説明

ラベル貼付用治具およびこのラベル貼付用治具を備えたラベル貼付装置

【課題】対象物の湾曲面にラベルを適切に貼り付けることができるラベル貼付用治具の提供。
【解決手段】ラベル貼付用治具1は、第1の板状部材2と、この第1の板状部材2と面対向するように配置された第2の板状部材3と、第1の板状部材2および第2の板状部材3を支持する支持部材4と、第1の板状部材2と、第2の板状部材3との間に設けられた引っ張りばね6とを備える。第1の板状部材2の先端部および第2の板状部材3の先端部は、直線状に形成されている。支持部材4は、第1の板状部材2の先端部と、第2の板状部材3の先端部とを開閉自在とする。引っ張りばね6は、第1の板状部材2の先端部と、第2の板状部材3の先端部とを近接させる方向に付勢する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物の湾曲面にラベルを貼り付けるために用いられるラベル貼付用治具およびこのラベル貼付用治具を備えたラベル貼付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、化粧品の製造工程において、例えば、口紅の容器のような円柱状の化粧料容器(対象物)に対して、その化粧料に関する情報を記載したラベルを貼り付ける工程が知られている。
例えば、特許文献1には、コンベア等にて搬送されるホルダに化粧料容器を収納し、化粧料容器の底面を上に向けた状態とすることによって、化粧料容器の底面にラベルを貼り付ける工程が開示されている。この工程では、接着剤の塗布されたラベルの裏面を、化粧料容器の底面に載せた後、ラベルの表面を化粧料容器に向かって押圧することによって、ラベルの裏面を化粧料容器に貼り付ける。
【0003】
図8は、対象物の湾曲面にラベルを貼り付ける従来の工程を示す図である。
特許文献1では、化粧料容器の底面、すなわち対象物の平面にラベルを貼り付けていた。これに対して、化粧料容器の側面にラベルを貼り付ける場合、すなわち対象物の湾曲面にラベルを貼り付ける場合には、例えば、図8に示すように、コンベア100にて搬送されるハカマ200に形成された複数のV字状の溝に化粧料容器Cを寝かせた状態で載置し、化粧料容器Cの側面を上に向けた状態とすることによって、化粧料容器Cの側面にラベルLを貼り付ける。なお、図8では、コンベア100は、紙面左側から右側に向かってハカマ200を搬送している。
【0004】
この場合には、ラベルLの裏面を化粧料容器Cの側面に載せたときに、ラベルLの中央は化粧料容器Cの側面に接触するものの、ラベルLの両端は化粧料容器Cの側面から浮いた状態となる。このため、作業者は、ファンデーション用のパフのような柔らかい治具300を用いて化粧料容器Cの側面を撫でるようにしてラベルLの表面を押圧することによって、ラベルLの裏面を化粧料容器Cに貼り付ける。
なお、治具300は、ファンデーション用のパフ301に棒状の握り部302を取り付けることによって構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−37609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような治具300を用いてラベルLの表面を押圧すると、ラベルLの両端を片方ずつ押圧することになるので、例えば、ラベルLに皺が生じたり、化粧料容器Cと、ラベルLとの間に空気が混入して気泡が生じたりしてしまい、ラベルLを適切に貼り付けることができないという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、対象物の湾曲面にラベルを適切に貼り付けることができるラベル貼付用治具およびこのラベル貼付用治具を備えたラベル貼付装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のラベル貼付用治具は、対象物の湾曲面に載せられたラベルの表面を対象物に向かって押圧することによって、ラベルの裏面を対象物に貼り付けるために用いられるラベル貼付用治具であって、直線状の先端部を有する第1の板状部材と、第1の板状部材の先端部と平行