説明

ラボラトリ物質を保管および保護するための容器ユニット

ラボラトリ物質を保管および保護するためのラボラトリ物質容器ユニットが、保護ハウジングおよび少なくとも1つの用量分注ユニットを備える。この少なくとも1つの用量分注ユニットは、リザーバ容器および分注ヘッドを備える。作動のために少なくとも1つの用量分注ユニットを準備するために、保護ハウジングは、用量分注ユニットから取り外すことが可能である。保護ハウジングは、少なくとも1つの用量分注ユニットに安定的な座部を提供するために少なくとも1つの適切に形作られた凹部を有する底部と、鐘形状蓋部とを有する。蓋部は、しっかりとシールされた内部スペースを形成するように、底部に連結させることが可能である。輸送および保管のために、少なくとも1つの用量分注ユニットは、閉鎖された保護ハウジングの内部スペースに配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラボラトリ用途について典型的な量の粉末およびペーストを保管および保護するための容器ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
新物質を開発し、製造工程から中間生成物および試料を分析する、地域規模の経営または世界規模の経営を行う企業においては、ワークフロー全体の中の大部分の時間が、ラボラトリ内における、さらには世界中に分散されたな様々なラボラトリ内における様々な場所にて、ソース容器から収容容器内に測定用量のこれらの物質を分注するために必要な、ロジスティクス工程に費やされる。特に、例えば有害物質または発がん性物質などの危険物質の場合においては、必要な安全対策には、非常に多大な時間がかかり、多大なコストがかかる。物質を移動させる自動供給器デバイスを備える大型の用量分注システムのコストは、非常に高額であるため、この種の用途に見合うものとはなり得ない。
【0003】
したがって、このワークフローをより効率的なものにするためには、より多数の器具をそれぞれ異なる各場所に配置することを可能にする、より安価な用量分注器具が必要である。このような用量分注器具は、高精度化学天秤において使用可能な後付け可能ユニットとして構成されると、特に有利である。作動デバイスに結合可能および結合解除可能な用量分注ユニットが、FR2846632A1に開示されている。この用量分注デバイスは、基本的には、分注ヘッドに連結されたリザーバ容器から構成される。分注ヘッドは、スライダ弁による開閉が可能な出口開口を有する。物質を中に収容した用量分注ユニットを保管するためには、分注ヘッド全体、特にその開口を、保護用押込みキャップにより外部から密閉することが可能である。開示されている用量分注ユニットは、いわゆる化合物ライブラリ、すなわち環境条件が規定され管理された非常に大規模な物質保管所における使用に適する。
【0004】
しかし、用量分注ユニットを世界規模で郵送しなければならない場合には、例えば水分または汚物の侵入を防ぐ措置によりこの用量分注ユニットおよびその中に収容された物質を保護するように、ならびに、例えば有毒物質などによって引き起こされるおそれのある人的事故を回避するように、特別な注意を払う必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、この物質の完全性を保護する、および人的事故のリスクを回避することを目的として、以下のようなラボラトリ物質用の容器ユニットを製作することである。
【0006】
− 取扱いが安全かつ簡単である。
− 例えば水分および汚染物質などの外部の影響から、中に収容された物質を保護する。
【0007】
− 例えば分量分注ユニットからの物質の漏れなどにより引き起こされるおそれのある人的事故を防ぎ、さらにはラボラトリ物質の無許可の取出しを防止する。
− この用量分注ユニット内に収容された物質の属性および状態に関する情報を保持するための手段を備えることが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この挙げられた目的は、独立請求項の装置クレームによる、ラボラトリ物質を保管および保護するためのラボラトリ容器ユニットによって達成される。
ラボラトリ物質を保管および保護するためのラボラトリ物質容器ユニットが、保護ハウジングおよび少なくとも1つの用量分注ユニットを備える。少なくとも1つの用量分注ユニットは、リザーバ容器および分注ヘッドを備える。作動のために少なくとも1つの用量分注ユニットを準備するために、保護ハウジングは、用量分注ユニットから取り外すことが可能である。保護ハウジングは、少なくとも1つの用量分注ユニットに安定的な座部を提供するために少なくとも1つの適切に形作られた凹部を有する底部と、鐘形状蓋部とを備える。蓋部は、しっかりとシールされた内部スペースを形成するように底部に連結させることが可能である。輸送および保管のために、少なくとも1つの用量分注ユニットは、閉鎖された保護ハウジングの内部スペースに配置される。
【0009】
本発明に関して、「しっかりとシールされた」とは、閉鎖状態にある保護ハウジングにより、少なくとも環境へのラボラトリ物質の漏れが、および環境から保護ハウジングの内部スペース内への汚物の侵入が、防がれることを意味する。しかし、好ましくは、保護ハウジングは、例えば内部スペース内への水分の侵入を防ぐことが可能となり、その結果として外部の影響をラボラトリ物質から遠ざけることも可能となるように、気密である。
【0010】
