ロードセル2aを備え、商品の重量を計測する。ラベル印字機構部3は、ラベルの印字を行い、印字したラベルを排出する。印字機構部3は、例えば、ドット印字を行うサーマルヘッドと、1ドットライン分のデータを蓄積し、サーマルヘッドに供給するシフトレジスタと、ラベルを1ドットラインずつ移動させるステッピングモータとを有しており、任意の文字、数字、および画像を印字する。
【0022】
操作部5は、キー操作部7と、操作表示部9とを備える。キー操作部はテンキーと印字キーとを備える。テンキーは数字の入力を受け付ける。印字キーは印字指示の入力を受け付ける。操作表示部9は、液晶表示器9bの上面にタッチパネル9aが積層された形となっており、同一面でデータの表示と入力とができるようになっている。液晶表示器9bは例えば480×200ドットのドット表示により、各種データの表示を行う。タッチパネル9aは、透明のパネルであり、液晶表示器9bの上面に設けられている。タッチパネル9aは、操作者の指が触れると、触れた位置を検出し、検出した位置に応じた入力を受け付ける。
【0023】
制御部100は、CPU20と、ロードセル制御部21と、印字制御部22と、操作制御部24と、表示制御部25と、RAM30と、ROM40とを備える。CPU20は、バスを介して制御部100が備える各部と互いにデータの入出力が可能な状態で接続している。
【0024】
CPU20は、ROM40が記憶する制御プログラムとRAM30が記憶する各種情報を読み出し、読み出した制御プログラムと各種情報とに基づいて各部の制御を行う。また、CPU20は、必要な情報をRAM30に記憶させる。ロードセル制御部21は、はかり2が備えるロードセル2aの制御を行う。印字制御部22は、印字機構部3の制御を行う。操作制御部24は、キー操作部7と、タッチパネル9aの制御を行う。表示制御部25は、液晶表示器9bの制御を行う。RAM30は、CPU20が用いる情報を記憶する一時記憶領域である。また、RAM30は、値をユーザが入力(設定)する各種ファイル(後述)を記憶する。ROM40は制御プログラムを記憶する。
【0025】
図4乃至図6は、ラベルプリンタ1がRAM30に記憶する情報の一例である。
図4は、ラベルプリンタ1がRAM30に記憶する商品ファイルの一例である。図4に示す商品ファイルは、商品番号、品名、単価、製造日、賞味期限、広告文番号、コメント番号、フォーマット番号等の各設定項目を有する。なお、設定項目「品名」、設定項目「製造日」、設定項目「賞味期限」は、図1(b)に示すように印字項目である。
なお、図4に示す商品ファイルの構成は一例であって、例えば、製造日、賞味期限は日にちを設定する形式ではなく、広告文番号などと同様、他のファイルの参照値(外部キー)を設定する形式としてもよい。
【0026】
図5は、ラベルプリンタ1がRAM30に記憶する広告文ファイルの一例である。図5に示す広告文ファイルは、広告文番号、広告文の各設定項目を有する。なお、設定項目「広告文」は、図1(b)に示すように印字項目である。
【0027】
また、ラベルプリンタ1は、広告文ファイルと同様、コメント番号、コメント文の各設定項目を有するコメントファイル(不図示)をRAM30に記憶してもよい。なお、設定項目「コメント文」は、印字項目である。
【0028】
図6は、ラベルプリンタ1がRAM30に記憶するフォーマットファイルの一例である。図6に示すフォーマットファイルは、フォーマット番号、印字項目、印字位置(X座標)、印字位置(Y座標)、向き(縦書き/横書き)、フォントの各設定項目を有する。そして、例えば、矩形状ラベルの左下の角をX軸、Y軸の原点(0、0)とし、その位置から矩形状の各印字項目の領域における左下の点を、各印字項目の印字位置とする。そして、各印字項目は、該印字位置からX軸方向、Y軸方向への幅(ΔX、ΔY、つまり各印字項目における領域の幅)(不図示)が設定されて記憶している。そして、このΔX、ΔYを変えることで、各印字領域の大きさを変えることができる。つまり、フォーマットファイルには、フォーマット情報として、フォーマット番号別に、ラベルに印字する印字項目の種類と、各印字項目の印字位置と、印字方向と、フォントとが定義されている。
【0029】
以上、図1乃至図6を用いて、ラベルプリンタ1による表示例、及び、ラベルプリンタ1の構成を説明したが、更に、ラベルプリンタ1を機能面から説明する。ラベルプリンタ1は、記憶手段(RAM30)と、表示手段(液晶表示器9b)と、指定手段(タッチパネル9a)と、印字データ変更手段(CPU20)と、フォーマット変更手段(CPU20)とを備える。
【0030】
記憶手段(RAM30)は、各印字項目の印字データを記憶する。例えば、記憶手段は、商品ファイル(図4)、広告文ファイル(図5)、フォーマットファイル(図6)などを記憶する。
【0031】
表示手段(液晶表示器9b)は、記憶手段に記憶されている印字データとファーマットファイル内のフォーマット情報とに基づいて、ラベルイメージ画面にラベルイメージを表示する。また、表示手段は、指定手段によりラベルイメージ上において印字データの指定がされた場合、該印字データに応じた文字入力画面を表示する。なお、指定手段により指定されることで、該指定された領域の項目が受け付けられることになる。
【0032】
