説明

ラベル貼着装置およびラベル貼着方法

【解決課題】被貼着体の周面に表ラベルと裏ラベルとを、効率的かつ迅速に貼着することのできるラベル貼着装置およびラベル貼着方法を提供する。
【解決手段】ラベル貼着装置1は、被貼着体3を搬送する搬送手段40と、搬送される被貼着体3に対して表ラベル10と裏ラベル20とを供給し、表ラベル10と裏ラベル20との各仮付け部を介して、被貼着体3の周面6に表ラベル10と裏ラベル20とをそれぞれ仮付けする供給手段50と、表ラベル10と裏ラベル20とが仮付けされた被貼着体3を、一の回転方向に正回転させるとともに、表ラベル10と裏ラベル20との各所定部分を対角状に先行貼着する第1の回転貼着部70と、表ラベル10と裏ラベル20とが先行貼着された被貼着体3を、他の回転方向に逆回転させるとともに、表ラベル10と裏ラベル20との各未貼着部分を仕上げ貼着する第2の回転貼着部80と、を備えて構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベル貼着装置およびラベル貼着方法に関し、特に被貼着体の周面に一対のラベル(「表ラベル」「裏ラベル」と称する)を貼着するラベル貼着装置およびラベル貼着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の技術としては、特許文献1に記載される「ラベル貼付装置」がある。上記の「ラベル貼付装置」は、被貼付物のビンを挟んで上下方向に対向して配設される一対の貼着部を備え、各貼着部が、ラベルを吸引保持する吸着スポンジと、吸着スポンジを介してビンの周面にラベルを圧着するスポンジローラと、から構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−348948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載される「ラベル貼付装置」は、ビンを横倒して治具上に静置させ、上側の貼着部により一のラベル(表ラベル)を貼着し終えたのちに、次いで下側の貼着部を作動させて他のラベル(裏ラベル)を貼着するものであったため、ラベルの貼着に手間や時間を要していた。
【0005】
そこで本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その主な目的とするところは、被貼着体の周面に表ラベルと裏ラベルとを、効率的かつ迅速に貼着することのできるラベル貼着装置およびラベル貼着方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るラベル貼着装置は、被貼着体の周面に表ラベルと裏ラベルとを貼着するラベル貼着装置であって、被貼着体を搬送する搬送手段と、搬送される被貼着体に対して表ラベルと裏ラベルとを供給し、表ラベルと裏ラベルとの各仮付け部を介して、被貼着体の周面に表ラベルと裏ラベルとをそれぞれ仮付けする供給手段と、表ラベルと裏ラベルとが仮付けされた被貼着体を、一の回転方向に正回転させるとともに、表ラベルと裏ラベルとの各所定部分を対角状に先行貼着する第1の回転貼着部と、表ラベルと裏ラベルとが先行貼着された被貼着体を、他の回転方向に逆回転させるとともに、表ラベルと裏ラベルとの各未貼着部分を仕上げ貼着する第2の回転貼着部と、を備えて構成される。
【0007】
本発明に係るラベル貼着装置は好ましくは、該第1の回転貼着部および/または該第2の回転貼着部が、表ラベルないし裏ラベルを介在して被貼着体の周面に圧接され、相対速度差により被貼着体を所定の回転方向に正回転ないし逆回転させながら、被貼着体を搬送方向に沿って前進させる送りベルト機構を備えて構成される。
【0008】
本発明に係るラベル貼着装置はさらに好ましくは、該供給手段が、表ラベルと裏ラベルとを、それぞれ順次繰り出す繰り出し部を備えて構成される。
【0009】
本発明に係るラベル貼着装置はさらに好ましくは、該供給手段が、表ラベルと裏ラベルとの各仮付け部を、被貼着体の周面における所定位置にそれぞれ押圧する押圧ローラを備えて構成される。
【0010】
本発明に係るラベル貼着装置はさらに好ましくは、該供給手段により表ラベルと裏ラベルとが仮付けされる間、被貼着体を該搬送手段に対して固定可能とする固定手段を備えて構成される。
【0011】
本発明に係るラベル貼着装置はさらに好ましくは、表ラベルと裏ラベルとが、略同時に仮付けされるように構成される。
【0012】
本発明に係るラベル貼着装置はさらに好ましくは、該第2の回転貼着部が、表ラベルと裏ラベルとが仕上げ貼着された被貼着体を引き続き逆回転させ、表ラベルと裏ラベルとをそれぞれの一端から他端にかけて連続的に再圧着するように構成される。
【0013】
また、本発明に係るラベル貼着方法は、被貼着体の周面に表ラベルと裏ラベルとを貼着するラベル貼着方法であって、被貼着体に対して表ラベルと裏ラベルとを供給し、表ラベルと裏ラベルとの各仮付け部を介して、被貼着体の周面に表ラベルと裏ラベルとをそれぞれ仮付けする工程と、表ラベルと裏ラベルとが仮付けされた被貼着体を、一の回転方向に正回転させるとともに、表ラベルと裏ラベルとの各所定部分を対角状に先行貼着する工程と、表ラベルと裏ラベルとが先行貼着された被貼着体を、他の回転方向に逆回転させるとともに、表ラベルと裏ラベルとの各未貼着部分を仕上げ貼着する工程と、を含んで構成される。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るラベル貼着装置およびラベル貼着方法によれば、被貼着体の周面に表ラベルと裏ラベルとを、効率的かつ迅速に貼着することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施形態に係るラベル貼着装置を示す概略平面図である。