な直線状の先端部を有し、第1の板状部材と面対向するように配置された第2の板状部材と、第1の板状部材の基端部と、第2の板状部材の基端部とを支持し、第1の板状部材の先端部と、第2の板状部材の先端部とを開閉自在とする支持部材と、第1の板状部材と、第2の板状部材との間に設けられ、第1の板状部材の先端部と、第2の板状部材の先端部とを近接させる方向に付勢する付勢部材とを備え、第1の板状部材の先端部と、第2の板状部材の先端部との間に形成された隙間に対象物の湾曲面を挟み込むようにしてラベルの表面を対象物に向かって押圧することによって、ラベルの裏面を対象物に貼り付けることを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、ラベル貼付用治具は、第1の板状部材の先端部と、第2の板状部材の先端部との間に形成された隙間に対象物の湾曲面を挟み込むようにしてラベルの表面を対象物に向かって押圧することによって、ラベルの裏面を対象物に貼り付けることができる。
具体的には、まず、第1の板状部材の先端部と、第2の板状部材の先端部との間に形成された隙間を、対象物の湾曲面に載せられたラベルの中央に合わせるように、ラベル貼付用治具をラベルの表面に当接させる。そして、ラベル貼付用治具を対象物に向かって押圧すると、対象物の湾曲面を挟み込むことによって、第1の板状部材の先端部と、第2の板状部材の先端部とは、互いに離間するように広がっていく。この際、第1の板状部材の先端部と、第2の板状部材の先端部とは、付勢部材によって、近接する方向に付勢されているので、ラベルの両端を同時に押圧することができる。したがって、ラベルに皺が生じたり、対象物の湾曲面と、ラベルとの間に空気が混入して気泡が生じたりしてしまうことを抑制することができ、ラベルを適切に貼り付けることができる。
【0010】
本発明では、第1の板状部材の先端部および第2の板状部材の先端部は、円弧状に丸められていることが好ましい。
【0011】
このような構成によれば、第1の板状部材の先端部および第2の板状部材の先端部を円弧状に丸めていない場合と比較して、対象物の湾曲面と、第1の板状部材の先端部および第2の板状部材の先端部との間に生じる摩擦を低減させることができる。したがって、対象物の湾曲面に対してラベル貼付用治具を滑らかに挿抜することができるので、複雑な形状の湾曲面に対してもラベルを適切に貼り付けることができる。
【0012】
本発明では、第1の板状部材の先端部に取り付けられ、第1の板状部材の先端部と平行な軸回りに回転する第1のローラと、第2の板状部材の先端部に取り付けられ、第2の板状部材の先端部と平行な軸回りに回転する第2のローラとを備え、第1のローラと、第2のローラとの間に形成された隙間に対象物の湾曲面を挟み込むようにしてラベルの表面を対象物に向かって押圧することによって、ラベルの裏面を対象物に貼り付けることが好ましい。
【0013】
このような構成によれば、第1のローラと、第2のローラとの間に形成された隙間に対象物の湾曲面を挟み込むようにしてラベルの表面を対象物に向かって押圧する際に、第1のローラおよび第2のローラは回転するので、第1のローラと、第2のローラとを備えていない場合と比較して、対象物の湾曲面と、第1のローラおよび第2のローラとの間に生じる摩擦を低減させることができる。したがって、対象物の湾曲面に対してラベル貼付用治具を滑らかに挿抜することができるので、複雑な形状の湾曲面に対してもラベルを適切に貼り付けることができる。
【0014】
本発明では、第1のローラと、第2のローラとの間に形成された隙間を覆うように設けられたゴム部材を備えることが好ましい。
【0015】
ここで、対象物の湾曲面と、ラベルの中央との接触領域と比較して、第1のローラと、第2のローラとの間に形成された隙間が大きい場合には、第1のローラと、第2のローラとの間に形成された隙間を、対象物の湾曲面に載せられたラベルの中央に合わせるように、ラベル貼付用治具をラベルの表面に当接させる際に、ラベルに皺が生じたり、対象物の湾曲面と、ラベルとの間に空気が混入して気泡が生じたりしてしまうことがある。
【0016】
