ラベル移送装置及びハンドラベラ
【課題】 ラベル連続体のエンドレスベルト上での所謂糊だまりの発生を防止し、また、所謂糊だまりが生じても、これを容易に排出できるようにする。
【解決手段】 帯状の台紙なしラベル連続体ＬＡを支承して移送するエンドレスベルト３２と、エンドレスベルト３２が架け渡される一対のベルトローラ３３，３４と、各ベルトローラ３３，３４の両端を軸支する左右一対の側板３６及びこの側板３６間に架設されエンドレスベルト３２の裏面を支持する支持板３７を備えた支持フレーム３５とを備え、支持フレーム３５の一対の側板３６と各側板３６に対応するエンドレスベルト３２の側縁３２ａとの間に夫々隙間Ｅを形成するとともに、支持板３７の隙間Ｅに対応する部位に、ラベルＬから離脱した粘着剤を排出する排出口４５を設けた。
【解決手段】 帯状の台紙なしラベル連続体ＬＡを支承して移送するエンドレスベルト３２と、エンドレスベルト３２が架け渡される一対のベルトローラ３３，３４と、各ベルトローラ３３，３４の両端を軸支する左右一対の側板３６及びこの側板３６間に架設されエンドレスベルト３２の裏面を支持する支持板３７を備えた支持フレーム３５とを備え、支持フレーム３５の一対の側板３６と各側板３６に対応するエンドレスベルト３２の側縁３２ａとの間に夫々隙間Ｅを形成するとともに、支持板３７の隙間Ｅに対応する部位に、ラベルＬから離脱した粘着剤を排出する排出口４５を設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、裏面に粘着剤層を有した台紙なしラベル連続体を移送するラベル移送装置、及び、このラベル移送装置を搭載し、例えば、スーパーマーケット等で価格等を表示したラベルをレバー操作により物品に貼付するハンドラベラに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、この種のハンドラベラとしては、例えば、図９及び図１０に示すように、本願出願人が先に提案したものが知られている（特開２００４−２９９７５７号公報参照）。
これは、裏面に粘着剤層を有した台紙なしラベルＬ（ノンセパ（登録商標）ラベル、ライナレスラベルなどとも言われる）に印字を行って発行するものであり、台紙なしラベルＬが列設された帯状のラベル連続体ＬＡがロール状に巻回されたラベルロールＲが装着される。
このハンドラベラＨａは、ラベル連続体ＬＡが引き通される空間を有した本体１００と、ラベルロールＲを保持するラベルホルダ１０１と、ラベルホルダ１０１から繰り出されたラベル連続体ＬＡを移送するラベル移送装置１０２と、本体１００に揺動可能に設けられ揺動操作によりラベル移送装置１０２を駆動してラベルロールＲからラベル連続体ＬＡを送出させるとともに印字ヘッド１０３によりラベル移送装置１０２上のラベル連続体ＬＡのラベルＬに所要の印字を行わせるためのレバー１０４とを備えている。本体１００にはレバー１０４とともに把持するグリップ１０５が設けられている。本体１００のラベルＬの出口１０６には、出口１０６から突出したラベルＬを物品（図示せず）に押圧する貼付ローラ１０７が設けられている。
【０００３】
ラベル移送装置１０２は、ラベル連続体ＬＡをその裏面を支承して移送するエンドレスベルト１０８を備えている。エンドレスベルト１０８にはその移動方向に沿って所定間隔で爪（図示せず）が突設されている一方、ラベル連続体ＬＡのラベルＬとラベルＬとの間には、この爪が係合する孔（図示せず）が形成されており、この爪の係合によりラベル連続体ＬＡを移送する。また、エンドレスベルト１０８は一対のベルトローラとしての駆動ローラ１０９及び従動ローラ１１０間に架け渡されている。この駆動ローラ１０９及び従動ローラ１１０は支持フレーム１１１に支持されている。支持フレーム１１１は、図１０に示すように、各ローラ１０９，１１０の両端を軸支する左右一対の側板１１２、及び、側板１１２間に架設されエンドレスベルト１０８の裏面を支持する支持板１１３を備えている。駆動ローラ１０９はレバー１０５の操作により図示外の駆動機構を介して回転させられる。１１４はエンドレスベルト１０８上のラベル連続体ＬＡを押さえる押さえローラである。
【０００４】
このハンドラベラＨａにおいて、ラベルＬを物品に貼付するときは、グリップ１０５とともにレバー１０４を握持すると、レバー１０４の操作により印字ヘッド１０３が駆動させられて所要のラベルＬに印字を行い、レバー１０４を開放すると、駆動ローラ１０９が回転させられてエンドレスベルト１０８が移動し、ラベル連続体ＬＡが所要量移送され、ラベルＬが本体１００の出口１０６から突出する。そして、レバー１０４を開放状態のままにして、突出したラベルＬを物品に接触させ、貼付ローラ１０７で押圧して、ラベルＬを貼付する。ラベル連続体ＬＡは、図１０に示すように、その側縁がラベル移送装置１０２の側板１１２に摺接可能になっており、この側板１１２によりガイドされて移送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開２００４−２９９７５７号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
ところで、上記従来のハンドラベラＨａにおいて、ラベル連続体ＬＡは、その側縁がラベル移送装置１０２の側板１１２にガイドされて移送されるが、図１０に示すように、側板１１２に対して擦れることによりラベル連続体ＬＡの裏面の粘着剤が僅かずつ剥がれて離脱し、所謂糊だまりＤが生じ、ラベル連続体ＬＡの移送に支障が生じる要因になっているという問題があった。特に、側板１１２はエンドレスベルト１０８に沿う長さを有していることから、粘着剤の離脱が比較的長い範囲に亘って発生し、それだけラベル連続体ＬＡの移送に支障を生じやすくしているとともに、清掃も煩雑になっている。
【０００７】
本発明は上記の問題点に鑑みて為されたもので、ラベル連続体のエンドレスベルト上での所謂糊だまりの発生を防止し、また、所謂糊だまりが生じても、これを容易に排出できるようにしたラベル移送装置及びハンドラベラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記課題を解決するため、本発明のラベル移送装置は、裏面に粘着剤層を有した帯状の台紙なしラベル連続体を当該ラベル連続体の裏面を支承して移送するエンドレスベルトと、該エンドレスベルトが架け渡される一対のベルトローラと、該各ベルトローラの両端を軸支する左右一対の側板及び該側板間に架設されエンドレスベルトの裏面を支持する支持板を備えた支持フレームとを備えたラベル移送装置において、
上記支持フレームの一対の側板と該各側板に対応するエンドレスベルトの側縁との間に夫々隙間を形成するとともに、上記支持フレームの支持板の上記隙間に対応する部位に、ラベルから離脱した粘着剤を排出する排出口を設けた構成としている。