【図2】実施形態に係るラベル貼着装置を示す概略側面断面図である。
【図3】実施形態に係るラベル貼着状況を示す図である。
【図4】実施形態に係るラベル貼着状況を示す図である。
【図5】実施形態に係るラベル貼着状況を示す図である。
【図6】実施形態に係るラベル貼着状況を示す図である。
【図7】実施形態に係るラベル貼着状況を示す図である。
【図8】実施形態に係るラベル貼着状況を示す図である。
【図9】実施形態に係るラベル貼着状況を示す図である。
【図10】実施形態に係るラベルおよび被貼着体を示す図である。
【図11】変形例に係るラベル貼着装置を示す図である。
【図12】変形例に係るラベル貼着装置を示す図である。
【図13】他の実施形態に係るラベル貼着装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について、図1〜図10を参照して説明する。図1〜図2は実施形態に係るラベル貼着装置1を示す図であり、図1は概略平面図、図2は概略側面断面図である。図3〜図9はラベル貼着装置1によるラベル貼着状況を示す図である。図10は実施形態に係るラベル(表ラベル10、裏ラベル20)および被貼着体3を示す図である。
【0017】
図1〜図2に示すように、本実施形態のラベル貼着装置1は主として、搬送手段40と、供給手段50と、固定手段65と、第1の回転貼着部70と、第2の回転貼着部80と、を備える。搬送手段40により、被貼着体3が一定の搬送方向Aに搬送される。供給手段50、第1の回転貼着部70、第2の回転貼着部80は、搬送される被貼着体3に臨んで、搬送方向Aの上流から下流に順に配設される。固定手段65は、搬送手段40上方の所定位置に配設されている。ラベル貼着装置1により、被貼着体3に表ラベル10と裏ラベル20とが自動貼着される。
【0018】
本実施形態の被貼着体3は、図10に示すようなボトル容器である。被貼着体3は、軸線4廻りに回転対称の形状をなし、有底円筒状の胴部5と、胴部5上方に漸次縮径して連設される首部7と、を備える。被貼着体3には適宜の内容液等が充填され、首部7の上端が、キャップ部8により閉栓されている。胴部5の周面6における所定位置に、表ラベル10と裏ラベル20とが貼着される。
【0019】
本実施形態の表ラベル10、裏ラベル20は、図10に示すように、それぞれ略矩形状をなし、表ラベル10が裏ラベル20よりも一回り大きく形成される。表ラベル10と裏ラベル20とは、周面6の周方向に沿って、異なる位置に貼着される。本実施形態では、表ラベル10と裏ラベル20とが、胴部5を挟んでちょうど対峙する位置に貼着される。表ラベル10、裏ラベル20は、それぞれ一面に貼着面12、22を備える。貼着面12、22の全部または一部には、粘着剤等により粘着力が付与されており、貼着面12、22を介して、表ラベル10と裏ラベル20とが被貼着体3の周面6に貼着される。図示しないが、表ラベル10、裏ラベル20の他面には、例えば製品名、製造者、販売者、原材料名、製造年月等の情報が適宜印刷等されている。
【0020】
搬送手段40は、被貼着体3を搬送方向Aに搬送する。本実施形態の搬送手段40は、図1〜図2に示すように、ベルトコンベア41によって構成される。ベルトコンベア41には、水平面をなす載置部43が形成される。載置部43は、搬送方向Aに平行するセンターライン46に沿って延設され、載置部43上に被貼着体3が直立姿勢で載置される。ベルトコンベア41により、複数の被貼着体3、3・・・が、適当な間隔をあけ、一列直線状に連なって搬送される。ベルトコンベア41は、一定のコンベア速度Vで運転されている。載置部43の上方には、案内レール44、44が適宜高さにて対設される。案内レール44、44は、被貼着体3の胴部5の直径よりも僅かに広い間隔に設けられる。案内レール44、44により、搬送中の被貼着体3の転倒等を防止し易くできる。
【0021】
供給手段50は、搬送手段40によって搬送される被貼着体3に対して表ラベル10と裏ラベル20とを供給し、これらの仮付け部19、29(図10参照)を介して、被貼着体3の周面6における所定位置に表ラベル10と裏ラベル20とをそれぞれ仮付けする。本実施形態の供給手段50は、図1〜図2に示すように、繰り出し部51a、51bと、押圧ローラ61a、61bと、によって構成される。
繰り出し部51aは、表ラベル10を順次繰り出し、繰り出し部51bは、裏ラベル20を順次繰り出す。繰り出し部51a、51bは、互いに略同様の構成をなし、平面視でベルトコンベア41のセンターライン46を挟んで対称に配置される。繰り出し部51a、51bは主として、原反リール52a、52bと、剥離ブレード53a、53bと、巻き取りリール54a、54bと、をそれぞれ備える。原反リール52a、52bには、多数の表ラベル10、10・・・と多数の裏ラベル20、20・・・を並べて仮着した長尺帯状の台紙11、21がそれぞれセットされる。剥離ブレード53a、53bには、鋭角な尖端部56a、56bが形成されており、尖端部56a、56bを介して転回された台紙11、21から表ラベル10、裏ラベル20がそれぞれ一葉ずつ剥離され、繰り出される。表ラベル10、裏ラベル20が剥離された台紙11、21は、巻き取りリール54a、54bによって巻き取られる。剥離ブレード53a、53bの上流には、被貼着体3の接近を検知するセンサ49が設けられる。センサ49は、図示しない制御手段および駆動手段を介して、巻き取りリール54a、54bに接続される。これにより巻き取りリール54a、54bがそれぞれ適時のタイミングで作動して、表ラベル10と裏ラベル20とが繰り出されるようになっている。
【0022】