好ましくは、蓋部は、狭ピッチねじ山連結、戻り止め要素を備える差込み結合により、または不正防止シールによって固定させることが可能なクランプオン閉鎖要素により、底部に連結される。保護ハウジングは、周囲スペースと用量分注ユニット内部のラボラトリ物質との間に遮蔽部を形成する、とりわけ分注ヘッドの漏れ通路をふさぐ、一次的な役割を有する。この隔壁は、分注ヘッドを永久的に気密にすることがほぼ不可能であるために、必要となる。分注ヘッドを通りリザーバ容器内に至る漏れ通路は、特に、流量制御デバイスへの結合連結、および分注ヘッドとリザーバ容器との間の連結のために、分注ヘッドに設置され得る出口開口およびボアホールを備えるものが可能である。さらに、保護ハウジングは、分注工程の後に出口開口の区域において分注ヘッドの外部に付着したままとなるおそれがある物質粒子が、保護ハウジングの内部スペースに安全に閉じ込められたままとなり、人間および環境を危険にさらすことがないように、分注ヘッドを囲む隔壁部としての役割を果たす。
【0011】
底部が、平坦な下面を有する場合には、この平坦な下面は、ラボラトリ物質容器ユニットが立つための安定的な基部を形成することとなる。
少なくとも1つの凹部が、用量分注ヘッドに適合された形状を有し、底部が、平坦な下面を有する場合には、底部自体が、少なくとも1つの用量分注ユニットのための安定的な座部を形成する。
【0012】
したがって、保護ハウジングの内部スペースは、2つ以上の用量分注ユニットを収容することが可能である。種々のラボラトリ物質間の相互汚染を避けるために、好ましくは、保護ハウジングの内部スペースは、1つの用量分注ユニットのみを封入することが可能となるように構成される。また、内部スペースは、1つの用量分注ユニットのみを内部スペースの各区画に封入することが可能となるように、さらに分割されてよい。
【0013】
保護ハウジングが閉鎖される際に、用量分注ユニットを凹部に固定的に着座させた状態に保つために、鐘形状蓋部は、用量分注ユニットを固定させることが可能な固定部分を有することが可能である。この固定部分により、用量分注ユニットが保護ハウジングにおいて移動可能となることが防がれ、ラボラトリ物質容器ユニットの不適切な取扱いによって用量分注ユニットが保護ハウジングの内部で破壊されるおそれが回避される。蓋部が底部から分離され次第、少なくとも1つの用量分注ユニットは、支障なく凹部から持ち上げることが可能となる。当然ながら、用量分注ユニットを凹部に固定的に着座させた状態に保持するために、例えばクランプ、フック、ラグなど、他の固定手段を使用することも可能である。
【0014】
取扱いを可能な限り簡単におよび安全にするために、ならびに内部に収容される物質に対する必要な保護を実現するために、少なくとも1つのチャンバが、保護ハウジングに形成され、処理剤で充填される。この少なくとも1つのチャンバは、内部スペースの方向に向けられた通路開口を有する。
【0015】
有利には、この通路開口は、チャンバ閉鎖要素により、気密式に閉鎖させることが可能である。したがって、チャンバに収容される処理剤は、保護ハウジングを製造する工程内ですでに、チャンバ内に充填され、チャンバ閉鎖要素により気密式にシールすることが可能である。
【0016】
例えば乾燥剤を有する小バッグが直に物質と共に封入される、気密式に閉鎖させることが可能なラボラトリ容器が、日常的に使用されることが知られているが、本発明による構成により、この従来の保管コンセプトに勝る多数の利点が提供される。
【0017】
処理剤は、ラボラトリ物質を取り出す際に、およびラボラトリ物質容器ユニットの取扱いにおいて、処理剤に関していかなる問題も生じないように、ラボラトリ物質から常に空間的に分離される。さらに、処理剤は、蓋部を底部に連結する直前に保護ハウジングのチャンバ閉鎖要素が開かれ、それにより処理剤が効力を発揮することが可能となる時点では、すでに定位置にあり、例えば不飽和状態など、完全状態にある。
【0018】
保護ハウジングのチャンバ閉鎖要素がすでに開いていることが判明した場合には、これは、保護ハウジングがすでに使用され、そのため処理剤が飽和状態にある可能性があり、したがってもはや効力を有さないこと、ならびに、保護ハウジングの内部が汚染されている可能性があることを、明白に示唆することとなる。したがって、チャンバ閉鎖要素は、再度閉じることが不可能であるように設計されると、有利となる可能性がある。例えば、保護ハウジング上に形成された剥ぎ取りタグ、または剥ぎ取りシールステッカを、チャンバ閉鎖要素として使用することが可能である。
【0019】
当然ながら、チャンバ閉鎖要素は、任意の実現可能な機能原理にしたがって設計することが可能であり、例えば、傾斜させるまたは回転させることによって開閉させることが可能な、ヒンジ式蓋または回転式閉鎖要素であってよい。
【0020】
保管すべきラボラトリ物質に応じて、様々な処理剤を使用することができる。処理剤として使用されることが知られている物質は、例えば、シリカゲル、分子ふるい、活性炭、および活性粘土(カリウムベントナイト)などの結合剤である。しかし、処理剤は、結合剤である必要は必ずしもない。例えば空気から酸素を拘束するまたは置換する処理剤をチャンバに充填することも、実に可能である。置換処理剤を使用する場合には、当然ながら、例えば圧力逃がし弁など、内部スペースから外部への出口が必要である。好ましくは、処理剤は、固体の形態で存在するが、当然ながら、液体または気体としてチャンバ内に充填させることも可能であり、その場合には、チャンバ閉鎖要素および通路開口は、処理剤の凝集状態に応じて設計されなければならない。特別な解決策のために、保管期間の間にリザーバ容器内にてラボラトリ物質を変化させるように意図的に企図されたチャンバ内に、反応成分を充填することが、さらに予期し得る。このような特別な解決策は、処理剤の代わりに、例えば水を、さらには硝酸カリウムなどの酸素担体をチャンバに充填することにより、例えば老化試験において使用することが可能である。