本発明によれば、ラベル貼付用治具は、ゴム部材を備えるので、第1のローラと、第2のローラとの間に形成された隙間を覆うことができる。したがって、対象物の湾曲面と、ラベルの中央との接触領域と比較して、第1のローラと、第2のローラとの間に形成された隙間が大きい場合であっても、ラベルを適切に貼り付けることができる。
また、第1のローラと、第2のローラとの間に形成された隙間に対象物の湾曲面を挟み込むようにしてラベルの表面を対象物に向かって押圧する際に、ゴム部材は、第1のローラと、第2のローラとが離間するに従って伸長するので、ラベルの表面を全体的に押圧することができる。したがって、ラベルを更に適切に貼り付けることができる。
【0017】
本発明のラベル貼付装置は、対象物の湾曲面に載せられたラベルの表面を対象物に向かって押圧することによって、ラベルの裏面を対象物に貼り付けるラベル貼付装置であって、前述したラベル貼付用治具と、対象物の湾曲面を鉛直上方向に露出させるように載置するとともに、対象物を水平方向に沿って搬送する搬送機構と、搬送機構にて搬送される対象物に対して、ラベル貼付用治具を昇降させる昇降機構とを備えることを特徴とする。
【0018】
このような構成によれば、ラベル貼付装置は、前述したラベル貼付用治具を備えているので、ラベルに皺が生じたり、対象物の湾曲面と、ラベルとの間に空気が混入して気泡が生じたりしてしまうことを抑制することができ、ラベルを適切に貼り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態に係るラベル貼付用治具の外観を示す斜視図
【図2】ラベル貼付用治具の側面を示す図
【図3】ラベル貼付用治具を用いてラベルを貼り付ける工程を示す図
【図4】ラベル貼付用治具を化粧料容器に向かって押圧している状態を示す図
【図5】本発明の第2実施形態に係るラベル貼付用治具の側面を示す図
【図6】本発明の第3実施形態に係るラベル貼付用治具の側面を示す図
【図7】本発明の第4実施形態に係るラベル貼付装置を示す図
【図8】対象物の湾曲面にラベルを貼り付ける従来の工程を示す図
【発明を実施するための形態】
【0020】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るラベル貼付用治具の外観を示す斜視図である。
ラベル貼付用治具1は、対象物の湾曲面に載せられたラベルの表面を対象物に向かって押圧することによって、ラベルの裏面を対象物に貼り付けるために用いられる治具である。このラベル貼付用治具1は、図1に示すように、第1の板状部材2と、この第1の板状部材2と面対向するように配置された第2の板状部材3と、第1の板状部材2および第2の板状部材3を支持する支持部材4と、支持部材4に取り付けられた把持部5とを備える。
【0021】
第1の板状部材2および第2の板状部材3は、それぞれ略矩形板状に形成され、互いに同一な形状を有している。
第1の板状部材2の先端部(図1下端部)には、両側に突出する2つの突出部21が形成され、この突出部21に形成された穴に回転軸が挿入されることによって、第1のローラ22が回転自在に取り付けられている。すなわち、第1の板状部材2の先端部は、第1のローラ22の面によって、直線状に形成されている。そして、第1のローラ22は、第1の板状部材2の先端部と平行な軸回りに回転する。
第2の板状部材3の先端部(図1下端部)には、両側に突出する2つの突出部31が形成され、この突出部31に形成された穴に回転軸が挿入されることによって、第2のローラ32が回転自在に取り付けられている。すなわち、第2の板状部材3の先端部は、第2のローラ32の面によって、直線状に形成されている。そして、第2のローラ32は、第2の板状部材3の先端部と平行な軸回りに回転する。
なお、第1のローラ22の回転軸と、第2のローラ32の回転軸とは、互いに平行している。換言すれば、第1の板状部材2の先端部と、第2の板状部材3の先端部とは、互いに平行している。
【0022】