【０００９】
これにより、ラベルを移送するときは、エンドレスベルト上にラベル連続体を支承してエンドレスベルトを移動させる。この場合、支持フレームの各側板とエンドレスベルトの側縁との間に夫々隙間が形成されているので、ラベルが側板を摺接することがなく、そのため、ラベル連続体の側縁が擦れてその裏面の粘着剤が剥がれ、所謂糊だまりが生じる事態を防止することができる。この結果、ラベル連続体の移送に支障が生じる事態を防止することができる。仮に、ラベル連続体の移送過程で、ラベル連続体から粘着剤が離脱しても、支持板には隙間に対応する部位に排出口が設けられているので、この粘着剤が自然に落下して排出され易くなり、この点でも、ラベル連続体の移送に支障が生じる事態を防止することができる。また、メンテナンス等でラベル移送装置を清掃するときも、排出口があるので、離脱して他に付着した粘着剤をこの排出口から排出させることができ、それだけ清掃作業性を向上させることができる。
【００１０】
そして、必要に応じ、上記排出口を、上記エンドレスベルトの移動方向に沿って複数設けた構成としている。排出口がエンドレスベルトの移動方向に沿って複数あるので、離脱した粘着剤が落下して排出される機会が多くなり、より確実に排出を行うことができる。また、それだけ、清掃も容易になる。
【００１１】
また、必要に応じ、上記排出口を、上記支持板の前端にも形成した構成としている。支持板の前端に排出口を設けたので、前側のベルトローラに粘着剤が至ろうとしても、この前側の排出口から落下し易くなり、そのため、より一層ラベル移送の支障を低減することができる。
【００１２】
更に、必要に応じ、上記各ベルトローラを、上記エンドレスベルトが巻き掛けられるローラ本体と、該ローラ本体の両側に設けられエンドレスベルトの側縁を抑える一対の鍔部とを備えて構成し、該鍔部の外側に上記側板を位置させた構成としている。
これにより、エンドレスベルトの側縁はベルトローラの鍔部によりガイドされて移動し、鍔部の厚さの分は隙間として確保されるので、確実に隙間を形成することができる。
【００１３】
また、上記課題を解決するための本発明のハンドラベラは、裏面に粘着剤層を有した帯状の台紙なしラベル連続体が巻回されたラベルロールを保持するラベルホルダと、該ラベルホルダのラベルロールから送出されるラベル連続体を移送するラベル移送装置とを備え、該ラベル移送装置による移送過程でラベル連続体のラベルに所要の印字を行って該ラベルを発行するハンドラベラにおいて、
上記ラベル移送装置として、上記の構成のラベル移送装置を備え、上記ラベルホルダと上記ラベル移送装置との間に、ラベル連続体の両側縁が摺接可能なガイド孔を有したガイド部材を設けた構成としている。
【００１４】
これにより、ラベルを物品に貼付するときは、ラベルに所要の印字を行うとともにラベル連続体を送出し、ハンドラベラをもったまま印字されたラベルを物品に貼付する。この場合、ラベルホルダに支持したラベルロールからラベル連続体が送出され、ラベル移送装置によりラベル連続体が移送されるが、ラベル移送装置においては、エンドレスベルト上にラベル連続体を支承してエンドレスベルトを移動させる。この場合、上記と同様に、支持フレームの各側板とエンドレスベルトの側縁との間に夫々隙間が形成されているので、ラベルが側板を摺接することがなく、そのため、ラベル連続体の側縁が擦れてその裏面の粘着剤が剥がれ、所謂糊だまりが生じる事態を防止することができる。この結果、ラベル連続体の移送に支障が生じる事態を防止することができる。仮に、ラベル連続体の移送過程で、ラベル連続体から粘着剤が離脱しても、支持板には隙間に対応する部位に排出口が設けられているので、この粘着剤が自然に落下して排出され易くなり、この点でも、ラベル連続体の移送に支障が生じる事態を防止することができる。また、メンテナンス等でラベル移送装置を清掃するときも、排出口があるので、離脱して他に付着した粘着剤をこの排出口から排出させることができ、それだけ清掃作業性を向上させることができる。
【００１５】
また、この場合、ラベル移送装置との間に、ラベル連続体の両側縁が摺接可能なガイド孔を有したガイド部材が設けられているので、ラベル連続体はこのガイド部材のガイド孔により幅方向の移動が規制され、そのため、蛇行することなくラベル連続体を移送させることができる。また、ガイド部材のガイド孔にラベル連続体が摺接するが、従来の支持フレームの側板のようにラベル連続体の側縁が比較的長い範囲に亘って摺接するのに比較して、ガイド孔の摺接範囲は極めて小さいことから、この摺接によって、ラベル連続体から粘着剤が離脱しにくく、この点でも、所謂糊だまりの発生が軽減される。
【発明の効果】
【００１６】
本発明によれば、ラベル移送装置においては、支持フレームの各側板とエンドレスベルトの側縁との間に夫々隙間が形成されているので、ラベルが側板を摺接することがなく、そのため、ラベル連続体の側縁が擦れてその裏面の粘着剤が剥がれ、所謂糊だまりが生じる事態を防止することができる。この結果、ラベル連続体の移送に支障が生じる事態を防止することができる。仮に、ラベル連続体の移送過程で、ラベル連続体から粘着剤が離脱しても、支持板には隙間に対応する部位に排出口が設けられているので、この粘着剤が自然に落下して排出され易くなり、この点でも、ラベル連続体の移送に支障が生じる事態を防止することができる。また、メンテナンス等でラベル移送装置を清掃するときも、排出口があるので、離脱して他に付着した粘着剤をこの排出口から排出させることができ、それだけ清掃作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【００１７】
【図１】本発明の実施の形態に係るハンドラベラ及びラベル搬送装置を示す側面断面図である。
【図２】本発明の実施の形態に係るハンドラベラのガイド部材の構成を示す斜視図である。
【図３】本発明の実施の形態に係るハンドラベラのガイド部材の構成を示す図２中Ａ−Ａ線断面図である。
【図４】本発明の実施の形態に係るラベル搬送装置を示す斜視図である。
【図５】本発明の実施の形態に係るラベル搬送装置を示す側面断面図である。
【図６】本発明の実施の形態に係るラベル搬送装置の支持フレームの構成を示す斜視図である。
【図７】本発明の実施の形態に係るラベル搬送装置の支持フレームの構成を示す平面図である。
【図８】本発明の実施の形態に係るラベル搬送装置を示し、（ａ）は図７中Ｂ−Ｂ線相当断面図、（ｂ）は図７中Ｃ−Ｃ線相当断面図である。
【図９】従来のハンドラベラの一例を示す側面図である。
【図１０】従来のハンドラベラにおいてラベル搬送装置を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１８】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係るラベル移送装置及びこれを搭載したハンドラベラについて説明する。