【0021】
当然ながら、通路開口は、非常に様々な様式で構成することが可能である。好ましくは、通路開口は、処理剤が通路開口を通り内部スペース内に漏れることが不可能であるが、通路開口によりガスの通過は依然として可能であるように設計される。粗粒シリカゲルが使用される場合には、例えばふるい挿入物を使用することで十分であるが、より細かい粉の場合には、通路開口内にガス透過性膜または薄織物を配置することが好ましい。
【0022】
同一の保護ハウジングを二度以上使用しなければならない場合には、保護ハウジングは、2つ以上のチャンバを有することが可能であり、各チャンバは、それぞれのチャンバ閉鎖要素を有する。1つの可能な実施形態においては、これらのチャンバはそれぞれ、各チャンバ閉鎖要素を開くことによりラボラトリ物質に特定的に適する1つの処理剤を作用させることが可能となるように、異なる処理剤で充填されてよい。当然ながら、各チャンバ閉鎖要素は、適切な使用説明書を備えることが可能である。当然ながら、2つ以上のチャンバ閉鎖要素を取り外すことにより、一度に複数の処理剤を作用させることが可能である。
【0023】
特に大型の物質保管システムにおいては、保管された物質を個別に監視することが可能であるという利点は、非常に大きな価値を有する。処理剤またはラボラトリ物質の状態の確認を可能にするために、少なくとも1つの指示器および/またはセンサを、少なくとも1つのチャンバ内に、および/または内部スペース内に、および/または該当する場合には蓋チャンバ内に、配置することが可能である。センサは、湿度センサ、圧力センサ、ガスセンサ、または光センサであってよい。
【0024】
好ましくは、この少なくとも1つのセンサは、ラボラトリ物質容器ユニットの内側または外側に配置される監視ユニットに無線結合連結または有線結合連結される。外部に配置された監視ユニットは、物質保管管理システムに接続させることが可能である。ラボラトリ物質容器ユニットに異常が生じるとすぐに、例えば物質保管管理システムに連結されたロボットが、問題のラボラトリ物質容器ユニットを取り出し、出口または処分ステーションにそのラボラトリ物質容器ユニットを置くように自動的に作動されることが可能であることが、考えられる。
【0025】
チャンバが、観察窓および指示器を備える場合には、処理剤の状態、またはラボラトリ物質容器ユニットの内部スペース内の条件を、光学的に確認することも可能である。このような指示器は、例えばある特定の水分飽和度に達すると青から赤へと変色するシリカゲルなどの、処理剤であってよい。上述の監視ユニットは、この場合には、光センサにより処理剤の状態を監視することが可能であるが、この光センサは、ラボラトリ物質容器ユニットの内部に配置される必要すらなく、観察窓を介して変色を記録することが可能である。光センサは、この場合には、ラボラトリ物質容器ユニットの設置位置に常設させることが可能である。
【0026】
当然ながら、リザーバ容器、および/または分注ヘッドの少なくとも1つのハウジング構成要素、および/または保護ハウジングは、透明材料から構成することが可能である。これにより、ラボラトリ物質容器ユニット内に残存する物質の量を確認するための、問題のない方法が可能となる。さらに、分注ヘッドが依然としてしっかりとシールされているか否か、または、ラボラトリ物質が保護ハウジングの内部スペース内にもしくは凹部内にすでに存在しており、そのため保護ハウジングを取り外す際に汚染の危険があるか否かを確認することが可能となる。
【0027】
環境による有害な放射線から、ラボラトリ物質容器ユニット内に充填されたラボラトリ物質を保護する手段として、透明材料は、光の特定の波長に対するフィルター特性を有することが可能であり、または、このようなフィルター特性を有する材料によって被覆することが可能である。例えば、従来の一解決策は、必要なフィルター特性を有する褐色ガラスを使用することである。
【0028】
フィルター特性を有する被覆される材料が、内部スペース内に配置されると、これは、指示器特性を有することも可能となる。例えば、内部スペース内の相対空気湿度が、高すぎる場合には、被覆材料は、この湿度により変色することが可能である、またはその透明性を失うことさえも可能である。被覆材料は、それ自体が水分の一部を吸収することも可能であり、したがって、処理剤としての役割を果たすことも可能である。
【0029】
保護ハウジングは、チャンバに加えて、逆止弁を備え、ガス供給源または真空ポンプに連結させることが可能な、少なくとも1つのガス入口および/または真空連結部を有することが可能である。ガス供給源または真空ポンプへの保護ハウジングの連結は、初めの保管期間の間維持することが可能であり、または、充填もしくは排出するための短期間の間のみ行うことが可能である。ガス供給源または真空ポンプにより、保護ハウジングの内部スペースを、ガス雰囲気または準雰囲気圧のいずれかによって満たすことが可能となり、さらにこのガス雰囲気または準雰囲気圧は、分注ヘッドを通りリザーバ容器内に広がり、用量分注ユニット内の空気と入れ替わる。これは、例えば、少なくとも1つのチャンバ内の処理剤の有効寿命に影響を与えることが可能である。保護ハウジング内および用量分注ユニット内の準雰囲気圧または部分真空は、漏れが生じた場合に空気がラボラトリ物質容器ユニット内に侵入しても、物質は外部に漏れることは不可能であるため、追加的な安全手段としての役割を果たすことが可能である。容器ユニットの内部のガス雰囲気または部分真空を維持することを可能にするためには、密閉式(気密式)閉鎖が必要である。当然ながら、容器ユニットおよびリザーバ容器は、圧力に耐えるのに十分な強度を有するように設計されなければならない。
【0030】