繰り出し部51a、51bにおける剥離ブレード53a、53bの直ぐ下流には、図1〜図2に示すように、押圧ローラ61a、61bがそれぞれ配設される。押圧ローラ61a、61bは、適宜高さの円柱形をなし、被貼着体3の胴部5に接触可能に構成される。押圧ローラ61a、61bの外周囲は、スポンジやゴム等の弾力性部材で形成されている。押圧ローラ61a、61bは、略鉛直状に設けられ、アーム62a、62bの先端に回転自在に軸着される。
押圧ローラ61a、61bは、繰り出し部51a、51bにより繰り出された表ラベル10と裏ラベル20との各仮付け部19、29(図10参照)を、被貼着体3の周面6における所定位置にそれぞれ押圧する。このため、押圧ローラ61a、61bは、被貼着体3の胴部5の直径よりも所定寸法だけ狭い間隔に配備される。また、アーム62a、62bは、基端が適宜軸支されるとともに、図示しないバネ手段に連結され、押圧ローラ61a、61bを、ベルトコンベア41のセンターライン46側にそれぞれ付勢している。これにより押圧ローラ61a、61bが、被貼着体3の通過に伴って、水平揺動される構成となっている。
【0023】
固定手段65は、上記供給手段50により表ラベル10と裏ラベル20とが被貼着体3に仮付けされる間、被貼着体3を搬送手段40に対して固定可能とする。本実施形態の固定手段65は、図1〜図2に示すように、天面ベルト66によって構成される。天面ベルト66は、ベルトコンベア41の載置部43から被貼着体3の高さに略相当する一定間隔を介して、載置部43と平行状に設けられる。天面ベルト66は、ベルトコンベア41のコンベア速度Vと同速度で運転されている。天面ベルト66とベルトコンベア41(載置部43)との間に被貼着体3を挟持することで、被貼着体3をベルトコンベア41に対して固定しながら、搬送方向Aに沿って搬送できるようになっている。
【0024】
第1の回転貼着部70は、図1〜図2に示すように、供給手段50の下流に、押圧ローラ61a、61bから所定距離を隔てて配設される。第1の回転貼着部70は、供給手段50により表ラベル10と裏ラベル20とが仮付けされた被貼着体3を、一の回転方向に回転(正回転)させるとともに、表ラベル10と裏ラベル20との各所定部分を被貼着体3に貼着(先行貼着)する。
【0025】
本実施形態の第1の回転貼着部70は、図1〜図2に示すように、一対の送りベルト機構71a、71bを備える。送りベルト機構71a、71bは互いに略同様の構成をなし、平面視でベルトコンベア41のセンターライン46を挟んで対称に配置される。送りベルト機構71aは、プーリ73a、73aと、プーリ73a、73aに巻装される圧着ベルト74aと、を備え、送りベルト機構71bは、プーリ73b、73bと、プーリ73b、73bに巻装される圧着ベルト74bと、を備える。プーリ73a、73bには、モータ等の駆動源78a、78bがそれぞれ連結される。これにより、送りベルト機構71aでは、圧着ベルト74aが平面視時計廻りに一定の送り速度Vで周回され、送りベルト機構71bでは、圧着ベルト74bが平面視反時計廻りに一定の送り速度Vで周回されている。本実施形態では、送り速度Vが送り速度Vよりも相対的に速く設定される。
【0026】
圧着ベルト74a、74bには、図1〜図2に示すように、表ラベル10と裏ラベル20とを被貼着体3の周面6に圧着可能な圧着部75a、75bが形成される。圧着部75a、75bは、互いに対向する略鉛直面をなし、平面視で搬送方向Aに略平行して設けられる。圧着部75a、75bは、被貼着体3の胴部5の直径よりも僅かに狭い間隔に配置され、所要の圧着長さ76を備える。
【0027】
第2の回転貼着部80は、図1〜図2に示すように、第1の回転貼着部70の下流に、第1の回転貼着部70から所定距離を隔てて配設される。第2の回転貼着部80は、第1の回転貼着部70により表ラベル10と裏ラベル20とが先行貼着された被貼着体3を、他の回転方向に回転(逆回転)させるとともに、表ラベル10と裏ラベル20との各未貼着部分を被貼着体3に貼着(仕上げ貼着)する。
【0028】
本実施形態の第2の回転貼着部80は、図1〜図2に示すように、一対の送りベルト機構81a、81bを備える。送りベルト機構81a、81bは互いに略同様の構成をなし、平面視でベルトコンベア41のセンターライン46を挟んで対称に配置される。送りベルト機構81a、81bは、第1の回転貼着部70における送りベルト機構71a、71bと基本的な構成が共通する。即ち、送りベルト機構81aは、プーリ83a、83aと、プーリ83a、83aに巻装される圧着ベルト84aと、を備え、送りベルト機構81bは、プーリ83b、83bと、プーリ83b、83bに巻装される圧着ベルト84bと、を備える。プーリ83a、83bには、モータ等の駆動源88a、88bがそれぞれ連結される。これにより、送りベルト機構81aでは、圧着ベルト84aが平面視時計廻りに一定の送り速度Vで周回され、送りベルト機構81bでは、圧着ベルト84bが平面視反時計廻りに一定の送り速度Vで周回されている。本実施形態では、送り速度Vが送り速度Vよりも相対的に速く設定される。
【0029】
圧着ベルト84a、84bには、図1〜図2に示すように、表ラベル10と裏ラベル20とを被貼着体3の周面6に圧着可能な圧着部85a、85bが形成される。圧着部85a、85bは、互いに対向する略鉛直面をなし、平面視で搬送方向Aに略平行して設けられる。圧着部85a、85bは、被貼着体3の胴部5の直径よりも僅かに狭い間隔に配置され、所要の圧着長さ86を備える。圧着長さ86は、第1の回転貼着部70における圧着長さ76よりも大きくなるように構成される。
【0030】
