説明

ラベル検出システムおよびラベルプリンタ

【課題】 印刷に影響がなく、かつ、真贋を判定できるラベル検出システムおよびラベルプリンタを提供する。
【解決手段】 ラベル材、前記ラベル材から放出される特定波長以上の電磁波を検出する検出装置を備えたラベル検出システムであって、前記ラベル材は、基材シートと、該基材シート上に設けられた粘着剤層とを備え、前記粘着剤層は、粘着剤と電磁波発生体とを含有し、前記検出装置は、前記ラベル材の粘着剤層側に配置されることを特徴とするラベル検出システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベル検出システムおよびラベルプリンタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、基材上に蛍光インキを用いて情報パターン存在部を形成し、赤外線発光を用いて真贋を判定できる方法がある(例えば特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−215959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この技術は、ラベルに応用しようとすると問題があった。
すなわち、基材上に蛍光インキを用いて情報パターン存在部を形成しているので、その上にさらに印刷を行おうとすると印刷に影響が出てしまうことがあった。
【0005】
本発明は、このような問題に対処するもので、その目的とする処は、印刷に影響がなく、かつ、真贋を判定できるラベル検出システムおよびラベルプリンタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。
(1)ラベル材、前記ラベル材から放出される特定波長以上の電磁波を検出する検出装置を備えたラベル検出システムであって、前記ラベル材は、基材シートと、該基材シート上に設けられた粘着剤層とを備え、前記粘着剤層は、粘着剤と電磁波発生体とを含有し、前記検出装置は、前記ラベル材の粘着剤層側に配置されることを特徴とするラベル検出システム。
(2)前記電磁波発生体は、Y、Gd、LuおよびLaの少なくとも1つを含有し、かつ、Ybを含有することを特徴とする前記(1)記載のラベル検出システム。
(3)ラベル材、前記ラベル材から放出される特定波長以上の電磁波を検出する検出装置、ラベル材に印刷を行う印刷部、および印刷を制御する制御部を備えたラベルプリンタであって、前記ラベル材は、基材シートと、該基材シート上に設けられた粘着剤層とを備え、前記粘着剤層は、粘着剤と電磁波発生体とを含有し、前記検出装置は、前記ラベル材の粘着剤層側に配置され、前記制御部は、前記検出装置が電磁波を検出すると、前記印刷部を印刷可能に制御することを特徴とするラベルプリンタ。
(4)前記検出装置は、特定波長未満の電磁波を照射する照射手段と、電磁波を検出する検出手段と、前記検出手段に入射しようとする特定波長未満の電磁波をカットするフィルタと、を備えることを特徴とする前記(3)記載のラベルプリンタ。
(5)前記検出装置は、特定波長未満の電磁波を照射する照射手段と、電磁波を検出する検出手段と、前記検出手段に入射しようとする特定波長未満の電磁波をカットするフィルタと、前記検出手段が電磁波を検出したことを前記制御部へ通知する通知手段と、を備えることを特徴とする前記(3)記載のラベルプリンタ。
(6)前記特定波長は、800nm以上850nm以下であることを特徴とする前記(4)または(5)記載のラベルプリンタ。
(7)前記フィルタは、バンドパスフィルタまたはローパスフィルタであることを特徴とする前記(4)または(5)記載のラベルプリンタ。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、印刷に影響がなく、かつ、真贋を判定できるラベル検出システムおよびラベルプリンタを提供することができる。
また、本発明によれば、基材に関係なく、真贋を判定できるラベル検出システムおよびラベルプリンタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明のラベル検出システムおよびラベルプリンタの一例を示す概念図
【図2】検出装置およびラベル材の拡大図
【図3】検出装置および他のラベル材の拡大図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面等を参照して説明する。
【0010】