指定手段(タッチパネル9a)により、表示手段により表示されたラベルイメージ上において印字データの指定がされる。例えば、指定手段は、ユーザによるラベルイメージ上のタッチ位置に基づいて、該当する印字データの指定を受け付ける。換言すれば、指定手段は、表示内容の変更対象となる印字データの指定をラベルイメージ上のタッチにより指定する。
【0033】
また、指定手段(タッチパネル9a)は、表示手段により表示されたラベルイメージ上において印字データの表示位置を変更する旨の指示をする。例えば、指定手段は、接触位置を移動させた操作(接触したままスライドさせた操作)を認識した場合、印字データの表示位置を変更する旨の指示として受け付ける。
【0034】
印字データ変更手段(CPU20)は、指定手段により指定を受け付けた印字データのラベルイメージ中における表示内容(印字データ)を変更する。具体的には、印字データ変更手段は、文字入力画面において文字が入力された場合、表示制御部25を介して、ラベルイメージ中における表示内容を該入力内容に変更する。
【0035】
また、印字データ変更手段(CPU20)は、ラベルイメージ中における印字データの表示内容を変更した場合、記憶手段に記憶されている印字データを更新する。つまり、印字データ変更手段は、上述の表示内容に加え、記憶手段に記憶されている設定項目の設定値も同様に更新する。例えば、印字データ変更手段は、ラベルイメージ上の広告文番号1である「本日特売品」を「ポイント5倍」と変更した場合には、広告文ファイル上の「本日特売品」を「ポイント5倍」に更新する。
【0036】
フォーマット変更手段(CPU20)は、指定手段により指定された印字データのラベルイメージ中における表示位置を変更する。具体的には、フォーマット変更手段は、指定手段及び操作制御部24を介して取得する印字データの表示位置に接触しその接触位置を移動させる操作と、記憶手段に記憶しているフォーマットファイルとに基づいて、指定された印字データを特定するとともに、X軸、あるいはY軸方向への移動量(接触したままスライドされた液晶表示器のドット量)を記憶し、該印字データの表示位置を前記X軸、あるいはY軸方向への移動量分変更し、フォーマットファイル内の該当する印字項目の印字位置を更新する。つまり、フォーマット変更手段は、ユーザによる移動量に合うように表示位置とフォーマット情報とを変更(更新)する。
【0037】
図7は、ラベルプリンタ1の動作の一例を示すフローチャートである。図7に示すフローチャートは、第1画面において商品が指定されることにより開始する。なお、各ステップは、制御部100によって制御される。
【0038】
ステップS10:不図示の品番キーと数字キーにより、入力された番号の商品に関する情報を商品ファイルから読み出し、該読み出された情報を液晶表示器に表示する。即ち、入力された番号の商品のラベル情報画面を表示する。
ステップS12:S10で表示されたラベル情報画面において印字の指示を受け付けたか否かを判断する。即ち、不図示の「発行」キーが押下されたか否かを判断する。ステップS12がNOの場合はステップS14に進む。ステップS12がYESの場合はステップS50に進む。
ステップS14:S10で表示されたラベル情報画面においてラベルイメージの表示の指示を受け付けたか否かを判断する。即ち、ボタン「ラベル印字イメージ」が押下されたか否かを判断する。ステップS14がYESの場合はステップS12に戻る。ステップS14がYESの場合はステップS20に進む。
【0039】
ステップS20:ラベルイメージ画面においてラベルイメージを表示する。
ステップS22:ラベルイメージ画面において印字データの表示内容を変更する旨の指示を受け付けたか否かを判断する。即ち、ラベルイメージ上において、ラベル上に印字される一の情報の領域がタッチされたか否かを判断する。ステップS22がNOの場合はステップS24に進む。ステップS22がYESの場合はステップS40に進む。
ステップS24:ラベルイメージ画面において印字データの表示位置を変更する旨の指示を受け付けたか否かを判断する。即ち、ラベルイメージ上において、ラベル上に印字される一の情報の領域に接触がありその接触位置を移動させる操作(接触したままスライドさせる操作)があったか否かを判断する。ステップS24がYESの場合はステップS26に進む。ステップS24がNOの場合はステップS30に進む。
ステップS26:ラベルイメージ上の印字データの表示位置を移動量(接触したままスライドさせた液晶表示器におけるドット量)分移動させる。
ステップS28:RAM30に記憶しているフォーマットファイルのフォーマットデータを、表示位置の変更後の印字位置を記憶する。
ステップS30:ラベルイメージ画面の終了の指示を受け付けたか否かを判断する。即ち、ボタン「終了」が押下されたか否かを判断する。ステップS30がNOの場合はステップS22に戻る。ステップS30がYESの場合はステップS10に戻る。
【0040】
ステップS40:指示を受け付けた印字データに応じた文字入力画面を表示する。
ステップS42:文字入力画面において文字入力があったか否かを判断する。ステップS42がYESの場合はステップS44に進む。ステップS42がNOの場合はステップS48に進む。
ステップS44:文字入力画面において入力された内容にラベルイメージ上の印字データを変更する。
ステップS46:文字入力画面において入力された内容にRAM30に記憶している印字データを更新する。
ステップS48:文字入力画面の「戻る」の指示を受け付けたか否かを判断する。即ち、ボタン「戻る」が押下されたか否かを判断する。ステップS48がNOの場合はステップS42に戻る。ステップS48がYESの場合はステップS20に戻る。