第1の回転貼着部70における圧着ベルト74a、74bの送り速度V、V、第2の回転貼着部80における圧着ベルト84a、84bの送り速度V、Vは、コンベア速度Vや被貼着体3の胴部5の直径寸法、材質等に応じて設定され得る。圧着部75a、75b、圧着部85a、85bは好ましくは、表ラベル10、裏ラベル20を介在して被貼着体3の周面6を弾力的に挟持可能とされる。本実施形態の圧着ベルト74a、74b、圧着ベルト84a、84bは、弾性変形可能で、適度のグリップ力を有する素材(例えばスポンジやゴム等)によって構成されている。圧着部75a、75b背後のプーリ73a、73a間、プーリ73b、73b間や、圧着部85a、85b背後のプーリ83a、83a間、プーリ83b、83b間に、図示しない薄板等の規制手段を設置し、被貼着体3の挟持に伴う圧着部75a、75bや圧着部85a、85bの過度のたわみを規制するようにしてもよい。
【0031】
なお、図示しないが、ラベル貼着装置1には、被貼着体3を適当な間隔を保ってベルトコンベア41に載置する間隔調整機構、表ラベル10ないし裏ラベル20へ印字を施す印字機構、表ラベル10ないし裏ラベル20の貼着有無・貼着位置等の異常を検査するセンサ、カメラ等の検査機構、不良品を排出する排出機構その他必要な構成が適宜付設され得る。
【0032】
次に、上記構成のラベル貼着装置1により、被貼着体3に表ラベル10と裏ラベル20とを貼着する方法について説明する。
【0033】
図3に示すように、被貼着体3が、ベルトコンベア41の載置部43上に載置され、搬送方向Aに沿って搬送されている。被貼着体3は、軸線4がベルトコンベア41のセンターライン46上に略一致する直立姿勢にて搬送される。被貼着体3は、コンベア速度Vにより前進速度V(=コンベア速度V)を有する。被貼着体3の前進に伴って、胴部5の左右径端5a、5bは、平面視で搬送方向Aに平行する軌跡外郭線47a、47bをそれぞれ描く。
【0034】
搬送される被貼着体3に対して、図4〜図5に示すように、供給手段50により、表ラベル10と裏ラベル20とが供給され、仮付けが施される。表ラベル10、裏ラベル20は、繰り出し部51a、51bにより、それぞれ順次繰り出される。繰り出し部51a、51bの剥離ブレード53a、53bの尖端部56a、56bは、軌跡外郭線47a、47bのそれぞれ外側に略鉛直をなして配設され、図4に示すように、被貼着体3が尖端部56a、56bの脇を通過する際に、表ラベル10、裏ラベル20がそれぞれ前端13、23を先頭にして所定高さで間欠的に繰り出される。剥離ブレード53a、53bは、平面視で搬送方向Aに対して斜め状に配設され、表ラベル10と裏ラベル20とが、それぞれ繰り出し角度57a、57bにて繰り出されている。繰り出し角度57a、57bは、被貼着体3の前進速度Vや胴部5の材質等に応じて、最適の値が適宜設定され得る。このように供給手段50として繰り出し部51a、51bを用いる場合には、搬送される被貼着体3の前進を止める必要がなく、続けて多数の被貼着体3、3・・・にそれぞれ表ラベル10と裏ラベル20との仮付けを容易におこなうことが可能となる。
【0035】
繰り出された表ラベル10と裏ラベル20とは、仮付け部19、29を介して、被貼着体3の周面6における所定位置にそれぞれ仮付けされる。図10に示すように、仮付け部19、29は、表ラベル10、裏ラベル20の貼着面12、22における各中間領域17、27内の適宜位置に形成される。中間領域17、27は、表ラベル10、裏ラベル20の前端13、23近辺と、後端14、24近辺とを除く領域であり、好ましくは表ラベル10の前端13および後端14、裏ラベル20の前端23および後端24から各所定寸法だけ内部側の領域である。中間領域17、27は、好ましくは貼着面12、22全体のそれぞれ概ね2/3程度以下、より好ましくは貼着面12、22全体のそれぞれ概ね1/2程度以下の面積範囲を有する。仮付け部19、29は、この中間領域17、27内において、被貼着体3の軸線4に略平行するような縦長細幅状に形成されている。本実施形態では、仮付け部19が、表ラベル10を前半部15と後半部16とに等分する二等分線18を含み、仮付け部29が、裏ラベル20を前半部25と後半部26とに等分する二等分線28を含むように構成される。
【0036】
図4に示すように、繰り出された表ラベル10と裏ラベル20とは、仮付け部19、29が、胴部5の左右径端5a、5b近辺に略同時に到達し、さらに、図5に示すように、表ラベル10、裏ラベル20の各二等分線18、28と、被貼着体3の胴部5の左右径端5a、5bとが平面視で略一致するように仮付けがおこなわれる。表ラベル10の仮付け部19と裏ラベル20の仮付け部29とが、被貼着体3の周面6における所定位置に略同時に仮付けされる構成により、表ラベル10、裏ラベル20の位置決めを正確かつ容易におこなうことが可能となる。本実施形態の場合、表ラベル10における仮付け部19(二等分線18)から前端13までの長さが、裏ラベル20における仮付け部29(二等分線28)から前端23までの長さよりも大きく形成されていることから、表ラベル10の繰り出し開始が、裏ラベル20の繰り出し開始よりも僅かに先行するように制御される。より具体的には、センサ49による被貼着体3を検知後の表ラベル10の繰り出し開始タイマが、裏ラベル20の繰り出し開始タイマよりも短く設定されている。このような表ラベル10、裏ラベル20の繰り出し開始のタイミングを制御する手法の他、剥離ブレード53a、53bの尖端部56a、56bの配設位置を調整する手法、繰り出し角度57a、57bを調整する手法、或いはこれらを適宜組み合わせた手法等を採用することもできる。表ラベル10、裏ラベル20の繰り出し速度は通常、被貼着体3の前進速度Vと略等速度にされるのが好ましい。
【0037】