ガス連結に加えて、またはガス連結の代替として、保護ハウジングは、内部スペースにガスを充満させるために外部から作動させることが可能な少なくとも1つのガスカートリッジをさらに備えることが可能である。外部から作動させるため、まず初めに用量分注ユニットが、保護ハウジングによって覆われ、ガスカートリッジの弁が、例えば外部からアクセス可能な押しボタンまたは回転ノブなどによって作動可能であることが必要となる。この設計に応じて、ガスカートリッジの弁は、不可逆的に開くことが可能であるか、または、再度閉じることが可能であってよい。ガスカートリッジの弁を再度閉じることが可能である場合には、それにより、保護ハウジングが二度以上取り外される際に、ラボラトリ物質容器ユニットの再度の組立ての後にその都度ガスで内部スペースを再び充満可能にすることが、可能となる。有利な1つの機能部として、カートリッジのガスによって置き換えられる空気が内部スペースから外部に逃げることが可能となるように、逆止弁を備える開口が存在すべきである。また、保護ハウジングと用量分注ユニットとの間の連結部を介して短期間の間漏れが生じ、それにより内部スペース内の過圧をこの漏れによって解放させることが可能となるような程度にまで、ハウジングが内圧下において膨張する場合には、保護ハウジングと用量分注ユニットとの間の連結部を、このような開口の代わりとすることも可能である。
【0031】
少なくとも1つの凹部の合致形状により、分注ヘッドが凹部内に着座する間は、分注の外部に付着する用量物質は、凹部内に蓄積し、凹部内に捕獲された状態で留まることが可能となる。好ましくは、この凹部は、ラボラトリ物質粒子を拘束する挿入物を収容することが可能である。例えば、このような挿入物は、ラボラトリ物質粒子を静電気により引き寄せるフェルト挿入物またはマイクロファイバ挿入物であってよい。当然ながら、湿潤スポンジ、吸引デバイス、回転洗浄ブラシ、および同様のものなど、他の種類の挿入物を使用することも可能である。
【0032】
他の一実施形態においては、識別手段を、リザーバ容器に、および/または分注ヘッドに、および/または保護ハウジングに配置させることが可能である。この識別手段は、好ましくは、RFIDタグ、バーコードラベルもしくはマトリクスコードラベル、または印刷接着ラベルもしくは手書き接着ラベルである。
【0033】
他の安全要素として、ラボラトリ物質容器ユニットは、不正防止安全ラベルまたは不正防止シールによってシールすることが可能であり、この不正防止安全ラベルまたは不正防止シールは、保護ハウジングから用量分注ユニットを取り出すためには、視認可能な状態に破られなければならないように設計される。
【0034】
当然ながら、上述のラボラトリ物質容器ユニットの取扱いは、ラボラトリロボットによって自動化させることが可能である。このコンセプトを実施するためには、ラボラトリロボットは、以下に説明される工程を実施することが可能である。
【0035】
ラボラトリ物質容器ユニットを充填し、輸送し、保管する方法において、
・ 用量分注ユニットのリザーバ容器は、ラボラトリ物質で充填され、分注ヘッドは、リザーバ容器に連結され、
・ 用量分注ユニットは、底部の凹部内に設置され、通路開口のチャンバ閉鎖要素は、取り外され、または開かれ、用量分注ユニットは、蓋部に底部を連結させることにより、保護ハウジング内に封入され、
・ ラボラトリ物質容器ユニットは、適切に識別され、場合によってはシールされ、保管所に入れられる、またはその送付先に送られる。
【0036】
充填されたラボラトリ物質容器から物質を分注する方法において、
・ 底部から蓋部を分離させることにより、保護ハウジングは、用量分注ユニットから取り外され、
・ 用量分注ユニットは、作動デバイスに連結され、収容容器の上方の位置に移動され、
・ 用量分注工程が、開始され、
・ 規定の物質量が、1つまたは複数の収容容器内に分注された後に、用量分注ユニットは、作動デバイスから取り外され、
・ 用量分注ユニットは、底部の凹部内に設置され、少なくとも1つの通路開口のチャンバ閉鎖要素は、取り外され、または開かれ、用量分注ユニットは、蓋部に底部を連結させることにより、保護ハウジング内に封入され、
・ ラボラトリ物質容器ユニットは、保管所に戻される、または処分される。
【0037】
さらに前において述べたように、1つまたは複数のラボラトリ物質容器ユニットを監視するための監視ユニットが存在してよい。充填され、保管所に入れられたラボラトリ物質容器ユニットを監視する方法が、以下のステップ、すなわち、
・ センサから監視ユニットへの測定信号接続が、継続的にもしくは周期的に保たれ、またはユーザの入力により開始されるステップと、
・ センサにより継続的に、または周期的に、または一度に送信される測定信号が、監視ユニットによって受信され記録されるステップと、
・ 監視ユニットによって受信された少なくとも1つの測定信号、または測定信号から取得された測定値が、監視ユニット内に記憶された少なくとも1つのしきい値と比較されるステップと、
・ しきい値を超過したことが判明した場合には、警告信号が、監視ユニットに付属する出力ユニットに、または指示器に送信されるステップと
を含むことが可能である。
【0038】
前述の説明から結論付けることが可能である通り、指示器は、例えば変色によってなど、変化を示す物質では必ずしもない。また、指示器は、監視ユニットおよび出力ユニット、ならびに場合によってはセンサを備える電子構成要素であることも可能である。しきい値は、その値を超過した場合に、ラボラトリ物質容器ユニット内に収容されるラボラトリ物質が悪影響を受けるおそれがあるような境界に相当する。例えば、ある粉末状のラボラトリ物質において、内部スペース内の相対湿度が0%から15%である場合には、この物質が自由に流れることが可能であることに対する影響はまったくないが、値が15%を超過すると、各粉末粒子は互いに付着し始める、という可能性がある。したがって、この例におけるしきい値は、15%となる。