図1および図2を用いて、本発明のラベル検出システムおよびラベルプリンタの一例を説明する。
図1は、本発明のラベル検出システムおよびラベルプリンタの一例を示す概念図である。
図2は、検出装置およびラベル材の拡大図である。
11は、LEDなどの照射手段、12は、フォトダイオードなどの検出手段、13は通知手段、21は基材シート、22は、粘着剤Aおよび電磁波発生体を含有する粘着剤層、101は、照射手段11と検出手段12とフィルタFとを備える検出装置、103は印刷部、Aは粘着剤、Fはフィルタ、Hは孔、Lは、基材シート21および粘着剤層22からなるラベル材、Nは通信回線、Pはラベルプリンタ、Xは電磁波発生体である。
【0011】
本発明のラベル検出システムは、ラベル材L、ラベル材Lから放出される特定波長以上の電磁波を検出する検出装置101を備えたラベル検出システムであって、ラベル材Lは、基材シート21と、基材シート21上に設けられた粘着剤層22とを備え、粘着剤層22は、粘着剤Aと電磁波発生体Xとを含有し、検出装置101は、ラベル材Lの粘着剤層22側に配置されることを特徴とする。
【0012】
(ラベルプリンタ)
また、本発明のラベルプリンタPは、ラベル材L、ラベル材Lから放出される特定波長以上の電磁波を検出する検出装置101、ラベル材Lに印刷を行う印刷部103、および印刷を制御する制御部105を備えたラベルプリンタPであって、ラベル材Lは、基材シート21と、基材シート21上に設けられた粘着剤層22とを備え、粘着剤層22は、粘着剤Aと電磁波発生体Xとを含有し、検出装置101は、ラベル材Lの粘着剤層22側に配置され、制御部105は、検出装置101が電磁波を検出すると、印刷部103を印刷可能に制御することを特徴とする。
【0013】
電磁波発生体Xを基材シート上に形成するのではなく粘着剤層22に含有させることで、ラベル表面が平滑なままとなり印刷に影響を及ぼすことがない。
また、検出装置101をラベル材Lの粘着剤層22側に配置することにより、基材シートが電磁波に影響を及ぼすようなネーマ紙や黒ラベルであっても、確実に電磁波を検出することができる。
さらに、電磁波発生体Xを粘着剤層に含有させ、かつ、検出装置101をラベル材Lの粘着剤層22側に配置することにより、電磁波発生体Xと検出装置101の距離が近くなり、基材シートに厚みがあっても少量の電磁波発生体Xで確実に電磁波を検出できるように構成できる。
【0014】
検出装置101は、特定波長未満の電磁波を照射する照射手段11と、電磁波を検出する検出手段12と、検出手段12に入射しようとする特定波長未満の電磁波をカットするフィルタFと、を備えることが好ましい。
検出装置101は、より好ましくは、検出手段が電磁波を検出したことを制御部105へ通知する通知手段を備える。
特定波長は、800nm以上850nm以下であることが好ましい。
フィルタは、例えば、特定の領域を通過させるバンドパスフィルタ、可視光をカットするローパスフィルタなどが好ましい。
【0015】
照射手段11から照射された光は、孔Hを通過してラベル材Lの電磁波発生体Xに到達し、粘着剤層22に含まれる電磁波発生体Xを励起する。
電磁波発生体Xが特定波長以上の電磁波を放出すると、その一部が孔Hを通過して検出手段12により検出される。
なお、フィルタFは検出手段12の表面などに配置され、検出手段12に入射しようとする特定波長未満の電磁波を遮断する。
したがって、照射手段11から照射された光の反射光などはフィルタFによってカットされ、ラベル材Lがないときに検出手段12が光を検出する誤動作を防ぐことができる。
検出装置101は、粘着剤層22からの特定波長以上の電磁波を検出すると、通知手段13から所定の信号を送り、表示や音でその旨を知らせることが望ましい。
表示は、○または×のような単純なものでもよいし、電磁波の強さを表示するものでもよい。
音は、チャイム音のような単純なものでもよいし、電磁波の強さを音で示すものでもよい。
【0016】
印刷部103は、例えばサーマルヘッドやプラテンローラ、また必要に応じてインクリボンなどからなり、後述する制御部からの制御により搬送されてきたラベル材Lへ任意の印刷を施すことができる。
【0017】
制御部105は、CPUや各種センサなどからなりプリンタPの全体を制御する。図示しない送りローラや搬送モータによりラベル材Lを搬送し、印刷部103によりラベル材Lに任意の印刷を施す。
【0018】