図4に示すように、繰り出された表ラベル10と裏ラベル20とは、平面視で略斜め状態をなして、搬送されてきた被貼着体3の胴部5に接触する。本実施形態では、押圧ローラ61a、61bが、軌跡外郭線47a、47bとそれぞれ僅かに交差するようにして被貼着体3を待機しており、被貼着体3の通過に伴って、押圧ローラ61a、61bが、仮付け部19、29を胴部5の周面6における所定位置に押圧し、これにより、図5に示すように、表ラベル10、裏ラベル20の仮付けが完了する。押圧ローラ61a、61bを設けることで、表ラベル10、裏ラベル20の仮付け部19、29を周面6における所定位置に密着させ易くできる。押圧ローラ61a、61bにより、表ラベル10、裏ラベル20の貼着面12、22の粘着力が弱い場合や、被貼着体3の周面6がフロスト加工・艶消し加工等によって形成された場合等においても、仮付けされた表ラベル10、裏ラベル20のずれや脱落を確実に防止できるようになる。
【0038】
図5に示すように、仮付けが完了した表ラベル10、裏ラベル20では、仮付け部19、29以外の部分は、胴部5の周面6から浮いた状態にある。また、表ラベル10の前端13および後端14、裏ラベル20の前端23および後端24が、繰り出し部51a、51bの繰り出し角度57a、57b(図4参照)や押圧ローラ61a、61bの作用等とも相俟って、平面視で軌跡外郭線47a、47bよりもセンターライン46側にそれぞれ若干入り込んで位置している。
【0039】
表ラベル10と裏ラベル20とが被貼着体3に仮付けされる間、被貼着体3は、天面ベルト66によりベルトコンベア41に対して固定された状態で搬送される(図1〜図2参照)。搬送方向Aに沿って前進する被貼着体3の胴部5に、繰り出された表ラベル10、裏ラベル20や押圧ローラ61a、61bが接触すると、被貼着体3が載置部43上で姿勢を乱し、仮付けされる表ラベル10、裏ラベル20の位置ずれを招来するおそれがある。天面ベルト66のような固定手段65を設けることで、被貼着体3が姿勢を乱し難くなり、表ラベル10と裏ラベル20とを、胴部5の周面6における所定位置に正確に仮付けすることが可能となる。
【0040】
表ラベル10と裏ラベル20とが仮付けされた被貼着体3は、天面ベルト66による固定を解除されるとともに、図5に示すように、ベルトコンベア41により第1の回転貼着部70に搬入される。このとき、表ラベル10、裏ラベル20の前端13、23が、上記のとおりセンターライン46側にそれぞれ若干入り込んで位置していることから、被貼着体3の第1の回転貼着部70への搬入がスムーズにおこなわれ得る。
【0041】
図6に示すように、第1の回転貼着部70では、圧着ベルト74a、74bの圧着部75a、75bが、それぞれ表ラベル10、裏ラベル20を介在して被貼着体3の胴部5の周面6に圧接される。被貼着体3が第1の回転貼着部70へ搬入された直後、圧着ベルト74a、74bの圧着部75a、75bは、表ラベル10、裏ラベル20の仮付け部19、29(二等分線18、28)近辺を介して、周面6(胴部5の左右径端5a、5b近辺)に圧接されるが(図5参照)、圧着ベルト74a、74bは、それぞれ送り速度V、Vで周回されており(V>V)、これらの相対速度差により被貼着体3の胴部5を平面視時計廻りの回転方向Bに正回転させるとともに、被貼着体3を搬送方向Aに沿って前進速度V’で前進させる。被貼着体3の正回転に伴って、表ラベル10と裏ラベル20との各所定部分が平面視で対角状に、胴部5の周面6に先行貼着される。これにより、表ラベル10、裏ラベル20における仮付け部19、29からそれぞれ回転方向B後方の部分が貼着される。本実施形態では、表ラベル10の前半部15と裏ラベル20の後半部26とが貼着されている。このとき、圧着ベルト74aにより、仮付け部19から前端13にむけて表ラベル10の前半部15が周面6に徐々に圧着され、圧着ベルト74bにより、仮付け部29から後端24にむけて裏ラベル20の後半部26が周面6に徐々に圧着されることから、表ラベル10の前半部15と裏ラベル20の後半部26とが、シワ等無くきれいに貼着され得る。
【0042】
図7に示すように、被貼着体3は回転角度θだけ正回転したところで、先行貼着を完了して、第1の回転貼着部70から搬出されるようになっている。回転角度θは、表ラベル10の前半部15と裏ラベル20の後半部26とを圧着するのに必要であり、かつ表ラベル10の後端14、裏ラベル20の前端23が、それぞれ圧着ベルト74b、74a(圧着部75b、75a)に接触しない程度のものとされる。本実施形態では、回転角度θが約80〜85度となるように、圧着ベルト74a、74bの送り速度V、Vと、圧着部75a、75bの圧着長さ76(図1〜図2参照)と、が設定されている。
【0043】
表ラベル10と裏ラベル20とが先行貼着された被貼着体3は、図7に示すように、再びベルトコンベア41により前進速度V(=コンベア速度V)で搬送されたのち、第2の回転貼着部80に搬入される。第1の回転貼着部70から搬出されて第2の回転貼着部80に搬入されるまでの間、被貼着体3は回転を停止している。
【0044】
図8に示すように、第2の回転貼着部80では、圧着ベルト84a、84bの圧着部85a、85bが、それぞれ表ラベル10、裏ラベル20を介在して被貼着体3の胴部5の周面6に圧接される。被貼着体3が第2の回転貼着部80へ搬入された直後、圧着ベルト84a、84bの圧着部85a、85bは、周面6における表ラベル10、裏ラベル20の前端13、後端24から僅かに離間したところに圧接されるが(図7参照)、圧着ベルト84a、84bは、それぞれ送り速度V、Vで周回されており(V>V)、これらの相対速度差により被貼着体3の胴部5を、平面視反時計廻りの回転方向Cに逆回転させるとともに、被貼着体3を搬送方向Aに沿って前進速度V’’で前進させる。被貼着体3の逆回転に伴って、表ラベル10と裏ラベル20との残された未貼着部分が平面視で他の対角状に、胴部5の周面6に仕上げ貼着される。これにより、表ラベル10、裏ラベル20における仮付け部19、29からそれぞれ回転方向C後方の部分が貼着される。本実施形態では、表ラベル10の後半部16と裏ラベル20の前半部25とが貼着されている。このとき、圧着ベルト84aにより、仮付け部19から後端14にむけて表ラベル10の後半部16が周面6に徐々に圧着され、圧着ベルト84bにより、仮付け部29から前端23にむけて裏ラベル20の前半部25が周面6に徐々に圧着されることから、表ラベル10の後半部16と裏ラベル20の前半部25とが、シワ等無くきれいに貼着され得る。