【0039】
他の可能性として、例えば、超過した場合にはラボラトリ物質の完全分解を想定しなければならなくなる最高許容温度などの、限度値を規定することが可能である。第2の例として、しきい値が、ラボラトリ物質が分解し始める限度値よりも低い温度に設定される場合には、しきい値を超過した時点の複数の事象を把握すること、およびその超過が継続した期間を把握することにより、ならびに、温度がしきい値を超過した間の作動累積合計時間を記録することにより、ラボラトリ物質の残りの有効寿命を算出することが可能となる。
【0040】
図面に図示される実施形態の説明より、ラボラトリ物質容器ユニットの詳細が明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】用量分注ユニットが、保護ハウジングの底部の凹部内に配置され、鐘形状蓋部が、底部から持ち上げられた状態の、第1の実施形態によるラボラトリ物質容器ユニットの3次元図である。
【図2】用量分注ユニットが内部スペース内に配置された状態の、組み立てられた状態の、第2の実施形態による空のラボラトリ物質容器ユニットの断面図である。
【図3】チャンバが、底部内および蓋部内に形成され、ラボラトリ物質容器ユニットの構成体が、監視ユニット、センサ、およびガス連結器ポートを備える、第3の実施形態によるラボラトリ物質容器ユニットの3次元図である。
【図4】保管可能なまたは輸送可能な状態の、組み立てられた状態の、第1および第3の実施形態によるラボラトリ物質容器ユニットの図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1のラボラトリ物質容器ユニット100が、本発明の第1の実施形態に相当する。用量分注ユニット110が、ねじ式連結によって共に連結される細長円筒状リザーバ容器111および分注ヘッド112を備える。分注ヘッド112は、例えば、コーン弁、コンベヤスクリュー、ふるい挿入物、スライダゲート、および同様のものなどの、任意の既知の機能原理にもとづくことが可能である。したがって、分注ヘッド112の特定の構成は、本発明とは無関係であるため、任意に選択することが可能である。
【0043】
さらに、ラボラトリ物質容器ユニット100は、2つの部品を有する保護ハウジング120を備える。保護ハウジング120は、底部122および蓋部121を有する。蓋部121と底部122との連結部は、複数の傾斜路を備えるねじ山部124を備える。この連結部により、蓋部121を、底部122にしっかりと接合することが可能となる。さらに、底部122は、分注ヘッド112の外側形状に合致する凹部123を有し、そのため、用量分注ユニット110は、その通常の配向において底部122内に設置させることが可能である。底部122内への用量分注ユニット110の着座後に用量分注ユニット110を覆って設置される、保護ハウジング120の蓋部121は、基本的には、鐘形状覆いまたは上下逆さ状態のカップとして構成される。ねじ山部124の代替として、例えば、スナップ式閉鎖デバイス、締め金(clamping claws)、および同様のものなど、他の適切な連結手段を使用することも、当然可能である。好ましくは、この連結部は、シール手段を備え、これは、図2のコンテクストにおいてさらに詳細に説明される。
【0044】
この第1の実施形態においては、好ましくは、蓋部121および試験管形状リザーバ容器111は、ラボラトリ物質を支障なく視覚的に確認することが可能となるように、透明材料から構成される。
【0045】
図2は、用量分注ユニット110が、組み立てられた保護ハウジング220の内部スペース225内に配置された、第2の実施形態によるラボラトリ物質容器ユニット200の部分断面図を示す。図1に示される蓋部とは異なり、図2の蓋部221は、固定部分229を形成する段形状を有する。この固定部分229は、分注ヘッド112が底部222の凹部223内に捕捉された状態で保持されるように、用量分注ユニット110の分注ヘッド112に圧接する。この設計特徴により、リザーバ容器111の長さにかかわらず、用量分注ユニット110を内部スペース225内に固定させることが可能となり、それにより、リザーバ容器の長さを蓋部221に適合させる必要がなくなる。
【0046】
2つの部分からなる保護ハウジング220を気密式にシールすることが可能となるように、底部222は、裁頭円錐形状シール鞍部227を有する。蓋部221は、リング形状シールリップ226を有し、このリング形状シールリップ226の内径は、蓋部221が底部222に接合される際に、シールリップ226が伸張される、および/または、シール鞍部227が圧縮されるように、シール鞍部227に適合されている。これにより、少なくともシールリップ226および/またはシール鞍部227は、弾性材料から構成すべきこととなる。
【0047】
さらに、底部222は、処理剤290を有する袋を収容することが可能なチャンバ228を備える。この袋を固定するために、固定手段(図には示されない)を、チャンバ228の開放端部に配置させることが可能である。しかし、この袋は、チャンバ228内に接着式に固定させることも可能であり、または、この袋の寸法を、十分な静摩擦により袋がチャンバ内に付着した状態を維持するような寸法とすることも可能である。
【0048】