第1の板状部材2の基端部には、支持部材4を挟み込むようにして両側に突出する2つの突出部23が形成されている。第2の板状部材3の基端部には、支持部材4を挟み込むようにして両側に突出する2つの突出部33が形成されている。そして、第1の板状部材2の基端部および第2の板状部材3の基端部は、これらの突出部23,33に形成された穴と、支持部材4に形成された穴(図示略)とに挿入されたピン24,34を介して、支持部材4に回転自在に支持されている。ここで、ピン24は、第1の板状部材2の先端部と平行し、ピン34は、第2の板状部材3の先端部と平行している。すなわち、支持部材4は、第1の板状部材2の先端部と、第2の板状部材3の先端部とを開閉自在としている。
なお、支持部材4と、ピン24,34との間には、ベアリングB(図2参照)が取り付けられている。
【0023】
図2は、ラベル貼付用治具の側面を示す図である。
また、ラベル貼付用治具1は、図2に示すように、第1の板状部材2と、第2の板状部材3との間に設けられた引っ張りばね6と、支持部材4に設けられたストッパ41とを備える。
付勢部材としての引っ張りばね6は、第1の板状部材2の先端部と、第2の板状部材3の先端部とを近接させる方向に付勢する。この引っ張りばね6は、第1の板状部材2の中央に形成された穴25と、第2の板状部材3の中央に形成された穴35との間に架け渡されるように取り付けられる。具体的には、穴25の内周面と、第1の板状部材2の側面とを貫通するネジ穴26に螺合するネジ(図示略)と、穴35の内周面と、第2の板状部材3の側面とを貫通するネジ穴36に螺合するネジ(図示略)とによって固定されている。
【0024】
なお、本実施形態では、引っ張りばね6は、第1の板状部材2の中央位置と、第2の板状部材3の中央位置との間に設けられているが、第1の板状部材2の先端部と、第2の板状部材3の先端部とを近接させる方向に付勢することができる位置であれば、どのような位置に設けられていてもよい。しかしながら、第1の板状部材2の中央位置と、第2の板状部材3の中央位置との間に設けることによって、引っ張りばね6は、第1の板状部材2および第2の板状部材3の外部に露出しなくなるので、ラベル貼付用治具1を把持しやすくすることができる。
【0025】
ストッパ41は、第1の板状部材2と、第2の板状部材3との間に設けられ、引っ張りばね6によって、第1の板状部材2の先端部と、第2の板状部材3の先端部とを近接させる方向に付勢する際に、第1のローラ22と、第2のローラ32との衝突を規制する。これによって、第1の板状部材2と、第2の板状部材3とを開閉する際に、第1のローラ22と、第2のローラ32にかかる負荷を軽減させることができる。
【0026】
図3は、ラベル貼付用治具を用いてラベルを貼り付ける工程を示す図である。なお、図3では、一例として、円柱状の化粧料容器(対象物)Cに対して、その化粧料に関する情報を記載したラベルLを貼り付ける工程を示している。
化粧料容器Cの側面にラベルLを貼り付ける場合、すなわち湾曲面にラベルLを貼り付ける場合には、図3に示すように、コンベア13にて搬送されるハカマ14に形成された複数のV字状の溝に化粧料容器Cを寝かせた状態で載置し、化粧料容器Cの側面を上に向けた状態とすることによって、ラベル貼付用治具1を用いて化粧料容器Cの側面にラベルLを貼り付ける。なお、図3では、コンベア13は、紙面左側から右側に向かってハカマ14を搬送している。
【0027】
具体的には、まず、作業者は、ラベル貼付用治具1の把持部5を把持し、第1のローラ22と、第2のローラ32との間に形成された隙間を、化粧料容器Cの側面に載せられたラベルLの中央に合わせるように、ラベル貼付用治具1をラベルLの表面に当接させる(図3参照)。
ここで、化粧料容器Cの側面と、ラベルLの中央との接触領域と比較して、第1のローラ22と、第2のローラ32との間に形成された隙間が大きい場合には、第1のローラ22と、第2のローラ32との間に形成された隙間を、化粧料容器Cの側面に載せられたラベルLの中央に合わせるように、ラベル貼付用治具1をラベルLの表面に当接させる際に、ラベルLに皺が生じたり、化粧料容器Cの側面と、ラベルLとの間に空気が混入して気泡が生じたりしてしまうことがある。このため、第1のローラ22の径および第2のローラ32の径は、化粧料容器Cの径に応じて、なるべく小さく設定されることが好ましい。
【0028】