図１乃至図８に示すように、本発明の実施の形態に係るハンドラベラＨは、裏面に粘着剤層を有した台紙なしラベルＬ（ノンセパ（登録商標）ラベル、ライナレスラベルなどとも言われる）に印字を行って発行するものであり、台紙なしラベルＬが列設された帯状のラベル連続体ＬＡがロール状に巻回されたラベルロールＲが装着される。図４に示すように、ラベル連続体ＬＡにおいてラベルＬとラベルＬとの間には、後述の移送輪３０に設けられた爪３１が係合する切り込みＫが形成されている。
【００１９】
本発明の実施の形態に係るハンドラベラＨは、図１に示すように、上側に開放口２を有した空間３を左右一対の側壁４間に形成した本体１と、ラベルロールＲを保持するとともに本体１に回動可能に支持され回動により本体１の開放口２を開放する開位置Ｘ及び本体１の開放口２を覆う閉位置Ｙの二位置に位置させられるラベルホルダ１０と、本体１内に設けられラベルホルダ１０から繰り出されたラベル連続体ＬＡを移送するラベル移送装置Ｓと、本体１に揺動軸５を中心に揺動可能に設けられ揺動操作によりラベル移送装置Ｓを駆動しラベルロールＲからラベル連続体ＬＡを空間３内の移送路に送出させるとともに印字ヘッド６によりラベル連続体ＬＡのラベルＬに所要の印字を行わせるためのレバー７とを備えている。本体１にはレバー７とともに把持するグリップ８が設けられている。
【００２０】
ラベルホルダ１０は、図１に示すように、樹脂で形成されており、本体１のグリップ８の基端に設けられた回動軸１１に軸支された基端部１２と、基端部１２に一体に且つ本体１の一方の側壁４側に設けられた支持板１３と、支持板１３に基端が片持ち支持された巻芯保持軸１４とを備えている。巻芯保持軸１４の先端にはラベルロールＲの側面を保持することができるスライド可能な脱落防止部材１５が設けられている。支持板１３のグリップ８側には巻芯保持軸１４に装着されたラベルロールＲを覆う半円弧状の覆い板１６が設けられている。
ラベルホルダ１０には、ラベルホルダ１０の閉時に揺動軸５に係合してラベルホルダ１０を閉位置Ｙに保持しラベルホルダ１０の開時に揺動軸５から離脱する断面略Ｕ字状の係合部１７が設けられている。係合部１７は可撓性の樹脂部材であり、覆い板１６に一体形成されている。
【００２１】
図１乃至図３に示すように、本体１内であってラベルホルダ１０とラベル移送装置Ｓとの間には、ラベル連続体ＬＡが引き通されてガイドされるガイド部材２０が設けられている。ガイド部材２０は、略カップ状に形成され、その底部にラベル連続体ＬＡの両側縁が摺接可能なガイド孔２１が形成されている。レバー７はラベルＬガイドを囲繞して揺動可能になるようにヨーク状に形成されている。
【００２２】
ラベル移送装置Ｓは、図１，図４乃至図８に示すように、レバー７操作により、図示外の駆動機構を介して回動させられ回動によりラベル連続体ＬＡを所定量移送する移送輪３０を備えている。移送輪３０には、ラベル連続体ＬＡの切り込みＫに係合してラベル連続体ＬＡを移送する爪３１が等角度関係で突設されている。移送輪３０は、後述の側板３６間に回動可能に設けられている。
【００２３】
また、ラベル移送装置Ｓは、移送輪３０の下流側に設けられラベル連続体ＬＡをその裏面を支承して移送するエンドレスベルト３２と、エンドレスベルト３２が架け渡される一対のベルトローラ３３，３４と、この一対のベルトローラ３３，３４を回転可能に支持する支持フレーム３５（印字ヘッド６との関係では「プラテンフレーム」とも言う）とを備えている。支持フレーム３５は、各ベルトローラ３３，３４の両端を軸支する左右一対の側板３６、及び、側板３６間に架設されエンドレスベルト３２の裏面を支持する支持板３７を備えている。支持板３７の裏面には複数のリブ３７ａが突設されている。支持フレーム３５の側板３６の後側は、上側に延設されており、上記の移送輪３０が回動可能に支持されている。３８は一対のローラ間に架け渡されラベル連続体ＬＡを移送輪３０に対して押さえるエンドレスの押さえベルトである。
【００２４】
支持フレーム３５の一対の側板３６と各側板３６に対応するエンドレスベルト３２の側縁３２ａとの間には、夫々隙間Ｅが形成されている。詳しくは、図７及び図８に示すように、各ベルトローラ３３，３４は、エンドレスベルト３２が巻き掛けられるローラ本体４０と、ローラ本体４０の両側に設けられエンドレスベルト３２の側縁を抑える一対の鍔部４１とを備えて構成されている。そして、この鍔部４１の外側に側板３６を位置させることにより、隙間Ｅを形成している。エンドレスベルト３２とローラ本体４０とは噛合により係合している。また、図４，図６及び図７に示すように、後側のベルトローラ３４の一対の鍔部４１の内、一方の鍔部４１（ａ）は移送輪３０に同軸に設けられた主ギヤ４２に噛合する従ギヤ４３で構成されており、移送輪３０の回動により主ギヤ４２及び従ギヤ４３を介してベルトローラ３３，３４を回動してエンドレスベルト３２を移動させる。４４はラベル連続体ＬＡをエンドレスベルト３２に対して押さえる押さえ板である。
【００２５】
また、図６乃至図８に示すように、支持フレーム３５の支持板３７の隙間Ｅに対応する部位に、ラベルＬから離脱した粘着剤を排出する排出口４５が設けられている。排出口４５は、エンドレスベルト３２の移動方向に沿って複数設けられており、実施の形態では左右３つずつ設けられている。この排出口４５のうち、下流側の排出口４５（ａ）は、支持板３７の前端に切欠き形成されている。
【００２６】
ラベル移送装置Ｓは、本体１に対して一体になってヒンジ機構（図示せず）により開閉可能になっている。印字ヘッド６はレバー７に設けられており、レバー７のグリップ８側への握持操作により、支持フレーム３５の支持板３７上に対して進出し、エンドレスベルト３２上の所要のラベルＬに印字を行う。図１に示すように、本体１のラベルＬの出口５０には、出口５０から突出したラベルＬを物品に押圧する貼付ローラ５１が設けられている。
【００２７】
従って、この実施の形態に係るハンドラベラＨを使用するときは、以下のようになる。先ず、図１に示すように、ラベルロールＲの装填の際には、ラベルホルダ１０を開位置Ｘに回動する。この場合、略Ｕ字状の係合部１７は揺動軸５から離脱する。この状態で、ラベルホルダ１０にラベルロールＲを装着し、ラベル連続体ＬＡの先端側を引き出して、空間３内部に挿入し、さらに、ガイド部材２０のガイド孔２１に挿通し、ラベルホルダ１０を閉位置Ｙに回動してレバー７を複数回握持すると、移送輪３０及びエンドレスベルト３２上を通して出口５０側に搬送されラベル連続体ＬＡのセッティングが行われる。
尚、ラベルホルダ１０を閉位置Ｙに回動すると、閉位置Ｙでは、ラベルホルダ１０の係合部１７が揺動軸５に係合する。