図3は、第3の実施形態におけるラボラトリ物質容器ユニット300の3次元図を示す。保護ハウジング320の底部322内および蓋部321内には、チャンバ331、332が形成され、これらは破線によって示される。チャンバ331、332はそれぞれ、通路開口333、334を有し、これらは、内部スペースの方向に向けられる。チャンバ331、332には、処理剤を充填することが可能である。通路開口333、334は、チャンバ閉鎖要素339によって閉じることが可能となるように設計することが可能である。図3に図示されるチャンバ閉鎖要素339は、通路開口333から取り外された接着ラベルである。当然ながら、例えば再度閉じることが可能な種類のチャンバ閉鎖要素など、様々なチャンバ閉鎖要素339を使用することも可能である。
【0049】
処理剤の状態の確認を可能にする手段として、指示器を、チャンバ331、332内に、または保護ハウジング320の内部スペース内に配置することが可能である。指示器または処理剤を視覚的に確認することが可能となるように、保護ハウジング320は、透明材料から構成されてよい、または、少なくとも観察窓335を備えてよい。
【0050】
指示器は、例えば変色するシリカゲルまたはリトマス試験紙など、視覚的に認識される要素である必要は必ずしもない。また、指示器は、物理的接続および/または無線接続338により監視ユニット337に接続させることが可能なセンサ336であってもよい。センサ336の測定信号にもとづき、監視ユニット337は、処理剤の状態または保護ハウジング320内部の雰囲気条件を記録することが可能であり、この情報から、保護ハウジング320を開く必要を伴わずに、ラボラトリ物質の状態、処理剤の状態、さらに該当する場合には用量分注ユニット310の状態を判定することが可能である。場合によっては、測定信号、およびセンサ336の測定結果を使用して、保管条件に左右されることとなるラボラトリ物質の有効期限を判定することも可能である(ラボラトリ物質の残りの保管寿命の算出)。
【0051】
ラボラトリ物質容器ユニット300内のラボラトリ物質の保管寿命を最長化するための手段として、保護ハウジング320は、ガス連結器ポート340をさらに有することが可能である。このガス入口340により、例えば保護ガスを内部スペース内に送ることが可能となる。また、ガス連結器ポート340を使用して、内部スペース内に準雰囲気圧を生じさせることも可能である。周囲圧との差圧により、保護ハウジング320を誤って開くことが不可能となり、または少なくとも困難となり、これにより、保護の度合が増大する。
【0052】
図4に図示されるラボラトリ物質容器ユニット400は、図1および図3に図示されるラボラトリ物質容器ユニットと実質的に類似のものであるが、閉じられた状態で示される。用量分注ユニット410(破線で描かれる)が、保護ハウジング420の内部に配置される。保護ラベル490またはいわゆる不正防止シールが、保護ハウジング420の底部422と蓋部421との間の接合部にまたがって装着される。さらに、図4は、用量分注ユニット410の出口開口415の位置を示す。さらに明らかであるように、底部422内の凹部423が、出口開口415を囲み、出口開口415の境界領域に付着するおそれのあるラボラトリ物質粒子のための捕獲容器としての役割を果たす。場合によっては、凹部423は、ラボラトリ物質粒子を拘束する挿入物429を収容することが可能である。このような挿入物429は、例えばラボラトリ物質粒子を静電気により引き寄せるフェルト挿入物またはマイクロファイバ薄織物挿入物であってよい。
【0053】
特定の実施形態の例によって本発明を提示したが、例えば、個々の実施形態の特徴を互いに組み合わせることにより、および/または、これらの実施形態の個々の機能ユニットを互いに交換することにより、多数の他の変形形態を、本発明の知識から製作することが可能であることは明らかである。例えば、図3に示される監視ユニット、ならびにこれに関連付けされるセンサ、または場合によっては種々のパラメータを測定するために使用される複数のセンサは、すべての他のラボラトリ物質容器ユニットにおいても使用することが可能である。用量分注ヘッドの他の実施形態が、種々の閉鎖手段に対して、および出口開口に対して、用量分注ユニットと保護ハウジングとの間の形状ロック連結部に関する様々な可能性および解決策と共に考えられる。
【符号の説明】
【0054】
100、200、300、400 ラボラトリ物質容器ユニット
110、310、410 用量分注ユニット
111 リザーバ容器
112 分注ヘッド
120、220、320、420 保護ハウジング
121、221、321、421 蓋部
122、222、322、422 底部
123、223、423 凹部
124 ねじ山部
225 内部スペース
226 シールリップ
227 シール鞍部
228、331、332 チャンバ
229 固定部分
290 処理剤
333、334 通路開口
335 観察窓
336 センサ
337 監視ユニット
338 物理的接続また無線接続
339 チャンバ閉鎖要素
340 ガス連結ポート
415 出口開口
429 挿入物