【0041】
ステップS50:設定値に基づいてラベルを発行する。そして、本フローチャートは終了する。
【0042】
以上、本発明の実施形態によるラベルプリンタ1によれば、ラベルに印字される内容を確認しつつ、かつ、ラベルに印字される内容を容易に変更することができる。なお、上記実施形態においては、液晶表示器9bに何れかの画面(ラベル情報画面、ラベルイメージ画面、文字入力画面等)を切り替えて表示する態様を説明したが、液晶表示器9bにウィンドウとして複数の画面を同時に表示するようにしてもよい。
【0043】
また、各印字項目を左右、あるいは上下方向へ移動させる際、画面上で各印字項目に指で接触しながら画面上をスライドさせることで、当該印字項目を移動させる例を示したが、これに限らず、数字を入力する数字キーのそれぞれに各印字項目を移動させる機能を持たせておき、所定のキーを押し続けることで決められた方向へ移動し続けるようにしてもよい。例えば、1から9までの数字のキーを3行3例に配置する。そして、上、下、左、右の位置関係に位置する「4」は左方向、「6」は右方向、「8」は上方向、「2」は下方向へ移動するように機能を割り振っておいてもよい。
また、ラベルイメージ中に各印字項目が属するファイル名を表示するようにしてもよい。例えば、図1(b)での「本日特売品」の近傍に「広告文」と小さく表示するようにしてもよい。基本的には、ラベルイメージ中で修正したい印字項目があれば、そのイメージ中で印字データの修正をすることができるが、ラベルイメージの画面を抜けたあとに、修正したいことが発生した場合でも、イメージの表示の中で、各印字項目がどのファイルに属するかを見ているので、修正したい印字項目がどのファイルに属するか思い出すことを手助けになり、イメージの画面に戻らず、直接、各ファイルのデータを設定するモードにて印字データを変更することができる。
【0044】
なお、本発明の実施形態によるラベルプリンタ1の各処理を実行するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、本発明の実施形態によるラベルプリンタ1の各処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0045】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0046】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0047】
1…ラベルプリンタ、2…はかり、2a…ロードセル、3…印字機構部、5…操作部
7…キー操作部、9a…タッチパネル(指定手段)、9b…液晶表示器(表示手段)、20…CPU(印字データ変更手段、フォーマット変更手段)、21…ロードセル制御部、22…印字制御部、30…RAM(記憶手段)、24…操作制御部、25…表示制御部、40…ROM、100…制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印字する印字データを呼び出しラベルに印字し発行するラベルプリンタにおいて、
前記印字する各印字項目の印字データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている印字データと、該印字データのフォーマット情報とに基づいて、ラベルに印字するラベルイメージを表示する表示手段と、
前記表示手段により表示された前記ラベルイメージ上において印字データを指定する指定手段と、
前記指定手段により指定された印字データを変更する印字データ変更手段と、
を備えることを特徴とするラベルプリンタ。
【請求項2】
前記指定手段は、
ユーザによる前記ラベルイメージ上のタッチ位置に基づいて、前記タッチ位置に対応する位置の印字データが指定されることを特徴とする請求項1に記載のラベルプリンタ。
【請求項3】
前記印字データ変更手段は、
前記ラベルイメージ中における印字データの表示内容を変更した場合、前記記憶手段に記憶されている印字データを更新することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のラベルプリンタ。
【請求項4】
前記表示手段は、
前記指定手段により前記ラベルイメージ上において印字データの指定がされた場合、文字を入力するための文字入力画面を表示することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のラベルプリンタ。
【請求項5】
前記指定手段により指定された印字データの前記ラベルイメージ中における表示位置を変更するとともに、前記フォーマット情報を更新するフォーマット変更手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のラベルプリンタ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−91250(P2013−91250A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234829(P2011−234829)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000145068)株式会社寺岡精工 (317)
【Fターム(参考)】