また、ラベル移送装置Ｓは、ラベル連続体ＬＡが移送不良、いわゆるジャムリを起こしたときや保守点検などのときに、本体１に対して開閉されるようになっている。
【００２８】
そして、ラベルＬを物品に貼付するときは、グリップ８とともにレバー７を握持すると、レバー７の操作により印字ヘッド６が駆動させられて所要のラベルＬに印字を行い、レバー７を開放すると、ラベル移送装置Ｓの移送輪３０が回動させられるとともに、エンドレスベルト３２が駆動されてラベル連続体ＬＡが所要量移送される。これにより、ラベルＬが本体１の出口５０から突出する。そして、レバー７を開放状態のままにして、突出したラベルＬを物品に接触させ、貼付ローラ５１で押圧して、ラベルＬを貼付する。
【００２９】
この場合、ラベルホルダ１０に支持したラベルロールＲからラベル連続体ＬＡが送出されるが、図１に示すように、ラベルホルダ１０の係合部１７は、揺動軸５を挾持しているので、ラベル連続体ＬＡの送出によって、前後にラベルホルダ１０が変形して動こうとしてもその動きを規制することができ、そのため、ガタつきを防止して、ラベル連続体ＬＡの送出を円滑に行わせることができるようになる。ラベルホルダ１０のラベルロールＲから送出されたラベル連続体ＬＡは、ガイド部材２０のガイド孔２１により幅方向の移動が規制され、そのため、蛇行することなく移送させられる。この際、ガイド部材２０のガイド孔２１にラベル連続体ＬＡが摺接するが、ガイド孔２１の摺接範囲は極めて小さいので、この摺接によって、ラベル連続体ＬＡから粘着剤が離脱しにくく、所謂糊だまりの発生が軽減される。もし、このガイド孔２１に所謂糊だまりが発生しても、ラベルホルダ１０を開位置Ｘに位置させることにより、ガイド孔２１を開放口２を通して露出させることができるので、清掃により取り除くことが容易になる。
【００３０】
また、図７及び図８に示すように、ラベル移送装置Ｓにおいては、支持フレーム３５の各側板３６とエンドレスベルト３２の側縁３２ａとの間に夫々隙間Ｅが形成されているので、ラベルＬが側板３６を摺接することがなく、そのため、ラベル連続体ＬＡの側縁が擦れてその裏面の粘着剤が剥がれ、所謂糊だまりが生じる事態を防止することができる。この結果、ラベル連続体ＬＡの移送に支障が生じる事態を防止することができる。更に、エンドレスベルト３２の側縁３２ａはベルトローラ３３，３４の鍔部４１によりガイドされて移動し、鍔部４１の厚さの分は隙間Ｅとして確保されるので、確実に隙間Ｅを形成することができる。
【００３１】
即ち、実施の形態においては、ラベル連続体ＬＡのガイドを、その移送経路において、ガイド部材２０のガイド孔２１による１点にしたので、従来の支持フレーム３５の側板３６のようにラベル連続体ＬＡの側縁が比較的長い範囲に亘って摺接するのに比較して、ガイド孔２１の摺接範囲は極めて小さいことから、ラベル連続体ＬＡから粘着剤が離脱しにくく、所謂糊だまりの発生を防止できるのである。
【００３２】
図８（ｂ）に示すように、仮に、ラベル連続体ＬＡの移送過程で、ラベル連続体ＬＡから粘着剤が離脱しても、支持板３７には隙間Ｅに対応する部位に排出口４５が設けられているので、この粘着剤が自然に落下して排出され易くなり、この点でも、ラベル連続体ＬＡの移送に支障が生じる事態を防止することができる。また、メンテナンス等でラベル移送装置Ｓを清掃するときも、排出口４５があるので、離脱して他に付着した粘着剤をこの排出口４５から排出させることができ、それだけ清掃作業性を向上させることができる。
【００３３】
この場合、排出口４５がエンドレスベルト３２の移動方向に沿って複数あるので、離脱した粘着剤が落下して排出される機会が多くなり、より確実に排出を行うことができる。また、それだけ、清掃も容易になる。更にまた、排出口４５を支持板３７の前端にも形成したので、前側のベルトローラ３３，３４に粘着剤が至ろうとしても、この前側の排出口４５から落下し易くなり、そのため、より一層ラベルＬ移送の支障を低減することができる。
【００３４】
尚、上記実施の形態においては、本発明のラベル移送装置Ｓを、ハンドラベラＨに搭載した例で示したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、別の機器に搭載しても良く、要するに、台紙なしラベル連続体ＬＡを移送する機器であれば、どのようなものにも適用できることは勿論である。
【符号の説明】
【００３５】
Ｈ ハンドラベラ
Ｌ ラベル
ＬＡ ラベル連続体
Ｒ ラベルロール
Ｋ 切り込み
１ 本体
２ 開放口
３ 空間
５ 揺動軸
６ 印字ヘッド
７ レバー
１０ ラベルホルダ
Ｘ 開位置
Ｙ 閉位置
１７ 係合部
２０ ガイド部材
２１ ガイド孔
Ｓ ラベル移送装置
３０ 移送輪
３１ 爪
３２ エンドレスベルト
３２ａ 側縁
３３，３４ ベルトローラ
３５ 支持フレーム
３６ 側板
３７ 支持板
３８ 押さえベルト
Ｅ 隙間
４０ ローラ本体
４１ 鍔部
４２ 主ギヤ
４３ 従ギヤ
４４ 押さえ板
４５ 排出口
【技術分野】
【０００１】
本発明は、裏面に粘着剤層を有した台紙なしラベル連続体を移送するラベル移送装置、及び、このラベル移送装置を搭載し、例えば、スーパーマーケット等で価格等を表示したラベルをレバー操作により物品に貼付するハンドラベラに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、この種のハンドラベラとしては、例えば、図９及び図１０に示すように、本願出願人が先に提案したものが知られている（特開２００４−２９９７５７号公報参照）。
これは、裏面に粘着剤層を有した台紙なしラベルＬ（ノンセパ（登録商標）ラベル、ライナレスラベルなどとも言われる）に印字を行って発行するものであり、台紙なしラベルＬが列設された帯状のラベル連続体ＬＡがロール状に巻回されたラベルロールＲが装着される。
このハンドラベラＨａは、ラベル連続体ＬＡが引き通される空間を有した本体１００と、ラベルロールＲを保持するラベルホルダ１０１と、ラベルホルダ１０１から繰り出されたラベル連続体ＬＡを移送するラベル移送装置１０２と、本体１００に揺動可能に設けられ揺動操作によりラベル移送装置１０２を駆動してラベルロールＲからラベル連続体ＬＡを送出させるとともに印字ヘッド１０３によりラベル移送装置１０２上のラベル連続体ＬＡのラベルＬに所要の印字を行わせるためのレバー１０４とを備えている。本体１００にはレバー１０４とともに把持するグリップ１０５が設けられている。本体１００のラベルＬの出口１０６には、出口１０６から突出したラベルＬを物品（図示せず）に押圧する貼付ローラ１０７が設けられている。
【０００３】