ラベル材Lは、基材シート21と、基材シート21上に設けられた粘着剤層22とを備え、粘着剤層22は、粘着剤Aと電磁波発生体Xとを含有する。
【0019】
基材シート21は、上質紙やコート紙やアート紙等の紙、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニルやこれを更に塩素化した塩素化ポリ塩化ビニル等の塩化ビニル系樹脂等から成るフィルム、ポリエチレンやポリプロピレン等に充填材を加えて紙のような繊維状に加工した合成紙、およびこれらの積層体や複合材などが用いられる。
基材シート21は、ネーマ紙などの光沢紙や黒ラベルなどの色付き紙でもよい。
【0020】
粘着剤層22は、基材シート21の全面に形成されていることが好ましい。
広い範囲から電磁波を放出することで、検出装置101による検出が容易になるからである。
【0021】
また、粘着剤層22は、パターン状に形成することもできる。
パターン状に形成された粘着剤層22は、粘着剤層22のみで偽造防止マークとして機能する。
パターンとしては、バーコードパターンなどを用いることができる。
【0022】
ラベル材Lは、基材シート21上に蛍光インキを形成する工程を省略して、粘着剤を塗布する工程のみで容易に製造できるので時間やコストを削減できる。
なお、ラベル材は、電磁波発生体Xをインキではなく粘着剤層22に混入している。したがって、電磁波発生体Xの混入により粘着剤層22に多少の着色等が生じても、基材シート21が不透明であれば電磁波発生体Xの存在が悟られにくいという利点がある。
【0023】
粘着剤層22は、粘着剤Aと電磁波発生体Xとを含有する。
粘着剤層22は、粘着剤A、電磁波発生体X、および、電磁波発生体Xを粘着剤中に分散させる分散剤を含有することが好ましい。
【0024】
粘着剤Aは、特に限定されるものではなく、たとえば、エマルジョン系、ソルベント系、ホットメルト系の粘着剤が用いられる。素材は、アクリル系、ゴム系など任意である。粘着特性は被貼着物の種類に応じて選定される。例えば、一度貼着した後には剥がす必要がない場合、強粘着や、さらに粘着力が強い超強粘着や、冷凍糊と呼ばれる粘着特性が望ましい。
【0025】
粘着剤Aは、粘着剤層中に50質量%以上99質量%以下含有されていることが好ましい。
【0026】
電磁波発生体とは、電磁波の発生源となりうる物体を意味する。
電磁波発生体Xは、電磁波など特定のエネルギーにより励起され、特定波長以上の電磁波を放出する物体である。電磁波発生体が放出する電磁波は、ラジオ波、紫外線、赤外線、および、可視光線などである。例えば、赤外線発生体などを用いることができる。
電磁波発生体は無機物質であることが好ましい。無機物質よりなる電磁波発生体は、耐候性に優れ、時間の経過にあまり関係なく電磁波を発生させることができるからである。
【0027】
電磁波発生体は、Y(イットリウム)、Gd(ガドリニウム)、Lu(ルテチウム)およびLa(ランタン)の少なくとも1つを含有し、かつ、Yb(イッテルビウム)を含有することが好ましい。
例えば、根本特殊化学社製の赤外発光蛍光体は、電磁波発生体として好適に用いられる。
【0028】
具体的には、Lu(ルテチウム)、Yb(イッテルビウム)およびNd(ネオジム)を含有する赤外発光蛍光体は、電磁波発生体として用いることができる。
また、ランタン(La)、イッテルビウム(Yb)およびネオジム(Nd)を含有する赤外発光蛍光体は、電磁波発生体として用いることができる。
さらに、Y(イットリウム)、Gd(ガドリニウム)、およびLa(ランタン)のいずれか1つを含有し、かつ、イッテルビウム(Yb)およびエルビウム(Er)を含有する蛍光体は、電磁波発生体として用いることができる。
また、モリブデン酸塩系赤外発光蛍光体は、電磁波発生体として用いることができる。
【0029】
電磁波発生体は、ラベル用粘着剤中に1質量%以上50質量%以下含有されていることが好ましい。また、1質量%以上10質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上3質量%以下であることがさらに好ましい。
【0030】
電磁波発生体は、粘着剤中に均一に分散されていることが好ましい。
均一に分散させる方法としては、混合時に加熱する方法および分散剤を加える方法などがある。
【0031】
分散剤は、一般的に市販されている界面活性剤(乳化剤)を用いることができる。
界面活性剤は、粘着剤中に電磁波発生体を分散させることができ、特にエマルジョン系の粘着剤中に電磁波発生体を良好に分散させることができる。