490 保護ラベル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保護ハウジング(120、220、320、420)と、リザーバ容器(111)および分注ヘッド(112)を備える少なくとも1つの用量分注ユニット(110、310、410)とを備える、ラボラトリ物質を保管および保護するためのラボラトリ物質容器ユニット(100、200、300、400)であって、前記少なくとも1つの用量分注ユニット(110、310、410)を作動準備状態にするために、前記保護ハウジング(120、220、320、420)は、前記用量分注ユニット(110、310、410)から分離可能となるように設計される、ラボラトリ物質容器ユニット(100、200、300、400)において、前記保護ハウジング(120、220、320、420)は、前記少なくとも1つの用量分注ユニット(110、310、410)に安定的な座部を提供するために少なくとも1つの適切に形作られた凹部(123、223、423)を有する底部(122、222、322、422)と、蓋部(121、221、321、421)とを備え、前記蓋部(121、221、321、421)は、しっかりとシールされた内部スペース(225)を形成するように前記底部(122、222、322、422)に連結させることが可能であり、輸送および保管のために、前記少なくとも1つの用量分注ユニット(110、310、410)は、前記閉鎖された保護ハウジング(120、220、320、420)の前記内部スペース(225)に配置されることを特徴とする、ラボラトリ物質容器ユニット(100、200、300、400)。
【請求項2】
前記凹部(123、221、421)は、前記分注ヘッド(112)に合致するように形作られることを特徴とする、請求項1に記載のラボラトリ物質容器ユニット(100、200、300、400)。
【請求項3】
前記蓋部(121、221、321、421)は、固定部分(229)を備え、前記用量分注ユニット(110、310、410)は、前記保護ハウジング(120、220、320、420)が閉鎖される際に、前記固定部分(229)により前記凹部(123、223、423)に固定させることが可能であることを特徴とする、請求項1または2に記載のラボラトリ物質容器ユニット(100、200、300、400)。
【請求項4】
前記保護ハウジング(120、220、320、420)は、前記ラボラトリ物質容器ユニット(100、200、300、400)が立つための安定的な基部を形成する平坦底部を有することを特徴とする、請求項1から3の一項に記載のラボラトリ物質容器ユニット(100、200、300、400)。
【請求項5】
少なくとも1つのチャンバ(228、331、332)が、前記底部(122、222、322、422)、および/または前記蓋部(121、221、321、421)に形成され、前記少なくとも1つのチャンバ(228、331、332)には、処理剤(290)を充填することが可能であり、前記チャンバ(228、331、332)は、前記内部スペース(225)の方向に向けられた通路開口(333、334)を有することを特徴とする、請求項1から4の一項に記載のラボラトリ物質容器ユニット(100、200、300、400)。
【請求項6】
前記通路開口(333、334)は、チャンバ閉鎖要素(339)により気密式にシールすることが可能であることを特徴とする、請求項5に記載のラボラトリ物質容器ユニット(100、200、300、400)。
【請求項7】
指示器および/または少なくとも1つのセンサ(336)が、前記少なくとも1つのチャンバ(228、331、332)に、および/または前記内部スペース(225)に配置されることを特徴とする、請求項1から6の一項に記載のラボラトリ物質容器ユニット(100、200、300、400)。
【請求項8】
前記少なくとも1つのセンサ(336)は、物理的接続(338)により、または無線接続により、前記ラボラトリ物質容器ユニット(100、200、300、400)に設置された監視ユニット(337)に、および/または外部に設置された監視ユニット(337)に接続されることを特徴とする、請求項7に記載のラボラトリ物質容器ユニット(100、200、300、400)。
【請求項9】
前記少なくとも1つのチャンバ(228、331、332)は、観察窓(335)を備えることを特徴とする、請求項1から8の一項に記載のラボラトリ物質容器ユニット(100、200、300、400)。
【請求項10】
前記リザーバ容器(111)、および/または前記分注ヘッド(112)の少なくともハウジング部品、および/または前記蓋部(121、221、321、421)、および/または前記底部(122、222、322、422)が、透明材料から構成されることを特徴とする、請求項1から9の一項に記載のラボラトリ物質容器ユニット(100、200、300、400)。
【請求項11】
前記透明材料は、光のある特定の波長に対するフィルター特性を有する、または、前記透明材料は、前記フィルター特性を有する材料によって被覆されることを特徴とする、請求項10に記載のラボラトリ物質容器ユニット(100、200、300、400)。
【請求項12】
前記フィルター特性を有する前記被覆される材料は、前記内部スペース(225)に配置され、前記材料は、指示器特性および/または処理剤特性を有することを特徴とする、請求項10に記載のラボラトリ物質容器ユニット(100、200、300、400)。
【請求項13】
前記保護ハウジング(120、220、320、420)は、逆止弁を備え、ガス供給源もしくは真空ポンプに連結させることが可能な、少なくとも1つのガス連結器ポート(340)および/または真空連結器ポート(340)を備え、それにより、前記ガス供給源もしくは真空ポンプを介して、ガス雰囲気または準雰囲気圧のいずれかを、前記保護ハウジング(120、220、320、420)の前記内部スペース(225)において確立することが可能であることを特徴とする、請求項1から12の一項に記載のラボラトリ物質容器ユニット(100、200、300、400)。
【請求項14】
前記保護ハウジング(120、220、320、420)は、少なくとも1つのガスカートリッジを備え、前記少なくとも1つのガスカートリッジは、外部から作動されるように設計され、前記内部スペース(225)を充満させる役割を果たすことを特徴とする、請求項1から13の一項に記載のラボラトリ物質容器ユニット(100、200、300、400)。