ラベル移送装置１０２は、ラベル連続体ＬＡをその裏面を支承して移送するエンドレスベルト１０８を備えている。エンドレスベルト１０８にはその移動方向に沿って所定間隔で爪（図示せず）が突設されている一方、ラベル連続体ＬＡのラベルＬとラベルＬとの間には、この爪が係合する孔（図示せず）が形成されており、この爪の係合によりラベル連続体ＬＡを移送する。また、エンドレスベルト１０８は一対のベルトローラとしての駆動ローラ１０９及び従動ローラ１１０間に架け渡されている。この駆動ローラ１０９及び従動ローラ１１０は支持フレーム１１１に支持されている。支持フレーム１１１は、図１０に示すように、各ローラ１０９，１１０の両端を軸支する左右一対の側板１１２、及び、側板１１２間に架設されエンドレスベルト１０８の裏面を支持する支持板１１３を備えている。駆動ローラ１０９はレバー１０５の操作により図示外の駆動機構を介して回転させられる。１１４はエンドレスベルト１０８上のラベル連続体ＬＡを押さえる押さえローラである。
【０００４】
このハンドラベラＨａにおいて、ラベルＬを物品に貼付するときは、グリップ１０５とともにレバー１０４を握持すると、レバー１０４の操作により印字ヘッド１０３が駆動させられて所要のラベルＬに印字を行い、レバー１０４を開放すると、駆動ローラ１０９が回転させられてエンドレスベルト１０８が移動し、ラベル連続体ＬＡが所要量移送され、ラベルＬが本体１００の出口１０６から突出する。そして、レバー１０４を開放状態のままにして、突出したラベルＬを物品に接触させ、貼付ローラ１０７で押圧して、ラベルＬを貼付する。ラベル連続体ＬＡは、図１０に示すように、その側縁がラベル移送装置１０２の側板１１２に摺接可能になっており、この側板１１２によりガイドされて移送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開２００４−２９９７５７号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
ところで、上記従来のハンドラベラＨａにおいて、ラベル連続体ＬＡは、その側縁がラベル移送装置１０２の側板１１２にガイドされて移送されるが、図１０に示すように、側板１１２に対して擦れることによりラベル連続体ＬＡの裏面の粘着剤が僅かずつ剥がれて離脱し、所謂糊だまりＤが生じ、ラベル連続体ＬＡの移送に支障が生じる要因になっているという問題があった。特に、側板１１２はエンドレスベルト１０８に沿う長さを有していることから、粘着剤の離脱が比較的長い範囲に亘って発生し、それだけラベル連続体ＬＡの移送に支障を生じやすくしているとともに、清掃も煩雑になっている。
【０００７】
本発明は上記の問題点に鑑みて為されたもので、ラベル連続体のエンドレスベルト上での所謂糊だまりの発生を防止し、また、所謂糊だまりが生じても、これを容易に排出できるようにしたラベル移送装置及びハンドラベラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記課題を解決するため、本発明のラベル移送装置は、裏面に粘着剤層を有した帯状の台紙なしラベル連続体を当該ラベル連続体の裏面を支承して移送するエンドレスベルトと、該エンドレスベルトが架け渡される一対のベルトローラと、該各ベルトローラの両端を軸支する左右一対の側板及び該側板間に架設されエンドレスベルトの裏面を支持する支持板を備えた支持フレームとを備えたラベル移送装置において、
上記支持フレームの一対の側板と該各側板に対応するエンドレスベルトの側縁との間に夫々隙間を形成するとともに、上記支持フレームの支持板の上記隙間に対応する部位に、ラベルから離脱した粘着剤を排出する排出口を設けた構成としている。
【０００９】
これにより、ラベルを移送するときは、エンドレスベルト上にラベル連続体を支承してエンドレスベルトを移動させる。この場合、支持フレームの各側板とエンドレスベルトの側縁との間に夫々隙間が形成されているので、ラベルが側板を摺接することがなく、そのため、ラベル連続体の側縁が擦れてその裏面の粘着剤が剥がれ、所謂糊だまりが生じる事態を防止することができる。この結果、ラベル連続体の移送に支障が生じる事態を防止することができる。仮に、ラベル連続体の移送過程で、ラベル連続体から粘着剤が離脱しても、支持板には隙間に対応する部位に排出口が設けられているので、この粘着剤が自然に落下して排出され易くなり、この点でも、ラベル連続体の移送に支障が生じる事態を防止することができる。また、メンテナンス等でラベル移送装置を清掃するときも、排出口があるので、離脱して他に付着した粘着剤をこの排出口から排出させることができ、それだけ清掃作業性を向上させることができる。
【００１０】
そして、必要に応じ、上記排出口を、上記エンドレスベルトの移動方向に沿って複数設けた構成としている。排出口がエンドレスベルトの移動方向に沿って複数あるので、離脱した粘着剤が落下して排出される機会が多くなり、より確実に排出を行うことができる。また、それだけ、清掃も容易になる。
【００１１】
また、必要に応じ、上記排出口を、上記支持板の前端にも形成した構成としている。支持板の前端に排出口を設けたので、前側のベルトローラに粘着剤が至ろうとしても、この前側の排出口から落下し易くなり、そのため、より一層ラベル移送の支障を低減することができる。
【００１２】
更に、必要に応じ、上記各ベルトローラを、上記エンドレスベルトが巻き掛けられるローラ本体と、該ローラ本体の両側に設けられエンドレスベルトの側縁を抑える一対の鍔部とを備えて構成し、該鍔部の外側に上記側板を位置させた構成としている。
これにより、エンドレスベルトの側縁はベルトローラの鍔部によりガイドされて移動し、鍔部の厚さの分は隙間として確保されるので、確実に隙間を形成することができる。
【００１３】
また、上記課題を解決するための本発明のハンドラベラは、裏面に粘着剤層を有した帯状の台紙なしラベル連続体が巻回されたラベルロールを保持するラベルホルダと、該ラベルホルダのラベルロールから送出されるラベル連続体を移送するラベル移送装置とを備え、該ラベル移送装置による移送過程でラベル連続体のラベルに所要の印字を行って該ラベルを発行するハンドラベラにおいて、
上記ラベル移送装置として、上記の構成のラベル移送装置を備え、上記ラベルホルダと上記ラベル移送装置との間に、ラベル連続体の両側縁が摺接可能なガイド孔を有したガイド部材を設けた構成としている。
【００１４】