【0045】
図9に示すように、被貼着体3は回転角度θだけ逆回転したところで、仕上げ貼着を完了して、第2の回転貼着部80から搬出されるようになっている。回転角度θは、少なくとも表ラベル10の後半部16と裏ラベル20の前半部25とを圧着するのに必要なものとされる。本実施形態では、回転角度θが約170〜175度となるように、圧着ベルト84a、84bの送り速度V、Vと、圧着部85a、85bの圧着長さ86(図1〜図2参照)と、が設定されている。
表ラベル10と裏ラベル20との仕上げ貼着により、表ラベル10の貼着面12の全面と裏ラベル20の貼着面22の全面とが、被貼着体3の周面6における所定位置に貼着されることになる。第2の回転貼着部80から搬出された被貼着体3は、再びベルトコンベア41により前進速度V(=コンベア速度V)で、図示しない次工程へと搬送される。後続の被貼着体3にも、同様にして、表ラベル10と裏ラベル20とが自動貼着される。
【0046】
なお、上記した第1の回転貼着部70、第2の回転貼着部80においては、被貼着体3の胴部5の底面がベルトコンベア41の載置部43に対して摺動しながら、被貼着体3が正回転ないし逆回転される。このため、ベルトコンベア41の載置部43は、例えば樹脂材等により、胴部5の底面に対して或る程度の滑り性を有するように形成されているのがよい。ベルトコンベア41を搬送方向Aに沿って複数に分割構成し、所定間隔を介して直列に配置することで、被貼着体3が圧着部75a、75bや圧着部85a、85bによって圧接挟持される区間において、胴部5の底面下方を無床とするようにしてもよい。
【0047】
以上説明したラベル貼着装置1によれば、搬送手段40を介して被貼着体3を、所定の供給手段50、第1の回転貼着部70、第2の回転貼着部80等経由で前進させることで、被貼着体3の周面6における所定位置に、表ラベル10と裏ラベル20とを併行して貼着することができる。よって、表ラベル10と裏ラベル20とを、きわめて効率的かつ迅速に貼着することができる。
また、ラベル貼着装置1によれば、第1の回転貼着部70、第2の回転貼着部80が、所定の送りベルト機構71a、71b、送りベルト機構81a、81bを備えるため、搬送される被貼着体3の前進を止めることなく、表ラベル10と裏ラベル20との先行貼着、仕上げ貼着を連続しておこなえる。送りベルト機構71a、71b、送りベルト機構81a、81bを採用することで、第1の回転貼着部70、第2の回転貼着部80の構造も簡易化できる。しかも、圧着ベルト74a、74bがそれぞれ一定の送り速度V、Vで周回され、圧着ベルト84a、84bがそれぞれ一定の送り速度V、Vで周回されるため、煩雑な速度制御や速度管理等が不要となる。
【0048】
さらに、ラベル貼着装置1によれば、所定の仮付け部19、29を介して、被貼着体3の周面6に表ラベル10と裏ラベル20とが仮付けされ、第1の回転貼着部70、第2の回転貼着部80において、表ラベル10と裏ラベル20とがそれぞれちょうど半部ずつ周面6に貼着される構成であるため、貼着に伴う表ラベル10、裏ラベル20のシワ、たるみ、歪み等の不具合が生じ難い。
【0049】
なお、本実施形態では、第1の回転貼着部70の送りベルト機構71a、71bおよび第2の回転貼着部80の送りベルト機構81a、81bにおいて、圧着ベルト74a、74bおよび圧着ベルト84a、84bを、それぞれ互いに反対の向き(平面視時計廻りと反時計廻り)に周回させているが、圧着ベルト74a、74bの何れか、圧着ベルト84a、84bの何れか、を停止させる構成とすることもできる。即ち、回転方向Bに被貼着体3を正回転させるために圧着ベルト74aを停止させ、回転方向Cに被貼着体3を逆回転させるために圧着ベルト84bを停止させるようにしてもよい。
また、圧着ベルト74a、74bおよび圧着ベルト84a、84bを、それぞれ同一の向き(平面視時計廻りと反時計廻り)に周回させる構成とすることもできる。即ち、回転方向Bに被貼着体3を正回転させるために圧着ベルト74a、74bを何れも平面視反時計廻りに周回させ、回転方向Cに被貼着体3を逆回転させるために圧着ベルト84a、84bを何れも平面視時計廻りに周回させるようにしてもよい。
本実施形態のような構成であれば、第1の回転貼着部70、第2の回転貼着部80における被貼着体3の前進速度V’、V’’の制御が容易であり、搬入に伴う被貼着体3の前進速度Vからの急激な速度変化等を防止でき、被貼着体3の回転速度も低速に抑え得る。よって、被貼着体3を安定して回転かつ前進させることが可能となる。
【0050】
上記実施形態の変形例について、図11を参照して説明する。図11は、変形例に係るラベル貼着装置101を示す図である(上記実施形態と共通する構成には同一の符号を付し、供給手段50等の図示は省略する;以下の図において同じ)。
【0051】