図4は、ラベル貼付用治具を化粧料容器に向かって押圧している状態を示す図である。
次に、作業者は、図4に示すように、ラベル貼付用治具1を化粧料容器Cに向かって押圧する。すると、化粧料容器Cの側面を挟み込むことによって、第1のローラ22と、第2のローラ32とは、互いに離間するように広がっていく。この際、第1のローラ22と、第2のローラ32とは、引っ張りばね6によって、近接する方向に付勢されているので、ラベルLの両端を同時に押圧することができる。
【0029】
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(1)ラベル貼付用治具1は、第1のローラ22と、第2のローラ32との間に形成された隙間に化粧料容器Cの側面を挟み込むようにしてラベルLの表面を化粧料容器Cに向かって押圧することによって、ラベルLの裏面を化粧料容器Cに貼り付けることができる。この際、第1のローラ22と、第2のローラ32とは、引っ張りばね6によって、近接する方向に付勢されているので、ラベルLの両端を同時に押圧することができる。したがって、ラベルLに皺が生じたり、化粧料容器Cの側面と、ラベルLとの間に空気が混入して気泡が生じたりしてしまうことを抑制することができ、ラベルLを適切に貼り付けることができる。
【0030】
(2)第1のローラ22と、第2のローラ32との間に形成された隙間に化粧料容器Cの側面を挟み込むようにしてラベルLの表面を対象物に向かって押圧する際に、第1のローラ22および第2のローラ32は回転するので、第1のローラ22と、第2のローラ32とを備えていない場合と比較して、化粧料容器Cの側面と、第1のローラ22および第2のローラ32との間に生じる摩擦を低減させることができる。したがって、化粧料容器Cの側面に対してラベル貼付用治具1を滑らかに挿抜することができるので、複雑な形状の湾曲面に対してもラベルLを適切に貼り付けることができる。
【0031】
〔第2実施形態〕
図5は、本発明の第2実施形態に係るラベル貼付用治具の側面を示す図である。
本実施形態では、ラベル貼付用治具1Aは、図5に示すように、ゴム部材7を備える点で前記第1実施形態と異なる。
なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0032】
ゴム部材7は、第1のローラ22および第2のローラ32と同一の幅を有する矩形板状に形成されている。そして、第1のローラ22と、第2のローラ32との間に形成された隙間を覆うように、一端を第1の板状部材2に固定し、他端を第2の板状部材3に固定することによって設けられている。
【0033】
このような本実施形態においても、前記第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる他、以下の作用、効果を奏することができる。
(3)ラベル貼付用治具1Aは、ゴム部材7を備えるので、第1のローラ22と、第2のローラ32との間に形成された隙間を覆うことができる。したがって、化粧料容器Cの側面と、ラベルLの中央との接触領域と比較して、第1のローラ22と、第2のローラ32との間に形成された隙間が大きい場合であっても、ラベルLを適切に貼り付けることができる。
【0034】
(4)第1のローラ22と、第2のローラ32との間に形成された隙間に化粧料容器Cの側面を挟み込むようにしてラベルLの表面を化粧料容器Cに向かって押圧する際に、ゴム部材7は、第1のローラ22と、第2のローラ32とが離間するに従って伸長するので、ラベルLの表面を全体的に押圧することができる。したがって、ラベルLを更に適切に貼り付けることができる。
【0035】
〔第3実施形態〕
図6は、本発明の第3実施形態に係るラベル貼付用治具の側面を示す図である。
前記第1実施形態では、ラベル貼付用治具1は、第1の板状部材2と、第2の板状部材3とを備えていた。そして、第1の板状部材2の先端部には、第1のローラ22が取り付けられ、第2の板状部材3の先端部には、第2のローラ32が取り付けられていた。
【0036】