これにより、ラベルを物品に貼付するときは、ラベルに所要の印字を行うとともにラベル連続体を送出し、ハンドラベラをもったまま印字されたラベルを物品に貼付する。この場合、ラベルホルダに支持したラベルロールからラベル連続体が送出され、ラベル移送装置によりラベル連続体が移送されるが、ラベル移送装置においては、エンドレスベルト上にラベル連続体を支承してエンドレスベルトを移動させる。この場合、上記と同様に、支持フレームの各側板とエンドレスベルトの側縁との間に夫々隙間が形成されているので、ラベルが側板を摺接することがなく、そのため、ラベル連続体の側縁が擦れてその裏面の粘着剤が剥がれ、所謂糊だまりが生じる事態を防止することができる。この結果、ラベル連続体の移送に支障が生じる事態を防止することができる。仮に、ラベル連続体の移送過程で、ラベル連続体から粘着剤が離脱しても、支持板には隙間に対応する部位に排出口が設けられているので、この粘着剤が自然に落下して排出され易くなり、この点でも、ラベル連続体の移送に支障が生じる事態を防止することができる。また、メンテナンス等でラベル移送装置を清掃するときも、排出口があるので、離脱して他に付着した粘着剤をこの排出口から排出させることができ、それだけ清掃作業性を向上させることができる。
【００１５】
また、この場合、ラベル移送装置との間に、ラベル連続体の両側縁が摺接可能なガイド孔を有したガイド部材が設けられているので、ラベル連続体はこのガイド部材のガイド孔により幅方向の移動が規制され、そのため、蛇行することなくラベル連続体を移送させることができる。また、ガイド部材のガイド孔にラベル連続体が摺接するが、従来の支持フレームの側板のようにラベル連続体の側縁が比較的長い範囲に亘って摺接するのに比較して、ガイド孔の摺接範囲は極めて小さいことから、この摺接によって、ラベル連続体から粘着剤が離脱しにくく、この点でも、所謂糊だまりの発生が軽減される。
【発明の効果】
【００１６】
本発明によれば、ラベル移送装置においては、支持フレームの各側板とエンドレスベルトの側縁との間に夫々隙間が形成されているので、ラベルが側板を摺接することがなく、そのため、ラベル連続体の側縁が擦れてその裏面の粘着剤が剥がれ、所謂糊だまりが生じる事態を防止することができる。この結果、ラベル連続体の移送に支障が生じる事態を防止することができる。仮に、ラベル連続体の移送過程で、ラベル連続体から粘着剤が離脱しても、支持板には隙間に対応する部位に排出口が設けられているので、この粘着剤が自然に落下して排出され易くなり、この点でも、ラベル連続体の移送に支障が生じる事態を防止することができる。また、メンテナンス等でラベル移送装置を清掃するときも、排出口があるので、離脱して他に付着した粘着剤をこの排出口から排出させることができ、それだけ清掃作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【００１７】
【図１】本発明の実施の形態に係るハンドラベラ及びラベル搬送装置を示す側面断面図である。
【図２】本発明の実施の形態に係るハンドラベラのガイド部材の構成を示す斜視図である。
【図３】本発明の実施の形態に係るハンドラベラのガイド部材の構成を示す図２中Ａ−Ａ線断面図である。
【図４】本発明の実施の形態に係るラベル搬送装置を示す斜視図である。
【図５】本発明の実施の形態に係るラベル搬送装置を示す側面断面図である。
【図６】本発明の実施の形態に係るラベル搬送装置の支持フレームの構成を示す斜視図である。
【図７】本発明の実施の形態に係るラベル搬送装置の支持フレームの構成を示す平面図である。
【図８】本発明の実施の形態に係るラベル搬送装置を示し、（ａ）は図７中Ｂ−Ｂ線相当断面図、（ｂ）は図７中Ｃ−Ｃ線相当断面図である。
【図９】従来のハンドラベラの一例を示す側面図である。
【図１０】従来のハンドラベラにおいてラベル搬送装置を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１８】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施の形態に係るラベル移送装置及びこれを搭載したハンドラベラについて説明する。
図１乃至図８に示すように、本発明の実施の形態に係るハンドラベラＨは、裏面に粘着剤層を有した台紙なしラベルＬ（ノンセパ（登録商標）ラベル、ライナレスラベルなどとも言われる）に印字を行って発行するものであり、台紙なしラベルＬが列設された帯状のラベル連続体ＬＡがロール状に巻回されたラベルロールＲが装着される。図４に示すように、ラベル連続体ＬＡにおいてラベルＬとラベルＬとの間には、後述の移送輪３０に設けられた爪３１が係合する切り込みＫが形成されている。
【００１９】
本発明の実施の形態に係るハンドラベラＨは、図１に示すように、上側に開放口２を有した空間３を左右一対の側壁４間に形成した本体１と、ラベルロールＲを保持するとともに本体１に回動可能に支持され回動により本体１の開放口２を開放する開位置Ｘ及び本体１の開放口２を覆う閉位置Ｙの二位置に位置させられるラベルホルダ１０と、本体１内に設けられラベルホルダ１０から繰り出されたラベル連続体ＬＡを移送するラベル移送装置Ｓと、本体１に揺動軸５を中心に揺動可能に設けられ揺動操作によりラベル移送装置Ｓを駆動しラベルロールＲからラベル連続体ＬＡを空間３内の移送路に送出させるとともに印字ヘッド６によりラベル連続体ＬＡのラベルＬに所要の印字を行わせるためのレバー７とを備えている。本体１にはレバー７とともに把持するグリップ８が設けられている。
【００２０】
ラベルホルダ１０は、図１に示すように、樹脂で形成されており、本体１のグリップ８の基端に設けられた回動軸１１に軸支された基端部１２と、基端部１２に一体に且つ本体１の一方の側壁４側に設けられた支持板１３と、支持板１３に基端が片持ち支持された巻芯保持軸１４とを備えている。巻芯保持軸１４の先端にはラベルロールＲの側面を保持することができるスライド可能な脱落防止部材１５が設けられている。支持板１３のグリップ８側には巻芯保持軸１４に装着されたラベルロールＲを覆う半円弧状の覆い板１６が設けられている。
ラベルホルダ１０には、ラベルホルダ１０の閉時に揺動軸５に係合してラベルホルダ１０を閉位置Ｙに保持しラベルホルダ１０の開時に揺動軸５から離脱する断面略Ｕ字状の係合部１７が設けられている。係合部１７は可撓性の樹脂部材であり、覆い板１６に一体形成されている。
【００２１】
図１乃至図３に示すように、本体１内であってラベルホルダ１０とラベル移送装置Ｓとの間には、ラベル連続体ＬＡが引き通されてガイドされるガイド部材２０が設けられている。ガイド部材２０は、略カップ状に形成され、その底部にラベル連続体ＬＡの両側縁が摺接可能なガイド孔２１が形成されている。レバー７はラベルＬガイドを囲繞して揺動可能になるようにヨーク状に形成されている。
【００２２】
ラベル移送装置Ｓは、図１，図４乃至図８に示すように、レバー７操作により、図示外の駆動機構を介して回動させられ回動によりラベル連続体ＬＡを所定量移送する移送輪３０を備えている。移送輪３０には、ラベル連続体ＬＡの切り込みＫに係合してラベル連続体ＬＡを移送する爪３１が等角度関係で突設されている。移送輪３０は、後述の側板３６間に回動可能に設けられている。
【００２３】