図11に示すように、ラベル貼着装置101は、第2の回転貼着部180を備える。第2の回転貼着部180は、送りベルト機構181aと、ガイド機構131と、から構成される。送りベルト機構181aは、プーリ83a、83aに巻装される圧着ベルト184aを備え、プーリ83aには、モータ等の駆動源88aが連結される。これにより、圧着ベルト184aが平面視時計廻りに一定の送り速度Vで周回されている。圧着ベルト184aには、所定の圧着部185aが形成される。また、ガイド機構131は、支持板137により略鉛直状に支持される受け板134を備える。受け板134は、例えばスポンジやゴム等からなり、圧着部185aに対向して、所定の圧着部135を有する。圧着部185a、圧着部135は、被貼着体3の胴部5の直径よりも僅かに狭い間隔に配置される。ガイド機構131の受け板134は好ましくは、表ラベル10や裏ラベル20のサイズ等に応じて適宜交換等可能に構成される。
【0052】
このようなラベル貼着装置101であっても、第2の回転貼着部180において、被貼着体3の胴部5を回転方向Cに逆回転させるとともに、被貼着体3を搬送方向Aに沿って前進させ、所定の仕上げ貼着をおこなうことができる。
【0053】
他の変形例について、図12を参照して説明する。図12は、変形例に係るラベル貼着装置201を示す図である。
【0054】
図12に示すように、ラベル貼着装置201は、第2の回転貼着部280を備える。第2の回転貼着部280は、一対の送りベルト機構281a、281bから構成される。送りベルト機構281a、281bの基本的な構成は、上記実施形態に係る送りベルト機構81a、81bと同様であり、圧着ベルト284aが平面視時計廻りに一定の送り速度Vで周回され、圧着ベルト284bが平面視反時計廻りに一定の送り速度Vで周回されている。但し、圧着ベルト284a、284bの圧着部285a、285bの圧着長さ286が、上記圧着長さ86(図1〜図2参照)よりもさらに大きく延伸して設けられる。
【0055】
ラベル貼着装置201では、第2の回転貼着部280が、被貼着体3の胴部5を回転方向Cに逆回転させるとともに、被貼着体3を搬送方向Aに沿って前進させ、所定の仕上げ貼着をおこなうが、仕上げ貼着完了後も被貼着体3を引き続き回転方向Cに逆回転させ、表ラベル10と裏ラベル10とをそれぞれの一端から他端にかけて連続的に再圧着する。即ち、表ラベル10全体を一気に撫で付けるように、前端13から後端14にかけて、圧着部285bが表ラベル10を連続的に再圧着し、裏ラベル20全体を一気に撫で付けるように、後端24から前端23にかけて、圧着部285aが裏ラベル20を連続的に再圧着する。本実施形態では、表ラベル10と裏ラベル20とが再圧着された被貼着体3は、さらに回転方向Cに逆回転され、表ラベル10が圧着部285a側、裏ラベル20が圧着部285b側に略正対した状態に位置決めされたうえで、第2の回転貼着部280から搬出されるようになっている。
【0056】
このようなラベル貼着装置201によれば、表ラベル10と裏ラベル20とがそれぞれの一端から他端にかけて再圧着されるため、表ラベル10と裏ラベル20とを被貼着体3の周面6に一層確実に、きれいに貼着することが可能となる。
なお、ラベル貼着装置201において、例えば送りベルト機構281bに代えて、上記変形例に係るガイド機構を用いた構成とすることもできる。このような構成によれば、表ラベル10や裏ラベル20が圧着ベルト74a、74b、圧着ベルト284aからはみ出すようなサイズ(高さ)の場合であっても、ガイド機構の受け板を適宜の大きさのものに交換等することで、表ラベル10、裏ラベル20の全体を被貼着体3の周面6に圧着することが可能となる。よって、表ラベル10や裏ラベル20の大巾なサイズチェンジへの対応も簡単におこなえる。
【0057】
以上の実施形態の記述は、本発明をこれに限定するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の修正や設計変更等が可能である。
【0058】
例えば、搬送手段40、供給手段50、固定手段65、第1の回転貼着部70、第2の回転貼着部80等の具体的な形状・大きさ、配置等は、適宜変更することができる。搬送手段40は、被貼着体3の底面または上端等を回転自在に個別保持する保持具(図示せず)を介して、被貼着体3を搬送するようなものであってもよい。供給手段50を、表ラベル10、裏ラベル20の貼着面12、22をそれぞれ露呈状態に吸引保持する繰り出しベルトや繰り出しドラム(図示せず)等により構成することもできる。
また、被貼着体3、表ラベル10、裏ラベル20は、図10に示した具体的態様に限らず、様々な形状・大きさ等のものであってよい。被貼着体3は、少なくとも一部に周面6を有するが、周面6が平面視で円形状以外の楕円形、多角形等の非円形状であっても本発明を適用できる。周面6が平面視非円形状の場合には、例えば第1の回転貼着部70の圧着ベルト74a、74b、第2の回転貼着部80の圧着ベルト84a、84b等の厚みを比較的厚めに構成する。表ラベル10、裏ラベル20は、タックラベルの他、感熱性の粘着剤により粘着力が付与されるもの等であってもよい。感熱性の粘着剤を用いる場合には、供給手段50として、適宜の加熱部(図示せず)等を付設する。
【0059】
上記実施形態では、第1の回転貼着部70の回転方向Bが平面視時計廻り、第2の回転貼着部80の回転方向Cが平面視反時計廻りとなるようにしたが、第1の回転貼着部70の回転方向Bが平面視反時計廻り、第2の回転貼着部80の回転方向Cが平面視時計廻りとなるように構成することもできる。
第1の回転貼着部70に、上記変形例のようなガイド機構を用いてもよい。
また、第1の回転貼着部70、第2の回転貼着部80は、所定の機能を実現できるものであれば、適宜の具体的手段により代用され得る。例えば、本発明に係るラベル貼着装置を、図13に示すラベル貼着装置301のような構成とすることができる。
【0060】