分散剤は、水またはエタノールと混合して分散液とした状態で用いることが好ましい。
分散液は、ラベル用粘着剤中に3質量%以上5質量%以下含有されていることが好ましい。
【0032】
次に、図3を用いて他のラベル材について説明する。
図3は、検出装置および他のラベル材の拡大図である。
23は剥離シートである。
ラベル材Lは、粘着剤層22上に剥離可能に積層される剥離シート23を備えることができる。
剥離シート23は電磁波に影響の少ない薄いものが好ましい。
検出装置が基材シート21側でなく粘着剤層22側に配置されているので、剥離シート23を透過して特定波長未満の電磁波を照射し、特定波長以上の電磁波を検出することができる。
剥離シート23としては、一般に利用されている通常のものが用いられる。例えば、ポリエチレン被膜を介しシリコーンが表面に塗布された紙、クレー塗装後にスーパーキャレンダーがけしたクラフト紙、グラシン紙、上質セパレータ、各種プラスチックフィルム、等が例示される。
【0033】
本発明のラベル検出システムは、例えば、特殊ラベルの偽造検出システムとして使用できる。
また、本発明のラベルプリンタは、例えば、特定のラベルに対してのみ印刷を施す認証機能付きラベルプリンタとして使用できる。
【実施例】
【0034】
以下、本発明の実施例について詳細に説明する。
【0035】
[実施例1]
(ラベル材)
粘着剤(東洋インキ製造社製、商品名「E95K」、エマルジョン系)を100質量部用意した。
電磁波発生体(根本特殊化学社製、商品名「IRS−F」、波長850nmの赤外線を照射すると波長980nmの赤外線を放出する。)を2質量部用意した。
分散剤(サンノプコ社製、商品名「ノプコスパース44C」)を0.002質量部用意した。
水を1質量部用意した。
まず、分散剤と水をよく混合して、分散液とした。
次に、分散液と電磁波発生体をよく混合して、電磁波液とした。
そして、電磁波液と粘着剤をよく混合して、ラベル用粘着剤を製造した。
【0036】
基材シートとして白板紙(日本大昭和板紙社製、商品名「アイベストW160g紙」、50mm×50mm、厚さ155μm)を用意した。
基材シート上に、前述のラベル用粘着剤を10番のメイヤーバーを用いて厚さ10μmとなるように塗布して乾燥し、実施例1のラベル材を製造した。
なお、粘着剤層の上に、剥離シートとして市販の上質セパレータを載せ、粘着剤層を保護した。
【0037】
(検出装置)
照射手段としてピーク波長820nmの赤外発光ダイオード、検出手段としてピーク波長960nmの赤外発光フォトトランジスタ、フィルタとして900nm未満の波長の電磁波をカットする赤外フィルタ、赤外発光フォトトランジスタが電磁波を検出したことをプリンタの制御部へ通知する通知手段を有する検出装置を用意した。
当該検出装置を、市販のラベルプリンタ内のラベル搬送路付近にてラベル材の粘着剤層側になるように配置し、当該プリンタを検出装置からの通知がなければ画面に警告が出るように設定した。
以上により、実施例1のラベルプリンタを製造した。
【0038】
[実施例2]
基材シートとして市販のネーマ紙(サトー社製、商品名「◇2ネーマ50S 強粘S」、50mm×50mm、厚さ140μm)を用いた。
その他の条件は実施例1と同様にして、実施例2のラベルプリンタを製造した。
【0039】
[実施例3]
基材シートとして市販のラベルに印字済みのもの(サトー社製、商品名「物流サーマルC改」、50mm×50mm、厚さ148μm)を用いた。
その他の条件は実施例1と同様にして、実施例3のラベルプリンタを製造した。
【0040】
[比較例1]
電磁波発生体を粘着剤に混合せず、基材シート上に市販の蛍光インキを用いてバーコードを印刷した。
その他の条件は実施例1と同様にして、比較例1のラベルプリンタを製造した。
【0041】
[比較例2]
電磁波発生体を粘着剤に混合せず、基材シート上に市販の蛍光インキを用いてバーコードを印刷した。
その他の条件は実施例2と同様にして、比較例2のラベルプリンタを製造した。
【0042】
[比較例3]
電磁波発生体を粘着剤に混合せず、基材シート上に市販の蛍光インキを用いてバーコードを印刷した。
その他の条件は実施例3と同様にして、比較例3のラベルプリンタを製造した。
【0043】
[比較例4]
検出装置を、市販のラベルプリンタ内のラベル搬送路付近にてラベル材の基材シート側になるように配置し、当該プリンタを検出装置からの通知がなければ画面に警告が出るように設定した。