また、ラベル移送装置Ｓは、移送輪３０の下流側に設けられラベル連続体ＬＡをその裏面を支承して移送するエンドレスベルト３２と、エンドレスベルト３２が架け渡される一対のベルトローラ３３，３４と、この一対のベルトローラ３３，３４を回転可能に支持する支持フレーム３５（印字ヘッド６との関係では「プラテンフレーム」とも言う）とを備えている。支持フレーム３５は、各ベルトローラ３３，３４の両端を軸支する左右一対の側板３６、及び、側板３６間に架設されエンドレスベルト３２の裏面を支持する支持板３７を備えている。支持板３７の裏面には複数のリブ３７ａが突設されている。支持フレーム３５の側板３６の後側は、上側に延設されており、上記の移送輪３０が回動可能に支持されている。３８は一対のローラ間に架け渡されラベル連続体ＬＡを移送輪３０に対して押さえるエンドレスの押さえベルトである。
【００２４】
支持フレーム３５の一対の側板３６と各側板３６に対応するエンドレスベルト３２の側縁３２ａとの間には、夫々隙間Ｅが形成されている。詳しくは、図７及び図８に示すように、各ベルトローラ３３，３４は、エンドレスベルト３２が巻き掛けられるローラ本体４０と、ローラ本体４０の両側に設けられエンドレスベルト３２の側縁を抑える一対の鍔部４１とを備えて構成されている。そして、この鍔部４１の外側に側板３６を位置させることにより、隙間Ｅを形成している。エンドレスベルト３２とローラ本体４０とは噛合により係合している。また、図４，図６及び図７に示すように、後側のベルトローラ３４の一対の鍔部４１の内、一方の鍔部４１（ａ）は移送輪３０に同軸に設けられた主ギヤ４２に噛合する従ギヤ４３で構成されており、移送輪３０の回動により主ギヤ４２及び従ギヤ４３を介してベルトローラ３３，３４を回動してエンドレスベルト３２を移動させる。４４はラベル連続体ＬＡをエンドレスベルト３２に対して押さえる押さえ板である。
【００２５】
また、図６乃至図８に示すように、支持フレーム３５の支持板３７の隙間Ｅに対応する部位に、ラベルＬから離脱した粘着剤を排出する排出口４５が設けられている。排出口４５は、エンドレスベルト３２の移動方向に沿って複数設けられており、実施の形態では左右３つずつ設けられている。この排出口４５のうち、下流側の排出口４５（ａ）は、支持板３７の前端に切欠き形成されている。
【００２６】
ラベル移送装置Ｓは、本体１に対して一体になってヒンジ機構（図示せず）により開閉可能になっている。印字ヘッド６はレバー７に設けられており、レバー７のグリップ８側への握持操作により、支持フレーム３５の支持板３７上に対して進出し、エンドレスベルト３２上の所要のラベルＬに印字を行う。図１に示すように、本体１のラベルＬの出口５０には、出口５０から突出したラベルＬを物品に押圧する貼付ローラ５１が設けられている。
【００２７】
従って、この実施の形態に係るハンドラベラＨを使用するときは、以下のようになる。先ず、図１に示すように、ラベルロールＲの装填の際には、ラベルホルダ１０を開位置Ｘに回動する。この場合、略Ｕ字状の係合部１７は揺動軸５から離脱する。この状態で、ラベルホルダ１０にラベルロールＲを装着し、ラベル連続体ＬＡの先端側を引き出して、空間３内部に挿入し、さらに、ガイド部材２０のガイド孔２１に挿通し、ラベルホルダ１０を閉位置Ｙに回動してレバー７を複数回握持すると、移送輪３０及びエンドレスベルト３２上を通して出口５０側に搬送されラベル連続体ＬＡのセッティングが行われる。
尚、ラベルホルダ１０を閉位置Ｙに回動すると、閉位置Ｙでは、ラベルホルダ１０の係合部１７が揺動軸５に係合する。
また、ラベル移送装置Ｓは、ラベル連続体ＬＡが移送不良、いわゆるジャムリを起こしたときや保守点検などのときに、本体１に対して開閉されるようになっている。
【００２８】
そして、ラベルＬを物品に貼付するときは、グリップ８とともにレバー７を握持すると、レバー７の操作により印字ヘッド６が駆動させられて所要のラベルＬに印字を行い、レバー７を開放すると、ラベル移送装置Ｓの移送輪３０が回動させられるとともに、エンドレスベルト３２が駆動されてラベル連続体ＬＡが所要量移送される。これにより、ラベルＬが本体１の出口５０から突出する。そして、レバー７を開放状態のままにして、突出したラベルＬを物品に接触させ、貼付ローラ５１で押圧して、ラベルＬを貼付する。
【００２９】
この場合、ラベルホルダ１０に支持したラベルロールＲからラベル連続体ＬＡが送出されるが、図１に示すように、ラベルホルダ１０の係合部１７は、揺動軸５を挾持しているので、ラベル連続体ＬＡの送出によって、前後にラベルホルダ１０が変形して動こうとしてもその動きを規制することができ、そのため、ガタつきを防止して、ラベル連続体ＬＡの送出を円滑に行わせることができるようになる。ラベルホルダ１０のラベルロールＲから送出されたラベル連続体ＬＡは、ガイド部材２０のガイド孔２１により幅方向の移動が規制され、そのため、蛇行することなく移送させられる。この際、ガイド部材２０のガイド孔２１にラベル連続体ＬＡが摺接するが、ガイド孔２１の摺接範囲は極めて小さいので、この摺接によって、ラベル連続体ＬＡから粘着剤が離脱しにくく、所謂糊だまりの発生が軽減される。もし、このガイド孔２１に所謂糊だまりが発生しても、ラベルホルダ１０を開位置Ｘに位置させることにより、ガイド孔２１を開放口２を通して露出させることができるので、清掃により取り除くことが容易になる。
【００３０】
また、図７及び図８に示すように、ラベル移送装置Ｓにおいては、支持フレーム３５の各側板３６とエンドレスベルト３２の側縁３２ａとの間に夫々隙間Ｅが形成されているので、ラベルＬが側板３６を摺接することがなく、そのため、ラベル連続体ＬＡの側縁が擦れてその裏面の粘着剤が剥がれ、所謂糊だまりが生じる事態を防止することができる。この結果、ラベル連続体ＬＡの移送に支障が生じる事態を防止することができる。更に、エンドレスベルト３２の側縁３２ａはベルトローラ３３，３４の鍔部４１によりガイドされて移動し、鍔部４１の厚さの分は隙間Ｅとして確保されるので、確実に隙間Ｅを形成することができる。
【００３１】
即ち、実施の形態においては、ラベル連続体ＬＡのガイドを、その移送経路において、ガイド部材２０のガイド孔２１による１点にしたので、従来の支持フレーム３５の側板３６のようにラベル連続体ＬＡの側縁が比較的長い範囲に亘って摺接するのに比較して、ガイド孔２１の摺接範囲は極めて小さいことから、ラベル連続体ＬＡから粘着剤が離脱しにくく、所謂糊だまりの発生を防止できるのである。
【００３２】
図８（ｂ）に示すように、仮に、ラベル連続体ＬＡの移送過程で、ラベル連続体ＬＡから粘着剤が離脱しても、支持板３７には隙間Ｅに対応する部位に排出口４５が設けられているので、この粘着剤が自然に落下して排出され易くなり、この点でも、ラベル連続体ＬＡの移送に支障が生じる事態を防止することができる。また、メンテナンス等でラベル移送装置Ｓを清掃するときも、排出口４５があるので、離脱して他に付着した粘着剤をこの排出口４５から排出させることができ、それだけ清掃作業性を向上させることができる。