これに対して、本実施形態では、ラベル貼付用治具1Bは、図6に示すように、第1の板状部材2Bと、第2の板状部材3Bとを備えている。そして、第1の板状部材2Bの先端部および第2の板状部材3Bの先端部は、円弧状に丸められている点で異なる。すなわち、本実施形態では、第1の板状部材2Bの先端部および第2の板状部材3Bの先端部には、ローラが取り付けられていない点で異なる。
【0037】
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(5)ラベル貼付用治具1Bは、第1の板状部材2Bの先端部と、第2の板状部材3Bの先端部との間に形成された隙間に化粧料容器Cの側面を挟み込むようにしてラベルLの表面を化粧料容器Cに向かって押圧することによって、ラベルLの裏面を化粧料容器Cに貼り付けることができる。この際、第1の板状部材2Bの先端部と、第2の板状部材3Bの先端部とは、引っ張りばね6によって、近接する方向に付勢されているので、ラベルLの両端を同時に押圧することができる。したがって、ラベルLに皺が生じたり、化粧料容器Cの側面と、ラベルLとの間に空気が混入して気泡が生じたりしてしまうことを抑制することができ、ラベルLを適切に貼り付けることができる。
【0038】
(6)第1の板状部材2Bの先端部および第2の板状部材3Bの先端部は、円弧状に丸められているので、第1の板状部材2Bの先端部および第2の板状部材3Bの先端部を円弧状に丸めていない場合と比較して、化粧料容器Cの側面と、第1の板状部材2Bの先端部および第2の板状部材3Bの先端部との間に生じる摩擦を低減させることができる。したがって、化粧料容器Cの側面に対してラベル貼付用治具1Bを滑らかに挿抜することができるので、複雑な形状の湾曲面に対してもラベルLを適切に貼り付けることができる。
【0039】
〔第4実施形態〕
図7は、本発明の第4実施形態に係るラベル貼付装置を示す図である。
ラベル貼付装置10は、対象物の湾曲面に載せられたラベルの表面を対象物に向かって押圧することによって、ラベルの裏面を対象物に貼り付ける装置である。このラベル貼付装置10は、図7に示すように、前述したラベル貼付用治具1と、化粧料容器Cを搬送する搬送機構11と、ラベル貼付用治具1を昇降させる昇降機構12とを備える。
【0040】
搬送機構11は、コンベア13と、コンベア13にて水平方向に沿って搬送されるハカマ14とを備える。このハカマ14には、複数のV字状の溝が形成されている。そして、ハカマ14は、この溝に化粧料容器Cを寝かせた状態で載置することによって、化粧料容器Cの側面を鉛直上方向に露出させるように載置する。
昇降機構12は、搬送機構11にて搬送される化粧料容器Cに対して、ラベル貼付用治具1を昇降させる。なお、昇降機構12は、ラベル貼付用治具1の把持部5を保持している。
【0041】
このような本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏することができる。
(7)ラベル貼付装置10は、前述したラベル貼付用治具1を備えているので、前記第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。したがって、ラベルLに皺が生じたり、化粧料容器Cの側面と、ラベルLとの間に空気が混入して気泡が生じたりしてしまうことを抑制することができ、ラベルLを適切に貼り付けることができる。
【0042】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記各実施形態では、支持部材4は、第1の板状部材2,2Bと、第2の板状部材3,3Bとを回転自在に支持することによって、第1の板状部材2,2Bの先端部と、第2の板状部材3,3Bの先端部とを開閉自在としていた。これに対して、支持部材は、第1の板状部材と、第2の板状部材とをスライド自在に支持することによって、第1の板状部材の先端部と、第2の板状部材の先端部とを開閉自在としてもよい。要するに、支持部材は、第1の板状部材と、第2の板状部材とを開閉自在とするように構成されていればよい。
【0043】
また、前記各実施形態では、付勢部材として引っ張りばね6を採用していたが、これに代えて、ゴムなどを採用してもよい。要するに、付勢部材は、第1の板状部材と、第2の板状部材との間に設けられ、第1の板状部材の先端部と、第2の板状部材の先端部とを近接させる方向に付勢することができるものであればよい。