【請求項15】
識別手段が、前記リザーバ容器(111)に、および/または前記分注ヘッド(112)に、および/または前記保護ハウジング(120、220、320、420)に配置され、前記識別手段は、好ましくは、RFIDタグ、バーコードラベルもしくはマトリクスコードラベル、または印刷接着ラベルもしくは手書き接着ラベルであることを特徴とする、請求項1から14の一項に記載のラボラトリ物質容器ユニット(100、200、300、400)。
【請求項16】
前記ラボラトリ物質容器ユニット(100、200、300、400)は、不正防止保護ラベル(490)によってシールされ、前記不正防止保護ラベル(490)は、前記保護ハウジング(120、220、320、420)から前記用量分注ユニット(110、310、410)を取り出すためには、視認可能な状態に破られなければならないように設計されることを特徴とする、請求項1から15の一項に記載のラボラトリ物質容器ユニット(100、200、300、400)。
【請求項17】
前記凹部(123、223、423)は、ラボラトリ物質粒子を拘束する役割を果たす挿入物(429)を収容することを特徴とする、請求項1から16の一項に記載のラボラトリ物質容器ユニット(100、200、300、400)。
【請求項18】
請求項1から17の一項に記載のラボラトリ物質容器ユニット(100、200、300、400)を充填し、輸送し、保管する方法において、
a.前記用量分注ユニット(110、310、410)の前記リザーバ容器(111)は、ラボラトリ物質で充填され、前記分注ヘッド(112)は、前記リザーバ容器(111)に連結され、
b.前記用量分注ユニット(110、310、410)は、前記底部(122、222、322、422)の前記凹部(123、223、423)内に設置され、通路開口(333、334)の前記チャンバ閉鎖要素(339)は、取り外され、または開かれ、前記用量分注ユニット(110、310、410)は、前記蓋部(121、221、321、421)に前記底部(122、222、322、422)を連結させることにより、前記保護ハウジング(120、220、320、420)に封入され、
c.前記ラボラトリ物質容器ユニット(100、200、300、400)は、適切に識別され、場合によってはシールされ、保管所に入れられる、またはその送付先に送られる
ことを特徴とする、方法。
【請求項19】
請求項1から17の一項に記載の充填されたラボラトリ物質容器(100、200、300、400)からラボラトリ物質(150)を分注する方法において、
a.前記底部(122、222、322、422)から前記蓋部(121、221、321、421)を分離させることにより、前記保護ハウジング(120、220、320、420)は、前記用量分注ユニット(110、310、410)から取り外され、
b.前記用量分注ユニット(110、310、410)は、作動デバイスに連結され、収容容器の上方の位置に移動され、
c.用量分注工程が、開始され、
d.規定の物質量が、1つまたは複数の収容容器内に分注された後に、前記用量分注ユニット(110、310、410)は、前記作動デバイスから取り外され、
e.前記用量分注ユニット(110、310、410)は、前記底部(122、222、322、422)の前記凹部(123、223、423)内に設置され、通路開口(333、334)の前記チャンバ閉鎖要素(339)は、取り外され、または開かれ、前記用量分注ユニット(110、310、410)は、前記蓋部(121、221、321、421)に前記底部(122、222、322、422)を連結させることにより、前記保護ハウジング(120、220、320、420)に封入され、
f.前記ラボラトリ物質容器ユニット(100、200、300、400)は、保管所に戻される、または処分される
ことを特徴とする、方法。
【請求項20】
充填され、保管所に入れられた、請求項7に記載のラボラトリ物質容器ユニット(100、200、300、400)を監視する方法において、
a.前記センサ(336)と前記監視ユニット(337)との間の測定信号接続が、継続的にもしくは周期的に保たれ、またはユーザの入力により開始され、
b.前記センサ(336)により継続的に、または周期的に、または一度に送信される測定信号が、前記監視ユニット(337)によって受信され、かつ記録され、
c.前記監視ユニット(337)によって受信された少なくとも1つの測定信号、または前記測定信号から取得された測定値が、前記監視ユニット(337)に記憶された少なくとも1つのしきい値と比較され、
d.前記しきい値を超過した場合には、警告信号が、前記監視ユニット(337)に付属する出力ユニットに、または前記指示器に送信される
ことを特徴とする、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−527849(P2010−527849A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−502482(P2010−502482)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【国際出願番号】PCT/EP2008/053764
【国際公開番号】WO2008/122528
【国際公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(599082218)メトラー−トレド アクチェンゲゼルシャフト (130)
【住所又は居所原語表記】Im Langacher, 8606 Greifensee, Switzerland
【Fターム(参考)】