【００３３】
この場合、排出口４５がエンドレスベルト３２の移動方向に沿って複数あるので、離脱した粘着剤が落下して排出される機会が多くなり、より確実に排出を行うことができる。また、それだけ、清掃も容易になる。更にまた、排出口４５を支持板３７の前端にも形成したので、前側のベルトローラ３３，３４に粘着剤が至ろうとしても、この前側の排出口４５から落下し易くなり、そのため、より一層ラベルＬ移送の支障を低減することができる。
【００３４】
尚、上記実施の形態においては、本発明のラベル移送装置Ｓを、ハンドラベラＨに搭載した例で示したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、別の機器に搭載しても良く、要するに、台紙なしラベル連続体ＬＡを移送する機器であれば、どのようなものにも適用できることは勿論である。
【符号の説明】
【００３５】
Ｈ ハンドラベラ
Ｌ ラベル
ＬＡ ラベル連続体
Ｒ ラベルロール
Ｋ 切り込み
１ 本体
２ 開放口
３ 空間
５ 揺動軸
６ 印字ヘッド
７ レバー
１０ ラベルホルダ
Ｘ 開位置
Ｙ 閉位置
１７ 係合部
２０ ガイド部材
２１ ガイド孔
Ｓ ラベル移送装置
３０ 移送輪
３１ 爪
３２ エンドレスベルト
３２ａ 側縁
３３，３４ ベルトローラ
３５ 支持フレーム
３６ 側板
３７ 支持板
３８ 押さえベルト
Ｅ 隙間
４０ ローラ本体
４１ 鍔部
４２ 主ギヤ
４３ 従ギヤ
４４ 押さえ板
４５ 排出口
【特許請求の範囲】
【請求項１】
裏面に粘着剤層を有した帯状の台紙なしラベル連続体を当該ラベル連続体の裏面を支承して移送するエンドレスベルトと、該エンドレスベルトが架け渡される一対のベルトローラと、該各ベルトローラの両端を軸支する左右一対の側板及び該側板間に架設されエンドレスベルトの裏面を支持する支持板を備えた支持フレームとを備えたラベル移送装置において、
上記支持フレームの一対の側板と該各側板に対応するエンドレスベルトの側縁との間に夫々隙間を形成するとともに、上記支持フレームの支持板の上記隙間に対応する部位に、ラベルから離脱した粘着剤を排出する排出口を設けたことを特徴とするラベル移送装置。
【請求項２】
上記排出口を、上記エンドレスベルトの移動方向に沿って複数設けたことを特徴とする請求項１記載のラベル移送装置。
【請求項３】
上記排出口を、上記支持板の前端にも形成したことを特徴とする請求項２記載のラベル移送装置。
【請求項４】
上記各ベルトローラを、上記エンドレスベルトが巻き掛けられるローラ本体と、該ローラ本体の両側に設けられエンドレスベルトの側縁を抑える一対の鍔部とを備えて構成し、該鍔部の外側に上記側板を位置させたことを特徴とする請求項１乃至３記載のラベル移送装置。
【請求項５】
裏面に粘着剤層を有した帯状の台紙なしラベル連続体が巻回されたラベルロールを保持するラベルホルダと、該ラベルホルダのラベルロールから送出されるラベル連続体を移送するラベル移送装置とを備え、該ラベル移送装置による移送過程でラベル連続体のラベルに所要の印字を行って該ラベルを発行するハンドラベラにおいて、
上記ラベル移送装置として、上記請求項１乃至４何れかに記載のラベル移送装置を備え、上記ラベルホルダと上記ラベル移送装置との間に、ラベル連続体の両側縁が摺接可能なガイド孔を有したガイド部材を設けたことを特徴とするハンドラベラ。
【請求項１】
裏面に粘着剤層を有した帯状の台紙なしラベル連続体を当該ラベル連続体の裏面を支承して移送するエンドレスベルトと、該エンドレスベルトが架け渡される一対のベルトローラと、該各ベルトローラの両端を軸支する左右一対の側板及び該側板間に架設されエンドレスベルトの裏面を支持する支持板を備えた支持フレームとを備えたラベル移送装置において、
上記支持フレームの一対の側板と該各側板に対応するエンドレスベルトの側縁との間に夫々隙間を形成するとともに、上記支持フレームの支持板の上記隙間に対応する部位に、ラベルから離脱した粘着剤を排出する排出口を設けたことを特徴とするラベル移送装置。
【請求項２】
上記排出口を、上記エンドレスベルトの移動方向に沿って複数設けたことを特徴とする請求項１記載のラベル移送装置。
【請求項３】
上記排出口を、上記支持板の前端にも形成したことを特徴とする請求項２記載のラベル移送装置。
【請求項４】
上記各ベルトローラを、上記エンドレスベルトが巻き掛けられるローラ本体と、該ローラ本体の両側に設けられエンドレスベルトの側縁を抑える一対の鍔部とを備えて構成し、該鍔部の外側に上記側板を位置させたことを特徴とする請求項１乃至３記載のラベル移送装置。
【請求項５】
裏面に粘着剤層を有した帯状の台紙なしラベル連続体が巻回されたラベルロールを保持するラベルホルダと、該ラベルホルダのラベルロールから送出されるラベル連続体を移送するラベル移送装置とを備え、該ラベル移送装置による移送過程でラベル連続体のラベルに所要の印字を行って該ラベルを発行するハンドラベラにおいて、
上記ラベル移送装置として、上記請求項１乃至４何れかに記載のラベル移送装置を備え、上記ラベルホルダと上記ラベル移送装置との間に、ラベル連続体の両側縁が摺接可能なガイド孔を有したガイド部材を設けたことを特徴とするハンドラベラ。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【公開番号】特開２０１３−７５７０２（Ｐ２０１３−７５７０２Ａ）
【公開日】平成２５年４月２５日（２０１３．４．２５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−２１７５３９（Ｐ２０１１−２１７５３９）
【出願日】平成２３年９月３０日（２０１１．９．３０）
【出願人】（３０７０１０９９３）株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】（０００１３０５８１）サトーホールディングス株式会社 (1,153)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年４月２５日（２０１３．４．２５）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年９月３０日（２０１１．９．３０）
【出願人】（３０７０１０９９３）株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】（０００１３０５８１）サトーホールディングス株式会社 (1,153)
【Ｆターム（参考）】
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