その他の条件は実施例1と同様にして、比較例4のラベルプリンタを製造した。
【0044】
実施例および比較例の主な条件を表1に示す。
【0045】
【表1】

【0046】
<評価>
(印刷への影響)
実施例および比較例のラベルプリンタについて、それぞれのラベル材にバーコードを印刷し、印刷にズレやにじみが生じていないか目視で確認した。
○:ズレ・にじみなし
×:ズレ・にじみあり
【0047】
(ラベルの検出)
実施例および比較例のラベルプリンタについて、それぞれのラベル材に印刷しようとする際に、警告の有無を確認した。
○:警告なし
△:まれに警告あり
×:警告あり
【0048】
評価結果を表2に示す。
【0049】
【表2】

【0050】
表2から明らかなように、実施例では、印刷への影響、ラベルの検出ともに実用上問題なかった。
これに対し、比較例1では、印刷への影響で実用上問題があり、ラベルの検出で実用上やや問題があった。
また、比較例2および比較例3では、印刷への影響およびラベルの検出で実用上問題があった。
そして、比較例4では、ラベルの検出で実用上やや問題があった。
以上のように、本発明によれば、印刷に影響がなく、かつ、真贋を判定できるラベル検出システムおよびラベルプリンタを提供することができる。
また、本発明によれば、基材に関係なく、真贋を判定できるラベル検出システムおよびラベルプリンタを提供することができる。
【0051】
なお、本発明は以上説明した実施形態によって限定されることはない。
【符号の説明】
【0052】
11 照射手段
12 検出手段
13 通知手段
21 基材シート
22 粘着剤層
23 剥離シート
101 検出装置
103 印刷部
A 粘着剤
F フィルタ
H 孔
L ラベル材
N 通信回線
P ラベルプリンタ
X 電磁波発生体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベル材、前記ラベル材から放出される特定波長以上の電磁波を検出する検出装置を備えたラベル検出システムであって、
前記ラベル材は、基材シートと、該基材シート上に設けられた粘着剤層とを備え、
前記粘着剤層は、粘着剤と電磁波発生体とを含有し、
前記検出装置は、前記ラベル材の粘着剤層側に配置されることを特徴とするラベル検出システム。
【請求項2】
前記電磁波発生体は、Y、Gd、LuおよびLaの少なくとも1つを含有し、かつ、Ybを含有することを特徴とする請求項1記載のラベル検出システム。
【請求項3】
ラベル材、前記ラベル材から放出される特定波長以上の電磁波を検出する検出装置、ラベル材に印刷を行う印刷部、および印刷を制御する制御部を備えたラベルプリンタであって、
前記ラベル材は、基材シートと、該基材シート上に設けられた粘着剤層とを備え、
前記粘着剤層は、粘着剤と電磁波発生体とを含有し、
前記検出装置は、前記ラベル材の粘着剤層側に配置され、
前記制御部は、前記検出装置が電磁波を検出すると、前記印刷部を印刷可能に制御することを特徴とするラベルプリンタ。
【請求項4】
前記検出装置は、特定波長未満の電磁波を照射する照射手段と、
電磁波を検出する検出手段と、
前記検出手段に入射しようとする特定波長未満の電磁波をカットするフィルタと、を備えることを特徴とする請求項3記載のラベルプリンタ。
【請求項5】
前記検出装置は、特定波長未満の電磁波を照射する照射手段と、
電磁波を検出する検出手段と、
前記検出手段に入射しようとする特定波長未満の電磁波をカットするフィルタと、
前記検出手段が電磁波を検出したことを前記制御部へ通知する通知手段と、を備えることを特徴とする請求項3記載のラベルプリンタ。
【請求項6】
前記特定波長は、800nm以上850nm以下であることを特徴とする請求項4または5記載のラベルプリンタ。
【請求項7】
前記フィルタは、バンドパスフィルタまたはローパスフィルタであることを特徴とする請求項4または5記載のラベルプリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−45417(P2013−45417A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−184979(P2011−184979)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】(000130581)サトーホールディングス株式会社 (1,153)
【Fターム(参考)】