図13に示すように、ラベル貼着装置301は回転貼着部390を備える。回転貼着部390は供給手段50(図示せず)の下流に配設され、一対の送りベルト機構391a、391bから構成される。送りベルト機構391aは、プーリ393a、393aと、プーリ393a、393aに巻装される圧着ベルト394aと、を備え、送りベルト機構391bは、プーリ393b、393bと、プーリ393b、393bに巻装される圧着ベルト394bと、を備える。圧着ベルト394a、394bには、所定の圧着部395a、395bが形成される。プーリ393a、393bには、モータ等の駆動源398a、398bが連結されるが、ラベル貼着装置301では、圧着ベルト394a、394bの送り速度がそれぞれ可変に構成されている。
【0061】
回転貼着部390は、上記実施形態における第1の回転貼着部70、第2の回転貼着部80の双方の役割を果たす。即ち、図13(a)に示すように、表ラベル10と裏ラベル20とを仮付けされた被貼着体3が回転貼着部390に搬入されたときには、圧着ベルト394a、394bが、それぞれ送り速度V、Vで周回されており(V>V)、これらの相対速度差により被貼着体3の胴部5を回転方向Bに正回転させるとともに、被貼着体3を搬送方向Aに沿って前進させる。被貼着体3の正回転に伴って、表ラベル10と裏ラベル20との各所定部分が先行貼着される。そして、先行貼着が完了するタイミングで、図13(b)に示すように、圧着ベルト394a、394bが、それぞれ送り速度V、Vで周回され(V>V)、これらの相対速度差により被貼着体3の胴部5を回転方向Cに逆回転させるとともに、被貼着体3を搬送方向Aに沿って前進させる。被貼着体3の逆回転に伴って、表ラベル10と裏ラベル20との各未貼着部分が仕上げ貼着される。
このようなラベル貼着装置301によれば、回転貼着部390において、圧着ベルト394a、394bの送り速度をそれぞれ適宜変化させながら、表ラベル10と裏ラベル20との先行貼着、仕上げ貼着を一組の機構(送りベルト機構391a、391b)内でおこなえる。
【符号の説明】
【0062】
1 ラベル貼着装置
3 被貼着体
6 周面
10 表ラベル
20 裏ラベル
15、25 前半部
16、26 後半部
13、23 前端
14、24 後端
19、29 仮付け部
40 搬送手段
50 供給手段
51a、51b 繰り出し部
61a、61b 押圧ローラ
65 固定手段
70 第1の回転貼着部
71a、71b 送りベルト機構
74a、74b 圧着ベルト
80 第2の回転貼着部
81a、81b 送りベルト機構
84a、84b 圧着ベルト
A 搬送方向
B、C 回転方向




【特許請求の範囲】
【請求項1】
被貼着体の周面に表ラベルと裏ラベルとを貼着するラベル貼着装置であって、
被貼着体を搬送する搬送手段と、
搬送される被貼着体に対して表ラベルと裏ラベルとを供給し、表ラベルと裏ラベルとの各仮付け部を介して、被貼着体の周面に表ラベルと裏ラベルとをそれぞれ仮付けする供給手段と、
表ラベルと裏ラベルとが仮付けされた被貼着体を、一の回転方向に正回転させるとともに、表ラベルと裏ラベルとの各所定部分を対角状に先行貼着する第1の回転貼着部と、
表ラベルと裏ラベルとが先行貼着された被貼着体を、他の回転方向に逆回転させるとともに、表ラベルと裏ラベルとの各未貼着部分を仕上げ貼着する第2の回転貼着部と、
を備えたラベル貼着装置。
【請求項2】
該第1の回転貼着部および/または該第2の回転貼着部が、
表ラベルないし裏ラベルを介在して被貼着体の周面に圧接され、相対速度差により被貼着体を所定の回転方向に正回転ないし逆回転させながら、被貼着体を搬送方向に沿って前進させる送りベルト機構を備えた請求項1に記載のラベル貼着装置。
【請求項3】
該供給手段が、
表ラベルと裏ラベルとを、それぞれ順次繰り出す繰り出し部を備えた請求項1乃至2の何れかに記載のラベル貼着装置。
【請求項4】
該供給手段が、
表ラベルと裏ラベルとの各仮付け部を、被貼着体の周面における所定位置にそれぞれ押圧する押圧ローラを備えた1乃至3の何れかに記載のラベル貼着装置。
【請求項5】
該供給手段により表ラベルと裏ラベルとが仮付けされる間、被貼着体を該搬送手段に対して固定可能とする固定手段を備えた請求項1乃至4の何れかに記載のラベル貼着装置。
【請求項6】
表ラベルと裏ラベルとが、略同時に仮付けされる請求項1乃至5の何れかに記載のラベル貼着装置。
【請求項7】
該第2の回転貼着部が、
表ラベルと裏ラベルとが仕上げ貼着された被貼着体を引き続き逆回転させ、表ラベルと裏ラベルとをそれぞれの一端から他端にかけて連続的に再圧着する請求項1乃至6の何れかに記載のラベル貼着装置。
【請求項8】
被貼着体の周面に表ラベルと裏ラベルとを貼着するラベル貼着方法であって、
被貼着体に対して表ラベルと裏ラベルとを供給し、表ラベルと裏ラベルとの各仮付け部を介して、被貼着体の周面に表ラベルと裏ラベルとをそれぞれ仮付けする工程と、
表ラベルと裏ラベルとが仮付けされた被貼着体を、一の回転方向に正回転させるとともに、表ラベルと裏ラベルとの各所定部分を対角状に先行貼着する工程と、
表ラベルと裏ラベルとが先行貼着された被貼着体を、他の回転方向に逆回転させるとともに、表ラベルと裏ラベルとの各未貼着部分を仕上げ貼着する工程と、
を含むラベル貼着方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−136279(P2012−136279A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−291345(P2010−291345)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(390020156)三晴精機株式会社 (6)
【出願人】(000137904)株式会社ミューチュアル (37)
【Fターム(参考)】