さらに、前記3実施形態では、第1の板状部材2Bの先端部および第2の板状部材3Bの先端部は、円弧状に丸められていたが、円弧状に丸められていなくてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1,1A,1B ラベル貼付用治具
2,2B 第1の板状部材
3,3B 第2の板状部材
4 支持部材
5 把持部
6 引っ張りばね(付勢部材)
7 ゴム部材
10 ラベル貼付装置
11 搬送機構
12 昇降機構
13 コンベア
14 ハカマ
21,31 突出部
22 第1のローラ
23,33 突出部
24,34 ピン
25,35 穴
26,36 ネジ穴
32 第2のローラ
41 ストッパ
B ベアリング
C 化粧料容器
L ラベル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の湾曲面に載せられたラベルの表面を前記対象物に向かって押圧することによって、前記ラベルの裏面を前記対象物に貼り付けるために用いられるラベル貼付用治具であって、
直線状の先端部を有する第1の板状部材と、
前記第1の板状部材の先端部と平行な直線状の先端部を有し、前記第1の板状部材と面対向するように配置された第2の板状部材と、
前記第1の板状部材の基端部と、前記第2の板状部材の基端部とを支持し、前記第1の板状部材の先端部と、前記第2の板状部材の先端部とを開閉自在とする支持部材と、
前記第1の板状部材と、前記第2の板状部材との間に設けられ、前記第1の板状部材の先端部と、前記第2の板状部材の先端部とを近接させる方向に付勢する付勢部材とを備え、
前記第1の板状部材の先端部と、前記第2の板状部材の先端部との間に形成された隙間に前記対象物の湾曲面を挟み込むようにして前記ラベルの表面を前記対象物に向かって押圧することによって、前記ラベルの裏面を前記対象物に貼り付けることを特徴とするラベル貼付用治具。
【請求項2】
請求項1に記載されたラベル貼付用治具において、
前記第1の板状部材の先端部および前記第2の板状部材の先端部は、円弧状に丸められていることを特徴とするラベル貼付用治具。
【請求項3】
請求項1に記載されたラベル貼付用治具において、
前記第1の板状部材の先端部に取り付けられ、前記第1の板状部材の先端部と平行な軸回りに回転する第1のローラと、
前記第2の板状部材の先端部に取り付けられ、前記第2の板状部材の先端部と平行な軸回りに回転する第2のローラとを備え、
前記第1のローラと、前記第2のローラとの間に形成された隙間に前記対象物の湾曲面を挟み込むようにして前記ラベルの表面を前記対象物に向かって押圧することによって、前記ラベルの裏面を前記対象物に貼り付けることを特徴とするラベル貼付用治具。
【請求項4】
請求項3に記載されたラベル貼付用治具において、
前記第1のローラと、前記第2のローラとの間に形成された隙間を覆うように設けられたゴム部材を備えることを特徴とするラベル貼付用治具。
【請求項5】
対象物の湾曲面に載せられたラベルの表面を前記対象物に向かって押圧することによって、前記ラベルの裏面を前記対象物に貼り付けるラベル貼付装置であって、
請求項1から請求項4のいずれかに記載されたラベル貼付用治具と、
前記対象物の湾曲面を鉛直上方向に露出させるように載置するとともに、前記対象物を水平方向に沿って搬送する搬送機構と、
前記搬送機構にて搬送される前記対象物に対して、前記ラベル貼付用治具を昇降させる昇降機構とを備えることを特徴とするラベル貼付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−67392(P2013−67392A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205223(P2011−205223)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000158781)紀伊産業株式会社 (327)
【Fターム(参考)】